JP7347478B2 - 電源回路、電源制御方法、及び電源制御プログラム - Google Patents

電源回路、電源制御方法、及び電源制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、電源回路、電源制御方法、及び電源制御プログラムに関する。
スマートウォッチ等の携帯型電子機器は、一次電池や二次電池等の直流電源と、液晶表示パネルと、液晶表示パネル等を制御するCPU(Central Processing Unit)と、直流電源の電圧を昇降圧してCPUや液晶表示パネルを駆動する電源部とを備えて構成されている。
電子機器、例えば電源部に実装されているコンデンサは、低温時には容量が低下する性質を有している。電子デバイス自体が熱を発するため、電子機器を低温環境下で使用するときであっても、使用中にコンデンサが温度上昇し、容量低下が問題となることはない。しかしながら、停止状態、且つ低温環境下に置かれていた電子機器を再起動する場合には、コンデンサの容量が低下した状態になっている。このような状態のときには、出力電力が規定値に達せず、電子機器が正常に起動しないことがある。
このような問題を解決するために、特許文献1には、低温による不起動を防止する電子装置の起動方法が開示されている。つまり、特許文献1に記載の技術は、電子機器が起動された際に空間内の温度が第1の温度以下であった場合には、制御手段は記憶手段からのプログラムの読み出しを行わずに待機し、ファン等の吸排気を行わないようにしている。これにより、特許文献1に記載の技術は、素子の発熱によって、空間内の温度が第1の温度を超過したときに、制御手段が記憶手段からプログラムを読み出して起動するようにしている。
特開2004-185439号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、ファン等で吸排気を行って、温度を低下させることを前提にした技術である。装置の起動に失敗する他の要因として、例えば、コンデンサの容量低下による起動失敗時から時間を置かず、再起動した場合、コンデンサの電荷が抜けきらず、再起動に失敗してしまうことがある。なお、このような場合、特許文献1の技術を用いて、問題を解決しようとしても、素子の温度上昇を期待できないので、第1の温度に到達することがなく、ユーザに必要以上の待ち時間を強要してしまう結果になる。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、電源部の再起動を成功させることができる電源回路、電源制御方法、及び電源制御プログラムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の電源回路は、負荷に所定の直流電圧を印加する電源部と、直流電源と前記電源部の入力端子との接続を短絡、または開放させるスイッチと、温度を計測するセンサ部と、前記スイッチを短絡させても、前記電源部から前記負荷に対して前記所定の直流電圧が印加されないと判定したときには、前記スイッチを開放させ、前記スイッチを開放させてから所定時間経過後に、前記スイッチを短絡させる制御部と、を備え、前記所定時間は、前記センサ部が計測した前記温度が低いほど、長い値に設定されていることを特徴とする。なお、括弧内の符号や文字は、実施形態において付した符号等であって、本発明を限定するものではない。
本発明によれば、電源部の再起動を成功させることができる。
本発明の第1実施形態である電源システムの構成図である。 温度と起動待機時間との関係を示すテーブルである。 本発明の第1実施形態である電源回路の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第1実施形態である電源回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の第2実施形態である電源システムの構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)について詳細に説明する。なお、各図は、本実施形態を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である電源システムの構成図である。
電源システムSは、直流電源1と、電源回路100aと、外部回路としての外部CPU150とを備え、例えば、スマートウォッチ等の携帯機器に搭載される。なお、本実施形態のスマートウォッチの外部CPU150は、例えば、図示しない液晶表示パネル等を制御する。そのため、外部回路としてCPU150の制御対象である液晶表示パネル等が含まれる。外部回路はこれに限定されず、本発明を適用する装置に応じて変更されてもよい。直流電源1は、例えば、一次電池や二次電池等の直流電圧を発生させるものであり、直流電圧VDCを発生する。電源回路100aは、直流電源1が供給する直流電圧VDCを降圧して外部CPU150や図示しない液晶パネル等の負荷に直流電力を供給する。なお、図1に示した回路の太線は、電流経路を示し、細線は、信号線等を示す。
電源回路100aは、スイッチ2と、電圧検出部3と、センサ部としての温度計測部4と、第1コンデンサ6と、第2コンデンサ7と、電源部10aと、制御部20とを備える。本実施形態において、スイッチ2は、例えば、MOS(Metal Oxide Semiconductor)スイッチやSSR(Solid State Relay)等の半導体スイッチであり、直流電源1と電源部10aの入力端子との間に設けられている。スイッチ2は半導体スイッチに限定されず、同様の効果が達成される範囲内であれば、変更があってもよい。スイッチ2は、制御部20の制御にしたがって、オン状態、または、オフ状態に切り替えられる。すなわち、制御部20の制御にしたがって、直流電源1と電源部10aの入力端子との間を短絡させた状態(オン状態)、または、直流電源1と電源部10aの入力端子との間を開放させた状態(オフ状態)になるようにスイッチ2の状態が切り替えられる。
スイッチ2がオン状態になり、直流電源1と電源部10aの入力端子との間が短絡した状態になることで、直流電源1から供給される直流電力が電源部10aに供給される。本実施形態において、スイッチ2は制御部20が送信するSW信号によってオン状態またはオフ状態に切り替わる。スイッチ2は、例えばSW信号がLowレベルの場合、オフ状態であり、SW信号がHighレベルの場合は、オン状態である。なお、コンデンサの電気容量の大きさ及び第1コンデンサ6と第2コンデンサ7の電気容量の大小関係は特に限定されないが、本実施形態において、第2コンデンサ7は、第1コンデンサ6よりも電気容量が小さく設定された例として説明する。また、特に図示はしないが、電源部10aはさらにほかにも出力端子を有していてもよく、それぞれの出力端子に接続されるコンデンサの電気容量の大きさも特に限定されない。
電圧検出部3は、電源部10aの入力電圧Vinが所定の閾値以上であるかを検出し、検出結果を制御部20に通知する。なお、本実施形態において、入力電圧Vinは直流電源1が供給する直流電圧VDCとほぼ等しくなる。本実施形態において、温度計測部4は、温度に応じた電圧を出力する。そして制御部20は温度計測部4の出力電圧地に基づいて温度を特定する。温度計測部4は、例えば、第1コンデンサ6の温度を計測するのが好ましいが、本発明が適用される装置内部の温度や、環境温度を測定してもよい。電圧検出部3及び温度計測部4は、直流電源1の出力電圧を用いて駆動する。第1コンデンサ6及び第2コンデンサ7は、電源部10aのICに外付けされているコンデンサである。一般的にコンデンサの放電時間やコンデンサの放電時の電圧の下がり方には温度依存性がある。そのため、第1コンデンサ6は、放電時間及び放電時の電圧の下がり方に温度依存性を有する。
電源部10aは、第1降圧部としてのLDO(Low Drop Out)電源11と、第2降圧部としてのLDO電源12と、論理回路13と、判定回路としてのコンパレータ14と、基準電源15と、ダイオード16とを備える。LDO電源11は、入力電圧Vinを第1出力電圧Vo1まで降圧する直流電源回路であり、出力端子に第1コンデンサ6が接続されている。これにより、LDO電源11は、スイッチ2がオン状態になると第1出力電圧Vo1を出力する。
論理回路13は、ドライブ回路を内蔵し、制御部20が出力するEN信号に基づいて、LDO電源11の第1出力電圧Vo1をLDO電源12の入力端子に印加する。例えば、本実施形態において、制御部20が出力するEN信号がHighレベルとなると、論理回路13はLDO電源11の第1出力電圧Vo1をLDO電源12の入力端子に印加する。この論理回路13は、第1コンデンサ6の放電が不完全な状態でEN信号をHighレベルにすると、正常に動作しない不具合を内在しているものとする。
LDO電源12は、論理回路13を介して印加される直流電圧(≒第1出力電圧Vo1)を第2出力電圧Vo2に降圧する降圧回路である。LDO電源12は、出力端子に第2コンデンサ7が接続されており、外部回路としての外部CPU150等が接続される。ダイオード16は、アノードがLDO電源11の出力端子に接続され、カソードが入力端子に接続されている。これにより、ダイオード16は、スイッチ2がオフ状態になったとき、LDO電源11を保護すると共に、第1出力電圧Vo1を入力端子に戻す。
コンパレータ14は、LDO電源12の第2出力電圧Vo2と基準電源15の電圧(基準電圧)とを比較し、比較結果(判定結果)を帰還信号Pとして制御部20に送信する。基準電源15は、電流に無関係に一定電圧を維持する素子、例えばツェナダイオードである。基準電圧は、LDO電源12の出力設定電圧よりも小さな電圧に設定されている。これにより、コンパレータ14は、LDO電源12が第2出力電圧Vo2を出力したか否かを判定する。言い換えれば、コンパレータ14は、LDO電源12の第2出力電圧Vo2と基準電源15の電圧(基準電圧)とを比較し、第2出力電圧Vo2が基準電源15の電圧(基準電圧)よりも大きい場合にHigh levelで帰還信号Pを送信し、基準電源15の電圧(基準電圧)が第2出力電圧Vo2よりも大きい場合にLow levelで帰還信号Pを送信する。これにより、コンパレータ14は、LDO電源12が起動状態であるか否かを判定し、判定結果を帰還信号Pとして制御部20に送信する判定回路として機能する。なお、帰還信号Pは、EN信号に対する帰還信号を意味する。
制御部20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と図示しない記憶部を備えている。記憶部には、本実施例において、例えば、FROM(Flash Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)が含まれる。FROMには、電源処理方法の一実施形態を制御部に実行させるための電源制御プログラムやテーブル200が格納されている。制御部20は、電源制御プログラムの実行により、LDO電源12の第2出力電圧Vo2が発生しなかったときに、所定時間、待機してから電源部10aを再起動させる機能を実現する。すなわち、電源制御プログラムの実行により、制御部20はコンパレータ14によってLDO電源12の第2出力電圧Vo2が発生しなかったと判定され、コンパレータ14から帰還信号Pを受信したときから所定時間が経過するまで待機し、再起動させる機能を実現する。テーブル200は、温度計測部4が計測した温度と、電源部10aを起動させるときの待機時間である起動待機時間との関係を示すものである。
なお、この起動待機時間は制御部20がスイッチ2をオフ状態にした後からの待機時間であるが、テーブル200として記憶される起動待機時間は、コンパレータ14によってLDO電源12の第2出力電圧Vo2が発生しなかったと判定され、コンパレータ14から帰還信号Pを受信したときからの待機時間であってもよいし、制御部20がスイッチ2をオフ状態にさせた後からの待機時間であってもよい。この起動待機時間は、温度依存性を有する第1コンデンサ6の放電時間を考慮して、第1コンデンサ6に蓄積されている電荷が十分に放電される時間に設定されている。なお、LDO電源11が出力する電圧によっても電荷の放電時間が変化するため、LDO電源11の出力設定電圧の高低に応じて起動待機時間を変化させても構わない。その場合、図示しない記憶部は起動待機時間と温度とLDO電源11の出力設定電圧とを対応付けて記憶していればよい。
図2は、温度と起動待機時間との関係を示すテーブルである。
テーブル200は、温度と起動待機時間との項目を有し、例えば、温度-10[℃]、0[℃]、10[℃]、25[℃]、40[℃]に対応する起動待機時間180[秒]、140[秒]、120[秒]、100[秒]、80[秒]を格納している。なお、各温度の中間値は、制御部20が直線補間する。なお、第1コンデンサ6の特性に応じて、さらに細かく待機時間を設定する温度域を設けても構わない。
図3は、本実施形態の電源回路の電源制御処理を制御部が実行するための方法であり、電源処理方法の一実施形態を表すフローチャートである。図4は、そのタイミングチャートである。
図3のフローは、図4の時刻t2で操作者が操作部(図示せず)を操作することによって、制御部20内のCPUが制御部20内の記憶部に格納されたプログラムを読み出し、実行する。まず、図4を用いて、時刻t2になるまでについて説明し、時刻t2以降について図3,4を用いて説明する。
時刻t<t1においては、スイッチ2がオン状態であり、電源部10aの入力端子には、VDCとほぼ等しい入力電圧Vinが印加されており、第1出力電圧Vo1が第1コンデンサ6に印加されている。
時刻t1において、制御部20は、SW信号をHighレベルからLowレベルに遷移し、スイッチ2をオン状態からオフ状態に遷移させる。これにより、第1コンデンサ6の第1出力電圧Vo1が徐々に低下し、電源部10aの入力電圧Vinが第1出力電圧Vo1からダイオード16の順方向電圧を減算した値で徐々に低下する。
時刻t1では、制御部20は、SW信号をLowレベルにすると同時に、EN信号をHighレベルからLowレベルにする。これにより、電源部10aの第1出力電圧Vo1の低下に伴って、第2出力電圧Vo2が低下する。これにより、コンパレータ14の出力する帰還信号Pは、HighレベルからLowレベルに変化する。
時刻t2で、プログラムを制御部の記憶部から読みだして実行することにより、図3のフローが起動する。このとき、時間(t2-t1)は、第1コンデンサ6の残留電圧V(例えば、0.5V程度)が残っている程度に短いものとする。なお、本実施例においては、第2コンデンサ7は、第1コンデンサ6よりも容量が小さいので、第2出力電圧Vo2の方が第1出力電圧Vo1よりも放電による電荷の低下率が大きい。そのため、第2出力電圧Vo2は、0Vまで低下している。
制御部20は、SW信号をLowレベルからHighレベルにし、スイッチ2をON状態にする(S1)。これにより、電源部10aの入力電圧Vinは、直流電圧VDCまで上昇し、第1出力電圧Vo1が上昇する。なお、時刻t2では、制御部20は、EN信号をHighレベルにしない。
S1の処理後、制御部20は、所定時間(t3-t2)待機する(S2)。この待機により、仮に、時刻t2で第2出力電圧Vo2が0Vまで低下していなくても、時刻t3では、第2出力電圧Vo2が0Vまで低下する。S2の待機後、制御部20は、EN信号をHighレベルにし、電源部10aのLDO電源12を起動させる(S3)。この場合、第1コンデンサの残留電圧Vにより、論理回路13の動作が不安定であり、LDO電源12が駆動していない。このため、時刻t3では、第2出力電圧Vo2は、0Vの状態に維持され、帰還信号Pは、Lowレベルに維持される。なお、この残留電圧Vは、外部CPU150等の動作や消費電力に応じて、さまざまな値をとる。
S3の処理後、制御部20は、電源部10a(特に、LDO電源12)の起動を監視し(S4)、帰還信号Pの状態を判定する(S5)。帰還信号PがLowレベルからHighレベルになると(S5でYes)、制御部20は、電源部10aが正常に起動したものとし、処理を終了する。
一方、帰還信号PがLowレベルを維持していれば(S5でNo)、制御部20は、電源部10aの起動失敗と判断し、T秒(例えば、2秒)経過したか否か判定する(S6)。T秒経過していなければ(S6でNo)、制御部20は、処理をS4に戻し、帰還信号Pの監視を継続する。T秒経過したら(S6でYes)、制御部20は、時刻t4でEN信号をHighレベルからLowレベルにする(S7)。言い換えれば、制御部20は、電源部10aの出力をオフにさせるための信号を送る。電源部10aのLDO電源12は、駆動しないので、第2出力電圧Vo2は、0Vを維持する。
S7の処理後、制御部20は、時刻t4でSW信号をHighレベルからLowレベルにし、スイッチ2をオフ状態にする(S8)。これにより、電源部10aの第1出力電圧Vo1が徐々に低下する。なお、第2出力電圧Vo2は、LDO電源12が駆動していないので、0Vの状態を維持している。なお、電源部10aの入力電圧Vinは、第1出力電圧Vo1からダイオード16の順方向電圧を減少させた値で低下する。
S8の処理後、制御部20は、温度計測部4から温度を取得し(S9)、テーブル200(図2)を参照して、温度に合致した起動待機時間を読み込み、その時間だけ待機(Wait)する(S10)。このとき、制御部20は、テーブル200の各温度の中間値を直線補間して、起動待機時間の中間値を演算する。なお、起動待機時間は、温度依存性を有する第1コンデンサ6の放電時間を考慮して、第1コンデンサ6に蓄積されている電荷が十分に放電される時間に設定されている。この待機により、第1コンデンサ6の電荷は、十分に放電し、第1出力電圧Vo1が0Vになる。S10の処理後、制御部20は、処理をS1に戻し、時刻t5でSW信号をHighレベルにし、電源部10aを再起動させる。
電源部10aの再起動(S1)により、時刻t5で、電源部10aの入力電圧Vinは、直流電圧VDCまで立ち上がり、第1出力電圧Vo1も立ち上がる。S2で所定時間(t6-t5)待機後、制御部20は、時刻t6で、EN信号をHighレベルにする(S3)。この再起動では、第1コンデンサ6の電荷が十分に放電しているので、論理回路13は、正常に動作し、LDO電源12を駆動させる。そして、必要な第2出力電圧Vo2が発生し、外部CPU150が駆動する。そして、帰還信号PがHighレベルに立ち上がる。また、帰還信号Pは、時刻t6でHighレベルに遷移する。これにより帰還信号Pは、より確実に電源部10aが正常に起動したことを制御部20に知らせることができる。
以上説明したように、本実施形態の電源システムSによれば、第1コンデンサ6の残存電荷のため、論理回路13が誤動作し、電源部10aのEN信号を立ち上げてもLDO電源12が駆動しない場合、制御部20は、一旦、スイッチ2をオフ状態にし、所定時間待機させる。これにより、第1コンデンサ6の残存電荷が無くなった状態で、制御部20は、スイッチ2をオン状態にし、EN信号を立ち上げる。これにより、論理回路13の誤動作が回避され、LDO電源12が駆動する。なお、待機する所定時間は、環境温度(特に、第1コンデンサ6の温度)が低いほど、長くする。
このように、本実施形態の電源システムSは、シーケンス制御が正常に動作しないことを検出して、該当するシーケンスの開始前に戻り、正常に動作しない原因を解消できる待ち時間を設けて再度該当するシーケンスを実行することにより、シーケンスの進行を確実に遂行することができる。
(第2実施形態)
前記第1実施形態の帰還信号Pは、第2出力電圧Vo2の発生状態をコンパレータ14で判定した判定結果を用いていたが、外部CPU150の状態出力を用いても構わない。
図5は、本発明の第2実施形態である電源システムの構成図である。
電源システムSは、前記第1実施形態と同様に、直流電源1と、電源回路100bと、外部回路としての外部CPU150とを備える。電源回路100bは、スイッチ2と、電圧検出部3と、温度計測部4と、第1コンデンサ6,第2コンデンサ7と、電源部10bと、制御部20とを備える。電源部10bは、2つのLDO電源11,12と、論理回路13と、ダイオード16とを備えているが、図1に示すコンパレータ14及び基準電源15を備えていない。なお、第1コンデンサ6、第2コンデンサ7の電気容量の大きさは特に限定されないし、第1コンデンサ6、第2コンデンサ7の電気容量の大小関係も特に限定されない。また、特に図示はしないが、電源部10bはさらにほかにも出力端子を有していてもよく、それぞれの出力端子に接続されるコンデンサの電気容量の大きさも特に限定されない。本実施形態は、第2コンデンサ7の電気容量が第1コンデンサ6の電気容量より低い場合の一例である。
電源部10bの帰還信号Pは、外部CPU150の出力信号P1を用いている。出力信号P1は、外部CPU150の駆動状態で、Highレベルに設定されている。つまり、第2出力電圧Vo2が発生せず、外部CPU150が駆動しなければ、出力信号P1がLowレベルになる。そして、電源部10bは、出力信号P1を帰還信号Pとして、制御部20に送信している。これにより、制御部20は第2出力電圧Vo2が発生せず、外部CPU150が駆動していないと判定し、電源部10bの再起動を行うことができる。なお、帰還信号Pの立ち上がり(t6(図4)は、判定にある程度の時間を要するので、時刻t6よりも若干遅れることがある。
以上説明したように、本実施形態の本実施形態の電源システムSによれば、第1コンデンサ6の残存電荷(残留電圧V(図4))のため、論理回路13が誤動作し、電源部10bのEN信号を立ち上げてもLDO電源12が駆動しないことを、制御部20は、外部CPU150の出力信号P1を帰還信号Pとして電源部10bを介して取得する。
そして、前記第1実施形態と同様に、制御部20は、一旦、スイッチ2をオフ状態にし、所定の起動待機時間だけ待機する。これにより、第1コンデンサ6の残存電荷が無くなった状態で、制御部20は、スイッチ2をオン状態にし、EN信号を立ち上げる。これにより、論理回路13の誤動作が回避され、LDO電源12が駆動する。なお、所定の待機時間は、スイッチ2をオフ状態にした後からカウントされてもよいし、帰還信号Pを制御部20が取得した後からカウントされてもよい。
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のような変形が可能である。
(1)前記第1,2実施形態の電源部10bは、LDO電源11を設けていたが、LDO電源11を省略しても構わない。つまり、スイッチ2の出力端子と第1コンデンサ6とが接続されても構わない。このときには、電圧検出部3が入力電圧Vin=第1出力電圧Vo1を測定することになる。また、テーブル200の起動待機時間は、直流電源1の電圧が高いほど、長い値に設定されている。
(2)前記第1,2実施形態では、S2(図3)で待機していたが、待機しなくても構わない。このときには、制御部20は、SW信号及びEN信号を同時にHighレベルにすることになる。
(3)電圧検出部が直接第1コンデンサ6の残留電圧Vを測定するようにしてもよい。その場合、電圧検出部が検出した残留電圧Vが所定の値以下になるまで待機すればよいので、あらかじめ待機時間が設定されていなくてもよい。
(4)上述した実施形態において、第1コンデンサ6が十分に放電するように起動待機時間が設けられていたが、第1コンデンサ6が0でない一定以下の残留電圧になるまでの起動待機時間を設けるようにしてもよい。例えば、起動に失敗する場合の残留電圧Vが特定されているのであれば、起動に失敗することのない程度に残留電圧Vが放電されるまで待機するような構成にしてもよい。
(5)前記各実施形態のスイッチ2は、例えば、MOS(Metal Oxide Semiconductor)スイッチやSSR(Solid State Relay)等の半導体スイッチとしていたが、機械的リレーを用いても構わない。
〔付記〕
<請求項1>
負荷に直流電力を供給する電源部と、
前記電源部の出力電圧を保持するコンデンサと、
直流電源と前記電源部の入力端子との接続を短絡、または開放させるスイッチと、温度を計測するセンサ部と、
前記スイッチを短絡させても、前記負荷に直流電力が供給されないと判定したときには、前記スイッチを開放させ、前記スイッチを開放させてから所定時間経過後に、前記スイッチを短絡させる制御部と、
を備え、
前記所定時間は、前記センサ部が計測した前記温度が低いほど、長い値に設定されていることを特徴とする電源回路。
<請求項2>
前記制御部は、前記直流電源が供給する直流電力を用いて駆動する
ことを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
<請求項3>
前記電源部は、入力電圧を降圧する第1降圧部と、該第1降圧部の出力電圧を降圧する第2降圧部と、前記第1降圧部から前記第2降圧部への電力供給を制御する論理回路とを備え、
前記負荷は、前記第2降圧部の出力端子に接続されており、
前記コンデンサは、前記第1降圧部の出力端子に接続されている第1コンデンサと前記第2降圧部の出力端子に接続されている第2コンデンサとを有し、
前記制御部は、前記スイッチの短絡、または開放に応じて、前記論理回路の制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電源回路。
<請求項4>
前記所定時間は、前記第1降圧部の出力電圧が高いほど、長い値に設定されている
ことを特徴とする請求項3に記載の電源回路。
<請求項5>
前記電源部は、前記スイッチの短絡後に前記第2降圧部が起動状態であるか否かを判定し、判定結果を前記制御部に送信する判定回路をさらに備え、
前記制御部は、前記第2降圧部が非起動状態と判定した判定結果を受信したとき、前記スイッチを開放させ、前記スイッチを開放させてから前記所定時間経過後、前記スイッチを短絡させ、
前記第2降圧部が起動していると判定した判定結果を受信したとき、前記スイッチの短絡を維持させる
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電源回路。
<請求項6>
前記判定回路はコンパレータであり、
所定の電圧値と前記第2降圧部からの出力電圧値とを比較することによって判定結果を前記制御部に送信することを特徴とする請求項5記載の電源回路。
<請求項7>
前記電源部は、前記入力端子の電圧を降圧する降圧部と、前記入力端子から前記降圧部への電力供給を制御する論理回路とを備え、
前記負荷は、前記降圧部の出力端子に接続されており、
前記コンデンサは、前記スイッチに接続されている第1コンデンサと前記降圧部の出力端子に接続されている第2コンデンサとを有し、
前記制御部は、前記スイッチの短絡、または開放に応じて、前記論理回路の制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の電源回路。
<請求項8>
前記所定時間は、前記直流電源の電圧が高いほど、長い値に設定されている
ことを特徴とする請求項7に記載の電源回路。
<請求項9>
前記制御部は、前記スイッチの短絡後に前記負荷の動作を確認できないときに、前記スイッチを開放させ、前記スイッチを開放させてから前記所定時間経過後、前記スイッチを短絡させ、
前記スイッチの短絡後に前記負荷の動作を確認できたときに、前記スイッチの短絡を維持させる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の電源回路。
<請求項10>
前記負荷は動作時に所定信号を出力し、前記制御部は前記所定信号を検出した場合に前記スイッチの短絡を維持させる
ことを特徴とする請求項9に記載の電源回路。
<請求項11>
前記負荷はCPUを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の電源回路。
<請求項12>
負荷に直流電力を供給する電源部と、前記電源部の出力電圧を保持するコンデンサと、直流電源と前記電源部の入力端子との接続を短絡、または開放するスイッチと、温度を計測するセンサ部と、前記スイッチを制御する制御部とを有する電気回路における前記制御部が実行する電源制御方法であって、
前記スイッチを短絡させた後に、前記負荷に直流電力が供給されているか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて前記負荷に直流電力が供給されていないと判定したときに、前記スイッチを開放させる開放ステップと、
前記センサ部が測定した温度に応じて、前記スイッチを短絡させるまでの所定時間を設定し、前記スイッチを開放させてから所定時間経過後に、前記スイッチを短絡させる短絡ステップと、を実行する
ことを特徴とする電源制御方法。
<請求項13>
請求項12に記載の電源制御方法を前記制御部に実行させることを特徴とする電源制御プログラム。
1 直流電源
2 スイッチ
4 温度計測部(センサ部)
6 第1コンデンサ
7 第2コンデンサ
10a,10b 電源部
11 LDO電源(第1降圧部)
12 LDO電源(第2降圧部)
13 論理回路
14 コンパレータ(判定回路)
20 制御部
100a,100b 電源回路
150 外部CPU
200 テーブル

Claims (5)

  1. 負荷に所定の直流電圧を印加する電源部と、
    直流電源と前記電源部の入力端子との接続を短絡、または開放させるスイッチと、
    温度を計測するセンサ部と、
    前記スイッチを短絡させても、前記電源部から前記負荷に対して前記所定の直流電圧が印加されないと判定したときには、前記スイッチを開放させ、前記スイッチを開放させてから所定時間経過後に、前記スイッチを短絡させる制御部と、
    を備え、
    前記所定時間は、前記センサ部が計測した前記温度が低いほど、長い値に設定されていることを特徴とする電源回路。
  2. 前記電源部は、入力電圧を降圧する第1降圧部と、該第1降圧部の出力電圧を降圧する第2降圧部と、前記第1降圧部から前記第2降圧部への電力供給を制御する論理回路と、
    基準電源と、を備え、
    前記負荷は、前記第2降圧部の出力端子に接続されており、
    前記制御部は、前記第2降圧部の出力電圧と前記基準電源の電圧との比較結果に基づいて前記判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
  3. 前記所定時間は、前記第1降圧部の出力電圧が高いほど、長い値に設定されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の電源回路。
  4. 負荷に所定の直流電圧を印加する電源部と、直流電源と前記電源部の入力端子との接続を短絡、または開放するスイッチと、温度を計測するセンサ部と、前記スイッチを制御する制御部とを有する電気回路における前記制御部が実行する電源制御方法であって、
    前記スイッチを短絡させた後に、前記電源部から前記負荷に対して前記所定の直流電圧が印加されるか判定する判定ステップと、
    前記判定ステップにおいて前記電源部から前記負荷に対して前記所定の直流電圧が印加されない判定したときに、前記スイッチを開放させる開放ステップと、
    前記センサ部が測定した温度に応じて、前記スイッチを短絡させるまでの所定時間を設定し、前記スイッチを開放させてから所定時間経過後に、前記スイッチを短絡させる短絡ステップと、を実行する
    ことを特徴とする電源制御方法。
  5. 請求項4に記載の電源制御方法を前記制御部に実行させることを特徴とする電源制御プログラム。
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