JP7332059B2 - レーザダイオードバーの端面成膜方法 - Google Patents

レーザダイオードバーの端面成膜方法 Download PDF

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Description

この開示はレーザダイオードバーの端面成膜方法に関する。
特許文献1には、レーザダイオードなどの光半導体素子では、所望の反射率を得るために端面コートを設ける必要があることと、電子素子の小型化に伴いその扱いが微妙であり電子素子を最適な状態で保持してコーティング処理を行うことは容易ではないこと、が記載されている。
半導体基板ウエハをレーザダイオードバーに分割した後に、そのバーを整列させる。まず、半導体基板ウエハを機能素子チップに分割する技術は、ウエハ貼付、分割、エキスパンドの各工程をこの順に含む。
「ウエハ貼付」では、ウエハを粘着シートに貼り付ける。この粘着シートは分割後のチップの保持も担う。従って、粘着シートは、シート材による貼付チップ面の汚染、分割品質への影響、チップが保持されかつ容易にピックアップできるかなどを検討して、選定される。
「分割」では、まず、分割断面に平滑性が必要ない場合は、分割したい線に沿ってダイヤモンドツールで半導体基板上にスクライブ(罫書き)線を導入する事で、スクライブ線に沿った方向にマイクロクラックを形成する。次に、マイクロクラックが開くように基板に応力をかける事で亀裂を進展させ、基板を分離する。スクライブ線は分割したい線全体に導入するのではなく、スクライブ線の始点及び終点は基板端より少し内側とすることで、ダイヤモンドツールが基板端に接触した時に発生する欠けを防止する。このスクライブ法は回転ブレード又はレーザ加工による分割よりもクラック発生が抑制でき、分割したチップの強度が高くなるため脆い基板材料の場合は特に有効である。レーザダイオード端面のように分割断面に平滑性が必要な場合は、分割したい線に沿って、半導体基板端の片側又は両側に、ダイヤモンドツールでスクライブ線を導入する事で、スクライブ線に沿った方向にマイクロクラックを形成する。半導体基板は分離し易いへき開面を持つので、へき開面方向とスクライブ線が平行である必要がある。スクライブによって形成されたマイクロスクラッチを開口する方向に応力を加えるとマイクロスクラッチはへき開面に沿って成長し、原子レベルの平滑性を持ったへき開面が形成される。これにより半導体基板はへき開面を持ったLDチップが並ぶバー形状のレーザダイオードバーに分割される。分割後の粘着シートで保持されたレーザダイオードバーと隣のバーとの間の間隔は狭く、へき開分割の場合はこれらが接触する。後の工程でバーをピックアップするためには、バー間隔を広げる必要があるため、次の「エキスパンド」を実施する。
「エキスパンド」では粘着シートを引っ張って伸ばす。分割で使用した粘着シートの特性が後工程に不向きな場合は、別のエキスパンド用のシートに貼り替えてエキスパンド処理する場合がある。ここでは、レーダイオードバーの形成例を説明した。
日本特開2007-123374号公報
例えばレーザダイオード端面のへき開面に反射率制御のための絶縁膜を成膜する場合、バーの表裏面に回り込む絶縁膜材料を制御する事が放熱性を改善させデバイス特性を向上させる。絶縁膜の回り込みを制御する上で、ダミーバー幅の高精度化に加えて、バーを並べる治具の基準面の安定性も重要とある。しかし、例えば洗浄などに起因して当該治具が損耗すると治具の基準面が後退し、レーザダイオードバーとダミーバーの相対位置が変動してしまう問題があった。
本開示は上述の問題を解決するためになされたものであり、レーザダイオードバーとダミーバーの相対位置の変化を抑制できるレーザダイオードバーの端面成膜方法を提供することを目的とする。
本願の開示にかかるレーザダイオードバーの端面成膜方法は、プレートの開口を挟むように該プレートの上面に設けられた突起に、複数のレーザダイオードバーと複数のダミーバーを交互に並べて、該複数のレーザダイオードバーの端面を該複数のダミーバーに対して上方向に突出させることと、該複数のレーザダイオードバーのうち、該複数のダミーバーに対して突出した部分に絶縁膜を形成することと、を備える。
本開示のその他の特徴は以下に明らかにする。
この開示によれば、突起、又は斜面の上端にレーザダイオードバーとダミーバーをのせることで、レーザダイオードバーとダミーバーの相対位置の変化を抑制できる。
実施の形態1に係るプレートの平面図である。 レーザダイオードバーとダミーバーを整列させたことを示す図である。 成膜前の構成の断面図である。 成膜後のレーザダイオードバーとダミーバーの側面図である。 比較例に係るレーザダイオードバーの端面成膜方法を示す図である。 比較例に係るレーザダイオードバーの端面成膜方法を示す図である。 比較例に係るレーザダイオードバーの端面成膜方法を示す図である。 実施の形態2に係るプレート等の断面図である。
実施の形態に係るレーザダイオードバーの端面成膜方法について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るプレート10の平面図である。プレート10には開口10aが形成されている。この開口10aを挟むようにプレート10の上面10cに突起10bが設けられている。突起10bは、z正方向に上面10cよりも高くのびた部分である。一例によれば、突起10bはプレート10の開口10aの左右に、平面視で直線的に設けられている。別の例によれば、突起は、開口10aから一定距離離れた位置に、開口10aに沿って設けられる。ストッパー12は、プレート10に固定され、突起10bの上に乗せられたレーザダイオードバーとダミーバーがy負方向へと倒れることを防止する。
実施の形態1に係るレーザダイオードバーの端面成膜方法では、まず、突起10bに複数のレーザダイオードバーと複数のダミーバーを交互に並べる。一例によれば、粘着シート越しにニードルでバーを突上げて粘着シートからバーを剥離した後に、ピンセット又は吸着コレット等でバー整列を行う治具上までバーを搬送する。この処理をバーピックアップという。その後、図2に示すとおり、レーザダイオードバー20とダミーバー30を突起10bの上に整列させる。レーザダイオードバー20の材料は、例えば化合物半導体である。一例によれば、レーザダイオードバー20の表面には前工程で溝加工又は異種材料を積層する事で機能素子が規則的なパターンで形成されている。
図3は、突起10bにレーザダイオードバー20とダミーバー30をのせたことを示す図である。説明の便宜上、ダミーバー30は輪郭のみ示している。プレート10は下治具40の上に設けられている。突起10bにレーザダイオードバー20とダミーバー30を並べると、レーザダイオードバー20の端面20aはダミーバー30に対して上方向に突出する。そして、図3に示すとおり、レーザダイオードバー20の端面20bと、ダミーバー30の底面は突起10bに接することで同じ高さにある。一例によれば、端面20aは前端面であり、端面20bは後端面である。また、図3から明らかなように、複数のダミーバー30は複数のレーザダイオードバー20より横方向に長い。
図4は、レーザダイオードバー20とダミーバーの高さを示す図である。突起10bに複数のレーザダイオードバー20と複数のダミーバー30を交互に並べると、複数のレーザダイオードバー20の端面20aは複数のダミーバー30に対して上方向に突出する。図4に示すとおり、複数のレーザダイオードバー20の端面20bと、複数のダミーバー30の底面は突起10bに接することで同じ高さにある。こうして、突起10bの上に複数のレーザダイオードバー20と複数のダミーバー30が整列した状態となる。
次いで、複数のレーザダイオードバー20のうち、複数のダミーバー30に対して突出した部分に絶縁膜を形成する。絶縁膜は、例えばレーザダイオードの反射率制御のために成膜される。図4には、絶縁膜22が、レーザダイオードバー20の端面20aと、表裏面とに形成されたことが図示されている。
図5-7は比較例に係るレーザダイオードバーの端面成膜方法を示す図である。図5には、プレート10の上面にレーザダイオードバー20とダミーバー30が乗せられたことが示されている。このように、プレート10の平坦面にレーザダイオードバー20とダミーバー30をのせると、プレートの多数回の使用によって、当該平坦面が損耗する。図6、7は、損耗したプレート10を示す図である。プレート10の上面が損耗すると、横方向に短いレーザダイオードバー20の位置は下がるのに対し、横方向に長いダミーバー30の位置はほとんど変わらない。これにより、レーザダイオードバー20とダミーバー30の相対位置がずれてしまう。図7に示すようにプレート10の上面の損耗が進み、レーザダイオードバー20の端面20aの位置が、ダミーバー30の上端より下にまで下がってしまうと、図4に示した絶縁膜22を形成できなくなってしまう。
これに対し、実施の形態1では、突起10bの上に、複数のレーザダイオードバー20とダミーバー30をのせたので、すべてのバーの基準位置は突起10bである。突起10bがバーの基準位置となるので、プレート10の損耗が進んでも突起10bがある限り基準が保証される。よって、レーザダイオードバー20とダミーバー30の相対位置の変化を抑制できる。なお、耐損耗性を高めるために、突起の形状を矩形から丸みを帯びた形状に変更したり、突起のx方向長さを調整したりすることができる。
実施の形態1に記載した変形例、修正例又は代案については、以下の実施の形態に係るレーザダイオードバーの端面成膜方法に応用し得る。以下の実施の形態に係るレーザダイオードバーの端面成膜方法については、主として実施の形態1との相違点を説明する。
実施の形態2.
図8には、実施の形態2に係るレーザダイオードバーの端面成膜方法で用いるプレート10と下治具40が示されている。プレート10の上面は開口10aに近いほど高さが高くなる傾斜面10g、10hを備える。傾斜面10g、10hはy正方向に広がる面である。一例によれば、プレート10は、傾斜面40a、40bを有する下治具40の上に乗せられた2つの板材である。例えばこの2つの板材を任意の方法で下治具40に固定することができる。この例では、プレート10の厚さは均一であり、プレート10が傾斜面40a、40bに乗せられたことで、プレート10に傾斜面10g、10hが提供される。別の例によれば、下治具40の上面は斜面ではなく平坦な面としてもよい。その場合、傾斜面10g、10hは、プレート10を開口10aに近い部分ほど厚く形成することで提供される。
実施の形態2に係るレーザダイオードバーの端面成膜方法では、傾斜面10g、10hの最も高さが高い部分に、複数のレーザダイオードバー20と複数のダミーバー30を交互に並べる。その結果、複数のレーザダイオードバー20の端面20aが複数のダミーバー30に対して上方向に突出する。また、傾斜面10g、10hの最も高さが高い部分に、複数のレーザダイオードバー20の端面20bと複数のダミーバー30の下端が接する。
次いで、複数のレーザダイオードバー20のうち、複数のダミーバー30に対して突出した部分に絶縁膜を形成する。これにより、図4に示した絶縁膜22が形成される。本実施形態では、プレート10の一番高いエッジ部分が複数のレーザダイオードバー20と複数のダミーバー30の基準位置となる。プレート10の損耗が進んでもこのエッジ部分が基準位置となり続けるので、レーザダイオードバーとダミーバーの相対位置の変動を抑制できる。なお、傾斜面10g、10hの傾斜角は、損耗に対してエッジ部を長持ちさせるよう、調整することができる。
10 プレート、 10a 開口、 10b 突起、 上面 10c、 20 レーザダイオードバー、 30 ダミーバー、 10g,10h 傾斜面

Claims (5)

  1. プレートの開口を挟むように前記プレートの上面に設けられた突起に、複数のレーザダイオードバーと複数のダミーバーを交互に並べて、前記複数のレーザダイオードバーの端面を前記複数のダミーバーに対して上方向に突出させることと、
    前記複数のレーザダイオードバーのうち、前記複数のダミーバーに対して突出した部分に絶縁膜を形成することと、を備えたレーザダイオードバーの端面成膜方法。
  2. 前記突起は、前記プレートの開口の左右に、平面視で直線的に設けられた請求項1に記載のレーザダイオードバーの端面成膜方法。
  3. 開口を有するプレートの上面は前記開口に近いほど高さが高くなる傾斜面であり、前記傾斜面の最も高さが高い部分に複数のレーザダイオードバーと複数のダミーバーを交互に並べて、前記複数のレーザダイオードバーの端面を前記複数のダミーバーに対して上方向に突出させることと、
    前記複数のレーザダイオードバーのうち、前記複数のダミーバーに対して突出した部分に絶縁膜を形成することと、を備えたレーザダイオードバーの端面成膜方法。
  4. 前記プレートは、傾斜面を有する下治具の上に乗せられた2つの板材である請求項3に記載のレーザダイオードバーの端面成膜方法。
  5. 前記複数のダミーバーは前記複数のレーザダイオードバーより横方向に長い請求項1から4のいずれか1項に記載のレーザダイオードバーの端面成膜方法。
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