JP2019084923A - 車両用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員が着座したか否かを検出でき、しかも、コスト画高くなることを抑制できる車両用シートを得る。【解決手段】本車両用シート10では、乗員の着座によってシートバック14のパッド本体22及びパッド本体22に形成された流路24が変形されると、ブロア内を流れる空気の静圧が変化する。この静圧の変化に基づいて乗員の着座を検出する。【選択図】図1
Description
本発明は、車両用シートに関する。
下記特許文献1には、空調ユニットにて温度等が調整された調整風を車両用シートへ送り、車両用シートのシートクッション、シートバックから車両用シートに着座した乗員側へ調整風を送る構成が開示されている。一方で、車両用シートのシートクッション、シートバック等に荷重センサ等を設け、乗員が着座したか否かを検出する構成がある。しかしながら、乗員が着座したか否かを検出するために荷重センサを別途設けることによってコストが高くなる。
本発明は、上記事実を考慮して、乗員が着座したか否かを検出でき、しかも、コストが高くなることを抑制できる車両用シートを得ることが目的である。
請求項1に記載の車両用シートは、乗員が着座されるシート本体と、前記シート本体に設けられ、空気の流動が可能とされると共に、前記シート本体の前記乗員側からの荷重によって変形することで流動する空気に対して抵抗を付与する流路と、作動されることによって前記流路に前記空気を流し、前記シート本体の前記乗員側及び前記乗員側とは異なる側の一方から他方へ前記空気を送る送風装置と、前記送風装置又は前記流路に設けられ、前記送風装置が作動されることによって流れる前記空気の静圧を検出する静圧センサと、前記静圧センサによって検出された前記静圧に基づいて前記シート本体に乗員側からの荷重が作用したか否かを判定する判定装置と、を備えている。
請求項1に記載の車両用シートでは、送風装置が作動されると、空気がシート本体に設けられた流路を流れ、シート本体の乗員側及びシート本体の乗員側とは異なる側の一方から他方へ空気が送られる。
一方、乗員側からシート本体に荷重が作用され、これによって、流路が変形されると、流路を流れる空気に抵抗が付与される。ここで、送風装置が作動されることによって流れる空気の静圧は、静圧センサによって検出され、判定装置では、静圧センサによって検出された静圧に基づいてシート本体に乗員側からの荷重が作用したか否かが判定される。流路が変形されることによって流路を通過する空気に抵抗が付与されると、静圧センサによって検出される静圧が変わる。
このため、シート本体に作用された荷重を検出する荷重センサ等を設けなくても静圧センサによって検出された静圧に基づいてシート本体に乗員側からの荷重が作用されたか否か、すなわち、シート本体に乗員が着座したか否かを判定装置で判定でき、コストが高くなることを抑制できる。
以上、説明したように、請求項1に記載の車両用シートでは、乗員が着座したか否かを検出でき、しかも、コストが高くなることを抑制できる。
次に、図1から図5の各図に基づいて本発明の各実施の形態について説明する。なお、各図において矢印FRは、本発明の実施の形態に係る車両用シート10のシート(seat)前側(シート前後方向前側)を示し、矢印UPは、シート上側(シート上下方向上側)を示す。
また、以下の各実施の形態を説明するにあたり、説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
<第1の実施の形態の構成>
図1に示されるように、車両用シート10は、シート本体としてのシートクッション12、シート本体としてのシートバック14、ヘッドレスト(図示省略)を備えている。シートクッション12は、車両用シート10の座面部分を構成しており、シートクッション12の厚さ方向は、概ね、シート上下方向(図1等の矢印UP方向及びその反対方向)とされている。また、シートバック14は、シートクッション12のシート後側(図1等の矢印FRとは反対方向側)に設けられており、車両用シート10の背凭れ部分を構成している。シートバック14の厚さ方向は、概ね、シート前後方向(図1等の矢印FR方向及びその反対方向)とされている。
図1に示されるように、車両用シート10は、シート本体としてのシートクッション12、シート本体としてのシートバック14、ヘッドレスト(図示省略)を備えている。シートクッション12は、車両用シート10の座面部分を構成しており、シートクッション12の厚さ方向は、概ね、シート上下方向(図1等の矢印UP方向及びその反対方向)とされている。また、シートバック14は、シートクッション12のシート後側(図1等の矢印FRとは反対方向側)に設けられており、車両用シート10の背凭れ部分を構成している。シートバック14の厚さ方向は、概ね、シート前後方向(図1等の矢印FR方向及びその反対方向)とされている。
但し、シートバック14が、シートバック14のシート下側端部近傍を中心にシート前後方向に回動可能とされている場合、すなわち、本車両用シート10が、リクライニング機能を備えている場合、シートバック14の厚さ方向は、シートバック14の回動位置によって異なる。さらに、ヘッドレストは、シートバック14のシート上側に設けられており、車両用シート10に着座した乗員の頭部をシート後側から支えることができる。
シートクッション12は、シートフレームとしてのクッションフレーム18を備えている。このクッションフレーム18には、シートパッド20が設けられている。シートパッド20は、クッション部材としてのパッド本体22を備えている。パッド本体22は、例えば、ポリウレタンフォーム(発泡ポリウレタン)等の弾性を有する合成樹脂材等によって厚肉の板状に形成されている。パッド本体22は、流路24を備えている。流路24の一部は、パッド本体22における乗員側面、すなわち、シートクッション12のパッド本体22の場合には、パッド本体22のシート上側面で開口されている。
パッド本体22のシート下側(すなわち、乗員側とは異なる方向側の一態様である反乗員側)には、仕切部材26が設けられている。仕切部材26は、薄肉のシート(sheet)状とされており、仕切部材26の厚さ方向は、概ね、シート上下方向(図1等の矢印UP方向及びその反対方向)とされている。仕切部材26の通気性は、パッド本体22よりも低く、仕切部材26を挟んでパッド本体22側からパッド本体22とは反対側への空気の流れを阻止又は抑制できる。
さらに、仕切部材26のシート下側(すなわち、乗員側とは異なる方向側の一態様である反乗員側)には、送風装置又は空気圧送装置としてのブロア30が設けられている。ブロア30は、ブロアモータ32(図3参照)を備えており、ブロアモータ32が作動されるとファン(図示省略)が回転される。このようにブロア30のファンが回転されることによってブロア30の吸入部(図示省略)から空気が、ブロア30に吸込まれ、ブロア30の送出部(図示省略)から空気が送出される。
ここで、上述した仕切部材26には、孔部(図示省略)が形成されている。仕切部材26の孔部は、シート上下方向に貫通されており、ブロア30の吸入部は、仕切部材26の孔部に繋がっている。このため、ブロア30が作動されると孔部を介して仕切部材26よりもパッド本体22側(すなわち、乗員側)の空気がブロア30に吸込まれ、ブロア30の送出部(図示省略)からブロア30のシート下側、シート前後方向側、シート左右方向側、すなわち、ブロア30における乗員側とは異なる方向側へ空気が送出される。
さらに、シートパッド20は、表皮34を備えている。表皮34は、皮、合成皮革、布等の可撓性を有するシート(sheet)部材によって形成されており、パッド本体22のシート上側面、シート上下方向を軸方向とする軸周り方向のシート外周面等は、シート上側から表皮34によって覆われている。この表皮34においてパッド本体22のシート上側に配置される部分には、複数の通気孔(図示省略)が形成されている。これらの通気孔は、シート上下方向に貫通されており、表皮34のシート上側(すなわち、表皮34の乗員側)の空気は、通気孔を通って表皮34のシート下側(すなわち、表皮34における乗員側とは異なる方向側の一態様である反乗員側)へ流れることができる。
一方、シートバック14は、シートパッド20を備えており、シートバック14のシートパッド20は、クッション部材としてのパッド本体22、仕切部材26、表皮34を備えている。これらのシートバック14のシートパッド20を構成するパッド本体22、仕切部材26、表皮34は、例えば、上述したシートクッション12のシートパッド20を構成するパッド本体22、仕切部材26、表皮34と同じ材質とされている。
シートバック14のシートパッド20を構成するパッド本体22の流路24の一部は、パッド本体22における乗員側面、すなわち、シートバック14のパッド本体22の場合には、パッド本体22のシート前側面で開口されている。また、シートバック14のシートパッド20を構成する仕切部材26は、パッド本体22のシート後側(すなわち、乗員側とは異なる方向側の一態様である反乗員側)に設けられており、仕切部材26のシート後側(すなわち、乗員側とは異なる方向側の一態様である反乗員側)には、送風装置又は空気圧送装置としてのブロア30が設けられている。
このように配置されたシートバック14のブロア30が作動されると、仕切部材26に形成された孔部を介して仕切部材26よりもパッド本体22側(すなわち、乗員側)の空気がブロア30の吸入部からブロア30に吸込まれ、ブロア30の送出部(図示省略)からブロア30のシート後側、シート左右方向側、シート上下方向側、すなわち、ブロア30における乗員側とは異なる方向側へ空気が送出される。
また、シートバック14のシートパッド20の表皮34においてパッド本体22のシート前側に配置される部分には、複数の通気孔(図示省略)が形成されている。これらの通気孔は、シート前後方向に貫通されており、表皮34のシート前側(すなわち、表皮34の乗員側)の空気は、通気孔を通って表皮34のシート後側(すなわち、表皮34における乗員側とは異なる方向側の一態様である反乗員側)へ流れることができる。
一方、本車両用シート10は、静圧センサ40(図3参照)を備えている。静圧センサ40は、シートバック14側のブロア30に設けられている。静圧センサ40は、例えば、半導体圧力センサを含んで構成されており、ブロア30内の静圧Pを検出でき、この静圧の大きさに応じたレベル(一例として電圧)の電気信号である静圧検出信号Psが静圧センサ40から出力される。図3に示されるように、静圧センサ40は、制御装置42へ電気的に接続されており、静圧センサ40から出力された静圧検出信号Psは、制御装置42に入力される。
また、制御装置42は、本車両用シート10に対応して車両に搭載されるエアバッグ装置44へ電気的に接続されており、制御装置42から出力された展開制御信号Bsがエアバッグ装置44へ入力される。このエアバッグ装置44には、緊急状態検知装置46が電気的に接続されており、緊急状態検知装置46から出力される緊急状態検知信号Esは、エアバッグ装置44に入力される。緊急状態検知装置46は、車両衝突時等の車両緊急状態の検知が可能とされており、車両緊急状態が緊急状態検知装置46によって検知されることによって、緊急状態検知信号EsがLowレベルからHighレベルに切替わる。
エアバッグ装置44は、緊急状態検知装置46から出力された緊急状態検知信号EsがHighレベルの場合に作動可能とされる。エアバッグ装置44は、本車両用シート10に着座した乗員のシート前側で膨張展開可能な袋体(図示省略)を備えており、エアバッグ装置44が作動されることによってガスが袋体内に供給され、乗員のシート前側で袋体が膨張展開される。また、エアバッグ装置44は、袋体内へのガスの供給量を調節できる。袋体内へのガスの供給量を調節は、制御装置42によって制御され、ガスの供給量は制御装置42から出力される展開制御信号Bsのレベルに応じて決まる。これによって、袋体の展開量を制御できる。
また、制御装置42は、カーテシスイッチ48に電気的に接続されている。カーテシスイッチ48は、車両において本車両用シート10に対応したドア(図示省略)又はこのドアの近傍部分に設けられている。このカーテシスイッチ48からは開閉検知信号Osが出力され、カーテシスイッチ48から出力された開閉検知信号Osは、制御装置42に入力される。本車両用シート10に対応したドアが開放されると、カーテシスイッチ48から出力される開閉検知信号OsがLowレベルからHighレベルに切替わる。
さらに、制御装置42は、モータドライバ50に電気的に接続されており、制御装置42から出力されるモータ駆動制御信号Dsがモータドライバ50に入力される。モータドライバ50は、シートクッション12及びシートバック14の各々に設けられたブロア30のブロアモータ32に電気的に接続されている。モータドライバ50は、制御装置42から出力されるモータ駆動制御信号DsがLowレベルからHighレベルに切替わると、モータドライバ50は、各ブロア30のブロアモータ32を作動させる。
さらに、制御装置42は、半導体メモリ等によって構成されたメモリを備えている。詳細については後述するが、メモリには、様々な乗員の体格に応じて予め設定された各静圧Pn(すなわち、静圧P1、静圧P2、静圧P3・・・)と非着座状態の静圧P0との差に相当するΔPn(すなわち、ΔP1、ΔP2、ΔP3・・・)が記憶されており、上述した展開制御信号Bsのレベルは、これらの静圧Pnに対応している。
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、図5に示される制御装置42での制御フローチャートを用いて本実施の形態の作用、効果について説明する。
次に、図5に示される制御装置42での制御フローチャートを用いて本実施の形態の作用、効果について説明する。
図5に示されるように、例えば、車両のドアのロックが解除されると、ステップ100で制御装置42における制御が開始される。次いで、ステップ102では、カーテシスイッチ48から出力された開閉検知信号OsがHighレベルであるか否かが判定される。ドアのロックを解除した乗員がドアを開放すると、開閉検知信号OsがLowレベルからHighレベルに切替わり、ステップ104では、制御装置42から出力されるモータ駆動制御信号DsがLowレベルからHighレベルに切替わる。これによって、シートクッション12及びシートバック14の各々に設けられたブロア30のブロアモータ32が作動される。
このようにしてブロア30のブロアモータ32が作動されると、仕切部材26よりもパッド本体22側(すなわち、シートクッション12側であれば仕切部材26よりもシート上側、シートバック14側であれば仕切部材26よりもシート前側)の空気が仕切部材26の孔部を介してブロア30の吸入部に吸込まれる。このようにしてシートパッド20のパッド本体22側の空気が仕切部材26の孔部へ流れることによって、パッド本体22の流路24内の空気がパッド本体22内へ吸込まれる。さらに、流路24内の空気がパッド本体22内へ吸込まれることによって、シートクッション12の表皮34のシート上側及びシートバック14の表皮34のシート前側の空気(すなわち、表皮34の乗員側の空気)が、表皮34の通気孔を通ってパッド本体22の流路24内へ吸込まれる。
ここで、上述したブロアモータ32の作動状態で乗員が車両用シート10に着座すると、乗員の身体の近傍の空気が表皮34の通気孔を通ってパッド本体22の流路24内へ吸込まれる。このため、例えば、乗員の汗等によって湿気を帯びた乗員の身体近傍の空気を、乗員の身体近傍から除いて、乾いた空気を乗員の身体近傍へ導くことができる。これによって、乗員の身体近傍の空気が湿気を帯びていることによって乗員が感じる不快感等を抑制できる。
また、車両に設けられた空調装置(図示省略)からの調整風が車両用シート10に着座した乗員のシート前側に送られている場合には、ブロア30のブロアモータ32が作動されることによって調整風が表皮34の通気孔へ向かうように流れる。これによって、調整風による冷感等を乗員に効果的に感じさせることができる。
次いで、ステップ106では、静圧センサ40から出力される静圧検出信号Psの信号レベルに基づき乗員が車両用シート10に着座していない非着座状態でのシートバック14側のブロア30内の静圧P0が測定される。次いで、ステップ108では、静圧P0の測定後に静圧センサ40から出力される静圧検出信号Psの信号レベルに応じた静圧Pが、非着座状態の静圧P0よりも大きいか否かが判定される。
ここで、図4のグラフには、ブロア30によって流される空気の風量Qと静圧Pとの関係が実線で示されており、乗員が車両用シート10に着座していない非着座状態での空気の静圧Pと風量Qとの関係が二点鎖線で示されている。さらに、このグラフには、車両用シート10に着座した乗員の体格が小さい場合の空気の静圧Pと風量Qとの関係が二点鎖線で示されており、車両用シート10に着座した乗員の体格が大きい場合の空気の静圧Pと風量Qとの関係が点線で示されている。
このグラフに示されるように、ブロア30が一定の出力で作動された状態(すなわち、ブロア30のファンが一定の回転数で回転された状態)では、概ね、一定の関係が示され、ブロア30内の静圧Pが小さくなると風量Qが大きくなる。一方、非着座状態での風量Qに対する静圧Pの関係は、概ね、一定の関係が示され、風量Qが大きいほど静圧Pが大きくなる。ブロア30が一定の出力で作動された状態でのブロア30内の静圧Pと風量Qとの関係を示す実線の曲線と、非着座状態での風量Qに対する静圧Pの関係を示す二点鎖線の曲線との交点での静圧P0が、非着座状態でブロア30が一定の出力で作動された状態でのブロア30内の静圧Pになる。
これに対して、車両用シート10に着座した乗員の体格が小さい場合の風量Qに対する静圧Pの関係は、概ね、一定の関係が示され、風量Qが大きいほど静圧Pが大きくなる。ここで、図2(A)には、非着座状態でのシートバック14のシートパッド20のパッド本体22及び流路24の状態が示されており、図2(B)には、車両用シート10に乗員が着座した状態でのシートバック14のシートパッド20のパッド本体22及び流路24の状態が示されている。これらの図に示されるように、車両用シート10に着座した乗員がシートバック14に凭れかかると、シートバック14のパッド本体22は、シート前側(すなわち、乗員側)からの荷重Fを受ける。これによって、パッド本体22がシート後側へ弾性変形されると共に、流路24の断面積が小さくなるように流路24の断面形状が変形される。空気が流路24を流れる際には、空気は抵抗を受ける。この抵抗は、流路24の断面積が小さくなるように流路24が変形されることによって更に大きくなる。
このため、図4において一点鎖線の曲線で示されるように、乗員の体格が小さい場合の風量Qの増大に伴う静圧Pの増大の比率は、非着座状態よりも大きくなる。これによって、ブロア30が一定の出力で作動された状態でのブロア30内の静圧Pと風量Qとの関係を示す実線の曲線と、車両用シート10に着座した乗員の体格が小さい場合の風量Qに対する静圧Pの関係を示す一点鎖線の曲線との交点での静圧P1は、非着座状態での上記の静圧P0よりも高くなる。
さらに、車両用シート10に着座した乗員の体格が大きい場合には、乗員の体格が小さい場合に比べて、パッド本体22の弾性変形量及び流路24の断面形状の変形量が大きくなり、空気は更に大きな抵抗を受ける。図4において点線の曲線で示されるように、乗員の体格が大きい場合の風量Qの増大に伴う静圧Pの増大の比率は、乗員の体格が小さい場合よりも大きくなる。これによって、ブロア30が一定の出力で作動された状態でのブロア30内の静圧Pと風量Qとの関係を示す実線の曲線と、車両用シート10に着座した乗員の体格が大きい場合の風量Qに対する静圧Pの関係を示す一点鎖線の曲線との交点での静圧P2は、車両用シート10に着座した乗員の体格が小さい場合よりも高くなる。
上記のステップ108において非着座状態の静圧P0の測定後の静圧Pが、静圧P0よりも大きいと判定された場合には、ステップ110で静圧Pと非着座状態の静圧P0との差ΔPが演算される。次いで、ステップ112では、メモリに記憶されているΔPn(nは、1以上の自然数で、すなわち、ΔP1、ΔP2、ΔP3・・・)が読込まれる。これらのΔPnは、様々な乗員の体格に応じて予め設定された風量Qに対する静圧Pの関係を示す曲線と、ブロア30が一定の出力で作動された状態でのブロア30内の静圧Pと風量Qとの関係を示す実線の曲線との交点における静圧Pnと、非着座状態の静圧P0との差とされている。
次いで、ステップ114では、メモリから読込んだΔPnのうち、値の小さな方から順番に演算結果ΔPと比較され、演算結果ΔPがΔPn未満であるか否かが判定される。ステップ112において演算結果ΔPがΔPn以上であると判定されると、ステップ116では、このΔPnに相当するレベルの展開制御信号Bsが制御装置42から出力される。
制御装置42から出力された展開制御信号Bsは、エアバッグ装置44に入力される。この状態で、車両衝突時等の車両緊急状態が緊急状態検知装置46によって検知され、Highレベルの緊急状態検知信号Esがエアバッグ装置44に入力されると、展開制御信号Bsのレベルに応じた量のガスが袋体に供給される。これによって、車両用シート10に着座した乗員の体格に応じた形状でエアバッグ装置44の袋体を乗員のシート前側で展開できる。
以上のように、本実施の形態では、ブロア30のブロアモータ32が作動されることにより、車両用シート10に着座した乗員の身体近傍の空気が湿気を帯びていることによって乗員が感じる不快感等を抑制できる。
また、本実施の形態では、乗員が車両用シート10に着座することによってシートバック14又はシートクッション12に作用される荷重を検出して乗員が車両用シート10に着座したことを検出するための荷重センサ等を上記の静圧センサ40とは別に設けなくても乗員が車両用シート10に着座したことを検出でき、低コストにできる。
しかも、本実施の形態では、乗員の体格に応じて予め設定された各静圧Pnの数(すなわち、n)の乗員の体格を検出できる。これによって、例えば、エアバッグ装置44の袋体を乗員の体格に適切な形状で展開できる。
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。
次に、第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態では、制御装置42から出力されるHighレベルのモータ駆動制御信号Dsのレベルが複数設定されており、モータドライバ50に入力されるモータ駆動制御信号Dsのレベルが高いほど、ブロア30のブロアモータ32の出力(回転数)が大きくなる。また、モータ駆動制御信号Dsのレベルは、乗員の体格に応じて予め設定された各静圧Pn(すなわち、静圧P1、静圧P2、静圧P3・・・)に対応している。
制御装置42は、静圧センサ40によって検出された静圧Pと非着座状態の静圧P0との差ΔPと、乗員の体格に応じて予め設定された各静圧Pnと非着座状態の静圧P0との差に相当するΔPnとの比較結果に基づき、乗員の体格に応じたレベルのモータ駆動制御信号Dsを出力する。
上述したように、車両用シート10に着座した乗員がシートバック14に凭れかかると、シートバック14のパッド本体22は、シート前側(すなわち、乗員側)からの荷重Fを受ける。これによって、パッド本体22がシート後側へ弾性変形されると共に、流路24の断面積が小さくなるように流路24の断面形状が変形される。空気が流路24を流れる際には、空気は抵抗を受ける。この抵抗は、流路24の断面積が小さくなるように流路24が変形されることによって更に大きくなる。
しかも、乗員の体格が大きいほどパッド本体22の弾性変形及び流路24の断面形状の変形は大きくなり、空気は、大きな抵抗を受ける。このため、乗員の体格が大きいほど、空気が流れ難くなり、シートバック14の表皮34のシート前側(乗員側)及びシートクッション12の表皮34のシート上側(乗員側)から表皮34の通気孔を通ってパッド本体22の流路24へ吸込まれる空気の流量が減る。
ここで、本実施の形態では、上記のように、乗員の体格に応じたレベルのモータ駆動制御信号Dsが制御装置42から出力され、これによって、乗員の体格に応じた出力(回転数)でブロア30のブロアモータ32が作動される。これによって、乗員の体格が大きい場合でもシートバック14及びシートクッション12の乗員側から表皮34の通気孔を通ってパッド本体22の流路24へ吸込まれる空気の流量の減少を抑制でき、車両用シート10に着座した乗員の身体近傍の空気が湿気を帯びていることによって乗員が感じる不快感等を抑制できる。
なお、上記の各実施の形態では、シートバック14側のブロア30に静圧センサ40が設けられた構成であったが、シートクッション12側のブロア30に静圧センサ40が設けられる構成であってもよく、シートバック14側のブロア30及びシートクッション12側のブロア30の双方に静圧センサ40が設けられる構成であってもよい。さらに、静圧センサ40の配置位置は、ブロア30内でなくてもよく、ブロア30が作動されることで生じる空気の流れの中に配置されればよい。
また、上記の各実施の形態では、静圧センサ40による車両用シート10への乗員の着座検知を、エアバッグ装置44の袋体の展開の制御、ブロア30のブロアモータ32の出力の制御に適用されていた。しかしながら、例えば、静圧センサ40による車両用シート10への乗員の着座検知を、乗員の身体にシートベルト装置のウェビングが装着されたか否かを検出するベルトリマインダに適用してもよく、また、本車両用シート10に乗員が着座したか、又は、シートクッション12上に乗員以外の荷物等が載置されたか否かの判定に適用してもよい。すなわち、静圧センサ40による車両用シート10への乗員の着座検知の結果をどのように用いてもよい。
さらに、上記の各実施の形態では、非着座状態の静圧P0、制御装置42のメモリに記憶された各ΔPn等は、一定の値とされている。しかしながら、これらの静圧P0、各ΔPnは、一定の範囲を有するものとしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、シートパッド20のパッド本体22に形成された流路24内の空気が、パッド本体22を通過し、更に、仕切部材26の孔部を通過してブロア30の吸入部に流れる構成であった。しかしながら、例えば、パッド本体22の流路24を直接又はチューブ等の接続部材を介してブロア30の吸入部へ繋ぐ構成であってもよい。
さらに、上記の各実施の形態は、ブロア30が作動されると、シートパッド20よりも乗員側の空気がシートパッド20の表皮34の通気孔から吸込まれる構成であった、しかしながら、例えば、ブロア30が作動されることによって表皮34の通気孔から乗員側へ空気が放出される構成としてもよい。
また、上記の各実施の形態は、送風装置としてのブロア30は、シートクッション12、シートバック14に設けられた構成であった。しかしながら、送風装置は、例えば、車両における車両用シート10とは別の位置に配置されてもよい。
さらに、上記の各実施の形態は、ブロア30を送風装置に適用したが、例えば、空気の温度等の調整が可能な空調装置を送風装置としてもよい。
10 車両用シート
12 シートクッション(シート本体)
14 シートバック(シート本体)
24 流路
30 ブロア(送風装置)
40 静圧センサ
42 制御装置(判定装置)
12 シートクッション(シート本体)
14 シートバック(シート本体)
24 流路
30 ブロア(送風装置)
40 静圧センサ
42 制御装置(判定装置)
Claims (1)
- 乗員が着座されるシート本体と、
前記シート本体に設けられ、空気の流動が可能とされると共に、前記シート本体の前記乗員側からの荷重によって変形することで流動する空気に対して抵抗を付与する流路と、
作動されることによって前記流路に前記空気を流し、前記シート本体の前記乗員側及び前記乗員側とは異なる側の一方から他方へ前記空気を送る送風装置と、
前記送風装置又は前記流路に設けられ、前記送風装置が作動されることによって流れる前記空気の静圧を検出する静圧センサと、
前記静圧センサによって検出された前記静圧に基づいて前記シート本体に乗員側からの荷重が作用したか否かを判定する判定装置と、
を備える車両用シート。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110217140A (zh) * | 2019-06-18 | 2019-09-10 | 舒茨曼座椅(宁波)有限公司 | 车辆座椅调节系统、调节方法及车辆 |
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2017
- 2017-11-06 JP JP2017213906A patent/JP2019084923A/ja active Pending
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CN110217140A (zh) * | 2019-06-18 | 2019-09-10 | 舒茨曼座椅(宁波)有限公司 | 车辆座椅调节系统、调节方法及车辆 |
CN110217140B (zh) * | 2019-06-18 | 2021-11-16 | 舒茨曼座椅(宁波)有限公司 | 车辆座椅调节系统、调节方法及车辆 |
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