JP3114244B2 - ソルビトール誘導体 - Google Patents

ソルビトール誘導体

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JP3114244B2 JP15582491A JP15582491A JP3114244B2 JP 3114244 B2 JP3114244 B2 JP 3114244B2 JP 15582491 A JP15582491 A JP 15582491A JP 15582491 A JP15582491 A JP 15582491A JP 3114244 B2 JP3114244 B2 JP 3114244B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なソルビトール誘
導体に関する。かかる化合物は、新しい有機性ゲル化剤
として有用である他、塗料、インキ、接着剤等の流動調
節剤、ポリオレフィン、ポリエステル等の結晶性樹脂の
核剤としても役立つものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ソルビトール系有機性ゲル化剤と
しては、1,3:2,4−ジベンジリデンソルビトール(以下
「DBS」と略記する。)及びその芳香環がアルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン等で置換された置換型ベン
ジリデンソルビトール等が知られている。とりわけ、D
BSやその芳香環がメチル基、ジメチル基、エチル基等
のアルキル基で置換されたベンジリデンソルビトール
は、結晶性樹脂の核剤としても賞用されている代表的な
化合物である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機性
ゲル化剤でかつ、結晶性樹脂の核剤として知られている
化合物は極めて少ない。従って、新規な構造を有するソ
ルビトール化合物を創出することは、新しい用途に対応
した化合物の選択の幅を拡大することにつながり、その
産業上の利点は大きい。
【0004】本発明者らは、これまでに知られている用
途に加えて、新しい用途に対応し得る特性を有する新規
なソルビトール系化合物を開発すべく鋭意検討の結果、
それぞれの芳香環が特定の構造を有するエステル基で置
換されてなる化合物が、所期の効果を有する誘導体であ
り(特願平2−5746号)、かつ文献未載の化合物で
あることを見い出し、かかる知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、新規有用なソルビトール
誘導体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るソルビトー
ル誘導体は、一般式(1)で表されることを特徴とす
る。
【化1】[式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表
す。]
【0007】一般式(1)において、エステル置換基の
ベンゼン核での置換位置はオルト位、メタ位、パラ位の
いずれでも良い。
【0008】本発明のソルビトール化合物は、ソルビト
ール(一般式2)と、特定の構造のエステル置換基を有
するベンズアルデヒド類(一般式3)又はそのジアルキ
ルアセタール類(一般式4)とを酸触媒、疎水性有機溶
媒、あるいはこれらの溶媒と水溶性有機溶媒の混合溶媒
の存在下に反応させることにより調製される。なかでも
ジアルキルアセタール類を原料とすることにより高い収
率で目的物を得ることができる。
【化2】
【化3】 [式中、Rは一般式1と同義である。]
【化4】 [式中、Rは一般式1と同義であり、R’は炭素数1〜
6のアルキル基を表す。]
【0009】以下、その製造方法の具体例を説明する。
ベンズアルデヒド類又はジアルキルアセタール類の量
は、いずれもソルビトール1モル当り、2〜10モル当
量程度、好ましくは2〜5当量である。
【0010】酸触媒の例としては、塩酸、硫酸、リン
酸、塩化亜鉛、炭素数2〜12のアルキルベンゼンスル
ホン酸、G酸、L酸等が挙げられる。
【0011】上記の酸触媒量は、ソルビトールに対して
0.01〜30モル%程度、好ましくは0.1〜15モル
%程度である。
【0012】本発明に用いられる疎水性有機溶媒の例と
しては、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチ
ルシクロヘキサン等の低級アルキル基で置換されたシク
ロヘキサン類、n−ヘキサン、ケロシン、ヘプタン、オ
クタン、デカン等の炭素数6〜16の鎖式炭化水素、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、クロ
ロホルム、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素、イ
ソプロピルエーテル、イソアミルエーテル、メチルブチ
ルエーテル等のジアルキルエーテル、ニトロメタン、ニ
トロベンゼン等のニトロ化合物、安息香酸メチル、安息
香酸ブチル等のエステル等が挙げられ、単独で又は2種
以上の組み合わせ、更にはこれらと水との混合溶媒でも
よい。
【0013】疎水性有機溶媒の量は、ベンズアルデヒド
類もしくはジアルキルアセタール類に対して3〜20倍
量程度、好ましくは5〜15倍量程度である。
【0014】水溶性有機溶媒としては、例えばN,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキ
サン、スルホラン、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール等が使用される。
【0015】水溶性有機溶媒の量は、上記疎水性有機溶
媒に対して0.5〜50重量%程度、好ましくは1〜3
0重量%程度の範囲内で用いられる。
【0016】反応温度は、20〜200℃程度、好まし
くは40〜130℃程度である。反応時間は1〜20時
間程度である。
【0017】ジアルキルアセタール類(一般式4)は、
ベンズアルデヒド類(一般式3)とメタノール、エタノ
ール、エチレングリコール等の炭素数1〜6の脂肪族ア
ルコールとを酸触媒の存在下に縮合させることにより製
造することができる。
【0018】かかる酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン
酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、
シュウ酸、酸性イオン交換樹脂等が例示される。
【0019】酸触媒量は、ベンズアルデヒド類に対し
て、0.1〜20モル%程度である。
【0020】過剰量の低級アルコールを用いることによ
り、別途溶媒は用いても用いなくともよく、用いるとす
ればホルミル基もしくはエステル基と反応しない不活性
な溶媒が好ましい。かかる溶媒としては、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル系、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等のベンゼン系炭化水素、クロロホルム、
クロルベンゼン等のハロゲン系炭化水素、シクロヘキサ
ン、シクロヘプタン等の脂環式炭化水素溶媒が例示され
る。
【0021】反応温度は、20〜100℃程度である。
反応時間は1〜12時間程度である。この結果、ほぼ定
量的に目的とするジアルキルアセタール類が得られる。
【0022】又、オルトギ酸低級アルコールエステルを
用いても上記と同様にジアルキルアセタール類は製造で
きる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0024】実施例1 1,3:2,4−ビス[p−(2−メトキシ)エトキシカルボニ
ルベンジリデン]ソルビトール(本化合物1) デカンタ付き冷却器、温度計、ガス導入口及び攪拌器を
備えた四つ口フラスコにp−ホルミル安息香酸2−メト
キシエチルのジメチルアセタール50.8g(0.2モ
ル)、ソルビトール18.2g(0.1モル)、シクロヘ
キサン200ml、メタノール80ml及びp−トルエ
ンスルホン酸1.2gを入れ、窒素雰囲気下、還流温度
にて、4.5時間攪拌した。メタノール及び生成水は必
要に応じて抜き出した。室温まで冷却後、水酸化ナトリ
ウム水溶液で中和、濾過して得られた白色固体を温水、
メタノール洗浄、乾燥して目的物49.0g(収率87.
2%)を得た。このものの物性値は次のとおりであり、
本化合物1の構造が支持されている。
【0025】融点: 195〜198℃
【0026】IR(KBr,cm-1):3258(OH),2856,1725(CO2R),
1615,1579,1279,1219,1171,1093,1023,856
【0027】1HNMR(DMSO-d6,δppm):8.04(4H,d,J=14Hz,
Aryl-H),7.65(4H,d,J=14Hz,Aryl-H),5.77(2H,s),4.85(1
H,brs),4.03〜4.53(7H,m),3.87(4H,brs),3.61〜3.71(4
H,m),3.32(8H,brs)
【0028】MS:562(M+)
【0029】実施例2 1,3:2,4−ビス[p−(2−エトキシ)エトキシカルボニ
ルベンジリデン]ソルビトール(本化合物2) p−ホルミル安息香酸2−メトキシエチルのジメチルア
セタールに替えてp−ホルミル安息香酸2-エトキシエチ
ルのジメチルアセタール53.6g(0.2モル)を用い
た他は実施例1と同様に操作して目的物49.0g(収
率83.1%)を得た。このものの物性値は次のとおり
であり、本化合物2の構造が支持されている。
【0030】融点:193〜196℃
【0031】IR(KBr,cm-1):3267(OH),2867,1729(CO2R),
1615,1579,1278,1218,1097,907,883,856
【0032】1HNMR(DMSO-d6,δppm):8.06(4H,d,J=14Hz,
Aryl-H),7.67(4H,d,J=14Hz,Aryl-H),5.79(2H,s),4.89(1
H,brs),4.26〜4.50(6H,m),3.46〜4.04(9H,m),3.32(6H,b
rs),1.12(6H,brt)
【0033】MS:590(M+)
【0034】実施例3 1,3:2,4−ビス[p−(2−プロポキシ)エトキシカルボ
ニルベンジリデン]ソルビトール(本化合物3) p−ホルミル安息香酸2−メトキシエチルのジメチルア
セタールに替えてp−ホルミル安息香酸2-プロポキシエ
チルのジメチルアセタール53.6g(0.2モル)を用
いた他は実施例1と同様に操作して目的物49.4g
(収率80.0%)を得た。このものの物性値は次のと
おりであり、本化合物3の構造が支持されている。
【0035】融点:192〜195℃
【0036】IR(KBr,cm-1):3275(OH),2956,1724(CO2R),
1612,1576,1281,1166,1094,905,886,818,751
【0037】1HNMR(DMSO-d6,δppm):8.04(4H,d,J=14Hz,
Aryl-H),7.65(4H,d,J=14Hz,Aryl-H),5.78(2H,s),4.86(1
H,brs),4.25〜4.49(6H,m),3.44〜4.05(9H,m),3.33(6H,b
rs),1.20〜1.32(4H,m),0.98(6H,brt)
【0038】MS:618(M+)
【0039】実施例4 1,3:2,4−ビス[p−(2−ブトキシ)エトキシカルボニ
ルベンジリデン]ソルビトール(本化合物4) p−ホルミル安息香酸2−メトキシエチルのジメチルア
セタールに替えてp−ホルミル安息香酸2−ブトキシエ
チルのジメチルアセタール53.6g(0.2モル)とし
た他は実施例1と同様に操作し、目的物48.8g(収
率75.6%)を得た。このものの物性値は次のとおり
であり、本化合物4の構造が支持されている。
【0040】融点(℃):187〜192
【0041】IR(KBr,cm-1):3264(OH),2959,1726(CO2R),
1615,1579,1281,1218,1094,1022,982,883,854
【0042】1HNMR(DMSO-d6,δppm):8.05(4H,d,J=14,Ar
yl-H),7.65(4H,d,J=14Hz,Aryl-H),5.78(2H,s),4.87(1H,
brs),4.18〜4.48(6H,m),3.47〜4.03(9H,m),3.31(6H,br
s),1.17〜1.58(8H,m) 0.76〜0.97(6H,m)
【0043】MS:646(M+)
【0044】応用例 ゲル化対象物[酢酸エチル、ブタノール、ジメチルスル
ホキシド(DMSO)]のそれぞれを入れた試験管中に
本発明に係るソルビトール化合物を2重量部添加し、1
5分間、130℃の油浴で加熱後、30分間水で冷却
し、そのときの系の流動性の有無を目視にて判定した。
その結果、本化合物1及び本化合物2のいずれもが酢酸
エチル、ブタノール、DMSOをゲル化したのに対し、
比較として適用したDBSの場合においては、ブタノー
ルはゲル化したものの、酢酸エチル、DMSOに対して
は充分にゲル化することができなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明に係るソルビトール化合物は、新
しい有機性ゲル化剤である。その大きな特徴は、従来の
ソルビトール化合物に比べ、少量の添加量でゲルを形成
することである。更に、ジメチルスルホキド等の極性
有機溶媒もゲル化できることからより広範囲の液体がゲ
ル化できる。又、これらの化合物は、結晶性樹脂の結晶
化度促進や透明性及び強度の向上等にも寄与する特性を
有している。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されることを特徴とす
    るソルビトール誘導体。 【化1】 [式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
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