JP2015520220A - シクロアルキルエーテル化合物およびbace阻害物質としてのその使用 - Google Patents

シクロアルキルエーテル化合物およびbace阻害物質としてのその使用 Download PDF

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Abstract

シクロアルキルエーテル化合物、治療上許容されるその塩、それを製造するためのプロセス、ダウン症候群、β−アミロイド血管障害、アルツハイマー病、物忘れ、アルツハイマー病に関連する注意欠陥症状、アルツハイマー病などの疾患に関連する神経変性、または、混合血管および変性起源の認知症、初老期認知症、老年認知症、およびパーキンソン病に関連する認知症を含めた認知症、進行性核上性麻痺、または皮質基底変性症などのAβ関連の病態を処置するためのこれらの化合物の治療的使用、ならびにこのような化合物を含有する医薬組成物。Aが−O−または−CH2−であり、nが0または1である、式(I)。【化1】

Description

本発明は、シクロアルキルエーテル化合物および治療上許容されるその塩、これらの医薬組成物、これらを作成するためのプロセス、ならびに様々な疾患を処置および/または防止するための医薬としてのこれらの使用に関する。特に、本発明は、β−セクレターゼの阻害物質であり、それゆえアミロイドβ(Aβ)ペプチドの形成を阻害し、アルツハイマー病、ダウン症候群、およびβ−アミロイド血管障害などのAβ関連の病態、例えば、それだけには限定されないが、脳アミロイド血管障害、遺伝性脳出血、認知障害に関連する障害、例えば、それだけには限定されないが、MCI(「軽度認知障害」)、アルツハイマー病、物忘れ(memory loss)、アルツハイマー病に関連する注意欠陥症状、アルツハイマー病などの疾患に関連する神経変性、または混合血管起源および変性起源の認知症、初老期認知症、老年認知症(senile dementia)、およびパーキンソン病に関連する認知症を含めた認知症、進行性核上性麻痺、または皮質基底変性症の処置および/または防止に用いられる化合物に関する。
アルツハイマー病(AD)を鑑別する主な神経病理学的事象は、脳実質および脳血管における40〜42残基のアミロイドβ−ペプチド(Aβ)の沈着である。多くの遺伝的、生化学的、およびin vivoのデータが、最終的にADをまねく病理学的カスケードにおいて、Aβに対する中心的な役割を支持している。患者は通常、60代または70代で早期症状(通常は物忘れ)を表す。疾患は、認知症の増大およびAβの沈着の上昇とともに進行する。並行して、過剰リン酸化型の微小管結合タウタンパク質がニューロン内に蓄積し、ニューロンの機能に対して有害作用のある多血症をもたらす。Aβとタウとの病態間の時間的関係に関して主流となっている作業仮説には、疾患のヒトおよび動物モデルではAβが沈着した後にタウが凝集すると述べられている。この文脈内では、この病態学的機能を媒介するAβの正確な分子上の性質が、現在、熱烈に研究にされている問題であることに注目する価値がある。低次元のAβオリゴマーからAβ原線維などの超分子アセンブリーの範囲の、毒性種の連続体が存在する可能性が濃厚である。
Aβペプチドは、ヒト組織において遍在性に発現されるタンパク質である、I型タンパク質APP(Aβアミロイド前駆体タンパク質)の不可欠なフラグメントである。可溶性のAβは血漿および脳脊髄液(CSF)の両方において、ならびに培養細胞からの培地において見出すことができることから、APPはタンパク質分解を受けなければならない。ADの病態に関連するAPPには、いわゆるα−、β−、およびγ−切断の、主な切断が3つ存在する。α−切断は、APPのAβドメインのほぼ中央で生じ、メタロプロテアーゼADAM10またはADAM17(後者はTACEとしても知られている)により実行される。β−切断は、AβのN末端で生じ、膜貫通型アスパルチルプロテアーゼβ部位APP切断酵素1(BACE1)により産生される。γ−切断は、AβのC末端を産生し、引き続きペプチドを放出し、γ−セクレターゼと命名されるマルチサブユニットのアスパルチルプロテアーゼによって行われる。ADAM10/17切断とその後のγ−セクレターゼ切断により、ヒトにおいてアミロイド沈着を形成することができないN末端が切断されたAβフラグメントである、可溶性p3ペプチドの放出が引き起こされる。このタンパク分解性の経路は、非アミロイド産生性経路と通常呼ばれる。BACE1およびγ−セクレターゼによる連続的な切断によりインタクトなAβペプチドが産生され、それゆえこのプロセシングスキームはアミロイド産生性経路と呼ばれている。この知識があれば、Aβ生成を低下させる2つの可能な手段:非アミロイド産生性プロセシングの刺激、またはアミロイド産生性プロセシングの阻害もしくは変調を想像するのが可能である。本出願は、後者の戦略である、アミロイド産生性プロセシングの阻害または変調に注目するものである。
アミロイド産生性プラークおよび血管のアミロイド血管障害も、トリソミー21(ダウン症候群)、ダッチ型のアミロイドーシスを有する遺伝性脳出血(Hereditary Cerebral Hemorrhage with Amyloidosis of the Dutch−type)(HCHWA−D)、および他の神経変性障害を有する患者の脳を特徴付けるものである。認知症誘発性障害を含めた他の神経変性障害では、神経原線維変化も生じる(非特許文献1)。β−アミロイド沈着物は、優勢的にAβペプチドの凝集であり、次にこのAβペプチドはアミロイド前駆体タンパク質(APP)のタンパク質分解の生成物である。より具体的には、Aβペプチドは、1つまたはそれ以上のγ−セクレターゼによるC末端の、およびβ−セクレターゼ酵素(BACE)によるN末端のAPPの切断に起因し、BACEは、β−アミロイド産生性経路の一部としてアスパルチルプロテアーゼすなわちAsp2またはベータ部位APP切断酵素(BACE)としても知られている。
BACE活性は、APPからのAβペプチドの産生に直接相関し(非特許文献2)、試験により、BACEの阻害によりAβペプチドの生成が阻害されることがますます指摘される(非特許文献3)。BACEは、部分的に活性なプロ酵素として合成され、脳組織において豊富に発現される膜結合性1型タンパク質(membrane bound type 1 protein)である。これは主なβ−セクレターゼ活性を表すと考えられており、アミロイドβ−ペプチド(Aβ)の生成における律速段階と考えられている。
したがって、BACE活性を低減または遮断する薬物は、脳における、またはAβもしくはそのフラグメントが沈着する他所の、AβレベルおよびAβのフラグメントのレベルを低減しなければならず、ゆえにアミロイドプラークの形成、およびAβまたはそのフラグメントの沈着を伴うADまたは他の病弊の進行を遅らせなければならない。BACEはしたがって、ダウン症候群、β−アミロイド血管障害などのAβ関連の病態、例えば、それだけには限定されないが、脳アミロイド血管障害、または遺伝性脳出血、認知障害に関連する障害、例えば、それだけには限定されないが、MCI(「軽度認知障害」)、アルツハイマー病、物忘れ、アルツハイマー病に関連する注意欠陥症状、アルツハイマー病などの疾患に関連する神経変性、または混合血管および変性起源の認知症、初老期認知症、老年認知症、およびパーキンソン病に関連する認知症を含めた認知症、進行性核上性麻痺、または皮質基底変性症の処置および/または予防としての薬物を開発するための重要な候補である。
Varghese,J.ら、Journal of Medicinal Chemistry、2003年、46巻、4625〜4630頁 Sinhaら、Nature、1999年、402巻、537〜540頁 Roberds,S.L.ら、Human Molecular Genetics、2001年、10巻、1317〜1324頁
したがって、本明細書に提供する化合物などの阻害物質によりBACEを阻害することにより、Aβおよびその部分の沈着を阻害することは有用である。
Aβの沈着を阻害する治療上の可能性は、セクレターゼ酵素を単離および特徴づけし、これらの潜在的な阻害物質を同定するように多くのグループを動機付けているものである。
本発明は、遊離塩基または薬学的に許容されるその塩としての式(I)による化合物を対象とする:
Figure 2015520220
[式中、
Aは、−O−または−CH−であり;
nは、0または1であり;
は、C1〜6アルキルまたはC1〜6ハロアルキルであり;
は、C1〜6アルキル、またはC1〜6ハロアルキルであり、前記C1〜6アルキル、またはC1〜6ハロアルキルは、C3〜6シクロアルキルまたはC3〜6ハロシクロアルキルから独立に選択される1個から3個の基で置換されており;
およびRは、独立に、水素、ヘテロシクリル、C3〜6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはC1〜6アルキルであり、前記ヘテロシクリル、C3〜6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはC1〜6アルキルは、ハロゲン、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シアノ、もしくはORから独立に選択される1個もしくは2個の置換基で場合により置換されており;
またはRおよびRは、これらが結合している炭素と一緒になって3〜14員シクロアルキルもしくはヘテロシクリル単環式環、もしくは9〜14員二環式シクロアルキル、もしくはヘテロシクリル環である環Bを形成し;環Bは、オキソ、ハロゲン、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シアノ、またはORから独立に選択される1個または2個の置換基により場合により置換されており;
は、独立に、水素、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、またはC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキルであり;
は、水素、ハロゲン、またはメチルである。
特定の一実施形態において、本発明は、
(1r,4r)−4−メトキシ−5’’−メチル−6’−[(1−メチルシクロプロピル)メトキシ]−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン;
(1r,4r)−6’−[(3,3−ジフルオロシクロブチル)メトキシ]−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン;
(1r,4r)−6’−(シクロプロピルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン;
(1r,1’R,4R)−6’−(シクロプロピルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン;
(1r,1’S,4S)−6’−(シクロプロピルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン;
(1r,4r)−6’−[(2,2−ジフルオロシクロプロピル)メトキシ]−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン;
(1r,4r)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン;
(1r,1’R,4R)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン;
(1r,1’S,4S)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン、および
(1r,4r)−6’−(2−シクロプロピルエトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン
からなる群から選択される、式Iの化合物、または任意の前述の化合物の薬学的な塩を対象とする。
本発明は、本発明による化合物、およびその塩の使用に関する。医薬組成物において用いるための塩は薬学的に許容される塩であるが、他の塩も、本発明による化合物の生成において有用であり得る。
本発明による化合物は、ヒトまたは動物の身体中で分解されて本発明による化合物を生じるプロドラッグの形態において投与することができる。プロドラッグの例には、in vivoで加水分解性の、本発明による化合物のエステルが含まれる。カルボキシ基またはヒドロキシ基を含有している、in vivoで加水分解性の(または切断性の)本発明による化合物のエステルは、例えば、ヒトまたは動物の身体において加水分解されて親の酸またはアルコールを生成する薬学的に許容されるエステルである。様々な形態のプロドラッグが当技術分野において知られている。
本出願において述べる定義は、本出願を通して用いる用語を明確にしようとするものである。「本明細書」という用語は本出願全体を意味する。
本発明における様々な化合物は、特定の幾何学的形態または立体異性体において存在し得る。本発明は、互変異性体、シス−およびトランス異性体、R−およびS−鏡像体、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、これらのラセミ混合物、ならびにこれらの他の混合物を含めたこのような化合物を全て、本発明の範囲内に網羅されるものとして考慮に入れるものである。さらなる不斉炭素原子が、アルキル基などの置換基に存在してもよい。このような異性体、およびこれらの混合物が全て、本発明に含まれるものとされる。本明細書に記載する化合物は不斉中心を有することができる。非対称的に置換されている原子を含有している本発明の化合物は、光学活性型またはラセミ型において単離されてもよい。ラセミ体の分割による、光学活性の出発材料からの合成による、または光学活性試薬を用いた合成によるなど、光学活性型を製造する方法は、当技術分野においてよく知られている。必要に応じて、ラセミ材料の分離は、当技術分野において知られている方法により実現することができる。オレフィンの多くの幾何異性体、C=N二重結合なども、本発明に記載する化合物に存在することができ、このような安定な異性体が全て、本発明に企図される。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体を記載し、異性体の混合物として、または分離された異性体型として単離することができる。特定の立体異性体型または異性体型が具体的に指摘されなければ、全てのキラル型の、ジアステレオマー型の、ラセミ型の、および全ての幾何異性体型の構造が意図される。
本明細書で用いられる「薬学的に許容される」は本明細書において用いられて、健全な医学上の判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしに、理にかなった損/益比に見合った、ヒトおよび動物の組織と接触させて用いるのに適する、化合物、材料、組成物、および/または剤形を指す。
本明細書で用いられる「薬学的に許容される塩」は、親化合物がその酸または塩基の塩を作成することにより修飾される、開示する化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例には、それだけには限定されないが、アミンなどの塩基性残基の無機または有機酸塩;カルボキシル酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩などが含まれる。薬学的に許容される塩には、形成される親化合物の、例えば、非毒性の無機酸または有機酸からの、非毒性の塩または第四級アンモニウム塩が含まれる。例えば、このような非毒性の塩には、塩酸などの無機酸に由来するものが含まれる。
本発明の薬学的に許容される塩は、塩基性または酸性の部分を含有している親化合物から、従来的な化学方法により合成することができる。一般的に、このような塩は、遊離の酸または塩基の形態のこれらの化合物を、水中もしくは有機溶媒中で、または2つの混合物中で理論量の好適な塩基または酸と反応させることにより調製することができ;一般的に、ジエチルエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水性媒体が用いられる。
本発明は、本発明の化合物の全ての互変異性型をさらに含む。本明細書で用いられる「互変異性体」は、水素原子の遊走に起因する平衡状態において存在する他の構造異性体を意味する。例えば、得られる化合物がケトンおよび不飽和アルコールの両方の性質を有する、ケト−エノール互変異性。互変異性の他の例には、2H−イミダゾール−4−アミンおよびその互変異性体、1,2−ジヒドロイミダゾール−5−イミン、ならびに2H−イミダゾール−4−チオールおよびその互変異性体、1,2−ジヒドロイミダゾール−5−チオンが含まれる。化合物の表記において、本明細書を通して、化合物の可能な互変異性体のうち1つだけが描かれ、または命名されていることが理解される。
本明細書で用いられる「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物から有用な純度への単離、および効果的な治療剤への調合を残存するほど十分に頑強である化合物を指摘することを意味する。
本発明の化合物は、水和物および溶媒和物をさらに含む。
本発明は、同位体標識した本発明の化合物をさらに含む。「同位体的に」または「放射標識した」化合物は、1つまたはそれ以上の原子が、典型的に天然に見出される(すなわち、天然に存在する)原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられ、または置換されている、本発明の化合物である。本発明の化合物に組み入れることができる適切な同位体には、それだけには限定されないが、H(重水素に対してDとも書かれる)、H(トリチウムに対してTとも書かれる)、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、75Br、76Br、77Br、123I、124I、125I、および131Iが含まれる。本発明の放射標識した化合物に組み入れられる放射性核種は、放射標識した化合物の特定の適用に依存する。例えば、in vitroの受容体標識化および競合アッセイに対して、H、14C、82Br、125I、131I、または35Sを組み入れる化合物が一般的に最も有用である。放射性イメージングの適用には、11C、18F、125I、123I、124I、131I、75Br、76Br、または77Brが一般的に最も有用である。
「放射標識した化合物」は、少なくとも1つの放射性核種を組み入れている化合物であることが理解される。いくつかの実施形態において、放射性核種は、H、14C、125I、35S、および82Brからなる群から選択される。
本発明の化合物は、経口的に、非経口的に、頬側に、膣内に、直腸内に、吸入、ガス注入、舌下に、筋肉内に、皮下に、局所に、鼻腔内に、腹腔内に、胸郭内に、静脈内に、硬膜外に、くも膜下腔内に、脳室内に、および関節中への注射により投与することができる。
投与量は、特定の患者に最も好適であるとして個々のレジメンおよび投与量レベルを決定する場合、投与経路、疾患の重症度、患者の年齢および体重、ならびに担当医により通常考慮される他の因子に依存する。
投与しようとする化合物の量は、処置される患者に対して変化し、1日あたり約100ng/kg体重から100mg/kg体重まで変化する。例えば、投与量は、本開示および当技術分野における知識から、当業者により容易に増大することができる。したがって、当業者は、組成物中の、および本発明の方法において投与しようとする、化合物、ならびに任意選択の添加剤、ビヒクル、および/または担体の量を容易に決定することができる。
別の一態様において、本発明は、医薬として使用するための、例えば、Aβ関連の病態を処置または防止するための、本発明による化合物、または薬学的に許容されるその塩に関する。
別の一態様において、本発明は、Aβ関連の病態を処置または防止するための医薬の製造における、本発明による化合物、または薬学的に許容されるその塩の使用に関する。
別の一態様において、本発明は、ヒトなどの哺乳動物におけるAβ関連の病態を処置または防止する方法であって、それを必要とする哺乳動物に治療有効量の本発明による化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む方法に関する。
本発明の化合物、およびその薬学的に許容される塩は、それにより、それだけには限定されないが、アルツハイマー病、ダウン症候群、β−アミロイド血管障害、脳アミロイド血管障害、遺伝性脳出血、認知障害に関連する障害、MCI(「軽度認知障害」)、物忘れ、アルツハイマー病に関連する注意欠陥症状、アルツハイマー病に関連する神経変性、混合血管起源の認知症、変性起源の認知症、初老期認知症、老年認知症、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上性麻痺、外傷性脳損傷、または皮質基底変性症などのAβ関連の病態の処置の方法を提供するものである。
別の一態様において、本発明は、有効成分として治療有効量の本発明による化合物、または薬学的に許容されるその塩を、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤と共に含む医薬組成物に関する。
別の一態様において、本発明は、BACEの活性を本発明による化合物で阻害する方法に関する。
別の一態様において、本発明は、ヒトなどの哺乳動物におけるAβ関連の病態を処置または防止する方法であって、治療有効量の、本発明による化合物、または薬学的に許容されるその塩、および認知増強剤、記憶増強剤、またはコリンエステラーゼ阻害剤の少なくとも1つを前記患者に投与することを含み、前記Aβ関連の病態はアルツハイマー病である、方法に関する。
別の一態様において、本発明は、(i)本発明による化合物、または薬学的に許容されるその塩、(ii)さらなる治療剤、または薬学的に許容されるその塩、および(iii)薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む医薬組成物に関する。
別の一態様において、本発明は、(i)本発明による化合物、または薬学的に許容されるその塩、(ii)認知増強剤、記憶増強剤、およびコリンエステラーゼ阻害剤からなる群から選択される少なくとも1つの薬剤、および(iii)薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む医薬組成物に関する。
本明細書に規定するAβ関連の病態の処置は、単独療法として適用してもよく、または、本発明の化合物に加えて、本明細書に言及する1つまたはそれ以上の疾患状態を処置するのに価値ある従来の治療法との共同処置(conjoint treatment)を伴ってもよい。このような従来の治療法は、1つまたはそれ以上の以下の範疇の薬剤:アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、抗炎症剤、認知および/もしくは記憶増強剤、または非定型抗精神病剤を含むことができる。認知増強剤、記憶増強剤、およびアセチルコリンエステラーゼ阻害剤には、それだけには限定されないが、ドネペジル(ARICEPT)、ガランタミン(REMINYLまたはRAZADYNE)、リバスチグミン(EXELON)、タクリン(COGNEX)、およびメマンチン(NAMENDA、AXURA、またはEBIXA)が含まれる。非定型抗精神病剤には、それだけには限定されないが、オランザピン(販売名ZYPREXA)、アリピプラゾール(販売名ABILIFY)、リスペリドン(販売名RISPERDAL)、クエチアピン(販売名SEROQUEL)、クロザピン(販売名CLOZARIL)、ジプラシドン(販売名GEODON)、およびオランザピン/フルオキセチン(販売名SYMBYAX)が含まれる。
このような共同処置は、処置の個々の構成成分を同時に、逐次に、または別々に投与することにより実現され得る。このような組合せ生成物は本発明の化合物を使用する。
さらなる従来の化学療法は、1つまたはそれ以上の以下の範疇の薬剤:(i)抗うつ薬、(ii)非定型抗精神病薬、(iii)向精神病薬、(iv)抗不安薬、(v)抗痙攣薬、(vi)現在用いられているアルツハイマーの治療法、(vii)パーキンソンの治療法、(viii)偏頭痛治療法、(ix)脳卒中治療法、(x)尿失禁治療法、(xi)神経因性疼痛治療法、(xii)侵害受容性疼痛治療法、(xiii)不眠症治療法、および(xiv)気分安定剤を含むことができる。前述の治療法に対して知られている処置を、本明細書に記載する本発明と組み合わせて用いてもよい。
このような組合せ生成物は、本明細書に記載する投与量範囲内の本発明の化合物、ならびに認可されている投与量範囲および/または出版されている参考文献に記載されている投与量の範囲内の他の薬学上の有効化合物または(複数の)化合物を使用する。
化合物の製造
本発明の化合物は、本明細書に記載するプロセスによって、遊離塩基または薬学的に許容されるその塩として製造することができる。このようなプロセスの以下の記載を通して、適宜、適切な保護基が加えられ、引き続き、有機合成の技術分野の技術者により容易に理解されるやり方で、様々な反応物および中間体から除去されることが理解される。このような保護基を用いるための従来の手順、および適切な保護基の例は、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis、T.W.Greene、P.G.M Wutz著、第3版、Wiley−Interscience、New York、1999年に記載されている。マイクロ波(MW)を、反応混合物を加熱するのに代替的に用いることができることが理解される。本発明の別の一態様は、式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩を製造するためのプロセスを提供し、別段の特定がなければ、R〜R、n、およびAは、上記の式(I)に対して規定した通りであり、または後続の変換においてR〜R、またはAに変換することができる基である。Rは、OR、または後続の変換においてOR基に変換することができる、ハロゲンなどの脱離基などの基と規定する。式(X)の化合物は、式(I)の化合物に等価であってもよい。LGは、ハロゲン(例えば、塩素、臭素、もしくはヨウ素)、またはアルキル−、アリール−、もしくはハロアルキル−スルホネート(例えば、トリフレート)などの脱離基を表し、PGは保護基を表す。前記プロセスは以下からなる:
方法(i):式(IIIa)に相当する化合物の形成:
Figure 2015520220
式(II)のケトンを、メチルアクリレート、(二置換されている)ハロゲン化アルキル、トリフレート、またはメシレートなどの適切な求電子試薬の存在下で、水素化ナトリウム、KOtBu、またはLDAなどの適切な塩基で処理して、式(IIIa)の化合物を得る(スキーム1)。反応は、テトラヒドロフラン、2−Me THF、またはジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中、0℃から+90℃の間の温度範囲で行ってもよい。アルキル化を、単離および精製された中間体と逐次的な方法において、またはワンポットの段階的な様式で、行ってもよい。反応により、エステル、オレフィン、シアノ、スルホン、スルホニウムドナーなどで置換されている生成物が得られる場合、これを場合により、ディークマン環化(Dieckman cyclization)、RCM、求核置換、または環状付加によりさらに反応させてもよい。得られたスピロ環状環は1つまたはそれ以上の置換基を場合により含有することができ、この置換基を、脱炭酸反応、ケトンのアルコールへの還元、および前記アルコールのエーテルへの変換などの知られている官能基の変換により、さらに変換してもよい。
方法(ii):式(IIIa)に相当する化合物の形成:
Figure 2015520220
式(II)のケトンを、室温から+100℃の間の温度範囲で、THF、ベンゼン、またはトルエンなどの適切な溶媒中のN−メチルアニリニウムトリフルオロアセテートの存在下で、ホルムアルデヒドなどのアルデヒドまたはケトンと反応させる(スキーム2)。中間体(IV)(ZおよびYは、水素またはアルキルなどと規定される)を、場合により密封した試験管中、0℃から+90℃の間の温度範囲におけるDiels−Alder反応を利用して、(ブタ−1,3−ジエン−2−イルオキシ)トリメチルシランなどの様々なジエンと反応させてもよい。反応は、ニートで、またはジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、THF、もしくは2−Me THFなどの適切な溶媒中で行ってもよい。ルイス酸、または反応を助け得る任意の他の薬剤を加えて、濃縮された鏡像体またはジアステレオマーを得ることができる。得られたスピロ環状環は、場合により1つまたはそれ以上の置換基を含有し得、この置換基を、脱炭酸反応、ケトンのアルコールへの還元、および前記アルコールのエーテルへの変換など、知られている官能基の変換によりさらに変換してもよい。
方法(iii):式(VII)に相当する化合物の形成:
Figure 2015520220
式(VII)の化合物は、式(III)の化合物を式(V)の化合物と反応させることにより得てもよく(スキーム3)、式中、R11はアルキル(例えば、tert−ブチルなど)である。反応は、式(VI)の化合物などの適切なルイス酸の存在下で行われ、R12はアルキル(例えば、エチルまたはイソプロピル)である。反応は、室温から還流温度の間の温度で、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン、2−メチル−テトラヒドロフラン、またはテトラヒドロフラン)中で、場合により反応中に形成したアルコールを除去するための共沸蒸留とともに行われる。
方法(iv) 式(X)に相当する化合物の形成:
Figure 2015520220
式(VIII)の化合物は、化合物(VII)(式中、R11はアルキル(例えば、tert−ブチルなど)(方法(iii)、式VII)である)を、スルホンアミド保護基を除去してイミン(VIII)を形成する適切な方法を用いて、反応させることにより得てもよい(スキーム4)。適切な方法は、それだけには限定されないが、前記化合物VIIを塩酸などの酸で、適切な溶媒(例えば、ジオキサンまたはテトラヒドロフラン)中無水(dry)条件下で処理することであってもよく、化合物(VIII)を、単離してもよく、または単離せずにさらに反応させてもよい。式(VIII)の化合物を、場合によりトリエチルオルトホルメートの存在下、メタノールなどの溶媒中、室温から還流温度の間の温度で、場合によりDean−Stark条件下、2−オキソプロパンチオアミド(Asingerら、Justus Liebigs Annalen der Chemie、1971年、744巻、51〜64頁に記載されている)とさらに反応させて、式(IX)の化合物を得る。式(X)の化合物への変換は、式(IX)の中間体をアンモニアと反応させることにより行ってもよい。スキーム4によって記載するプロセスにおいて、2−オキソプロパンチオアミドを2−オキソブタンチオアミドに交換すると、式(IXb)および(Xb)の化合物が、(IX)および(X)の代わりに得られる。
Figure 2015520220
方法(v) 式(I)に相当する化合物の形成:
Figure 2015520220
式(XVI)の化合物は、式(XIV)の化合物(式中、LGは、ハロゲン(例えば、ヨウ化物または臭化物)などの脱離基を表し、PgおよびPgは水素および/または適切な保護基、例えば、tert−ブトキシカルボニルを表す)を、式(XV)のアルコールと、酢酸パラジウム(II)などの適切なパラジウム触媒の存在下、場合によりジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3−メトキシ−6−メチルビフェニル−2−イル)ホスフィンまたは2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)−1,1−ビナフチルなどの適切なリガンドの存在下で反応させることにより製造してもよい(スキーム5)。反応は、THF、2−メチル−テトラヒドロフラン、またはトルエンなどの適切な溶媒中の炭酸セシウムなどの適切な塩基の存在下、20℃から160℃の間の温度で行われる。式(I)の化合物は、Pgおよび/またはPgはtert−ブトキシカルボニルである式(XVI)の化合物から、メタノール溶液などのNHの溶液と、水の存在下、60℃から100℃の間の温度で反応させることにより得てもよい。
式(II)、(V)、(VI)、(XIII)、および(XV)の化合物は市販されている化合物であり、または文献において知られており、または当技術分野において知られている標準的なプロセスにより製造される。
一般的方法
用いた溶媒は全て分析用のグレードのものであり、市販の無水溶媒を反応にルーチン的に用いた。用いた出発材料は市販されていたものであり、または文献の手順にしたがって製造した。室温は20〜25℃を指す。溶媒混合物の組成を、体積パーセント値または体積比として示す。
MW加熱は、2450MHzの持続的照射を生成するBiotage Creator、InitiatorまたはSmith Synthesizer Single−mode MW cavityにおいて行った。反応混合物を加熱するのにマイクロ波を用いることができることが理解される。
薄層クロマトグラフィー(TLC)はMerck TLC−プレート(シリカゲル60 F254)上で行い、スポットをUV可視化した。ストレート相(Straight phase)フラッシュカラムクロマトグラフィー(「フラッシュクロマトグラフィー」)は、Merckシリカゲル60(0.040〜0.063mm)上、手操作で行い、または指摘する溶媒系を用いたRediSep(商標)順相フラッシュカラムを用いてISCO Combiflash(登録商標)Companion(商標)システムを用いて自動的に行った。相分離は、場合によりIsolute(登録商標)相分離器上で行った。
NMRスペクトルを、適切な配置のプローブに適合させた400〜600MHzのNMR分析計上で記録した。別段の記載がなければ、スペクトルは周囲温度で記録した。化学シフトはTMS(0.00ppm)からの低磁場および高磁場のppmで示す。以下の基準シグナルをH−NMR:TMS δ0.00において用い、または残留溶媒のシグナルDMSO−d δ2.49、CDOD δ3.30、アセトン−d 2.04、もしくはCDCl δ7.25(別段の指摘がなければ)を用いた。共鳴の多重度を、一重線、二重線、三重線、四重線、多重線、ブロード(broad)、および見かけ(apparent)に対してそれぞれs、d、t、q、m、br、およびappと示す。場合により、診断シグナルだけを報告する。
HPLC、HPLCMS、およびLCMS分析:高速液体クロマトグラフィー(High pressure liquid chromatography)(HPLC)を、逆相(RP)カラム上で行った。移動相A(5%CHOHもしくは5%CHCN(aq.)中10mM NHOAc、または0.1%NH(aq.)または0.1%ギ酸(aq.))およびB(CHOHまたはCHCN)などを用いて、直線勾配を適用した。エレクトロスプレーイオン化(ESI+/−)および/または大気圧化学イオン化(APCI+/−)を用いてポジティブおよび/またはネガティブイオンモードにおいて、質量分析法(MS)分析を行った。
GCFIDおよびGCMS分析:ガスクロマトグラフィー(GC)を、質量分析計(MS)または炎イオン化検出器(FID)を装着したGC上で行った。MSイオン源は、電子衝撃(EI)または化学イオン化(CI、反応ガス メタン)のいずれかであった。分離には、DB−5MS、(J&W Scientific)などのキャピラリーカラムを用いた。直線温度勾配を適用した。
分取クロマトグラフィーを、オートサンプラー一体型自動フラクションコレクター(Autosampler combined Automated Fraction Collector)(Waters2767)、勾配ポンプ(Gradient Pump)(Waters 2525)、カラムスイッチ(Column Switch)(Waters CFO)、およびPDA(Waters 2996)を有するWaters FractionLynxシステム上で行った。カラム;XBridge(登録商標)Prep C8 10μm OBD(商標)19×300mm、およびガードカラム;XTerra(登録商標)PrepMS C8 10μm 19×10mmカートリッジ(Cartridge)。B(100%MeCN)中A(MilliQ水および5%MeCN中95%0.1M NHOAc)の勾配、またはB(100%MeOH)中A(MilliQ水および5%MeOH中95%0.1M NHOAc)、A(MilliQ水中0.2%NH)、またはA(MilliQ水中0.2%ギ酸)の勾配を、流速20ml/分のLC−分離に適用した。異性体を分離するための分取キラルクロマトグラフィーを、特定されたカラムおよび移動相系を用いて、LaPrep(登録商標)システムなどの上を流した。
SFC分析:超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)を、ストレート相カラム上で行った。移動相A(CO)、および移動相B(MeOH、EtOH、またはIPA)などを用いて、イソクラティック流(isocratic flow)を適用した。
ストレート相HPLC分析:高速液体クロマトグラフィー(HPLC)をストレート相カラム上で行った。移動相A(ヘプタン)およびB(EtOHまたはIPA)などを用いて、直線勾配またはイソクラティック流を適用した。
高分解能質量分析法(HRMS)は、正確に質量を測定するために、LockSpray源を装着し、PDA検出器およびAcquity UPLC BEH C18カラムを有するAcquity UPLCシステムに接続したWaters Synapt−G2質量分析計上で行った。測定質量により、元素組成が3ppm以内であったことが確証された。
略語
ACN アセトニトリル
aq 水性の
Atm 大気圧
Boc t−ブトキシカルボニル
Borax 四ホウ酸二ナトリウム、またはホウ酸ナトリウム、または四ホウ酸ナトリウム
Cbz ベンジルオキシカルボニル
CDI 1,1’−カルボニルジイミダゾール
dba ジベンジリデンアセトン
DCM ジクロロメタン
DEA ジエチルアミン
DIBAL−H 水素化ジイソブチルアルミニウム
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
dppf 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EtO ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
eq.またはequiv. 当量
h 時間(複数可)
HPLC 高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography)
IPA イソプロパノール
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析計
LiHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
MeOH メタノール
min 分
MS 質量分析法
MW マイクロ波(複数可)
NHOAc 酢酸アンモニウム
NMR 核磁気共鳴分析法
ox 酸化
Psi ポンド毎平方インチ
quant. 定量的
RCM 閉環メタセシス
r.t. 室温
sat. 飽和
SFC 超臨界流体クロマトグラフィー
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMEDA テトラメチルエチレンジアミン
UPLC 超高性能液体クロマトグラフィー(ultra performance liquid chromatography)
2−Me THF 2−メチルテトラヒドロフラン
化合物は、CambridgeSoftMedChem ELN v2.2、またはAdvanced Chemistry Development、Inc.(ACD/Labs)、トロント オンタリオ州、カナダ、www.acdlabs.comからのACD/Name、バージョン10.0、もしくは10.06、もしくはバージョン12.01ソフトウエア、またはOpenEyeからのLexichem、バージョン1.9ソフトウエアを用いて命名した。
中間体
中間体1
2−オキソプロパンチオアミド
Figure 2015520220
THF(1700mL)およびシアン化アセチル(250mL、3.15mol)の−10℃の溶液に、HSをおよそ45分間泡立たせた。泡立ちを止め、温度が−10℃になるまで溶液を撹拌した。−10℃で温度が安定するまで、さらなるHSを泡立てた。THF(20mL)中トリエチルアミン(2.2mL、15.8mmol)を、温度が0℃から−3℃の間で維持される速度で、滴下添加した(非常に発熱性の反応)。添加が完了したら、温度を+4℃に設定し、混合物を終夜撹拌した。窒素を30分間、反応を通して流し、混合物を濃縮して表題生成物(319g、収率98%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl) ppm 2.67(s,3H)、7.30〜7.81(m,1H)、7.97〜8.52(m,1H);13C NMR(126MHz,CDCl) ppm 25.1、190.8、192.5;MS(ES+)m/z 104[M+H]
中間体2
6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’,4(3’H)−ジオン
Figure 2015520220
方法A
氷浴中で冷却しながら、カリウムtert−ブトキシド(7.50g、66.8mmol)を、THF(55mL)中の6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(11.8g、55.7mmol)およびメチルアクリレート(11.1mL、123mmol)に部分ごとに加えた。混合物をr.t.で1.5時間撹拌した。水(80mL)およびKOH(3.12g、55.7mmol)を加え、混合物を75℃に加熱し、次いで終夜、60℃にした。混合物を0℃に冷却し、形成した沈殿物をろ去し、真空中で乾燥させて表題化合物(11.69g、収率72%)を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ ppm 1.83〜1.92(m,2H)、2.15〜2.27(m,2H)、2.40〜2.50(m,2H)、2.71(dt,2H)、3.17(s,2H)、7.39(d,1H)、7.75(dd,1H)、7.92(d,1H);MS(ES+)m/z 293[M+H]
方法B
2−Me THF(4L)中の6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(800g、3.79mol)およびメチルアクリレート(787mL、8.72mol)を28℃で撹拌した。カリウムtert−ペントキシドのトルエン(1.7M、2.68L、4.55mol)溶液を、温度を30℃から43℃の間に維持しつつ、滴下添加した。混合物を25℃で0.5時間撹拌した。水(4L)を加え、10分後にKOH(383g、6.82mol)を加えた。混合物を加熱還流し、有機溶媒を4時間の間に留去した。混合物を10℃に冷却し、形成した沈殿物をろ去し、真空中で乾燥させて表題化合物(837g、収率75%)を得た。H NMR(500MHz,DMSO−d) ppm 1.74〜1.85(m,2H)、1.94(m,2H)、2.34(m,2H)、2.52〜2.60(m,2H)、3.27(s,2H)、7.60(d,1H)、7.79〜7.83(m,1H)、7.89(m,1H);MS(ES+)m/z 293[M+H]
方法C
約20〜30℃で、6−ブロモ−1−インダノン(8.00kg、37.9mol)、THF(16L)、およびカリウムtert−ブトキシド(210g、1.87mol)の混合物に、メチルアクリレート(6.6L、73mol)を等量ずつ3回に分けて(各2.2L、24.6mol)徐々に投入した。メチルアクリレートの1回目の投入後に、THF(0.39L)に溶解したさらなるカリウムtert−ブトキシド(86g、0.77mol)を投入した。メチルアクリレートの2回目の投入後に、THF(0.39L)に溶解したさらなるカリウムtert−ブトキシド(86g、0.77mol)を投入した。次いで、さらなるカリウムtert−ブトキシド(4.64kg、41.3mol)のTHF(21L)溶液を約20〜30℃で徐々に投入した。溶媒(21.5L)を約65℃で留去し、次いで、水(49L)および50%KOH水溶液(2.3L、30mol)の混合物を、60℃未満で約10分かけて加えた。反応を約6時間、60℃に保持し、次いで1時間かけて20℃に冷却し、次いで約12時間20℃に保持した後、ろ過した。固体を、水(8L)およびTHF(4L)の混合物で洗浄し、次いで乾燥させて表題化合物(7.47kg、NMRアッセイ92%w/w、23.4mol、収率62%)を得た。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.78〜1.84(m,2H)、1.95(td,2H)、2.32〜2.38(m,2H)、2.51〜2.59(m,2H)、3.27(s,2H)、7.60(d,1H)、7.81(m,1H)、7.89(m,1H)。
中間体3
6’−ブロモ−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン
Figure 2015520220
方法A
6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’,4(3’H)−ジオン(中間体2、6.1g、20.8mmol)をTHF(220mL)に溶解し、−65℃に冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(0.354g、9.36mmol)を加え、冷却浴を除去した。混合物を放置して0℃に到達させた(およそ30分)。水(10mL)を加え、有機溶媒のほとんどを蒸発により除去した。残留物をEtOAc(100mL)とNaClの水溶液(50mL)との間で分配した。有機相を乾燥させ(MgSO)、蒸発させて生成物を得、この生成物を、6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’,4(3’H)−ジオン14.6gから出発して同様の方法で得た付加的な生成物と合わせた。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ120g、勾配溶出:CHClからCHCl/MeOH(90:10))により精製し、表題化合物13.6g(収率66%)を得た。得られた材料は、異性体1と異性体2の80:20混合物からなっていた。異性体の分析用試料を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン/EtOAc勾配)により単離して以下を得た:
異性体1:(1r,4r)−6’−ブロモ−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン:
Figure 2015520220
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ ppm 1.20〜1.43(m,4H)、1.49〜1.62(m,2H)、1.79〜1.89(m,2H)、2.99(s,2H)、3.39〜3.50(m,1H)、4.68(d,1H)、7.56(d,1H)、7.76(d,1H)、7.85(dd,1H);MS(ES+)m/z 317[M+Na]および
異性体2:(1s,4s)−6’−ブロモ−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン:
Figure 2015520220
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ ppm 1.07〜1.20(m,2H)、1.51〜1.63(m,2H)、1.65〜1.76(m,2H)、1.93(td,2H)、2.98(s,2H)、3.83(d,1H)、4.45(d,1H)、7.51〜7.55(m,1H)、7.76(d,1H)、7.84(dd,1H);MS(ES+)m/z 317[M+Na]
中間体3、異性体1
方法B
DCM(250mL)中6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’,4(3’H)−ジオン(中間体2、50.5g、172mmol)に、DCM(50mL)中ボランtert−ブチルアミン錯体(5.70g、65.5mmol)を0℃でゆっくりと投入した。40分後、濃HCl(20mL)、引き続き20%NaCl(70mL)を投入した。混合物を放置してr.t.に到達させ、30分間撹拌した。相を分離し、水相にDCM(40mL)およびHO(10mL)を投入した。有機相を合わせ、濃縮し、真空下で終夜乾燥させて、表題生成物(52.4g、100%収率)を、表題生成物(収率83%)および他のジアステレオマーである(1s,4s)−6’−ブロモ−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン(17%)の混合物として得た。H NMR(500MHz,CDCl,両方の異性体のシグナル) ppm H NMR(500MHz,CDCl)δ ppm 1.39〜1.50(m,3H)、1.67〜1.85(m,3H)2.05〜2.12(m,2H)2.96(s,0.34H)、2.98(s,1.68H)、3.76(m,0.83H)、4.04(m,0.17H)、7.34(m,1H)7.70(m,1H)7.88(d,1H);MS(ES+)m/z 295[M+H]
中間体3、異性体1
方法C
6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’,4(3’H)−ジオン(中間体2、750g、2.56mol)およびプロパン−2−オール(9.855L)を加熱還流し、粉砕したNaOH(100g、2.50mol)を2つの部分にして混合物に加えた。混合物を2時間、加熱還流した。溶媒5Lを減圧蒸留により除去した。トルエン(2L)を加え、溶媒2Lを減圧蒸留により除去した。トルエン(3L)、引き続き2M HCl(1.278L、2.56mol)を、撹拌している混合物に加えた。相を分離し、有機相を水(2.0L)で洗浄した。有機相を濃縮し、トルエン(2L)を加え、次いで、混合物を濃縮した。2−Me THF(1L)を加え、次いで溶媒0.5Lを減圧蒸留により除去し、得られた混合物を次の工程で用いた。表題化合物は、ジアステレオマー(1s,4s)−6’−ブロモ−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オンとの7:3比の混合物であった(HPLCおよびNMR分析により確立した):H NMR(500MHz,CDCl,両方の異性体のシグナル) ppm 1.40〜1.52(m,3H)、1.70〜1.84(m,3H)、2.04〜2.11(m,2H)、2.97(s,0.62H)、3.00(s,1.38H)、3.73〜3.81(m,0.7H)、4.04(m,0.3H)、7.31〜7.38(m,1H)、7.67〜7.73(m,1H)、7.89(m,1H)。
中間体4
6’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン
Figure 2015520220
方法A
6’−ブロモ−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン(中間体3、12.7g、43.0mmol)の異性体の混合物を、N下でTHF(210mL)に溶解し、0℃に冷却した。カリウムtert−ブトキシド(5.79g、51.6mmol)を少量ずつ加え、混合物を0℃で25分間撹拌した。ヨウ化メチル(4.30mL、68.8mmol)を加えた。冷却浴を除去し、混合物をr.t.で撹拌した。さらなるカリウムtert−ブトキシド(0.483g、4.30mmol)を2回、それぞれ2時間後および3時間後に加え、次いで、混合物を2時間撹拌した。水(100mL)を加え、得られた溶液をNaCl水溶液(200mL)とEtOAc(200mL)との間で分配した。水相をEtOAc(100mL)の別の一部分で抽出した。有機相を合わせ、乾燥させ(MgSO)、蒸発させて:
異性体1:(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン:
Figure 2015520220
および、異性体2:(1s,4s)−6’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン:
Figure 2015520220
の混合物(およそ80:20)12.5g(収率94%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d,異性体1のシグナル)δ ppm 1.20〜1.32(m,2H)、1.40〜1.48(m,2H)、1.51〜1.62(m,2H)、1.97〜2.07(m,2H)、3.00(s,2H)、3.15〜3.23(m,1H)、3.26(s,3H)、7.56(d,1H)、7.77(d,1H)、7.86(dd,1H);MS(ES+)m/z 309[M+H]
中間体4、異性体1
方法B
(1r,4r)−6’−ブロモ−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン(中間体3、異性体1、50.9g、172mmol)((1s,4s)−6’−ブロモ−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン17%を含有する)、ヨウ化メチル(18.3mL、293mmol)、および2−Me THF(360mL)を、N下で30℃に加熱した。カリウムtert−ペントキシドのトルエン溶液(トルエン中1.7M、203mL、344mmol)を30分かけて滴下添加した。混合物を放置してr.t.に到達させ、1時間撹拌した。水(250mL)を加え、撹拌10分後、相を分離した。有機相を水(140mL)で洗浄し、濃縮し、真空中で乾燥させて固体を得た。MeOH300mLを固体に加え、混合物を加熱還流した。水を加え(30mL)、引き続き5分間還流した。混合物をゆっくりと放置してr.t.に到達させた。混合物をr.t.で終夜撹拌した。固体をろ去して、表題化合物を、単一の異性体(31g、収率58%)として得た:H NMR(500MHz,CDCl) ppm 1.38(m,2H)1.52(m,2H)1.77(td,2H)2.16(m,2H)2.98(s,2H)3.28(m,1H)3.40(s,3H)7.35(d,1H)7.70(dd,1H)7.88(d,1H);MS(ES+)m/z 309[M+H]
中間体4、異性体1
方法C
DCM(3.6L)に溶解したボランtert−ブチルアミン錯体(820g、9.4mol)を、約0〜5℃で約40分かけて、DCM(41L)中6’−ブロモスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’,4(3’H)−ジオン(中間体2、7.46kg、NMRアッセイ92%w/w、23.4mol)のスラリーに投入した。約1時間後、NaCl(2.68kg)、水(12.9L)、および37%塩酸(2.5L、31mol)の溶液を投入した。混合物を約15℃に温め、層に定着した後、相を分離した。(1r,4r)−6’−ブロモ−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン(中間体3、異性体1)を含有しているDCM相を、メチルメタンスルホネート(2.59L、30.5mol)およびテトラブチルアンモニウムクロリド(130g、0.47mol)と一緒に、反応器に戻した。次いで、約20℃で、50%NaOH水溶液(13L、229mol)を、激しく振盪している反応混合物に約1時間かけて投入した。約16時間保持した後、水(19L)を加え、分離後に水相を廃棄した。溶媒(34L)を大気圧で留去し、次いでさらなる溶媒(20L)を、EtOH(20L)を等しい5つの部分にして加える間に留去した。EtOH(14L)を加え、溶液を25℃に冷却した。試料(0.3L)を、冷却する間に40℃で取り出した。試料を自発的に結晶化させ、25℃の反応器に再投入した。約40℃に再加熱後、水(14L)を、約20分かけて投入した。スラリーを約20℃に冷却し、16時間保持した後、ろ過した。固体を、水(4.8L)およびEtOH(6.4L)の混合物で洗浄し、次いで乾燥させて表題化合物(HPLC−分析により異性体2:(1s,4s)−6’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン4.6%を含有する)(5.57kg、NMRアッセイ91%、16.4mol、収率70%)を得た:H NMR(500MHz,DMSO−d) ppm 1.22〜1.32(m,2H)、1.41〜1.48(m,2H)、1.56(td,2H)、1.99〜2.07(m,2H)、3.01(s,2H)、3.16〜3.23(m,1H)、3.27(s,3H)、7.56(d,1H)、7.77(d,1H)、7.86(dd,1H)。
中間体5
(N−(5’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−3’(1’H)−イリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィナミド)
Figure 2015520220
方法A
6’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン(中間体4、異性体の混合物、1.14g、3.69mmol)、2−メチルプロパン−2−スルフィナミド(0.670g、5.53mmol)およびチタンエトキシド(1.519mL、7.37mmol)を2−Me THF(8mL)に溶解し、26時間加熱還流した。反応をr.t.に放冷した。EtOAc(80mL)およびNaHCO(飽和、15mL)を、撹拌しながら加えた。次いで、混合物を、15分間、撹拌せずに静置した。有機相をろ過により回収し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。n−ヘプタン中0〜20%EtOAcの勾配でのフラッシュクロマトグラフィーにより、表題化合物(1.00g、収率66%)を得た。H NMR(500MHz,CDCN,主異性体のシグナル)δ ppm 0.85〜0.91(m,1H)、1.27(s,9H)、1.25〜1.86(多重線,5H)、2.01〜2.10(m,2H)、3.02(br.s,2H)、3.18〜3.26(m,1H)、3.31(s,3H)、7.37(d,1H)、7.67(dd,1H)、8.59(br.s.,1H)、MS(ES+)m/z 413[M+H]
中間体5、異性体1
N−((1r,4r)−5’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−3’(1’H)−イリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィナミド方法B
Figure 2015520220
(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン(中間体4、異性体1、方法B、31g、100mmol)、2−メチルプロパン−2−スルフィナミド(15.8g、130mmol)、2−Me THF(200mL)、およびチタンエトキシド(41.3mL、200mmol)を100℃に加熱して、74℃の共沸混合物を得た。共沸混合物の蒸留を8時間継続し、次いで混合物を終夜還流した。共沸混合物の蒸留をさらなる8時間継続し、次いで、混合物を終夜還流した。混合物をr.t.に冷却した。さらなる2−Me THFを加えて、元の濃度の混合物を得た。硫酸(11.14mL、200.5mmol)およびNaSO(35.6g、250mmol)の水溶液(150mL)を製造した。次いで、反応混合物を20分かけて、体積の4/5の酸性溶液に加えた。相を分離し、有機相を残りの酸性溶液で、引き続き水(75mL)中の酢酸アンモニウム(15.46g、200.5mmol)、および水(75mL)で洗浄した。有機相を濃縮し、終夜真空中で乾燥させて表題化合物(40.8g、収率99%)を得た:MS(ES+)m/z412[M+H]
中間体6
6’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−イミン
Figure 2015520220
方法A
N−(5’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−3’(1’H)−イリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィナミド(中間体5、異性体の混合物、2g、4.85mmol)の無水1,4−ジオキサン(25mL)溶液に、1,4−ジオキサン(12.12mL、48.50mmol)中の4M HClを加えた。白色沈殿物が直ちに形成し、得られた混濁した混合物をr.t.の窒素雰囲気下で90分間撹拌した。EtO(30mL)を加え、固体をろ去し、EtOで洗浄した。固体をDCM(40mL)とNaHCO飽和水溶液(40mL)との間で分配した。相を分離し、有機層を濃縮した。表題化合物(1.41g)を次の工程で直接用いた。MS(EI)m/z307M+.
方法B
中間体6、異性体1
(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−イミン塩酸塩
Figure 2015520220
HCl(EtO中2M、99mL、197mmol)を、EtO(30mL)およびDCM(30mL)に溶解したN−((1r,4r)−5’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−3’(1’H)−イリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィナミド(中間体5、異性体1、40.8g、98.9mmol)に5分かけて滴下添加した。混合物を60分間撹拌した後、これをろ過した。ろ過ケークをEtOで洗浄し、真空中で乾燥させて表題化合物(31.3g、収率92%)を得た:H NMR(500MHz,DMSO−d) ppm 1.28(m,2H)1.70(d,2H)2.04(m,4H)3.17(s,2H)3.23(m,1H)3.28(s,3H)7.61(d,1H)8.04(dd,1H)8.81(s,1H);MS(EI)m/z 307 M+.
方法C
中間体6、異性体1
(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン(中間体5、異性体1、19.20g、NMRアッセイ91%、56.5mmol)を、チタン(IV)エトキシド(24mL、115mmol)および2−Me THF(44mL)と82℃で加熱することにより、2−メチルプロパン−2−スルフィナミド(8.90g、73.5mmol)と反応させた。3つの部分の溶媒(1部分あたり約26mL)を、それぞれ0.5時間、7.5時間、および8時間の期間加熱した後、留去し、各蒸留が完了した後、さらなる2−Me THF(3部分、1部分あたり26mL)を加えた。17.5時間後、さらなる1部分の溶媒(約26mL)を留去した。反応混合物をr.t.に冷却し、DCM(52.5mL)で希釈し、次いで、約4分かけて、NaSO(17.9%w/w)、水(72.2%w/w)、および硫酸(9.9%w/w)から製造した溶液(92mL、113g)に徐々に加えた。DCM(52.5mL)を用いて反応フラスコおよび付加漏斗を洗浄し、次いで後処理用のフラスコに加えた。層を分離した後、有機相を水(17.5mL)と、NaSO(17.9%w/w)、水(72.2%w/w)、および硫酸(9.9%w/w)から製造した溶液(18.5mL、23g)との混合物で洗浄した。混合物を、NaSO(8.75g)と、約6時間撹拌した。スラリーをろ過し、ろ過ケークをDCM(17.5mL)で洗浄した。合わせたろ液を、溶媒(約108mL)を留去することにより濃縮した。さらなるDCM(52.5mL)を加え、同体積の溶媒(52.5mL)を留去した。無水(dry)溶液を約20℃に冷却し、DCM(17.5mL)およびEtOH(8.7mL)で希釈した。次いで、HCl(EtO中2M)(34mL、68mmol)を、約20分かけて徐々に加えた。得られたスラリーを約45分間、約20℃に保持した後、ろ過した。ろ過ケークを、等体積のDCMおよびEtOから製造した溶液(3部分、1部分あたり17.5mL)で洗浄し、次いで真空中で乾燥させて、別の異性体(17.41g、NMRアッセイ88%w/w、44.4mmol、収率79%)約4%を含有する表題化合物を得た(NMRアッセイにおいて、残留のDCM6.8%w/wおよび塩化アンモニウム2.9%w/wが検出された):H NMR(500MHz,DMSO−d) ppm 1.30(m,2H)、1.70(d,2H)、1.98(m,2H)、2.10(m,2H)、3.17(s,2H)、3.23(m,1H)、3.29(s,3H)、7.61(d,1H)、8.04(dd,1H)、8.75(d,1H)、12.90(br s,2H)。
中間体7
6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’(3’’H)−チオン
Figure 2015520220
方法A
6’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−イミン(中間体6、1.41g、4.57mmol)および2−オキソプロパンチオアミド(中間体2、1.42g、13.7mmol)を無水MeOH(30mL)に溶解し、得られた溶液を窒素雰囲気下、60℃で加熱した。15時間後、反応をr.t.に放冷した。沈殿物が形成し、これをろ去し、真空中で乾燥させ、表題化合物(1.16g、収率64%)を異性体の混合物として得た。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.18(m,4H)、1.47(m,2H)、1.87(m,2H)、2.27(m,3H)、3.03(m,3H)、3.20(s,3H)、6.98(d,1H)、7.34(d,1H)、7.51(dd,1H);MS(APCI+)m/z 394[M+H]
方法B
中間体7、異性体1
(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’−イミダゾール]−4’’(3’’H)−チオン
Figure 2015520220
(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−イミン塩酸塩(中間体6、異性体1、95g、200mmol)((1s,4s)−6’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−イミン塩酸塩30%を含有する)を、DCM(600mL)と2MNaOH水溶液(400mL)との間で分配した。有機相を濃縮し、2−プロパノール(200mL)を加え、混合物を濃縮した。得られた(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−イミン、トリメチルオルトホルメート(66mL、602mmol)、および2−プロパノール(300mL)を80℃に加熱した。2−プロパノール(250mL)中2−オキソプロパンチオアミド(51.5g、500mmol)を、65℃を超える温度を維持しながら、40分の間に加えた。反応を2時間、75℃で撹拌した。混合物を体積約1/2に濃縮し、終夜0℃で放置した。形成された固体をろ去し、40℃の真空キャビネット中で3時間乾燥させて表題化合物を得た(61.24g、収率78%、(1s,4s)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’−イミダゾール]−4’’(3’’H)−チオン14%を含有する):MS(EI)m/z392M+.
中間体8
6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン
Figure 2015520220
方法A
6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’(3’’H)−チオン(中間体7、0.936g、2.38mmol)をアンモニア(MeOH中7M、10mL、70.00mmol)中に吸収させ、得られた混合物をアルゴンと泡立て、次いで120℃のMW反応器中で1時間加熱した。溶媒を蒸発させた。アンモニア(MeOH中7M、6mL、42mmol)を加え、反応をアルゴンと泡立て、MWを用いて60分間、120℃で再び加熱した。溶媒を蒸発させ、アンモニア(MeOH中7M、10mL、70mmol)を加えた。反応をアルゴンと泡立て、次いでMWを用いて2時間、120℃で加熱した。溶媒を蒸発させ、アンモニア(MeOH中7M、15mL、105mmol)を加え、反応を再び120℃で2時間加熱した。溶媒を蒸発させ、アンモニア(MeOH中7M、15mL、105mmol)を加え、反応を再び120℃で2時間加熱した。溶媒を蒸発させ、アンモニア(MeOH中7M、20mL、140mmol)を加えた。反応を再び、MWを用いて1時間、120℃で加熱した。溶媒を蒸発させ、得られた残留物をDCM(60mL)およびブライン(×2)に吸収させ、相分離器中に注いだ。有機相をMgSOで乾燥させ、ろ過し、蒸発させて、表題化合物(0.736g、収率82%)を異性体の混合物として得た:H NMR(500MHz,CDCl) ppm 1.09(td,1H)、1.27〜1.49(m,3H)、1.62〜1.74(m,2H)、1.93〜2.01(m,2H)、2.37(s,3H)、3.04〜3.18(m,3H)、3.34(s,3H)、6.90(d,1H)、7.20(d,1H)、7.38(dd,1H);MS(MM−ES+APCI)+ m/z 376[M+H]
6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミンの異性体の分離
6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン(中間体8、80mg、0.21mmol)を、分取クロマトグラフィー(XBridge(登録商標)PrepC8 10μm OBD(商標)19×250mmカラムおよびガードカラム;XTerra(登録商標)PrepMS C8 10μm 19×10mmカートリッジを装着したWaters FractionLynxシステム。MilliQ水中0.2%NH中35〜70%MeOHの直線勾配を流速20mL/分で適用した)を用いて精製して以下を得た:
異性体混合物1:(1s,4s)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン(第1に溶出される、副異性体、2.0mg、2.5%収率):
Figure 2015520220
H NMR(500MHz,CDCN)δ ppm 1.15〜1.25(m,2H)、1.36(td,1H)、1.45〜1.59(m,2H)、1.63〜1.74(m,3H)、2.19(s,3H)、2.98〜3.06(dd,2H)、3.20(s,3H)、3.32(t,1H)、5.19〜5.39(m,2H)、6.75(d,1H)、7.20(d,1H)、7.34(dd,1H);MS(ES+)m/z 378[M+H]
および、異性体混合物2:(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン(第2に溶出される、主異性体、収率は未決定):
Figure 2015520220
H NMR(500MHz,CDCl)δ ppm 1.09(td,3.47Hz,1H)、1.27〜1.49(m,3H)、1.62〜1.74(m,2H)、1.93〜2.01(m,2H)、2.37(s,3H)、3.04〜3.18(m,3H)、3.34(s,3H)、6.90(d,1H)、7.20(d1H)、7.38(dd,1.73Hz,1H)、MS(MM−ES+APCI)+ m/z 378[M+H]
(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ−[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミンの異性体の分離
中間体8の異性体混合物2の異性体をLuxC4;4.6250mm;5μmカラムを有し、移動相が15%MeOH(0.1%DEAを含有する)、および流速50mL/分の85%COからなる、SFC BergerMultigram IIを用いて分離して、以下を得た:
保持時間6.1分の異性体1:(1r,1’R,4R)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン(9mg、収率11%):
Figure 2015520220
H NMR(500MHz,CDCN)δ ppm 1.05(dd,1H)、1.23(dt,2H)、1.39(d,1H)、1.49(ddd,2H)、1.81〜1.89(m,2H)、2.17(s,3H)、2.94〜3.10(m,3H)、3.23(s,3H)、5.32(br.s.,2H)、6.75(d,1H)、7.19(d,1H)、7.33(dd,1H)、MS(MM−ES+APCI)+ m/z 378[M+H]
および、保持時間9.5分の異性体2:(1r,1’S,4S)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン(15mg、収率19%):
Figure 2015520220
H NMR(500MHz,CDCN)δ ppm 1.00〜1.09(m,1H)、1.17〜1.31(m,2H)、1.39(td,1H)、1.50(ddd,2H)、1.86(dt,2H)、2.18(s,3H)、2.94〜3.10(m,3H)、3.24(s,3H)、5.32(br.s.,2H)、6.76(d,1H)、7.20(d,1H)、7.34(dd,1H)、MS(MM−ES+APCI)+ m/z 378[M+H]
(1s,4s)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミンの異性体の分離
(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン(中間体8、異性体混合物2、主)および(1s,4s)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン(中間体8、異性体混合物1、副)を含有する混合物1.7gを、以下の条件を用いて分取クロマトグラフィーにより精製した:カラム:XBridge C18;50300mm;10μm、移動相:20分かけて、0.1%NH水溶液中20〜60%MeCN、流速:120mL/分。得られた、保持時間15分の副異性体(上記の異性体混合物1に等しい)を、次いで、以下のシステムを用いた分取SFCにより、その異性体に分離した:BergerMultigram II SFCシステム、カラム:Chiralcel OD−H;20250mm;5μm、移動相:10%MeOH(0.1%DEAを含有する)/90%CO,流速:50mL/分により以下が得られる:
保持時間6.5分の、絶対配置が未決定の異性体3(77mg、収率5%):H NMR(400MHz,DMSO−d)δ ppm 1.05〜1.17(m,2H)、1.24(td,1H)、1.36〜1.54(m,2H)、1.57〜1.74(m,3H)、2.16(s,3H)、2.85〜3.07(m,2H)、3.12(s,3H)、3.29(br.s.,1H)、6.58(s,2H)、6.63(d,1H)、7.24(d,1H)、7.33(dd,1H);MS(APCI)m/z 376[M+H]
および、保持時間12分の、絶対配置が未決定の異性体4(64mg、収率4%):
NMR(400MHz,DMSO−d)δ ppm 1.05〜1.17(m,2H)、1.24(td,1H)、1.36〜1.55(m,2H)、1.57〜1.74(m,3H)、2.16(s,3H)、2.85〜3.06(m,2H)、3.12(s,3H)、3.29(br.s.,1H)、6.58(s,2H)、6.63(d,1H)、7.24(d,1H)、7.33(dd,1H);MS(APCI)m/z 376[M+H]
方法B
中間体8、異性体混合物2
(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン
Figure 2015520220
(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’(3’’H)−チオン(中間体7、異性体1、22.7g、57.7mmol)およびアンモニア(MeOH中7M、180mL、1.26mol)を圧力反応器に入れ、終夜74℃に加熱した。残留物を放置してr.t.に到達させ、混合物を濃縮した。残留物を2Mクエン酸(400mL)とEtOAc(400mL)との間で分配した。不溶性の材料をろ去し、未反応の出発材料であることが決定された。有機相(org1)を真空中で濃縮して、さらなる未反応の出発材料を得た。水相にEtOAc(300mL)を加え、次いで、pHが約12になるまで50%NaOHを加え、混合物を10分間撹拌した。得られた有機相(org2)を保存した。org1からの残留物、およびろ去した固体を合わせ、アンモニア(MeOH中7M、180mL、1.26mmol)に懸濁し、圧力反応器に入れ、終夜100℃で加熱した。得られた溶液を真空中で濃縮した。残留物を2Mクエン酸(300mL)とEtOAc(300mL)との間で分配した。水相にEtOAc(300mL)を加え、次いで、pHが約12になるまで50%NaOHを加え、混合物を10分間撹拌した。有機相を上記からのorg2と合わせた。活性炭を有機相に加え、混合物を30分間撹拌した後、これを珪藻土を通してろ過した。有機相を濃縮し、真空中で終夜乾燥させて固体を得た。固体にジイソプロピルエーテル(125mL)を加え、混合物を終夜還流した。混合物を放置してr.t.に到達させ、固体をろ去して表題化合物(上記中間体8、異性体混合物2に等しい)(15g、収率69%)を得た:H NMR(500MHz,DMSO−d) ppm 0.93(m,1H)1.1〜1.25(m,2H)1.35〜1.45(m,3H)1.81(br.d,2H)2.16(s,3H)2.87〜3.03(m,3H)3.18(s,3H)6.59(br.s.,2H)、6.64(d,1H)、7.25(d,1H)、7.34(dd,1H);ES+)m/z 376[M+H]
中間体8、異性体1
(1r,1’R,4R)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1’,2’’−インデン−1’,2’’イミダゾール]−4’’−アミン
Figure 2015520220
1L丸底フラスコに、(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン(中間体8、異性体混合物2、方法B、61g、162mmol)、EtOH(99.5%、600mL)、および水(60mL)を加えて均一な混合物を得、これを70℃に加熱した。混合物を高温で30分間撹拌し、引き続きD(+)−10−カンファースルホン酸(18.8g、81.0mmol)を加えた。混合物を3時間、70℃で撹拌し、次いで、放置して2時間かけて20℃に到達させ、引き続き20℃で12時間撹拌した。混合物をろ過して固体を得、これを冷EtOHで洗浄し、次いで、50℃の真空乾燥機で10時間乾燥させて、D(+)−10−カンファースルホン酸塩(37g;収率37%)として表題化合物を得た。鏡像体比を、Chiralpak AD−Hカラム(4.6250mm;5μm)を装着し、移動相が10%MeOH(0.1%DEAを含有する)および流速3mL/分の90%COからなる、SFC Berger Analytixシステム上の分析により決定した。保持時間3.68分の第1のピーク(面積2.5%)は、異性体2に等しい、(1r,1’S,4S)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミンに相当した。保持時間4.58分の第2のピーク(面積97.5%)は、異性体1に等しく、表題化合物である(1r,1’R,4R)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1’,2’’−インデン−1’,2’’イミダゾール]−4’’−アミンに相当した。
塩からの表題化合物の遊離を、ジクロロメタン(4mL)中に懸濁したカンファースルホン酸塩(0.32g、0.53mmol)を、KOH(0.32g、5.7mmol)の水溶液(4mL)とともに30分間、室温で撹拌することにより行った。有機相を分離し、真空中で濃縮して、定量的に鏡像体余剰95%の表題化合物を得た(上記の通り決定した)。
方法C
中間体8、異性体1(+)−カンファースルホニレート(camphor sulfonylate)
(1r,1’R,4R)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1’,2’’−インデン−1’,2’’イミダゾール]−4’’−アミン(+)−カンファースルホニレート
(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’(3’’H)−チオン(中間体7、異性体1、12.8g、32.6mmol)、アンモニア(MeOH中7M、93.3mL、653mmol)、および酢酸亜鉛二水和物(8.60g、39.2mmol)を圧力反応器に投入し、24時間、80℃に加熱した。反応混合物を冷却し、溶媒を最終体積130mLの1−ブタノールに変更した(1−BuOH(130mL)を加え、次いで、混合物を蒸留して130mLに減らし、この段階でさらなる1−BuOH(65mL)を加えて体積を維持しながら蒸留を継続した)。有機溶液を、1M水酸化ナトリウム水溶液(85mL)および水(51mL)で洗浄した。得られた溶液を70℃に加熱し、D(+)−10−カンファースルホン酸(6.82g、29.4mmol)を加えた。混合物を冷却し、得られた固体をろ過により回収し、エタノール(51mL)で洗浄し、40℃の真空乾燥機で乾燥させて、鏡像体純度99%の白色固体として表題化合物(7.09g、収率41%)を得た(カラム温度20℃、移動相が流速0.9mL/分の95:5イソヘキサン:エタノール(0.1%v/vトリエチルアミン)からなる、クロマトグラフィー:ChiralPak IA−3 0.46cm×5cm、中間体8、異性体1:保持時間2.66分、中間体8、異性体2 保持時間2.39分)。
中間体9
ジ−tert−ブチル[(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−イル]イミドジカーボネート
Figure 2015520220
ジ−tert−ブチルジカーボネート(8.53g、39.1mmol)、EtN(5.44mL、39.1mmol)、およびDMAP(0.227g、1.86mmol)を、(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン(中間体8、異性体混合物2、7.00g、18.6mmol)のDCM(100mL)溶液に加えた。得られた混合物をr.t.で20時間撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、2M HCl水溶液、水、NaHCO飽和水溶液、およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。DCM中0〜5%メタノールの勾配溶出を用いたシリカゲル上のクロマトグラフィーによる精製により、表題化合物(4.41g、収率41%)を得た。H NMR(500MHz,DMSO−d) ppm 1.1〜1.3(m,4H)、1.4(s,18H)、1.5〜1.6(m,2H)、1.8〜1.9(m,2H)、2.2(s,3H)、2.9〜3.0(m,1H)、3.1(s,2H)、3.2(s,3H)、6.7(d,1H)、7.4(d,1H)、7.5(dd,1H)。MS(ES+)m/z 576[M+H]
中間体10
tert−ブチル[(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−イル]カルバメート
Figure 2015520220
ジ−tert−ブチル[(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−イル]イミドジカーボネートおよびt−ブチル[(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−イル]イミドカーボネート(中間体9、クロマトグラフィーにかけない混合物として使用、4.09g、7.78mmol)の混合物を、40℃で8時間、2M NaCO(7.1mL、14mmol)水溶液で処理した。メタノールのほとんどを減圧して蒸発させ、残留物をEtOAcで抽出した。合わせた抽出物を、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。DCMおよびヘプタン(15:85)の混合物中0〜10%MeOHの勾配溶出を用いたシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物(2.90g、収率86%)の2つの異性体の1:1混合物に一致するH NMRを示す生成物を得た。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.44(sが多重線と一部重複,9H)、1.47(sが多重線と一部重複,9H)、2.18(s,3H)、2.28(s,3H)、3.18(sが多重線と一部重複,4H)、3.20(sが多重線と一部重複,3H)、6.66(d,1H)、7.03(m,1H)、7.31(m,2H)、7.41(dd,1H)、7.48(dd,1H)、9.85(s,1H)、10.52(s,1H);MS(ES+)m/z 476[M+H]
中間体11
6−((3,3−ジフルオロシクロブチル)メトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン
Figure 2015520220
6−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(3.6g、24.3mmol)のTHF(60mL)溶液に、(3,3−ジフルオロシクロブチル)メタノール(2.97g、24.3mmol)およびトリフェニルホスフィン(9.56g、36.45mmol)を加えた。ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(7.18mL、36.5mmol)を滴下添加した。反応混合物をr.t.で終夜撹拌した。材料を、ヘプタン中0〜100%EtOAcの勾配を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物3.67g(収率60%)を得た。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 2.30(br.s.,1H)2.42〜2.52(m,6H)2.54〜2.62(m,1H)2.63〜2.66(m,2H)2.67〜2.76(m,2H)2.98〜3.04(m,2H)4.08(d,2H)7.10(d,1H)7.26(dd,1H)7.48(d,1H);MS(ES+)m/z 253[M+H]
中間体12
6’−((3,3−ジフルオロシクロブチル)メトキシ)スピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’,4(3’H)−ジオン
Figure 2015520220
6−((3,3−ジフルオロシクロブチル)メトキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(中間体11、7.0g、27.8mmol)およびメチルアクリレート(5.51mL、61.1mmol)の2−Me THF(6mL)中混合物を0℃に冷却し、カリウムtert−ブトキシド(3.74g、33.3mmol)を部分ごとに加えた。r.t.で2時間撹拌した後、水(9mL)および水酸化カリウム(1.56g、27.8mmol)を加え、混合物を終夜、加熱還流した。混合物をr.t.に冷却し、水およびブラインを加えた。層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を、MgSO上で乾燥させ、濃縮し、3.51g、収率37%の表題化合物を得た。H NMR(500MHz,CDCl)δ ppm 1.80〜1.91(m,2H)2.17〜2.26(m,2H)2.39〜2.57(m,4H)2.58〜2.82(m,5H)3.16(s,2H)4.05(d,2H)7.20(d,1H)7.25(dd,1H)7.40(d,1H);MS(ES+)m/z 335[M+H]
中間体13
6’−((3,3−ジフルオロシクロブチル)メトキシ)−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン
Figure 2015520220
6’−((3,3−ジフルオロシクロブチル)メトキシ)スピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’,4(3’H)−ジオン(中間体12、3.51g、10.5mmol)を、THF(50mL)およびメタノール(4.25mL、105mmol)の混合物に溶解した。ボラン−トリメチルアミン錯体(1.69g、23.1mmol)を加え、混合物を終夜撹拌した。クエン酸一水和物(30.9g、147mmol)を一度に加え、引き続き水(3.78mL、210mmol)を滴下添加した。混合物を3時間撹拌し、その後水で希釈し、EtOAcで抽出した(×2)。合わせた有機相を、乾燥させ、濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィー(DCM中0〜10%MeOH)を用いて精製し、表題化合物2.98g(定量的収率)を得た。MS(ES+)m/z337[M+H]
中間体14
6’−((3,3−ジフルオロシクロブチル)メトキシ)−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン
Figure 2015520220
6’−((3,3−ジフルオロシクロブチル)メトキシ)−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン(中間体13、2.98g、8.85mmol)を、窒素雰囲気下、THF(35mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。カリウムtert−ブトキシド(2.98g、26.6mmol)を少量ずつ加え、混合物を0℃で15分間撹拌した。ヨウ化メチル(1.11mL、17.7mmol)を加えた。冷却浴を除去し、混合物をr.t.で終夜撹拌した。水(200mL)を加え、得られた溶液をさらなる水(200mL)とEtOAc(400mL)との間で分配した。有機相を乾燥させ(MgSO)、濃縮し、生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0〜50%EtOAc)を用いて単離し、表題化合物1.85g(収率59%)を得た。MS(ES+)m/z351[M+H]
中間体15
6’−(シクロブチルメトキシ)スピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’,4(3’H)−ジオン
Figure 2015520220
6−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン(3.0g、20.3mmol)およびシクロブチルメタノール(2.10mL、22.3mmol)から出発し、中間体11に対して記載した手順を用いて、表題化合物(2.56g、収率58%)を製造した。混合物を45℃に加熱し、週末にわたって撹拌したままにした。H NMR(500MHz,CDCl)δ ppm 1.81〜2.03(m,4H)、2.11〜2.20(m,2H)、2.69〜2.74(m,2H)、2.78(dt,1H)、3.04〜3.12(m,2H)、3.96(d,2H)、7.17〜7.22(m,2H)、7.36(d,1H);MS(ES+)m/z 217[M+H]
中間体16
(1r,4r)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン
Figure 2015520220
6’−(シクロブチルメトキシ)スピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’,4(3’H)−ジオン(中間体15、2.35g、7.88mmol)から出発し、中間体13に対して記載した手順を用いて、表題化合物を製造した。生成物を、シリカゲルカラム(n−ヘプタン中0〜50%EtOAcの勾配溶出)上で精製して、表題化合物(1.84g、収率78%、(1s,4s)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン29%を含有する)を得た。この化合物を次の工程において用いた:H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.10(m,副異性体)、1.2〜1.4(m,4H)、1.57(m,2H)、1.71(m,副異性体)、1.75〜1.95(m,6H)、2.07(m,2H)、2.71(m,1H)、2.92(m,2H)、3.44(m,1H)、3.84(m,副異性体)、3.98(d,2H)、4.42(d,副異性体)、4.66(d,1H)、7.07(d,1H)、7.26(m,1H)、7.44(m,1H);MS(ES+)m/z 301.1[M+H]
中間体17
(1r,4r)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン
Figure 2015520220
(1r,4r)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−ヒドロキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン(中間体16、別の異性体29%を含有する、1.84g、6.13mmol)を、不活性な雰囲気下で2−Me THF(17mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。ヨウ化メチル(0.498mL、7.96mmol)を加え、引き続きカリウムtert−ブトキシド(0.962g、8.58mmol)を少量ずつ加えた。得られた混合物を35℃で1時間撹拌した。カリウムtert−ブトキシド(0.962g、8.58mmol)を加え、撹拌を継続した。さらに30分後、新たな一部分のカリウムtert−ブトキシド(0.103g、0.92mmol)を加え、撹拌を継続した。合計4時間後、完全な変換が得られた。水(6mL)およびブライン(3mL)を加えた。相を分離し、有機層を乾燥させ、濃縮した。生成物をシリカゲルカラム上(n−ヘプタン中0〜50%EtOAcの勾配溶出)で精製して、表題化合物(1.48g、収率77%)を得た。生成物は、(1s,4s)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オンを29%含有しており、これを次の工程において用いた:H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.11(m,副異性体)、1.26(m,2H)、1.40(d,1H)、1.57(m,2H)、1.75〜1.95(m,5H)、2.0〜2.1(m,3H)、2.71(m,1H)、2.95(s,3H)、2.95(s,副異性体)、3.19(m,1H)、3.24(s,副異性体)、3.26(s,3H)、3.45(m,副異性体)、3.99(d,2H)、7.07(d,1H)、7.26(m,1H)、7.45(m,1H);MS(ES+)m/z 315.1[M+H]
中間体18
N−(5’−((3,3−ジフルオロシクロブチル)メトキシ)−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−3’(1’H)−イリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィナミド
Figure 2015520220
6’−((3,3−ジフルオロシクロブチル)メトキシ)−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン(中間体14、1.85g、5.28mmol)および2−メチルプロパン−2−スルフィナミド(1.15g、9.50mmol)を2−Me THF(40mL)に溶解した。テトラエトキシチタン(2.21mL、10.6mmol)を加え、得られた混合物を、週末にわたって80℃に加熱した。反応混合物をr.t.に冷却し、酢酸エチル(85mL)で希釈した。激しく撹拌しながら水(3mL)を加え、次いで、混合物を1時間静置した。混合物をろ過し、溶媒を蒸発させ、残留物を、ヘプタン中0〜70%酢酸エチルの勾配を用いたシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物をEtOHから2回再結晶化して、表題化合物0.750g(収率31%)を得た。MS(ES+)m/z454[M+H]
中間体19
6’−[(3,3−ジフルオロシクロブチル)メトキシ]−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’(3’’H)−チオン
Figure 2015520220
HCl(1,4−ジオキサン中4M、4.13mL、16.5mmol)を、N−(5’−((3,3−ジフルオロシクロブチル)メトキシ)−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−3’(1’H)−イリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィナミド(中間体18、750mg、1.65mmol)の無水1,4−ジオキサン(25mL)溶液に加えた。白色沈殿物が直ちに形成し、得られた混濁した混合物を窒素雰囲気下で終夜撹拌した。混合物をNaHCO(水溶液)で希釈し、DCMで抽出した。有機相を乾燥させ、濃縮して、6’−((3,3−ジフルオロシクロブチル)メトキシ)−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−イミン(672mg、1.92mmol)を得た。イミン、トリメチルオルトホルメート(0.557mL、5.08mmol)、および2−プロパノール(5mL)をMW管中に配置し、混合物を油浴中60℃で加熱した。MeOH(15mL)中2−オキソプロパンチオアミド(中間体1、397mg、3.85mmol)を加え、得られた混合物を終夜撹拌した。混合物を真空中で濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0〜50%EtOAc)を用いて単離して、表題化合物106mg(収率12%)を得た。MS(ES+)m/z435[M+H]
中間体20
N−((1r,4r)−5’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−3’(1’H)−イリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィナミド
Figure 2015520220
(1r,4r)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−オン(中間体17、1.48g、4.71mmol)および2−メチルプロパン−2−スルフィナミド(1.027g、8.47mmol)を2−Me THF(17mL)に溶解した。チタン(IV)エトキシド(1.97mL、9.41mmol)を加えた。得られた混合物を終夜、加熱還流した。2−メチルプロパン−2−スルフィナミド(0.560g、4.62mmol)を加え、反応を6時間還流した。さらなる2−メチルプロパン−2−スルフィナミド(0.560g、4.62mmol)およびチタン(IV)エトキシド(1mL、4.79mmol)を加え、混合物を終夜、還流した。さらなる2−メチルプロパン−2−スルフィナミド(0.560g、4.62mmol)およびチタン(IV)エトキシド(1mL、4.79mmol)を加え、混合物を終夜還流した(80%変換)。撹拌しながら、EtOAc(10mL)およびNaHCO飽和水溶液(2mL)を加えた。混合物を1時間静置した。珪藻土を通したろ過により有機相を回収し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。生成物を、シリカゲルカラム上で精製して(n−ヘプタン中0〜100%EtOAcの勾配溶出)、(1s,4s)−異性体30%を含有する表題化合物(1.12g、収率57%)を得た。これを次の工程において用いた:H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.26(m,11H)、1.50(m,3H)、1.87(m,5H)、2.06(m,4H)、2.73(m,1H)、2.96(m,2H)、3.17(m,1H)、3.26(s,3H)、3.95(d,2H)、7.22(m,1H)、7.40(m,1H)、7.83(m,1H);MS(ES+)m/z 418.2[M+H]
中間体21
(1r,4r)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−イミン
Figure 2015520220
HCl(1,4−ジオキサン中4M)(6.70mL、26.8mmol)を、N−((1r,4r)−5’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−3’(1’H)−イリデン)−2−メチルプロパン−2−スルフィナミド(中間体20、1.12g、2.68mmol)の無水1,4−ジオキサン(8mL)溶液に加えた。反応混合物を窒素雰囲気下、r.t.で90分間撹拌した。DCM(20mL)およびNaHCO飽和水溶液(15mL)を反応混合物に加えた。相を分離し、有機層を濃縮して表題化合物(0.840g、定量的収率)を得、これを次の工程において直接用いた:MS(ES+)m/z314.15[M+H]
中間体22
(1r,4r)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’(3’’H)−チオン
Figure 2015520220
(1r,4r)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン]−1’(3’H)−イミン(中間体21、0.84g、2.68mmol)および2−オキソプロパンチオアミド(中間体1、0.829g、8.04mmol)を無水MeOH(12mL)に溶解し、得られた橙色溶液を終夜、N(g)下60℃で加熱した。さらなる2−オキソプロパンチオアミド(0.829g、8.04mmol)を反応混合物に加え、これを6時間、60℃に加熱した。反応混合物を濃縮し、溶媒を2−プロパノール(12mL)に交換した。トリメチルオルトホルメート(0.880mL、8.04mmol)を加えた。反応混合物を約2日間、80℃に加熱した(20%変換)。混合物を濃縮した。残留物をEtOAcに溶解し、次いで水で洗浄した。有機相を濃縮し、残留物をシリカゲルカラム上で精製して(n−ヘプタン中0〜100%EtOAc)表題化合物(0.140g、収率13%)を得た。生成物は(1s,4s)−異性体15%を含有しており、これを次の工程において用いた:H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 1.09(m,1H)1.24(m,3H)1.49(m,2H)1.85(m,6H)2.03(m,2H)2.26(s,3H)2.64(dt,1H)2.97(m,3H)3.20(s,3H)3.85(m,2H)6.30(d,1H)6.87(dd,1H)7.23(d,1H)12.29(s,1H);MS(ES+)m/z 399.1[M+H]
(実施例1)
(1r,4r)−4−メトキシ−5’’−メチル−6’−[(1−メチルシクロプロピル)メトキシ]−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン
Figure 2015520220
tert−ブチル[(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−イル]カルバメート(中間体10、315mg、0.66mmol)、アリルパラジウム(II)クロリド(5mg、0.01mmol)、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3−メトキシ−6−メチルビフェニル−2−イル)ホスフィン(19mg、0.04mmol)、およびCsCO(323mg、0.99mmol)を試験管中に秤量した。試験管にキャップをした。トルエン(5mL)を加え、ヘッドスペースを排除し、アルゴンで再充填した。(1−メチルシクロプロピル)メタノール(114mg、1.32mmol)を加え、混合物を16時間、90℃に加熱した。冷却した反応混合物をろ過した。7Mメタノール性アンモニア(3mL、21mmol)を加え、得られた混合物を65時間、80℃に加熱した。反応混合物を濃縮し、残留物をprepHPLCにより精製して表題生成物93mgを得た(収率37%)。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 0.30〜0.35(m,2H)、0.44〜0.49(m,2H)、0.90(m,1H)、1.08〜1.26(m,5H)、1.33〜1.48(m,3H)、1.80(m,2H)、2.14(s,3H)、2.81〜2.88(m,1H)、2.88〜2.98(m,2H)、3.18(s,3H)、3.54〜3.63(m,2H)、6.04(d,1H)、6.50(s,2H)、6.69(dd,1H)、7.14(d,1H);MS(ES+)m/z 382[M+H]
(実施例2)
(1r,4r)−6’−[(3,3−ジフルオロシクロブチル)メトキシ]−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン
Figure 2015520220
6’−[(3,3−ジフルオロシクロブチル)メトキシ]−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’(3’’H)−チオン(中間体19、106mg、0.24mmol)を、マイクロ波バイアル中に配置した。アンモニア(MeOH中7M)(2mL、14mmol)を加え、混合物を、MW反応器中90℃で30分間加熱した。反応混合物を濃縮し、アンモニア(MeOH中7M)(2mL、14mmol)を加えた。反応混合物をMWにより、30分間120℃で加熱した。このサイクルを5回繰り返した。得られた混合物を濃縮し、逆相分取クロマトグラフィーにより、表題化合物(7mg、収率7%)を単離した。H NMR(500MHz,CDCl)δ ppm 1.07〜1.17(m,1H)1.27〜1.44(m,3H)1.63〜1.76(m,2H)1.95〜2.08(m,2H)2.43〜2.46(m,3H)2.46〜2.50(m,1H)2.53〜2.61(m,1H)2.65(s,2H)2.67〜2.73(m,2H)3.04〜3.12(m,2H)3.13〜3.20(m,1H)3.34(s,3H)3.92(t,2H)6.37(d,1H)6.86(dd,1H)7.25(d,1H)8.33(s,2H);MS(ES+)m/z 418[M+H]
(実施例3)
(1r,4r)−6’−(シクロプロピルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン
Figure 2015520220
ジ−tert−ブチル[(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−イル]イミドジカーボネート(中間体9、522mg、0.91mmol)、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3−メトキシ−6−メチルビフェニル−2−イル)ホスフィン(26mg、0.05mmol)、アリルパラジウムクロリド二量体(7mg、0.02mmol)、およびCsCO(443mg、1.36mmol)を試験管中に秤量した。ヘッドスペースを排除し、アルゴンで再充填した。トルエン(3mL)およびシクロプロピルメタノール(0.143mL、1.81mmol)を加え、混合物を2時間40分、90℃に加熱した。反応混合物をろ過し、7Mメタノール性アンモニア(3.9mL、27mmol)を加えた。得られた溶液を15時間、85℃に加熱した。混合物を濃縮し、DCM中0.2Mメタノール性アンモニア0〜5%の勾配溶出を用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー、引き続き分取クロマトグラフィーにより精製して表題生成物(202mg、収率61%)を得た。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 0.2〜0.3(m,2H)、0.5〜0.5(m,2H)、0.9(td,1H)、1.1〜1.3(m,3H)、1.3〜1.5(m,3H)、1.7〜1.9(m,2H)、2.1(s,3H)、2.8〜2.9(m,1H)、2.9〜3.0(m,2H)、3.2(s,3H)、3.6(d,2H)、6.0(d,1H)、6.5(br.s.,2H)、6.7(dd,1H)、7.1(d,1H)。MS(ES+)m/z 368[M+H]
(実施例4)
(1r,4r)−6’−(シクロプロピルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミンの異性体の分離
3つの部分に分割した、(1r,4r)−6’−(シクロプロピルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン(実施例3、147mg、0.40mmol)を、Chiralcel OD−H;20250mm;5μmカラムを有し、移動相が25%MeOH(0.1%DEAを含有する)および流速50mL/分の75%COからなるSFC BergerMultigram IIシステムを用いて精製して以下を得た:
保持時間1.58分の異性体1 (1r,1’R,4R)−6’−(シクロプロピルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン(66mg、収率45%):
Figure 2015520220
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 0.23〜0.29(m,2H)、0.47〜0.54(m,2H)、0.90(td,1H)、1.07〜1.26(m,3H)、1.34〜1.47(m,3H)、1.80(d,2H)、2.14(s,3H)、2.81〜2.88(m,1H)、2.89〜2.98(m,2H)、3.18(s,3H)、3.64(d,2H)、6.03(d,1H)、6.50(s,2H)、6.70(dd,1H)、7.14(d,1H)。MS(ES+)m/z 368[M+H]
および保持時間2.24分の異性体2 (1r,1’S,4S)−6’−(シクロプロピルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン(65mg、収率44%):
Figure 2015520220
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 0.26(m,2H)、0.51(m,2H)、0.90(td,1H)、1.07〜1.26(m,3H)、1.34〜1.48(m,3H)、1.80(m,2H)、2.14(s,3H)、2.80〜2.88(m,1H)、2.88〜2.98(m,2H)、3.18(s,3H)、3.64(d,2H)、6.04(d,1H)、6.50(s,2H)、6.70(dd,1H)、7.14(d,1H)。MS(ES+)m/z 368[M+H]
(実施例5)
(1r,4r)−6’−[(2,2−ジフルオロシクロプロピル)メトキシ]−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン
Figure 2015520220
ジ−tert−ブチル[(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−イル]イミドジカーボネート(中間体9、200mg、0.35mmol)、および(2,2−ジフルオロシクロプロピル)メタノール(75mg、0.69mmol)から出発して、実施例3に対して記載した手順を用いて、表題化合物を製造した。生成物を、シリカカラム上のクロマトグラフィー(溶離液 0〜100%DCM中(MeOH中7MNH)/DCM1:9)、引き続き分取HPLCにより精製して表題化合物(29mg、収率21%)を得た。
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 0.90(br.s.,1H)、1.18(m,2H)、1.42(m,4H)、1.66(m,1H)、1.80(d,2H)、1.80(m,0H)、2.11(m,1H)、2.13(s,3H)、2.85(d,1H)、2.93(m,2H)、3.18(s,3H)、3.79(d,1H)、4.00(m,1H)、6.07(d,1H)、6.50(br.s.,2H)、6.74(dd,1H)、7.16(d,1H);MS(ES+)m/z 404.09[M+H]
(実施例6)
(1r,4r)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン
Figure 2015520220
(1r,4r)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’(3’’H)−チオン(中間体22、140mg、0.35mmol)から出発して、実施例2に記載した手順を用いて、表題化合物を製造した。生成物をシリカゲルカラム上で(0〜100%DCM中(MeOH/DCM1:9中7MNH)の勾配溶出)、引き続き分取クロマトグラフィーにより精製して表題化合物(44mg、収率28%)を得た:H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 0.90(t,1H)1.17(m,2H)1.41(m,3H)1.82(m,9H)2.01(m,2H)2.14(s,3H)2.62(m,1H)2.90(m,3H)3.18(s,3H)3.78(m,2H)6.05(s,1H)6.46(br.s,2H)6.70(d,1H)7.14(d,1H);MS(APCI+)m/z 382.2[M+H]
(実施例7)
(1r,4r)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミンの異性体の分離
(1r,4r)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン(実施例6、35mg)の異性体を、OD−H;20250mm;5μmカラムを有し、移動相が30%MeOH(0.1%DEAを含有する)および流速50mL/分の70%COからなるSFC BergerMultigram IIシステムを用いて分離して以下を得た:
保持時間2.1分の異性体1:(1r,1’R,4R)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン(12mg、収率34%):
Figure 2015520220
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 0.90(d,1H)、1.14(d,2H)、1.41(m,3H)、1.82(m,6H)、2.01(m,2H)、2.15(s,3H)、2.62(m,1H)、2.90(m,3H)、3.18(s,3H)、3.78(dd,2H)、6.05(d,1H)、6.50(br.s.,2H)、6.70(dd,1H)、7.14(d,1H)、MS(APCI+)m/z
382[M+H]
および、保持時間5.0分の異性体2:(1r,1’S,4S)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン(12mg、収率34%):
Figure 2015520220
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 0.90(m,1H)、1.18(m,2H)、1.43(m,3H)、1.82(m,6H)、2.01(m,2H)、2.15(s,3H)、2.62(m,1H)、2.89(m,3H)、3.18(s,3H)、3.78(dd,2H)、6.05(d,1H)、6.50(s,2H)、6.70(dd,1H)、7.14(d,1H)、MS(APCI+)m/z 382[M+H]
(実施例8)
(1r,4r)−6’−(2−シクロプロピルエトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン
Figure 2015520220
ジ−tert−ブチル[(1r,4r)−6’−ブロモ−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−イル]イミドジカーボネート(中間体9、210mg、0.36mmol)、ジ−tert−ブチル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−3−メトキシ−6−メチルビフェニル−2−イル)ホスフィン(10mg、0.02mmol)、アリルパラジウムクロリド二量体(2.7mg、7.3μmol)、炭酸セシウム(178mg、0.55mmol)、および2−シクロプロピルエタノール(63mg、0.73mmol)の混合物上のヘッドスペースを排除し、アルゴンで再充填した。トルエン(1.3mL)を加え、混合物を3日間、90℃で加熱した。r.t.でさらに2日後、反応混合物を、シリンジフィルタを通してろ過した。フィルタをメタノール中7Mアンモニア(1.56mL、10.9mmol)で洗浄した。さらなるメタノール中7Mアンモニア(1.56mL、10.9mmol)を加え、得られた溶液を24時間、85℃で加熱した。r.t.に冷却した後、混合物を濃縮した。残留物をEtOAcと2Mクエン酸水溶液との間で分配した。相を分離し、有機層を2Mクエン酸水溶液で2回抽出した。有機層を廃棄した。クエン酸水溶液相をNaOH(50%水溶液)で塩基性化し、EtOAcで2回抽出した。有機相を活性炭で処理し、乾燥させ(NaSO)、珪藻土を通してろ過し、濃縮した。CHCl/MeOH(20:1〜15:1〜10:1)の勾配を用いたフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(56mg、収率40%)を得た。
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ ppm 0.02〜0.12(m,2H)、0.34〜0.45(m,2H)、0.72〜0.84(m,1H)、0.90(td,1H)、1.07〜1.27(m,2H)、1.35〜1.48(m,3H)、1.53(q,2H)、1.80(d,2H)、2.15(s,3H)、2.81〜2.88(m,1H)、2.88〜2.98(m,2H)、3.18(s,3H)、3.80〜3.91(m,2H)、6.06(d,1H)、6.50(s,2H)、6.71(dd,1H)、7.15(d,1H);MS(ES+)m/z 382.1[M+H]
生物学的アッセイ
化合物の活性のレベルを、以下の方法を用いて試験した:
TR−FRETアッセイ
TR−FRETにおいて用いるβ−セクレターゼ酵素を、以下の通りに製造した:
ヒトβ−セクレターゼの可溶性部分(アミノ酸1〜アミノ酸460)に対するcDNAを、哺乳動物発現ベクターASP2−Fc10−1−IRES−GFP−neoKを用いてクローニングした。遺伝子をIgG1(アフィニティタグ)のFcドメインに融合させ、HEK293細胞中に安定にクローニングした。精製したsBACE−Fcを、50mMグリシンpH2.5中、−80℃で貯蔵し、1M TrisでpH7.4に調整し、純度は40%であった。
酵素(切断型)を6μg/mL(保存液1.3mg/mL)に希釈し、TruPoint BACE1基質を反応バッファー(酢酸ナトリウム、chaps、トリトンx−100、EDTA pH4.5)中200nM(保存液120μM)に希釈した。ジメチルスルホキシド(DMSO最終濃度5%)中の酵素および化合物を混合し、RTで10分間プレインキュベートした。次いで、基質を加え、反応をRTで15分間インキュベートした。0.35倍容の停止溶液(酢酸ナトリウム、pH9)を加えて反応を停止させた。生成物の蛍光を、励起波長340〜485nmおよび発光波長590〜615nmのVictor IIプレートリーダー上で測定した。酵素の最終濃度は2.7μg/mlであり;基質の最終濃度は100nMであった(Kmはおよそ250nM)。ジメチルスルホキシド対照は、試験化合物の代わりに、100%の活性レベルを規定し、0%の活性は酵素を欠くウエルにより(反応バッファーで置き換えたもの)、または飽和投与量の既知の阻害物質である、2−アミノ−6−[3−(3−メトキシフェニル)フェニル]−3,6−ジメチル−5H−ピリミジン−4−オンにより規定された。対照の阻害物質をやはり投与量反応アッセイにおいて用い、IC50はおよそ150nMであった。
希釈TR−FRETアッセイ
高親和性を有する化合物を、希釈TR−FRETアッセイにおいてさらに試験し、条件は上記TR−FRETアッセイに対して記載した通りであったが、酵素は50倍少なく、r.t.で暗所の、6.5時間の長い反応時間であった。
sAPPβ放出アッセイ
SH−SY5Y細胞を、Glutamax、10%FCS、および1%非必須アミノ酸を含む、DMEM/F−12中で培養し、冷凍保存し、1バイアルあたり7.5〜9.5×10細胞の濃度で、−140℃で貯蔵した。細胞を解凍し、384ウエルの組織培養物処理したプレートに、Glutamax、10%FCS、および1%非必須アミノ酸を含むDMEM/F−12中10000細胞/ウエル付近の濃度で、細胞懸濁液100μL/ウエルを播種した。次いで、細胞プレートを37℃、5%COで7〜24時間インキュベートした。細胞培地を除去し、引き続き、Glutamax、10%FCS、1%非必須アミノ酸、および1%PeStを含むDMEM/F−12中で希釈した化合物30μLを、DMSOの最終濃度が1%になるまで加えた。化合物を細胞と一緒に17時間(終夜)、37℃、5%COでインキュベートした。メソスケールディスカバリー(Meso Scale Discovery)(MSD)プレートを、sAPPβ放出の検出に用いた。MSD sAPPβプレートを、Tris洗浄バッファー(40μL/ウエル)中1%BSA中で、r.t.の振盪機上1時間、ブロックし、Tris洗浄バッファー(40μL/ウエル)中で1回洗浄した。予めブロックし、洗浄したMSD sAPPβマイクロプレートに培地20μLを移し、細胞プレートをATPアッセイにおいてさらに用いて、細胞毒性を測定した。MSDプレートを、r.t.で2時間振盪しながらインキュベートし、培地を廃棄した。検出抗体10μLを1ウエルあたり(1nM)加え、引き続きr.t.で2時間、振盪しながらインキュベートし、次いで廃棄した。1ウエルあたり40μLのリードバッファー(Read Buffer)を加え、プレートをSECTOR Imagerにおいて読み取った。
ATPアッセイ
sAPPβ放出アッセイにおいて指摘した通り、培地20μLをsAPPβ検出用細胞プレートから移した後、プレートを用いて、全細胞のATPを測定するCambrex BioScienceからのViaLightTM Plus細胞増殖/細胞毒性キットを用いて、細胞毒性を分析した。アッセイを、製造元のプロトコールにしたがって行った。簡潔に述べると、1ウエルあたり細胞溶解試薬10μLを加えた。プレートをr.t.で10分間インキュベートした。再構成したViaLightTM PlusATP試薬25μLを加えた2分後に発光を測定した。毒性閾値(Tox threshold)は、対照の75%未満のシグナルである。
結果
本発明の化合物に対する典型的なIC50値は、約0.1nMから約100,000nMの範囲にある。特定の例の化合物に対する生物学的データを、以下の表1に示す。
Figure 2015520220

Claims (11)

  1. 遊離塩基または薬学的に許容されるその塩としての式(I)の化合物
    Figure 2015520220
    [式中、
    Aは、−O−または−CH−であり;
    nは、0または1であり;
    は、C1〜6アルキルまたはC1〜6ハロアルキルであり;
    は、C1〜6アルキル、またはC1〜6ハロアルキルであり、前記C1〜6アルキルまたはC1〜6ハロアルキルは、C3〜6シクロアルキルまたはC3〜6ハロシクロアルキルから独立に選択される1個から3個の基で置換されており;
    およびRは、独立に、水素、ヘテロシクリル、C3〜6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、もしくはC1〜6アルキルであり、前記ヘテロシクリル、C3〜6シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、もしくはC1〜6アルキルは、ハロゲン、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シアノ、もしくはORから独立に選択される1個もしくは2個の置換基で場合により置換されており;
    またはRおよびRは、これらが結合している炭素と一緒になって3〜14員シクロアルキルもしくはヘテロシクリル単環式環、もしくは9〜14員二環式シクロアルキルもしくはヘテロシクリル環である環Bを形成し;環Bは、オキソ、ハロゲン、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、シアノ、またはORから独立に選択される1個または2個の置換基により場合により置換されており;
    は、独立に、水素、C1〜6アルキル、C1〜6ハロアルキル、またはC0〜6アルキルC3〜6シクロアルキルであり;
    は、水素、ハロゲン、またはメチルである]。
  2. (1r,4r)−4−メトキシ−5’’−メチル−6’−[(1−メチルシクロプロピル)メトキシ]−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン;
    (1r,4r)−6’−[(3,3−ジフルオロシクロブチル)メトキシ]−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン;
    (1r,4r)−6’−(シクロプロピルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン;
    (1r,1’R,4R)−6’−(シクロプロピルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン;
    (1r,1’S,4S)−6’−(シクロプロピルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン;
    (1r,4r)−6’−[(2,2−ジフルオロシクロプロピル)メトキシ]−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン;
    (1r,4r)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン;
    (1r,1’R,4R)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン;
    (1r,1’S,4S)−6’−(シクロブチルメトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン、および
    (1r,4r)−6’−(2−シクロプロピルエトキシ)−4−メトキシ−5’’−メチル−3’H−ジスピロ[シクロヘキサン−1,2’−インデン−1’,2’’−イミダゾール]−4’’−アミン
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、または任意の前述の化合物の薬学的に許容される塩。
  3. 有効成分として治療有効量の請求項1または2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤と共に含む医薬組成物。
  4. 医薬として用いるための、請求項1または2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  5. Aβ関連の病態を処置または防止するための、請求項1または2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  6. 前記Aβ関連の病態は、ダウン症候群、β−アミロイド血管障害、脳アミロイド血管障害、遺伝性脳出血、認知障害に関連する障害、MCI(「軽度認知障害」)、アルツハイマー病、物忘れ、アルツハイマー病に関連する注意欠陥症状、アルツハイマー病に関連する神経変性、混合血管起源の認知症、変性起源の認知症、初老期認知症、老年認知症、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上性麻痺、または皮質基底変性症である、Aβ関連の病態を処置または防止するための、請求項1または2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  7. アルツハイマー病を処置または防止するための、請求項1または2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
  8. それを必要とする患者においてAβ関連の病態を処置または防止する方法であって、前記患者に治療有効量の請求項1または2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む前記方法。
  9. 前記Aβ関連の病態は、ダウン症候群、β−アミロイド血管障害、脳アミロイド血管障害、遺伝性脳出血、認知障害に関連する障害、MCI(「軽度認知障害」)、アルツハイマー病、物忘れ、アルツハイマー病に関連する注意欠陥症状、アルツハイマー病に関連する神経変性、混合血管起源の認知症、変性起源の認知症、初老期認知症、老年認知症、パーキンソン病に関連する認知症、進行性核上性麻痺、または皮質基底変性症である、請求項7に記載の方法。
  10. それを必要とする患者においてアルツハイマー病を処置または防止する方法であって、前記患者に治療有効量の請求項1または2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む前記方法。
  11. それを必要とする患者においてAβ関連の病態を処置または防止する方法であって、前記患者に治療有効量の請求項1または2に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩、および認知増強剤、記憶増強剤、またはコリンエステラーゼ阻害剤の少なくとも1つを投与することを含む前記方法。
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