JP2023152305A - 蓋体、及び蓋体と容器の組み合わせ - Google Patents

蓋体、及び蓋体と容器の組み合わせ Download PDF

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Abstract

【課題】蓋体を容器からスムーズに取り外すことが容易となり、及び蓋体の天面上にこぼれ出た液体の拡散の抑制を実現することができる蓋体、及び蓋体と容器の組み合わせを提供する。【解決手段】開口部を有する容器の前記開口部に着脱可能な形状を有する蓋体である。蓋体は、前記容器の前記開口部に前記蓋体を取り付けた場合に前記開口部を覆う天面部と、該天面部の外周縁に沿って形成された外周部とを有する天蓋と、前記天蓋の外周縁に沿って前記天蓋を取り巻く側壁形成部を有する側壁と、を有し、前記側壁は、前記側壁形成部の内周面に前記外周部を接合した接合構造を有しており、且つ、前記容器の前記開口部に前記蓋体を取り付けた場合に前記容器を係止する係止部を有し、前記蓋体を平面視した場合に、前記側壁の下端が、前記側壁のうち係止部の上端よりも内側に位置しており、前記天蓋が前記天面に傾斜面を形成している。【選択図】図1

Description

本発明は、蓋体、及び蓋体と容器の組み合わせに関する。
コーヒーなどの飲料や総菜などの内容物を収容する可撓性を有する容器に対して取り付けられる蓋体は、天面部を有する天蓋と天面部の周囲を取り巻く側壁とを有しているものが知られている。これまで、蓋体としては、天蓋と側壁をプラスチック成形体で形成したものを広く用いられていた。しかしながら、環境負荷を軽減する観点から、蓋体をプラスチックの使用量を極力抑制した部材で形成することが要請されている。そこで、紙製素材を用いて蓋体を形成することが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
特開2006-248530号公報 特表2012-513940号公報
蓋体を取り付けた容器では、蓋体の天面上に容器の内容物が漏れ出ることがある。例えば、容器の内部と外部を連通させる口部を蓋体に設け、容器に飲料などの液体を収容した場合、口部から液体が天面上にこぼれ出ることがある。特に、紙系素材を用いた蓋体では、こぼれ出た液体が蓋体の天面で広がり、さらにその液体が蓋体の天面にしみ込んだ場合に、液体が蓋体の天面の汚れとなることがある。
そこで、紙系素材を用いた蓋体では、天面上にこぼれ出た液体が天面上に拡散することや蓋体にしみ込むことを抑制する点で改善の余地がある。
また、蓋体を取り付けた容器では必要に応じて蓋体を容器から取り外すことがある。この場合にスムーズに容器から蓋体を分離できるようにする点で、蓋体には改善の余地がある。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、蓋体を容器からスムーズに取り外すことが容易となり、及び蓋体の天面上にこぼれ出た液体の拡散の抑制を実現することができる蓋体、及び蓋体と容器の組み合わせを提供することを目的とする。
本発明は、次の(1)から(11)にかかる発明を要旨とする。
(1)開口部を有する容器の前記開口部に着脱可能な形状を有する蓋体であり、
前記容器の前記開口部に前記蓋体を取り付けた場合に前記開口部を覆う天面部と、該天面部の外周縁に沿って形成された外周部とを有する天蓋と、
前記天蓋の外周縁に沿って前記天蓋を取り巻く側壁形成部を有する側壁と、を有し、
前記側壁は、前記側壁形成部の内周面に前記外周部を接合した接合構造を有しており、且つ、前記容器の前記開口部に前記蓋体を取り付けた場合に前記容器を係止する係止部を有し、
前記蓋体を平面視した場合に、前記側壁の下端が、前記側壁のうち係止部の上端よりも内側に位置しており、
前記天蓋が、前記天面に傾斜面を形成している、
蓋体、
(2)前記天面部には、前記容器の前記開口部に前記蓋体を取り付けた場合で前記容器の内部空間を前記容器の外部に連通させる口部が形成されており、
前記口部は、前記天面部の中心よりも前記傾斜面の下流側に形成されている、
上記(1)に記載の蓋体、
(3)天蓋の外周部は、天蓋の外周縁を基端として前記天面部よりも上側に立ち上がる立ち上がり部を有し、
前記接合構造は、前記側壁形成部の内周面に前記立ち上がり部を接合した構造を有する、
上記(1)または(2)に記載の蓋体、
(4)天蓋の外周部は、天蓋の外周縁を基端として前記天面部よりも下側に下垂する下垂部を有し、
前記接合構造は、前記側壁形成部の内周面に前記下垂部を接合した構造を有する、
上記(1)または(2)に記載の蓋体、
(5)前記傾斜面は、一様に傾斜している、
上記(1)から(4)のいずれか1項に記載の蓋体、
(6)前記傾斜面は、前記天面の中心に向かって凸状に傾斜している、
上記(1)から(4)のいずれか1項に記載の蓋体、
(7)前記傾斜面は、前記天面の中心に向かって凹状に傾斜している、
上記(1)から(4)のいずれか1項に記載の蓋体、
(8)前記傾斜面は、前記蓋体を前記容器に取り付ける前の状態では一様に傾斜し、前記蓋体を前記容器に取り付けた状態では、前記天面の中心に向かって凸状に傾斜している、
上記(1)から(4)のいずれか1項に記載の蓋体、
(9)前記傾斜面は、前記蓋体を前記容器に取り付ける前の状態では一様に傾斜し、前記蓋体を前記容器に取り付けた状態では、前記天面の中心に向かって凹状に傾斜している、
上記(1)から(4)のいずれか1項に記載の蓋体、
(10)前記天面部の外周縁の少なくとも一部では、前記外周縁に沿って上方に突出した突出部が形成されている、
上記(1)から(7)のいずれか1項に記載の蓋体、
(11)開口部を有する容器と、上記(1)から(10)のいずれか1項に記載の蓋体とを有する、
蓋体と容器の組み合わせ、
を要旨とする。
本発明によれば、蓋体の天面が傾斜面を有しており、蓋体を容器からスムーズに取り外すことが容易となり、及び蓋体の天面上にこぼれ出た液体の拡散の抑制が容易となる蓋体を提供することができる。
特に、蓋体を平面視した場合に、前記側壁の下端が、前記側壁のうち係止部の上端よりも内側に位置している場合、蓋体を容器に取り付けた状態では蓋体はしっかりと容器に固定される。そのため、蓋体を容器から取り外す際に、必要以上の力が一度に集中して蓋体に加えられやすい。この場合、蓋体が容器から勢いよく分離されてしまい、蓋体の天面の裏面に液体が付着した場合には、液体が飛び散ってしまう。
この点、本発明によれば、蓋体の天面が傾斜面を有しており、スムーズに蓋体を取り外すことが容易となるため、液体が飛びちるという状態の発生を抑制することができる。
図1は、第1の実施形態の一実施例を説明するための斜視図である 図2Aは、第1の実施形態のA-A線縦断面を説明するための縦断面図である。 図2Bは、第1の実施形態のB-B線横断面を説明するための横断面図である。 図3は、図2Aの破線領域XS1の部分の部分拡大図であり、第1の実施形態の一実施例において係合部の一例を説明するための図である。 図4Aは、第1の実施形態の他の一例を説明するための縦断面図である。 図4Bは、第1の実施形態の他の一例を説明するための縦断面図である。 図5は、第1の実施形態の変形例2の一実施例を説明するための図である。 図6は、第1の実施形態の変形例3の一実施例を説明するための図である。 図7は、第1の実施形態の変形例4の一実施例を説明するための図である。 図8は、第2の実施形態の一実施例を説明するための斜視図である 図9Aは、第2の実施形態のC-C線縦断面を説明するための縦断面図である。 図9Bは、第2の実施形態のD-D線横断面を説明するための横断面図である。 図10は、図9Aの破線領域XS2の部分の部分拡大図であり、第2の実施形態の一実施例において係合部の一例を説明するための図である。 図11Aは、第2の実施形態の他の一例を説明するための縦断面図である。 図11Bは、第2の実施形態の他の一例を説明するための縦断面図である。 図12は、容器の例を示す断面図である。 図13Aは、天蓋形成用のブランク材の一例を示す平面図である。図13Bは、側壁形成用のブランク材の一例を示す平面図である。
以下、本発明に関係した第1の実施形態、第2の実施形態、及び蓋体と容器の組み合わせについて、順次、図面を参照しながら説明する。説明は、1.第1の実施形態、2.第2の実施形態、3.蓋体と容器の組み合わせ、の順に行われる。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
以下の説明は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容は、これらの実施の形態等に限定されるものではない。また、以下の説明において、説明の便宜を考慮して、前後、左右、上下等の方向及び水平面の方向を示すが、本発明の内容はこれらの方向に限定されるものではない。図1から図13の例では、Z軸方向を上下方向(上側が+Z方向、下側が-Z方向)であるものとし、Z軸方向を法線とする平面上に定められた互いに直交するX軸及びY軸に沿った方向をX軸方向及びY軸方向とし、さらにX軸とY軸で貼られた平面であるXY平面が水平面であるものとし、これらに基づき説明を行う。図1から図13の各図に示す大きさ等の相対的な大小比率は便宜上の記載であり、実際の大小比率を限定するものではない。
[1 第1の実施形態]
[1-1 構成]
本発明の第1の実施形態にかかる蓋体1は、図1、図2A、図2B、図3に示すように、天蓋2と側壁3とを備える。蓋体1は、図3等でも示すように、例えば上端側を開口させた開口縁部130で囲まれた開口部140を有する有底の容器Tの開口部140に着脱可能である。このとき、容器Tとしては、開口部140の輪郭形状を定める開口縁部130に可撓性を有するものがより好ましく用いられる。ただし、これらのことは容器Tが、金属製の容器など可撓性の少ないあるいはほとんど認められないような容器であることを禁止するものではない。蓋体1は、可撓性の少ない容器に対しても装着することが可能である。容器Tとしては、図12を用いて後述する容器350を用いることができる。
(天蓋)
天蓋2は、天面部4と外周部5とを有している。天蓋2は、後述する天蓋形成用のブランク材の一体成型によって天面部4と外周部5を一体的に形成されたものを用いることができる。
(天面部)
天面部4は、容器Tの開口部140に蓋体1を取り付けた場合に、容器Tの開口部140を覆う部分となる。天面部4の形状は、容器Tの形状に応じて定められてよく、円形状、楕円形状、三角形状、矩形状、多角形状、面取り形状などを例示することができる。
(傾斜面)
天面部4は、水平面に対して傾斜する傾斜面6を有する。図2Aの例では、傾斜面6は、天面部4のおおよそ全面に形成されている。また、この例では、傾斜面6は、一様に傾斜している面(傾斜平面)となっており、傾斜面6の傾斜角度αが正の値且つ傾斜面6内においておおむね一定の値となっている。ただし、このことは、傾斜面6が傾斜平面ではない場合を禁止するものではない。例えば、傾斜面6は、湾曲面であってもよい。傾斜面6が形成されていることで、天面部4の上面40(天面)に液体がこぼれた場合にあっても、傾斜面6の下流方向(矢印FD方向)に液体が流加しやすくなり、上流方向(矢印FU方向)への液体の拡散を抑制するとともに、こぼれ出た液体が天面部4に広がった状態で留まる時間を短くすることで液体が天面部4にしみ込む虞を抑制することができる。このため、天面部4の上面40全域が汚れた状態となる虞を抑制することができる。
(傾斜角度)
傾斜面6の傾斜角度αの値は、後述するテーパー角βの値よりも小さい(α<β)ことが好ましい。この場合、天面部4の下面(裏面41)と外周部5の内周面50のなす角が、鋭角(90℃未満)となる。そして、α<βが満たされていることで、蓋体1を容器Tに取り付けた状態において蓋体1をしっかりと容器Tに固定させる効果が高められる。
(傾斜面の他例)
また、傾斜面6は、天面部4の上面40の中心に向かって凸状に傾斜していてもよく、上面40の中心に向かって凹状に傾斜していてもよい。これらの場合においても、天面部4にこぼれた液体が天面部4の全面に拡散した状態の継続を抑制することができる(図示しない)。
(外周部)
外周部5は、天面部4の外周縁4Aに沿って形成されている。外周部5の基端5Aは天面部4の外周縁4Aに連続しており、天面部4を取り巻くように形成されている。
(外周部の幅)
外周部5の幅は、図2Aに示すように、一定となるように形成されていてもよい。なお、外周部5の幅とは、その基端5Aから先端5B(下垂部7の下端7B)までの距離且つ外周部5の内周面50に沿った距離であるものとする。ただし、これは一例であり、外周部5の幅は、図4Aに示すように、一定でなくてもよい。図4Aの例では、外周部5がその先端5Bの位置が水平面に平行となるように形成されており、外周部5の幅の長さは、天面部4の傾斜面6に応じた幅の長さとなっている。
(下垂部)
外周部5は、下垂部7を有している。図2Aの例では、下垂部7は、天面部4の外周縁4Aから斜め下方に向かって延びている。下垂部7は、図1等に示す例では、天面部4の外周縁40Aの全周から延びる部分として形成されている。この例では、下垂部7は、外周部5の基端5Aから先端5Bまでの全体で形成されている。さらに、この例では、下垂部7の内周面70の少なくとも一部は、折り返し部8の一部で構成される延び出した部分の外周面に接合されている。
下垂部7の外周面71の少なくとも一部は、後述する側壁形成部12の内周面120に接合されており、下垂部7は、後述する側壁3を構成する部分を兼ねている。この例では、下垂部7の外周面71は先端(下端7B)まで側壁形成部12に接合されている。なお、側壁形成部12の内周面120に外周部5の下垂部7を接合した構造は、接合構造10と称呼される。
(接合構造)
接合構造10は、側壁形成部12と外周部5とを接合する部分となっていれば側壁形成部12と外周部5とが直接接合された構造及び、側壁形成部12と外周部5とが間接的に接合された構造の、いずれも含む概念である。例えば、側壁形成部12と外周部5とが間接的に接合された構造は、側壁形成部12と外周部5との間に接着剤を塗布して形成される接着剤層を介して側壁形成部12と外周部5とが接合される構造を例示することができる。また、側壁形成部12と外周部5とが直接接合された構造は、側壁形成部12と外周部5の少なくとも一方が表面に樹脂等をコーティングしたコート紙であるような場合に、側壁形成部12と外周部5をヒートシール等によって直接接合した構造となる場合を例示することができる。
(天蓋2の材質)
天蓋2の材質は特に限定されるものではないが、紙系素材が好適に用いられる。紙系素材としては、植物繊維、その他の繊維を膠着させて製造される、いわゆる紙類の他、化学繊維紙、合成紙、耐水紙、コート紙、代替紙、羊皮紙、羊毛紙、ガラス繊維紙、ストーンペーパー、陶紙等が挙げられる。ただし、このことは、天蓋2の材質として、非紙系素材が用いられることを禁止するものではない。非紙系素材としては、布巾系素材(織布素材や不織布素材)、樹脂系素材、金属系素材、木材系素材、ガラス系素材等を挙げることができる。不織布素材としては、例えば、空気流によって積繊した粉砕パルプを結合してシート状に形成したいわゆるエアレイドシート、パルプ系素材、天然繊維素材や合成繊維等の繊維の不織布を挙げることができる。樹脂系素材としては、樹脂フィルム・シート材を挙げることができ、例えば、合成樹脂や天然樹脂、生分解性樹脂のフィルムやシートを挙げることができる。樹脂系素材としては、中でも生分解性樹脂のフィルムやシートを好ましく用いることができる。また、天蓋2の材質として、紙系素材と非紙系素材とを組み合わせたものを用いることも可能である。紙系素材と非紙系素材とを組み合わせたものとは、紙系素からなるシートの一部に孔部を形成してその孔部に非紙系素材を取り付けたものなどを挙げることができる。
環境負荷の観点と取り扱いの容易性の観点からは、天蓋2の材質は、紙系素材で形成されていることが好ましい。ただし、このことは、天蓋2の全てを紙系素材に限定するものではない。例えば、天蓋2の材質について、天蓋2の一部又は全てが樹脂製のフィルムであってもよい。
天蓋2は、後述するように、例えば、原反材を打ち抜き加工等することで形成された天蓋形成用のブランク材300に曲げ加工を施すことによって得ることができる。天蓋形成用のブランク材300の原反材(天蓋形成用の原反材)の材質は、天蓋2として適用可能な上記素材を用いられる。
(口部)
図1、図2B等に示す蓋体1の例では、天面部4には、口部11が形成されている。口部11は、天面部4に形成された開口で構成される。口部11は、容器Tの開口部140に蓋体1を取り付けた場合で容器Tの内部空間を容器Tの外部に連通させる。また、口部11は、容器Tに収容された内容物の出口(流出口)となる。容器の内容物が飲料である場合に、口部11が飲料を摂取するための飲み口として使用されてよい。なお、説明の便宜上、図2A、図3、図4A、図4B、図5、図6,図7、図9A、図10、図11A、図11B,図12では口部11の構成を省略している。
口部11の大きさや形状は、特に限定されないが、口部11が飲み口として使用される場合には、飲み口として利用しやすいように使用者の口の大きさや形状を考慮した大きさや形状に形成されることが好ましい。
口部11の位置は、傾斜面6の下流側の所定位置に形成されていることが好適である。下流側の所定位置とは、図1に示すように、傾斜面6の上流から下流に向かう方向(矢印FD方向側)に沿って上流端6Aから下流端6Bまでの間における中央位置を基準位置CEとして、その基準位置CEよりも下流側の領域内の位置を示すものとする。一点鎖線で示す線Nは、基準位置CEと同じ高さとなる位置を示す線である。したがって、この線Nよりも下流側に口部11が設けられることが好適であることになる。
口部11は、非使用時において開閉部13で覆われていてもよい。開閉部13は、例えば、蓋体1の口部11に沿って切り込みを入れることで形成された切り込み部13Aと、折り曲げ軸部13Bとによって囲まれた部分として形成することができる。この場合、使用者が切り込み部13Aを持ち上げるように折り曲げ軸部13Bを軸として開閉部13を矢印R方向に動かすことで、開閉部13の先端が持ち上がり(上面40から離され)、口部11が開かれた状態となる。また、開閉部13の先端側をおろす(上面40に近づける)ことで、口部11が閉じられた状態となる。
なお、開閉部13は、上記の例に限定されない。例えば、開閉部13は、口部11を被覆するようにシール材が貼付されることで形成されてもよい(図示しない)。シール材としては、樹脂フィルムの一方面側に粘着層を形成したものなどを用いることができる。
(側壁)
蓋体1は、側壁3を有する。側壁3は、天面部4の周囲に(外周縁4Aを取り巻くように)、環状に形成されている。側壁3は、側壁形成部12を備える。側壁3では、側壁形成部12の内周面120が下垂部7の外周面71に面接合される。図2Aの例では、下垂部7の全体が側壁形成部12と面接合している。上述したように、下垂部7は、側壁3の構成を兼ねている。
(側壁の上端と下端)
図2Aの例では、側壁3は、下垂部7の上端7Aよりも上側に延び出た部分(上側側壁部15と呼ぶ)を有している。上側側壁部15が形成されていることで、口部11から上面40上に液体がこぼれても、液体が容易に蓋体1の外側に流れ落ちる虞を抑制することができる。また、側壁3は、その下端3Bの位置がおおむね水平(水平面に平行)になるように形成されている。なお、図2Aの例では、側壁3の上端3Aの位置もおおむね水平になるように形成されている。ただし、このことは、側壁3の上端3A、下端3Bが水平である場合に限定するものではない。
(側壁形成部)
側壁形成部12は、例えば、図13Bに示すような側壁用ブランク材301を用いて形成することができる。側壁形成部12を形成するために用いる側壁用ブランク材301の素材としては、紙系素材が好適に用いられる。紙系素材としては、天蓋の素材の例として上述した各種の紙系素材を例示することができる。
(係止部)
側壁3は、係止部14を有する。係止部14は、容器Tの開口部140に蓋体1を取り付けた場合に容器Tを係止する部分として定義される。図1、図2、図3の例では、係止部14は、側壁3の内周面30に沿って環状に形成されている。係止部14の形成範囲は、容器Tの形状等に応じて定めることができる。
蓋体1を取り付けられる容器Tが、図3に示すように開口部140にカール部(容器側カール部150と呼ぶ)を形成している場合には、係止部14は、側壁3の内周面30のうち容器側カール部150と側壁3との接触部分となる部分を含む領域で形成される。図3は、係止部14の一実施例を示す図である。なお、図3の例では、係止部14は、側壁3の内周面30のうち折り返し部8の延び出し端9及び延び出し端9の上側の所定領域に定められる。
(折り返し部)
図2Aの例に示す側壁3においては、側壁形成部12は、その下端12B側で下垂部7の下端7Bを被覆するように、下垂部7の内周面70側に折り返されており、下垂部7の内周面70に向かい合うように延び出している。この折り返された部分と下垂部7の内周面70に向かい合う部分を折り返し部8と定義する。また、折り返し部8の上端を延び出し端9と定義する。このような折り返し部8の少なくとも一部は、下垂部7の内周面70に接合されている。
折り返し部8の幅は、特に限定されるものではないが、下垂部7の上端7Aよりも下側の位置が延び出し端9となるような幅に定められている。また、この図2Aの例では、折り返し部8の幅がおおむね一定となっている。なお、折り返し部8の幅は、側壁形成部12の下端12Aから延び出し端9までの離間距離(折り返し部8の面方向に沿った距離)として定義される。
ただし、図2Aの例は、折り返し部8の幅が図4Bに示すように一定ではない場合を禁止しない。図4Bは、蓋体の一実施例を説明するための断面図である。図4Bの例では、折り返し部8が、側壁形成部12の下端12Bから下垂部7の上端7Aまでのびている。この例の場合、延び出し端9が接合構造10の形成部分の上端近傍となっており、また、下垂部7の上端7A近傍となっている。折り返し部8の幅(上下方向の幅)は、おおむね下垂部7の幅に対応している。この場合、係止部14は、折り返し部8における所定領域に定められる。
側壁3は、折り返し部8を有することにより、側壁形成部12で下垂部7の外周面71と内周面70の両面側から下垂部7を挟み込む構造を有している。したがって、折り返し部8が形成されていることにより、側壁3の構造をより多層にすることができ、側壁3をより強固にすることができる。
(側壁の形状)
側壁3の周面の形状は、上下方向に均一な傾斜面となっていてもよいが、全体にあるいは部分的に湾曲していてもよい。側壁3の周面とは、側壁3の内周面30と外周面31を区別しない場合についての、内周面30と外周面31を包括的に示す称呼である。
(側壁の下端の位置)
側壁3の下端3Bは、蓋体1を平面視した場合(蓋体1の平面視上と記載することがある)に、側壁3のうち係止部14の上端14Aよりも内側(蓋体1の中心寄り)に位置していることが好適である。この場合、蓋体1の縦断面上においても、側壁3の下端3Bは、側壁3のうち係止部14の上端14Aよりも蓋体1の中心寄りの位置となる。図2A、図3の例では、側壁3の下端3Bが、蓋体1の平面視上、下垂部7の上端7Aの位置よりも蓋体1の中心寄りに位置することになる。また、この場合、側壁3の内周面30が、係止部14の上端14Aの位置から側壁3の下端3Bに向かって徐々に径(側壁3の内径)が小さくなる形状、すなわち、すぼんでいくような形状(内テーパー形状と呼ぶ)となることが好適である。なお、図3に示すように、内テーパー形状のテーパーの程度を規定する角度をテーパー角βと呼ぶ。図2A、図3の例では、テーパー角βの値が正の値(非ゼロ値)となっている。
側壁3の外周面31についても、係止部14の上端14Aの位置に対応する外周面31側の位置から側壁3の下端3Bに向かって徐々に径(側壁3の外径)が小さくなる形状、すなわち、すぼんでいくような形状となることが好適である。
ただし、このことは、側壁3の下端3Bが、蓋体1の平面視上、係止部14の上端14Aの位置に一致している場合及び係止部14の上端14Aの位置よりも蓋体1の外側に位置していることを禁止するものではない。側壁3の内周面30が、係止部14の上端14Aの位置から側壁3の下端3Bに向かって徐々に径(側壁3の内径)が大きくなる形状となっている場合は禁止されない。また、側壁3の内周面30が、係止部の上端の位置から側壁の下端に向かって径が一定である形状となっている場合も禁止されない。側壁の外周面についても、側壁3の内周面について述べたことと同様に、側壁3の下端3Bに向かって徐々に径(側壁3の外径)が大きくなっても、一定でもよい。
蓋体1において側壁3の内周面30が係止部14の上端14Aの位置から側壁3の下端3Bに向かって徐々に内径が小さくなる形状である場合に、容器Tの開口縁部130が蓋体1の側壁3の内周面30に押し込まれると、容器Tの開口縁部130の復元力で開口縁部130が外方向に向かおうとして側壁3の内周面30に対して外方向に向かう力が作用する。このとき、反作用の力が側壁3の内周面30から容器Tに対して付与され、開口縁部130が側壁3の内周面30上側に向かってより一層押し込まれた状態となり、開口縁部130と係止部14との係止状態が強まる方向に作用しやすくなる。したがって、この場合、蓋体を容器に取り付けた状態では蓋体はしっかりと容器に固定される。
[1-2 製造方法]
次に、蓋体1の製造方法について述べる。紙系素材からなる原反材を円形状に打ち抜き加工して、図13Aに示すような天蓋形成用のブランク材300を得る。そして天蓋2の形状に応じて天蓋形成用のブランク材300を一体形成を行う。これにより天蓋2が形成される。一体成型は、曲げ加工を例示することができる。具体的には、紙系素材からなるブランク材の外周縁部を固定した状態でブランク材が曲げ加工されることで、天面部4と外周部とを有する天蓋2を一体的に形成する(賦形工程)。曲げ加工は、例えばプレス加工処理を実施することで実現可能である。賦形工程では、破線BDで示す位置で曲げ加工が施される。破線BDで囲まれた内側となる内側領域TRが、天面部4となり、その外側となる外側領域SRが外周部5となる。
側壁形成部の形成用のブランク材(側壁用ブランク材301と呼ぶ)を準備する。側壁用ブランク材301としては、例えば、紙系素材からなる原反材を打ち抜き加工したものを用いることができ、図13に示すように、側壁用ブランク材301として紙系素材からなり扇形状に形成された部材を用いることができる。側壁用ブランク材301の円周方向に沿って離間した2つの端部302、303が互いに重ねあわせて接合方法を用いて端部302、303を互いに接合する。接合方法は、特に限定されず、例えば接着剤やホットメルト接着剤、二液型接着剤、ヒートシール、超音波接合等の方法が挙げられるが、超音波接合が好適に用いられている。これにより環状の側壁形成部12が形成される。
天蓋2の外周部5の外周面51に環状の側壁形成部12を接合する(接合工程)。接合工程では、側壁形成部12の内周面120と外周部5の外周面51が接合処理される。接合工程の実地により、接合構造10が形成される。なお、接合工程の前又は後のタイミングで、折り返し部8が形成される。こうして蓋体1が得られる。
接合処理には、ヒートシールなどを用いることができる。具体的には、外周部5の外周面51に、に予め接着剤を塗布しておき外周面51を内周面120に押し当てた状態で、外周部5の内周面50側からローラを押し当て加圧する。ローラは、自転しながら内周面50に沿って回動する。このとき、ローラは加熱状態とされていることが好ましい。なお上記した接合処理は、一例であり、接合処理はこの方法に限定されるものではない。たとえば、天蓋形成用のブランク材300と側壁用ブランク材301として、樹脂などで表面にコート層を形成したコート紙を用い且つ外周面51と内周面120がそれぞれコート層となるようにしたものを準備する。そして外周面51と内周面120を向い合せになるように側壁形成部12と天蓋2を配置した状態を形成し、外周部5の内周面50側からローラを押し当てて加熱及び加圧してもよい。ただし、これらの方法は一例であり、このほかの接合方法が用いられることを禁止しない。
[1-3 作用及び効果]
第1の実施形態にかかる蓋体1によれば、天面部4に傾斜面6が形成されている。これにより、天蓋2の上面40上にこぼれ出た液体の拡散の抑制が容易となる。
天面部4に傾斜面6が形成されていることで、蓋体1は、図1に示すように中心位置を通り上下方向に延びる直線Mに対して回転対称とならないような形状となる。このため蓋体1の側壁3を部分的につまんで上側に引き上げた場合に、な天面部4にかかる力のバランスを不均一化させることができ、蓋体1の形状に歪み変形を与えることが容易となる。このため、蓋体1を容器Tからスムーズに取り外すことが容易となる。
特に、蓋体を平面視した場合に、側壁の下端が、側壁のうち係止部の上端よりも内側に位置している場合、蓋体を容器に取り付けた状態では蓋体はしっかりと容器に固定される。そのため、蓋体を容器から取り外す際に、必要以上の力が一度に集中して蓋体に加えられやすい。この場合、蓋体が容器から勢いよく分離されてしまい、蓋体の天面の裏面に液体が付着した場合には、液体が飛び散ってしまう。この点、本発明によれば、蓋体の天面が傾斜面を有しており、スムーズに蓋体を取り外すことが容易となるため、液体が飛び散るという状態の発生を抑制することができる。
また、蓋体に口部11を設けている場合、コーヒー等の液体(飲料)を内容物として収容した容器T内に蓋体1を装着した状態で、使用者の口を口部に当てた状態として容器T内の内容物を飲もうとする場合に、使用者の口や内容物が天面部4の上面40上にこぼれ出たとしても、傾斜面6を上流から下流方向に下って液体を所定の部分に集められるようにすることができ、内容物が上面40上に拡散した状態が続かないようにすることができ、天面部4が全体に汚れる虞を抑制でき、衛生的に使用者が内容物を容易に飲み続けることができるようになる。また、口部にストローなどを差し入れてストローから液体を吸い出した後、ストローを抜き出した場合に、ストローの先端から液体のしずくが天面部4上にこぼれ出たとしても、傾斜面6を下って一か所に集められるようにすることができる。
[1-4 変形例]
次に、第1の実施形態にかかる蓋体1の変形例について述べる。
(変形例1)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、口部11が省略されていてもよい(この形態を変形例1と呼ぶ)。変形例1にかかる蓋体1は、天面部4の口部11の構成を省略する他は上記した第1の実施形態にかかる蓋体1と同じであるので、変形例1の図示を省略する。
変形例1にかかる蓋体1のように口部11が省略されている場合であっても、容器Tに取り付けられる蓋体1として適用することが可能である。また、変形例1の蓋体1によれば、上記第1の実施形態にかかる蓋体1で説明したことと同様に、蓋体1を容器Tから取り外す際に、必要以上の力が一度に集中して蓋体1に加えられて蓋体1が容器Tから勢いよく分離される状態を抑制することができ、蓋体1の天面部4の裏面41に液体が付着した場合に液体が周囲に飛び散ってしまう虞を抑制することができる。
(変形例2)
第1の実施形態にかかる蓋体においては、図5に示すように、上側側壁部15の上端(側壁3の上端3A)に、環状のカール部(蓋体側カール部16と呼ぶ)が設けられていてもよい(この形態を変形例4と呼ぶ)。図5は、変形例4にかかる蓋体の一実施例を説明するための断面図である。この例では、蓋体側カール部16は、上側側壁部15の上端全周に形成されている。また、蓋体側カール部16は、側壁用ブランク材301における側壁形成部12の上端側の所定部分を外巻きに巻きまわした状態とすることで形成されている。変形例2にかかる蓋体1によれば、蓋体1を取り付けた容器Tから蓋体1を取り外す際に、使用者の指で蓋体側カール部16の位置でつまむことで蓋体1から指が滑る虞を抑制することができ、蓋体1を摘むことが容易となり、スムーズな蓋体1の取り外しを容易とすることができる。
(変形例3)
第1の実施形態にかかる蓋体においては、図6に示すように、上側側壁部15の上端に、折り返し部(上側折り返し部17と呼ぶ)が設けられていてもよい(この形態を変形例5と呼ぶ)。図6は、変形例5にかかる蓋体の一実施例を説明するための断面図である。この例では、上側折り返し部17は、上側側壁部15の上端全周に形成されている。また、上側折り返し部17は、側壁用ブランク材301における側壁形成部12の上端側の所定部分を外側に折り返した状態とすることで形成されている。
なお、上側折り返し部17は、図6の場合に限定されず、側壁用ブランク材301を側壁形成部12の上端側の所定部分を内側に折り返した状態とされてもよい(図示しない)。
(変形例4)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、図7に示すように、天面部4の外周部5の少なくとも一部には、湾曲部18が設けられてもよい。図7は、変形例4にかかる蓋体1の一実施例を示す断面図である。この例では、湾曲部18は、外周部5の全周に設けられている。
(湾曲部)
湾曲部18は、外周部5の基端5Aから外周部5の先端5Bに向かった所定の範囲に設けられている。図7の例では、外周部5は、下垂部7の上端7Aから外周部5の基端5Aの範囲に形成されている。湾曲部18は、ほぼ屈曲形状であってもよいし、ゆるやかな湾曲形状であってもよい。
湾曲部18は、外周部5の基端5Aに沿って上方に突出した突出部18Aを形成していることが好ましい。この場合、突出部18Aは、天面部4から上方向に盛り上がった凸状の湾曲形状部であることが好ましい。
変形例4にかかる蓋体1において、湾曲部18が突出部18Aを形成していることで、蓋体1を取り付けられる容器Tが、開口部140に容器側カール部150を形成している場合に、突出部18Aの下面側を係止部14に含めることができる。すなわち、突出部18Aの下面側も係止部14の一部として機能させることができる。この場合、容器側カール部150と側壁3との接触面積を拡大することが容易となり、蓋体1を容器に取り付けることが容易となる。
(変形例5)
第1の実施形態にかかる蓋体においては、傾斜面は、前記蓋体を前記容器に取り付ける前の状態では一様に傾斜し、蓋体を容器に取り付けた状態では、前記天面の中心に向かって凸状に傾斜するように形成されていてもよい(この形態を変形例5と呼ぶ)。これは、側壁のテーパー角βが、蓋体を容器に取り付ける前の状態でのテーパー角の大きさよりも、体を容器に取り付けた後の状態でのテーパー角の大きさのほうが大きくなるように側壁が形成されていることで実現することができる。これにより、蓋体を容器に着脱する場合に、正しく取り付けられたあるいは取り外された状態となっているか目視で判断することが容易となる。
(変形例6)
第1の実施形態にかかる蓋体においては、傾斜面は、前記蓋体を前記容器に取り付ける前の状態では一様に傾斜し、蓋体を容器に取り付けた状態では、前記天面の中心に向かって凹状に傾斜するように形成されていてもよい(この形態を変形例6と呼ぶ)。これは、側壁のテーパー角βが、蓋体を容器に取り付ける前の状態でのテーパー角の大きさよりも、体を容器に取り付けた後の状態でのテーパー角の大きさのほうが小さくなるように側壁が形成されていることで実現することができる。これにより、蓋体を容器に着脱する場合に、正しく取り付けられたあるいは取り外された状態となっているか目視で判断することが容易となる。
[2 第2の実施形態]
第2の実施形態について説明する。第2の実施形態にかかる蓋体は、図8、図9A、図9B、図10に示すように、第1の実施形態にかかる蓋体1と同様に、天蓋2と側壁3を有する。天蓋2と側壁3のそれぞれの材質は、第1の実施形態と同様であるから説明を省略する。図8、図9A、図9B、図10は、第2の実施形態にかかる蓋体の一実施例を説明するための図である。
(天蓋)
天蓋2は、天面部4と外周部5を有する。天面部4は、第1の実施形態と同様に、水平面に対して傾斜する傾斜面6を有する。傾斜面6の構成は、第1の実施形態で説明した傾斜面と同様である。天面部4の口部11についても、第1の実施形態で説明したことと同様に、図8の例に示すように設けられてもよいし、省略されていてもよい。
(外周部)
天蓋2の外周部5は、天面部4の外周縁4Aを基端とし天面部4よりも上側に立ち上がる立ち上がり部20を有している。図9Aの例では、立ち上がり部20の立ち上がり高さが一定である。ただし、立ち上がり部20の立ち上がり部の高さが、図11Aに示すように一定である場合を禁止しない。図11Aは、第2の実施形態の他例を示す図である。図11Aの例では、立ち上がり部20の立ち上がり高さは、下流端6B側に近い位置ほど大きくなっている。立ち上がり部20の立ち上がり高さは、立ち上がり部の20の基端から立ち上がり部の先端20Aまでの距離で定められる。図9A,図11Aの例では、立ち上がり部の20の基端は、外周部5の基端5Aとなっている。
(側壁)
第2の実施形態にかかる蓋体1は、上述したように側壁3を有している。側壁3は、側壁形成部12を有する。側壁形成部12は、第1の実施形態と同様に形成することができる。側壁3は、上側側壁部15に接合構造22を形成している。この接合構造22は、側壁形成部12の内周面120に立ち上がり部20の内周面200を接合した構造となっている。第2の実施形態にかかる蓋体1の接合構造22は、第1の実施形態で説明した接合構造10と同様の方法を用いて形成することができる。
(係止部)
第2の実施形態おいても、側壁3は、係止部14を有する。係止部14は、容器Tの開口部140に蓋体1を取り付けた場合に容器Tを係止する部分として定義される。図8、図9A、図9B、図10の例では、係止部14は、側壁3を構成する側壁形成部12の内周面120に沿って環状に形成されている。係止部14の形成範囲は、容器Tの形状等に応じて定めることができる。
蓋体を取り付けられる容器Tが、容器側カール部150を有している場合には、第1の実施形態と同様に、係止部14は、側壁3の内周面30のうち、容器側カール部150と側壁3との接触部分となる部分で形成される。
(側壁3の上端)
第2の実施形態にかかる蓋体1においては、図8、図9A、図9B、図10に示すように、側壁3の上端3A(上側側壁部15の上端)に、内側折り返し部21が設けられていてもよい。内側折り返し部21は、側壁用ブランク材301における側壁形成部12の上端側の所定部分を内側に折り返した状態とすることで形成されている。内側折り返し部21は、上側側壁部15の上端全周に形成されている。蓋体1においては、内側折り返し部21が設けられていることで、口部11を飲み口として液体をスムーズに口に流し込むことができる。なお、図9Aの例では、内側折り返し部21の幅が、側壁3の全周にわたりおおむね均等となっているが、内側折り返し部21の幅が、均等でない場合を禁止しない。例えば、図11Bに示すように、内側折り返し部21の幅が、傾斜面6の下流端6Bに近い位置ほど大きくなっているように、内側折り返し部21が形成されていてもよい。
(折り返し部)
第2の実施形態においては、図9A、図10の例に示すように、側壁3の下端3Bには、折り返し部8の構成を省略されている。ただし、このことは、側壁3が、側壁形成部12の下端側の所定部分を内側又は外側に折り返す構造を有することを禁止するものではない。
(側壁の下端の位置)
側壁3の下端3Bと側壁3のうち係止部14の上端14Aの位置関係は、第1の実施形態と同様である。したがって、図10に示すように、側壁3の下端3Bは、蓋体1の平面視上、側壁3のうち係止部14の上端14Aよりも内側に位置していることが好適である。この場合、側壁3の内周面30が、係止部14の上端14Aの位置から側壁3の下端3Bに向かって徐々に径(側壁3の内径)が小さくなる形状、すなわち、内テーパー形状となることが好適である。第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、テーパー角βと傾斜角度αとの間にα<βの関係が成り立つことが好ましい。
[2-2 作用及び効果]
第2の実施形態にかかる蓋体1によれば、天面部4に傾斜面6が形成されており、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[3 蓋体と容器の組み合わせ]
上記第1の実施形態または第2の実施形態にかかる蓋体1は、次に示す容器350と組み合わせてよい。蓋体1と容器350との組み合わせとしては、容器350に蓋体1を装着した状態の蓋付容器のほか、容器350と蓋体1を取り外した状態で組み合わせた状態を含む。
(容器)
容器350は、図12に示すように、側周面を形成する胴材352と、底面を形成する底面材351とを備える。容器350は、底面材351の周囲に胴材352を接合させている。容器350は、胴材352と底面材351とで内部に空間を形成しており、上端側を開口させた開口部354を形成した有底の構造を有する。開口部354は、その上端側の開口と、開口部354の輪郭を形成する(その開口形状(輪郭)を規定する)開口縁部353とを有する。容器350としては、特に開口縁部353に可撓性を有するものが好適に用いられる。容器350は、開口縁部353に対して蓋体1を装着されて用いられる。
底面材351は、所定の原反材に対して打ち抜き加工等を施すことにより形成されたブランク材を用いて製造することができる。包装用部材の側壁として胴材352を有する。胴材352は、環状に形成されている。
また、容器350の形状は、特に厳正されないが、胴材352の形状を蓋体1の内テーパー状と同様のテーパー状としていることが好適である。
(容器側カール部)
容器350には、開口縁部353に容器側カール部355が設けられていてもよい。容器側カール部355は、胴材352の上端側を外向きに巻きまわすことで形成することができる巻回構造を有する部分である。容器側カール部355が形成されていることで、容器350と蓋体1との弾性的な装着(装着時の可撓性を向上させる)が容易となる。
(作用及び効果)
蓋体1と容器350の組み合わせによれば、容器350に組み合わせられる蓋体1の天面部4に傾斜面6が形成されており、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態の例に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。上述の実施形態の例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値等はあくまでも例であり、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値等を用いてもよい。また、明細書に例示された効果は、本発明の内容を限定しない。
上述した本発明は、下記に示す技術的思想を包含する。
(1)開口部を有する容器の前記開口部に着脱可能な蓋体であり、
前記容器の前記開口部に前記蓋体を取り付けた場合に前記開口部を覆う天面部と、該天面部の外周縁に沿って形成された外周部とを有する天蓋と、
前記天蓋の外周縁に沿って前記天蓋を取り巻く側壁形成部を有する側壁と、を有し、
前記側壁は、前記側壁形成部の内周面に前記外周部を接合した接合構造を有しており、且つ、前記容器の前記開口部に前記蓋体を取り付けた場合に前記容器を係止する係止部を有し、
前記蓋体を平面視した場合に、前記側壁の下端が、前記側壁のうち係止部の上端よりも内側に位置しており、
前記天蓋が、前記天面部に傾斜面を形成している、
蓋体。
(2)前記天面部には、前記容器の前記開口部に前記蓋体を取り付けた場合で前記容器の内部空間を前記容器の外部に連通させる口部が形成されており、
前記口部は、前記天面部の中心よりも前記傾斜面の下流側に形成されている、
上記(1)に記載の蓋体。
(3)前記天蓋の前記外周部は、前記天面部の外周縁を基端として前記天面部よりも上側に立ち上がる立ち上がり部を有し、
前記接合構造は、前記側壁形成部の内周面に前記立ち上がり部を接合した構造を有する、
上記(1)又は(2)に記載の蓋体。
(4)前記天蓋の前記外周部は、前記天面部の外周縁を基端として前記天面部よりも下側に下垂する下垂部を有し、
前記接合構造は、前記側壁形成部の内周面に前記下垂部を接合した構造を有する、
上記(1)又は(2)に記載の蓋体。
(5)前記傾斜面は、一様に傾斜している、
上記(1)から(4)のいずれかに記載の蓋体。
(6)前記傾斜面は、前記天面部の中心に向かって凸状に傾斜している、
上記(1)から(4)のいずれかに記載の蓋体。
(7)前記傾斜面は、前記天面部の中心に向かって凹状に傾斜している、
上記(1)から(4)のいずれかに記載の蓋体。
(8)前記傾斜面は、前記蓋体を前記容器に取り付ける前の状態では一様に傾斜し、前記蓋体を前記容器に取り付けた状態では、前記天面部の中心に向かって凸状に傾斜している、
上記(1)から(4)のいずれかに記載の蓋体。
(9)前記傾斜面は、前記蓋体を前記容器に取り付ける前の状態では一様に傾斜し、前記蓋体を前記容器に取り付けた状態では、前記天面部の中心に向かって凹状に傾斜している、
上記(1)から(4)のいずれかに記載の蓋体。
(10)前記天面部の前記外周部の少なくとも一部には、前記外周部の上端から前記外周部の先端に向かった所定の範囲に、湾曲部が設けられており、
前記湾曲部は、前記外周部の上端に沿って上方に突出した突出部を形成している、
上記(1)から(7)のいずれかに記載の蓋体。
(11)開口部を有する容器と、上記(1)から(10)のいずれかに記載の蓋体とを有する、
蓋体と容器の組み合わせ。
以上、実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態の例に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。上述の実施形態の例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値等はあくまでも例であり、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値等を用いてもよい。また、明細書に例示された効果は、本発明の内容を限定しない。
1 :蓋体
2 :天蓋
3 :側壁
3A :上端
3B :下端
4 :天面部
4A :外周縁
5 :外周部
5A :基端
5B :先端
6 :傾斜面
6A :上流端
6B :下流端
7 :下垂部
7A :上端
7B :下端
8 :折り返し部
9 :出し端
10 :接合構造
11 :口部
12 :側壁形成部
12A :下端
12B :下端
13 :開閉部
13A :切り込み部
13B :折り曲げ軸部
14 :係止部
14A :上端
15 :上側側壁部
16 :蓋体側カール部
17 :上側折り返し部
18 :湾曲部
18A :突出部
20 :立ち上がり部
20A :先端
21 :内側折り返し部
22 :接合構造
30 :内周面
31 :外周面
40 :上面
40A :外周縁
41 :裏面
50 :内周面
51 :外周面
70 :内周面
71 :外周面
120 :内周面
130 :開口縁部
140 :開口部
150 :容器側カール部
200 :内周面
300 :ブランク材
301 :側壁用ブランク材
302 :端部
303 :端部
350 :容器
351 :底面材
352 :胴材
353 :開口縁部
354 :開口部
355 :容器側カール部
BD :破線
CE :基準位置
FD :矢印
FU :矢印
R :矢印
SR :外側領域
T :容器
TR :内側領域
α :傾斜角度
β :テーパー角

Claims (11)

  1. 開口部を有する容器の前記開口部に着脱可能な蓋体であり、
    前記容器の前記開口部に前記蓋体を取り付けた場合に前記開口部を覆う天面部と、該天面部の外周縁に沿って形成された外周部とを有する天蓋と、
    前記天蓋の外周縁に沿って前記天蓋を取り巻く側壁形成部を有する側壁と、を有し、
    前記側壁は、前記側壁形成部の内周面に前記外周部を接合した接合構造を有しており、且つ、前記容器の前記開口部に前記蓋体を取り付けた場合に前記容器を係止する係止部を有し、
    前記蓋体を平面視した場合に、前記側壁の下端が、前記側壁のうち係止部の上端よりも内側に位置しており、
    前記天蓋が、前記天面部に傾斜面を形成している、
    蓋体。
  2. 前記天面部には、前記容器の前記開口部に前記蓋体を取り付けた場合で前記容器の内部空間を前記容器の外部に連通させる口部が形成されており、
    前記口部は、前記天面部の中心よりも前記傾斜面の下流側に形成されている、
    請求項1に記載の蓋体。
  3. 前記天蓋の前記外周部は、前記天面部の外周縁を基端として前記天面部よりも上側に立ち上がる立ち上がり部を有し、
    前記接合構造は、前記側壁形成部の内周面に前記立ち上がり部を接合した構造を有する、
    請求項1または2に記載の蓋体。
  4. 前記天蓋の前記外周部は、前記天面部の外周縁を基端として前記天面部よりも下側に下垂する下垂部を有し、
    前記接合構造は、前記側壁形成部の内周面に前記下垂部を接合した構造を有する、
    請求項1または2に記載の蓋体。
  5. 前記傾斜面は、一様に傾斜している、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の蓋体。
  6. 前記傾斜面は、前記天面部の中心に向かって凸状に傾斜している、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の蓋体。
  7. 前記傾斜面は、前記天面部の中心に向かって凹状に傾斜している、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の蓋体。
  8. 前記傾斜面は、前記蓋体を前記容器に取り付ける前の状態では一様に傾斜し、前記蓋体を前記容器に取り付けた状態では、前記天面部の中心に向かって凸状に傾斜している、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の蓋体。
  9. 前記傾斜面は、前記蓋体を前記容器に取り付ける前の状態では一様に傾斜し、前記蓋体を前記容器に取り付けた状態では、前記天面部の中心に向かって凹状に傾斜している、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の蓋体。
  10. 前記天面部の前記外周部の少なくとも一部には、前記外周部の上端から前記外周部の先端に向かった所定の範囲に、湾曲部が設けられており、
    前記湾曲部は、前記外周部の上端に沿って上方に突出した突出部を形成している、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の蓋体。
  11. 開口部を有する容器と、請求項1から10のいずれか1項に記載の蓋体とを有する、
    蓋体と容器の組み合わせ。
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