JP4036658B2 - 窒化物系化合物半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化物系化合物半導体のレーザ装置、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザ装置においては、その動作時にレーザダイオード(以下、LDともいう)のチップ(以下、LDチップともいう)で発生する熱を効率よく支持基体に放散させて発光部の温度上昇に伴う特性劣化を抑制するために、導電性接合剤(以下、ハンダともいう)を用いて、半導体LDチップをマウント部材にマウントすることが行われている。例えば、窒化物系化合物半導体のLDチップのマウント方法は、以下に説明する3つ(A、B、C)に大別できる。図19から図21に各マウント方法の半導体レーザ装置の断面概略図を示す。
【0003】
図19は、基板としてサファイア等の絶縁性基板を用いたLDチップを、絶縁性基板側をサブマウントに対向させて(p型電極アップ)、ダイボンディングした場合(A)の半導体レーザ装置の断面概略図である。図19において、符号1701は絶縁性基板、1902は絶縁性基板1701上に成長させた窒化物系化合物半導体成長層、1302は絶縁性基板1701と半導体成長層1902を含む半導体LDチップ、1905はハンダ、1904は絶縁性基板1701の裏面とハンダ1905の融着強度を上げるために半導体LDチップ側に形成した金属多層膜、1610は活性層である。
【0004】
半導体レーザチップ1302は、金属多層膜1906が形成されたサブマウント1205とハンダ1905を介して、ダイボンディングされている。211はn型電極、103はp型電極である。絶縁性基板として絶縁性のGaN基板を用いた場合も同様のマウント方法をとることができる。また、半導体LDチップとは、基板と半導体成長層を含めたものを指すが、基板または半導体成長層に電極や金属多層膜が形成されている場合は、電極や金属多層膜も含める。
【0005】
図20は、基板に導電性物質を用い、半導体成長層1902側にp型電極103、導電性基板2001側にn型電極211を形成し、導電性基板2001がサブマウントと対向するように(p型電極アップ)、ダイボンディングを行った場合(B)の半導体レーザ装置の概略断面図であり、図21は、同様に、基板に導電性物質を用い、半導体成長層1902側にp型電極103、導電性基板2001側にn型電極211を形成し、半導体成長層1902がサブマウント1205と対向するように(p型電極ダウン)、ダイボンディングを行った場合(C)の半導体レーザ装置の概略断面図ある。
【0006】
ここで、ダイボンディングとは、一般的には、次のような工程を指す。通常、ハンダはあらかじめマウント部材上に設けられており、これを融点以上に加熱し、所定の位置にアライメントしたレーザチップを、融解したハンダにコレットで押し付け、その後、ハンダを冷却、固化させる。この工程により、半導体LDチップとマウント部材とが熱伝導性よく接着される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
半導体LDチップをマウント部材にダイボンディングするまでに、LDチップの共振器端面にTiO2、Al23、SiO2等の誘電体膜をコーティングする場合があるが、この工程の際に、共振器端面以外の面にも誘電体材料が回り込み、共振器端面以外の面もコーティングされていた。図22は、ダイボンディングする面(以下、マウント面という)の一部が回り込んだ誘電体膜で覆われた窒化物系化合物半導体LDチップの模式図である。図22において、2201はマウント面、2202はマウント面を覆う誘電体膜、2203は誘電体膜2202の境界(縁)である。誘電体膜は金属に比べて熱伝導率が低いため、誘電体膜で一部が覆われた面をサブマウントに対向させて、ハンダ材を用いてダイボンディングした場合、放熱効果が減少する。とりわけ、窒化物系化合物半導体LDチップのように反りがある場合は、サブマウントとの接触面積が減少して、さらに放熱効果が低下し、LDの熱特性(例えば、熱抵抗値)、寿命等に悪影響を与えていた。
【0008】
代表的な熱伝導率に関しては、温度27℃において、窒化物系化合物半導体であるGaNは130W/mKであり、電極や金属多層膜として使用されるAuは315、Pdは75.5、Niは90.5、Alは237、Moは138、Ptは71.4である(単位はすべてW/mK)。一方、コーティング用誘電体膜であるAl23は17、SiO2は約1W/mKであり、TiO2、ZrO2、Ta25、TiON、MgF2等も同等レベルの値であり、金属と比べると半分以下(40W/mK以下)の熱伝導度となっている。
【0009】
ここで、窒化物系化合物半導体のLDチップに反りが生じる理由を以下に示す。窒化物系化合物半導体をその窒化物系化合物半導体とは異なる材料、組成の成長用基板の上に成長させた場合、窒化物系化合物半導体と成長用基板との熱膨張係数差から成長後の降温過程等において、歪みが生じ、その結果、成長用基板と窒化物系化合物半導体からなるLDチップには、反りが存在することになる。反りが生じる現象は、成長用基板にGaNを使用した場合にも現れる。これは、成長用基板であるGaNと半導体成長層である窒化物系化合物半導体の組成が完全に一致しないこと、また、GaN基板と半導体成長層との結晶性が異なることが原因であると考えられる
【0010】
本発明は、従来の技術における上述の問題点を解消し、熱抵抗が良好で長寿命の窒化物系化合物半導体レーザ装置、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、窒化物系化合物半導体より成り、共振器端面が誘電体膜で覆われたレーザダイオードチップと、レーザダイオードチップを支持するマウント部材と、レーザダイオードチップとマウント部材の間に位置して両者を固着するハンダ層とを備える窒化物系化合物半導体のレーザ装置は、ハンダ層に接するチップ面のうち活性層への電流注入領域の直上または直下の部分と、この部分のうち共振器端面から延在する誘電体膜で覆われる部分との、レーザ共振器長方向の長さの比率が、0%以上かつ20%以下であるものとする。
【0012】
半導体LDチップの発熱は、主にp型電極から活性層への電流注入領域周辺で発生する。ここで、共振器端面を覆う誘電体膜(端面コーティング用誘電体膜)がハンダ層に接するチップ面(マウント面)に延在して、電流注入領域の直上または直下の部分が誘電体膜に覆われている場合においても、レーザ共振器長方向に関して、電流注入領域の直上または直下の部分に対する誘電体膜に覆われた部分の長さを20%以下にすることで、発生した熱を逃げ易くすることができ(熱抵抗の向上)、寿命等の特性を高めることが可能になる。
【0013】
共振器端面を覆う誘電体膜はTiO2、SiO2、Al23、ZrO2、Ta25、TiONおよびMgF2のうちの1種以上の材料で作製することができる。
【0014】
これらの材料は、いずれも熱伝導率が40W/mK以下と低いが、マウント面のうち活性層への電流注入領域の直上または直下の部分の80%以上が、誘電体に覆われることなく直接ハンダ層に接するため、放熱性が確保され、優れた特性の半導体レーザ装置となる。
【0015】
前記目的を達成するため、本発明ではまた、窒化物系化合物半導体より成り、共振器端面が誘電体膜で覆われたレーザダイオードチップを備える窒化物系化合物半導体のレーザ装置の製造方法は、分割後に個々のレーザダイオードチップとなるバー状のチップ原体を作製し、チップ原体をバー状の治具で挟んで、個々のレーザダイオードチップの共振器端面となる面を含むチップ原体の端部が治具の端部のうちチップ原体に接する部位よりも突出する状態として、共振器端面となるチップ原体の面に誘電体膜を設けるものとする。
【0016】
この方法では、誘電体膜を設ける際に、共振器端面となる面の全体が露出し、その一方で、個々のレーザダイオードチップのマウント面となる面のうち、共振器端面となる面から離れた部位は、治具に接して露出しない。したがって、共振器端面となる面の全体に誘電体膜を設けながら、誘電体膜のマウント面への延在を制限することができる。マウント面のうち活性層への電流注入領域の直上または直下の部分と、この部分のうち誘電体膜で覆われる部分との、レーザ共振器長方向の長さの比率を20%以下に抑えることも容易である。治具の材料に制約はないが、劈開性のある半導体を用いれば作製が容易である。
【0017】
ここで、厚さ方向の中央部がその両側部よりも突出した端部を有する治具を用いるとともに、複数のチップ原体と複数の治具を交互に配置し、かつ、共振器端面となるチップ原体の面と治具の端部の中央部の面の高さを揃えて、共振器端面となるチップ原体の面に誘電体膜を設けるようにすることもできる。
【0018】
このようにすると、一度に多くのチップ原体に誘電体膜を設けることができて効率がよい上、マウント面のうち誘電体膜で覆われる部分の長さを一定にすることができて、レーザ装置の特性を一様にすることが可能になる。
【0019】
なお、本発明おいて、半導体レーザ装置とは、半導体LDチップをマウント部材に積載し、一体化したものを表している。
【0020】
また、以下に「活性層への電流注入領域の直上または直下の部分」に関する説明をするが、ここでは、横モード安定性等に効果を示すストライプ状電極の場合を例に挙げる。
【0021】
まず、「活性層への電流注入領域の直上の部分」とは、LDチップの半導体成長層方向の上下の面のうち、活性層に近い方の面を指し、「活性層への電流注入領域の直下の部分」とは、活性層から遠い方の面の部分を指す。
【0022】
図23および図24はそれぞれ、電極ストライプ構造のチップの模式図およびリッジストライプ構造のチップの模式図であり、n型基板2301、半導体成長層1902、活性層1610、共振器端面101、p型電極103、絶縁膜104、絶縁膜等で狭窄された領域の「活性層への電流注入領域の直上部分を示すライン」(断面部)2303、絶縁膜等で狭窄された領域の「活性層への電流注入領域の直上または直下の部分を示すライン」(マウント面部)106、「活性層への電流注入領域の直上または直下の部分」105の面積(いまは、電流注入領域の直上の部分)を示す。また、マウント面がp型電極側の場合、p型電極側が活性層から近いので、p型電極側が「電流注入領域の直上の部分」となり、「電流注入領域の直上の部分」の面積とは、リッジの直上、または、絶縁膜等で狭窄された領域の直上の部分(図23および図24において、点線で囲まれた部分)を指す。
【0023】
図25は、リッジストライプ構造のチップの模式図であり、マウント面がn型電極側の場合である。このとき、「活性層への電流注入領域の直上または直下の部分」105の領域(いまは、n型電極側が活性層から遠いので、直下の部分となる)とは、リッジの直上(p型)部分(図25において、点線で囲まれた部分)である。また、電極ストライプ構造についても、さらに円形、矩形等の他の形状の電極においても同様に「電流注入領域の直上または直下の部分」を考えることができる。
【0024】
ここで、LDチップのマウント面における「活性層への電流注入領域の直上または直下の部分」のレーザ共振器長方向の長さを「長さα」、端面コーティング用誘電体膜で覆われる部分のレーザ共振器長方向の長さを「長さβ」と定義する。つまり、LDチップのマウント面において、「活性層への電流注入領域の直上または直下の部分」と、そのうちの端面コーティング用誘電体膜で覆われる部分との、レーザ共振器長方向の長さの比率とは、「長さβ」/「長さα」(=比率γとする)のことを指す。
【0025】
図26、および図27は、「長さα」および「長さβ」を説明する図である。図26は、LDチップの辺に対して平行に誘電体膜がコーティングされ、さらにLDチップの辺に対して平行に「活性層への電流注入領域の直上または直下の部分」が存在する場合である。図26中、101はレーザ共振器の端面、105は「活性層への電流注入領域の直上または直下の部分」、802は誘電体膜で覆われた領域、2601は「長さα」、2602は「長さβ」、2610は共振器長方向を示す。
【0026】
また、図27は、LDチップの辺に対して、平行位置からずれて誘電体膜がコーティングされ、さらにLDチップの辺に対して、平行位置からずれて「活性層への電流注入領域の直上または直下の部分」が存在する場合である。図27において、2702は誘電体膜がコーティングされている部分と「活性層への電流注入領域の直上または直下の部分」との交差した点(境界の交差した点)であり、2701は境界の交差した点2702間の中点であり、2703は中点2701を通りLDチップの端面の辺に平行に引いたラインである。上記のように、図27の場合においても、図26と同様に「長さα」2601、「長さβ」2602を考えることができる。
【0027】
また、本発明において、マウント部材とは、半導体LDチップを直接積載するための部品を意味しており、例えば、半導体発光素子チップ用のサブマウントや、サブマウントを用いずに保持体(ステム、フレームまたはパッケージ)に直接積載する場合においては、このステムの支持基体、フレームまたはパッケージ自体を指す。
【0028】
また、本発明において、ハンダとは、半導体LDチップとマウント部材とを固着させる材料である。例えば、比較的融点の高いAu系ハンダでは、AuSn、AuSi、AuGa、AuGe、AuSb、AuNi等や、比較的融点の低いハンダでは、In系ハンダのIn、InPb、InSn、InAg、InAgPb等、あるいは、Sn、SnPb、SnSb、SnAg、SnAgPb、SnPbSb等のSnを含むハンダ、さらには、PbSb、PbAg、PbZn等のPbを含むハンダ等がある。
【0029】
また、本発明において、マウント面とは、半導体LDチップを保持体へダイボンディングする際、ハンダを挟んで保持体と対向する半導体LDチップの面のことを指す。
【0030】
また、本発明において、窒化物系化合物半導体とは、窒素がV族元素の主であるIII−V系化合物半導体のことを示しており、具体的には、V族元素のうち窒素の比率が51%以上、100%以下である半導体のことを示す。
【0031】
例えば、GaNαX1-α(0.51≦α≦1)(XはP、As、Sb、Bi等のうち少なくとも1種類以上を含む元素)、BNβX1-β(0.51≦β≦1)、AlNγX1-γ(0.51≦γ≦1)、AlδGa1-δNεX1-ε(0<δ<1、0.51≦ε≦1)、InNζX1-ζ(0.51≦ζ≦1)、InηGa1-ηNμX1-μ(0<η<1、0.51≦μ≦1)、InνGaξAl1-ν-ξNτX1-τ(0<ν<1、0<ξ<1、0.51≦τ≦1)を指す。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。まず、基板としてGaN基板を使用した窒化物系化合物半導体の半導体レーザ装置を、両面電極、p型電極アップで製造した第1の実施形態について説明する。
【0033】
図1(a)は、本実施形態で用いるダイボンディング前の窒化物系化合物半導体LDチップの裏面(GaN基板側)からの模式図であり、図1(b)は、表面(成長層側)からの模式図である。図中、101はレーザ共振器の端面、102はn型電極の上に形成された金属多層膜、103はp型電極、104は絶縁膜、106は「活性層への電流注入領域の直上または直下の部分を示すライン」(点線)であり、この点線で囲まれた105は「活性層への電流注入領域の直上または直下の部分」を示す。p型電極アップの場合、窒化物系化合物半導体LDチップの裏面側(金属多層膜102)がマウント面となる。
【0034】
図2は、半導体LDチップの断面の模式図である。図2において、201はn型GaN基板であり、基板側から順に、n−GaNコンタクト層202、n−AlGaNクラッド層203、n−GaNガイド層204、GaInN多重量子井戸活性層205、p−AlGaN蒸発防止層206、p−GaNガイド層207、p−AlGaNクラッド層208、p−GaNコンタクト層209が積層されている。p−クラッド層208およびp−コンタクト層209には、共振器方向に延伸したストライプ状のリッジが設けられ、p型電極103とp−AlGaNクラッド層208、p−GaNコンタクト層209の間にはリッジ部分を除いて、絶縁膜104が設けられている。ここで、p型電極103は、pコンタクトに近い側からPd、Auであり、n型電極211は、基板側からHf、Alであり、その上に金属多層膜102(基板側からMo、Au)が設けられている。
【0035】
本実施形態では、上記に示す材料で半導体LDチップを作製したが、材料は上記のものに限られるわけではなく、窒化物系化合物半導体(例えばクラッド層208をp−AlGaInN、活性層205をGaInAs、GaInNP等)を用いればよい。また、クラッド層に多重量子井戸を用いてもよく、n−コンタクト層202とn−クラッド層203の間に、InGaNクラック防止層を挿入してもよい。このように、本実施形態に用いた半導体LDチップは、いわゆるリッジストライプ型構造を有している。
【0036】
以下に、本実施形態の半導体レーザ装置の製造方法を説明する。初めに、半導体素子の製造に用いられるプロセスを適宜適用して、半導体LDウェハ上にLDを形成する。次に、n型GaN基板201の裏面側から、研磨またはエッチングにより、ウェハの厚さを40〜200μm程度までに薄く調整する。これは、後の工程で、ウェハを分割し個々のLDチップにするのを容易にするためである。特に、レーザ共振器端面を分割により形成する場合には、35〜150μm程度と、薄めに調整することが望ましい。本実施形態においては、研削機を用いてウェハの厚さを150μmに調整し、その後、研磨機を用いて100μm程度まで調整した。ウェハの裏面は研磨機により磨かれているので平坦である。
【0037】
次に、ウェハ裏面にn型電極211を形成した。ここで、n型電極の層構造は、基板側からHf(30nm)、Al(150nm)であり、その上に金属多層膜を、基板側からMo(8nm)、Au(150nm)の順で形成した。Hf/Alの層は、n型GaN基板とオーミックをとるための層であり、その上のMoはAuとAlのコンタミネーションを防止するブロック層、Auはマウントの際に、ハンダと混合し、強固にLDチップをダイボンディングするための層である。このような薄い金属膜を膜厚の制御性よく形成するには真空蒸着法が適しており、本実施形態でもこの手法を用いたが、イオンプレーティング法やスパッタ法等の他の手法を用いてもよい。
【0038】
以下、レーザダイオードのウェハをLDウェハ、これを分割してバー状としたものをLDバーとよぶ。図3は、上記の工程で半導体レーザ構造が多数形成された窒化物系化合物半導体LDウェハと、この半導体LDウェハを分割したLDバーの模式図である。図3において、301は窒化物系化合物半導体LDウェハ、101はレーザ共振器端面、103はp型電極、104は絶縁膜、311はバー状に分割するためのLDバー用分割ライン(A)である。
【0039】
次に、この状態のウェハをストライプ方向と垂直な方向に劈開またはエッチングしてバー状にする。302は窒化物系化合物半導体LDウェハを分割したLDバーである。312はチップに分割するためのLDチップ用分割ライン(B)である。本実施形態では、共振器長313が500μmになるようにLDバー用分割ライン(A)を制御した。
【0040】
次いで、レーザ共振器端面に、光学薄膜のコーティングを蒸着により施す。まず、窒化物系化合物半導体LDバーを固定する治具を用意する。図4は、溝をつけたバー状のSi基板(Siバー)の模式図である。このSiバーを、フォトリソグラフィー技術を利用し、溝深さ402を制御した溝403を、Siバー401の先端部の両サイドに作る。平板を利用して、LDバーとこのSiバーの先端を揃えた場合、Siバーの溝部分が開いているため、共振器端面だけでなく、LDチップの上下面にも、誘電体膜が蒸着される。本実施形態では、溝の深さが20μm程度のSiバーを使用し、LDバーとSiバーの先端を揃えた状態で固定具に固定する。
【0041】
図5は、治具に固定した窒化物系化合物半導体LDバーの横方向からの模式図であり、図6は、治具に固定した窒化物系化合物半導体LDバーの蒸着する面方向からの模式図である。図5において、501は窒化物系化合物半導体LDバーであり、502はこのLDバーを挟む治具として使用したバー状のSi基板であり、503、504は、それぞれLDバーとSi基板を固定する固定具およびネジであり、505はLDバーの共振器端面と治具(バー状のSi基板)の先端面との段差を示す。バー状のSi基板502はレーザ素子の共振器端面以外の箇所への誘電体膜の被覆を防ぐ目的で使用している。上記の操作で、各LDバーの共振器端面の位置に段差をつけて、誘電体膜を形成することができる。
【0042】
一方、図7は、先端部に溝等を作り込んでいないバー状のSi基板502を用いて、LDバーの上下面全体をカバーするように固定したLDバーの横方向からの模式図である。図7のような方法で、マウント面への誘電体膜の被覆を防ぐことも考えられるが、この場合、LDバーの共振器端面に蒸着された誘電体膜と、Siバーの先端部に蒸着された誘電体膜が一体化しているため、誘電体膜の蒸着後、LDバーとSiバーを分離するときに、レーザ共振器端面を覆っている誘電体膜が剥がれてしまうという事態が生じうる。よって、図5に示したように段差をつける方法で蒸着するのが好ましい。
【0043】
次に、誘電体膜の蒸着に関して詳細に説明する。EB蒸着法により、片方の共振器の端面にSiO2層およびTiO2層を設けて、多層膜を形成する。各層の厚さは、共振器の発振波長に対して1/4波長条件を満たすように設計し、交互に3層ずつ、合計6層積層する。このとき、誘電体膜の付着強度を上げるために、ウェハ温度を200℃に保持した。その後、EB蒸着装置から固定具ごと取り出し、LDバーとSiバーを分離する。
【0044】
図8および図9はそれぞれ、図5の方法により、一部の誘電体膜がマウント面に回り込んでその縁の部分が覆われた共振器端面となる面に誘電体膜が設けられた窒化物系化合物半導体LDバーのp型電極側からの模式図、およびn型電極側からの模式図である。802は誘電体膜で覆われた領域である。走査電子顕微鏡や光学顕微鏡で測定したところ、Siバーの溝の深さが20μmであるため、誘電体膜で覆われている領域の指標である「長さβ」も、ほぼ20μmであった。共振器長が500μmであり、電流注入領域の指標である「長さα」も500μmであることから、「比率γ」(=「長さβ)/「長さα」)は、0.04(4%)となる。
【0045】
その後、チップ分割工程により、LDバーを個々の半導体LDチップに分割した。図10および図11はそれぞれ、共振器端面となる面に誘電体膜が設けられた窒化物系化合物半導体LDチップのp型電極側からの模式図、およびn型電極側からの模式図である。この工程は、以下のように実施した。まず、誘電体膜を設けたLDバーを裏面側を上にしてステージ上に置き、光学顕微鏡を用いて観察しながら傷を入れて、位置をアライメントし、裏面にダイヤモンドポイントでスクライブラインを入れた。それから、LDバーに適宜力を加え、スクライブラインに沿って分割することで、図10および図11に示す窒化物系化合物半導体LDチップを作製した。
【0046】
ここでは、スクライビング法によるチップ分割工程について説明したが、基板裏面側から傷、溝等を入れてチップを分割する方法であっても構わない。他の手法として、ワイヤソーまたは薄版ブレードを用いて傷入れまたは切断を行うダイシング法、エキシマレーザ等のレーザ光の照射加熱とその後の急冷により照射部にクラックを生じさせ、これをスクライブラインとするレーザスクライビング法、高エネルギー密度のレーザ光を照射し、この部分を蒸発させて溝入れ加工を行うレーザアブレーション法等を用いてもよい。
【0047】
次にダイボンディング法により、半導体LDチップをサブマウント上に搭載した。図12、図13は、本実施形態の窒化物系化合物半導体レーザ装置の模式図である。
【0048】
この工程は、以下のように実施した。まず、Ti(0.1μm)/Pt(0.1μm)/Au(0.1μm)(AuオンPtオンTi、以下同様)の順で形成された金属多層膜1204、1206を表面に有するFeのサブマウント1205上に、Inハンダ1201を蒸着した。ハンダの盛り上がりによる半導体LDチップのp−n間ショートを防ぐため、ハンダ1201の厚さは0.5〜20μm、特に0.5〜5μmの範囲とするのが好ましい。
【0049】
次に、サブマウント1205をハンダ1201の融点よりも若干高い200℃まで加熱し、ハンダ1201が融けたところで、半導体LDチップ1302をn型電極211、金属多層膜102を下にして載せ、さらにコレットで押さえて荷重を適宜加えながらLDチップ1302とサブマウント1205とをハンダ1201によく馴染ませた。その後、冷却し、ハンダ1201を固化させた。
【0050】
次に、ステム1301の支持基体1210上にシート状のPbSnハンダ1202を載せ、ステム1301をハンダ1202の融点よりも若干高い180℃まで加熱し、ハンダ1202が融けたところで、上述のように固着したサブマウント1205と半導体LDチップ1302を、サブマウント1205を下にして載せ、サブマウント1205とステムの支持基体1210とをハンダ1202によく馴染ませ、ハンダ1202を固化させた。その後、半導体成長層1203上のp型電極103およびサブマウント1205の表面からワイヤ1207、1208をステムのピン1209および支持基体1210へ繋いだ。このようにして、図13に示す窒化物系化合物半導体レーザ装置が得られた。
【0051】
なお、支持基体1210はCuまたはFeを主体とする金属から成り、その表面にPd膜/Au膜が順にメッキ形成されたものである。また、サブマウントに誘電体を用いているので、サブマウントのうち半導体LDチップに面した側からだけでなく、側面や裏面からも、ステム、パッケージ、外部リード等へ直接接続が可能となり、放熱効率のアップやシステム全体の簡略化へつながる。
【0052】
本実施形態の方法で窒化物系化合物半導体レーザ装置を240個製造した。これらの半導体レーザのの特性(240個の平均)に関しては、「比率γ」が4%であり、熱抵抗(Rth)が32.5(℃/W)、素子寿命(光出力=50mw、60℃、DC、オートパワーコントロール(以下、APCという))は2620時間であった。ここで、熱抵抗は、投入電力に対するレーザ素子の温度上昇を指す指標であり、この値が小さい方が、同じ投入電力において温度上昇が小さくなるため、欠陥の増殖、ドーパントの拡散等が抑えられ、素子寿命に良いとされる。
【0053】
比較のため、本実施形態と異なり、活性層に近い方の電極(ここではp型電極)の直上部の面積のうち、端面コーティング用誘電体膜で覆われる面積の割合が29%であるチップを作製し、このチップを用いて、本実施形態と同様の方法で窒化物系化合物半導体のレーザ装置を230個製造した。これらの比較例の素子特性(230個の平均値)は、熱抵抗が61.4(℃/W)、素子寿命(光出力=50mW、60℃、DC、APC)は780時間であった。
【0054】
このように、比較例に対して、本実施形態の半導体レーザ装置の方が、熱抵抗および素子寿命の特性が良好であった。
【0055】
上記の差異の原因は、以下のように推測できる。誘電体膜は、ハンダ材との濡れ性が悪く、誘電体膜でコーティングされた面をサブマウント面に対向するように、ハンダ材を用いてダイボンディングした場合、半導体LDチップとサブマウントの密着性が低く、また結合性も強くない。とりわけ、窒化物系化合物半導体LDチップのように反りがある場合は、密着性の低下により、サブマウントから半導体LDチップが剥がれ易く、しかも、誘電体膜部位の熱伝導性が低いため、放熱効果が減少して(熱抵抗の悪化)、レーザ装置が高温になり易く、これがドーパントの拡散、欠陥の増殖、端面の誘電体の劣化等に繋がり、レーザ装置の寿命等に悪影響を与える。本実施形態では、マウント面のうち電流注入領域の直上または直下の部分への誘電体膜の付着を抑制しているため、マウント部材と半導体発光素子チップの放熱性が向上して、熱抵抗が良好になり、素子寿命が向上したと考えられる。
【0056】
次に、「比率γ」を0%以上かつ20%以下とすることで効果が現れる理由について説明する。図14は、「比率γ」と熱抵抗(Rth)の関係を示すグラフである。図14のグラフから判るように、「比率γ」が0%から20%までの範囲では、「比率γ」の増大に伴って熱抵抗は上昇するが、その上昇の度合いは小さい。一方、「比率γ」が20%を超えると熱抵抗は急激に上昇する。40%を超えると、接合強度が急激に弱まり、ワイヤ打ち等が困難になって正確な測定ができない状態になったため、40%以上のプロットはしていない。
【0057】
また、図15は、「比率γ」と素子寿命(光出力=50mW、60℃、APC)の関係を表すグラフである。図15のグラフから判るように、「比率γ」が0%から20%までの範囲では、素子寿命が長い。
【0058】
上記の範囲で素子特性が向上する効果は、誘電体膜として用いる材料がSiO2/TiO2以外の場合でも、例えば、TiO2、SiO2、Al23、ZrO2、Ta25、TiONのいずれか、およびこれらの物質の混合物でも、同様に観察された。
【0059】
本実施形態では、導電性基板に両面電極を形成し、この導電性基板側をサブマウントにダイボンディングする方法(p型電極アップ(α))について説明したが、上記の誘電体膜形成方法は他の構造およびマウント方法にも適用できる。以下、本発明の他の実施形態について説明する。図16、図17および図18はそれぞれ、第2、第3および第4の実施形態の半導体レーザ装置の主要部の模式図である。図16に示す第2の実施形態ではp型電極ダウン(α)、図17に示す第3の実施形態ではp型電極アップ(β)、図18に示す第4の実施形態ではp型電極ダウン(β)のマウント方法を採用している。図15、図17および図18において、1610は活性層を示す。
【0060】
図16のp型電極ダウン(α)構造は、導電性基板(ここではn型GaN基板201)に両面電極を形成し、半導体成長層1203側をサブマウント1205にダイボンディングして作製する。第1の実施形態と同様の方法で、図16のp型電極ダウン(α)構造の窒化物系化合物半導体レーザ装置を220個製造した。これらの半導体レーザの特性(220個の平均値)に関しては、「比率γ」が6%であり、熱抵抗が34.1(℃/W)、素子寿命(光出力=50mW、60℃、APC)は2510時間であった。「比率γ」と熱抵抗、および寿命の関係を調べた結果、第1の実施形態と同様に「比率γ」を0%以上かつ20%以下とすることにより、第1の実施形態で得られたようなチップとサブマウントの融着強度、熱抵抗、素子寿命等が向上する効果が得られた。
【0061】
また、図17に示すように、絶縁性基板1701の半導体成長層1203側に両電極を形成し、絶縁性基板1701をサブマウント1205にダイボンディングする構造(p型電極アップ(β))においても、第1の実施形態と同様に、「比率γ」を0%以上かつ20%以下とすることにより、第1の実施形態で得られたようなチップとサブマウントの融着強度、熱抵抗、素子寿命が向上する効果が得られた。
【0062】
ここで、図16に示すp型電極ダウン(α)の構造の場合、半導体LDチップとハンダとの融着強度を上げるためにp型電極を覆うように金属多層膜を形成するが、ハンダ層と接する領域全てにおいて、金属多層膜を形成することが好ましい。
【0063】
図18において、1610は活性層、1801は絶縁性基板または導電性基板、1805は絶縁性のサブマウント、1815は導電性のサブマウント、1811は導電性のサブマウント1815と絶縁性のサブマウント1805を融着させているハンダ、1821はn型電極211と導電性のサブマウント1815を融着させているハンダである。図18に示すような、絶縁性基板または導電性基板1801を用いて、片面に両電極103,211を形成し、n型電極211側は、両面に金属多層膜が被覆されている導電性のサブマウント1815を挟んで、ハンダ1811、1821で絶縁性のサブマウント1805に融着し、また、、p型電極103側は、通常通り、ハンダ1201で絶縁性のサブマウント1805に搭載する方法(p型電極ダウン(β))においても、第1の実施形態と同様に、「比率γ」を0%以上かつ20%以下とすることにより、第1の実施形態で得られたような熱抵抗、素子寿命が向上する効果が得られた。
【0064】
上記の全てのマウント方法において、半導体層、基板、および活性層に近い方の電極の極性(p型とn型)を逆にする場合でも、それぞれの構造において、基板、および成長層の極性、層厚、組成等を最適化すれば、第1の実施形態で説明したものと同様の効果が得られる。
【0065】
上記の各実施形態では、誘電体膜としてTiO2およびSiO2を使用したが、AlN、TiN、SiN、ZrO2、Ta25、Al23、TiON、MgF2あるいはその他の酸化物、フッ化物、または窒化物を誘電体膜として用いることも可能である。その場合も誘電体膜の熱伝導度は40W/mK以下と低くなるが、本発明を適用することで、第1の実施形態で説明したものと同様の効果が現れる。
【0066】
また、ここでは、片面の端面コーティングだけを行ったが、両面の端面コーティングを行う場合も、本発明を適用することで、熱特性、寿命向上の効果が現れる。
【0067】
各実施形態では、サブマウントにFeを用いたが、他のサブマウントでも同様の効果が得られる。また、窒化物系化合物半導体より熱膨張率が大きい他の材料、例えば、Ag、Cu、CuW、BeO、Al23、GaAs等に置き換えると窒化物系化合物半導体発光素子チップに圧縮歪を与えることができ、発光装置の特性を向上させることができる。さらに、熱伝導率の大きいものの方が、放熱性に優れるため好ましい。
【0068】
また、各実施形態では、半導体LDチップとサブマウントの接着のためのハンダに、Inハンダを用いたが、その他、融点の低いハンダ、例えば、In系ハンダのInPb、InSn、InAg、InAgPb等、あるいは、Sn、SnPb、SnSb、SnAg、SnAgPb、AnPbSb等のSnを含むハンダ、あるいは、PbSb、PbAg、PbZn等のPbを含むハンダ、さらには、Ag、Au、Cu等の粉末を混入したエポキシ樹脂やポリイミド等を用いても同様の効果を得ることが可能である。ハンダの形成は蒸着法以外に塗布法、スパッタ法、印刷法、メッキ法等を用いてもよく、シート状のハンダをサブマウント上に置いてもよい。
【0069】
各実施形態では、サブマウントと支持体の接着のためのハンダにPbSnを用いたが、このハンダの種類はIn系、Sn系、Au系、Pb系等のいずれでもよい。ただし、既に半導体LDチップとサブマウント間に存在するハンダへの悪影響を避ける意味で、既存のハンダよりも融点が低いものが望ましい。このハンダの形成にも、蒸着法、塗布法、スパッタ法、印刷法、メッキ法等を採用することができる。
【0070】
また、各実施形態では、p型電極にPd/Auを用いたが、Pd以外に、例えば、Co、Cu、Ag、Ir、Sc、Au、Cr、Mo、La、W、Al、Tl、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Pt、Niとその化合物を用いてもよく、Au以外に、例えば、Ni、Ag、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Zn、Si、Ge、Alとその化合物を用いてもよい。p型電極の膜厚も例示した数値に限られるものではない。
【0071】
各実施形態では、n型電極にHf/Alを用いたが、Hf以外に、例えば、Ti、Co、Cu、Ag、Ir、Sc、Au、Cr、Mo、La、W、Al、Tl、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Zr、V、Nb、Ta、Pt、Ni、Pdとその化合物を用いてもよく、Al以外に、例えば、Au、Ni、Ag、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Zn、Si、Geとその化合物を用いてもよい。n型電極の膜厚も例示した数値に限られるものではない。
【0072】
また、マウント面の金属多層膜の最上層をAuとしたが、これ以外にも、例えば、Pd、Co、Cu、Ag、Ir、Sc、Cr、Mo、La、W、Al、Tl、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Pt、Ni、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Zn、Si、Ge、Alのいずれか、およびこれらの金属の合金を最上層とすることができる。その場合も、「比率γ」を0%以上かつ20%以下とすることによって得られる効果に相違は生じない。
【0073】
半導体LDチップの構造については、例示したものに限られず、基板として他の窒化物系化合物半導体材料を用いる等の変更が可能であり、また、半導体成長層の材料系として、例えば、AlGaInN系、GaInNAs系、GaInNP系、InGaAsP系、InGaAlP系、AlGaN系、CdZnSe系、GaAs、Si等の他のものを用いることも可能である。
【0074】
また、サブマウント積載面上に、さらに、ワイヤボンディング用のパッド部を設けたり、ダイボンディング時の位置合わせのための印を設けたりしてもよい。いわゆるマルチビームレーザのように、3つ以上の電極を有する半導体LDチップを積載した半導体レーザ装置にも、本発明を適用することができる。
【0075】
さらに、ハンダ層とサブマウント基体の間には、公知の如く、種々の膜を介在させることが可能であり、例えば、サブマウントとハンダの間の密着性を向上させるための膜、サブマウントとハンダ間の反応を防止するための膜、さらには、これらの膜の間の密着性を高めたり、酸化を防止するための膜を適宜積層形成してもよい。例示した金属パターンAu/Pt/Tiに代えて、Pt/Cr、Au/Mo、Au/Pt/Cr、Au/Mo/Ti等を用いることも可能である。ハンダ、ボンディングパッド、サブマウント相互の間にも、同様の目的で、種々の膜を介在させることができる。
【0076】
【発明の効果】
窒化物系化合物半導体より成り、共振器端面が誘電体膜で覆われたレーザダイオードチップと、レーザダイオードチップを支持するマウント部材と、レーザダイオードチップとマウント部材の間に位置して両者を固着するハンダ層とを備える窒化物系化合物半導体のレーザ装置において、本発明のように、ハンダ層に接するチップ面のうち活性層への電流注入領域の直上または直下の部分と、この部分のうち共振器端面から延在する誘電体膜で覆われる部分との、レーザ共振器長方向の長さの比率を、0%以上かつ20%以下とすると、レーザダイオードチップで発生した熱が効率よくマウント部材に伝わることになり、熱抵抗が良好で、長寿命のレーザ装置となる。
【0077】
共振器端面を覆う誘電体膜をTiO2、SiO2、Al23、ZrO2、Ta25、TiONおよびMgF2のうちの1種以上の材料で作製すると、各材料の特性が生かされて共振器端面に良好なコーティングを施すことができる。各材料の熱伝導率が低いことは、構造上の特徴により、問題とならない。
【0078】
窒化物系化合物半導体より成り、共振器端面が誘電体膜で覆われたレーザダイオードチップを備える窒化物系化合物半導体のレーザ装置の製造方法において、本発明のように、分割後に個々のレーザダイオードチップとなるバー状のチップ原体を作製し、チップ原体をバー状の治具で挟んで、個々のレーザダイオードチップの共振器端面となる面を含むチップ原体の端部が治具の端部のうちチップ原体に接する部位よりも突出する状態として、共振器端面となるチップ原体の面に誘電体膜を設けるようにすると、共振器端面となる面の全体に誘電体膜を設けながら、誘電体膜のマウント面への延在を制限することができて、熱抵抗が良好で長寿命のレーザ装置を提供することが可能になる。
【0079】
特に、厚さ方向の中央部がその両側部よりも突出した端部を有する治具を用いるとともに、複数のチップ原体と複数の治具を交互に配置し、かつ、共振器端面となるチップ原体の面と治具の端部の中央部の面の高さを揃えて、共振器端面となるチップ原体の面に誘電体膜を設けるようにすると、一度に多くのチップ原体に誘電体膜を設けることができて効率がよい上、マウント面のうち誘電体膜で覆われる部分の長さを一定にすることができて、特性にバラツキのないレーザ装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態で用いる窒化物系化合物半導体LDチップの、(a)裏面(GaN基板側)から、および(b)表面(成長層側)からの模式図である。
【図2】 窒化物系化合物半導体LDチップの断面の模式図である。
【図3】 窒化物系化合物半導体LDチップの製造途中の窒化物系化合物半導体LDウェハおよびLDバーの模式図である。
【図4】 窒化物系化合物半導体LDチップの製造に用いるバー状のSi基板の模式図である。
【図5】 治具に固定した窒化物系化合物半導体LDバーの横方向からの模式図である。
【図6】 治具に固定した窒化物系化合物半導体LDバーの蒸着する面方向からの模式図である。
【図7】 別の態様で治具に固定した窒化物系化合物半導体LDバーの横方向からの模式図である。
【図8】 共振器端面となる面に誘電体膜が設けられた窒化物系化合物半導体LDバーのp型電極側からの模式図である。
【図9】 共振器端面となる面に誘電体膜が設けられた窒化物系化合物半導体LDバーのn型電極側からの模式図である。
【図10】 共振器端面に誘電体膜が設けられた窒化物系化合物半導体LDチップのp型電極側からの模式図である。
【図11】 共振器端面に誘電体膜が設けられた窒化物系化合物半導体LDチップのn型電極側からの模式図である。
【図12】 本発明の第1の実施形態の窒化物系化合物半導体レーザ装置の模式図である。
【図13】 本発明の第1の実施形態の窒化物系化合物半導体レーザ装置の模式図である。
【図14】 窒化物系化合物半導体LDチップの「比率γ」と熱抵抗Rthの関係を示す図である。
【図15】 窒化物系化合物半導体LDチップの「比率γ」と素子寿命の関係を示す図である。
【図16】 本発明の第2の実施形態の窒化物系化合物半導体レーザ装置の主要部の模式図である。
【図17】 本発明の第3の実施形態の窒化物系化合物半導体レーザ装置の主要部の模式図である。
【図18】 本発明の第4の実施形態の窒化物系化合物半導体レーザ装置の主要部の模式図である。
【図19】 従来の技術の半導体レーザ装置の模式図である。
【図20】 従来の技術の半導体レーザ装置の模式図である。
【図21】 従来の技術の半導体レーザ装置の模式図である。
【図22】 発明が解決しようとする課題の共振器端面に誘電体膜が設けられた従来の半導体LDチップのマウント面側からの模式図である。
【図23】 電極ストライプ構造を有する本発明の窒化物系化合物半導体LDチップの模式図である。
【図24】 リッジストライプ構造を有する本発明の窒化物系化合物半導体LDチップの模式図である。
【図25】 リッジストライプ構造を有する本発明の窒化物系化合物半導体LDチップの模式図である。
【図26】 本発明における「長さα」および「長さβ」を示す図である。
【図27】 本発明における「長さα」および「長さβ」を示す図である。
【符号の説明】
101 レーザ共振器の端面
102 金属多層膜
103 p型電極
104 絶縁膜
105 活性層への電流注入領域の直上または直下の部分
106 活性層への電流注入領域の直上または直下の部分を示すライン
201 n型GaN基板
202 n−GaNコンタクト層
203 n−AlGaNクラッド層
204 n−GaNガイド層
205 GaInN多重量子井戸活性層
206 p−AlGaN蒸発防止層
207 p−GaNガイド層
208 p−AlGaNクラッド層
209 p−GaNコンタクト層
211 n型電極
301 窒化物系化合物半導体LDウェハ
302 窒化物系化合物半導体LDバー
311 窒化物系化合物半導体LDバー用分割ライン(A)
312 窒化物系化合物半導体LDチップ用分割ライン(B)
313 共振器長
401 Siバー
402 溝深さ
403 溝
501 窒化物系化合物半導体LDバー
502 バー状のSi基板(治具)
503 固定具
504 ネジ
505 LDバーの共振器端面と治具の先端面との段差
802 誘電体膜で被覆された領域
1201 ハンダ
1202 ハンダ
1203 半導体成長層
1204 金属多層膜
1205 サブマウント
1206 金属多層膜
1207 ワイヤ
1208 ワイヤ
1209 ステムのピン
1210 ステムの支持基体
1301 ステム
1302 半導体LDチップ
1610 活性層
1701 絶縁性基板
1801 絶縁性基板または導電性基板
1805 絶縁性サブマウント
1811 ハンダ
1815 導電性サブマウント
1821 ハンダ
1902 半導体成長層
1904 金属多層膜
1905 ハンダ
1906 金属多層膜
2001 導電性基板
2201 マウント面
2202 誘電体膜
2203 誘電体膜の境界
2301 n型基板
2303 活性層への電流注入領域の直上または直下の部分を示すライン
2601 長さα
2602 長さβ
2610 共振器長方向
2701 境界の交差点
2702 境界の交差した点間の中点
2703 境界の交差した点間の中点を通り、LDチップの端面の辺と平行なライン

Claims (4)

  1. 共振器端面が誘電体膜で覆われたレーザダイオードチップと、レーザダイオードチップを支持するマウント部材と、レーザダイオードチップとマウント部材の間に位置して両者を固着するハンダ層とを備える窒化物系化合物半導体のレーザ装置において、
    ハンダ層に接するチップ面のうち活性層への電流注入領域の直上または直下の部分と、
    この部分のうち共振器端面から延在する誘電体膜で覆われる部分との、レーザ共振器長方向の長さの比率が、0%以上かつ20%以下であり、
    前記レーザダイオードチップが、窒化物系化合物半導体層を当該窒化物系化合物半導体層とは異なる材料の基板上に成長させること、または、前記窒化物系化合物半導体層を当該窒化物系化合物半導体層とは異なる組成の基板上に成長させること、によって成ることを特徴とする窒化物系化合物半導体のレーザ装置。
  2. 共振器端面を覆う誘電体膜がTiO2、SiO2、Al23、ZrO2、Ta25、TiONおよびMgF2のうちの1種以上の材料より成ることを特徴とする請求項1に記載の窒化物系化合物半導体のレーザ装置。
  3. 共振器端面が誘電体膜で覆われたレーザダイオードチップを備える窒化物系化合物半導体のレーザ装置の製造方法において、
    窒化物系化合物半導体層を当該窒化物系化合物半導体層とは異なる材料の基板上に成長させること、または、前記窒化物系化合物半導体層を当該窒化物系化合物半導体層とは異なる組成の基板上に成長させること、によって成とともに、分割後に個々のレーザダイオードチップとなるバー状のチップ原体を作製し、
    チップ原体をバー状の治具で挟んで、個々のレーザダイオードチップの共振器端面となる面を含むチップ原体の端部が治具の端部のうちチップ原体に接する部位よりも0%以上かつ20%以下突出する状態として、共振器端面となるチップ原体の面に誘電体膜を設けることを特徴とする窒化物系化合物半導体のレーザ装置の製造方法。
  4. 厚さ方向の中央部がその両側部よりも突出した端部を有する治具を用いるとともに、複数のチップ原体と複数の治具を交互に配置し、かつ、共振器端面となるチップ原体の面と治具の端部の中央部の面の高さを揃えて、共振器端面となるチップ原体の面に誘電体膜を設けることを特徴とする請求項3に記載の窒化物系化合物半導体のレーザ装置の製造方法。
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