JP4194971B2 - 屈折率測定方法及びその装置並びに屈折率測定・硬化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、屈折率測定方法及びその装置並びに屈折率測定・硬化装置に関する。特に、ユビキタス通信をはじめとする情報通信処理装置用光部品類光結合技術・光導波回路構成設計に重要となるものである。
従来方法による光硬化性樹脂の屈折率測定方法によれば、低コヒーレンス光源を用いたマイケルソン干渉計により、光硬化性樹脂の屈折率測定を非破壊で行っている(非特許文献1参照)。
従来技術による測定装置動作とその測定手法について、図9〜図11を参照して説明する。図9は測定系を示し、図10、図11は、図9中の一点鎖線で囲んだA部、B部の拡大図である。
まず、測定装置動作について説明を行う。
金属コート63を施した基板62の表面に光硬化性樹脂61を滴下し、スピンコート法等で膜形成の後、所望量の紫外線を照射することによって、樹脂に屈折率変化を生ぜしめ、被測定試料6を作製する(図12参照)。
次に、図9に示す測定系の精密光学微動系(ステージ)73に被測定試料6を設置する。精密光学微動系73の前方には、レンズ4が配置され、精密光学微動系72により位置調整可能となっている。被測定試料6、レンズ4を囲む範囲をB部とする。
計測用光源1として、波長850nmの低コヒーレンスなルミネセントダイオード光(コヒーレンス長Lc=24nm)を用いる。
測定光学系では、参照光用の鏡面配置アーム101と被測定試料側アーム102とに分岐させる。
それぞれのアーム101,102での計測光の動作と測定過程について図9を用いて説明する。
まず、アーム102側について述べる。
計測光焦点位置がアーム102側の被測定試料6の各境界面に合致した時、大きな反射光が生じ、その反射光が同一経路を逆に戻り、ビームスプリッタ3まで戻り、ここで反射されて、フォトディテクタ9で反射光が検出されることになる。
一方、参照光側アーム101では、同じくビームスプリッタ3によって分岐された計測光が鏡面8によって反射され、辿った経路を逆に進行し、ビームスプリッタ3をそのまま通過し、フォトディテクタ9で光検出される。鏡面8は、精密光学微動系71に設置される。鏡面8の付近をA部とする。
従って、鏡面8の位置調整を行うことにより、両アームからの反射光が干渉しあった光強度がフォトディテクタ9で検出されることになる。
次に、測定手順について図10、図11を参照して詳しく述べる。
図11(a)に示すように、アーム102側を通過してきた計測光は被測定試料6の表面、即ち、光硬化性樹脂61の表面で焦点を結び、この境界面で反射戻り光がフォトディテクタ9によって検出されて第1番目のピーク強度をとることになる。
この際に、図10(a)に示すように、参照光側アーム101では鏡面8を微動させて、測定系に示すフォトディテクタ9で両反射光干渉強度最大となるように参照光側鏡面位置を決定する。この位置をX=XFの位置とする。
次に、図11(b)に示すように、樹脂61がコートされた基板62を移動させて、焦点位置をずらし、樹脂61と基板62との界面位置にまでもってくる。
この時も同様に、図10(b)に示すように、両アーム101,102からの反射戻り光干渉光強度が最大となるように、参照光アーム101の鏡面8を微小量移動させ、X=XRを得る。
この微小距離XF−XRが被測定試料分の屈折率と厚さに応じた光学的距離に相当することになる。
この測定結果と測定試料側の第2のアーム102での試料6の移動距離とから屈折率と厚さの同時測定が解析的に可能となっていた(関係式については非特許文献1を参照)。
更に、従来法による測定サンプル作製工程とサンプル形状の問題点について図12を用いて説明する。
図12中にプロセス2で示すように、表面に金属コート63を施した基板62に光硬化性樹脂61を滴下して、スピンコート法などによって樹脂をフィルム状にコートし、紫外光を適宜照射して、被測定試料を作製する。その都度、前述の手法によって屈折率測定を行うことになる。
プロセス2による測定試料(タイプ2)は、面的に被測定樹脂61が広がっているため、樹脂61全面への均一な紫外光の照射が困難であることなどから、紫外光露光量とそれに応じて変化する屈折率測定データとで測定箇所の依存性が現れ、測定箇所によりデータがまちまちとなり、誤差要因となっていた。
即ち、被測定試料の同一露光量照射エリアと測定プローブのスケールの乖離を小さくすることが重要となる。
そこで、例えば、インクジェット法、ディスペンサ法等により、12図中にプロセス1で示すように、表面に金属コート63を施した基板62に光硬化性樹脂61を微少量滴下して得られる被測定試料(タイプ1)を用いて、露光量照射エリアと測定プローブのスケール隔差を減少させ、従来の測定手法の適用を試みた場合を述べる。
プロセス1によれば、測定プローブと試料サイズはほぼ同一とすることもでき、露光量分布と屈折率分布との乖離を抑えこむことが可能となる。
しかしながら、プロセス1においても光学的な問題点が生じる。
その問題点を微小量滴下された樹脂中での計測光の光学現象と本試料を用いた場合の計測結果をそれぞれ図13と図14を用いて説明する。
まずは滴下された光硬化性樹脂への計測光の入・反射状態を図13で説明する。
粘度が高い樹脂61を微小量、表面に金属コート63を施した基板62へ滴下して被測定試料の作製を行った場合には、樹脂61の形態は曲面レンズ状となる。
この形態の光硬化性樹脂61を通過する光線は、基板表面では焦点を結ばない光学配置が生じうる。図中の入射光線の集束角φが、曲面近似されるレンズ樹脂計測光入射位置での動径方向と基板法線方向zとのなす角(以下、単に動径角と略す)αよりも小さい場合に相当する。
図に示すように入射光線はUQ→QS→SYのように光線は伝搬する。
ここで、半球面形態樹脂61に入射した場合の条件として、図中に示すように、樹脂を球面とみなし、その中心Cから光線入射位置Qまで結んだ線を法線とし、入射角をi、球面レンズ中への透過時の屈折角をj、樹脂屈折率をnspとおけば、(12)式の条件を満たす必要がある。
Figure 0004194971
樹脂61の屈折率は1以上であるため、i>j>0の関係となり、樹脂中ではビーム集束角が広がったままとなり、この場合、樹脂透過光線は樹脂搭載面では焦点を結ばない。
この光学系がもたらす従来技術による測定法への問題点を図14に示す。
図14(a)に示す測定過程では、基板62に滴下した樹脂61が球形化し、その頂点位置に計測ビームが焦点を結んでいる様子が示されている。参照光側アームでは既述の図10(a)がこれに対応する。
図14(b)に示す測定過程では、焦点位置をこの位置から樹脂を通過させ、従来技術と同様に基板面にもってきた場合には、前述のように光硬化性樹脂が球状レンズとなっているため、ビームの集束角によっては基板面では焦点を結ばない場合が生じる。この様子は図14(b)に示す通り、反射光は同一経路を戻らず発散していることがわかる。参照側アームでは既述の図10(b)がこれに対応する。
反射率を向上させるために、基板62の上面(樹脂搭載面)に金属コート63を施しているので、この面で大部分の光が反射する。
しかしながら、焦点を基板上面で結ばないため、ここからの反射戻り光はもとの光路を逆に戻らない。
その様子は図13中で示すように、反射後のビームはSY+YZのよう伝播して、結果的には放散するように反射戻り光は伝搬することになる。
この結果、従来測定法によって得られる干渉光強度は微弱となる。
その時に得られる反射戻り光スペクトラムの様子を図14(c)に示す。
さらに、同図中に示していないが、参照光が平行光であるのに対して曲面形態のビーム姿態をとるため、両者が干渉しあって得られる強度最大を与える位相が判別しにくくになり、結果的にブロードな干渉光強度スペクトラムが得られることになる。
従って、本計測法による屈折率測定に重要となる試料移動距離が不正確となり、ひいては屈折率そのものの測定が困難になる。
また、計測用光源の光出力を上げたとしても、前述のノイズは光強度とともに増加する結果となり樹脂が計測光により硬化が著しく進展し、測定をさらに不正確にするなどの問題点があった。
「低コヒーレンス光干渉を用いた屈折率と厚さ同時測定の樹脂硬化性評価への応用」丸山英樹、満山照樹、清村圭博、春名正光、電子情報通信学会論文誌Cvol.J85−CNo..2pp.103−106
上述のように、従来型の低コヒーレンス干渉光学系による光硬化性樹脂の屈折率と厚さ測定方法によれば、その樹脂と基板との反射戻り光強度を高めるために樹脂搭載面側に金属コートを施すなどにより、屈折率と厚さの測定を行っていた。
また、紫外光照射均一領域と測定プローブサイズとを一致させる試みとして用いられる光硬化性樹脂の微少量滴下によるサンプルを用いての測定法によれば、反射戻り光のピーク位置の判別が困難になる問題があった。
さらには、たとえ精度を犠牲にしたとしても、従来法による屈折率測定方法によれば、スピンコート法によって被測定樹脂を基板上にフィルム形成を行う工程が必要となる。
このため試料測定にいたる作製準備が煩雑になるなどの問題があった。
上記課題を解決する本発明の請求項1に係る屈折率測定装置は、マイケルソン干渉計において、低コヒーレンス光源から発せられた光をコリメート光とする第1のレンズと、該コリメート光を2つのアームに分岐させるビームスプリッタと、第1のアームには分岐したコリメート光を反射させる鏡面と、該鏡面を搭載した第1の精密光学ステージとを設け、第2のアームには該コリメート光を集光すると共にビーム集束角を可変にでき、試料上の樹脂に所望の集束角で入射させる複数のレンズ群から構成されるレンズモジュールと、該レンズモジュールを搭載する第2の精密光学ステージ、該試料を搭載する第3の精密光学ステージとを設け、第1と第2の各アームからの反射戻り光をビームスプリッタを介して集光する第3のレンズと、該集光の干渉光強度を検出するフォトディテクタと、該フォトディテクタからの光強度を観測する装置と、第1、第2、第3の精密光学ステージを制御する制御系とを設けたことを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項に係る屈折率測定・硬化装置は、マイケルソン干渉計において、低コヒーレンス光源から発せられた光をコリメート光とする第1のレンズと、該コリメート光を2つのアームに分岐させるビームスプリッタと、第1のアームには分岐したコリメート光を反射させる鏡面と、該鏡面を搭載した第1の精密光学ステージとを設け、第2のアームには該コリメート光を集光すると共にビーム集束角を可変にでき、基板上の光硬化性樹脂に所望の集束角で入射させる複数のレンズ群から構成されるレンズモジュールと、該レンズモジュールを搭載する第2の精密光学ステージ、前記基板を搭載する第3の精密光学ステージとを設け、第1と第2の各アームからの反射戻り光をビームスプリッタを介して集光する第3のレンズと、該集光干渉光強度を検出するフォトディテクタとで構成される光学系と、該フォトディテクタからの光強度を観測する装置と、第1、第2、第3の精密光学ステージを制御する制御系とを設けた光硬化性樹脂の屈折率測定装置において、前記光源として、光硬化を行う波長の光、例えば、光硬化を開始する波長(光吸収波長域波長)と、更に、それよりも長く近接した波長を持った光とを出射する光源を用いたことを特徴とする。
上記課題を解決する本発明の請求項に係る屈折率測定方法は、マイケルソン干渉計において、低コヒーレンス光源から発せられた光を第1のレンズによりコリメート光とし、該コリメート光をビームスプリッタで2つのアームに分岐させ、第1のアームにおいて、分岐したコリメート光を鏡面で反射させ、第2のアームにおいて、該コリメート光を複数のレンズ群から構成されるレンズモジュールで集光して、基板上の樹脂に所望の集束角で入射させ、第1と第2の各アームからの反射戻り光をビームスプリッタを介して第3のレンズで集光させ、該集光の干渉光強度を検出することにより前記樹脂の屈折率を測定する方法において、前記所望の集束角を、レンズ状となった前記樹脂への計測光入射位置でのレンズ状樹脂曲面動径方向と前記基板の法線方向とのなす角よりも大きく設定することを特徴とする。
本発明は、樹脂の屈折率をマイケルソン干渉光学系を用いて測定する方法と装置に関し、ビーム補正用レンズモジュールと被測定試料との間隔、及び当該モジュールからのビームの集束角を可変としたので、入射光線の集束角を動径角よりも大きくすることができ、これにより、測定光が基板面で焦点を結ぶこととなる。
光源として、光硬化性樹脂を硬化させることのできる波長の光を用いれば、光源光強度を変更することにより、屈折率の測定と共に光硬化性樹脂を硬化させることも可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
本発明の第1の実施例に係る光硬化性樹脂の屈折率測定・硬化光学系を図1に示す。
また、本光学系による測定過程を図2に示す。
図中、1は計測用光源で405nm付近の紫色発光するGaN系レーザダイオード(LD)の両端面に無反射膜を施し、スペクトル幅を広げた光源(SLD)である。ペルチェ素子制御で温度変化を行うことで発振波長変化を行い、樹脂硬化用光源としても使用される。
2は光源からの出射ビームをコリメートビーム化するための第1のレンズ、3は第1の光学アーム101と第2の光学アーム102とに計測光を分離・合成するためのビームスプリッタである。
4,5は第2のアーム、即ち、被測定試料側光学アーム102において、第1のレンズ2を通過して得られるコリメートビームを所望のビーム形態にするためのビーム補正用レンズモジュール内レンズ群、6は試料、61は光硬化性樹脂、62は基板、63は金属コートである。
71,72,73はそれぞれ精密光学微動系、8はミラー、9は両アームからの干渉光強度を検出するためのフォトディテクタである。
10は精密光学微動系ステージ71,72,73の制御を行うステージコントローラ、11はフォトディテクタ9によって検出された光強度を電気信号変換する電子回路とモニターする演算処理装置、12は第1、第2のアーム101,102からのコリメート光をフォトディテクタ9に集光するために用いるレンズ、13は精密光学微動系72として好適なピエゾ素子である。
図1において本測定系の概要を説明する。
光学系はマイケルソン干渉計をベースとしており、その測定原理の概要は従来技術で説明した通りである。
本発明による測定系においては、試料側アーム102において試料6の前面に計測用ビームの集束角φを可変とするレンズモジュール4,5を設け、光源1は青紫色発振するスーパルミネセントダイオードSLDにペルチェ素子を設置し、温度制御を可能とし、発振波長コントロールを可能としている。
計測時には405nm発振するようにペルチェ素子にてコントロールを行い、スーパールミネセントダイオードから計測光を出射させる。
レンズ2で計測光をコリメートビームとした後、図1(b)に示すように、レンズ5によって一旦集光したあと、次段のレンズ4に入射する。
これらのレンズ4とレンズ5のレンズ間距離を動かすことによって、試料へ入射する計測光の集束角φを変化させることができる。
図2には屈折率測定のための測定過程を示す。
まず、従来の技術と同様に、図2(b)の測定過程1で示すように、曲面形状となっている紫外線硬化樹脂61と空気の界面、即ち、その曲面頂点位置に第1の反射ピークが得られる(反射ピークはここでは図示しない。)。
次に、図2(c)の測定過程2で示すように、被測定試料6をレンズ4に近接させ、かつ計測光の集束角φを変化させて基板底面が焦点位置となった時、第2の反射ピークが得られる。
なお、この測定過程2において焦点を探しあてた時の計測光の集束角としてφ1、として再度、レンズ半球頂点位置に戻して、その移動量をΔzとする。
図3と図4において詳述するが、入射角の集束角φとしてレンズ状となった樹脂への計測光入射位置での動径角αよりも大きく設定する(図中:φ>α)ことによって、基板面で焦点を結ぶことが可能となる。
図3には基板62を移動させて、曲面形状となった光硬化性樹脂61に計測光が集束角φで入射して、基板面位置において焦点を結ぶ状態を示す。そのときの関係式を式(1)から式(5)で示す。式(1)から式(5)は、基板上滴下樹脂断面図と関係式導出式である。
Figure 0004194971
なお、図中に示すように、樹脂の屈折率はnsp、樹脂の厚みはt、その樹脂形態を球面近似した時に得られる外径をR、ビーム集束角はφ、ピーク検出時の樹脂への計測光入射位置における動径角としてαとおくことで、スネルの法則から関係式(5)を得ることができる。
計測光の樹脂レンズヘの入射位置での動径角αと焦点を結ぶ時の入射角iとの関係を図4(a)に、またその入射角iを満たす計測光の集束角φの関係を図4(b)に示す。
なお、例として、樹脂として屈折率nsp=1.511、樹脂直径d=3000μm、樹脂厚みt=700.0μmとして計算結果を示している。
図4(a)に示すように、基板上に焦点を結ぶ計測光の入射角iは動径角α=0〜30度付近にあることがわかる。
また、図4(a)の入射角iをφに読み替えて記載しなおした図4(b)を見ると、計測光の集束角φとしてスネルの法則が許容しうる範囲では10度から120度近辺まで分布している様子が分かる。
しかしながら、現実的には90度以上の入射角(基板の裏面から光入射する場合)はありえず、更にはレンズ口径と波長等から現実的な計測光の集束角φは30度程度であれば実現できる。
このことから、実際に基板面で焦点を結び、本発明による測定方法の実現性あることが確認できた。
図5には基板をΔzだけレンズモジュール側に近接して、基板面で焦点を結んだ場合に得られる、幾何学的な集束角φと動径角αの関係を示す。
その導出過程詳細については式(1)〜(9)による。
Figure 0004194971
図6には図5と同様に基板をΔz、参照光側アーム101のミラー8をΔL移動させた時に反射戻り光強度最大ピークが得られる時の位相関係を示す。
参照光側アーム設置ミラーのΔLの移動と試料側Δzの移動で焦点が基板表面で結像時の条件から、樹脂厚み導出のための関係式を式(10)に示す。
更に、測定結果として得られるΔz、ΔL並びに、樹脂直径dとから樹脂厚みtを求める関係の導出過程を式(ll)に示す。
Figure 0004194971
式(11)は、樹脂の厚みtを求めるための評価式であり、関係式(5)と関係式(10)とから、屈折率nspを消去することにより求められる。
関係式(11)は評価式F(t)の形式をとっており、本評価式が零をとる時の値tが、レンズ状となった樹脂の厚みtを与えることになる。
また、このtを用いることによって、関係式(3)を基に樹脂球面近似半径R、並びに関係式(9)をもとに動径角αが明らかとなり、関係式(5)から屈折率nspが求められる。
従って、基板に滴下した樹脂の直径dが明らかとなれば、滴下樹脂の屈折率と厚みを求めることができる。
次に、上記これまで述べてきた本発明による基板微小滴下樹脂の硬化方法と屈折率測定法について、具体的な測定結果を含めて述べる。
まず、図1に示すように、光硬化性樹脂液体を基板に微小量滴下した被測定試料6を精密光学微動系ステージ73に設置する。
次に、SLD光源1をペルチェ素子によって温度コントロールすることによって、光源1からの出射中心波長を樹脂吸収波長である紫外領域380nmにシフトさせる。
更に、図1中のミラー8を取り除くと共にビームスプリッタ3を90°回転させて(図示せず)、フォトディテクタ9によって出射光量をモニタし、樹脂吸収波長光をレンズモジュール4,5に入射させ、コリメート光状態に近いビーム状態で樹脂に照射する。
以上の過程を経て樹脂を硬化させる。
次に、図1中のミラー8を再度設置し、ビームスプリッタ3をもとの位置に90°回転させ(図示通り)、SLD光源1からの発振光をペルチェ素子コントロールによって可視領域にシフトさせた光線(例えば、405nm)、若しくは出力レベルを紫外線硬化樹脂の硬化開始しきい値レベルよりも十分小さい値(例えば10W/cm2)に設定した出射光を計測光として用いる。
その後、所望量の紫外光を照射した基板滴下樹脂(樹脂外径:d=3000μm)に入射させて屈折率と厚さの測定を行う。
測定の結果を図7に示す。
測定結果としてΔz=520.0μm、ΔL=890.0μmが得られた。
尚、測定においてはビーム集束角はφ=20.00度であった。
本測定結果を基にして、厚みtを求めたところ、評価関数F(t)からt=700.0μmと測定された。
また、本厚み測定結果を用いて、Δzと屈折率nとの関係を算出した結果を図8に示す。
図中に示すように、測定されたΔzとして520.0μmであることから、樹脂の屈折率nspが1.511と測定された。
以上、本実施例では光硬化性樹脂について述べたが、これに限るものではなく、基板上に半球レンズ形態を持つ構成であれば、その屈折率を求めることも可能となるのはいうまでもない。
更に、基板搭載状態の樹脂の屈折率測定を行ってきたが、例えば、ファイバ端面上に搭載され、表面張力によって曲面形状となった樹脂についても測定できるのは言うまでもない。
これまで説明したように、本発明は、基板上に滴下した樹脂滴の屈折率を、マイケルソン干渉光学系を用いて測定する方法と装置に関し、ビーム補正用レンズモジュールと被測定試料との間隔、及び当該モジュールからのビームの集束角を可変とし、及び光源として計測光と樹脂硬化用光を同時照射可能としたものである。
本発明は、光硬化性樹脂の照射光量と屈折率依存性のリアルタイム測定法として利用可能なものである。
本発明による光硬化性樹脂材料の屈折率測定・硬化装置の概略構成図である。 本発明による光硬化性樹脂材料の屈折率測定過程を示す説明図である。 本発明による光硬化性樹脂材料屈折率導出の説明図である。 図3に示した関係式による入射光線集束角度と入射位置動径角αとの関係の一例を示す説明図である。 ΔZ移動して、計測光が基板上面にて焦点結んだ時の入射光線の集束角度φとその入射位置に対応する動径角αとの関係を示す説明図である。 被測定試料アーム側試料移動量ΔZと参照光アーム側ミラー移動量ΔL、厚みtの関係を示す説明図である。 厚みtの測定結果を示す説明図である。 屈折率の測定結果を示す説明図である。 従来技術による光硬化性樹脂の屈折率の測定方法を示す説明図である。 図9中A部の拡大図である。 図9中B部の拡大図である。 光硬化性樹脂のサンプル作製過程を示す説明図である。 基板滴下樹脂への計測光の入射条件(入射光線の集束角φが動径角αよりも小さい場合)の説明図である。 従来技術による基板滴下樹脂の屈折率測定を示す説明図である。
符号の説明
1 光源
2 第1のレンズ
3 ビームスプリッタ
4,5 ビーム補正用レンズモジュール内レンズ群
6 被測定試料
61 光硬化性樹脂
62 基板
63 金属コート
71,72,73 精密光学微動系
8 鏡面(ミラー)
9 フォトディテクタ
10 精密光学微動系ステージの制御装置
11 演算処理装置
12 第3のレンズ
13 ピエゾ素子
101 第1のアーム(参照光側)
102 第2のアーム(被測定試料側)

Claims (3)

  1. マイケルソン干渉計において、低コヒーレンス光源から発せられた光をコリメート光とする第1のレンズと、該コリメート光を2つのアームに分岐させるビームスプリッタと、第1のアームには分岐したコリメート光を反射させる鏡面と、該鏡面を搭載した第1の精密光学ステージとを設け、第2のアームには該コリメート光を集光すると共にビーム集束角を可変にでき、基板上の樹脂に所望の集束角で入射させる複数のレンズ群から構成されるレンズモジュールと、該レンズモジュールを搭載する第2の精密光学ステージ、該基板を搭載する第3の精密光学ステージとを設け、第1と第2の各アームからの反射戻り光をビームスプリッタを介して集光する第3のレンズと、該集光の干渉光強度を検出するフォトディテクタと、該フォトディテクタからの光強度を観測する装置と、第1、第2、第3の精密光学ステージを制御する制御系とを設けたことを特徴とする屈折率測定装置。
  2. マイケルソン干渉計において、低コヒーレンス光源から発せられた光をコリメート光とする第1のレンズと、該コリメート光を2つのアームに分岐させるビームスプリッタと、第1のアームには分岐したコリメート光を反射させる鏡面と、該鏡面を搭載した第1の精密光学ステージとを設け、第2のアームには該コリメート光を集光すると共にビーム集束角を可変にでき、基板上の光硬化性樹脂に所望の集束角で入射させる複数のレンズ群から構成されるレンズモジュールと、該レンズモジュールを搭載する第2の精密光学ステージ、前記基板を搭載する第3の精密光学ステージとを設け、第1と第2の各アームからの反射戻り光をビームスプリッタを介して集光する第3のレンズと、該集光干渉光強度を検出するフォトディテクタとで構成される光学系と、該フォトディテクタからの光強度を観測する装置と、第1、第2、第3の精密光学ステージを制御する制御系とを設けた屈折率測定装置において、
    前記光源として、光硬化を行う波長の光を出射する光源と光硬化を開始する波長以上の光を出射する光源を用いたことを特徴とする屈折率測定・硬化装置。
  3. マイケルソン干渉計において、
    低コヒーレンス光源から発せられた光を第1のレンズによりコリメート光とし、
    該コリメート光をビームスプリッタで2つのアームに分岐させ、第1のアームにおいて、分岐したコリメート光を鏡面で反射させ、
    第2のアームにおいて、該コリメート光を複数のレンズ群から構成されるレンズモジュールで集光して、基板上の樹脂に所望の集束角で入射させ、
    第1と第2の各アームからの反射戻り光をビームスプリッタを介して第3のレンズで集光させ、
    該集光の干渉光強度を検出することにより前記樹脂の屈折率を測定する方法において、
    前記所望の集束角を、レンズ状となった前記樹脂への計測光入射位置でのレンズ状樹脂曲面動径方向と前記基板の法線方向とのなす角よりも大きく設定することを特徴とする屈折率測定方法。
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