JP7339460B1 - 蓋体、蓋体用ブランク材、蓋体と容器の組み合わせ、及び蓋体付き容器 - Google Patents

蓋体、蓋体用ブランク材、蓋体と容器の組み合わせ、及び蓋体付き容器 Download PDF

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Abstract

【課題】紙系素材を用いて形成され且つ蓋体付き容器として用いられても、蓋体付き容器の密閉性の低下を抑制でき、且つ、容器の寸法にばらつきがあっても容器にはめ込むことが容易な蓋体、蓋体用ブランク材、蓋体と容器との組み合わせ及び蓋体付き容器を実現する。【解決手段】蓋体は、開口部と開口部を形成する縁部とを有する容器に対して取り付けられることが可能となるように構成されており、容器に取り付けられた場合に、開口部を覆う天面部と、縁部に接し天面部の外周縁に沿った環状に形成された側壁部を有し、天面部の外周縁に曲がり部と、天面部の周囲を取り巻くように曲がり部を介して天面部に連なる複数の小壁部と、を備え、曲がり部は、天面部と側壁部の境界を形成し、側壁部は、複数の小壁部で形成されており、且つ、隣り合う小壁部を部分的に重ねた重なり部を有し、重なり部には、隣り合う小壁部を接合する小壁接合部が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、蓋体、蓋体用ブランク材、蓋体と容器の組み合わせ、及び蓋体付き容器に関する。
コンビニエンスストアやファストフード店等の店舗では、それぞれの店舗内で飲食料品等(以下においては「内容物」とも言う。)を、開口部とその開口部を形成する縁部と開口部から奥方に形成された空間部とを有する容器に収容した状態で提供することが広く行われている。内容物を客に提供する際には、容器に蓋体を装着した状態で提供されることが多い。この場合においては、容器内に内容物を収容した状態で容器に蓋体を取り付けることで、蓋体付き容器に内容物を収容した状態(包材に収容した状態)で提供されることが多い。
蓋体としては、天面部を有する天蓋と天面部の周囲を取り巻く側壁部とを有しているものが知られており、蓋体付き容器とする場合には蓋体の側壁部を容器の縁部に嵌めつける。このような蓋体の材質としては、従来ではプラスチック成形体で形成したものを広く用いられていたが、環境負荷を軽減する観点から、蓋体をプラスチックの使用量を極力抑制した部材で形成することが要請されている。そこで、紙製素材を用いて蓋体を形成することが提案されている(特許文献1)。
特開2020-37433号公報
特許文献1では、ブランク材を賦形することで蓋体を形成しており、蓋体の天面部と側壁部が連続している。このような蓋体では、側壁部を含み容器と蓋体との接触する部分が全体的に多数の皺や襞状の構造を形成した部分となってしまい、蓋体付き容器の密閉性が低下する虞がある。
蓋体において蓋体と容器の接触する部分全体に多数の皺や襞状の構造を形成した部分となることを抑制する観点からは、蓋体が、天蓋と側壁部とを別体で形成した上で天蓋の周囲に側壁部を形成する部材を貼り合わせる構造を有することも考えられる。この場合において蓋体の側壁部が紙系素材で形成されている場合には、側壁部の硬さが上昇しやすくなるため、容器の寸法にばらつきが生じた際に、容器の寸法が予定された大きさよりも大きくなると蓋体を容器にはめ込むことが困難になる可能性を生じる。
そこで、蓋体が紙系素材を用いて形成され且つ蓋体付き容器として用いられても、蓋体付き容器の密閉性の低下を抑制でき、且つ、容器の寸法にばらつきがあっても容器にはめ込むことを容易とする観点で改善の余地がある。
本発明は、次に示す(1)から(11)を要旨とする。
(1)開口部と前記開口部を形成する縁部とを有する容器に対して取り付けられることが可能となるように構成されており、前記容器に取り付けられた場合に、前記開口部を覆う天面部と、前記天面部の外周縁に沿った環状に形成された側壁部を有し、前記天面部の外周縁に曲がり部と、前記天面部の周囲を取り巻くように前記曲がり部を介して前記天面部に連なる複数の小壁部と、を備え、前記曲がり部は、前記天面部と前記側壁部の境界を形成し、前記小壁部は、紙系素材を有し、前記容器に取り付けられた場合に前記容器に向けられる内面部と、前記内面部に対する逆面となる外面部とを有し、且つ、前記内面部と前記外面部に樹脂を有し、前記側壁部は、複数の前記小壁部で形成された構造を有し、且つ、隣り合う前記小壁部を部分的に重ねた重なり部を有し、前記重なり部には、隣り合う前記小壁部を接合する小壁接合部が形成されており、前記小壁接合部では、前記樹脂が隣り合う前記小壁部の互いに向かい合う面を接合する、蓋体。
2)隣り合う前記小壁部を第1の小壁部と第2の小壁部とした場合に、前記小壁接合部が、第1の前記小壁部の前記内面部と、第2の前記小壁部の前記外面部とを接合した構造を有する、上記(1)に記載の蓋体。
(3)前記小壁部は、基端部と前端縁部を有し、少なくとも一部の前記小壁部の幅は、前記基端部よりも前記前端縁部のほうが大きい、上記(1)に記載の蓋体。
(4)前記側壁部は、曲がり部から前記小壁部の前端に向かって先細りする形状となっている、上記(1)に記載の蓋体。
(5)前記小壁接合部の幅が、前記曲がり部から前記小壁部の前端に向かって大きくなる部分を有する、上記(1)に記載の蓋体。
(6)前記曲がり部は、紙系素材を有する、上記(1)に記載の蓋体。
(7)前記小壁部は、前記樹脂として熱可塑性樹脂層を有する、上記(1)に記載の蓋体。
(8)上記(1)に記載の蓋体を形成するブランク材であり、前記天面部に応じた第1の対応部と、前記側壁部に応じた形状に形成された第2の対応部と、を備える、蓋体用ブランク材。
(9)前記ブランク材は、円形のシート材で形成されており、前記第2の対応部は、前記シート材の外周縁から内側に向かった切り込み部を有し、前記蓋体が形成された場合に隣り合う前記切り込み部の間の部分が前記小壁部に対応する部分となっている、上記(8)に記載の蓋体用ブランク材。
(10)上記(1)に記載の蓋体と、前記開口部と前記開口部を形成する前記縁部とを有する前記容器と、を有する、蓋体と容器の組み合わせ。
(11)上記(1)に記載の蓋体と、前記開口部と前記開口部を形成する前記縁部とを有する前記容器と、を有し、記載の蓋体を前記容器に装着した構造を有する、蓋体付き容器。
本発明によれば、紙系素材を用いて形成され且つ蓋体付き容器として用いられても、蓋体付き容器の密閉性の低下を抑制でき、且つ、容器の寸法にばらつきがあっても容器にはめ込むことが容易な蓋体、蓋体用ブランク材、蓋体と容器との組み合わせ及び蓋体付き容器を実現することができる。
図1Aは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。図1Bは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための側面図である。図1Cは、図1AのA-A線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。図1Dは、図1BのB-B線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。 図2Aは、第1の実施形態にかかる蓋体を形成するためのブランク材の一実施例を説明するための平面図である。図2Bは、図2AのC-C線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。図2Cは、ブランク材が賦形される工程の一実施例を説明するための図である。図2Dは、図2Cのブランク材について矢印D方向を視線方向として見た場合の状態を説明するための図である。 図3Aから図3Dは、第1の実施形態にかかる蓋体の変形例を説明するための平面図である。 図4Aは、ブランク材の他の例を示す平面図である。図4Bは、図4AのE-E線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。 図5Aは、ブランク材の他の例を説明するための平面図である。 図5Bは、ブランク材の他の例を説明するための断面図である。 図6A及び図6Bは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための断面図である。 図7A、図7B及び図7Cは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための断面図である。 図8Aは、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。図8Bは、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための側面図である。図8Cは、図8AのF-F線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。 図9Aは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。図9Bは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための側面図である。図9Cは、図9Aに示す蓋体の使用状態の一実施例を説明するための平面図である。 図10Aは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。図10Bは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための側面図である。 図11Aは、第2の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。図11Bは、第2の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための側面図である。図11Cは、図11AのG-G線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。 図12Aは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。図12Bは、図12AのH-H線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。 図13A、図13B、図13C、図13D、図13E、図13F及び図13Gは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。 図14Aは、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。図14Bは、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための側面図である。図14Cは、図14AのI-I線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。 図15Aは、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。図15Bは、図15AのJ-J線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。 図16は、ブランク材が賦形される工程の一実施例を説明するための図である。 図17A及び図17Dは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための断面図である。図17Bは、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための断面図である。図17Cは、第2の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための断面図である。 図18A及び図18Dは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための断面図である。図18Bは、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための断面図である。図18Cは、第2の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための断面図である。 図19Aは、蓋体付き容器の一実施例を説明するための斜視図である。図19Bは、図19AのK-K線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。 図20は、蓋体が張出部を有する場合における蓋体付き容器の一実施例を説明するための部分断面図である。 図21Aは、第4の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための平面図である。図21Bは、第4の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための側面図である。図21Cは、図21AのL-L線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。 図22Aは、第6の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための側面図である。図22Bは、第6の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための断面図である。 図23Aは、第5の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための側面図である。図23Bは、第5の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための断面図である。 図24は、第3の実施形態の変形例3の一実施例を説明するための平面図である。 図25A、図25Bは、第1の実施形態にかかる蓋体を容器に取り付ける状態の一実施例を説明するための断面図である。 図26Aは、第3の実施形態にかかる蓋体を容器に取り付ける状態の一実施例を説明するための断面図である。図26Bは、第3の実施形態にかかる蓋体を容器に取り付ける状態の一実施例を説明するための断面図と部分拡大断面図である。 図27は、第4の実施形態にかかる蓋体を容器に取り付ける状態の一実施例を説明するための部分断面図である。
以下、本発明にかかる一実施例等について図面を参照しながら説明する。なお、説明は1.第1の実施形態、2.第2の実施形態、3.第3実施形態、4.適用例の順序で行う。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
以下の説明は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容は、説明される実施形態等に限定されるものではない。また、以下の説明において、説明の便宜を考慮して前後、左右、上下等の方向を示すが、本発明の内容はこれらの方向に限定されるものではない。図1、図2の例では、Z軸方向を上下方向(上側が+Z方向、下側が-Z方向)、X軸方向を前後方向(前側が+X方向、後ろ側が-X方向)、Y軸方向を左右方向(右側が+Y方向、左側が-Y方向)とし、これに基づき説明を行う。これは、図3から図27についても同様である。
図1等の各図に示す各層の大きさや厚みの相対的な大小比率は便宜上の記載であり、実際の大小比率を限定するものではない。これらの方向に関する定めや大小比率については、図2から図27の各図についても同様である。
本発明にかかる蓋体は、コーヒーカップのような各種の飲料物のような流動体を入れる容器(カップ)に対して用いられる蓋体を例として挙げて説明するが、飲料物を入れる容器の蓋体に限定されるものではなく、飲料物以外の食料品を収容する容器の蓋体としても適用することが可能である。また、本発明に係る蓋体は、飲食物以外の各種物品、例えばボルトやナット等といった部品や、上記した以外の物品を収容することのできる容器にも適用することができる。さらに、以下においては、本発明に係る蓋体は、平面視したときの形状が円形状であるものの例を用いて説明するが、蓋体の形状は平面視したときに円形状であるものに限定されることはなく、楕円形状、矩形状、三角形状などの多角形状、面取り矩形状、面取り多角形状等、円形状以外の各種の形状にも適用することができる。ただし、本発明の効果をより高める観点からは、蓋体は、流動体を内容物とする容器に装着されるものであることが好ましい。なお、流動体とは、液体や粉体等のような流体性を有するもののみである場合のほか、液体と固形物とが併用されている場合も含まれるものとする。
[1.第1実施形態]
[1-1 蓋体]
本発明の第1実施形態にかかる蓋体10は、図19等を用いて後述するように容器101の開口部102の縁部103に取り付けた(嵌め合つけた)状態で(蓋体付き容器150の用途で)用いることができるものである。蓋体10は、開口部102を有する容器101に対して縁部103に接する接触領域Rを形成することが可能となるように形成されている。
蓋体10は、図1Aから図1Dに示すように、天面部11と側壁部13を有し、天面部11と側壁部13は、曲がり部12で連続している。図1Aから図1Dは、蓋体10の一実施例を説明するための図である。容器101としては、金属製の容器など可撓性の少ないあるいはほとんど認められないような容器であることを禁止するものではないが、開口部102の端縁に可撓性を有する容器である場合に、本発明の蓋体10を用いる効果を高めることができる。
(天面部)
天面部11は、図1Aから図1Dに示すように、蓋体10を容器101に取り付けた(装着した)場合に、容器101の開口部102を覆う部分となる。天面部11の形状は、容器101の形状に応じて定められてよく、円形状、楕円形状、三角形状、矩形状、多角形状、面取り形状などを例示することができる。
(曲がり部)
曲がり部12は、天面部11の外周縁を取り巻くように形成されており、天面部11と側壁部13の境界を形成する部分となっている。曲がり部12は、蓋体10を容器101に取付けた場合に側壁部13が容器101の側壁104や縁部103に対向するように形成されている。図1Aから図1Dの例では、曲がり部12は、折れ曲がり構造を有しているが、後述するように曲がり部12は、折り曲がり構造を有する場合に限定されない。また、「天面部11と側壁部13の境界を形成する部分」には、その部分自体が境界をなす場合、その部分の内部や端部に境界が定められる場合(天面部11及び/又は側壁部13の一部が曲がり部12を兼ねる場合)のいずれも含むものとする。図1Aから図1Dの場合は、曲がり部12が天面部11と側壁部13の境界位置に形成されており、曲がり部12を境界として天面部11と側壁部13が画されている。天面部11と側壁部13の境界は、曲がり部12の中央に定められる。曲がり部12が図7A等に示すように湾曲構造を有する場合には、曲がり部12は、湾曲した範囲で特定される部分で構成され、天面部11と側壁部13の境界は、曲がり部12のおおむね中央で定められる。これは後述する張出部26が曲がり部12を形成する場合についても同様であるものとする。
(側壁部)
側壁部13は、天面部11の外周端11Aに沿って、環状に形成されている。側壁部13は、後述する複数の小壁部14を有し、且つ、隣り合う小壁部14を部分的に重ねた重なり部30を有している。重なり部30には、隣り合う小壁部14を接合する小壁接合部15が形成されている。
(側壁部の全体形状)
側壁部13の形状は特に限定されるものではないが、図1Aから図1Dの例では、側壁部13の全体形状として、上下方向に沿って、曲がり部12から小壁部14の前端に向かう方向(-Z方向)で、先細りする形状となっている。ここにいう先細りする形状とは、蓋体10の平面視上、側壁部13の横断面(XY平面に平行な平面で側壁部13を切断した状態を想定した場合にも認められる側壁部13の横断面)で、曲がり部12の近傍位置における側壁部13の横断面の内側に、曲がり部12よりも下方側の所定位置での側壁部13の横断面が形成されているような形状であることを示しており、図1Aから図1Dの例では、側壁部13の横断面が曲がり部12の位置から離れるほど小さくなるように形成されている。なお、側壁部13の形状については、側壁部13の内周面13Aについての形状と、側壁部13の外周面13Bについての形状があるが、図1Aから図1Dの例に示すように、いずれの形状についても先細りする形状に該当することが好ましい。
(小壁部)
蓋体10は、複数の小壁部14を有しており、複数の小壁部14は、曲がり部12を介して天面部11に連なるように形成されている。小壁部14は、基端部31と前端縁部32を有し、基端部31が曲がり部12に位置しており、前端縁部32が側壁部13の下端を形成している。図1Aから図1Dの例では、基端部31は、側壁部13の上端を形成しているが、これは一例である。
また小壁部14の外周縁のうち基端部31と前端縁部32を除く部分が、側端部33を形成している。側端部33の形状は後述する重なり部30を形成可能であれば特に限定されないが、後述するブランク材50の状態で隣り合う小壁部14の一方の側端部33とその一方の側端部33に向かい合う他方の側端部33とが互いに平行する形状に形成されていることが好ましい。また、図1の例では、側端部33の形状は、後述するブランク材50の平面視上において、ブランク材50の中心(図2において位置CB)から外方向(ブランク材50の径方向)に延びる直線状に形成されている。小壁部14は、後述するブランク材50においては個々の折り代部51で構成される。なお、図2Aの例に示すブランク材50を賦形して図1Aの蓋体10を形成した場合の例では、ブランク材50の中心CBが、おおむね蓋体10の中心CTの位置となっている。
小壁部14は、天面部11の外周端11Aを取り巻くように形成されている。すなわち、複数の小壁部14は、曲がり部12に沿って天面部11の周方向に並ぶように形成されている。また、天面部11の周方向に隣り合う小壁部14が部分的に重なり合っている。隣り合う小壁部14の重なり合う構造は、天面部11の周方向に並ぶ全ての小壁部14について同じ構造であってよい。例えば、小壁部14の側端部33のうち図1BのX方向側の側端部33を第1側端部33Aとし、+X方向側の側端部33を第2側端部33Bとする(小壁部14の側端部33をみた場合に第1側端部33Aから第2側端部33Bに向かう方向が天面部11の周方向を時計回りとなる方向に一致するように第1側端部33A、第2側端部33Bを定める)。このとき、図1の例に示すように、第1側端部33Aが側壁部13の内周面13A側に位置し、第2側端部33Bが側壁部13の外周面13B側に位置するように、隣り合う小壁部14の重なり合う構造が定められている。なお、これは、一例であり、隣り合う小壁部14の重なり合う構造を限定するものではない。
図1の例では、小壁部14は、容器101に取り付けられた状態で容器に向けられる方の面として内面部34と、その内面部34に対して逆面側の面を外面部35とを有し、小壁部14の内面部34のうち露出する部分が、側壁部13の内周面13Aを形成する。また、図1の例では、小壁部14の外面部35のうち露出する部分が、側壁部13の外周面13Bを形成する。
小壁部14の形状は、特に限定されるものではないが、少なくとも一部の小壁部14の幅が基端部よりも前端縁部のほうが大きくなるような形状であることが好ましい。この場合、図1の例に示すように、小壁部14の幅WNが基端部31から前端縁部32に向かって徐々に大きくなるような形状であることが好ましい。このような形状として、小壁部14の形状は、扇形状を例示することができる。
小壁部14は、内面部34と外面部35の少なくとも一方面側の表面に樹脂層(熱可塑性樹脂層が好ましい)が形成されていることが好ましい。この場合、後述するブランク材50から蓋体10を成形する際に加熱処理や超音波溶着処理等を施すことで重なり部30に小壁接合部15を容易に形成することができる。これは、蓋体10の材質として(ブランク材50の材質として)少なくとも一方の表面に樹脂層を形成したシート材を用いることで実現することができる。なお、シート材の例としては、具体的に、紙系素材で形成された層(例えば、紙)と、樹脂層との積層構造を有するもの(例えばコート紙)が挙げられる。
(重なり部)
側壁部13には、重なり部30が形成されている。重なり部30は、隣り合う小壁部14の一部が重なりあった構造で定められる部分である。図1Aから図1Dの例では、上述したように小壁部14を構成する面のうち、容器101に取り付けられた状態で容器101に向けられる方の面を内面部34とし、その内面部34に対して逆面側の面を外面部35とした場合、重なり部30は、一方の小壁部14の内面部34と他方の小壁部14の外面部35とが向かい合った部分として定められる。図1Aから図1Dの例では、隣り合う前記小壁部14を第1の小壁部14Aと第2の小壁部14Bとした場合(例えば、第1の小壁部14Aから第2の小壁部14Bに向かう方向が時計回りとなるように第1の小壁部14Aと第2の小壁部14Bを定めた場合)に、第1の小壁部14Aの内面部34と、第2の小壁部14Bの外面部35とが向かい合っている。
重なり部30の領域は、特に限定されるものではないが、小壁部14の基端部31から前端縁部32に向かって重なり部30の幅が大きくなる部分を有する、ことが好ましい。図1Aから図1Dの例では、重なり部30の領域は、小壁部14の基端部31から前端縁部32に向かって重なり部30の幅WKが徐々に大きくなっているような形状である。このように重なり部30の領域WKが形成されていると、後述する小壁接合部15の形成領域も重なり部30の領域と同様となるように形成することが容易となり、小壁接合部15による効果を高めた構造を形成することが容易となる。重なり部30の幅(図1においては、幅WK)とは、小壁部14の基端部31の2つの端部31A、31Bを結ぶ直線Mを想定した場合に、重なり部30の面に沿った領域の長さのうち、その直線Mと並行な方向の長さを示すものとする。
(小壁接合部)
重なり部30では、重なり部30を構成する小壁部14の向かい合う面が互いに接合しており、この接合した部分が小壁接合部15となっている。図1Aから図1Dの例では、第1の小壁部14Aの外面部35と、第2の小壁部14Bの内面部34とを接合した部分として定められる。小壁接合部15が形成されていることで、隣り合う小壁部14が互いに自由な動き生じることを規制することができ、側壁部13の全体形状が安定化しやすくなる。特に、ブランク材の賦形によってブランク材を構成する部分が密集して形成される従来のような細かな皺や襞のような皺状構造と異なり、小壁接合部15は、面接合する部分となっているため、側壁部13の形状がより安定化しやすくなる。なお、このことは、小壁接合部15の他に従来の皺状構造をさらに形成することを禁止するものではない。
小壁接合部15の形成領域は、側壁部13を構成する小壁部14が基端部31を軸として自由に回動することを抑制できる程度の領域であれば、特に限定されるものではない。ただし、蓋体10の形状安定性を維持しつつ、曲がり部12から遠い位置で(側壁部13の下端に近い位置で)側壁部13に変形を生じにくく、さらに側壁部13の下端よりも曲がり部12の近傍で側壁部13に比較的変形を生じることができるようにする観点からは、小壁接合部15の幅WDが、曲がり部12から小壁部14の前端に向かって大きくなる部分を有することが好ましい。このとき、重なり部30の形成領域も同様であることが好ましい。この場合、重なり部30の形成にあわせて重なり部30に熱融着処理(加熱処理等)や超音波溶着処理を施すことで、重なり部30と小壁接合部15とをおおむね同時に形成することができる。小壁接合部15の幅(図1においては、幅WD)とは、小壁接合部15の面に沿った領域の長さのうち、上述した直線Mと並行な方向の長さを示すものとする。
図1Aから図1Dの例では、小壁接合部15の幅WDが、小壁部14の基端部31から前端縁部32に向かって徐々に大きくなるなっている。このような小壁接合部15の形成領域として、おおむね扇型状の形成領域(扇型を部分的に重ねた形状)を例示することができる。
(蓋体の材質)
蓋体10の材質は、すなわち天面部11と側壁部13と曲がり部12の材質は、それぞれ特に限定されず、紙系素材、プラスチック、金属などを例示することができるが、紙系素材であることが好ましい。特に、側壁部13と曲がり部12の材質が紙系素材を有することが保形性と環境への配慮の両立性の観点からは好ましく、蓋体10の全体が、紙系素材を有することがより好ましい。紙系素材としては、繊維原料のスラリーを網上に抄き取り、乾燥ないし押圧乾燥、抄紙してシート状にして得られる、いわゆる紙や、パルプ系繊維等からなる原料シートを粉砕機で粉砕して得られる粉砕パルプ等の開繊繊維原料を空気流によって積繊し、積繊体の繊維相互をバインダーで固定して得られるいわゆるエアレイドシート等、植物繊維、その他の繊維を膠着させて製造される所謂紙類の他、化学繊維紙、合成紙、耐水紙、コート紙、代替紙、羊皮紙、羊毛紙、ガラス繊維紙、ストーンペーパー、陶紙等や、これらを複数枚積層したもの等が挙げられる。また、紙系素材としては、パルプだけからなるもののほか、非パルプ系の天然繊維や合成繊維、再生繊維等の繊維を含むものであっても良いが、パルプを50質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むものがより好ましく、更に80質量%以上含むものが好ましいが、特にパルプ100質量%からなるものが好ましい。紙系素材は、合成樹脂や天然樹脂のフィルムや不織布、木箔等の木質系素材等、さらにはアルミ箔等の素材との複合材料も用いることができるが、複合材料とする場合、複合材料全体としてパルプを50質量%以上含有することが好ましく、特に80質量%以上のパルプを含むものが好ましい。パルプ含有分の高いほど、紙系素材が生分解されやすくなるため好ましい。蓋体10の材質は、紙系素材を含む積層体でも好ましく用いられることができる。
[1-2 蓋体用ブランク材と製造方法]
図1Aから図1Dに示すように、本発明においては、蓋体10は天面部11と側壁部13の面方向が異なっていることで全体として立体的形状を有する。このような蓋体10の立体的形状は、例えば、成形装置等を用いて蓋体用ブランク材を蓋体10の形状に対応した形状に変形する(賦形する)ことで実現することが可能である。なお、本明細書においては、蓋体用ブランク材を単にブランク材と称呼することがある。
(蓋体用ブランク材)
蓋体用ブランク材(ブランク材50)は、蓋体10に対応するブランク材50である。例えば、図1Aから図1Dの例に示す蓋体10についてのブランク材50は、蓋体10に応じて定められた形状に形成されたシート状の構造体で構成される。ブランク材50の材質は、蓋体10の材質と同じ材質のものを定められる。なお、ブランク材50がシート状である場合には、蓋体10の形状や構成に対応して例えば後述するように孔部16やタブ部材19等を対応する位置に設けたものが含まれる。
(第1の対応部と第2の対応部)
ブランク材50は、図2Aに示すように、第1の対応部52と第2の対応部53を有する。ところでブランク材50のうち蓋体10の天面部11となる部分に対応する部分が、第1の対応部52であり、側壁部13となる部分に対応する部分が第2の対応部53となる。
図1Aに示す蓋体10に対応するブランク材50は、図2Aに示すように、円形のシート材55で形成されているものを挙げることができる。ブランク材50は、シート材55の外周縁から内側に向かった複数の切り込み部54を有し、図2Aの例の場合にはシート材55の外周縁に沿って隣り合う切り込み部54の間の部分がブランク材50の賦形の際に曲げられる折り代部51となる。折り代部51の組み合わせ(集合体)で構成される部分が第2の対応部53を形成している。なお、この折り代部51が、図2Bに示すように矢印FD方向に折り曲げられることで、ブランク材50が蓋体10へと形状変化された際には、折り代部51は小壁部14をなす(あるいは小壁部の一部をなす)。なお、ブランク材50が切り込み部54の奥端63の位置よりもさらに中心側の所定位置で折りまげられる場合には、ブランク材50は図5Aに示すようなものを用いることができ、折り代部としては、隣り合う切り込み部で挟まれた複数の第1折り代部60と、第1折り代部60よりもさらに奥方(ブランク材50の中心側)まで入り込んだ部分(シート材55の外周縁から折り曲げ軸となる位置までの部分)までの部分で構成された第2折り代部61とで構成される。第1折り代部60は、第2折り代部61から外側方向に延び出た部分となる。第2の対応部53は、複数の第1折り代部60の組み合わせと第2折り代部61で形成される。重なり部30は、第1折り代部60の重なり合い構造で形成される。また、小壁部14は、第1折り代部60で構成される。
(蓋体用ブランク材の他例1)
蓋体用ブランク材(ブランク材50)は、図2Aの構造に限定されず、例えば、図4A、図4Bに示すように、切り込み部54に変えて、切り欠き部56を有してもよい。この例の場合、隣り合う切り欠き部56の間の部分が折り代部51となる。なお、切り欠き部56は切り込み部54と併用されてよい。切り欠き部56は、図4Aに示すように、ブランク材50から蓋体10が製造される場合に形成される重なり部30となることを予定される部分よりも小さくなるように形成される。図4中、破線MRは、蓋体10が製造される場合に形成される重なり部30となることを予定される部分と重なり部30から外れる部分の境界を示す。
(蓋体用ブランク材の他例2)
蓋体用ブランク材は、図2の構造に限定されず、例えば、図5A、図5Bに示すように、切り込み部54に変えて、ブランク材50の厚み方向に部分的に切り込んだハーフカット部57を有してもよい。この場合、隣り合うハーフカット部57の間の部分が折り代部となる。なお、ハーフカット部57は切り込み部54と併用されてよい。
(蓋体の製造方法)
蓋体10は、例えば、蓋体成形装置等でブランク材50を蓋体10の形状に対応した形状に賦形することで製造することができる。蓋体成形装置としては、雄型と雌型の一対の金型を有する装置を例示することができる(図示しない)。雄型と雌型を離間して、雄型と雌型の間にブランク材を配置し、型締めすることで賦形することができる。このとき、ブランク材50が図4Bに示すように第2の対応部53の内端(第1の対応部52と第2の対応部53の境界)で折り曲げられ、その際に図4Cに示すように隣り合う折り代部51に重なり合う構造(重なり部30)が形成される。重なり部30の幅等の条件は、金型の形状や蓋体成形装置の制御等を調整することで定めることができる。なお、ブランク材50の賦形により、第1の対応部52が天面部11となり、第2の対応部53が、側壁部13となる。図2Aの例では、第2の対応部53を形成する折り代部51は、小壁部14となる。そして、この例では、第1の対応部52と第2の対応部53の境界がおおむね曲がり部12となる。
なお、図1のように蓋体10の側壁部13が先細り形状を有する場合には、型締めを実現する観点からは、雄型と雌型の少なくとも一方が分割可能な型であることが好ましい。
また、賦形と同時に小壁接合部15を形成する観点からは、蓋体成形装置には小壁接合部15を形成するための接合機構が設けられていることが好ましい。接合機構としては、少なくとも重なり部30の一部を加熱する加熱処理を実施することができるように構成された加熱機構や、重なり部30の一部に超音波溶着処理を施すことができるように構成された超音波溶着機構などを例示することができる。例えば、ブランク材50として、円形シート状のコート紙(例えば紙に樹脂層を積層した構造を有するもの)を用いる場合、且つ、コート紙の外周縁から内側に向かって図2Aに示すような切り込み部54が形成されたものであり、隣り合う切り込み部54で挟まれた部分が折り代部51である場合を想定する。この場合、蓋体成形装置等で折り代部51が小壁部14とされた際に、重なり部30には、隣り合う小壁部14の向かい合う面の一方面側の表面に樹脂層が露出する。このためブランク材50の賦形にあわせて上述したような接合機構を機能させることで、重なり部30では樹脂層で向かい合う小壁部14の面を接合することができ、小壁接合部15を形成することができる。
[1-3 作用及び効果]
本発明の蓋体では、側壁部13が天面部11に連続する複数の小壁部14を部分的に重ねた構造を有しており、シート状のブランク材50の賦形で天面部11と側壁部13を形成することができるような構造となっている。また、隣り合う小壁部14は重なり部30で小壁接合部15を形成することで面接合されており、小壁接合部15の幅WDが大きい部分ほど接合力を大きくすることができるようになっている。本発明の蓋体では、小壁接合部15の幅WDは、曲がり部12に近い位置では小さい値となるため(重なり合った状態で固定された部分が少ないため)、側壁部13のうち曲がり部12の近傍では曲がり部12から遠い位置よりも比較的、柔軟性を有する構造とすることができる。このため、天面部11や曲がり部12の形状を一時的に変形させることが可能となり、容器101の寸法にばらつきがあっても、一時的に蓋体10に変形力を加えて容器101に蓋体10を嵌めつけることが容易となる。また、側壁部13のうち曲がり部12から遠い位置(下端側に近い位置)での小壁接合部15の幅WDが曲がり部12に近い位置の幅WDよりも大きいことで、側壁部13の形状を安定化させることができる。このため、天面部11や曲がり部12の形状を一時的に変形させても復元力が作用しやすくなり、側壁部13の形状の復元性を高めることができる。
また、本発明の蓋体は、側壁部13の面方向(周方向)に小壁接合部15が広がっているため、側壁部に襞や皺状の構造を有する従来の蓋よりも、側壁部13に対して面方向に広がる力が作用しても側壁部13が外方向に不可逆的に広がってしまう虞を抑制することができる。すなわち、蓋体10の側壁部13の内周面13Aの大きさよりも、やや寸法の大きな容器101に対して蓋体10を装着した際に、蓋体10の側壁部13に対して側壁部13を広げる方向の力(側壁部13を周方向に広げる力)が作用しても、側壁部13が不可逆的に広がってしまう状態が生じにくく、容器101に蓋体10をしっかりと装着した状態を維持することが容易となり、蓋体10の側壁部13が意図せずに伸び広がって蓋体付き容器150の密閉性を損ねる虞も抑制される。
側壁部に襞や皺状の構造を有する従来の蓋では、側壁部を構成する部材は皺の形成箇所で連続している(切れ目がないあるいは少ない)。本発明の蓋体では、隣り合う小壁部14は切断されており、側壁部13では小壁部14の側端面が重なり部30の側端と形成する。このため、本発明の蓋体として、側壁部に襞や皺状の構造を有する従来の蓋と同じ断面径を有するものを形成する場合において、従来の蓋体についての側壁部を形成する部材が相互に対面接触する対面接触領域(皺や襞を形成する部分の対面接触領域)の全面積をARA1とし、本発明の蓋体における重なり部30の総面積をARA2とした場合に、ARA1よりもARA2の方が大きくなる。すなわち従来の蓋体で皺や襞を接合させた場合の接合面積よりも重なり部30に形成される小壁接合部15の総面積のほうを大きくすることができ、この点においても、本発明の蓋体は、従来の蓋体よりもより側壁部13の形状を安定化することができる。
図25A、図25Bを用いて、容器101に対する蓋体10の取付についてさらに説明する。図25Aは、蓋体10の側壁部13を容器101の開口部102の縁部103に掛けとめた状態の一実施例を説明するための断面図である。図25Bは、蓋体10で容器101の開口部102を閉鎖した状態の一実施例を説明するための断面図である。
蓋体10を容器101に取り付ける場合、例えば、蓋体10の側壁部13と天面部11を容器101の縁部103の一端に掛け止め、蓋体10のうち掛け止められた端部(天面部11と側壁部13の境界の部分)の位置ST1から離れた位置に形成された端部(天面部11と側壁部13の境界の部分)側の側壁部13を持ち上げるように斜め上方向に蓋体10が反るように撓ませられる。図25Aにおいては、破線にて撓ませていない蓋体10の状態PD1を示し、実線にて撓ませた蓋体10の状態PD2を示す。そして、蓋体10は撓まされながら、蓋体10の側壁部13の下端13Cが容器101の縁部103の真上よりもやや外側の位置となるまで、蓋体10の位置ST2側の端部の部分が矢印F1方向に引っぱられる(このとき容器101のほうをやや変形させてもよい)。そして、側壁部13が矢印V1方向に押し下げられる。このとき、蓋体10の撓みも徐々に解消されていく。このとき、蓋体10のうち掛け止められた端部(位置ST1側の端部)では、蓋体10は側壁部13の上端近傍で容器101から外方向に力に受ける。位置ST1側の端部における蓋体10と容器101との密着性について、状態PD2では、蓋体10の側壁部13の重なり部30での形状保持力の作用で、側壁部13と天面部11と曲がり部12で容器101の縁部103が抱え込まれやすくなり、側壁部13の下端が矢印F2に示すように縁部103の下側にまわりこみやすくなり、蓋体10と容器101とがより強く密着させることができる。
そして、図25Bに示すように蓋体10が容器101の縁部103に外嵌合された状態PD3となる場合、容器101の縁部103は、外方向に蓋体10に対して応力Tを負荷することができる。蓋体10と容器101との全体的な密着性について、蓋体10は、容器101から応力Tを受けるが、蓋体10の側壁部13の重なり部30での形状保持力の作用で、側壁部13と天面部11と曲がり部12で容器101の縁部103が抱え込まれやすくなり、側壁部13の下端が矢印F2、F3に示すように縁部103の下側にまわりこみやすくなり、蓋体10と容器101とがより強く密着させることができる。また、天面部11では、矢印F1A、F1Bに示すように内側方向に力がかかりやすくなるが、蓋体10の側壁部13の重なり部30での形状保持力の作用で、蓋体10が容器101から脱離する虞も抑制される効果が高まる。蓋体10が紙系素材で形成されている場合には、側壁部13の形状保持性が特に向上すること観点から、この効果は特に高められる。
[1-4 蓋体の変形例]
(変形例1)
第1の実施形態にかかる蓋体においては、図3Aや図3Dに示すように、重なり部30を形成する隣り合う小壁部14の重なり合う構造は図1の例とは異なる構造であってもよい(変形例1)。図3Aや図3Dは、第1の実施形態の変形例1にかかる蓋体の一実施例を説明するための側面図である。図3Aでは、第1の小壁部14Aから第2の小壁部14Bに向かう方向が時計回りとなるように第1の小壁部14Aと第2の小壁部14Bを定めた場合に、第1の小壁部14Aの外面部35と、第2の小壁部14Bの内面部34とが向かい合っている。図3Dでは、蓋体10の平面視上(+Z方向側から-Z方向側に向かう方向を視線方向とした場合を示す)、第1の小壁部14Aから第2の小壁部14Bに向かう方向が時計回りとなるように第1の小壁部14Aと第2の小壁部14Bと第3の小壁部14Cを定めた場合に、第1の小壁部14Aと第3の小壁部14Cについては、2つの側端部33、33が側壁部13の内周面13A側に露出し、第1の小壁部14Aと第3の小壁部14Cで挟まれた第2の小壁部14Bについては2つの側端部33、33が側壁部13の外周面13B側に露出するように、重なり部30では、第1の小壁部14Aの外面部35と第2の小壁部14Bの内面部34とが部分的に向かい合い、第3の小壁部14Cの外面部35と第2の小壁部14Bの内面部34とが部分的に向かい合っている。
(変形例2)
第1の実施形態にかかる蓋体10においては、図3Bに示すように、ブランク材50の切り込み部54の奥端を結ぶ線上の位置におおむね対応しうる小壁部14の基端部31が曲がり部12よりもやや下側に位置していてもよい(変形例2)。図3Bは、第1の実施形態の変形例2にかかる蓋体の一実施例を説明するための側面図である。この場合、側壁部13は、小壁部14を備えるとともに、小壁部14と天面部11との間(図3Bの例では小壁部14と曲がり部12との間)に、小壁部14と天面部11とを連続させる(図3Bでは小壁部14と曲がり部12を繋ぐ)ように構成された延長壁部36が形成された状態となる。この場合、ブランク材50を蓋体10の形状に賦形する際に、図16に示すように、切り込み部54の奥端63が外側方向にやや突出した構造(外方突出部64)を形成することがある。図16は、ブランク材50の第2の対応部53で折り曲げた状態(-Z側に折り曲げた状態)の一実施例を示す平面図である。この外方突出部64の構造は、そのままでもよいが、図3Bに示すように一対の金型で押圧され押しつぶされることで押しつぶし構造部65とされてよい。このとき、押しつぶし構造部65には、皺や襞が形成されてもよい。押しつぶし構造部65に皺や襞が形成されていることで、容器101に蓋体10を装着する際において曲がり部12の近傍に外方向の力が蓋体10に付与された場合に曲がり部12をやや伸び変形させる(曲がり部12の近傍部分に皺を伸ばすような変形をさせる)ことができ、蓋体10全体の破壊を防ぐことができる。
第1の実施形態の変形例2にかかる蓋体10のブランク材50としては、図5Aを用いて説明したような、例えば、第2の対応部53を、切り込み部54に挟まれた部分で構成される折り代部(第1折り代部60)と、第1折り代部60に連続して内側に形成された第2折り代部61とで構成したものを用いることができる。第2折り代部61は、環状に形成され、第2折り代部61の外周縁から外方向にそれぞれの第1折り代部60が延び出ているように形成される。このようなブランク材50を用いて蓋体10を形成する場合、ブランク材50の賦形によって、第1折り代部60と第2折り代部61が側壁部13を形成する。
(変形例3)
第1の実施形態にかかる蓋体10においては、図3Cに示すように、天面部11から側壁部13の下端までの距離H1が揃えられてもよい(変形例3)。図3Cは、第1の実施形態の変形例3にかかる蓋体10の一実施例を説明するための側面図である。この場合、蓋体の意匠性を向上させることができるとともに、蓋体10を、側壁部13の下端側を下方に向けて台や机等の上に配置しても、安定的に台や机上に配置することができる。
(変形例4)
第1の実施形態にかかる蓋体10においては、図7Aに示すように、曲がり部12は、屈曲形状を有する場合(折り曲がり形状を有する場合)に限定されず、湾曲形状を有してもよい。図7Aは、第1の実施形態の変形例4にかかる蓋体の一実施例を説明するための断面図である。
第1の実施形態の変形例3にかかる蓋体においては、図7Bに示すように、変形例2で説明したようにブランク材50の切り込み部54の奥端63に対応する部分(図7Bでは説明の便宜上、奥端63と同じ符号を付する)が曲がり部12よりもやや下側に位置していてもよい。図7Bは、第1の実施形態の変形例4にかかる蓋体10の他の一実施例を説明するための断面図である。また、図7Cに示すように、曲がり部12の中央に定める側壁部13と天面部11の境界DEの近傍に奥端63に対応する部分が位置してもよい。この場合、小壁部14の基端部31が曲がり部12の内側(且つ、側壁部13と天面部11の境界よりも下側)に位置することとなる。
(変形例5)
第1の実施形態にかかる蓋体においては、図9Aから図9Cに示すように、識別構造40を有してもよい(変形例5)。図9Aから図9Cは、第1の実施形態の変形例5にかかる蓋体10の一実施例を説明するための図である。第1の実施形態の変形例5にかかる蓋体10によれば、識別構造40が備えられることで、蓋体付き容器150に用いられた場合に蓋体付き容器150を外側から眺めるだけで容器101内の内容物を識別することができるようになる。
識別構造40は、識別表示部41と識別標識部42とを備える。識別表示部41は、蓋体10の天面部11の外周端11Aの近傍に設けられている。図9Aの例では、扇形のシートに大文字のH、Cや、デザインなどの識別用意匠44を配したものを天面部11の外周端近傍の所定の位置に配置している。識別標識部42は、図9Bに示すように、所定の小壁部14の下端(前端縁部32)から延設された部分として識別用標識43を設けることで形成することができる。識別標識部42を構成する識別用標識43は、蓋体10の平面視上、識別表示部41に対応した位置に設けられる。識別用標識43を外側方向に折り曲げた場合、図9Cに示すように、蓋体10の平面視上、識別表示部41の記載に対応した位置から外側方向に識別用標識43が視認できるようになる。そして、識別用意匠44に意味を割当ておくことで、識別用標識43の認識と認識された識別用標識43に対応する識別用意匠44の認識内容に応じて、容器101内の内容物を判断することができるようになる。例えば、図9Cにおいて大文字Hをホットドリンク、大文字Cをコールドドリンクなどと意味を割り当てておく。内容物がコールドドリンクである場合に、大文字Cに対応する識別用意匠44を配置した位置に対応させた識別用標識43を外方向に折り曲げておくことで、図9Cに示すように、蓋体10の平面視上、識別用標識43を認識しやすくする。これにより、容器101に収容された内容物を知らない者でも、蓋体付き容器150を見ただけで容器101の内容物がコールドドリンクであることを認識することができる。
(変形例6)
第1の実施形態にかかる蓋体においては、図10Aから図10Bに示すように、把持構造45を有してもよい(変形例6)。図10Aから図10Bは、第1の実施形態の変形例6にかかる蓋体10の一実施例を説明するための図である。第1の実施形態の変形例6にかかる蓋体10によれば、把持構造45を備えることで蓋体10の天面部11や側壁部13に人の手が触れて蓋体に汚染が生じる虞をできるだけ抑制することができる。把持構造45は、上述した識別標識部42と同様に、所定の小壁部14の下端から延設された部分(延設部)として設けることができる。図10A、図10Bでは延設部の形状は半円状に形成されているが、これは一例である。
(変形例7)
第1の実施形態にかかる蓋体10は、側壁部13が上述したような曲がり部12から離れる方向(図1B、図1C等では下方向(-Z方向))に先細りした形状となるように形成されている場合に限定されない(変形例7)。第1の実施形態にかかる蓋体10は、例えば、図12A、図12Bに示すように、側壁部13が基準位置P1から指定位置P2まで先細りした形状となるように形成され、指定位置P2から下方(側壁部13の下端13C)までに存在する部分については、先太りする形状となるように形成されてもよい。なお、基準位置P1は、曲がり部12の位置(曲がり部12が湾曲形状を有する場合には側壁部13側の曲がり部12の端位置)を示すものとし、指定位置P2は、基準位置P1から下方向(-Z方向)に所定の位置まで離れた位置として定めた位置を示すものとする。
第1の実施形態の変形例7にかかる蓋体10では、側壁部13が指定位置P2から下側の部分でフレア形状(ラッパ型に広がる形状)となる部分(フレア部66)となっている。このようにフレア部66が形成されていることで、蓋体10を容器101に嵌めつけることが容易となる。
(他の例1)
第1の実施形態の変形例7にかかる蓋体10は、図6Aに示すように、側壁部13が曲がり部12から離れる方向(-Z方向)に天面部11に対して垂直に垂れ下がるように形成されてよい。この場合、図17Aに示すように、曲がり部12は湾曲構造を有してもよい。なお、この場合においても、図17Dに示すように、上記にて図12A、図12Bを用いて説明したフレア部66が形成されていてもよい。
(他の例2)
第1の実施形態の変形例7にかかる蓋体10は、図6Bに示すように、側壁部13が曲がり部12から離れる方向(-Z方向)に天面部11に対して先太り形状になるように形成されてよい。この場合、図18Aに示すように、曲がり部12は湾曲構造を有してもよい。なお、この場合においても、図18Dに示すように、上記にて図12、図12Bを用いて説明したフレア部66が形成されていてもよい。
(変形例8)
第1の実施形態にかかる蓋体10においては、図13Aから図13Eに示すように、天面部11に加工が施されてよく、また、構造が追加されてよい(変形例8)。図13Aから図13Eは、第1の実施形態の変形例8にかかる蓋体10の天面部11の一実施例を説明するための平面図である。図13Aから図13Cに示すように、蓋体10においては、天面部11に、空気抜き用の孔部16や、ストローの差し込み口を形成する貫通部17や、飲み口を形成する飲み口形成構造18が形成されてもよい。なお、図13Aでは、孔部16は、円形状に形成され、天面部11の厚み方向に面部を貫通する孔となっている。図13Bでは、貫通部17は、天面部11の平面視上、十字型の切り込み部(十字型の中央を連結されている)で形成されているが、これは一例である。なお、貫通部17を形成するこの切り込み部は、天面部11の厚み方向に天面部11を貫通する部分となっている。図13Cでは、飲み口形成構造18は、小開口部18A、小蓋部18B、ベース部18D及びヒンジ部18Cで形成されている。小蓋部18Bはヒンジ部18Cでベース部18Dから持ち上げられると、小開口部18Aが露出する。この露出した小開口部18Aが飲み口となる。
また、天面部11には、図13Dから図13Eに示すように、タブ部材19や不織布20、当てシート21等の付属部材が設けられいてもよい。図13Dから図13Eは、天面部11の一実施例を示す平面図である。図11Dでは、図11Cの蓋体10の小蓋部18Bにタブ部材19が設けられている。タブ部材19を持ち上げることで小蓋部18Bをスムーズに引き上げることができる。図11Eでは、図11Cの蓋体10の所定領域に開口部23が形成され、開口部23を覆うように不織布20が取付けられている。不織布20を覆うように当てシート21が設けられている。当てシート21には小孔部22が設けられている。このような構成が設けられている場合、容器101に収納された内容部が炭酸など気体を発生させるものである場合に、適度に炭酸等の気体を容器101から抜くことができ、その際に内容物が一緒に漏れ出る虞も抑制することができ、意図せずに気体の圧力で蓋体10が容器101から外れてしまう虞を抑制することができる。
なお、このように蓋体10は、天面部11を、均一に広がる平面状に形成している場合に限定されず、天面部11に孔部16や貫通部17に対応する孔や切り込み等が形成されている場合が含まれ、また、天面部11の所定位置にタブ部材19や不織布20を設けられている場合が含まれる。
したがって、蓋体用ブランク材(ブランク材50)について、ブランク材50がシート状であるという場合には、ブランク材50に孔部16や貫通部17に対応する孔や切り込み等が形成されている場合が含まれ、ブランク材50の所定位置にタブ部材19や不織布20等を設けられている場合が含まれる。
(変形例8の他例)
図13Cや図13Eに示すように、天面部11に飲み口形成構造18が設けられている場合、飲み口となる部分(小開口部18A)の近傍の汚染を抑制する観点から、図13Fに示すように、蓋体10において天面部11の外周端11Aや側壁部13や曲がり部12のうち小開口部18Aの近傍となる部分として定められた部分(指定部)と、指定部を除く指定除外部と、を識別することができるように指定部識別表示70が設けられていることが好ましい。図13Fには、指定部識別表示70が天面部11の外周端11Aに沿った所定の色の線として設けられている。指定部識別表示70が設けられていることで、蓋体10に手を触れて蓋体10を取り扱う際に、指定部識別表示70を設けられている部分を目印とすることができる。
[2.第2実施形態]
第2の実施形態にかかる蓋体10は、図11Aから図11Cに示すように、側壁部13の所定の位置に内側方向(中心CT方向)に突出した凸部25が形成されている他は、第1の実施形態と同様の構成を備える。図11Aから図11Cは、第2の実施形態にかかる蓋体10の一実施例を説明するための図である。第2の実施形態にかかる蓋体10において凸部25の構成を除いて、天面部11、側壁部13及び小壁部14の構成等は第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態に共通する構成の説明を省略する。
(凸部)
蓋体10においては、図11Aから図11Cに示すように、側壁部13の所定の位置に内側方向(中心CT方向)に突出した凸部25が形成されている。凸部25は、側壁部13の内周面13Aを周回するように条状に形成されている凸条部であることが好ましい。
第2の実施形態にかかる蓋体10では、図11Aから図11Cに示すように、側壁部13の内周面側で凸部25の凸型構造が形成され、側壁部13の外周面13B側では凸型構造の形成された位置に対応する位置に凹部24が形成されてよい。このような構造が形成されていることで、側壁部13の形状をより安定化させることができる。
なお、図11Aから図11Cでは、側壁部13が下方向に先細り形状を有している場合を例として図示されているが、側壁部13の形状はこれに限定されない。例えば、第2の実施形態にかかる蓋体10は、図17Cに示すように、側壁部13が曲がり部12から離れる方向に天面部11に対して垂直に垂れ下がるように形成されてよい。また、図18Cに示すように、側壁部13が曲がり部12から離れる方向に天面部11に対して先太り形状になるように形成されてよい。図17C、図18Cは、第2の実施形態にかかる蓋体10の他の一実施例を説明するための断面図である。
[3.第3実施形態]
[3-1 蓋体の構成]
第3の実施形態にかかる蓋体10は、図8Aから図8Cに示すように、曲がり部12が張出部26で構成されている他は、第1の実施形態と同様の構成を備える。図8Aから図8Cは、第3の実施形態にかかる蓋体10の一実施例を説明するための図である。第3の実施形態にかかる蓋体10において張出部26の構成を除いて、天面部、側壁部及び小壁部の構成等は第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態に共通する構成の説明を省略する。
(張出部)
蓋体10においては、図8Aから図8Cに示すように、中心CTよりも天面部11の外周端11A側の所定の領域SR1が上方向に突出した構造(張り出した構造)が形成されている。図8Aから図8Cの例ではこのように領域SR1から上方向に突出した部分が張出部26となっている。図8Aから図8Cの例では、曲がり部12が張出部26で形成されているものと定められる。そして、曲がり部12の中央は、中心CTから外方向に向かって曲がりはじめる位置U1と、張出部26の外端の位置U2との間の位置に定められ、この位置が、天面部11と側壁部13との境界DEとして定められる。図8Aから図8Cの例では、境界DEは、おおむね張出部26の上端の位置に定められる。この場合、張出部26の上端から内側が天面部11で、張出部26の上端から外側が側壁部13となる。
張出部26の大きさは、容器101の縁部103を覆うことができる程度に後述する没入部27を形成することができる程度の大きさである。
(没入部)
また、第3の実施形態においては、張出部26の内面26A側は、没入した部分(没入部27)となっている。没入部27の形状は、張出部26の形状に対応した形状となっている。これは、ブランク材50から蓋体10を形成する際の金型の形状に応じて実現することができる。
(没入部の大きさ)
没入部27の大きさは、容器101の縁部103を嵌め合わることができる程度の大きさであることが好ましい。没入部27の大きさがこのような大きさであると、図20を用いて後述するように、蓋体付き容器150として蓋体10を用いた場合に、縁部103が没入部27におおむね入り込み、縁部103の外側端部分(図20の例では縁部103のうちの外側周面部111)を没入部27に面接触させることが可能であり、容器101の縁部103にてしっかりと蓋体10を装着することが容易となる。
(小壁部)
小壁部14の基端部31の位置は、張出部26の外端の位置U2の位置でもよいし、位置U2よりもやや下側でもよく、また位置U2の上側で位置DEよりも下側の位置でもよい。
なお、図8Aから図8Cでは、側壁部13が下方向に先細り形状を有している場合を例として図示されているが、側壁部13の形状はこれに限定されない。例えば、第2の実施形態にかかる蓋体10は、図17Bに示すように、側壁部13が曲がり部12から離れる方向に天面部11に対して垂直に垂れ下がるように形成されてよい。また、図18Bに示すように、側壁部13が曲がり部12から離れる方向に天面部11に対して先太り形状になるように形成されてよい。図17B、図18Bは、第3の実施形態にかかる蓋体10の他の一実施例を説明するための断面図である。
[3-3 作用及び効果]
第3の実施形態にかかる蓋体によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第3の実施形態にかかる蓋体では、曲がり部12の位置で張出部26と没入部27が形成されており、没入部27は、容器101の縁部103を受入れるとともに縁部103の外側端部分に面接触できる程度の大きさとなっている。このため、側壁部13のうち曲がり部12の近傍(張出部26の形成部分)での柔軟性をより高めることができ、側壁部13のうち曲がり部12の近傍と曲がり部12から遠い位置との柔軟性の差をより大きくすることができる。このため、蓋体10と容器101の縁部103の特に外側周面部により強く接することができ、且つ、蓋体10の側壁部13で容器101の縁部103に対してより強く係止させた状態を形成することができる。
図26A、図26Bを用いて、容器101に対する蓋体10の取付についてさらに説明する。図26Aは、蓋体10の側壁部13を容器101の開口部102の縁部103に掛けとめた状態の一実施例を説明するための断面図である。図26Bは、蓋体10で容器101の開口部102を閉鎖した状態の一実施例を説明するための断面図である。
蓋体10を容器101に取り付ける場合、蓋体10の没入部27を容器101の縁部103の一端に掛け止め(嵌めつけ)、図26Aに示すように、例えば、蓋体10のうち掛け止められた端部(天面部11と側壁部13の境界の部分)の位置ST1から最も離れた位置ST2に形成された端部(天面部11と側壁部13の境界の部分)側の側壁部13を持ち上げるように斜め上方向に蓋体10が反るように撓ませられる。図26Aにおいては、撓ませた蓋体10の状態が示されている。そして、蓋体10は撓まされながら、蓋体10の側壁部13の内周面が容器101の縁部103の真上近傍の位置(好ましくは縁部103の直上よりもやや外側の位置)となるまで、蓋体10の端部側の部分が矢印F1方向に引っぱられる(このとき容器101の縁部103をやや内側に変形させてもよい)。そして、側壁部13が矢印V1方向に押し下げられる。このとき、蓋体10の撓みも徐々に解消され、蓋体10の没入部27に縁部103の外側周面部111が掛け止められる(嵌められる)。
そして、図26Bに示すように蓋体10が容器101の縁部103に外嵌合された状態となる場合、容器101の縁部103は、外方向に蓋体10に対して応力Tを負荷することができる。蓋体10は、容器101から応力Tを受けるが、蓋体10の側壁部13の重なり部30での形状保持力の作用で、側壁部13の下端が矢印F2、F3に示すように縁部103の下側にまわりこみやすくなるため、側壁部13と天面部11と曲がり部12で容器101の縁部103が抱え込まれた状態を形成しやすくなり、蓋体10と容器101とがより強く密着させることができる。なお、第3の実施形態にかかる蓋体10を容器101に装着した際、没入部27は縁部103の外側周面部111に面接触しやすいが、縁部103の上端112から内側(内側周面部113)では、没入部27と縁部103との間に隙間114が生じる。さらに、第3の実施形態では、張出部26が延ばされた場合には、その回復力の作用で、蓋体10と容器101の縁部103の外側周面との密着性が一層向上する。また、天面部11では、矢印F1A、F1Bに示すように内側方向に力がかかりやすくなり、これによっても隙間114が形成されやすくなるが、蓋体10の側壁部13の重なり部30での形状保持力の作用で、蓋体10が容器101から脱離する虞も抑制される効果が高まるとともに、蓋体10と容器101の縁部103の外側周面との密着性も向上しやすくなる。蓋体10が紙系素材で形成されている場合には、側壁部13の形状保持性が特に向上すること観点から、この効果は特に高められる。なお、図28Bには、蓋10の断面図にあわせて一点鎖線で囲まれた部分を拡大した要部拡大図を記載しているが、要部拡大図において細線で記載された一点鎖線MCは、上端112を通過し、上下方向に延びる直線を示す。
なお、ここに説明した蓋体10を容器101に取り付けた状態と同様の状態を確保しやすくする観点から、図26B等にも示されるように、天面部11が張出部26の上端の位置と同じもしくは下側に位置していることが好ましい。
[3-2 蓋体の変形例]
(変形例1)
第3の実施形態にかかる蓋体10において、張出部26の突出方向(張出方向)は、図8Aでは、天面部11から上側(+Z方向)に向かう方向であったが、図14Aから図14Cに示すように、側壁部13の上端側の所定の領域SR2を天面部11よりも外側方向(中心CTから離れる方向)に向かう方向であってもよい(変形例1)。図14Aから図14Cは、第3実施形態の変形例1にかかる蓋体を説明するための図である。図14Aから図14Cの例ではこのように領域SR2から横方向に突出した部分が張出部26となっている。図14Aから図14Cの例では、上述したように、曲がり部12が張出部26で形成されているものと定められる。曲がり部12の中央は、下方向に向かって曲がりはじめる位置U1と、張出部26の下端の位置U2との間の位置に定められ、この位置が、天面部11と側壁部13との境界DEとして定められる。図8Aから図8Cの例では、境界DEは、おおむね張出部26の外端の位置に定められる。この場合、張出部26の外端から上側が天面部11を構成し、張出部26の外端から下側が側壁部13を構成する。この場合においても、張出部26の内面26A側は、没入した部分(没入部27)となっている。
(変形例2)
張出部26は、図8Aでは、天面部11から上側に向かう方向に突出した構造を形成する部分であったが、図15Aから図15Bに示すように、天面部11の外周端11A側の所定の領域SR1を上方向に突出させ、且つ、側壁部13の上端側の所定の領域SR2を中心CTから外側方向に向かう方向に突出させた構造(外方向に膨らませた構造)を形成した部分であってもよい(変形例2)。図15Aから図15Bは、第3実施形態の変形例2にかかる蓋体を説明するための図である。図15Aから図15Bの例ではこのように領域SR1から上方向に突出させるとともに領域SR2を外方向に突出させた部分(外側に膨らませた構造となる部分)が張出部26となっている。図15Aから図15Bの例では、上述したように、曲がり部12が張出部で形成されているものと定められる。曲がり部12の中央は、張出部26に沿って、領域SR1で中心CTに近い位置で上方向に向かって曲がりはじめる位置U1と、領域SR2で張出部26の下端の位置U2との間の中間位置に定められ、この位置が、天面部11と側壁部13との境界DEとして定められる。この場合、張出部26に指定される位置DEから中心CTに向かう部分が天面部11を構成し、張出部26に指定される位置DEから下側が側壁部13を構成する。この場合においても、張出部26の内面26A側は、没入した部分(没入部27)となっている。
(変形例3)
第3の実施形態にかかる蓋体10において、図24に示すように、天面部11に飲み口形成構造18が設けられてもよい(変形例3)。図24は、第3の実施形態の変形例3の一実施例を説明するための平面図である。図24の例において、第1の実施形態の変形例8で図13を用いて説明したように飲み口形成構造18は、小開口部18A、小蓋部18B、ベース部18D及びヒンジ部18Cで形成されている。小蓋部18Bはヒンジ部18Cでベース部18Dから持ち上げられると、小開口部18Aが露出する。この露出した小開口部18Aが飲み口となる。この場合、図24に示すように、小開口部18Aは、張出部26の内側端よりも内側に飲み口が形成されていることが好ましい。この場合、飲み口となる小開口部18Aから摂取された液体が蓋体10の外側に零れ出ることを張出部26によって抑制することができるうえ、天面部11の外周端11A近傍における張出部26の外側面は緩やかな傾斜面となっているので、蓋体の天面部11の上面から外側方向に零れ出ようとする内容物を傾斜面から再び飲み口(小開口部18A)の方に戻すことができ、蓋体10の上面(露出面)の周縁やその近傍が内容物の零れ出しで汚れる虞を低減することができる。
[4.第4実施形態]
[4-1 蓋体の構成]
第4の実施形態にかかる蓋体10は、図21Aから図21Cに示すように、曲がり部12が張出部26で構成され、張出部26の端部のうち側壁部に近いほうの端部またはその近傍で凸部25が形成されている他は、第3の実施形態と同様の構成を備える。図21Aから図21Cは、第4の実施形態にかかる蓋体10の一実施例を説明するための図である。第3の実施形態にかかる蓋体10において張出部26の構成を除いて、天面部、側壁部及び小壁部の構成等は第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態に共通する構成の説明を省略する。
(凸部)
凸部25は、上述したように図21Aから図21Cに示すように張出部26の端部28のうち側壁部13に近いほうの端部またはその近傍で形成される他は、第2の実施形態で示したことと同様である。図21Aから図21Cは、第3の実施形態の変形例2にかかる蓋体10の側壁部13に、張出部26の端部28Aで連続するように凸部25を形成した場合の例を示す。なお、図21Aから図21Cにおいて、符号28Bは、張出部26の端部28のうち天面部11側の端部を示す。図21Aに示すように、凸部25は蓋体10の外周面に沿って連続的に環状に形成されているが、部分的に形成されていない部分が存在することを禁止するものではない。ただし、蓋体10を容器101により密接に面接触させる観点からは、凸部25は側壁部13の外周面に連続的に環状に形成されていることが好ましい。
凸部25の内側方向への突出の程度(大きさ)は、蓋体10と容器101に取り付けた場合に、容器101の縁部103の下面側に向かい合うことができる程度の大きさとなっていることが好適である。さらに、凸部25は、蓋体10と容器101に取り付けた場合に、容器101の容器本体110の側壁104の外周面に接することができるような大きさであってもよい。
図21Aから図21Cでは、凸部25よりも下側で(図21B、図21Cでは-Z方向側で)側壁部13の形状は、その断面径(横断面の断面径)が下方向に向かって小さくなるような形状に(先細り形状に)形成されている。これは一例であり、凸部25よりも下側で側壁部13の形状は、下方向に向かってその断面径(横断面の断面径)が一定となるような形状(垂下する形状、非テーパー形状)でも、下方向に向かってその断面径(横断面の断面径)が大きくとなるような形状(先太り形状)でも、よい。ただし、蓋体10を容器101により密接に面接触させる観点からは、凸部25よりも下側で側壁部13の形状は、先細り形状であることが好ましい。また、凸部25よりも下側で側壁部13の形状が先太り形状である場合、凸部25より下側の側壁部13の部分と凸部25とが全体として、第1の実施形態の変形例7で説明したようなフレア部66を兼ねてもよい。
図27を用いて、容器101に対する蓋体10の取付についてさらに説明する。図27は、蓋体10で容器101の開口部102を閉鎖した状態の一実施例を説明するための断面図である。第4の実施形態にかかる蓋体10は、第3の実施形態で図26A、図26Bを用いて説明したことと同様にして、蓋体10を容器101の縁部103に取り付けることができる。ただし、第4の実施形態では、図27に示すように、凸部25の内面側が縁部103の下面側に向かい合い且つ面接触している。そして、縁部103の上端から内側(開口部102側)では、蓋体10と縁部103がおおむね離間している。これは、蓋体10を容器101に取り付けた状態で、側壁部13の重なり部30の形状安定性の作用(のびにくい作用)のため、天面部11で内側方向に引っ張り力が作用するためであるものと考えられる。また、側壁部13の重なり部30の形状安定性の作用により、張出部26の内面(没入部27)と凸部25で縁部103の外周側面部111を包み込むように面接触する状態を安定的に形成することができる。
[5.第5実施形態]
[5-1 蓋体の構成]
第5の実施形態にかかる蓋体10は、図23Aから図23Bに示すように、曲がり部12が張出部26で構成され、且つ、張出部26の内面26Aの没入部27のうち、少なくとも側壁部13と天面部11との境界として定められる位置よりも外側に、凹凸部が形成されている他は、第3の実施形態または第4の実施形態と同様に形成されている。図23A及び図23Bは、第4の実施形態の蓋体10にさらに凹凸部71が形成された場合を例として示している。
(凹凸部)
第5の実施形態にかかる蓋体10において、凹凸部71は、複数の凸型形状部72と凹型形状部73の組み合わせで構成される。凸型形状部72と凹型形状部73の形状は特に限定されるものではなく、蓋体付き容器150として蓋体10を用いた場合に容器101の内部から内容物が蓋体10と容器101の縁部103との対向部分から漏出する虞をより強く抑制する観点からは、図23Aから図23Bに示すように凸型形状部72と凹型形状部73が、それぞれ没入部27の周面方向に連続する環状となる条状(線状)に形成されていることで、凹凸部が条状凹凸部とされていることが好ましい。この場合、没入部27を縦断面で見た場合に、凹凸部が波型状に形成されることとなり、容器101の縁部103に対して複数個所で接触することが容易となり、容器101の内容物が蓋体10と容器101の縁部103との対向部分から漏出する虞をより強く抑制することができる。ただし、このことは、凹凸部が条状凹凸部である場合以外を禁止するものではない。凹凸部71は、図23A、図23Bではエンボス凹凸部として構成されているが、凹凸部の賦形構造はこれに限定されない。
第5の実施形態にかかる蓋体10は、図23A、図23Bのように第4の実施形態において凹凸部71が形成されている場合には、凸部25のうち、蓋体10を容器101に取り付けた状態で縁部103に向かい合う部分にも、凹凸部71が形成されていてよい。
[6.第6実施形態]
[6-1 蓋体の構成]
第6の実施形態にかかる蓋体10は、図22Aから図22Bに示すように、天面部が上方向に湾曲した形状を有する(天面部11に湾曲部74を形成した)他は、第3の実施形態から第5の実施形態のいずれかの構成を備える。図22A、図22Bの例は、第4の実施形態について天面部11を上方向に湾曲した形状とした場合の例を示す。
第3の実施形態でも説明したように、第6の実施形態についても、蓋体10を容器101に取り付ける場合には、蓋体10の没入部27を容器101の縁部103の一端に掛け止め(嵌めつけ)、蓋体10のうち掛け止められた端部の位置から離れた端部側の側壁部13を持ち上げるように斜め上方向に蓋体10が反るように撓ませられる。さらに、蓋体10を側壁部13の全体を容器101の縁部103に外嵌させるために蓋体10が引っ張られるが、第5の実施形態によれば、天面部11を湾曲部74で形成することで天面部11が上方向に湾曲した形状とされているため、斜め上方向に蓋体10が反るように撓ませつつ外方向に蓋体10が引っ張られて天面部11が伸び拡げられても天面部11がその伸びに追従して形状を変形させることができる。なお、第3の実施形態で説明した蓋体10を容器101に取り付けた状態と同様の状態を第6の実施形態でも確保しやすくする観点から、図22Aや図22Bに示すように、湾曲部74の上端が張出部26の上端の位置と同じもしくは下側に位置していることが好ましい。
[7.適用例]
(適用例1)
上記のように説明した蓋体10は、図19A、図19Bに示すように蓋体付き容器150に用いることができる。図19Aは、第1の実施形態にかかる蓋体10を、上端に形成された開口部102を有する容器101の開口部102の外周を形成する縁部103に取り付けた実施例を示す図である。この例では、蓋体10を縁部103に係止させた実施例が示されている。図19Bは、図19AのK-K線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。図19A、図19Bを用いて蓋体付き容器150について説明を続ける。
(蓋体付き容器)
蓋体付き容器150は、容器101と蓋体10とが接触する接触部151を有しており、接触部151を形成する蓋体10の領域が接触領域Rとなる。蓋体10と容器101との接合方法は特に限定されず、圧着法や、熱融着法(ヒートシール)等の接合方法と適宜用いることができる。以下では第1の実施形態にかかる蓋体10を蓋体付き容器150に使用した場合を例として説明する。
容器101は、上方向にむかって径が太くなるような(下方向に向かって先細りするような)筒状の側壁104と底部107を有し内部に空間部105を形成する容器本体110と、容器本体110の上端(側壁104の上端)で開口した開口部102を有する。図示しないが、容器101の開口部102は円形状に形成されている。ただし、ここに示す容器101は一例であり、容器101の構成を限定するものではない。たとえば、容器101は開口部102を矩形状に形成されてもよい。容器101は、蓋体10で開口部102を被覆できるものであればよい。ただしこのような場合には、蓋体10の形状を容器101の形状に合わせた形状(例えば矩形状)とされることが好ましい。
図19A、図19B等に示す容器101では、開口部102の縁部103は、フランジ部を有している。フランジ部は、容器本体110を形成する部材を外向きに巻きまわされたカール部108であってもよいし、外側方向に平面上に延びる部分(つば部)として形成されてもよい。
容器101の内部(空間部105)に収納されるものは、特に限定されず、例えば液体状のもの、固形状のもの、またはそれらの組み合わせなどを例示することができるが、液体等の流動体を内容物とする場合に本発明の蓋体は特に効果を発揮することが可能である。すなわち、液体等の流動体を内容物とする場合においては、容器の寸法に誤差を生じたために容器と蓋体との密着性が損なわれると、容器内から流動体が漏れ出すという問題が生じるため、本発明にかかる蓋体の効果のように容器の寸法に誤差を生じても容器に対してしっかりと装着することができることは特に重要となる。
蓋体付き容器150においては、接触領域Rは、天面部の下面(容器側に向けられた面)で天面部の外周縁の近傍位置に形成されている。また、接触領域Rは、側壁部にも形成されていることが好適である。図19A、図19Bの例では、天面部と側壁部の両方に接触領域Rが形成されている。天面部の接触領域Rは、側壁部にも接触領域Rが形成されていることで、維持されやすくなる(側壁部の接触領域Rの存在によって側壁部と容器との摩擦力が生じうるため天面部と容器との離間が生じにくくなる)。そして、天面部に接触領域Rが形成されていることで、容器101の空間部105に収容された内容物が外部に漏れ出すことが抑制される。
(適用例2)
第3の実施形態の蓋体10のように、蓋体10が張出部を有する場合には、図20に示すように、蓋体付き容器150は、張出部26の内面26A側に形成された没入部27に容器の縁部103が配置されてよい。図20は、第3の実施形態の蓋体10を容器101に嵌めつけた状態を説明するための断面図である。この場合、縁部103と蓋体10との接触面積を拡大することができるため、蓋体10と容器101との密着性が損なわれにくくなり、容器101内から流動体が漏れ出すという問題を抑制することができる。
(適用例3)
本発明にかかる蓋体10は、開口部102を有する容器101との組み合わせとされてもよい。
これまで説明したように、本発明は、このような多くの態様に対して適用することができる。また、上記した以外の態様の店舗や包材用部材の提供方法に対しても適用することが可能である。以上、本発明に係る蓋体について詳細に説明したが、上記したのは本発明係る蓋体を例示したに過ぎず、これらに限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更してよい。また、上記した発明の構成は、それぞれの例の発明の構成を独立して用いてもよいし、それぞれの例の発明の構成を適宜組み合わせて適用してもよい。
以上の本明細書の説明に基づき、本発明は、次の[E1]から[E11]に示す構成を採用されてよい。
[E1]
開口部と前記開口部を形成する縁部とを有する容器に対して取り付けられることが可能となるように構成されており、
前記容器に取り付けられた場合に、前記開口部を覆う天面部と、前記天面部の外周縁に沿った環状に形成された側壁部を有し、
前記天面部の外周縁に曲がり部と、前記天面部の周囲を取り巻くように形成された前記曲がり部を介して前記天面部に連なる複数の小壁部と、を備え、
前記曲がり部は、前記天面部と前記側壁部の境界を形成し、
前記側壁部は、複数の前記小壁部で形成された構造を有し、且つ、隣り合う前記小壁部を部分的に重ねた重なり部を有し、
前記重なり部には、隣り合う前記小壁部を接合する小壁接合部が形成されている、
蓋体。
[E2]
前記小壁部は、前記容器に取り付けられた状態で前記容器に向けられた内面部と、前記内面に対する逆面となる外面部とを有し、
隣り合う前記小壁部を第1の小壁部と第2の小壁部とした場合に、前記小壁接合部が、第1の前記小壁部の前記内面部と、第2の前記小壁部の前記外面部とを接合した構造を有する、
上記[E1]に記載の蓋体。
[E3]
前記小壁部は、基端部と前端縁部を有し、
少なくとも一部の前記小壁部の幅は、前記基端部よりも前記前端縁部のほうが大きい、
上記[E1]又は[E2]に記載の蓋体。
[E4]
前記側壁部は、前記曲がり部から前記側壁部の下端に向かって先細りする形状となっている、
上記[E1]から[E3]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E5]
前記小壁部は、基端部と前端縁部を有し、
前記小壁接合部の幅が、前記小壁部の前記基端部から前記前端縁部に向かって大きくなる部分を有する、
上記[E1]から[E4]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E6]
前記側壁部と前記曲がり部は、紙系素材を有する、
上記[E1]から[E5]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E7]
前記小壁部は樹脂層を有する、
上記[E1]から[E6]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E8]
上記[E1]から[E7]のいずれか1つに記載の蓋体を形成するブランク材であり、
前記天面部に応じた第1の対応部と、前記側壁部に応じた形状に形成された第2の対応部と、を備える、
蓋体用ブランク材。
[E9]
前記ブランク材は、円形のシート材で形成されており、
前記第2の対応部は、前記シート材の外周縁から内側に向かった切り込み部を有し、
前記蓋体が形成された場合に隣り合う前記切り込み部の間の部分が前記小壁部に対応する部分となっている、
上記[E8]に記載の蓋体用ブランク材。
[E10]
上記[E1]から[E7]のいずれか1つに記載の蓋体と、
前記開口部と前記開口部を形成する前記縁部とを有する前記容器と、を有する、
蓋体と容器の組み合わせ。
[E11]
上記[E1]から[E7]のいずれか1つに記載の蓋体と、
前記開口部と前記開口部を形成する前記縁部とを有する前記容器と、を有し、
記載の蓋体を前記容器に装着した構造を有する、
蓋体付き容器。
10 :蓋体
11 :天面部
11A :外周端
12 :曲がり部
13 :側壁部
13A :内周面
13B :外周面
13C :下端
14 :小壁部
14A :第1の小壁部
14B :第2の小壁部
14C :第3の小壁部
15 :小壁接合部
16 :孔部
17 :貫通部
18 :口形成構造
18A :小開口部
18B :小蓋部
18C :ヒンジ部
18D :ベース部
19 :タブ部材
20 :不織布
21 :当てシート
22 :小孔部
23 :開口部
24 :凹部
25 :凸部
26 :張出部
26A :内面
27 :没入部
28 :端部
30 :重なり部
31 :基端部
31A :端部
31B :端部
32 :前端縁部
33 :側端部
33A :第1側端部
33B :第2側端部
34 :内面部
35 :外面部
36 :延長壁部
40 :識別構造
41 :識別表示部
42 :識別標識部
43 :識別用標識
44 :識別用意匠
45 :把持構造
50 :ブランク材
51 :折り代部
52 :第1の対応部
53 :第2の対応部
54 :切り込み部
55 :シート材
56 :切り欠き部
57 :ハーフカット部
60 :第1折り代部
61 :第2折り代部
63 :奥端
64 :外方突出部
65 :押しつぶし構造部
66 :フレア部
70 :指定部識別表示
101 :容器
102 :開口部
103 :縁部
104 :側壁
105 :空間部
107 :底部
108 :カール部
110 :容器本体
111 :外側周面部
112 :上端
113 :内側周面部
114 :隙間
150 :蓋体付き容器
151 :接触部
CB :中心
CT :中心
D :矢印
DE :境界
FD :矢印
F1 :矢印
F1A :矢印
F2 :矢印
F3 :矢印
H1 :距離
P1 :基準位置
P2 :指定位置
PD1 :状態
PD2 :状態
PD3 :状態
R :接触領域
SR1 :領域
SR2 :領域
T :応力
V1 :矢印
WK :領域

Claims (11)

  1. 開口部と前記開口部を形成する縁部とを有する容器に対して取り付けられることが可能となるように構成されており、
    前記容器に取り付けられた場合に、前記開口部を覆う天面部と、前記天面部の外周縁に沿った環状に形成された側壁部を有し、
    前記天面部の外周縁に曲がり部と、前記天面部の周囲を取り巻くように前記曲がり部を介して前記天面部に連なる複数の小壁部と、を備え、
    前記曲がり部は、前記天面部と前記側壁部の境界を形成し、
    前記小壁部は、紙系素材を有し、前記容器に取り付けられた場合に前記容器に向けられる内面部と、前記内面部に対する逆面となる外面部とを有し、且つ、前記内面部と前記外面部に樹脂を有し、
    前記側壁部は、複数の前記小壁部で形成された構造を有し、且つ、隣り合う前記小壁部を部分的に重ねた重なり部を有し、
    前記重なり部には、隣り合う前記小壁部を接合する小壁接合部が形成されており、
    前記小壁接合部では、前記樹脂が隣り合う前記小壁部の互いに向かい合う面を接合する、
    蓋体。
  2. り合う前記小壁部を第1の小壁部と第2の小壁部とした場合に、前記小壁接合部が、前記第1の小壁部の前記外面部と、前記第2の小壁部の前記内面部とを、接合した構造を有する、
    請求項1に記載の蓋体。
  3. 前記小壁部は、基端部と前端縁部を有し、
    少なくとも一部の前記小壁部の幅は、前記基端部よりも前記前端縁部のほうが大きい、
    請求項1に記載の蓋体。
  4. 前記側壁部は、前記曲がり部から前記側壁部の下端に向かって先細りする形状となっている、
    請求項1に記載の蓋体。
  5. 前記小壁部は、基端部と前端縁部を有し、
    前記小壁接合部の幅が、前記小壁部の前記基端部から前記前端縁部に向かって大きくなる部分を有する、
    請求項1に記載の蓋体。
  6. 前記曲がり部は、紙系素材を有する、
    請求項1に記載の蓋体。
  7. 前記小壁部は、前記樹脂として熱可塑性樹脂層を有する、
    請求項1に記載の蓋体。
  8. 請求項1に記載の蓋体を形成するブランク材であり、
    前記天面部に応じた第1の対応部と、前記側壁部に応じた形状に形成された第2の対応部と、を備える、
    蓋体用ブランク材。
  9. 前記ブランク材は、円形のシート材で形成されており、
    前記第2の対応部は、前記シート材の外周縁から内側に向かった切り込み部を有し、
    前記蓋体が形成された場合に隣り合う前記切り込み部の間の部分が前記小壁部に対応する部分となっている、
    請求項8に記載の蓋体用ブランク材。
  10. 請求項1に記載の蓋体と、
    前記開口部と前記開口部を形成する前記縁部とを有する前記容器と、を有する、
    蓋体と容器の組み合わせ。
  11. 請求項1に記載の蓋体と、
    前記開口部と前記開口部を形成する前記縁部とを有する前記容器と、を有し、
    前記蓋体を前記容器に装着した構造を有する、
    蓋体付き容器。
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