JP7346265B2 - 繊維製品用洗浄剤物品 - Google Patents
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Description
(a)成分:両性界面活性剤
(b)成分:炭酸カリウム塩、及びリン酸カリウム塩から選ばれる1種以上の化合物
(c)成分:トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、及びクメンスルホン酸から選ばれる1種以上の化合物
本発明の繊維製品用洗浄剤物品は、フォーマータイプの泡吐出容器で洗浄剤組成物を被洗浄物へ泡状で塗布するため、局所部分への塗布がし易すく、簡便且つ安全に行うことができる。また本発明の繊維製品用洗浄剤物品は、つけ置きなどの予備工程を行わずに、本発明の洗浄剤組成物を被洗浄物に泡状で塗布した後に洗濯を行うことで、特に血液汚れに対する優れた洗浄性を有する。また本発明の繊維製品用洗浄剤物品は、使用後の保存環境下において内用成分が吐出経路内の多孔質膜上で析出した際に再溶解できるため、目詰まりすることなく安定した泡吐出性を有する。
<(a)成分>
本発明の(a)成分は両性界面活性剤である。(a)成分としては、スルホベタイン、カルボベタイン及びアミンオキサイドから選ばれる1種以上の両性界面活性剤が挙げられる。(a)成分は、浸透性、及び洗浄性の観点から、アミンオキサイドが好ましい。
一般式(a1)中、R3a及びR4aは、それぞれ独立に、好ましくはメチル基である。
本発明の(b)成分は、炭酸カリウム塩、及びリン酸カリウム塩から選ばれる1種以上の化合物である。
炭酸カリウム塩としては、炭酸カリウム、及び炭酸水素カリウムから選ばれる1種以上が挙げられる。
リン酸カリウム塩としては、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、及びヘキサメタリン酸塩から選ばれる1種以上のリン酸カリウム塩が挙げられる。
本発明の(c)成分は、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、及びクメンスルホン酸から選ばれる1種以上の化合物である。本発明は後述するように、酸剤である(c)成分と前記した(b)成分がアルカリ剤として作用することで組成物のpHが調整されていることが好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、水を、洗浄性、成泡性の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90%以下含有する。
また本発明の液体洗浄剤組成物の20℃のおけるpHは前記したように10以上12以下(好ましい範囲は前記の通り)であり、実質的に(b)成分及び(c)成分を含有することによりpHを10以上12以下に調整して得られた液体洗浄剤組成物であることが好ましい。すなわち本発明は、(a)成分を0.1質量%以上10質量%以下、(b)成分を1質量%以上10質量%以下、(c)成分を0.1質量%以上10質量%以下、及び水を混合する液体洗浄剤組成物の製造方法であって、(b)成分及び/又は(c)成分を添加することによりpHを10以上12以下に調整する液体洗浄剤組成物の製造方法を提供する。pHの微調整のために無機酸の水溶液と水酸化カリウム水溶液を液体洗浄剤組成物に添加することにより調整してもよいが、(b)成分及び(c)成分以外の成分を含有することによりpHを10以上12以下に調整した場合には、泡吐出性を低下させる原因になる場合があり、注意を要する。なおアルカリ剤や(c)成分の対イオンとして、アミンやアンモニアを用いることで吐出性の影響は低減できるが、その使用において臭いの問題が懸念されるため、液体洗浄剤組成物に添加する場合には、臭いの影響がない程度に制限することが好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、洗浄力、環境適性の観点から、更に(d)成分として、有機カルボン酸型キレート剤を含有することが好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、繊維製品の処理に用いられる一般的な組成物に添加される成分を含有することができ、例えば防腐剤、着色剤、香料、ハイドロトロープ剤、ポリマー等の再汚染防止剤及び分散剤、酵素等(但し、(a)成分~(d)成分を除く)を含有することができる。
本発明は、本発明の液体洗浄剤組成物を、吐出経路内に多孔質膜を有する泡形成機構を備えた泡吐出容器に充填してなる繊維製品用洗浄剤物品である。本発明の繊維製品用洗浄剤物品は、繊維製品に付着した血液汚れを対象とするのが好適である。
本発明の液体洗浄剤組成物は、吐出経路内に多孔質膜を有する泡形成機構を備えたノンガスタイプの泡吐出容器に収容される。本発明で用いられるノンガスタイプの泡吐出容器は、一定量の液体洗浄剤組成物を一定量の空気と混合し、吐出経路内の多孔質膜を通して泡状態で使用時に容器より吐出させるものであれば公知のいずれのタイプのものでもよい。具体的には、例えば、軟質容器の胴部を手指で押圧することにより使用するスクイズフォーマー、ポンプ機構を備えたキャップの頭を指で押圧することにより使用されるポンプフォーマー等が挙げられる。そして使用時、容器内の液体洗浄剤組成物を空気と混合した混合物を多孔質膜(1枚から複数枚)に通すことによって、該液体洗浄剤組成物を容器吐出口から泡状として吐出させるようになっている。
本発明は、本発明の繊維製品用洗浄剤物品から本発明の液体洗浄剤組成物を、繊維製品に泡状で塗布してから洗濯する繊維製品の洗浄方法である。
本発明の繊維製品用洗浄剤物品は、繊維製品のシミ汚れ、特には経血を代表とする血液汚れの集中した部分に、本発明の液体洗浄剤組成物を泡状に塗布して用いる。当該繊維製品を泡状に塗布した後に洗濯することにより、シミ汚れ、特には血液汚れに対して効果的な洗浄が行える。
<(a)成分>
・a-1:ラウラミドプロピルアミンオキシド(一般式(a2)中、R5aが炭素数11のアルキル基、Dが-C(=O)NH-、Eがプロピレン基、R6a、R7aがメチル基、mが1、pが1の化合物、ソフタゾリンLAO、川研ファインケミカル(株)製、純分換算)
・a-2:ジメチルラウリルアミンオオキシド(一般式(a2)中、R5aが炭素数12のアルキル基、R6a、R7aがメチル基、mが0、pが0の化合物、アンヒトール20N、花王(株)製、純分換算)
・a-3:ラウリルヒドロキシスルホベタイン(N-ラウリル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン、アンヒトール20HD、花王(株)製、純分換算)
・a’-1:アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(炭素数10~14のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)
・a’-2:ドデシル硫酸ナトリウム
・b-1: 炭酸カリウム
・b’-1: 炭酸ナトリウム
・c-1:パラトルエンスルホン酸
・c’-1:硫酸
・c’-2:塩酸
・d-1:メチルグリシン二酢酸三ナトリウム(トリロンM、BASFジャパン(株)製、純分換算)
・エタノール
・プロピレングリコール
・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量:10000)
・プロテアーゼ(エバラーゼ16.0L-EX(商品名)、ノボザイム社製)
・香料(シトラス系調合香料)
・色素(カヤシオンオレンジ、組成物中に10ppm(質量比)添加)
・イオン交換水
表1に示す各成分を用いて、液体洗浄剤組成物を調製した。表1の液体洗浄剤組成物は、常法により調製した。即ち、適量のイオン交換水(20℃)に(a)成分/又は(a’)成分、(b)成分又は(b’)成分、並びにその他の成分を添加し、攪拌して溶解した後、(c)成分又は(c’)成分を添加してpH(20℃)を表1に示す値に調整した。なお、表1中の配合成分の質量%は、全て有効分に基づく数値である。また各液体洗浄剤組成物を、(b)成分、(c)成分、及び水以外の成分を除いて、(b)成分、(c)成分、及び水からなる水溶液とした場合の20℃におけるpHを表1に示した。
〔pHの測定法〕
pHメーター(HORIBA製 pHメーター D-51)にpH測定用電極(HORIBA製 型式6367)を接続した。pH電極内部液としては、飽和塩化カリウム水溶液(3.33モル/L)を使用した。
pHメーターの校正は、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ50mLビーカーに入れ、ウォーターバスに30分間浸漬し、標準液の温度を20℃に調整した。次に標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86→pH9.18→pH4.01の順に校正操作を行った。
表1に記載の液体洗浄剤組成物の温度をウォーターバスで20℃に調温し、pH測定用電極を3分間浸し、pHを測定した。
血液汚染布(EMPA社製、No111、木綿)1枚あたりに、各洗浄剤物品より液体洗浄剤組成物0.1gを泡状で塗布し、5分間静置した。ターゴトメーターに600mlの水道水(20℃、4°DH)、6cm×6cmに裁断した綿布(染色資材株式会社谷頭商店より購入、メリヤス布)30gを投入し、そこへ液体洗浄剤組成物を塗布した汚染布5枚を入れて85rpmで10分間洗浄した。洗浄後、布を取り出して軽く手で絞り、新しい水道水にかえて2分間すすいだ。すすいだ布を2槽式洗濯機の脱水槽で1分間脱水した。プレス乾燥機にて100℃で30秒間乾燥し、洗浄前後の反射率(Y値)を測定し、次式より洗浄率を算出した。結果を表1に示す。なお泡として吐出できなかった液体洗浄剤組成物の洗浄率の評価は行っていない。また液体洗浄剤組成物を塗布していない場合の血液汚染布の洗浄率は17%であった。
洗浄率[%]=(RW-RS)/(R0-RS)×100 ・・・式(1)
RW:洗浄後反射率 RS:洗浄前反射率 R0:白布反射率
得られた各洗浄剤物品を25℃で1日保管した後、容器から液体洗浄剤組成物を紙タオル上に吐出した。吐出時の泡の外観を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
評価基準
〇:問題なく泡状に吐出した
△:泡と液の混合で吐出した
×:液状で吐出した、もしくは吐出しない
プラスチックシャーレに調製した液体洗浄剤組成物5gをはかりとり、50℃で24時間乾燥させた。乾燥させたプラスチックシャーレに20℃の液体洗浄剤組成物20gをゆっくりと注ぎ入れ、溶解するまでの時間を測定した結果を表1に示す。表1中、「<10」と表記した液体洗浄剤組成物は、溶解するまでの時間が10分未満であったことを意味する。また「>30」と表記した液体洗浄剤組成物は、溶解するまでの時間が30分を超えていたことを意味する。再溶解性が速い方が、洗浄剤物品の使用後の保存環境下において内用成分が吐出経路内の多孔質膜上で析出した際に再溶解できるため、液体洗浄剤組成物が目詰まりすることなく安定した泡吐出性を有することが言える。
Claims (4)
- 下記(a)成分を0.1質量%以上10質量%以下、(b)成分を1質量%以上10質量%以下、(c)成分を0.1質量%以上10質量%以下、及び水を含有し、(b)成分、(c)成分及び水からなる水溶液とした場合の20℃におけるpHが10以上12以下となる割合で(b)成分及び(c)成分が配合されている、20℃におけるpHが10以上12以下である液体洗浄剤組成物を、吐出経路内に多孔質膜を有する泡形成機構を備えた泡吐出容器に充填してなる、血液汚れを対象とする繊維製品用洗浄剤物品。
(a)成分:両性界面活性剤
(b)成分:炭酸カリウム塩、及びリン酸カリウム塩から選ばれる1種以上の化合物
(c)成分:トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、及びクメンスルホン酸から選ばれる1種以上の化合物 - 前記液体洗浄剤組成物中、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)が、0.1以上20以下である、請求項1に記載の繊維製品用洗浄剤物品。
- 前記液体洗浄剤組成物が、更に(d)成分として、有機カルボン酸キレート剤を含有する、請求項1又は2に記載の繊維製品用洗浄剤物品。
- 請求項1~3の何れか1項に記載の繊維製品用洗浄剤物品から前記液体洗浄剤組成物を、血液汚れが付着した繊維製品に泡状で塗布してから洗濯する繊維製品の洗浄方法。
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