JP7346950B2 - 印刷装置 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷装置に関する。
従来、用紙に印刷を行う印刷装置において、特許文献1に示すように、印刷装置内部の冷却を行うために、印刷装置を構成する外装ケースの側面にファンおよび空気の流入口を設けることが開示されている。そして、ファンが駆動することにより、外装ケースの側面に設けた流入口から印刷装置の外部の空気を印刷装置の内部に流入させることにより冷却を行うことが開示されている。
特開平10-143053号公報
しかしながら、特許文献1によれば、印刷装置を設置する際、印刷装置の側面に設けた流入口を塞がないように、壁から離間して設置する必要があり、設置の自由度がないことが課題であった。また、流入口から流入する空気は、直接、回路基板の発熱部に吹き付ける構成であるため、印刷装置の内部に流入した空気中に鉄粉などの導電性を有する粉塵が混入している場合には、回路基板に実装されている回路素子の端子部に導電性の粉塵が付着することで、ショートなどの不具合を発生させる恐れがあることが課題であった。
印刷装置は、駆動源となる電源部と、用紙に印刷を行う印刷部と、前記電源部または前記印刷部を駆動する回路基板と、前記回路基板を冷却する冷却部と、を筐体の内部に備え、前記冷却部は、前記筐体の背面に設置されて前記筐体の外部の空気が流入する流入口を有する流入部と、前記流入口から流入する前記空気が前記筐体の前面側に流動する第1流路と、前記第1流路を流動した前記空気を前記筐体の背面側に折り返す折返し流路と、前記折返し流路で折り返された前記空気が前記背面側に流動する第2流路と、前記背面に設置されて前記第2流路を流動した前記空気が前記筐体の外部に流出する流出口を有する流出部と、前記流入口から前記空気を流入させると共に、前記第1流路と前記折返し流路と前記第2流路とを経由した前記空気を前記流出口から流出させるファンと、を備え、前記回路基板は、前記第2流路内に配置されていることを特徴とする。
上記の印刷装置において、前記第1流路と前記第2流路とは、前記回路基板を固定する固定部材により隔てられていることが好ましい。
上記の印刷装置において、前記固定部材は、金属部材で構成されていることが好ましい。
上記の印刷装置において、前記固定部材の前記第1流路側の面には、放熱用のフィンが形成されていることが好ましい。
上記の印刷装置において、前記第1流路および前記第2流路は、前記筐体の内部に備える前記印刷部と隔離されていることが好ましい。
上記の印刷装置において、前記流出口は、前記流入口よりも上方に設けられていることが好ましい。
上記の印刷装置において、前記回路基板は、前記印刷部を駆動する回路基板であって、前記ファンは、前記流出口が設置される前記背面の内側に設置されていることが好ましい。
上記の印刷装置において、前記回路基板は、前記電源部を構成する回路基板であって、前記ファンは、前記第2流路内に配置される前記回路基板の前記前面側の下側に設置されていることが好ましい。
本実施形態に係る印刷装置を模式的に示す断面図。 印刷装置の概要を示す上面図。 印刷装置を背面側から見た状態を示す背面図。 メイン基板冷却部を上側(+Z方向)から見た断面図。 メイン基板冷却部を背面側(-X方向)から見た断面図。 メイン基板冷却部を左側(-Y方向)から見た断面図。 電源基板冷却部を上側(+Z方向)から見た断面図。 電源基板冷却部を背面側(-X方向)から見た断面図。 電源基板冷却部を右側(+Y方向)から見た断面図。
1.実施形態
本発明の実施形態に係る印刷装置1について、図を参照して説明する。
本実施形態において、印刷装置1は、例えば、ロール状に巻回された用紙としてのラベル用紙101を繰出して印刷を行う印刷装置である。
図1は、本実施形態に係る印刷装置1を模式的に示す断面図である。図2は、印刷装置1の概要を示す上面図である。なお、各図においては、縮尺を変えて図示している。
説明の便宜上、印刷装置1を水平面に載置した場合を基準として、XYZ座標系を用いる。詳細には、印刷装置1の前後方向をX方向として、前方または前面側を+X方向、後方または背面側を-X方向とする。印刷装置1のX方向に水平面で直行する左右方向をY方向として、印刷装置1を前面側から見た場合の左方向または左側を-Y方向、右方向または右側を+Y方向とする。そして、印刷装置1のX方向、Y方向に直行する方向、言い換えると水平面に対して垂直方向をZ方向として、上方または上側を+Z方向、下方(重力方向)または下側を-Z方向とする。以上のように方向を規定して以降の説明の中で適宜使用する。なお、Y方向は、印刷装置1およびラベル用紙101の幅方向となる。
図1、図2を参照して、印刷装置1の概要を説明する。
本実施形態の印刷装置1は、図示省略するパソコン、携帯端末などの情報処理装置から送信された印刷データに基づいて、ロール紙100(ラベル用紙101)に、インクジェット方式で画像や文字を印刷する。
図1、図2に示すように、印刷装置1は、略直方体形状の筐体10を有している。筐体10の前面には、図2に示すように、ディスプレイや操作ボタンなどが配置された表示・操作パネル11が設置されている。更に、筐体10の前面で、幅方向の中央には、ラベル用紙101を排出する排出口12が設置されている。なお、排出口12からは、印刷部3で印刷されたラベル用紙101が排出される。筐体10の背面側の幅方向の中央部には、ラベル用紙101が巻回されたロール紙100が設置されている。筐体10の上側の幅方向の中央部後方には、図2に示すように、ロール紙カバー13が設置されており、ロール紙100をセットする際や交換する際に開放する。
図1に示すように、ロール紙100は、円筒状の例えば紙管23を芯として、ラベル用紙101をロール状に巻回したものである。ラベル用紙101は、台紙102と、複数のラベル103とで構成されている。台紙102は、帯状に形成された連続紙である。台紙102の表面には、複数のラベル103が台紙102の長さ方向に略等間隔に貼付されている。ラベル103は台紙102から剥離可能である。
図1に示すように、印刷装置1には、ラベル用紙101が搬送される経路となる搬送経路Kが形成される。ロール紙100から繰り出されたラベル用紙101は、搬送経路Kに沿って搬送方向Hに搬送される。
印刷装置1は、ラベル用紙送出部2、印刷部3、カット部4を含んで構成されている。図1に示すように、ラベル用紙送出部2は、ロール紙装着部21を備えている。ロール紙装着部21にロール紙100の紙管23を挿入することにより、ロール紙装着部21に回転可能にセットされる。これにより、ラベル用紙101は、ロール紙装着部21の回転に応じてロール紙100が回転することにより繰出される。
印刷部3は、用紙搬送ローラー25と印刷ユニット30とプラテン35とを備えている。用紙搬送ローラー25は、ラベル用紙101を挟持して搬送する搬送ローラーとして構成されている。用紙搬送ローラー25は、ラベル用紙101の搬送方向Hにおいて、印刷ヘッド33の上流側に設置されている。用紙搬送ローラー25は、ラベル用紙101を挟持してプラテン35に向けて搬送する。なお、本実施形態の印刷装置1は、シリアルタイプの印刷装置であるため、ラベル用紙101の搬送速度が一定ではなく、用紙搬送ローラー25は、後述する第1駆動源により、間欠駆動されることで、ラベル用紙101を搬送方向Hに間欠搬送する。
用紙搬送ローラー25は、ニップローラーとしての用紙搬送駆動ローラー26と用紙搬送従動ローラー27とを備えている。用紙搬送駆動ローラー26は、送りモーターなどを有する駆動源(図示省略)からの動力が伝達されることによって回転駆動される。用紙搬送従動ローラー27は、用紙搬送駆動ローラー26に接して従動回転する。なお、用紙搬送駆動ローラー26と用紙搬送従動ローラー27とは、搬送方向Hと交差する方向に設置されている。
用紙搬送ローラー25の下流側には、プラテン35と印刷ユニット30とが設置されている。プラテン35は、上面に複数の吸引孔(図示省略)が設置されており、各吸引孔は、吸引ファン(図示省略)に連通している。これにより、ラベル用紙101がプラテン35の上面に吸引されて搬送されるため、ラベル用紙101が印刷ヘッド33のノズル面(図示省略)に干渉することが抑制される。
印刷ユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジ31に搭載された印刷ヘッド33とを備えている。キャリッジ31は、搬送方向Hと直交する主走査方向(本実施形態では幅方向Y)に延びたキャリッジ軸31aに支持されている。キャリッジ31は、キャリッジ軸31aに沿って、主走査方向に往復移動することで、印刷ヘッド33を走査する。
印刷ヘッド33は、シリアルタイプのインクジェットヘッドであり、複数色のノズル列を備える。本実施形態の印刷ヘッド33は、シアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの4色のノズル列を備える。印刷ヘッド33は、図示省略する各インクカートリッジからインクの供給を受けて、各ノズル列に設けられたノズルからインクを吐出して、プラテン35上のラベル用紙101(ラベル103)に対して、インクを吐出して画像を印刷する。
このように構成された印刷部3では、用紙搬送ローラー25が、ラベル用紙送出部2のロール紙装着部21にセットされたロール紙100から、ラベル用紙101を引き出して搬送方向Hに間欠搬送する副走査と、印刷ヘッド33がラベル用紙101(ラベル103)にインクを吐出しながら幅方向に往復移動する主走査と、を交互に繰り返すことによって、ラベル用紙101(ラベル103)に画像や文字を印刷する。すなわち、印刷部3は、主走査及び副走査という印刷動作を実施することによって、ラベル用紙101(ラベル103)に画像や文字を印刷する。
なお、印刷されたラベル用紙101(ラベル103)は、更にカット部4に向けて搬送方向Hの下流側に送られる。カット部4は、カッター41を備え、印刷されたラベル103を貼付する台紙102に対して、所定の長さの部位で幅方向に往復移動してカットする。
カットされた台紙102およびラベル103は、排出口12から排出される。なお、ユーザーは、排出口12から排出され、カットされた台紙102を取り上げて、手によって印刷されているラベル103を剥離する。剥離されたラベル103は、ユーザーにより貼付対象物に貼付される。
図3は、印刷装置1を背面側から見た状態を示す背面図である。図4は、メイン基板冷却部71を上側(+Z方向)から見た断面図である。図5は、メイン基板冷却部71を背面側(-X方向)から見た断面図である。図6は、メイン基板冷却部71を左側(-Y方向)から見た断面図である。図7は、電源基板冷却部75を上側(+Z方向)から見た断面図である。図8は、電源基板冷却部75を背面側(-X方向)から見た断面図である。図9は、電源基板冷却部75を右側(+Y方向)から見た断面図である。
図2に示すように、印刷装置1の背面側(-X方向)で幅方向の両側の側面部10a,10bの内部には、印刷装置1を駆動するための回路基板がそれぞれ設置され、その回路基板を冷却するための冷却部70が構成されている。回路基板は、本実施形態では、印刷装置1を統括制御する制御部を含めて構成される回路基板としてのメイン基板51(図4~図6参照)と、駆動源となる電源部を構成する回路基板としての電源基板55(図7~図9参照)との2つの回路基板により概略構成されている。
メイン基板51は、図3に示すように、印刷装置1の背面側(-X方向)で左側(-Y方向)の側面部10aの内部に設置される。そして、メイン基板51は、図4~図6に示すように、印刷部3を駆動する回路をはじめ、その他各種回路が構成され、各種の回路素子52が実装されている。同様に、電源基板55は、図3に示すように、印刷装置1の背面側(-X方向)で右側(+Y方向)の側面部10bの内部に設置される。そして、電源基板55は、図7~図9に示すように、電源部を構成する各種の回路素子56(図7参照)が実装されている。
そして、図3に示すように、メイン基板51の回路素子52における発熱を冷却するためのメイン基板冷却部71が、印刷装置1の背面側(-X方向)で左側(-Y方向)の側面部10aの内部に構成されている。同様に、図3に示すように、電源基板55の回路素子56における発熱を冷却するための電源基板冷却部75が、印刷装置1の背面側(-X方向)で右側(+Y方向)の側面部10bの内部に構成されている。上述したように、本実施形態の冷却部70は、メイン基板冷却部71と電源基板冷却部75とで構成されている。
以降では、冷却部70を構成するメイン基板冷却部71に関し、図3~図6を参照して、構成および動作を説明する。
図3に示すように、メイン基板冷却部71において、印刷装置1の背面側で、メイン基板冷却部71の後述する流路を構成するメインケース61には、USBポートやLANポートなどが設置され、パソコンや携帯端末などの情報処理装置と各種ケーブルで接続するインターフェイス部53が構成されている。なお、インターフェイス部53は、内部に設置されるメイン基板51に電気的に接続されている。メインケース61は、筐体10の背面を構成する部材である。
図4~図6に示すように、メイン基板冷却部71は、内部に設置されるメイン基板51を冷却するために、外気を取り込み流動させて冷却するための流路を構成している。なお、流路は、メインケース61と、第1ケース62と、固定部材としての基板固定ケース63と、第2ケース64とで囲まれて構成される。各ケースは、金属部材となる金属板をプレスして折り曲げなどを行い形成されている。
メイン基板冷却部71の流路全体は、概ね6面体の箱形状の内部に構成されている。6面体において、メインケース61は、背面側(-X方向)側面と下側(-Z方向)側面を構成する。第1ケース62は、右側(+Y方向)側面を構成する。第2ケース64は、左側(-Y方向)側面と前面側(+X方向)側面と上側(+Z方向)側面とを構成する。そして、メインケース61と第1ケース62と第2ケース64とで囲まれた内部の空間には、矩形状の基板固定ケース63が設置されることにより、メイン基板冷却部71の各流路が構成される。
基板固定ケース63の設置に関して説明する。
図4、図5に示すように、基板固定ケース63は、メイン基板冷却部71の内部において、X-Z平面に平行に設置されている。詳細には、基板固定ケース63は、メインケース61の背面側(-X方向)側面で、Y方向において、第1ケース62と第2ケース64とで囲まれた中央から若干第1ケース62側の位置に設置される。
基板固定ケース63は、背面側端面がメインケース61の背面側側面に当接し、下側端面がメインケース61の下側側面に当接している。そして、基板固定ケース63の上側の右側面が、図5に示すように、第1ケース62の上側の側面をX方向に沿って左方向に一段折り曲げられて形成される側面62aと当接している。
また、基板固定ケース63の前面側端面は、図4、図6に示すように、対向する第2ケース64の前面側側面と離間している。そして、基板固定ケース63の前面側端面は、図5、図6に示すように、当接する第1ケース62の側面62aの下側に隙間Gを開けて、右側(+Y方向)に折れ曲がる側面63aが、第1ケース62の右側側面に当接している。なお、本実施形態において、上述の当接する箇所においては空気が漏れることがない。
メイン基板冷却部71を構成する流路に関して説明する。
メイン基板冷却部71は、第1流路72と、折返し流路73と、第2流路74とにより構成されている。第1流路72は、背面側側面と下側側面となるメインケース61と、右側側面となる第1ケース62と、基板固定ケース63と、上側側面となる第2ケース64とで囲まれて構成される。第2流路74は、背面側側面と下側側面となるメインケース61と、基板固定ケース63と、左側側面と上側側面となる第2ケース64とで囲まれて構成される。
第1流路72と第2流路74とは、メイン基板51を固定する基板固定ケース63により隔てられている。このような構成により、第1流路72と第2流路74とは、筐体10の内部に備える印刷部3と隔離される。なお、メイン基板51と印刷部3などの各駆動部とを接続するためのケーブル類において、メイン基板冷却部71からの取り出しは、メイン基板冷却部71を構成する各ケースに設ける挿通穴などに対して、クッション材などをケーブルと挿通穴との間に設けることで取り出している。このように、クッション材などで挿通穴とケーブルとの隙間を塞ぐことにより、メイン基板51で発生する熱が、印刷部3に伝わらない構成としている。
折返し流路73は、基板固定ケース63の前面側端面と、この前面側端面に対向して離間する前面側側面となる第2ケース64と、上下左右方向を囲む各ケースとで構成されている。なお、折返し流路73は、第1流路72と第2流路74とをつなぐ流路であり、第1流路72と折返し流路73とは、隙間Gを介して連通している。
第1流路72は、外気を内部に流入させて流動させる流路である。第1流路72に対応するメインケース61の背面側側面には、図3~図6に示すように、流入部611が構成されている。流入部611は、メインケース61の下方向でZ方向に延びた形態で構成されている。流入部611には、外気を第1流路72に流入させる複数の流入口612が形成されている。第1流路72では、背面側の流入口612から流入する空気が前面側に流動する。なお、本実施形態では、第1流路72の内部には、空気の流動を遮るように設置される物はない。
折返し流路73は、背面側から流入して第1流路72を前面側に流動した空気を、背面側に折り返して第2流路74に流動する流路である。図3~図6に示すように、基板固定ケース63の左側面には、メイン基板51を固定する突起部63bが複数構成されている。メイン基板51は、第2流路74の内部で、基板固定ケース63の突起部63bに、X-Z平面に平行に固定される。
なお、メイン基板51に実装される回路素子52で、突起部63bの高さよりも高い素子は、メイン基板51の左側面(-Y方向)に実装される。また、隙間Gの近傍となるメイン基板51の領域には、メイン基板51に実装する回路素子52の中でも、最も発熱量が多くなる印刷ヘッド33を駆動する駆動回路を構成する回路素子52が配置されている。
第2流路74は、折返し流路73で折り返された空気を背面側に流動させて、印刷装置1の外部に流出させる流路である。また、第2流路74は、空気を流動させることで、メイン基板51に実装されて発熱する回路素子52を冷却させる流路である。
第2流路74に対応するメインケース61の背面側側面には、図3~図6に示すように、流出部613が構成されている。流出部613は、メインケース61の上方に構成されている。言い換えると、流出部613は、流入部611に対して上方に設置されている。流出部613には、第2流路74を流動した空気を外部に流出させる複数の流出口614が形成されている。従って、流出口614は、流入口612よりも上方に設けられている。
本実施形態では、第2流路74の内部に、上述したように、冷却対象となるメイン基板51が設置されている。そして、流出口614に相対して、メインケース61の内面には、メイン用ファン91が設置されている。言い換えると、メイン用ファン91は、流出口614が設置される背面側を構成するメインケース61の内側に設置されている。メイン用ファン91は、流入口612から外気となる空気を流入させると共に、第1流路72と折返し流路73と第2流路74とを経由した空気を流出口614から流出させる。メイン用ファン91は、本実施形態では、ファンの回転軸方向から吸気した空気を同方向に吐出する構造となる、いわゆる軸流ファンを用いている。なお、流出口614は、流入口612よりも上方に設けられている。
メイン基板冷却部71の動作を説明する。
図4、図6に示すように、制御部によりメイン用ファン91の駆動が開始された場合、背面側の流入口612を介して、外気となる空気が第1流路72に流入する。第1流路72に流入した空気は、第1流路72を前面側に流動しつつ、前面側が、基板固定ケース63の側面63aにより閉ざされるため、隙間Gに向かって流動する。
本実施形態では、第1流路72に流入した空気中に鉄粉などの導電性を有する粉塵が混入している場合には、流動中に鉄粉などの重い粉塵が第1流路72内に落下することで、第2流路74内に設置する回路素子52に空気中の導電性の粉塵が付着することを抑制している。以降では、「鉄粉などの導電性を有する粉塵」に対して「導電性粉塵」と略して記述する。
第1流路72を流動した空気は、隙間Gを介して折返し流路73に流入し、第2ケース64の前面側の側面に当たって、第2流路74側に折り返される。第1流路72を流動した空気は、開口面積が狭くなる隙間Gを流動することにより、流動する空気の風速を高めて折り返される。そのため、メイン基板51の隙間Gの近傍となる領域に配置される回路素子52には、流速の早くなった空気が流動する。これにより、メイン基板51の中で最も発熱量が多くなり、隙間Gの近傍に配置される回路素子52(印刷ヘッド33を駆動する駆動回路を構成する回路素子52)の冷却効率を向上させることができる。
折返し流路73で折り返された空気は、図4、図6に示すように、第2流路74を流動する。第2流路74を空気が流動することにより、メイン基板51に実装される回路素子52の発熱した熱を奪う。そして、回路素子52の発熱した熱を奪うことにより温められた空気は、メイン用ファン91に吸い込まれて流出口614を介して印刷装置1の外部に流出される。以上の動作により、メイン基板51に実装される印刷ヘッド33を駆動する回路素子52を始め、その他の回路素子52が冷却される。
この場合、通常、温まった空気は上側に移動するため、メイン基板51の中で最も発熱量が多くなる印刷ヘッド33を駆動する回路素子52を、第2流路74の上側となる隙間Gの領域に配置し、流動する空気の風速を高めて流動させ、上側に形成される流出口614に向かって流動させることで、温まった空気が、他の回路素子52を逆に温めてしまうことを防止している。
以降では、冷却部70を構成する電源基板冷却部75に関し、図3、図7~図9を参照して、構成および動作を説明する。
図3に示すように、電源基板冷却部75において、印刷装置1の背面側で、電源基板冷却部75の後述する流路を構成するメインケース61には、インレットコネクター57が設置され、電源ケーブル(図示省略)を接続することで商用電源が供給される。インレットコネクター57は、内部に設置される電源基板55に電気的に接続されている。
図7~図9に示すように、電源基板冷却部75は、内部に設置される電源基板55を冷却するために、外気を取り込み流動させて冷却するための流路を構成している。なお、流路は、メインケース61と、第1ケース65と、固定部材としての基板固定ケース66と、第2ケース67とで囲まれて構成される。各ケースは、金属部材となる金属板をプレスして折り曲げなどを行い形成されている。
電源基板冷却部75の流路全体は、概ね6面体の箱形状の内部に構成されている。6面体において、メインケース61は、背面側(-X方向)側面と下側(-Z方向)側面を構成する。第1ケース65は、左側(-Y方向)側面を構成する。第2ケース67は、右側(+Y方向)側面と前面側(+X方向)側面と上側(+Z方向)側面とを構成する。そして、メインケース61と第1ケース65と第2ケース67とで囲まれた内部の空間には、矩形状の基板固定ケース66が設置されることにより、電源基板冷却部75の各流路が構成される。
基板固定ケース66の設置に関して説明する。
図7、図8に示すように、基板固定ケース66は、電源基板冷却部75の内部において、X-Z平面に平行に設置されている。詳細には、基板固定ケース66は、メインケース61の背面側(-X方向)側面で、Y方向において、第1ケース65と第2ケース67とで囲まれた中央から若干第1ケース65側の位置に設置される。
基板固定ケース66は、背面側端面がメインケース61の背面側側面に当接し、下側端面がメインケース61の下側側面に当接している。そして、基板固定ケース66の上側の左側面が、図8に示すように、第1ケース65の上側の側面をX方向に沿って右方向に一段折り曲げられて形成される側面65aと当接している。なお、本実施形態において、上述の当接する箇所においては空気が漏れることがない。基板固定ケース66の前面側端面は、図7、図9に示すように、対向する第2ケース67の前面側側面と離間している。
電源基板冷却部75を構成する流路に関して説明する。
電源基板冷却部75は、第1流路76と、折返し流路77と、第2流路78とにより構成されている。第1流路76は、背面側側面と下側側面となるメインケース61と、左側側面となる第1ケース65と、基板固定ケース66と、上側側面となる第2ケース67とで囲まれて構成される。第2流路78は、背面側側面と下側側面となるメインケース61と、基板固定ケース66と、右側側面と上側側面となる第2ケース67とで囲まれて構成される。
第1流路76と第2流路78とは、電源基板55を固定する基板固定ケース66により隔てられている。このような構成により、第1流路76と第2流路78とは、筐体10の内部に備える印刷部3と隔離されている。
折返し流路77は、基板固定ケース66の前面側端面と、この前面側端面に対向して離間する前面側側面となる第2ケース67と、上下左右方向を囲む各ケースとで構成されている。なお、折返し流路77は、第1流路76と第2流路78とをつないで連通させる流路である。
第1流路76は、外気を内部に流入させて流動させる流路である。第1流路76に対応するメインケース61の背面側側面には、図3、図7~図9に示すように、流入部615が構成されている。流入部615は、メインケース61の下方向でZ方向に延びた形態で構成されている。流入部615には、外気を第1流路76に流入させる複数の流入口616が形成されている。第1流路76では、背面側の流入口616から流入する空気が前面側に流動する。なお、本実施形態では、第1流路76の内部には、空気の流動を遮るように設置される物はない。
折返し流路77は、背面側から流入して第1流路76を前面側に流動した空気を、背面側に折り返して第2流路78に流動する流路である。図3、図7~図9に示すように、基板固定ケース66の右側面には、電源基板55を固定する突起部66aが複数構成されている。電源基板55は、第2流路78の内部で、基板固定ケース66の突起部66aに、X-Z平面に平行に固定される。なお、電源基板55に実装される回路素子56で、突起部66aの高さよりも高い素子は、電源基板55の右側面(+Y方向)に実装される。
第2流路78は、折返し流路77で折り返された空気を背面側に流動させて、印刷装置1の外部に流出させる流路である。また、第2流路78は、空気を流動させることで、電源基板55に実装されて発熱する回路素子56を冷却させる流路である。
第2流路78に対応するメインケース61の背面側側面には、図3、図7~図9に示すように、流出部617が構成されている。流出部617は、メインケース61の上方に構成されている。言い換えると、流出部617は、流入部615に対して上方に設置されている。流出部617には、第2流路78を流動した空気を外部に流出させる複数の流出口618が形成されている。従って、流出口618は、流入口616よりも上方に設けられている。
本実施形態では、第2流路78の内部に、上述したように、冷却対象となる電源基板55が設置されている。そして、第2ケース67の前面側の内面に相対して、第2流路78が始まる領域の下側となるメインケース61の下側側面には、電源用ファン92が設置されている。言い換えると、電源用ファン92は、第2流路78内に配置される電源基板55の前面側の下側に設置されている。電源用ファン92は、流入口616から外気となる空気を流入させると共に、第1流路76と折返し流路77と第2流路78とを経由した空気を流出口618から流出させる。電源用ファン92は、本実施形態では、メイン用ファン91と同様に、軸流ファンを用いている。

電源基板冷却部75の動作を説明する。
図7、図9に示すように、制御部により電源用ファン92の駆動が開始された場合、背面側の流入口616を介して、外気となる空気が第1流路76に流入する。第1流路76に流入した空気は、第1流路76を前面側に流動する。本実施形態では、第1流路76に流入した空気中に導電性粉塵が混入している場合には、流動中に第1流路76内に落下することで、第2流路78内に設置する回路素子56に空気中の導電性粉塵が付着することを抑制している。
第1流路76を流動した空気は、折返し流路77に流入し、第2ケース67の前面側の側面に当たって、第2流路78側に折り返される。折返し流路77で折り返された空気は、電源用ファン92に吸い込まれて、図9に示すように、第2流路78に吹き出される。電源用ファン92は、第2流路78の下側に位置するため、電源用ファン92から吹き出された空気は、下側から、流出口618が形成される上側に向かって流動する。空気が、第2流路78を下側から、流出口618が形成される上側に向かって流動することにより、空気は、電源基板55に対して前面側の下側から背面側の上側へと、対角線状に流動する。
この流動により、空気は、電源基板55に実装される全体の回路素子56の発熱した熱を奪う。そして、回路素子56の発熱した熱を奪うことにより温められた空気は、流出口618を介して印刷装置1の外部に流出される。なお、通常、温まった空気は上側に移動するため、電源用ファン92を第2流路78の下側に位置させ、電源用ファン92から吹き出された空気を、下側から流出口618が形成される上側に向かって流動させることで、温まった空気を流出口618から更に流出させやすくしている。以上の動作により、電源基板55に実装される回路素子56が冷却される。
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態の印刷装置1において、冷却部70を構成するメイン基板冷却部71は、筐体10の背面側となるメインケース61に、流入口612を有する流入部611と、流出口614を有する流出部613とを備えている。また、流入口612から流入する空気が前面側に流動する第1流路72と、第1流路72を流動した空気を背面側に折り返す折返し流路73と、折返し流路73で折り返された空気が背面側に流動する第2流路74と、を備えている。そして、流入口612から空気を流入させると共に、第1流路72と折返し流路73と第2流路74とを経由した空気を流出口614から流出させるメイン用ファン91を備えている。
また、同様に、電源基板冷却部75は、筐体10の背面側となるメインケース61に、流入口616を有する流入部615と、流出口618を有する流出部617とを備えている。また、流入口616から流入する空気が前面側に流動する第1流路76と、第1流路76を流動した空気を背面側に折り返す折返し流路77と、折返し流路77で折り返された空気が背面側に流動する第2流路78と、を備えている。そして、流入口616から空気を流入させると共に、第1流路76と折返し流路77と第2流路78とを経由した空気を流出口618から流出させる電源用ファン92を備えている。
このように構成されるメイン基板冷却部71、電源基板冷却部75により、印刷装置1のメイン基板51、電源基板55を冷却することができるため、印刷装置1を棚などに設置する場合、左右方向に位置する棚の側壁などに接した状態で設置することが可能となる。そのため、従来の印刷装置では、流入口が装置本体の側面に設置されており、印刷装置を棚などに設置する場合、棚の側壁から離して設置する必要が有るなどの制約があったことに対し、設置スペースを最少化することができ、設置の自由度を向上させることができる。
なお、背面側は、電源ケーブルや各種ケーブル類が設置されることで、空間を若干開ける必要がある。しかし、冷却はその開けた空間を利用して行うことができる。
本実施形態の印刷装置1において、メイン基板冷却部71は、流入口612側の第1流路72と、流出口614側の第2流路74とが、折返し流路73により折り返して連通されている。そして、メイン基板51は、第2流路74内に配置されている。
また、同様に、電源基板冷却部75は、流入口616側の第1流路76と、流出口618側の第2流路78とが、折返し流路77により折り返して連通されている。そして、電源基板55は、第2流路78内に配置されている。
このように構成されるメイン基板冷却部71、電源基板冷却部75により、流入した空気中に導電性粉塵が混入している場合にも、鉄粉など重い導電性粉塵を、第1流路72,76において折り返し前で落下させることができるため、第2流路74,78内に設置されるメイン基板51、電源基板55には導電性粉塵が流動しづらくなる。そのため、従来の印刷装置では、流入口から流入した空気を回路基板に直接吹き付けて冷却していたため、導電性粉塵の付着により回路に不具合が発生していたことに対して、導電性粉塵の付着によるショートなどの回路の不具合発生を抑制することができる。
本実施形態の印刷装置1において、メイン基板冷却部71は、メイン基板51を固定する基板固定ケース63により、第1流路72と第2流路74とが隔てられている。また、同様に、電源基板冷却部75は、電源基板55を固定する基板固定ケース66により、第1流路76と第2流路78とが隔てられている。
この構成により、第1流路72と第2流路74、及び第1流路76と第2流路78とは、基板固定ケース63,66という簡易な部材により、容易に第1流路と第2流路とを構成することができる。従って、メイン基板冷却部71、電源基板冷却部75を、コンパクトに構成することができる。
本実施形態の印刷装置1において、基板固定ケース63,66は、金属部材で構成されている。これにより、メイン基板51、電源基板55で発生した熱の一部が基板固定ケース63,66へと伝導し、第1流路72,76を流動する空気により放熱することで、メイン基板51、電源基板55の冷却効率を向上させることができる。
本実施形態の印刷装置1において、第1流路72および第2流路74、また、第1流路76および第2流路78は、筐体10の内部に備える印刷部3と隔離されていることにより、メイン基板51、電源基板55で発生する熱が印刷部3に伝わらない。そのため、印刷部3は、熱による影響を受けることがなく、印字品質を維持することができる。また、印刷時に発生しやすいミストが、メイン基板51、電源基板55に付着することを防止することができる。
本実施形態の印刷装置1において、メイン基板冷却部71を構成する流出口614は、流入口612よりも上方に設けられている。また、同様に、電源基板冷却部75を構成する流出口618は、流入口616よりも上方に設けられている。なお、温まった空気は上方向に移動するため、流入口612,616よりも上方に流出口614,618が設けられることにより、温まった空気を流出口614,618から流出させることが容易となる。
本実施形態の印刷装置1のメイン基板冷却部71において、メイン基板51は、印刷部3を駆動する回路を含んでいる。そして、メイン用ファン91は、流出口614が設置される背面の内側に設置されている。このように、印刷部3を駆動するメイン基板51に対して、メイン用ファン91を設置することにより、流路内を負圧とすることができる。そのため、メイン基板51において、特に発熱する回路となる印刷部3を駆動する回路の領域(隙間Gの近傍)に集中して空気を流動するために、隙間Gのように流路の幅を狭めるなどの変化をさせ、風速を高めて流動することで、印刷部3を駆動する回路を冷却することができる。
本実施形態の印刷装置1の電源基板冷却部75において、電源基板55は、電源部を構成する回路基板である。そして、電源用ファン92は、第2流路78内に配置される電源基板55の前面側の下側に設置されている。この構成により、電源用ファン92から吐出された空気は、第2流路78を下側から、流出口618が形成される上側に向かって流動することにより、電源基板55に対して前面側の下側から背面側の上側へと、略対角線状に流動することになり、電源基板55全体を冷却することができる。また、上側に設置される流出口614に対して、上側に集まる温まった空気を、流出口614から外部に流出させやすくなる。
2.変形例
本実施形態において、基板固定ケース63,66は金属部材で構成されている。しかし、基板固定ケース63は、金属部材で構成されると共に、基板固定ケース63の第1流路72側の面に、放熱用のフィン(図示省略)が形成されていることでもよい。同様に、基板固定ケース66は、金属部材で構成されると共に、基板固定ケース66の第1流路76側の面に、放熱用のフィン(図示省略)が形成されていることでもよい。
このように構成することにより、第1流路72,76内で放熱を積極的に行うことができ、メイン基板51、電源基板55に対する冷却効率を更に向上させることができる。
以下に、上記実施形態および変形例から導き出される内容を記載する。
印刷装置は、駆動源となる電源部と、用紙に印刷を行う印刷部と、前記電源部または前記印刷部を駆動する回路基板と、前記回路基板を冷却する冷却部と、を筐体の内部に備え、前記冷却部は、前記筐体の背面に設置されて前記筐体の外部の空気が流入する流入口を有する流入部と、前記流入口から流入する前記空気が前記筐体の前面側に流動する第1流路と、前記第1流路を流動した前記空気を前記筐体の背面側に折り返す折返し流路と、前記折返し流路で折り返された前記空気が前記背面側に流動する第2流路と、前記背面に設置されて前記第2流路を流動した前記空気が前記筐体の外部に流出する流出口を有する流出部と、前記流入口から前記空気を流入させると共に、前記第1流路と前記折返し流路と前記第2流路とを経由した前記空気を前記流出口から流出させるファンと、を備え、前記回路基板は、前記第2流路内に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、印刷装置において、冷却部は、筐体の背面に設置されて筐体の外部の空気が流入する流入口を有する流入部と、背面に設置されて第2流路を流動した空気が筐体の外部に流出する流出口を有する流出部とを備えている。また、流入口から流入する空気が筐体の前面側に流動する第1流路と、第1流路を流動した空気を背面側に折り返す折返し流路と、折返し流路で折り返された空気が背面側に流動する第2流路と、を備えている。そして、流入口から空気を流入させると共に、第1流路と折返し流路と第2流路とを経由した空気を流出口から流出させるファンを備えている。
このように構成される冷却部により、印刷装置の回路基板を冷却することができるため、印刷装置を棚などに設置する場合、左右方向に位置する棚の側壁などに接した状態で設置することが可能となる。そのため、従来の印刷装置では、流入口が印刷装置の側面に設置されており、印刷装置を棚などに設置する場合、左右方向に位置する棚の側壁から離して設置する必要が有るなどの制約があったことに対し、設置スペースを最少化することができ、設置の自由度を向上させることができる。
なお、背面側は、電源ケーブルや各種ケーブル類が設置されることで、空間を若干開ける必要がある。しかし、冷却はその開けた空間を利用して行うことができる。
また、印刷装置において、冷却部は、流入口側の第1流路と、流出口側の第2流路とが、折返し流路により折り返して連通されている。そして、回路基板は、第2流路内に配置されている。このように構成される冷却部により、流入した空気中に鉄粉などの導電性を有する粉塵が混入している場合にも、流動中に鉄粉などの重い粉塵が第1流路内に落下することで、第2流路内に設置される回路基板には導電性粉塵が流動しづらくなる。
そのため、従来の印刷装置では、流入口から流入した空気を回路基板に直接吹き付けて冷却していたため、導電性粉塵の付着により回路に不具合が発生していたことに対して、導電性粉塵の付着による回路の不具合発生を抑制することができる。
上記、印刷装置において、前記第1流路と前記第2流路とは、前記回路基板を固定する固定部材により隔てられていることが好ましい。
この構成によれば、回路基板を固定する固定部材という簡易な部材により、容易に第1流路と第2流路とを構成することができる。従って、冷却部を、コンパクトに構成することができる。
上記、印刷装置において、前記固定部材は、金属部材で構成されていることが好ましい。
この構成によれば、回路基板で発生した熱の一部が金属部材で構成される固定部材へ伝導し、第1流路を流動する空気により放熱することで、回路基板の冷却効率を向上させることができる。
上記、印刷装置において、前記固定部材の前記第1流路側の面には、放熱用のフィンが形成されていることが好ましい。
この構成によれば、第1流路内で放熱を積極的に行うことができ、回路基板に対する冷却効率を更に向上させることができる。
上記、印刷装置において、前記第1流路および前記第2流路は、前記筐体の内部に備える前記印刷部と隔離されていることが好ましい。
この構成によれば、第1流路および第2流路は、筐体の内部に備える印刷部と隔離されていることにより、回路基板で発生する熱が印刷部に伝わらない。そのため、印刷部は、熱による影響を受けることがなく、印字品質を維持することができる。また、印刷時に発生しやすいミストが、回路基板に付着することを防止することができる。
上記、印刷装置において、前記流出口は、前記流入口よりも上方に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、流出口は流入口よりも上方に設けられていることにより、温まった空気は上方向に移動しやすいため、温まった空気を流出口から流出させることが容易となる。
上記、印刷装置において、前記回路基板は、前記印刷部を駆動する回路基板であって、前記ファンは、前記流出口が設置される前記背面の内側に設置されていることが好ましい。
この構成によれば、印刷部を駆動する回路基板に対して、流出口が設置される背面の内側にファンを設置することにより、流路内を負圧とすることで、回路基板の特に発熱する領域に空気を流動するなど、流速を変化させて流動させる自由度を増すことができる。なお、回路基板において、例えば、特に発熱する回路となる印刷部を駆動する回路の領域に対して流路を狭めることなどにより、風速を高めて流動させることで冷却することができる。このように流動させるためには、流路内を負圧とすることがよい。
上記、印刷装置において、前記回路基板は、前記電源部を構成する回路基板であって、前記ファンは、前記第2流路内に配置される前記回路基板の前記前面側の下側に設置されていることが好ましい。
この構成によれば、電源部を構成する回路基板に対して、第2流路内に配置される回路基板の前面側の下側にファンを設置することにより、ファンから空気を送ることで、上側に集まる温まった空気を、流出口から外部に流出させやすくなる。また、上側に設置される流出口に向けて、回路基板に対して略対角線状に空気を流動させることができるため、回路基板全体を冷却することができる。
1…印刷装置、3…印刷部、10…筐体、55…電源部としての電源基板、63,66…固定部材としての基板固定ケース、70…冷却部、71…冷却部を構成するメイン基板冷却部、72,76…第1流路、74,78…第2流路、75…冷却部を構成する電源基板冷却部、101…用紙としてのラベル用紙、91…ファンとしてのメイン用ファン、92…ファンとしての電源用ファン、611,615…流入部、612,616…流入口、614,618…流出口、613,617…流出部。

Claims (8)

  1. 駆動源となる電源部と、用紙に印刷を行う印刷部と、前記電源部または前記印刷部を駆動する回路基板と、前記回路基板を冷却する冷却部と、を筐体の内部に備え、
    前記筐体の前面には、前記印刷部によって印刷がなされた前記用紙が排出される排出口が設けられており、
    前記冷却部は、
    前記筐体の背面に設置されて前記筐体の外部の空気が流入する流入口を有する流入部と、
    前記流入口から流入する前記空気が前記筐体の前面側に流動する第1流路と、
    前記第1流路を流動した前記空気を前記筐体の背面側に折り返す折返し流路と、
    前記折返し流路で折り返された前記空気が前記背面側に流動する第2流路と、
    前記背面に設置されて前記第2流路を流動した前記空気が前記筐体の外部に流出する流出口を有する流出部と、
    前記流入口から前記空気を流入させると共に、前記第1流路と前記折返し流路と前記第2流路とを経由した前記空気を前記流出口から流出させるファンと、を備え、
    前記回路基板は、前記第2流路内に配置されていることを特徴とする印刷装置。
  2. 駆動源となる電源部と、用紙に印刷を行う印刷部と、前記電源部または前記印刷部を駆動する回路基板と、前記回路基板を冷却する冷却部と、を筐体の内部に備え、
    前記冷却部は、
    前記筐体の背面に設置されて前記筐体の外部の空気が流入する流入口を有する流入部と、
    前記流入口から流入する前記空気が前記筐体の面側に流動する第1流路と、
    前記第1流路を流動した前記空気を前記筐体の背面側に折り返す折返し流路と、
    前記折返し流路で折り返された前記空気が前記背面側に流動する第2流路と、
    前記背面に設置されて前記第2流路を流動した前記空気が前記筐体の外部に流出する流出口を有する流出部と、
    前記流入口から前記空気を流入させると共に、前記第1流路と前記折返し流路と前記第2流路とを経由した前記空気を前記流出口から流出させるファンと、を備え、
    前記回路基板は、前記第2流路内に配置されており、
    前記第1流路と前記第2流路とは、前記回路基板を固定する固定部材により隔てられていることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記固定部材は、金属部材で構成されていることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記固定部材の前記第1流路側の面には、放熱用のフィンが形成されていることを特徴とする印刷装置。
  5. 駆動源となる電源部と、用紙に印刷を行う印刷部と、前記電源部または前記印刷部を駆動する回路基板と、前記回路基板を冷却する冷却部と、を筐体の内部に備え、
    前記筐体の前面には、前記印刷部によって印刷がなされた前記用紙が排出される排出口が設けられており、
    前記冷却部は、
    前記筐体の背面に設置されて前記筐体の外部の空気が流入する流入口を有する流入部と、
    前記流入口から流入する前記空気が前記筐体の面側に流動する第1流路と、
    前記第1流路を流動した前記空気を前記筐体の背面側に折り返す折返し流路と、
    前記折返し流路で折り返された前記空気が前記背面側に流動する第2流路と、
    前記背面に設置されて前記第2流路を流動した前記空気が前記筐体の外部に流出する流出口を有する流出部と、
    前記流入口から前記空気を流入させると共に、前記第1流路と前記折返し流路と前記第2流路とを経由した前記空気を前記流出口から流出させるファンと、を備え、
    前記回路基板は、前記第2流路内に配置されており、
    前記第1流路および前記第2流路は、前記筐体の内部に備える前記印刷部と隔離されていることを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
    前記流出口は、前記流入口よりも上方に設けられていることを特徴とする印刷装置。
  7. 駆動源となる電源部と、用紙に印刷を行う印刷部と、前記電源部または前記印刷部を駆動する回路基板と、前記回路基板を冷却する冷却部と、を筐体の内部に備え、
    前記冷却部は、
    前記筐体の背面に設置されて前記筐体の外部の空気が流入する流入口を有する流入部と、
    前記流入口から流入する前記空気が前記筐体の面側に流動する第1流路と、
    前記第1流路を流動した前記空気を前記筐体の背面側に折り返す折返し流路と、
    前記折返し流路で折り返された前記空気が前記背面側に流動する第2流路と、
    前記背面に設置されて前記第2流路を流動した前記空気が前記筐体の外部に流出する流出口を有する流出部と、
    前記流入口から前記空気を流入させると共に、前記第1流路と前記折返し流路と前記第2流路とを経由した前記空気を前記流出口から流出させるファンと、を備え、
    前記回路基板は、前記第2流路内に配置されており、
    前記回路基板は、前記印刷部を駆動する回路基板であって、
    前記ファンは、前記流出口が設置される前記背面の内側に設置されていることを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
    前記回路基板は、前記電源部を構成する回路基板であって、
    前記ファンは、前記第2流路内に配置される前記回路基板の前記前面側の下側に設置されていることを特徴とする印刷装置。
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