JP2007158008A - 半導体発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】直列抵抗を低減し、ジュール熱の発生を抑制できる半導体発光素子を提供する。
【解決手段】導電性の基板10上にn型クラッド層11、活性層12、p型クラッド層13およびp型コンタクト層14がこの順に形成されている。p型コンタクト層14にはp側電極が電気的に接続される。基板10の裏面の、複数の帯状導波路15のそれぞれに対向する領域(活性領域S)には、複数の窪み16が設けられている。窪み16を含めた基板10の凹凸に密着するようにn側電極17が形成されている。p型コンタクト層14とn側電極17との間の電流径路の長さが、窪み16のある部分ではその深さ分だけ短くなっている。その分だけ直列抵抗が低減され、発熱が抑制される。
【選択図】図1
【解決手段】導電性の基板10上にn型クラッド層11、活性層12、p型クラッド層13およびp型コンタクト層14がこの順に形成されている。p型コンタクト層14にはp側電極が電気的に接続される。基板10の裏面の、複数の帯状導波路15のそれぞれに対向する領域(活性領域S)には、複数の窪み16が設けられている。窪み16を含めた基板10の凹凸に密着するようにn側電極17が形成されている。p型コンタクト層14とn側電極17との間の電流径路の長さが、窪み16のある部分ではその深さ分だけ短くなっている。その分だけ直列抵抗が低減され、発熱が抑制される。
【選択図】図1
Description
本発明は帯(ストライプ)状導波路を有する半導体発光素子に係り、特にブロードストライプ構造の半導体発光素子に関する。
最近、高出力レーザとして、ブロードエリア型半導体レーザ(Broad Area Laser Diodes :BALD、以下BALDと言う)が注目を集めており、加工分野やエネルギー分野、医療分野での応用が期待されている。BALDは、電流注入領域となる帯状導波路を有する光導波路型の半導体レーザ素子であり、そのストライプ幅が10μm以上のブロードストライプ構造となっている。
一般に、ストライプ幅が10μmより小さなナロウストライプ構造のレーザでは、光出力を高めるために注入電流を増していくと、キンクの発生や熱飽和によるたわみ、さらには光出力停止等により、L−I特性(光出力−電流注入特性)が悪化し、高出力時の安定性を確保することが困難である。これに対し、ブロードストライプ構造では、電流が拡散して活性層の端面における光密度が低減するため、L−I特性が良好となり、W(ワット)クラス以上の高出力を安定して得ることが可能となる。
このようにBALDでは高出力化を図ることができるものの、一方で、従来より素子の発熱による温度上昇によって、レーザの効率や寿命等の特性が悪化してしまうという問題が生じていた。これは、素子に分布する直列抵抗により発生するジュール熱(=(直列抵抗)×(電流)2 )や活性層での非発光再結合に起因するものであるが、特に、BALDは高出力であるがゆえに多大な電流を要するため、この直列抵抗によるジュール熱が非常に深刻な問題となっていた。
特開2004−303901号公報
従来より、効率的な放熱を目的とした技術として、例えばp型クラッド層の帯状導波路側に放熱に有効なサブマウントやヒートシンクを半田付けした、所謂p側ダウンマウント構造が多く用いられている。また、抵抗の低減を目的とした技術として、p型クラッド層の厚みを制限して熱抵抗を緩和させるというものが開示されている(特許文献1)。これは、p型クラッド層の厚みと共にその抵抗値も大きくなり、放熱効果低減による素子の性能劣化が始まるため、p型クラッド層の厚みに上限を設けて素子の設計基準を提案したものである。
しかしながら、BALDにおいては、上述のような技術を用いても発熱の抑制や放熱が十分ではなく、依然として多大なジュール熱の発生がレーザ効率や寿命等の素子特性を悪化させてしまうという問題がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、特にブロードエリアタイプにおいて直列抵抗を実効的に低減して発熱を抑制でき、温度特性などの素子特性を向上させることのできる半導体発光素子を提供することにある。
本発明による半導体発光素子は、裏面に1または複数の窪みを有する導電性の基板と、基板の上に少なくとも第1導電型層、活性層および第2導電型層をこの順に積層して形成されると共に、1または複数の帯状導波路を有する化合物半導体層と、基板の裏面に接して形成された第1電極と、帯状導波路の第2導電型層に電気的に接続される第2電極とを備えたものである。
この半導体発光素子では、基板の窪みが設けられた箇所において、その窪みの深さ分だけ第1電極と第2電極との間の電流径路が短くなっており、素子の直列抵抗が実効的に低減され、その分発熱量が抑制される。
本発明の半導体発光素子によれば、基板の裏面の、特に帯状導波路に対向する領域に1または複数の窪みを設けるようにしたので、基板を薄くすることなく、すなわちハンドリング性を損なうことなく、素子の抵抗を実効的に低減し、発熱を抑制することができ、よって温度特性などの素子特性を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、具体的な実施の形態の説明に先立ち、素子の発熱要因について分析したので、その結果について説明する。前述のように、素子の直列抵抗によって発生するジュール熱が温度上昇の主な原因となっているにも関わらず、BALDにおける直列抵抗値は殆ど検討されていなかった。そこで、BALDの直列抵抗が、どのような要素によって決定づけられるのかの分析を行った。
次式は、従来より考えられてきた直列抵抗値の計算モデルである。
Rs =rs ×dc /L×W・・・・・(1)
(Rs :直列抵抗値、dc :クラッド層の厚み、L:共振器長、W:ストライプ幅(帯状導波路の幅)、rs :抵抗係数)
これは、直列抵抗の値が、クラッド層の厚み、共振器長およびストライプ幅によってのみ決定され、素子の発熱原因がp型のクラッド層に主に分布しており、その他の要素(n型クラッド層やn型基板等)の抵抗は無視できることを前提にしたものである。
Rs =rs ×dc /L×W・・・・・(1)
(Rs :直列抵抗値、dc :クラッド層の厚み、L:共振器長、W:ストライプ幅(帯状導波路の幅)、rs :抵抗係数)
これは、直列抵抗の値が、クラッド層の厚み、共振器長およびストライプ幅によってのみ決定され、素子の発熱原因がp型のクラッド層に主に分布しており、その他の要素(n型クラッド層やn型基板等)の抵抗は無視できることを前提にしたものである。
しかしながら、BALDにおいては、いくら実験を行っても、(1)式のモデルによって算出された抵抗値が観測されることはなく、算出値と実際の観測値との間には、測定誤差とも考えられない大きな誤差が生じていた。
そこで、(1)式のモデルを改善すべく、新たに直列抵抗の分析を行った。図7は、実装された典型的なBALDの素子構成を表したものである。このような素子の直列抵抗は、ワイヤリング抵抗rw 、n側ワイアボンディング接触抵抗rnc、n型基板201およびn型クラッド層202の抵抗rn 、p型クラッド層204の抵抗rp 、p型コンタクト層205の抵抗rpc、サブマウント101の抵抗rsm、ヒートシンク100の抵抗rhs、によって構成される。ここで、W、Lおよびdc に依存する素子部の抵抗をRLD、材料固有の数値で決定され、W、Lおよびdc に依存しない抵抗定数をRO 、素子の直列抵抗値をRS とすると、
RLD=rn +rp +rpc・・・・・(2)
RO =rw +rnc+rsm+rhs・・・・・(3)
RS =RO +RLD・・・・・(4)
と表される。さらに、ここで、rn 、rp およびrpcのW、Lおよびdc に対する依存性を次のように推定する。
rn =ρn /L・Wα・・・・・(5)
(ρn :n型基板201およびn型クラッド層202の抵抗係数、α:Wがn側の電気伝導に影響する割合、0≦α≦1)
rp =ρp ・dc /L・W・・・・・(6)
(ρp :p型クラッド層204の抵抗係数)
rpc=ρpc/L・W・・・・・(7)
(ρpc:p型コンタクト層205の抵抗係数)
ここで、n側の抵抗成分は、Wに対する依存性が薄く、またp型コンタクト層はほぼ完全であるため、α≒0、ρpc≒0と近似することができる。従って、直列抵抗RS は、
RS =RO +ρn /L+ρp ・dc /L・W・・・・・(8)
さらに、上記(8)式とBALDの実際の抵抗値との比較により、RO 、ρn およびρp を求め、次式を得た。
RS =0.01+0.35/L+5.2 ・dc /L・W・・・・・(9)
RLD=rn +rp +rpc・・・・・(2)
RO =rw +rnc+rsm+rhs・・・・・(3)
RS =RO +RLD・・・・・(4)
と表される。さらに、ここで、rn 、rp およびrpcのW、Lおよびdc に対する依存性を次のように推定する。
rn =ρn /L・Wα・・・・・(5)
(ρn :n型基板201およびn型クラッド層202の抵抗係数、α:Wがn側の電気伝導に影響する割合、0≦α≦1)
rp =ρp ・dc /L・W・・・・・(6)
(ρp :p型クラッド層204の抵抗係数)
rpc=ρpc/L・W・・・・・(7)
(ρpc:p型コンタクト層205の抵抗係数)
ここで、n側の抵抗成分は、Wに対する依存性が薄く、またp型コンタクト層はほぼ完全であるため、α≒0、ρpc≒0と近似することができる。従って、直列抵抗RS は、
RS =RO +ρn /L+ρp ・dc /L・W・・・・・(8)
さらに、上記(8)式とBALDの実際の抵抗値との比較により、RO 、ρn およびρp を求め、次式を得た。
RS =0.01+0.35/L+5.2 ・dc /L・W・・・・・(9)
この新たなモデル式による計算結果を、図8および図9に示す。これらは、実際に実験で得られる抵抗値とかなり良い一致を示しており、ナロウストライプの直列抵抗とBALDの直列抵抗のつながり具合も良く理解できる。
図8は、ストライプ幅Wに対する直列抵抗RS の依存性を表した特性図である。p型クラッド層厚みは0.8μmとし、共振器長Lを500μm,700μm,1000μm、1500μm,2000μmとした場合における結果を示した。図中、Aは500μm,Bは700μm,Cは1000μm、Dは1500μm,Eは2000μmの結果をそれぞれ示したものである。Wが100μm以下(特に10μm以下)ではWが大きくなる程RS は低減する傾向にあるが、この低減効果はWが100μmを越えると殆どなくなる。これに対し、共振器長Lを長くすることによるRS 低減の効果はかなり続くということがわかった。
図9は、p型クラッド層の厚みdc に対する直列抵抗RS の依存性を表した特性図である。共振器長Lは700μmとし、ストライプ幅Wを2μm、5μm、10μm、60μm、100μmとした場合における結果を示した。図中、Aは2μm,Bは5μm,Cは10μm、Dは60μm,Eは100μmの結果をそれぞれ示したものである。これにより、dc に対するRS の依存性は、Wにかなり影響を受けるということがわかる。つまり、dc を薄くすれば抵抗値が低減するという効果は、Wが大きくなるに連れて薄れていくのである。
以上より、ストライプ幅Wが大きい程、すなわちBALDでは(1)式に示した従来モデルと新たに導出した(8)式との差異が大きな誤差となって現れることがわかった。
さらに、注目すべき点は、(9)式に示したモデルによれば、W=60μm、L=700μm、dc =0.8μmで構成されたBALDでは、n側の抵抗値rn =0.5Ω、p型クラッド層204における抵抗値rp =0.1Ω、その他材料固有の抵抗値RO =0.01Ωとなり、直列抵抗の80%以上が、n型クラッド層202とn型基板201からの寄与によるものであり、これまで考えられてきたp型クラッド層204からの寄与は非常に小さいということがわかった。従って、n側での抵抗を低減させることが、BALD素子の発熱抑制のための最も有効な手段となる。しかし、だからといってn側の基板自体の厚みを薄くすると、ヒートシンク100などの放熱部材へのマウント時や、電極パッド207へのボンディングの際に割れやすくなる。あるいは、p側にダウンマウントを設けるのと同じ要領でn側にダウンマウントを設ける方法も考えられるが、その方法では、p型クラッド層の薄い層の部分にワイヤボンディングを行う必要が生じ、活性層内へダメージが入りやすくなるという危険性があるため、好ましくない。
以上の分析を前提として、本発明は、基板の機械的強度を保持しつつ、またp側のダウンマウント構造を用いながら、n側から発生する多大なジュール熱をできるだけ少なくし、また効率的に放熱を行うことのできるようにしたものである。以下、具体的な実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るブロードエリア型半導体レーザ(BALD)1の構造を表すもので、同図(A)は断面構造、同図(B)は裏面から見た構造を示している。このBALD1は、基板10上にn型クラッド層11、活性層12、p型クラッド層13およびp型コンタクト層14をこの順に積層したのち、複数(ここでは4個)の帯状導波路15を形成したものである。帯状導波路15のp型コンタクト層14には後述のようなp側ダウンマウント構造において放熱部材を介してp側電極(第2電極)が電気的に接続される。
基板10の裏面の、帯状導波路15のそれぞれに対向する領域(以下,活性領域Sという)には、平面形状が例えば円形の複数の窪み16が形成されている。そして、基板10の裏面には、これら窪み16を含めた凹凸に密着するようにn側電極17(第1電極)が形成されている。すなわち、本実施の形態では、p型コンタクト層14とn側電極17との間の距離(あるいはp側電極とn側電極17との間の電流径路の長さ)が、n側の基板10の窪み16のある部分ではその深さ分だけ相対的に短くなっており、実効的に直列抵抗が低減されたものとなっている。
基板10は、導電性を有する化合物半導体基板であり、例えばSi(珪素)やSe(セレン)等のn型不純物を添加した、平板形状のGaAs(ガリウム砒素)、GaP(ガリウム燐)、GaN(ガリウム窒素)、InP(インジウム燐)などによって構成され、厚みは、例えば100μmである。
n型クラッド層11、活性層12、p型クラッド層13およびp型コンタクト層14を含む化合物半導体層は、例えば、AlGaInP系半導体によってそれぞれ構成されている。n型クラッド層11は、例えばSiあるいはSe等のn型不純物を添加したn型AlInP混晶により構成されており、厚みは、例えば2μmである。活性層12は、GaInP混晶により構成され、厚みは、例えば5nmである。p型クラッド層13は、例えばZn(亜鉛)あるいはMg(マグネシウム)等のp型不純物を添加したp型AlInP混晶により構成され、厚みは、例えば1.5μmである。p型コンタクト層14は、例えばZnまたはMgなどのp型不純物を添加したp型GaAsによって構成されている。
n側電極17は、例えばAuGe(ゲルマニウム金)、Ni(ニッケル)および金(Au)を順次積層して熱処理により合金化された構造を有しており、基板10と電気的に接続されている。
窪み16の深さは、基板10の厚みを越えない程度、例えば基板10の厚みが100μmの場合、窪み16の深さは100μm以内であり、好ましくは10μm以上、100μm以下である。窪み16の大きさは例えば直径数μmである。
図2はこのBALD1の放熱部材への実装状態を表すものであり、p型コンタクト層14を下側にしてヒートシンク100上のサブマウント101に取り付けたものである。ヒートシンク100は例えばCu(銅)、サブマウント101は例えばSiC(炭化珪素)によりそれぞれ形成されている。ヒートシンク100の一部領域にはp側電極18が設けられている。このp側電極18は例えばTi、Pt、Auを積層したものにより形成されている。一方、n側電極17にはボンディングパッド19が設けられ、このボンディングパッド19を介して外部配線20が接続されている。なお、このボンディングパッド19は、n側電極17上の窪み16が形成された領域に重ならない位置に設けられている。窪み16を形成した領域は、局部的に基板10の厚みが薄くなっており、強度に欠けるため、窪み16部分に接合しようとすると、素子自体が壊れてしまう虞があるので、これを防止するためである。
このBALD1では、p側電極18とn側電極17との間に所定の電圧が印加されると、複数の帯状導波路15ごとに、狭窄された電流が活性層12に注入されて電子−正孔再結合による発光が起こる。この光は、紙面に対して垂直方向の一対の端面(図示せず)に設けられた反射鏡膜によって反射され、その間を往復したのちに一方の端面からレーザ光として出射される。そして、このとき発生した熱はサブマウント101およびヒートシンク100を介して放散される。
ここで、本実施の形態では、基板10の裏面の活性領域Sに対応する領域に複数の窪み16が形成され、その窪み16を埋め込むようにn側電極17が形成されているので、基板10での電流経路は、基板10が平坦である場合に比べて実質的に短くなっている。すなわち、従来のようなヒートシンク100側のp側領域ではなく、n側領域の基板10において直列抵抗値が実効的に低減されたものである。これによりブロードエリアタイプであっても発熱量を効果的に低減することができ、放熱効果が高まる。また、窪み16を形成したことによりn側電極17の面積が拡がり、外部との接触面積が増加するため、これがヒートシンクフィンの機能を果たすので、このことによっても放熱効果を期待することができる。
そして、このBALD1では、窪み16を実質的な電流通路、すなわち帯状導波路15に対応する活性領域S内のみに形成し、その他の素子間領域ではもとの基板10の厚みを有するようにしているので、基板10が平坦である場合の機械的強度は保持される。従って、窪み16を形成したことによってハンドリング性を損なうようなことはない。また、窪み16の平面形状は円形であり、複数個等間隔に整列して形成されているため、力学的に外力に対して最も有利であり、この点においても機械的強度が確保されることになる。なお、このような機械的強度を保持しつつ直流抵抗低減効果を得るためには、窪み16の大きさや個数については、合計の面積が基板10全体の面積に対して50〜70%程度の割合になるように設定することが望ましい。
なお、複数の窪み16の配置は、図1に示したような帯状導波路15に対応する活性領域S内のみに形成するようなパターンに限らず、例えば図4(A)に示したようなランダムな位置に形成してもよく、あるいは図4(B)に示したように、基板10の裏面全体にわたって形成するものの、活性領域S内では密に、その他の領域では疎になるように形成してもよい。
また、窪み16の深さ方向の断面形状についても図1(A)に示した矩形に限らず、深さ方向で面積(平面面積)が変化するような形状、例えば図5(A),(B)に示したように三角形状あるいは波型状、あるいは階段状としてもよく、要は、基板10の厚みが局所的に異なるようにすればよい。
このようなBALD1は、例えば次のようにして製造することができる。
まず、図3(A)に示したように、例えば厚み600μmのn型GaAsからなる基板10の表面に、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition ;有機金属化学気相成長)法により、n型クラッド層11、活性層12、p型クラッド層13およびp型コンタクト層14をこの順に形成する。続いて、図3(B)に示したように、公知のフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いてp型コンタクト層14、さらにp型クラッド層13の深さ方向の一部を選択的に除去することにより、複数の帯状導波路15を並列に形成する。続いて、図3(C)に示したように、p型コンタクト層14を下側にしてヒートシンク100上のサブマウント101に実装し、p側ダウンマウント構造とする。次いで、このBALD1の実装体を、ガラス基板102上に固定したのち、基板10を厚み120μm程度になるようにラッピング(研磨)し、更にラッピングによるストレス層をエッチングにより取り除いて厚み100μm程度とする。
次に、図3(D)に示したように、基板10上に帯状導波路15のパターンに合せて感光性樹脂(レジスト)によるマスクを形成し、このマスクを用いたエッチングにより基板10を選択的に除去することにより、複数の窪み16を形成する。
続いて、図2に示したように、窪み16が形成された基板10の全面に例えば蒸着法により電極材料を堆積してn側電極17を形成する。このとき、窪み16の底面までn側電極17が埋め込まれるようにして基板10との間の電気的接続を確保する。一方、ヒートシンク100上にはp側電極18を形成する。最後に、n側電極17上に、ボンディングパッド19を形成する。このボンディングパッド19は、前述のように窪み16が形成された領域に重ならないように、その他の領域に形成するようにする。これにより、外部配線20をボンディングする際の衝撃が基板10の局部的に薄くなった部分に伝わって素子が割れてしまうようなことがなくなる。
以上実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく種々変形可能である。例えば、基板10に形成される窪み16の平面形状、構成パターンおよび断面形状は、基板10を部分的に薄くして発熱を抑制できる構造であれば特に制限されるものではない。
例えば、窪み16の平面形状は多角形状でもよい。図6(A)はその例として例えば正6角形状の窪み16Aを等間隔に敷き詰めてハニカム構造としたものである。このようにハニカム構造とすれば、一定の強度を保持したまま、最大限に広い面積で窪み16Aを形成することができるため、抵抗低減および放熱効果の点で有効である。
また、図6(B)に示したように、帯状の窪み16Bとしてもよい。このとき、窪み16Bの延在方向は、ボンディングやマウントの際に素子全体が割れてしまう危険性を抑えるために、基板10の結晶方位すなわち劈開しやすい方向(例えば(100)方向)に一致しないようにする必要がある。このように帯状であると、窪み16Bを形成するためのエッチングが容易であるのに加え、放熱効果が優れている。なお、この窪み16Bの幅は、例えば数10μm程度で、窪み16B同士の間隔は窪み16Bの幅の数倍程度に形成するのが望ましい。
以上の多角形や帯状の形状の場合についても、窪みを形成する位置は特定されるものではないが、上記実施の形態と同様に、窪みを帯状導波路15に対向する活性領域Sにのみ形成する、あるいは活性領域Sには他の領域に比べて密に形成することが望ましい。なお、以上の説明は窪みの大きさ,形状を同じものとして説明しているが、異なる大きさ,形状のものを混在させるようにしてもよく、要は、活性領域Sでの窪みの占める面積が、活性領域以外の領域でのそれよりも大きくなるようにすればよい。
また、化合物半導体層の各層の材料は、AlGaInP系(赤系)に限定されるものではなく、その他、例えばAlGaAs系(赤外系)、GaN系(青系)等の材料により構成されてもよい。また、化合物半導体層の積層構造を具体的に挙げて説明したが、バッファ層やガイド層等の他の層をさらに備えていてもよい。
更に、上記実施の形態では、帯状導波路15を複数個並列に有するアレイ構造について説明したが、1つの導波路を有するシングルタイプのものであってもよい。また、適用する素子については半導体レーザに限らず、半導体発光ダイオードであってもよい。
1…BALD、10…基板、11…n型クラッド層、12…活性層、13…p型クラッド層、14…p型コンタクト層、15…帯状導波路、16,16A,16B…窪み、17…n側電極(第1電極)、18…p側電極(第2電極)、19…ボンディングパッド、20…外部配線、100…ヒートシンク、101…サブマウント
Claims (8)
- 裏面に1または複数の窪みを有する導電性の基板と、
前記基板の上に少なくとも第1導電型層、活性層および第2導電型層をこの順に積層して形成されると共に、1または複数の帯状導波路を有する化合物半導体層と、
前記基板の裏面に接して形成された第1電極と、
前記帯状導波路の第2導電型層に電気的に接続される第2電極と
を備えたことを特徴とする半導体発光素子。 - 前記窪みの占める面積は、前記基板の帯状導波路に対向する領域がそれ以外の領域よりも大きい
ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。 - 前記窪みは、前記基板の前記帯状導波路に対応する領域内のみに形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。 - 前記第1電極の前記窪みに対向しない領域に外部接続用のボンディングパッドが設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。 - 前記窪みの平面形状は円形または多角形状である
ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。 - 前記基板は面内の特定方向に結晶方位を有する化合物半導体基板であり、前記窪みは、前記化合物半導体基板の結晶方位とは異なる方向に延びる帯状形状を有する
ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。 - 前記帯状導波路の幅は10μm以上である
ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。 - 前記第2導電型層を下側にして導電性の放熱部材上に実装されると共に、前記第2電極が前記放熱部材に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
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