JP7338466B2 - フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、布や不織布のように表面に凹凸を有する材料に対する密着性に優れ、かつハンドリング性に優れるフィルムに関する。
近年、フィルムとして用いるために必要な機械特性を備えた上で、さらに別の機能を有する単体のフィルムが要求されている。例えば、医療・衛生材料の分野では、フィルムとして用いるために必要な機械特性を備え、かつ凹凸形状、伸縮性、及び柔軟性を有する、布や不織布のような材料(以下、布等ということがある。)に対する密着性とハンドリング性を兼ね備えるフィルムが望まれている。
これまでに、布等に対して密着性を有し、かつハンドリング性に優れるフィルムとして、種々の開発がなされている。例えば、特許文献1には粘着層に膨張、発泡させた熱膨張性マイクロカプセルを含有させて空泡を形成したものが開示されている。このような粘着テープは、空泡により粘着層が変形しやすくなるため、布等に対する密着性を良好とすることが可能である。
特開2016-145353号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、ある程度布等に対する密着性を高めることができるものの、ハンドリング性との両立は困難であった。具体的には、フィルムをロールとして保管したときにブロッキングが発生し、そのハンドリング性が低下するという課題があった。
本発明は係る従来技術の欠点を改良し、フィルムとして用いるために必要な機械特性を備え、かつ、布等に対する密着性とハンドリング性に優れるフィルムを提供することを、その課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、下記の構成からなる。
(1) 基材層と粘着層と有し、ヤング率の最大値が0.05MPa以上2.00MPa以下であり、前記基材層が、前記粘着層よりもポリオレフィン系樹脂を多く含み、前記粘着層が、少なくとも一方の最表面に位置し、粒子を含み、その表面に高さが20μm以上の凸部を有し、かつ表面全体に占める前記凸部の面積率が2%以上20%以下であることを特徴とする、フィルム。
(2) 前記粘着層の厚みをXμm、前記粘着層に含まれる粒子の平均粒径をYμmとしたときに、X/Yが0.1以上2.0以下であることを特徴とする、(1)に記載のフィルム。
(3) 前記粘着層に含まれる粒子のレーザー回折/散乱法で測定した体積基準粒度分布より1μm間隔で頻度分布を求めた際に、高さ3%以上のピークが複数存在し、最も大きいピークが示す粒径を平均粒径A、2番目に大きいピークが示す粒径を平均粒径Bとしたときに、平均粒径Aと平均粒径Bとの差が10μm以上であることを特徴とする、(1)に記載のフィルム。
(4) 前記粘着層の厚みをXμm、前記平均粒径Aと前記平均粒径Bのうち値の大きい平均粒径をZμmとしたときに、X/Zが0.1以上2.0以下であることを特徴とする、(3)に記載のフィルム。
(5) 前記粒子が無機粒子を含むことを特徴とする、(1)~(4)のいずれかに記載のフィルム。
(6) ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、及び石油系樹脂を粘着性樹脂としたときに、前記粘着層が、少なくとも一種の粘着性樹脂を含むことを特徴とする、(1)~(5)のいずれかに記載のフィルム。
(7) 前記粘着層が、前記基材層よりも多く前記粘着性樹脂を含むことを特徴とする、(6)に記載のフィルム。
(8) 前記粘着層における前記粘着性樹脂の含有量が、前記粘着層における樹脂成分全体を100質量%としたときに、10質量%以上50質量%以下であることを特徴とする、(6)又は(7)に記載のフィルム。
本発明により、フィルムとして用いるために必要な機械特性を備え、かつ、布等に対する密着性とハンドリング性に優れるフィルムを提供することができる。
本発明の一実施態様に係るフィルムを示す拡大上面図である。 ヤング率の測定方向を示す模式図である。
本発明のフィルムは、基材層と粘着層と有し、ヤング率の最大値が0.05MPa以上2.00MPa以下であり、前記基材層が、前記粘着層よりもポリオレフィン系樹脂を多く含み、前記粘着層が、少なくとも一方の最表面に位置し、粒子を含み、その表面に高さが20μm以上の凸部を有し、かつ表面全体に占める前記凸部の面積率が2%以上20%以下であることを特徴とする。
(フィルムの層構成)
本発明のフィルムは、基材層と粘着層と有することが重要である。本発明のフィルムにおける基材層はフィルムとしての機械特性の維持に、粘着層は布等に対する密着性の向上とハンドリング性の向上にそれぞれ寄与するものであり、その詳細は後述する。そのため、このような態様とすることにより、フィルムの機械特性を維持しつつ布等に対する密着性とハンドリング性を向上させることができる。このとき、基材層と粘着層との間には、本発明の効果を損なわない範囲で別の層が存在していてもよい。
(基材層)
本発明のフィルムにおける基材層は、後述する粘着層よりもポリオレフィン系樹脂を多く含むことが重要である。基材層が粘着層よりもポリオレフィン系樹脂を多く含むとは、基材層を構成する樹脂成分全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率(質量%)が、粘着層を構成する樹脂成分全体に占めるポリオレフィン系樹脂の比率(質量%)よりも大きいことをいう。このような態様とすることにより、基材層はフィルムとしての機械特性を維持する機能を担うことができる。基材層の組成は、後述する粘着層よりもポリオレフィン系樹脂を多く含み、本発明の効果を損なわない程度に機械特性を維持することができる限り、特に制限されず任意に定めることができる。なお、粘着層は、必ずしもポリオレフィン系樹脂を含まなくてもよい。
但し、フィルムの機械特性を維持しつつ柔軟性を向上させる観点から、基材層はポリオレフィン系樹脂を主成分とすることが好ましい。ここでポリオレフィン系樹脂とは、エチレン、プロピレンなどのオレフィン類の単独重合体、又は異種ポリオレフィンとの共重合体をいい、ポリオレフィン系樹脂を主成分とするとは、層を構成する樹脂成分全体を100質量%としたときに、層中にポリオレフィン系樹脂が50質量%より多く含まれることをいう。なお、以下「主成分」については同様に解釈することができる。
オレフィン類の単独重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。異種ポリオレフィンとの共重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体,エチレン・酢酸ビニル共重合体,エチレン・ビニルアルコール共重合体,エチレン・塩化ビニル共重合体などが挙げられる。中でも、得られるフィルムのヤング率を容易に後述する好ましい範囲とする観点から、本発明のフィルムにおける基材層は、ポリエチレンを主成分とすることが好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリオレフィン系樹脂やその他の樹脂を複数組み合わせて用いてもよい。
基材層は、その効果を損なわない限り充填剤を含んでもよい。充填剤とは、諸性質を改善するために加えられる物質、あるいは増量、増容、又は製品のコスト低減などを目的として添加する不活性物質をいう。充填剤の種類は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、無機の充填剤及び/又は有機の充填剤を使用することができる。また、本発明の効果を損なわない限り、充填剤は1種類であっても複数種類を混合したものであってもよい。得られるフィルムのヤング率を容易に後述する好ましい範囲とする観点から、充填剤は無機充填剤であることが好ましく、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウムなどの金属炭酸塩、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの金属硫酸塩、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物、酸化ケイ素(シリカ)、アルミノシリケート、マイカ、タルク、カオリン、クレー、及びモンモリロナイト等の複合酸化物のうち少なくとも1種類を用いることがより好ましく、汎用性やコストの観点から炭酸カルシウムを単独で又は他の充填剤と組み合わせて用いることがさらに好ましい。
基材層における充填剤の含有量は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、得られるフィルムのヤング率を容易に後述する好ましい範囲とする観点から、基材層の樹脂成分全体を100質量部としたときに、5質量部以上200質量部以下であることが好ましく、10質量部以上150質量部以下であることがより好ましい。
また、基材層は、本発明の効果を損なわない範囲で前述した成分以外の成分を含有してもよい。このような成分としては、例えば、滑剤、酸化防止剤、紫外線安定化剤、艶消し剤、抗菌剤、消臭剤、耐候剤、抗酸化剤、イオン交換剤、着色顔料、及び染料等が挙げられる。
(粘着層及び粘着性樹脂)
本発明のフィルムにおける粘着層は、布等との接着を担う観点から、少なくとも一方の最表面に位置することが重要である。このような態様とすることにより、粘着層を布等に直接接触させることが可能となる。
この粘着層は、フィルムと布等との粘着性を向上させる観点から、粘着性樹脂(ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、及び石油系樹脂より選択される少なくとも一種の樹脂)を含むことが好ましい。このような粘着性樹脂は、高分子材料に配合されると可塑化作用により粘着性を発現するため、粘着層が粘着性樹脂を含有することによりフィルムと布等との密着性が向上する。
ロジン系樹脂とは、ロジン酸(アビエチン酸、パラストリン酸、イソピマール酸等)を主成分とする樹脂をいう。本発明のフィルムに用いることができるロジン系樹脂は、例えば、マツ科の植物の樹液である松脂等のバルサム類を集めてテレピン精油を蒸留した後に残る残留物として得ることができる。ロジン系樹脂の具体的としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の未変性ロジン、これらの未変性ロジンを水添化、不均化、重合、その他の化学的修飾等により変性させた変性ロジン等が挙げられる。
石油系樹脂とは、ナフサ分解の副生油の一部(不飽和性の高いジエン類等)を重合して樹脂状としたものをいう。本発明のフィルムに用いることができる石油系樹脂としては、例えば、脂肪族系石油系樹脂、芳香族系石油系樹脂、脂肪族/芳香族共重合系石油系樹脂、及びこれらの水素添加物等が挙げられる。
テルペン系樹脂とは、テルペンモノマーの重合体、テルペンモノマーと他のモノマーの共重合体、及びこれらの誘導体をいう。テルペン系樹脂としては、例えば、α-ピネン重合体、β-ピネン重合体、及びジペンテン重合体等の他、テルペンフェノール樹脂、スチレン変性テルペン樹脂、及び水素添加テルペン樹脂等の変性テルペン樹脂等が挙げられる。
本発明のフィルムは、粘着層が、基材層よりも多く粘着性樹脂を含むことが好ましい。ここで、「粘着層が、基材層よりも多く前記粘着性樹脂を含む」とは、粘着層を構成する樹脂成分全体を100質量%としたときの粘着層における粘着性樹脂の含有量(質量%)が、基材層を構成する樹脂成分全体を100質量%としたときの基材層における粘着性樹脂の含有量(質量%)よりも大きいことを意味する。このとき、基材層は必ずしも粘着性樹脂を含まなくてもよい。粘着性樹脂は、布等への粘着性を向上させることができる反面、前述した基材層において用いることができる樹脂に比べて機械強度の面で劣る。そのため、このような態様とすることにより、フィルムの機械特性と布等との密着性を容易に両立することができる。
本発明のフィルムは、粘着層における粘着性樹脂の含有量が、粘着層を構成する樹脂成分全体を100質量%としたときに、10質量%以上50質量%以下であることが好ましく、30質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。粘着層における粘着性樹脂の含有量が、粘着層を構成する樹脂成分全体を100質量%としたときに10質量%以上であることにより、フィルムは布等との密着性に優れたものとなる。一方、粘着層を構成する樹脂成分全体を100質量%としたときに50質量%以下であることにより、後述するフィルムの製造時の加工が容易となる。なお、粘着層における粘着性樹脂が複数種である場合、その含有量は該当する全成分を合算して算出するものとする。
本発明のフィルムにおける粘着層は、粘着性樹脂以外の樹脂を含むことが好ましい。粘着性樹脂以外の樹脂は、粘着層の機能を損なわない限り1種類でも複数種類でもよく、また、その種類も任意に選定することができる。但し、得られるフィルムのヤング率を容易に後述する好ましい範囲とする観点から、粘着層が熱可塑性エラストマーを含有することが好ましい。
ここで熱可塑性エラストマーとは、ハードセグメント相とソフトセグメント相を有することにより、25℃でゴム弾性を有する一方で、一般的な熱可塑性の成形温度領域である100℃~300℃の温度領域ではハードセグメント相に流動性が発現することにより、一般の熱可塑性樹脂と同様の成形加工が可能となる高分子量体のことを指す。粘着層における熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、及びポリアクリル系エラストマーなどを単独で又は複数組み合わせて用いることができる。中でも、得られるフィルムの布等に対する密着性の観点から、スチレン系エラストマーを用いることが好ましい。
スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン-ブタジエンブロック共重合体、スチレン-エチレンプロピレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレンブチレン-スチレンブロック共重合体、及びスチレン-エチレンプロピレン-スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
(粒子)
本発明のフィルムにおいて、粘着層が、粒子を含むことが重要である。粘着層が粒子を含むことにより、その表面に高さが20μm以上の凸部を形成することが可能となり、フィルムのハンドリング性が向上する。より具体的には、平坦なフィルムや凹凸を有さない材料(以下、平坦物ということがある。)へ粘着層を接触させた際に、表面の凹凸形状により両者の接触面積を小さくすることができる。その結果、フィルムは平坦物への粘着性が低いものとなり、フィルムのハンドリング性が向上する。一方で、布等に対する密着性については、粒子に起因するフィルム表面の凹凸形状が布等の凹凸形状とかみ合うため、平坦物への密着性ほど低下しない。
本発明のフィルムにおける粒子は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されるものではなく、無機粒子、有機粒子のいずれでもよい。但し、布等に対する密着性低下軽減の観点から、粒子が無機粒子であることが好ましい。
本発明のフィルムに用いることができる無機粒子としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、及び酸化チタン等が挙げられる。また、本発明のフィルムに用いることができる有機粒子としては、ポリエチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、及びエポキシ樹脂等が挙げられる。
粒子の形状に関しても、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、球状、塊状、棒状、及び扁平状等のいずれであってもよく、必要に応じて異なる形状のものを併用することもできる。
本発明のフィルムは、粘着層の厚みをXμm、粘着層に含まれる粒子の平均粒径をYμmとしたときに、X/Yが0.1以上2.0以下であることが好ましく、0.5以上2.0以下であることがより好ましく、0.5以上1.5以下であることがさらに好ましく、0.5以上1.0以下であることが特に好ましい。
ここで、Y(μm)の値は以下の手順により定めることができる。先ず、フィルムをトルエンなどの芳香族炭化水素系溶剤に浸して粘着層を溶解させ、粒子を含む溶液を取得し、レーザー回折/散乱法により当該溶液における粒子の体積基準粒度分布を得る。その後、当該体積基準粒度分布より、縦軸を頻度の百分率表示(%)、横軸を粒径(μm)とする頻度分布データを取得して折れ線グラフ化する(このときの横軸の間隔は1μmとする。)。続いて、縦軸の値が3%であることを示す横軸と平行な直線と当該折れ線グラフとの交点の数を確認し、交点が2つであれば、交点間において最も頻度が高い粒径をY(μm)とする。このとき、交点間において最も頻度が高い粒径が複数存在する場合は、その平均値をY(μm)とすることができる。なお、交点の数は測定原理上偶数個となり、交点が2つを超える場合の取り扱いは後述する。
X/Yが0.1以上2.0以下であるとは、粘着層の厚み/粘着層に含まれる粒子の平均粒径が0.1以上2.0以下であることを意味する。X/Yを0.1以上とすることにより、粒子の脱落等による粘着層の機能低下を軽減することができる。ここで、粘着層の厚みとは、粒子がない部分における粘着層の厚みをいう。X/Yを2.0以下とすることにより、粘着層の厚みが過度に大きくならず、粘着層の表面に高さが20μm以上の凸部を付与することが容易となる。なお、粘着層が両側の最表層に位置する場合は、少なくとも一方の粘着層においてX/Yが0.1以上2.0以下であればよいものとする。
粒子の平均粒径Y(μm)は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、粘着層の表面に高さが20μm以上の凸部を形成する観点から、20μm以上80μm以下であることが好ましく、40μm以上80μm以下であることがより好ましい。粒子の平均粒径が20μm以上であれば、粘着層の表面に高さが20μm以上の凸部を容易に形成することができる。また、粒子の平均粒径が80μm以下であれば、フィルムの製膜がより安定する。
また、本発明のフィルムは、粘着層に含まれる粒子のレーザー回折/散乱法で測定した体積基準粒度分布より1μm間隔で頻度分布を求めた際に、高さ3%以上のピークが複数存在し、最も大きいピークが示す粒径を平均粒径A、2番目に大きいピークが示す粒径を平均粒径Bとしたときに、平均粒径Aと平均粒径Bとの差が10μm以上であることも好ましい。ここで「高さ3%以上のピーク」とは、前述のY(μm)の値を定める手順に従って頻度分布データの折れ線グラフを作成し、縦軸の値が3%であることを示す横軸と平行な直線を引いた際に、当該折れ線グラフと当該直線のみで囲まれた領域をいう。
このような態様は、粘着層に含まれる粒子の平均粒径が2つのピークを有すること、すなわち、粘着層が平均粒径の異なる粒子を複数含むことを意味する。このような態様とすることにより、フィルムのハンドリング性向上に加え、平坦物への粘着を軽減することができる。なお、このとき平均粒径Aを示す粒子の成分と平均粒径Bを示す粒子の成分とが同一であるか否かは問わないものとし、また、平均粒径Aを示す粒子や平均粒径Bを示す粒子の成分数についても問わないものとする。
平均粒径Aと平均粒径Bは、前述のY(μm)の値を定める手順に従って、頻度分布データの折れ線グラフを作成し、縦軸の値が3%であることを示す横軸と平行な直線と当該の折れ線グラフとの交点の数が4つ以上である場合において、以下の手順で定めることができる。先ず、粒径の小さい方から数えて1番目の交点と2番目の交点との間のピークにおいて縦軸の値が3%以上の部分を特定する。次いで、3番目の交点と4番目の交点との間のピークについても同様の手順を繰り返し、以下、最後の一つ前の交点と最後の交点との間のピークに至るまで同様の手順を繰り返す。その後、得られた各ピークについて縦軸の値が3%以上の部分の面積を比較することにより「最も大きいピーク」と「2番目に大きいピーク」を特定し、最も大きいピークにおいて最も頻度が高い粒径を平均粒径A、2番目に大きいピークおいて最も頻度が高い粒径を平均粒径Bとする。このとき、各ピークにおいて最も頻度が高い粒径が複数存在する場合は、その平均値を平均粒径A又は平均粒径Bとすることができる。
本発明のフィルムにおける平均粒径Aと平均粒径Bの値は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、凸部の形成と平坦物への密着性軽減を両立する観点から、一方が20μm以上80μm以下であることが好ましく、40μm以上80μm以下であることがより好ましい。また、同様の観点から、もう一方が0.10μm以上6.00μm以下であることが好ましく、0.10μm以上1.00μm以下であることがより好ましい。粘着層に含まれる2種類の粒子の平均粒径を上記の好ましい範囲とすることにより、粒径の大きい粒子が凸部の形成に寄与し、粒径の小さい粒子が平坦物への密着性を下げるのに寄与するため、布等に対する密着性とハンドリング性をより容易に両立することができる。
本発明のフィルムは、粘着層の厚みをXμm、平均粒径Aと平均粒径Bのうち値の大きい平均粒径をZμmとしたときに、X/Zが0.1以上2.0以下であることが好ましく、0.5以上2.0以下であることがより好ましく、0.5以上1.5以下であることがさらに好ましく、0.5以上1.0以下であることが特に好ましい。X/Zを0.1以上とすることにより、粒子の脱落等による粘着層の機能低下を軽減することができ、X/Zを2.0以下とすることにより、粘着層の厚みが過度に大きくならず、粘着層の表面に高さが20μm以上の凸部を付与することが容易となる。なお、粘着層が両側の最表層に位置する場合は、少なくとも一方の粘着層においてX/Zが0.1以上2.0以下であればよいものとする。
(フィルムの表面構造)
本発明のフィルムは、布等に対する密着性とハンドリング性を両立する観点から、粘着層の表面に高さが20μm以上の凸部を有することが重要である。なお、上記要件を満たす面が一つあれば、他方の面については特に制限されないものとする。
粘着層の表面に高さが20μm以上の凸部を形成させる方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、粒子の平均粒径(Y又はZ)を前述の好ましい範囲で調整する方法が挙げられる。具体的には、粒子の平均粒径(Y又はZ)を前述の好ましい範囲で大きくすることにより、凸部の高さを大きくすることができる。
また、本発明のフィルムは、布等に対する密着性とハンドリング性を両立する観点から、表面全体に占める凸部の面積率が2%以上20%以下であることが重要である。ここでいう「表面」とは、粘着層が一方の最表面に位置する場合は、粘着層の表面を意味し、粘着層が複数存在する場合は、少なくとも一方の粘着層の表面を意味する。すなわち、粒子を含み、その表面に高さが20μm以上の凸部を有する層が両側最表面に位置し、その一方の表面における凸部の面積率が2%以上20%以下であり、もう片方の表面における凸部の面積率が2%以上20%以下を外れる場合も、「表面全体に占める凸部の面積率が2%以上20%以下である」とみなすことができる。
表面全体に占める凸部の面積率が2%以上であれば、フィルム面にハンドリング性を向上させるのに十分な高さの凹凸が形成され、表面全体に占める凸部の面積率が20%以下であればフィルムの凹凸と布等の凹凸がかみ合うことによる密着性向上効果も得られる。上記観点から、表面全体に占める凸部の面積率は、4%以上15%以下がより好ましく、4%以上14%以下がさらに好ましく、7%以上14%以下が特に好ましい。
このような態様とするための手段としては、粘着層中の粒子量を調節する方法が好ましい。より具体的には、粘着層に含有させる平均粒径が20μm以上80μm以下、好ましくは40μm以上80μm以下の粒子の量を増やすことにより、表面全体に占める凸部の面積率を大きくすることができる。
凸部の高さ及び表面全体に占める凸部の面積率の測定方法について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施態様に係るフィルムを示す拡大上面図である。先ず、表面形状測定機能を有するレーザー電子顕微鏡により、粘着層表面の任意の位置を観察する。次いで、得られた画像の高さ方向の位置データを2μm毎に取得したときに、その分布が最も多い位置をベース面(符号1)とし、ベース面を基準として20μm以上の高さを有する部分を凸部(符号2)とする。得られた画像の凸部それぞれについて、凸部を完全に囲みかつ面積が最も小さくなるように正方形又は長方形を描いて、正方形の場合は1辺の長さを2乗した値の総和、また長方形の場合は長辺と短辺の長さの平均値を2乗した値の総和を凸部の面積とする。次いで、凸部の面積を観察画像面積で割った値を視野における凸部の占有面積とする。この測定を、観察位置を変えて10回行い、視野における凸部の占有面積の平均値を求め、これを表面全体に占める凸部の面積率(%)とする。
(フィルムのヤング率)
本発明のフィルムは、フィルムの機械特性を維持し、かつフィルムを布等に密着させたときの布等に対する追従性を確保するために、ヤング率の最大値が0.05MPa以上2.00MPa以下であることが重要である。フィルムのヤング率を0.05MPa以上とすることにより、フィルムのハンドリング性が向上する。一方、フィルムのヤング率を2.00MPa以下とすることにより、布等に対する密着性や布等への追従性が向上する。
フィルムのヤング率を調整する方法としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、基材層における充填剤の含有量を調節する方法、基材層と粘着層の厚み比(基材層の厚み/粘着層の厚み)を調節する方法、基材層や粘着層の樹脂組成を調節する方法等が挙げられる。具体的には、基材層における充填剤の含有量を増やしたり、基材層の厚み/粘着層の厚みを大きくしたりすることによりヤング率を高くすることができる。上記観点から、ヤング率の最大値のより好ましい範囲は、0.05MPa以上1.00MPaである。
フィルムのヤング率の最大値の測定方法について、ヤング率の測定方向を示す模式図である図2を用いて説明する。先ず、100mm(幅方向)×10mm(長手方向)の試料を用意し、引張り強度200mm/分、温度23℃、湿度65%RHの条件で、ASTM-D882:1990に準拠して幅方向(図2における4-4’)のヤング率を測定する。同様の測定を5回繰り返し、得られた値の平均値を幅方向のヤング率とする。続いて、幅方向からフィルム面内で時計回りに15°回転させた方向(図2における5-5’)が測定方向となるように同様に試料を切り出して同様に測定を行う。以後、図2に記載のように時計回りに15°ずつ測定方向をずらし(図2における6-6’→10-10’(長手方向))、同様にヤング率を測定する。こうして得られた7方向のヤング率の値を比較し、最も大きい値をフィルムのヤング率の最大値とする。なお、幅方向や長手方向を特定できない場合においては、最初の測定方向を任意に定め、同様の手順によりフィルムのヤング率の最大値を決定することができる。なお、ここで長手方向とは製造工程でフィルムが走行する方向(ロールの場合は巻き方向)をいい、幅方向とは、フィルム面内で長手方向と直交する方向をいう。
(フィルムの製造方法)
以下に本発明のフィルムを製造する方法について具体的に説明する。但し、本発明のフィルムの製造方法はこれに限定されるものではない。
本発明のフィルムを構成する各層(基材層、粘着層等)を得るための溶融樹脂組成物を得る方法としては、各成分を溶融混練することにより組成物を製造する溶融混練法を用いることが好ましい。溶融混練を行うための混合機については、特に制限はなく、ニーダー、ロールミル、バンバリーミキサー、単軸又は二軸押出機などの公知の混合機を用いることができる。中でも生産性の観点から、単軸又は二軸押出機の使用が好ましい。
次に、上記した方法により得られた溶融樹脂組成物を公知の積層装置により積層させ、インフレーション法、チューブラー法、Tダイキャスト法などの公知の製膜法により、無配向フィルムを製造することができる。さらに、機械特性向上、軽量化、及び透湿性向上の観点から、必要に応じて得られた無配向フィルムを一軸又は二軸延伸してもよい。延伸はロールの周速差を用いて行うことや、テンターオーブン等により行うことが可能である。
また、その他の方法として、基材層に相当するシートにTダイ等を用いて粘着層を得るための組成物を押出して粘着層を形成させる方法、公知の溶剤等で溶液化した粘着層を得るための組成物を基材層に塗布して乾燥する方法、基材層に相当するシートと粘着層を得るためのシートを個別に製膜してから熱ラミネートする方法等を用いることもできる。なお、このような方法を用いる場合も、フィルムを適宜延伸することができる。
こうして得られたフィルムは、必要に応じて幅方向両端部のエッジ部分を切断除去した上で、中間製品ロール又は最終製品ロールとして巻き取られる。中間製品ロールとして巻き取られた場合は、さらに中間製品ロールよりフィルムを巻き出し、所望の幅となるように長手方向と平行に切断して巻き取ることで、最終製品ロールを得ることができる。なお、一本の中間製品ロールから得る最終製品ロールは、一本であっても複数本であってもよい。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。
[測定及び評価方法]
実施例中に示す測定や評価は次に示すような条件で行った。
(1)フィルムの厚み
フィルムの幅方向のセンター部からサンプル片を切り出し、ウルトラミクロトームを用いて該サンプル片の長手方向-厚み方向断面(以下、フィルム断面ということがある。)を観察面とするように、ナイフ傾斜角度3°、-100℃で超薄切片を採取した。次いで、走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製 S-3400N)を用いて倍率500倍でフィルム断面の写真を撮影し、顕微鏡の測長機能を用いて粒子による隆起がない部分の厚みを測定した。測定は、観察箇所を変えて10回行い、得られた値の平均値をフィルムの厚み(μm)とした。
(2)ヤング率の最大値
フィルムのヤング率の最大値の測定方法について、ヤング率の測定方向を示す模式図である図2を用いて説明する。先ず、100mm(幅方向)×10mm(長手方向)の試料を用意し、オリエンテック社製引張試験機(テンシロンタイプ)を用いて、引張り強度200mm/分、温度23℃、湿度65%RHの条件で、ASTM-D882:1990に準拠して幅方向(図2における4-4’)のヤング率を測定した。同様の測定を5回繰り返し、得られた値の平均値を幅方向のヤング率とした。続いて、幅方向からフィルム面内で時計回りに15°回転させた方向(図2における5-5’)が測定方向となるように同様に試料を切り出して同様に測定を行った。以後、図2に記載のように時計回りに15°ずつ測定方向をずらし(図2における6-6’→10-10’(長手方向))、同様にヤング率を測定した。こうして得られた7方向のヤング率の値を比較し、最も大きい値をフィルムのヤング率の最大値とした。
(3)最表面に占める粒子の面積の割合
表面形状測定機能を有するレーザー電子顕微鏡(VK-X100、株式会社キーエンス製)により粘着層表面の任意の位置を観察した。次いで、得られた画像の高さ方向(厚み方向)の位置データを2μm毎に取得したときに、その分布が最も多い位置をベース面とし、ベース面から20μm以上の高さを有する部分を凸部とした。得られた画像における個々の凸部について、凸部を完全に囲み、かつ面積が最も小さくなるように正方形又は長方形を描き、正方形の場合は1辺の長さを2乗した値の総和、また長方形の場合は長辺と短辺の長さの平均値を2乗した値の総和を視野における凸部の面積とし、視野における凸部の面積を観察画像面積で割った値を視野における凸部の占有面積とした。測定は、観察位置を変えて10回行い、得られた値の平均値を表面全体に占める前記凸部の面積(%)とした。
(4)布等に対する90度剥離強度
フィルムを100mm×10mmの短冊形に切り出し、評価用サンプルとした。評価用サンプルを布等(“ハイゼ”(登録商標)ガーゼ NT-4(旭化成株式会社製))に2kg荷重のラミネートローラーを1往復させて貼り付け、引張速度を300mm/分としてJIS Z 0237:2009に規定する方法でフィルムと布等との剥離強度を測定した。サンプリング及び測定は各フィルムについて5回ずつ行い、得られた5つの値の平均値を以下の判断基準にて分類した。C以上であれば実用上問題ない程度の密着性を有すると判断した。
S:400mN/cm以上。
A:200mN/cm以上400mN/cm未満。
B:100mN/cm以上200mN/cm未満。
C:50mN/cm以上100mN/cm未満。
D:50mN/cm未満。
(5)平坦物に対する90度剥離強度
被着体をポリエチレンテレフタレートフィルム(“ルミラー”(登録商標)S10(東レ株式会社製))とした以外は布等に対する90度剥離強度と同様に測定、評価した。C以上であれば実用上問題ない程度のハンドリング性を有すると判断した。
S:0.1N/cm未満。
A:0.1N/cm以上0.2N/cm未満。
B:0.2N/cm以上0.5N/cm未満。
C:0.5N/cm以上2.0N/cm未満。
D:2.0N/cm以上。
(6)耐ブロッキング性
フィルムを100mm×100mmに切り出した。切り出したフィルムの粘着層と基材層が交互になるように重ね合わせ、50度の温度で1MPaの圧力で3時間加圧し評価用サンプルとした。重ね合わさった評価用サンプルの剥離強度をJIS Z 0237:2009に規定する方法で測定した。測定は5回行い、得られた値の平均値を以下の判断基準にて分類し、C以上であれば実用上問題ないと判断した。
S:0.5N/cm未満。
A:0.5N/cm以上1.0N/cm未満。
B:1.0N/cm以上2.0N/cm未満。
C:2.0N/cm以上2.5N/cm未満。
D:2.5N/cm以上(フィルム破断や剥離不可の場合も含む)。
(7)布等への追従性
フィルムを100mm×10mmの短冊形に切り出し、評価用サンプルとした。評価用サンプルを布等(“ハイゼ”(登録商標)ガーゼ NT-4(旭化成株式会社製))に2kg荷重のラミネートローラーを1往復させて貼り付け、評価サンプルとした。評価サンプルをフィルムが上側、不織布が下側になるように置いて、下側に90度に折り曲げた。このときフィルムの剥がれの有無を目視にて確認した。結果を以下の判断基準にて分類した。Aであれば実用上問題ないと判断できる。
A:フィルムの剥がれや浮きがなかった。
B:フィルムに剥がれや浮きが発生した。
(8)粒子の平均粒径
フィルムを50mm×50mmに切り出し、評価用サンプルとした。評価用サンプルを、25℃のトルエン100gに攪拌しながら30分浸して粘着層を溶解させ、粒子を含むトルエン溶液を得た。次いで、得られたトルエン溶液についてレーザー回折式粒度分布測定装置(日機装株式会社、マイクロトラックMT-300-II)を用いて体積基準粒度分布を測定した。その後、得られた体積基準粒度分布より、縦軸を頻度の百分率表示(%)、横軸を粒径(μm)とする頻度分布データを取得して折れ線グラフ化し(このときの横軸の間隔は1μmとする。)、縦軸の値が3%であることを示す横軸と平行な直線と当該折れ線グラフとの交点の数を確認した。交点が2つであれば、交点間において最も頻度が高い粒径をY(μm)とした。
交点が4つの場合は、以下の手順により平均粒径A、平均粒径Bを決定した。先ず、粒径の小さい方から数えて1番目の交点と2番目の交点との間のピークにおいて縦軸の値が3%以上の部分を特定した。次いで、3番目の交点と4番目の交点との間のピークについても同様の手順を繰り返した。その後、得られた各ピークについて縦軸の値が3%以上の部分の面積を比較することにより「最も大きいピーク」と「2番目に大きいピーク」を特定し、最も大きいピークにおいて最も頻度が高い粒径を平均粒径A、2番目に大きいピークおいて最も頻度が高い粒径を平均粒径Bとした。
[基材層のポリオレフィン系樹脂]
(A1) 低密度ポリエチレン(F200、住友化学株式会社製)
(A2) 高密度ポリエチレン(HF560、日本ポリエチレン株式会社製)
(A3) ポリプロピレン(S131、住友化学株式会社製)
[基材層のポリオレフィン系樹脂以外の樹脂]
(B1) メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルのブロック共重合体(LA2330、クラレ株式会社製)
(B2) ポリブチレンサクシネート(FZ71、三菱ケミカル株式会社製)
[基材層の充填剤]
(C1) 炭酸カルシウム(ソフトン1000、白石カルシウム株式会社製)
[基材層の滑剤]
(D1) ステアリン酸アミド(脂肪酸アマイドS、花王株式会社)
[粘着層の熱可塑性樹脂]
(E1) スチレン・エチレンプロピレン・スチレンブロック共重合体(2063、クラレ株式会社製)
[粘着層の粘着付与剤]
(F1) 石油系樹脂(P-140、荒川化学工業株式会社製)
(F2) テルペン系樹脂(PX-1250、ヤスハラケミカル株式会社製)
(F3) ロジン系樹脂(A-100、荒川化学工業株式会社製)
[粘着層の粒子]
(G1) 炭酸カルシウム粒子(BF-400、東洋ファインケミカル株式会社製) 平均粒径:44μm
(G2) 炭酸カルシウム粒子(P-70、東洋ファインケミカル株式会社製) 平均粒径:23μm。
(G3) 炭酸カルシウム粒子(P-30、東洋ファインケミカル株式会社製) 平均粒径:5.6μm。
(G4) 炭酸カルシウム粒子(μ-POWDER 3S、備北粉化工業株式会社製) 平均粒径:0.8μm。
(G5) 炭酸カルシウム粒子(CALSHITEC Vigot-15、白石工業株式会社製) 平均粒径:0.15μm
(実施例1)
基材層及び粘着層の原料をそれぞれ表1に記載の配合とし、シリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付二軸押出機に供給して溶融混練し、均質化した後にペレット化した。得られたペレットをそれぞれ単軸押出機(L/D=30 Lはスクリュー長さ、Dはスクリュー径を表す。)に供給し、供給部温度150℃、それ以降の温度を200℃で溶融し、ダイの上部に設置したフィードブロック内にて基材層/粘着層となるように積層した後、Tダイ(リップ間隙:1mm)より、30℃に温度制御した鏡面ドラム(表面粗さ:0.2s)上にシート状に吐出した。その際、シリコーンロールにてニップをし(ニップ圧:0.2MPa)、フィルムを得た。得られたフィルムの物性及び評価結果を表1に示す。
(実施例2~21、比較例1~4)
基材層及び粘着層の原料配合を表1に記載の通りとしたこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムの物性及び評価結果を表1に示す。
Figure 0007338466000001
各層の樹脂成分量(質量%)は、層中の樹脂成分全体を100質量%として算出した。また、各層のその他の成分量については、層中の樹脂成分全体を100質量部として算出した。実施例19~21において、X/YはX/Zである。
本発明により、フィルムとして用いるために必要な機械特性を備え、かつ、布等に対する密着性及びハンドリング性に優れるフィルムを提供することができる。本発明のフィルムは、布等に対する密着性及びハンドリング性を必要とする用途、例えば、ベッド用シーツ、枕カバー、衛生ナプキンや紙おむつなどの吸収性物品のバックシートといった医療・衛生材料、雨天用衣類、手袋などの衣料材料、ゴミ袋や堆肥袋、野菜や果物などの食品用袋、各種工業製品の袋などの包装材料、ビル、住宅、化粧板といった建材、鉄道車両、船舶、航空機といった輸送機内での内装材料、建築用材料等に好ましく用いることができる。
1:フィルム
2:ベース面
3:凸部
4-4’:幅方向
5-5’:フィルム面内で幅方向に対して時計回りに15°回転した方向
6-6’:フィルム面内で5-5’に対して時計回りに15°回転した方向
7-7’:フィルム面内で6-6’に対して時計回りに15°回転した方向
8-8’:フィルム面内で7-7’に対して時計回りに15°回転した方向
9-9’:フィルム面内で8-8’に対して時計回りに15°回転した方向
10-10’:長手方向

Claims (7)

  1. 基材層と粘着層と有し、
    ヤング率の最大値が0.05MPa以上2.00MPa以下であり、
    前記基材層が、前記粘着層よりもポリオレフィン系樹脂を多く含み、
    前記粘着層が、少なくとも一方の最表面に位置し、粒子を含み、その表面に高さが20μm以上の凸部を有し、
    かつ表面全体に占める前記凸部の面積率が2%以上20%以下であり、
    前記粘着層に含まれる粒子のレーザー回折/散乱法で測定した体積基準粒度分布より1μm間隔で頻度分布を求めた際に、高さ3%以上のピークが複数存在し、
    最も大きいピークが示す粒径を平均粒径A、2番目に大きいピークが示す粒径を平均粒径Bとしたときに、平均粒径Aと平均粒径Bとの差が10μm以上であり、
    前記平均粒径Aが40μm以上であり、前記平均粒径Bが1.00μm以下であることを特徴とする、フィルム。
  2. 前記粘着層の厚みをXμm、前記粘着層に含まれる粒子の平均粒径をYμmとしたときに、X/Yが0.1以上2.0以下であることを特徴とする、請求項1に記載のフィルム。
  3. 前記粘着層の厚みをXμm、前記平均粒径Aと前記平均粒径Bのうち値の大きい平均粒径をZμmとしたときに、X/Zが0.1以上2.0以下であることを特徴とする、請求項1に記載のフィルム。
  4. 前記粒子が無機粒子を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載のフィルム。
  5. ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、及び石油系樹脂を粘着性樹脂としたときに、前記粘着層が、少なくとも一種の粘着性樹脂を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載のフィルム。
  6. 前記粘着層が、前記基材層よりも多く前記粘着性樹脂を含むことを特徴とする、請求項5に記載のフィルム。
  7. 前記粘着層における前記粘着性樹脂の含有量が、前記粘着層における樹脂成分全体を100質量%としたときに、10質量%以上50質量%以下であることを特徴とする、請求項5又は6に記載のフィルム。
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