JP7335242B2 - ピリミジン誘導体 - Google Patents

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Description

本発明は、γ-セクレターゼ調節因子として有用なピリミジン誘導体、それらの製造、該化合物を含む医薬組成物、並びに脳へのβ-アミロイドの沈着に関連する疾患、例えば、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症、及びダウン症候群を処置するための医薬としてのそれらの使用に関する。
発明の背景
アルツハイマー病(AD)は、晩年における認知症の最も一般的な原因である。病理生理学的には、ADは、脳において、細胞外斑におけるアミロイドの沈着及び細胞内神経原線維変化を特徴とする。アミロイド斑は、一連のタンパク質分解的切断工程によってβ-アミロイド前駆体タンパク質(APP)から誘導されるアミロイドペプチド(Aβペプチド)で主に構成されている。APPの幾つかの形態が同定されており、そのうち最も量が多いのは、695、751、及び770アミノ酸長のタンパク質である。これらは全て、ディファレンシャルスプライシングを通して1つの遺伝子から生じる。Aβペプチドは、APPの同じドメインに由来する。
Aβペプチドは、β-及びγ-セクレターゼと呼ばれる2つのタンパク質分解酵素が逐次作用することを通してAPPから生成される。まず、β-セクレターゼが、膜貫通ドメイン(TM)の直ぐ外側のAPPの細胞外ドメインを切断して、TM及び細胞質のドメインを含有するAPPのC末端断片(CTFβ)を生成する。CTFβは、TM内の幾つかの隣接する位置を切断してAβ-ペプチド及び細胞質断片を生成するγ-セクレターゼの基質である。γ-セクレターゼによって媒介される様々なタンパク質分解的切断の結果、異なる鎖長のAβペプチド、例えば、Aβ38、Aβ40、及びAβ42が生じる。後者は、神経毒性凝集体を形成する傾向が強いことから、より病原性の強いアミロイドペプチドであるとみなされている。
β-セクレターゼは、典型的なアスパルチルプロテアーゼである。γ-セクレターゼは、4つの必須サブユニット:プレセニリン(PS、PS1及びPS2を含む)、ニカストリン、前咽頭欠損(anterior pharynx defective)1(APH-1)、及びプレセニリンエンハンサー2(PEN-2)からなる高分子量複合体である。解像度3.4Åにおけるヒトγ-セクレターゼの原子構造は、既に公開されている(非特許文献1)。プレセニリンは、触媒部位を有しており、そして、TM内で基質を切断し且つポリトピックな膜タンパク質自体である非定型アスパルチルプロテアーゼの群を表す。γ-セクレターゼの他の必須成分であるニカストリン並びにaph1及びpen-2の遺伝子産物は、基質の認識及び動員に関与していると考えられる。γ-セクレターゼの証明されている基質はAPP及びNotch受容体ファミリーのタンパク質であるが、γ-セクレターゼは緩い基質特異性を有し、そして、APP及びNotchに無関係の多くの更なる膜タンパク質が、インビトロでγ-セクレターゼによって切断されると報告されている。
γ-セクレターゼ活性は、Aβペプチドの生成に絶対必要である。これは、遺伝的手段、即ちプレセニリン遺伝子の除去、及び低分子量阻害性化合物の両方によって示されている。ADについてのアミロイドカスケード仮説によれば、Aβの生成及び沈着が疾患の第一原因である。したがって、γ-セクレターゼの選択的かつ強力な阻害が、ADの予防及び治療に有用であり得ると考えられた。
代替的な処置様式は、γ-セクレターゼ活性を調節し、その結果、Aβ42生成を選択的に低減することである。これによって、凝集及び斑形成の能力がないか又は低く、そして、神経毒性がないか又は低い、Aβ38、Aβ37又はその他等のより短いAβアイソフォームの増加をもたらすであろう。γ-セクレターゼ活性の調節に対してこの効果を示す化合物は、特定の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)及び関連するアナログを含む(非特許文献2)。
多数の文献、例えば、以下の刊行物にγ-セクレターゼの調節に関する現在の知見が記載されている:
Figure 0007335242000001
X. Bai, C. Yan, G. Yang, P. Lu, D. Ma, L. Sun, R. Zhou, S. H. W.Scheres, Y. Shi, Nature 2015, 525, pages 212 - 217 Weggen et al. Nature, 414 (2001) 212-16
したがって、γ-セクレターゼ活性の調節は、脳におけるβ-アミロイドの沈着に関連する疾患、例えば、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症、及びダウン症候群を処置又は予防するための有望な治療ストラテジである。
脳におけるβ-アミロイドの沈着に関連する疾患及び障害を処置するための新規化合物、製剤、処置、及び療法が必要とされている。したがって、本発明の目的は、改善された治療特性を有する、このような疾患及び障害を処置又は予防するのに有用な化合物を提供することである。
発明の概要
一態様では、本発明は、式(I)で示される化合物
Figure 0007335242000002

(式中、
各Rは、独立して、水素及びハロゲンから選択され;
nは、1、2、又は3であり;
は、水素又はメチルであり;
は、
Figure 0007335242000003

から選択される5員ヘテロアリール基であり;
Figure 0007335242000004

は、
Figure 0007335242000005

から選択される二置換ビシクロ[1,1,1]ペンタン又は二置換ビシクロ[2,2,2]オクタンであり;
Xは、窒素又は炭素である)、
又はその薬学的に許容し得る塩に関する。
更なる態様では、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物を調製するためのプロセスであって、式2で示される化合物
Figure 0007335242000006

を式3で示される化合物
Figure 0007335242000007

(式中、R、R、R、n、
Figure 0007335242000008

及びXは、本明細書中に定義されるとおりである)
と反応させて、該式(I)で示される化合物を形成し、そして、必要に応じて、得られた化合物をその薬学的に許容し得る塩に変換することを含む、プロセス。
更なる態様では、本発明は、上記プロセスによって調製された、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物を提供する。
更なる態様では、本発明は、本明細書中に記載の1つ以上の式(I)で示される化合物と、薬学的に許容し得る賦形剤とを含有する医薬を提供する。
更なる態様では、本発明は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症、又はダウン症候群を処置するための医薬を製造するための、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物の使用を提供する。
更なる態様では、本発明は、治療的活性物質として使用するための、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物を提供する。
更なる態様では、本発明は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症、又はダウン症候群を処置するための、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物の使用を提供する。
更なる態様では、本発明は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症、又はダウン症候群の処置において使用するための、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物を提供する。
更なる態様では、本発明は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症、又はダウン症候群を処置するための方法であって、有効量の本明細書中に記載の式(I)で示される化合物を投与することを含む、方法を提供する。
本明細書中で用いられる一般用語の以下の定義は、該用語が単独で登場するか、他の群と組み合わせて登場するかに関係なく適用される。
用語「ハロゲン」は、塩素、ヨウ素、フッ素、及び臭素を意味する。
用語「薬学的に許容し得る塩」は、無機酸及び有機酸、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等との塩を包含する。
本発明の化合物
第1の態様では、本発明は、式(I)で示される化合物
Figure 0007335242000009

(式中、
各Rは、独立して、水素及びハロゲンから選択され;
nは、1、2、又は3であり;
は、水素又はメチルであり;
は、
Figure 0007335242000010

から選択される5員ヘテロアリール基であり;
Figure 0007335242000011

は、
Figure 0007335242000012

から選択される二置換ビシクロ[1,1,1]ペンタン又は二置換ビシクロ[2,2,2]オクタンであり;
Xは、窒素又は炭素である)、
又はその薬学的に許容し得る塩を提供する。
一実施態様では、式(I-a)で示される化合物:
Figure 0007335242000013

(式中、
各Rは、独立して、水素及びハロゲンから選択され;
nは、1、2、又は3であり;
は、水素又はメチルであり;
は、
Figure 0007335242000014

から選択される5員ヘテロアリール基である)
である、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩が提供される。
一実施態様では、
7-(4-フルオロフェニル)-N4,5,5-トリメチル-N2-[3-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
7-(4-フルオロフェニル)-N4,5,5-トリメチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
7-(3,5-ジフルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
7-(2,4-ジフルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
7-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-7-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
7-(2-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
7-(2,3-ジフルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
から選択される、本明細書中に記載の式(I-a)で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩が提供される。
別の実施態様では、式(I-b)で示される化合物:
Figure 0007335242000015

(式中、
各Rは、独立して、水素及びハロゲンから選択され;
nは、1、2、又は3であり;
は、水素又はメチルであり;
は、
Figure 0007335242000016

から選択される5員ヘテロアリール基である)
である、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩が提供される。
好ましい実施態様では、
(7R)-7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
(7S)-7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
(7R)-7-(3-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
(7S)-7-(3-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
から選択される、本明細書中に記載の式(I-b)で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩が提供される。
別の実施態様では、式(I-c)で示される化合物:
Figure 0007335242000017

(式中、
各Rは、独立して、水素及びハロゲンから選択され;
nは、1、2、又は3であり;
は、水素又はメチルであり;
は、
Figure 0007335242000018

から選択される5員ヘテロアリール基である)
である、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩が提供される。
一実施態様では、
7-(4-フルオロフェニル)-N4,5,5-トリメチル-N2-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
から選択される、本明細書中に記載の式(I-c)で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩が提供される。
別の実施態様では、式(I-d)で示される化合物:
Figure 0007335242000019

(式中、
各Rは、独立して、水素及びハロゲンから選択され;
nは、1、2、又は3であり;
は、水素又はメチルであり;
は、
Figure 0007335242000020

から選択される5員ヘテロアリール基である)
である、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩が提供される。
一実施態様では、
(7R)-7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
(7S)-7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
から選択される、本明細書中に記載の式(I-d)で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩が提供される。
式(I)で示される化合物は、1つ以上の不斉中心を含有してもよく、そして、光学的に純粋な鏡像異性体、例えばラセミ体などの鏡像異性体の混合物、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体のラセミ体、又はジアステレオ異性体のラセミ体の混合物の形態で存在することができる。
製造プロセス
本明細書中に記載される式(I)で示される化合物を製造するためのプロセスも、本発明の目的である。
式(I)で示される本化合物及びそれらの薬学的に許容し得る塩は、当技術分野において公知の方法によって調製することができる。
一実施態様では、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物は、式2で示される化合物
Figure 0007335242000021

を式3で示される化合物
Figure 0007335242000022

(式中、R、R、R、n、
Figure 0007335242000023

及びXは、本明細書中に定義されるとおりである)
と反応させて、該式(I)で示される化合物を形成し、そして、必要に応じて、得られた化合物をその薬学的に許容し得る塩に変換することを含むプロセスによって調製してもよい。
一実施態様では、式(I)で示される化合物及びそれらの中間体は、スキーム1~4によって及び17の具体的な実施例の記載によって調製してもよい。
式(I)で示される化合物の一般的な合成
Figure 0007335242000024

スキーム1に従って式(I)で示される化合物を調製する。式(I)の標的化合物の合成は、式で示されるクロロピリミジン誘導体と式で示されるアミノ部分との間のブッフバルト型カップリングを使用する。このカップリングは、触媒量又は化学量論的量の好適な遷移金属錯体(例えば、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0))、及びそれぞれ、触媒量又は化学量論的量の好適なホスフィンリガンド(例えば、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル)の存在下で、そして、更に、好適な塩基(例えば、アルカリ炭酸塩又はアルカリリン酸塩(例えば、炭酸セシウム))の存在下で行われる。この反応は、極性非プロトン性溶媒(例えば、N-メチルピロリジノン又はジメチルホルムアミド)中、100℃~170℃(好ましくは、140℃~160℃)の温度で、場合により密閉バイアル内でマイクロ波照射下において行ってよい。
2a型の中間体(Xは、Nであり、そして、R は、メチルである)の一般的な合成
Figure 0007335242000025

2aで示される中間体(式中、R及びnは、上に定義されるとおりである)は、当技術分野において公知の方法によって調製することができる。例えば、式2aで示される中間体(式中、R及びnは、上に定義されるとおりである)は、スキーム2に示す合成シーケンスを使用してアクセスすることができる。非求核性塩基(例えば、酢酸ナトリウム若しくはトリアルキルアミン(例えば、トリエチルアミン若しくはN,N-ジイソプロピルエチルアミン)、又はアルカリヘキサメチルジシラジド(例えば、リチウムヘキサメチルジシラジド))の存在下において、好適な極性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、又はジクロロメタン)中で、ピリミジンを、場合により置換されているアニリンと反応させ得る。その後、好適な非求核性塩基(例えば、水素化ナトリウム)の存在下において、極性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド又はN-メチルピロリジノン)中、0℃~100℃(好ましくは、30℃~60℃)の温度で、式で示される中間体を適切なアルキル化剤と反応させ得る。次に、適切な極性溶媒(例えば、エタノール、テトラヒドロフラン)中でメチルアミンと反応させることによって、式で示される中間体を式で示される中間体に変換し得る。得られた位置異性体の混合物をクロマトグラフィーによって分離してもよく、或いは、該混合物を次の工程で使用し、そして、得られた生成物をこの段階で分離してもよい。次の工程では、ヘック反応を使用して、式で示される中間体を環化させて、式2aで示される中間体にする。例えば、場合により好適なホスフィンリガンド(例えば、トリフェニルホスフィン)の存在下で、更に、好適な塩基(例えば、トリアルキルアミン又はアルカリカルボン酸塩(例えば、トリエチルアミン又はギ酸ナトリウム))の存在下で、式で示される中間体を準化学量論的又は化学量論的量の好適な遷移金属含有化合物(例えば、酢酸パラジウム(II))と反応させ得る。この反応は、適切な極性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリジノン、又はメタノール)中、場合により好適なテトラアルキルアンモニウム塩(例えば、テトラブチルアンモニウムクロリド)の存在下において、40℃~100℃(好ましくは、70℃~90℃)の高温で生じ得る。
2b型の中間体(Xは、Cであり、そして、R は、Hである)の一般的な合成
Figure 0007335242000026

2b型の中間体(式中、R及びnは、上に定義されるとおりである)の調製を、国際公開第2011/014535号の方式に類似して、スキーム3に示すとおり実施した。アリールシクロペンタノンを強塩基(例えば、LDA)で脱プロトン化し、そして、アルキルシアノホルマートで処理して、対応するケトエステルを与え、これは、2-メチル-2-チオプソイド尿素と反応した際、2-アミノ-7-アリール-6,7-ジヒドロシクロペンタ[e][1,3]オキサジン-4(5H)-オン10を与える。酸触媒加水分解によって、中間体11を与えた。アンモニアとの反応によってピリミジンジオン12を与え、これは、容易に塩素化されて、中間体13を与える。最後に、メチルアミンと反応させると、中間体2bが得られる。
2c型の中間体(Xは、Nであり、そして、R は、Hである)の一般的な合成
Figure 0007335242000027

2cで示される中間体(式中、R及びnは、上に定義されるとおりである)は、スキーム4に示すシーケンスに従って合成することができる。少なくとも1当量(好ましくは、2~3当量)の好適な塩基(例えば、アルカリアルコキシド(例えば、ナトリウムエトキシド))の存在下において、適切な極性のプロトン性又は非プロトン性の溶媒(例えば、エタノール)中、30℃~120℃(好ましくは、60℃~80℃)の高温で、市販されているか又は例えば欧州特許第2050749号明細書に記載のとおりアクセス可能な式14で示される化合物を尿素と反応させ得る。その後、場合により化学量論的量のN,N-ジメチルアニリンの存在下において、60℃~110℃(好ましくは、90℃~100℃)の温度で、ナトリウム塩として単離することができる式15で示される粗生成物を、塩素化剤(例えば、オキシ塩化リン、五塩化リン、又は塩化チオニル)と反応させてもよい。次いで、好適な塩基(例えば、トリアルキルアミン(例えば、ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミン))の存在下において、適切な極性非プロトン性溶媒(例えば、アセトニトリル)中、30℃~70℃(好ましくは、40℃~60℃)の温度で、場合により置換されているアニリンと反応させることによって、得られた式16で示される中間体を式17で示される縮合二環式中間体に変換し得る。最後に、メチルアミンと反応させると、中間体2cが得られる。
一態様では、本発明は、本明細書中に記載のプロセスのうちのいずれか1つに従って製造したときの、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物を提供する。
医薬及び投与
本発明の別の目的は、本明細書中に記載の1つ以上の式(I)で示される化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容し得る賦形剤とを含む医薬である。
式(I)で示される化合物及びその薬学的に許容し得る塩は、例えば医薬製剤の形態で医薬として用いることができる。該医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質及び軟質のゼラチンカプセル、液剤、乳剤、又は懸濁剤の形態で経口投与することができる。しかし、例えば、坐剤の形態で直腸内に投与してもよく、例えば、注射液の形態で非経口投与してもよい。また、例えば、経皮投与、又は点眼剤若しくは点耳剤の形態で、局所的に投与してもよい。
医薬製剤を製造するために、式(I)で示される化合物を薬学的に不活性な無機又は有機の担体を用いて加工してよい。ラクトース、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等を、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、及び硬質ゼラチンカプセル用の担体として用いることができる。軟質ゼラチンカプセルに好適な担体は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体及び液体のポリオール等である。しかし、活性物質の性質に応じて、軟質ゼラチンカプセルの場合に担体は通常必要とされない。液剤及びシロップ剤を製造するのに好適な担体は、例えば、水、ポリオール、グリセロール、植物油等である。坐剤に好適な担体は、例えば、天然油又は硬化油、ワックス、脂肪、半液体又は液体のポリオール等である。
医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、風味剤、浸透圧を変化させるための塩、バッファ、マスキング剤、又は酸化防止剤を更に含有していてもよい。また、該医薬製剤は、更に他の治療的に有用な物質を含有していてもよい。
式(I)で示される化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、治療的に不活性な担体とを含有する医薬も本発明の目的であり、1つ以上の式(I)で示される化合物及び/又は薬学的に許容し得る塩と、必要に応じて1つ以上の他の治療的に有用な物質とを、1つ以上の治療的に不活性な担体と共にガレヌス投与形態にすることを含む該医薬の製造するためのプロセスも同様である。
本発明によれば、式(I)で示される化合物及びそれらの薬学的に許容し得る塩は、アルツハイマー病等のAβ42分泌の阻害に基づく病気の制御又は予防において有用である。
投薬量は、広い範囲内で変動してよく、そして、無論、それぞれの特定の症例における個々の要件に合わせて調整しなければならない。経口投与の場合、成人の投薬量は、1日あたり式(I)で示される化合物 約0.01mg~約1000mg又は対応する量のその薬学的に許容し得る塩で変動し得る。1日投薬量は、単回用量として投与されてもよく、又は分割用量として投与されてもよく、更に、適切であることが判明した場合、上限を超えてもよい。
本発明に係る医薬組成物は、以下のとおり調製することができる。
本発明の化合物を含む医薬組成物の調製
Figure 0007335242000028
製造手順
1.品目1、2、3、及び4を混合し、そして、精製水を用いて造粒する。
2.50℃で顆粒を乾燥させる。
3.該顆粒を好適な粉砕機に通す。
4.品目5を添加し、そして、3分間混合し;好適なプレス機で圧縮する。
Figure 0007335242000029
製造手順
1.品目1、2、及び3を好適なミキサーで30分間混合する。
2.品目4及び5を添加し、そして、3分間混合する。
3.好適なカプセルに充填する。
適応症
また、本発明の目的は、治療的活性物質として使用するための、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物である。
上記のとおり、式(I)で示される化合物及びそれらの薬学的に許容し得る塩は、γ-セクレターゼ調節因子として有用である。
一態様では、本発明は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症、又はダウン症候群を処置するための医薬を製造するための、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物の使用を提供する。
一実施態様では、本発明は、アルツハイマー病を処置するための医薬を製造するための、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物の使用を提供する。
更なる態様では、本発明は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症、又はダウン症候群の処置において使用するための、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物を提供する。
一実施態様では、本発明は、アルツハイマー病の処置において使用するための、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物を提供する。
更なる態様では、本発明は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症、又はダウン症候群を処置するための、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物の使用を提供する。
一実施態様では、本発明は、アルツハイマー病を処置するための、本明細書中に記載の式(I)で示される化合物の使用を提供する。
更なる態様では、本発明は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(HCHWA-D)、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症、又はダウン症候群を処置するための方法であって、有効量の本明細書中に記載の式(I)で示される化合物を投与することを含む、方法を提供する。
一実施態様では、本発明は、アルツハイマー病を処置するための方法であって、有効量の本明細書中に記載の式(I)で示される化合物を投与することを含む、方法を提供する。
本発明を説明するために以下の実施例を提供する。これらは、本発明の範囲を限定するものではなく、単にその代表例であると考慮されるべきである。
1)調製例
1.1)概要
分析方法:
a)HPLC(LCMS_fastgradient法)
-カラム:Agilent Zorbax Eclipse Plus C18、Rapid Resolution HT、2.1×30mm、1.8μm
-溶媒A:水 0.01% ギ酸;溶媒B:アセトニトリル(MeCN)
-勾配:
Figure 0007335242000030
b)H NMR
H NMRデータは、以下のフォーマットで与えられる:化学シフト(ppm)(マルチプレット、適用可能な場合カップリング定数、積分)。マルチプレットについての略記:s、シングレット;d、ダブレット;t、トリプレット;q、カルテット;hept、ヘプテット;m、マルチプレット。化学シフトは、それぞれの重水素化溶媒、CDCl(7.27ppm)又はd6-DMSO(2.50ppm)を参照する。
略記:
実験部分では以下の略記を用いた:
DMF=ジメチルホルムアミド;
DMSO=ジメチルスルホキシド;
EtOAc=酢酸エチル;
EtN=トリエチルアミン;
FCS=ウシ胎児血清;
HPLC=高性能液体クロマトグラフィー;
IMDM=イスコフ改変ダルベッコ培地;
iPrNEt=N,N-ジイソプロピルエチルアミン;
MS=質量スペクトル;
MTBE=TBME=メチル-tert-ブチルエーテル;
NMP=N-メチル-2-ピロリドン;
TFA=トリフルオロ酢酸;
THF=テトラヒドロフラン;
TLC=薄層クロマトグラフィー;
RT=室温、20~25℃。
1.2)中間体の調製
1.2.1)2a型の中間体(スキーム2に従う)
Figure 0007335242000031
中間体2a-1:2-クロロ-7-(4-フルオロフェニル)-N,5,5-トリメチル-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 0007335242000032
工程1:5-ブロモ-2,6-ジクロロ-N-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-4-アミン
5-ブロモ-2,4,6-トリクロロピリミジン(1.880g、6.81mmol)をTHF(11mL)及び水(5mL)に溶解させ、そして、酢酸ナトリウム(1.68g、20.4mmol)、続いて、4-フルオロアニリン(787mg、0.68mL、6.87mmol)を添加した。混合物を室温で18時間撹拌した。その後、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(15mL)を添加し、そして、得られた混合物を酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして、真空中で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、酢酸エチル/n-ヘプタンで溶離、勾配 0:100~10:90)によって粗製の物質を精製して、真空中(40℃、5mbar)で乾燥させた後、明褐色の固形物として標題化合物(2.07g、90%)を与えた。MS (ES+) m/z 335.9, 337.9, 339.9 [M+H, Br & 2 Cl isotopes].
工程2:5-ブロモ-2,6-ジクロロ-N-(4-フルオロフェニル)-N-(2-メチルアリル)ピリミジン-4-アミン.
5-ブロモ-2,6-ジクロロ-N-(4-フルオロフェニル)ピリミジン-4-アミン(1.45g、4.3mmol)をジメチルホルムアミド(14mL)に溶解させ、そして、水素化ナトリウム(鉱油中 60%分散液、239mg、5.98mmol)を慎重に添加した(ガス発生)。混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、3-ブロモ-2-メチルプロパ-1-エン(964mg、6.93mmol)を添加し、得られた混合物を室温で18時間撹拌した。その後、水(20mL)を添加し、混合物をメチルtertブチルエーテル(2×150mL)で抽出し、有機相を水(3×20mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、合わせ、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして、真空中で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、120g、酢酸エチル/n-ヘプタンで溶離、勾配 0:100~5:95)によって粗生成物を精製して、黄色の油状物として標題化合物(1.294g、69%)を与えた。MS (ES+) m/z 390.0, 392.0, 394.0 [M+H, Br & 2 Cl isotopes].
工程3:5-ブロモ-2-クロロ-N4-(4-フルオロフェニル)-N6-メチル-N4-(2-メチルアリル)ピリミジン-4,6-ジアミン
5-ブロモ-2,6-ジクロロ-N-(4-フルオロフェニル)-N-(2-メチルアリル)ピリミジン-4-アミン(0.830g、1.91mmol)をテトラヒドロフラン(1.9mL)に溶解させ、そして、テトラヒドロフラン中のメチルアミン溶液(2.0M、3.8mL、7.6mmol)を滴加した。混合物を室温で18時間撹拌した。その後、水(10mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(2×90mL)で抽出し、有機層をブライン(50mL)で洗浄し、合わせ、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして、真空中で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、酢酸エチル/n-ヘプタンで溶離、勾配 0:100~5:95)によって粗生成物を精製して、オフホワイトの固形物として標題化合物(396mg、51%)を与えた。MS (ES+) m/z 385.0, 387.0, 389.0 [M+H, Br & Cl isotopes].
工程4:2-クロロ-7-(4-フルオロフェニル)-N,5,5-トリメチル-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン
5-ブロモ-2-クロロ-N4-(4-フルオロフェニル)-N6-メチル-N4-(2-メチルアリル)ピリミジン-4,6-ジアミン(390mg、1.01mmol)、ギ酸ナトリウム(73mg、1.07mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド(287mg、1.03mmol)、及び酢酸パラジウム(II)(52mg、0.232mmol)を、アルゴン下で、25mL丸底フラスコに仕込んだ。ジメチルホルムアミド(3.2mL)、続いて、トリエチルアミン(261mg、2.58mmol)を添加し、そして、フラスコを慎重に排気し、そして、アルゴンを充填し直した。得られた混合物を80℃で18時間撹拌した。冷却後、水(5mL)を添加し、混合物をメチルtertブチルエーテル(2×60mL)で抽出し、有機層を水(3×10mL)及びブライン(1×10mL)で洗浄し、合わせ、乾燥させ(硫酸ナトリウム)、そして、真空中で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、25g、酢酸エチル/n-ヘプタンで溶離、勾配 0:100~20:80)によって粗生成物を精製して、黄色の固形物として標題化合物(259mg、83%)を与えた。MS (ES+) m/z 307.1, 309.1 [M+H, Cl isotopes].
1.2.2)2b型の中間体(スキーム3に従う)
Figure 0007335242000033
中間体2b-1:2-クロロ-7-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-4-アミン
Figure 0007335242000034

国際公開第2011/014535号に記載のとおり、この中間体を調製した。
中間体2b-2:2-クロロ-7-(3-フルオロフェニル)-N-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-4-アミン
Figure 0007335242000035

中間体2b-1の調製と同様に、2-(3-フルオロフェニル)シクロペンタノンから、白色の固形物として標題化合物2b-2を調製した。MS (ES+) m/z 278.09 [M+H].
1.2.3)2c型の中間体(スキーム4に従う)
Figure 0007335242000036
中間体2c-1:2-クロロ-7-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 0007335242000037
工程1:2,4,6-トリクロロ-5-(2-クロロエチル)ピリミジン
2-オキソテトラヒドロフラン-3-カルボン酸メチル(5.20g、36.1mmol)をエタノール(40mL)に溶解させ、そして、尿素(2.17g、36.1mmol)を添加し、続いて、エタノール中のナトリウムエトキシド溶液(21%m/m、24.3g、28mL、75mmol)を添加した。得られた懸濁液を75℃で18時間撹拌した。その後、それを室温まで冷却し、そして、真空中で濃縮した。明褐色の固形物である残渣(8.87g)を、予め冷却(0~5℃、氷浴)しておいたオキシ塩化リン(57.6g、35mL)に少しずつ慎重に添加した。強い発煙が観察された。その後、N,N-ジメチルアニリン(5.74g、47.3mmol)を添加し、そして、反応混合物を100℃で18時間撹拌した。次いで、それを室温まで冷却し、氷水(480g)に注ぎ、そして、氷が溶けるまで、1時間撹拌した。形成された沈殿物を濾別し、水で洗浄し、そして、真空中で乾燥させて、暗褐色の固形物として標題化合物(3.8g、43%)を与え、これを更に精製することなく次の工程で使用した。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz): δ 3.31 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 3.86 (t, J=7.2 Hz, 2 H).
工程2:2,4-ジクロロ-7-(4-フルオロフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
2,4,6-トリクロロ-5-(2-クロロエチル)ピリミジン(1.84g、7.48mmol)をアセトニトリル(40mL)に溶解させ、そして、4-フルオロアニリン(833mg、7.5mmol)、続いて、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.0g、2.7mL、15.5mmol)を滴加した。混合物を室温で7時間、そして、50℃で18時間撹拌した。次いで、それを真空中で濃縮し、そして、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、80g、ジクロロメタン/n-ヘプタンで溶離、勾配 0:100~80:20)によって得られた粗生成物を直接精製して黄色の固形物を与え、これを更に、酢酸エチル/n-ヘプタンの混合物(1:4、v/v)でトリチュレートして、濾過及び真空中で乾燥させた後にオフホワイトの固形物として標題化合物(893mg、42%)を与えた。1H NMR (CDCl3, 300 MHz): δ 3.19 (dd, J=8.3, 9.1 Hz, 2 H), 4.20 (dd, J=8.3, 9.1 Hz, 2 H), 7.12 (dd, J=8.1, 9.3 Hz, 2 H), 7.67 (dd, J=4.6, 9.3 Hz, 2 H). MS (ES+) m/z 284.1, 286.0 [M+H, 2 Cl isotopes].
工程3:2-クロロ-7-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン
密閉バイアル内の2,4-ジクロロ-7-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(1.90g、5.94mmol、当量:1)及び~8M メチルアミン(エタノール中(11.1mL、89mmol、当量:15))の溶液を、100℃で20分間、マイクロ波中で加熱した。室温まで冷却した後、得られた沈殿物を濾過によって回収し、そして、冷エタノール、次いで、EtOで洗浄し、そして、真空下で乾燥させた。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/n-ヘプタンで溶離、勾配 30:70~100)によって2つの位置異性体を分離して、オフホワイトの固形物として標題化合物(162mg、8%)を与えた。MS (ES+) m/z 279.08 [M+H].
中間体2c-2:2-クロロ-7-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-メチル-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 0007335242000038

中間体2c-1の調製と同様に、3,5-ジフルオロアニリンを使用して、白色の固形物として標題化合物を調製した。MS (ES+) m/z 297.07 [M+H].
中間体2c-3:2-クロロ-7-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-メチル-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 0007335242000039
中間体2c-1の調製と同様に、2,4-ジフルオロアニリンを使用して、白色の固形物として標題化合物を調製した。MS (ES+) m/z 297.2 [M+H].
中間体2c-4:2-クロロ-7-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-メチル-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 0007335242000040

中間体2c-1の調製と同様に、3-クロロ-5-フルオロ-アニリンを使用して、白色の固形物として標題化合物を調製した。MS (ES+) m/z 313.2, 315.2 [M+H, Cl isotopes].
中間体2c-5:2-クロロ-N-メチル-7-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 0007335242000041

中間体2c-1の調製と同様に、2,3,4-トリフルオロアニリンを使用して、白色の固形物として標題化合物を調製した。MS (ES+) m/z 315.19 [M+H].
中間体2c-6:2-クロロ-7-(2-フルオロフェニル)-N-メチル-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 0007335242000042

中間体2c-1の調製と同様に、2-フルオロアニリンを使用して、白色の固形物として標題化合物を調製した。MS (ES+) m/z 279.2 [M+H].
中間体2c-7:2-クロロ-7-(2,3-ジフルオロフェニル)-N-メチル-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン
Figure 0007335242000043

中間体2c-1の調製と同様に、2,3-ジフルオロアニリンを使用して、白色の固形物として標題化合物を調製した。MS (ES+) m/z 297.2 [M+H].
1.2.4)3型の中間体
中間体3-1:3-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン
Figure 0007335242000044
工程1:3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸メチル
3-アミノビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸メチル塩酸塩(1.05g、5.91mmol)、無水Boc(1.42g、1.51mL、6.5mmol)、及びiPrNEt(3.82g、5.16mL、29.6mmol)をTHF(30mL)中で合わせて、淡橙色の懸濁液を生成した。反応物を室温で4時間撹拌し、真空下で濃縮し、EtOAc(50mL)に再溶解させ、そして、飽和NaHCO水溶液(25mL)で、次いで、3%クエン酸溶液(25mL)で、次いで、ブライン(25mL)で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、そして、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc)によって残渣を精製して、白色の固形物として標題化合物(1.20g、84%)を与えた。MS (ES+) m/z 186.1 [M-tBu)].
工程2 N-[3-(ヒドラジンカルボニル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]カルバミン酸:tert-ブチル
ヒドラジン水和物(HO中 80%、2.6g、2.53mL、41.5mmol)を、MeOH(5mL)中の3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-カルボン酸メチル(0.77g、3.19mmol)に添加して、白色の懸濁液を与え、これは、80℃で加熱すると淡黄色の溶液になった。15分間後、反応混合物を室温まで冷却し、真空下で濃縮し、そして、高真空下で一晩乾燥させて、標題生成物(0.77g)を与え、これを更に精製することなく次の工程で使用した。MS (ES+) m/z 242.2 [M+H].
工程3:N-[3-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]カルバミン酸tert-ブチル
N-[3-(ヒドラジンカルボニル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]カルバミン酸tert-ブチル(0.77g、3.19mmol)をEtOAc(14mL)に懸濁させた。酢酸(230mg、0.219mL、3.83mmol)、EtN(1.29g、1.78mL、12.8mmol)、及び無水プロピルホスホン酸溶液(EtOAc中 50重量%、5.08g、4.75mL、7.98mmol)を、撹拌しながら溶液に添加し、淡黄色の溶液を形成した(発熱反応)。反応物を100℃で15分間、次いで、140℃で30分間、マイクロ波中で加熱した。室温まで冷却した後、混合物を真空下で濃縮し、EtOAc(40mL)に再溶解させ、そして、水(10mL)で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、そして、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc)によって、オフホワイトの固形物として標題化合物(0.73g、87%)を与えた。MS (ES+) m/z 266.2 [M+H].
工程4:3-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン
トリフルオロ酢酸(6.34g、4.29mL、55.6mL)を、CHCl(20mL)中のN-[3-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]カルバミン酸tert-ブチル(0.73g、2.78mmol)に室温で添加した。1時間後、揮発物を真空下で除去し、そして、残渣をCHClに再溶解させた。有機相をNaHCOの飽和溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、そして、高真空下で乾燥させて、白色の固形物として標題化合物(0.36g、79%)を与えた。MS (ES+) m/z 166.1 [M+H].
中間体3-2:3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン
Figure 0007335242000045
工程1:N-[3-(アセトニルアミノ)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]カルバミン酸tert-ブチル
ヨウ化カリウム(0.15g、0.92mmol)及び炭酸セシウム(1.50g、4.61mmol)を、DMF(20mL)中のN-(3-アミノ-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル)カルバミン酸tert-ブチル(0.96g、4.61mmol)溶液に添加した。混合物を0℃まで冷却し、そして、DMF(5mL)中の1-クロロプロパン-2-オン(0.49g、5.07mmol)溶液を添加した。温度を室温まで上昇させながら、撹拌を一晩継続した。混合物を濾過し、そして、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(TBME中 1%~10%MeOH)によって、明褐色の泡状物として標題化合物(0.68g、58%)を与えた。MS (ES+) m/z 255.2 [M+H].
工程2:N-[3-[アセトニル(ホルミル)アミノ]-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]カルバミン酸tert-ブチル
無水酢酸(1.01g、0.93mL、9.88mmol)をギ酸(1.79g、1.50mL、39mmol)に添加し、そして、1時間撹拌した。THF(12mL)中のN-[3-(アセトニルアミノ)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]カルバミン酸tert-ブチル(0.66g、2.60mmol)の溶液を添加した。得られた濃い色の溶液を30分間撹拌し、次いで、HO(30mL)に注ぎ入れた。EtOAc(50mL)を添加し、そして、二相混合物を撹拌し、そして、NaHCOを少しずつ添加することによってpHを8~9に調整した。次いで、有機相を分離し、NaSOで乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘプタン中 30%~100%EtOAc)によって、褐色の泡状物として標題化合物(0.33g、45%)を与えた。MS (ES+) m/z 283.1 [M+H].
工程3:N-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]カルバミン酸tert-ブチル
酢酸(4mL)中のN-[3-[アセトニル(ホルミル)アミノ]-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]カルバミン酸tert-ブチル(0.33g、1.17mmol)の溶液に、酢酸アンモニウム(0.45g、5.84mmol)を添加した。反応混合物を100℃で10時間加熱した後、第2の部分の酢酸アンモニウム(0.45g、5.84mmol)を添加し、そして、更に4時間撹拌を継続した。真空下で揮発物を除去し、そして、カラムクロマトグラフィー(TBME中 3%~50% 2N NH/MeOH)によって、オフホワイトの固形物として標題生成物(0.096g、31%)を与え、これを次の工程でそのまま使用した。
工程4:3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン
CHCl(2mL)中のN-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]カルバミン酸tert-ブチル(0.096g、0.365mmol)の溶液に、TFA(0.88g、0.60mL、7.78mmol)を添加し、そして、混合物を室温で一晩撹拌した。真空下で揮発物を除去し、残渣をMeOH(2mL)及びNHOH水溶液(25%、0.5mL)に再溶解させ、続いて、珪藻土材料isolute HM-N(3g)を添加した。混合物を濃縮し、そして、カラムクロマトグラフィー(CHCl中 2%~15% 2N NH/MeOH)によって、粘稠な無色の油状物として標題生成物(0.032g、16%)を与えた。MS (ES+) m/z 164.1 [M+H].
中間体3-3:4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-アミン塩酸塩
Figure 0007335242000046
工程1:N-[4-(アセトニルアミノ)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]カルバミン酸tert-ブチル
ヨウ化カリウム(0.13g、0.78mmol)及び炭酸セシウム(3.82g、11.7mmol)を、DMF(6mL)中のN-(4-アミノ-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル)カルバミン酸tert-ブチル(0.94g、3.91mmol)溶液に添加した。混合物を0℃まで冷却し、そして、DMF(5mL)中の1-クロロプロパン-2-オン(0.90g、9.78mmol)溶液を添加した。40℃で2時間撹拌を継続した。混合物を濾過し、そして、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(CHCl中 0%~7% 2N NH/MeOH)によって、明橙色の固形物として標題化合物(0.32g、27%)を与えた。MS (ES+) m/z 297.2 [M+H].
工程2:N-[4-[アセトニル(ホルミル)アミノ]-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]カルバミン酸tert-ブチル
無水酢酸(0.42g、0.39mL、4.1mmol)をギ酸(0.74g、0.63mL、16.2mmol)に添加し、そして、1時間撹拌した。THF(8mL)中のN-[4-(アセトニルアミノ)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]カルバミン酸tert-ブチル(0.32g、1.08mmol)の溶液を添加した。得られた濃い色の溶液を30分間撹拌し、次いで、HO(30mL)に注ぎ入れた。EtOAc(50mL)を添加し、そして、二相混合物を撹拌し、そして、NaHCOを少しずつ添加することによってpHを8~9に調整した。次いで、有機相を分離し、NaSOで乾燥させ、そして、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘプタン中 30%~100%EtOAc)によって、褐色の泡状物として標題化合物(0.29g、82%)を与えた。MS (ES+) m/z 325.2 [M+H].
工程3:N-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]カルバミン酸tert-ブチル
酢酸(4mL)中のN-[4-[アセトニル(ホルミル)アミノ]-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]カルバミン酸tert-ブチル(0.29g、0.89mmol)の溶液に、酢酸アンモニウム(0.34g、4.47mmol)を添加した。反応混合物を100℃で一晩加熱し、そして、第2の部分の酢酸アンモニウム(0.14g、1.82mmol)を添加し、そして、更に14時間撹拌を継続した。真空下で揮発物を除去し、そして、カラムクロマトグラフィー(TBME中 0%~10% 2N NH/MeOH)によって、オフホワイトの固形物として標題生成物(0.072g、26%)を与えた。MS (ES+) m/z 306.2 [M+H].
工程4:4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-アミン.塩酸塩
アセトン(4mL)中のN-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]カルバミン酸tert-ブチル(0.072g、0.237mmol)の懸濁液に、HCl水溶液(0.20mL、2.13mmol)を添加して、淡黄色の溶液を得た。混合物を更に5時間撹拌し、そして、固形物を回収し、そして、真空下で乾燥させて、白色の固形物として標題生成物(0.054g、95%)を与えた。MS (ES+) m/z 206.2 [M+H].
1.3)一般手順1:スキーム1に従うブッフバルトカップリング反応
中間体のNMP溶液に、中間体(1.1当量)を添加した。反応混合物を脱気し、そして、パラジウム触媒[2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニルCAS564483-19-8の存在下におけるジブロモ-ビス-(トリtert.-ブチル)-ホスホスフィン-パラジウム(0.1当量、CAS185812-86-6)又はトリ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)CAS51364-51-3のいずれか]又は2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル)及び炭酸セシウム(1.5当量)を添加した。反応が完了するまで(通常、2~8時間)、反応混合物を100℃(マイクロ波又は油浴内)で加熱し、そして、真空下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー又は逆相分取HPLCのいずれかによって精製を実施して、所望の生成物を与えた。
実施例1
7-(4-フルオロフェニル)-N4,5,5-トリメチル-N2-[3-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン
Figure 0007335242000047

一般カップリング手順1を使用して、2-クロロ-7-(4-フルオロフェニル)-N,5,5-トリメチル-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2a-1)及び3-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン(3-1)から、白色の固形物として標題化合物(123mg)を調製した。MS (ES+) m/z: 436.3 [(M+H)+].
実施例2
7-(4-フルオロフェニル)-N4,5,5-トリメチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン
Figure 0007335242000048
一般カップリング手順1を使用して、2-クロロ-7-(4-フルオロフェニル)-N,5,5-トリメチル-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2a-1)及び3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン(3-2)から、明褐色の固形物として標題化合物(25mg)を調製した。MS (ES+) m/z: 434.2 [(M+H)+].
実施例3
7-(4-フルオロフェニル)-N4,5,5-トリメチル-N2-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン
Figure 0007335242000049

一般カップリング手順1を使用して、2-クロロ-7-(4-フルオロフェニル)-N,5,5-トリメチル-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2a-1)及び4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-アミン.塩酸塩(3-3)から、白色の固形物として標題化合物(59mg)を調製した。MS (ES+) m/z: 476.4 [(M+H)+].
実施例4及び5
(7R)-7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン
及び
(7S)-7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン
Figure 0007335242000050

一般カップリング手順1を使用して、2-クロロ-7-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-4-アミン(2b-1)及び3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン(3-2)から、ラセミの7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン化合物(41mg)を調製した。次いで、これをキラルHPLC分離に供して、両鏡像異性体:白色の固形物として(7R)-7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン(10mg)(MS (ES+) m/z: 405.3 [(M+H)+])、そして、白色の固形物として(7S)-7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン(11mg)(MS (ES+) m/z: 405.3 [(M+H)+])を与えた。
実施例6及び7
(7R)-7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン
及び
(7S)-7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン
Figure 0007335242000051

一般カップリング手順1を使用して、2-クロロ-7-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-4-アミン(2b-1)及び4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-アミン.塩酸塩(3-3)から、ラセミの7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン化合物(19mg)を調製した。次いで、これをキラルHPLC分離に供して、両鏡像異性体:白色の固形物として(7R)-7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン(5.3mg)(MS (ES+) m/z: 447.3 [(M+H)+])、そして、白色の固形物として(7S)-7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン(5.1mg)(MS (ES+) m/z: 447.3 [(M+H)+])を与えた。
実施例8及び9
(7R)-7-(3-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン
及び
(7S)-7-(3-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン
Figure 0007335242000052

一般カップリング手順1を使用して、2-クロロ-7-(3-フルオロフェニル)-N-メチル-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-4-アミン(2b-2)及び3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン(3-2)から、ラセミの7-(3-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン化合物(55mg)を調製した。次いで、これをキラルHPLC分離に供して、両鏡像異性体:白色の固形物として(7R)-7-(3-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン(17mg)(MS (ES+) m/z: 405.3 [(M+H)+])、そして、白色の固形物として(7S)-7-(3-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン(16mg)(MS (ES+) m/z: 405.3 [(M+H)+])を与えた。
実施例10
7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン
Figure 0007335242000053

一般カップリング手順1を使用して、2-クロロ-7-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2c-1)及び3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン(3-2)から、白色の固形物として標題化合物(5mg)を調製した。MS (ES+) m/z: 406.3 [(M+H)+].
実施例11
7-(3,5-ジフルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン
Figure 0007335242000054

一般カップリング手順1を使用して、2-クロロ-7-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-メチル-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2c-2)及び3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン(3-2)から、白色の固形物として標題化合物(17mg)を調製した。MS (ES+) m/z: 424.4 [(M+H)+].
実施例12
7-(2,4-ジフルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン
Figure 0007335242000055

一般カップリング手順1を使用して、2-クロロ-7-(2,4-ジフルオロフェニル)-N-メチル-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2c-3)及び3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン(3-2)から、白色の固形物として標題化合物(5mg)を調製した。MS (ES+) m/z: 424.3 [(M+H)+].
実施例13
7-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン
Figure 0007335242000056

一般カップリング手順1を使用して、2-クロロ-7-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N-メチル-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2c-4)及び3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン(3-2)から、白色の固形物として標題化合物(10mg)を調製した。MS (ES+) m/z: 440.3 [(M+H)+].
実施例14
7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン
Figure 0007335242000057

一般カップリング手順1を使用して、2-クロロ-7-(4-フルオロフェニル)-N-メチル-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2c-1)及び4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-アミン.塩酸塩(3-3)から、白色の固形物として標題化合物(3mg)を調製した。MS (ES+) m/z: 448.4 [(M+H)+].
実施例15
N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-7-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン
Figure 0007335242000058

一般カップリング手順1を使用して、2-クロロ-N-メチル-7-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2c-5)及び3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン(3-2)から、白色の固形物として標題化合物(20mg)を調製した。MS (ES+) m/z: 442.4 [(M+H)+].
実施例16
7-(2-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン
Figure 0007335242000059

一般カップリング手順1を使用して、2-クロロ-7-(2-フルオロフェニル)-N-メチル-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2c-6)及び3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン(3-2)から、白色の固形物として標題化合物(35mg)を調製した。MS (ES+) m/z: 406.4 [(M+H)+].
実施例17
7-(2,3-ジフルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン
Figure 0007335242000060

一般カップリング手順1を使用して、2-クロロ-7-(2,3-ジフルオロフェニル)-N-メチル-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(2c-7)及び3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)ビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-アミン(3-2)から、白色の固形物として標題化合物(24mg)を調製した。MS (ES+) m/z: 424.3 [(M+H)+].
2)生物学的実施例
2.1)アッセイ手順:細胞γ-セクレターゼアッセイ
下記試験に従って化合物について調べた。
Swedish二重突然変異(K595N/M596L)を有するヒトAPP695を過剰発現しているヒト神経膠腫H4細胞を、96ウェルプレート内のIMDM培地(10%FCS、0.2mg/L ハイグロマイシンBを含有)中に30,000細胞/ウェル/100μLでプレーティングし、そして、37℃、5%COでインキュベートした。
プレーティングの3~4時間後、化合物を培地で希釈し、そして、1.5倍濃縮物として50μLを添加して最終濃度にする。化合物を24時間インキュベートする。最終用量は、典型的には、1/2対数ずつ(half-log steps)4μM~0.0013μMに及び、その結果、8点用量応答曲線が得られる。
ビヒクルのみ及び参照化合物を使用する適切な対照をこのアッセイに適用した。MeSOの最終濃度は0.4%であった。
37℃、5%COでインキュベートした後、AlphaLisa(登録商標)アッセイキット(Human Amyloid beta 1-42 Kit、Perkin Elmer Inc.)を用いて、上清を、分泌されたAβ42の定量に供した。細胞培養上清 20μLをアッセイプレートに移した。次いで、AlphaLisa(登録商標)カップリング捕捉抗体及びビオチン化検出抗体の混合物 10μLを添加し、そして、アッセイプレートを穏やかに振盪しながら室温で3時間インキュベートした。ドナービーズ 20μLを更に添加した後、アッセイプレートを直接光に曝露することなく常に振盪しながら、室温で30分間インキュベートした。次いで、励起680nm及び発光570nmで、内臓プログラムを使用して、Paradigm AlphaLisa(登録商標)リーダーでアッセイプレートを読み取った。
次いで、測定されたシグナルを使用して、XLfit 5.3ソフトウェア(IDBS Ltd製)を使用した非線形回帰当てはめ分析によって、Aβ42分泌の阻害についてのIC50値を計算した。
2.2)結果
以下の表は、Aβ42分泌の阻害についての全ての化合物のデータを示す:
Figure 0007335242000061

Claims (15)

  1. 式(I)で示される化合物
    Figure 0007335242000062

    (式中、
    各Rは、独立して、水素及びハロゲンから選択され;
    nは、1、2、又は3であり;
    は、水素又はメチルであり;
    は、
    Figure 0007335242000063

    から選択される5員ヘテロアリール基であり;
    Figure 0007335242000064

    は、
    Figure 0007335242000065

    から選択される二置換ビシクロ[1,1,1]ペンタン又は二置換ビシクロ[2,2,2]オクタンであり;
    Xは、窒素又は炭素である)、
    又はその薬学的に許容し得る塩。
  2. 式(I-a)で示される化合物:
    Figure 0007335242000066

    (式中、
    各Rは、独立して、水素及びハロゲンから選択され;
    nは、1、2、又は3であり;
    は、水素又はメチルであり;
    は、
    Figure 0007335242000067

    から選択される5員ヘテロアリール基である)
    である、請求項1記載の式(I)で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  3. 7-(4-フルオロフェニル)-N4,5,5-トリメチル-N2-[3-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    7-(4-フルオロフェニル)-N4,5,5-トリメチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    7-(3,5-ジフルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    7-(2,4-ジフルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    7-(3-クロロ-5-フルオロ-フェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-7-(2,3,4-トリフルオロフェニル)-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    7-(2-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    7-(2,3-ジフルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    から選択される、請求項2記載の式(I)で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  4. 式(I-b)で示される化合物:
    Figure 0007335242000068

    (式中、
    各Rは、独立して、水素及びハロゲンから選択され;
    nは、1、2、又は3であり;
    は、水素又はメチルであり;
    は、
    Figure 0007335242000069

    から選択される5員ヘテロアリール基である)
    である、請求項1記載の式(I)で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  5. (7R)-7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    (7S)-7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    (7R)-7-(3-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    (7S)-7-(3-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[3-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[1.1.1]ペンタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    から選択される、請求項4記載の式(I)で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  6. 式(I-c)で示される化合物:
    Figure 0007335242000070

    (式中、
    各Rは、独立して、水素及びハロゲンから選択され;
    nは、1、2、又は3であり;
    は、水素又はメチルであり;
    は、
    Figure 0007335242000071

    から選択される5員ヘテロアリール基である)
    である、請求項1記載の式(I)で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  7. 7-(4-フルオロフェニル)-N4,5,5-トリメチル-N2-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]-6H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]-5,6-ジヒドロピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    から選択される、請求項6記載の式(I)で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  8. 式(I-d)で示される化合物:
    Figure 0007335242000072

    (式中、
    各Rは、独立して、水素及びハロゲンから選択され;
    nは、1、2、又は3であり;
    は、水素又はメチルであり;
    は、
    Figure 0007335242000073

    から選択される5員ヘテロアリール基である)
    である、請求項1記載の式(I)で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  9. (7R)-7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    (7S)-7-(4-フルオロフェニル)-N4-メチル-N2-[4-(4-メチルイミダゾール-1-イル)-1-ビシクロ[2.2.2]オクタニル]-6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[d]ピリミジン-2,4-ジアミン;
    から選択される、請求項8記載の式(I)で示される化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  10. 請求項1~9のいずれか一項記載の式(I)で示される化合物を調製するためのプロセスであって、式2で示される化合物
    Figure 0007335242000074

    を式3で示される化合物
    Figure 0007335242000075

    と反応させて、前記式(I)で示される化合物
    Figure 0007335242000076

    (式中、R、R、R、n、
    Figure 0007335242000077

    及びXは、請求項1に定義されるとおりである)
    を形成し、そして、必要に応じて、得られた化合物をその薬学的に許容し得る塩に変換することを含む、プロセス。
  11. 請求項1~9のいずれか一項記載の1つ以上の化合物と、薬学的に許容し得る賦形剤とを含む医薬。
  12. アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症、又はダウン症候群を処置するための、請求項11記載の医薬。
  13. アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症、又はダウン症候群を処置するための医薬を製造するための、請求項1~9のいずれか一項記載の化合物の使用。
  14. 治療的活性物質として使用するための、請求項1~9のいずれか一項記載の化合物。
  15. アルツハイマー病、脳アミロイド血管症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、多発脳梗塞性認知症、拳闘家認知症、又はダウン症候群の処置において使用するための、請求項1~9のいずれか一項記載の化合物。
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