JPH1036326A - 3−エチニルアニリン化合物の酸付加塩及び3−エチニルアニリン化合物の精製方法 - Google Patents
3−エチニルアニリン化合物の酸付加塩及び3−エチニルアニリン化合物の精製方法Info
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- JPH1036326A JPH1036326A JP20778796A JP20778796A JPH1036326A JP H1036326 A JPH1036326 A JP H1036326A JP 20778796 A JP20778796 A JP 20778796A JP 20778796 A JP20778796 A JP 20778796A JP H1036326 A JPH1036326 A JP H1036326A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 純度が高く、保存安定性に優れた3−エチニ
ルアニリン化合物を提供する。 【解決手段】 一般式(I)で表わされる3−エチニル
アニリン化合物の酸付加塩。 【化1】 (式中、X- はBF4 -、PF6 -、ClO4 -、ハロゲンイ
オン又は一般式(II)もしくは(III) で表わされる基を
示す。) 【化2】 (式中、R1 はヒドロキシ基、アルキル基又はアリール
基を、Zは単結合、メチレン基、エチレン基又はフェニ
レン基を示す。)
ルアニリン化合物を提供する。 【解決手段】 一般式(I)で表わされる3−エチニル
アニリン化合物の酸付加塩。 【化1】 (式中、X- はBF4 -、PF6 -、ClO4 -、ハロゲンイ
オン又は一般式(II)もしくは(III) で表わされる基を
示す。) 【化2】 (式中、R1 はヒドロキシ基、アルキル基又はアリール
基を、Zは単結合、メチレン基、エチレン基又はフェニ
レン基を示す。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱硬化性樹脂、非線
形光学材料などの合成中間体である3−エチニルアニリ
ン化合物の安定化酸付加塩及び3−エチニルアニリン化
合物の精製方法に関する。
形光学材料などの合成中間体である3−エチニルアニリ
ン化合物の安定化酸付加塩及び3−エチニルアニリン化
合物の精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】3−エチニルアニリン化合物はポリイミ
ド、ポリイミンなどの構成要素となりうるアミノ基と、
熱、光などにより重合しやすいアセチレン基を分子内に
有する興味深い化合物であり、数多くの用途が期待さ
れ、報告がなされている。例えば、熱硬化性樹脂(米国
特許第4485231号、米国特許第4442278
号、米国特許第5138028号、特開平4−2752
59号など)、非線形光学材料(特開平1−23326
3号、特開昭63−68549号など)、医農薬品(米
国特許第5360802号、特開昭57−118568
号、特開昭56−164160号など)などの原料中間
体として有用である。
ド、ポリイミンなどの構成要素となりうるアミノ基と、
熱、光などにより重合しやすいアセチレン基を分子内に
有する興味深い化合物であり、数多くの用途が期待さ
れ、報告がなされている。例えば、熱硬化性樹脂(米国
特許第4485231号、米国特許第4442278
号、米国特許第5138028号、特開平4−2752
59号など)、非線形光学材料(特開平1−23326
3号、特開昭63−68549号など)、医農薬品(米
国特許第5360802号、特開昭57−118568
号、特開昭56−164160号など)などの原料中間
体として有用である。
【0003】このように、種々の用途が期待される3−
エチニルアニリン化合物は文献既知の方法(J.Or
g.Chem.,44,3671(1979);同4
4,1233(1979))によって合成できるが油状
物であり、その精製は、もっぱら蒸留によって行われる
(沸点135℃/30mmHg)。しかし、熱的に重合
しやすいという性質ゆえ、蒸留時の回収率が低くなって
しまうという欠点を有しており、改良が望まれている。
また、アニリン類に共通の性質として、空気によって酸
化されやすく、着色しやすいという性質があるが、3−
エチニルアニリン化合物も例外ではない。実際、試薬で
入手できる3−エチニルアニリン化合物も着色した、純
度の低いものであり、使用にあたり精製が必要な場合が
多く、精製法の改良のみならず、保存時の安定化に関す
る改良も望まれている。
エチニルアニリン化合物は文献既知の方法(J.Or
g.Chem.,44,3671(1979);同4
4,1233(1979))によって合成できるが油状
物であり、その精製は、もっぱら蒸留によって行われる
(沸点135℃/30mmHg)。しかし、熱的に重合
しやすいという性質ゆえ、蒸留時の回収率が低くなって
しまうという欠点を有しており、改良が望まれている。
また、アニリン類に共通の性質として、空気によって酸
化されやすく、着色しやすいという性質があるが、3−
エチニルアニリン化合物も例外ではない。実際、試薬で
入手できる3−エチニルアニリン化合物も着色した、純
度の低いものであり、使用にあたり精製が必要な場合が
多く、精製法の改良のみならず、保存時の安定化に関す
る改良も望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は純度が高く保
存安定性に優れた3−エチニルアニリン化合物を提供す
ることを目的とする。本発明は3−エチニルアニリン化
合物の安定化方法及び精製方法を提供することを目的と
する。
存安定性に優れた3−エチニルアニリン化合物を提供す
ることを目的とする。本発明は3−エチニルアニリン化
合物の安定化方法及び精製方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、3−エチニル
アニリン化合物を、特定の酸を付加した塩の形態にする
と結晶化し、容易に精製でき、さらに保存安定性が格段
に向上し、上記課題を解決できるとの知見に基づいてな
されたものである。すなわち、本発明は、(1)一般式
(I)で表わされる3−エチニルアニリン化合物の酸付
加塩。
アニリン化合物を、特定の酸を付加した塩の形態にする
と結晶化し、容易に精製でき、さらに保存安定性が格段
に向上し、上記課題を解決できるとの知見に基づいてな
されたものである。すなわち、本発明は、(1)一般式
(I)で表わされる3−エチニルアニリン化合物の酸付
加塩。
【0006】
【化3】
【0007】(式中、X- はBF4 -、PF6 -、Cl
O4 -、ハロゲンイオン又は一般式(II)もしくは(III)
で表わされる基を示す。)
O4 -、ハロゲンイオン又は一般式(II)もしくは(III)
で表わされる基を示す。)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R1 はヒドロキシ基、アルキル基
又はアリール基を、Zは単結合、メチレン基、エチレン
基又はフェニレン基を示す。)、及び(2)3−エチル
アニリン化合物を一般式(I)で表わされる酸付加塩と
し、精製することを特徴とする3−エチニルアニリン化
合物の精製方法を提供するものである。
又はアリール基を、Zは単結合、メチレン基、エチレン
基又はフェニレン基を示す。)、及び(2)3−エチル
アニリン化合物を一般式(I)で表わされる酸付加塩と
し、精製することを特徴とする3−エチニルアニリン化
合物の精製方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の化合物、及びその
調製方法について説明する。一般式(I)において、X
- はBF4 -、PF6 -、ClO4 -、ハロゲンイオン(好ま
しくは、Cl- 、Br- 、I- )又は一般式(II)ある
いは一般式(III)で表わされる基であり、好ましくは、
一般式(II)あるいは一般式(III) で表わされる基であ
る。一般式(II)において、R1 はヒドロキシ基(この
時HXは硫酸を表わす。)、好ましくは炭素数1〜8の
アルキル基(例えばメチル、エチル)、又は好ましくは
炭素数6〜15のアリール基(例えばフェニル、p−ト
リル)を表わす。より好ましくはR1 はヒドロキシ基、
メチル基、フェニル基、p−トリル基を表わす。一般式
(III)において、Zは単結合(この時HXはシュウ酸を
表わす。)、メチレン基、エチレン基、フェニレン基を
表わし、好ましくは単結合又はo−フェニレン基を表わ
し、特に好ましくは単結合を表わす。
調製方法について説明する。一般式(I)において、X
- はBF4 -、PF6 -、ClO4 -、ハロゲンイオン(好ま
しくは、Cl- 、Br- 、I- )又は一般式(II)ある
いは一般式(III)で表わされる基であり、好ましくは、
一般式(II)あるいは一般式(III) で表わされる基であ
る。一般式(II)において、R1 はヒドロキシ基(この
時HXは硫酸を表わす。)、好ましくは炭素数1〜8の
アルキル基(例えばメチル、エチル)、又は好ましくは
炭素数6〜15のアリール基(例えばフェニル、p−ト
リル)を表わす。より好ましくはR1 はヒドロキシ基、
メチル基、フェニル基、p−トリル基を表わす。一般式
(III)において、Zは単結合(この時HXはシュウ酸を
表わす。)、メチレン基、エチレン基、フェニレン基を
表わし、好ましくは単結合又はo−フェニレン基を表わ
し、特に好ましくは単結合を表わす。
【0011】次に本発明の化合物の調製方法を説明す
る。3−エチニルアニリン化合物を有機溶媒に溶解し、
これにHXで表わされる酸を加え、析出した結晶を濾過
することによって、本発明の酸付加塩は容易に得られ、
濾過によって不純物との分離精製が行われる。この時、
有機溶媒としては任意のものを用いることができるが、
好ましくはトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系
溶媒、n−ヘキサン、ペンタンなどの脂肪族炭化水素系
溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、エーテル、ジ
メトキシエタンなどのエーテル系溶媒、塩化メチレン、
ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコー
ル系溶媒、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒の
他、アセトニトリル、スルホランなどが用いられ、これ
らの溶媒を混合して用いてもよい。特に好ましくは、芳
香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、エステル
系溶媒が用いられる。
る。3−エチニルアニリン化合物を有機溶媒に溶解し、
これにHXで表わされる酸を加え、析出した結晶を濾過
することによって、本発明の酸付加塩は容易に得られ、
濾過によって不純物との分離精製が行われる。この時、
有機溶媒としては任意のものを用いることができるが、
好ましくはトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系
溶媒、n−ヘキサン、ペンタンなどの脂肪族炭化水素系
溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、エーテル、ジ
メトキシエタンなどのエーテル系溶媒、塩化メチレン、
ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコー
ル系溶媒、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶媒の
他、アセトニトリル、スルホランなどが用いられ、これ
らの溶媒を混合して用いてもよい。特に好ましくは、芳
香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、エステル
系溶媒が用いられる。
【0012】3−エチニルアニリン化合物に対して、1
〜1000倍量(重量)、好ましくは3〜100倍量、
特に好ましくは5〜20倍量の溶媒が用いられる。HX
で表わされる酸は、3−エチニルアニリン化合物に対し
て、0.45〜3当量、好ましくは0.5〜2当量用い
られる。結晶である酸付加塩は、長期保存できる安定性
の高い化合物であり、アルカリ水によって中和すること
によって容易に3−エチニルアニリン化合物にもどすこ
とができる。アルカリ水としては水酸化ナトリウム水溶
液、炭酸ナトリウム水溶液、重炭酸ナトリウム水溶液、
水酸化カリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液などが用い
られるが、この時、溶解、分離を促進する目的で任意の
有機溶媒を加えることも可能である。本発明方法は粗製
3−エチニルアニリン化合物の精製方法であり、また精
製、粗製に拘わらず、3−エチニルアニリン化合物に対
して前記のHXで表わされる酸を加えることによる、3
−エチニルアニリン化合物の安定化方法となる。
〜1000倍量(重量)、好ましくは3〜100倍量、
特に好ましくは5〜20倍量の溶媒が用いられる。HX
で表わされる酸は、3−エチニルアニリン化合物に対し
て、0.45〜3当量、好ましくは0.5〜2当量用い
られる。結晶である酸付加塩は、長期保存できる安定性
の高い化合物であり、アルカリ水によって中和すること
によって容易に3−エチニルアニリン化合物にもどすこ
とができる。アルカリ水としては水酸化ナトリウム水溶
液、炭酸ナトリウム水溶液、重炭酸ナトリウム水溶液、
水酸化カリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液などが用い
られるが、この時、溶解、分離を促進する目的で任意の
有機溶媒を加えることも可能である。本発明方法は粗製
3−エチニルアニリン化合物の精製方法であり、また精
製、粗製に拘わらず、3−エチニルアニリン化合物に対
して前記のHXで表わされる酸を加えることによる、3
−エチニルアニリン化合物の安定化方法となる。
【0013】次に本発明の具体的化合物例を示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
発明はこれらに限定されるものではない。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
れらに限定されるものではない。
【0017】参考例. 3−エチニルアニリンの合成 文献既知の方法(J.Org.Chem.,44,12
33(1979))により、3−ニトロフェニルアセチ
レン、3−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチン−1−
イル)ニトロベンゼンを経由して、その還元により前駆
体となる3−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチン−1
−イル)アニリンを得た。 融点117〜119℃1 H−NMR(300MHz:CDCl3 ) δppm 1.62(s,6H) 6.65(d,1H,J=8.3Hz) 6.75(s,1H) 6.83(d,1H,J=9.0Hz) 7.10(dd,1H,J=8.3,9.0Hz)
33(1979))により、3−ニトロフェニルアセチ
レン、3−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチン−1−
イル)ニトロベンゼンを経由して、その還元により前駆
体となる3−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチン−1
−イル)アニリンを得た。 融点117〜119℃1 H−NMR(300MHz:CDCl3 ) δppm 1.62(s,6H) 6.65(d,1H,J=8.3Hz) 6.75(s,1H) 6.83(d,1H,J=9.0Hz) 7.10(dd,1H,J=8.3,9.0Hz)
【0018】得られた3−(3−ヒドロキシ−3−メチ
ルブチン−1−イル)アニリン8.75g(0.05モ
ル)にtert−ブタノール50ml、カリウムter
t−ブトキシド1.1g(0.01モル)を加え窒素雰
囲気下、3時間加熱還流した。さらに生成するアセトン
とtert−ブタノールをゆっくり留去しながら、1時
間加熱還流を行った。室温にもどし、水100ml、酢
酸エチル100mlを加え、分液を行い、溶媒を留去し
て、3−エチニルアニリンをかっ色の油状物として5.
30g得た。収率90%。 HPLC純度92%(面積%)(液体クロマトグラフィ
ー機種:島津LC−6A;検出波長:254nm;カラ
ム:TSK gel ODS−80TM,溶離液:メタ
ノール/水=50/50、酢酸0.2%、トリエチルア
ミン0.2%) 沸点135℃/30mmHg(熱的に分解するため回収
率低く、精製効果も低い)
ルブチン−1−イル)アニリン8.75g(0.05モ
ル)にtert−ブタノール50ml、カリウムter
t−ブトキシド1.1g(0.01モル)を加え窒素雰
囲気下、3時間加熱還流した。さらに生成するアセトン
とtert−ブタノールをゆっくり留去しながら、1時
間加熱還流を行った。室温にもどし、水100ml、酢
酸エチル100mlを加え、分液を行い、溶媒を留去し
て、3−エチニルアニリンをかっ色の油状物として5.
30g得た。収率90%。 HPLC純度92%(面積%)(液体クロマトグラフィ
ー機種:島津LC−6A;検出波長:254nm;カラ
ム:TSK gel ODS−80TM,溶離液:メタ
ノール/水=50/50、酢酸0.2%、トリエチルア
ミン0.2%) 沸点135℃/30mmHg(熱的に分解するため回収
率低く、精製効果も低い)
【0019】HPLC純度95%1 H−NMR(300MHz:CDCl3 ) δppm 3.03(s,1H) 3.64(bs,2H) 6.63(dd,1H,J=8.3,2.0Hz) 6.79(d,1H,J=2.0Hz) 6.90(d,1H,J=8.3Hz) 7.11(dd,1H,J=8.3,8.3Hz)1 H−NMR(300MHz:DMSO−d6 ) δppm 3.96(s,1H) 5.23(bs,2H) 6.55〜6.70(m,3H) 6.96〜7.06(m,1H)
【0020】実施例1. 3−エチニルアニリン硫酸塩
((I)−7)の合成 参考例にて合成した3−エチニルアニリンの反応濃縮物
1.27g(純度92%として0.01モル)を酢酸エ
チル20mlに溶解し、水冷下、濃硫酸0.30ml
(0.05モル)を滴下した。20分撹拌後、析出した
結晶を濾過して、目的物を淡かっ色結晶として1.49
g得た。アルカリ水にて中和後、HPLCにて純度を測
定すると、純度が向上していることがわかる。 HPLC純度 98.5% 融点138℃(分解)1 H−NMR(300MHz:DMSO−d6 ) δppm 4.35(s,1H) 7.32〜7.55(m,4H) アミノ基へのプロトネーションによってケミカルシフト
がフリー体に比べて低磁場シフトしているのがわかる。
((I)−7)の合成 参考例にて合成した3−エチニルアニリンの反応濃縮物
1.27g(純度92%として0.01モル)を酢酸エ
チル20mlに溶解し、水冷下、濃硫酸0.30ml
(0.05モル)を滴下した。20分撹拌後、析出した
結晶を濾過して、目的物を淡かっ色結晶として1.49
g得た。アルカリ水にて中和後、HPLCにて純度を測
定すると、純度が向上していることがわかる。 HPLC純度 98.5% 融点138℃(分解)1 H−NMR(300MHz:DMSO−d6 ) δppm 4.35(s,1H) 7.32〜7.55(m,4H) アミノ基へのプロトネーションによってケミカルシフト
がフリー体に比べて低磁場シフトしているのがわかる。
【0021】実施例2. 同様にして得られた代表的な
酸付加塩の融点、 1H−NMR、中和後のHPLC純度
を以下に示す。
酸付加塩の融点、 1H−NMR、中和後のHPLC純度
を以下に示す。
【0022】p−トルエンスルホン酸塩 (I)−10 HPLC純度 99.2% 融点:166〜169℃1 H−NMR(300MHz:DMSO−d6 ) δppm 2.32(s,3H) 4.32(s,1H) 7.14(d,2H,J=8.3Hz) 7.26〜7.40(m,2H) 7.40〜7.56(m,4H) 硫酸塩同様、プロトネーションによる低磁場シフトが観
測される。
測される。
【0023】メタンスルホン酸塩 (I)−8 HPLC純度 99.0% 融点:172〜175℃1 H−NMR(300MHz:DMSO−d6 ) δppm 2.41(s,3H) 4.35(s,1H) 7.28〜7.52(m,4H) 硫酸塩同様、プロトネーションによる低磁場シフトが観
測される。
測される。
【0024】シュウ酸塩 (I)−11 HPLC純度 98.7% 融点:159〜161℃1 H−NMR(300MHz:DMSO−d6 ) δppm 3.96(s,1H) 6.55〜6.60(m,3H) 6.95〜7.08(m,1H) フリー体とほとんど同じケミカルシフトであり、アミノ
基へのプロトネーションの効果が弱いことがわかる。
基へのプロトネーションの効果が弱いことがわかる。
【0025】以上のようにいずれの酸付加塩も純度の向
上が観測され、形成した酸付加塩の濾過、単離によって
精製でき、高純度品の3−エチニルアニリンが得られる
ことがわかる。これらの酸付加塩は、非常に安定であ
り、空気中での保存(25℃、30日間)によっても変
色せず、品質の劣化が見られなかった。したがって精製
とともに安定化も達成できていることがわかる。
上が観測され、形成した酸付加塩の濾過、単離によって
精製でき、高純度品の3−エチニルアニリンが得られる
ことがわかる。これらの酸付加塩は、非常に安定であ
り、空気中での保存(25℃、30日間)によっても変
色せず、品質の劣化が見られなかった。したがって精製
とともに安定化も達成できていることがわかる。
【0026】実施例3. 酸付加塩の熱安定性評価 3−エチニルアニリンと、本発明の酸付加塩の安定性を
評価する目的で、以下のような強制条件での熱安定性評
価を行った。すなわち、サンプル1.0gを試験管にと
り、開放系にて油浴温度60℃でのサンプルの残存量を
液体クロマトグラフィーにて定量した。その結果を表3
に示した。
評価する目的で、以下のような強制条件での熱安定性評
価を行った。すなわち、サンプル1.0gを試験管にと
り、開放系にて油浴温度60℃でのサンプルの残存量を
液体クロマトグラフィーにて定量した。その結果を表3
に示した。
【0027】
【表3】
【0028】液体クロマトグラフィー測定条件 本体:島津LC−6A カラム:TSK gel ODS−80TM 溶離液:メタノール/水=50/50、酢酸0.2%、
トリエチルアミン0.2% 検出波長:254nm 比較例である3−エチニルアニリンが比較的容易に分解
するのに対して、本発明の酸付加体は安定性が優れるこ
とがわかる。
トリエチルアミン0.2% 検出波長:254nm 比較例である3−エチニルアニリンが比較的容易に分解
するのに対して、本発明の酸付加体は安定性が優れるこ
とがわかる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、空気によって酸化され
やすく、精製の困難な3−エチニルアニリン化合物(油
状物)を特定の酸付加塩(結晶)とし、精製することが
できる。また本発明の酸付加塩によれば、3−エチニル
アニリン化合物の、大幅な安定化がはかられ、保存が容
易になった。
やすく、精製の困難な3−エチニルアニリン化合物(油
状物)を特定の酸付加塩(結晶)とし、精製することが
できる。また本発明の酸付加塩によれば、3−エチニル
アニリン化合物の、大幅な安定化がはかられ、保存が容
易になった。
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式(I)で表わされる3−エチニル
アニリン化合物の酸付加塩。 【化1】 (式中、X- はBF4 -、PF6 -、ClO4 -、ハロゲンイ
オン又は一般式(II)もしくは(III) で表わされる基を
示す。) 【化2】 (式中、R1 はヒドロキシ基、アルキル基又はアリール
基を、Zは単結合、メチレン基、エチレン基又はフェニ
レン基を示す。) - 【請求項2】 3−エチニルアニリン化合物を一般式
(I)で表わされる酸付加塩とし、精製することを特徴
とする3−エチニルアニリン化合物の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20778796A JPH1036326A (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | 3−エチニルアニリン化合物の酸付加塩及び3−エチニルアニリン化合物の精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20778796A JPH1036326A (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | 3−エチニルアニリン化合物の酸付加塩及び3−エチニルアニリン化合物の精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1036326A true JPH1036326A (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=16545504
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20778796A Pending JPH1036326A (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | 3−エチニルアニリン化合物の酸付加塩及び3−エチニルアニリン化合物の精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1036326A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6900221B1 (en) | 1999-11-11 | 2005-05-31 | Osi Pharmaceuticals, Inc. | Stable polymorph on N-(3-ethynylphenyl)-6, 7-bis (2methoxyethoxy)-4-quinazolinamine hydrochloride, methods of production, and pharmaceutical uses thereof |
US7087613B2 (en) | 1999-11-11 | 2006-08-08 | Osi Pharmaceuticals, Inc. | Treating abnormal cell growth with a stable polymorph of N-(3-ethynylphenyl)-6,7-bis(2-methoxyethoxy)-4-quinazolinamine hydrochloride |
US7521456B2 (en) | 1998-04-29 | 2009-04-21 | Osi Pharmaceuticals, Inc. | N-(3-ethynylphenyl)-6,7-bis(2-methoxyethoxy)-4-quinazolinamine mesylate anhydrate and monohydrate |
WO2020129877A1 (ja) * | 2018-12-18 | 2020-06-25 | 株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | イソキノリンスルホニルクロリド酸付加塩及びその製造方法 |
-
1996
- 1996-07-18 JP JP20778796A patent/JPH1036326A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7521456B2 (en) | 1998-04-29 | 2009-04-21 | Osi Pharmaceuticals, Inc. | N-(3-ethynylphenyl)-6,7-bis(2-methoxyethoxy)-4-quinazolinamine mesylate anhydrate and monohydrate |
US6900221B1 (en) | 1999-11-11 | 2005-05-31 | Osi Pharmaceuticals, Inc. | Stable polymorph on N-(3-ethynylphenyl)-6, 7-bis (2methoxyethoxy)-4-quinazolinamine hydrochloride, methods of production, and pharmaceutical uses thereof |
US7087613B2 (en) | 1999-11-11 | 2006-08-08 | Osi Pharmaceuticals, Inc. | Treating abnormal cell growth with a stable polymorph of N-(3-ethynylphenyl)-6,7-bis(2-methoxyethoxy)-4-quinazolinamine hydrochloride |
WO2020129877A1 (ja) * | 2018-12-18 | 2020-06-25 | 株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 | イソキノリンスルホニルクロリド酸付加塩及びその製造方法 |
US11535595B2 (en) | 2018-12-18 | 2022-12-27 | D. Western Therapeutics Institute, Inc. | Isoquinoline sulfonyl chloride acid addition salts and method of manufacture thereof |
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