JP7339813B2

JP7339813B2 - 皮膚検査装置

Info

Publication number: JP7339813B2
Application number: JP2019158655A
Authority: JP
Inventors: 和明青山; 裕史助田
Original assignee: Maxell Ltd
Current assignee: Maxell Ltd
Priority date: 2019-08-30
Filing date: 2019-08-30
Publication date: 2023-09-06
Anticipated expiration: 2039-08-30
Also published as: KR20220054785A; JP2021036946A; WO2021039952A1

Description

本発明は、被験者の皮膚を撮像した皮膚の状態を検査する皮膚検査装置に関する。

従来、この種の皮膚検査装置は、スキンスコープ、マイクロスコープ等の製品名で多数存在し、いずれも接写用のマイクロレンズが用いられ、被写体となる被験者の皮膚を近距離から大きく撮像するように構成されていた。

前記マイクロレンズを用いた検査装置は、被写界深度が浅いことから、この被写界深度を深くするため特許文献１ないし特許文献３に記載の各種の技術が開示されている。

また、特許文献４に記載される背景技術は、大きめの覗き窓を有するスコープ装置として構成され覗き窓のほぼ真下に位置する表示物と関連のある様々な像を観察可能としている。

さらに、特許文献５に記載の背景技術は、広視野且つ高解像度で観察対象を撮像する撮像光学系と、観察対象に照明光を照射する照明系を備える顕微鏡システムとして構成され、前記照明系を工夫することにより、皮膚表面の外側（表面）と内側を同時に直接的に観察できる。

特開２０１６－３９４７１特開２０１２－２５３６０２特開２０１２－１０９８２６特開２０１９－４１９９５特開２０１９－９７６８７

しかしながら、前記各背景技術は、被写界深度を深くし、大きな覗き窓に構成して、大きな覗き窓で被験者の皮膚をより広い領域を画像として取り込み、この広い領域の皮膚表面を深い被写界深度で皮膚の画像を検出することができるものの、接写による大きな覗き窓（光学系の開口部分）から被験者の皮膚が開口中央で隆起すると共に、開口の周辺端部で開口端面に押圧状態となり、この隆起部分と周辺端部との間に大きな高低差が生じることから、深い被写界深度でも対応できないという課題を有する。

特に、被験者の皮膚内部に生じるシミ等の場合には、前記被写界深度でカバーする高低差がさらに大きくなり、皮膚の表面から深部までの撮像精度を十分に確保できないという課題を有していた。

本発明は前記課題を解消するためになされたもので、被験者の皮膚表面における広い撮像領域を大きなイメージサークルで撮像し、この広い撮像領域の全体に亘り皮膚の表面から深部までを高精度に撮像でき、特に焦点調節を一切行うことなく被写界深度を適合させることとなり、被験者の皮膚の状態を高精度に検査する皮膚検査装置を提供することを目的とする。

本発明に係る皮膚検査装置は、被験者の皮膚を撮像して皮膚の状態を検査する皮膚検査装置において、前記被験者の皮膚に先端部を当接させる筒状体からなる皮膚当接手段と、前記皮膚当接手段の筒状体における先端部より内側に物体焦点を位置させる光学系で形成される光学手段と、前記光学手段から射出される光を電気信号に変換する撮像素子で形成される撮像手段とを備えるものである。

このように本発明においては、被験者の皮膚に皮膚当接手段の筒状体における先端部を当接させ、この先端部より物体焦点を内側に位置させる光学系の光学手段で前記当接された被験者の皮膚を撮像し、この撮像により射出される光を撮像素子の撮像手段で電気信号に変換する構成により、皮膚当接手段の先端部に当接させることにより隆起した皮膚を中央頂点から周辺端部までの全領域に亘って被写界深度内にカバーできることとなり、高精度な画像で被験者の皮膚の状態を高精度に検査できる効果を奏する。

また、本発明に係る皮膚検査装置は必要に応じて、前記光学手段が、光学系の後側被写界深度の遠点を前記皮膚当接手段の先端部より被験者側に位置させるものである。

このように本発明においては、光学系の後側被写界深度の一部を皮膚当接手段の先端部より被験者側へ偏位させて形成されることから、皮膚の内部に形成される肌のシミ等を被写界深度内に含めることができることとなり、被験者の皮膚における表皮から真皮に亘る全領域で皮膚の状態を高精度に検査できる効果を有する。

また、本発明に係る皮膚検査装置は必要に応じて、前記撮像手段が、撮像素子の前段に撮像レンズを配設し、当該撮像レンズを前記光学手段の光学系における焦点に配設するものである。

このように本発明においては、撮像素子の前段に撮像レンズを配設し、当該撮像レンズを光学手段の光学系における焦点に配設するように構成したので、より広角に光学手段からの光を入射できることとなり、特に皮膚当接手段の筒状体開口であるイメージサークルを大きく形成した場合に有効に入射光を撮像素子に射出できることとなり、被験者の皮膚の検査精度を向上させる効果を有する。

本発明の一実施形態に係る皮膚検査装置の全体構成図及び光学系の配設構成図である。図１に記載の皮膚検査装置における皮膚当接手段のイメージサークル態様図及び被験者の皮膚模式図である。図１に記載の皮膚検査装置の光学手段における光学系の被写界深度詳細図である。本発明の他の実施形態に係る皮膚検査装置における全体構成図である。図４に記載の皮膚検査装置における照明用ＬＥＤ及び偏光フィルタの配置構成図である。

（本発明の一実施形態）
以下、本発明の一実施形態に係る皮膚検査装置を図１ないし図３に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係る皮膚検査装置は、被験者１００の皮膚に先端部１１を当接させる円筒状体からなる皮膚当接手段１と、この皮膚当接手段１の円筒状体に収納され、この円筒状体の先端部１１より内側に物体側焦点２１ａを位置させ、この先端部１１を被写界深度に含む光学系２１で形成される光学手段２と、この光学手段２から射出される光を電気信号に変換する撮像素子３１で形成され、この撮像素子３１を光学系２１の像側焦点２１ｂに配設してなる撮像手段３とを備える構成である。

前記皮膚当接手段１は、筒状体の先端部１１の開口幅で開口径方向に連続する少なくとも１５の被験者１００の皮膚の皮丘（平均幅０．２～０．６ｍｍ）を包含する開口寸法（約１３ｍ）で構成される。この先端部１１の開口寸法（１３ｍｍ）は、先端部１１を形成するイメージサークルに含まれる被験者１００の皮膚における皮丘の幅（平均０．２～０．６ｍｍ）、皮溝の深さ（約０．２～０．３ｍｍ）、皮溝の幅（約０．２ｍｍ）により下記の通り算出される。

開口寸法１３ｍｍ≒１５×（０．６＋０．２）＝１２ｍｍ
このイメージサークル内の被験者１００の皮膚は、図２（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）に示すように縦・横に少なくとも１５の皮丘を連続する皮膚領域を撮像対象とすることができることとなる。

このような大きな開口寸法（１３ｍｍ）の先端部１１が当接した被験者１００の皮膚は、イメージサークル内に皮膚の皮丘が少なくとも１５個を連続させた状態の広い被写体となると共に、この皮膚の中央部分を頂点として隆起した被写体を対象とすることから、先端部１１の当接近傍と中央部分との間で高低差が広い被写体の範囲で生じることとなり、この広い範囲の高低差に対応する前記光学手段２の光学系２１における被写界深度が要求されることとなる。

この光学系２１による広い範囲の撮像は、皮膚の皮丘が少なくとも１５個連続する被写体として撮像でき、被験者のまとまった多数の皮丘を相互に対比できることとなり、後段の撮像手段３で個々の皮丘の判断に加えて複数の皮丘全体のバランスを含めて被験者の皮膚を精密且つ適正に検査できることとなる。

なお、本実施形態においては、皮丘の数を少なくとも１５個連続させた範囲で広い撮像範囲とするために開口寸法を１３ｍｍとしたが、他の実証として、複数の開口寸法において実証試験を行った。
この実証試験の結果、開口寸法１５ｍｍ以上の場合は、被験者の皮膚の隆起がさらに大きくなり、また開口寸法１０ｍｍ未満の場合は被験者の皮膚の隆起が抑制されるものの連続するまとまった皮丘の数量が十分得られないという実情があった。このような実情から、被験者のまとまった多数の皮丘（少なくとも15個以上）を一度に観察することを目的とする肌検査装置においては、その開口寸法を１０ｍｍ以上１５ｍｍ未満とすることが有効との知見を得て、本実施形態においては最も望ましい１３ｍｍに特定することとした。

この被写界深度を満足する条件は、図１（Ｂ）に基づいて以下の通り求めることができる。この条件を求める前提は、イメージサークルの直径が１３ｍｍ、撮像距離が７０ｍｍ、撮像素子３１のＦＨＤ（full high definition）が２．８μｍ×２．８μｍピクセル、且つ５μｍ（０．００５ｍｍ）の許容錯乱円、光学系２１が像距離１０ｍｍ・Ｆ値５・物体距離６０ｍｍ・撮像距離７０ｍｍとする。

前記算出した被写界深度約１．８ｍｍは、皮膚当接手段１の先端部１１に対して光学手段２の光学系２１を図３中の実施例配置として示すように光学設計される。即ち、前記光学系２１の被写界深度（約１．８ｍｍ）は、皮膚当接手段１の先端部１１より光学系２１側に０．７ｍｍ偏位して物体焦点２１ａが配置され、前側被写界深度の近点が先端部１１より光学系２１側に１．６ｍｍ偏位し、後側被写界深度の遠点が先端部１１より被験者１００側に０．２ｍｍ偏位する態様となる。

このような被写界深度の配置態様により、先端部１１に当接して大きな開口により大きく隆起した被験者１００の皮膚を十分に包含できることとなり、高低差を有する皮膚の全領域に対して十分な解像範囲を確保できることとなる。

なお、前記図３に各々示すように、本実施形態に係る被写界深度（約１．８ｍｍ）に対して参考例１として被写界深度を１．０ｍｍとした場合と、参考例２として被写界深度を２．５ｍｍとした場合を示す。前記参考例１の場合は、被験者１００の隆起する皮膚中央部分を物体焦点２１ａに一致させて十分な光量で鮮明に撮像できるが、皮膚周辺部分が後側被写界深度の遠点から外れる部分を若干生じさせている。また、参考例２の場合は被験者１００の隆起する皮膚の中央部分から周辺部分まで全領域に亘って包含させることができるものの、被写界深度の近点及び遠点近傍で皮膚の表皮又は真皮が存在しない部分も包含することとなっている。従って、光学系２１の被写界深度は、１．８ｍｍ（１．６ｍｍ＋０．２ｍｍ）を中心として１．０ｍｍから２．５ｍｍ（１．９５ｍｍ＋０．５５ｍｍ）を限界値とする範囲で設計できることとなる。

前記光学手段２の光学系２１は、被写界深度１．８で検出される被験者１００の皮膚からの光を像側焦点２１ｂに結像させ、この像側焦点２１ｂに配設される撮像素子３１に入射させる。この撮像素子３１は、５．６ｍｍの幅で形成され、前記皮膚当接手段１の先端部１１におけるイメージサークルの直径１３ｍｍを１０８０ピクセル（１ピクセルが１２μｍとする。なお、７２０ピクセルの場合は、１ピクセルが１８μｍとなる。）で前記入射した光を各々光電変換する。

この撮像素子３１に入射する光の許容錯乱円は、前記設定の５μｍの場合に１．７９ピクセルで表示できる。なお、前記許容錯乱円が５．８μｍと設定した場合には、２ピクセルで表現でき、被験者１００の皮膚では２４μｍとなる。

以上のように本実施形態に係る皮膚検査装置は、大きな接写開口部となるイメージサークルの撮像を高低差を有する被験者１００の皮膚全領域に対して十分な解像度で実行できると共に、この撮像された光を正確に電気信号に変換して検出でき、被験者の皮膚の状態を高精度に検査できることとなる。

（本発明の他の実施形態）
本発明の他の実施形態に係る皮膚検査装置を図４及び図５に基づいて説明する。
各図において本実施形態に係る皮膚検査装置は、前記図１に記載の一実施形態と共通して皮膚当接手段１、光学手段２、撮像手段３を備えて構成され、前記光学手段２が光学系２１の後段に照明手段２２、物体側及び像側の各偏光板２３，２４、光拡散板２５及び遮光板２６を配設され、また前記撮像手段３が撮像レンズ３２を備える構成である。

前記照明手段２２は、光学手段２の光学系２１における光軸を中心として同一平面上に７個のＬＥＤ２２ａ、２２ｂが離隔して配設され、各々が皮膚当接手段１の先端部１１方向へ照射光を射出する構成である。この各ＬＥＤ２２ａ、２２ｂの射出方向に光拡散板２５が隣接して配設され、この光拡散板２５は前記光学系２１の光軸を中心に円形の開口部２５ａを備え、この光拡散板２５の外周の拡散部分２５ｂで各ＬＥＤ２２ａ、２２ｂの光を拡散する構成である。

この光拡散板２５による拡散光を射出する方向に物体側の偏光板２３が隣接して配設され、この物体側の偏光板２３は、光学系２１の光軸を中心とする略円形の開口部２３ａを備え、この開口部２３ａの外周３個所に切欠き部２３ｂが形成されてこの３つの切欠き部２３ｂを前記三つのＬＥＤ２２ａに対向させて配設する構成である。また、この偏光板２３は、前記４つのＬＥＤ２２ｂからの拡散光のみを直線偏光として被験者１００へ射出すると共に、他の３つのＬＥＤ２２ａからの拡散光を無偏光で被験者１００へ射出し、また、開口部２３ａから被験者１００からの反射光を光学系２１側へ射出することとなる。

前記像側の偏光板２４は、照明手段２２の背面側と光学系２１との間に配設され、光学系２１の光軸を中心とする略円形状に形成されると共に、この略円形状の外周３個所に３つの突起部２４ａを備え、前記物体側の偏光板２３の偏光方向と直交する方向に偏光させる構成である。この偏光板２４は、前記３つのＬＥＤ２２ａからの無偏光による照射光及び４つのＬＥＤ２２ｂからの直線偏光による照射光に基づいて被験者１００からの反射されるいずれの光も前記物体側の偏光板２３の偏光方向と直交する方向で透過するように偏光して光学系２１側へ射出する。

前記遮光板２６は、光学系２１と偏光板２４との間に介装され、光学系２１の光軸を中心とする開口部２６ａを備え、この開口部２６ａを介して偏光板２４で偏光された光を光学系２１へ射出する構成である。

このように構成された本実施形態においては、７つのＬＥＤ２２ａ、２２ｂで発光される光のうち、３つのＬＥＤ２２ａからの光を光拡散板２５で拡散した後に無偏光で被験者１００の皮膚に照射し、他方４つのＬＥＤ２２ｂからの光を光拡散板２５で拡散した後に偏光板２３で直線偏光として被験者１００の皮膚に照射する。このＬＥＤ２２ａからの無偏光の照射は被験者１００の皮膚における肌のキメを検出するために用いられ、ＬＥＤ２２ｂからの直線偏光の照射は被験者１００の皮膚における肌のシミを検出するために用いられる。

前記無偏光と直線偏光との二種類の照射光により検出される被験者１００の皮膚からの光を、前記図１記載の一実施例と同様の被写界深度等の条件で光学系２１が撮像手段３における撮像レンズ３２の中心に結像させ、この撮像レンズ３２から撮像素子３１へ入射される。この入射された光を撮像素子３１が光電変換して電気信号として出力できることとなる。

なお、前記偏光板２３の開口部２３ａ及び切欠き部２３ｂの内形寸法は偏光板２４の外形寸法に一致させて形成していることから、偏光板２３の製作時に切抜かれた部分の偏光シート体を９０度回転させて偏光板２４として形成することもできる。

１皮膚当接手段
２光学手段
３撮像手段
１１先端部
２１光学系
２１ａ物体焦点
２２照明手段
２２ａ，２２ｂＬＥＤ
２３偏光板
２３ａ開口部
２３ｂ切欠き部
２４偏光板
２５光拡散板
２６遮光板
２６ａ開口部
３１撮像素子
３２撮像レンズ

Claims

被験者の皮膚を撮像して皮膚の状態を検査する皮膚検査装置において、
前記被験者の皮膚に先端部を当接させる筒状体からなる皮膚当接手段と、
前記皮膚当接手段の筒状体における先端部より内側に物体焦点を位置させる光学系で形成される光学手段と、
前記光学手段から射出される光を電気信号に変換する撮像素子で形成される撮像手段とを備え、
前記皮膚当接手段が、筒状体の先端部の開口寸法を、被験者の皮膚における少なくとも１５の皮丘を包含する寸法とされ、筒状体の先端部に当接した被験者の皮膚を当該皮膚の中央部分を頂点として先端部より内側に隆起させ、
前記光学手段が、光学系の被写界深度を、前記皮膚当接手段の筒状体先端部に当接して隆起した被験者の皮膚を包含する配置とされることを
特徴とする皮膚検査装置。
前記請求項１に記載の皮膚検査装置において、
前記光学手段が、光学系の後側被写界深度の遠点を前記皮膚当接手段の筒状体先端部より被験者側に位置させることを
特徴とする皮膚検査装置。
前記請求項１または２に記載の皮膚検査装置において、
前記撮像手段が、撮像素子の前段に撮像レンズを配設し、当該撮像レンズを前記光学手段の光学系における焦点に配設することを
特徴とする皮膚検査装置。