JP2021088543A - アミドカルボン酸化合物の製造方法、及びアミドアルコール化合物の製造方法、並びにラクトン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ビオチンの合成中間体として有用なアミドカルボン酸化合物を高純度で効率的に得る製造方法の提供。【解決手段】特定のウレイド化合物の無水物と、N−Me−R−α—メチルベンジルアミン等の光学活性アミンとを接触させることにより、アミドカルボン酸化合物を含む混合物を得、次いで、得られた混合物より、アミドカルボン酸化合物を単離することを特徴とする、アミドカルボン酸化合物の製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、ビオチンの合成中間体として有用なアミドカルボン酸化合物、及びアミドアルコール化合物、並びにラクトン化合物の製造方法に関する。
下記式(10)
で示されるビオチンは、糖尿病予防効果等が期待される医薬品、及び飼料添加剤等に使用される水溶性ビタミンである。
該ビオチンは、非常に長い製造工程を有する。そのため、中間体であっても多くの工程を経て製造されている。例えば、ビオチンの代表的な中間体である、
下記式(9)
下記式(9)
(式中R1及びR2は、互いに異なっていて良い、置換又は非置換のベンジル基である。)
で示されるチオラクトン誘導体であっても、以下のような非常に長い工程で製造されている(特許文献1参照)。下記工程においては、R1、およびR2がベンジル基(Bn基)である場合の例(特許文献1の実施例1、3)を示す。上記チオラクトン化合物を製造するにあたり、アミドアルコール化合物は、重要中間体である。
で示されるチオラクトン誘導体であっても、以下のような非常に長い工程で製造されている(特許文献1参照)。下記工程においては、R1、およびR2がベンジル基(Bn基)である場合の例(特許文献1の実施例1、3)を示す。上記チオラクトン化合物を製造するにあたり、アミドアルコール化合物は、重要中間体である。
特許文献1の実施例では、先ず、1,3−ジベンジル−2−イミダゾリドン−シス−4,5−ジカルボン酸(ウレイド化合物)にα−フェネチルアミン((R)−(+)−1−メチルベンジルアミン)のような光学活性アミンを反応させて、1,3−ジベンジル−5−(α−フェネチル)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d]イミダゾール−2,4,6−トリオン(以下、トリオン化合物ともいう。)を製造する(step1)。次いで、1,3−ジベンジル−5−(α−フェネチル)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d]イミダゾール−2,4,6−トリオンの還元(step2)、ラクトン化(step3)、及び硫化反応(step4)を実施し、ベンジル基を有するチオラクトン誘導体を製造する方法が示されている。そして、特許文献1には、該チオラクトン誘導体に、さらに7工程の反応を行い、最終目的物であるビオチンが得られることが示されている。
上記step1の反応では、上記ウレイド化合物及び上記光学活性アミンとを、トルエン中、還流温度で反応させている。次いで、トルエンを留去した無溶媒の状態で220〜240℃以上の高温状態に保持することにより、1,3−ジベンジル−5−(α−フェネチル)−ヘキサヒドロピロロ[3,4−d]イミダゾール−2,4,6−トリオンを製造できることが示されている。そこで、本発明者らは、より温和な条件での上記トリオン化合物の製造方法として、下記式に示すとおり、上記ウレイド化合物を、分子内で脱水縮合させた酸無水物を製造し、これと上記光学活性アミンを反応させることで、アミドカルボン酸化合物の混合物を得、これらの混合物を単離することなく、同時に脱水を行うことで効率良くトリオン化合物を製造する方法を提案している(特許文献2参照)
以上の通り、ビオチンは、非常に多くの工程を経て製造される。そのため、ビオチンの製造コストを低減するためには、各工程における中間体の製造コスト、すなわち各中間体の収率向上も重要になる。しかしながら、上記いずれの方法においても、トリオン化合物の還元(step2)によるアミドアルコール化合物を製造する際に、下記反応式で示されるとおり、2種類のアミドアルコール化合物が生成し、ビオチン製造における目的物であるアミドアルコール化合物(I)の選択率が低いことが課題であった。
従って、本発明の目的は工業的に効率的かつ簡便な方法によりアミドアルコール化合物を製造するための新規な中間体、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。アミドアルコール化合物を合成するための製造フローを検証した結果、前記ウレイド化合物の無水物とN−Me−R−α―メチルベンジルアミン等の光学活性アミンとを反応させた際に2種のアミドカルボン酸化合物が生成するものの、目的物であるアミドカルボン酸化合物(I)の選択性が高いことを見出した。又、2種のアミドカルボン酸化合物は有機溶媒への溶解性に大きな差があるため、上記反応後のアミドカルボン酸化合物の混合物より、目的物であるアミドカルボン酸化合物(I)を効率的に単離できることを見出した。さらに、得られたアミドカルボン酸化合物(I)はエステル化剤等の活性化剤を用いた後、還元剤と反応させることにより、ビオチン製造の中間体となるアミドアルコール化合物(I)を高収率、且つ高純度で得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち第一の本発明は、下記式(1)
(式中R1及びR2は、互いに異なっていて良い、置換又は非置換のベンジル基である。)
で示される酸無水物と、
下記式(2)
で示される酸無水物と、
下記式(2)
(式中、
R3は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基より選ばれるいずれかの原子又は基であり、R4は水素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基である)
で示される光学活性アミン化合物とを、接触させることにより、
下記式(3)
R3は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基より選ばれるいずれかの原子又は基であり、R4は水素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基である)
で示される光学活性アミン化合物とを、接触させることにより、
下記式(3)
(式中、R1、およびR2は、前記式(1)におけるものと同義であり、R3、およびR4は、前記式(2)におけるものと同義である。)
で示されるアミドカルボン酸化合物(I)、および下記式(4)
で示されるアミドカルボン酸化合物(I)、および下記式(4)
(式中、R1、およびR2は、前記式(1)におけるものと同義であり、R3、およびR4は、前記式(2)におけるものと同義である。)
で示されるアミドカルボン酸化合物(II)、を含む混合物を得、
次いで、得られた混合物より、前記式(3)で示されるアミドカルボン酸化合物(I)を単離することを特徴とする、アミドカルボン酸化合物の製造方法である。
で示されるアミドカルボン酸化合物(II)、を含む混合物を得、
次いで、得られた混合物より、前記式(3)で示されるアミドカルボン酸化合物(I)を単離することを特徴とする、アミドカルボン酸化合物の製造方法である。
上記第一の本発明では、以下の態様が好適に取り得る。
(I)前記式(1)で示される酸無水物1.0モルに対し、前記式(2)で示される光学活性アミン化合物を1.0〜2.0モル接触させること。
(II)前記式(3)で示されるアミドカルボン酸化合物(I)及び前記式(4)で示されるアミドカルボン酸化合物(II)からなる混合物と、
トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、n−ブタノール、クロロホルム、クロロベンゼンから選択させる少なくとも一種の溶媒とを接触せしめて、前記式(3)で示されるアミドカルボン酸化合物(I)を単離すること。
(I)前記式(1)で示される酸無水物1.0モルに対し、前記式(2)で示される光学活性アミン化合物を1.0〜2.0モル接触させること。
(II)前記式(3)で示されるアミドカルボン酸化合物(I)及び前記式(4)で示されるアミドカルボン酸化合物(II)からなる混合物と、
トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、n−ブタノール、クロロホルム、クロロベンゼンから選択させる少なくとも一種の溶媒とを接触せしめて、前記式(3)で示されるアミドカルボン酸化合物(I)を単離すること。
また、第二の本発明は、下記式(3)
(式中、R1、およびR2は、前記式(1)におけるものと同義であり、R3、およびR4は、前記式(2)におけるものと同義である。)
で示されるアミドカルボン酸化合物(I)と、アシル化剤、アシロキシカルボニル化剤、ハロゲン化剤、又はエステル化剤のいずれかとを接触させることにより、
下記式(5)
で示されるアミドカルボン酸化合物(I)と、アシル化剤、アシロキシカルボニル化剤、ハロゲン化剤、又はエステル化剤のいずれかとを接触させることにより、
下記式(5)
(式中、R1、およびR2は、前記式(1)におけるものと同義であり、R3、およびR4は、前記式(2)におけるものと同義であり、Xは、炭素数1〜4のアシロキシ基、炭素数1〜4のアシロキシカルボニルオキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基、及びハロゲン原子のいずれかより選択される基又は原子である。)
で示される、アミドカルボン酸化合物の活性体を得、次いで得られた活性体と還元剤とを接触せしめて、
下記式(6)
で示される、アミドカルボン酸化合物の活性体を得、次いで得られた活性体と還元剤とを接触せしめて、
下記式(6)
(式中、R1、およびR2は、前記式(1)におけるものと同義であり、R3、およびR4は、前記式(2)におけるものと同義である。)
で示されるアミドアルコール化合物を得るアミドアルコール化合物の製造方法である。
で示されるアミドアルコール化合物を得るアミドアルコール化合物の製造方法である。
上記第二の本発明において、前記式(5)におけるXが、炭素数1〜4のアルコキシ基から選択される基であることが好ましい。また、前記還元剤が水素化ホウ素アルカリ金属塩であることが好ましい。
さらに第三の本発明は、
上記第二の本発明の製造方法により、前記式(6)記載のアミドアルコール化合物を得、次いで得られた前記アミドアルコール化合物と酸とを接触させることにより、下記式(7)
前記式(6)記載のアミドアルコール化合物と酸とを接触させることにより、下記式(7)
上記第二の本発明の製造方法により、前記式(6)記載のアミドアルコール化合物を得、次いで得られた前記アミドアルコール化合物と酸とを接触させることにより、下記式(7)
前記式(6)記載のアミドアルコール化合物と酸とを接触させることにより、下記式(7)
(式中、R1、およびR2は、前記式(1)におけるものと同義である)
で示されるラクトン化合物を得るラクトン化合物の製造方法である。
で示されるラクトン化合物を得るラクトン化合物の製造方法である。
上記本発明によれば、高選択率、且つ高収率で前記アミドカルボン酸化合物(I)を得ることができる。得られた前記アミドカルボン酸化合物(I)は、特定の活性化剤を用いて活性体とし、次いで還元剤と反応させることにより、ビオチン製造における有用な中間体である前記アミドアルコール化合物(I)を工業的に効率よく得ることができる。従来の方法では、前記ウレイド化合物よりトリオン化合物を経て前記アミドアルコール化合物(I)を製造しているが、本発明の方法によれば、トリオン化合物を経ることなく、目的物を得ることが可能であり、ビオチンを製造する際の製造工程の短縮化を図ることも可能である。
本発明の製造方法は、前記式(1)で示される酸無水物と、前記式(2)で示される光学活性アミン化合物とを、接触させることにより、前記式(3)で示されるアミドカルボン酸化合物(I)、および前記式(4)で示されるアミドカルボン酸化合物(II)、を含む混合物を得、
次いで、得られた混合物より、前記式(3)で示されるアミドカルボン酸化合物(I)を単離することを特徴とする、アミドカルボン酸化合物を製造する方法である。本明細書においては特に断らない限り、数値A及びBについて「A〜B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。以下、本発明について詳細に説明する。
次いで、得られた混合物より、前記式(3)で示されるアミドカルボン酸化合物(I)を単離することを特徴とする、アミドカルボン酸化合物を製造する方法である。本明細書においては特に断らない限り、数値A及びBについて「A〜B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。以下、本発明について詳細に説明する。
(酸無水物)
本発明においては、下記式(1)
本発明においては、下記式(1)
で示される酸無水物(以下、単に「酸無水物」とする場合もある。)を原料とする。
上記式(1)中、R1及びR2は、ベンジル基である。ベンジル基は置換基を有していても良く、ベンジル基のベンゼン環の水素原子の少なくとも1つが置換されているもの、或いは、ベンジル基のメチレン基の水素原子の少なくとも1つが置換されていても良く、或いは、ベンジル基のベンゼン環、及びメチレン基のいずれもが置換されていても良い。ベンジル基の置換基としては、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン基等が挙げられる。中でも、メチル基、メトキシ基、クロル基、ニトリ基であることが好ましい。また、R1及びR2は互いに異なっていても良い。
(酸無水物の製造方法)
この酸無水物は、特に制限されるものではないが、以下の方法により製造することが好ましい。つまり、下記式(8)
この酸無水物は、特に制限されるものではないが、以下の方法により製造することが好ましい。つまり、下記式(8)
(式中、
R1、およびR2は、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるウレイド化合物(以下、単に「ウレイド化合物」とする場合もある。)を脱水して製造することが好ましい。このウレイド化合物は、公知の化合物であり、特許文献1に例示されている化合物である。
R1、およびR2は、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるウレイド化合物(以下、単に「ウレイド化合物」とする場合もある。)を脱水して製造することが好ましい。このウレイド化合物は、公知の化合物であり、特許文献1に例示されている化合物である。
前記酸無水物は、前記ウレイド化合物を脱水して環化することにより製造できる。前記ウレイド化合物を脱水するには、沸点が140℃以上の芳香族炭化水素系溶媒中で実施することが好ましい。該芳香族炭化水素系溶媒を使用することにより、前記ウレイド化合物を容易に脱水できる。
前記芳香族炭化水素系溶媒は、沸点が140℃以上であれば、特に制限されるものではない。該芳香族炭化水素系溶媒の沸点は、該溶媒自体の工業的生産、除去のし易さ、有用性等を考慮すると、140〜210℃であることが好ましく、160〜190℃であることがさらに好ましい。
(酸無水物の製造方法;芳香族炭化水素系溶媒)
前記芳香族炭化水素系溶媒は、市販のものが何ら制限なく使用できる。具体的な溶媒を例示すると、メシチレン、プソイドクメン、ヘミメリデン、クメン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン等が挙げられる。これら溶媒は、単独で使用することもできるし、複数種類の混合溶媒を使用することもできる。
前記芳香族炭化水素系溶媒は、市販のものが何ら制限なく使用できる。具体的な溶媒を例示すると、メシチレン、プソイドクメン、ヘミメリデン、クメン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン等が挙げられる。これら溶媒は、単独で使用することもできるし、複数種類の混合溶媒を使用することもできる。
前記芳香族炭化水素系溶媒中で前記ウレイド化合物を脱水するためには、以下の方法を採用することが好ましい。すなわち、前記ウレイド化合物が前記芳香族炭化水素系溶媒に溶解した溶液を準備する。そして、この溶液を還流温度に維持しながら、反応系内に生じる水を該系外に取り出せばよい。
前記ウレイド化合物を脱水する場合の条件は、特に制限されるものではないが、以下の条件を採用することが好ましい。
具体的には、後工程、および脱水のし易さ等を考慮すると、前記ウレイド化合物1gに対して、前記芳香族炭化水素系溶媒を1〜20mL使用することが好ましく、さらには、2〜6mL使用することが好ましい。
また、脱水反応を行う際には、反応系内が十分に混合されるような状態とすることが好ましく、撹拌混合することが好ましい。脱水する際の温度(反応温度)は、反応液の還流温度とすることが好ましく、具体的には、140℃以上210℃の範囲で行うことが好ましく、さらには160〜190℃の範囲で行うことが好ましい。この脱水反応は、減圧、常圧、加圧下の何れの条件で実施してもよい。ただし、脱水を十分に行うためには、減圧から常圧下の範囲で実施することが好ましい。中でも、前記芳香族炭化水素溶媒を使用した場合には、水と共沸し易く、容易に脱水反応が進むため、常圧での反応であってもよい。
反応時間も特に制限されるものではなく、前記酸無水物の生成状態を確認して適宜決定すればよい。つまり、共沸する水の量を確認して反応の進行を確認することができ、共沸する水が出なくなるまで実施すればよい。通常、0.5〜20時間で十分である。また、反応雰囲気も、特に制限されるものではなく、空気雰囲気下、または窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で実施することができる。
以上のような脱水反応は、公知の設備で実施することができる。例えば、冷却機を備えた装置(例えば、Dean−Stark脱水装置)を使用して実施できる。
(光学活性アミン化合物)
本発明においては、前記酸無水物と
下記式(2)
本発明においては、前記酸無水物と
下記式(2)
で示される光学活性アミン化合物(以下、単に「光学活性アミン化合物」とする場合もある)とを反応させる。
上記式(2)におけるR3は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基より選ばれるいずれかの原子又は基である。中でも、水素原子、メチル基、メトキシ基、クロル基より選ばれるいずれかの原子又は基であることが好ましい。
また、R3はベンゼン環に結合する基又は原子であり、全てが水素原子であってもよく、一部が上記基または原子で置換されていても良い。
上記式(2)におけるR4は、水素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基である。該アルキル基としては、直鎖状であっても、或いは側鎖を有するものであっても良い。かかるアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基等が挙げられる。これらのアルキル基の中でも前記酸無水物との反応性等の観点から、メチル基であることが好ましい。R4が、水素原子である場合、生成するアミドカルボン酸化合物(I)からアミドアルコールを生成する反応条件によっては、トリオン化合物が副生し、目的物であるアミドアルコールの収率が低下する場合がある。このため、上記R4は、炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましい。
(光学活性アミン化合物と酸無水物との反応条件)
本発明の特徴は、前記酸無水物と前記光学活性アミン化合物とを接触させる点にある。前記酸無水物に対する前記光学活性アミン化合物の使用量は、酸無水物が反応するに十分な量を用いれば良く、酸無水物1モルに対して、1.0〜5.0モル、好ましくは1.0〜2.0モルの範囲で用いれば良い。
本発明の特徴は、前記酸無水物と前記光学活性アミン化合物とを接触させる点にある。前記酸無水物に対する前記光学活性アミン化合物の使用量は、酸無水物が反応するに十分な量を用いれば良く、酸無水物1モルに対して、1.0〜5.0モル、好ましくは1.0〜2.0モルの範囲で用いれば良い。
当該反応に用いる溶媒として具体的には、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、n−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は単独で使用しても或いは上記溶媒の混合溶媒としても良い。かかる溶媒の中でも反応性の観点から、THF,トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、n−ブタノール、クロロホルム、クロロベンゼンが良い。溶媒の使用量は、反応容器の容量等を勘案して適宜決定すれば良いが、通常酸無水物1質量部に対して、1〜100容量部、好ましくは2〜50容量部、特に好ましくは3〜30容量部の範囲で用いれば良い。
酸無水物と光学活性アミン化合物との接触方法については特に制限されず製造装置の構成等を勘案して適宜決定すればよい。具体的には、酸無水物を溶媒に添加し、次いで、光学活性アミン化合物を添加することにより行っても良いし、光学活性アミン化合物を溶媒に溶解させた後、酸無水物を添加しても良い。
上記反応における反応温度、及び反応時間については、通常−100〜200℃、好ましくは−50〜100℃の温度範囲で、0.5〜48時間の範囲で適宜設定すれば良い。
上記反応条件により、前記式(3)で示されるアミドカルボン酸化合物(I)(以下、単に「アミドカルボン酸化合物(I)」とも言う)、および前記式(4)で示されるアミドカルボン酸化合物(II)(以下、単に「アミドカルボン酸化合物(II)」とも言う)、からなる混合物を得ることができる。特許文献1記載の方法では、上記アミドカルボン酸化合物(I)とアミドカルボン酸化合物(II)が50:50で得られているが、後述する実施例で記載されているとおり、本発明の製造方法により、アミドカルボン酸化合物(I)が60%の収率で得られており、本発明の製造方法によって、アミドカルボン酸化合物(I)が高い選択率で得られていることが分かる。
(アミドカルボン酸化合物(I)の単離)
本発明の製造方法は、上記反応により得られたアミドカルボン酸化合物(I)とアミドカルボン酸化合物(II)を含む混合物より、目的物であるアミドカルボン酸化合物(I)を単離することが特徴である。
本発明の製造方法は、上記反応により得られたアミドカルボン酸化合物(I)とアミドカルボン酸化合物(II)を含む混合物より、目的物であるアミドカルボン酸化合物(I)を単離することが特徴である。
前記特許文献2記載の製造方法では、前記ウレイド化合物の酸無水物と前記光学活性アミン化合物との反応により、2種のアミドカルボン酸化合物が生成することから、これらを単離することなく脱水反応を行うことで、いずれのアミドカルボン酸化合物もトリオン化合物へと誘導している。本発明者らは、特定の有機溶媒に対するアミドカルボン酸化合物(I)とアミドカルボン酸化合物(II)の溶解度が異なる点に着目しこれらのアミドカルボン酸化合物の混合物より、目的物であるアミドカルボン酸化合物(I)を単離し、得られたアミドカルボン酸化合物(I)より前記アミドアルコール化合物(I)を得ることで、ビオチン製造における有用な中間体である前記アミドアルコール化合物(I)を工業的に効率よく得ることができる。
上記反応により得られたアミドカルボン酸化合物(I)とアミドカルボン酸化合物(II)との混合物より、目的物であるアミドカルボン酸化合物(I)を単離する際に用いる有機溶媒として具体的には、アセトニトリル、プロピオニトリル、THF、2−メチルTHF、1,4−ジオキサン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、n−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は単独で使用しても或いは上記溶媒の混合溶媒としても良い。かかる溶媒の中でも反応性の観点から、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、n−ブタノール、クロロホルム、クロロベンゼンが良い。溶媒の使用量は、反応容器の容量等を勘案して適宜決定すれば良いが、通常アミドカルボン酸化合物(I)1質量部に対して、1〜100容量部、好ましくは2〜50容量部、特に好ましくは3〜30容量部の範囲で用いれば良い。
前記ウレイド化合物の酸無水物と前記光学活性アミン化合物との反応溶媒が、上記溶媒と同じである場合、反応終了後アミドカルボン酸化合物(I)は析出していれば、反応液より公知の固液分離手段によりアミドカルボン酸化合物(I)を単離することができる。或いは、反応終了後、反応液を冷却し、析出したアミドカルボン酸化合物(I)を公知の固液分離手段により単離することでアミドカルボン酸化合物(I)を得ることもできる。また、反応液を濃縮した後、残渣を有機溶媒に溶解させて、有機層を水洗、濃縮後、上記溶媒と接触させて、アミドカルボン酸化合物(I)を析出させて単離しても良い。
上記アミドカルボン酸化合物(I)を析出させる温度、時間としては、−10〜120℃、好ましくは、0〜100℃の温度範囲で、0.5〜12時間の範囲で適宜設定すれば良い。
上記方法により、得られるアミドカルボン酸化合物(I)は高純度であり、そのまま次の反応に供することが可能であるが、さらに精製する方法としては、カラムクロマトグラフィー等の方法が挙げられる。
さらにアミドカルボン酸化合物(I)を単離した後の溶媒中には、とアミドカルボン酸化合物(II)と、アミドカルボン酸化合物(I)が含まれるが、該混合物は、公知の方法によりトリオン化合物を製造することが可能であり、トリオン化合物からビオチン製造における有用な中間体である前記アミドアルコール化合物(I)を得ることも可能である。
(アミドアルコール化合物を製造する方法)
本発明の製造方法で得られたアミドカルボン酸化合物(I)は、アシル化剤、アシロキシカルボニル化剤、ハロゲン化剤、又はエステル化剤のいずれかと接触させることにより、前記式(5)で示される、アミドカルボン酸化合物の活性体を得、次いで得られた活性体と還元剤とを接触せしめて、前記式(6)で示されるアミドアルコール化合物を製造することができる。以下、本発明のアミドカルボン酸化合物を製造する方法について詳述する。
本発明の製造方法で得られたアミドカルボン酸化合物(I)は、アシル化剤、アシロキシカルボニル化剤、ハロゲン化剤、又はエステル化剤のいずれかと接触させることにより、前記式(5)で示される、アミドカルボン酸化合物の活性体を得、次いで得られた活性体と還元剤とを接触せしめて、前記式(6)で示されるアミドアルコール化合物を製造することができる。以下、本発明のアミドカルボン酸化合物を製造する方法について詳述する。
(アミドカルボン酸化合物(I)の活性化;アシル化、アシロキシカルボニル化、ハロゲン化)
本発明においてアミドカルボン酸化合物(I)と接触させるアシル化剤、アシロキシカルボニル化剤、ハロゲン化剤として具体的には、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソブチル、クロロ炭酸フェニル、クロロ炭酸イソブチル等のアシル化剤;アセチルクロリド、ピバロイルクロリド、ベンゾイルクロリド、メシチレンカルボン酸クロリド等のアシロキシカルボニル化剤;塩化チオニル、臭化チオニル、三臭化リン、三塩化リン、シアヌル酸クロリド等のハロゲン化剤等が挙げられる。
本発明においてアミドカルボン酸化合物(I)と接触させるアシル化剤、アシロキシカルボニル化剤、ハロゲン化剤として具体的には、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソブチル、クロロ炭酸フェニル、クロロ炭酸イソブチル等のアシル化剤;アセチルクロリド、ピバロイルクロリド、ベンゾイルクロリド、メシチレンカルボン酸クロリド等のアシロキシカルボニル化剤;塩化チオニル、臭化チオニル、三臭化リン、三塩化リン、シアヌル酸クロリド等のハロゲン化剤等が挙げられる。
上記活性化剤の使用量は、反応するに十分な量を用いれば良く、アミドカルボン酸化合物(I)1モルに対して、アシル化剤、アシロキシカルボニル化剤、ハロゲン化剤を、1.0〜3.0モル、好ましくは1.0〜1.5モルの範囲で用いれば良い。
上記、アミドカルボン酸化合物(I)と上記活性化剤との反応では、反応速度を向上させる観点から塩基を存在させることが好ましい。かかる塩基として具体的には、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、ルチジン等が挙げられる。塩基の使用量は、アミドカルボン酸化合物(I)1モルに対して、1.0〜3.0モル、好ましくは1.0〜1.5モルの範囲で用いれば良い。
当該反応に用いる溶媒として具体的には、アセトニトリル、プロピオニトリル、THF、2−メチルTHF、1,4−ジオキサン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は単独で使用しても或いは上記溶媒の混合溶媒としても良い。かかる溶媒の中でも反応性の観点から、塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、メチルエチルケトン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びこれらの混合溶媒が良い。溶媒の使用量は、反応容器の容量等を勘案して適宜決定すれば良いが、通常アミドカルボン酸化合物(I)1質量部に対して、1〜100容量部、好ましくは2〜50容量部、特に好ましくは3〜30容量部の範囲で用いれば良い。
上記反応における反応温度、及び反応時間については、通常−10〜50℃、好ましくは0〜40℃の温度範囲で、0.5〜17時間の範囲で適宜設定すれば良い。
(アミドカルボン酸化合物(I)の活性化;エステル化)
本発明においてアミドカルボン酸化合物(I)と接触させるエステル化剤として具体的には、塩化チオニル、塩化水素、硫酸等の反応剤及び、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、シクロヘキサノール等のアルカノールを用いる方法、塩基の存在下、ジメチル硫酸等のエステル化剤用いる方法等が挙げられる。中でもエステル化の反応性、及び後処理の容易さの観点から、塩基の存在下、ジメチル硫酸を用いることが好ましい。
本発明においてアミドカルボン酸化合物(I)と接触させるエステル化剤として具体的には、塩化チオニル、塩化水素、硫酸等の反応剤及び、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、シクロヘキサノール等のアルカノールを用いる方法、塩基の存在下、ジメチル硫酸等のエステル化剤用いる方法等が挙げられる。中でもエステル化の反応性、及び後処理の容易さの観点から、塩基の存在下、ジメチル硫酸を用いることが好ましい。
上記活性化剤の内、反応剤の使用量は、反応するに十分な量を用いれば良く、アミドカルボン酸化合物(I)1モルに対して、0.01〜10モル、好ましくは、0.1〜5モルの範囲で用いれば良い。
当該反応に用いる溶媒として具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、シクロヘキサノール等の上記アルカノールを溶媒として用いれば良く、或いはこれらの溶媒と、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエン、1,4−ジオキサン等の溶媒の混合溶媒としても良い。かかる溶媒の中でも反応性の観点から、メタノール、エタノール、2−ブタノール、及びこれらの混合溶媒が良い。溶媒の使用量は、反応容器の容量等を勘案して適宜決定すれば良いが、通常アミドカルボン酸化合物(I)1質量部に対して、1〜100容量部、好ましくは2〜50容量部、特に好ましくは3〜30容量部の範囲で用いれば良い。
上記反応における反応温度、及び反応時間については、通常−10〜120℃、好ましくは0〜90℃の温度範囲で、0.5〜17時間の範囲で適宜設定すれば良い。
塩基の存在下、ジメチル硫酸等のエステル化剤用いてエステル化を行う場合、エステル化剤の使用量は、反応するに十分な量を用いれば良く、アミドカルボン酸化合物(I)1モルに対して、1〜5モル、好ましくは、1〜3モルの範囲で用いれば良い。用いる塩基として具体的には、トリエチルアミン、N、N−ジイソプロピルエチルアミン、N、N−ジエチルアニリン、ピリジン、ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。これらの塩基の中でもトリエチルアミンを用いることが好ましい。塩基の使用量は、アミドカルボン酸化合物(I)1モルに対して、1〜10モル、好ましくは、1〜5モルの範囲で用いれば良い。
当該反応に用いる溶媒として具体的には、アセトニトリル、プロピオニトリル、THF、2−メチルTHF、1,4−ジオキサン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は単独で使用しても或いは上記溶媒の混合溶媒としても良い。かかる溶媒の中でも反応性の観点から、塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、メチルエチルケトン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びこれらの混合溶媒が良い。溶媒の使用量は、反応容器の容量等を勘案して適宜決定すれば良いが、通常アミドカルボン酸化合物(I)1質量部に対して、1〜100容量部、好ましくは2〜50容量部、特に好ましくは3〜30容量部の範囲で用いれば良い。
上記反応における反応温度、及び反応時間については、通常−10〜50℃、好ましくは0〜40℃の温度範囲で、0.5〜17時間の範囲で適宜設定すれば良い。
(アミドカルボン酸化合物(I)の活性化体の還元反応)
本発明の製造方法では、上記アミドカルボン酸化合物の活性体を得た後、次いで得られた活性体と還元剤とを接触せしめて、前記式(6)で示されるアミドアルコール化合物を製造する。
本発明の製造方法では、上記アミドカルボン酸化合物の活性体を得た後、次いで得られた活性体と還元剤とを接触せしめて、前記式(6)で示されるアミドアルコール化合物を製造する。
該反応に用いる還元剤として具体的には水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素カルシウム等の水素化ホウ素アルカリ金属塩を好適に用いることができる。
水素化ホウ素カルシウムの使用量は、上記アミドカルボン酸化合物の活性体が十分に還元できる量であれば、特に制限されるものではない。中でも、上記アミドアルコール化合物の収率、後処理のし易さ等を考慮すると、前記水素化ホウ素アルカリ金属塩の使用量は、前記アミドカルボン酸化合物の活性体1モルに対して、0.25〜5.0モルが好ましく、さらに0.5〜3.0モルが好ましい。
上記還元反応の反応温度、及び反応時間については、通常−20〜50℃、好ましくは20〜40℃の温度範囲で、0.5〜2時間の範囲で適宜設定すれば良い。
反応終了後は、酸を添加して反応を停止させた後、反応溶媒を濃縮した後、残渣をメタノール、エタノール、イソプロパノール、水及びこれらの混合溶媒と接触させることで、上記アミドアルコール化合物を析出させることができ、公知の固液分離操作により、上記アミドアルコール化合物を単離することができる。
本発明の製造方法で得られたアミドアルコール化合物は、酸と接触させることにより、上記式(7)で示される、ラクトン化合物を製造することができる。以下、本発明のラクトン化合物を製造する方法について詳述する。
(ラクトン化合物の製造方法)
本発明のラクトン化合物の製造方法では、上記の製造方法により得られた上記式(6)で示されるアミドアルコール化合物と酸とを接触させる。用いる酸として具体的には、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。これらの酸の使用量は、上記アミドアルコール化合物の環化反応が進行するに十分な量を用いれば良く、製造装置の容量等を勘案して適宜決定すれば良い。短時間で確実に環化を行うという観点から、上記アミドアルコール化合物1モルに対して、1〜1000モル、好ましくは5〜50モル用いるのが良い。
本発明のラクトン化合物の製造方法では、上記の製造方法により得られた上記式(6)で示されるアミドアルコール化合物と酸とを接触させる。用いる酸として具体的には、塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。これらの酸の使用量は、上記アミドアルコール化合物の環化反応が進行するに十分な量を用いれば良く、製造装置の容量等を勘案して適宜決定すれば良い。短時間で確実に環化を行うという観点から、上記アミドアルコール化合物1モルに対して、1〜1000モル、好ましくは5〜50モル用いるのが良い。
本発明のラクトン化合物の製造方法においては、上記酸と上記アミドアルコール化合物とを接触させる際に溶媒を用いて撹拌混合することが好ましい。かかる溶媒として具体的には、アセトニトリル、プロピオニトリル、THF、2−メチルTHF、1,4−ジオキサン、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶媒は単独で使用しても或いは上記溶媒の混合溶媒としても良い。かかる溶媒の中でも反応性の観点から、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン、ジグライム、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びこれらの混合溶媒が良い。溶媒の使用量は、反応容器の容量等を勘案して適宜決定すれば良いが、通常上記アミドアルコール化合物1質量部に対して、1〜100容量部、好ましくは2〜50容量部、特に好ましくは3〜30容量部の範囲で用いれば良い。
また、前記アミドアルコール化合物と酸とを接触させる方法は、特に制限されるものではない。例えば、前記アミドアルコール化合物を溶媒に溶解させておき、撹拌混合しながら、そこに酸を加えることができる。
前記アミドアルコール化合物を環化させてラクトン化合物とする際の温度(反応温度)は、特に制限されるものではなく、反応を十分に進行させるためには、0〜150℃が好ましく、さらには10〜110℃が好ましい。
反応時間は、特に制限されるものではなく、前記アミドアルコール化合物の消費量、前記ラクトン化合物の生成量を確認し、適宜決定すればよい。通常であれば、0.05時間〜17時間、好ましくは0.1〜10時間の範囲で適宜設定すれば良い。
また、反応時の雰囲気も特に制限されるものではなく、空気雰囲気下、または不活性ガス雰囲気下の何れであってもよい。操作性を考慮すると、空気雰囲気下で実施することが好ましい。また、反応時の圧力も特に制限されるものではなく、加圧下、大気圧下、減圧下の何れであってもよい。こちらも操作性を考慮すると、大気圧下で実施することが好ましい。
(ラクトン化合物の取り出し)
以上のような条件で、上記式(7)で示されるラクトン化合物を製造することができる。得られたラクトン化合物は、特に制限されるものではないが、以下の方法により反応系外に取り出すことが好ましい。すなわち、反応液に有機溶媒を加えてラクトン化合物を有機層に抽出し、ラクトン化合物を含む有機層を水洗し、有機層を濃縮した後、ラクトン化合物を析出させて単離することが好ましい。上記ラクトン化合物の抽出溶媒として用いる溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン等が挙げられる。これらの有機溶媒でも得られるラクトン化合物の純度の点、精製操作が簡便な点からクロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素溶媒が好ましく、特に塩化メチレンが好ましい。上記方法により単離したラクトン化合物は、純度が高く、そのままビオチンの製造に好適に用いることができるが、必要に応じてシリカゲルカラムクロマトグラフィーや再結晶等の精製操作を行っても良い。
以上のような条件で、上記式(7)で示されるラクトン化合物を製造することができる。得られたラクトン化合物は、特に制限されるものではないが、以下の方法により反応系外に取り出すことが好ましい。すなわち、反応液に有機溶媒を加えてラクトン化合物を有機層に抽出し、ラクトン化合物を含む有機層を水洗し、有機層を濃縮した後、ラクトン化合物を析出させて単離することが好ましい。上記ラクトン化合物の抽出溶媒として用いる溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、クロロホルム、塩化メチレン、クロロベンゼン等が挙げられる。これらの有機溶媒でも得られるラクトン化合物の純度の点、精製操作が簡便な点からクロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素溶媒が好ましく、特に塩化メチレンが好ましい。上記方法により単離したラクトン化合物は、純度が高く、そのままビオチンの製造に好適に用いることができるが、必要に応じてシリカゲルカラムクロマトグラフィーや再結晶等の精製操作を行っても良い。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
製造例1:酸無水物の合成
ウレイド体(URD)より、以下の反応式に示す酸無水物(ANH)を合成した。
ウレイド体(URD)より、以下の反応式に示す酸無水物(ANH)を合成した。
ウレイド体(URD、100g、0.282mol)、及びp−トルエンスルホン酸(0.6g、3mmol)をキシレン(400mL)に懸濁し、ディーン−スターク装置を用いて、生じた水を分離・除去しながら、4時間加熱還流した。
反応終了後、反応液を20℃まで2時間かけて徐々に冷却後、析出した結晶を濾過、乾燥することにより、酸無水物(ANH)を得た(収量:94.1g,収率:quant.)。
実施例1:アミドカルボン酸化合物(I)の合成
酸無水物(ANH)より、以下の反応式に示すアミドカルボン酸化合物(I)(DMA)を合成した。
酸無水物(ANH)より、以下の反応式に示すアミドカルボン酸化合物(I)(DMA)を合成した。
N−メチル−(R)−1−メチルベンジルアミン(R−MPEA、4.05g、30mmol)のTHF(90mL)溶液にトリエチルアミン(3.03g、30mmol)に酸無水物(ANH、10g、30mmol)を加え室温で51時間攪拌を行った。
反応液を減圧濃縮したのち、濃縮残渣にクロロホルム(50mL)、希塩酸を加えpH1.3に調整した。有機層を水洗(20mL)し、硫酸マグネシウムで脱水した後、減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=20:1)後、酢酸エチルから再結晶することによりアミドカルボン酸化合物(I)(DMA)を得た(8.22g、収率:60%)。本品は、DMA単一であり、異性体であるアミドカルボン酸化合物(II)が含まれていないことを1H−NMRで確認した。得られたアミドカルボン酸化合物(DMA)は以下の物性を有していた。
mp:146−147℃
IR(Nujol):1745、1637cm−1
1H−NMR(CDCl3)δ:1.39−1.40(m、3H)、2.30(s、3H)、3.90−4.26(m、4H)、5.18−5.21(m、2H)、5.98−6.03(m、1H),7.21−7.37(m、15H)
IR(Nujol):1745、1637cm−1
1H−NMR(CDCl3)δ:1.39−1.40(m、3H)、2.30(s、3H)、3.90−4.26(m、4H)、5.18−5.21(m、2H)、5.98−6.03(m、1H),7.21−7.37(m、15H)
実施例2:アミドカルボン酸化合物の活性体の合成
アミドカルボン酸化合物(I)(DMA)より、以下の反応式に示すアミドカルボン酸化合物の活性体としてアミドカルボン酸エステル化合物(MMR)を合成した。
アミドカルボン酸化合物(I)(DMA)より、以下の反応式に示すアミドカルボン酸化合物の活性体としてアミドカルボン酸エステル化合物(MMR)を合成した。
アミドカルボン酸化合物(I)(DMA、1.8g、3.82mmol)のTHF(20ml)溶液にトリエチルアミン(0.77g、7.65mmol)を室温で加えた。同温で10分攪拌後、ジメチル硫酸(0.96g、7.65mmol)を加え室温で4時間攪拌した。反応液を水(100ml)に希釈した後、酢酸エチル(2×100ml)で抽出し、水洗、食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで脱水、減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=30:1)することにより、アミドカルボン酸エステル化合物(MMR)を得た(1.82g、quant.)。得られたアミドカルボン酸エステル化合物(MMR)は以下の物性を有していた。
mp:146−147℃
IR(Nujol):1749、1690、1639cm−1
1H−NMR(CDCl3)δ:1.38−1.39(m、3H)、2.28(s、3H)、3.73(s、3H)、3.90−4.10(m、3H)、4.24―4.26(m、1H),5.09−5.25(m、2H)、5.95−6.25(m、1H)、7.10−7.50(m、15H)
IR(Nujol):1749、1690、1639cm−1
1H−NMR(CDCl3)δ:1.38−1.39(m、3H)、2.28(s、3H)、3.73(s、3H)、3.90−4.10(m、3H)、4.24―4.26(m、1H),5.09−5.25(m、2H)、5.95−6.25(m、1H)、7.10−7.50(m、15H)
実施例3:アミドアルコール化合物の合成
アミドカルボン酸エステル化合物(MMR)より、以下の反応式に示すアミドアルコール化合物(MALC)を合成した。
アミドカルボン酸エステル化合物(MMR)より、以下の反応式に示すアミドアルコール化合物(MALC)を合成した。
アミドカルボンエステル酸化合物(MMR、1.3g、2.76mmol)のエタノール(13ml)溶液に塩化カルシウム(0.31g、2.79mmol)を加え室温で30分攪拌を行い、溶解を確認した。この溶液に水素化ホウ素ナトリウム(0.31g、8.19mmol)を室温で加え18時間攪拌した。
反応液に水(50mL)を加えた後、濃塩酸でpH2.1に調整した。生成物をクロロホルム(50ml×2)で抽出した後、減圧濃縮した。濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=100:1)することによりオイル状のアミドアルコール化合物(MALC)を得た(1.22g、quant.)。得られたアミドアルコール化合物(MALC)は以下の物性を有していた。
IR(Nujol):1677、1632cm−1
1H−NMR(CDCl3)δ:1.43−1.45(m、3H)、2.26(s、3H),3.42−3.46(m、2H)、3.87−4.20(m、4H)、5.05−5.25(m、2H)、6.12−6.13(m、1H)、7.10−7.45(m、15H)
1H−NMR(CDCl3)δ:1.43−1.45(m、3H)、2.26(s、3H),3.42−3.46(m、2H)、3.87−4.20(m、4H)、5.05−5.25(m、2H)、6.12−6.13(m、1H)、7.10−7.45(m、15H)
実施例4:ラクトン化合物の合成
アミドアルコール化合物(MALC)より、以下の反応式に示すラクトン化合物(LCT)を合成した。
アミドアルコール化合物(MALC)より、以下の反応式に示すラクトン化合物(LCT)を合成した。
アミドアルコール化合物(MALC、0.60g、1.35mmol)の1−メトキシ−2−プロパノール(3ml)溶液に濃塩酸(0.7g、6.91mmol)を加え90℃で1時間攪拌した。反応液に水(50mL)を加え1時間攪拌した後、析出晶を濾過、水洗、温風乾燥(70℃、17時間)することにより、ラクトン化合物(LCT)を得た(0.43g、quant.)。得られたラクトン化合物(LCT)は以下の物性を有していた。
mp:100〜101℃、
IR(Nujol):1775 cm−1
実施例5:アミドカルボン酸化合物(I)の合成
酸無水物(ANH)より、以下の反応式に示すアミドカルボン酸化合物(I)(CAR)を合成した。
IR(Nujol):1775 cm−1
実施例5:アミドカルボン酸化合物(I)の合成
酸無水物(ANH)より、以下の反応式に示すアミドカルボン酸化合物(I)(CAR)を合成した。
酸無水物(ANH、5g、0.0147mol)を酢酸エチル(65mL)に懸濁し、(R)−1−メチルベンジルアミン(R−PEA、1.78g、0.0147mol)を加えて、20℃で1時間攪拌後、70℃まで昇温した。同温で、30分攪拌後、1時間かけて60℃まで冷却した。
析出した結晶を60℃で濾過後、50℃で17時間送風乾燥することにより、アミドカルボン酸体化合物(I)(CAR)を得た(3.70g、55%)。本品は、CAR単一であり、異性体であるアミドカルボン酸化合物(II)が含まれていないことを1H−NMRで確認した。得られたアミドカルボン酸化合物(CAR)は以下の物性を有していた。
1H−NMR (DMSO−d6)δ 1.27(d、J=6.8Hz, 3H)、3.60−3.66(m、2H),3.93−4.00(m、2H),4.05−4.10(m、1H),4.73−4.94(m、3H),7.06−7.21(m、2H),7.23−7.36(m、13H),8.47−8.50(m、1H)。
実施例6:アミドアルコール化合物の合成
アミドカルボン酸化合物(I)(CAR)より、以下の反応式に示すアミドアルコール化合物(ALC)を合成した。
アミドカルボン酸化合物(I)(CAR)より、以下の反応式に示すアミドアルコール化合物(ALC)を合成した。
アミドカルボン酸体化合物(I)(CAR、918mg、2mmol)をメタノール(13mL)に懸濁し、塩化チオニル(238mg、2mmoL)を10℃以下で滴下した。この懸濁液を20℃で17時間攪拌した。得られた溶液を減圧濃縮した。濃縮残渣に、酢酸エチル、及びヘキサンを加えて、析出晶を濾過、20℃、17時間真空乾燥することにより、メチルエステル体(MEE、896mg、95%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.33−1.35(d、 J=6.8Hz、3H),3。14 (s、 3H),3.88−4.20 (m、 4H), 4.69−4.73 (m、 1H), 4.95−5.05 (m、 1H), 6.26−6.28 (m、 1H), 7.20−7.34 (m、 15H)。
塩化カルシウム(117mg、1mmol)をエタノール(10mL)へ加え溶解させた。この溶液に、10℃で水素化ホウ素ナトリウム(84mg、2mmol)を加え、同温で、10分攪拌した。ここへ、メチルエステル誘導体(MEE、471mg、1mmol)を加え、20℃で17時間攪拌した。50℃に温度を上げて2時間攪拌した後、20℃で、酢酸(0.22mL)を加え反応を止めた。
この混合液に、20℃で、水(15mL)を加えた。1時間攪拌後、析出した結晶を濾取、60℃で17時間送風乾燥することにより、アルコール誘導体(ALC、266mg、60%)を得た。得られたアミドアルコール化合物(ALC)は以下の物性を有していた。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.33−1.35(d、 J=6.8Hz、3H),3。14 (s、 3H),3.88−4.20 (m、 4H), 4.69−4.73 (m、 1H), 4.95−5.05 (m、 1H), 6.26−6.28 (m、 1H), 7.20−7.34 (m、 15H)。
製造例3:実施例5のアミドカルボン酸体の結晶化母液からのトリオン化合物の合成
上記実施例5の母液より、以下の反応式に示すトリオン化合物を合成した。
上記実施例5の母液より、以下の反応式に示すトリオン化合物を合成した。
実施例5で得た結晶化母液を減圧濃縮、濃縮残渣へメシチレン(20mL)を加えた。この懸濁液をディーン−スターク装置を用いて、生じた水を分離・除去しながら、4時間加熱還流した。
反応終了後、反応液を常圧で濃縮し、濃縮残渣にエタノール(18mL)を70℃で加え、20℃まで1時間かけて徐々に冷却後、析出した結晶を濾過、50℃で17時間送風乾燥することにより、トリオン化合物を得た(IMD、2.67g、実施例5のURDから41.4%)。
1H−NMR(CDCl3)δ 1.70−1.71(m、3H),3.79−3.86(m、2H),4.12−4.20(m、2H),4.93−4.94(m、2H),5.25−5.31(m、1H),7.20−7.27(m、15H)。
Claims (7)
- 下記式(1)
で示される酸無水物と、
下記式(2)
R3は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基より選ばれるいずれかの原子又は基であり、R4は水素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基である)
で示される光学活性アミン化合物とを、接触させることにより、
下記式(3)
で示されるアミドカルボン酸化合物(I)、および下記式(4)
で示されるアミドカルボン酸化合物(II)、を含む混合物を得、
次いで、得られた混合物より、前記式(3)で示されるアミドカルボン酸化合物(I)を単離することを特徴とする、アミドカルボン酸化合物の製造方法。 - 前記式(1)で示される酸無水物1.0モルに対し、前記式(2)で示される光学活性アミン化合物を1.0〜2.0モル接触させる請求項1記載のアミドカルボン酸化合物を製造方法。
- 前記式(3)で示されるアミドカルボン酸化合物(I)及び前記式(4)で示されるアミドカルボン酸化合物(II)を含む混合物と、
トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、n−ブタノール、クロロホルム、クロロベンゼンから選択される少なくとも一種の溶媒とを接触せしめて、前記式(3)で示されるアミドカルボン酸化合物(I)を単離することを特徴とする請求項1又は2記載のアミドカルボン酸化合物を製造方法。 - 下記式(3)
で示されるアミドカルボン酸化合物(I)と、アシル化剤、アシロキシカルボニル化剤、ハロゲン化剤、又はエステル化剤のいずれかとを接触させることにより、
下記式(5)
で示される、アミドカルボン酸化合物の活性体を得、次いで得られた活性体と還元剤とを接触せしめて、
下記式(6)
で示されるアミドアルコール化合物を得るアミドアルコール化合物の製造方法。 - 前記式(5)におけるXが、炭素数1〜4のアルコキシ基から選択される基である請求項4記載のアミドアルコール化合物の製造方法。
- 前記還元剤が水素化ホウ素アルカリ金属塩である請求項4又は5記載のアミドアルコール化合物の製造方法。
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