JP7341093B2 - ホルムアミド化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、アミン塩化合物の新規なホルミル化による、ホルムアミド化合物の製造方法に関する。
ホルムアミド化合物は、ホルミル基(-CHO)が窒素原子と結合した構造をもつ化合物である。この化合物は、様々な分野において材料や中間体、原料として有用である。
従来、ホルムアミド化合物は、例えば、ギ酸ナトリウムを含むアセトン中にピバロイルクロリドを室温で添加し、室温で激しく攪拌した後、これにアミン塩化合物を添加して、室温で反応させて合成されていた(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の方法は、得られるホルムアミド化合物の収率の点で改善の余地があった。また、本発明者等の検討によれば、従来技術においては、純度の点でも改善の余地があった。
従って、本発明の目的は、前記課題を解決する、アミン塩化合物のホルミル化によるホルムアミド化合物の新規な製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。そして、ギ酸塩、有機溶媒、および水を含む混合液において、該混合液の水分量を特定量とすることにより、アミン塩化合物に高い収率で効率良くホルミル基を導入でき、純度の高いホルムアミド化合物を製造できることを見出し、本発明を解決させるに至った。
即ち、本発明は、
アルカリ金属またはアルカリ土類金属のギ酸塩(以下、単にギ酸塩ともいう)、有機溶媒、および水を含み、水分量が0.10質量%以上1.60質量%以下である混合液(以下、単に混合液ともいう)と、
酸ハロゲン化物と、
下記式(I)
アルカリ金属またはアルカリ土類金属のギ酸塩(以下、単にギ酸塩ともいう)、有機溶媒、および水を含み、水分量が0.10質量%以上1.60質量%以下である混合液(以下、単に混合液ともいう)と、
酸ハロゲン化物と、
下記式(I)
[式中、R1は水素または水酸基保護基であり、R2はアミノ基保護基であり、Arは置換基を有していてもよい芳香族環基であり、Aは酸であり、mは酸であるAの価数の逆数である。]
で表されるアミン塩化合物(以下、単にアミン塩化合物ともいう)と、
を混合することにより、
下記式(II)
で表されるアミン塩化合物(以下、単にアミン塩化合物ともいう)と、
を混合することにより、
下記式(II)
[式中、R1、R2、およびArは、前記式(I)におけるものと同義である。]
で表されるホルムアミド化合物(以下、単にホルムアミド化合物ともいう)を製造する方法
である。
で表されるホルムアミド化合物(以下、単にホルムアミド化合物ともいう)を製造する方法
である。
本発明の製造方法によれば、高い収率で効率良くホルムアミド化合物を製造できる。また、本発明の製造方法によれば、純度の高いホルムアミド化合物を製造することができる。
本発明の反応のメカニズムに関する詳細は明らかではないが、下記のメカニズムが推測される。
すなわち、有機溶媒中のギ酸塩と酸ハロゲン化物とが反応し、ホルミル化剤として作用する混合酸無水物が生成する。このとき、この反応系に水を共存させる。そうすると、該水により有機溶媒に対するギ酸塩の溶解度が向上する。その結果、アミン塩化合物に対して十分な量の混合酸無水物を調製することができ、アミン塩化合物に効率良くホルミル基を導入できると、本発明者等は考えている。
本発明は、ギ酸塩、有機溶媒、および水を含む混合液と、酸ハロゲン化物と、アミン塩化合物と、を混合することにより、ホルムアミド化合物を製造することが特徴である。
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
<ギ酸塩、有機溶媒、および水を含む混合液>
(ギ酸塩)
本発明において使用するギ酸塩は、公知の化合物を使用することができる。
(ギ酸塩)
本発明において使用するギ酸塩は、公知の化合物を使用することができる。
また、ギ酸塩の中には潮解性を有するものがあり、不可避的に水が含まれる場合があるが、本発明では、何れのギ酸塩も用いることが可能である。該水は、ギ酸塩に8.0質量%以下含まれていてもよい。
なお、水が含まれるギ酸塩を使用したとしても、混合液に含まれる水分量が0.10質量%以上1.60質量%以下の範囲となるように、有機溶媒の量、有機溶媒の水分量、および新たに配合する水の量を調整すればよい。ギ酸塩の保存、ホルムアミド化合物の製造のし易さ等を考慮すると、ギ酸塩に含まれる水は、2.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましい。
具体的にギ酸塩を例示すると、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム等のアルカリ金属のギ酸塩、および、ギ酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、ギ酸バリウム等のアルカリ土類金属のギ酸塩が挙げられる。
中でも、入手の容易性から、アルカリ金属のギ酸塩、好ましくはギ酸ナトリウムを使用できる。
(有機溶媒)
使用する有機溶媒としては、反応に影響を及ぼさない反応溶媒であれば特に制限されるものではない。そのため、有機溶媒は、通常の市販のものを使用することができる。具体的には、ケトン類、ニトリル類、N,N-ジメチルホルムアミド、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。
使用する有機溶媒としては、反応に影響を及ぼさない反応溶媒であれば特に制限されるものではない。そのため、有機溶媒は、通常の市販のものを使用することができる。具体的には、ケトン類、ニトリル類、N,N-ジメチルホルムアミド、またはこれらの混合溶媒が挙げられる。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
ニトリル類としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられる。
中でも、入手しやすさ、扱いやすさ、ホルムアルデヒド化合物を安定して高収率で製造できるなどの実用性観点から、ニトリル類、特にアセトニトリルが好ましく用いられる。
該有機溶媒には水が含まれてもよい。ただし、下記に詳述する混合液に含まれる水を調整し易くするためには、なるべく水分量の少ない有機溶媒を使用することが好ましい。そのため、有機溶媒の保存、混合液の調整のし易さ等を考慮すると、有機溶媒に含まれる水の量は、1.5質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがさらに好ましい。
(水)
本発明において、混合液に含まれる水は、前記したように、ギ酸塩に始めから含まれているものであってもよいし、有機溶媒に始めから含まれているものであってもよい。さらには、別途、水を混合してもよい。すなわち、本発明においては、使用するギ酸塩、および有機溶媒を選択して、さらに必要に応じて、水を追加配合することにより、得られる混合液の水分量を0.10質量%以上1.60質量%以上となるように調整すればよい。
本発明において、混合液に含まれる水は、前記したように、ギ酸塩に始めから含まれているものであってもよいし、有機溶媒に始めから含まれているものであってもよい。さらには、別途、水を混合してもよい。すなわち、本発明においては、使用するギ酸塩、および有機溶媒を選択して、さらに必要に応じて、水を追加配合することにより、得られる混合液の水分量を0.10質量%以上1.60質量%以上となるように調整すればよい。
(ギ酸塩、有機溶媒、および水を含む混合液)
本発明の製造方法において、ギ酸塩、有機溶媒、および水を混合して混合液を得る方法は、特に制限されるものではなく、攪拌装置を備えた反応容器内で実施することができる。
本発明の製造方法において、ギ酸塩、有機溶媒、および水を混合して混合液を得る方法は、特に制限されるものではなく、攪拌装置を備えた反応容器内で実施することができる。
ギ酸塩、有機溶媒、および水を反応容器内に添加する順序は、特に制限されるものではない。前記した通り、ギ酸塩および有機溶媒には、不可避的に含まれる水がこれらの中に存在するため、場合によっては、水の添加は必要ないことがある。このため、好ましい添加順序は、ギ酸塩と有機溶媒とを反応容器内に予め仕込んで攪拌し、反応容器内の水分量を確認した後、必要に応じて水を添加するという順序である。
そして、本発明で使用する混合液は、含有する水分量が0.10質量%以上1.60質量%以下とする必要がある。なお、この水分量は、実施例に記載の方法で測定した値である。
混合液に含まれる水分量が0.10質量%未満の場合には、この混合液と酸ハロゲン化物とを混合した際に、酸ハロゲン化物が残存し易くなる。さらには、反応に寄与する混合酸無水物の生成割合が低下する。よって、最終的に得られるホルムアミド化合物の収率、または純度が低下するため好ましくない。
一方、水分量が1.60質量%を超える場合には、酸ハロゲン化物の加水分解が進行するため、最終的にホルムアミド化合物の収率、または純度が低下するため好ましくない。
最終的に得られるホルムアミド化合物の収率を考慮すると、混合液に含まれる水分量は、0.10質量%以上1.20質量%以下であることが好ましい。
混合液の水分量を0.10質量%以上1.60質量%以下の範囲に調整することにより、反応に有用な混合酸無水物の生成割合を高めることができ、安定した収率で高純度のホルムアルデヒド化合物を製造できる。
混合液の水分量を0.10質量%以上1.60質量%以下の範囲に調整するのは、用いるギ酸塩及び有機溶媒の水分量を測定し、これらの混合時に必要に応じて必要量の水を添加して混合液を得る方法や、ギ酸塩と有機溶媒とを混合した後に水分量を測定し、さらに必要に応じて必要量の水を添加して混合液を得る方法によって行えば良い。何れの方法においても、得られた混合液の水分量を測定して、混合液の水分量を0.10質量%以上1.60質量%以下の範囲であることを確認することが好ましい。
また、該混合液は、前記ギ酸塩1質量部に対して、前記有機溶媒を2~30質量部、より好ましくは、3~20質量部、より一層好ましくは4~15質量部、特に、5~10質量部含むことが好ましい。
これらを混合する際の温度は、特に制限されるものではない。具体的には、0~60℃、好ましくは10~40℃の温度範囲で実施することができる。
混合する時間も、特に制限されるものではなく、通常であれば比較的短時間でよく、10分間以上1時間以下であることが好ましい。
また、混合させる際の圧力も、特に制限されるものではない。具体的には、大気圧下、減圧下、加圧下の何れの雰囲気で実施してもよい。また、混合時の雰囲気も、特に制限されるものではない。具体的には、空気雰囲気下、不活性ガス雰囲気下で実施することができる。
以上のような条件を採用した混合液を使用することで、ホルムアミド化合物の収率を向上できる。そして、このような条件を採用する場合には、有機溶媒がニトリル類である場合に、特に優れた効果を発揮する。
なお、得られた混合液は、有機溶媒や水を除去せず、そのまま使用することができる。
<混合液と、酸ハロゲン化物と、アミン塩化合物との混合>
(酸ハロゲン化物)
使用する酸ハロゲン化物は、特に限定されないが、反応性に富む点、安価に調達できる点から、炭素数2~8、より好ましくは炭素数3~7の酸ハロゲン化物を使用するのが好適である。好適に使用できる酸ハロゲン化物を具体的に例示すると、アセチルクロリド、プロピオニルクロリド、3-メチルブタノイルブロミド、ブタノイルクロリド、トリメチルアセチルクロリド(ピバロイルクロリド)、ペンタノイルクロリド、ヘキサノイルブロミド、シクロヘキサンカルボニルブロミド、ベンゾイルクロリド等を挙げることができる。
(酸ハロゲン化物)
使用する酸ハロゲン化物は、特に限定されないが、反応性に富む点、安価に調達できる点から、炭素数2~8、より好ましくは炭素数3~7の酸ハロゲン化物を使用するのが好適である。好適に使用できる酸ハロゲン化物を具体的に例示すると、アセチルクロリド、プロピオニルクロリド、3-メチルブタノイルブロミド、ブタノイルクロリド、トリメチルアセチルクロリド(ピバロイルクロリド)、ペンタノイルクロリド、ヘキサノイルブロミド、シクロヘキサンカルボニルブロミド、ベンゾイルクロリド等を挙げることができる。
これらの中でも、特にトリメチルアセチルクロリド(ピバロイルクロリド)が、副反応物が生じにくい傾向があることから、特に採用できる。
酸ハロゲン化物の使用量は、あまり量が少ないと、アミン塩化合物に対して十分な量の混合酸無水物が生成できず、未反応のアミン塩化合物が多く残り、収率の低下を招く傾向がある。あまり量が多いと、該酸ハロゲン化物とアミン塩化合物とが直接反応する副反応が進行しやすい傾向がある。そのため、通常、酸ハロゲン化物の使用量は、アミン塩化合物1モルに対して、1.0~2.0モル、より好ましくは1.0~1.5モルであることが好ましい。また、混合液の使用量は、ギ酸塩がアミン塩化合物1モルに対して、1.0~4.0モルとなるようにすることが好ましく、1.5~3.0モルとなるようにすることがより好ましい。
この酸ハロゲン化物は、酸ハロゲン化物単独で使用することもできるし、前記有機溶媒と同じ溶媒で希釈した酸ハロゲン化物を使用することもできる。反応溶媒量を低減し、操作性よくホルムアミド化合物を製造するためには、酸ハロゲン化物単独で使用することが好ましい。
(アミン塩化合物(基質))
本発明において、基質となるアミン塩化合物は、
下記式(I)
本発明において、基質となるアミン塩化合物は、
下記式(I)
(式中、R1は水素原子または水酸基保護基であり、R2はアミノ基保護基であり、Arは置換基を有していてもよい芳香族環基、Aは酸であり、mは酸であるAの価数の逆数である。)
で表される、アミン化合物と酸により形成されたアミン塩化合物である。
で表される、アミン化合物と酸により形成されたアミン塩化合物である。
該アミン塩化合物は、特に制限されるものではなく、公知の方法(例えば、特許文献1に記載された方法)により製造できる。
前記式(I)において、R1は、水素原子または水酸基保護基である。
前記水酸基保護基としては、一般に用いられる水酸基保護基である。例えば、炭素数1~3のアルキルカルボニル基(例えば、アセチル基)、炭素数7~10のアリールアルキル基(例えば、ベンジル基、1-フェニルエチル基)、および、炭素数1~5のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert-ブチル基)から選択される基である。
中でも、より有用なホルムアミド化合物を得るためには、R1は、水素原子であることが好ましい。
前記式(I)において、R2は、一般に用いられるアミノ基保護基である。例えば、炭素数1~10のアルキルオキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、t-ブチルオキシカルボニル基等)、炭素数7~11のアリールアルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基等)、炭素数1~10のアルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基(メシル基)等)、炭素数6~14のアリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基等)等が挙げられる。
中でも、より有用なホルムアミド化合物を得るためには、R2は、メチルスルホニル基(メシル基)であることが好ましい。
式(I)において、Arは、得られるホルムアミド化合物の有用性を考慮すると、以下の式(I-a)で表される芳香族環基であることが好ましい。
(式中、R3はアルキル基又はアルコキシ基であり、nは0~5の整数である。)
式(I-a)において、R3の基の数を示すnは、0~5の整数である。nは、得られるホルムアミド化合物の有用性を考慮すると、好ましくは0~2の整数、より好ましくは0または1である。なお、nが2以上の場合には、R3は同一の基であっても、異なる基であってもよい。
式(I-a)において、R3の基の数を示すnは、0~5の整数である。nは、得られるホルムアミド化合物の有用性を考慮すると、好ましくは0~2の整数、より好ましくは0または1である。なお、nが2以上の場合には、R3は同一の基であっても、異なる基であってもよい。
式(I-a)において、R3は、アルキル基(炭素数1~5のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等)、又はアルコキシ基(炭素数1~5のアルコキシ基が好ましく、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)であることが好ましい。
また、式(I-a)において、特に制限されるものではないが、nが1以上の場合には、得られるホルムアミド化合物の有用性を考慮すると、少なくとも、ベンゼン環の4位にR3が結合していることが好ましい。ベンゼン環の1位は、酸素原子が結合している位置である。
中でも、より有用なホルムアミド化合物を得るためには、該Arは、フェニル(式(I―a)において、n=0の化合物)であることが好ましい。
前記式(I)で表されるアミン塩化合物は、アミン部分とAで表わされる酸とで塩を形成した化合物である。
前記Aは、特に制限されず、例えば、無機酸(塩化水素、臭化水素、硫酸、リン酸等)や、有機酸(メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ギ酸、マレイン酸、フマル酸、酢酸等)が挙げられる。
前記式(I)において、mは酸であるAの価数の逆数である。Aが塩酸のような1塩基酸塩となる場合には、mは1となる。Aが硫酸のような2塩基酸塩の場合には、mは1/2となる。さらには、Aがリン酸のような3塩基酸塩の場合には、mは1/3となる。
中でもより有用なホルムアミド化合物を得るためには、Aは、無機酸、特に硫酸であることが好ましい。
本発明において、より有用なホルムアミド化合物を製造するために、特に好適なアミン塩化合物を例示すれば、下記式(I-a)のもの(上記式(I)において、R1が水素原子、R2がメタンスルホニル基(メシル基)、Arがフェニル基、Aが硫酸の化合物)が挙げられる。なお、下式中、Phはフェニル基、Msはメタンスルホニル基を表す。
前記式(I)で表されるアミン塩化合物は、無水物の他に、水和物の状態のもの、単に水を含んでいるものがある。アミン塩化合物由来の水は、前記した混合酸無水物がアミン塩化合物に対して十分な量存在すれば、微量であるため許容される。そのため、本発明の製造方法では、いずれのアミン塩化合物を用いることが可能である。
ただし、あまり過剰な量の水が存在すると、得られた混合酸無水物が分解するおそれがある。このため、アミン塩化合物に含まれる水は、5.0質量%以下とすることが好ましい。
このようなアミン塩化合物を混合液、酸ハロゲン化物等と混合する場合には、アミン塩化合物単独で使用することもできるし、前記有機溶媒で必要に応じて希釈したアミン塩化合物を使用することもできる。反応溶媒量を低減し、操作性よくホルムアルデヒド化合物を製造するためには、アミン塩化合物単独で使用することが好ましい。
(混合液と、酸ハロゲン化物と、アミン塩化合物との混合)
本発明においては、前記混合液中のギ酸塩と、酸ハロゲン化物とから生じる混合酸無水物がアミン塩化合物と反応し、ホルムアミド化合物を得ることができる。そのため、前記反応は、混合液、酸ハロゲン化物、アミン塩化合物の各成分を混合することにより実施できる。
本発明においては、前記混合液中のギ酸塩と、酸ハロゲン化物とから生じる混合酸無水物がアミン塩化合物と反応し、ホルムアミド化合物を得ることができる。そのため、前記反応は、混合液、酸ハロゲン化物、アミン塩化合物の各成分を混合することにより実施できる。
各成分を混合する方法は、特に制限されるものではなく、撹拌装置を備えた反応容器内で実施することができる。
反応容器内において、各成分を混合する順番は、特に制限されない。例えば、反応容器中に、各成分を同時に導入することもできるし、1成分を先に反応容器に導入し、他の成分を順次または同時に反応容器に導入することもできる。
中でも、前記混合液と酸ハロゲン化物とを反応容器内に予め仕込んで混合し、混合酸無水物を生成させた後、前記アミン塩化合物を添加・混合することが好ましい。こうすることによって、混合酸無水物をアミン塩化合物との反応に必要な量生成させた後、該アミン塩化合物と反応させることができる。このため、安定してホルムアミド化合物を製造できる。以下、混合液と酸ハロゲン化物とを混合したものを、混合酸無水物溶液ともいう。混合酸無水物の生成量はガスクロマトグラフィー(GC)等の分析機器を用いて確認できる。さらに、酸ハロゲン化物とアミン塩化合物とが反応系内に共存すると、これらが反応し副反応物が生成する傾向がある。これを効果的に回避することができる点においても好ましい。なお、混合酸無水物は水や熱に不安定な化合物であることから、該混合酸無水物を単離することなく、そのままアミン塩化合物との反応に供することが好ましい。
各成分を混合する際の温度(反応温度)は、特に制限されるものではない。混合液と酸ハロゲン化物とを予め混合して混合酸無水物を生成させた後、アミン塩化合物を添加・混合する場合、混合液と酸ハロゲン化物とを混合する際の温度は、-10~10℃とすることが好ましく、その後混合酸無水物とアミン塩化合物とを混合する際の温度は、上述のとおり混合酸無水物が熱に不安定な化合物であり、また、混合酸無水物とアミン塩化合物との反応が比較的穏和な条件下でも進行することから、-10~10℃の温度範囲が好ましい。従って、前記混合液と酸ハロゲン化化合物の混合温度、その後に混合するアミン塩化合物の混合温度の両方とも、-10~10℃の範囲とすることが好ましい。そうすることでホルムアミド化合物を安定して製造することができる。中でも、前記混合液と酸ハロゲン化物とを反応容器内に予め仕込んで混合する場合、-10~10℃の温度範囲で予め混合し、さらにその温度でアミン塩化合物を添加・混合し、そのままその温度を維持することが好ましい。
また、混合する際の圧力も、特に制限されるものではない。具体的には、大気圧下、減圧下、加圧下の何れの雰囲気で実施してもよい。操作性を考慮すると、大気圧下で実施することが好ましい。また、接触時の雰囲気も、特に制限されるものではない。具体的には、空気雰囲気下、不活性ガス雰囲気下で実施することができる。中でも、雰囲気中の水分の混入を考慮すると、不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。
反応時間も、原料の反応状態を分析機器等で確認しながら適宜決定すればよい。例えば、0.5~3時間とすることができる。
なお、前記混合液と酸ハロゲン化物とを反応容器内に予め仕込んで混合し、混合酸無水物を生成させた後に、アミン塩化合物を添加・混合する場合、混合液と酸ハロゲン化物とを混合した後は、例えば、ガスクロマトグラフィー(GC)等でこれらの反応状態を追跡することができる。この場合、一般的には、1~10時間混合すれば十分である。
アミン塩化合物と混合した後は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等でこれらの反応状態を追跡することができる。この場合、一般的には、0.5~3時間混合すれば十分である。
<後処理>
本発明において、前記混合液と、酸ハロゲン化物と、アミン塩化合物との混合の後、以下の後処理を行うことが好ましい。
本発明において、前記混合液と、酸ハロゲン化物と、アミン塩化合物との混合の後、以下の後処理を行うことが好ましい。
具体的には、混合後に得られた反応液と、水と、を混合し、水に難溶な固体(ホルムアミド化合物)を析出させることが好ましい。こうすることにより、ろ過等の公知の操作により、容易に目的物が得られる。このとき使用する水の量は、特に制限されるものではなく、一般的には、アミン塩化合物1gに対して3~15mLの水を使用することが好ましい。また、このときの温度は、-10~10℃の温度範囲とすることが好ましい。
また、得られた反応液と、水と、の前記混合後、該反応液の温度を-10~10℃の温度範囲とし、1~3時間攪拌混合することが好ましい。
析出した固体(ホルムアミド化合物)はろ過し、乾燥する。
得られたホルムアミド化合物が十分高純度である場合、そのまま次の反応に用いても良いが、さらに精製しても良い。かかる場合の精製方法としては、ろ過後のホルムアミド化合物を、水、及び/又は、イソプロピルアルコール等のアルコール類で洗浄する方法が挙げられる
本発明の製造方法の好適な一例を反応式で示すと以下の通りである(下式中、Phはフェニル基、Msはメタンスルホニル基を表す)。
本発明の製造方法の好適な一例を反応式で示すと以下の通りである(下式中、Phはフェニル基、Msはメタンスルホニル基を表す)。
以上の方法を行うことにより、医薬の原料・中間体など、様々な用途に使用可能なホルムアミド化合物を高収率で製造できる。特に、このような方法により得られたホルムアミド化合物は、イグラチモドの製造方法に供する原料として好適に使用することができる(下式中、Phはフェニル基、Msはメタンスルホニル基を表す)。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されることはない。
なお、実施例は、下記式で表されるアミノメチル=2-ヒドロキシ-4-メチルスルホニルアミノ-5-フェノキシフェニル=ケトンの1/2硫酸塩(アミン塩化合物)から、ホルミルアミノメチル=2-ヒドロキシ-4-メチルスルホニルアミノ-5-フェノキシフェニル=ケトン(ホルムアミド化合物)を製造した場合の例である。
また、実施例における評価は、以下の方法で行った。
<混合酸無水物の評価>
(GCの測定条件)
装置:ガスクロマトグラフ装置(Agilent Technologies製)
検出器:水素炎イオン化型検出器
カラム:Agilent Technologies製DB-624(長さ:30m、内径:0.53mm、膜厚:3μm)
カラム温度:80℃付近の一定温度で注入し、5分間保持した後、毎分10℃で110℃まで昇温し、毎分20℃で150℃まで昇温し、150℃を5分間保持する.
注入口温度:130℃付近の一定温度
検出器温度:250℃付近の一定温度
キャリヤーガス:ヘリウム
線速度:35cm/s
スプリット比:1:10
サンプル調製:反応液をろ過し、アセトニトリルで10倍に希釈してサンプルとした。
(GCの測定条件)
装置:ガスクロマトグラフ装置(Agilent Technologies製)
検出器:水素炎イオン化型検出器
カラム:Agilent Technologies製DB-624(長さ:30m、内径:0.53mm、膜厚:3μm)
カラム温度:80℃付近の一定温度で注入し、5分間保持した後、毎分10℃で110℃まで昇温し、毎分20℃で150℃まで昇温し、150℃を5分間保持する.
注入口温度:130℃付近の一定温度
検出器温度:250℃付近の一定温度
キャリヤーガス:ヘリウム
線速度:35cm/s
スプリット比:1:10
サンプル調製:反応液をろ過し、アセトニトリルで10倍に希釈してサンプルとした。
(相対感度係数の算出)
GCの測定では、分析種に対する感度が化合物毎に異なるため、感度の補正をしないと反応転化率、純度の算出は困難である。そのため、相対感度係数(混合酸無水物基準)を以下のように算出した。
GCの測定では、分析種に対する感度が化合物毎に異なるため、感度の補正をしないと反応転化率、純度の算出は困難である。そのため、相対感度係数(混合酸無水物基準)を以下のように算出した。
ギ酸ナトリウムおよびピバロイルクロリドを含む重アセトニトリル溶液を攪拌混合した後、不溶物をろ過し、溶液(以下、単にAN溶液ともいう。)を得た。そして、該AN溶液を、核磁気共鳴(NMR)装置で測定した。その結果、該AN溶液には、ピバロイルクロリド、混合酸無水物(ギ酸ナトリウムとピバリン酸クロリドとが反応し生成した目的物)、ピバル酸(副生物)、及びピバル酸無水物(副生物)が含まれることを確認し、これらのNMR積分比(混合酸無水物基準)を算出した。
次いで、このAN溶液をGCで測定し、各化合物のGC面積値を算出した。
得られたNMR積分比およびGC面積値から、GC測定における相対感度係数(混合酸無水物基準)を算出した。以下に、一例として、下式(1)および下式(2)に、ピバロイルクロリドの相対感度係数(混合酸無水物基準)を算出する式を示す。
Ma:ピバロイルクロリドのモル比[-]
Ia:ピバロイルクロリドのNMR積分比[-]
na:ピバロイルクロリドのメチルプロトン数[個]
nb:混合酸無水物のメチルプロトン数[個]
Ia:ピバロイルクロリドのNMR積分比[-]
na:ピバロイルクロリドのメチルプロトン数[個]
nb:混合酸無水物のメチルプロトン数[個]
Sa:ピバロイルクロリドの相対感度係数[-]
Aa:ピバロイルクロリドのGC面積値[-]
Ab:混合酸無水物のGC面積値[-]
まず、式(1)によりピバロイルクロリドのモル比Maを算出し、次いで、式(2)によりピバロイルクロリドの相対感度係数Saを算出した。
Aa:ピバロイルクロリドのGC面積値[-]
Ab:混合酸無水物のGC面積値[-]
まず、式(1)によりピバロイルクロリドのモル比Maを算出し、次いで、式(2)によりピバロイルクロリドの相対感度係数Saを算出した。
同様に、ピバル酸、及びピバル酸無水物の相対感度係数(混合酸無水物基準)を算出した。これらの結果を下表1に示す。
(反応転化率の算出)
前記表1に示すGC面積値および相対感度係数から、混合酸無水物調製時の反応転化率を算出した。下式(3)に、反応転化率Caを算出する式を示す。
前記表1に示すGC面積値および相対感度係数から、混合酸無水物調製時の反応転化率を算出した。下式(3)に、反応転化率Caを算出する式を示す。
Ca:反応転化率[%]
Sb:混合酸無水物の相対感度係数[-]
(純度の算出)
前記表1に示すGC面積値および相対感度係数から、純度を算出した。一例として、下式(4)に、ピバロイルクロリドの純度を算出する式を示す。
Sb:混合酸無水物の相対感度係数[-]
(純度の算出)
前記表1に示すGC面積値および相対感度係数から、純度を算出した。一例として、下式(4)に、ピバロイルクロリドの純度を算出する式を示す。
Pa:ピパロイルクロリドの純度[%]
Ac:ピバル酸のGC面積値[-]
Sc:ピバル酸の相対感度係数[-]
Ad:ピバル酸無水物のGC面積値[-]
Sd:ピバル酸無水物の相対感度係数[-]
同様に、混合酸無水物、ピバル酸及びピバル酸無水物の純度を算出した。
Ac:ピバル酸のGC面積値[-]
Sc:ピバル酸の相対感度係数[-]
Ad:ピバル酸無水物のGC面積値[-]
Sd:ピバル酸無水物の相対感度係数[-]
同様に、混合酸無水物、ピバル酸及びピバル酸無水物の純度を算出した。
<ホルムアミド化合物の評価(HPLCの測定条件)>
装置:液体クロマトグラフ装置(Waters Corporation製)
検出器:紫外吸光光度計
測定波長:240nm
カラム:内径4.6mm、長さ250mmのステンレス管に、5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルが充てんされたもの。
移動相A:りん酸二水素カリウム8.16gを水3000mLに添加し溶解させた後、りん酸を加えてpH2.5に調製した混合液
移動相B:アセトニトリル
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する。
装置:液体クロマトグラフ装置(Waters Corporation製)
検出器:紫外吸光光度計
測定波長:240nm
カラム:内径4.6mm、長さ250mmのステンレス管に、5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルが充てんされたもの。
移動相A:りん酸二水素カリウム8.16gを水3000mLに添加し溶解させた後、りん酸を加えてpH2.5に調製した混合液
移動相B:アセトニトリル
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する。
流量:毎分0.8mL
カラム温度:30℃付近の一定温度
測定時間:50分
ホルムアミド化合物の合成反応時の反応転化率は、ホルムアミド化合物のピーク面積値を、ホルムアミド化合物のピーク面積値とアミン塩化合物のピーク面積値の和で除して、100を乗じて算出した。
カラム温度:30℃付近の一定温度
測定時間:50分
ホルムアミド化合物の合成反応時の反応転化率は、ホルムアミド化合物のピーク面積値を、ホルムアミド化合物のピーク面積値とアミン塩化合物のピーク面積値の和で除して、100を乗じて算出した。
ホルムアミド化合物の純度は、上記条件で測定される全ピーク(溶媒ピークを除く)の面積値の合計に対するホルムアミド化合物の面積値の割合である。
<水分測定条件>
水分量の測定は、カールフィッシャー法により測定した。該測定に使用した装置、測定の条件は、以下のとおりである。
装置:カールフィッシャー水分測定装置CA-200型(三菱ケミカル)
方式:容量滴定法
滴定試薬:アクアミクロンSSZ-3.0mg(三菱ケミカル)
溶媒:無水メタノール(水分測定用)
水分量の測定は、カールフィッシャー法により測定した。該測定に使用した装置、測定の条件は、以下のとおりである。
装置:カールフィッシャー水分測定装置CA-200型(三菱ケミカル)
方式:容量滴定法
滴定試薬:アクアミクロンSSZ-3.0mg(三菱ケミカル)
溶媒:無水メタノール(水分測定用)
[実施例1]
<ギ酸塩、有機溶媒、および水を含む混合液>
アセトニトリル(30mL(24g);有機溶媒)と、ギ酸ナトリウム(4.2g、0.062mol;ギ酸塩)と、を室温で15分激しく撹拌した。その後、得られた懸濁液(混合液)の水分を測定すると、0.05質量%であった。得られた懸濁液に水(0.014g)を加えて、さらに室温で15分激しく撹拌した。その後、得られた懸濁液(混合液)の水分を測定すると、0.10質量%であった。
<ギ酸塩、有機溶媒、および水を含む混合液>
アセトニトリル(30mL(24g);有機溶媒)と、ギ酸ナトリウム(4.2g、0.062mol;ギ酸塩)と、を室温で15分激しく撹拌した。その後、得られた懸濁液(混合液)の水分を測定すると、0.05質量%であった。得られた懸濁液に水(0.014g)を加えて、さらに室温で15分激しく撹拌した。その後、得られた懸濁液(混合液)の水分を測定すると、0.10質量%であった。
<混合液と、酸ハロゲン化物と、アミン塩化合物との混合>
この混合液を0℃±5℃に冷却し、ピバロイルクロリド(3.8g、0.031mol;酸ハロゲン化物)を滴下し、同温度で5時間撹拌した。得られた混合酸無水物溶液をGCで分析したところ、反応転化率は100.0%、混合酸無水物の純度は96.6%であった。
この混合液を0℃±5℃に冷却し、ピバロイルクロリド(3.8g、0.031mol;酸ハロゲン化物)を滴下し、同温度で5時間撹拌した。得られた混合酸無水物溶液をGCで分析したところ、反応転化率は100.0%、混合酸無水物の純度は96.6%であった。
得られた混合酸無水物溶液に、同温度で、アミン塩化合物(10g、0.026mol)を加え、さらに2時間撹拌した。該攪拌後に得られた反応液をHPLCで分析したところ、反応転化率は99.5%、反応液におけるホルムアミド化合物の純度は96.5%であった。
<後処理>
反応液に水90mLを加え、3時間撹拌し、析出晶(ホルムアミド化合物)をろ取した。得られた析出晶を水およびイソプロピルアルコールで順次洗浄した後、乾燥させ、ホルムアミド化合物(8.9g、収率93.8%、純度98.1%)を得た。
反応液に水90mLを加え、3時間撹拌し、析出晶(ホルムアミド化合物)をろ取した。得られた析出晶を水およびイソプロピルアルコールで順次洗浄した後、乾燥させ、ホルムアミド化合物(8.9g、収率93.8%、純度98.1%)を得た。
実施例1で得られたホルムアミド化合物の物性データは、以下の通りである。
NMR(DMSO-d6)δ値3.09(3H、s)、4.55(2H、d)、6.90-7.50(7H、m)、8.13(1H、s)、8.15(1H、t)、9.68(1H、s)11.22(1H、s)
[実施例2~9]
表3、4に示す条件とした以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表3、4に示した。
表3、4に示す条件とした以外は、実施例1と同様に実施した。結果を表3、4に示した。
[比較例1]
混合液を得る際に水を添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行って、ホルムアミド化合物(8.3g、収率64.3%、純度88.91%)を得た。結果を表3、4に示した。
混合液を得る際に水を添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行って、ホルムアミド化合物(8.3g、収率64.3%、純度88.91%)を得た。結果を表3、4に示した。
[比較例2~8]
表3、4に示す条件とした以外は、比較例1と同様の操作を行った。結果を表3、4に示した。
表3、4に示す条件とした以外は、比較例1と同様の操作を行った。結果を表3、4に示した。
Claims (6)
- アルカリ金属またはアルカリ土類金属のギ酸塩、有機溶媒、および水を含み、水分量が0.10質量%以上1.60質量%以下である混合液と、
酸ハロゲン化物と、
下記式(I)
で表されるアミン塩化合物と、
を混合することにより、
下記式(II)
で表されるホルムアミド化合物を製造する、ホルムアミド化合物の製造方法。 - 前記有機溶媒が、ニトリル類である、請求項1に記載のホルムアミド化合物の製造方法。
- 前記混合液と、前記ハロゲン化物と、前記アミン塩化合物と、を、-10~10℃の温度範囲で混合することを特徴とする、請求項1又は2に記載のホルムアミド化合物の製造方法。
- 前記混合液が、前記ギ酸塩1質量部に対して、前記有機溶媒を2~30質量部含むことを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載のホルムアミド化合物の製造方法。
- 前記混合液と前記酸ハロゲン化物とを混合した後、前記アミン塩化合物を混合することを特徴とする、請求項1~4の何れか1項に記載のホルムアミド化合物の製造方法。
- 前記式(I)で示されるアミン塩化合物において、Aが硫酸であることを特徴とする、請求項1~5の何れか1項に記載のホルムアミド化合物の製造方法。
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Angewandte Chemie International Edition,2015年,Vol. 54, No. 32,Pages 9209-9212,DOI: 10.1002/anie.201504072 |
Chemical and Pharmaceutical Bulletin,2000年,Vol. 48, No. 1,Pages 131-139,DOI: 10.1248/cpb.48.131 |
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