JP7211153B2 - 鉛化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛化合物の製造方法に関する。又、本発明は、不純物として鉛を含有する原料鉱を用いて酸化亜鉛鉱を製造する製造プラントにおいて、鉛成分を有用性の高い鉛化合物として効率良く回収することができる鉛化合物の製造方法に関する。
従来、亜鉛製錬所における亜鉛地金の原料として、粗酸化亜鉛等の亜鉛含有鉱から不純物を分離除去して得られる酸化亜鉛鉱が広く用いられている。粗酸化亜鉛は、例えば、鉄鋼業における高炉や電気炉等の製鋼炉から発生する鉄鋼ダストから得ることができる。資源リサイクルの促進の観点からは、鉄鋼ダストの亜鉛原料としての再利用は望ましいものである。しかし、一方で、鉄鋼ダストには、その主成分である酸化鉄や酸化亜鉛以外に、鉛が含有されている。
鉄鋼ダストに含有される鉛については、その一部は製品である酸化亜鉛鉱に分配される。そして、酸化亜鉛鉱に含有される鉛については、顧客の処理形態に応じて、有価金属にも除去すべき不純物にもなる。酸化亜鉛鉱が、ISP(Imperial Smelting Prosess)法による亜鉛製錬所で処理される場合は、鉛は必須の原料になる。一方で、酸化亜鉛鉱が、硫酸浸出、電解採取を含む湿式製錬プロセスで処理される場合には、鉛は忌避すべき不純物になる。
硫酸浸出、電解採取を含む湿式製錬プロセスで処理される酸化亜鉛鉱(以下「電解向け酸化亜鉛鉱」とも言う)の製造において除去すべき不純物である鉛は、主には、乾燥加熱工程から発生する排ガスから、排ガスダストとして回収される。しかしながら、このようにして回収された排ガスダストには、通常、鉛の他に一定量以上の亜鉛も混入している。そこで、硫酸を添加した液中において、この排ガスダストからも亜鉛を分離回収し、鉛は硫酸鉛として固定して回収する方法が行われている(特許文献1参照)。
上記方法により回収した硫酸鉛は、例えば、鉛製錬の二次原料として利用することが可能である。しかしながら、鉛の融点が327℃であるのに対して、硫酸鉛の融点は1170℃と非常に高く、利用時のエネルギーコストが嵩むため、経済性においては特段好ましいものであるとは言い難かった。一方で、硫酸鉛は酸化鉛等への変換も難しく、実質的に、その用途は、経済性において特段優位なものではないにもかかわらず、上記の二次原料としての用途のみに限られていた。
特開2012-201901号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、酸化亜鉛鉱の製造プラントにおいて、より幅広い用途に利用可能な有用性の高い鉛化合物を、効率良く回収することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、粗酸化亜鉛から酸化亜鉛鉱を製造する全体プロセスの中で、湿式工程及び排ガス処理工程において用いる各処理液のpHをそれぞれ最適化したプロセスとすることにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 亜鉛成分及び鉛成分を含有する原料鉱から鉛化合物を製造する鉛化合物の製造方法であって、前記原料鉱を還元焙焼して得られる粗酸化亜鉛ダストから水溶性不純物を除去して、粗酸化亜鉛ケーキを得る湿式工程と、前記粗酸化亜鉛ケーキを乾燥加熱炉で焼成する乾燥加熱工程と、前記乾燥加熱工程で発生した排ガスから亜鉛成分及び鉛成分を含有する排ガスダストを処理液で洗浄回収する排ガスダスト回収処理と、該排ガスダストから亜鉛成分を取り除いて、鉛成分を濃縮する排ガスダスト洗浄処理と、を行う排ガス処理工程と、を備え、前記湿式工程では、炭酸イオンを含有する水溶液を用いてpH調整処理を行い、前記排ガス処理工程では、前記湿式工程で用いた水溶液と同種の水溶液であって、pHが7.0以上9.0以下の範囲に調整されている前記処理液を用いて前記排ガスダスト回収処理を行い、硫酸を含むpH5.0以上6.5以下の酸性処理液を用いて前記排ガスダスト洗浄処理を行う、鉛化合物の製造方法。
(2) 前記炭酸イオンを含有する水溶液が、炭酸ナトリウム水溶液である、(1)に記載の鉛化合物の製造方法。
(3) (1)又は(2)に記載の鉛化合物の製造方法における前記排ガス処理工程において、前記排ガスダストに含まれる亜鉛成分を、前記排ガスダスト洗浄処理によって前記酸性処理液中に回収する、酸化亜鉛の製造方法。
本発明によれば、酸化亜鉛鉱の製造プラントにおいて、より幅広い用途に利用可能な有用性の高い鉛化合物を、効率良く回収することができる。
本発明の鉛化合物の製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の鉛化合物の製造方法において排ガスダストを含むスラリーに硫酸を添加した際の添加量に対するpHの推移を示す図である。
本発明の鉛化合物の製造方法は、酸化亜鉛鉱を製造する全体プロセス等において排出される鉛を含有する排ガスから、有用性の高い鉛化合物である炭酸鉛を回収する方法である。以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の鉛化合物の製造方法を、酸化亜鉛鉱の製造を行うプラントにおいて実施した場合における、全体工程図である。本発明の鉛化合物の製造方法は、このように酸化亜鉛鉱の製造を行う全体プロセスの一部として好ましく実施することができる。以下、酸化亜鉛鉱の製造を行う全体プロセスの説明と合せて、本発明の鉛化合物の製造方法の好ましい実施態様の詳細を説明する。
<酸化亜鉛鉱の製造を行う全体プロセス>
図1に示す通り、酸化亜鉛鉱の製造を行う全体プロセスは、還元焙焼工程S10、湿式工程S20、乾燥加熱工程S30、及び、排ガス処理工程S40を含んでなる複合的なプロセスである。これらの各工程のうち、少なくとも、湿式工程S20、乾燥加熱工程S30、及び、排ガス処理工程S40が、本発明の鉛化合物の製造方法を構成する必須の工程となる。
そして、本発明の鉛化合物の製造方法は、酸化亜鉛鉱の製造を行う全体プロセスにおいて、湿式工程S20で用いた特定の処理液を、必要に応じてそのpHを所定範囲内に調整した上で、排ガス処理工程S40において排ガスから排ガスダストを分離回収する洗浄液としても用い、尚且つ、更にこの排ガスダストから亜鉛を分離回収する洗浄液としては、特定のpH範囲に調整された硫酸を含有する酸性処理液を用いることを必須の要件とするプロセスである。
<還元焙焼工程>
還元焙焼工程S10は、通常、大型の回転式加熱炉である還元焙焼ロータリーキルン(RRK)によって、鉄鋼ダスト等の原料を、還元剤とともに高温で焙焼する工程である。還元焙焼処理の焙焼温度については、被処理物の最高温度が1050℃以上1200℃以下程度となるように還元焙焼ロータリーキルン(RRK)の炉内温度を保持管理することが好ましい。
還元焙焼ロータリーキルン(RRK)の炉内で、鉄鋼ダスト等の原料は還元焙焼され、揮発した金属亜鉛が炉内で再酸化されて粉状の酸化亜鉛となる。粉状の酸化亜鉛は、排出ガスとともに集塵機に導入され回収ダストとして捕捉される。このとき、原料に含まれていた鉛も、回収ダストとして捕捉され、鉛を含有するこれらの回収ダストが、粗酸化亜鉛ダストとして次工程である湿式工程S20に装入される。
<湿式工程>
湿式工程S20は、還元焙焼工程S10において回収された上記の粗酸化亜鉛ダストをレパルプし、フッ素等の水溶性不純物を分離抽出する処理を行う工程である。スラリーとなった粗酸化亜鉛ダストはpH調整、濃縮処理、及び脱水処理が行われることにより、粗酸化亜鉛ケーキとされて、次工程である乾燥加熱工程S30に装入される。この粗酸化亜鉛ケーキ中には、一般的に乾燥重量換算で2%以上25%以下の割合で鉛が含有されている。本発明の鉛化合物の製造方法は、このような割合で鉛が含有されている、その他の中間生成物や排出物からの鉛化合物の回収にも応用可能なプロセスである。尚、上記の固液分離及び脱水処理については、シックナー等の重力沈降式スラリー濃縮装置や真空脱水機等の脱水装置を適宜用いることができる。
そして、本発明の鉛化合物の製造方法を実施するためには、この湿式工程S20で上記のpH調整処理に用いる処理液としては、炭酸イオンを含有する水溶液を用いる。又、この炭酸イオンを含有する水溶液としては、炭酸ナトリウム(NaCO)溶液、炭酸カリウム(KCO)溶液、炭酸(HCO)溶液等を用いることができる。但し、これらの中でも、安価で入手が容易でありフッ素や塩素を除去する効果がある炭酸ナトリウム(NaCO)溶液を特に好ましく用いることができる。
<乾燥加熱工程>
乾燥加熱工程S30は、湿式工程S20で得た粗酸化亜鉛ケーキを、乾燥加熱ロータリーキルン(DRK)等の加熱炉に装入して焼成する工程である。この乾燥加熱工程S30により、鉛を含む残留不純物を排ガスとして揮発させて、高品位の酸化亜鉛鉱を得ることができる。
一方で、乾燥加熱工程S30から排出される上記の排ガスには揮発した鉛に加えて、亜鉛成分も微粒子状の酸化亜鉛として含まれており、この亜鉛成分及び鉛を含有する排ガスが次工程である排ガス処理工程S40に送られる。
尚、乾燥加熱処理の焼成温度については、乾燥加熱ロータリーキルン(DRK)等から産出される際の被焼成物の温度が、1000℃以上1200℃以下、好ましくは、1100℃以上1150℃以下の範囲となるように炉内温度を保持管理することが好ましい。
<排ガス処理工程>
排ガス処理工程S40は、乾燥加熱工程S30で発生した上記の排ガスを洗浄してダストや有害物質を取り除き、無害化された処理済み排ガスとする工程である。そして、本発明の鉛化合物の製造方法は、この排ガス処理工程S40において、上記の排ガスから鉛成分を、幅広い用途に利用可能な有用性の高い鉛化合物として、具体的には、炭酸鉛(PbCO)として回収するプロセスである。
排ガス処理工程S40においては、鉛成分を含む排ガスダストを処理液で洗浄回収する「排ガスダスト回収処理」と、当該処理によって回収された上記排ガスダストから、亜鉛成分を取り除いて鉛成分を濃縮する「排ガスダスト洗浄処理」とを順次行う。尚、排ガスダストを処理液で洗浄回収する回収設備としては、洗浄塔、湿式電気集塵機の組合せからなる一般的な排ガス処理設備を使用することができる。
尚、「排ガスダスト回収処理」によって回収された排ガスダストスラリーの洗浄(レパルプ)を行うレパルプ槽と撹拌機の軸・撹拌翼は硫酸添加時にスラリーが酸性となるため耐食性がある加工、例えばラバーライニング、フッ素系樹脂によるライニング等の処理を行っていることが好ましい。又、レパルプ槽の撹拌機はスラリーが適切に撹拌できる撹拌力があればパドルの形状・枚数、撹拌機の回転数等は特に限定されない。又、レパルプ槽のスラリー濃度は、硫酸使用量削減の観点から10g/L以上200g/L以下とし、反応温度を20℃以上45℃以下の範囲とすることが好ましい。
[排ガスダスト回収処理]
排ガスダスト回収処理は、乾燥加熱工程S30から排出される排ガスを、特定pH範囲の炭酸イオンを含有する水溶液を用いて洗浄することにより、亜鉛成分や鉛成分を含むスラリー状の排ガスダストとして回収する処理である。
本発明の鉛化合物の製造方法を実施する場合には、この排ガスダスト回収処理を行うための水溶液として、同一処理系内の湿式工程S20で用いた処理液と同種の水溶液を用いる。但し、この排ガスダスト回収処理に用いる水溶液は、pHが7.0以上9.0以下に調整されていることを必須の要件とする。そのため、必要に応じて、上記の水溶液のpHを上記範囲内に調整するpH調整処理を行ってから、このような水溶液を、排ガスを洗浄する洗浄液として投入する。尚、湿式工程で使用した洗浄液と同種の水溶液として湿式処理後液を同一プラント内で循環させて繰り返し利用することにより、炭酸ナトリウム等の薬剤の総使用量を節減することも可能である。
この排ガスダスト回収処理に洗浄液として用いる炭酸イオンを含有する水溶液のpHを7.0以上9.0以下の中性から弱アルカリ性の範囲内に維持することにより、引き続き行われる排ガスダスト洗浄処理において回収される鉛成分の形態を、硫酸鉛に比較し低温度で溶融する炭酸鉛(融点:315℃)とすることができる。尚、この洗浄用の水溶液のpHを9.0を超えるアルカリ性とした場合には鉛成分が、鉛の炭酸塩と水酸化物の複合塩を形成してしまう他、鉛とナトリウムの複合水酸化炭酸塩を形成して、回収される鉛化合物の品位が低下してしまう。
[排ガスダスト洗浄処理]
排ガスダスト洗浄処理は、上記の排ガスダスト回収処理により排ガスから回収された排ガスダストから、更に、亜鉛成分を取り除き、鉛成分を炭酸鉛として回収する処理である。
本発明の鉛化合物の製造方法を実施する場合には、この排ガスダスト洗浄処理を行うための処理液として、硫酸を含むpH5.0以上6.5以下の酸性処理液を用いる。この処理は、具体的には、排ガスダストを処理液で洗浄、回収した後、この排ガスダストを含んだスラリー状の洗浄液に硫酸水溶液を添加してpHを5.0以上6.5以下とする手順により行うことができる。このような手順で排ガスダストを特定pH範囲の酸性処理液で洗浄する処理により、鉛成分の形態を炭酸鉛に維持しながら、排ガスダスト中の亜鉛成分が上記酸性処理液中に溶解し、これにより排ガスダストから亜鉛成分が分離される。このようにして排ガスダストから上記の酸性処理液中に亜鉛成分を分離した後、ろ過機等で固液分離することにより、高品位の炭酸鉛を得ることができる。
ここで、亜鉛はpHが6.5を超えると水酸化物を形成する。亜鉛を処理液中に溶解させるためには、図2に示す通り、処理液のpHは6.5以下であることが好ましい。又、同図に示すように硫酸添加時にはpHが5.0を下回るとpHが3.0以下まで急激に低下し炭酸鉛の硫酸化反応が始まる。以上より、鉛成分を炭酸鉛として回収するための上記の酸性処理液のpHは、5.0以上6.5以下であることが好ましい。尚、添加する硫酸水溶液の硫酸濃度は希釈熱によるレパルプ槽の温度上昇を防ぐため、10重量%以上20重量%以下の範囲とすることが好ましい。
<酸化亜鉛の製造方法>
酸化亜鉛鉱の製造を行う全体プロセス中において、本発明の鉛化合物の製造方法によって炭酸鉛を製造する場合、排ガス処理工程S40において、排ガスダストに含まれる亜鉛成分を、上記の排ガスダスト洗浄処理によって上記の酸性処理液中に回収することによって、効率良く、高品位の酸化亜鉛を得ることができる。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
<試験例>
図1に示す、還元焙焼工程、湿式工程、乾燥加熱工程、及び、排ガス処理工程を含んでなる酸化亜鉛鉱の製造プラントであって、酸化亜鉛鉱の産出量が6~10t/hである製造プラントにおいて、乾燥加熱工程から発生した排ガスダストについて試験を行った。
原料として、亜鉛が18~35重量%、鉄が15~30重量%であり、他に、塩素、フッ素、0.2~2.5重量%(いずれも乾燥量基準)の鉛等の不純物を含有する、鉄鋼ダストペレットを用いた。
(1)還元焙焼工程
上記鉄鋼ダストペレットを、コークス及び石灰石とともに、外径3.3m、長さ50mの排出端側に重油燃焼バーナーを備える還元焙焼ロータリーキルン内に装入した。還元焙焼温度は、燃料重油と上記の炭素質還元剤の燃焼により、最高到達温度が1100~1200℃程度になるように調節した。そして、揮発した亜鉛や鉛を排ガスとともに集塵機に導入し、粗酸化亜鉛ダストとして回収した。
(2)湿式工程
上記にて回収した粗酸化亜鉛ダストをレパルプ水にてレパルプし、炭酸ナトリウムを用いて塩素等の不純物を除去し、粗酸化亜鉛スラリーを得た。炭酸ナトリウムの添加量は、pHにて制御した。当該pHは、7.5となるように調整した。上記の粗酸化亜鉛スラリーを、シックナーで濃縮後、濃縮スラリーをベルト式真空脱水機で固液分離し、粗酸化亜鉛ケーキを得た。粗酸化亜鉛ケーキの水分率は20~30重量%である。又、粗酸化亜鉛ケーキの一般的な組成は、亜鉛が61~68重量%、鉛が2~25重量%、塩素が0.3~0.9重量%、フッ素が0.2~1.5重量%(いずれも乾燥量基準)である。
(5)乾燥加熱工程
上記にて脱水した粗酸化亜鉛ケーキを、外径3.3m、長さ30mの排出端側に重油燃焼バーナーを備える乾燥加熱ロータリーキルン内に装入した。乾燥加熱温度は、産出される酸化亜鉛鉱の温度が、1000~1200℃の範囲となるように調節した。
(6)排ガス処理工程
乾燥加熱ロータリーキルンから発生した排ガスから、洗浄塔と、湿式電気集塵機(ミストコットレル)とを組合せた設備によって、「排ガスダスト回収処理」を行った。排ガスの流量は、20000~25000Nm/h、排ガスに含まれるダスト濃度は、20~100g/Nmであった。洗浄塔、及び、湿式電気集塵機で、洗浄のために用いた炭酸イオンを含有する水溶液としては、上記湿式工程(2)で発生した固液分離後のろ液(炭酸ナトリウム溶解水、pHは7.5に調整)を再利用した。上記の洗浄塔からサンプリングしたスラリーを、撹拌子としてマグネチックスターラーを使用し回転数を500rpmとしてレパルプすることにより「排ガスダスト洗浄処理用試料」とした。スラリー濃度は100g/Lであった。このレパルプ後の排ガスダストのスラリーについて、各実施例、比較例毎に、反応温度は、何れも20~45℃、pHにかかる条件を、下記の通り、それぞれ変更して、「排ガスダスト洗浄処理」を行った。
<実施例1>
500mLのビーカーに、上記の「排ガスダスト洗浄処理用試料」を入れ、更に、濃度10%の硫酸を酸性処理液として添加し、排ガスダストのスラリーの液相のpHを5.0として「排ガスダスト洗浄処理」を行った。この条件で回収された鉛化合物の形態は炭酸鉛であり、レパルプ後の上記スラリー中の亜鉛品位は1.3%であった。
<実施例2~4、比較例1~3>
酸性処理液の添加後の排ガスダストのスラリーの液相のpHが、それぞれ、下記表1の記載の値となるように、上記硫酸の添加量を変更した他は、実施例1と同条件で排ガスダスト洗浄処理を行った。各条件において回収された鉛化合物の形態、及び、レパルプ後の上記スラリーの固体中の亜鉛品位は、それぞれ下記表1に記載の通りであった。尚、鉛化合物の形態については、固体分をろ過、乾燥後、X線回折分析装置により同定した。亜鉛品位については、固体分をろ過、乾燥後、蛍光X線分析装置により測定した。
Figure 0007211153000001
表1から分かる通り、比較例1、2は回収された鉛化合物の形態が、用途が限定的で経済性においても炭酸鉛よりも劣る硫酸鉛となってしまう点において不適であり、比較例3、4は、亜鉛の回収が不十分であり、資源有効利用の観点及び鉛製品としての品位維持の両面において不適である。以上の結果より、本発明の鉛化合物の製造方法によれば、酸化亜鉛鉱の製造プラントにおいて、より幅広い用途に利用可能な有用性の高い鉛化合物を、効率良く回収することができることが分かる。
S10 還元焙焼工程
S20 湿式工程
S30 乾燥加熱工程
S40 排ガス処理工程
ST41 排ガスダスト回収処理
ST42 排ガスダスト洗浄処理

Claims (3)

  1. 亜鉛成分及び鉛成分を含有する原料鉱から鉛化合物を製造する鉛化合物の製造方法であって、
    前記原料鉱を還元焙焼して得られる粗酸化亜鉛ダストから水溶性不純物を除去して、粗酸化亜鉛ケーキを得る湿式工程と、
    前記粗酸化亜鉛ケーキを乾燥加熱炉で焼成する乾燥加熱工程と、
    前記乾燥加熱工程で発生した排ガスから亜鉛成分及び鉛成分を含有する排ガスダストを処理液で洗浄回収する排ガスダスト回収処理と、該排ガスダストから亜鉛成分を取り除いて、鉛成分を濃縮する排ガスダスト洗浄処理と、を行う排ガス処理工程と、を備え、
    前記湿式工程では、炭酸イオンを含有する水溶液を用いてpH調整処理を行い、
    前記排ガス処理工程では、前記湿式工程で用いた水溶液と同種の、炭酸イオンを含有する水溶液であって、pHが7.0以上9.0以下の範囲に調整されている前記処理液を用いて前記排ガスダスト回収処理を行い、硫酸を含むpH5.0以上6.5以下の酸性処理液を用いて前記排ガスダスト洗浄処理を行う、
    鉛化合物の製造方法。
  2. 前記炭酸イオンを含有する水溶液が、炭酸ナトリウム水溶液である、
    請求項1に記載の鉛化合物の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の鉛化合物の製造方法における前記排ガス処理工程において、前記排ガスダストに含まれる亜鉛成分を、前記排ガスダスト洗浄処理によって前記酸性処理液中に回収する、酸化亜鉛の製造方法。
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