JP7437473B2 - 研磨パッドのリフレッシュ方法、これを用いた半導体素子の製造方法および半導体素子の製造装置 - Google Patents

研磨パッドのリフレッシュ方法、これを用いた半導体素子の製造方法および半導体素子の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、研磨パッドのリフレッシュ方法に関し、前記研磨パッドのリフレッシュ方法を用いた半導体素子の製造方法および半導体素子の製造装置に関する。
化学機械的平坦化(Chemical Mechanical Planarization、CMP)または化学機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、CMP)工程は、多様な技術分野において多様な目的によって行われる。CMP工程は、研磨対象の所定の研磨面を対象に行われ、研磨面の平坦化、凝集された物質の除去、結晶格子の損傷の解消、スクラッチおよび汚染源の除去などの目的で行われる。
半導体工程のCMP工程技術の分類は、研磨対象の膜質または研磨後の表面の形状によって区分することができる。例えば、研磨対象の膜質によって単一シリコン(single silicon)またはポリシリコン(poly silicon)に分けられ、不純物の種類によって区分される多様な酸化膜またはタングステン(W)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)などの金属膜CMP工程に分類することができる。そして、研磨後の表面の形状によって、基板表面の粗さを緩和させる工程、多層回路配線によって発生する段差を平坦化する工程、研磨後の回路配線を選択的に形成するための素子分離工程に分類することができる。
CMP工程は、半導体素子の製造過程で複数適用可能である。半導体素子の場合、複数の層を含み、各層ごとに複雑で微細な回路パターンを含むことができる。また、最近、半導体素子は、個別的なチップの大きさは減少し、各層のパターンはより複雑で微細になる方向へ進化しつつある。これにより、半導体素子を製造する過程で回路配線の平坦化の目的だけでなく、回路配線の分離および配線表面改善の応用などにCMP工程の目的が拡大し、その結果、より精巧で信頼性のあるCMP性能が要求されている。
このようなCMP工程に用いられる研磨パッドは、摩擦により研磨面を要求される水準に加工する工程用部品であって、研磨後の研磨対象の厚さ均一度、研磨面の平坦度および研磨品質などにおいて最も重要な要素の一つと考えられる。
前記CMP工程に用いられる研磨パッドは、研磨対象の所定の研磨面を対象に、研磨面の平坦化、凝集された物質の除去、結晶格子の損傷の解消、スクラッチおよび汚染源の除去などの目的で研磨工程が行われ、研磨工程の繰り返し進行によって、研磨パッドの研磨性能が低下すると、研磨パッドを取替え、使用完了した研磨パッドは廃棄される。
使用完了した研磨パッドは再使用が不可能であり、廃棄によって環境汚染の問題を発生しうる。このような問題を防止するために、既存の使用寿命より長く研磨工程に用いられる研磨パッドの処理方法が必要である。
本発明の目的は、研磨工程に用いた研磨パッドの使用寿命を増加させて、研磨パッドの廃棄量を減少させることができる研磨パッドのリフレッシュ方法を提供しようとする。
本発明の他の目的は、前記研磨パッドのリフレッシュ方法を用いて研磨パッドの使用寿命を増大し、研磨工程上研磨パッドの取替周期を延長して、半導体素子の製造工程での効率を大きく向上させることができる半導体素子の製造方法を提供しようとする。
本発明の他の目的は、研磨工程に用いた研磨パッドの使用寿命を増加させることができる半導体素子の製造装置を提供しようとする。
上記の目的を達成するために、本発明の一実施形態によれば、研磨パッドに水蒸気を供給するステップを含み、前記研磨パッドは、研磨面を備えた研磨層を含み、前記研磨層が複数の気孔を含み、前記研磨面が前記複数の気孔に由来する微細凹部を含む研磨パッドのリフレッシュ方法に関する。
本発明の他の実施形態によれば、研磨面を含む研磨パッドを定盤に装着するステップと、前記研磨面に研磨対象の被研磨面が当接するように配置した後、加圧条件下、前記研磨パッドと前記研磨対象を互いに相対回転させながら前記研磨対象を研磨させるステップと、前記研磨パッドの前記研磨面に水蒸気を供給するステップとを含む半導体素子の製造方法に関する。
本発明の他の実施形態によれば、研磨パッドが装着される定盤と、半導体基板が装着されるキャリアと、水蒸気噴射部とを含み、前記水蒸気噴射部が定盤に装着された研磨パッドに水蒸気を供給する半導体素子の製造装置に関する。
本発明は、研磨工程に用いられた研磨パッドの使用寿命を増加させて、研磨パッドの廃棄量を減少させることができる研磨パッドのリフレッシュ方法に関する。
また、前記研磨パッドのリフレッシュ方法を用いて研磨パッドの使用寿命を増加させ、これによって研磨工程上で研磨パッドの取替回数を減少させて、半導体素子の製造工程効率を大きく向上させることができる。
研磨工程に関するフローチャートである。 研磨パッドのリフレッシュ方法を含む研磨工程に関するフローチャートである。 3次元表面粗さのパラメータに関する概念図である。 表面粗さのパラメータであるSvkおよびSpkに関する概念図である。 研磨工程によって研磨パッドの研磨面に形成された微細凹部の形状変化に関する図である。 本発明の一実施形態に係る研磨装置に関する構成図である。 本発明の一実施形態に係る研磨装置に関する構成図である。 本発明の一実施形態に係る研磨パッド表面の3Dイメージである。 本発明の一実施形態に係る研磨パッド表面の3Dイメージである。 本発明の一実施形態に係る研磨面に対するSEM写真である。 本発明の一実施形態に係る研磨面に対するSEM写真である。 本発明の一実施形態に係る研磨面に対するSEM写真である。 本発明の一実施形態に係る研磨面に対するSEM写真である。
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は後述する実施形態または実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は以下に開示される実施形態または実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現できる。下記に明示された実施形態または実施例は本発明の開示が完全となるようにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を知らせるために提供されるものに過ぎず、本発明の権利範囲は特許請求の範囲の範疇によって定義される。
図面において、必要に応じて、層または領域を明確に表現するために一部構成の厚さを拡大して示した。また、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。明細書全体にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を指し示す。
本明細書において、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」または「上部に」あるとする時、これは、他の部分の「真上に」ある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含むと解釈される。ある部分が他の部分の「真上に」あるとする時には、中間に他の部分がないことを意味すると解釈される。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下に」または「下部に」あるとする時、これは、他の部分の「真下に」ある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含むと解釈される。ある部分が他の部分の「真下に」あるとする時には、中間に他の部分がないものと解釈する。
本明細書において、数値範囲を示すにあたり、「~以上」の意味は、その当該数字あるいはそれより多い場合を含むと解釈される。例えば、「2以上」は、2つまたはそれより多い場合を意味する。また、数値範囲に対する「X~Y」の記載は、XまたはYを含む範囲と解釈される。例えば、「25~50」は、25および50を含む数値範囲を意味する。
本明細書において、「第1」または「第2」などで修飾される構成は、これを含む上位構成が互いに異なるため、これを区分するために修飾して記載したものに過ぎず、このような記載自体で相互異なる成分または異なる組成を含むと解釈されない。
本明細書において、「前記研磨パッドに水蒸気を供給する直前の状態」は、研磨パッドに水蒸気が供給される時点で1分~10分前の状態、および前記研磨パッドの研磨面において表面粗さ(Sa)が3μm~4.5μm以内の状態のいずれか1つに相当する場合、または両方とも相当する場合を意味する。
本明細書において、「前記研磨パッドに水蒸気を供給した直後の状態」は、水蒸気の供給が中断されてから1分~10分を意味する。
本明細書において、「目標研磨率に達しない研磨パッド」の意味は、か焼セリアスラリーが200mL/分の速度で供給され、3.5psiの荷重で研磨対象の半導体基板を加圧し、研磨パッドの回転速度が93rpmであり、半導体基板の回転速度が87rpmとして60秒間酸化ケイ素膜を研磨する工程条件下での研磨率が1,800Å/min以下の場合を意味する。
本明細書において、「目標研磨不均一度に達しない研磨パッド」の意味は、か焼セリアスラリーが200mL/分の速度で供給され、3.5psiの荷重で研磨対象の半導体基板を加圧し、研磨パッドの回転速度が93rpmであり、半導体基板の回転速度が87rpmとして60秒間酸化ケイ素膜を研磨する工程条件下での研磨不均一度が9%以下の場合をいう。
本明細書において、「リフレッシュ」とは、研磨工程に用いた研磨パッド、目標研磨率に達しない研磨パッドおよび/または目標研磨不均一度に達しない研磨パッドが、i)水蒸気を供給するか、ii)水蒸気供給およびコンディショニングなどの処理により、研磨パッドの使用寿命時間が増加することを意味する。
本明細書において、「持続」は、使用した研磨パッドを定盤に装着された状態で水蒸気を供給する時間についてのもので、研磨工程に用いた半導体基板をキャリアから脱着し、新しい半導体基板をキャリアに装着し、研磨工程が再度開始されるまでの時間を意味する。
以下、本発明に係る例示的な実施形態に関して詳しく説明する。
本発明の一実施形態において、研磨パッドに水蒸気を供給するステップを含み、前記研磨パッドは、研磨面を備えた研磨層を含み、前記研磨層が複数の気孔を含み、前記研磨面が前記複数の気孔に由来する微細凹部を含む研磨パッドのリフレッシュ方法を提供することができる。
図1は、従来の研磨システムに関するフローチャートである。具体的には、定盤の上部に研磨パッドが装着され、キャリアに半導体基板が装着(10)され、前記キャリア内に半導体基板の研磨面が研磨パッドの研磨層に当接するように配置した後、加圧条件下、相対回転によって研磨工程が進行(20)することができる。
前記研磨工程は、研磨面にスラリーが流入(21)し、キャリアに装着された半導体基板が研磨面と当接した状態で相対回転して行われる。同時に、コンディショナによって研磨層のコンディショニング工程(22)が行われる。
前記コンディショニング工程(22)は、研磨層が一定水準以上に研磨性能を維持させるためのものであってもよい。具体的には、研磨パッドは、研磨面を備えた研磨層を含み、前記研磨層は、複数の気孔を含み、前記研磨面は、前記複数の気孔に由来する微細凹部を含み、前記微細凹部は、研磨工程によって加工残留物と反応生成物などによって、研磨性能が低下しうる。このような研磨性能の低下を防ぐために、前記コンディショニング工程(22)が微細凹部内の加工残留物と反応生成物による詰まり現象を防止して、研磨性能を維持することができる。
ただし、前記コンディショニング工程(22)は、研磨層の表面を削り取る工程で、前記コンディショニング工程(22)を繰り返すだけでは初期研磨パッドと同等水準に研磨性能が持続しない。
すなわち、研磨工程の進行時、コンディショニング工程(22)によって研磨パッドは研磨性能を一定水準以上に維持するが、繰り返される研磨工程によって研磨パッドの研磨性能は低下し、この場合、研磨性能が低下した研磨パッドを取替えることができる。
前記研磨パッドを取替えるか否かは、目標研磨時間範囲内に実際の研磨工程が進行するか否かにより確認(30)することができる。前記研磨工程が進行し、前記研磨工程に所要する時間が目標研磨時間範囲内を維持(31)する場合、研磨パッドは、取替なしに連続的な研磨工程が行われ、前記研磨工程に所要する時間が目標時間範囲超過(32)の場合、前記研磨パッドは取替えられ、取替えられた前記研磨パッドは再使用が不可能である。
前記の研磨工程は、半導体基板内の被研磨面の特性によって、研磨パッドの使用時間に差が生じ、研磨工程に使用された程度に比べて早く研磨パッドが取替えられる場合もある。
すなわち、研磨工程に用いられる研磨パッドが増加し、これによって廃棄される研磨パッドの量が増加すれば、環境汚染の問題を誘発することがある。また、研磨工程は連続工程で行われて、前記のように研磨パッドを取替えるためには、研磨工程が中断され、これによって半導体素子の製造工程効率が低下する問題が発生しうる。
上記のような問題を防止するために、本発明は、研磨パッドに水蒸気を供給するステップを含む研磨パッドのリフレッシュ方法に関する。
図2は、本発明の研磨パッドのリフレッシュ方法が適用された研磨工程に関するフローチャートである。前記図1のような順序で研磨パッドが装着(10)された後、研磨工程が進行(20)する。
研磨工程が進行すると、目標研磨時間範囲内に実際の研磨工程が進行するか否かを確認(30)することができる。前記従来の図1のような研磨工程は、前記ステップ(30)で目標研磨時間範囲内に属する場合、研磨工程が進行(31)し、前記目標研磨時間範囲内に含まれない場合、研磨パッドの取替(32)を行っていた。
ただし、本発明は、前記目標研磨時間範囲内に含まれない研磨パッドを取替えるのではなく、50℃~120℃の水蒸気を1分~10分間供給(40)して研磨パッドの使用寿命を増加させることができる。
前記研磨パッドに水蒸気を供給するステップ(40)により、研磨層に含まれた複数の気孔に由来する研磨面の微細凹部は形状が変化しうる。一実施例において、前記研磨層は、下記式1で表される前記微細凹部の形状変化による前記研磨面の表面粗さ(Sa)の変化率が30%~70%であってもよい:
[式1]
(Sar-Saf)/Saf×100
ここで、
Saは、前記研磨パッドに水蒸気を供給する前の、前記研磨面の表面粗さ(Sa)であり、
Saは、前記研磨パッドに水蒸気を供給した後の、前記研磨面の表面粗さ(Sa)である。
前記3次元算術平均表面粗さSaは、表面粗さのパラメータであるRaを3次元に拡張したパラメータで、フィルム表面におけるZ(x、y)絶対値の平均を意味する。すなわち、3次元上でのバレー領域を絶対値に変換してピークに変更した時の算術平均高さを意味する。前記Saは、平均面の平均高さ差の平均で、最も広く用いられる媒介変数の1つである。前記媒介変数は、スクラッチと汚染、そして測定ノイズの影響を大して受けない。
前記研磨面の表面粗さ(Sa)の変化率は、前記式1によって30%~70%であり、40%~69%であり、43%~68%であってもよい。前記範囲内で水蒸気の供給によって研磨面の微細凹部の形状が変化し、前記微細凹部の形状変化の程度は、研磨率(RR、Removal rate)および研磨不均一度(WIWNU、within-wafer nonuniformity)に影響を及ぼすことがある。
他の3次元表面粗さのパラメータであるSpkは、研磨層の中心の上に突出したピークの平均高さに対する値であり、Svkは、研磨層の中心の下に突出したグルーブの平均高さに対する値である。
前記SpkおよびSvkは、アボット曲線(Abbott curve)を用いて定義されるもので、図4のアボット曲線は、表面材料の高さ分布を示す。これは、表面の最も高いピークの下の特定深さにおける表面の材料分率の累積関数である。つまり、アボット曲線では、粗さプロファイルの深さが増加すれば、表面の材料分率が増加することを示す。最高ピークでは材料分率が0%であるが、最も深い所(または「valley」)における材料分率は100%である。最小セカントスロープ、すなわち最適に定義されたラインは、アボット曲線を次の3つの範囲に分割する:
a)コアの粗さ深さSk[μm]、すなわち粗さコアプロファイルの深さ
b)低減されたピーク高さSpk[μm]、すなわち中心の上に突出したピークの平均高さ、および
c)低減されたグルーブの深さSvk[μm]、すなわち中心の下に突出したグルーブの平均深さ
研磨率および研磨不均一度などの研磨性能に影響を及ぼすものは、研磨層の表面粗さである。特に、摩耗前後の変化を評価するためのパラメータは、SpkおよびSvkである。研磨パッドの研磨層は、研磨工程によって研磨層の表面粗さに変化が現れ、表面粗さの変化によって研磨性能の低下が発生しうる。一般的に、摩耗は表面の最も高い部分で行われるもので、摩耗状態を評価するためには、高さ分布ベースの媒介変数によりその変化の程度を確認することが重要である。
一実施例において、下記式4で表される研磨面のSvkの変化率は、0.5%~50%であってもよい:
[式4]
(Svkr-Svkf)/Svkf×100
ここで、
Svkは、前記研磨パッドに水蒸気を供給する前の、前記研磨面の表面粗さ(Svk)であり、
Svkは、前記研磨パッドに水蒸気を供給した後の、前記研磨面の表面粗さ(Svk)である。
前記式4によって計算された研磨面のSvkの変化率は、0.5%~50%であり、10%~45%であり、15%~42%であってもよい。摩耗状態を評価するためのパラメータの変化率を確認した結果からも、研磨パッドに水蒸気を供給する前と比較して、変化した程度を確認することができ、これは、水蒸気の供給によって研磨パッドのリフレッシュが可能であることを意味することができる。
前記本発明の研磨パッドのリフレッシュ方法は、コンディショニングするステップ(41)を追加的に含むことができる。具体的には、研磨パッドを定盤に装着(10)し、研磨工程を進行(20)させることができる。前記研磨工程が進行(20)すると、目標研磨時間範囲内に実際の研磨工程が進行するか否かを確認(30)することができる。前記ステップ(30)で目標研磨時間範囲内に属する場合、研磨工程が進行(31)し、前記範囲内に含まれない場合、研磨パッドを取替えるのではなく、50℃~120℃の水蒸気を1分~10分間供給(40)し、コンディショニング(41)して研磨パッドの使用寿命を増加させる。
前記水蒸気が供給されるステップ(40)は、50℃~120℃の水蒸気を1分~10分間供給することができる。前記水蒸気の温度は、50℃~120℃であり、60℃~120℃であり、70℃~120℃であり、50℃~110℃であり、60℃~110℃であり、70℃~110℃であってもよい。前記温度範囲内の水蒸気が供給されると、前記微細凹部の形状が変化し、前記形状の変化による研磨面の表面粗さが変化して、研磨性能が改善され、研磨パッドのリフレッシュが可能になる。研磨装置の腐食を防止することができ、研磨装置の安定的な維持管理のために、120℃内の水蒸気を用いるものであるが、前記範囲内に限らず、研磨面の表面粗さを変化させて、研磨パッドのリフレッシュを可能にする水蒸気は、温度範囲に限らず、すべて使用可能である。
前記水蒸気が供給されるステップは、前記水蒸気を1分~10分、2分~8分、3分~7分、4分~6分、4分~8分、4分~10分間供給することができる。前記時間範囲内で水蒸気を供給する場合、研磨面の表面粗さを変化させて、研磨パッドのリフレッシュを可能にする。また、前記時間範囲内で水蒸気を供給して、研磨工程上で研磨パッドのリフレッシュのための水蒸気の供給時間範囲を最適化して、研磨パッドの取替に比べて短い時間内に研磨パッドをリフレッシュして、研磨工程の効率を最適化することができる。
前記コンディショニング(41)は、研磨層の表面を削り取って表面粗さの程度を変化させることである。本発明の研磨パッドのリフレッシュ方法は、研磨パッドに水蒸気を供給(40)するステップとともに、コンディショニングするステップ(41)によって研磨パッドの研磨性能が向上できる。前記研磨パッドに水蒸気を供給して、前記微細凹部の形状を変化させ、以後、前記コンディショニング工程によって表面粗さを変化させて研磨性能を向上させることができる。
具体的には、前記研磨パッドは、研磨面を備えた研磨層を含み、前記研磨層が複数の気孔を含み、前記研磨面が前記複数の気孔に由来する微細凹部を含むことができる。図5のように、前記研磨面に形成された微細凹部は、研磨工程によって凹んだ形状が維持できず、緩やかなグルーブ(groove)を形成しうる。前記緩やかなグルーブを含む研磨面は、表面粗さの程度が低くて、研磨性能が低くなり、研磨工程への適用が不可能である。
前記緩やかなグルーブは、水蒸気が供給(40)されると、本来と類似の形状に一部復元され、追加のコンディショニング工程(41)によって研磨工程前の微細凹部の形状と同等水準の表面粗さを示すことができる。
前記研磨パッドに水蒸気を供給するステップ(40)は、前記研磨パッドが定盤に装着された状態で行われる。具体的には、研磨パッドは、研磨工程に用いられるために定盤に装着され、研磨工程に用いられた後、目標研磨時間範囲内に実際の研磨工程が進行するか否かを確認(30)し、前記範囲内に含まれない場合、研磨パッドに水蒸気を供給(40)し、コンディショニング(41)することができる。この時、研磨パッドに水蒸気を供給(40)し、コンディショニング(41)するステップを、研磨パッドが定盤に装着された状態で進行させることができる。
すなわち、研磨パッドをリフレッシュするために、研磨パッドを定盤に装着された状態で水蒸気を供給(40)し、コンディショニング(41)して研磨パッドをリフレッシュするために投入される工程を最小化することができる。
他の実施形態として、前記研磨パッドに水蒸気を供給するステップ(40)は、前記研磨パッドが定盤から脱着した状態で行われる。前記のように脱着した研磨パッドは洗浄し、研磨パッドに水蒸気を供給(40)することができる。水蒸気が供給された研磨パッドは定盤に装着し、コンディショニング(41)した後、再使用することができる。
前記研磨パッドに水蒸気を供給するステップ(40)は、前記研磨パッドを定盤に付着させたか否かによって、分類できる。定盤に付着した状態で水蒸気が供給(40)され、コンディショニング(41)する方法は、研磨パッドを定盤から脱着するステップが省略されて、工程がより単純で、後述する定盤から脱着し、水蒸気を供給する方法に比べて、相対的に表面粗さが高く回復できる。前記表面粗さが高く回復することは、研磨工程が終了した後、速い時間内に水蒸気が供給されるか否かによって差が生じる。これは、多孔性ポリウレタンを含む研磨層の研磨面が研磨工程によって変形された後、水蒸気が供給されると、前記多孔性ポリウレタンが本来の形状に回復する性質を利用して、表面粗さが高い水準に回復できる。これに対し、研磨工程が終了した後、時間が経過すると、多孔性ポリウレタンの回復性質が減少して、研磨面に水蒸気が供給されても表面粗さにおいて差が生じうる。
これに対し、研磨パッドを定盤から脱着する研磨パッドのリフレッシュ方法は、前記定盤に付着した状態で水蒸気が供給されるリフレッシュ方法に比べて定盤を脱着する工程が追加され、相対的にリフレッシュ後に表面粗さが低いが、定盤から分離された研磨パッドは別途に洗浄し、研磨工程で発生した異物を除去可能で、リフレッシュ工程後に行われる研磨工程で異物による欠陥の発生を防止することができる。
以後、前記使用寿命が増加した研磨パッドは研磨工程を進行させることができる。以後、2次研磨パッドを取替えるか否かを検討するステップ(50)は、リフレッシュされた研磨パッドが目標研磨時間範囲を超過するか否かを決定するもので、目標研磨時間範囲を超過して研磨が行われる場合、研磨パッドは廃棄(52)され、新しい研磨パッドに取替えることができる。
具体的には、前記本発明のリフレッシュ方法による研磨パッドの研磨層は、下記式2のような研磨回復指数(PRI)が3.10~3.80であることを特徴とすることができる:
[式2]
ここで、
Saは、ISO25178の3次元算術平均表面粗さSa値であり、
Spkは、前記研磨層の表面中心から導出したピークの平均高さに対する値であり、
Svkは、前記研磨層の表面中心の下に突出したグルーブの平均高さに対する値である。
前記研磨回復指数(PRI)は、研磨性能、すなわち研磨率(RR、Removal rate)および研磨不均一度(WIWNU、within-wafer nonuniformity)に関連する表面粗さ値の変化の程度による研磨性能に大きな影響を及ぼすことを意味することができる。
前記PRIは、研磨性能に対する回復の程度を示すもので、分子はSpkおよびSvkの合計であり、分母はSaで構成されて、研磨層の中心から導出したピークの平均高さおよび研磨層の中心から下に突出したグルーブの平均高さの合計を、平均面の平均高さ差の平均で割った値で、表面粗さの均一な程度を数値により確認することができる。前記PRI値が本発明の範囲内に属する場合、高い水準の研磨性能を実現することができる。
また、前記本発明の範囲内にPRI値が含まれることは、研磨層の中心から導出したピークの平均高さおよび研磨層の中心から下に突出したグルーブの平均高さの合計が水蒸気の供給によって増加したものであり、これは、研磨工程によって形状が変化した研磨面の微細凹部が本来の形状に回復し、研磨面のグレージングされた部分が減少して再度研磨工程に使用できることを意味するもので、使用寿命が増大できる。前記式2の研磨回復指数(PRI)は、3.10~3.80、例えば3.11~3.79、例えば3.11~3.78であってもよい。前記研磨回復指数(PRI)が前記範囲内の場合、被研磨面に対する研磨率に優れ、研磨不均一度の面においても優れた効果を示すことができる。
また、一実施例において、前記本発明のリフレッシュ方法による研磨パッドは、下記式3による値が0.01~0.22であってもよい:
[式3]
ここで、
Saは、3次元算術平均表面粗さSa値であり、
Spkは、研磨層の表面中心から導出したピークの平均高さに対する値であり、
Svkは、研磨層の表面中心の下に突出したグルーブの平均高さに対する値である。
前記式3は、研磨層の表面中心から導出したピークの平均高さ(Spk)および研磨層の平均面での平均高さ値の差と、研磨層の中心の下に突出したグルーブの平均高さおよび研磨層の平均面での平均高さ値の差に対する比率を計算して、研磨層の平均粗さに対する表面中心でのピーク高さおよびグルーブ高さ差を比率で計算して研磨性能を予測することができる。
前記式3の値は、0.01~0.22、例えば0.05~0.20、例えば0.06~0.18であってもよい。前記式3の値が前記範囲を満足する場合、研磨層の表面粗さが適正範囲の水準を保有することにより高い水準の研磨性能を示すことができる。したがって、前記式3の値が前記範囲値を満足する場合、本発明のリフレッシュ方法によって前記研磨パッドは追加使用が可能であり、使用寿命が増加した研磨パッドは、増加した寿命範囲においても優れた研磨性能を示すことができる。
また、研磨面の微細凹部は研磨工程によって形状が変化し、研磨面の一部はグレージング現象が現れて、結果として、研磨パッドの研磨性能が低下しうる。そのため、本発明のリフレッシュ方法によって、研磨パッドへの水蒸気供給およびコンディショニングを行った後、前記式3による値が本発明の範囲内に含まれることは、研磨面の微細凹部が本来の形状に回復し、研磨面のグレージングされた部分が減少して、結果として、研磨性能が回復することを意味する。
前記本発明のリフレッシュ方法が適用できる研磨パッドは、か焼セリアスラリーが200mL/分の速度で供給され、3.5psiの荷重で研磨対象の半導体基板を加圧し、研磨パッドの回転速度が93rpmであり、半導体基板の回転速度が87rpmとして60秒間酸化ケイ素膜を研磨する工程において、研磨率が1,500Å/min~1,800Å/minであり、研磨不均一度(WIWNU、within-wafer nonuniformity)が8%~9%である。前記研磨率および研磨不均一度の範囲に含まれる研磨パッドが本発明のリフレッシュ方法を用いて使用寿命を増大させることができるが、前記研磨パッドに制限されず、研磨工程によって研磨性能が一部低下した研磨パッドは、本発明のリフレッシュ方法を用いて、研磨性能を回復できる。
前記研磨率および研磨不均一度は対象膜質およびスラリーの種類によって影響を受けるもので、前記のような条件下で研磨工程を進行させる場合、研磨率が1,500Å/min~1,800Å/minの場合は、目標研磨率と比較して研磨率が低くて、相対的に研磨効率が低下するはずであり、研磨不均一度が8%~9%の場合も、目標研磨不均一度と比較して相対的に研磨性能が低いことを意味することができる。
前記のように研磨率および研磨不均一度による研磨性能が低い研磨パッドは、先に説明したように、研磨層の表面に50℃~120℃の水蒸気を1分~10分間噴射し、コンディショニングして、使用寿命を増加させることができる。前記水蒸気の温度は、50℃~120℃であり、60℃~120℃であり、70℃~120℃、50℃~110℃であり、60℃~110℃であり、70℃~110℃であってもよい。前記範囲内で研磨層の表面粗さを新しい研磨パッドと同等水準に示すようにできる。水蒸気は前記温度範囲内での使用時、研磨装置の腐食を防止することができ、安定的な維持管理が可能であるが、前記範囲内に限らず、研磨面の表面粗さを変化させて、研磨パッドのリフレッシュを可能にする温度範囲の水蒸気は、前記温度範囲に限らず、すべて使用可能である。
前記水蒸気を噴射し、コンディショニングするステップは、具体的には、定盤に装着された状態で研磨対象の半導体基板の研磨工程が終了し、キャリアに新しい半導体基板を装着するのに所要する時間に水蒸気を噴射し、コンディショニングすることができる。
他の方式で定盤から研磨パッドを分離し、DIWを用いて洗浄した後、50℃~120℃の水蒸気を1分~10分間噴射した後、これを定盤に装着し、コンディショニングした後、再使用することができる。
すなわち、リフレッシュ方法中において定盤に定着された状態で連続的に水蒸気を噴射し、コンディショニングする方式と、定盤から分離した研磨パッドを1次洗浄し、2次に水蒸気を噴射した後、これを定盤に装着し、コンディショニングする方式とも使用可能である。
前記のように定盤に装着された状態、または定盤から分離された状態とも、研磨パッドの使用寿命を増加させることができる。前記研磨パッドは、下記の条件のいずれか1つ以上に相当する場合、本発明のリフレッシュ方法を適用して使用寿命を増大することができる:
i)研磨工程に用いた研磨パッド
ii)研磨面の表面粗さSa6μm以下
iii)研磨面の表面粗さSpk5μm以下
iv)研磨面の表面粗さSvk16μm以下
前記i)研磨工程に用いた研磨パッドは、具体的には、か焼セリアスラリーが200mL/分の速度で供給され、3.5psiの荷重で研磨対象の半導体基板を加圧し、研磨パッドの回転速度が93rpmであり、半導体基板の回転速度が87rpmとして60秒間酸化ケイ素膜を研磨する工程において、研磨率が1,500Å/min~1,800Å/minであり、研磨不均一度(WIWNU、within-wafer nonuniformity)が8%~9%で、先に説明したように、研磨率が過度に低くて研磨効率が低下したり、研磨不均一度が低くて研磨性能が低い研磨パッドを意味することができる。ただし、前記研磨パッドに限らず、研磨性能が低下した研磨パッドは、制限なくすべて使用可能である。
また、定盤から分離して水蒸気噴射およびコンディショニングする工程は、定盤に装着された状態で後の工程を進行させるのに対し、定盤から分離し再装着する追加時間が所要するとはいえ、DIWを用いて洗浄するステップを含むことで、研磨工程上で研磨層の表面に付着した不純物などを除去できるという点で有利な面がある。
前記コンディショニングは、20rpm~150rpmの回転速度、1lb~90lbの作用荷重および1スイープ(sweep)速度~25スイープ(sweep)速度で研磨層の表面をコンディショニングするもので、前記範囲に限らず、水蒸気に噴射後、研磨性能を発揮させる程度のコンディショニング条件はすべて適用可能である。
前記本発明のリフレッシュ方法によって水蒸気噴射およびコンディショニングした研磨パッドの研磨層は、か焼セリアスラリーが200mL/分の速度で供給され、3.5psiの荷重で研磨対象の半導体基板を加圧し、研磨パッドの回転速度が93rpmであり、半導体基板の回転速度が87rpmとして60秒間酸化ケイ素膜の研磨工程において、研磨率が1,810Å/min~2,700Å/minであり、2,000Å/min~2,650Å/minであり、2100Å/min~2,600Å/minであってもよい。また、研磨不均一度(WIWNU、within-wafer nonuniformity)は、3%~7%であり、4%~7%であり、4.1%~6.8%であってもよい。前記のように、研磨パッドは、水蒸気噴射およびコンディショニングによって研磨率が向上し、研磨不均一度においても優れた効果を示すことを確認することができる。
本発明の一実施形態において、前記研磨パッドの研磨層は、ウレタン系プレポリマー、硬化剤、および発泡剤を含む組成物から形成された硬化物を含む研磨層を含むことができる。
前記組成物に含まれる各成分を以下に具体的に説明する。
「プレポリマー(prepolymer)」とは、硬化物の製造において、成形しやすいように重合度を中間段階で中止させた比較的低い分子量を有する高分子を意味する。プレポリマーは、それ自体でまたは他の重合性化合物と反応させた後、最終硬化物に成形される。
一実施形態において、前記ウレタン系プレポリマーは、イソシアネート化合物とポリオールとを反応させて製造できる。
前記ウレタン系プレポリマーの製造に使用されるイソシアネート化合物は、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを使用することができる。
前記イソシアネート化合物は、例えば、2,4-トルエンジイソシアネート(2,4-toluenediisocyanate、2,4-TDI)、2,6-トルエンジイソシアネート(2,6-toluenediisocyanate、2,6-TDI)、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート(naphthalene-1,5-diisocyanate)、パラ-フェニレンジイソシアネート(p-phenylenediisocyanate)、トリジンジイソシアネート(tolidinediisocyanate)、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4'-diphenylmethanediisocyanate)、ヘキサメチレンジイソシアネート(hexamethylenediisocyanate)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(dicyclohexylmethanediisocyanate)、イソホロンジイソシアネート(isoporone diisocyanate)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
「ポリオール」とは、分子あたりのヒドロキシ基(-OH)を少なくとも2以上含む化合物を意味する。前記ポリオールは、例えば、ポリエーテル系ポリオール(polyether polyol)、ポリエステル系ポリオール(polyester polyol)、ポリカーボネート系ポリオール(polycarbonate polyol)、アクリル系ポリオール(acryl polyol)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
前記ポリオールは、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
前記ポリオールは、約100g/mol~約3,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することができる。前記ポリオールは、例えば、約100g/mol~約3,000g/mol、例えば、約100g/mol~約2,000g/mol、例えば、約100g/mol~約1,800g/molの重量平均分子量(Mw)を有することができる。
一実施形態において、前記ポリオールは、重量平均分子量(Mw)が約100g/mol以上、約300g/mol未満の低分子量ポリオール、および重量平均分子量(Mw)が約300g/mol以上、約1800g/mol以下の高分子量ポリオールを含むことができる。
前記ウレタン系プレポリマーは、約500g/mol~約3,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することができる。前記ウレタン系プレポリマーは、例えば、約600g/mol~約2,000g/mol、例えば、約800g/mol~約1,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することができる。
一実施形態において、前記ウレタン系プレポリマーを製造するためのイソシアネート化合物は、芳香族ジイソシアネート化合物を含むことができ、前記芳香族ジイソシアネート化合物は、例えば、2,4-トルエンジイソシアネート(2,4-TDI)および2,6-トルエンジイソシアネート(2,6-TDI)を含むことができる。前記ウレタン系プレポリマーを製造するためのポリオール化合物は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)およびジエチレングリコール(DEG)を含むことができる。
他の実施形態において、前記ウレタン系プレポリマーを製造するためのイソシアネート化合物は、芳香族ジイソシアネート化合物および脂環族ジイソシアネート化合物を含むことができ、例えば、前記芳香族ジイソシアネート化合物は、2,4-トルエンジイソシアネート(2,4-TDI)および2,6-トルエンジイソシアネート(2,6-TDI)を含み、前記脂環族ジイソシアネート化合物は、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)を含むことができる。前記ウレタン系プレポリマーを製造するためのポリオール化合物は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)およびジエチレングリコール(DEG)を含むことができる。
前記ウレタン系プレポリマーは、イソシアネート末端基の含有量(NCO%)が約5重量%~約11重量%、例えば、約5重量%~約10重量%、例えば、約5重量%~約8重量%、例えば、約8重量%~約10重量%であってもよい。前記範囲でNCO%を有する場合、適切な研磨パッド内の研磨層の物性を示して、研磨速度、研磨プロファイルのような研磨工程に要求される研磨性能を維持し、研磨工程上でウエハに発生しうる欠陥を最小化することができる。
また、酸化膜(Oxide)および窒化膜(Nitride)の研磨選択比(Ox RR/Nt RR)を調節して、ディッシング(dishing)、リセス(recess)およびエロージョン(erosion)現象を防止し、ウエハ内の表面平坦化を達成することができる。
前記ウレタン系プレポリマーのイソシアネート末端基の含有量(NCO%)は、前記ウレタン系プレポリマーを製造するためのイソシアネート化合物およびポリオール化合物の種類および含有量、前記ウレタン系プレポリマーを製造する工程の温度、圧力、時間などの工程条件および前記ウレタン系プレポリマーの製造に用いられる添加剤の種類および含有量などを総合的に調節して設計可能である。
前記硬化剤は、前記ウレタン系プレポリマーと化学的に反応して前記研磨層内の最終硬化構造を形成するための化合物として、例えば、アミン化合物またはアルコール化合物を含むことができる。具体的には、前記硬化剤は、芳香族アミン、脂肪族アミン、芳香族アルコール、脂肪族アルコール、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
例えば、前記硬化剤は、4,4'-メチレンビス(2-クロロアニリン)(4,4'-methylenebis(2-chloroaniline);MOCA)、ジエチルトルエンジアミン(diethyltoluenediamine;DETDA)、ジアミノジフェニルメタン(diaminodiphenylmethane)、ジメチルチオトルエンジアミン(dimethyl thio-toluene diamine;DMTDA)、プロパンジオールビスp-アミノベンゾエート(propanediol bis p-aminobenzoate)、Methylene bis-methylanthranilate、ジアミノジフェニルスルホン(diaminodiphenylsulfone)、m-キシリレンジアミン(m-xylylenediamine)、イソホロンジアミン(isophoronediamine)、エチレンジアミン(ethylenediamine)、ジエチレントリアミン(diethylenetriamine)、トリエチレンテトラアミン(triethylenetetramine)、ポリプロピレンジアミン(polypropylenediamine)、ポリプロピレントリアミン(polypropylenetriamine)、ビス(4-アミノ-3-クロロフェニル)メタン(bis(4-amino-3-chlorophenyl)methane)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
前記硬化剤の含有量は、前記ウレタン系プレポリマー100重量部を基準として、約18重量部~約27重量部、例えば、約19重量部~約26重量部、例えば、約20重量部~約26重量部であってもよい。前記硬化剤の含有量が前記範囲を満足する場合、目的とする研磨パッドの性能を実現するのにさらに有利であり得る。
前記発泡剤は、前記研磨層内の気孔構造を形成するための成分として、固相発泡剤、気相発泡剤、液相発泡剤、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。一実施形態において、前記発泡剤は、固相発泡剤、気相発泡剤、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
前記固相発泡剤の平均粒径は、約5μm~約200μm、例えば、約20μm~約50μm、例えば、約21μm~約50μm、例えば、約25μm~約45μmであってもよい。前記固相発泡剤の平均粒径は、前記固相発泡剤が後述による熱膨張(expanded)粒子の場合、熱膨張粒子自体の平均粒径を意味し、前記固相発泡剤が後述による未膨張(unexpanded)粒子の場合、熱または圧力によって膨張した後の粒子の平均粒径を意味することができる。
前記固相発泡剤は、膨張性粒子を含むことができる。前記膨張性粒子は、熱または圧力などによって膨張可能な特性を有する粒子であって、前記研磨層を製造する過程で加えられる熱または圧力などによって最終研磨層内での大きさが決定可能である。前記膨張性粒子は、熱膨張(expanded)粒子、未膨張(unexpanded)粒子、またはこれらの組み合わせを含むことができる。前記熱膨張粒子は、熱によって事前膨張した粒子であって、前記研磨層の製造過程で加えられる熱または圧力による大きさの変化が小さいか、ほとんどない粒子を意味する。前記未膨張粒子は、事前膨張しない粒子であって、前記研磨層の製造過程で加えられる熱または圧力によって膨張して最終大きさが決定される粒子を意味する。
前記膨張性粒子は、樹脂材質の外被と、前記外被に封入された内部に存在する膨張誘発成分とを含むことができる。
例えば、前記外被は、熱可塑性樹脂を含むことができ、前記熱可塑性樹脂は、塩化ビニリデン系共重合体、アクリロニトリル系共重合体、メタクリロニトリル系共重合体、およびアクリル系共重合体からなる群より選択された1種以上であってもよい。
前記膨張誘発成分は、炭化水素化合物、クロロフルオロ化合物、テトラアルキルシラン化合物、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
具体的には、前記炭化水素化合物は、エタン(ethane)、エチレン(ethylene)、プロパン(propane)、プロペン(propene)、n-ブタン(n-butane)、イソブタン(isobutane)、n-ブテン(butene)、イソブテン(isobutene)、n-ペンタン(n-pentane)、イソペンタン(isopentane)、ネオペンタン(neopentane)、n-ヘキサン(n-hexane)、ヘプタン(heptane)、石油エーテル(petroleum ether)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
前記クロロフルオロ化合物は、トリクロロフルオロメタン(trichlorofluoromethane、CClF)、ジクロロジフルオロメタン(dichlorodifluoromethane、CCl)、クロロトリフルオロメタン(chlorotrifluoromethane、CClF)、テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene、CClF-CClF)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
前記テトラアルキルシラン化合物は、テトラメチルシラン(tetramethylsilane)、トリメチルエチルシラン(trimethylethylsilane)、トリメチルイソプロピルシラン(trimethylisopropylsilane)、トリメチル-n-プロピルシラン(trimethyl-n-propylsilane)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
前記固相発泡剤は、選択的に無機成分処理粒子を含むことができる。例えば、前記固相発泡剤は、無機成分処理された膨張性粒子を含むことができる。一実施形態において、前記固相発泡剤は、シリカ(SiO)粒子処理された膨張性粒子を含むことができる。前記固相発泡剤の無機成分処理は、複数の粒子間凝集を防止することができる。前記無機成分処理された固相発泡剤は、無機成分処理されない固相発泡剤と発泡剤表面の化学的、電気的および/または物理的特性が異なりうる。
前記固相発泡剤の含有量は、前記ウレタン系プレポリマー100重量部を基準として、約0.5重量部~約10重量部、例えば、約1重量部~約3重量部、例えば、約1.3重量部~約2.7重量部、例えば、約1.3重量部~約2.6重量部であってもよい。
前記研磨層の目的とする気孔構造および物性によって前記固相発泡剤の種類および含有量を設計することができる。
前記気相発泡剤は、不活性ガスを含むことができる。前記気相発泡剤は、前記ウレタン系プレポリマーと前記硬化剤とが反応する過程で投入されて気孔形成要素として使用できる。
前記不活性ガスは、前記ウレタン系プレポリマーと前記硬化剤との間の反応に参加しないガスであれば、種類が特に限定されない。例えば、前記不活性ガスは、窒素ガス(N)、アルゴンガス(Ar)、ヘリウムガス(He)、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。具体的には、前記不活性ガスは、窒素ガス(N)またはアルゴンガス(Ar)を含むことができる。
前記研磨層の目的とする気孔構造および物性によって前記気相発泡剤の種類および含有量を設計することができる
一実施形態において、前記発泡剤は、固相発泡剤を含むことができる。例えば、前記発泡剤は、固相発泡剤のみからなってもよい。
前記固相発泡剤は、膨張性粒子を含み、前記膨張性粒子は、熱膨張粒子を含むことができる。例えば、前記固相発泡剤は、熱膨張粒子のみからなってもよい。前記未膨張粒子を含まずに熱膨張粒子のみからなる場合、気孔構造の可変性は低下するものの、事前予測の可能性が高まって、前記研磨層の全領域にわたって均質な気孔特性を実現するのに有利であり得る。
一実施形態において、前記熱膨張粒子は、約5μm~約200μmの平均粒径を有する粒子であってもよい。前記熱膨張粒子の平均粒径は、約5μm~約100μm、例えば、約10μm~約80μm、例えば、約20μm~約70μm、例えば、約20μm~約50μm、例えば、約30μm~約70μm、例えば、約25μm~45μm、例えば、約40μm~約70μm、例えば、約40μm~約60μmであってもよい。前記平均粒径は、前記熱膨張粒子のD50で定義される。
一実施形態において、前記熱膨張粒子の密度は、約30kg/m~約80kg/m、例えば、約35kg/m~約80kg/m、例えば、約35kg/m~約75kg/m、例えば、約38kg/m~約72kg/m、例えば、約40kg/m~約75kg/m、例えば、約40kg/m~約72kg/mであってもよい。
一実施形態において、前記発泡剤は、気相発泡剤を含むことができる。例えば、前記発泡剤は、固相発泡剤および気相発泡剤を含むことができる。前記固相発泡剤に関する事項は前述した通りである。
前記気相発泡剤は、窒素ガスを含むことができる。
前記気相発泡剤は、前記ウレタン系プレポリマー、前記固相発泡剤、および前記硬化剤が混合される過程中に所定の注入ラインを介して注入される。前記気相発泡剤の注入速度は、約0.8L/min~約2.0L/min、例えば、約0.8L/min~約1.8L/min、例えば、約0.8L/min~約1.7L/min、例えば、約1.0L/min~約2.0L/min、例えば、約1.0L/min~約1.8L/min、例えば、約1.0L/min~約1.7L/minであってもよい。
前記研磨層を製造するための組成物は、界面活性剤、反応速度調節剤などのその他の添加剤をさらに含むことができる。前記「界面活性剤」、「反応速度調節剤」などの名称は、当該物質の主な役割を基準として任意に称する名称であり、それぞれの当該物質が必ずしも当該名称の役割に限る機能だけを行うわけではない。
前記界面活性剤は、気孔の凝集または重畳などの現象を防止する役割を果たす物質であれば特に制限されない。例えば、前記界面活性剤は、シリコーン系界面活性剤を含むことができる。
前記界面活性剤は、前記ウレタン系プレポリマー100重量部を基準として、約0.2重量部~約2重量部の含有量で使用できる。具体的には、前記界面活性剤は、前記ウレタン系プレポリマー100重量部を基準として、約0.2重量部~約1.9重量部、例えば、約0.2重量部~約1.8重量部、例えば、約0.2重量部~約1.7重量部、例えば、約0.2重量部~約1.6重量部、例えば、約0.2重量部~約1.5重量部、例えば、約0.5重量部~1.5重量部の含有量で含まれる。前記範囲内の含有量で界面活性剤を含む場合、気相発泡剤由来の気孔がモールド内で安定して形成および維持できる。
前記反応速度調節剤は、反応促進または反応遅延の役割を果たすものであって、目的によって反応促進剤、反応遅延剤、またはこれらのすべてを使用することができる。前記反応速度調節剤は、反応促進剤を含むことができる。例えば、前記反応促進剤は、3級アミン系化合物および有機金属系化合物からなる群より選択された1種以上の反応促進剤であってもよい。
具体的には、前記反応速度調節剤は、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルブタンジアミン、2-メチル-トリエチレンジアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、1,4-ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、ビス(2-メチルアミノエチル)エーテル、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N,N,N''-ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ベンジルジメチルアミン、N-エチルモルホリン、N,N-ジメチルアミノエチルモルホリン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、2-メチル-2-アザノルボルナン、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジオクチルチンジアセテート、ジブチルチンマレエート、ジブチルチンジ-2-エチルヘキサノエート、およびジブチルチンジメルカプチドからなる群より選択された1種以上を含むことができる。具体的には、前記反応速度調節剤は、ベンジルジメチルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、およびトリエチルアミンからなる群より選択された1種以上を含むことができる。
前記反応速度調節剤は、前記ウレタン系プレポリマー100重量部を基準として、約0.05重量部~約2重量部の量で使用できる。具体的には、前記反応速度調節剤は、前記ウレタン系プレポリマー100重量部を基準として、約0.05重量部~約1.8重量部、例えば、約0.05重量部~約1.7重量部、例えば、約0.05重量部~約1.6重量部、例えば、約0.1重量部~約1.5重量部、例えば、約0.1重量部~約0.3重量部、例えば、約0.2重量部~約1.8重量部、例えば、約0.2重量部~約1.7重量部、例えば、約0.2重量部~約1.6重量部、例えば、約0.2重量部~約1.5重量部、例えば、約0.5重量部~約1重量部の量で使用できる。前記反応速度調節剤が前述した含有量範囲で使用される場合、プレポリマー組成物の硬化反応速度を適切に調節して、所望する大きさの気孔および硬度を有する研磨層を形成することができる。
前記研磨パッドがクッション層を含む場合、前記クッション層は、前記研磨層を支持しながら前記研磨層に加えられる外部衝撃を吸収し分散させる役割を果たすことにより、前記研磨パッドを適用した研磨工程中の研磨対象に対する損傷および欠陥の発生を最小化させることができる。
前記クッション層は、不織布またはスエードを含むことができるが、これに限定されるものではない。
一実施形態において、前記クッション層は、樹脂含浸不織布であってもよい。前記不織布は、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含む繊維不織布であってもよい。
前記不織布に含浸された樹脂は、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン-ブタジエン共重合樹脂、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン共重合樹脂、スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン共重合樹脂、シリコーンゴム樹脂、ポリエステル系エラストマー樹脂、ポリアミド系エラストマー樹脂、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された1つを含むことができる。
以下、前記研磨パッドを製造する方法を詳しく説明する。
本発明に係る他の実施形態において、プレポリマー組成物を製造するステップと、前記プレポリマー組成物、発泡剤、および硬化剤を含む研磨層製造用組成物を製造するステップと、前記研磨層製造用組成物を硬化して研磨層を製造するステップとを含む研磨パッドの製造方法を提供することができる。
前記プレポリマー組成物を製造するステップは、ジイソシアネート化合物およびポリオール化合物を反応させてウレタン系プレポリマーを製造する工程であってもよい。前記ジイソシアネート化合物および前記ポリオール化合物に関する事項は、前記研磨パッドに関して前述した通りである。
前記プレポリマー組成物のイソシアネート基(NCO基)の含有量は、約5重量%~約15重量%、例えば、約5重量%~約8重量%、例えば、約5重量%~約7重量%、例えば、約8重量%~約15重量%、例えば、約8重量%~約14重量%、例えば、約8重量%~約12重量%、例えば、8重量%~約10重量%であってもよい。
前記プレポリマー組成物のイソシアネート基の含有量は、前記ウレタン系プレポリマーの末端イソシアネート基、前記ジイソシアネート化合物中の反応しない未反応イソシアネート基などに由来できる。
前記プレポリマー組成物の粘度は、約80℃で約100cps~約1,000cpsであってもよく、例えば、約200cps~約800cpsであってもよく、例えば、約200cps~約600cpsであってもよく、例えば、約200cps~約550cpsであってもよく、例えば、約300cps~約500cpsであってもよい。
前記発泡剤が固相発泡剤または気相発泡剤を含むことができる。
前記発泡剤が固相発泡剤を含む場合、前記研磨層製造用組成物を製造するステップは、前記プレポリマー組成物および前記固相発泡剤を混合して第1予備組成物を製造するステップと、前記第1予備組成物と硬化剤とを混合して第2予備組成物を製造するステップとを含むことができる。
前記第1予備組成物の粘度は、約80℃で約1,000cps~約2,000cpsであってもよく、例えば、約1,000cps~約1,800cpsであってもよく、例えば、約1,000cps~約1,600cpsであってもよく、例えば、約1,000cps~約1,500cpsであってもよい。
前記発泡剤が気相発泡剤を含む場合、前記研磨層製造用組成物を製造するステップは、前記プレポリマー組成物および前記硬化剤を含む第3予備組成物を製造するステップと、前記第3予備組成物に前記気相発泡剤を注入して第4予備組成物を製造するステップとを含むことができる。
一実施形態において、前記第3予備組成物は、固相発泡剤をさらに含むことができる。
一実施形態において、前記研磨層を製造する工程は、第1温度に予熱されたモールドを用意するステップと、前記予熱されたモールドに前記研磨層製造用組成物を注入して硬化させるステップと、硬化した前記研磨層製造用組成物を前記第2温度条件下で後硬化するステップとを含むことができる。
一実施形態において、前記第1温度は、約50℃~約150℃であり、好ましくは約90℃~約140℃であり、より好ましくは約90℃~約120℃であってもよい。
一実施形態において、前記第2温度は、約100℃~約130℃であってもよく、例えば、約100℃~125℃であってもよく、例えば、約100℃~約120℃であってもよい。
前記研磨層製造用組成物を前記第1温度下で硬化させるステップは、約5分~約60分、例えば、約5分~約40分、例えば、約5分~約30分、例えば、約5分~約25分間行われる。
前記第1温度下で硬化した研磨層製造用組成物を前記第2温度下で後硬化するステップは、約5時間~約30時間、例えば、約5時間~約25時間、例えば、約10時間~約30時間、例えば、約10時間~約25時間、例えば、約12時間~約24時間、例えば、約15時間~約24時間行われる。
前記研磨パッドの製造方法は、前記研磨層の少なくとも一面を加工するステップを含むことができる。
前記研磨層の少なくとも一面を加工するステップは、前記研磨層の少なくとも一面上にグルーブ(groove)を形成するステップ(1);前記研磨層の少なくとも一面を旋削(line turning)するステップ(2);および前記研磨層の少なくとも一面を粗面化するステップ(3)、の少なくとも1つのステップを含むことができる。
前記ステップ(1)で、前記グルーブ(groove)は、前記研磨層の中心から所定の間隔で離隔形成される同心円状グルーブ;および前記研磨層の中心から前記研磨層のエッジ(edge)まで連続連結される放射状グルーブ、の少なくとも1つを含むことができる。
前記ステップ(2)で、前記旋削(line turning)は、切削工具を用いて前記研磨層を所定の厚さだけ削り取る方法で行われる。
前記ステップ(3)で、前記粗面化は、前記研磨層の表面をサンディングローラ(Sanding roller)で加工する方法で行われる。
前記研磨パッドの製造方法は、前記研磨層の研磨面の裏面上にクッション層を積層するステップをさらに含むことができる。
前記研磨層と前記クッション層は、熱融着接着剤を介在して積層できる。
前記研磨層の研磨面の裏面上に前記熱融着接着剤を塗布し、前記クッション層の前記研磨層と当接する表面上に前記熱融着接着剤を塗布し、それぞれの熱融着接着剤が塗布された面が当接するように前記研磨層と前記クッション層とを積層した後、加圧ローラを用いて2層を融着させることができる。
さらに他の実施形態において、研磨面と、前記研磨面の裏面に定盤付着面とを含む研磨パッドを定盤上に結合させるステップと、前記研磨面に研磨対象の被研磨面が当接するように配置した後、加圧条件下、前記研磨パッドと前記研磨対象を互いに相対回転させながら前記研磨対象を研磨させるステップと、前記研磨させるステップが、目標研磨時間範囲内に実際の研磨工程を進行させるか否かを確認するステップと、前記実際の研磨工程の進行時間が目標研磨時間範囲内に含まれない場合、研磨パッドの研磨層の表面に50℃~120℃の水蒸気を噴射し、コンディショニングするステップとを含む半導体素子の製造方法を提供することができる。
前記実際の研磨工程を進行させるか否かを確認するステップは、研磨対象に対する研磨工程上所要する時間が目標研磨時間範囲内に含まれる時、研磨対象を取替え、研磨工程を繰り返し進行させることができる。ただし、前記目標研磨時間範囲内に到達していない研磨パッドは、水蒸気噴射およびコンディショニングするステップによって使用寿命を増加させることができる。前記水蒸気噴射およびコンディショニング後の研磨パッドの研磨層は、下記式2のような研磨回復指数(PRI)が3.10~3.80であってもよい:
[式2]
ここで、
Saは、3次元算術平均表面粗さSa値であり、
Spkは、研磨層の表面中心から導出したピークの平均高さに対する値であり、
Svkは、研磨層の表面中心の下に突出したグルーブの平均高さに対する値である。
図6および図7は、一実施形態に係る半導体素子の製造工程の概略的な工程図を示すものである。図6を参照する時、前記一実施形態に係る研磨パッド100を定盤200上に装着した後、研磨対象の半導体基板500を前記研磨パッド100上に配置することができる。この時、前記半導体基板500の被研磨面は、前記研磨パッド100の研磨面に直接接触できる。研磨のために前記研磨パッド上にノズル300を介して研磨スラリー310が噴射される。前記ノズル300を介して供給される研磨スラリー310の流量は、約10cm/分~約1,000cm/分の範囲内で目的によって選択可能であり、例えば、約50cm/分~約500cm/分であってもよいが、これに限定されるものではない。
以後、前記半導体基板500と前記研磨パッド100は互いに相対回転して、前記半導体基板500の表面が研磨される。この時、前記半導体基板500の回転方向および前記研磨パッド100の回転方向は、同一の方向でもよく、反対の方向でもよい。前記半導体基板500と前記研磨パッド100の回転速度は、それぞれ約10rpm~約500rpmの範囲で目的によって選択可能であり、例えば、約30rpm~約200rpmであってもよいが、これに限定されるものではない。
前記半導体基板500は、キャリア400に装着された状態で前記研磨パッド100の研磨面に所定の荷重で加圧されて当接させた後、その表面が研磨される。前記キャリア400によって前記半導体基板500の表面に前記研磨パッド100の研磨面に加えられる荷重は、約1gf/cm~約1,000gf/cmの範囲で目的によって選択可能であり、例えば、約10gf/cm~約800gf/cmであってもよいが、これに限定されるものではない。
一実施形態において、前記半導体素子の製造方法は、前記研磨パッド100の研磨面を研磨に適した状態に維持させるために、前記半導体基板500の研磨と同時に、コンディショナ600を介して前記研磨パッド100の研磨面を加工するステップをさらに含むことができる。
図6は、本発明の一実施形態における半導体素子の製造方法に関するもので、具体的には、(a)は、定盤200に研磨パッド100を装着するステップであり、(b)は、スラリー310がノズル300によって注入され、半導体基板500が研磨パッド100と当接した状態で研磨工程が行われるステップである。以後、(c)ステップは、先に説明したように、前記実際の研磨工程を進行させるか否かを確認するステップで、研磨対象に対する研磨工程上所要する時間が目標研磨時間範囲内に含まれない研磨パッド100に水蒸気噴射部700を介して水蒸気710を噴射するものである。具体的には、前記(c)ステップは、図面に例示されたような形状の水蒸気噴射部700を用いることができるが、前記例示に限らず、研磨パッド内の研磨層に均一に50℃~110℃の水蒸気を噴射できる噴射部700は、制限なくすべて使用可能である。
前記(c)ステップの後、(d)ステップは、コンディショナ600によってコンディショニングするステップである。前記(c)および(d)ステップによって、前記研磨パッド100は、半導体基板500に対する研磨性能が再度研磨工程に使用可能な水準に回復可能で、研磨パッド100の使用寿命が増加できる。
本発明の他の実施形態に係る半導体素子の製造装置は、研磨パッドが装着される定盤200と、半導体基板が装着されるキャリア400と、水蒸気噴射部700とを含み、前記水蒸気噴射部700は、定盤200に装着された研磨パッド100に水蒸気を供給することができる。
前記半導体素子の製造装置は、定盤200、キャリア400および水蒸気噴射部700のほか、ノズル部300、コンディショナ600などを含むことができる。前記半導体素子の製造装置は、半導体素子の製造に用いられるもので、水蒸気噴射部700を含むことを特徴とすることができる。
前記水蒸気噴射部700は、研磨パッド100に水蒸気710を供給するための構成で、より具体的には、前記研磨パッド100の研磨面に水蒸気710を供給して研磨性能を回復させることができる。
前記水蒸気噴射部700は、研磨パッド100が定盤200に装着された状態または定盤200から脱着した状態ですべて使用可能である。前記水蒸気噴射部700は、加熱された水蒸気710が外部から供給されて、前記水蒸気噴射部700を介して供給される形態、または前記水蒸気噴射部700に水が供給されると、内部で熱を加えて、水蒸気710として製造して供給する形態であってもよいが、前記例示に限らず、研磨パッド100に水蒸気710を供給できる方法はすべて適用可能である。
その他、定盤200、キャリア400、ノズル部300およびコンディショナ600は、通常の半導体素子の製造装置に用いられるものと同一であり、構成に限定されない。
以下、本発明の具体的な実施例を提示する。ただし、下記に記載の実施例は本発明を具体的に例示または説明するためのものに過ぎず、これによって本発明が制限されてはならない。
製造例:研磨パッドの製造
ジイソシアネート成分およびポリオール成分を混合して4口フラスコに投入後、80℃で反応させてウレタン系プレポリマーを含む予備組成物を製造した。この時、前記予備組成物中のイソシアネート基の含有量(NCO%)が9重量%となるように反応させた。前記ジイソシアネート成分として芳香族ジイソシアネートおよび脂環族ジイソシアネートを用い、前記芳香族ジイソシアネートとして2,4-TDIおよび2,6-TDIを用い、前記脂環族ジイソシアネートとしてH12MDIを用いた。前記2,4-TDI100重量部対比、前記2,6-TDI25重量部を用い、前記芳香族ジイソシアネート全体100重量部対比、前記H12MDI11重量部を用いた。前記ポリオール成分としてPTMGおよびDEGを用い、前記ジイソシアネート成分全体100重量部対比、前記PTMG129重量部および前記DEG14重量部を用いた。硬化剤として4,4'-メチレンビス(2-クロロアニリン)(MOCA)を用い、中のイソシアネート基(NCO基)に対する前記硬化剤中のアミン基(NH)のモル比が0.96となるように混合した。次いで、前記予備組成物100重量部対比、固相発泡剤(Akzonobel社)1.0重量部を混合した。前記予備組成物を横1,000mm、縦1,000mm、高さ3mmであり、90℃に予熱されたモールドに注入しかつ、10kg/minの吐出速度で注入し、同時に、気相発泡剤として窒素(N)気体を1.0L/minの注入速度で注入した。次いで、前記予備組成物を110℃の温度条件下で後硬化反応させ、グルーブ形成および旋削加工を経て20mmの厚さの研磨層を製造した。
ポリエステル樹脂不織布にウレタン系樹脂が含浸された10mmの厚さのクッション層を用意し、前記研磨層の一面に熱融着接着剤を塗布し、前記クッション層の一面にも熱融着剤を塗布した後、それぞれの接着剤塗布面が当接するように加圧ローラで貼り合わせた。次いで、前記クッション層の他の一面上に減圧接着剤を塗布および乾燥して定盤上の付着のための接着層を製造した。
実施例1~8
前記研磨パッドを用いて研磨工程を繰り返し進行させた後、目標研磨時間範囲内に実際の研磨時間が超過した研磨パッドを実施例1~8として用いた。
実施例1~4は、使用した研磨パッドを定盤から分離させた後、DIWを用いて1分間洗浄し、水蒸気を研磨層の表面に噴射した後、コンディショニングしてこれを再度定盤に付着させた(Exsitu)。
実施例5~8は、定盤に装着された状態で水蒸気を研磨層の表面に噴射し、コンディショニングした(Insitu)。
比較例1
前記製造例によって製造された新しい研磨パッドを研磨工程に適用した。
比較例2
前記研磨パッドを用いて研磨工程を繰り返し進行させた後、目標研磨時間範囲内に実際の研磨時間が超過した研磨パッドを用いた。
実験例1:表面粗さおよび3Dイメージの測定
研磨工程の前後、研磨パッドの研磨層に対する表面粗さを測定するために、非接触式3D Optical Profiler(Bruker社のContour GT)を用いて測定した。
比較例2の値を基準として、水蒸気の供給前と供給後の研磨面に対するSaの変化率(%)は、下記式1によって計算した:
[式1]
(Svkr-Svkf)/Svkf×100
ここで、
Saは、前記研磨パッドに水蒸気を供給する前の、前記研磨面の表面粗さ(Sa)であり、
Saは、前記研磨パッドに水蒸気を供給した後の、前記研磨面の表面粗さ(Sa)である。
Svkの変化率(%)は、下記式4を用いて計算した。
[式4]
(Svk-Svk)/Svk×100
ここで、
Svkは、前記研磨パッドに水蒸気を供給する前の、前記研磨面の表面粗さ(Svk)であり、
Svkは、前記研磨パッドに水蒸気を供給した後の、前記研磨面の表面粗さ(Svk)である。
前記表面粗さの測定結果によって、下記式2および式3の値を導出した:
[式2]
[式3]
ここで、
Saは、3次元算術平均表面粗さSa値であり、
Spkは、研磨層の表面中心から導出したピークの平均高さに対する値であり、
Svkは、研磨層の表面中心の下に突出したグルーブの平均高さに対する値である。
実験例2:SEMイメージの測定
研磨工程前と後の研磨パッドの研磨層に対する表面のSEM写真を測定した。表面に対して100倍拡大してSEMイメージを測定した。
実験例3:研磨性能評価
CMP装置に研磨パッドを付着させ、シリコンウエハ(PETEOS)のオキサイド(Oxide)層が研磨パッドの研磨面を向くように設けた。研磨パッド上にか焼セリアスラリーを200mL/分の速度で供給し、キャリアは3.5psiの荷重であり、ヘッドスピード(Head speed)は87rpmであり、定盤の回転速度は93rpmである条件下、60秒間Oxide膜を研磨した。
研磨後、シリコンウエハをキャリアから切り離して、spin dryerに装着して精製水(DIW)で洗浄した後、窒素で15秒間乾燥した。乾燥したシリコンウエハを光干渉式厚さ測定装置(製造会社:Kyence社、モデル:SI-F80R)を用いて研磨前後の膜厚さの変化を測定した。以後、下記数式1を用いて研磨率を計算した。
[数1]
研磨率=シリコンウエハの研磨厚さ(Å)/研磨時間(60秒)
研磨工程の前と後でのウエハの厚さを測定して、研磨率を測定するもので、ウエハ上で一直線に48~100ポイントの地点に対して測定した。断面部位において1~3mmを除いたすべての部位を測定値として判断し、前記測定値を母数として、測定値の平均を除去率(RR、Removal Rate、Å/min)とし、(標準偏差/平均)×100(%)でWIWNU(Within Wafer NonUniformity)を算出した。
実験例4:研磨層の物性評価
(1)硬度
前記実施例および比較例によって製造された研磨パッドのShore D硬度を測定し、研磨パッドを2cm×2cm(厚さ:2mm)の大きさに切った後、温度25℃および湿度50±5%の環境で16時間静置した。以後、硬度計(D型硬度計)を用いて研磨パッドの硬度を測定した。
(2)引っ張り
前記実施例および比較例によって製造された研磨パッドそれぞれに対して、万能試験機(UTM)を用いて500mm/分の速度でテストしながら破断直前の最高強度値を取得した後、取得した値によりStrain-Stress曲線の20%~70%領域での傾きを計算した。
(3)伸び率
前記実施例および比較例によって製造された研磨パッドそれぞれに対して、万能試験機(UTM)を用いて500mm/分の速度でテストしながら破断直前の最大変形量を測定した後、最初の長さに対する最大変形量の比率をパーセント(%)で表した。
(4)弾性モジュラス
前記実施例および比較例によって製造された研磨パッドそれぞれに対して、万能試験機(UTM)を用いて500mm/分の速度でテストしながら破断直前の最高強度値を取得した後、取得した値によりStrain-Stress曲線の20%~70%領域での傾きを計算した。
前記実験例1~4の結果は、下記表1の通りである。
[表1]
(*使用したPadは、研磨工程に用いて目標研磨率または目標研磨不均一度に達していないものを意味することができる。)
実験例4による物性評価は、熱処理前および熱処理後の実施例および比較例で同じ値を示すことを確認することができる。これは、熱処理によって研磨パッドの研磨層の物性に影響を及ぼさないことを意味するものといえる。
実験例1による表面粗さの測定結果は、前記表1、図8および図9の通りである。図8は、使用完了し、使用した研磨パッド(比較例2)の研磨層に対する3Dイメージの撮影結果であり、図9は、実施例1~8のように熱処理によって再使用可能になった研磨パッドに対する3Dイメージ撮影結果である。前記図面に示したように、廃棄予定の研磨パッドは、表面粗さの程度において、均一に赤色の高さを示して、粗さの程度が緩やかに形成されたことを確認することができる。前記のような研磨層は、研磨工程への適用時、研磨率が低くて、研磨効率が低下する問題がある。
これに対し、実施例の場合、図9のように表面粗さが回復することを確認することができ、これは、前記表1の数値により確認可能である。具体的には、Saが5μm~7μmであり、Spkは2μm~6μmであり、Svkは12μm~20μmの範囲で示されることを確認した。前記測定値は、比較例2の研磨パッドと比較して高い数値を示して、表面粗さにおいて差が生じることを確認することができる。
表面粗さの測定結果に対して具体的に実験例2でSEM写真により研磨層の状態をより明確に確認した。図10および図12は、比較例2の研磨パッド内の研磨層に対するSEM写真で、図10は、100倍率で拡大した写真であり、図12は、300倍率で拡大した写真である。前記図10および図12によれば、研磨層の表面に形成された複数の気孔が研磨工程によって詰まったり、歪んだ形状であることを確認することができる。
これに対し、図11および図13は、熱処理後の実施例による研磨パッド内の研磨層に対するSEM測定写真で、気孔が大きく形成されており、気孔の詰まり現象が解消し、歪んだ形状でないことを確認することができる。
実験例3によって研磨性能を比較した結果において、比較例1の新しい研磨パッドは、研磨率が2,521Å/minで、研磨不均一度が4.60%であり、比較例2の廃棄予定の研磨パッドは、研磨率が1,741Å/minで、研磨不均一度が8.80%であった。
実施例1~8の場合、研磨率が1,800Å/min以上であり、研磨不均一度は8.50%以下で、比較例2に比べて高い研磨性能を示すことを確認した。すなわち、比較例2と比較して研磨率が高くなり、研磨不均一度においても優れた効果を示すことができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
10:研磨パッド装着ステップ
20:研磨工程の進行ステップ
21:スラリー注入ステップ
22:ディスクコンディショニングステップ
30:研磨所要時間に対する検証ステップ
31:研磨工程の繰り返し進行ステップ
32:目標研磨時間の超過による研磨工程の中断ステップ
40:目標研磨時間範囲内に含まれない研磨パッドに水蒸気を噴射するステップ
41:ディスクコンディショニングステップ
42:スラリー注入ステップ
50:研磨所要時間に対する再検証ステップ
51:研磨工程の繰り返し進行ステップ
52:目標研磨時間の超過による研磨工程の中断ステップ
100:研磨パッド
101:研磨層
102:研磨面
103:気孔
104:微細凹部
200:定盤
300:ノズル部
310:スラリー
400:キャリア
500:半導体基板
600:コンディショナ
700:水蒸気噴射部
710:加熱された水蒸気

Claims (9)

  1. 研磨パッドに水蒸気を供給するステップを含み、
    前記研磨パッドは、研磨面を備えた研磨層を含み、
    前記研磨層が複数の気孔を含み、
    前記研磨面が前記複数の気孔に由来する微細凹部を含み、
    前記研磨パッドに水蒸気を供給するステップで、
    前記微細凹部の形状変化による前記研磨面の表面粗さ(Sa)の変化率が下記式1によって30%~70%である
    研磨パッドのリフレッシュ方法。
    [式1]
    (Sa -Sa )/Sa ×100
    ここで、
    Sa は、前記研磨パッドに水蒸気を供給する直前の状態の前記研磨面の表面粗さ(Sa)であり、
    Sa は、前記研磨パッドに水蒸気を供給した直後の状態の前記研磨面の表面粗さ(Sa)である。
  2. 前記研磨パッドに水蒸気を供給するステップは、50~120℃の水蒸気を1~10分間供給するステップである、
    請求項1に記載の研磨パッドのリフレッシュ方法。
  3. 前記研磨面をコンディショニングするステップを追加的に含む、
    請求項1に記載の研磨パッドのリフレッシュ方法。
  4. 前記研磨パッドに水蒸気を供給するステップは、
    前記研磨パッドが定盤に装着された状態で行われる、
    請求項1に記載の研磨パッドのリフレッシュ方法。
  5. 前記研磨パッドに水蒸気を供給するステップは、
    前記研磨パッドが定盤から脱着した状態で行われる、
    請求項1に記載の研磨パッドのリフレッシュ方法。
  6. 前記研磨パッドに水蒸気を供給するステップの後、
    前記研磨層の下記式2で表される研磨回復指数(PRI)が3.10~3.80である、
    請求項1に記載の研磨パッドのリフレッシュ方法:
    [式2]

    ここで、
    Saは、ISO25178の3次元算術平均表面粗さSa値であり、
    Spkは、前記研磨層の表面中心から導出したピークの平均高さに対する値であり、
    Svkは、前記研磨層の表面中心の下に突出したグルーブの平均高さに対する値である。
  7. 研磨面を含む研磨パッドを定盤に装着するステップと、
    前記研磨面に研磨対象の被研磨面が当接するように配置した後、加圧条件下、前記研磨パッドと前記研磨対象を互いに相対回転させながら前記研磨対象を研磨させるステップと、
    前記研磨パッドの前記研磨面に水蒸気を供給するステップとを含み、
    前記研磨パッドは、研磨面を備えた研磨層を含み、
    前記研磨層が複数の気孔を含み、
    前記研磨面が前記複数の気孔に由来する微細凹部を含み、
    前記研磨パッドの前記研磨面に水蒸気を供給するステップで、
    前記微細凹部の形状変化による前記研磨面の表面粗さ(Sa)の変化率が下記式1によって30%~70%である
    半導体素子の製造方法。
    [式1]
    (Sa -Sa )/Sa ×100
    ここで、
    Sa は、前記研磨パッドに水蒸気を供給する直前の状態の前記研磨面の表面粗さ(Sa)であり、
    Sa は、前記研磨パッドに水蒸気を供給した直後の状態の前記研磨面の表面粗さ(Sa)である。
  8. 前記研磨面をコンディショニングするステップを追加的に含む、
    請求項7に記載の半導体素子の製造方法。
  9. 研磨パッドが装着される定盤と、
    半導体基板が装着されるキャリアと、
    水蒸気噴射部とを含み、
    前記水蒸気噴射部は、定盤に装着された研磨パッドに水蒸気を供給し、
    前記研磨パッドは、研磨面を備えた研磨層を含み、
    前記研磨層が複数の気孔を含み、
    前記研磨面が前記複数の気孔に由来する微細凹部を含み、
    前記研磨パッドの研磨面に水蒸気を供給する場合、
    前記微細凹部の形状変化による前記研磨面の表面粗さ(Sa)の変化率が下記式1によって30%~70%である
    半導体素子の製造装置。
    [式1]
    (Sa -Sa )/Sa ×100
    ここで、
    Sa は、前記研磨パッドに水蒸気を供給する直前の状態の前記研磨面の表面粗さ(Sa)であり、
    Sa は、前記研磨パッドに水蒸気を供給した直後の状態の前記研磨面の表面粗さ(Sa)である。
JP2022148494A 2021-09-17 2022-09-16 研磨パッドのリフレッシュ方法、これを用いた半導体素子の製造方法および半導体素子の製造装置 Active JP7437473B2 (ja)

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