JP2016122757A - 半導体レーザ装置の製造方法及び製造装置 - Google Patents

半導体レーザ装置の製造方法及び製造装置 Download PDF

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直人 上田
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隆幸 吉田
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弘治 大森
笠井 輝明
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Abstract

【課題】AR端面コーティングの為に行う、成膜用治具へのチップ積層時に共振器長方向のチップ反りに起因したAR端面部の間隙を抑制して実装面(P電極)面へのAR膜の回り込みを防止する方法。【解決手段】チップ積層時のAR端面部への集中荷重の印加による間隙を縮小し、AR膜の回り込み量の縮小、実装における改善効果を確認した。具体的には、短冊形のバー形状にレーザバーを切り出す工程と、レーザバーと緩衝材を交互に積層する工程と、積層されたレーザバーを中心より偏向して挾持する工程と、積層され状態で記偏向して挾持されている側の端面に成膜を行う工程を備える。用いる治具は、レーザバーの両端の位置を規制するガイド部を有し、レーザバーを積層格納するハウジングと、格納物の所定箇所に当接し押圧する押圧ユニットと、レーザバーの成膜面を露出させる開口部と前記成膜面を整列させる基準面を有する整列部材とを備えている。【選択図】図6

Description

本発明は、溶接、接合および切断など加工用途の光源として用いる高出力のアレイ型半導体レーザ装置の製造方法と製造装置に関するものである。
近年、半導体レーザ装置の高出力化の進展は著しく、産業用途の分野で溶接、接合および切断などの加工に用いる機器の光源として期待されている。
半導体レーザ装置は、小型かつ高効率で半導体ウェハ上に多数のレーザダイオード素子を同時に生産できるので、数W以上の小型光源に適している。
レーザダイオード素子は半導体ウェハ上に発光の為の活性層と導波路及び複数の電流供給領域を備えてかつ隣接して形成され、一定数の該レーザダイオード素子を含んで、これら素子の端面からレーザ光の出射が行われる様に、一定寸法に切り出して半導体チップ化するアレイ型半導体レーザ装置が用いられることが多い。
さらに、アレイ型半導体レーザ装置から出射されるレーザ光は、数ミクロン程度に集光できるので集光性がよく、極めて微小な領域に光エネルギーを集中することによって金属板などの切断や溶接などの局所的な加工に最適である。
この様な加工用アレイ型半導体レーザ装置は、従来の光ディスク等に用いられる数mWの半導体レーザ装置に比べて動作電流が非常に大きく、発熱量も印加電流に比例して大きいため、長寿命で動作可能な高い信頼性を確保するには、MOCVDなどの結晶成長法を用いて形成した前記活性層と導波路で発生した熱を速やかに半導体チップの外部に逃がし、温度上昇を抑えることが重要となる。
また、半導体レーザ装置では、レーザ発振のための共振器を構成するために、チップ端面部にアルミナなどの薄膜によって、高反射膜(High−Reflection coat:HR端面膜)とレーザ光出射端面側の低反射率な反射防止膜(Anti−Reflection coat:AR端面膜)を形成するが、光ディスク等に用いられる数mWの半導体レーザ装置に比べて高出力半導体レーザ装置のAR端面膜は高出力でかつ高密度なレーザ光の出射により、更に該端面部の温度上昇が顕著である。
故にアレイ型半導体レーザ装置では冷却用のヒートシンクなどの部材に金属はんだなどの材料を用いて前記半導体チップの正電極面側に形成された活性層と導波路をヒートシンクとの接合面へ近接させるジャンクションダウン方式での半導体チップの実装が行われ、前記AR端面部の近傍の正電極面とヒートシンク材を接合する金属はんだ材の良好なはんだ濡れ性の確保によって該チップより効率的な熱伝導による放熱を行うことが重要である。
当該部位の半田濡れ性が不十分な場合は、レーザ光の出射側であるAR端面部の放熱不足による温度上昇と、高温化したAR端面近傍の結晶欠陥の発生は更なるAR端面部の温度上昇を招いて繰り返し、急激な出射端面部の故障を生じる。
このような現象は光学損傷(Catastrophic Optical Damage:COD)と呼ばれ、レーザ発振が突如として停止する致命欠陥であり、高出力アレイ型半導体レーザ装置の信頼性を著しく損なう故障モードである。
高出力半導体レーザ装置の半導体チップのAR端面への反射膜防止膜の形成方法は、例えば特許文献1および特許文献2に開示されているように、生産性を考慮してウェハから複数のレーザ素子を含む同一形状でかつ複数のレーザバーに劈開法で切り出し、治具を用いて前記レーザバーを積層した状態にて一括でスパッタ法などによりチップ端面部に前記低反射膜を成膜する。また高反射膜の形成も同様である。
特開2002−164609号公報 特開2004−339544号公報
アレイ型半導体レーザ装置は、大出力化を目的に1つのチップに隣接した複数のレーザダイオード素子が形成される為により半導体チップの寸法が大きく、ヒートシンクとの広い接合部で良好な金属はんだ材の濡れ性による欠陥のない接合を実現することは技術的に難易度が高い。
例えば、半導体チップのAR端面膜やHR端面膜を形成した際に、端面近傍のチップ表面の接合用電極面への前記端面膜が回り込み、付着することによって半導体チップ実装に用いる接合用金属半田の濡れ性が阻害され易いという課題がある。
本発明は、この課題を解決するものであり、チップ端面に形成するAR端面膜やHR端面膜の回り込み現象を抑制し、実装時のはんだ濡れ性の劣化によるCOD故障の発生の防止により、高い信頼性が確保できるアレイ型半導体レーザ装置を得る為の製造方法と製造装置に関するものである。
一般に、半導体レーザ装置はガリウム砒素などの化合物半導体であり、数10ミクロンから数100ミクロンの厚みを有し、かつ2〜6インチφ程度のウェハと呼ばれる円形の基板上にMOCVDなどの結晶成長法を用いて、ウェハ状態で活性層と導波路および開口部を有する電流狭窄膜などを結晶膜の成長によって形成し、次いでウェハの表裏面に電流印加と金属はんだによる接合の為に金属電極膜を形成する。この段階で、MOCVDなどの結晶成長による各種熱履歴や結晶層の熱応力歪などでウェハ全体が凸状または凹状に反ることが知られている。
次に、チップ端面へのAR端面膜やHR端面膜の形成は成膜工程の生産性を考慮して、複数のレーザバーを積層して一括してチップ端面部に実施するが、積層時にレーザバーの表面や裏面に傷や異物の付着による電極面の損傷を防止する為に、スペーサーと呼ばれるレーザバーと同一形状の緩衝材を交互に挟み込むことが一般的である。スペーサーは金属板やガリウム砒素の半導体基板などを用い、反りなどは無く平坦な形状である。
一方で、ウェハ状態から切り出されたレーザバーは、前記ウェハ状態の反りを反映して積層されたスペーサーとの間にAR端面側やHR端面側で隙間が発生することが分かっている。これらの隙間は一定の間隔、例えば2umを超えると、成膜材が実装時の接合面となる金属電極表面の端面近傍に付着する原因となる。
従来技術では、積層されたレーザバーとスペーサーのスペーサー上面から長手方向に均一な圧力を与えて、レーザバーの長手方向の反りを矯正するために一定荷重で押圧しながら成膜を行っている。しかしながら、ウェハの反りはウェハ中央を頂点として全方向に均等に生じる為、ダイオードレーザ素子の共振器方向である短手方向にも存在し、該共振器方向の反り矯正を行う為にはより強い押し圧を要すために素子へのダメージを生じることなく半導体チップ端面部の隙間を完全に解消するには至らなかった。
特に、レーザの高出力化にあたっては半導体チップの前記活性層と導波路での発熱量が急増し温度上昇が著しくなることから、レーザ発振のための共振器を構成するAR端面とHR端面の距離を長くし、半導体チップの面積を拡大して熱密度の上昇を緩和することで放熱性を向上し、活性層と導波路のチップ端部での温度上昇を防止して信頼性の低下を防止することが一般的な手法である。従って、これら高出力化時の長い共振器長を有したレーザバーでは共振器方向の半導体チップの反りによる前記隙間の拡大がより顕著で、本課題の解決が必須であった。
上記課題を解決するために、本発明に係る半導体レーザ装置の製造方法は、半導体ウェハ上に形成したレーザ素子を複数含み、短冊形のバー形状に劈開されたレーザバーを切り出す工程と、前記レーザバーと緩衝材を交互に積層する工程と、前記積層されたレーザバーを、前記レーザ素子の共振器を形成する端面の一方に中心より偏向して挾持する工程と、前記積層され状態で、前記偏向して挾持されている側の端面に成膜を行う工程を備える。
また、本発明に係る半導体レーザ装置の製造装置は、半導体ウェハから短冊形のバー形状に劈開されたレーザバーの両端の位置を規制するガイド部を有し、前記レーザバーを積層格納するハウジングと、前記レーザバーが積層された格納物の所定箇所に当接し、当該当接箇所で前記レーザバーを押圧する押圧ユニットと、前記ハウジングに装着され、前記レーザバーの成膜面を露出させる開口部と前記成膜面を整列させる基準面を有する整列部材とを備えたものである。
本発明によれば、レーザバーの端面に形成されるAR端面膜およびHR端面膜が、端面部の近傍の接合用金属電極表面へ付着することを防止できる。
その結果、レーザバーから複数の発光点を有するアレイ型半導体レーザ装置に切り出した後に、ヒートシンクなどへの実装の際に生じる接合用金属半田の濡れ性の阻害を防止することで、本発明によってレーザ光の出射側であるAR端面部の放熱不足に起因した光学損傷(COD)の発生を防止でき、アレイ型半導体レーザ装置の高い信頼性が確保できる。
本発明の実施の形態にかかるアレイ型半導体レーザ装置の製造方法全体の概略を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態にかかるアレイ型半導体レーザ装置の製造方法のフローを説明するウェハ状態とレーザバーおよび半導体チップの切り出し方を示す斜視図と平面図である。 本発明の実施の形態にかかるウェハからレーザバーの劈開法などによる切り出し方の詳細と、切り出した際のウェハ断面構造を示す斜視図と拡大図である。 本発明の実施の形態にかかるウェハからレーザバーから切り出した後のAR端面膜およびHR端面膜の形成方法を示す斜視図である。 本発明の実施形態にかかるレーザバーとダミーバーの積層方法と保持装置の構成を示す斜視図であり、積層された出射側端面側である正面図とその反対面である治具の背面側から見た背面図である。 本発明の実施形態にかかるレーザバーとダミーバーの積層方法と保持装置の構成を示す断面図と正面図である。 比較構成例におけるレーザバーとダミーバーの積層方法と治具および技術課題であるレーザバー積層時のチップ端部の隙間の発生状況示す断面図と正面図、拡大図である。 本発明の実施の形態にかかるレーザバーからアレイ型半導体レーザチップの切り出し方を示す斜視図である。 本発明の実施の形態にかかるアレイ型半導体レーザ装置の実装状態を示す側面図であり、図中のX方向はレーザダイオード素子の配列方向、Y方向はウェハ厚方向およびZ方向はレーザ光の出射方向を示す図である。 本発明の実施形態にかかるレーザバーとダミーバーの積層方法と、異なる保持装置の構成の例を示す断面図と正面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合もある。また、図面は、理解しやすくするためにそれぞれの構成要素を主体に模式的に示している。また、図面中に示されるX軸、Y軸およびZ軸はそれぞれ直交する方向である。各図の座標軸はそれぞれの視野の方向に対応するように描いている。
(実施の形態1)
(1)本発明の半導体レーザ装置の製造方法と製造装置の概要
本発明は、共振器長の拡大によって高出力化を図る際に、レーザバーの共振器方向の反りに起因したチップのヒートシンクへの実装時のはんだ濡れ性の阻害と放熱性の劣化による光学損傷CODなどの信頼性上の不具合を生じないようにする為のものである。
上記目的を達成するために本発明では、レーザバーの長手方向には均一な押圧を与えつつも、短手方向は成膜される端面近傍に集中荷重を印加することでレーザバーと交互に積層されたスペーサーとの隙間の解消を図ることを可能とする。
具体的には、レーザバーの長手方向には均一な押圧を印加可能な押圧部の形状を保ちつつ、共振器方向の押圧をレーザバーまたはスペーサーに対して均一に印加するのではなく、成膜を行うためのAR端面部やHR端面部近傍の成膜面側に集中印加する突起部を設けて、押圧部と成膜する端面側と反対面の隙間の拡大による干渉を回避することで該押圧によるレーザバーへのストレスを緩和しつつ成膜を行う端面側の隙間を抑制するものである。
荷重を集中的に印加するために設ける突起部の高さや幅は、チップの共振器方向の反りに合致した最適寸法を選択する。
また、レーザバーのウェハからの劈開による長手方向の切り出し寸法を共通にすることで、複数の共振器長を有したレーザバーに各々最適な突起部の高さや幅と押圧位置を有した複数種類の治具をネジ等で容易に交換可能し取り付け可能な分割された構造にすることも考え得る。
本発明に係る半導体レーザダイオードの製造フローチャートを図1に示しその概要を説明する。
まず、半導体ウェハ上にレーザ光を発生する活性層及び導波路を形成する(ステップS10)。次いで電流狭窄膜と共振器方向にストライプ状の開口部を形成する(ステップS11)。光導波路を含む半導体層を積層した半導体ウェハの表裏面に電流印加用の端子となる金属電極膜を形成する(ステップS12)。
次いでウェハをバー状に劈開し、レーザバーを切り出す(ステップS13)。その後、レーザ光の発振を行う共振器の端面となる前記バーの劈開面にAR端面膜およびHR端面膜を各々スパッタなどの成膜法にて形成する工程(ステップS14)に進む。本発明は、このステップの反射防止膜の形成工程における製造装置と製造方法に特徴を有する。
次に、レーザバーから複数の発光部と光導波路を含む半導体チップを切り出す工程(ステップS15)の後に電流印加と発光の際のレーザチップを冷却するためのヒートシンクに金属はんだを介して半導体チップの正電極面を接合し、半導体チップと電流印加用の端子を金線などで接続する半導体チップの実装工程(ステップS16)を経てアレイ型半導体レーザ装置として完成する。
(2)半導体レーザ装置の製造方法の詳細な説明
以下にレーザダイオード素子の製造方法と素子構造の詳細に関して図を用いて説明する。
(2−1)ステップS10〜S13の工程の説明
図1の製造ステップS10における半導体ウェハは図2の斜視図に示す円盤上の半導体基盤21である。同図の平面図に活性層形成ステップS11および電流狭窄膜とストライプ状の開口部形成ステップS12によって構成されるレーザダイオード素子の配置とウェハ表裏面の電極形成ステップS12と結晶劈開方によるレーザバーの切り出しステップS13後のレーザバー22とAR端面膜とHR端面膜の形成ステップS14後のレーザチップの切り出しステップS15を経て、レーザチップの負電極面からみた外形23と該レーザチップ内の正電極面側に形成されている光導波路の配置24を示す。
次に図3にウェハ表裏面の電極形成ステップS12を終えた後の、劈開法によるレーザバーの切り出しステップS13の後のウェハ断面構造の詳細を示す。
レーザ発振の為の共振器は図中の31に示す方向に設けられて、Z方向の長さL32がレーザダイオード素子の共振器長であり、X方向に一定間隔で同一の共振器長を有する複数のレーザダイオード素子が形成されている。断面構造の詳細は拡大図に示しており、レーザダイオード素子の発光部である活性層36はクラッド層35,38に挟まれて積層することで活性層の厚み方向内にレーザ光を閉じ込める構造となっている。活性層への電流供給は電流印加用の端子となる正電極膜33から負電極膜34へ電流狭窄膜37の開口部を経て行われる。
また、光導波路は前記クラッド層による光閉じ込めと電流狭窄膜の開口部によって図中のY方向に電流が印加され、ストライプ状の電流印加による励起光の発生と該励起光を閉じ込める導波路が形成される。
X方向に一定間隔で連続して形成された各々のレーザダイオード素子はレーザ発振時の素子間の相互の光干渉を生じない様に分離溝39で分離されている。
(2−2)ステップS14の工程の説明
次のステップとして、レーザバーの状態でAR端面膜とHR端面膜を形成する図4に前記レーザバーの状態で図中のZ軸方向の前面側のAR端面膜41と後端側のHR端面膜42を形成する前後の状態を示す。レーザ光は前記成膜後に活性層に印加された電流で励起発光した光は前記導波路の内部にてHR端面とAR端面の間で共振し、低反射率のAR端面膜側からが放出される。
これら成膜に用いる製造装置と製造方法について、以下にその詳細を具体例と共に説明する。
AR端面膜とHR端面膜の形成ステップS14にはレーザバー保持装置を用いる。レーザバー保持装置の構成を図5に示す。
図5はレーザバー保持装置10に複数のレーザバーを保持した状態を成膜面側と背面側から見たときの斜視図である。レーザバー保持装置10は、ハウジング11の両側を構成する対向して設けられた一対のガイド部(レーザーバーの長手方向の位置規制)を備えており、ハウジング11の前面部には整列板13が固定されている。
さらに、ハウジング11の上部には押圧ユニット12が設けられている。この押圧ユニット12により、複数の重ねられたレーザバー15と緩衝材16は下方18に適切な押圧力で反りを矯正され、成膜加工中においてその状態を保持できる様に押圧ユニット12がネジ14で固定される。
レーザバー15と緩衝材16を押圧するため、押圧ユニット12には押圧部82が形成され、押圧部82には更に段差形状の加圧矯正部73を形成している。加圧矯正部73はレーザバー15の成膜面である端面側をレーザバー15の長手方向(図中のX軸方向)に沿って押圧する。加圧矯正部73を形成する段差は、レーザバー15の短手方向の中心より成膜面である端面側を押圧するようにしておけばよい。
整列板13は中央部分が切り欠かれており開口部を形成している。複数のレーザバー15及び同一平面寸法を有した緩衝材16がガイド部の間に重ねて収納されたときに、整列板13が基準面となり、レーザバー15の両端部が当接することにより、複数のレーザバーの成膜面である端面部が整列しかつ、開口部から露出するように構成されている。
なお、緩衝材16としてレーザバー15と同型のダミーバーを用いている。ダミーバーの材質は、反りのない金属切片、セラミック切片、シリコン基板切片、GaAs等の化合物半導体基板の切片など用いることができる。特に、レーザバー15の基材である半導体基盤21から切り出して用いると、レーザバーと同一形状で反りのない同一硬度の緩衝材を得ることができ、積層精度や傷防止の点で優れている。
本工程における手順は以下のとおりである。まず、レーザバー15と緩衝材16を交互にハウジング11に積層する。積層するにあたり、成膜面側端面の両端を整列板13に接するようにする。次に押圧ユニット12を取り付け、ネジ14で仮止めする。押圧ユニット12を下方18に押し付けながらネジ14を締めて固定する。
以上の固定後の状態を図6に示す。レーザバー保持装置10内に、ハウジング11のガイド部と整列板13で成膜面側端面が整列しているレーザバーは、正面図におけるX方向の長さ20mm程度であり、断面図で示されるZ方向の長さは4〜6mmである。このZ方向の長さは、図3における共振器長L32に相当する。
従来のアレイ型半導体レーザ装置では、共振器長L32は1.5〜3.0mmと短い。近年は半導体レーザ素子の高出力化に伴って共振器長L32は、上述のように4〜6mmと更に長共振器長化してきており、短手方向のそりも無視できない。また、平面対平面に挟持押圧することによる矯正では、レーザバーの長手方向(X方向)の反りを矯正する為の押圧力では、同時にレーザバーの共振器長方向の反りは矯正できない。
しかしながら、本発明のレーザバー保持装置10では、図6の断面図に示すように、レーザバー15の短手方向(共振器長方向、図中Z方向)の中心より成膜面側を段差状の加圧矯正部73が押圧しているので、少なくとも成膜面側端面では、積層されたレーザバー15と緩衝材16は密着している。
成膜に関係しない側の端面では、短手方向(共振器長方向、図中Z方向)の反りのため積層状態に空隙を生じることになるが、長手方向(X方向)では直線上に反りを矯正しているため、正面図に示すように積層状態に空隙はない。また、整列板13を基準に積層しているので、積層状態の整列板13側の端面は段差もほとんどない面を形成している。
本発明のレーザバー保持装置の作用効果を明確に示すために、比較構成例を示すことにする。図7は比較構成例におけるレーザバーとダミーバーの積層方法と治具および技術課題であるレーザバー積層時のチップ端部の隙間の発生状況示す断面図と正面図、拡大図である。この構成例では、図6と異なり、押圧部82に加圧矯正部が形成されていない。
この比較構成例では、ウェハの反りに起因するレーザバーのX方向の反りと、反りを有しない平坦な緩衝材を積み重ねた際の隙間を生じないように、レーザバーのX方向の反りを矯正するために適切な押圧を押圧部82で積み重ねたレーザバーと緩衝材に印加する。
しかしながら、上述のように、半導体レーザ素子の高出力化に伴って共振器長L32は長共振器長化してきており、レーザバーのX方向の反りを矯正する為の押圧力では、同時にレーザバーの共振器長方向の反りは矯正できずに、拡大図に示すようにレーザバー15と緩衝材16との間で隙間17が発生してしまう。その結果、従来技術の課題で述べたように、共振器を形成する端面以外の正電極膜などの表面への回り込みが発生してしまう。
その点、図6に示す構成では、ハウジング11の上部に配置されている押圧部82はレーザバーのX方向の反りを矯正する為の形状は従来のまま変更せず、断面図に示す様にハウジング11の前面部に配置された中央部分が切り欠かれて開口部を形成している整列板13の近傍で、Z方向の先端部に突起形状、または、段差形状を設けて、積層されたレーザバーと緩衝材の金属反射膜の成膜を行うZ方向端部を集中的に押圧することが可能となっている。
結果として、加圧矯正部73を形成した押圧部82を用いることで、図7の拡大図に示す様な隙間17を生じることなく、かつレーザバー15は押圧による損傷を生じることなく緩衝材で強く挟み込まれ、課題であった金属反射膜の成膜中のレーザバーの表面に形成されている正電極膜、または負電極膜上に回り込みによる付着がなく課題が解決できる。
また、押圧荷重を加圧矯正部73で集中的に印加することで、成膜を行う端部と反対面は共振器方向の半導体チップの反りの影響でY方向に浮き上がるが、押圧部82の突起形状は緩衝材16やレーザバー15と干渉しないように先端部に対してY方向に段差を設ける意図もある。
以上のようにレーザバー保持装置10にレーザバー15に、整列板13の開口部から積層されたレーザバーの端面にAR端面膜を形成する。そして、成膜面側端面を逆にしてレーザバー15と緩衝材16を再度積層し、レーザバーの端面にHR端面膜を形成する
(2−3)ステップS15〜S16の工程の説明
次に、両端面にAR端面膜とHR端面膜が形成されたレーザバーは、図8にて示すように、複数の発光部52と光導波路を含む半導体チップ51が切り出される(ステップS15)。
切りだされた半導体チップ51は、図9に示すように、その正電極面側とヒートシンク62間を金属はんだ61を用いて接合実装される。本発明のレーザバー保持装置を用いて端面膜を形成した半導体チップ51では、電極面に回り込み付着することがないので金属はんだ61のはんだ濡れ性が阻害されることはない。
レーザチップとヒートシンクのはんだ接合は、半導体チップへの電流印加における所望の電気的特性の確保のみならず、レーザ発光時のレーザチップの発熱による温度上昇を防止する機能を有している。本発明では、はんだ濡れ性が阻害されることなく接合面積が十分に確保できるので局所的な温度上昇がなく、よって課題であった前記光学損傷(COD)によるレーザ発振の突発的停止を生じることもない。
その後、半導体チップ51と電流印加用の端子63を金線64などで接続する。以上の半導体チップの実装工程(ステップS16)を経てアレイ型半導体レーザ装置として完成する。
(3)レーザバー保持装置の変形例
図10は、本発明の実施形態にかかるレーザバーとダミーバーの積層方法と、異なる保持装置の構成の例を示す断面図と正面図である。図6に示した構成と異なるところは、押圧部82に加圧矯正部73を一体せずに、異なる部材を組み合わせている点にある。具体的には、図10に示すように、加圧矯正部73と、押圧部本体72に分離し、押圧部固定ネジ71で固定する。この様に分離することで加圧矯正部73の寸法形状をレーザバーの共振器長や共振器長方向の反り量に合わせて変更することが可能となる。
本発明の製造方法と製造装置を用いることで、放熱性に優れ特性の安定性や均一性および高い信頼性が確保できる高出力アレイ型半導体レーザ装置を実現することができる。
10 レーザバー保持装置
11 ハウジング
12 押圧ユニット
13 整列板
14 ネジ
15 レーザバー
16 緩衝材
17 隙間
18 押圧部の押し下げ方向
21 半導体基盤
22 レーザバー
23 レーザチップの負電極面からみた外形
24 正電極面側に形成されている光導波路の配置
31 共振器方向
32 共振器長L
33 正電極膜
34 負電極膜
35 クラッド層
36 活性層
37 電流狭窄膜
38 クラッド層
39 分離溝
41 成膜前の反射防止AR膜
42 成膜前の全反射HR膜
44 成膜後の反射防止AR膜
51 半導体チップ
52 発光部
61 金属はんだ
62 ヒートシンク
63 電流印加用端子
64 金線
71 押圧部固定ネジ
72 押圧部本体
73 加圧矯正部
82 押圧部

Claims (6)

  1. 半導体ウェハ上に形成したレーザ素子を複数含み、短冊形のバー形状に劈開されたレーザバーを切り出す工程と、
    前記レーザバーと緩衝材を交互に積層する工程と、
    前記積層されたレーザバーを、前記レーザ素子の共振器を形成する端面の一方に中心より偏向して挾持する工程と、
    前記積層され状態で、前記偏向して挾持されている側の端面に成膜を行う工程を備えた半導体レーザ装置の製造方法。
  2. 前記積層工程で使用する前記緩衝材の材質が、前記レーザバーの基材と同質の半導体である請求項1に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  3. 半導体ウェハから短冊形のバー形状に劈開されたレーザバーの両端の位置を規制するガイド部を有し、前記レーザバーを積層格納するハウジングと、
    前記レーザバーが積層された格納物の所定箇所に当接し、当該当接箇所で前記レーザバーを押圧する押圧ユニットと、
    前記ハウジングに装着され、前記レーザバーの成膜面を露出させる開口部と前記成膜面を整列させる基準面を有する整列部材とを備えた半導体レーザ装置の製造装置。
  4. 所定の力で押圧した状態で前記押圧ユニットと前記ハウジングとを固定する締結部材を備えた請求項3に記載の半導体レーザ装置の製造装置。
  5. 前記押圧ユニットの前記レーザバーが積層された格納物の押圧面に対向する部位に段差を設けて、前記段差の突出部で押圧する請求項3または4に記載の半導体レーザ装置の製造装置。
  6. 前記段差の前記突起部を着脱可能に装着した請求項5に記載の半導体レーザ装置の製造装置。
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