JP7245061B2 - 半導体発光装置及び半導体発光装置の製造方法 - Google Patents

半導体発光装置及び半導体発光装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7245061B2
JP7245061B2 JP2019010684A JP2019010684A JP7245061B2 JP 7245061 B2 JP7245061 B2 JP 7245061B2 JP 2019010684 A JP2019010684 A JP 2019010684A JP 2019010684 A JP2019010684 A JP 2019010684A JP 7245061 B2 JP7245061 B2 JP 7245061B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light emitting
grooves
array element
substrate
submount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019010684A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020120016A (ja
Inventor
信一郎 能崎
裕幸 萩野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2019010684A priority Critical patent/JP7245061B2/ja
Publication of JP2020120016A publication Critical patent/JP2020120016A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7245061B2 publication Critical patent/JP7245061B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Description

本開示は、半導体発光装置及び半導体発光装置の製造方法に関する。
従来、レーザ光が加工用途に使用されており、高出力かつ高効率なレーザ光源が必要とされている。高出力かつ高効率なレーザ光源として、半導体レーザ素子が利用されている。高出力な半導体レーザ素子として、熱源である発光点をアレイ状に分散配置した発光アレイ素子が知られている。このような発光アレイ素子からの複数のレーザ光は、光学系を用いて一つのレーザ光に合成して用いられる。この場合、発光アレイ素子において反りが発生すると、発光点間隔がずれるため、発光アレイ素子からのレーザ光と光学系との結合効率が低下する。これに伴い光源全体としての効率が低下する。
このような問題を解決するための従来技術の一例として、特許文献1に記載された半導体レーザ装置について図9を用いて説明する。図9は、従来技術の半導体レーザ装置の構成を示す模式的な断面図である。特許文献1に記載された半導体レーザ装置においては、図9に示されるように、基板1012の一方の主面に半導体層1021が積層され、他方の主面にn側電極1023が形成された発光アレイ素子をサブマウント1033にジャンクションダウン実装した後に、複数の半導体レーザ素子1011に分離している。これにより、発光アレイ素子の反りの問題を解決しようとしている。
特開2006-54277号公報
しかしながら、特許文献1に記載された半導体レーザ装置においては、発光アレイ素子を複数の半導体レーザ素子に分離することで形成される側壁において、リーク電流が発生し得る。これに伴い、半導体レーザ装置の効率が低下する。このようなリーク電流を抑制するために、半導体レーザ素子の側壁に誘電体保護膜を形成することも可能である。しかしながら、誘電体保護膜を形成する際に、有機物であるレジストを用いた工程が必須となるため、複数の半導体レーザ素子の光出射端面が有機物によって汚染され、複数の半導体レーザ素子の効率及び信頼性が低下するという問題が発生する。
本開示は、このような課題を解決するものであり、発光アレイ素子を備える半導体発光装置であって、発光アレイ素子における熱応力及びリーク電流を抑制できる半導体発光装置などを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示に係る半導体発光装置の一態様は、複数の発光点を含む発光アレイ素子と、前記発光アレイ素子が配置されるサブマウントと、前記発光アレイ素子と前記サブマウントとを接合する素子接合部材とを備え、前記発光アレイ素子は、第一主面及び前記第一主面の裏側の第二主面を有する基板と、前記基板の第一主面に順に積層される第一導電型半導体層、発光層及び第二導電型半導体層とを有し、前記基板より、前記第二導電型半導体層に近い側の面において前記素子接合部材と接合され、前記基板の前記第二主面側には、1以上の溝が形成されており、前記1以上の溝の少なくとも一部は、前記発光層に達しない。
このように、発光アレイ素子の基板に溝を形成することによって、発光アレイ素子の剛性を低減できるため、発光アレイ素子が実装されたサブマウントに加わる熱応力を低減できる。また、基板に形成された溝が発光層に達しないため、溝の壁面においてリーク電流が発生することを抑制できる。また、本開示に係る半導体発光装置においては、リーク電流の発生を抑制するために、誘電体保護膜を別途形成する必要がないため、有機物による汚染を低減できる。したがって、半導体発光装置の効率及び信頼性の低下を抑制できる。
また、本開示に係る半導体発光装置の一態様において、前記サブマウントは、前記素子接合部材より熱膨張係数が小さくてもよい。
これにより、サブマウントに発光アレイ素子を実装するために、素子接合部材を加熱及び冷却する際に、素子接合部材がサブマウントより収縮する。したがって、素子接合部材の収縮に伴う熱応力をサブマウントに加えることができる。例えば、サブマウントより熱膨張係数の大きい基台にサブマウントを実装する際に、基台によってサブマウントに加えられる熱応力の少なくとも一部を、素子接合部材によってサブマウントに加えられる熱応力によって相殺できる。
また、本開示に係る半導体発光装置の一態様において、前記サブマウントが配置される基台と、前記基台と前記サブマウントとを接合する基台接合部材とをさらに備えてもよい。
このように、サブマウントを基台に配置することで、基台をヒートシンクとして利用できる。これにより、半導体発光装置の動作時に発光アレイ素子において発生する熱を基台に放散することができる。このため、半導体発光装置の動作時に発生する熱の影響を抑制できる。
また、本開示に係る半導体発光装置の一態様において、前記サブマウントは、前記基台より熱膨張係数が小さくてもよい。
これにより、サブマウントより熱膨張係数の大きい基台に、サブマウントを実装する際に、サブマウントに加わる熱応力の少なくとも一部を、素子接合部材によりサブマウントに加わる熱応力によって相殺できる。これにより、サブマウントの熱応力による変形を抑制できるため、発光アレイ素子の反りを低減できる。したがって、発光アレイ素子からの出射光を光学系によって合成する際に、出射光と光学系との結合効率の低下を低減できる。
また、本開示に係る半導体発光装置の一態様において、前記1以上の溝は、前記発光アレイ素子の共振方向に延び、前記基板の前記共振方向と交差する端面のうち少なくとも一方には、前記1以上の溝が形成されなくてもよい。
一般に、発光アレイ素子の基板の共振方向と交差する端面には、反射率を調整するための誘電体多層膜などの反射膜が形成されている。基板の端面に溝を形成しないことで、端面に形成された反射膜に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
また、本開示に係る半導体発光装置の一態様において、前記1以上の溝の少なくとも一部は、前記第一導電型半導体層に達してもよい。
これにより、溝によって基板を分断できるため、発光アレイ素子の剛性をより一層低減できる。このため、発光アレイ素子が実装されたサブマウントに加わる熱応力をより一層抑制できる。
また、本開示に係る半導体発光装置の一態様において、前記1以上の溝の断面形状は、なめらかな曲線形状を含んでもよい。
このように、1以上の溝におけるエッジ部を低減することによって、エッジ部における応力及び電界の集中を低減できる。これにより、半導体発光装置の故障のリスクを低減できるため、半導体発光装置の信頼性を高めることができる。
上記課題を解決するために、本開示に係る半導体発光装置の製造方法の一態様は、第一主面及び前記第一主面の裏側の第二主面を有する基板と、前記第一主面に順に積層される第一導電型半導体層、発光層及び第二導電型半導体層とを有し、複数の発光点を含む発光アレイ素子を準備するステップと、前記発光アレイ素子の前記基板より前記第二導電型半導体層に近い側の面とサブマウントとを素子接合部材によって接合するステップと、前記接合するステップの後に、前記基板の前記第二主面側に、1以上の溝を形成するステップとを含み、前記1以上の溝の少なくとも一部は、前記発光層に達しない。
このように、発光アレイ素子の基板に溝を形成することによって、発光アレイ素子の剛性を低下させることができる。このため、発光アレイ素子が実装されたサブマウントに加わる熱応力を抑制できる。また、基板に形成された溝が発光層に達しないため、溝の壁面においてリーク電流が発生することを抑制できる。また、発光アレイ素子に溝を形成することで、発光アレイ素子の剛性が低下し、発光アレイ素子単体でのハンドリングが困難となる。しかしながら、本開示に係る半導体発光装置の製造方法によれば、発光アレイ素子をサブマウントに接合した後に、発光アレイ素子の溝を形成することで、発光アレイ素子に溝を形成した後にサブマウントに接合する場合より、発光アレイ素子のハンドリングを容易化できる。
本開示によれば、発光アレイ素子を備える半導体発光装置であって、発光アレイ素子における熱応力及びリーク電流を抑制できる半導体発光装置などを提供できる。
図1は、実施の形態1に係る半導体発光装置の全体構成を示す模式的な斜視図である。 図2は、実施の形態1に係る半導体発光装置の全体構成を示す模式的な断面図である。 図3は、実施の形態1、比較例1及び比較例2に係る各半導体発光装置のサブマウントの変形量のシミュレーション結果を示すグラフである。 図4Aは、実施の形態1に係る半導体発光装置の製造方法の第一工程を示す図である。 図4Bは、実施の形態1に係る半導体発光装置の製造方法の第二工程を示す図である。 図4Cは、実施の形態1に係る半導体発光装置の製造方法の第三工程を示す図である。 図4Dは、実施の形態1に係る半導体発光装置の製造方法の第四工程を示す図である。 図5は、実施の形態2に係る半導体発光装置の全体構成を示す模式的な斜視図である。 図6は、実施の形態2に係る半導体発光装置の全体構成を示す模式的な正面図である。 図7は、実施の形態3に係る半導体発光装置の全体構成を示す模式的な斜視図である。 図8は、実施の形態3に係る半導体発光装置の全体構成を示す模式的な断面図である。 図9は、従来技術の半導体レーザ装置の構成を示す模式的な断面図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、及び、構成要素の配置位置や接続形態などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺等は必ずしも一致していない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書において、「上方」及び「下方」という用語は、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではなく、積層構成における積層順を基に相対的な位置関係により規定される用語として用いる。また、「上方」及び「下方」という用語は、2つの構成要素が互いに間隔をあけて配置されて2つの構成要素の間に別の構成要素が存在する場合のみならず、2つの構成要素が互いに接する状態で配置される場合にも適用される。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る半導体発光装置について説明する。
[1-1.全体構成]
まず、本実施の形態に係る半導体発光装置の全体構成について図1及び図2を用いて説明する。図1及び図2は、それぞれ、本実施の形態に係る半導体発光装置100の全体構成を示す模式的な斜視図及び断面図である。図2には、図1に示されるII-II線における半導体発光装置100の断面の一部が示されている。
半導体発光装置100は、複数の発光点130a~130dを含む光源装置であり、発光アレイ素子101と、サブマウント103と、素子接合部材102とを備える。本実施の形態では、半導体発光装置100は、基台106と、基台接合部材105とをさらに備える。
発光アレイ素子101は、複数の発光点130a~130dを含むアレイ型の半導体発光素子である。本実施の形態では、発光アレイ素子101は、複数の発光点130a~130dからレーザ光を出射するアレイ型の半導体レーザ素子である。図1に示されるように、発光アレイ素子101は、レーザ光の共振方向と交差する端面であって、発光アレイ素子101の共振器を形成するフロント端面101fとリア端面101rとを有する。本実施の形態では、フロント端面101f及びリア端面101rは、共振方向と垂直に交差する。複数の発光点130a~130dは、発光アレイ素子101のフロント端面101fに配置される。発光アレイ素子101は、図2に示されるように、基板110と、第一導電型半導体層111と、発光層112と、第二導電型半導体層113とを有する。本実施の形態では、発光アレイ素子101は、絶縁層114と、第二導電側電極115と、第一導電側電極116とをさらに備える。
基板110は、第一主面110a及び第一主面110aの裏側の第二主面110bを有する板状の部材である。基板110の第二主面110b側には、1以上の溝120が形成されており、1以上の溝120の少なくとも一部は、発光層112に達しない。本実施の形態では、基板110は、窒化ガリウム(GaN)基板である。なお、基板110の厚さは、例えば、50μm以上、120μm以下である。また、基板110の共振方向及び厚さ方向に垂直な方向の幅は、例えば、9mmである。基板110の幅は、0mmより大きく9mm未満であってもよいし、9mmより大きくてもよい。また、溝120の幅は、特に限定されないが、例えば、30μmである。溝120の深さは、発光層112に達しない深さであれば特に限定されないが、例えば、40μmである。また、本実施の形態では、複数の溝120が225μmの周期で配列されている。
第一導電型半導体層111は、第一導電型の半導体層であって、基板110の第一主面110aに積層される。本実施の形態では、第一導電型半導体層111は、厚さ3μmのn-Al0.03Ga0.97Nからなるn型クラッド層である。なお、第一導電型半導体層111の構成はこれに限定されない。第一導電型半導体層111の厚さは、0.5μm以上4.0μm以下であってもよく、組成は、n-AlGa1-xN(0<x<1)であってもよい。また、第一導電型半導体層111は、n-Al0.03Ga0.97Nからなる層以外のn型半導体層を含んでもよい。
発光層112は、第一導電型半導体層111に積層される活性層である。本実施の形態では、発光層112は、In0.06Ga0.94Nからなる厚さ5nmの井戸層とGaNからなる厚さ10nmの障壁層とが交互に積層された量子井戸活性層であり、2層の井戸層を有する。このような発光層112を備えることにより、半導体発光装置100は、波長が約450nmの青色レーザ光を出射できる。発光層112の構成はこれに限定されず、InGa1―xN(0<x<1)からなる井戸層とAlInGa1―x―yN(0≦x+y≦1)からなる障壁層とが交互に積層された量子井戸活性層であればよく、また、井戸層の数も2層に限定されず、1層でも3層以上でもよい。なお、発光層112は量子井戸活性層の上方及び下方の少なくとも一方に形成されたガイド層を含んでもよい。発光層112のうち電流通路となる領域、つまり、第二導電型半導体層113に形成されるリッジ部121に対応する領域(言い換えると、リッジ部121に対向する領域)が発光する。したがって、フロント端面101fにおける発光層112の側面のうち、リッジ部121に対応する領域が発光点を形成する。
第二導電型半導体層113は、第一導電型と異なる第二導電型の半導体層であって、発光層112に積層される。本実施の形態では、第二導電型半導体層113は、電流通路となる複数のリッジ部121を備える。リッジ部121の幅は、20μmである。なお、リッジ部121の幅は、これに限定されず、例えば、5μm以上、50μm以下であってもよい。本実施の形態では、第二導電型半導体層113は、p型クラッド層と、p側コンタクト層とを含む。p型クラッド層は、第二導電型半導体層113に含まれるクラッド層の一例であり、本実施の形態では、p-Al0.06Ga0.94Nからなる厚さ3nmの層と、GaNからなる厚さ3nmの層とが交互に100層ずつ積層された厚さ0.6μmの超格子層である。
なお、p型クラッド層の構成はこれに限定されない。p型クラッド層の厚さは、0.3μm以上、1μm以下であってもよく、組成は、p-AlGa1-xN(0<x<1)であってもよい。p側コンタクト層は、第二導電型半導体層113に含まれるコンタクト層の一例である。p側コンタクト層は、第二導電型半導体層113のリッジ部121に配置され、第二導電側電極115と接する。本実施の形態では、p側コンタクト層は、厚さ10nmのp-GaNからなる層である。なお、p側コンタクト層の構成はこれに限定されない。p側コンタクト層の厚さは、5nm以上、0.5μm以下の層であってもよい。
絶縁層114は、第二導電型半導体層113と素子接合部材102との間に配置され、第二導電型半導体層113と素子接合部材102との間を絶縁する層である。絶縁層114は、リッジ部121に対応する位置に、第二導電型半導体層113のp側コンタクト層と素子接合部材102とを接触させるための開口部を有する。なお、絶縁層114の開口部は、スリット状の形状を有してもよい。本実施の形態では、絶縁層114は、厚さ200nmのSiOからなる層である。なお、絶縁層114の構成はこれに限定されない。絶縁層114の厚さは、100nm以上、500nm以下であってもよい。また、絶縁層114を形成する材料は、SiNなどのSiO以外の絶縁材料であってもよい。
第二導電側電極115は、第二導電型半導体層113と素子接合部材102との間に配置される電極である。本実施の形態では、第二導電側電極115は、p側コンタクト層とオーミック接触する電極である。第二導電側電極115は、第二導電型半導体層113のリッジ部121と素子接合部材102との間に配置される。言い換えると、第二導電側電極115は、絶縁層114の開口部に配置される。なお、第二導電側電極115は、絶縁層114と素子接合部材102との間にも配置されてもよい。第二導電側電極115は、絶縁層114の開口部において、p側コンタクト層と接触する。本実施の形態では、第二導電側電極115は、p側コンタクト層側から順にPd及びPtが積層された積層膜である。第二導電側電極115の構成はこれに限定されない。第二導電側電極115は、例えば、Cr、Ti、Ni、Pd、Pt及びAuの少なくとも一つで形成された単層膜又は多層膜であってもよい。
第一導電側電極116は、基板110の第二主面110bに配置される電極である。本実施の形態では、第一導電側電極116は、基板110側から順にTi、Pt及びAuが積層された積層膜である。第一導電側電極116の構成はこれに限定されない。第一導電側電極116は、他の導電材料で形成されてもよい。
素子接合部材102は、発光アレイ素子101とサブマウント103とを接合する接合部材である。素子接合部材102は、発光アレイ素子101とサブマウント103との間に配置され、層状の形状を有する。本実施の形態では、素子接合部材102は、厚さ5μm、共振方向及び厚さ方向に垂直な方向の幅11mmのAuSnはんだで形成される。なお、素子接合部材102の構成はこれに限定されない。例えば、素子接合部材102の厚さは、0μmより大きく5μm未満であってもよいし、5μmより大きくてもよい。また、素子接合部材102の幅は、サブマウント103の幅より大きくてもよい。例えば、素子接合部材102の幅は、0mmより大きく11mm未満であってもよいし、11mmより大きくてもよい。また、素子接合部材102を形成する材料は、AuSnはんだ以外であってもよい。例えば、サブマウント103より熱膨張係数が大きいAuSn以外の材料からなるはんだなどの接合部材であってもよい。
サブマウント103は、発光アレイ素子101が配置される基材である。サブマウント103は、発光アレイ素子101が発する熱を放散するヒートシンクとしても機能する。サブマウント103は、例えば、厚さ300μm、共振方向及び厚さ方向に垂直な方向の幅11mmの直方体状の形状を有する銅ダイヤモンドで形成される。例えば、サブマウント103の厚さは、0μmより大きく300μm未満であってもよいし、300μmより大きくてもよい。また、サブマウント103の幅は、0mmより大きく11mm未満であってもよいし、11mmより大きくてもよい。また、サブマウント103を形成する材料は、銅ダイヤモンド以外であってもよい。例えば、サブマウント103は、銅タングステンなどで形成されてもよい。本実施の形態では、サブマウント103は、素子接合部材102より熱膨張係数が小さい。例えば、サブマウント103が銅ダイヤモンドで形成される場合には、サブマウント103の熱膨張係数は、5.5×10-6[1/K]である。一方、素子接合部材102が、AuSnはんだである場合には、素子接合部材102の熱膨張係数は、17×10-6[1/K]である。
基台接合部材105は、基台106とサブマウント103とを接合する接合部材である。基台接合部材105は、基台106とサブマウント103との間に配置され、層状の形状を有する。本実施の形態では、基台接合部材105は、厚さ5μm、共振方向及び厚さ方向に垂直な方向の幅11mmのAuSnはんだで形成される。なお、基台接合部材105の構成はこれに限定されない。例えば、基台接合部材105の厚さは、0μmより大きく5μm未満であってもよいし、5μmより大きくてもよい。また、基台接合部材105の幅は、基台106の幅より大きくてもよい。例えば、基台接合部材105の幅は、0mmより大きく11mm未満であってもよいし、11mmより大きくてもよい。また、基台接合部材105を形成する材料は、AuSnはんだ以外であってもよい。
基台106は、サブマウント103が配置される基材である。基台106は、サブマウント103を介して発光アレイ素子101が発する熱を放散するヒートシンクとして機能する。このため、半導体発光装置100の動作時に発生する熱の影響を抑制できる。基台106の寸法は、特に限定されないが、サブマウント103より大きくてもよい。基台106は、幅11mm以上の銅ブロックで形成される。基台106を形成する材料は、銅以外であってもよい。例えば、基台106は、銅タングステンなどで形成されてもよい。本実施の形態では、基台106は、サブマウント103より熱膨張係数が小さい。例えば、基台106が銅で形成される場合には、基台106の熱膨張係数は、16.5×10-6[1/K]である。
[1-2.作用及び効果]
次に、本実施の形態に係る半導体発光装置100の作用及び効果について、比較例と比較しながら、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態、比較例1及び比較例2に係る各半導体発光装置のサブマウントの変形量のシミュレーション結果を示すグラフである。横軸は発光アレイ素子の位置を示し、縦軸は変形量を示す。また、図3には、幅W1の発光アレイ素子が配置されている範囲が矢印で示されている。なお、図3に示される変形量は、サブマウントの発光アレイ素子が配置されている面の裏側面の変形量であって、サブマウントの当該裏側面が凸状に変形している場合の、サブマウントの幅方向の端部の位置に対するサブマウントの厚さ方向における相対位置を負の数値で示し、凹状に変形している場合の当該相対位置を正の数値で示している。
本シミュレーションにおいては、半導体発光装置100の基台接合部材105及び基台106を取り除いたもののシミュレーション結果が、本実施の形態に係る半導体発光装置100のシミュレーション結果として破線で示されている。また、発光アレイ素子101を厚さ80μm、幅9mmの主材料をGaNとする素子とし、素子接合部材102を厚さ5μm、幅11mmのAuSnはんだで形成された層状部材とし、サブマウント103を厚さ300μm、幅11mmの銅ダイヤモンドで形成された直方体状の部材としている。
比較例1に係る半導体発光装置は、発光アレイ素子101の基板110に溝120が形成されていない点以外は、本実施の形態に係る半導体発光装置100と同一の構成を有する。比較例2に係る半導体発光装置は、発光アレイ素子101を備えない点以外は、本実施の形態に係る半導体発光装置100と同一の構成を有する。図3において、比較例1及び比較例2に係る半導体発光装置のシミュレーション結果が、それぞれ、実線及び点線で示されている。
なお、比較例1及び比較例2に係る半導体発光装置のシミュレーションにおいても、本実施の形態に係る半導体発光装置100のシミュレーションと同様に、基台接合部材105及び基台106は取り除かれている。
図3に示されるように、比較例2に係る半導体発光装置においては、サブマウント103は、素子接合部材102より熱膨張係数が小さいため、素子接合部材102を加熱及び冷却する際に、素子接合部材102がサブマウント103より収縮する。したがって、素子接合部材102の収縮に伴う熱応力をサブマウントに加えることができる。この熱応力によってサブマウント103が変形する。また、比較例1に係る半導体発光装置においては、剛性の高い発光アレイ素子が素子接合部材102によって接合されることで、サブマウント103の変形が大幅に抑制される。
一方、本実施の形態に係る半導体発光装置100においては、基板110の第二主面110bに溝120が形成されていることにより、発光アレイ素子101の剛性が低減される。このため、発光アレイ素子101を素子接合部材102を介してサブマウント103に接合する際の加熱及び冷却に伴って生じる熱応力を低減できる。これに伴い、図3の破線のグラフで示されるようにサブマウント103の変形量が、比較例1より大きくなる。このように、サブマウント103の発光アレイ素子101が配置されている面の裏側面が凸状に変形する。ここで、サブマウント103の当該裏側面に基台接合部材105を介して基台106を接合する場合に、サブマウント103の熱膨張係数が基台接合部材105及び基台106の熱膨張係数がより小さいことに起因して熱応力が発生する。この熱応力は、サブマウント103の裏側面を凹状に変形させる力である。したがって、図3に示されるサブマウント103の変形によって、サブマウント103に基台106を接合することによって生じるサブマウント103の変形の少なくとも一部を相殺できる。これにより、サブマウント103に接合された発光アレイ素子101の反りを低減できる。したがって、発光アレイ素子101からの出射光を光学系によって合成する際に、出射光と光学系との結合効率の低下を抑制できる。
本実施の形態では、発光アレイ素子101の基板110の第二主面110b側に形成された1以上の溝120は、発光アレイ素子101の共振方向に延び、基板110の共振方向と交差する端面の少なくとも一方には、1以上の溝120が形成されない。本実施の形態では、発光アレイ素子101のフロント端面101f及びリア端面101rの両方において、1以上の溝120が形成されない。発光アレイ素子101の基板110の共振方向と交差する端面には、反射率を調整するための誘電体多層膜などの反射膜が形成されている(図示せず)。基板110の端面に溝120を形成しないことで、端面に形成された反射膜に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
また、1以上の溝120の少なくとも一部は、第一導電型半導体層に達してもよい。
これにより、溝120によって基板110を分断できるため、発光アレイ素子の剛性をより一層低減できる。このため、発光アレイ素子が実装されたサブマウントに加わる熱応力をより一層抑制できる。
[1-3.製造方法]
次に、本実施の形態に係る半導体発光装置100の製造方法について図4A~図4Dを用いて説明する。図4A~図4Dは、それぞれ、本実施の形態に係る半導体発光装置100の製造方法の各工程を示す図である。
まず、図4Aに示されるように、第一主面110a及び第一主面110aの裏側の第二主面110bを有する基板110と、基板110の第一主面110aに順に積層される第一導電型半導体層111、発光層112及び第二導電型半導体層113とを有し、複数の発光点130a~130dを含む発光アレイ素子101を準備する。本実施の形態では、基板110として、GaN基板を準備し、基板110の第一主面110aに、第一導電型半導体層111として、n-Al0.03Ga0.97Nからなる厚さ3μmのn型クラッド層を積層する。続いて、第一導電型半導体層111の上方に、発光層112として、In0.06Ga0.94Nからなる厚さ5nmの井戸層とGaNからなる厚さ10nmの障壁層とが交互に積層された量子井戸活性層を、有機金属気相成長法(MOCVD)などにより積層する。続いて、発光層112の上方に、第二導電型半導体層113として、p-Al0.06Ga0.94Nからなる厚さ3nmの層と、GaNからなる厚さ3nmの層とが交互に100層ずつ積層された厚さ0.6μmの超格子層であるp型クラッド層と、厚さ10nmのp-GaNからなるp側コンタクト層とを積層する。続いて、第二導電型半導体層113に複数のリッジ部121を形成する。具体的には、ウェットエッチング法、ドライエッチング法などによって、第二導電型半導体層113をエッチングすることによって、複数のリッジ部121を形成する。続いて、第二導電型半導体層113の上方に絶縁層114をプラズマCVD法などによって形成する。続いて、絶縁層114の複数のリッジ部121に対応する位置をウェットエッチング法などにより除去することで開口部を設ける。続いて、複数のリッジ部121の上方に、真空蒸着法などにより第二導電側電極115を形成する。なお、第二導電側電極115は、絶縁層114の上方にも形成されてもよい。続いて、第一導電側電極116を基板110の第二主面110bに形成する。第一導電側電極116は、図4Aに示されるように、1以上の溝120が形成される領域以外に形成されてもよいし、第二主面全面に形成されてもよい。
次に、図4Bに示されるように、サブマウント103を準備し、サブマウント103の一つの面に、素子接合部材102を配置する。本実施の形態では、図4Bに示されるように、銅ダイヤモンドからなる直方体状のサブマウント103の一つの面の全体に、AuSnはんだからなる素子接合部材102を配置する。
次に、図4Cに示されるように、発光アレイ素子101の基板110より第二導電型半導体層113に近い側の面とサブマウント103とを素子接合部材102によって接合する。言い換えると、発光アレイ素子101をサブマウント103に素子接合部材102を介してジャンクションダウン実装する。本実施の形態では、第二導電側電極115が素子接合部材102に接合される。発光アレイ素子101とサブマウント103とを接合する際には、素子接合部材102が配置されたサブマウント103を280℃程度まで加熱する。これにより、素子接合部材102を溶融させる。素子接合部材102を溶融させた状態で、サブマウント103の素子接合部材102が配置された面に発光アレイ素子101を配置し、冷却することで、発光アレイ素子101とサブマウント103とを接合できる。このような加熱及び冷却工程において、サブマウント103に熱応力が加わる。
次に、図4Dに示されるように、発光アレイ素子101の基板110の第二主面110b側に、1以上の溝120をレーザダイシング、ブレードダイシングなどによって形成する。本実施の形態では、1以上の溝120は、発光アレイ素子101の共振方向に延び、基板110の共振方向と交差する端面の少なくとも一方には、1以上の溝120が形成されない。また、本実施の形態では、1以上の溝120は、複数のリッジ部121の配列方向(つまり、共振方向及び基板110の厚さ方向に垂直な方向)において隣り合う二つのリッジ部121の間に対応する位置に配置される。なお、1以上の溝120の配置は、これに限定されない。例えば、1以上の溝120は、リッジ部121に対向する位置に配置されてもよい。言い換えると、1以上の溝120は、第二主面110bの平面視において、リッジ部121と重なる位置に配置されてもよい。なお、このような配置を採用する場合には、リッジ部121に電流を供給しやすくするために、1以上の溝120の深さを浅くしてもよい。例えば、1以上の溝120の深さを基板110の厚さの70%以下としてもよい。
なお、1以上の溝120を形成するタイミングは、発光アレイ素子101をサブマウント103に実装する前でもよい。しかしながら、1以上の溝120を形成することで、発光アレイ素子101の剛性が低下するため、1以上の溝120を形成した後に、発光アレイ素子101をサブマウント103に実装する場合には、ハンドリングが難しくなる。一方、本実施の形態では、1以上の溝120を形成する前に発光アレイ素子101をサブマウント103に実装するため、剛性の高い状態で発光アレイ素子101をハンドリングできる。したがって、発光アレイ素子101を容易に実装できる。また、発光アレイ素子101をサブマウント103に実装した後で、1以上の溝120を形成することで、実装後の発光アレイ素子101の反りの状態を確認した後で、1以上の溝120を形成できる。したがって、反りの状態を確認しながら、溝120のサイズなどを調整できる。これにより、半導体発光装置100の出来栄えのばらつきを抑制できる。
次に、発光アレイ素子101が実装されたサブマウント103と基台106とを基台接合部材105によって接合する。より詳しくは、サブマウント103の発光アレイ素子101が実装された面の裏側面と、銅からなる基台106とをAuSnはんだからなる基台接合部材105によって接合する。これにより、図1に示されるような半導体発光装置100を製造できる。
以上のように、発光アレイ素子101の基板110に溝120を形成することによって、発光アレイ素子101の剛性を低下させることができる。このため、発光アレイ素子101が実装されたサブマウント103に加わる熱応力を抑制できる。また、基板110に形成された溝120が発光層112に達しないため、溝120の壁面においてリーク電流が発生することを抑制できる。また、本実施の形態に係る半導体発光装置100においては、リーク電流の発生を抑制するために、誘電体保護膜を別途形成する必要がないため、有機物による汚染を低減できる。したがって、半導体発光装置の効率及び信頼性の低下を抑制できる。
(実施の形態2)
次に実施の形態2に係る半導体発光装置について説明する。本実施の形態に係る半導体発光装置は、1以上の溝の配置において実施の形態1に係る半導体発光装置100と相違し、その他の点において一致する。以下、本実施の形態に係る半導体発光装置について図5及び図6を用いて説明する。
図5及び図6は、それぞれ、本実施の形態に係る半導体発光装置200の全体構成を示す模式的な斜視図及び正面図である。
図5及び図6に示されるように、本実施の形態に係る半導体発光装置200は、複数の発光点230a~230fを含む光源装置であり、発光アレイ素子201と、サブマウント103と、素子接合部材102とを備える。なお、図5及び図6には示されないが、本実施の形態に係る半導体発光装置200も、実施の形態1に係る半導体発光装置100と同様に、基台106と、基台接合部材105とをさらに備えてもよい。
図5に示されるように、発光アレイ素子201は、レーザ光の共振方向と交差する端面であって、発光アレイ素子201の共振器を形成するフロント端面201fとリア端面201rとを有する。図6に示されるように、発光アレイ素子201は、第一主面110a及び第一主面110aの裏側の第二主面110bを有する基板110と、基板110の第一主面110aに順に積層される第一導電型半導体層111、発光層112及び第二導電型半導体層113とを有する。また、発光アレイ素子201は、基板110より、第二導電型半導体層113に近い側の面において素子接合部材102と接合されている。基板110の第二主面110b側には、1以上の溝220が形成されており、1以上の溝220の少なくとも一部は、発光層112に達しない。
また、発光アレイ素子201の基板110の第二主面110b側に形成された1以上の溝220は、発光アレイ素子201の共振方向に延び、基板110の共振方向と交差する端面の少なくとも一方には、1以上の溝220が形成されない。本実施の形態では、発光アレイ素子201のフロント端面201f及びリア端面201rの両方において、1以上の溝220が形成されない。
本実施の形態では、図6に示されるように、発光アレイ素子201には複数の溝220が形成されており、複数の溝220は等間隔で配置されていない。言い換えると、複数の溝220は、不均等に配置されている。複数の溝220の配列方向の中央において、両端より、隣り合う二つの溝220の間隔が広い。例えば、発光点230aと発光点230bとの間には、溝220が配置されるが、発光点230bと発光点230cとの間、及び、発光点230dと発光点230eとの間には、溝220は配置されない。
このように、複数の溝220の配列方向における中央において、両端より隣り合う二つの溝220の間隔が広い。ここで、溝220内には、基板110を構成するGaNなどより熱抵抗が高い空気などが充填されている。このため、複数の溝220の配列方向における発光アレイ素子201の中央において溝の220の間隔を広くすることにより、発光アレイ素子201の両端より、熱抵抗を低下させることができる。
ここで、発光アレイ素子201の発光点の配列方向の中央においては、両端より発光層112において発生する熱を放散しにくく、温度が上昇しやすい。しかしながら、図6に示されるように複数の溝220を配置することで、発光アレイ素子201の中央における熱抵抗を低下させることができるため、発光アレイ素子201の温度分布を均一化できる。
なお、複数の溝220の配置は、上述した例に限定されない。複数の溝220の配置は、発光アレイ素子201の放熱特性などに応じて適宜決定してよい。例えば、複数の溝220の配置、個数、寸法、形状などを調整することで、発光アレイ素子201の剛性を調整してもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る半導体発光装置について説明する。本実施の形態に係る半導体発光装置は、1以上の溝の形状において、実施の形態1に係る半導体発光装置100と相違し、その他の点において一致する。以下、本実施の形態に係る半導体発光装置について、実施の形態1に係る半導体発光装置100との相違点を中心に図7及び図8を用いて説明する。図7及び図8は、それぞれ、本実施の形態に係る半導体発光装置300の全体構成を示す模式的な斜視図及び断面図である。図8には、図7に示されるVIII-VIII線における半導体発光装置300の断面の一部が示されている。
図7及び図8に示されるように、本実施の形態に係る半導体発光装置300は、発光アレイ素子301と、サブマウント103と、素子接合部材102とを備える。なお、図7及び図8には示されないが、本実施の形態に係る半導体発光装置300も、実施の形態1に係る半導体発光装置100と同様に、基台106と、基台接合部材105とをさらに備えてもよい。
また、図7に示されるように、発光アレイ素子301は、レーザ光の共振方向と交差する端面であって、発光アレイ素子301の共振器を形成するフロント端面301fとリア端面301rとを有する。図8に示されるように、発光アレイ素子301は、第一主面110a及び第一主面110aの裏側の第二主面110bを有する基板110と、基板110の第一主面110aに順に積層される第一導電型半導体層111、発光層112及び第二導電型半導体層113とを有する。また、発光アレイ素子301は、基板110より、第二導電型半導体層113に近い側の面において素子接合部材102と接合されている。基板110の第二主面110b側には、1以上の溝320が形成されており、1以上の溝320の少なくとも一部は、発光層112に達しない。
また、発光アレイ素子301の基板110の第二主面110b側に形成された1以上の溝320は、発光アレイ素子301の共振方向に延び、基板110の共振方向と交差する端面の少なくとも一方には、1以上の溝320が形成されない。本実施の形態では、発光アレイ素子301のフロント端面301f及びリア端面301rの両方において、1以上の溝320が形成されない。
本実施の形態では、1以上の溝320の断面形状は、実施の形態1のような矩形でなく、なめらかな曲線形状を含む。つまり、1以上の溝320は曲面を有する。本実施の形態では、図8に示されるように、1以上の溝320の断面形状は、U字状の形状を有する。このように、1以上の溝320におけるエッジ部を低減することによって、エッジ部における応力及び電界の集中を低減できる。これにより、半導体発光装置300の故障のリスクを低減できるため、半導体発光装置300の信頼性を高めることができる。
本実施の形態に係る1以上の溝320の形成方法は、特に限定されない。1以上の溝320は、例えばレーザダイシングによって形成できる。
(変形例など)
以上、本開示に係る半導体発光装置などについて、各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記各実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記各実施の形態においては、発光アレイ素子のフロント端面及びリア端面の少なくとも一方において、1以上の溝が形成されなかったが、1以上の溝は、発光アレイ素子のフロント端面及びリア端面に形成されてもよい。
また、上記各実施の形態においては、発光アレイ素子に複数の溝が形成されたが、溝の個数は、1でもよい。
また、上記各実施の形態においては、発光アレイ素子に形成された1以上の溝の少なくとも一部が発光層に達しなかったが、すべての溝が発光層に達しなくてもよい。これにより、溝の壁面においてリーク電流が発生することをより一層抑制できる。
また、上記各実施の形態において、1以上の溝は、共振方向に連続的に形成されたが、1以上の溝は、共振方向に断続的に形成されてもよい。例えば、1以上の溝の各々は、共振方向において複数の部分に分離されていてもよい。
上記各実施の形態においては、発光アレイ素子の一例としてアレイ型の半導体レーザ素子を用いる例を示したが、発光アレイ素子は、半導体レーザ素子に限定されない。例えば、発光アレイ素子は、スーパールミネッセントダイオードアレイであってもよい。また、この場合、上記共振方向は、スーパールミネッセント光の伝搬方向を意味する。
また、上記各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
例えば、上記実施の形態1及び2に係る各半導体発光装置において、上記実施の形態3に係る半導体発光装置300と同様に形状を有する溝を形成してもよい。
本開示の半導体発光装置などは、例えば、高出力かつ高効率な光源として加工装置などに適用できる。
100、200、300 半導体発光装置
101、201、301 発光アレイ素子
101f、201f、301f フロント端面
101r、201r、301r リア端面
102 素子接合部材
103、1033 サブマウント
105 基台接合部材
106 基台
110、1012 基板
110a 第一主面
110b 第二主面
111 第一導電型半導体層
112 発光層
113 第二導電型半導体層
114 絶縁層
115 第二導電側電極
116 第一導電側電極
120、220、320 溝
121 リッジ部
130a、130b、130c、130d、230a、230b、230c、230d、230e、230f 発光点
1011 半導体レーザ素子
1021 半導体層
1023 n側電極

Claims (8)

  1. 複数の発光点を含む発光アレイ素子と、
    前記発光アレイ素子が配置されるサブマウントと、
    前記発光アレイ素子と前記サブマウントとを接合する素子接合部材とを備え、
    前記発光アレイ素子は、
    第一主面及び前記第一主面の裏側の第二主面を有する基板と、
    前記基板の第一主面に順に積層される第一導電型半導体層、発光層及び第二導電型半導体層とを有し、
    前記基板より、前記第二導電型半導体層に近い側の面において前記素子接合部材と接合され、
    前記基板の前記第二主面側には、1以上の溝が形成されており、
    前記1以上の溝の少なくとも一部は、前記発光層に達せず、
    前記第二導電型半導体層には、複数のリッジ部が形成されており、
    前記1以上の溝の各々、及び、前記複数のリッジ部の各々は、前記発光アレイ素子の共振方向に平行な方向に延在し、
    前記発光アレイ素子の共振方向及び前記基板の厚さ方向に対して垂直な方向において、前記1以上の溝の各々は、前記複数のリッジ部のうちの隣り合う二つのリッジ部の間に対応する位置に配置され
    前記基板の前記第二主面側の前記複数のリッジ部に対応する位置には、溝は形成されていない
    半導体発光装置。
  2. 前記サブマウントは、前記素子接合部材より熱膨張係数が小さい
    請求項1に記載の半導体発光装置。
  3. 前記サブマウントが配置される基台と、
    前記基台と前記サブマウントとを接合する基台接合部材とをさらに備える
    請求項2に記載の半導体発光装置。
  4. 前記サブマウントは、前記基台より熱膨張係数が小さい
    請求項3に記載の半導体発光装置。
  5. 前記1以上の溝は、前記発光アレイ素子の共振方向に延び、
    前記基板の前記共振方向と交差する端面のうち少なくとも一方には、前記1以上の溝が形成されない
    請求項1~4のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  6. 前記1以上の溝の少なくとも一部は、前記第一導電型半導体層に達する
    請求項1~5のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  7. 前記1以上の溝の断面形状は、なめらかな曲線形状を含む
    請求項1~6のいずれか1項に記載の半導体発光装置。
  8. 第一主面及び前記第一主面の裏側の第二主面を有する基板と、前記第一主面に順に積層される第一導電型半導体層、発光層及び第二導電型半導体層とを有し、複数の発光点を含む発光アレイ素子を準備するステップと、
    前記発光アレイ素子の前記基板より前記第二導電型半導体層に近い側の面とサブマウントとを素子接合部材によって接合するステップと、
    前記接合するステップの後に、前記基板の前記第二主面側に、1以上の溝を形成するステップとを含み、
    前記1以上の溝の少なくとも一部は、前記発光層に達せず、
    前記発光アレイ素子を準備するステップは、前記第二導電型半導体層に、複数のリッジ部を形成するステップを含み、
    前記1以上の溝の各々、及び、前記複数のリッジ部の各々は、前記発光アレイ素子の共振方向に平行な方向に延在し、
    前記発光アレイ素子の共振方向及び前記基板の厚さ方向に対して垂直な方向において、前記1以上の溝の各々は、前記複数のリッジ部のうちの隣り合う二つのリッジ部の間に対応する位置に配置され
    前記基板の前記第二主面側の前記複数のリッジ部に対応する位置には、溝は形成されていない
    半導体発光装置の製造方法。
JP2019010684A 2019-01-24 2019-01-24 半導体発光装置及び半導体発光装置の製造方法 Active JP7245061B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019010684A JP7245061B2 (ja) 2019-01-24 2019-01-24 半導体発光装置及び半導体発光装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019010684A JP7245061B2 (ja) 2019-01-24 2019-01-24 半導体発光装置及び半導体発光装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020120016A JP2020120016A (ja) 2020-08-06
JP7245061B2 true JP7245061B2 (ja) 2023-03-23

Family

ID=71891231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019010684A Active JP7245061B2 (ja) 2019-01-24 2019-01-24 半導体発光装置及び半導体発光装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7245061B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000261088A (ja) 1999-03-05 2000-09-22 Hitachi Ltd 発光素子
JP2006054277A (ja) 2004-08-11 2006-02-23 Sony Corp 半導体レーザ発光装置および半導体レーザ発光装置の製造方法
JP2007184316A (ja) 2006-01-04 2007-07-19 Toshiba Corp 半導体装置
JP2010177455A (ja) 2009-01-29 2010-08-12 Nichia Corp 窒化物半導体素子
JP2012134346A (ja) 2010-12-22 2012-07-12 Opnext Japan Inc 半導体レーザ装置
US20170148747A1 (en) 2015-07-01 2017-05-25 Ii-Vi Optoelectronic Devices, Inc. Stress relief in semiconductor wafers
JP2018037426A (ja) 2015-01-20 2018-03-08 三菱電機株式会社 レーザ光源装置およびその製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2737625B2 (ja) * 1993-12-27 1998-04-08 日本電気株式会社 半導体レーザ装置
JPH11220204A (ja) * 1998-01-30 1999-08-10 Mitsubishi Electric Corp アレイ型半導体レーザ装置およびその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000261088A (ja) 1999-03-05 2000-09-22 Hitachi Ltd 発光素子
JP2006054277A (ja) 2004-08-11 2006-02-23 Sony Corp 半導体レーザ発光装置および半導体レーザ発光装置の製造方法
JP2007184316A (ja) 2006-01-04 2007-07-19 Toshiba Corp 半導体装置
JP2010177455A (ja) 2009-01-29 2010-08-12 Nichia Corp 窒化物半導体素子
JP2012134346A (ja) 2010-12-22 2012-07-12 Opnext Japan Inc 半導体レーザ装置
JP2018037426A (ja) 2015-01-20 2018-03-08 三菱電機株式会社 レーザ光源装置およびその製造方法
US20170148747A1 (en) 2015-07-01 2017-05-25 Ii-Vi Optoelectronic Devices, Inc. Stress relief in semiconductor wafers

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020120016A (ja) 2020-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4352337B2 (ja) 半導体レーザおよび半導体レーザ装置
JP5368957B2 (ja) 半導体レーザチップの製造方法
JP5465514B2 (ja) 光半導体装置
US7769069B2 (en) Integrated semiconductor laser diode module and manufacturing method of the same
US7792173B2 (en) Semiconductor laser device
JP7220751B2 (ja) 端面発光型のレーザバー
JP7323527B2 (ja) 半導体発光装置及び外部共振型レーザ装置
JP5259166B2 (ja) 半導体レーザ装置
US20210384701A1 (en) Semiconductor laser apparatus and semiconductor laser device
JP7332623B2 (ja) 半導体レーザ装置
US7528415B2 (en) Semiconductor laser
KR101517277B1 (ko) 멀티빔 반도체 레이저 장치
WO2020230874A1 (ja) 半導体レーザ装置及び半導体レーザ装置の製造方法
US20230155346A1 (en) Semiconductor light emitting device
JP2010050362A (ja) マルチビーム半導体レーザ
JP7245061B2 (ja) 半導体発光装置及び半導体発光装置の製造方法
JP5380135B2 (ja) マルチビーム半導体レーザ装置
JP2013179210A (ja) アレイ型半導体レーザ装置およびその製造方法
JP2010010509A (ja) 半導体レーザ装置
JP2007158008A (ja) 半導体発光素子
JP2010050199A (ja) 半導体レーザ
JP2019129218A (ja) 半導体レーザ素子及び半導体レーザ装置
WO2023140224A1 (ja) 半導体レーザ装置及び半導体レーザ素子の製造方法
US20220416508A1 (en) Semiconductor laser element
JP2020120015A (ja) 発光アレイ素子、半導体発光装置及び半導体発光装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210803

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230310

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7245061

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151