JP4148592B2 - 複屈折測定方法及び複屈折測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複屈折測定装置及び複屈折測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の被検レンズ等の被検物に関する複屈折の測定方法としては、位相変調法や回転検光子法が知られている。これらの方法にあっては、透明な被検物に平行ビームを照射し、被検物からの透過光をフォトダイオード等の受光素子で受光し、被検物の複屈折による透過光の偏光状態の変化を検出することにより、被検物の複屈折を求めるものである。
【0003】
位相変調法では、「光技術コンタクト」Vol.27.No.3(1989年)中の「位相変調法による複屈折測定と応用」P.127〜P.134等により報告されているように、光弾性変調器(PEM)を利用して照射光を位相変調させ、透明な被検物を透過した光のビート信号と変調信号との位相から複屈折を求めるようにしている。
【0004】
回転検光子法では、「光学的測定ハンドブック」(1981年7月25日発刊、田幸敏治、辻内順平、南茂夫編、朝倉書店)中の「偏光解析」P.256〜P.265等に報告されているように、透明な被検物の背面に置いた検光子を回転させながら検光子の背面の受光素子で透過光を受光し、検光子の回転に伴う受光素子からの受光出力の変化により複屈折を求めるようにしている。
【0005】
さらに、特開平4−58138号公報、特開平7−77490号公報等によれば、拡大した平行光を透明な被検物に照射し、その透過光をCCDカメラ等の2次元センサで受光することにより、被検物の複屈折を求めるようにしており、複屈折の面計測を可能としている。
【0006】
位相変調法、回転偏光子法は、何れも、例えば細い平行ビームを被検物に照射しフォトダイオ−ドで受光する、という所謂“点計測”であるため、被検物の全面を測定するには被検物や測定装置を調整する必要があり、特にレンズのような非平板を被検物とするような場合には、被検レンズに照射した光ビームが被検レンズで屈折されるため、被検物や測定装置のセッティングが困難である。
【0007】
また、特開平4−58138号公報に開示された技術は、“面計測”であるため、被検物等の調整は不要であるものの、レーザプリンタ等で用いられる書込用レンズ(通常はfθレンズ)などのように口径の大きなレンズの場合、レンズの中央部と周縁部とで屈折力の差が大きくなり、透過後に光学的な歪みを生じやすいという問題がある。図17に示す例は、被検レンズ100とアフォーカル系を構成するように対物レンズ101を配設した測定光学系構成で、被検レンズ100に対してコリメート光(平行光)102を照射し、被検レンズ100を透過した光を対物レンズ101によりコリメートしてから測定光103として偏光素子を介して受光素子側に導き、受光素子にて受光し、その受光出力に基づき測定するものである。
【0008】
この場合、被検レンズ100の中央部分を通る光線102cと周縁部を通る光線102eとでは屈折力が異なる。この結果、両レンズ100,101の焦点を一致させて配設させた場合、たとえ対物レンズ101の収差が極めて小さい理想的なレンズであっても、被検レンズ100の周縁部分を透過する光線102eが重なり測定光103eとして受光素子側に向かうため、被検レンズ100の全面に渡って鮮明な光弾性干渉縞画像を得ることはできない。図18は図17に示したような測定光学系にて受光素子104上に得られた光弾性干渉縞105として、この画像105の端の部分105eでは重なった光線による測定光103eの影響で他の部分よりも明るくなったり、像に迷光の影響が発生している部分106が存在する例を示している。このような極端に明るくなった部分105eや迷光の影響が発生している部分106の測定が困難となる。
【0009】
また、レーザプリンタ等で用いられる光書込用レンズ200を被検レンズとする場合、実使用では、例えば図19に示すように、この光書込用レンズ200を透過する光線が光学系光軸に対して平行にならない場合が多い。図示例は、半導体レーザユニット201から出射されたレーザ光がコリメートレンズ202、ポリゴンミラー203、レンズ204,205及び光書込用レンズ200を経て感光体206面上の像面を露光走査する系である。従って、光書込用レンズ200(被検レンズ)を透過する光線が光学系光軸に対して平行になるような測定光学系の設定にて複屈折測定を実施すると、光書込用レンズ200を透通する光線の透過経路が実使用状態と大幅に異なることになる。複屈折は光線の透過経路によってその大きさが変わってくるので、光書込用レンズ200(被検レンズ)の実使用に近い状態で測定を実施することが望ましい。そして、被検レンズの透通光が光学系光軸に対して平行にならないと、偏光素子に対して斜めに入射するようになり、この偏光素子は一般に入射角依存性を有するため、測定誤差につながる。
【0010】
さらに、前述の問題を克服するために、被検レンズに光を照射する光学系と被検レンズとの間隔を任意に設定可能とし、被検レンズ透過像を観察しながら被検レンズと点光源(顕微鏡対物レンズの焦点)との間隔を調整することによって、光学的な歪みの影響の小さな被検レンズ透過像(光弾性干渉縞像)を得ることができ、これにより、被検レンズ全面に渡って正確な複屈折測定を可能にすると同時に、被検レンズの種類の変更にも容易に対応可能で汎用性を向上させ得ることが要望される。
【0011】
この点を、さらに詳細に説明すると、最近の書込光学系用レンズにおいては、主走査方向と副走査方向(走査光学系用レンズの長手方向と短手方向)とで焦点距離が異なるレンズを用いることがある。このようなレンズの複屈折を測定する場合、上述の装置にて被検レンズに軸対称の球面波を照射して、被検レンズ透過光を平行にすることは困難である。被検レンズを透過する光束が平行光束でないと、受光素子の手前に配設される偏光素子面に光が斜めに入射するが、偏光素子は面に対して光がほぼ垂直に入射しないと正常に動作しないため、測定誤差を生じてしまう。また、上述の装置においては、結像レンズを用いて被検レンズの表面近傍と受光素子面とがほぼ結像関係になる(受光素子面上で被検レンズの表面近傍にピントの合った像が得られる)ようにして測定を行なうが、被検レンズの主走査方向と副走査方向とで焦点距離が異なると、主走査と副走査とで結像位置が異なるため、受光素子上では歪んだ像が得られることとなり、被検レンズと得られる像面上での測定値との位置の対応がとれなくなる。
【0012】
そこで本発明者は、このような問題を解決することを考えた。即ち、本発明者は、第1に、光学的な歪みの影響の小さな被検レンズ透過像を得ることができ、よって、被検レンズ全面に渡って正確に複屈折測定を行うことができる上に、被検レンズの種類の変更にも容易に対応可能で汎用性を向上させ得る複屈折測定装置及び複屈折測定方法を提供することを考えた。
【0013】
ついで、本発明者は、第2に、光書込用レンズのような被検レンズの場合でも、その被検レンズの全面に渡ってより測定誤差が小さくて正確な測定を行える複屈折測定装置及び複屈折測定方法を提供することを考えた。
【0014】
さらに、本発明者は、第3に、例えば被検レンズの主走査方向と副走査方向との焦点距離が異なるような場合に、照射光学系に主走査方向と副走査方向とで焦点距離が異なるレンズによる補正光学系を付加し、被検レンズを透過した光がほぼ平行になるようにすることで、より汎用性の高い複屈折測定装置を提供することを考えた。
【0015】
加えて、本発明者は、第4に、被検レンズの焦点距離が長い場合などでも、非軸対称のレンズと軸対称の一般的なレンズとを組合わせることにより、被検レンズの種類の変更への対応の幅を広げることができ、より測定の汎用性を高めることができる複屈折測定装置を提供することを考えた。
【0016】
最後に、被検レンズの焦点距離が長い場合は被検レンズと照射光学系との間隔を大きくとらなくてはならないが、大きな間隔が必要になると装置が大型化してしまうため、被検レンズをほぼ平行平板(レンズ面の曲率が無限大)と見なして、照射光学系による照射光を予め平行光束にしてから被検レンズに照射することが考えられるが、この場合、被検レンズの全体の領域を測定しようとすると、被検レンズ全体を覆うような直径の大きな(被検レンズの口径以上)平行光束を照射させる必要がある。しかしながら、被検レンズの口径を超えるような大口径の光束全体を一様に平行化するには、複雑かつ高価な光学系を使用しなくてはならずコストがかかる。従って、受光素子側の移動による被検レンズ全体の領域分割測定が困難になる。そこで、本発明者は、第5に、被検レンズの焦点距離が長い場合でも、被検レンズを光学系光軸とほぼ垂直な方向に移動させることで被検レンズ全体の領域の分割測定を可能とする複屈折測定装置及び複屈折測定方法を提供することを考えた。
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点の少なくとも一つを解決することができる新規な複屈折測定装置及び複屈折測定方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様は、所定の偏光状態で発散光を被検レンズに照射させる照射光学系と、前記被検レンズに対する前記照射光学系の光軸方向の位置を移動調整する照射側変位手段と、前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子と、この偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させる回転手段と、この回転手段による前記偏光素子の回転角度を検知する回転角検知手段と、前記偏光素子を透過した光を受光することによって、被検レンズ透過像である光弾性干渉縞を得るアレイ状の受光素子と、前記偏光素子を透過した光を前記受光素子上に結像させる結像光学系と、前記回転角検知手段により検知された回転角度と前記受光素子により受光検出される被検レンズ透過像である光弾性干渉縞の受光出力とに基づき前記被検レンズの複屈折を算出する演算手投と、を備える複屈折測定装置である。
本発明の第二の態様は、所定位置に配設された被検レンズに対する照射光学系の光軸方向の距離を任意に調整しながら前記被検レンズに対して前記照射光学系による所定の偏光状態の発散光を照射し、前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させながらその回転角度を検知し、この偏光素子を透過した光を結像光学系によりアレイ状の受光素子のほぼ受光面上に結像させることによって、被検レンズ透過像である光弾性干渉縞を得て、検知された前記偏光素子の回転角度と前記受光素子により受光検出された被検レンズ透過像である光弾性干渉縞の受光出力とに基づき前記被検レンズの複屈折を算出するようにした複屈折測定方法である。
本発明の第三の態様は、所定の偏光状態で発散光を被検レンズに照射させる照射光学系と、前記被検レンズに対する前記照射光学系の光軸方向の位置を移動調整する照射側変位手段と、前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子と、この偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させる回転手段と、この回転手投による前記偏光素子の回転角度を検知する回転角検知手役と、前記偏光素子を透過した光を受光することによって、被検レンズ透過像である光弾性干渉縞を得るアレイ状の受光素子と、前記偏光素子を透過した光を前記受光素子のほぼ受光面上に結像させる結像倍率が可変の結像光学系と、これらの偏光素子と回転手段と受光素子と結像光学系とを受光ユニットとして一体に光軸にほぼ直交する方向に移動調整する受光側変位手段と、前記回転角検知手段により検知された回転角度と前記受光素子により受光検出される被検レンズ透過像である光弾性干渉縞の受光出力とに基づき前記被検レンズの複屈折を算出する演算手段と、を備える複屈折測定装置である。
本発明の第四の態様は、所定の偏光状態で発散光を被検レンズに照射させる照射光学系と、前記被検レンズに対する前記照射光学系の光軸方向の位置を移動調整する照射側変位手段と、前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子と、この偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させる回転手投と、この回転手段による前記偏光素子の回転角度を検知する回転角検知手投と、前記偏光素子を透過した光を受光することによって、被検レンズ透過像である光弾性干渉縞を得るアレイ状の受光素子と、前記偏光素子を透過した光を前記受光素子のほぼ受光面上に結像させる結像光学系とを1つのユニットとする複数個の受光ユニットと、前記被検レンズからの透過光を分岐して前記各受光ユニットに向けて入射させる分岐手段と、各受光ユニットにおける前記回転角検知手投により検知された回転角度と前記受光素子により受光検出される被検レンズ透過像である光弾性干渉縞の受光出力とに基づき前記被検レンズの複屈折を算出する演算手段と、を備える複屈折測定装置である。
本発明の第五の態様は、所定の偏光状態で光を被検レンズに照射させる照射光学系と、前記被検レンズに対する前記照射光学系の光軸方向の位置を移動調整する照射側変位手投と、前記被検レンズの照射側に配設されてこの被検レンズを透過した光束をほぼ平行光とさせる補正光学系と、前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子と、この偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させる回転手段と、この回転手段による前記偏光素子の回転角度を検知する回転角検知手投と、前記偏光素子を透過した光を受光することによって、被検レンズ透過像である光弾性干渉縞を得るアレイ状の受光素子と、前記偏光素子を透過した光を前記受光素子のほぼ受光面上に結像させる結像光学系と、前記回転角検知手段により検知された回転角度と前記受光素子により受光検出される被検レンズ透過像である光弾性干渉縞の受光出力とに基づき前記被検レンズの複屈折を算出する演算手段と、を備える複屈折測定装置である。
本発明の第六の態様は、所定位置で光軸に直交する方向に移動調整自在に配設された被検レンズに対する照射光学系の光軸方向の距離を任意に調整した後、前記被検レンズ上の測定対象領域に合せてこの被検レンズの光軸に直交する方向の位置を調整しながら、前記被検レンズの測定対象領域に対して前記照射光学系による所定の偏光状態の光を補正光学系を通して前記被検レンズに照射してほぼ平行光とされた透過光を出射させ、前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させながらその回転角度を検知し、この偏光素子を透過した光を結像光学系によりアレイ状の受光素子のほぼ受光面上に結像させることによって、被検レンズ透過像である光弾性干渉縞を得て、検知された前記偏光素子の回転角度と前記受光素子により受光検出された被検レンズ透過像である光弾性干渉縞の受光出力とに基づき前記被検レンズの測定対象領域の複屈折を順次算出するようにした複屈折測定方法である。
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施態様は、所定の偏光状態で発散光を被検レンズに照射させる照射光学系と、前記被検レンズに対する前記照射光学系の光軸方向の位置を移動調整する照射側変位手段と、前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子と、この偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させる回転手段と、この回転手段による前記偏光素子の回転角度を検知する回転角検知手段と、前記偏光素子を透過した光を受光するアレイ状の受光素子と、前記偏光素子を透過した光を前記受光素子上に結像させる結像光学系と、前記回転角検知手段により検知された回転角度と前記受光素子により受光検出される受光出力とに基づき前記被検レンズの複屈折を算出する演算手投と、を備える複屈折測定装置を主要な特徴とする。
【0018】
本発明の第2の実施態様は、偏光素子と結像光学系と受光素子とを一体として光軸にほぼ直交する方向に移動調整する受光側変位手段を備える本発明の第1の実施態様の複屈折測定装置を主要な特徴とする。
【0019】
本発明の第3の実施態様は、受光側変位手段による移動距離を検知する距離検知手段を備える本発明の第2の実施態様の複屈折測定装置を主要な特徴とする。
【0020】
本発明の第4の実施態様は、偏光素子と結像光学系と受光素子とを一体として被検レンズからの透過光の進行方向に対する角度を可変する角度可変手段と、その角度を検知する角度検知手段とを備える本発明の第1、2又は3の実施態様の複屈折測定装置を主要な特徴とする。
【0021】
本発明の第5の実施態様は、被検レンズの周縁部分を透過する光を遮光する遮光部材と、この遮光部材の位置を移動させる遮光部材移動手段とを備える本発明の第1、2、3又は4の実施態様の複屈折測定装置を主要な特徴とする。
【0022】
本発明の第6の実施態様は、所定位置に配設された被検レンズに対する照射光学系の光軸方向の距離を任意に調整しながら前記被検レンズに対して前記照射光学系による所定の偏光状態の発散光を照射し、前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させながらその回転角度を検知し、この偏光素子を透過した光を結像光学系によりアレイ状の受光素子のほぼ受光面上に結像させ、検知された前記偏光素子の回転角度と前記受光素子により受光検出された受光出力とに基づき前記被検レンズの複屈折を算出するようにした複屈折測定方法を主要な特徴とする。
【0023】
本発明の第7の実施態様は、偏光素子と結像光学系と受光素子とが一体として光軸にほぼ直交する方向に移動調整自在であり、被検レンズ上の測定対象領域に合わせて移動調整するようにした本発明の第6の実施態様の複屈折測定方法を主要な特徴とする。
【0024】
本発明の第8の実施態様は、偏光素子と結像光学系と受光素子とが一体として被検レンズからの透過光の進行方向に対して角度可変自在であり、被検レンズ上の測定対象領域を透過する光の角度に合わせて角度調整するようにした本発明の第6又は7の実施態様の複屈折測定方法を主要な特徴とする。
【0025】
本発明の第9の実施態様は、被検レンズの周縁部分を透過する光を遮光する遮光部材を備え、周縁部分を透過して発生する迷光がなくなるように前記遮光部材の位置を任意に調整設定するようにした本発明の第6、7又は8の実施態様の複屈折測定方法を主要な特徴とする。
【0026】
本発明の第10の実施態様は、所定の偏光状態で発散光を被検レンズに照射させる照射光学系と、前記被検レンズに対する前記照射光学系の光軸方向の位置を移動調整する照射側変位手段と、前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子と、この偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させる回転手段と、この回転手投による前記偏光素子の回転角度を検知する回転角検知手役と、前記偏光素子を透過した光を受光するアレイ状の受光素子と、前記偏光素子を透過した光を前記受光素子のほぼ受光面上に結像させる結像倍率が可変の結像光学系と、これらの偏光素子と回転手段と受光素子と結像光学系とを受光ユニットとして一体に光軸にほぼ直交する方向に移動調整する受光側変位手段と、前記回転角検知手段により検知された回転角度と前記受光素子により受光検出される受光出力とに基づき前記被検レンズの複屈折を算出する演算手段と、を備える複屈折測定装置を主要な特徴とする。
【0027】
本発明の第11の実施態様は、所定の偏光状態で発散光を被検レンズに照射させる照射光学系と、前記被検レンズに対する前記照射光学系の光軸方向の位置を移動調整する照射側変位手段と、前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子と、この偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させる回転手投と、この回転手段による前記偏光素子の回転角度を検知する回転角検知手投と、前記偏光素子を透過した光を受光するアレイ状の受光素子と、前記偏光素子を透過した光を前記受光素子のほぼ受光面上に結像させる結像光学系とを1つのユニットとする複数個の受光ユニットと、前記被検レンズからの透過光を分岐して前記各受光ユニットに向けて入射させる分岐手段と、各受光ユニットにおける前記回転角検知手投により検知された回転角度と前記受光素子により受光検出される受光出力とに基づき前記被検レンズの複屈折を算出する演算手段と、を備える複屈折測定装置を主要な特徴とする。
【0028】
本発明の第12の実施態様は、各受光ユニットは、被検レンズの異なる被測定領域からの透過光を各々受光するように分岐手段に対して配設されている本発明の第11の実施態様の複屈折測定装置を主要な特徴とする。
【0029】
本発明の第13の実施態様は、各結像光学系は、各受光ユニット毎に独立して結像倍率が可変自在である本発明の第11又は12の実施態様の複屈折測定装置を主要な特徴とする。
【0030】
本発明の第14の実施態様は、結像光学系は、被検レンズからの透過光を受光素子のほぼ受光面上に結像させたときに得られる前記被検レンズの透過像に基づき結像倍率が自動設定される本発明の第10又は13の実施態様の複屈折測定装置を主要な特徴とする。
【0031】
本発明の第15の実施態様は、所定の偏光状態で光を被検レンズに照射させる照射光学系と、前記被検レンズに対する前記照射光学系の光軸方向の位置を移動調整する照射側変位手投と、前記被検レンズの照射側に配設されてこの被検レンズを透過した光束をほぼ平行光とさせる補正光学系と、前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子と、この偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させる回転手段と、この回転手段による前記偏光素子の回転角度を検知する回転角検知手投と、前記偏光素子を透過した光を受光するアレイ状の受光素子と、前記偏光素子を透過した光を前記受光素子のほぼ受光面上に結像させる結像光学系と、前記回転角検知手段により検知された回転角度と前記受光素子により受光検出される受光出力とに基づき前記被検レンズの複屈折を算出する演算手段と、を備える複屈折測定装置を主要な特徴とする。
【0032】
本発明の第16の実施態様は、前記補正光学系は、光学特性の異なる複数の光学素子の組み合わせよりなる本発明の第15の実施態様の複屈折測定装置を主要な特徴とする。
【0033】
本発明の第17の実施態様は、前記被検レンズをその光軸に直交する方向に移動調整するレンズ変位手段を備える本発明の第15又は16の実施態様の複屈折測定装置を主要な特徴とする。
【0034】
本発明の第18の実施態様は、所定位置で光軸に直交する方向に移動調整自在に配設された被検レンズに対する照射光学系の光軸方向の距離を任意に調整した後、前記被検レンズ上の測定対象領域に合せてこの被検レンズの光軸に直交する方向の位置を調整しながら、前記被検レンズの測定対象領域に対して前記照射光学系による所定の偏光状態の光を補正光学系を通して前記被検レンズに照射してほぼ平行光とされた透過光を出射させ、前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させながらその回転角度を検知し、この偏光素子を透過した光を結像光学系によりアレイ状の受光素子のほぼ受光面上に結像させ、検知された前記偏光素子の回転角度と前記受光素子により受光検出された受光出力とに基づき前記被検レンズの測定対象領域の複屈折を順次算出するようにした複屈折測定方法を主要な特徴とする。
【0035】
上記のように構成された画像形成装置は、本発明の第1の実施態様の複屈折測定装置及び本発明の第6の実施態様の屈折測定方法によれば、基本的には、回転検光子法に準じて、被検レンズを透過した透過光をその偏光状態を変化させる偏光素子に入射させ、この偏光素子を回転させながらアレイ状の受光素子で受光検出させることにより被検レンズの複屈折を算出するが、被検レンズに発散光を照射する照射光学系と被検レンズとの間隔を任意に設定可能とし、被検レンズ透過像を観察しながら被検レンズと照射光学系との間隔を調整することにより光学的な歪みの影響の小さい被検レンズ透過像である光弾性干渉縞が得られるようにしたので、被検レンズ全面に渡って正確に複屈折測定を行うことができ、同時に、被検レンズの種類の変更にも容易に対応でき、汎用性の高い複屈折測定装置又は方法を提供することができる。
【0036】
本発明の第2及び3の実施態様の複屈折測定装置及び本発明の第7の実施態様の複屈折測定方法によれば、偏光素子と結像光学系と受光素子とを一体として光軸にほぼ直交する方向、即ち、被検レンズの長手方向に移動させて分割しながら測定できるようにしたので、被検レンズ全体の複屈折の測定を分解能が低下することなく安価に実現することができる。
【0037】
本発明の第4の実施態様の複屈折測定装置及び本発明の第8の実施態様の複屈折測定方法によれば、被検レンズが光書込用に用いられる走査レンズのような場合であっても、基本的に、被検レンズと照射光学系との間隔を任意に設定し得る構成によって実使用に近い状態に測定系を設定し得る上に、被検レンズの透過光の進行方向に対して偏光素子等を一体として角度調整することで垂直に近い状態で入射させることができ、より正確な測定を行うことができる。
【0038】
本発明の第5の実施態様の複屈折測定装置及び本発明の第9の実施態様の複屈折測定方法によれば、被検レンズの周縁部分を透過した光が迷光として受光素子に入射すると、測定の邪魔となり得るが、このような周縁部分に対して遮光部材を設けたので、迷光の影響をなくすことができ、測定不能領域をなくし、よって、被検レンズ全面に渡って測定可能とすることができ、特に、遮光部材を遮光部材移動手段により適宜移動させることにより、被検レンズに即した形で完全に迷光の影響を除去することができる。
【0039】
本発明の第10の実施態様によれば、所定の偏光状態で発散光を被検レンズに照射させる照射光学系と、前記被検レンズに対する前記照射光学系の光軸方向の位置を移動調整する照射側変位手段と、前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子と、この偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させる回転手段と、この回転手投による前記偏光素子の回転角度を検知する回転角検知手役と、前記偏光素子を透過した光を受光するアレイ状の受光素子と、前記偏光素子を透過した光を前記受光素子のほぼ受光面上に結像させる結像倍率が可変の結像光学系と、これらの偏光素子と回転手段と受光素子と結像光学系とを受光ユニットとして一体に光軸にほぼ直交する方向に移動調整する受光側変位手段と、前記回転角検知手段により検知された回転角度と前記受光素子により受光検出される受光出力とに基づき前記被検レンズの複屈折を算出する演算手段とを備えることとするので、本発明の第1の実施態様の作用ならびに効果が得られる他、一般に、偏光素子や受光素子にはサイズ(素子の面積)に制約があり、光書込系に使用するレンズのように口径の大きいレンズ全体からの透過光を受光するには一般的な偏光素子や受光素子を用いたのではサイズ的に困難であり、サイズの大きな偏光素子や受光素子を用いるとなるとその製造コストが嵩む。かといって、一般的な偏光素子や受光素子のサイズに合わせて被検レンズ全体からの透過光を光学的に締小させると、光学系が複雑になる上に、光弾性干渉縞の空間像が小さくなり、その分、測定の空間的な分解能が低下してしまう。この点、偏光素子と結像光学系と受光素子とを受光ユニットとして一体に光軸にほぼ直交する方向、即ち、被検レンズの長手方向に移動させて分割しながら測定できるので、被検レンズ全体の複屈折の測定を分解能が低下することなく安価に実現できる。この際、幾つかの被検レンズを測定したり、1つの被検レンズに関して幾つかの被測定領域に分けて測定したりする場合、被検レンズによって或いは被検レンズの場所によって複屈折の発生する状態が異なることがある。特に、干渉縞の間隔が複屈折の発生状態によって異なってくるため、干渉縞の間隔が受光素子の最小単位画素の大きさに近くなるか或いは狭くなった領域では、測定の信頼性が低下する。この点、結像光学系の結像倍率が可変であるので、被検レンズによって、或いは、被検レンズの場所によって異なる複屈折の発生状態に合わせて、その結像倍率を最適に設定することにより、複屈折の発生状態に拘らず正確な測定を行える。つまり、被検レンズ全面に渡って正確に複屈折測定を行うことができ、同時に、被検レンズの種類の変更にも容易に対応でき、汎用性の高い複屈折測定装置を供することができる上に、被検レンズによって、或いは、被検レンズの場所によって異なる複屈折の発生状態に合わせて、結像光学系の結像倍率を最適に設定することにより、複屈折の発生状態に拘らず正確な測定を行わせることができる。
【0040】
本発明の第11の実施態様によれば、基本的には、本発明の第10の実施態様と同様であるが、複数の受光ユニットを設けており、被検レンズからの透過光を分岐手段により分岐して各受光ユニットに向けて入射させるので、被検レンズが光書込系に使用するレンズのように口径の大きいレンズのような場合であっても、分解能を低下させず、かつ、受光ユニット側を移動させることなく被検レンズ全体を同時に測定することが可能となる。つまり、複数の受光ユニットを備えているので、受光ユニット側を移動させることなく被検レンズ全体を同時に測定することができる。
【0041】
本発明の第12の実施態様は、本発明の第11の実施態様の複屈折測定装置の各受光ユニットが、被検レンズの異なる被測定領域からの透過光を各々受光するように分岐手段に対して配設されているので、被検レンズ全体の同時測定を効率及び操作性よく行える。
【0042】
本発明の第13の実施態様によれば、1つの被検レンズを幾つかの被測定領域に分けて同時に測定する場合、同一の被検レンズにおいても、例えば、レンズ中心付近とレンズ周縁部分とでは、レンズ成形における温度の冷却速度が異なることから複屈折の発生の仕方が異なることが多い。このため、例えばレンズの中心付近では光弾性干渉縞の間隔が広く、周縁部分では光弾性干渉縞の間隔が狭く発生する場合があり、干渉縞の間隔が受光素子の画素サイズに近くなり或いは画素サイズよりも狭くなった領域では測定の信頼性が低下してしまう。この点、各結像光学系の結像倍率は、各受光ユニット毎に独立して可変自在であるので、被検レンズによって、或いは、被検レンズの被測定領域における場所によって異なる複屈折の発生状態に合わせて、各受光ユニット毎に結像倍率を最適に設定することにより、複屈折の発生の状態に拘らずより正確な測定を行える。
【0043】
本発明の第14の実施態様によれば、被検レンズからの透過光を受光素子のほぼ受光面上に結像させたときに得られる被検レンズの透過像に基づき結像倍率が自動設定される。適正な結像倍率が実際の被検レンズからの透過像における干渉縞の間隔データ等に基づき自動的に設定されるので、測定装置としての操作性が向上する上に結像倍率の適正化を図ることもできる。
【0044】
本発明の第15の実施態様によれば、基本的には、回転検光子法に準じて、被検レンズを透過した透過光の偏光状態を変化させる偏光素子に入射させ、この偏光素子を回転させながらアレイ状の受光素子で受光検出させることにより被検レンズの複屈折を算出するが、被検レンズに発散光を照射する照射光学系と被検レンズとの間隔を任意に設定可能とし、被検レンズ透過像を観察しながら被検レンズと照射光学系との間隔を調整することにより光学的な歪みの影響の小さい被検レンズ透過像なる光弾性干渉縞が得られるので、被検レンズ全面に渡って正確に複屈折測定を行える。このとき、被検レンズが主走査方向と副走査方向との焦点距離が異なるような場合であっても、照射光学系の後段に例えば主走査方向と副走査方向とで焦点距離が異なるレンズによる補正光学系を付加し、被検レンズを透過した光束がほぼ平行になるようにすることで、偏光素子以降の光学素子の正常動作を損なうことなく上記の複屈折測定が可能となり、汎用性が高まる。
【0045】
本発明の第16の実施態様は、本発明の第15の実施態様の複屈折測定装置における前記補正光学系は、光学特性の異なる複数の光学素子の組み合わせよりなるので、被検レンズが主走査方向と副走査方向とで焦点距離が異なる場合に限らず、焦点距離が長い場合であっても、例えば、非軸対称のレンズと軸対称の通常のレンズとの組み合わせのように、光学特性の異なる複数の光学素子により補正光学系を構成することにより、被検レンズの種類の変更への対応も自在となり、汎用性が高まる。
【0046】
本発明の第17の実施態様は、本発明の第15又は16の実施態様の複屈折測定装置において、前記被検レンズをその光軸に直交する方向に移動調整するレンズ変位手段を備えるので、被検レンズの焦点距離が長い場合であっても、被検レンズをその光軸に直交する方向に移動させることにより、被検レンズ全体の領域の分割測定が可能となる。これにより、被検レンズ全体の複屈折の測定を分解能が低下することなく安価に実現できる。
【0047】
本発明の第18の実施態様の複屈折測定方法は、所定位置で光軸に直交する方向に移動調整自在に配設された被検レンズに対する照射光学系の光軸方向の距離を任意に調整した後、前記被検レンズ上の測定対象領域に合せてこの被検レンズの光軸に直交する方向の位置を調整しながら、前記被検レンズの測定対象領域に対して前記照射光学系による所定の偏光状態の光を補正光学系を通して前記被検レンズに照射してほぼ平行光とされた透過光を出射させ、前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させながらその回転角度を検知し、この偏光素子を透過した光を結像光学系によりアレイ状の受光素子のほぼ受光面上に結像させ、検知された前記偏光素子の回転角度と前記受光素子により受光検出された受光出力とに基づき前記被検レンズの測定対象領域の複屈折を順次算出するようにしたので、基本的には、回転検光子法に準じて、被検レンズを透過した透過光の偏光状態を変化させる偏光素子に入射させ、この偏光素子を回転させながらアレイ状の受光素子で受光検出させることにより被検レンズの複屈折を算出するが、被検レンズに発散光を照射する照射光学系と被検レンズとの間隔を任意に設定可能とし、被検レンズ透過像を観察しながら被検レンズと照射光学系との間隔を調整することにより光学的な歪みの影響の小さい被検レンズ透過像なる光弾性干渉縞が得られるので、被検レンズ全面に渡って正確に複屈折測定を行える。このとき、被検レンズが主走査方向と副走査方向との焦点距離が異なるような場合であっても、照射光学系の後段に例えば主走査方向と副走査方向とで焦点距離が異なるレンズによる補正光学系を付加し、被検レンズを透過した光束がほぼ平行になるようにすることで、偏光素子以降の光学素子の正常動作を損なうことなく上記の複屈折測定が可能となり、汎用性が高まる。加えて、被検レンズの焦点距離が長い場合であっても、被検レンズをその光軸に直交する方向に移動させることにより、被検レンズ全体の領域の分割測定が可能となる。これにより、被検レンズ全体の複屈折の測定を分解能が低下することなく安価に実現できる。
【0048】
本発明の第一の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。本実施の形態で測定対象とする被検レンズ1は図示しないホルダにより保持される。このような被検レンズ1に対して、まず、所定の偏光状態で光を被検レンズ1に照射させる照射光学系2が設けられている。この照射光学系2はランダム偏光の光ビームを発する光源であるHe−Neレーザ3と、光量調整用のNDフィルタ4と、偏向用のミラー5,6と、He−Neレーザ3からの光を直線偏光に変換する偏光板7と、この偏光板7による直線偏光を円偏光に変換するλ/4板8と、レンズ9と、ピンホール10とにより構成されている。レンズ9は、顕微鏡における対物レンズと同等の役目を果たすもので、被検レンズ1に対して発散光を照射する。ピンホール10は空間フィルタとして作用する。これらのレンズ9とピンホール10とは光軸方向に移動可能なステージ11に搭載されており、このステージ11を駆動するためのステッピングモータ(図示せず)の回転により光軸方向に進退移動する。ここに、ステージ11とステッピングモータ等とにより照射側変位手段が構成されており、被検レンズ1に対するレンズ9の光軸方向の位置(距離)が調整自在とされている。また、このステッピングモータには回転原点位置センサが設けられており、レンズ9と被検レンズ1との距離を予め所定距離に設定し、その状態をステージ11の移動原点としておけば、ステッピングモータに供給するパルス数を計数することで、ステージ11の移動に伴うレンズ9と被検レンズ1との距離の変化を検知できる(実際には、後述するパソコン中でのパルス数の計数動作に基づきこの距離が検知される…距離検知手段)。
【0049】
また、被検レンズ1の透過出射側の光軸上には、その透過光を受光するアレイ状の受光素子としてCCDカメラ12が設けられている。被検レンズ1とCCDカメラ12との間には結像光学系13が設けられている。この結像光学系13は、被検レンズ1を透過することでその複屈折により円偏光に近い楕円偏光となった光束を直線偏光に近い楕円偏光に変換するλ/4板14と、偏光素子としての偏光板15とを経た光をCCDカメラ12に結像させるレンズ16により構成されている。このレンズ16は被検レンズ1の表面近傍とCCDカメラ12との間でほぼ結像関係が設立するようにその位置が予め調整されている。また、レンズ16は材質的にはガラスレンズのようにその内部の複屈折が十分に除去されたものが用いられている。
【0050】
また、λ/4板14と偏光板15とに対しては、各々ほぼ光の進行方向回りに回転させるステッピングモータ17,18及びギヤ系19,20が回転手段21として設けられている。これらのステッピングモータ17,18には回転原点位置センサ(図示せず)が取り付けられており、ステッピングモータ17,18のパルス数を計数することによりλ/4板14、偏光板15各々の回転角度の検知が可能とされている(実際には、後述するパソコン中でのパルス数の計数動作に基づきλ/4板14、偏光板15各々の回転角度が検知される…回転角検知手段)。22はこれらのステッピングモータ17,18を駆動するモータドライバであり、パソコン23及びパルス発生器24からのパルスを受けてステッピングモータ17,18を駆動する。
【0051】
また、CCDカメラ12により撮像された画像データは、画像入力器25を通してパソコン23のメモリ中に取り込まれ、該画像データ及びステッピングモータ17,18の回転角度データを基に、所定の演算方法によって被検レンズ1の複屈折位相差及び主軸方位が計算される。このパソコン23中に含まれるCPUを始めとする演算処理機能により被検レンズ1の複屈折を算出する演算手段としての機能が実行される。ちなみに、CCDカメラ12により撮像された画像はパソコン23のモニタ或いは専用のモニタに表示される。
【0052】
このような構成において、本実施の形態の場合の複屈折測定装置の設定状態について説明する。まず、偏光板7の方位は紙面に対して水平な方向に設定され、λ/4板8の方位は紙面に対して45度に設定されており、被検レンズ1に円偏光を照射し得る設定とされる。測定を行う前に、例えばλ/4板14の方位を紙面に水平な方向に対して45度に設定し、被検レンズ1をセットしていない状態で、偏光板15の方位を回転させながらこの偏光板15からの透過光強度が最も小さくなる(透過光が最も暗くなる)ように偏光板15の方位角度を設定する。この方位角度を測定における回転原点として記憶させておく。この場合、被検レンズ1の位置に、通常、複屈折が殆どないガラスレンズを仮にセットして、偏光板15、CCDカメラ12に入射する光線をコリメートするようにしてもよい。レンズ9と被検レンズ1との距離については、例えば、レンズ9と被検レンズ1とが物理的に最も接近する状態を移動原点としておき、この移動原点からステージ11を移動させることで、レンズ9と被検レンズ1との距離を検知できる。本実施の形態では、レンズ9の焦点と被検レンズ1の焦点とをほぼ一致させた状態での測定例を示す。この状態では、通常、被検レンズ1の透過光はほぼ平行光となるが、図18で説明したように被検レンズの周縁からの光線が重なって観察されたり、被検レンズの透過像が歪んで観察される場合には、被検レンズ1の透過像を観察しながら、レンズ9と被検レンズとの距離を調整することにより光線の重なりを取り除ける。
【0053】
また、書込光学系に関しては、光線が走査ミラーで反射される位置を、図1におけるレンズ9の焦点位置と想定し、書込光学系における走査ミラー面と被検レンズとの距離に相当する間隔位置に、レンズ9と被検レンズ1とを設定すれば、被検レンズ1内の光線の透過経路に関して実使用に、より近い状態での測定が可能となる。また、書込光学系が何枚かのレンズにより構成されている場合は、さらに、実使用に近付けるため、書込光学系を構成する他のレンズを光軸上に配設させるようにしてもよい。
【0054】
実際の測定に際しては、まず、被検レンズ1をホルダで保持させて所定の位置にセットし、λ/4板14の方位が紙面に平行な方向に対して45度の状態で、偏光板15を回転原点位置から(180/n)度ずつ回転させる。nは予め設定された測定ポイント数である。そこで、偏光板15が(180/n)度回転する毎にCCDカメラ12で読み取ったCCD画像データをパソコン23のメモリに取り込んで、偏光板15の回転角度データとn枚のCCD画像データとを取得する。次に、λ/4板14の方位を紙面に平行な方向に対して0度にセットし、前述した場合と同様に、偏光板15を回転原点位置から(180/n)度ずつ回転させながら、CCD画像データをパソコン23のメモリに取り込んで偏光板15の回転角度データとn枚のCCD画像データとを取得する。このようにしてパソコン23で取得した2n枚のCCD画像データと偏光板15の回転角度データとを基に、演算手段によって、以下の手順で演算処理することで、被検レンズ1の複屈折を求める。
【0055】
いま、図1に示す測定装置における光学系での偏光状態の変化の様子をミューラマトリックスを用いて表すものとする。被検レンズ1に入射する円偏光のミューラマトリックスをL、被検レンズ1のミューテマトリックスをT、λ/4板14のミューラマトリックスをQ、偏光板15のミューラマトリックスをAとし、ストークスパラメータSを求める。
【0056】
まず、λ/4板14の方位を紙面に平行な方向に対して45度にセットしたときのストークスパラメータS45は、(1)式で表される。
【0057】
【数1】
【0058】
(1)式より、CCDカメラ12に得られる光強度I45は(2)式のようになる。
【0059】
【数2】
【0060】
(1)(2)式において、θは偏光板15の主軸方位、δは被検レンズ1の複屈折位相差、φは被検レンズ1の主軸方位である。
【0061】
偏光板15をステッピングモータ18により回転させると、これらの式中のθが変化し、CCDカメラ12で得られる(2)式の光強度I45が変化する。図2に偏光板15の主軸方位の回転に伴う光強度I45の変化の様子を示す。但し、縦軸の光強度I45の値は最大値を1、最小値を0で正規化してある。
【0062】
ここで、偏光板15の回転角度読取りの解像カをR(ステッピングモータ18の1パルスに相当する回転角度)とすると、偏光板15の主軸方位の回転に伴う光強度変化の位相φ45は、実測のCCD画像データと偏光板15の回転角データとから(3)式のように求められる。
【0063】
【数3】
【0064】
次に、λ/4板14の方位を紙面に水平な方向に対して0度にセットしたときのストークスパラメータSoは、(4)式で表される。
【0065】
【数4】
【0066】
(4)式より、CCDカメラ12に得られる光強度I0は(5)式のようになる。
【0067】
【数5】
【0068】
(4)(5)式においても、θは偏光板15の主軸方位、δは被検レンズ1の複屈折位相差、φは被検レンズ1の主軸方位である。
【0069】
偏光坂15の主軸方位の回転に伴う光強度変化の位相φ0は、(3)式の場合と同様にして、(6)式のように求められる。
【0070】
【数6】
【0071】
(2)式及び(5)式を変形して、位相φ45,φ0を求めると、(7)(8)式で表される。
【0072】
【数7】
【0073】
よって、(3)(6)(7)(8)式から、(9)(10)式のように位相差δ、主軸方位φを求めることができる。
【0074】
【数8】
【0075】
従って、本実施の形態によれば、基本的には、回転検光子法に準じて、被検レンズ1を透過した透過光をその偏光状態を変化させる偏光板15に入射させ、この偏光板15を回転させながらCCDカメラ12で受光検出させることにより被検レンズ1の複屈折を算出するが、被検レンズ1に発散光を照射する照射光学系2のレンズ9と被検レンズ1との間隔を任意に設定可能としており、被検レンズ透過像を観察しながら被検レンズ1とレンズ9との間隔を調整することにより光学的な歪みの影響の小さい被検レンズ透過像なる光弾性干渉縞を得ることができ、被検レンズ1の全面に渡って正確に複屈折測定を行うことができる。同時に、被検レンズ1の種類の変更にも容易に対応でき、汎用性の高い複屈折測定装置又は方法となる。
【0076】
本発明の第二の実施の形態を図3及び図4に基づいて説明する。前記第一の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。本実施の形態では、λ/4板14、偏光板15、レンズ16、CCDカメラ12及び回転手段21がベース31に搭載され、ガイド32により測定光学系の光軸に対してほぼ直交する方向(図面上、矢印で示す上下方向)に移動自在とされている。このベース31はステッピングモータ33により変位駆動される。ここに、これらのベース31、ガイド32、ステッピングモータ33等により、偏光板15とレンズ16とCCDカメラ12とを一体として光軸に直交する方向に移動調整する受光側変位手段34が構成されている。
【0077】
このような構成において、図3における測定光学系では、レンズ16により被検レンズ1の近傍とCCDカメラ12の撮像面とが結像関係にあるものとする。このため、被検レンズ1の複屈折により被検レンズ1の近傍に発生した光弾性干渉縞の空間像が、偏光板15を介してCCDカメラ12により撮像されることになるが、被検レンズ1を照射した発散光は被検レンズによってほぼコリメートされているため、被検レンズ1近傍に発生する光弾性干渉縞の空間像は被検レンズ1とほぼ同じサイズ(面積)になる。
【0078】
一方、測定光学系を構成するλ/4板14、偏光板15はそのサイズ(面積)が最大でも直径50mm程度であり、それを超えるサイズの光弾性干渉縞の空間像を一度に透過させることはできない。この結果、被検レンズ1の口径が大きくなると、被検レンズ1全面にわたる複屈折の測定が不可能となる。この点、光弾性干渉縞の空間像を一旦縮小させてからλ/4板14、偏光板15を透過させるようにしてもよいが、この場合、測定光学系が複雑になる上に、光弾性干渉縞の空間像も小さくなるので、測定における空間的な分解能が落ち、被検レンズ1の複屈折が大きい場合などは、光弾性干渉縞の縞間隔がCCDカメラ12のサイズよりも狭くなってしまい、測定自体不可能になることもある。
【0079】
このため、本実施の形態では、λ/4板14以降の光学系素子を一体にして、光学系光軸にほぼ直交する方向に移動させることで、被検レンズ1とほぼ同じサイズを持つ光弾性干渉縞の空間像を部分的に幾つかに分割してCCDカメラ12で観察することで、測定を行うものである。例えば、図4に示すように、まず、被検レンズ1の被測定領域E1が観察できるようにステッピングモータ33によりベース31を移動させ、この状態で前記実施の形態で前述したように位相差及び主軸方位を測定する。続いて、被検レンズ1の被測定領域E2が観察できるようにステッピングモータ33によりベース31を移動させ、この状態で同様に位相差及び主軸方位を測定し、さらに、被検レンズ1の被測定領域E3が観察できるようにステッピングモータ33によりベース31を移動させ、この状態で同様に位相差及び主軸方位を測定すればよい。
【0080】
なお、本実施の形態において、被検レンズ1の被測定領域を決定する際は、例えば、ベース31を移動させながら、CCDカメラ12で撮像しモニタした光弾性干渉縞を観察することで、適当な領域を選択するようにしてもよい。或いは、ステッピングモ−タ33に回転原点位置センサを取り付け、このステッピングモータ33に供給するパルス数によりベース31の移動距離を検知できる構成とし、予め被測定領域を決定しておき、その領域を観察できる位置までベース31を自動的に移動させるようにしてもよい。後者の場合、実際にはパソコン23中でのパルス数の計数動作に基づきベース31(従って、偏光板15等)の移動距離が検知される(距離検知手段)。
【0081】
このようにして、本実施の形態によれば、分解能を低下させることなく、被検レンズ1全体の複屈折測定が可能となる。
【0082】
本発明の第三の実施の形態を図5に基づいて説明する。本実施の形態では、偏光板15、レンズ16等を搭載したベース31が角度可変手段となる回転ステージ35に搭載されて設けられている.これにより、偏光板15等は被検レンズ1からの透過光の進行方向に対する角度を可変可能とされている。また、特に図示しないが、この回転ステージ35による偏光板15等の向き(角度)を検知する角度検知手段が設けられている。
【0083】
前述のように、レンズの焦点と被検レンズ1の焦点とをほぼ一致させた場合、被検レンズ1の透過光は被検レンズ1の全面に渡って光学系光軸に対してほぼ平行となるため、λ/4板14や偏光板15の向きを回転させる必要はない。しかし、被検レンズ1が非球面である場合や、図19で例示したような光書き込み系における実使用状態により近付けるために、レンズ9と被検レンズ1との間隔を上記設定(両焦点位置がほぼ一致する設定)からずらした場合においては、被検レンズ1を透過した光が光学系光軸に対して平行にならず、光学系光軸に対する光線の進行角度が被検レンズ1の被測定領域によって異なることになる。また、λ/4板14や偏光板15には、光線の入射角度依存性があり、素子面に対して光線が垂直に入射しないと所定の機能を果たさず、測定誤差の一因となる。そこで、本実施の形態では、このような状況下では、λ/4坂14、偏光板15、レンズ16及びCCDカメラ12を回転ステージ35によって一体に回転させることで、被検レンズ1を透過する光にこれらの光学素子を正対させるようにしたものである。
【0084】
ちなみに、厳密には、一度に観察可能な部分的な被測定領域内においても、場所によっては光線の進行角度が多少異なるが、このような部分的な被測定領域における平均的な光線の進行角度に対して偏光板15の素子面が垂直(正対)するように回転ステージ35を回転させることで、より誤差の少ない測定が可能となる。また、光学系光軸に対する光線の進行角度については、例えば、光線追跡シミュレーションによって、予め、被検レンズ透過後の被検レンズ1のレンズ高さ毎での角度が求められるので、被検レンズ1の形状、或いは、測定光学系の設定を基に、部分的な被測定領域における平均的な光線の進行角度を求めておけばよい。さらに、トロイダル面のような、主・副方向で各々曲率が異なる被検レンズの場合であれば、ベース31に回転ステージ35のような回転機溝の他に、あおり機構を設けておき、3次元的に上記と同様な操作を行わせるようにすればよい。
【0085】
従って、本実施の形態によれば、被検レンズ1が光書込用に用いられる走査レンズのような場合であっても、基本的に、被検レンズ1とレンズ9との間隔を任意に設定できる構成によって実使用に近い状態に測定系を設定し得る上に、被検レンズ1の透過光の進行方向に対して偏光板15等を一体として角度調整することで垂直に近い状態で入射させることができ、より正確な測定が可能となる。
【0086】
本発明の第四の実施の形態を図6及び図7に基づいて説明する。本実施の形態は、前述したような各実施の形態において用いられる被検レンズ1が、口径の大きいものや、図6に示すようにその周縁部分に平坦部1aを有するようなものを想定している。
【0087】
このような想定の下、本実施の形態では、被検レンズ1を保持するホルダ41において、この被検レンズ1の周縁部分を透過する光を遮光する遮光部材42が設けられている。この遮光部材42はホルダ41上のガイド43に沿って移動自在で遮光部材移動手段となるステージ44に搭載されており、被検レンズ1に対する遮光部材42の位置を光軸に直交する方向に可変調整自在とされている。
【0088】
このような構成において、口径の大きな被検レンズや周縁部分に平坦部を有するような被検レンズの場合、被検レンズ1の周縁部分からの透過光線が重なったり、迷光となって測定系側に向かうことで、測定の邪魔になることがある。この点、本実施の形態では、このような被検レンズ1の周縁部分に対して遮光部材42を設けて周縁部分を透過する光を遮光するようにしているので、測定の邪魔になるような光の影響を受けることがない。被検レンズ1の平坦部1a等の迷光を発生させるような部分は、一般に、レンズとして無効領域である場合が多く、測定の必要がないことが多いので、このような部分に遮光部材42を設けることで本来の測定に支障を来すこともない。
【0089】
測定の邪魔になるような光を遮光しようとする場合、光弾性干渉縞の空間像をモニタしながら、遮光部材42を搭載したステージ44を光学系光軸とほぼ垂直な方向(図7中に矢印で示す方向)に移動させて、迷光の影響が消えるようなステージ44の位置を探せばよい。この場合のモニタ像はCCDカメラ12で観察してもよく、或いは、より簡易的なスクリーンに投影させるようにしてもよい。
【0090】
従って、本実施の形態によれば、被検レンズ1の周縁部分を透過した光が迷光としてCCDカメラ12に入射すると、測定の邪魔となり得るが、周縁部分に対して遮光部材42が設けられているので、迷光の影響がなく、測定不能領域をなくすことができ、これにより、被検レンズ1の全面に渡って測定可能となる。特に、遮光部材42をステージ44により適宜移動させることにより、被検レンズ1に即した形で完全に迷光の影響を除去することができる。
【0091】
本発明の第五の実施の形態を再度図3に基づき説明する。本実施の形態において、既述の第二の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。第二の実施の形態と本実施の形態との相違点は、本実施の形態においては、λ/4板14以降の光学系素子は、図3上、受光ユニット26として一体的に構成されている点である。そしてこの受光ユニットを、光学系光軸にほぼ直交する方向に移動させることにより、被検レンズ1とほぼ同じサイズを持つ光弾性干渉縞の空間像を部分的に幾つかに分割してCCDカメラ12で観察することで、測定を行うものである。これに関しては、既出の図4およびその説明と同様である。
【0092】
また、本実施の形態のレンズ16は複数枚のレンズで構成された焦点距離可変の組レンズであり、構成するレンズの間隔を変えることにより、組レンズとしての焦点距離を変化させ、その結像倍率を可変することができる。被検レンズ1の近傍と結像関係が設立するようにレンズ16の位置を予め調整しておけば、結像関係を保ったまま、結像光学系13の結像倍率を変化させることが可能である。
【0093】
被検レンズ1の複屈折による光弾性干渉縞50は、例えば、図8に示すように被検レンズ中央部分1cでは干渉縞の間隔が広く、周縁部分1eでは干渉縞の間隔が狭くなって、干渉縞の間隔がCCDカメラ12の画素サイズに近くなるか、画素サイズよりも狭くなるときがある。このような領域では、CCDカメラ12の1画素の中(1画素に相当する領域)で複屈折が大幅に変化していたとしても、その平均値がその画素における測定値として出力されてしまうので、その領域における測定値の信頼性が低下する。この点、本実施の形態の測定装置においては、干渉縞の間隔が狭くなった領域では、レンズ16の焦点距離が長くなるように設定し、結像光学系13の結像倍率を上げて干渉縞を拡大した状態で測定を実施することで、被検レンズ1の全面に渡って、より正確な測定を行うことができる。
【0094】
第五の実施の形態の場合の複屈折測定装置の設定状態は、前述の第二の実施の形態と、実際の測定については、前述の第一の実施の形態と全く同様であるので、その説明を援用し、ここでは説明を割愛する。
【0095】
このようにして、本実施の形態によれば、分解能を低下させることなく、被検レンズ1全体の複屈折測定が可能となる。
【0096】
本発明の第六の実施の形態を図9に基づいて説明する。前記実施の形態である図3で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。本実施の形態では、前記実施の形態の図3中におけるベース31、ガイド32及びステッピングモータ33等による受光側変位手段34が省略され、図3の1つの受光ユニット26に対し、同一構成の2つの受光ユニット26a,26bが設けられている点が図3と異なっている点である。即ち、受光ユニット26aはλ/4板14a、偏光板15a、レンズ16a、CCDカメラ12a及び回転手段21aにより構成され、受光ユニット26bはλ/4板14b、偏光板15b、レンズ16b、CCDカメラ12b及び回転手段21bにより構成されている。ここに、被検レンズ1の後段にはこの被検レンズ1からの透過光を2つに分岐してこれらの受光ユニット26a,26bに入射させる分岐手段としてのプリズム51が設けられている。プリズム51による被検レンズ透過光の分離についてはプリズム面での反射によりP偏光(プリズム51の反射面に対し平行方向に振動する光)とS偏光(プリズム51の反射面に対し垂直方向に振動する光)との間で位相飛びの差が生じないように、被検レンズ透過光のプリズム反射面への入射角度を、プリズム51のブリュースタ角より大きく設定してある。なお、レンズ16a,16bとしては固定焦点レンズが用いられ、被検レンズ1の近傍とCCDカメラ12a,12bの撮像面とがほぼ結像関係となるように、その位置が各々調整されている。また、材質的には、ガラスレンズのように複屈折がほぼ除去されたものが用いられている。
【0097】
このような構成において、2つの受光ユニット26a,26bを、被検レンズ1を透過してプリズム51により分岐される透過光に関して、被検レンズ1の異なる被測定領域からの透過光が入射するように各々を配置させておけば、被検レンズ1の異なる被測定領域に関して同時に測定することが可能となり、測定操作性が向上する。測定方法としては、2つのCCDカメラ12a,12bにより撮像された画像を画像入力器25a,25bを通じてパソコン23に取り込むことにより行われ、その処理内容は前記実施の形態の場合と同様である.よって、本実施の形態によれば、受光ユニット26a,26bを移動させることなく、被検レンズ1の全面を同時に測定できる。
【0098】
なお、本実施の形態の構成に関して、変形例として、レンズ16a,16bを第一の実施の形態の場合と同様に、複数枚のレンズで構成された焦点距離可変の組レンズとし、構成するレンズの間隔を変えることにより、組レンズとしての焦点距離を変化させ、その結像倍率を各々独立して可変自在としてもよい。即ち、被検レンズ1の近傍と結像関係が設立するようにレンズ16a,16bの位置を予め調整しておけば、結像関係を保ったまま、各々の受光ユニット26a,26bにおいて結像光学系13a,13bの結像倍率を変化させることが可能である。これにより、各々の受光ユニット26a,26bによる被測定領域において干渉縞の間隔が狭くなった領域では、レンズ16a或いはレンズ16bの焦点距離を長くなるように設定し、結像光学系13a,13bの結像倍率を上げて、干渉縞を拡大した状態でCCDカメラ12a,12bに結像させて測定を行わせることで、何れの受光ユニット26a,26bにおいても、より正確な測定を行うことができる。
【0099】
尚、本実施の態様における実際の測定については、前述の第一の実施の形態と全く同様であるので、その説明を援用し、ここでは説明を割愛する。
【0100】
本発明の第七の実施の形態を図10ないし図12に基づいて説明する。本実施の形態は、焦点距離を可変し得るレンズ16(上記変形例の焦点距離可変としたレンズ16a,16bの場合も同様)に関して、その焦点距離(従って、結像光学系13の結像倍率)を自動設定させるようにしたものである。
【0101】
まず、CCDカメラ12により撮像される被検レンズ1の光弾性干渉縞52の画像は、例えば、図10に示すようになる。EはCCDカメラ12により観察している領域を示す。この場合のA−A′線断面における画像の画素濃度分布を図示すると、図11に示すようになる。図11における画素濃度分布の極小値(或いは、極大値)間の間隔を干渉縞の間隔と見做すことができる。図11に示す例では、B点とB′点との間隔に相当し、この間隔はCCDカメラ12の10画素分に相当している。このような撮像結果が得られることから、画素濃度分布の極小値(或いは、極大値)間の間隔が、例えば、「5画素分より大きくないと、干渉縞の間隔が狭すぎて測定値が信頼できない」というように、極小値(或いは、極大値)間の間隔についてCCDカメラ12の画素数にて閾値(例えば、5画素)を設定しておき、極小値(或いは、極大値)間の間隔がこの閾値より小さくなっている被測定領域では、その間隔が閾値より大きくなるように、焦点距離可変のレンズ16のレンズ間距離を調整してその焦点距離が長くなるようにし、結像光学系13の結像倍率を上げるようにすればよい。
【0102】
図12にこのような原理に基づき結像倍率を自動調整設定するための処理のフローチャートを示す。図中の「尾根線」は、画素濃度の極小値(或いは、極大値)をとる位置間をつないだ曲線を意味する。「X」は、CCDカメラ12で観察している領域Eにおいて最小となる尾根線同士の間隔であり、CCDカメラ12で観察している領域Eにおいて最小となる干渉縞の間隔に相当する。「S」は予め設定されたCCDカメラ12の画素数を単位とする縞間隔の閾値である。
【0103】
まず、CCDカメラ12で撮像した画像を取り込む(ステップS1)。そして、このCCDカメラ12で観察している領域Eにおける最小縞間隔を求める処理として、近傍画素での平均化処理(平滑化)を行い(S2)、尾根線を検出し(S3)、その内の不要な尾根線を除去するとともに細線化することで(S4)、最小の尾根線間隔Xを検知する(S5)。検知された最小の尾根線間隔Xを閾値Sと比較し(S6)、閾値Sよりも小さい(短い)場合には結像倍率を上げる処理(S7)を繰返し、最終的に、最小の尾根線間隔Xが閾値S以上の状態で、前述したような複屈折の測定を開始させる.従って、本実施の形態によれば、測定装置としての操作性が向上する上に結像倍率の適正化を図ることもできる。
【0104】
なお、焦点距離可変の組レンズによるレンズ16に関して、その構成レンズの間隔調整は、例えば各構成レンズをステージに搭載し、そのステージをモータを駆動源として移動させることにより、被検レンズ1の近傍とCCDカメラ12の撮像面との結像関係を保ったまま、組レンズとしての焦点距離が変化するように調整を実施させてもよい。或いは、市販されているズームレンズのズーム機構を利用してもよい。
【0105】
本発明の第八の実施の形態を図13に基づき説明する。本実施の形態において、既述の第二の実施の形態の説明で図3で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。第二の実施の形態と本実施の形態との相違点は、本実施の形態で測定対象とする被検レンズ1は主走査方向(紙面に対して平行な方向)と副走査方向(紙面に対して垂直な方向)とで焦点距離の異なる非軸対称なレンズである点にある。この非軸対称なレンズは図示しないホルダにより保持される。このような被検レンズ1に対して、まず、所定の偏光状態で光を被検レンズ1に照射させる照射光学系2が設けられている。この照射光学系2は、既述の第二の実施の形態と異なり、コヒーレント長が短い直線偏光の光ビームを発する半導体レーザ3と、半導体レーザ3からの直線偏光を円偏光に変換するλ/4板4と、レンズ9と、ピンホール10とにより構成されている。この種の測定装置の光源に関しては、偏光板15等が波長依存性を有するため、幾つかの波長光が混入している白色光源よりも、単色のレーザ光源を用いることが望ましい。しかし、レーザ光源としてH e−Neレーザのようなコヒーレント長の長いものを用いると、被検レンズ1の複屈折により発生した光弾性干渉縞の他に、測定光学系内での多重反射等によるノイズの干渉縞が発生し、光弾性干渉縞と重なるため測定誤差を生ずることがある。この点、本実施の形態では、光源にコヒーレント長が短い半導体レーザ3を用いているので、測定光学系内における多重反射等によるノイズの干渉縞を発生させにくくできる効果も得られる。
【0106】
また、このような照射光学系2と被検レンズ1との間に位置させて、その光軸上には、補正光学系53を構成する補正用レンズ54が設けられている。この補正用レンズ54は被検レンズ1とは主走査方向と副走査方向とで逆特性、即ち、副走査方向(紙面に対して垂直な方向)にのみ屈折力を持つことで、被検レンズ1を透過した光を平行光束化させる機能を持つ。この補正用レンズ54も光軸方向に移動可能なステージ55に搭載されており、このステージ55を駆動するためのステッピングモータ(図示せず)の回転により光軸方向に進退移動する。ここに、ステージ55とステッピングモータ等とにより補正系変位手投が構成されており、被検レンズ1に対する補正用レンズ54の光軸方向の位置(距離)が調整自在とされている。また、このステッピングモータには回転原点位置センサが設けられており、補正用レンズ54と被検レンズ1との距離を予め所定距離に設定し、その状態をステージ55の移動原点としておけば、ステッピングモータに供給するパルス数を計数することで、ステージ55の移動に伴う補正用レンズ54と被検レンズ1との距離の変化を検知できる(実際には、後述するパソコン中でのパルス数の計数動作に基づきこの距離が検知される…距離検知手投)。
【0107】
本実施の形態により付加された被検レンズ1の透過光を平行化するための補正光学系53の補正用レンズ54の作用について図14を参照して説明する。基本的に、被検レンズ1が軸対称レンズである場合には、補正用レンズ54を設けなくてもレンズ9の焦点と被検レンズ1の焦点とをほぼ一致させることで、レンズ9と被検レンズ1とがアフオーカル系を構成するため、被検レンズ1を透過した光はほぼ平行化されることとなる。しかしながら、本実施の形態で用いているように被検レンズ1が主走査方向と副走査方向とで焦点距離が異なる非軸対称レンズである場合には、レンズ9の焦点と被検レンズ1の主、副走査方向の焦点とを各々同時に一致させることができないため、軸対称の球面波を照射して被検レンズ透過光を平行化させることは困難となる。この点、本実施の形態では、副走査方向にのみ屈折力を持つ補正用レンズ54をレンズ9と被検レンズ1との間に配設し、レンズ9による発散光を非軸対称な光に変換してから被検レンズ1に照射させる。
【0108】
ここに、図14中に示すように、被検レンズ1の主走査方向の焦点距離をf1、副走査方向の焦点距離をf2(ただし、f1>f2)、レンズ9の焦点距離をfo、補正用レンズ54の副走査方向の焦点距離をfs(主走査方向の焦点距離は無限大)、肉厚をt、屈折率をnsとし、レンズ9と被検レンズ1との間隔(主点間距離)を△1、補正用レンズ54と被検レンズ1との間隔を△2としたとき、(11)(12)式を満たすように、間隔△1,△2を設定すれば、被検レンズ1を透過した光はほぼ平行化される。
【0109】
【数9】
【0110】
ここに、このような間隔の設定は、例えば、レンズ9と被検レンズ1、補正用レンズ54と被検レンズ1とが各々物理的に最も接近する状態を各々の移動原点としておき、移動原点からステージ11,55を移動させることで、レンズ9と被検レンズ1との間隔△1、補正用レンズ54と被検レンズ1との間隔△2を検知できる。もっとも、被検レンズ1の種類が限定される場合は、補正用レンズ54を光軸方向に移動させる必要はないので、ステージ55を設けずに、(11)(12)式を満たす間隔△1,△2となるように光学系を予め設定しておけばよい。
【0111】
本発明の第九の実施の形態を図15に基づいて説明する。第八の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。本実施の形態で測定対象とする被検レンズ1は、焦点距離が非常に長いものを想定している。この場合、レンズ9と被検レンズ1とでアフォーカル系を構成させるためには、両者の間隔を非常に大きく設定する必要があり、装置が大型化してしまう不具合がある。しかるに、このような被検レンズ1をその両面がほぼ平行な平板とみなして平行光を照射させるようにすれば、測定装置の大型化を回避できる。本実施の形態では、その一例として図15に示すように構成されている。
【0112】
即ち、図15において、照射光学系2のレンズ9と被検レンズ1との間に位置させて、その光軸上には、補正光学系53を構成する補正用レンズ54が設けられている。この補正用レンズ54は被検レンズ1に照射する光及び透過した光を平行光束化させる機能を持つ軸対称の通常の凸レンズである。このような補正用レンズ54もステージ55に搭載されて光軸方向に移動調整自在に設けられている。
【0113】
このような構成により、レンズ9による発散光を補正用レンズ54にて平行光束にしてから被検レンズ1に照射する。このとき、実際には被検レンズ1は平行平板ではないので、被検レンズ1を透過した光は平行光束からずれており、発散又は収束光束となるが、被検レンズ1の焦点距離が十分に長いと、この被検レンズ1の透過光の平行光束からのずれは微小角度になるため、それによる誤差は無視できる。よって、測定対象とする被検レンズ1が焦点距離の非常に長いものであっても、装置を大型化させることなく、測定可能となり、汎用性を高めることができる。
【0114】
ここに、本実施の形態において、例えば、被検レンズ1が主走査方向と副走査方向とで焦点距離が異なり、主走査方向については平行平板とみなせるが、副走査方向には平行平板とみなせない場合には、補正光学系53を補正用レンズ54と別の補正用レンズ56との組み合わせとして構成すればよい。この補正用レンズ56は、補正用レンズ54とは光学特性の異なるもので、ここでは、副走査方向にのみ屈折力を持つ非軸対称レンズが用いられている。これによれば、被検レンズ1を透過した光束が平行光束化されるように被検レンズ1に光を照射させることができる。
【0115】
よって、一般論として考えれば、光学特性の異なる複数個の光学素子(通常はレンズ)を組み合わせて補正光学系を構成すれば、焦点距離が非常に長い被検レンズに対応し得る他、非軸対称な被検レンズに対してもその透過光をほぼ平行化させることができ、汎用性が高まる。
【0116】
また、例えば図15に示す構成において、補正用レンズ54,56を各々取り外し自在としたり、違う種類のもの(焦点距離や口径の異なるレンズ)と交換自在に構成すれば、被検レンズ1の種類の変更への対応幅が広がり、一層汎用性が高まる。
【0117】
本発明の第十の実施の形態を図16に基づいて説明する。本実施の形態は、図13に示したような第八の実施の形態にも適用し得るが、ここでは、被検レンズ1を用いた図15のような複屈折測定装置及び測定方法に適用されている。本実施の形態では、被検レンズ1がその光軸に直交する方向に移動可能なステージ57に搭載されており、このステージ57を駆動するためのステッピングモータ(図示せず)の回転により光軸に直交する方向に移動する。ここに、ステージ57とステッピングモータ等とによりレンズ変位手段が構成されており、被検レンズ1上の測定対象領域に合せてこの被検レンズ1の光軸に直交する方向の位置調整が自在とされている。
【0118】
このような構成において、ステージ57により被検レンズ1を光軸に垂直な方向に移動させることで、補正光学系53側から被検レンズ1への平行光束の入射位置を徐々に変化させながら、被検レンズ1全体の領域を分割して測定することとなる。即ち、図4を用いて説明した受光ユニット26側を測定対象領域に合せて光軸に垂直な方向に移動させることで分割測定する方式と同様であり、受光ユニット26側を固定的とし被検レンズ1側を可動的とするように入れ替えたものである。
【0119】
本発明に係わる複屈折測定装置及び測定方法は、以上説明した全ての実施の態様により明らかになった。
【0120】
本発明の第1の実施態様の複屈折測定装置及び本発明の第6の実施態様の屈折測定方法によれば、基本的には、回転検光子法に準じて、被検レンズを透過した透過光をその偏光状態を変化させる偏光素子に入射させ、この偏光素子を回転させながらアレイ状の受光素子で受光検出させることにより被検レンズの複屈折を算出するが、被検レンズに発散光を照射する照射光学系と被検レンズとの間隔を任意に設定可能とし、被検レンズ透過像を観察しながら被検レンズと照射光学系との間隔を調整することにより光学的な歪みの影響の小さい被検レンズ透過像である光弾性干渉縞が得られるようにしたので、被検レンズ全面に渡って正確に複屈折測定を行うことができ、同時に、被検レンズの種類の変更にも容易に対応でき、汎用性の高い複屈折測定装置又は方法を提供することができる。
【0121】
本発明の第2及び3の実施態様の複屈折測定装置及び本発明の第7の実施態様の複屈折測定方法によれば、偏光素子と結像光学系と受光素子とを一体として光軸にほぼ直交する方向、即ち、被検レンズの長手方向に移動させて分割しながら測定できるようにしたので、被検レンズ全体の複屈折の測定を分解能が低下することなく安価に実現することができる複屈折測定装置又は方法を提供することができる。
【0122】
本発明の第4の実施態様の複屈折測定装置及び本発明の第8の実施態様の複屈折測定方法によれば、被検レンズが光書込用に用いられる走査レンズのような場合であっても、基本的に、被検レンズと照射光学系との間隔を任意に設定し得る構成によって実使用に近い状態に測定系を設定し得る上に、被検レンズの透過光の進行方向に対して偏光素子等を一体として角度調整することで垂直に近い状態で入射させることができ、より正確な測定を行うことができる複屈折測定装置又は方法を提供することができる。
【0123】
本発明の第5の実施態様の複屈折測定装置及び本発明の第9の実施態様の複屈折測定方法によれば、被検レンズの周縁部分を透過した光が迷光として受光素子に入射すると、測定の邪魔となり得るが、このような周縁部分に対して遮光部材を設けたので、迷光の影響をなくすことができ、測定不能領域をなくし、よって、被検レンズ全面に渡って測定可能とすることができ、特に、遮光部材を遮光部材移動手段により適宜移動させることにより、被検レンズに即した形で完全に迷光の影響を除去することができる複屈折測定装置又は方法を提供することができる。
【0124】
本発明の第10の実施態様によれば、所定の偏光状態で発散光を被検レンズに照射させる照射光学系と、被検レンズに対する照射光学系の光軸方向の位置を移動調整する照射側変位手段と、被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子と、この偏光素子を透過光のほぼ進行方向回りに回転させる回転手段と、この回転手投による偏光素子の回転角度を検知する回転角検知手役と、偏光素子を透過した光を受光するアレイ状の受光素子と、偏光素子を透過した光を受光素子のほぼ受光面上に結像させる結像倍率が可変の結像光学系と、これらの偏光素子と回転手段と受光素子と結像光学系とを受光ユニットとして一体に光軸にほぼ直交する方向に移動調整する受光側変位手段と、回転角検知手段により検知された回転角度と受光素子により受光検出される受光出力とに基づき被検レンズの複屈折を算出する演算手段とを備えることとしたので、本発明の第1の実施態様の効果が得られる他、一般に、偏光素子や受光素子にはサイズ(素子の面積)に制約があり、光書込系に使用するレンズのように口径の大きいレンズ全体からの透過光を受光するには一般的な偏光素子や受光素子を用いたのではサイズ的に困難であり、サイズの大きな偏光素子や受光素子を用いるとなるとその製造コストが嵩む。かといって、一般的な偏光素子や受光素子のサイズに合わせて被検レンズ全体からの透過光を光学的に締小させると、光学系が複雑になる上に、光弾性干渉縞の空間像が小さくなり、その分、測定の空間的な分解能が低下してしまう。この点、偏光素子と結像光学系と受光素子とを受光ユニットとして一体に光軸にほぼ直交する方向、即ち、被検レンズの長手方向に移動させて分割しながら測定できるので、被検レンズ全体の複屈折の測定を分解能が低下することなく安価に実現できる。この際、幾つかの被検レンズを測定したり、1つの被検レンズに関して幾つかの被測定領域に分けて測定したりする場合、被検レンズによって或いは被検レンズの場所によって複屈折の発生する状態が異なることがある。特に、干渉縞の間隔が複屈折の発生状態によって異なってくるため、干渉縞の間隔が受光素子の最小単位画素の大きさに近くなるか或いは狭くなった領域では、測定の信頼性が低下する。この点、結像光学系の結像倍率が可変であるので、被検レンズによって、或いは、被検レンズの場所によって異なる複屈折の発生状態に合わせて、その結像倍率を最適に設定することにより、複屈折の発生状態に拘らず正確な測定を行える。つまり、被検レンズ全面に渡って正確に複屈折測定を行うことができ、同時に、被検レンズの種類の変更にも容易に対応でき、汎用性の高い複屈折測定装置を供することができる上に、被検レンズによって、或いは、被検レンズの場所によって異なる複屈折の発生状態に合わせて、結像光学系の結像倍率を最適に設定することにより、複屈折の発生状態に拘らず正確な測定を行わせることができる複屈折測定装置又は方法を提供することができる。
【0125】
本発明の第11の実施態様によれば、基本的には、本発明の第10の実施態様と同様であるが、複数の受光ユニットを設けており、被検レンズからの透過光を分岐手段により分岐して各受光ユニットに向けて入射させるので、被検レンズが光書込系に使用するレンズのように口径の大きいレンズのような場合であっても、分解能を低下させず、かつ、受光ユニット側を移動させることなく被検レンズ全体を同時に測定することが可能となる。つまり、複数の受光ユニットを備えているので、受光ユニット側を移動させることなく被検レンズ全体を同時に測定できる複屈折測定装置又は方法を提供することができる。
【0126】
本発明の第12の実施態様は、本発明の第11の実施態様の複屈折測定装置の各受光ユニットが、被検レンズの異なる被測定領域からの透過光を各々受光するように分岐手段に対して配設されているので、被検レンズ全体の同時測定を効率及び操作性よく行える複屈折測定装置又は方法を提供することができる。
【0127】
本発明の第13の実施態様によれば、1つの被検レンズを幾つかの被測定領域に分けて同時に測定する場合、同一の被検レンズにおいても、例えば、レンズ中心付近とレンズ周縁部分とでは、レンズ成形における温度の冷却速度が異なることから複屈折の発生の仕方が異なることが多い。このため、例えばレンズの中心付近では光弾性干渉縞の間隔が広く、周縁部分では光弾性干渉縞の間隔が狭く発生する場合があり、干渉縞の間隔が受光素子の画素サイズに近くなり或いは画素サイズよりも狭くなった領域では測定の信頼性が低下してしまう。この点、各結像光学系の結像倍率は、各受光ユニット毎に独立して可変自在であるので、被検レンズによって、或いは、被検レンズの被測定領域における場所によって異なる複屈折の発生状態に合わせて、各受光ユニット毎に結像倍率を最適に設定することにより、複屈折の発生の状態に拘らずより正確な測定を行える複屈折測定装置又は方法を提供することができる。
【0128】
本発明の第14の実施態様によれば、被検レンズからの透過光を受光素子のほぼ受光面上に結像させたときに得られる被検レンズの透過像に基づき結像倍率が自動設定される。適正な結像倍率が実際の被検レンズからの透過像における干渉縞の間隔データ等に基づき自動的に設定されるので、測定装置としての操作性が向上する上に結像倍率の適正化を図ることもできる複屈折測定装置又は方法を提供することができる。
【0129】
本発明の第15の実施態様によれば、基本的には、回転検光子法に準じて、被検レンズを透過した透過光の偏光状態を変化させる偏光素子に入射させ、この偏光素子を回転させながらアレイ状の受光素子で受光検出させることにより被検レンズの複屈折を算出するが、被検レンズに発散光を照射する照射光学系と被検レンズとの間隔を任意に設定可能とし、被検レンズ透過像を観察しながら被検レンズと照射光学系との間隔を調整することにより光学的な歪みの影響の小さい被検レンズ透過像なる光弾性干渉縞が得られるので、被検レンズ全面に渡って正確に複屈折測定を行える。このとき、被検レンズが主走査方向と副走査方向との焦点距離が異なるような場合であっても、照射光学系の後段に例えば主走査方向と副走査方向とで焦点距離が異なるレンズによる補正光学系を付加し、被検レンズを透過した光束がほぼ平行になるようにすることで、偏光素子以降の光学素子の正常動作を損なうことなく上記の複屈折測定が可能となり、汎用性が高まる複屈折測定装置又は方法を提供することができる。
【0130】
本発明の第16の実施態様は、本発明の第15の実施態様の複屈折測定装置における補正光学系は、光学特性の異なる複数の光学素子の組み合わせよりなるので、被検レンズが主走査方向と副走査方向とで焦点距離が異なる場合に限らず、焦点距離が長い場合であっても、例えば、非軸対称のレンズと軸対称の通常のレンズとの組み合わせのように、光学特性の異なる複数の光学素子により補正光学系を構成することにより、被検レンズの種類の変更への対応も自在となり、汎用性が高まる複屈折測定装置又は方法を提供することができる。
【0131】
本発明の第17の実施態様は、本発明の第15又は16の実施態様の複屈折測定装置において、前記被検レンズをその光軸に直交する方向に移動調整するレンズ変位手段を備えるので、被検レンズの焦点距離が長い場合であっても、被検レンズをその光軸に直交する方向に移動させることにより、被検レンズ全体の領域の分割測定が可能となる。これにより、被検レンズ全体の複屈折の測定を分解能が低下することなく安価に実現できる複屈折測定装置又は方法を提供することができる。
【0132】
本発明の第18の実施態様の複屈折測定方法は、所定位置で光軸に直交する方向に移動調整自在に配設された被検レンズに対する照射光学系の光軸方向の距離を任意に調整した後、被検レンズ上の測定対象領域に合せてこの被検レンズの光軸に直交する方向の位置を調整しながら、被検レンズの測定対象領域に対して照射光学系による所定の偏光状態の光を補正光学系を通して被検レンズに照射してほぼ平行光とされた透過光を出射させ、被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子を透過光のほぼ進行方向回りに回転させながらその回転角度を検知し、この偏光素子を透過した光を結像光学系によりアレイ状の受光素子のほぼ受光面上に結像させ、検知された偏光素子の回転角度と受光素子により受光検出された受光出力とに基づき被検レンズの測定対象領域の複屈折を順次算出するようにしたので、基本的には、回転検光子法に準じて、被検レンズを透過した透過光の偏光状態を変化させる偏光素子に入射させ、この偏光素子を回転させながらアレイ状の受光素子で受光検出させることにより被検レンズの複屈折を算出するが、被検レンズに発散光を照射する照射光学系と被検レンズとの間隔を任意に設定可能とし、被検レンズ透過像を観察しながら被検レンズと照射光学系との間隔を調整することにより光学的な歪みの影響の小さい被検レンズ透過像なる光弾性干渉縞が得られるので、被検レンズ全面に渡って正確に複屈折測定を行える。このとき、被検レンズが主走査方向と副走査方向との焦点距離が異なるような場合であっても、照射光学系の後段に例えば主走査方向と副走査方向とで焦点距離が異なるレンズによる補正光学系を付加し、被検レンズを透過した光束がほぼ平行になるようにすることで、偏光素子以降の光学素子の正常動作を損なうことなく上記の複屈折測定が可能となり、汎用性が高まる。加えて、被検レンズの焦点距離が長い場合であっても、被検レンズをその光軸に直交する方向に移動させることにより、被検レンズ全体の領域の分割測定が可能となる。これにより、被検レンズ全体の複屈折の測定を分解能が低下することなく安価に実現できる複屈折測定装置又は方法を提供することができる。
【0133】
本発明は、レーザプリンタ等に用いられる光書込用或いはピックアップ用などに用いられるプラスチックスレンズ等の被検レンズの複屈折を測定する複屈折測定装置及び複屈折測定方法に適用することができる。
【0134】
【発明の効果】
本発明によれば、上記問題点の少なくとも一つを解決することができる新規な複屈折測定装置及び複屈折測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示す構成図である。
【図2】偏光板の回転角度−光強度特性を示す特性図である。
【図3】本発明の第二及び第五の実施の形態を示す構成図である。
【図4】被測定領域の分割の様子を示す正面図である。
【図5】本発明の第三の実施の形態を示す構成図である。
【図6】本発明の第四の実施の形態を示す被検レンズ形状の一例の側面図である。
【図7】遮光構造を示す構造図である。
【図8】本発明の被検レンズの複屈折による光弾性干渉縞の一例を示す正面図である。
【図9】本発明の第六の実施の形態を示す構成図である。
【図10】本発明の第七の実施の形態の光弾性干渉縞に対するCCDカメラの撮像の様子を示す正面図である。
【図11】そのA−A′線断面における画素濃度分布を示す特性図である。
【図12】結像倍率の自動設定処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第八の実施の形態を示す構成図である。
【図14】補正光学系による作用を説明するための図であり、(a)は主走査方向に見た平面図、(b)は副走査方向に見た側面図である。
【図15】本発明の第九の実施の形態を示す構成図である。
【図16】本発明の第十の実施の形態を示す構成図である。
【図17】従来例の測定系の欠点を説明するための光学系構成を概略的に示す構成図である。
【図18】対応する光弾性干渉縞の様子を示す説明図である。
【図19】光書込用光学系の構成例を概略的に示す平面図である。
【符号の説明】
1 被検レンズ
2 照射光学系
3 光源
12 受光素子
13 結像光学系
15 偏光素子
21 回転手段
34 受光側変位手段
35 角度可変手段
42 遮光部材
44 遮光部材移動手段
51 分岐手段
53 補正光学系
Claims (18)
- 所定の偏光状態で発散光を被検レンズに照射させる照射光学系と、
前記被検レンズに対する前記照射光学系の光軸方向の位置を移動調整する照射側変位手段と、
前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子と、
この偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させる回転手段と、
この回転手段による前記偏光素子の回転角度を検知する回転角検知手段と、
前記偏光素子を透過した光を受光することによって、被検レンズ透過像である光弾性干渉縞を得るアレイ状の受光素子と、
前記偏光素子を透過した光を前記受光素子上に結像させる結像光学系と、
前記回転角検知手段により検知された回転角度と前記受光素子により受光検出される被検レンズ透過像である光弾性干渉縞の受光出力とに基づき前記被検レンズの複屈折を算出する演算手投と、
を備える複屈折測定装置。 - 偏光素子と結像光学系と受光素子とを一体として光軸にほぼ直交する方向に移動調整する受光側変位手段を備える請求項1記載の複屈折測定装置。
- 受光側変位手段による移動距離を検知する距離検知手段を備える請求項2記載の複屈折測定装置。
- 偏光素子と結像光学系と受光素子とを一体として被検レンズからの透過光の進行方向に対する角度を可変する角度可変手段と、
その角度を検知する角度検知手段と
を備える請求項1,2又は3記載の複屈折測定装置。 - 被検レンズの周縁部分を透過する光を遮光する遮光部材と、
この遮光部材の位置を移動させる遮光部材移動手段と
を備える請求項1,2,3又は4記載の複屈折測定装置。 - 所定位置に配設された被検レンズに対する照射光学系の光軸方向の距離を任意に調整しながら前記被検レンズに対して前記照射光学系による所定の偏光状態の発散光を照射し、
前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させながらその回転角度を検知し、
この偏光素子を透過した光を結像光学系によりアレイ状の受光素子のほぼ受光面上に結像させることによって、被検レンズ透過像である光弾性干渉縞を得て、
検知された前記偏光素子の回転角度と前記受光素子により受光検出された被検レンズ透過像である光弾性干渉縞の受光出力とに基づき前記被検レンズの複屈折を算出するようにした複屈折測定方法。 - 偏光素子と結像光学系と受光素子とが一体として光軸にほぼ直交する方向に移動調整自在であり、被検レンズ上の測定対象領域に合わせて移動調整するようにした請求項6記載の複屈折測定方法。
- 偏光素子と結像光学系と受光素子とが一体として被検レンズからの透過光の進行方向に対して角度可変自在であり、被検レンズ上の測定対象領域を透過する光の角度に合わせて角度調整するようにした請求項6又は7記載の複屈折測定方法。
- 被検レンズの周縁部分を透過する光を遮光する遮光部材を備え、
周縁部分を透過して発生する迷光がなくなるように前記遮光部材の位置を任意に調整設定するようにした請求項6,7又は8記載の複屈折測定方法。 - 所定の偏光状態で発散光を被検レンズに照射させる照射光学系と、
前記被検レンズに対する前記照射光学系の光軸方向の位置を移動調整する照射側変位手段と、
前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子と、
この偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させる回転手段と、
この回転手投による前記偏光素子の回転角度を検知する回転角検知手役と、
前記偏光素子を透過した光を受光することによって、被検レンズ透過像である光弾性干渉縞を得るアレイ状の受光素子と、
前記偏光素子を透過した光を前記受光素子のほぼ受光面上に結像させる結像倍率が可変の結像光学系と、
これらの偏光素子と回転手段と受光素子と結像光学系とを受光ユニットとして一体に光軸にほぼ直交する方向に移動調整する受光側変位手段と、
前記回転角検知手段により検知された回転角度と前記受光素子により受光検出される被検レンズ透過像である光弾性干渉縞の受光出力とに基づき前記被検レンズの複屈折を算出する演算手段と、
を備える複屈折測定装置。 - 所定の偏光状態で発散光を被検レンズに照射させる照射光学系と、
前記被検レンズに対する前記照射光学系の光軸方向の位置を移動調整する照射側変位手段と、
前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子と、
この偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させる回転手投と、
この回転手段による前記偏光素子の回転角度を検知する回転角検知手投と、
前記偏光素子を透過した光を受光することによって、被検レンズ透過像である光弾性干渉縞を得るアレイ状の受光素子と、
前記偏光素子を透過した光を前記受光素子のほぼ受光面上に結像させる結像光学系とを1つのユニットとする複数個の受光ユニットと、
前記被検レンズからの透過光を分岐して前記各受光ユニットに向けて入射させる分岐手段と、
各受光ユニットにおける前記回転角検知手投により検知された回転角度と前記受光素子により受光検出される被検レンズ透過像である光弾性干渉縞の受光出力とに基づき前記被検レンズの複屈折を算出する演算手段と、を備える複屈折測定装置。 - 各受光ユニットは、被検レンズの異なる被測定領域からの透過光を各々受光するように分岐手段に対して配設されている請求項11記載の複屈折測定装置。
- 各結像光学系は、各受光ユニット毎に独立して結像倍率が可変自在である請求項11又は12記載の複屈折測定装置。
- 結像光学系は、被検レンズからの透過光を受光素子のほぼ受光面上に結像させたときに得られる前記被検レンズの透過像に基づき結像倍率が自動設定される請求項10又は13記載の複屈折測定装置。
- 所定の偏光状態で光を被検レンズに照射させる照射光学系と、
前記被検レンズに対する前記照射光学系の光軸方向の位置を移動調整する照射側変位手投と、
前記被検レンズの照射側に配設されてこの被検レンズを透過した光束をほぼ平行光とさせる補正光学系と、
前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子と、
この偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させる回転手段と、
この回転手段による前記偏光素子の回転角度を検知する回転角検知手投と、
前記偏光素子を透過した光を受光することによって、被検レンズ透過像である光弾性干渉縞を得るアレイ状の受光素子と、
前記偏光素子を透過した光を前記受光素子のほぼ受光面上に結像させる結像光学系と、
前記回転角検知手段により検知された回転角度と前記受光素子により受光検出される被検レンズ透過像である光弾性干渉縞の受光出力とに基づき前記被検レンズの複屈折を算出する演算手段と、
を備える複屈折測定装置。 - 前記補正光学系は、光学特性の異なる複数の光学素子の組み合わせよりなる請求項15記載の複屈折測定装置。
- 前記被検レンズをその光軸に直交する方向に移動調整するレンズ変位手段を備える請求項15又は16記載の複屈折測定装置。
- 所定位置で光軸に直交する方向に移動調整自在に配設された被検レンズに対する照射光学系の光軸方向の距離を任意に調整した後、前記被検レンズ上の測定対象領域に合せてこの被検レンズの光軸に直交する方向の位置を調整しながら、前記被検レンズの測定対象領域に対して前記照射光学系による所定の偏光状態の光を補正光学系を通して前記被検レンズに照射してほぼ平行光とされた透過光を出射させ、
前記被検レンズからの透過光の偏光状態を変化させる偏光素子を前記透過光のほぼ進行方向回りに回転させながらその回転角度を検知し、
この偏光素子を透過した光を結像光学系によりアレイ状の受光素子のほぼ受光面上に結像させることによって、被検レンズ透過像である光弾性干渉縞を得て、
検知された前記偏光素子の回転角度と前記受光素子により受光検出された被検レンズ透過像である光弾性干渉縞の受光出力とに基づき前記被検レンズの測定対象領域の複屈折を順次算出するようにした複屈折測定方法。
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