JP7335884B2 - 車両用シート及びシートパッド - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シート及びシートパッドに関する。
従来、車両の走行中において車両用シートの着座者が感じる振動の特性を変化させる手法として、シートパッドのクッションパッドの裏側に設けられたパンフレームの通気窓の開口部面積を変化させ、これによりクッションパッドの通気性を変化させるものがある(特許文献1)。この手法によれば、通気性を上げることにより振動伝達率(共振倍率)を上げることができ、通気性を下げることにより振動伝達率を下げることができる。
特開2001-211956号公報
しかしながら、特許文献1の手法では、シートパッドの共振周波数を変化させることはできない。
本発明は、共振周波数を変化させることが可能な、車両用シート及びシートパッド、を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様としての車両用シートは、発泡体から構成されているシートパッドと、前記シートパッドの内部の空隙に流体を排出可能な、又は、前記シートパッドの内部の空隙から流体を吸引可能な、流体制御装置と、を備える。
本発明の第2の態様としてのシートパッドは、発泡体から構成されているシートパッドであって、内部の空隙に流体を排出可能な、又は、内部の空隙から流体を吸引可能な流体制御装置と、接続される接続口を区画している。
本発明によれば、共振周波数を変化させることが可能な、車両用シート及びシートパッド、を提供することができる。
本発明に係る車両用シートの一実施形態を示す外観斜視図である。 図1のI-I線に沿う縦断面図である。 図2のクッションパッドのうちメインパッド部のみを示すと共に、図1の車両用シートの流体制御装置を併せて示す概略図である。 図1の車両用シートの動作を説明するための図である。 図1に示す車両用シートの変形例を示す縦断面図である。 本発明に係る車両用シートの実施例1の実験結果として得られた動的波形を示す図である。
本発明に係る車両用シート及びシートパッドは、任意の種類の車両に利用できるが、特に、快適性への要求が高い乗用車や、大きな振動が発生するトラック、バス、建設車両等の大型車に、好適に利用できる。
以下、本発明に係る車両用シート及びシートパッドの実施形態について図面を参照して例示説明する。各図において共通する部材・部位には同一の符号を付している。
図1は、本発明に係る車両用シートの一実施形態としての車両用シート1を示す外観斜視図である。図1に示すように、車両用シート1は、着座部1aと、背もたれ部1bと、から構成されている。図2は、図1の車両用シート1のI-I線に沿う縦断面図である。図2に示すように、本実施形態の車両用シート1は、本発明に係るシートパッドの一実施形態としてのシートパッド2と、このシートパッド2の表側(着座者側)を覆うカバー部材13と、シートパッド2の裏側においてシートパッド2を下から支持するパンフレーム6と、流体制御装置270と、を備えている。図2に示す車両用シート1は、パンフレーム6を備えるが、パンフレーム6に代えて、シートパッド2を下から支持する、所謂「Sばね」と称されるジグザグばねを備える構成としてもよい。図1に示すように、本例のシートパッド2は、着座者が着座する着座部1aに配置されるクッションパッド2aと、着座者の背中を支持する背もたれ部1bに配置されるバックパッド2bと、を備えている。
カバー部材13は、例えば、通気性のよい材料(布等)から構成される。図1では、説明の便宜上、カバー部材13を実線で示し、シートパッド2を破線で示しているが、図2では、カバー部材13を二点鎖線で示し、シートパッド2を実線で示している。
本明細書では、着座部1a側から背もたれ部1bと正対した視点である、車両用シート1の正面視において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」の各方向を、それぞれ単に「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などと言う。以下、上下方向を「A」、左右方向を「B」、前後方向を「C」とする。更に、上下方向Aの上方向を「A1」、下方向を「A2」とする。左右方向Bの左方向を「B1」、右方向を「B2」とする。前後方向Cの前方向を「C1」、後方向を「C2」とする。以下では、シートパッド2のうち、主にクッションパッド2aについて説明する。
図1、図2に示すように、シートパッド2のクッションパッド2aは、着座者の臀部及び大腿部が載るように構成されたメインパッド部21と、メインパッド部21の左右両側に位置する一対のサイドパッド部22と、を有している。図1に示すように、メインパッド部21は、着座者の臀部が載るように構成された尻下部21hと、尻下部21hに対し前方に位置し、着座者の大腿部が載るように構成された、腿下部21tと、を有している。図1のI-I線は、尻下部21hを通っている。図2に示すように、本実施形態のメインパッド部21及びサイドパッド部22は、別体に構成されている。メインパッド部21とサイドパッド部22は、一部または全部において、一体に構成(一体成形)されていてもよい。なお、本実施形態のクッションパッド2aの着座面は、クッションパッド2aの上方向A1の面である。すなわち、本実施形態のクッションパッド2aの着座面は、メインパッド部21の上方向A1の面、及び、一対のサイドパッド部22の上方向A1の面、により構成されている。
本実施形態のメインパッド部21は矩形状であるが、メインパッド部21の外形は特に限定されない。メインパッド部21の外形寸法は、例えば、上下方向Aの長さ20mm~150mm、左右方向Bの長さ100mm~900mm、前後方向Cの長さ100mm~600mm、とすることができるが、メインパッド部21の外形寸法についても、上記数値範囲に特に限定されるものではない。また、サイドパッド部22の外形及び寸法についても特に限定されない。
また、シートパッド2は、後述する流体制御装置270と接続される接続口21aを区画している。本実施形態の接続口21aは、シートパッド2のメインパッド部21の下面に形成されている。詳細は後述するが、本実施形態のシートパッド2は、接続口21aに流体制御装置270のチューブ272が挿入されることで、流体制御装置270と接続される。
図3は、図2のクッションパッド2aのうち、メインパッド部21のみを示していると共に、車両用シート1に備えられる流体制御装置270を併せて示している。
シートパッド2は、発泡体から構成されている。したがって、本実施形態のシートパッド2のクッションパッド2a及びバックパッド2b(図1参照)についても、発泡体から構成されている。シートパッド2を構成する発泡体は、弾性樹脂発泡体が好ましく、ポリウレタンフォームが特に好ましい。また、シートパッド2を構成する発泡体は、独立気泡構造であってもよく、連続気泡構造であってもよいが、後述するような流体制御装置270による発泡体の空隙の内圧調整の容易性を考慮すると、連続気泡構造とすることが好ましい。
車両用シート1において、発泡体から構成されているシートパッド2は、車両用シート1の外部と通気可能である。図1、図2に示すカバー部材13は、上述したように通気性のよい材料から構成され、シートパッド2を気密状態で密閉しない。シートパッド2は、カバー部材13などを介して間接的に、又は、カバー部材13などを何も介さず直接的に、車両用シート1の外部と通気可能である。
本実施形態の流体制御装置270は、シートパッド2の内部の空隙に流体を排出可能である。更に、本実施形態の流体制御装置270は、シートパッド2の内部の空隙から流体を吸引可能である。流体制御装置270は、上記排出及び上記吸引のいずれか一方のみが可能な構成であってもよい。流体制御装置270によりシートパッド2の内部の空隙に流体を排出すれば、シートパッド2の内圧を上昇させることができる。また、流体制御装置270によりシートパッド2の内部の空隙から流体を吸引すれば、シートパッド2の内圧を低下させることができる。本実施形態の流体制御装置270は、上記排出及び上記吸引の両方が可能であるため、シートパッド2の内圧の上昇及び低下を調整できる。本実施形態の流体制御装置270は、流体としての気体、より具体的には空気を、シートパッド2の内部の空隙に排出し、かつ、シートパッド2の内部の空隙から吸引する。流体制御装置270は、例えば、ポンプ、コンプレッサ等により構成される。
図3に示すように、本実施形態の流体制御装置270は、装置本体271と、チューブ272と、着座者などの操作者の手動による操作を受け付ける操作部273と、制御部274と、を備えている。
本実施形態の装置本体271は、チューブ272を介して、シートパッド2の内部の空隙に空気を供給可能である。また、本実施形態の装置本体271は、チューブ272を介して、シートパッド2の内部の空隙から空気を吸引可能である。本実施形態の装置本体271は、後述する制御部274の制御により、所定の排出量を維持した状態で、空気を排出し続けることができる。また、本実施形態の装置本体271は、後述する制御部274の制御により、所定の吸引量を維持した状態で、空気を吸引し続けることができる。装置本体271の駆動力は、例えばバッテリーなどの各種の駆動源から供給されてもよく、車両側のエンジンから供給されてもよい。
装置本体271は、シートパッド2の外部に位置しているが、装置本体271のシートパッド2に対する位置は特に限定されない。装置本体271は、シートパッド2に対して左右方向Bの隣接する位置又は前後方向Cに隣接する位置に配置されていてもよい。但し、装置本体271は、車両用シート1の小型化及び省スペース化の観点から、シートパッド2のクッションパッド2aの下方に配置されることが好ましい。
チューブ272は、装置本体271からシートパッド2の内部まで延在している。このようなチューブ272を備えることにより、装置本体271から供給される流体を、より確実にシートパッド2の内部において排出できる。また、シートパッド2の内部から吸引される流体を、より確実に装置本体271へと送ることができる。つまり、シートパッド2の内部での空気の排出、及び、シートパッド2の内部からの空気の吸引、の少なくとも一方を、より確実に実行できる。具体的に、チューブ272の基端部は、装置本体271に接続されており、チューブ272の先端部は、シートパッド2に接続されている。本実施形態のチューブ272の先端部は先端開口272aを区画している。チューブ272の先端部は、シートパッド2の内部に配置されている。この構成により、シートパッド2の外部に先端部を配置する構成と比較して、発泡体から構成されているシートパッド2の内部の空隙に、より確実に空気を供給できる。より具体的に、本実施形態のチューブ272の先端開口272aを区画する先端部は、シートパッド2のクッションパッド2aのメインパッド部21の内部に配置されている。チューブ272の先端開口272aをクッションパッド2aの内部に配置することで、着座者P(図4参照)が着座することにより荷重のかかり易い位置において、シートパッド2の内圧を、より確実に調整できる。
本実施形態では、装置本体271から排出される流体は、チューブ272を通じて、シートパッド2のクッションパッド2aの内部に排出される。また、本実施形態では、装置本体271に吸引される流体は、チューブ272を通じて、シートパッド2のクッションパッド2aの内部から吸引される。なお、チューブ272は、シートパッド2のクッションパッド2aが区画する接続口21aに挿入されている。このように、流体制御装置270は、流体制御装置270の一部としてのチューブ272が接続口21aに挿入されることで、シートパッド2と接続されている。クッションパッド2aの接続口21aは、クッションパッド2aに形成されたスリット状の切り込みであってもよく、クッションパッド2aに形成された凹部であってもよい。車両用シート1は、接続口21aに挿入されたチューブ272の位置を固定する固定部を備えることが好ましい。
操作部273は、操作者の手動による操作を受け付けると、その外部から入力された信号を制御部274に出力する。操作部273は、例えば、外部から入力される流体制御装置270の起動(ON)及び停止終了(OFF)の操作を受け付け、制御部274に出力する。また、操作部273は、例えば、外部から入力される装置本体271の空気排出動作の開始(START)及び停止(STOP)の操作を受け付け、制御部274に出力する。更に、操作部273は、例えば、外部から入力される装置本体271の空気吸引動作の開始(START)及び停止(STOP)の操作を受け付け、制御部274に出力する。また更に、操作部273は、例えば、外部から入力される空気の排出量又は吸引量の増減操作を受け付け、制御部274に出力する。このような操作部273は、装置本体271の外部に配置されている。操作部273の位置は、着座者等の操作者により操作し易い位置が好ましく、例えば、シートパッド2の左右方向Bの側面の位置に備え付けられている構成とすることができる。
制御部274は、外部からの信号に応じて、流体制御装置270を起動(ON)及び停止終了(OFF)の制御ができるように構成されている。上記「外部からの信号」としては、例えば、操作部273が手動操作される際の操作部273からの出力、エンジン側のセンサからの出力、及び/又は、流体制御装置270側に圧力センサ等のセンサが設けられている場合、流体制御装置270側のセンサからの出力等、任意の信号を用いてよい。本実施形態の制御部274は、装置本体271を起動(ON)又は停止終了(OFF)することにより、流体制御装置270を起動(ON)又は停止終了(OFF)する。
また、制御部274は、外部からの信号に応じて、装置本体271の空気排出動作の開始(START)及び停止(STOP)の制御ができるように構成されている。更に、制御部274は、外部からの信号に応じて、装置本体271の空気吸引動作の開始(START)及び停止(STOP)の制御ができるように構成されている。
制御部274は、さらに、外部からの信号(操作部273からの出力、エンジン側のセンサからの出力、流体制御装置270側のセンサからの出力等)に応じて、装置本体271の空気の排出量及び空気の吸引量の増減制御ができるように構成されている。
制御部274は、例えばECU(Engine Control Unit)やCPU(Central Processing Unit)などの制御装置から構成される。制御部274は、装置本体271の外部又は内部のどちらに配置されてもよい。
本例によれば、操作者が、制御部274を介して装置本体271を操作できるので、装置本体271の起動(ON)及び停止終了(OFF)、装置本体271の空気の排出動作及び空気の吸引動作の開始(START)及び停止(STOP)、並びに、装置本体271の空気の排出量及び空気の吸引量の増減、を簡単に行うことができる。
上述したように、本実施形態の流体制御装置270は、装置本体271、チューブ272、操作部273及び制御部274により構成されているが、この構成に限られず、例えば、チューブ272に取り付けられる開閉弁又は逆止弁などのバルブを更に備える流体制御装置としてもよい。また、本実施形態の流体制御装置270は、操作者の手動による操作を受け付ける操作部273を備えるが、操作部273を有さない構成としてもよい。このような構成の流体制御装置270では、制御部274が、例えば車両側に設けられる各種センサにより検出された検出結果に基づいて、装置本体271を制御すればよい。
図4を参照しながら、本実施形態の動作を説明する。
図4は、図1~図3に示す車両用シート1の動作例を説明するための図面である。図4(a)では、シートパッド2に荷重が掛かっておらず、流体制御装置270が停止している状態を示す。ここで言う流体制御装置270が停止している状態とは、流体制御装置270自体は起動(ON)された状態であるが、流体制御装置270による空気の排出動作及び吸引動作が停止されている状態を意味する。その後、操作者(例えば着座しようとしている者)によって流体制御装置270による空気の排出動作が作動されると(図4(b)参照)、流体制御装置270から、発泡体から構成されているシートパッド2の内部の空隙へと空気が排出される(図4(b)、図4(c)の白抜き矢印参照)。それに伴い、シートパッド2の内部に空気が拡がっていくと共に、シートパッド2の内部の空隙の空気圧が高まり、シートパッド2の内圧が上昇する。これにより、シートパッド2が外圧に対して変形し難くなる。つまり、シートパッド2のばね定数が大きくなる。
上述したように、シートパッド2は、車両用シート1の外部と通気可能に構成されている。そのため、流体制御装置270からシートパッド2の内部の空隙に排出される空気は、時間の経過と共に、車両用シート1の外部に放出される。そのため、シートパッド2の内圧は、空気を流体制御装置270によりシートパッド2の内部の空隙に連続的又は断続的(以下、連続的及び断続的を併せて「継続的」と記載する。)に排出することで維持可能である。
操作者は、例えば、シートパッド2のクッションパッド2aの着座面としての上面の盛り上がり状態等を確認しながら、流体制御装置270を操作して、流体制御装置270からシートパッド2の内部の空隙に排出される空気の単位時間当たりの排出量を増減する。このようにシートパッド2の内圧を調整し、シートパッド2のばね定数を調整する。
その後、着座者Pがシートパッド2に着座し、エンジンが起動して車体側からの振動が加わると、着座者Pも上下に振動する(図4(c)の上側の太線矢印参照)。その間、シートパッド2は、内部の空隙に流体制御装置270から継続的に空気が排出されている状態のままで、上下方向Aに圧縮・復元を繰り返す(図4(c)の下側の太線矢印参照)。シートパッド2の内部の空隙に排出された空気は、シートパッド2内で一時的に保持されるが、シートパッド2の内部の空隙に排出される後続の空気によって押し出され、車両用シート1の外部へと放出されていく。このように、シートパッド2の内圧は、シートパッド2の内部の空隙に空気が継続的に排出されると共にシートパッド2の空隙から継続的に外部に放出されることにより、略一定に維持される。
なお、着座者Pがシートパッド2に着座している状態で、シートパッド2の内圧を調整し、シートパッド2のばね定数を調整してもよい。
その後、流体制御装置270を停止することで、シートパッド2の内部の空隙への空気の排出が停止する。これにより、シートパッド2の空隙に排出された空気は、時間の経過と共に、車両用シート1の外部へと放出され、シートパッド2の空隙の空気圧は下がり、シートパッド2の内圧は低下する。その結果、シートパッド2の内部の空隙の空気圧が大気圧となる通常状態に戻る。つまり、シートパッド2は、流体制御装置270により空気が供給されている状態と比較して、外圧に対して変形し易い状態となる。換言すれば、シートパッド2のばね定数は、流体制御装置270により空気が供給されている状態と比較して、小さくなる。
図4(b)では、流体制御装置270から空気がシートパッド2の内部の空隙へと排出される例を示しているが、流体制御装置270がシートパッド2の内部の空隙から空気を吸引してもよい。これにより、シートパッド2の空隙の空気圧は下がる。その結果、シートパッド2の内圧は低下し、シートパッド2のばね定数は変化する。
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態によれば、シートパッド2の共振周波数を変化させることができる。具体的に、シートパッド2の内部の空隙における空気量の増減により、空隙の空気圧を変化させることができる。これにより、シートパッド2のばね定数が変化すると共に、シートパッド2の共振周波数が変化する。そのため、着座者P等の求める乗り心地性能に合わせたシートパッド2の硬さを実現できる。
より具体的に、流体制御装置270からシートパッド2の空隙に空気を供給すれば、空隙の空気圧が高まり、シートパッド2のばね定数は大きくなる。そのため、シートパッド2の共振周波数は高くなる。
なお、上述した共振周波数の変化に加えて、シートパッド2の振動伝達率を変化させてもよい。シートパッド2の振動伝達率は、例えば、シートパッド2と、車両用シート1の外部と、の間の通気性を変化させることにより調整可能である。例えば、パンフレーム6に開口面積を変化させることができる通気窓を設け、通気窓の開口面積を調整することで振動伝達率を変化させてもよい。
以下、本実施形態の車両用シート1の更なる詳細について説明する。
本実施形態の流体制御装置270からシートパッド2の内部に排出される流体の排出量は、0.003m3/sec~0.01m3/secであることが好ましい。また、本実施形態の流体制御装置270によりシートパッド2の内部から吸引される流体の吸引量についても、0.003m3/sec~0.01m3/secであることが好ましい。この範囲とすることで、シートパッド2の共振周波数を調整し易くなる。特に、排出量及び吸引量を少なくとも上記範囲内で設定可能な構成とすることが好ましい。このような構成とすれば、各種の車両用シート1の共振周波数を調整できる。本実施形態では、上述の排出量及び吸引量は、流体制御装置270の操作部273(図3参照)により調整可能であるが、制御部274(図3参照)が、各種センサの検出結果に基づき、上記範囲内で排出量及び吸引量を制御してもよい。
シートパッド2の通気度は、5cc/cm2/sec~120cc/cm2/secであることが好ましい。ここで言う通気度は、JIS K 6400-7 B法に準拠して測定される。上記範囲とすることで、シートパッド2の共振周波数を調整し易くなる。つまり、シートパッド2では、流体制御装置270からシートパッド2の内部に流体が排出されている状態において、上記通気度の範囲で通気が行われることが好ましい。
なお、シートパッド2を構成する発泡体は、例えば、シートパッド形状での25%硬度(JIS K 6400-2法に準拠)が100N/200φ~300N/200φである。また、シートパッド2を構成する発泡体の材質としての硬度は、例えば、100mm厚での25%硬度(JIS K 6400-2法に準拠)で100N/200φ~300N/200φである。
上述したように、本実施形態のチューブ272の先端開口272aを区画する先端部は、発泡体から構成されているクッションパッド2aの内部に配置されている。図5は、図1~図4に示す車両用シート1の変形例としての車両用シート1001を示す図である。図5に示すように、チューブ1272の先端部は、クッションパッド1002aの外部から、クッションパッド1002aの側面を通じて、クッションパッド1002aの内部に挿入されていてもよい。この構成の場合、チューブ1272をクッションパッド1002a内に挿入する作業を、クッションパッド1002aの側面から行うことができ、チューブ1272の挿入作業がし易くなる。クッションパッド1002aの側面とは、クッションパッド1002aの左右方向B及び前後方向Cの外表面を意味する。また、図2~図4に示すように、チューブ272の先端部は、クッションパッド2aの外部から、クッションパッド2aの着座面とは反対側の裏面を通じて、クッションパッド2aの内部に挿入されていてもよい。この構成の場合、チューブ272の先端開口272aのクッションパッド2a内の左右方向B及び前後方向Cでの配置位置によらず、クッションパッド2a内で延在するチューブ272の長さを短くすることができる。また、装置本体271をクッションパッド2aの裏面側に配置した場合には、チューブ272全体の長さについても短い構成とすることができる。なお、クッションパッド2aの着座面とは、クッションパッド2aの上方向A1の外表面を意味する。また、クッションパッド2aの着座面の裏面とは、クッションパッド2aの下方向A2の外表面を意味する。
更に、クッションパッド2aの着座面を構成する上側表層の密度は、クッションパッド2aの着座面と反対側の裏面を構成する下側表層の密度よりも小さいことが好ましい。換言すれば、クッションパッド2aの上側表層における空隙の体積比率は、クッションパッド2aの下側表層における空隙の体積比率よりも大きいことが好ましい。この構成では、クッションパッド2a内で排出された空気が、下側表層よりも上側表層を通過して、クッションパッド2aの外部へと放出され易い。そのため、シートパッド2のクッションパッド2aに着座する着座者P(図4参照)に風を供給できる。また、着座者Pの臀部の蒸れ等を抑制できる。
更に、クッションパッド2aの上側表層の密度は、クッションパッド2aの側面を構成する側部表層の密度よりも小さいことが好ましい。換言すれば、クッションパッド2aの上側表層における空隙の体積比率は、クッションパッド2aの側部表層における空隙の体積比率よりも大きいことが好ましい。この構成では、クッションパッド2a内で排出された空気が、側部表層よりも上側表層を通過して、クッションパッド2aの外部へと放出され易い。そのため、シートパッド2のクッションパッド2aに着座する着座者P(図4参照)に風を供給できる。また、着座者Pの臀部の蒸れ等を抑制できる。更に、クッションパッド2aの上側表層の密度は、クッションパッド2aの下側表層の密度よりも小さく、かつ、クッションパッド2aの側部表層の密度よりも小さいことが好ましい。換言すれば、クッションパッド2aの上側表層における空隙の体積比率は、クッションパッド2aの上方向A1以外の方向に位置する表層における空隙の体積比率よりも大きいことが好ましい。このようにすることで、クッションパッド2a内で排出された空気が、上側表層を通過して、クッションパッド2aの外部へと、より放出され易くなる。そのため、シートパッド2のクッションパッド2aに着座する着座者P(図4参照)への送風量を、より増やすことができる。また、着座者Pの臀部の蒸れ等を、より抑制できる。
ここで、クッションパッド2aの「表層」とは、クッションパッド2aの外表面から1mmの深さまでの部分で構成される部分を意味する。したがって、本実施形態の上側表層とは、クッションパッド2aの着座面から1mmの深さまでの部分を意味する。また、本実施形態の下側表層とは、クッションパッド2aの裏面から1mmの深さまでの部分を意味する。本実施形態の側部表層についても、クッションパッド2aの側面から1mmの深さまでの部分を意味する。クッションパッド2aが、例えば、モールドを用いて一体成形されている場合、上記「表層」の少なくとも一部は、クッションパッド2aのスキン層により構成することができる。
本実施形態のクッションパッド2aは、上述したように、メインパッド部21及び一対のサイドパッド部22を備えている。したがって、本実施形態のクッションパッド2aの上側表層は、メインパッド部21の上方向A1の表層、及び、一対のサイドパッド部22の上方向A1の表層、により構成されている。また、本実施形態のクッションパッド2aの下側表層は、メインパッド部21の下方向A2の表層、及び、一対のサイドパッド部22の下方向A2の表層、により構成されている。更に、本実施形態のクッションパッド2aの側部表層は、メインパッド部21の前後方向Cの表層、及び、一対のサイドパッド部22の左右方向Bの表層、により構成されている。
また、本実施形態のメインパッド部21及びサイドパッド部22それぞれは、モールドを用いて一体成形されている。したがって、本実施形態のクッションパッド2aの上側表層は、メインパッド部21の上方向A1のスキン層、及び、一対のサイドパッド部22の上方向A1のスキン層、により構成されている。また、本実施形態のクッションパッド2aの下側表層は、メインパッド部21の下方向A2のスキン層、及び、一対のサイドパッド部22の下方向A2のスキン層、により構成されている。更に、本実施形態のクッションパッド2aの側部表層は、メインパッド部21の前後方向Cのスキン層、及び、一対のサイドパッド部22の左右方向Bのスキン層、により構成されている。
なお、着座者P(図4参照)は、主に、クッションパッド2aのうちメインパッド部21の位置に着座する。そのため、本実施形態のクッションパッド2aの上側表層において、メインパッド部21の上方向A1の表層の密度を、一対のサイドパッド部22の上方向A1の表層の密度よりも小さくしてもよい。このようにすれば、クッションパッド2aのうち着座者Pが着座する位置から外部に放出される空気量を、より増やすことができる。したがって、クッションパッド2aの表層の密度は、同一配合でパッドを構成する場合、「側部表層及び下側表層の密度>上側表層のうちサイドパッド部22の表層の密度>上側表層のうちメインパッド部21の表層の密度」の大小関係になっていることが好ましい。
また、クッションパッド2aは、表層より内側に、表層よりも密度の小さい中間部を備えることが好ましい。換言すれば、クッションパッド2aは、表層における空隙の体積比率よりも空隙の体積比率が大きい中間部を備えることが好ましい。このようにすることで、クッションパッド2aの中間部で排出された空気は、クッションパッド2aの表層により覆われているため、クッションパッド2aの中間部で一時的に保持され易い。つまり、クッションパッド2aの中間部で排出された空気が、クッションパッド2aの中間部で保持されることなく表層を通じて即座に外部に放出されることを抑制できる。そのため、クッションパッド2aの表層と中間部との密度の関係を上記関係とした上で、クッションパッド2aの中間部の空隙に排出する単位時間当たりの空気量を制御すれば、クッションパッド2aの内圧が制御し易くなる。中間部の密度としては、表層の密度を1とした場合に、例えば、1.01~1.6の比となる範囲に設定される。
なお、クッションパッド2aが、例えば、モールドを用いて一体成形されている場合、上記「中間部」は、クッションパッド2aのコア層により構成することができる。
本実施形態のクッションパッド2aの中間部は、クッションパッド2aの上側表層、下側表層及び側部表層の内側に位置する。また、上述したように、本実施形態のメインパッド部21及びサイドパッド部22それぞれは、モールドを用いて一体成形されている。そのため、メインパッド部21及びサイドパッド部22のコア層は、クッションパッド2aの中間部を構成している。
次に、本実施形態の流体制御装置270からシートパッド2内で排出される空気の排出位置について説明する。上述したように、チューブ272の先端部は、シートパッド2のクッションパッド2aの内部に配置されている。より具体的に、本実施形態のチューブ272の先端開口272aを区画する先端部は、クッションパッド2aのメインパッド部21の内部に配置されている。
換言すれば、本実施形態のチューブ272の先端開口272aを区画する先端部は、クッションパッド2aの上述した表層よりも内側の中間部に配置されている。より具体的に、本実施形態のチューブ272の先端開口272aを区画する先端部は、クッションパッド2aのメインパッド部21のスキン層を貫き、コア層に配置されている。
特に、本実施形態では、チューブ272の先端部の先端開口272aは、クッションパッド2aの上下方向Aの一端から他端に向かって、クッションパッド2aの上下方向Aの長さL1(図2参照)の20%~80%となる位置(以下、「上下中央領域Z1」と記載する。)に配置されている。なお、上下中央領域Z1は、着座面及び裏面のうち、上下方向Aで先端開口272aを挟む部分により規定される。つまり、上記「クッションパッド2aの上下方向Aの長さL1」とは、先端開口272aを上下方向Aで挟む位置での、クッションパッド2aの上下方向Aの長さを意味する。したがって、本実施形態の上下中央領域Z1は、上下方向Aにおいてメインパッド部21が位置する領域内にある。
また、本実施形態では、チューブ272の先端部の先端開口272aは、クッションパッド2aの左右方向Bの一端から他端に向かって、クッションパッド2aの左右方向Bの長さL2(図2参照)の20%~80%となる位置(以下、「左右中央領域Z2」と記載する。)に配置されている。なお、左右中央領域Z2は、左右方向Bの両側面のうち、左右方向Bで先端開口272aを挟む部分により規定される。つまり、上記「クッションパッド2aの左右方向Bの長さL2」とは、先端開口272aを左右方向Bで挟む位置での、クッションパッド2aの左右方向Bの長さを意味する。本実施形態の左右中央領域Z2は、左右方向Bにおいてメインパッド部21が位置する領域内にある。
更に、本実施形態では、チューブ272の先端部の先端開口272aは、クッションパッド2aの前後方向Cの一端から他端に向かって、クッションパッド2aの前後方向Cの長さL3(図3参照)の20%~80%となる位置(以下、「前後中央領域Z3」と記載する。)に配置されている。なお、前後中央領域Z3は、前後方向Cの両側面のうち、前後方向Cで先端開口272aを挟む部分により規定される。つまり、上記「クッションパッド2aの前後方向Cの長さL3」とは、先端開口272aを前後方向Cで挟む位置での、クッションパッド2aの前後方向Cの長さを意味する。したがって、本実施形態の前後中央領域Z3は、前後方向Cにおいてメインパッド部21が位置する領域内にある。
以上のように、本実施形態のチューブ272の先端部の先端開口272aは、上下中央領域Z1内、かつ、左右中央領域Z2内、かつ、前後中央領域Z3内、に配置されている。このようにすることで、クッションパッド2aのうち着座者P(図4参照)が着座することにより荷重のかかり易い位置において、シートパッド2の内圧を、より確実に調整できる。
<実施例>
ここで、図6を参照しながら、本発明に係る車両用シートにおける実施例について説明する。
図6は、本発明に係るシートパッドの実施例1について振動実験を行った結果として得られた振動波形(動的波形)を示している。実施例1の試験体は、図3に示すように、クッションパッド2aのメインパッド部21を想定して、それに流体制御装置270を接続したものとした。試験体の材料をポリウレタンフォームとした。試験体の外形寸法は、400mm×400mm×100mmとした。
実施例1の振動試験においては、試験体を、パンフレーム6を想定して構成した受け具の上に載置した。50kgの着座者が着座した状態を想定して、試験体の上から50kgの鉄研盤からなる加圧子を載せた。その状態で、チューブ272としての外径8mmのポリウレタンチューブを、試験体の中心位置まで挿入した。試験体には、接続口21aとしての切り込みが形成されており、ポリウレタンチューブは、この切り込みを通じて挿入した。この状態で、ポリウレタンチューブから試験体内に空気を排出しない状態と、ポリウレタンチューブから試験体内に5kg/cm2で空気を排出した状態と、のそれぞれで振動試験を実施した。これらの振動実験は共に、周波数1~10Hz、掃引時間5分にて実施した。なお、試験体の加振時の25%硬度(JIS K 6400-2法に準拠)は、250.8N/200φである。また、ポリウレタンチューブから試験体内に空気を排出しない状態での振動実験では、加振開始から加振終了まで、ポリウレタンチューブから一度も空気の排出をしていない。これに対して、ポリウレタンチューブから試験体内に空気を排出した状態での振動実験では、加振開始から加振終了まで、ポリウレタンチューブから連続して空気の排出を行った。その結果を図6に示す。
図6に示す振動波形において、横軸は周波数(Hz)であり、縦軸は振動伝達率である。図6では、ポリウレタンチューブから試験体内に空気を排出しない状態での振動実験結果を「X1」としている。また、図6では、ポリウレタンチューブから試験体内に5kg/cm2で空気を排出した状態での振動実験結果を「X2」としている。図6から分かるように、図6の波形のピークで表される共振周波数が、「X1」よりも「X2」で0.3Hz高くなっている。このように、試験体内の空隙に空気を供給して試験体の内圧を高めることで、共振周波数を高めることができる。逆に、試験体内の空隙から空気を吸引して試験体の内圧を低下させることで、共振周波数を変化させることができる。
なお、図6に示す振動実験結果では、試験体内への空気の供給の有無の違い(「X1」と「X2」との違い)による、振動伝達率の変化は、4.65から4.7に微増しただけであり、大きな変化は確認できなかった。
このように、実施例1によれば、空気の排出量又は吸引量の調整によって、共振周波数を調整できる。
本発明に係る車両用シート及びシートパッドは、上述した実施形態及び変形例に記載した具体的構成に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない限り、種々の変形・変更が可能であり、かかる変形及び変更についても、本発明の技術的範囲に含まれる。図1~図5に示すシートパッド2は、クッションパッド2a及びバックパッド2bを備える構成であるが、クッションパッドのみからなるシートパッドであってもよい。また、図1~図5に示すシートパッド2のクッションパッド2aは、メインパッド部21の左右両側に配置された、メインパッド部21よりも上方向A1に突出した一対のサイドパッド部22を備えるが、メインパッド部21のみからなるクッションパッドとしてもよい。また、クッションパッド2aの外形についても特に限定されず、例えば、上面視で円形状、楕円状、台形状、他の多角形状であってもよい。更に、図1~図5に示す流体制御装置270のチューブ272は、1つのみであるが、複数のチューブ272を備える流体制御装置270であってもよい。かかる場合に、複数のチューブ272が1つの装置本体271に接続されていても、複数の装置本体271に接続されていてもよい。
また、上述した実施形態及び変形例に記載した車両用シートの流体制御装置は、シートパッドと一体化されている構成であってもよく、シートパッドに一体化されていない構成であってもよい。シートパッドに一体化されていない流体制御装置としては、例えば、車体側に備え付けられており、シートパッドを車体に装着する際にシートパッドの接続口に接続される。
本発明は、車両用シート及びシートパッドに関する。
1、1001:車両用シート、 1a:着座部、 1b:背もたれ部、 2:シートパッド、 2a、1002a:クッションパッド、 2b:バックパッド、 6:パンフレーム、 13:カバー部材、 21:メインパッド部、 21a:接続口、 21h:尻下部、 21t:腿下部、 22:サイドパッド部、 270:流体制御装置、 271:装置本体、 272、1272:チューブ、 272a:先端開口、 273:操作部、 274:制御部、 A:上下方向、 A1:上方向、 A2:下方向、 B:左右方向、 B1:左方向、 B2:右方向、 C:前後方向、 C1:前方向、 C2:後方向、 L1:クッションパッドの上下方向の長さ、 L2:クッションパッドの左右方向の長さ、 L3:クッションパッドの前後方向の長さ、 P:着座者、 Z1:上下中央領域、 Z2:左右中央領域、 Z3:前後中央領域

Claims (8)

  1. 発泡体から構成されているシートパッドと、
    前記シートパッドの内部の空隙に流体を排出可能な、又は、前記シートパッドの内部の空隙から流体を吸引可能な、流体制御装置と、を備え
    前記流体制御装置は、
    前記シートパッドの外部に位置する装置本体と、
    前記装置本体から前記シートパッドの内部まで延在する少なくとも1つのチューブと、を備え、
    前記シートパッドは、前記発泡体から構成されているクッションパッドを備え、
    前記チューブの先端開口を区画する先端部は、前記クッションパッドの内部に配置されており、
    前記クッションパッドの着座面を構成する上側表層の密度は、前記クッションパッドの前記着座面とは反対側の裏面を構成する下側表層の密度よりも小さい、車両用シート。
  2. 前記チューブは、前記クッションパッドの外部から、前記クッションパッドの着座面とは反対側の裏面を通じて、前記クッションパッドの内部に挿入されている、請求項に記載の車両用シート。
  3. 前記チューブは、前記クッションパッドの外部から、前記クッションパッドの側面を通じて、前記クッションパッドの内部に挿入されている、請求項に記載の車両用シート。
  4. 前記クッションパッドは、着座者の臀部が載る尻下部を含むメインパッド部を備え、
    前記チューブの前記先端部は、前記クッションパッドの前記メインパッド部の内部に配置されている、請求項乃至のいずれか1つに記載の車両用シート。
  5. 前記チューブの先端部の前記先端開口は、前記シートパッドの正面視の前記クッションパッドの上下方向の一端から他端に向かって前記クッションパッドの前記上下方向の長さの20%~80%となる位置、かつ、前記シートパッドの正面視の前記クッションパッドの左右方向の一端から他端に向かって前記クッションパッドの前記左右方向の長さの20%~80%となる位置、かつ、前記シートパッドの正面視の前記クッションパッドの前後方向の一端から他端に向かって前記クッションパッドの前記前後方向の長さの20%~80%となる位置、に配置されている、請求項乃至のいずれか1つに記載の車両用シート。
  6. 前記流体制御装置から前記シートパッドの内部に排出される前記流体の排出量、又は、前記流体制御装置により前記シートパッドの内部から吸引される前記流体の吸引量、は0.003m/sec~0.01m/secである、請求項1乃至のいずれか1つに記載の車両用シート。
  7. 前記シートパッドの通気度は、5cc/cm/sec~120cc/cm/secである、請求項1乃至のいずれか1つに記載の車両用シート。
  8. 発泡体から構成されているシートパッドであって、
    前記発泡体から構成されているクッションパッドを備え、
    前記クッションパッドは、内部の空隙に流体を排出可能な、又は、内部の空隙から流体を吸引可能な流体制御装置のチューブが挿入されることで、前記流体制御装置と接続される接続口を区画しており、
    前記流体制御装置の前記チューブの先端開口を区画する先端部は、前記接続口を通じて、前記クッションパッドの内部に配置可能であり、
    前記クッションパッドの着座面を構成する上側表層の密度は、前記クッションパッドの前記着座面とは反対側の裏面を構成する下側表層の密度よりも小さい、シートパッド。
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