以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る吸引装置1を搭載した吸引車2の概略構成を示す側面図である。図2は、図1の吸引車2の平面図である。図3は、図1の吸引装置1の配管図である。図4は、図1の吸引装置1に設けたブロワ25、キャッチャタンク35等を示す側面図である。図5は、図1の吸引装置1に設けたブロワ25、キャッチャタンク35等を示す平面図である。図6は、図1の吸引装置1に設けたブロワ25、キャッチャタンク35等を示す背面図である。図7は、図1の吸引装置1の操作パネル50等を示す図である。図8は、図1の吸引装置1のシーケンス回路Cの一部を示す図である。
まず、吸引装置1を搭載した吸引車2の概略構成について、図1、図2を参照して説明する。図1、図2に示すように、吸引車2においては、車両のシャーシフレーム(車台)3上にサブフレーム4が設置されている。サブフレーム4上には、後部に、回収対象物を回収するレシーバタンク5が搭載されている。回収対象物は、例えば汚泥、土砂、廃液等である。
レシーバタンク5は、後端開口を有するタンク本体5aと、この後端開口を開閉するテールゲート5cとを備えている。テールゲート5cは、タンク本体5aの上部後端部にヒンジピン5bを介して回動自在に軸支されている。タンク本体5aとテールゲート5cとの間には、開閉シリンダ5dが配設されている。開閉シリンダ5dを伸縮作動させることによって、テールゲート5cがタンク本体5aの後端開口を開閉する。
レシーバタンク5のタンク本体5aの上部には、レシーバタンク加減圧配管7が接続されている。テールゲート5cの下部には、回収対象物の吸引口となる開閉弁付きの吸引口8と、回収対象物の排出口となる開閉弁付きの排出口9とが設けられている。
レシーバタンク5は、サブフレーム4に対し、傾動ピン10を介して傾倒自在に軸支されており、サブフレーム4とレシーバタンク5との間には、傾倒シリンダ11が配設されている。傾倒シリンダ11を伸縮作動させることによって、レシーバタンク5が傾動ピン10回りに起立回動または倒伏回動する。なお、レシーバタンク加減圧配管7は、レシーバタンク5の回動動作に対応するため、その一部がフレキシブルホース等の可撓材料で構成されている。
吸引車2がそのレシーバタンク5内に回収対象物を吸引、回収する場合、レシーバタンク5内の減圧及び空気の流れにより、吸引口8に接続した図示しない吸引ホースを通じて外部からレシーバタンク5内に回収対象物を吸引する。一方、吸引車2がレシーバタンク5内の回収対象物を所定の場所(例えば、汚泥処理場等)へ排出する場合、レシーバタンク5内の空気を加圧し、排出口9に接続した図示しない排出ホースを通じてレシーバタンク5内の回収対象物を外部へ排出する。また、テールゲート5cを開き、レシーバタンク5を起立回動させることによって、レシーバタンク5内の回収対象物を排出することも可能になっている。
運転室13とレシーバタンク5との間には、レシーバタンク5内の空気を加減圧及び空気の流れを発生させるためのブロワ25、ブロワ25に供給する冷却水を貯溜するための給水タンク16、各種のバルブや、配管、機器類が搭載されている。ブロワ25は、吸引車2の動力取出し装置(PTO)のドライブシャフト14を介して連結された図示しないエンジンの駆動力によって回転駆動されるようになっている。
吸引車2の左右方向一側面(車両左側)には、メータ類、スイッチ類、操作レバー等を集中配置した操作パネル50が設けられている。具体的には、図7に示すように、操作パネル50の最上部には、照明用のパネル灯51が設けられている。パネル灯51の下方には、吸引、加圧時等におけるレシーバタンク5内の圧力を表示する連成計52と、吸引車2のエンジン回転数を表示するエンジン回転計53と、が横並びに配置されている。また、エンジン回転計53の向かって右側には、作業時間を表示するアワーメータ54と、大気開放弁V6を強制的に開放状態にする非常停止スイッチ(切換スイッチ)55とが配置されている。パネル灯51及び連成計52の左側には、排気温度警告灯56a、大気開放弁V6の開放状態及び閉鎖状態を示す表示灯56b,56c、大気開放弁V6のリセットスイッチ56d、排気温度警報ブザーの解除スイッチ56f、パネル灯51の電源スイッチ56g等が配置されている。
非常停止スイッチ55は、操作パネル50に設けられた他のスイッチ類(リセットスイッチ56d、解除スイッチ56f、電源スイッチ56g等)から、大きさや色等の点で、視覚的に区別しやすい状態で設けられている。具体的には、非常停止スイッチ55は、操作パネル50に設けられた他のスイッチ類よりも大きく形成されており、連成計52やエンジン回転計53と同程度の大きさに形成されている。また、非常停止スイッチ55は、操作パネル50に設けられた他のスイッチ類とは異なる色であって、外部から目立ちやすい色(例えば赤色)に形成されている。
さらに、操作パネル50の下部には、レシーバタンク5の開閉シリンダ5d及び傾倒シリンダ11を作動させるための操作レバー(モノレバー)57が設けられている。また、開閉シリンダ5d及び傾倒シリンダ11に供給する作動油量を確保するために、油圧ポンプの吐出量が多くなるように、エンジン回転数を増減調整するためのアクセルレバー58が設けられている。なお、操作レバー57の右下に設けられているトグルスイッチ59は、操作レバー57への通電状態を切り換えるものである。
次に、吸引車2に搭載される吸引装置1について、図3~図8を参照して説明する。
図3~図8に示すように、吸引装置1には、レシーバタンク5、上流側キャッチャ(上流側集塵装置)23、ブロワ25、サイレンサ28、下流側キャッチャ(下流側集塵装置)31、キャッチャタンク(タンク部材)35等が備えられており、これらが各種の配管を介して接続されている。
レシーバタンク5には、このレシーバタンク5内の空気を加減圧する際に、空気を送給または吸引するためのレシーバタンク加減圧配管7が接続されている。レシーバタンク加減圧配管7は、途中位置で吸引配管21と加圧配管22とに分岐されている。つまり、レシーバタンク加減圧配管7は、レシーバタンク5に接続され且つブロワ25の吸入側に接続される吸引用配管と、レシーバタンク5に接続され且つブロワ25の吐出側に接続される加圧用配管とに共通した配管になっている。この場合、吸引用配管は、レシーバタンク加減圧配管7、吸引配管21、及びブロワ25の吸入口25aに接続される配管24を含む構成になっており、加圧用配管は、レシーバタンク加減圧配管7、加圧配管22、及びブロワ25の吐出口25bに接続される配管27の一部を含む構成になっている。
吸引配管21の途中位置には、管路を開閉する手動開閉のバルブ(第1切換弁)V1が介設されている。つまり、バルブV1は、レシーバタンク5に接続され且つブロワ25の吸入側に接続される上記吸引用配管に設けられている。そして、吸引装置1の側面(車両左側)に配置された操作レバーLV1(図4参照)を操作することによって、バルブV1の開弁状態と閉弁状態とが切り換えられる。加圧配管22の途中位置には、管路を開閉する手動開閉のバルブ(第2切換弁)V2が介設されている。つまり、バルブV2は、レシーバタンク5に接続され且つブロワ25の吐出側に接続される上記加圧用配管に設けられている。そして、吸引装置1の側面(車両左側)に配置された操作レバーLV2(図4参照)を操作することによって、バルブV2の開弁状態と閉弁状態とが切り換えられる。
ブロワ25は、ブロワケーシングBC(図6参照)の内部に冷却水が封入される湿式のルーツブロワとして構成されている。本実施形態では、ブロワ25は、第1段ブロワ25A及び第2段ブロワ25B(図4、図6参照)を備えた2段式のブロワとして構成されており、例えば特開2010-59872号公報に示されるような公知の構成とされる。第1段ブロワ25A及び第2段ブロワ25Bは、ブロワケーシングBCの内部に一対の三葉ロータが収容された構成になっている。なお、第1段ブロワ25A及び第2段ブロワ25BのブロワケーシングBCには、冷却水供給口が形成されており、キャッチャタンク35に貯溜された冷却水が、冷却水供給配管40(図6参照)を通じて供給される。ブロワケーシングBCの内部に冷却水が供給されることによって、ブロワケーシングBCの温度上昇の抑制や、吸引、圧縮時の風量漏れの低減が図られるようになっている。
ブロワ25が駆動されると、吸引時、第1段ブロワ25Aの吸入口25aから空気が吸入され、第1段ブロワ25Aで圧縮された空気が吐出口25eから吐出される。第1段ブロワ25Aの吐出口25eから吐出された空気は、配管33を通じて、第2段ブロワ25Bの吸入口25fから吸入され、第2段ブロワ25Bで圧縮された空気が、吐出口25bから配管27へ吐出される。一方、加圧時、第1段ブロワ25Aの吐出口25eから吐出された空気の一部が、配管29からチェック弁28eを介して外部に排出され、残りの空気が第2段ブロワ25Bの吸入口25fから吸入され、第2段ブロワ25Bの吐出口25bから配管27へ吐出される。このように、第1段ブロワ25Aの吐出口25eから吐出された空気の一部が、第2段ブロワ25Bを経由せずに、配管29へ排出される。つまり、第1段ブロワ25Aの吐出側に設けられたチェック弁28eによって、第1段ブロワ25Aから吐出された空気が、第2段ブロワ25B及び配管29に分配して送られる。ブロワ25の吐出口25bの近傍には、ブロワ25から吐出された空気の温度(排気温度)を検出するサーモスイッチ(温度センサ)25gが設けられている。このサーモスイッチ25gは、ブロワ25の排気温度が所定の設定温度になったことを検出すると、オンオフ動作を行う。なお、サーモスイッチ25gは、ブロワ25のブロワケーシングBCに設けてもよいし、あるいは、ブロワ25の吐出口25bに接続される配管27に設けてもよい。
吸引配管21は、下流端において、上流側キャッチャ23の吸入口23aに接続されている。上流側キャッチャ23の排出口23bは、配管24を介してブロワ25(第1段ブロワ25A)の吸入口25aに接続されている。ブロワ25(第2段ブロワ25B)の吐出口25bは、配管27を介してサイレンサ28の第1空気入口28cに接続されている。なお、配管27の一部が、上述した加圧用配管になっており、加圧配管22に接続されている。
配管27の途中位置であって、上述した加圧用配管以外の位置には、管路を開閉する手動開閉のバルブV3が介設されている。具体的には、バルブV3は、配管27において、加圧配管22との接続位置と、サイレンサ28の第1空気入口28cとの間に設けられている。つまり、バルブV3は、上述した加圧用配管の途中位置から分岐され且つ大気側に接続される配管に設けられている。そして、吸引装置1の側面(車両左側)に配置された操作レバーLV3(図4参照)を操作することによって、バルブV3の開弁状態と閉弁状態とが切り換えられる。また、バルブV3をバイパスするように、リリーフ配管32が接続されている。このリリーフ配管32の途中位置には、ブロワ25の吐出圧の異常圧力から保護するためのリリーフ弁V5が設けられている。なお、ブロワ25の吐出口25bとサイレンサ28の第1空気入口28cとを接続する上記配管27は車両右側に位置しており、この配管27に介設されたバルブV3も車両右側に位置している。バルブV3の操作用であって車両左側に配置された操作レバーLV3と、バルブV3とは、車両左右方向に延びる操作ロッドLV3aにより連結されている。
サイレンサ28の空気出口28fは、配管30を介して下流側キャッチャ31の吸入口31aに接続されている。下流側キャッチャ31の上面に設けられた排出口31bは、大気に解放されている。
ブロワ25(第1段ブロワ25A)の吸入口25aに接続された配管24の途中位置には、配管34が接続されている。配管34の上流端には、吸入口37aが接続されており、この吸入口37aが外気(大気)を取り込むための外気取込部37に接続されている。配管34の途中位置には、管路を開閉する手動開閉のバルブV4が介設されている。バルブV4は、ブロワ25の吸入口25aを大気に接続(連通)可能になっている。つまり、バルブV4は、上述した吸引用配管の途中位置から分岐され且つ大気側に接続される配管に設けられている。そして、吸引装置1の側面(車両左側)に配置された操作レバーLV4(図4参照)を操作することによって、バルブV4の開弁状態と閉弁状態とが切り換えられる。
また、加圧配管22の上流端は、ブロワ25(第2段ブロワ25B)の吐出口25bに接続された配管27の途中位置であって、バルブV3とブロワ25の吐出口25bとの間の位置に接続されている。加圧配管22において、上述したバルブV2よりもレシーバタンク5側の位置には、大気接続配管22aが接続されており、この大気接続配管22aに、レシーバタンク5内を大気側に接続可能な大気開放弁V6が設けられている。大気開放弁V6は、レシーバタンク5とバルブV2との間の経路に設けられており、レシーバタンク5内を大気に接続(連通)可能になっている。大気開放弁V6は、アクチュエータ駆動により弁体を開閉駆動可能に構成されており、例えば、電動モータM1の回転動力により弁体を開閉駆動する電動式バタフライ弁として構成される。そして、大気開放弁V6は、通常時は、レシーバタンク5内を大気から遮断する閉鎖位置(閉鎖状態)に保持され、例えばブロワ25の温度異常等の異常発生時に、電動モータM1の駆動によって、レシーバタンク5内を大気に接続する開放位置(開放状態)に切り換えられるようになっている。
また、ブロワ25(第2段ブロワ25B)には、ブロワケーシングBCに空気導入口25c,25dが設けられている。空気導入口25c,25dからブロワ25(第2段ブロワ25B)の内部に空気を供給することによって、ブロワ25の排気温度の上昇が抑制されるようになっている。空気導入口25c,25dは、空気導入配管26a,26bを通じて、外気取込部37に接続されている。空気導入配管26a,26bの途中位置には、チェック弁26c,26dが介設されている。チェック弁26c,26dによって、外気取込部37側からブロワケーシングBC(空気導入口25c,25d)側への空気の流通のみが許容され、ブロワケーシングBC(空気導入口25c,25d)側から外気取込部37側への空気の流通は規制(阻止)される。
サイレンサ28は、筒体28aを有する膨張式のサイレンサとして構成されており、この筒体28a内の空間が、サイレンサ28の膨張室28bになっている。膨張室28bは、断面積が拡大する部分を有しており、この膨張室28b内に入った空気が、膨張室28b内で膨張することによってブロワ25の駆動音が低減されるようになっている。
筒体28aの上部には、膨張室28bに連通される第1空気入口28c及び空気出口28fが設けられている。また、筒体28aの下部には、第2空気入口28dが設けられている。第2空気入口28dは、配管27と並列に配置された配管29に接続されている。第2空気入口28dには、チェック弁28eが設けられており、チェック弁28eを介して、膨張室28bに配管29が連通されている。チェック弁28eによって、配管29側から膨張室28b側への空気の流通のみが許容され、膨張室28b側から配管29側への空気の流通は規制される。また、筒体28aの底部(底板)28gには、図示しない複数の開口部が形成されており、これらの開口部を介して、膨張室28bがキャッチャタンク35の内部の空間に連通されており、膨張室28bに溜まった水がキャッチャタンク35に戻されるようになっている。
上流側キャッチャ23及び下流側キャッチャ31は、共通の支持部材としてのキャッチャタンク(集塵タンク)35に一体的に搭載されている。キャッチャタンク35内には、図示しない隔壁が設けられており、この隔壁によってキャッチャタンク35の内部の空間が、上流側キャッチャ23側の空間と、下流側キャッチャ31側の空間とに仕切られている。このため、上流側キャッチャ23及び下流側キャッチャ31がそれぞれ収集した異物(粉塵、水滴等)が別々に蓄積される。キャッチャタンク35の下流側キャッチャ31側の空間には、給水タンク16からの冷却水も供給されるようになっている。
ここで、上流側キャッチャ23は、筒体を有するサイクロン式の集塵機として構成されている。具体的には、上流側キャッチャ23は、円筒状の円筒室と、この円筒室の下方に連続した略円錐形状の円錐室とからなる処理チャンバ23cを備えている。この上流側キャッチャ23に異物(粉塵等)を含む空気が、吸入口23aから吸入されると、処理チャンバ23cの内壁面に沿って螺旋気流が発生する。これにより、空気に含まれる異物(粉塵等)が分離され、大部分の異物が、処理チャンバ23c(円錐室)の下端開口23dから下方へ落下し、キャッチャタンク35内に堆積(蓄積)することでキャッチャタンク35内に回収される。一方、上流側キャッチャ23において、異物が分離された空気は、螺旋気流の中心を上昇して処理チャンバ23c内の上側に設けられた排出口(排出筒)23bから配管24へ排出されるようになっている。
同様に、下流側キャッチャ31も、筒体を有するサイクロン式の集塵機として構成されている。つまり、下流側キャッチャ31は、円筒状の円筒室と、この円筒室の下方に連続した略円錐形状の円錐室とからなる処理チャンバ31cを備えている。この下流側キャッチャ31に異物(粉塵、冷却水等)を含む空気が、吸入口31aから吸入されると、処理チャンバ31cの内壁面に沿って螺旋気流が発生する。これにより、空気に含まれる異物(粉塵、冷却水等)が分離され、大部分の異物が、処理チャンバ31c(円錐室)の下端開口31dから下方へ落下し、キャッチャタンク35内に回収される。一方、下流側キャッチャ31において、異物が分離された空気は、螺旋気流の中心を上昇して処理チャンバ31c内の上側に設けられた排出口(排出筒)31bから大気へ排出されるようになっている。
本実施形態では、正面視で、上流側キャッチャ23の筒体(処理チャンバ23c)と、下流側キャッチャ31の筒体(処理チャンバ31c)と、サイレンサ28の筒体28aとがキャッチャタンク35の長手方向に並んで配置されている。キャッチャタンク35の略中央部には、下流側キャッチャ31が配置されている。下流側キャッチャ31に対し、キャッチャタンク35の長手方向一方側(車両左側)に上流側キャッチャ23が配置され、長手方向他方側(車両右側)にサイレンサ28が配置されている。また、上流側キャッチャ23の吸入口23aと、下流側キャッチャ31の吸入口31aと、サイレンサ28の空気出口28fとが略同じ高さ位置に設けられている。
さらに、平面視で、キャッチャタンク35の後部に凹部35gが形成されており、上流側キャッチャ23と、下流側キャッチャ31と、サイレンサ28とが、凹部35gの周囲に配置されている。また、平面視で、キャッチャタンク35の凹部35g内にブロワ25の一部(先端部)が配置されるようになっている。さらに、キャッチャタンク35には、外気取込部37が一体的に設けられている。外気取込部37は、キャッチャタンク35の後部に形成された凹部35gにおいて外気(大気)に開放されている。
上述したように、ブロワ25は、第1段ブロワ25A及び第2段ブロワ25Bを備えた2段式のブロワとして構成されている。第1段ブロワ25Aでは、配管24に接続された吸入口25aから空気が吸入され、配管29,33に接続された吐出口25eから空気が吐出される。第2段ブロワ25Bでは、配管33に接続された吸入口25fから空気が吸入され、配管27に接続された吐出口25bから空気が吐出される。ブロワ25から吐出される空気の流れが、回収対象物の吸引動作を行う場合(レシーバタンク5内の空気を減圧する場合)と、回収対象物の加圧排出動作を行う場合(レシーバタンク5内の空気を加圧する場合)とで異なっている。
ここで、図8に、吸引装置1の制御手段として機能するシーケンス回路Cの一部を示している。この図8において、SWKはキースイッチであり、SWPは動力取出し装置のオンオフスイッチ(PTOスイッチ)であり、SOL1は動力取出し装置のオンオフ制御弁のソレノイドである。R1~R4はリレーであり、それぞれ対応するリレー接点r1~r4が配置されている。F1~F5はヒューズである。
また、25gは上述したサーモスイッチであり(図3参照)、55は上述した非常停止スイッチであり(図7参照)、56dは上述した大気開放弁V6のリセットスイッチ56dであり(図7参照)、56gは上述したパネル灯51等のオンオフスイッチである(図7参照)。56aは上述した排気温度警告灯であり(図7参照)、BZは温度警報ブザーであり、56b,56cは、上述した大気開放弁V6の開放状態及び閉鎖状態を示す表示灯である(図7参照)。シーケンス回路Cには、大気開放弁V6の駆動回路C1が設けられており、駆動回路C1により大気開放弁V6への通電(電動モータM1への通電)を制御することによって、大気開放弁V6の開放動作が行われるようになっている。なお、シーケンス回路Cの電源は車両側バッテリBTからとられている。
上記の配管構成、及びシーケンス回路構成において、回収対象物の吸引動作を行う場合、レシーバタンク5内の空気を減圧する。この減圧時には、操作レバーLV1~LV4の操作により、バルブV1及びバルブV3が開放状態とされ、バルブV2及びバルブV4が閉鎖状態とされる。また、大気開放弁V6が閉鎖状態にある。すなわち、ブロワ25の排気温度がサーモスイッチ25gの作動温度未満の通常時は、サーモスイッチ25gはオフ状態になっている。これにより、リレーR2,R3は消磁状態にあり、リレー接点r2,r3は開状態にある。このとき、大気開放弁V6の駆動回路C1から大気開放弁V6への通電(電動モータM1への通電)がオフ状態になっており、大気開放弁V6は閉鎖状態になっている。また、大気開放弁V6の閉鎖状態を示す表示灯56cが点灯状態になっており、大気開放弁V6のリセットスイッチ56dがオン状態(閉状態)になっている。
上記のバルブ操作後、吸引車2のエンジンの駆動力によりブロワ25が回転駆動される。つまり、PTOスイッチSWPがオン側に切り換えられて、動力取出し装置を介して吸引車2のエンジンの回転駆動力によりブロワ25が駆動されると、リレーR1が励磁されてリレー接点r1が閉状態になる。このとき、ブロワ25の排気温度は少しずつ上昇するものの、サーモスイッチ25gの作動温度に達することはなく、サーモスイッチ25gはオフ状態を、リレーR2,R3は消磁状態を継続する。したがって、リレー接点r2,r3は開状態を継続し、大気開放弁V6は閉鎖状態を継続する。また、表示灯56cが点灯状態を継続する。
ブロワ25の駆動に伴って、図3の実線矢印で示すように、第1段ブロワ25Aの吸入口25aから空気が吸入される。そして、第1段ブロワ25Aで圧縮された空気が、吐出口25eから排出され、配管33を通じて、第2段ブロワ25Bに送られる(実線矢印A1参照)。続いて、吐出口25eから排出された空気の全部が第2段ブロワ25Bの吸入口25fから吸入され、第2段ブロワ25Bで圧縮された空気が、吐出口25bから排出され、配管27を通じて、サイレンサ28に送られる(実線矢印A2参照)。
そして、ブロワ25の駆動により、図3の配管に沿った実線矢印で示すように、レシーバタンク5内の空気は、レシーバタンク加減圧配管7、吸引配管21を通じて、上流側キャッチャ23へ送られる。上流側キャッチャ23に異物(粉塵等)を含む空気が吸入されると、上述したように、異物はキャッチャタンク35内に回収される。一方、異物が分離された空気は、排出口23bから排出され、配管24を通じて、吸入口25aからブロワ25に吸入される。このとき、ブロワ25(第1段ブロワ25A及び第2段ブロワ25B)には、上述したように、冷却水が供給され、この冷却水が霧状となって吸入空気中に混入されるようになっている。
ブロワ25から吐出された冷却水を含んだ空気は、配管27、サイレンサ28、配管30を通じて、下流側キャッチャ31へ送られる。下流側キャッチャ31に異物(粉塵、冷却水等)を含む空気が吸入されると、上述したように、異物はキャッチャタンク35内に回収される。一方、異物が分離された空気は、排出口31bから大気へ排出される。
このように、ブロワ25の駆動により、レシーバタンク5内の空気を減圧し、空気の流れによって外部からレシーバタンク5内に回収対象物を吸引することが可能になる。このとき、ブロワ25の下流側に設けられたサイレンサ28によって、ブロワ25の駆動音が低減される。ブロワ25の駆動の際、ブロワ25には大きな負荷が掛かることから、ブロワ25の温度が上昇し、ブロワ25の排気温度も上昇する。そして、ブロワ25の排気温度がサーモスイッチ25gの作動温度に達すると、サーモスイッチ25gがオン状態に切り換わり、リレーR2,R3が励磁されて、リレー接点r2,r3が閉じる。リレー接点r2が閉じることにより、温度警報ブザーBZが鳴動するとともに、排気温度警告灯56aが点灯して作業者にブロワ25の温度異常を報知する。また、リレー接点r3が閉じることにより、駆動回路C1から大気開放弁V6への通電(電動モータM1への通電)がオン状態になり、電動モータM1の駆動によって大気開放弁V6の開放動作が行われる。これにより、レシーバタンク5内が大気に接続(連通)され、大気接続配管22a、加圧配管22、及びレシーバタンク加減圧配管7を通じて、レシーバタンク5内に略大気圧の空気が導入される。この状態では、ブロワ25の急停止を安全に行うことが可能になっており、レシーバタンク5内への回収対象物の吸引動作を急速に停止させることが可能になっている。なお、このとき、大気開放弁V6の閉鎖状態を示す表示灯56cが消灯し、開放状態を示す表示灯56bが点灯する。
なお、開放状態にある大気開放弁V6は、大気開放弁V6のリセットスイッチ56dをオフ状態(開状態)に操作することによって、閉鎖状態に戻される。具体的には、リセットスイッチ56dをオフ状態(開状態)に操作すると、リレーR2,R3が消磁状態になり、リレー接点r2,r3が開状態になる。そして、駆動回路C1から電動モータM1に通電が行われ、電動モータM1が駆動することによって大気開放弁V6が閉鎖状態に切り換えられるようになっている。また、温度警報ブザーBZの鳴動が停止し、排気温度警告灯56aが消灯する。
一方、上記の配管構成、及びシーケンス回路構成において、回収対象物の加圧排出動作を行う場合、レシーバタンク5を加圧する。この加圧時には、操作レバーLV1~LV4の操作により、バルブV1及びバルブV3が閉鎖状態とされ、バルブV2及びバルブV4が開放状態とされる。また、大気開放弁V6は、上述した回収対象物の吸引動作の場合と同様に閉鎖状態にある。
上記のバルブ操作後、吸引車2のエンジンの駆動力によりブロワ25が回転駆動されると、第1段ブロワ25Aの吸入口25aから空気が吸入され、上述した減圧時と同様、第1段ブロワ25Aで圧縮された空気の一部が、吐出口25eから排出され、配管33を通じて、第2段ブロワ25Bに送られる。また、図3の破線矢印で示すように、第1段ブロワ25Aで圧縮された空気が、配管29を通じて、サイレンサ28に送られるとともに(破線矢印B1参照)、第2段ブロワ25Bで圧縮された空気が、配管27を通じて、レシーバタンク5に供給される(破線矢印B2参照)。
そして、ブロワ25の駆動により、図3の配管に沿った破線矢印で示すように、外気取込部37から空気が吸入され、配管34、配管24を通じて、吸入口25aから空気がブロワ25に吸入される。第1段ブロワ25Aから吐出された空気の一部が、配管29を通じて、サイレンサ28に送られ、配管30を通じて、下流側キャッチャ31へ送られる。下流側キャッチャ31によって浄化された空気が、排出口31bから大気へ排出される。また、第2段ブロワ25Bから吐出された空気が、配管27、加圧配管22、レシーバタンク加減圧配管7を通じて、レシーバタンク5内に供給され、レシーバタンク5内の空気が加圧される。このように、ブロワ25の駆動により、レシーバタンク5内の空気を加圧することによって、レシーバタンク5内の回収対象物を外部へ排出することが可能になる。この場合、ブロワ25によってレシーバタンク5内の加圧が行われるが、ブロワ25によって大きな風量をレシーバタンク5に供給する必要はなく、ブロワ25によるレシーバタンク5内の加圧力を一定に保持できればよい。
ここで、上述した減圧時と同様、ブロワ25の排気温度の上昇に伴って、ブロワ25の排気温度がサーモスイッチ25gの作動温度に達すると、サーモスイッチ25gがオン状態に切り換わり、リレーR2,R3が励磁されて、リレー接点r2,r3が閉じる。リレー接点r2が閉じることにより、温度警報ブザーBZが鳴動するとともに、排気温度警告灯56aが点灯して作業者にブロワ25の温度異常を報知する。また、リレー接点r3が閉じることにより、駆動回路C1から大気開放弁V6への通電(電動モータM1への通電)がオン状態になり、電動モータM1の駆動によって大気開放弁V6の開放動作が行われる。これにより、レシーバタンク5内が大気に接続(連通)され、レシーバタンク加減圧配管7、加圧配管22、及び大気接続配管22aを通じて、レシーバタンク5内から空気が外部へ排出され、レシーバタンク5内が略大気圧の状態とされる。この状態では、ブロワ25の急停止を安全に行うことが可能になっており、レシーバタンク5内の回収対象物の排出動作を急速に停止させることが可能になっている。なお、このとき、大気開放弁V6の閉鎖状態を示す表示灯56cが消灯し、開放状態を示す表示灯56bが点灯する。
また、上述した減圧時と同様、開放状態にある大気開放弁V6は、大気開放弁V6のリセットスイッチ56dをオフ状態(開状態)に操作することによって、閉鎖状態に戻される。具体的には、リセットスイッチ56dをオフ状態(開状態)に操作すると、リレーR2,R3が消磁状態になり、リレー接点r2,r3が開状態になる。そして、駆動回路C1から電動モータM1に通電が行われ、電動モータM1が駆動することによって大気開放弁V6が閉鎖状態に切り換えられるようになっている。また、温度警報ブザーBZの鳴動が停止し、排気温度警告灯56aが消灯する。
本実施形態では、レシーバタンク5とバルブV2との間の経路に、大気開放弁V6が設けられていることを特徴としている。言い換えれば、大気開放弁V6が、レシーバタンク5内に直接的に接続される経路に設けられており、この経路には、バルブや機器等が介在されていない。
本実施形態によれば、上述したレシーバタンク5内の減圧時及び加圧時のそれぞれにおいて、大気開放弁V6を開放状態とすることにより、レシーバタンク5内を大気に接続することが可能になる。そして、大気開放弁V6を開放状態とすることによって、上述したブロワ25の温度異常等の異常発生時に、レシーバタンク5内の減圧時のブロワ25によるレシーバタンク5内への回収対象物の吸引動作、及び、レシーバタンク5内の加圧時のブロワ25によるレシーバタンク5の回収対象物の加圧排出動作をそれぞれ急速に停止することが可能になる。また、大気開放弁V6は、レシーバタンク5内の減圧時及び加圧時の両方に共通して設けられているので、レシーバタンク5内の減圧時及び加圧時に対応するアクチュエータ駆動の大気開放弁をそれぞれ設ける必要がなくなり、部品点数及びコストの削減を図ることが可能になる。
また、本実施形態では、大気開放弁V6は、ブロワ25から吐出された空気の温度が所定の設定温度以上になった場合に閉鎖状態から開放状態に切り換えられるように構成されている。設定温度は、ブロワ25の耐熱性等を考慮してブロワ25を保護する観点から適宜設定されるもので、本実施形態では、サーモスイッチ25gの作動温度が、設定温度として採用されている。サーモスイッチ25gの作動温度は、例えば110℃に設定されるが、これに限らず、それ以外の温度に設定してもよい。
本実施形態によれば、ブロワ25が高温になり、ブロワ25の排気温度がサーモスイッチ25gの作動温度(例えば、110℃)以上になった場合に大気開放弁V6が開放状態に切り換えられる。このように、ブロワ25の排気温度に応じて大気開放弁V6が自動的に開放状態に切り換えられ、レシーバタンク5内が大気に接続される。これにより、ブロワ25の排気温度がサーモスイッチ25gの作動温度以上になった場合、大気開放弁V6が直ちに開放状態になり、レシーバタンク5内の減圧時には、大気接続配管22a、加圧配管22、レシーバタンク加減圧配管7を通じて、レシーバタンク5内に略大気圧の空気が導入される。また、レシーバタンク5内の加圧時には、レシーバタンク加減圧配管7、加圧配管22、大気接続配管22aを通じて、レシーバタンク5内から空気が排出され、レシーバタンク5内が略大気圧の状態とされる。したがって、ブロワ25の排気温度に応じて大気開放弁V6が開放されることによって、レシーバタンク5内の減圧時のブロワ25によるレシーバタンク5内への回収対象物の吸引動作、及び、レシーバタンク5内の加圧時のブロワ25によるレシーバタンク5の回収対象物の排出動作をそれぞれ急速に停止することが可能になる。
また、大気開放弁V6の開放にともなって、ブロワ25の負荷が急速に低減されるとともに、ブロワ25の温度が急速に低下し、ブロワ25の焼き付きが防止される。また、このとき、ブロワ25の真空度も低下することから、ブロワ25の急停止の際の安全性を確保することができる。したがって、ブロワ25が高温になった場合の安全性の向上を図ることができ、信頼性の高い吸引装置1を提供することができる。
本実施形態では、温度センサとしてのサーモスイッチ25gによりブロワ25の排気温度を検出し、サーモスイッチ25gの検出温度に基づいて、大気開放弁V6が自動的に開放状態に切り換えられる。具体的には、サーモスイッチ25gの検出温度がサーモスイッチ25gの作動温度未満の場合には、大気開放弁V6が、レシーバタンク5内が大気から遮断される閉鎖状態に保持され、サーモスイッチ25gの検出温度がサーモスイッチ25gの作動温度以上になった場合には、大気開放弁V6が、閉鎖状態から、レシーバタンク5内が大気に接続される開放状態に切り換えられる。このため、異常発生時等に大気開放弁V6の開放動作を作業者が手動で行う必要がなくなる。したがって、異常発生時等に大気開放弁V6の開放動作を確実かつ迅速に行うことができ、異常発生時等の吸引装置1の安全性を確保することができる。
一方、本実施形態では、大気開放弁V6の開放動作を手動で行うことも可能になっている。詳細には、操作パネル50の非常停止スイッチ55(図7参照)を操作することによって、シーケンス回路CのリレーR2,R3が励磁されて、リレー接点r2,r3が閉じる。これにより、駆動回路C1から大気開放弁V6への通電(電動モータM1への通電)がオン状態になり、大気開放弁V6の開放動作が行われる。つまり、サーモスイッチ25gの検出温度がサーモスイッチ25gの作動温度未満の場合であっても、大気開放弁V6が開放状態に強制的に切り換えられるようになっている。
この場合、非常停止スイッチ55が、大きさ、色等の点で、操作パネル50に設けられた他のスイッチ類から、視覚的に区別しやすい状態で設けられているので、異常発生時等に非常停止スイッチ55の操作を確実かつ容易に行うことができ、異常発生から比較的早期の段階で、レシーバタンク5内を大気開放することが可能になる。これにより、ブロワ25の真空度も低下することから、ブロワ25の急停止の際の安全性を確保することができる。
また、非常停止スイッチ55は、作業者だけではなく、作業者以外の人(例えば、吸引装置1の近傍にいる人)に対しても、同様に、操作が容易な状態で設けられている。このため、仮に、作業者が非常停止スイッチ55を直ちには操作できない状況にあったとしても、非常停止スイッチ55の操作を吸引装置1の近傍にいる人に依頼すれば、その人が非常停止スイッチ55の操作を確実に行うことが可能になる。これにより、例えば、作業現場において吸引ホースの吸込口付近の場所で作業を行っている場合等のように、吸引装置1から離れた場所でワンマン作業を行っている場合に、異常発生に際し、吸引装置1の近傍にいる人に依頼して、非常停止スイッチ55を操作してもらうことが可能になる。その結果、異常発生から比較的早期の段階で、レシーバタンク5内を大気開放することが可能になり、ブロワ25等の損傷を未然に防止することができ、吸引装置1のワンマン作業の安全性を向上させることができる。
今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
上記実施形態では、ブロワ25として、2段式のルーツブロワを用いたが、レシーバタンク5内の空気を加減圧することが可能であれば、ブロワ25を1段式のルーツブロワとしてもよい。あるいは、ブロワ25を、3つ以上のルーツブロワを直列的に配置した多段式のルーツブロワとしてもよい。
上記実施形態では、大気開放弁V6の開閉動作を行うアクチュエータとして、電動モータM1を用いたが、これに限らず、他のアクチュエータ(例えば、ソレノイド、空圧シリンダ、油圧シリンダ等)を用いて、大気開放弁V6の開閉動作を行ってもよい。
上記実施形態では、レシーバタンク5とバルブV2との間の経路であって、加圧配管22の途中に、大気開放弁V6を配置したが、これに限らず、レシーバタンク加減圧配管7の途中に、大気開放弁V6を配置してもよい。
また、上記実施形態では、レシーバタンク5とバルブV2との間の経路に、大気開放弁V6を配置したが、レシーバタンク5に直結する箇所、言い換えれば、レシーバタンク5にバルブや機器等を介さずに直接的に接続される箇所であれば、上記以外の箇所に大気開放弁V6を配置してもよい。例えば、レシーバタンク5とバルブV1との間の経路に、大気開放弁V6を配置してもよい。この場合、吸引配管21の途中に大気開放弁V6を配置してもよい。
なお、上記実施形態では、レシーバタンク5に接続されるレシーバタンク加減圧配管7を、吸引用配管と加圧用配管とに共通した配管としたが、これに限らず、レシーバタンク5に接続される配管を、吸引用配管と加圧用配管とでそれぞれ別々に設けてもよい。
上記実施形態では、ブロワ25の排気温度を検出する温度センサとして、サーモスイッチ25gを用いたが、これに限らず、他の温度検出手段(例えば、サーミスタ等)を用いて、ブロワ25の排気温度を検出してもよい。
なお、上記実施形態では、サーモスイッチ25g(温度センサ)が設けられている吸引装置1に対し、大気開放弁V6を開放状態に強制的に切り換える非常停止スイッチ55(切換スイッチ)を設けたが、これに限らず、そのような温度センサが設けられていない吸引装置に対し、大気開放弁V6を開放状態に強制的に切り換える切換スイッチを設ける構成としてもよい。
以上では、吸引装置1が吸引車2に搭載されている場合について説明したが、吸引車に搭載されていない吸引装置に対しても本発明を適用することが可能であり、この場合、吸引装置は、吸引車のエンジンとは独立した駆動源によって駆動される。例えば、吸引装置が収容されたコンテナを車両に積載して作業現場まで運搬し、コンテナを所定の場所に積み降ろして、吸引装置を作業現場に設置することが可能である。