JP7336651B2 - 排出液の処理方法 - Google Patents

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本発明は、工場から排出されるカドミウムを含有する排出液の処理方法に関する。より詳しくは、工場から排出されるカドミウムを含有する排出液の金属亜鉛粉末の添加によるセメンテーション処理方法に関する。
従来、亜鉛製錬所における亜鉛地金の原料として、粗酸化亜鉛ダスト等から不純物を分離回収して得た酸化亜鉛鉱が広く用いられている。粗酸化亜鉛ダストは、例えば、鉄鋼業における高炉や電気炉等の製鋼炉から発生する鉄鋼ダストから還元焙焼処理を経て得ることができる。資源リサイクルの促進の観点からは、鉄鋼ダストの亜鉛原料としての再利用は望ましいものである。しかし、一方でこのような鉄鋼ダスト由来の粗酸化亜鉛ダストには、その主成分である酸化亜鉛以外に、塩素やフッ素等のハロゲン成分及びカドミウム等の不純物が高い割合で含有されている。
そして、酸化亜鉛鉱の製造プラントにおいては、上記の不純物の分離回収として粗酸化亜鉛ダスト中の水溶性不純物を水溶液で洗浄して粗酸化亜鉛ケーキを生成する湿式工程が行われる。そして、その過程で排出される洗浄液(排出液)からカドミウムを分離回収する処理が必須である。このような排出液の処理方法として、従来、排出液に、金属亜鉛粉末を投入し、セメンテーション反応によりカドミウムを析出させて分離回収する処理方法が行われている。
しかしながら、上述の従来方法においては、カドミウム濃度を環境基準値以下の極めて低い濃度にまで確実に低下させるために、理論上必要な化学当量の凡そ2倍の量の金属亜鉛粉末を添加している。即ち、金属亜鉛粉末の反応効率は凡そ50%の低率に止まっている。この金属亜鉛粉末は高価であり、又、酸化を防止するための取り扱いも煩雑であるため、製造現場等においては、湿式工程等から排出される排出液から、カドミウムを分離回収処理する際に、金属亜鉛粉末の使用量の低減が求められている。
カドミウムの分離回収のために消費される金属亜鉛粉末の量を低減させることが可能な処理方法として、セメンテーション処理を、亜鉛プレートを浸漬して行う予備的な処理と、亜鉛粉末の添加によって行う処理との2段階の処理に分けて行う処理方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2014-214316号公報
しかしながら、特許文献1において提案されている処理方法は、金属亜鉛粉末の使用量はある程度低減できるとしても、金属亜鉛板を浸漬するための反応槽等の追加設置が必要となり、設置及び運転・保守のための手間と費用の増大が避けられず、経済性において総合的に十分な優位性を維持することが難しい場合もあった。又、特許文献1で提案されている処理方法では、金属亜鉛粉末の使用量は低減されるが、それは金属亜鉛粉末を亜鉛プレートに置き換えたことによるものであって、金属亜鉛粉末の添加によるセメンテーション処理だけで考えれば、依然として金属亜鉛粉末の反応効率は低率のままであった。
本発明は、従来のカドミウムを含有する排出液の処理方法よりも、金属亜鉛粉末の反応効率を向上させることによって金属亜鉛粉末の使用量を削減することのできる排出液の処理方法を提供することを目的とする。
従来、排出液に、金属亜鉛粉末を投入し、セメンテーション反応によりカドミウムを析出して分離回収する処理方法の実施においては、処理対象の排出液に空気中の酸素が取り込まれて、亜鉛粉末表面が酸化することによって反応効率が低下することを避けるために、反応槽内での撹拌操作については、これを、亜鉛粉末の均一な拡散のために必要な最小限の範囲内で行っていた。
これに対して、本発明者らは、上記の反応槽の撹拌操作を、従来以上の高い回転数で行うことにより、セメンテーション処理における反応槽内での亜鉛粉末の反応効率を向上させることができることを新たに見出し、本発明を完成させるに至った。より、具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) カドミウムイオンを含有する排出液の処理方法であって、前記排出液は、カドミウムイオン濃度が100mg/L以上1000mg/L以下であり、反応槽内において前記排出液に金属亜鉛粉末を添加するセメンテーション処理を含んでなり、前記反応槽は撹拌機を備え、前記セメンテーション処理は、前記反応槽内における前記排出液のpHを5.5以上6.5以下とした状態において、前記排出液を撹拌する前記撹拌機の回転数を増大させることによって、前記金属亜鉛粉末のセメンテーション反応効率を増大させる、
排出液の処理方法。
(2) 前記撹拌機の回転数を増大させることによって、
前記反応槽内の固形物の表面に生成されている水酸化物の該表面からの剥離を促進させる、(1)に記載の排出液の処理方法。
(3) カドミウムイオンを含有する排出液の処理方法であって、前記排出液は、カドミウムイオン濃度が100mg/L以上1000mg/L以下であり、反応槽内において前記排出液に金属亜鉛粉末を添加するセメンテーション処理を含んでなり、前記反応槽は撹拌機を備え、前記撹拌機は、前記反応槽の内径の0.3倍以上の翼径を持つ撹拌翼を有し、前記セメンテーション処理は、前記反応槽内における前記排出液のpHを5.5以上6.5以下とした状態において、前記撹拌機の回転数を60rpm以上として前記排出液を撹拌する、排出液の処理方法。
(4) 前記撹拌機の回転数を80rpm以下とする、(3)に記載の排出液の処理方法。
(5) 前記セメンテーション処理は、亜鉛又は亜鉛含有鉱の製造プロセス中の排水処理工程において行われる、(1)から(4)の何れかに記載の排出液の処理方法。
(6) 前記排出液は、鉄鋼ダストを還元焙焼して粗酸化亜鉛ダストを回収する還元焙焼工程、前記粗酸化亜鉛ダスト中の水溶性不純物を水溶液で洗浄して粗酸化亜鉛ケーキを生成する湿式工程、前記粗酸化亜鉛ケーキを加熱して酸化亜鉛焼鉱を製造する乾燥加熱工程、を含むウェルツ法による酸化亜鉛鉱の製造プロセスにおいて、前記湿式工程から排出された洗浄排出液である、(1)から(5)の何れかに記載の排出液の処理方法。
本発明によれば、従来のカドミウムを含有する排出液の処理方法よりも、金属亜鉛粉末の反応効率を向上させることによって金属亜鉛粉末の使用量を削減することのできる排出液の処理方法を提供することができる。
カドミウムを含有する排出液を、本発明の排出液の処理方法によって処理する工程を含む全体プロセスの一例である酸化亜鉛鉱製造の全体プロセスを示すフローチャートである。 本発明の排出液の処理方法を行うための装置の概要を示した模式図である。
以下、本発明を好ましく適用することができる亜鉛又は亜鉛含有鉱の製造プロセスの具体例として酸化亜鉛鉱の製造に係る全体プロセスを挙げ、同プロセスに本発明の排出液の処理方法を適用した実施態様を、本発明の好ましい一実施態様として説明する。但し、本発明は以下の実施態様に限定されない。本発明は、カドミウムを含有する排出液を処理する工程を含む、その他のプロセスにも広く適用可能な処理方法である。
<全体プロセス>
図1に示すように、本実施態様に係る酸化亜鉛鉱製造の全体プロセスは、鉄鋼ダストを還元焙焼して粗酸化亜鉛ダストを得る還元焙焼工程S10、還元焙焼工程S10で得た粗酸化亜鉛ダストからカドミウム等を分離回収して粗酸化亜鉛ケーキを得る湿式工程S20、湿式工程S20で得た酸化亜鉛ケーキを乾燥加熱して酸化亜鉛鉱を得る乾燥加熱工程S30、乾燥加熱工程S30から排出された排ガスからダストを回収する排ガス処理工程S40、及び、湿式工程S20から排出される排出液を無害化する排水処理工程S50と、を備えるプロセスである。
本発明の排出液の処理方法は、上記全体プロセスを構成する排水処理工程S50における排出液の処理を、本願特有の態様でセメンテーション処理を行う方法とすることにより、カドミウムを含有する排出液から、従来方法よりも高い金属亜鉛粉末の反応効率でカドミウムを分離回収できる処理方法である。
<還元焙焼工程>
鉄鋼ダストから粗酸化亜鉛を回収する還元焙焼工程S10を行う具体的な方法としては、還元焙焼ロータリーキルン(RRK)による還元焙焼法を採用するのが一般的である。このキルン内で鉄鋼ダストは還元焙焼され、揮発した金属亜鉛は排ガス中で再酸化されて粉状の酸化亜鉛となる。粉状の酸化亜鉛は、ロータリーキルンからの排ガスとともに集塵機に導入され、捕捉されて粗酸化亜鉛ダストとして回収される。
<湿式工程>
湿式工程S20では、還元焙焼工程S10を経て回収された粗酸化亜鉛ダストを、処理液によってレパルプすることにより粗酸化亜鉛スラリーとする。この処理により、粗酸化亜鉛に含有されるカドミウム等の水溶性不純物を処理液中に分配する。このレパルプ水として用いる処理液としては、淡水にNaCO又はNa(OH)を溶解した溶解液等を用いることができる。
上記の処理によって粗酸化亜鉛中のカドミウムは、処理液中に除去される。そしてこの状態において固液分離により、不純物が分配された処理液を分離して排出液とする。尚、固液分離のための脱水処理については、シックナー等の重力沈降式スラリー濃縮装置や真空脱水機等の脱水装置を用いることができる。尚、一般的な基準として、亜鉛製錬の原材料となる酸化亜鉛鉱におけるカドミウムの含有率は0.1%未満であることが求められる。
上記処理を経て不純物を十分に除去した粗酸化亜鉛スラリーについては、真空吸引型脱水機等によって脱水し、粗酸化亜鉛ケーキとした上で、次工程の乾燥加熱工程S30に投入する。
<乾燥加熱工程>
湿式工程S20で得た粗酸化亜鉛ケーキを、乾燥加熱ロータリーキルン(DRK)等の乾燥加熱装置に装入して焼成する乾燥加熱工程S30により、カドミウム等の濃度を更に低減した酸化亜鉛鉱を製造することができる。
<排ガス処理工程>
排ガス処理工程S40では、乾燥加熱工程S30においてDRKから排出された排ガスからのダストの回収を行う。
<排水処理工程>
排水処理工程S50は、湿式工程S20において粗酸化亜鉛から分離されたカドミウム等を含有する排出液から、カドミウム等の不純物を分離回収し、更に、排出液中に微量に含まれる重金属を中和処理により沈澱除去し、最終的にpHを調整して無害化された放流水とする工程である。本願の排出液の処理方法は、この排水処理工程S50におけるカドミウムの分離回収を行う方法として好ましく実施することができる。
この排水処理工程S50においては、金属亜鉛粉末を用いたセメンテーション反応によりカドミウム析出させるセメンテーション処理ST51が行われる。又、セメンテーション反応後のスラリーを固液分離する固液分離処理ST52が引き続き行われることが好ましい。
[排出液の処理方法]
(全体構成)
本発明の排出液の処理方法は、排水処理工程S50において、金属亜鉛粉末を用いたセメンテーション反応によるカドミウムの分離回収処理であるセメンテーション処理ST51を独自の態様で行う処理方法である。
従来、本発明に関連する技術分野においては、亜鉛粉末を添加した処理対象の排出液を過剰に撹拌すると、気相部から排出液中への空気の分配量が増大して金属亜鉛粉末表面の酸化が促進され、これに起因してセメンテーション処理における下記の反応式(式1)で示される望ましい反応(カドミウムの析出)の進行が阻害されるものと考えられていた。このため、反応槽内の撹拌は、通常、亜鉛粉末を適切に分散させるために必要最小限の回転数で行われていた。
Cd2++Zn→Cd+Zn2+・・・(式1)
これに対して、本発明者らは、多くの場合、亜鉛含有鉱の製造工程中の排水処理工程において処理対象となる排出液のpHが5.5以上6.5以下の範囲にあること、そして、そのようなpH条件下では、処理対象である排液中に添加された亜鉛粉末から溶出した亜鉛が、水酸化物(Zn(OH))として安定的に存在しやすいことから、この場合において、セメンテーション処理における上記の反応式(式1)で示される反応の進行を阻害する主要因が、金属亜鉛粉末表面の酸化ではなく水酸化によるものであることを突き止めた。
本発明の処理方法はこの新たな知見に基づいて、反応槽内における排出液のpHを5.5以上6.5以下とした状態において、セメンテーション処理を行う反応槽における撹拌機の回転数を、積極的に増大させたプロセスである。本発明者らは、これにより、金属亜鉛粉末同士の接触機会を増加させて、それらの表面の水酸化物を機械的に剥離させて、金属亜鉛と排出液中のカドミウムイオンが効率良く接触し、上記の反応式(式1)で示される反応における反応効率を改善できることを見出し、本発明を完成させた。
(反応槽)
図2は、本発明の排出液の処理方法を構成するセメンテーション処理ST51を実施可能な反応槽の一例である反応槽1を模式的に示した説明図である。図2に示す通り、反応槽1は、撹拌機2と、排出液3を投入する投入管、及び、セメンテーション処理後液4を排出する排出管を備える。
そして、撹拌機2は、反応槽1の内径の0.3倍以上、好ましくは0.3倍以上0.6倍以下の翼径を有する撹拌翼を備える。撹拌翼の形状は特段限定されないが、上記の翼径を有するパドル型の4枚羽根構成とすることが好ましい。尚、「反応槽の内径の0.3倍の翼径を有する撹拌機」とは、具体的に、例えば、反応槽の内径(直径)が2mである場合において、撹拌機を構成する撹拌翼の回転範囲の最大径が0.6mであることを意味する。
(処理対象)
そして、本発明の排出液の処理方法においては、処理対象である排出液のカドミウムイオン濃度は100mg/L以上1000mg/L以下であることが想定されている。このようにカドミウム濃度が低濃度の領域においてカドミウム濃度を20mg/L以下まで低減させるセメンテーション処理においては、従来は、セメンテーション反応における反応効率が低くなり、未反応の金属亜鉛粉末の残留が多かった。これに対して、本発明の排出液の処理方法によれば、そのようなカドミウム濃度が低濃度である領域におけるセメンテーション処理に係る上記反応の反応効率を顕著に改善することができる。
ここで、酸化亜鉛鉱製造の全体プロセスにおいて、排水処理工程S50に投入される排出液には、広くは、100mg/L以上1000mg/L以下程度、或いは、多くの場合において、200mg/L以上500mg/L以下程度のカドミウムが含まれている。このように、本発明の排出液の処理方法は、特に酸化亜鉛鉱製造の全体プロセスへの適合性が高いプロセスである。
又、上述の通り、本発明の排出液の処理方法においては、反応槽内における排出液のpHが5.5以上6.5以下であることが想定されている。このpH条件についても、本発明の排出液の処理方法は、上記同様、酸化亜鉛鉱製造の全体プロセスへの適合性が高いプロセスである。
(セメンテーション処理)
そして、本発明の排出液の処理方法においては、亜鉛粉末を添加した処理対象の排出液を、上記の撹拌機2の回転数を60rpm以上、好ましくは、60rpm以上80rpm以下として撹拌しながら、セメンテーション処理51を行う。このような撹拌により、上記の式(1)で示されるカドミウムを置換析出させる反応の反応効率を向上させることができる。そして、これにより、カドミウムの分離回収処理に係る未反応の金属亜鉛粉末を減らして使用量を低減させ、排出液の処理にかかるコストを削減することができる。
ここで、本明細書における、上記の式(1)で示されるセメンテーション処理に係る反応の反応効率(「セメンテーション反応効率」とも言う)とは、下記の式(2)により定義される値のことを言うものとする。
セメンテーション反応効率[%]=カドミウム除去に必要な亜鉛量の理論値÷金属亜鉛粉末の実投入量×100・・・(式2)
(亜鉛粉末)
尚、本発明の排出液の処理方法に用いる亜鉛粉末は、光拡散透過法による体積平均粒子径が1~100μmであるものを用いることが好ましい。
(固液分離処理)
そして、本発明の排出液の処理方法においては、上記のセメンテーション処理ST51に続き、反応槽1内のセメンテーション反応後のスラリーを、固液分離する固液分離処理ST52を行うことで、排出液中のカドミウムを十分に高い除去率で除去することができる。
上記の固液分離処理の具体的方法は特に限定されず、公知の各種一般的方法を選択すればよいが、例えば、カローコンと呼ばれる沈降分離装置でスラリーを濃縮した後、その濃縮されたスラリーをフィルタープレスに通液する方法を好ましい方法の一つとして挙げることができる。尚、上記の場合、カローコンは向流多段方式としてもよい。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
酸化亜鉛鉱製造プロセスの湿式処理からの排出液を、セメンテーション処理する実機の反応槽において、撹拌機の回転数を変更したカドミウムの分離回収試験を行った。
反応槽は、ラバーライニングが施された円筒状の反応槽であり、内径は2.0m、1段のパドル型の4枚羽根の撹拌翼を有する撹拌機が設置されている。又、この撹拌翼の全長(翼径)は、0.8mであり、反応槽の内径との比率としては、0.4倍である。又、何れの実施例、比較例においても、試験用カドミウム含有排出液の処理前におけるカドミウムイオン濃度は、200~500mg/Lであり、pHが5.5~6.5、温度が30~40℃であった。
亜鉛粉末としては、金属亜鉛粉末(白水テック製R末)を用い、これを、セメンテーション処理後液のカドミウム濃度が20mg/L以下となるように10~50kg/hの添加速度で連続添加した。なお、セメンテーション処理後液のカドミウム濃度は、蛍光X線分析法にて測定した。
試験用カドミウム含有排出液は、反応槽に1時間当たり50~70mの流量で流した。
以上の条件は、何れの場合においても同一条件とし、撹拌翼の回転数のみを、表1に示す通りの回転数に設定変更してセメンテーション処理を行った。
そして、上記各条件で行ったセメンテーション処理前の排出液中のカドミウムイオン濃度を、蛍光X線分析装置で測定し、「セメンテーション反応効率」を算出した。「セメンテーション反応効率」とは上述の通り、上記式(2)で定義される値である。結果は表1に「反応効率」として示す通りであった。
Figure 0007336651000001
表1の結果より、反応槽の撹拌翼の回転数を高めることによって、「セメンテーション反応効率」を向上させることができること、又、その回転数は60rpm以上であることが好ましいことが確認された。一方、撹拌翼の回転数が80rpmを超えると「セメンテーション反応効率」の向上率は漸減することも分かる。尚、上記何れの実施においても、セメンテーション処理後の、処理液のカドミウムイオン濃度は、1mg/L以上、20mg/L以下であった。
S10 還元焙焼工程
S20 湿式工程
S30 乾燥加熱工程
S40 排ガス処理工程
S50 排水処理工程
ST51 セメンテーション処理
ST52 固液分離処理
1 処理槽
2 撹拌機
3 排出液
4 セメンテーション処理後液

Claims (4)

  1. カドミウムイオンを含有する排出液の処理方法であって、
    前記排出液は、カドミウムイオン濃度が100mg/L以上1000mg/L以下であり、
    反応槽内において前記排出液に金属亜鉛粉末を添加するセメンテーション処理を含んでなり、
    前記反応槽は、処理対象の排出液の表面に気相部が存在する天面開放型の反応槽であって、撹拌機を備え、
    前記撹拌機は、前記反応槽の内径の0.3倍以上の翼径を持つ撹拌翼を有し、
    前記セメンテーション処理は、亜鉛又は亜鉛含有鉱の製造プロセス中の排水処理工程において行われ、前記反応槽内における前記排出液のpHを5.5以上6.5以下とした状態において、前記撹拌機の回転数を60rpm以上80rpm以下として前記排出液を撹拌する、
    排出液の処理方法。
  2. 前記セメンテーション処理後の排出液のカドミウム濃度を20mg/L以下まで低減させる、請求項1に記載の排出液の処理方法
  3. 前記撹拌翼は、1段のパドル型である、請求項1又は2に記載の排出液の処理方法
  4. 前記排出液は、鉄鋼ダストを還元焙焼して粗酸化亜鉛ダストを回収する還元焙焼工程、前記粗酸化亜鉛ダスト中の水溶性不純物を水溶液で洗浄して粗酸化亜鉛ケーキを生成する湿式工程、前記粗酸化亜鉛ケーキを加熱して酸化亜鉛焼鉱を製造する乾燥加熱工程、を含むウェルツ法による酸化亜鉛鉱の製造プロセスにおいて、前記湿式工程から排出された洗浄排出液である、
    請求項1からの何れかに記載の排出液の処理方法。
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