JP2020131540A - フィルムロール - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルム面同士の粘着を軽減し、巻き出しが容易なフィルムロールの提供。【解決手段】フィルムロールの幅方向中央部において、フィルムの最表面に位置する層のうち布に対する剥離強度の大きい層をA層2、布に対する剥離強度の小さい層をB層3としたときに、フィルムロール幅方向の各端部4から5cm以内のいずれかの部位6において、フィルムの両最外層がB層3であり、かつ2つのB層3の間にA層2が位置するフィルムロール。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着性の高いフィルムを巻き芯に巻き取ったフィルムロールに関するものである。
少なくとも一方の面が粘着性を有する粘着フィルムは、フィルムロールとしたときに隣接するフィルム面同士が粘着するため、使用時に粘着フィルムを巻き出し易くすることが求められる。このようなフィルムの巻き出しを容易にする方法としては、粘着性の高い面と反対側の面に離型処理をする方法や、粘着性の高い面に粘着性の低い離型紙を貼り合わせる方法が一般的であるが、前者の方法では、離型処理剤がフィルム面側に移行して粘着性が低下することがあり、また、後者の方法では、使用時に離型紙が廃棄物となるため環境への悪影響が大きくなる。
上記の背景を踏まえると、フィルム面同士の接触を妨げることによって粘着を軽減することも考えられる。このような技術としては、フィルムの巻き取り時に幅方向両端部に一定の厚みのナーリングを付与して、フィルムロールとしたときのフィルム面同士の接触を妨げる方法が知られている。より具体的には、例えば特許文献1には、ウェブの両端にローレット加工を施す装置が開示されており、特許文献2には、ナーリング部のエンボスの高さを5〜40μmとすることが開示されている。
特開平8−244113号公報 特開平9−319029号公報
しかしながら、粘着性の高いフィルムにおいては、特許文献1や2に記載の技術を適用することは困難であった。具体的には、フィルムの表面が粘着性を有するため、ローレット加工やエンボス加工で与えられる熱や圧力によって、加工工程の装置等にフィルムが粘着し、巻き出しが容易なフィルムロールを得られないという課題があった。
本発明は係る従来技術の欠点に鑑みて、フィルム面同士の粘着を軽減し、巻き出しが容易なフィルムロールを提供することを、その課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、下記の構成からなる。
(1) フィルムロールの幅方向中央部において、フィルムの最表面に位置する層のうち布に対する剥離強度の大きい層をA層、布に対する剥離強度の小さい層をB層としたときに、フィルムロール幅方向の各端部から5cm以内のいずれかの部位において、フィルムの両最外層がB層であり、かつ2つのB層の間にA層が位置することを特徴とする、フィルムロール。
(2) 幅方向両端部を含むフィルムを、互いに異なる面同士が接触するように重ねたときの剥離強度が0.01N/cm以上0.30N/cm以下であることを特徴とする、(1)に記載のフィルムロール。
(3) 幅方向両端面が前記B層のみからなることを特徴とする、(1)又は(2)に記載のフィルムロール。
(4) 幅方向中央部におけるフィルムのヤング率の最大値が、0.05MPa以上2.00MPa以下であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のフィルムロール。
(5) 最表面に前記A層及び前記B層を有するフィルム面に、幅方向と平行かつ幅方向両端部を結ぶ直線を引き、前記直線の全長をXmm、前記直線のうちA層上に位置する部分の長さをYmmとしたときに、Y/Xが0.60以上0.98以下であることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のフィルムロール。
(6) フィルムロールの幅方向中央部において、フィルムを形成する層のうち最も巻芯側に位置する層がA層であることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載のフィルムロール。
(7) 前記A層が、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、及び石油系樹脂のうち、少なくとも一種以上の樹脂を含むことを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載のフィルムロール。
本発明により、フィルム面同士の粘着を軽減し、巻き出しが容易なフィルムロールを提供することができる。
本発明の一実施態様に係るフィルムロールを構成するフィルムの、一方の幅方向端部と幅方向中央部を示す拡大断面図である。 本発明の一実施態様に係るフィルムロールを構成するフィルムの、一方の幅方向端部と幅方向中央部を示す拡大断面図である。 本発明の一実施態様に係るフィルムロールを構成するフィルムの、一方の幅方向端部と幅方向中央部を示す拡大断面図である。 本発明の一実施態様に係るフィルムロールを構成するフィルムの、一方の幅方向端部と幅方向中央部を示す拡大断面図である。 本発明の一実施態様に係るフィルムロールを構成するフィルムの、一方の幅方向端部と幅方向中央部を示す拡大断面図である。 本発明の一実施態様に係るフィルムロールを構成するフィルムをフィルム面と垂直かつ幅方向と平行な面で切断したときの断面図であり、幅方向と平行かつ幅方向両端部を結ぶ直線の全長(Xmm)、当該直線のうちA層上に位置する部分の長さ(Ymm)を説明する図である。 ヤング率の測定方向を示す模式図である。
(フィルムロールを構成するフィルム)
本発明のフィルムロールは、フィルムロールの幅方向中央部において、フィルムの最表面に位置する層のうち布に対する剥離強度の大きい層をA層、布に対する剥離強度の小さい層をB層としたときに、フィルムロール幅方向の各端部から5cm以内のいずれかの部位において、フィルムの両最外層が前記B層であり、かつ2つの前記B層の間に前記A層が位置することを特徴とする。
幅方向とは、フィルムロールの巻き芯の中心軸と平行な方向をいい、フィルムロールの幅方向中央部とは、フィルムロールに巻かれたフィルム上に幅方向と平行な直線を引いたときに、その中間の位置をいう。また、幅方向とフィルム面内で直交する方向、すなわちフィルムロールの巻き方向を長手方向という。
A層及びB層は、幅方向中央部において最外層に相当する層であり、どちらをA層又はB層とするかについては、以下の手順により決定することができる。先ず、フィルムロールの幅方向中央部が中心となるように、10mm(幅方向)×100mm(長手方向)サイズのフィルムサンプルを得る。次いで、得られたフィルムサンプルをJIS L 0803:2011に準拠したポリエステル製の白布(以下、単に布ということがある。)上に置き、2kg荷重のラミネートローラーを1往復させて両者を密着させる。その後、引張速度300mm/分で短辺側からフィルムサンプルを剥がし、JIS Z 0237:2009に規定する方法で布に対する剥離強度を測定する。密着させるフィルムサンプル面を変えて、同様に、布に対する剥離強度の測定を測定し、布に対する剥離強度の大きい面側の最外層をA層、反対側の面の最外層をB層とする。
本発明のフィルムロールは、フィルムロール幅方向の各端部から5cm以内のいずれかの部位において、フィルムの両最外層がB層であり、かつ2つのB層の間にA層が位置することが重要である。ここで「2つのB層」とは、両最外層のB層をいう。また、「フィルムロール幅方向の各端部から5cm以内のいずれかの部位において、フィルムの両最外層がB層である」とは、フィルムロールを構成するフィルムの幅方向の各端部から5cm以内に、長手方向に途切れることなく両最外層がB層である部位が存在することをいう。A層及びB層の詳細については後述するが、A層は布等に対する粘着性の向上に、B層はフィルムとしての機械特性の維持にそれぞれ寄与するものであり、通常、A層とB層とが接すると、B層同士が接する場合よりもフィルム同士の粘着が強固になる。
そのため、このような態様とすることにより、幅方向両端部付近で最外層が共にB層となるため、フィルムロールとしたときにフィルム同士の粘着が抑えられる。また、幅方向中央部に比べて幅方向両端部付近では、少なくともB層相当分はフィルムの厚みが増加する。そのため、この厚みの増加分が突起として機能することで、フィルムロールとしたときに幅方向中央部付近においてもA層とB層の接触を軽減できる。その結果、フィルム面同士の粘着を軽減し、巻き出しが容易なフィルムロールを得ることができる。
フィルムロール幅方向の各端部から5cm以内のいずれかの部位において、フィルムの両最外層がB層であり、かつ2つのB層の間にA層が位置する態様の具体例について、以下、図面を参照して説明する。図1〜5は、本発明の一実施態様に係るフィルムロールを構成するフィルムの一方の幅方向端部と、幅方向中央部を示す拡大断面図である。図1〜5において、符号1〜7は順に、フィルム、A層、B層、幅方向の端部、幅方向の端部から5cmの部位、幅方向の端部から5cm以内の部位、及び幅方向中央部を表す。なお、図1〜5ではフィルムがA層とB層のみから成る態様を示すが、本発明の効果を損なわない限り、フィルムはA層とB層の間に別の層が存在するものであってもよい。
図1〜5に示す各態様のフィルム1は、いずれも幅方向中央部7においてはA層2とB層3の2層構成を有し、幅方向の端部から5cm以内の部位6の少なくとも一部においてはB層3、A層2、及びB層3がこの順に位置する2種3層構成(図2及び3の態様のみB層3、A層2、A層2、及びB層3がこの順に位置する2種4層構成)を有する。
また、図1及び2に示す態様では、幅方向の端部4において全てのA層2と全てのB層3が揃った状態になっており、図3に示す態様では、フィルム面及び幅方向と平行な方向から幅方向の端部4を観察したときに、B層3のみが観察される状態となっている。図4及び5に示す態様では、一部のB層3の端部が幅方向の端部4より内側に位置している。本発明のフィルムロールにおいては、本発明の効果を損なわない限り、どのような態様としてもよいが、フィルムロールとしたときのブロッキングやフィルムロール端部への粘着層のはみ出しを軽減する観点から、図3に示す態様とすることが好ましい。
さらに、幅方向の端部から5cm以内の部位6の少なくとも一部において最外層が共にB層3である部位が存在すれば、幅方向の端部から5cmの部位5における層構成は特に限定されない。図1〜4に示す態様では、幅方向の端部から5cmの部位5における層構成が幅方向中央部7と同じである。一方、図5に示す態様では、幅方向の端部から5cmの部位5における層構成が、最外層が共にB層3であり、その間にA層2が位置する構成となっている。この点については、本発明の効果を損なわない範囲限り、いずれの態様とすることも可能である。
図1〜5に示す態様のフィルムを得る手段は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、例えば、以下の方法により得ることができる。図1、4、及び5に示す態様のフィルムは、例えば、A層及びB層のみから成る積層フィルムを製膜した後、幅方向両端部付近にB層に相当するフィルムを貼り合わせることにより得ることができる。また、図3に示す態様のフィルムは、A層及びB層のみから成るフィルムを製膜した後、幅方向の端部付近でA層側にフィルムを折り曲げることにより得ることができる。また、図2に示す態様のフィルムは、図3に示す態様のフィルムの折り曲げ部分を、スリッター等の公知の切断手段により切断除去することによって得ることができる。
本発明のフィルムロールは、フィルムロール端部への粘着層のはみ出しを防止する観点から、幅方向両端面がB層のみからなることが好ましい。幅方向両端面とは、フィルムロールの巻き芯の中心軸と垂直な2つの面、すなわち、フィルムロールを円柱形と見なしたときに、その上面と底面に相当する面をいう。フィルムロールをこのような態様とする手段は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、例えば、フィルムロールを構成するフィルムを、前述の図3に示す態様のものとする方法を用いることができる。
本発明のフィルムロールは、フィルムロールからのフィルムの巻き出しを容易とし、かつ廃棄部分を少なくする観点から、最表面にA層及びB層を有するフィルム面に、幅方向と平行かつ幅方向両端部を結ぶ直線を引き、前記直線の全長をXmm、前記直線のうちA層上に位置する部分の長さをYmmとしたときに、Y/Xが0.60以上0.98以下であることが好ましい。ここで、最表面に前記A層及び前記B層を有するフィルム面とは、幅方向中央部における最表層がA層であり、幅方向の各端部から5cm以内のいずれかの部位における最表層がB層である面をいう。
また、図6は、本発明の一実施態様に係るフィルムロールを構成するフィルムをフィルム面と垂直かつ幅方向と平行な面で切断したときの断面図であり、幅方向と平行かつ幅方向両端部を結ぶ直線の全長(Xmm)は図6の符号8で示す長さをいい、当該直線のうちA層上に位置する部分の長さ(Ymm)は、図6の符号9で示す長さをいう。
Y/Xを0.98以下とすることで、A層とB層の接触及び粘着に起因するブロッキングを軽減することができ、巻き出しが容易なフィルムロールを得ることが容易となる。一方、Y/Xを0.60以上とすることで、粘着フィルムとして使用できない幅方向両端部の領域を少なくし、製造コストを抑えることができる。上記観点から、Y/Xは0.60以上0.90以下である。
Y/Xを0.60以上0.98以下又は上記の好ましい範囲とする手段は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、フィルムの両最外層がB層である領域を調節する方法を用いることができる。より具体的には、フィルムの両最外層がB層である領域を大きくすることで、Y/Xを小さくすることができる。
本発明のフィルムロールは、巻ズレ及び巻き出し時のジッピングを軽減する観点から、幅方向両端部を含むフィルムを互いに異なる面同士が接触するように重ねたときの剥離強度(以下、ブロッキング度ということがある。)が0.01N/cm以上0.30N/cm以下であることが好ましい。
ブロッキング度の測定方法は以下に示すとおりである。先ず、フィルムロールの幅方向両端部を含むフィルムを2枚切り出し、これらを幅方向中央部においてA層とB層が交互になるように重ね合わせた後、温度50℃、圧力1MPaの条件下で3時間加圧して評価用サンプルを得る。その後、評価用サンプルの幅方向中央部において、重なり合うA層とB層の剥離強度を測定して得られた値をブロッキング度とする。ブロッキング度を0.01N/cm以上とすることにより、フィルムロールとしたときの巻ズレ等を軽減でき、0.30N/cm以下とすることにより、フィルムロールからフィルムを巻き出すときに発生するジッピングを軽減できる。上記観点から、ブロッキング度は0.01N/cm以上0.20N/cm以下であることがより好ましい。
ブロッキング度を0.01N/cm以上0.30N/cm以下又は上記の好ましい範囲とする手段は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、前記Y/Xを0.60以上0.98以下又は上記の好ましい範囲に調節する手段と同様の手段を用いることができる。
本発明のフィルムロールは、フィルムロールの幅方向中央部において、フィルムを形成する層のうち最も巻芯側に位置する層がA層であることが好ましい。このような態様とすることにより、布に対する密着性が相対的に低いB層がフィルムロールの最外層に位置することとなるため、フィルムロールの保管時に埃等が付着するのを軽減することができる。フィルムロールをこのような態様とする手段としては、フィルムを巻き取る際にA層が巻芯側となるようにフィルムを巻き取る方法が挙げられる。
(A層)
本発明のフィルムロールにおけるA層は、フィルムロールの幅方向中央部において、少なくとも一方の最表面に位置する層であり、通常、フィルムを使用する際に布等との粘着を担う。A層の組成は、布等との接着性を発現できる範囲で適宜調整することができるが、布等との接着性を向上させる観点から、A層が、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、及び石油系樹脂より選択される少なくとも一種の樹脂(以下、これらの樹脂を総称して粘着性樹脂ということがある。)を含むことが好ましい。このような粘着性樹脂は、高分子材料に配合されると可塑化作用により接着性を発現するため、A層が粘着性樹脂を含有することによりフィルムと布等との接着性が向上する。
ロジン系樹脂とは、ロジン酸(アビエチン酸、パラストリン酸、イソピマール酸等)を主成分とする樹脂をいう。ここで「主成分」とは、樹脂を構成する全成分中50質量%より多く含まれる成分をいう。本発明のフィルムに用いることができるロジン系樹脂は、例えば、マツ科の植物の樹液である松脂等のバルサム類を集めてテレピン精油を蒸留した後に残る残留物として得ることができる。ロジン系樹脂の具体的としては、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等の未変性ロジン、これらの未変性ロジンを水添化、不均化、重合、その他の化学的修飾等により変性させた変性ロジン等が挙げられる。
石油系樹脂とは、ナフサ分解の副生油の一部(不飽和性の高いジエン類等)を重合して樹脂状としたものをいう。本発明のフィルムに用いることができる石油系樹脂としては、例えば、脂肪族系石油系樹脂、芳香族系石油系樹脂、脂肪族/芳香族共重合系石油系樹脂、及びこれらの水素添加物等が挙げられる。
テルペン系樹脂とは、テルペンモノマーの重合体、テルペンモノマーと他のモノマーの共重合体、及びこれらの誘導体をいう。テルペン系樹脂としては、例えば、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、及びジペンテン重合体等の他、テルペンフェノール樹脂、スチレン変性テルペン樹脂、及び水素添加テルペン樹脂等の変性テルペン樹脂等が挙げられる。
本発明のフィルムロールにおけるフィルムは、A層における粘着性樹脂の含有量が、A層を構成する樹脂成分全体を100質量%としたときに、10質量%以上50質量%以下であることが好ましく、30質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。A層における粘着性樹脂の含有量が、A層を構成する樹脂成分全体を100質量%としたときに10質量%以上であることにより、フィルムは布等との密着性に優れたものとなる。一方、A層を構成する樹脂成分全体を100質量%としたときに50質量%以下であることにより、後述するフィルムの製造時の加工が容易となる。なお、A層における粘着性樹脂が複数種である場合、その含有量は該当する全成分を合算して算出するものとする。
本発明のフィルムロールにおけるフィルムのA層は、粘着性樹脂以外の樹脂を含むことが好ましい。粘着性樹脂以外の樹脂は、A層の機能を損なわない限り一種類でも複数種類でもよく、また、その種類も任意に選定することができる。但し、得られるフィルムのヤング率を容易に後述する好ましい範囲とする観点から、A層が熱可塑性エラストマーを含有することが好ましい。
ここで熱可塑性エラストマーとは、ハードセグメント相とソフトセグメント相を有することにより、25℃でゴム弾性を有する一方で、一般的な熱可塑性の成形温度領域である100℃〜300℃の温度領域ではハードセグメント相に流動性が発現することにより、一般の熱可塑性樹脂と同様の成形加工が可能となる高分子量体のことを指す。
A層における熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、及びポリアクリル系エラストマー等を単独で又は複数組み合わせて用いることができる。中でも、得られるフィルムの布等に対する密着性の観点から、スチレン系エラストマーを用いることが好ましい。
スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレンプロピレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体、及びスチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
(粒子)
本発明のフィルムロールにおけるフィルムは、A層が粒子を含むことが好ましい。A層における粒子は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されるものではなく、無機粒子、有機粒子のいずれでもよく、両者を併用することもできる。
A層に用いることができる無機粒子としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、及び酸化チタン等が挙げられる。また、A層に用いることができる有機粒子としては、ポリエチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、及びエポキシ樹脂等が挙げられる。なお、これらの粒子は本発明の効果を損なわない限り、一種類であっても複数種類を混合したものであってもよい。
また、A層における粒子の形状に関しても、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、球状、塊状、棒状、及び扁平状等のいずれであってもよく、必要に応じて異なる形状のものを併用することもできる。
粒子の平均粒径は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、1μm以上80μm以下であることが好ましく、1μm以上40μm以下であることがより好ましい。粒子の平均粒径が1μm以上であれば、A層の表面に微小な突起を形成することができ、この微小な突起が布等の隙間にフィットしてフィルムと布等の接着性が向上する。また、粒子の平均粒径が80μm以下であれば、フィルムの製膜がより安定する。
粒子の平均粒径は、以下の手順で測定することができる。先ず、フィルムをトルエンなどの芳香族炭化水素系溶剤に浸してA層を溶解させ、トルエン溶液を回収して粒子を抽出する。次いで、レーザー回折/散乱式粒度分布計を用いて、得られた粒子についてレーザー回折/散乱法で体積基準粒度分布を測定し、体積基準粒度分布から質量比が50%にあたる粒径を求め、これを粒子の平均粒径とする。
(B層)
フィルムの機械特性を維持しつつ柔軟性を向上させる観点から、本発明のフィルムロールにおけるフィルムのB層はポリオレフィン系樹脂を主成分とすることが好ましい。ここでポリオレフィン系樹脂とは、エチレン、プロピレンなどのオレフィン類の単独重合体、又は異種ポリオレフィンとの共重合体をいい、ポリオレフィン系樹脂を主成分とするとは、層を構成する樹脂成分全体を100質量%としたときに、層中にポリオレフィン系樹脂が50質量%より多く含まれることをいう。
オレフィン類の単独重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。異種ポリオレフィンとの共重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体などが挙げられる。中でも、得られるフィルムのヤング率を容易に後述する好ましい範囲とする観点から、本発明のフィルムロールにおけるフィルムのB層は、ポリエチレンを主成分とすることが好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリオレフィン系樹脂やその他の樹脂を複数組み合わせて用いてもよく、また、オレフィン単位以外の共重合単位を含むポリオレフィン系樹脂を用いてもよい。
B層は、その効果を損なわない限り充填剤を含んでもよい。充填剤とは、諸性質を改善するために加えられる物質、あるいは増量、増容、又は製品のコスト低減などを目的として添加する不活性物質をいう。充填剤の種類は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、無機の充填剤及び/又は有機の充填剤を使用することができる。また、本発明の効果を損なわない限り、充填剤は一種類であっても複数種類を混合したものであってもよい。
得られるフィルムのヤング率を容易に後述する好ましい範囲とする観点から、充填剤は無機充填剤であることが好ましく、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の金属硫酸塩、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物、酸化ケイ素(シリカ)、アルミノシリケート、マイカ、タルク、カオリン、クレー、及びモンモリロナイト等の複合酸化物のうち少なくとも1種類を用いることがより好ましく、汎用性やコストの観点から炭酸カルシウムを単独で又は他の充填剤と組み合わせて用いることがより好ましい。
B層における充填剤の含有量は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、得られるフィルムのヤング率を容易に後述する好ましい範囲とする観点から、B層の樹脂成分全体を100質量部としたときに、5質量部以上200質量部以下であることが好ましく、10質量部以上150質量部以下であることがより好ましい。
また、B層は、本発明の効果を損なわない範囲で前述した成分以外の成分を含有してもよい。このような成分としては、例えば、滑剤、酸化防止剤、紫外線安定化剤、艶消し剤、抗菌剤、消臭剤、耐候剤、抗酸化剤、イオン交換剤、着色顔料、及び染料等が挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲でこれらの成分を複数併用することもできる。
(ヤング率の最大値)
本発明のフィルムロールは、フィルムの機械特性を維持するため、幅方向中央部におけるフィルムのヤング率の最大値が、0.05MPa以上2.00MPa以下であることが好ましい。フィルムのヤング率の最大値を調整する方法としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、B層における充填剤の含有量を調節する方法、B層とA層の厚み比(B層の厚み/A層の厚み)を調節する方法、B層やA層の樹脂組成を調節する方法等が挙げられる。具体的には、B層における充填剤の含有量を増やしたり、B層の厚み/A層の厚みを大きくしたりすることによりヤング率を高くすることができる。上記観点から、ヤング率のより好ましい範囲は、0.05MPa以上1.00MPaである。
以下、ヤング率の最大値の測定方法について図7を用いて説明する。先ず、フィルムロールの幅方向中央部(最外層がA層及びB層である部分)よりフィルムを採取した後、100mm(幅方向)×10mm(長手方向)のサイズでサンプリングし、引張り強度200mm/分、温度23℃、湿度65%RHの条件で、ASTM−D882:1990に準拠して幅方向(図7における10−10’)のヤング率を測定する。続いて、幅方向からフィルム面内で時計回りに15°回転させた方向(図7における11−11’)が測定方向となるように同様に試料を切り出して同様の測定を行う。以後、図7に記載のように時計回りに15°ずつ測定方向をずらし、同様に各方向(図7における12−12’〜16−16’(長手方向))のヤング率を測定する。こうして得られた7方向のヤング率の値を比較し、最も大きい値をフィルムのヤング率の最大値とする。なお、ヤング率の測定装置は、オリエンテック社製引張試験機(テンシロンタイプ)等、公知のものを使用することができる。
(フィルムロールの製造方法)
以下に本発明のフィルムを製造する方法について具体的に説明する。但し、本発明のフィルムの製造方法はこれに限定されるものではない。
本発明のフィルムを構成する各層(A層、B層等)を得るための溶融樹脂組成物を得る方法としては、各成分を溶融混練することにより組成物を製造する溶融混練法を用いることが好ましい。溶融混練を行うための混合機については、特に制限はなく、ニーダー、ロールミル、バンバリーミキサー、単軸又は二軸押出機などの公知の混合機を用いることができる。中でも生産性の観点から、単軸又は二軸押出機の使用が好ましい。
次に、上記した方法により得られた溶融樹脂組成物を公知の積層装置により積層させ、インフレーション法、チューブラー法、Tダイキャスト法などの公知の製膜法により、無配向フィルムを製造することができる。さらに、機械特性向上、軽量化、及び透湿性向上の観点から、必要に応じて得られた無配向フィルムを一軸又は二軸延伸してもよい。延伸はロールの周速差を用いて行うことや、テンターオーブン等により行うことが可能である。
また、その他の方法として、B層に相当するシートにTダイ等を用いてA層を得るための組成物を押出してA層を形成させる方法、公知の溶剤等で溶液化したA層を得るための組成物をB層に塗布して乾燥する方法、B層に相当するシートとA層を得るためのシートを個別に製膜してから熱ラミネートする方法等を用いることもできる。なお、このような方法を用いる場合も、フィルムを適宜一軸延伸又は二軸延伸することができる。
こうして得られたフィルムは、必要に応じて幅方向両端部のエッジ部分を切断除去した上で、中間製品ロール又は最終製品ロールとして巻き取られる。中間製品ロールとして巻き取られた場合は、さらに中間製品ロールよりフィルムを巻き出し、所望の幅となるように長手方向と平行に切断して巻き取り最終製品ロールを得ることができる。なお、一本の中間製品ロールから得る最終製品ロールは、一本であっても複数本であってもよい。
フィルムを巻き取って最終製品であるフィルムロールとする前に、所望の幅にスリットしたB層のみからなる単層フィルムや、A層とB層が積層した積層フィルムをフィルムの幅方向両端部に貼りあわせる方法や、公知の技術によってフィルムの幅方向両端部を折り曲げる方法を用いることで、本発明のフィルムロールを得ることができる。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。
[測定及び評価方法]
実施例中に示す測定や評価は次に示すような条件で行った。
(1)フィルムの厚み
フィルムロールの幅方向中央部よりフィルムサンプルを採取し、ウルトラミクロトームを用いて長手方向−厚み方向断面(以下、フィルム断面ということがある。)が観察面となるように、ナイフ傾斜角度3°、温度−100℃の条件でフィルムサンプルを切断して超薄切片を採取した。次いで、走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製 S−3400N)を用いて倍率500倍でフィルム断面の写真を撮影し、顕微鏡の測長機能を用いて、粒子がない部分の厚みを測定した。測定は、観察箇所を変えて10回行い、得られた値の平均値をフィルムの厚み(μm)とした。
(2)ヤング率の最大値
フィルムサンプルのヤング率の最大値の測定方法について、図7を用いて説明する。先ず、フィルムロールの幅方向中央部(最外層がA層及びB層である部分)よりフィルムを採取し、100mm(幅方向)×10mm(長手方向)のサイズでサンプリングした。次いで、得られた測定サンプルを用いて、引張り強度200mm/分、温度23℃、湿度65%RHの条件で、ASTM−D882:1990に準拠して幅方向(図7における10−10’)のヤング率を測定した。同様の測定を5回繰り返し、得られた値の平均値を幅方向のヤング率とした。続いて、幅方向からフィルム面内で時計回りに15°回転させた方向(図7における11−11’)が測定方向となるように同様に測定サンプルを得て、同様の測定を行った。以後、図7に記載のように時計回りに15°ずつ測定方向をずらし、同様に各方向(図7における12−12’→16−16’(長手方向))のヤング率を測定した。こうして得られた7方向のヤング率の値を比較し、最も大きい値をフィルムのヤング率の最大値(MPa)とした。なお、ヤング率の測定には、オリエンテック社製引張試験機(テンシロンタイプ)を用いた。
(3)布等に対する剥離強度
フィルムロールの幅方向中央部(最外層がA層及びB層である部分)よりフィルムを採取し、10mm(幅方向)×100mm(長手方向)のサイズにカットして測定サンプルとした。次いで、JIS L 0803:2011に準拠したポリエステル製の白布を相手材として、2kg荷重のラミネートローラーを1往復させて測定サンプルを貼り付けた(このとき、A層と白布が接するようにした。)。その後、オリエンテック社製引張試験機を用いて、引張速度を300mm/分でフィルムを剥離させ、JIS Z 0237:2009に規定する方法で相手材とフィルムの剥離強度を測定した。測定は5回行い、得られた値の平均値を以下の判断基準にて分類して「C」以上であれば実用上問題ないと判断した。
S:相手材とフィルムの剥離強度が0.40N/cm以上。
A:相手材とフィルムの剥離強度が0.20N/cm以上0.40N/cm未満。
B:相手材とフィルムの剥離強度が0.10N/cm以上0.20N/cm未満。
C:相手材とフィルムの剥離強度が0.05N/cm以上0.10N/cm未満。
D:相手材とフィルムの剥離強度が0.05N/cm未満。
(4)ブロッキング度
フィルムロールより幅方向両端部を含むフィルムを2枚切り出し、フィルムサンプルとした。次いで、2枚のフィルムサンプルをA層とB層が接するように重ね合わせ、温度50℃、圧力1MPaの条件で3時間加圧して評価用サンプルとした。評価用サンプルの幅方向中央部分(最外層がA層及びB層である部分)より、10mm(幅方向)×100mm(長手方向)のサイズでサンプリングし、オリエンテック社製引張試験機を用いて、一方の短辺より引張速度300mm/分で評価用サンプルを剥離させて、JIS Z 0237:2009に規定する方法でA層とB層の剥離強度を測定した。測定は5回行い、得られた値の平均値よりを以下の判断基準にてブロッキング度を評価し、B以上であれば実用上問題ないと判断した。
A:A層とB層の剥離強度が0.20N/cm以下。
B:A層とB層の剥離強度が0.20N/cmを超え0.30N/cm以下。
C:A層とB層の剥離強度が0.30N/cmより大きい。
(5)幅方向端面からのA層はみ出し
任意に選択した一方の幅方向端面が底面となるようにフィルムロールを置き、上面(底面と反対側の幅方向端面)に、2kg荷重のラミネートローラーを1往復させてJIS L 0803:2011に準拠したポリエステル製の白布(5cm角)を貼り付けた。次いで、幅方向両端面が地面と垂直になるようにフィルムロールを置いて、5秒後に白布の落下の有無を確認した。同様の評価を5回行った上で、以下の判断基準にて幅方向端面からのA層はみ出しを評価し、Aであればロール端面からのA層のはみ出しはないと判断した。なお、各実施例及び比較例においては、フィルムロールを構成するフィルムの層構成が幅方向中央部を中心として左右対称であるため、評価は片側のみで実施した。
A:フィルムの落下が3回以上。
B:フィルムの落下が3回未満。
[A層の熱可塑性樹脂]
(A1) スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(“Quintac”(登録商標)3520、クラレ株式会社製)
[A層の粘着性樹脂]
(B1) テルペン系樹脂(PX−1250、ヤスハラケミカル株式会社製)
[A層の粒子]
(C1) 炭酸カルシウム粒子(BF−400、白石カルシウム株式会社製) 平均粒径:44μm
[B層のポリオレフィン系樹脂]
(D1) 低密度ポリエチレン(F200、住友化学株式会社製)
[B層の添加剤]
(E1) ステアリン酸アミド(脂肪酸アマイドS、花王株式会社製)。
(実施例1)
A層及びB層の原料をそれぞれ表1に記載の配合とし、シリンダー温度190℃、スクリュー径44mmの真空ベント付二軸押出機に供給して溶融混練し、均質化した後にペレット化した。先ず、B層のペレットを単軸押出機(L/D=30 Lはスクリュー長さ、Dはスクリュー径を表す。)に供給し、供給部温度を150℃、それ以降の温度を200℃として溶融した後、リップ間隙1mmのTダイより30℃に温度制御した鏡面ドラム(表面粗さ:0.2s)上に、1kg/hでシート状に吐出した。その際、シリコーンロールにてニップをし(ニップ圧:0.2MPa)、厚みが20μmとなるように引取りロールの速度を調整してB層単層の無配向フィルムを得た。その後、これを幅方向の長さが1mmとなるように長手方向と平行にスリットして巻き取り、B層単層の無配向フィルムロールを得た。
次いで、A層及びB層の原料のペレットをそれぞれ単軸押出機(L/D=30)に供給し、供給部温度を150℃、それ以降の温度を200℃として溶融した。その後、フィードブロック内でB層の原料とA層の原料を厚み比が1:1となるように積層し、リップ間隙1mmのTダイより、30℃に温度制御した鏡面ドラム(表面粗さ:0.2s)上に、それぞれ1kg/hでシート状に吐出した。その際、シリコーンロールにてニップをし(ニップ圧:0.2MPa)、厚みが40μmとなるように引取り速度を調整して、幅方向の長さが100mmのA層とB層からなる無配向積層フィルムを得た。その後、A層とB層からなる無配向積層フィルムの巻き取り部において、B層単層の無配向フィルムロールをフィルムの端部が同じになるようにA層側に貼り合わせながら巻き取ってフィルムロールを得た。得られたフィルムロールの評価結果を表1に示す。
(実施例2〜5)
B層単層の無配向フィルムをX(mm)及びY(mm)が表1に記載のとおりとなるように貼り合わせた以外は実施例1と同様にしてフィルムロールを得た。得られたフィルムロールの評価結果を表1に示す。
(実施例6)
B層単層の無配向フィルムを貼り合わせる代わりに、幅方向の長さが120mmのA層とB層からなる無配向積層フィルムを製造し、X(mm)及びY(mm)が表1に記載のとおりとなるように、その幅方向両端部を折り曲げたこと以外は実施例1と同様にしてフィルムロールを得た。得られたフィルムロールの評価結果を表1に示す。
(比較例1)
B層と同じ配合のフィルムを貼り合わせずに巻きとったこと以外は実施例1と同様にしてフィルムロールを得た。得られたフィルムの物性及び評価結果を表1に示す。
Figure 2020131540
各層の樹脂成分量(質量%)は、層中の樹脂成分全体を100質量%として算出した。また、各層のその他の成分量については、層中の樹脂成分全体を100質量部として算出した。
実施例1〜6と比較例1の結果より、フィルムロール幅方向の各端部から5cm以内のいずれかの部位において、フィルムの両最外層がB層であり、かつ2つのB層の間にA層が位置する態様とすることにより、ブロッキング度が実用上問題ない範囲となることが示された。また、実施例4と実施例6の結果より、幅方向両端面がB層のみからなる態様とすることにより、ロール端部からのA層のはみ出しを軽減できることが示された。
本発明により、布等に対する密着性及びブロッキング性に優れるフィルムを提供することができる。本発明のフィルムロールは、布等に対する密着性及びブロッキング性を必要とする用途、例えば、ベッド用シーツ、枕カバー、衛生ナプキンや紙おむつなどの吸収性物品のバックシートといった医療・衛生材料、雨天用衣類、手袋などの衣料材料、ビル、住宅、化粧板といった建材、鉄道車両、船舶、航空機といった輸送機内での内装材料、建築用材料等に好ましく用いることができる。
1:フィルム
2:A層
3:B層
4:幅方向の端部
5:幅方向の端部から5cmの部位
6:幅方向の端部から5cm以内の部位
7:幅方向中央部
8:Xの長さ
9:Yの長さ
10−10’:幅方向
11−11’:フィルム面内で幅方向に対して時計回りに15°回転した方向
12−12’:フィルム面内で11−11’に対して時計回りに15°回転した方向
13−13’:フィルム面内で12−12’に対して時計回りに15°回転した方向
14−14’:フィルム面内で13−13’に対して時計回りに15°回転した方向
15−15’:フィルム面内で14−14’に対して時計回りに15°回転した方向
16−16’:長手方向

Claims (7)

  1. フィルムロールの幅方向中央部において、フィルムの最表面に位置する層のうち布に対する剥離強度の大きい層をA層、布に対する剥離強度の小さい層をB層としたときに、フィルムロール幅方向の各端部から5cm以内のいずれかの部位において、フィルムの両最外層がB層であり、かつ2つのB層の間にA層が位置することを特徴とする、フィルムロール。
  2. 幅方向両端部を含むフィルムを、互いに異なる面同士が接触するように重ねたときの剥離強度が0.01N/cm以上0.30N/cm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のフィルムロール。
  3. 幅方向両端面が前記B層のみからなることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィルムロール。
  4. 幅方向中央部におけるフィルムのヤング率の最大値が、0.05MPa以上2.00MPa以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムロール。
  5. 最表面に前記A層及び前記B層を有するフィルム面に、幅方向と平行かつ幅方向両端部を結ぶ直線を引き、前記直線の全長をXmm、前記直線のうちA層上に位置する部分の長さをYmmとしたときに、Y/Xが0.60以上0.98以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のフィルムロール。
  6. フィルムロールの幅方向中央部において、フィルムを形成する層のうち最も巻芯側に位置する層がA層であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のフィルムロール。
  7. 前記A層が、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、及び石油系樹脂のうち、少なくとも一種以上の樹脂を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のフィルムロール。
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