JP7340962B2 - シート折り装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置等から搬送されてくるシート材に対して、所定の折り処理を施すシート折り装置に関する。
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置などにおいては、画像が形成されたシートをそのまま排紙するのが一般的であるが、排紙されたシートをファイリングしたり、コンパクトに収納したりする際に、3つ折り(Z折り)等する場合がある。このような折り処理を自動で行うシート折り装置が知られている。
特許文献1には、折りローラ対にシートの下流端をニップした状態でシートの上流側を送り込むことによってループを形成し、このループの所定箇所を突き板で突きながら折りローラ対のニップ位置に向けて押し込み、折りローラ対を回転させながらシートの先端にループの所定箇所を重ねることによってZ折りを行うシート折り装置が開示されている。
特開2002-68583号公報
上記特許文献1のシート折り装置にあっては、折りローラ対のニップ位置からずれた位置からループした部分の所定箇所をニップ位置に向けて押し込むようにしてシートを送っている。このため、図16(a)に示すように、シートの下流端と、第1の折り目F1との間にずれ(タブ)Lxが生じやすく、図16(b)に示すように、第1の折り目F1とシートSの下流端Saとが一致した状態できれいに折り込むことができないといった問題があった。
上記タブLxを極力少なくするためには、折りローラ対のニップ位置にシートの下流端を位置付け、シートをニップした状態でループ折りを行う必要がある。しかしながら、折りローラ対の停止のトリガとなるセンサがシートの下流端を検出してから折りローラ対のニップ位置で停止させるためには、センサが折りローラ対から離れた位置である場合は、シートの停止位置にばらつきが生じ、折りローラ対によるニップのタイミングがずれるといった問題があった。一方、センサを折りローラ対に近づけて配置し、ニップ位置近傍でシートの下流端を停止させようとすると、折りローラ対を駆動するモータに大きな負荷がかかり、モータが脱調するおそれがあった。このような問題は、シートをセンサからニップ位置に至る距離で停止が可能な低速度で送れば改善するが、シートの折り処理速度が低下し、生産性が著しく低下することとなる。
そこで本発明は、折りローラ対の下流側にシートの下流端と所定の折り目とを突き当てて整合させる整合手段を設けることによって、簡易且つ正確にシートの下流端と所定の折り目とを一致させることのできるシート折り装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のシート折り装置は、シートの所定位置に折り目を形成すると共に、この折り目をシートの下流端側の所定の位置に重ねて搬送する折りローラ対を備えたシート折り装置において、前記折りローラ対の下流側に、前記シートの下流端と折り目とを整合させる整合手段を備えた。
本発明のシート折り装置によれば、折りローラ対の下流側に、シートの下流端と折り目とを整合させる整合手段を設けているので、折りローラ対によって折り処理しながら搬送されてくるシートの下流端と所定の折り目とを容易且つ正確に整合させることができる。
本発明のシート折り装置を備えた画像形成装置システム全体の概略構成図である。 シート折り装置の主要構成を示す断面図及びブロック図である。 増折機の外観図である。 増折機の動作を示す説明図である。 増折機の正面図(a)及び側面図(b)である。 増折機の動作に伴う突当部材の動作を示す説明図である。 折りローラ対の減圧機構を示す説明図である。 シート折り装置の基本フロー図である。 Z折りの動作を示す説明図である。 Z折りの動作を示す説明図である。 シート折り装置のタイミングチャートである。 折り処理の全体フロー図である。 整合処理の動作を示す説明図である。 整合処理の動作を示す説明図である。 第1の折り目に対する増折処理のフロー図である。 第2の折り目に対する増折処理のフロー図である。 整合処理のフロー図である。 3つ折りされたシートの断面図である。
図1に示すように、本発明のシート折り装置(折り機)Cは、画像形成装置Aと後処理装置(綴じ機)Bとの間に配置され、画像形成装置Aから搬送されてくるシートに対して、各種の折り処理を行った後、綴じ機Bに送られる。本実施形態では、画像形成装置Aとして複写機を用い、この複写機の排紙口に折り機Cが連接され、その下流側において綴じ機Bが連接される。
画像形成装置Aは、原稿送り部5で送られる原稿を画像読取部4で読み取り、読み取られた画像を給紙部3から送られたシートに画像形成部2で画像を形成する。画像形成装置Aの洞内部には中継搬送ユニット6が取り付けられている。シートに折り処理や綴じ処理を行わない場合は、第1中継パスP20から排紙トレイ7に搬送される。一方、シートに折り処理や綴じ処理を施す場合は、第2中継パスP21を介して排出ローラ対8から折り機Cに送られる。
綴じ機Bは、第1パスP1から第3パスP3を介して綴じ処理トレイ9aにシートを排出し、綴じ処理トレイ9a上のシートの角または一辺の2カ所にステープラ9で針綴じを施し、第2排紙トレイ12bに排出する。なお、針綴じ処理しない場合は、折り機Cから送られてくるシートをそのまま第1パスP1及び第2パスP2を介して第1排紙トレイ12aに排出する。
図2は、折り機Cの主要構成を示したものである。折り機Cは、図1に示した画像形成装置Aの排出ローラ対8から排出されてくるシートを受けて下流側に送り出す送りローラ対10と、送りローラ対10の下流側に設けられ、シートに折り処理を施す折りローラ対11と、送りローラ対10と折りローラ対11との間に設けられるループ形成空間部20と、シートに設けられる所定の折り目を折りローラ対11のニップ部11cに向けて案内する突き板15と、シートを送りローラ対10から折りローラ対11に向けて案内する搬送路18とを備えている。シートの折り動作は、最初にシート搬送方向におけるシートの下流端側を折りローラ対11のニップ部11cでニップさせた状態で停止する。この状態で送りローラ対10からシートを送ることによってループ形成空間部20に所定長さのループ部を形成する。そして、最初の第1の折り目に設定されるループ部の所定箇所を突き板15によって前記ニップ部11cに導き、折りローラ対11を搬送方向に回転させる。これによって、第1の折り目と、この第1の折り目の上流側に形成される第2の折り目とを有した3つ折り(Z折り)処理が施される。
折り機Cには複数のセンサを備えており、この複数のセンサによって、シートの位置が検出される。この複数のセンサは、送りローラ対10の上流側でシートの下流端を検出する入口センサS1と、折りローラ対11の上流側に配置され、折り処理されるシートの下流端を検出する折りセンサS2と、突き板15の移動位置を検出する突きセンサS3とからなる。これらのセンサは、制御部100によって制御される。制御部100は、画像形成装置Aに備わる操作パネルで設定されるシートの種類や折りモード等の情報を、綴じ機Bを介して受信する。そして、画像形成装置Aからの各種の情報と各センサS1,S2,S3によるシートの検出結果に基づいて、各モータMT1,MT2,MT3,MT4の駆動が制御され、シートの搬送、折り動作が実行される。また、制御部100では、綴じ機Bを介してシートの搬送状況などの情報を画像形成装置Aに送信し、折り機Cによる搬送不良等を使用者に報知する機能を備えている。
送りローラ対10は、モータ駆動によって回転する送り上ローラ10aと、この送り上ローラ10aの回転に従動して回転する送り下ローラ10bとによって構成されている。図9A(a),(b)に示すように、送りローラ対10は、シートSが到達するまで停止した状態となっており、この状態において上流から送られたシートSの下流端Saがニップ部10cに突き当たる。これによって、シートSが整合され、この状態で送りローラ対10が回転することによって、シートSが折りローラ対11に向けて搬送される。
搬送路18は、送りローラ対10のニップ部10cから水平方向に延びる第1搬送路18aと、第1搬送路18aの下流側から下方に傾斜して延びる第2搬送路18bと、第2搬送路18bの下流側から水平方向に延びて折りローラ対11に至る第3搬送路18cとで構成されている。第1搬送路18aと第2搬送路18bは、送り上ガイド13、送り下ガイド14及び突き板15とを備えている。第3搬送路18cは、折り上ガイド16と折り下ガイド17とによって形成されている。また、折り下ガイド17は、水平方向に延びる水平ガイド部17aと、傾斜した傾斜ガイド部17bと、垂直方向に延設された垂直ガイド部17cとによって形成されている。
折りローラ対11は、折り上ローラ11aと折り下ローラ11bとで構成され、送りローラ対10のニップ部10cから水平方向に延ばした延長線よりも下方に配置されている。つまり、折りローラ対11と送りローラ対10は上下方向に僅かにずれた状態で配置されている。図9A及び図9Bに示すように、折りローラ対11は、送りローラ対10から搬送されてくるシートSの下流端Saをニップした状態で停止し、このニップした位置の上流側に所定長さのループ部Sbを形成する。そして、このループ部Sbの所定箇所を突き板15で突かれた第1の折り目F1と下流側とが重なるようにニップした状態て搬送することでシートSがZ折りされる。
突き板15は、シート幅方向に延設された板状部材であって、送り下ガイド14の下方に配置されている。突き板15は、図9B(e)に示すように、その先端部15aが折り上ガイド16と折り下ガイド17との間に進入し、シートSの第1の折り目F1を折りローラ対11のニップ部11cに向けて案内する突き位置Paと、図9A(a),(b)に示すように、送り上ガイド13の下流側と対向し、第3搬送路18cの一部を形成するためのガイド位置Pbと、図9A(c)、図9B(d)に示すように、突き位置Paから上流側に退避してループ形成空間部20を解放する退避位置Pcとの間をスライド移動するように構成されている。
折りローラ対11の下流側には、増折手段(増折機)50が配置されている。増折機50は、図3に示すように、シートの搬送方向と直交するシートの幅方向に対して回転自在に設けられる複数のコロ52を有する増折ユニット51と、この増折ユニット51を上下方向及びシートの幅方向に移動させる移動機構53と、この移動機構53を作動させる増折モータMT4とで構成されている。移動機構53は、折り機Cの本体に設けられる作動ピン71と、増折ユニット51に設けられ、前記作動ピン71に係合して増折ユニット51を上下方向及びシートの幅方向にガイドするカム70と、カム70におけるホームポジションを検出するホームポジションフラグHPF及びホームポジションセンサHPSとを備えている。
カム70は図4乃至図6に示すように、複数のコロ52をシートSから離間させ、かつ突当部材54が搬送経路を解放する位置に増折ユニット51を位置付ける第1離間カム面70aと、複数のコロ52がシートを加圧する位置に増折ユニット51を位置付けて移動させることでシートの折目を増折する加圧カム面70bと、複数のコロ52をシートから離間させ、かつ突当部材54が搬送経路を遮断する位置に増折ユニット51を位置付ける中間カム面70cと、第1離間カム面70aと同様に複数のコロ52をシートから離間させ、かつ突当部材54が搬送経路を解放する位置に増折ユニット51を位置付ける第2離間カム面70dとを有している。
図4は、前記カム70に沿った増折機50の一連の動作を示したものである。図3に示した増折モータMT4を正方向又は逆方向に回転駆動させることによって、作動ピン71で支持されるカム70に沿って移動する。図4(a)は、増折処理を行う際のホームポジションとなり、複数のコロ52をシートから離間した位置で待機する第1離間カム面70aに移動した状態を示したものである。図4(b)は、前記ホームポジションから増折モータMT4を正方向に回転させることによって、複数のコロ52がシートに当接して折り目を加圧する加圧カム面70bに移動した状態を示したものである。図4(c)は、前記第1離間カム面70aと加圧カム面70bとの中間に位置し、複数のコロ52をシートから離間させる中間カム面70cに移動した状態を示したものである。この中間カム面70cでは、突当部材54がシートSの搬送経路を遮断する位置にある(図6(c)参照)。図4(d)は、最初の増折処理が終了して、第1離間カム面70aと同様に複数のコロ52をシートから離間させる第2離間カム面70dに移動した状態を示したものである。このように、図4(a)~(d)の位置に増折機50が移動する間で、シートSの搬送と増折処理とを行うことができる。
図5は前記増折機50に備わる整合手段60の構成を示したものである。整合手段60は、折りローラ対11によって加圧台59上に搬送されてくるシートSの下流端Saと第1の折り目F1とを突き当てることによって整合させる役割を有している。この整合手段60は、シートの幅方向に延びる増折ユニット51の下流側の側面に沿って揺動可能に取り付けられる突当部材54と、シートを加圧する加圧台59に設けられ、前記突当部材54の下端が係合する溝部58とで構成されている。前記突当部材54は、4か所に設けられているスリット56a~56dに増折ユニット51の側面に設けれている4か所の支持ピン55a~55dに嵌合することによって支持され、リア側とフロント側の上下方向にかけ渡されているバネ57a,57bの付勢力によって上下方向に揺動可能となっている。
一方の支持ピン55a,55cは増折ユニット51の下流側側面のリア側の上下に配置され、他方の支持ピン55b,55dはフロント側の上下に配置されている。突当部材54は、増折ユニット51の下流側側面の長手方向に沿って延びる板状部材によって形成され、その長手方向の下端が複数のコロ52の下面から僅かに突出するように配置されている。この突出した側面にシートの下流端が突き当たることで、折り目の位置とが整合される。前記支持ピン55a~55dが嵌合するスリット56a~56dは、突当部材54が上下方向に揺動可能となる長さの長孔によって形成されている。バネ57a,57bは、突当部材54の長手方向の両端側で上下方向に伸縮可能となるように、増折ユニット51の側面に掛け渡されている。このバネ57a,57bの付勢力によって、突当部材54は増折ユニット51に対して常に図中下側(搬送経路側)に付勢されており、スリット56a~56dの上端縁に当接して規制された状態となっている。
図6は、前記突当部材54の一連の動きを示したものである。図6(a)は、増折機50が図4(a),(d)の状態を示す。このとき、突当部材54は、搬送経路を遮断せず解放する位置にあり、シートを通過させることができる。
図6(b)は、増折機50が図4(b)の状態を示す。このとき、突当部材54は、その先端が下ガイドの溝部58に進入した状態で、複数のコロ52によって第1の折り目F1を加圧する。
図6(c)は、増折機50が図4(c)の状態を示す。このとき、複数のコロ52はシートから離れた状態で、突当部材54の下ガイドの溝部58に進入して搬送経路を遮断し、折りローラ対11によってシートの先端と第1の折り目F1が突当部材54に突当られる。
図6(d)は、増折機50が図4(b)で、第2の折り目に増し折りが実行される状態を示す。このとき、突当部材54の先端がシートに当接して、その下方への移動が規制され、突当部材54はバネ57a、57bの付勢力に抗して増折ユニット51に対して上方に移動する。
図7は、折りローラ対11の駆動伝達機構を示したものである。折りローラ対11を駆動する折りモータMT2は、ギアZ1に駆動連結されており、このギアZ1の回転は折り下ローラ11bのシャフトに取り付けられたギアZ2を介して折り下ローラ11bに駆動伝達される。また、ギアZ1の回転は、ギアZ3から折り上ローラ11aのシャフトに取り付けられたギアZ4を介して折り上ローラ11aに駆動伝達される。
前記折りローラ対11には、増折機50の突当部材54にシートの下流端と第1の折り目を突き当てて整合する際の動作を円滑に行うために、ニップ圧を調整するための調整機構が設けられている。この調整機構によれば、シートの下流端と第1の折り目とを整合する際に、折りローラ対11のニップ圧を低減させることで、整合動作を円滑且つ確実に行うことができる。
前記ニップ圧の調整機構は、ギアZ3のシャフトZ3aに回転自在に取り付けられ、その一端が折り上ローラ11aのシャフト11dに連結されるアーム61と、アーム61を回動させるアクチュエータとしてのソレノイドSOLとからなる。そして、ソレノイドSOLのプランジャーを吸引することによって、アーム61がシャフトZ3aを支点として上に向けて若干回動する。この回動動作によって、アーム61の先端部63が折り上ローラ11aのシャフト11dを押圧バネ63の押圧力に抗して若干上方に移動する。これによって、折り上ローラ11aと折り下ローラ11bとのニップ圧を低減させることができる。
図8は折り機Cのメイン制御フローを示したものである。本実施形態の折り機Cは、シートにZ折りを施す「折り有」モードと、折り処理を施さない「折り無」モードとを備えている。最初に、入口センサS1がシートの下流端を検出したことをトリガとして、シートのサイズ、材質、紙厚等のシート情報や折りモード等の後処理情報を画像形成装置Aから綴じ機Bを介して取得する(ST01、ST02)。取得した情報に「折り有」を指示する情報があれば(ST03)、シートを折るための折りループカウンタ値などの各種の値を設定する折り動作設定処理(ST05)を実行し、レジスト処理(ST06)にてシートの下流端を整合してシートスキューを矯正する。そして、折りループ形成処理(ST07)にてシートにループ部を形成し、折り処理(ST08)にて突き板15でループ部を突いて折りローラ対11にニップさせる。このようにして折り処理されたシートは、後述する増折処理によって、シートの折り目をさらに加圧し、折り目の膨らみを平坦にした状態で下流側の綴じ機Bに搬出する(ST09)。
一方、取得した情報に「折り有」を指定する情報がなければ(ST03)、通常処理(折り無処理)が実行される(ST04)。この通常処理は、突き板15を第3の搬送路13cの一部を形成するガイド位置Pb(図9A(a),(b)参照)に移動させた状態で送りローラ対10及び折りローラ対11を駆動し、折り機Cに受け入れたシートに折り処理を行うことなく綴じ機Bに搬出する(ST09)。
図9A及び図9Bは、Z折りを形成するためのシートSの一連の動きを示したものである。
(a):画像形成装置Aの排出ローラ対8を経て排紙されたシートSの下流端Saは、入口センサS1で検出されることによって、送りローラ対10で搬送可能となるようにニップされる。
(b):送りローラ対10によって下流側に搬送されてくるシートSは、折り上ガイド16、折り下ガイド17及び突き板15によって案内される。そして、折りセンサS2によってシートSの下流端Saを検出すると、折りローラ対11の回転と共に所定量下流側に送り出した後、折りローラ対11の回転を一旦停止する。
(c):折りローラ対11の停止によって、シートSの下流端Sa側を折りローラ対11のニップによって保持させた後、突き板15を上流側の退避位置Pcへ移動する。この突き板15の移動によって、折り上ガイド16と折り下ガイド17との間の下方側にループ形成空間部20が形成される。この間、送りローラ対10を回転し続けることでシートSにループ部Sbが形成される。
(d):送りローラ対10の回転によって所定長さのループ部Sbを形成する。
(e):突き板15を下流側の突き位置Paへ移動させ、折りローラ対11の手前で停止させる。
次に、上記図9A及び図9Bに示した折り動作(折り処理)の詳細を図10のタイミングチャート図及び図11のフローチャート図に基づいて説明する。図9A(a),(b)に示したように、送りローラ対10によってシート送りを継続中に、ループ部Sbが形成される時間をカウントするループカウンタ値(Px-UP)がカウントアップされて、突き処理が開始される。なお、図8のメイン制御フローには記載はないが、突き板15を突き位置Paに移動させる突き処理及び突き板15を退避位置Pcに移動させる退避処理では、折りループ形成処理、折り処理と同時に実行される。突き処理では、突き板15をシート送り方向に移動する。このときの突き板15の移動速度は、送りローラ対10で送られるシートの移動速度と同一速度となるように制御される。折り処理では、送りモータMT1が第5の設定量(K5)に到達したならば、送りモータMT1を高速の第1の速度Vaから低速の第2の速度Vbに減速する(ST08-1~ST08-2))。同時に突き処理においても、突きモータMT3を減速する。これによって、シートと突き板15の移動速度が同時に高速から低速に減速される。
次に、折り処理では、送りモータMT1を駆動してから第2の設定量(K2)駆動した時点で、折りモータMT2を第2の速度で駆動を開始する(ST08-3~ST08-4)。このとき、突きモータMT3は駆動開始時点から第4の設定量(K4)駆動して停止しており、突き板15は突き位置Paに移動し、シートの所定箇所が折りローラ対11のニップ部11cに臨む位置に位置付けられている(図9B(e))。そして、折りモータMT2を第2の速度で駆動を開始することで、折りローラ対11が回転する。このとき、突き板15によって折りローラ対11のニップ部11cに臨む位置に位置付けられたシートの所定箇所が、折りローラ対11にニップされる。これによって、第1の折り目F1が形成される。また、折りローラ対11によってシートが折られる際には、第1の折り目F1がシートの下流端側で折りローラ対11でニップされる箇所に重ねられる。なお、突きモータMT3は、突き板15が突き位置Paに到達した時点から第8の設定時間(K8)経過後に逆回転駆動し、突き板15をシート搬送方向上流側に移動させ、突きセンサS3が検出した時点で停止させることで突き板15を待機位置Pcに移動させる。
更に折り処理では、折りモータMT2の駆動を開始した時点から第6の設定量(K6)駆動した時点において、送りモータMT1と折りモータMT2を第1の速度に加速する(ST08-5~ST08-6)。その後、折りモータMT2が駆動開始から第9の設定量(K9)を駆動すると、送りモータMT1、折りモータMT2を停止する(ST08-7~ST08-8)。これによって、シートの第1の折り目が増折位置Phまで送られて、送りローラ対10、折りローラ対11が停止し、第1の折り目が増折位置Phに位置付けられる。
シートSの第1の折り目F1が増折位置Phに位置付けられると、増折処理及び整合手段(整合処理)が実行される。図12A及び図12Bは増折処理、整合処理の動作を示す状態図であり、図13は第1増折処理を示すフローチャート図、図14は第2増折処理を示すフローチャート図、図15は整合処理を示すフローチャート図である。以下、図12A及び図12B、図13乃至図15のフロー及び図4を参照しつつ、増折処理及び整合処理の詳細について説明する。第1の折り目F1を増し折りする第1増折処理においては、図12A(a)に示すように、第1の折り目F1が増折位置Phに到達し、折りローラ対11が停止した時点では、複数のコロ52がシートSから離間したホームポジションで増折ユニット51が待機した状態となっている(図4(a)参照)。この状態から図12A(b)に示すように、増折モータMT4を設定量(T1)正回転駆動する(ST08-9-1~ST08-9-3)。これによって、増折ユニット51を加圧カム面70bに移動して、第1の折り目F1を複数のコロ52が加圧する(図4(b)参照)。その後、増折ユニット51を加圧カム面70bから中間カム面70cに移動して、複数のコロ52をシートSから離間する(図4(c)参照)。第1増折処理が終了されると、整合処理が実行される。図15に示す整合処理では、折りローラ対11に接続されているソレノイドSOLをONとする(ST08-10-1)。これによって、折りローラ対11の折り上ローラ11aが折り下ローラ11bから離れる方向に若干移動し、折りローラ対11のシートに対するニップ圧が通常のニップ圧から低減される。そして、第1の折り目F1が増折中心位置Phaから突当部材54の突当面54aに突き当たる突当位置Phbに至る距離Lbと、この距離Lbに所定量αを加算した距離に相当する駆動パルス数(Lb+α)によって、折りモータMT2を駆動する(図12A(c)、(ST08-10-2~ST08-10-4))。これによって、シートSの下流端Saが突当部材54に突き当たり、シートSの下流側への移動が阻止される。この状態において、折り上ローラ11aに接触するシートの第1の折り目F1部分のみが下流側に移動する。そして、第1の折り目F1が突当部材54に突き当たることで、シートSの下流端Saと第1の折り目F1とが整合される(図12B(d))。その後、ソレノイドSOLをOFF(ST08-10-5)することで、折りローラ対11を通常の搬送時におけるニップ圧に戻す。そして、増折モータMT4を設定量(T2)正回転駆動して、増折ユニット51を中間カム面70cから第2離間カム面70dに移動する(ST08-10-6~ST08-10-8)。これによって、突当部材54がシートSの搬送経路を遮断する位置から解放する位置に移動する(図12B(e))。
その後、図11で示す折り処理では、整合処理にてシートSの下流端Saと第1の折り目F1とが一致するように整合させた後に、送りモータMT1及び折りモータMT2を第1の速度(高速)で駆動する。これによって、シートSの下流端Saと第1の折り目F1が一致して重なった状態で折りローラ対11よって搬送される。そして、折りモータMT2が第10の設定量(K10)駆動した時点で送りモータMT1、折りモータMT2を停止する(図11(ST08-11~ST08-13))。これによって、送りローラ10、折りローラ対11にて第2の折り目F2が増折位置Phまで送られ、停止して位置付けられた状態から第2増折処理が実行される。
第2増折処理においては、図14に示したように、増折モータMT4を逆回転させ、ホームポジションセンサHPSがホームポジションフラグHPFを検出したならば、増折モータMT4を停止する(ST08-14-1~ST08-14-3)。これによって、増折ユニット51が退避位置から加圧カム面70bに沿って移動し、第2の折り目F2を複数のコロ52によって加圧してホームポジションに移動する。なお、増折ユニット51が加圧カム面70bに沿って移動し、第2の折り目F2を複数のコロ52によって加圧する際に、突当部材54はその先端がシートSに当接して規制される(図12B(f))。ここでは、突当部材54でシートを押さえた状態で第2の折り目に増し折りを実行するため、安定且つ確実な増し折りを行うことができる。
A 画像形成装置
B 綴じ機(後処理装置)
C 折り機(シート折り装置)
F1 第1の折り目
F2 第2の折り目
HPF ホームポジションフラグ
HPS ホームポジションセンサ
MT1 送りモータ
MT2 折りモータ
MT3 突きモータ
MT4 増折モータ
P1 第1パス
P2 第2パス
P3 第3パス
P20 第1中継パス
P21 第2中継パス
Pa 突き位置
Pb ガイド位置
Pc 退避位置
Ph 増折位置
Pha 増折中心位置
Phb 突当位置
S シート
Sa 下流端
Sb ループ部
S1 入口センサ
S2 折りセンサ
S3 突きセンサ
SOL ソレノイド
Z1~Z4 ギア
Z3a シャフト
2 画像形成部
3 給紙部
4 画像読取部
5 原稿送り部
6 中継搬送ユニット
7 排紙トレイ
8 排出ローラ対
9 ステープラ
9a 綴じ処理トレイ
10 送りローラ対
10a 送り上ローラ
10b 送り下ローラ
10c ニップ部
11 折りローラ対
11a 折り上ローラ
11b 折り下ローラ
11c ニップ部
11d シャフト
12a 第1排紙トレイ
12b 第2排紙トレイ
13 送り上ガイド
14 送り下ガイド
15 突き板
15a 先端部
16 折り上ガイド
17 折り下ガイド
17a 水平ガイド部
17b 傾斜ガイド部
17c 垂直ガイド部
18 搬送路
18a 第1搬送路
18b 第2搬送路
18c 第3搬送路
20 ループ形成空間部
50 増折機(増折手段)
51 増折ユニット
52 コロ
53 移動機構
54 突当部材
54a 突当面
55a~55d 支持ピン
56a~56d スリット
57a,57b バネ
58 溝部
59 加圧台
60 整合手段
61 アーム
63 押圧バネ
70 カム
70a 第1離間カム面
70b 加圧カム面
70c 中間カム面
70d 第2離間カム面
71 作動ピン

Claims (6)

  1. シートの所定位置に折り目を形成すると共に、この折り目をシートの下流端側の所定の位置に重ねて搬送する折りローラ対を備えたシート折り装置において、
    前記折りローラ対の下流側に、前記シートの下流端と折り目とを整合させる整合手段を備えたシート折り装置。
  2. 前記整合手段は、前記折りローラ対で送られるシートの下流端と折り目とを前記折りローラ対の下流側の所定位置で当接させる突当部材を有する請求項1に記載のシート折り装置。
  3. 前記整合手段は、前記折りローラ対で送られるシートの搬送経路を遮断する位置と解放する位置とに前記突当部材を移動させる移動手段を有し、
    前記移動手段は、シートの先端と折り目とが整合位置に到達する前に前記搬送経路を遮断する位置に前記突当部材を移動し、シートの下流端と折り目とを前記突当部材に当接させた後に前記搬送経路を解放する位置に前記突当部材を移動させる請求項に記載のシート折り装置。
  4. 前記折りローラ対のニップ圧を調整する調整機構を備え、
    前記調整機構によって、シートの下流端と折り目とが前記突当部材に当接する前に、前記折りローラ対のニップ圧を低減する請求項2又は3に記載のシート折り装置。
  5. 前記突当部材は、前記シートの搬送方向と直交する方向に延びる板状部材によって形成されている請求項2乃至4のいずれかに記載のシート折り装置。
  6. 前記折りローラ対の下流側に、前記折りローラ対によってニップされたシートの折り目を加圧する増折手段を備え、
    前記増折手段にてシートの折り目を加圧させた後に、前記整合手段にてシートの下流端と折り目とを整合させる請求項1乃至3のいずれかに記載のシート折り装置。
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