JP7333572B2 - 天然色素を用いた化合物 - Google Patents
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Description
また、特許文献1に示す顔料は、従来の金属イオンを用いて染料をレーキしたレーキ顔料と比較し、発色性に劣る。
[1] クルクミンの天然色素と有機酸とが結合してなる化合物であって、前記化合物の数平均分子量(Mn)が400~4950である、化合物。
[2] アリザリン、カルミン酸、ラック色素またはラッカイン酸、カプサンチンまたはトウガラシ色素、サフロミンまたはベニバナ黄色素、シソニンまたはシソ色素、及びキサントモナシンまたはベニコウジ色素の中から選ばれた少なくとも1種以上の天然色素と有機酸とが結合してなる、化合物。
[3] 前記有機酸がカルボン酸基を少なくとも1つ以上有する、[1]又は[2]に記載の化合物。
[4] 前記カルボン酸が天然由来のカルボン酸である、[3]に記載の化合物。
[5] 前記有機酸が、カルボン酸、ヒドロキシ酸、及びスルホン酸のいずれかである、[1]~[4]の何れかに記載の化合物。
[6] 前記化合物の平均粒子径が0.01~100μmである、[1]~[5]の何れかに記載の化合物。
[7] インキ、トナー、又は塗料用の着色剤として用いる、[1]~[6]の何れかに記載の化合物。
本発明の化合物は、天然色素と有機酸とが結合してなる。
本発明の化合物は、天然色素を利用して得られるバイオマス度の高い化合物(より好ましくはバイオマス度100%の化合物)であって、発色性及び耐光性に優れている。
バイオマス度とは、バイオマス由来成分の重量比率を示したものをいう。
本発明の化合物は、有機酸が結合した天然色素が繰り返し形成された天然色素多量体であることが好ましい。
また、本発明の化合物は、着色時における色素の状態が粒子の状態となっており、顔料として、インキ、トナー、塗料の色材に好ましく用いることができる。
そこで、本発明の化合物を、上記第1の実施態様と上記第2の実施態様のそれぞれに場合分けをして、該化合物に使用される原料である天然色素と有機酸について、以下説明する。
本発明の第1の実施態様における化合物は、クルクミンの天然色素と有機酸とが結合してなる。そして、該化合物の数平均分子量(Mn)は、400~4950である。
本発明者らは、天然色素としてクルクミンを用い、該クルクミンの天然色素と有機酸とを結合してなる化合物について検討した結果、分子量が上がるにつれ発色性(特に彩度)及び耐光性が低下していくことがわかった。そして、特定の分子量を超えた化合物では、インキ、トナー、あるいは塗料に用いる色材として実用上有効に利用することができないことがわかった。そこで、クルクミンの天然色素と有機酸とを結合してなる化合物において、該化合物の数平均分子量を特定の範囲に規定した本発明の化合物は、発色性及び耐光性に優れたものとなる。本発明の化合物は、インキ、トナー、あるいは塗料の色材として、有効に使用することができる。
本発明の第1の実施態様における化合物の原料に用いられるクルクミンは、ジオール構造を有している。クルクミンは、有機酸とエステル結合により結合することができる。
本発明の第1の実施態様における化合物の原料に用いられる有機酸は、天然色素である上記クルクミンと結合することにより該天然色素の多量体が形成できるものであれば、特に限定されず、目的に応じて適宜選択できる。
本発明に用いられる有機酸としては、特に限定されるものではないが、例えば、カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸等が挙げられる。
ここで、天然由来のカルボン酸としては、コハク酸、セバシン酸、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、リシノール酸、フマル酸等が挙げられる。
本発明の化合物の分子量は、以下のように測定することができる。
本発明における化合物の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)とは、溶媒としてクロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポリスチレンで換算した数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を指す。溶媒として、クロロホルムで測定できない場合においてはジメチルホルムアミドを用い、それでも測定できない場合においてはテトラヒドロフランを用い、さらに測定できない場合においてはヘキサフルオロイソプロパノールを用いる。
本発明の第2の実施態様における化合物は、アリザリン、カルミン酸、ラック色素またはラッカイン酸、カプサンチンまたはトウガラシ色素、サフロミンまたはベニバナ黄色素、シソニンまたはシソ色素、及びキサントモナシンまたはベニコウジ色素の中から選ばれた少なくとも1種以上の天然色素と有機酸とが結合してなる。
本発明者らは、天然色素を利用した化合物について検討した結果、上記特定の天然色素から選ばれる少なくとも1種以上の天然色素と有機酸とを結合してなる化合物が、発色性及び耐光性に優れることがわかった。上記特定の天然色素と有機酸とを結合してなる本発明の化合物は、インキ、トナー、あるいは塗料の色材として、有効に使用することができる。
本発明の第2の実施態様における化合物の原料に用いられる天然色素は、アリザリン、カルミン酸、ラック色素またはラッカイン酸、カプサンチンまたはトウガラシ色素、サフロミンまたはベニバナ黄色素、シソニンまたはシソ色素、及びキサントモナシンまたはベニコウジ色素の中から選ばれる。
これらの天然色素は、例えば、有機酸とエステル結合により結合することができる。
本発明の第2の実施態様における化合物の原料に用いられる有機酸は、上記第1の実施態様における化合物の原料に用いられる有機酸と同様である。つまり、上記<第1の実施態様における化合物>の<<有機酸>>の欄で説明したのと同様の有機酸を用いることができる。
本発明の化合物(上記第1の実施態様の化合物、及び上記第2の実施態様の化合物を区別することなく、いずれの実施態様の化合物をも対象とする場合には、「本発明の化合物」という場合もある)は、天然色素と有機酸とを反応させ、天然色素と有機酸とを結合させることにより得ることができる。天然色素を有機酸と結合させることで、天然色素が繰り返し形成された天然色素多量体からなる化合物を得ることができる。
上記結合としては、例えば、エステル結合が挙げられる。
本発明の化合物の製造方法の好ましい実施態様としては、天然色素のヒドロキシ基と有機酸のカルボン酸基とをエステル縮合反応により反応させ天然色素と有機酸とを結合させる製造方法が挙げられる。
より好ましい実施態様としては、天然色素のジオール化合物と有機酸であるジカルボン酸とをエステル縮合反応により反応させ天然色素と有機酸とを結合させる製造方法が挙げられる。
本発明の化合物の製造方法の好ましい実施態様としては、例えば、有機酸としてジカルボン酸塩化物を用いて、有機酸であるジカルボン酸塩化物と天然色素のジオール化合物とをエステル反応させるにより得る化合物の製造方法が挙げられる。この場合、低温で溶媒存在下生成する塩酸を留去または塩基性化合物で中和する方法などをとることにより、化合物を製造することができる。この場合の反応温度としては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、-80~100℃が好ましく、-80~60℃がより好ましく、-20~20℃がさらに好ましく、-5~10℃が特に好ましい。
溶媒を用いる場合、用いられる溶媒は基質と反応しないものであればどの様なものでも使用でき、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミド類等が使用可能である。
未反応で残留する原料がある場合、未反応の原料はこの洗浄処理によって除去される。そして、固液分離後又は洗浄後の粉体を、公知の方法により乾燥することによって、不溶性の化合物(顔料)が得られる。
本発明の化合物は、優れた発色性(彩度)を示す他、耐光性にも優れる。
例えば、クルクミンに対して有機酸を結合させて得られたクルクミンの多量体からなる本発明の化合物は、下記実施例でも示すように、優れた彩度、及び耐光性を示す。
本発明の化合物の好ましい実施態様としては、例えば、下記式(I)又は下記式(II)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
炭化水素基は、飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基であってもよく、例えば、鎖状飽和炭化水素基、鎖状不飽和炭化水素基、環状不飽和炭化水素基、飽和炭化水素基が挙げられる。
該炭化水素基の炭素数としては、例えば、2~15が好ましい。ただし、有機酸としてダイマー酸を含めて規定した場合には、該炭化水素の炭素数としては、2~36が好ましい。
本発明の化合物の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、例えば、インキ化時の発色性や隠ぺい性の観点から0.01~100μmであることが好ましく、0.05~50μmであることがより好ましい。
尚、化合物の平均粒子径の値は、透過型又は走査型の電子顕微鏡等で粒子を撮影し、20個の粒子についてその最長径を測長した算術平均値である。
本発明の化合物は、本発明の化合物をその他の材料と配合することで、組成物(例えば、顔料組成物)を作製し、インキ、トナー、又は塗料等に用いることができる。
本発明の化合物は、本発明の化合物をその他材料と配合することで、顔料組成物を作製することができる。
上記顔料組成物は、本発明の化合物とともに樹脂を配合することができる。本発明に使用できる樹脂としては、例えば熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等が挙げられる。
また、上記顔料組成物は、さらに溶剤を配合することができる。溶剤は希釈溶剤として用いてもよいし、ワニスや湿し水といった各種添加剤としての効果を期待して配合してもよい。
溶剤としては特に限定はなく、用途に応じて使用することができる。溶剤としては、例えば水、水性溶剤、有機溶剤、液状有機ポリマー等が挙げられる。溶剤は、1種類を単独で又は複数種類を併用して使用することができる。
上記顔料組成物は、必要に応じて皮張り防止剤、粘度調整剤、皮膜強化剤、分散剤、汚れ防止剤、乳化調整剤、酸化防止剤等の配合物を含んでいてもよい。これらの配合物としては、従来公知のものを好適に用いることができる。
上記顔料組成物が成形用樹脂を含有する場合、顔料組成物を成形して成形体とすることができる。成形方法は従来公知の方法を用いればよく、用途によって適時選択すればよい。成形体の形状に制限はなく、平板、シート状又は3次元形状の全面に又は一部に曲率を有する等、目的に応じた任意の形状であってよい。
上記顔料組成物は、インキに用いることができる。上記顔料組成物を含有するインキは、本発明の化合物の他に、樹脂及び又は有機溶剤を含有する。本発明の化合物は、発色性及び耐光性に優れることから、インキ用の着色剤として用いることにより、鮮やかな印刷が可能となる。
印刷インキは、上述した本発明の化合物が、発色性に優れることから、鮮やかな印刷が可能である。このため、本発明の化合物を用いた印刷インキは、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等に使用する各種印刷インキに好適に使用することができる。中でも、平版オフセット印刷用の平版オフセット印刷インキ、グラビア印刷用やフレキソ印刷用に適用できるリキッド印刷インキとして好適に使用することができる。
オフセット印刷インキは、平版印刷(湿し水を使用する平版印刷や湿し水を使用しない水無し平版印刷)、凸版印刷、凹版印刷、孔版印刷や、これらの版に付けられたインキをブランケット等の中間転写体に転写した後被印刷体に印刷する転写(オフセット)方式を組み合わせた種々の印刷方式におけるインキをいう。
平版オフセット印刷インキは、本発明の化合物の他、印刷インキ用樹脂ワニス、有機溶剤、大豆油等の植物油や植物油エステル、乾燥抑制剤、ドライヤー、耐摩擦性改良剤等を混合し、ロールミル等で練肉分散して製造される。
グラビア印刷インキやフレキソ印刷インキとして使用されるリキッド印刷インキは、有機溶剤を主溶媒とする有機溶剤型リキッド印刷インキと、水を主溶媒とする水性リキッド印刷インキとに大別される。本発明の化合物は、有機溶剤型リキッド印刷インキ及び水性リキッド印刷インキ共に適用することができる。
有機溶剤型リキッド印刷インキは、本発明の化合物の他、バインダー樹脂、有機溶剤、分散剤、消泡剤等を添加した混合物を分散機で分散し、分散体を得る。得られた分散体に樹脂、有機溶剤、必要に応じてレベリング剤等の添加剤を加え、撹拌混合することで有機溶剤型リキッド印刷インキが得られる。
水性リキッド印刷インキは、本発明の化合物の他、バインダー樹脂、水性媒体、分散剤、消泡剤等を添加した混合物を分散機で分散し、分散体を得る。得られた分散体に樹脂、水性媒体、必要に応じてレベリング剤等の添加剤を加え、撹拌混合することで水性リキッド印刷インキが得られる。
100mLの二口フラスコに、天然色素82.8質量部と、テトラヒドロフラン(関東化学株式会社製、脱水、安定化剤無添加)1599質量部を入れ、アルゴンに置換し、氷浴で0℃に冷やしながら5分間撹拌した。トリエチルアミン(富士フイルム和光純薬株式会社製、特級)22.7質量部を滴下し、0℃でさらに5分間撹拌した。次に、有機酸17.2質量部をゆっくり滴下し、滴下終了後、0℃下で6時間撹拌した。続いて、エバポレーターで溶媒を留去し、メタノール(キシダ化学株式会社製、1級)1780質量部を加えて懸濁させて洗浄を行った後、ろ紙(ADVANTEC社製、定性ろ紙No.1)を用いて吸引ろ過による固液分離を行った。ろ別した固形物を50℃で真空乾燥し、粉末を得た。
天然色素としてクルクミン(富士フイルム和光純薬株式会社製、特級)、有機酸としてフマル酸の塩化物(フマリルクロリド;東京化成工業株式会社製)を使用して、上記の顔料の製造方法1の方法で、天然色素多量体化化合物の粉末を得た。
実施例1で使用した成分の配合量は、下記表1に示すとおりである。尚、表1において、配合量の単位は、質量部である。
実施例1と同様にして、表1に記載した天然色素(クルクミン)と有機酸の配合量をそれぞれ表1に記載の配合量に変えた以外は、実施例1と同様の方法で、天然色素多量体化合物の粉末を得た。
実施例1と同様にして、天然色素をアリザリンに変え、天然色素(アリザリン)と有機酸の配合量をそれぞれ表1に記載の配合量に変えた以外は、実施例1と同様の方法で、天然色素多量体化合物の粉末を得た。得られた天然色素多量体化合物の粉末は、薄い黄色を呈していた。
実施例1と同様にして、表1に記載した天然色素(クルクミン)と有機酸の配合量をそれぞれ表1に記載の配合量に変えた以外は、実施例1と同様の方法で、天然色素多量体化合物の粉末を得た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下の条件でポリスチレン換算した多量体化合物試料の分子量を測定した。
装置名:日本分光株式会社製LC-20000Plus seriesカラム:ガードカラムとして「Showdex GPC K-G 4A」と、カラム「Showdex GPC K-804L」を2本接続(カラムはいずれも昭和電工株式会社製)
カラムオーブン温度:40℃
検出器:日本分光株式会社製RI-2031Plus、日本分光株式会社製UV-2070Plus
溶離液:クロロホルム
GPC試料濃度:1g/L
流速:0.5mL/分
標準試料:昭和電工株式会社製ポリスチレン標準試料STANDARD SM-105
<<平版オフセット印刷インキ用樹脂ワニスの調製>>
ロジン変性フェノール樹脂(重量平均分子量4.5万)44質量部、大豆油15質量部を仕込み、窒素気流下で220℃に昇温して1.5時間加熱撹拌後、AFソルベント7号(石油系溶剤:JXTGエネルギー(株)製)39.7質量部を加えて、30分撹拌した後、140℃まで冷却した。
冷却後AFソルベント7号で50%希釈したアルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート溶液を1.0質量部加えて160℃に昇温し1.0時間加熱撹拌後、140℃まで冷却し、BHT(本州化学(株)社製)0.3質量部を仕込み撹拌した後、平版オフセット印刷インキ用樹脂ワニスを得た。
下記の配合割合で、3本ロールミルを用いて練肉し、平版オフセット印刷インキを得た。
[平版オフセットインキの配合量]
平版オフセット印刷インキ用樹脂ワニス 65部
天然色素多量体化合物 16部
AFソルベント7号 19部
平版オフセット印刷インキを、ヘラを用いてトップコート紙に展色した後、ドライヤーで乾燥し、展色物を得た。
分光測色計(X-rite社製SpectroEye)を用い、観測光源D50、観測視野2°の条件で、CIELAB色空間で印刷インキ展色物の色相(L*値、a*値、b*値)を測定した。
また、得られた測定値をもとに、以下式を用いて彩度C*を算出した。
C*=√((a*)^2+(b*)^2)
作製した印刷インキ展色物について、JIS K 5600:2008に規定されている「促進耐候性及び促進耐光性(キセノンランプ法)」に準拠し、株式会社東洋精機製作所製アトラスウェザオメーターCi3000を用いて、放射照度40W/m2、ブラックパネル温度63℃、50%RH、露光時間15時間の条件にて耐光性試験を行った。なお、試験前後の展色物について、上記の方法にて色相の測定を行い、試験前後における色差ΔE値(ΔE=√{(ΔL*^2)+(Δa*^2)+(Δb*^2)}^2;なお、ここでΔL、ΔaおよびΔbとは、展色物の試験前後におけるL値、a値およびb値の差を表す)を用いて、耐光性を以下のとおり評価した。
A:ΔE値が5以下
B:ΔE値が5超かつ10以下
C:ΔE値が10超かつ20以下
D:ΔE値が20超かつ30以下
E:ΔE値が30超
上記実施例2~6、及び上記比較例1~2で得られた天然色素多量体化合物の粉末について、上記の多量体化合物の分子量測定方法により、数平均分子量Mnならびに重量平均分子量Mw、分子量分布(=Mw/Mn)を測定した結果を下記表2に示す。
上記実施例2~6、及び上記比較例1~2で得られた天然色素多量体化合物の粉末について、当該粉末を顔料として使用し、上記<平版オフセット印刷インキの調製>及び上記<印刷インキ展色物の調製>の欄で記載の方法により印刷インキ展色物を作製し、次いで上記<印刷インキ展色物の色相の測定>及び上記<耐光性試験>の欄で記載の方法により、耐光性を評価した。
各天然色素多量体化合物の平版オフセット印刷インキにおける耐光性試験の評価結果を、下記表3に示す。
目開き30μmのメッシュで異物を除去した海水(千葉県習志野市の茜浜港から採取)100質量部に対し、0.015質量部の天然色素多量体化合物を加え、水温を27℃に保ちながら、マグネチックスターラーで30日間撹拌した。試験後の天然色素多量体化合物をメンブレンフィルターでろ別し、60℃で24時間真空乾燥した後に重量を測定した。同様の操作をポリヒドロキシ酪酸の粉末(Sigma-Aldrich社製)でも行い、試験後の重量を測定した。なお、重量減少度、ならびに相対重量減少度については以下の式(1)~(3)により算出し、下記基準で海洋生分解性を評価した。
・ポリヒドロキシ酪酸の重量減少度=100-(30日後のポリヒドロキシ酪酸の重量/試験前のポリヒドロキシ酪酸の重量)×100 (2)
・相対重量減少度=(天然色素多量体化合物の重量減少度/ポリヒドロキシ酪酸の重量減少度)×100 (3)
A:相対重量減少度が15%以上
B:相対重量減少度が10%以上15%未満
C:相対重量減少度が5%以上10%未満
D:相対重量減少度が5%未満
上記実施例2と実施例4で得られた天然色素多量体化合物の粉末について、上記<海洋生分解性の評価>の欄で記載の方法により、海水中の生分解性を評価した。結果を下記表4に示す。
Claims (7)
- クルクミンの天然色素と有機酸とが結合してなる化合物であって、前記化合物の数平均分子量(Mn)が400~4950である天然色素多量体の化合物を含有する、
インキ、トナー、または塗料用の着色樹脂組成物。 - アリザリン、カルミン酸、ラック色素またはラッカイン酸、サフロミンまたはベニバナ黄色素、シソニンまたはシソ色素、及びキサントモナシンまたはベニコウジ色素の中から選ばれた少なくとも1種以上の天然色素と有機酸とが結合してなる天然色素多量体の化合物を含有し、
前記化合物の数平均分子量(Mn)が300~100000である、
インキ、トナー、または塗料用の着色樹脂組成物。 - 前記有機酸がカルボン酸基を少なくとも1つ以上有する、請求項1又は2に記載の着色樹脂組成物。
- 前記カルボン酸が天然由来のカルボン酸である、請求項3に記載の着色樹脂組成物。
- 前記有機酸が、カルボン酸、ヒドロキシ酸、及びスルホン酸のいずれかである、請求項1又は2に記載の着色樹脂組成物。
- 前記化合物の平均粒子径が0.01~100μmである、請求項1又は2に記載の着色樹脂組成物。
- 前記化合物の数平均分子量(Mn)が600~4950である、請求項1に記載の着色樹脂組成物。
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合田幸広 ほか著,トウガラシ色素成分の光安定性について,食衛誌,日本,Vol.3,No.4,p.240-247,緒言等 |
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