JP7342560B2 - 複写牽制媒体及び真贋判定装置 - Google Patents

複写牽制媒体及び真贋判定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7342560B2
JP7342560B2 JP2019170840A JP2019170840A JP7342560B2 JP 7342560 B2 JP7342560 B2 JP 7342560B2 JP 2019170840 A JP2019170840 A JP 2019170840A JP 2019170840 A JP2019170840 A JP 2019170840A JP 7342560 B2 JP7342560 B2 JP 7342560B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
authenticity determination
unit
luminescent particles
pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019170840A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021045928A (ja
Inventor
欣 閔
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2019170840A priority Critical patent/JP7342560B2/ja
Publication of JP2021045928A publication Critical patent/JP2021045928A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7342560B2 publication Critical patent/JP7342560B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Inspection Of Paper Currency And Valuable Securities (AREA)

Description

本開示は、複写牽制媒体及び真贋判定装置に関する。
従来、金券、有価証券、ID証、入場券等の印刷物に対して、様々な偽造防止手段が図られている。例えば、多数の微細物質の配置パターンにより算出した特徴量データを、予め算出された本認証用データと照合することにより対象物の認証の可否を判定する技術が提案されている(特許文献1参照)。また、印刷した光輝粒子の配向パターンに基づいてカードの真贋を判定する技術が提案されている(特許文献2参照)。
特許第5751067号公報 特許第6234262号公報
上記特許文献1に記載の対象物は、配置パターンをコピー機で複写できるため、複写した配置パターンにより算出した特徴量データを用いて対象物の認証の可否を判定した場合、認証に成功してしまうおそれがある。同様に、特許文献2に記載のカードにおいても、配向パターンをコピー機で複写できるため、複写した配向パターンに基づいて真贋を判定した場合、カードが本物であると判定されるおそれがある。
本発明の目的は、複写等による偽造をより確実に抑制できる複写牽制媒体及び真贋判定装置を提供することにある。
第1の発明は、基体と、前記基体の少なくとも一方の面に積層され、励起光の照射により発光する、平均粒径が相違する少なくとも2種類の発光粒子及び樹脂から形成される真贋判定層と、を備え、少なくとも2種類の前記発光粒子は、平均粒径の差が10μm以上であって、前記真贋判定層の内部にランダム且つ互いに接触するように混在している、複写牽制媒体に関する。
第2の発明は、第1の発明において、少なくとも2種類の前記発光粒子は、励起光が照射されていないときは、いずれも無彩色又は色相が近似した色であり、励起光が照射されているときは、一方が無彩色で他方が有彩色に発光又はいずれも色相が離れた色に発光する、複写牽制媒体に関する。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、少なくとも2種類の前記発光粒子のうちの1つは蓄光性を有する、複写牽制媒体に関する。
第4の発明は、第1~3までのいずれかの発明において、平均粒径が大きな前記発光粒子の平均粒径は、10~40μmであり、平均粒径が小さな前記発光粒子の平均粒径は、0.01~30μmである、複写牽制媒体に関する。
第5の発明は、第1~4までのいずれかの発明に係る複写牽制媒体の真贋を判定する真贋判定装置であって、前記複写牽制媒体の前記真贋判定層に励起光を照射する励起光照射部と、前記複写牽制媒体の前記真贋判定層の画像を撮像する撮像部と、前記複写牽制媒体の前記真贋判定層に励起光が照射されるように前記励起光照射部を制御すると共に、前記真贋判定層において発光した前記発光粒子の配置パターンを検査パターン画像として撮像するように前記撮像部を制御する画像取得部と、真正の配置パターンである基準パターン画像を記憶する記憶部と、前記画像取得部で取得された前記検査パターン画像と、前記記憶部に記憶されている前記基準パターン画像とを照合することにより、前記複写牽制媒体の真贋を判定する画像判定部と、を備える真贋判定装置に関する。
第6の発明は、第5の発明において、前記画像取得部は、前記真贋判定層の画像を撮像するように前記撮像部を制御すると共に、撮像された画像に基づいて検査輪郭画像を取得し、前記記憶部は、前記真贋判定層の真正の輪郭画像である基準輪郭画像を記憶しており、前記画像判定部は、前記画像取得部で取得された前記検査輪郭画像と、前記記憶部に記憶されている前記基準輪郭画像との照合が一致した場合に、前記検査パターン画像と前記基準パターン画像とを照合して前記複写牽制媒体の真贋を判定する、真贋判定装置に関する。
第7の発明は、第5又は6の発明において、前記複写牽制媒体の前記真贋判定層は、少なくとも2種類の前記発光粒子のうちの1つが蓄光性を有しており、前記画像取得部は、前記複写牽制媒体の前記真贋判定層への励起光の照射を停止するように前記励起光照射部を制御した後、蓄光性を有する前記発光粒子の残光による配置パターンを検査残光パターン画像として撮像するように前記撮像部を制御し、前記記憶部は、励起光の照射が停止した後の、蓄光性を有する前記発光粒子の残光による真正の配置パターンである基準残光パターン画像を記憶しており、前記画像判定部は、前記画像取得部で取得された前記検査パターン画像と、前記記憶部に記憶されている前記基準パターン画像との照合が一致した場合に、前記検査残光パターン画像と前記基準残光パターン画像とを照合して前記複写牽制媒体の真贋を判定する、真贋判定装置に関する。
本発明に係る複写牽制媒体及び真贋判定装置によれば、複写等による偽造をより確実に抑制できる。
実施形態のチケット1を説明する図である。 図1のs1-s1線断面図である。 真贋判定層20に出現する発光粒子の配置パターンを示す模式図である。 真贋判定装置100の構成を示すブロック図である。 紫外線照射部130と撮像部140との位置関係を説明する図である。 真贋判定層20に紫外線を照射したときに出現する発光粒子のランダムな配置パターンの一部を示す模式図である。 真贋判定装置100の制御部110で実行される第1の真贋判定プログラムの処理手順を示すフローチャートである。 真贋判定装置100の制御部110で実行される第2の真贋判定プログラムの処理手順を示すフローチャートである。 実施例及び比較例の評価結果を説明する図である。
以下、本開示の実施形態について説明する。なお、本明細書に添付した図面は、いずれも模式図であり、理解しやすさ等を考慮して、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更又は誇張している。また、図面においては、部材の断面を示すハッチングを適宜に省略する。
<チケット1の構成>
図1は、本実施形態のチケット1を説明する図である。図2は、図1のs1-s1線断面図である。図3は、真贋判定層20に出現する発光粒子の配置パターンを示す模式図である。図3(A)は、真贋判定層20に紫外線を照射したときに出現する発光粒子の配置パターンを示す模式図である。図3(B)は、真贋判定層20への紫外線の照射を停止したときに出現する発光粒子の配置パターンを示す模式図である。
図1に示すチケット(複写牽制媒体)1は、例えば、イベント、セミナー、講演会等への入場券である。なお、チケット1は、真贋の判定が必要なものであれば入場券に限定されず、例えば、金券、有価証券、ID証等であってもよい。
チケット1は、図1及び図2に示すように、台紙10と、真贋判定層20と、を備えている。
台紙10は、チケット1のベースとなる基材である。台紙10は、例えば、矩形状に裁断された白色用紙により形成される。なお、台紙10は、白色用紙に限らず、表面に印刷画像を形成できるものであればよい。台紙10としては、例えば、上質紙、コート紙、タック紙、プラスチックカード、シート材、フィルム材等を用いることができる。台紙10の表側(図1の手前側)には、真贋判定層20が形成されている。
真贋判定層20は、紫外線(励起光)が照射されることにより、平均粒径の異なる2種類の発光粒子21A、21B(後述)のランダムな配置パターンが出現する印刷層である。真贋判定層20は、2種類の発光粒子21A、21B及び透明樹脂22(後述)からなるインキにより、例えば、シルクスクリーン印刷により形成される。真贋判定層20の層厚は、例えば、10~40μmである。
図1に示すように、台紙10の表側には、真贋判定層20のほかに、チケット1の名称、利用条件等に関する情報が印刷されている。
本実施形態の真贋判定層20は、図1に示すような四角形に形成されているが、真贋判定層20の形状はこれに限らず、例えば、円形、三角形、菱形、台形等でもよいし、文字、記号、図形等でもよい。また、真贋判定層20は、トレードマーク、キャラクターデザイン等でもよい。
真贋判定層20は、図2に示すように、発光粒子21A、21B及び透明樹脂22により形成されている。発光粒子21A、21B(以下、「発光粒子21」ともいう)は、紫外線(励起光)が照射されることにより励起して光を発する物質である。
発光粒子21A、21Bは、平均粒径の差が10μm以上相違する。発光粒子21Aは、平均粒径が発光粒子21Bよりも大きい粒子である。発光粒子21Aの平均粒径は、例えば、10~40μmである。一方、発光粒子21Bの平均粒径は、例えば、0.01~30μmである。発光粒子21の平均粒径は、例えば、幾何学的特性から相当径を求める方法、動力学的特性から有効径を求める方法、光学的特性から有効径を求める方法等により測定できる。
発光粒子21A、21Bは、図2に示すように、真贋判定層20の厚み方向において、ランダム且つ互いに接触するように混在している。また、図示していないが、発光粒子21A、21Bは、真贋判定層20の内部において、面方向にもランダム且つ互いに接触するように混在している。発光粒子21A、21Bを、真贋判定層20の内部にランダム且つ互いに接触するように混在させることにより、紫外線を照射したときに、発光粒子21A、21Bをより強く発光させることができる。
発光粒子21A、21Bは、紫外線が照射されていないとき(後述する通常の照明下)は、それぞれ色相が近似した色となり、紫外線が照射されているときは、それぞれ色相が離れた色に発光する。ここで、「色相が近似した色」とは、例えば、色相環において同色又は隣接した色である。また、「色相が離れた色」とは、例えば、色相環において補色(反対色)又は補色と隣接した色である。色相が離れた色の一例として、例えば、赤-緑、青-橙色の組み合わせが挙げられる。紫外線が照射されていないときの発光粒子21A、21Bの色は、白又は顔料自体のボディカラーとなる。
なお、発光粒子21A、21Bは、いずれも紫外線が照射されていないときは無彩色であってもよい。この場合、一方は、紫外線が照射されているときに白色に発光するものであってもよい。また、他方は、紫外線が照射されているときに有彩色で発光するものが望ましい。
発光粒子21A及び21Bの一方は、蛍光体からなる。蛍光体としては、例えば、BaMgAl1017:Eu、Sr(POCl:Eu、ZnO:Zn、BaMgAl1627:Eu,Mn、BaMgAl1017:Eu,Mn、ZnSiO:Mn、Y:Eu、Y(P,V)O:Eu、YVO:Bi,Eu、YS:Eu、LaS:Eu、0.5MgF・3.5MgO・GeO:Mn等が挙げられる。発光粒子21A及び21Bの他方は、蓄光性を有する長残光性蛍光体又はりん光体からなる。蓄光性を有する蛍光体としては、例えば、SrAl:Eu,Dy、SrAl1425:Eu,Dy等が挙げられる。
蓄光性を有する蛍光体(以下、「蓄光体」ともいう)により形成される発光粒子21は、紫外線を照射したときに発光するだけでなく、紫外線の照射を停止した後も、残光を発する。そのため、真贋判定層20には、残光による発光粒子の配置パターンが所定時間内に出現する。残光時間は、蓄光体の特性により異なるが、残光時間が短い蓄光体の場合、例えば、紫外線の照射を停止してから0.1~10s程度である。なお、残光パターン画像(後述)は、残光時間内の1つの時間点で取得するだけでなく、残光時間内の複数の時間点で取得し、経時的に照合を行ってもよい。すなわち、残光パターン画像の照合(後述)は、残光時間において複数回行ってもよい。
本実施形態では、平均粒径が大きい発光粒子21Aを、蓄光性を有する蛍光体により形成し、平均粒径が小さい発光粒子21Bを、蓄光性を有しない蛍光体により形成した例について説明する。平均粒径が大きい発光粒子21Aを、蓄光性を有する蛍光体により形成することで、より鮮明な残光パターン画像(後述)を取得できる。
また、発光粒子21A、21Bと共に真贋判定層20を形成する透明樹脂22(図2参照)としては、例えば、塩化ビニル、ポリエステル、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、エポキシ、ポリスチレン、ABS、ウレタン等が挙げられる。
真贋判定層20において、発光粒子21A、21Bの配合比率は特に限定されない。後述する実施例及び比較例では、配合比率を1:9~5:5~9:1の範囲で数パターン作製し、そのうちの1つのパターンで実験した例を示している。いずれの配合パターンにおいても、紫外線を照射したときに、図3(A)に示すように、2種類の異なる発光色の発光粒子21A、21Bを視認できることが確認されている。図3(A)において、白丸で示す発光粒子21Aは、例えば、緑色に発光している様子を表している。また、黒丸で示す発光粒子21Bは、例えば、赤色に発光している様子を表している。
なお、図3(A)では、真贋判定層20の大きさに比べて、発光粒子21A、21Bの形状を大きく図示している。また、図3(A)において、発光粒子21A、21Bは互いに接触していないが、上述したように、発光粒子21A、21Bは、真贋判定層20の内部においてランダムに配置されているだけでなく、図2に示すように、互いに接触するように混在している。
真贋判定層20は、通常の照明、外光の下(以下、「通常の照明下」ともいう)においては、白又は顔料自体のボディカラーとして視認される。図1では、真贋判定層20の全体を白色としているが、本実施形態のチケット1は、台紙10が白色で、真贋判定層20に顔料自体のボディカラーが付いているものとする。そのため、本実施形態のチケット1によれば、使用者は、通常の照明下において、真贋判定層20の形状を視認できる。また、真贋判定装置100の撮像部140(後述)は、通常の照明下において、真贋判定層20の輪郭画像(後述)を撮像できる。真贋判定層20の輪郭画像は、輪郭画像の照合を行う際に用いられる画像である。
なお、チケット1真贋判定層20を台紙10と同じく白色とした場合、通常の照明下において、真贋判定層20がチケット1の表面(券面)から視認されにくくなるため、使用者に違和感を与えることがない。また、チケット1の真贋判定層20を台紙10と同じく白色とした場合、紫外線照射部130から紫外線を照射して、真贋判定層20が発光することにより出現する配置パターンの画像(以下、「発光パターン画像」ともいう)を撮像する。後述する画像取得部111は、この発光パターン画像から検査輪郭画像を取得する。なお、上記発光パターン画像は、後述する検査パターン画像と実質的に同じであるが、混同を避けるため異なる名称を付して説明する。
<真贋判定装置100の構成>
次に、チケット1の真贋を判定する真贋判定装置100の構成について説明する。
図4は、真贋判定装置100の構成を示すブロック図である。図5は、紫外線照射部130と撮像部140との位置関係を説明する図である。
図4に示すように、真贋判定装置100は、制御部110、記憶部120、紫外線照射部(励起光照射部)130、撮像部140及びタッチパネルディスプレイ150を備えている。真贋判定装置100は、例えば、チケット1が使用されるイベント会場等に設置される。
制御部110は、真贋判定装置100の全体を制御するCPU(中央処理装置)である。制御部110は、記憶部120に記憶されているOS(オペレーティングシステム)、アプリケーションプログラム(例えば、後述する第1又は第2の真贋判定プログラム)を読み出して実行することにより、後述する各種のハードウェアと協働して、各種機能を実行する。
制御部110は、画像取得部111、画像判定部112を備えている。
画像取得部111及び画像判定部112は、後述する輪郭画像の照合、検査パターン画像の照合及び検査残光パターン画像の照合において、以下の処理を実行する。
1.輪郭画像の照合
輪郭画像の照合は、チケット1に対して最初に行われる検査である。
画像取得部111は、真贋判定の対象となるチケット1の真贋判定層20の画像を撮像するように撮像部140を制御すると共に、撮像された画像に基づいて検査輪郭画像を取得する。画像取得部111において取得された検査輪郭画像は、記憶部120のデータ一時記憶部125に記憶される。
輪郭画像とは、対象となる画像からエッジ部分を抽出することにより得られる画像である。例えば、図1に示すチケット1では、真贋判定層20の輪郭画像として、矩形状の線分からなる画像が得られる。
また、画像取得部111は、紫外線照射部130から真贋判定層20に紫外線を照射させることにより、真贋判定層20の発光パターン画像を撮像部140に撮像させ、この発光パターン画像から検査輪郭画像を取得することもできる。この検査輪郭画像は、通常の照明下において真贋判定層20から取得される検査輪郭画像とは異なるが、真贋判定層20の輪郭部分の特徴点を有する画像であるため、輪郭画像の照合に用いることができる。なお、通常の照明下において検査輪郭画像を取得するか、紫外線を照射して検査輪郭画像を取得するかは、画像取得部111がその時点での光量に基づいて自動的に切り替えてもよいし、手動で切り替えてもよい。
検査輪郭画像は、上述のように、真贋判定の際に、対象となるチケット1の真贋判定層20から取得した輪郭画像である。検査輪郭画像は、チケット1から取得されるたびに、記憶部120のデータ一時記憶部125に一時的に記憶される。基準輪郭画像(後述)は、真正のチケット1(真券)の真贋判定層20から取得した輪郭画像である。基準輪郭画像は、真贋判定を行う際の基準データとして、予め記憶部120の基準輪郭画像記憶部122に記憶される。なお、真正のチケット1の真贋判定層20に紫外線を照射することにより取得された基準輪郭画像についても、記憶部120の基準輪郭画像記憶部122に記憶される。
画像判定部112は、輪郭画像の照合において、記憶部120から検査輪郭画像と基準輪郭画像とを読み出し、これら2つの輪郭画像を照合する。輪郭画像の照合には、例えば、パターンマッチング等の手法を用いることができる。画像判定部112は、輪郭画像の照合が一致した場合、後述する検査パターン画像の照合を実行する。画像判定部112において、2つの輪郭画像の照合が一致しない場合、チケット1は複製物(偽券)と判定され、検査パターン画像の照合は実行されない。
2.パターン画像の照合
パターン画像の照合は、上記輪郭画像の照合において、チケット1が偽券でないと判定された場合に実行される検査である。なお、「偽券でない」とは、チケット1が明らかに偽券であるとは判定されていないが、真券であるとも判定されていない状態をいう。
画像取得部111は、チケット1の真贋判定層20に紫外線が照射されるように紫外線照射部130を制御する。また、画像取得部111は、真贋判定層20において、紫外線の照射により発光した発光粒子の配置パターンを検査パターン画像として撮像するように撮像部140を制御する。画像取得部111において取得された検査パターン画像は、記憶部120のデータ一時記憶部125に記憶される。
画像判定部112は、記憶部120から検査パターン画像と基準パターン画像(後述)とを読み出し、これら2つのパターン画像を照合する。画像判定部112は、2つのパターン画像を照合する。2つのパターン画像の照合が一致した場合、画像判定部112は、後述する残光パターン画像の照合を実行する。2つのパターン画像の照合が一致しない場合、画像判定部112において、チケット1は複製物(偽券)と判定され、残光パターン画像の照合は実行されない。
3.残光パターン画像の照合
検査残光パターン画像の照合は、上記パターン画像の照合において、チケット1が偽券でないと判定された場合に実行される検査である。検査残光パターン画像の照合は、後述する第2の真贋判定プログラムにおいて実施される。
画像取得部111は、上記パターン画像の照合において、撮像部140に検査パターン画像を撮像させた後、チケット1の真贋判定層20への紫外線の照射を停止するように紫外線照射部130を制御する。そして、画像取得部111は、蓄光性を有する発光粒子の残光による配置パターンを検査残光パターン画像として撮像するように撮像部140を制御する。検査残光パターン画像は、例えば、図3(B)に示すように、真贋判定層20への紫外線の照射を停止したときに出現する発光粒子の配置パターンの画像である。本実施形態では、発光粒子21Aが蓄光性を有するため、残光を発している発光粒子21Aの配置パターンが検査残光パターン画像として撮像される。画像取得部111において取得された検査残光パターン画像は、記憶部120のデータ一時記憶部125に記憶される。
検査残光パターン画像の照合において、画像判定部112は、記憶部120から検査残光パターン画像と基準残光パターン画像(後述)とを読み出し、これら2つの残光パターン画像を照合する。2つの残光パターン画像が一致した場合、画像判定部112は、チケット1を真券と判定する。一方、2つの残光パターン画像の照合が一致しない場合、画像判定部112は、チケット1を複製物(偽券)と判定する。
記憶部120は、制御部110が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するハードディスク、半導体メモリ等を備えた記憶装置(データベース)である。なお、コンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいう。真贋判定装置100は、制御部110、記憶部120等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
記憶部120は、プログラム記憶部121、基準輪郭画像記憶部122、基準パターン画像記憶部123、基準残光パターン画像記憶部124及びデータ一時記憶部125を備えている。
プログラム記憶部121は、上述したOS、アプリケーションプログラム等を記憶する記憶領域である。
基準輪郭画像記憶部122は、基準輪郭画像の記憶領域である。
基準パターン画像記憶部123は、基準パターン画像の記憶領域である。
基準残光パターン画像記憶部124は、基準残光パターン画像の記憶領域である。
データ一時記憶部125は、画像取得部111において取得された検査輪郭画像、検査パターン画像、検査残光パターン画像等の記憶領域である。
紫外線照射部130は、チケット1の真贋判定層20に紫外線を照射する装置である。紫外線照射部130は、制御部110と電気的に接続されている。紫外線照射部130は、図5に示すように、チケット1の真贋判定層20に対して斜め方向から紫外線を照射するように、支持機構(不図示)に支持されている。紫外線照射部130における紫外線の照射/停止の動作は、画像取得部111(制御部110)により制御される。紫外線照射部130が紫外線を照射する時間は、少なくとも1秒以上とすることが望ましい。
撮像部140は、チケット1の真贋判定層20を撮像する装置であり、例えば、撮影レンズ、CCD又はCMOSイメージセンサを備えたデジタルカメラにより構成される。撮像部140は、制御部110と電気的に接続されている。撮像部140で撮像された画像は、電子データとして制御部110に送信される。撮像部140は、図5に示すように、紫外線照射部130とは反対側であって、チケット1の真贋判定層20の表面を斜め上方から撮像するように、支持機構(不図示)に支持されている。撮像部140の撮像動作は、画像取得部111(制御部110)により制御される。撮像部140で撮像された画像は、記憶部120の各記憶部に記憶される。なお、チケット1の真贋判定層20に紫外線を照射し、真贋判定層20の表面を撮像する構成は、図5に示す例に限定されない。例えば、ビームスプリッタを間に挟んで、紫外線照射部130と撮像部140とを直交配置した構成としてもよい。また、チケット1の真贋判定層20は、撮像部140により、常に同じ向きで撮像される。
タッチパネルディスプレイ150は、液晶パネル等の表示部としての機能及び利用者の指等によるタッチ入力を検出する入力部としての機能を有する装置である。タッチパネルディスプレイ150は、制御部110と電気的に接続されている。
図示していないが、真贋判定装置100は、上述した各部のほかに、例えば、通信インターフェースを備えている。通信インターフェースは、ネットワークで接続されたサーバ(不図示)との間で通信を行うためのインターフェース機器である。
次に、検査パターン画像及び基準パターン画像(以下、総称して「パターン画像」ともいう)について説明する。
図6は、真贋判定層20に紫外線を照射したときに出現する発光粒子のランダムな配置パターンの一部を示す模式図である。
図6に示すように、真贋判定層20に紫外線を照射したときに取得されるパターン画像は、複数のピクセル(画素)に分割される。真贋判定層20には、2種類の発光粒子21A、21Bがランダム且つ互いに接触するように混在しているため、1つのピクセルの中においても、複数の発光粒子21A、21Bが混在している。各ピクセルは、発光粒子21A、21Bの混在する程度に応じて色の割合(RGB情報)が異なる。各ピクセルにおけるRGB情報は、256階調のデータで表すことができる。例えば、図6に示すピクセルP1のRGB情報は、R:255、G:102、B153であり、ピクセルP2のRGB情報は、R:153、G:204、B255である。なお、図6では、各ピクセルにおける色の違いを白地又は斜線のいずれかで表しているが、各ピクセルの色は、各ピクセルに固有のRGB情報に応じてそれぞれ相違する。
また、真贋判定層20における各ピクセルの位置は、座標データで表すことができる。例えば、図6に示すように、真贋判定層20の左上の隅をx-y座標の基点(0,0)とすることにより、各ピクセルの位置をx-yの座標データで表すことができる。
記憶部120には、各ピクセルの位置を示す座標データと各ピクセルのRGB情報とを関連付けたデータがパターン画像として記憶される。そのため、2つのパターン画像について、座標データで特定される各ピクセルのRGB情報をそれぞれ比較することにより、すべてのピクセルのRGB情報が一致するか否かを判定できる。
一方、画像取得部111において、検査対象となるチケット1の真贋判定層20に紫外線を照射しながら2種類の発光粒子による配置パターンを撮像することにより、検査パターン画像を取得できる。また、画像取得部111において、真正のチケット1の真贋判定層20に紫外線を照射しながら2種類の発光粒子による配置パターンを撮像することにより、基準パターン画像を取得できる。これら検査パターン画像及び基準パターン画像は、上述したように、各ピクセルの位置を示す座標データと各ピクセルのRGB情報とを関連付けた画像データとして記憶部120にそれぞれ記憶される。
一方、画像取得部111において、検査対象となるチケット1の真贋判定層20への紫外線の照射を停止した後、蓄光性を有する発光粒子の残光による配置パターンを撮像することにより、検査残光パターン画像を取得できる。また、画像取得部111において、真正のチケット1の真贋判定層20への紫外線の照射を停止した後、蓄光性を有する発光粒子の残光による配置パターンを撮像することにより、基準残光パターン画像を取得できる。これら検査残光パターン画像及び基準残光パターン画像は、上述したパターン画像と同様に、各ピクセルの位置を示す座標データと各ピクセルのRGB情報とを関連付けたデータとして記憶部120にそれぞれ記憶される。
<真贋判定処理>
次に、真贋判定装置100において実行される第1の真贋判定プログラムの処理手順を、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
図7は、真贋判定装置100の制御部110で実行される第1の真贋判定プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
図7に示すステップS101において、制御部110(画像取得部111)は、真贋判定の対象となるチケット1の真贋判定層20の画像を撮像するように撮像部140を制御すると共に、撮像された画像に基づいて検査輪郭画像を取得する。ステップS101で取得された検査輪郭画像は、記憶部120のデータ一時記憶部125に一時的に記憶される。なお、通常の照明下において真贋判定層20の画像を撮像しにくい場合、制御部110(画像取得部111)は、紫外線照射部130から真贋判定層20に紫外線を照射させることにより、真贋判定層20の発光パターン画像を撮像部140に撮像させ、この発光パターン画像から検査輪郭画像を取得する。
ステップS102において、制御部110(画像判定部112)は、記憶部120から検査輪郭画像と基準輪郭画像とを読み出し、これら2つの輪郭画像を照合する。
ステップS103において、制御部110は、2つの輪郭画像の照合が一致したか否かを判定する。ステップS103において、制御部110により、2つの輪郭画像の照合が一致したと判定された場合、処理はステップS104へ移行する。一方、ステップS103において、制御部110により、2つの輪郭画像の照合が一致しないと判定された場合、処理はステップS108へ移行する。
ステップS104(ステップS103:YES)において、制御部110(画像取得部111)は、紫外線照射部130を制御して、チケット1の真贋判定層20に紫外線を照射させる。また、制御部110は、撮像部140を制御して、チケット1の真贋判定層20において、紫外線の照射により発光した発光粒子の配置パターンを検査パターン画像として取得する。制御部110により取得された検査パターン画像は、記憶部120のデータ一時記憶部125に記憶される。また、制御部110は、紫外線照射部130を制御して、紫外線を照射してから所定時間後に紫外線の照射を停止させる。
ステップS105において、制御部110(画像判定部112)は、記憶部120から検査パターン画像と基準パターン画像とを読み出し、これら2つのパターン画像を照合する。ここでは、真贋判定層20に混在する発光粒子が紫外線の照射により発光したときの配置パターンに基づく照合が行われる。
ステップS106において、制御部110は、2つのパターン画像の照合が一致したか否かを判定する。ステップS106において、制御部110により、2つのパターン画像の照合が一致したと判定された場合、処理はステップS107へ移行する。一方、ステップS106において、制御部110により、2つのパターン画像の照合が一致しないと判定された場合、処理はステップS108へ移行する。
ステップS107(ステップS106:YES)において、制御部110は、チケット1が真券であることが確認されたことを知らせるメッセージ(真券確認メッセージ)を、例えば、タッチパネルディスプレイ150に表示させる。ステップS107の後、制御部110は、本フローチャートの処理を終了する。
一方、ステップS108(ステップS103、S106:NO)において、制御部110は、チケット1が偽券であることを知らせるエラーメッセージを、例えば、タッチパネルディスプレイ150に表示させる。ステップS108の後、制御部110は、本フローチャートの処理を終了する。
上述した本実施形態のチケット1(複写牽制媒体)及び真贋判定装置100によれば、例えば、以下のような効果を奏する。
本実施形態のチケット1は、真贋判定層20に紫外線を照射した場合にのみ発光粒子21のランダムな配置パターンが出現する。そのため、チケット1をコピー機で複写して複製物(偽券)を作製しても、複写された真贋判定層20は紫外線に反応しないため、発光粒子21のランダムな配置パターンを出現させることはできない。また、真贋判定層20に紫外線を照射した状態で撮像した写真をコピー機により複写したとしても、その複製物の真贋判定層20にはすでに発光粒子21のランダムな配置パターンが出現しているため、通常の照明下において複製物であることを目視により容易に判別できる。更に、真贋判定層20の内部には、平均粒径の異なる2種類の発光粒子21A、21Bがランダム且つ互いに接触するように混在しているため、これら発光粒子21A、21Bのランダムな配置パターンを印刷により意図的に再現することは技術的に困難である。したがって、本実施形態のチケット1によれば、複写や印刷による偽造をより確実に抑制できる。
本実施形態のチケット1において、真贋判定層20の色を、台紙10と同じく白色とした場合、真贋判定層20がチケット1の表面(券面)から視認されにくくなるため、使用者に違和感を与えることがない。また、チケット1の真贋判定層20の色を、台紙10とは異なる色とした場合、使用者は、通常の照明下において、真贋判定層20の形状を視認できる。そのため、真贋判定層20の形状を、例えば、キャラクターデザイン等とすれば、チケット1の偽造を抑制しつつ、意匠性をより高めることができる。
本実施形態のチケット1を複写した複製物では、真贋判定層20に紫外線を照射しても、発光粒子21のランダムな配置パターンが出現しないため、偽券のチケット1から取得された検査パターン画像は、真正のチケット1から取得された検査パターン画像とは全く異なったものとなる。したがって、真贋判定装置100において、検査パターン画像と基準パターン画像とを照合することにより、チケット1の真贋の判定を、より速く且つ正確に行うことができる。
本実施形態の真贋判定装置100では、上述した検査パターン画像の照合の前に輪郭画像の照合を行い、輪郭画像の照合が一致しない場合には、検査パターン画像の照合は行われない。そのため、輪郭画像の照合が一致しない段階において、チケット1の真贋の判定結果を速やかに出力できる。また、輪郭画像の照合が一致しない場合には、検査パターン画像の照合が行われないので、制御部110(画像判定部112)における演算処理の負担を軽減できる。
次に、真贋判定装置100において実行される第2の真贋判定プログラムの処理手順を、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
図8は、真贋判定装置100の制御部110で実行される第2の真贋判定プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
図8に示す第2の真贋判定処理のフローチャートにおいて、ステップS201からS206までの処理と、ステップS210及びS211の処理は、図7に示す第1の真贋判定処理のフローチャートにおけるステップS101からS106までの処理と、ステップS107及びS108の処理と実質的に同じである。そのため、ここでは、重複する説明を適宜に省略して、主に残光パターン画像を照合する処理手順について説明する。
図8に示すステップS207(ステップS206:YES)において、制御部110(画像取得部111)は、撮像部140を制御して、チケット1の真贋判定層20において、蓄光性を有する発光粒子の残光による配置パターンを検査残光パターン画像として取得する。ステップS107で取得された検査残光パターン画像は、記憶部120のデータ一時記憶部125に一時的に記憶される。
ステップS208において、制御部110(画像判定部112)は、記憶部120から検査残光パターン画像と基準残光パターン画像とを読み出し、これら2つの残光パターン画像を照合する。
ステップS209において、制御部110は、2つの残光パターン画像の照合が一致したか否かを判定する。ステップS209において、制御部110により、2つの残光パターン画像の照合が一致したと判定された場合、処理はステップS210へ移行する。一方、ステップS209において、制御部110により、2つの残光パターン画像の照合が一致しないと判定された場合、処理はステップS211へ移行する。
ステップS210(ステップS209:YES)において、制御部110は、チケット1が真券であることが確認されたことを知らせるメッセージ(真券確認メッセージ)を、例えば、タッチパネルディスプレイ150に表示させる。ステップS210の後、制御部110は、本フローチャートの処理を終了する。
一方、ステップS211(ステップS203、S206、S209:NO)において、制御部110は、チケット1が偽券であることを知らせるエラーメッセージを、例えば、タッチパネルディスプレイ150に表示させる。ステップS211の後、制御部110は、本フローチャートの処理を終了する。
上述した第2の真贋判定プログラムの処理によれば、ステップS206において、検査パターン画像の照合が一致する場合、更にステップS207~S209において残光パターン画像の照合が行われるため、チケット1の真贋の判定をより高精度に行うことができる。
次に、実施例及び比較例を示して、本発明に係る複写牽制媒体を更に詳細に説明する。但し、本発明の技術的範囲は、以下に説明する実施例に限定されない。
実施例及び比較例として、真贋判定層(20)について、種類の異なる2つの発光粒子の平均粒径を変えたサンプルを複数作製した。各サンプルの平均粒径は、粒度分布D50に準拠し、島津製作所製の粒度分布測定装置(SALD-2100)を用いて、「JISZ8825:2013 粒子径解析-レーザ回析・散乱法」により測定した。
実施例及び比較例の各チケットについて、真贋判定層に紫外線を照射した場合の発光色の見え方とパターン画像による照合を行った結果を図9に示す。図9において、「発光粒子(大)」は、平均粒径が大きな範囲に含まれる発光粒子であり、例えば、実施形態の発光粒子21Aに相当する。「発光粒子(小)」は、平均粒径が小さな範囲に含まれる発光粒子であり、例えば、実施形態の発光粒子21Bに相当する。実施例1~4は、いずれも平均粒径の差が10μm以上となるサンプルである。比較例は、平均粒径の差が10μm未満となるサンプルである。
真贋判定層の層厚は、実施例及び比較例のいずれも10~30μmとし、シルクスクリーン印刷により形成した。
2つの試験項目のうち、「発光色の見え方」の項目については、真贋判定層に紫外線を照射した場合の視認性を目視により評価した。「パターン画像」の項目については、真正の真贋判定層から検査パターン画像を取得できたか否かを評価した。「パターン画像」においては、真贋判定装置(100)において、検査パターン画像を取得できた場合を「○」、検査パターン画像を取得できなかった場合を「×」とした。
図9に示すように、実施例1~4については、いずれも発光色がはっきり見え、検査パターン画像も取得できた。そのため、実施例1~4については、パターン照合が可能であり、認証に適しているという結果が得られた。一方、比較例については、混合色黄しか見えず、検査パターン画像は取得できなかった。そのため、比較例については、パターン照合ができず、認証に適していないという結果が得られた。
なお、図9に示す混合色とは、発光色の異なる2つの発光粒子が均一に混ざり合った場合に、加法混合に基づいてできる色をいう。例えば、赤と緑を混合した場合、比率によって異なるが、黄色、オレンジ色等ができる(比較例の「混合色黄」)。緑と青を混合すると水色ができる。赤と青を混合すると、紫色、マゼンタ等ができる。更に、赤と緑と青を等しい割合で混合すると白色ができる。また、平均粒径は、粒度分布D50に準拠したものであり、平均粒径より小さな粒子と大きな粒子とが存在しているため、一部粒径の差の小さな粒子同士が混合して、実施例2のように赤と青の混合色として紫色(混合色紫)が見える。
以上の結果から、種類の異なる2つの発光粒子の平均粒径の差を10μm以上とした実施例1~4については、発光色の見え方及びパターン画像の両項目において、いずれも良好な結果が得られることが明らかとなった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内に含まれる。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述の実施形態及び後述する変形形態は、適宜に組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
真贋判定層20を形成する台紙として、2枚の基材を積層した台紙を用いてもよい。真贋判定層20を基材と基材との間に形成した場合、紫外線を照射して真贋判定層20を発光させるため、例えば、真贋判定層20の表側には、光透過性を有し且つ紫外線を吸収又は反射しない基材を用いる必要がある。その場合、真贋判定層20の表側となる基材の光透過率は、50%以上であり、紫外線吸収率又は反射率は、50%以下であることが好ましい。なお、台紙として、光透過性を有する2枚の基材を積層した台紙を用いてもよい。
真贋判定装置100による第1及び第2の真贋判定プログラムの処理において、輪郭画像の照合を行わないようにしてもよい。すなわち、真贋判定装置100による第1及び第2の真贋判定プログラムの処理において、輪郭画像の照合は、必要に応じて実施すればよい。
パターン画像の照合において、検査パターン画像と基準パターン画像の1又は複数の同じ座標領域の画像データをそれぞれ照合するようにしてもよい。これにより、パターン画像の照合に要する時間を短縮できる。
真贋判定装置100において、記憶部120の一部又はすべての記憶領域をサーバ側に設けてもよい。このような構成とすることにより、真贋判定装置100の機能を、例えば、スマートフォンのような携帯端末でも実現可能となる。
真贋判定層20は、台紙10の上に複数形成されていてもよい。また、真贋判定層20において、蛍光体により形成される発光粒子が存在する領域と、蓄光体により形成される発光粒子が存在する領域とがそれぞれ区分された構成としてもよい。
本発明に係る複写牽制媒体は、それ自体が金銭的な価値を有しているものに限らず、例えば、ゲームで使用されるカード媒体であってもよいし、セキュリティ保護のためのラベル、シール等であってもよい。
1:チケット、10:台紙、20:真贋判定層、21(21A,21B):発光粒子、22:透明樹脂、100:真贋判定装置、110:制御部、111:画像取得部、112:画像判定部、120:記憶部、121:プログラム記憶部、122:基準輪郭画像記憶部、123:基準パターン画像記憶部、124:基準残光パターン画像記憶部、125:データ一時記憶部、130:紫外線照射部、140:撮像部、150:タッチパネルディスプレイ

Claims (6)

  1. 基体と、
    前記基体の少なくとも一方の面に積層され、励起光の照射により発光する、平均粒径が相違する少なくとも2種類の発光粒子及び樹脂から形成される真贋判定層と、
    を備え、
    少なくとも2種類の前記発光粒子は、平均粒径の差が10μm以上であって、前記真贋判定層の内部にランダム且つ互いに接触するように混在しており励起光が照射されていないときは、いずれも無彩色又は色相が近似した色であり、励起光が照射されているときは、一方が無彩色で他方が有彩色に発光又はいずれも色相が離れた色に発光する、複写牽制媒体。
  2. 請求項1に記載の複写牽制媒体において、
    少なくとも2種類の前記発光粒子のうちの1つは蓄光性を有する、複写牽制媒体。
  3. 請求項1又は2に記載の複写牽制媒体において、
    平均粒径が大きな前記発光粒子の平均粒径は、10~40μmであり、平均粒径が小さな前記発光粒子の平均粒径は、0.01~30μmである、複写牽制媒体。
  4. 請求項1~までのいずれか1項に記載の複写牽制媒体の真贋を判定する真贋判定装置であって、
    前記複写牽制媒体の前記真贋判定層に励起光を照射する励起光照射部と、
    前記複写牽制媒体の前記真贋判定層の画像を撮像する撮像部と、
    前記複写牽制媒体の前記真贋判定層に励起光が照射されるように前記励起光照射部を制御すると共に、前記真贋判定層において発光した前記発光粒子の配置パターンを検査パターン画像として撮像するように前記撮像部を制御する画像取得部と、
    真正の配置パターンである基準パターン画像を記憶する記憶部と、
    前記画像取得部で取得された前記検査パターン画像と、前記記憶部に記憶されている前記基準パターン画像とを照合することにより、前記複写牽制媒体の真贋を判定する画像判定部と、
    を備える真贋判定装置。
  5. 請求項に記載の真贋判定装置において、
    前記画像取得部は、前記真贋判定層の画像を撮像するように前記撮像部を制御すると共に、撮像された画像に基づいて検査輪郭画像を取得し、
    前記記憶部は、前記真贋判定層の真正の輪郭画像である基準輪郭画像を記憶しており、
    前記画像判定部は、前記画像取得部で取得された前記検査輪郭画像と、前記記憶部に記憶されている前記基準輪郭画像との照合が一致した場合に、前記検査パターン画像と前記基準パターン画像とを照合して前記複写牽制媒体の真贋を判定する、真贋判定装置。
  6. 請求項又はに記載の真贋判定装置において、
    前記複写牽制媒体の前記真贋判定層は、少なくとも2種類の前記発光粒子のうちの1つが蓄光性を有しており、
    前記画像取得部は、前記複写牽制媒体の前記真贋判定層への励起光の照射を停止するように前記励起光照射部を制御した後、蓄光性を有する前記発光粒子の残光による配置パターンを検査残光パターン画像として撮像するように前記撮像部を制御し、
    前記記憶部は、励起光の照射が停止した後の、蓄光性を有する前記発光粒子の残光による真正の配置パターンである基準残光パターン画像を記憶しており、
    前記画像判定部は、前記画像取得部で取得された前記検査パターン画像と、前記記憶部に記憶されている前記基準パターン画像との照合が一致した場合に、前記検査残光パターン画像と前記基準残光パターン画像とを照合して前記複写牽制媒体の真贋を判定する、真贋判定装置。
JP2019170840A 2019-09-19 2019-09-19 複写牽制媒体及び真贋判定装置 Active JP7342560B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019170840A JP7342560B2 (ja) 2019-09-19 2019-09-19 複写牽制媒体及び真贋判定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019170840A JP7342560B2 (ja) 2019-09-19 2019-09-19 複写牽制媒体及び真贋判定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021045928A JP2021045928A (ja) 2021-03-25
JP7342560B2 true JP7342560B2 (ja) 2023-09-12

Family

ID=74877370

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019170840A Active JP7342560B2 (ja) 2019-09-19 2019-09-19 複写牽制媒体及び真贋判定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7342560B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004177684A (ja) 2002-11-27 2004-06-24 Toppan Forms Co Ltd 真贋判定用シート並びに真贋判定用シートの真贋判定方法および真贋判定システム
US20130234043A1 (en) 2012-03-09 2013-09-12 United States Postal Service Method and system for item authentication and customization
JP2016514173A (ja) 2013-02-14 2016-05-19 シクパ ホルディング ソシエテ アノニムSicpa Holding Sa 複数の特徴を備えた凹版機能を印刷する方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1086563A (ja) * 1996-09-11 1998-04-07 Dainippon Printing Co Ltd 認識用マーク、マーク記録体、及びマーク認識方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004177684A (ja) 2002-11-27 2004-06-24 Toppan Forms Co Ltd 真贋判定用シート並びに真贋判定用シートの真贋判定方法および真贋判定システム
US20130234043A1 (en) 2012-03-09 2013-09-12 United States Postal Service Method and system for item authentication and customization
JP2016514173A (ja) 2013-02-14 2016-05-19 シクパ ホルディング ソシエテ アノニムSicpa Holding Sa 複数の特徴を備えた凹版機能を印刷する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021045928A (ja) 2021-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2013346725B2 (en) Security element for a document of value and/or a security document
JP5699313B2 (ja) 発光媒体
KR101945966B1 (ko) 보안 요소 형성 방법 및 보안 요소
JP7294353B2 (ja) 印刷物、冊子体、および光源と印刷物との組み合わせ体、および印刷物の真偽判定方法
JP7107467B1 (ja) 情報記録体、情報記録体の読取装置、プログラム、読取方法およびシステム
JP3430755B2 (ja) 偽造防止印刷物
JP5050287B2 (ja) 偽造防止用印刷物
RU2726740C2 (ru) Защищенное изделие, содержащее комбинированное изображение и/или выявляющий растр
JP5765152B2 (ja) 真贋判定装置、真贋判定方法、及びプログラム
JP7342560B2 (ja) 複写牽制媒体及び真贋判定装置
KR20180113994A (ko) 은폐 정보를 포함하는 보안 요소 및 보안 요소를 포함하는 진정 문서
JP2008012724A (ja) 偽造防止媒体
JP2018132805A (ja) 偽造防止媒体および偽造防止媒体を識別するための識別装置
JPH1076745A (ja) 偽造防止印刷物
JP3931548B2 (ja) 隠蔽情報形成体
JP6954126B2 (ja) 印刷物、その読み取り方法および読み取り装置
JP2000296687A (ja) 安全保護シート及びその真偽判別方法並びにその真偽判別装置
JP6600874B2 (ja) 偽造防止用印刷物
JP7393591B1 (ja) 情報記録体、印刷物および情報記録体の読取装置
JP2014030921A (ja) 識別媒体および識別装置
JP7268472B2 (ja) 偽造防止媒体および真贋判定方法
JPH08300799A (ja) 印刷物
JP6919527B2 (ja) 識別媒体
US10198608B2 (en) Information recording medium and authenticity determination method
WO2016084843A1 (ja) 発光媒体およびその検査方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220726

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230814

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7342560

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150