JP7341644B2 - 車両用空気調和システム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、外気導入口と曇り止め用吹出口との間にバイパス路を設け、暖房時の車両室内温度が設定温度に接近した領域では、外気導入口から導入した外気の一部を、ヒータコアを通さず、バイパス路を介して曇り止め用吹出口から車両室内へ供給する構成が開示されている。このような構成により、車両室内温度の設定温度以上の上昇を防止する。
また、車両が電気自動車である場合、ヒートポンプの熱により、車内に供給される空気が加熱されるが、外気温が低い状態では、ヒートポンプは十分に性能を発揮しにくい。
すなわち、本発明に係る車両用空気調和システムは、車内空間に供給される空気が流れる空気流路部と、前記空気流路部内に設けられ、車内空間に空気を送るブロワと、前記空気流路部内に設けられ、車両で用いられる液媒を熱源として前記空気を加熱する熱交換器と、前記熱交換器を経た前記空気を前記車内空間に吹き出す吹出口と、前記熱交換器よりも前記空気の流れ方向下流側に設けられ、前記熱交換器を経た前記空気の一部を前記空気流路部から取り込む空気取込口、及び前記熱交換器よりも前記空気の流れ方向上流側に設けられ、前記空気取込口から取り込んだ前記空気を前記空気流路部に吐出する空気吐出口を有した空気循環路と、を備えることを特徴とする。
図1に示すように、車両用空気調和システム10は、自動車等の車両1に設けられる。車両用空気調和システム10は、車両1の外部の車外空間2や車両1内の車内空間3から取り込んだ空気の温度や湿度を調整し、車内空間3に供給する。
車両用空気調和システム10は、空気流路部11と、ブロワ20と、エバポレータ(除湿部)30と、ヒータコア(熱交換器)40と、空気循環路50と、制御部60と、を主に備えている。
空気取込口51は、ヒータコア40よりも空気の流れ方向下流側に設けられ、ヒータコア40を経た空気の一部を空気流路部11から空気循環路50に取り込む。
ヒータ上流側吐出口52は、ヒータコア40よりも空気の流れ方向上流側に設けられている。ヒータ上流側吐出口52は、空気の流れ方向においてエバポレータ30とヒータコア40との間に設けられている。
エバポレータ上流側吐出口53は、空気の流れ方向においてエバポレータ30よりも上流側に設けられている。
また、図3に示すように、入口扉54とエバポレータ出口扉56とを開くと、ヒータコア40で加熱された空気の一部が、空気取込口51から空気循環路50に取り込まれ、エバポレータ上流側吐出口53からエバポレータ30の上流側に吐出される。吐出された空気は、エバポレータ30を経ることで除湿された後、さらにヒータコア40を経ることで加熱される。
制御部60は、例えば、車両1に設けられた「温感優先スイッチ」等を操作し、乗員が吹出口14から速やかに温風が吹き出されることを要求した場合や、車両1に設けられた温度検出センサ等によって、乗員の手等が冷えていることを検出した場合等に、以下のような制御を実行する。もちろん、制御部60は、これ以外の場合に、同様の制御を実行してもよい。また、以下に示す制御部60における一連の制御は、所定時間毎に繰り返し実行される。
このとき、ブロワ20による風量は、例えば、「小」、「中」、「大」の3段階が設定されている場合、風量「中」と設定する。このときのブロワ20による風量は、空気循環路50に空気を取り込まない場合に比較し、1段階多く設定されている。これにより、空気循環路50に空気を取り込むことによって吹出口14から車内空間3に吹き出される空気の風量が減るのを補う。
次に、制御部60は、エンジンの冷却水の温度が、所定の温度W2以上W3未満であるか否かを判断する(ステップS22)。ステップS22において、冷却水の温度が、W2以上W3未満である場合、ブロワ20を作動させる(風量「中」)とともに、図3に示すように、入口扉54とエバポレータ出口扉56とを開く(ステップS23)。すると、ヒータコア40で加熱された空気の一部が、空気取込口51から空気循環路50に取り込まれ、エバポレータ出口扉56からエバポレータ30の上流側に吐出される。吐出された空気は、エバポレータ30を経ることで除湿された後、さらにヒータコア40を経ることで加熱される。
このような車両用空気調和システム10によれば、ヒータコア40を経た空気の一部を、空気流路部11から空気取込口51から空気循環路50に取り込む。取り込まれた空気は、ヒータコア40よりも上流側に設けられたヒータ上流側吐出口52、エバポレータ上流側吐出口53から空気流路部11に吐出される。これにより、ヒータコア40を経て加熱された空気が、空気循環路50を介してヒータコア40の上流側に供給され、ヒータコア40の入口の空気温度が上昇する。この空気をヒータコア40で加熱すると、ヒータコア40の出口の空気温度も上昇する。その結果、ヒータコア40を経て吹出口14から車内空間3に吹き出される空気の温度が、効率良く上昇する。したがって、外気温が低い状態であっても、効率良く暖房運転を行って乗員の快適性を高めることが可能となる。
このような構成によれば、ブロワ20よりも下流側の、よりヒータコア40に近い位置で、ヒータ上流側吐出口52、エバポレータ上流側吐出口53から空気を吐出することができる。これにより、ヒータ上流側吐出口52、エバポレータ上流側吐出口53から吐出された空気は、ブロワ20を経ずにヒータコア40に到達する。したがって、ヒータコア40を経てヒータ上流側吐出口52、エバポレータ上流側吐出口53から吐出された空気の温度が、ヒータコア40に到達するまでに低下してしまうのを抑えることができる。これにより、効率良く暖房運転を行って乗員の快適性を高めることが可能となる。
このような構成によれば、エバポレータ30よりも下流側の、よりヒータコア40に近い位置で、ヒータ上流側吐出口52から空気を吐出することができる。これにより、ヒータ上流側吐出口52から吐出された空気は、エバポレータ30を経ずにヒータコア40に到達する。したがって、ヒータコア40を経てヒータ上流側吐出口52から吐出された空気の温度が、ヒータコア40に到達するまでに低下してしまうのを抑えることができる。これにより、効率良く暖房運転を行って乗員の快適性を高めることが可能となる。
このような構成によれば、ヒータコア40を経て加熱された空気が、空気循環路50を介してエバポレータ30の上流側に供給される。この空気がエバポレータ30を経ることで、車内空間3に供給される空気の除湿が図られる。これによって、ウィンドウの曇りを抑え、乗員の快適性を高めることができる。
このような構成によれば、様々な条件に基づいて制御部60で入口扉54、ヒータ出口扉55、エバポレータ出口扉56を制御することで、外気温が低い状態であっても、効率良く暖房運転を行って乗員の快適性を適切に高めることが可能となる。
このような構成によれば、外気温が設定値T2よりも低い場合に、ヒータコア40を経て加熱された空気を、空気循環路50を通してヒータコア40の上流側に、自動的に循環させることができる。
このような構成によれば、空気の湿度が湿度基準値Hよりも高い場合、ヒータコア40を経て加熱された空気が、エバポレータ30を経ることで、車内空間3に供給される空気の除湿を自動的に行うことができる。
このような構成によれば、冷却水の温度が過度に低い状態では、空気がヒータコア40を経ても、空気の加熱が十分になされない。このような場合、ブロワ20を作動させて空気を吹出口14から車内空間3に供給すると、車内空間3の温度が低下してしまうことがある。そこで、このような状態のときに、ブロワ20の作動を停止させることで、車内空間3の温度低下を抑えることができる。
このような構成によれば、ヒータコア40を経た空気の一部を空気循環路50に通すと、空気の一部を空気循環路50に通さない場合に比較して、吹出口14から車内区間に吹き出される空気の風量が減る。これに対し、ブロワ20における空気の風量を増大させることによって、風量を補うことができる。
また、ヒータ上流側吐出口52、エバポレータ上流側吐出口53に、フード52f、53fを備えるようにしたが、ヒータ上流側吐出口52、エバポレータ上流側吐出口53から空気流路部11内に空気を効率良く吐出させることができるのであれば、例えば、ファン等を設けてもよい。
3 車内空間
10 車両用空気調和システム
11 空気流路部
14 吹出口
20 ブロワ
30 エバポレータ(除湿部)
40 ヒータコア(熱交換器)
50 空気循環路
51 空気取込口
52 ヒータ上流側吐出口(空気吐出口)
53 エバポレータ上流側吐出口(空気吐出口)
54 入口扉(流路開閉部)
55 ヒータ出口扉(流路開閉部)
56 エバポレータ出口扉(流路開閉部)
60 制御部
H 湿度基準値
T1 設定値(温度基準値)
W2 温度(液媒温度基準値)
Claims (4)
- 車内空間に供給される空気が流れる空気流路部と、
前記空気流路部内に設けられ、前記車内空間に前記空気を送るブロワと、
前記空気流路部内に設けられ、車両で用いられる液媒を熱源として前記空気を加熱する熱交換器と、
前記熱交換器を経た前記空気を前記車内空間に吹き出す吹出口と、
前記熱交換器よりも前記空気の流れ方向下流側に設けられ、前記熱交換器を経た前記空気の一部を前記空気流路部から取り込む空気取込口、及び前記熱交換器よりも前記空気の流れ方向上流側に設けられ、前記空気取込口から取り込んだ前記空気を前記空気流路部に吐出する空気吐出口を有した空気循環路と、
前記空気流路部内で前記熱交換器よりも前記空気の流れ方向上流側に設けられ、前記空気を除湿する除湿部と、
前記空気吐出口に設けられ、前記熱交換器よりも上流側への前記空気の吐出を断続する流路開閉部と、
前記流路開閉部を制御する制御部と、
を備え、
前記空気吐出口は、前記空気の流れ方向において前記除湿部と前記熱交換器との間に設けられている熱交換器上流側吐出口を有し、
前記空気吐出口は、前記空気の流れ方向において前記除湿部よりも上流側に設けられている除湿部上流側吐出口を有し、
前記流路開閉部は、前記熱交換器上流側吐出口から前記空気流路部への前記空気の吐出を断続する熱交換器上流側流路開閉部と、前記除湿部上流側吐出口から前記空気流路部への前記空気の吐出を断続する除湿部上流側流路開閉部と、を有し、
前記制御部は、外気温が予め定めた温度基準値よりも低いときに、前記熱交換器上流側流路開閉部を開くとともに前記除湿部上流側流路開閉部を閉じて、前記空気循環路を通して前記熱交換器上流側吐出口から前記熱交換器の上流側に前記空気を吐出させ、
前記制御部は、前記空気の湿度が予め定めた湿度基準値よりも高いときに、前記除湿部上流側流路開閉部を開くとともに前記熱交換器上流側流路開閉部を閉じて、前記空気を除湿する前記除湿部よりも上流側に前記空気を吐出させることを特徴とする車両用空気調和システム。 - 前記空気吐出口は、前記空気の流れ方向において前記ブロワよりも下流側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和システム。
- 前記制御部は、前記液媒の温度が予め定めた液媒温度基準値よりも低いときに、前記ブロワの作動を停止させることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空気調和システム。
- 前記制御部は、前記空気循環路を通して前記空気を前記空気流路部内に吐出するとき、前記ブロワにおける前記空気の風量を増大させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用空気調和システム。
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