JP7327427B2 - 化学強化ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、化学強化されたガラスおよびその製造方法に関する。
携帯端末のカバーガラス等には、化学強化ガラスが用いられている。化学強化ガラスは、ガラスを硝酸ナトリウムなどの溶融塩組成物に接触させて、ガラス中に含まれるアルカリ金属イオンと、溶融塩組成物に含まれるよりイオン半径の大きいアルカリ金属イオンとの間でイオン交換を生じさせ、ガラスの表面部分に圧縮応力層を形成したものである。化学強化ガラスの強度は、ガラス表面からの深さを変数とする圧縮応力値(以下、CSとも略す。)で表される応力プロファイルに依存する。
携帯端末等のカバーガラスは、落下した時などの変形によって割れることがある。このような破壊、すなわち曲げによる破壊を防ぐためには、ガラス表面における圧縮応力を大きくすることが有効である。そのため最近では700MPa以上の高い表面圧縮応力を形成することが多くなっている。
一方、携帯端末等のカバーガラスは、端末がアスファルトや砂の上に落下した際に、突起物との衝突によって割れることがある。このような破壊、すなわち衝撃による破壊を防ぐためには、圧縮応力層深さを大きくして、ガラスのより深い部分にまで圧縮応力層を形成して強度を向上することが有効である。
しかし、ガラス物品の表面部分に圧縮応力層を形成すると、ガラス物品中心部には、表面の圧縮応力の総量に応じた引張応力(以下、CTとも略す。)が必然的に発生する。この引張応力値が大きくなりすぎると、ガラス物品が破壊する際に激しく割れて破片が飛散する。CTがその閾値(以下、CTリミットとも略す。)を超えると加傷時の破砕数が爆発的に増加する。
したがって化学強化ガラスは、表面の圧縮応力を大きくし、より深い部分にまで圧縮応力層を形成する一方で、CTリミットを超えないように、表層の圧縮応力の総量が設計される。例えば、特許文献1には、CTを特定範囲に制御した化学強化ガラスが開示されている。
特表2017-523110号公報
このように、CTリミットを回避しつつ、圧縮応力層を形成し、衝撃による破壊を抑制し得る、落下強度に優れた化学強化ガラスが求められている。
したがって、本発明は、衝撃による破壊を抑制し得る、落下強度に優れた化学強化ガラス及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を検討したところ、リチウム含有ガラスの2段階の化学強化における2段目の化学強化に用いる溶融塩組成物に特定範囲の濃度のリチウムイオンを添加することにより、ガラス表面における圧縮応力を低減しつつ、落下時の耐衝撃性に有効なガラス深層における圧縮応力を一定レベル以上に制御した化学強化ガラスが得られることがわかった。そして、該化学強化ガラスにより上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、厚さt[mm]を有する化学強化ガラスであって、散乱光光弾性応力計で測定される、ガラス表面からの深さx[μm]における応力値CSx[MPa]のプロファイルにおいて、前記応力値の2階微分の値CSx’’が、CSx≧0の範囲において、下記式を満たす、化学強化ガラスに関する。0<CSx’’≦0.050
本発明は、ナトリウムイオン及びカリウムイオンを含有する第1の溶融塩組成物にリチウム含有ガラスを浸漬させて、第1のイオン交換をすること、及び
カリウムイオン を含有する第2の溶融塩組成物に前記リチウム含有ガラスを浸漬させて、第2のイオン交換をすること、を含む化学強化ガラスの製造方法であって、
前記第1の溶融塩組成物における硝酸カリウム濃度が、硝酸ナトリウム濃度より大きく、
前記第2の溶融塩組成物における硝酸カリウム濃度が85質量%以上であり、ナトリウムイオン/リチウムイオンが質量比で0以上15以下である、化学強化ガラスの製造方法に関する。
本発明の化学強化ガラスは、特定の応力プロファイルを有することによりCTリミットを回避し、優れた落下強度を示し得る。
図1(a)は本発明における応力値CSxのプロファイルの一例を示す。図1(b)は本発明における応力値CSxのプロファイルにおける1階微分CS’、2階微分CS’’の絶対値の一例を示す。 図2は本発明における第1のイオン交換後、および第2のイオン交換後の応力値CSxのプロファイルの一例を示す。 図3は本発明および従来技術における2段化学強化後の応力値CSxのプロファイルの一例を示す。 図4は実施例における応力値CSxのプロファイルを示す。 図5は実施例における応力値CSxのプロファイルにおける1階微分CS’、2階微分CS’’の絶対値を示す。 図6は実施例における落下強度試験の結果を示す。 図7は実施例における応力CSxのプロファイルおよび応力値CSxのプロファイルにおける1階微分CS’、2階微分CS’’の絶対値を示す。 図8(a)および(b)は実施例における合成後プロファイルにおける応力プロファイルを示す。図8(a)は深さ100μmまでの応力プロファイルを示す。図8(b)は表層から3μmまでを拡大した応力プロファイルを示す。
<応力測定方法>
近年、スマートフォンなどのカバーガラス向けに、ガラス内部のリチウムイオンをナトリウムイオンと交換し(Li-Na交換)、その後更にガラスの表層部において、ガラス内部のナトリウムイオンをカリウムイオンに交換する(Na-K交換)、2段階の化学強化を実施したガラスが主流になっている。
このような2段化学強化ガラスの応力プロファイルを非破壊で取得するには、例えば散乱光光弾性応力計(Scattered Light Photoelastic Stress Meter、以下、SLPとも略す)やガラス表面応力計(Film Stress Measurment,以下、FSMとも略す)などが併用され得る。
散乱光光弾性応力計(SLP)を用いる方法では、ガラス表層から数十μm以上のガラス内部において、Li-Na交換に由来した圧縮応力を測定できる。一方、ガラス表面応力計(FSM)を用いる方法では、ガラス表面から数十μm以下の、ガラス表層部において、Na-K交換に由来した圧縮応力を測定できる(例えば、国際公開第2018/056121号、国際公開第2017/115811号)。従って、2段化学強化ガラスにおける、ガラス表層と内部における応力プロファイルとしては、SLPとFSMの情報を合成した物が用いられることがある。
一方、本発明においては、イオン交換により導入されるナトリウムイオンの影響を検討するために、主に散乱光光弾性応力計(SLP)により測定された応力プロファイルを用いている。なお、本明細書において散乱光光弾性応力計(SLP)により測定された応力プロファイルを、「SLP応力プロファイル」または単に「応力プロファイル」と称し、SLPとFSMの情報を合成した応力プロファイルは、「合成後プロファイル」などと称し区別する。また、単に応力値CS、引張応力値CT、圧縮応力深さDOLなどと称した場合も、SLP応力プロファイルにおける値を意味する。
散乱光光弾性応力計とは、レーザ光の偏光位相差を該レーザ光の波長に対して1波長以上可変する偏光位相差可変部材と、該偏光位相差を可変されたレーザ光が強化ガラスに入射されたことにより発する散乱光を所定の時間間隔で複数回撮像し複数の画像を取得する撮像素子と、該複数の画像を用いて前記散乱光の周期的な輝度変化を測定し該輝度変化の位相変化を算出し、該位相変化に基づき前記強化ガラスの表面からの深さ方向の応力分布を算出する演算部と、を有する応力測定装置である。
散乱光光弾性応力計を用いる応力プロファイルの測定方法としては、国際公開第2018/056121号に記載の方法が挙げられる。散乱光光弾性応力計としては、例えば、折原製作所製のSLP-1000、SLP-2000が挙げられる。これらの散乱光光弾性応力計に付属ソフトウェアSlpIV(Ver.2019.01.10.001)を組み合わせると高精度の応力測定が可能である。
<応力プロファイル>
本発明の化学強化ガラスにおける応力プロファイルは、上述のような散乱光光弾性応力計で測定され、ガラス表面からの深さx[μm]における応力値CSx[MPa]のプロファイルにおいて、応力値CSの2階微分の値CS’’が、CS≧0の範囲において、0<CS’’≦0.050を満たすことを特徴とする。
図1(a)に、本発明の化学強化ガラスにおける応力プロファイルの一例を、図1(b)に(a)の応力プロファイルの1次導関数、2次導関数のグラフを示した。図1(a)に示すように、本発明の応力値CSは、ガラス表面からの深さxに依存して変化する。図1(b)の1次導関数のグラフは、CSを、xで微分することにより得られたCS’のグラフである。なお、見やすさのためCS’の絶対値でプロットしている。
2次導関数のグラフは、CS’を、xで微分することにより得られたCS’’のグラフである。図1(b)に示すように、本発明では、CS≧0の範囲において、CS’’が0<CS’’≦0.050を満たす。すなわち、圧縮応力層において応力プロファイルが屈曲点を持たず、応力変化の変化分が少ない、直線的形状であるという特徴がある。
この形状により、以下で説明するように、従来の2段強化した化学強化ガラスに比べ、深さ50μmにおける応力値CS50を大きくし、落下時の衝撃に対する割れ耐性を向上しつつも、圧縮応力層における圧縮応力の合計値を小さくできるため圧縮応力の合計値に応じて発生する、引張応力層の応力値を抑制でき、CTリミットを回避できる。
ここで、深さ50μmにおける応力値CS50は、落下時の衝撃による割れ耐性の向上に寄与する値である。ガラス物品がアスファルト舗装道路や砂の上に落下した際には、砂等の突起物との衝突によってクラックが発生する。発生するクラックの長さは、ガラス物品が衝突した砂の大きさにより異なるが、散乱光光弾性応力計で測定される、ガラス表面からの深さ50μmにおける圧縮応力値CS50[MPa]の値を大きくすると、例えば深さ50μm付近に大きな圧縮応力値が形成されている応力プロファイルとなり、比較的大きい突起物に当たって破砕する破壊を防止できる。
また、本願におけるCTリミットとは、実施例で後述するような破砕数試験において、破砕数が10個以下から、10個以上へと変化する境界となる最大引張応力値CTの値を意味する。なお、CTリミットは、ガラスの種類に応じて実験的に求められる値であり、ガラスの板厚と負の相関がある。
本発明の化学強化ガラスにおける応力プロファイルは、例えば2段階の化学強化により形成される。図2に、本発明の化学強化ガラスの、1段階目の化学強化後の応力プロファイルと、2段階目の化学強化後の応力プロファイルの一例を示した。1段階目の化学強化では、ガラスをカリウムイオンとナトリウムイオンを含有する溶融塩に浸漬することで、主にガラス中のリチウムイオンが溶融塩中のナトリウムイオンと交換される「Li-Na交換」とガラス中のナトリウムイオンが溶融塩中のカリウムイオンと交換される「Na-K交換」が発生し、CTリミットを超える範囲まで圧縮応力が付与される。
続く2段階目の化学強化では、カリウムイオンを含有する溶融塩に、少量のリチウムイオンを添加した溶融塩を用いることで、ガラス中のナトリウムと溶融塩中のカリウムを交換しつつ(Na-K交換)、ガラス中のナトリウムと溶融塩中のリチウムの交換(Li-Na交換)により、ガラス表層のナトリウムを減少させる。これにより、表層に発生した応力のみを適度に緩和させ、深さ50μmにおける応力値CS50を温存しつつも、CTリミットを回避できる。
図3には、本発明の化学強化ガラスにおける応力プロファイルの一例と、従来の2段強化品との比較を示した。図3に示すように、本発明では従来の2段強化品に比べて、CS50を向上させられる。
以上のように、本発明の化学強化ガラスは、応力値CSの2階微分の値CS’’が、CS≧0の範囲において、0<CS’’≦0.050を満たすことにより、応力プロファイルが屈曲点を持たず、応力変化の変化分が少ない、直線的形状となり、深さ50μmにおける応力値CS50を大きくし、落下時の衝撃に対する割れ耐性を向上しつつも、CTリミットを回避する事ができる。以下で、本発明の詳細を説明する。
<化学強化ガラスの実施形態>
(実施形態における応力プロファイル)
本発明の化学強化ガラスは、上述のように、散乱光光弾性応力計で測定され、ガラス表面からの深さx[μm]における応力値CSx[MPa]のプロファイルにおいて、応力値CSの2階微分の値CS’’が、CS≧0の範囲において、0<CS’’≦0.050を満たすことを特徴とする。ここで、CS’’は、好ましくは0.045以下であり、より好ましくは0.040以下であり、更に好ましくは0.035以下であると、より直線的形状となり、深さ50μmにおける応力値CS50効果的に向上できる。一方、CS’’は0より大きく、典型的には0.005以上である。
応力値CSの1階微分の値CS’は、-5.3以上であり、より好ましくは-5.0以上であり、更に好ましくは-4.5以上である。1階微分の値CS’が上記範囲であると、CS’の変化が小さくなり、応力値CSのプロファイルは直線的な形状となる。また、同じCSに対し、CS’が大きいことにより、CS50を高く保つ効果が得られる。CS’は、典型的には-0.5以下である。
なお、応力プロファイルの微分方法として、本発明では下記式で表されるように、CSのプロファイルにおいて、xの変化分が0.5μmである時のCSxの変化率をCS’の値として用い、xの変化分が0.5μmである時のCS’の変化率を、CS’’の値として用いている。CS’=(CSx+0.5-CS)/0.5 CS’’=(CSx+0.5’ -CS’)/0.5
本発明の化学強化ガラスのCS50[MPa]の値は、厚さがt[mm]であるとき、最大引張応力値CT、圧縮応力層深さDOLとすると、CS50/(CT×(t-2×DOL))/tの値が4.90以上であることが好ましく、より好ましくは5.0以上、さらに好ましくは5.1以上、より更に好ましくは5.5以上、最も好ましくは6.0以上である。
最大引張応力値CTに対応してCS50の値が大きくなり、一方、板厚が薄い程最大引張応力値CTが高くなるという物理現象が生じるので、板厚の影響を差し引き一般化するために、上記のようにCS50/(CT×(t-2×DOL))/tの値を用いて比較を行う。本発明の化学強化ガラスは、CS50/(CT×(t-2×DOL))/tの値が4.90以上であることにより、落下強度を向上できる。
本発明の化学強化ガラスは、厚さがt[mm]であり、散乱光光弾性応力計で測定される最大引張応力値CT[MPa]の値が(-120t+164)以下であることが好ましい。厚さがt[mm]であり、CT[MPa]の値が(-120t+164)以下であることにより、CTリミット以下となり、激しい破砕が生じるのを抑制できる。
一方、散乱光光弾性応力計で測定される最大引張応力値CT[MPa]の値は、(-120t+150)以上であることが好ましい。CT[MPa]の値が、(-120t+150)以上であると、圧縮応力層に応じて、強度向上のために十分な圧縮応力を導入できる。
本発明の化学強化ガラスは、散乱光光弾性応力計で測定されるガラス表面における圧縮応力値CSが400MPa以下であることが好ましく、より好ましくは350MPa以下であり、さらに好ましくは300MPa以下である。CSが400MPa以下であることにより、圧縮応力層の応力合計値を低減し、最大引張応力値CTを抑制し、CTリミットを回避できる。
本発明の化学強化ガラスの圧縮応力層深さDOL[μm]の値は、厚さがt[mm]である場合、(100t+25)超が好ましく、(100t+35)以上がより好ましく、(100t+40)以上がさらに好ましい。厚さがt[mm]であり、圧縮応力層深さDOLが(100t+25)超であることにより、ガラスの板厚方向の深い部分まで圧縮応力が導入され、衝突による割れ防止に有利である。また、圧縮応力と引張応力の総量とのバランスをガラスの板厚方向全体で釣り合わせるため、DOL[μm]の値は、厚さがt[mm]である場合、(100t+70)以下が好ましく、(100t+60)以下がより好ましく、(100t+55)以下がさらに好ましい。
(化学強化ガラスの母組成)
本発明の化学強化ガラスの母組成は、後述する化学強化前のガラスの組成と一致する。母組成とは、イオン交換による影響を受けない領域の組成のことであり、極端なイオン交換処理がされた場合を除き、化学強化ガラスの圧縮応力層深さDOLよりも深い領域の組成である。
<化学強化ガラスの製造方法の実施形態>
化学強化処理は、大きなイオン半径の金属イオン(典型的には、ナトリウムイオンまたはカリウムイオン)を含む金属塩(例えば、硝酸カリウム)の融液に浸漬する等の方法で、ガラスを金属塩に接触させ、ガラス中の小さなイオン半径の金属イオン(典型的には、リチウムイオンまたはナトリウムイオン)と金属塩中の大きなイオン半径の金属イオン(典型的には、リチウムイオンに対してはナトリウムイオンまたはカリウムイオンであり、ナトリウムイオンに対してはカリウムイオン)とを置換させる処理である。
本発明の化学強化ガラスの製造方法は、下記特徴を有する。
(工程1)硝酸カリウム濃度が、硝酸ナトリウム濃度より大きい第1の溶融塩組成物にリチウム含有ガラスを浸漬させて、第1のイオン交換をする。
(工程2)硝酸カリウム濃度が85質量%以上であり、ナトリウムイオン/リチウムイオンが質量比で0以上15以下である第2の溶融塩組成物に前記リチウム含有ガラスを浸漬させて、第2のイオン交換をする。以下で、各工程について詳細を説明する。
(工程1)第1のイオン交換
本発明の化学強化ガラスの製造方法における第1の工程では、ナトリウムイオン及びカリウムイオンを含有する第1の溶融塩組成物にリチウム含有ガラスを浸漬させて、第1のイオン交換をする。化学強化に用いるリチウム含有ガラスの詳細は後述する。
工程1では、ガラス中のリチウムイオンを溶融塩中のナトリウムイオンと交換する「Li-Na交換」により、ガラス深層部までナトリウムが導入され、深い圧縮応力層を形成できる。更に、工程1では、第1の溶融塩組成物における硝酸カリウム濃度が、硝酸ナトリウム濃度より高いことにより、ガラス中のナトリウムイオンを溶融塩中のカリウムイオンと交換する「Na-K交換」も同時に発生し、ガラス表層部にカリウムが導入される。これにより、続く第2のイオン交換において、ガラス中のナトリウムが溶融塩中のリチウムと交換される「Na-Li交換」により、ガラス表層のナトリウムが過剰に減少し、CS50が低下する現象を有意に抑制できる。
ここで、「溶融塩組成物」とは、溶融塩を含有する組成物をさす。溶融塩組成物に含まれる溶融塩としては、例えば、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、塩化物などが挙げられる。硝酸塩としては、例えば、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸セシウム、硝酸ルビジウム、硝酸銀などが挙げられる。硫酸塩としては、例えば、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸セシウム、硫酸ルビジウム、硫酸銀などが挙げられる。塩化物としては、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、塩化ルビジウム、塩化銀などが挙げられる。これらの溶融塩は単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
溶融塩組成物としては、硝酸塩を母体とするものが好ましく、より好ましくは硝酸ナトリウム、硝酸カリウムを母体とするものである。ここで「母体とする」とは溶融塩組成物における含有量が80質量%であることを指し、好ましくは硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの合計量が90%以上であり、より好ましくは100%である。
第1のイオン交換では、第1の溶融塩組成物における硝酸カリウムの含有量が50質量%超である態様が挙げられる。第1実施態様において、第1の溶融塩組成物における硝酸カリウムの含有量は、より好ましくは以下順に、55質量%以上、60質量%以上である。硝酸カリウムが上記範囲であると、続く第2のイオン交換において、「Na-Li交換」により、ガラス表層のナトリウムが過剰に減少し、CS50が低下する現象を有意に抑制できる。一方硝酸カリウムの含有量は、80%以下が好ましく、より好ましくは70%以下である。硝酸カリウムが上記範囲であると、ガラス内部にナトリウムイオンを十分に導入できる。
一方、第1の溶融塩組成物における硝酸ナトリウムの含有量は50質量%より小さい。第1実施態様において、第1の溶融塩組成物における硝酸カリウムの含有量は、より好ましくは以下順に、45質量%以下、40質量%以下である。一方硝酸ナトリウムの含有量は、20%以上が好ましく、より好ましくは30%以上である。硝酸ナトリウムが上記範囲であると、ガラス内部にナトリウムイオンを十分に導入できる。
本発明の製造方法において、第1のイオン交換によりガラス内部に形成される応力プロファイルの最大引張応力値CTは、CTリミットより大きいことが好ましい。第1のイオン交換後の最大引張応力値CTがCTリミットより大きいことで、第1のイオン交換により圧縮応力が十分に導入され、続く第2のイオン交換工程において、ガラス表層の応力値が低減された後も、CS50を高く保持できる。
より好ましくは、第1のイオン交換後の化学強化ガラスの最大引張応力値CTが、(-120t+164)より大きくなるようにイオン交換される。最大引張応力値CTが、(-120t+164)より大きいことにより、CTリミットを超えて圧縮応力を導入できる。
工程1においては、リチウムを含有するガラスを好ましくは380℃以上の第1の溶融塩組成物に浸漬することが好ましい。第1の溶融塩組成物の温度が380℃以上であると、イオン交換が進行しやすく、CTリミットを超える範囲まで圧縮応力を導入できる。より好ましくは421℃以上、さらに好ましくは430℃以上である。また、第1の溶融塩組成物の温度は、蒸発による危険性、溶融塩の組成変化の観点から、通常450℃以下である。
工程1においては、第1の溶融塩組成物にリチウムを含有するガラスを浸漬する時間は、0.5時間以上であると表面圧縮応力が大きくなるので好ましい。浸漬時間は、より好ましくは1時間以上である。浸漬時間が長すぎると、生産性が下がるだけでなく、緩和現象により圧縮応力が低下する場合がある。そのため、浸漬時間は通常8時間以下である。
(工程2)第2のイオン交換
工程2は、工程1で第1のイオン交換処理をしたガラスを硝酸カリウム母体とし、少量のリチウムイオンを含有する第2の溶融塩組成物に浸漬させて、第2のイオン交換をする工程である。第2のイオン交換では、ガラス中のナトリウムイオンをカリウムイオンと交換する「Na-K交換」が発生し、ガラス表層部数十μmの領域に、カリウムイオンが導入される。同時に、ガラス表層部のナトリウムイオンが、「Na-Li交換」により減少することにより、ナトリウムに起因する圧縮応力が緩和する。第2のイオン交換では、化学強化ガラスの圧縮応力は、CS50を温存したまま緩和され、CTリミット以下になるよう調整される。なお、SLPにより測定される応力プロファイルには、カリウムイオンが導入されたガラス表層部の応力の影響は反映されない。従って、SLPにより測定される応力プロファイルを用いることで、ナトリウムイオンの減少による引張応力減少を確認できる。
第2の溶融塩組成物における硝酸カリウム濃度が85質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。上限は特に制限されないが、通常99.9質量%以下である。更に、第2の溶融塩組成物におけるナトリウムイオン/リチウムイオンは質量比で0以上15以下である。ナトリウムイオン/リチウムイオンの質量比が前記範囲であることは、リチウムイオンが溶融塩組成物中に意図的に添加されていることを意味する。例えば、第2の溶融塩組成物に硝酸ナトリウムを添加した場合、ガラス中のリチウムイオンと第2の溶融塩中のナトリウムイオンが交換し(Li-Na交換)、第2の溶融塩中にリチウムイオンが混入する。この時混入するリチウムイオンの量は、溶融塩中のナトリウムイオンの量に応じて増加する。一方、ガラス中のナトリウムイオンと溶融塩中に混入したリチウムイオンの交換(Na-Li交換)は、溶融塩中のナトリウムイオンによって抑制される。従って、本発明の製造方法では、硝酸ナトリウムの添加によって混入する量以上のリチウムイオンを意図的に添加することで、ガラス中のナトリウムイオンと溶融塩中のリチウムイオン(Na-Li交換)を効果的に発生させ、工程(1)でガラス表層に発生した圧縮応力を減弱できる。
第2の溶融塩組成物は、0.1質量%以上10質量%以下の硝酸リチウムを含有することが好ましい。第2の溶融塩組成物が前記範囲の硝酸リチウムを含有することにより、工程(1)で、ガラス表面付近に導入されたナトリウムイオンと第2の溶融塩組成物中のリチウムイオンとの交換が、該ナトリウムイオンと第2の溶融塩組成物中のカリウムイオンとの交換と平行して起こり、ガラス表面の応力を減弱できる。第2の溶融塩組成物における硝酸リチウムの含有量は、より好ましくは0.3質量%以上5質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上2.5質量%以下である。
第2の溶融塩組成物は硝酸ナトリウムを含有してもよい。含有する場合、硝酸ナトリウム濃度は好ましくは0.1質量%超であり、より好ましくは0.5質量%以上である。硝酸ナトリウムが上記範囲であると、CS50を上げる効果が向上する。第2の溶融塩の中にナトリウムイオンが存在することによって、第2のイオン交換においてもLi-Na交換が進むため、CS50が向上する。更に、硝酸ナトリウムが上記範囲であると、第2の溶融塩を交換せずに本発明の効果を発揮する期間を長くでき、ガラス処理量を多くすることが出来る。第2の溶融塩組成物の硝酸ナトリウム濃度は5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以下であると、更に好ましくは2質量%以下であり、最も好ましくは1質量%以下であると、CT値をCTリミット以内に抑制しやすい。
第2の溶融塩組成物は更に、硝酸塩以外の添加剤を含んでいても良い。添加剤としては例えば、ケイ酸や特定の無機塩などがあげられる。第2の溶融塩組成物が添加剤を有することで、FSMとSLPの合成後プロファイルにおけるCSを大きくすることができる。以下、詳細を説明する。
第2の溶融塩組成物は、添加剤としてケイ酸を含んでいてもよい。ケイ酸とは、化学式nSiO・xHOで表されるケイ素、水素、酸素からなる化合物を指す。ここで、n、xは自然数である。このようなケイ酸の一種としては、例えばメタケイ酸(SiO・HO)、メタ二ケイ酸(2SiO・HO)、オルトケイ酸(SiO・2HO)、ピロケイ酸(2SiO・3HO)、シリカゲル[SiO・mHO(mは0.1~1の実数)]等が挙げられる。
ケイ酸を含むことにより、ケイ酸がリチウムイオンを吸着し、カリウムイオンがガラスに入りやすくなるという理由で、CTを抑制したまま、FSMとSLPの合成後のプロファイルにおける表層数μmの応力を大きくすることが出来る。リチウムイオンは「Na-Li交換」によってナトリウムイオンと反応するため、「Na-K交換」の進行を抑制しうる。そこで、「Na-K交換」を促進するためにケイ酸を添加すると良い。ケイ酸の添加量は0.1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.3質量%以上であり、最も好ましくは0.5質量%以上である。また、ケイ酸の添加量は3質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以下であり、最も好ましくは1質量%以下である。ケイ酸が上記範囲であると、「Na-Li交換」によりSLP応力プロファイルにおける表層応力を有意に低減できる。すなわち、カリウムの導入による表層数μmでの合成後プロファイルにおける圧縮応力の立ち上がりと、ナトリウムの減少によるSLPプロファイルにおけるDOLまでの応力低減の効果を実現できる。
ケイ酸はシリカゲル[SiO・mHO(mは0.1~1の実数)]であることが好ましい。シリカゲルは二次粒子が比較的大きいため、溶融塩に沈降しやすく、投入や回収がしやすいという利点がある。また、粉塵が舞う恐れがなく、作業者の安全を確保できる。更に、多孔体であり、一次粒子の表面に溶融塩が供給されやすいため、反応性に優れ、リチウムイオンを吸着する効果が大きい。
第2の溶融塩は、添加剤として特定の無機塩(以下、融剤と称する)含んでいてもよい。融剤としては、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硫酸塩、水酸化物、塩化物が好ましく、KCO、NaCO、KHCO、NaHCO、KPO、NaPO、KSO、NaSO、KOH、NaOH、KCl、NaClからなる群より選ばれる少なくとも一種の塩を含有することが好ましく、特にKCO、NaCO、からなる群より選ばれる少なくとも一種の塩を含有することがより好ましく、KCOであることが更に好ましい。
第2の溶融塩中のリチウムイオンは、「Na-Li」交換により、ガラス中のナトリウム由来の圧縮応力を減弱できる一方、「Na-K交換」を阻害しうる。「Na-K交換」が阻害されると、ガラス表層数μmにカリウムを導入し、合成後プロファイルにおけるCSを増加させる効果が得られにくい。ここで第2の溶融塩中において、融剤から発生するアニオンとの相互エネルギーはリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンの順に高い。第2の溶融塩が融剤を含有することにより、とアニオンがリチウムイオンを引き寄せるため、リチウムイオンによる「Na-K交換」阻害を抑制でき、ガラス中にカリウムを導入しやすくなる。一方、アニオンは「Na-Li交換」を抑制しないため、ガラス中のナトリウム由来の応力を減弱することができる。これにより、SLPプロファイルにおけるガラス表層からDOLにおける圧縮応力の減弱の効果はそのままに、合成後プロファイルにおけるCSを大きくする効果が得られる。
融剤は好ましくは0.1wt%以上であると、CSを大きくする効果が得られやすい。一方、ガラス表面の性状が変化することを抑制するため、炭酸塩は2wt%以下が好ましく、1wt%以下がより好ましい。
第2の溶融塩組成物は、ケイ酸または炭酸塩のどちらか一方を含有することが好ましい。より好ましくは、ケイ酸および炭酸塩を両方含有すると、CSを大きくする効果が特に得られやすい。
工程2においては、リチウム含有ガラスを好ましくは380℃以上の第2の溶融塩組成物に浸漬させることが好ましい。第2の溶融塩組成物の温度が380℃以上であると、イオン交換が進行しやすい。また、第2の溶融塩組成物の温度は、蒸発による危険性、溶融塩の組成変化の観点から、通常450℃以下であり、「Na-Li交換」による応力の過度な減少を防ぐ観点から、400℃以下がより好ましい。
工程2においては、第2の溶融塩組成物にリチウム含有ガラスを浸漬させる時間は、0.1時間以上であると、工程(1)でガラス表面付近に導入されたナトリウムイオンと第2の溶融塩組成物中のリチウムイオンとの交換が十分に起こり、ガラス表面の応力を減弱させやすい。浸漬時間は、より好ましくは0.3時間以上である。浸漬時間は「Na-Li交換」による応力の過度な減少を防ぐ観点から、3時間以下であることが好ましい。
第2の溶融塩組の温度T(℃)に対し、前記リチウム含有ガラスを前記第2の溶融塩組成物に浸漬する時間t2(分)が、下記式を満たすことが好ましい。これにより、ガラス表面の応力を適度に減弱できる。
-0.35T+173<t2<-1.4T+650
t2(分)は(-0.38T+173)超であることが好ましく、より好ましくは(-0.36T+167)以上であり、さらに好ましくは(-0.35T+167)以上である。また、t2(分)は(-1.4T+650)未満であることが好ましく、より好ましくは(-1.3T+600)以下、さらに好ましくは(-1.2T+550)以下である。
工程2において、リチウム含有ガラスを浸漬させる第2の溶融塩組成物の温度と浸漬時間とを調整することが好ましい。具体的には例えば、リチウム含有ガラスを浸漬させる第2の溶融塩組成物の温度が380℃である場合、浸漬時間は好ましくは10分間以上120分間以下である。リチウム含有ガラスを浸漬させる第2の溶融塩組成物の温度が390℃である場合、浸漬時間は好ましくは7分間以上100分間以下である。リチウム含有ガラスを浸漬させる第2の溶融塩組成物の温度が400℃である場合、浸漬時間は好ましくは5分間以上60分間以下である。リチウム含有ガラスを浸漬させる第2の溶融塩組成物の温度が400℃超である場合、浸漬時間は好ましくは60分間以下である。
上述のように、第2のイオン交換は、第2のイオン交換後の化学強化ガラスの最大圧縮応力値CTが、CTリミット以下になるように実施されることが好ましい。
更に、第2のイオン交換後の化学強化ガラスの最大引張応力値CT[MPa]は、第1のイオン交換後の化学強化ガラスの最大引張応力値CT[MPa]の50~93%の値になるように化学強化されることが好ましい。より好ましくは60%以上であり、更に好ましくは75%以上である。一方、好ましくは90%以下である。
より好ましくは、第2のイオン交換後の最大引張応力値CT[MPa]は、(-120t+164)以下となるように化学強化される。
(第3以降のイオン交換工程)
本発明の製造方法においては工程2の前後に、更に複数回イオン交換処理を行ってもよい。例えば、工程2のあとに第3のイオン交換を行う場合、硝酸カリウムを95質量%以上含む溶融塩組成物により380~420℃において5~30分間化学強化することが好ましい。この場合の硝酸カリウム濃度は95質量%以上であることが好ましく、より好ましくは97質量%以上であり、さらに好ましくは99質量%以上である。このような第3のイオン交換により、合成後プロファイルにおける最表層の圧縮応力を高くする効果が得られる。
(リチウム含有ガラス)
本発明の化学強化ガラスの製造方法では、リチウム含有ガラスを化学強化する。本発明における化学強化用ガラスは、リチウムアルミノシリケートガラスが好ましい。本発明における化学強化用ガラスは結晶化ガラスであってもよく、非晶質ガラスであってもよい。
リチウム含有ガラスの組成としては、より具体的には、
酸化物基準のモル%表示で、
SiOを52~75%、
Alを8~20%、
LiOを5~16%、含有するリチウムアルミノシリケートガラスが好ましい。
なお、本明細書において数値範囲を示す「~」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用され、特段の定めがない限り、以下本明細書において「~」は、同様の意味で使用される。
本明細書において、ガラス組成は、特に断らない限り酸化物基準のモル%表示で表し、モル%を単に「%」と表記する。また、本明細書のガラス組成において「実質的に含有しない」とは、原材料等に含まれる不純物レベル以下である、つまり意図的に含有させたものではないことをいう。具体的には、たとえば0.1%未満である。
以下、好ましいガラス組成について説明する。
SiOはガラスの骨格を構成する成分である。また、化学的耐久性を上げる成分であり、ガラス表面に傷がついた時のクラックの発生を低減させる成分である。
SiOの含有量は、好ましくは55%以上、さらに好ましくは60%以上、特に好ましくは65%以上である。一方、溶融性をよくする観点から、SiOの含有量は好ましくは75%以下、より好ましくは72%以下、さらに好ましくは70%以下、特に好ましくは68%以下である。
Alは化学強化の際のイオン交換性能を向上させ、強化後の表面圧縮応力を大きくする観点から有効な成分である。
Alの含有量は好ましくは8%以上、より好ましくは9%以上、さらに好ましくは10%以上、特に好ましくは11%以上、典型的には12%以上である。一方、Alの含有量が多すぎると溶融中に結晶が成長しやすくなり、失透欠点による歩留まり低下が生じやすい。また、ガラスの粘性が増大し溶融性が低下する。Alの含有量は、20%以下が好ましく、より好ましくは19%以下、さらに好ましくは18%以下である。
SiOとAlとは、いずれもガラスの構造を安定させる成分であり、脆性を低くするためには合計の含有量は好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上である。
LiOは、イオン交換により表面圧縮応力を形成させる成分であり、ガラスの溶融性を向上させる成分である。化学強化ガラスがLiOを含有することにより、ガラス表面のリチウムイオンをナトリウムイオンにイオン交換し、さらにナトリウムイオンをカリウムイオンにイオン交換する方法で、表面圧縮応力および圧縮応力層がともに大きな応力プロファイルが得られる。好ましい応力プロファイルを得やすい観点から、LiOの含有量は、好ましくは5%以上、より好ましくは7%以上、さらに好ましくは9%以上、特に好ましくは10%以上、最も好ましくは11%以上である。
一方、LiOの含有量が多すぎるとガラス成型時の結晶成長速度が大きくなり、失透欠点による歩留まり低下の問題が大きくなる。LiOの含有量は、好ましくは20%以下、より好ましくは16%以下、さらに好ましくは14%以下、特に好ましくは12%以下である。
NaOおよびKOは、いずれも必須ではないが、ガラスの溶融性を向上させ、ガラスの結晶成長速度を小さくする成分であり、イオン交換性能を向上させるために合計で2%以上含有することが好ましい。また、合計で好ましくは10%以下、好ましくは9%以下、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは7%以下、特に好ましくは5%以下である。
NaOは、カリウム塩を用いる化学強化処理において表面圧縮応力層を形成させる成分であり、またガラスの溶融性を向上させ得る成分である。その効果を得るために、NaOの含有量は、1%以上が好ましく、より好ましくは2%以上、さらに好ましくは3%以上、特に好ましくは4%以上である。一方、ナトリウム塩による強化処理において表面圧縮応力(CS)が低下するのを避ける観点、またCS50が高く、屈曲点の無い直線的プロファイルを実現する観点から、8%以下が好ましく、7%以下がより好ましく、6%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。
Oは、イオン交換性能を向上させる等の目的で含有させてもよい。KOを含有させる場合の含有量は、0.1%以上が好ましく、より好ましくは0.15%以上、特に好ましくは0.2%以上である。失透をより防止するためには0.5%以上が好ましく、1.2%以上がより好ましい。一方、Kを多く含むことで脆性や、強化時の逆交換によって表層応力の低下の要因となることから、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。
MgOは、溶解時の粘性を下げる等のために含有してもよい。MgOの含有量は、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上、さらに好ましくは3%以上である。一方、MgOの含有量が多すぎると化学強化処理時に圧縮応力層を大きくしにくくなる。MgOの含有量は好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは8%以下であり、特に好ましくは6%以下である。
ZrOは含有させなくともよいが、化学強化ガラスの表面圧縮応力を増大させる観点から含有することが好ましい。ZrOの含有量は、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.15%以上、さらに好ましくは0.2%以上、特に好ましくは0.25%以上、典型的には0.3%以上である。一方、ZrOの含有量が多すぎると失透欠点が発生やすくなり、化学強化処理時に圧縮応力値を大きくしにくくなる。ZrOの含有量は好ましくは2%以下であり、より好ましくは1.5%以下であり、さらに好ましくは1%以下であり、特に好ましくは0.8%以下である。
の含有量は、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.2%以上、さらに好ましくは0.5%以上、特に好ましくは1%以上である。一方、多すぎると化学強化処理時に圧縮応力層を大きくしにくくなる。Yの含有量は好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下、特に好ましくは1.5%以下である。
本発明の化学強化に供されるリチウム含有ガラスの組成は、以上のような組成を有する。上記組成のガラスが得られるように、ガラス原料を適宜調合し、ガラス溶融窯で加熱溶融する。その後、バブリング、撹拌、清澄剤の添加等によりガラスを均質化し、所定の厚さのガラス板に成形し、徐冷する。またはブロック状に成形して徐冷した後に切断する方法で板状に成形してもよい。
板状に成形する方法としては、例えば、フロート法、プレス法、フュージョン法及びダウンドロー法が挙げられる。特に、大型のガラス板を製造する場合は、フロート法が好ましい。また、フロート法以外の連続成形法、たとえば、フュージョン法及びダウンドロー法も好ましい。
また、リチウム含有ガラスは、結晶化ガラスであってもよい。結晶化ガラスである場合には、ケイ酸リチウム結晶、アルミノケイ酸リチウム結晶、リン酸リチウム結晶からなる群から選ばれる1以上の結晶を含有する結晶化ガラスが好ましい。ケイ酸リチウム結晶としては、メタケイ酸リチウム結晶、ジケイ酸リチウム結晶等が好ましい。リン酸リチウム結晶としては、オルトリン酸リチウム結晶等が好ましい。アルミノケイ酸リチウム結晶としては、β-スポジュメン結晶、ペタライト結晶等が好ましい。
結晶化ガラスの結晶化率は、機械的強度を高くするために10%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、20%以上がさらに好ましく、25%以上が特に好ましい。また、透明性を高くするために、70%以下が好ましく、60%以下がより好ましく、50%以下が特に好ましい。結晶化率が小さいことは、加熱して曲げ成形等しやすい点でも優れている。結晶化率は、X線回折強度からリートベルト法で算出できる。リートベルト法については、日本結晶学会「結晶解析ハンドブック」編集委員会編、「結晶解析ハンドブック」(協立出版 1999年刊、p492~499)に記載されている。
結晶化ガラスの析出結晶の平均粒径は、透明性を高くするために300nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、150nm以下がさらに好ましく、100nm以下が特に好ましい。析出結晶の平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)像から求め得る。また、走査型電子顕微鏡(SEM)像から推定できる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されない。
酸化物基準のモル百分率表示で示した下記組成となるようにガラス原料を調合し、ガラスとして400gになるように秤量した。ついで、混合した原料を白金るつぼに入れ、1500~1700℃の電気炉に投入して3時間程度溶融し、脱泡し、均質化した。ガラス組成:SiO 68.9%、Al 12.4%、Y 1.3%、ZrO 0.3%、LiO 10.8%、NaO 4.8%、KO 1.2%、その他成分0.3%。
得られた溶融ガラスを金属型に流し込み、ガラス転移点より50℃程度高い温度に1時間保持した後、0.5℃/分の速度で室温まで冷却し、ガラスブロックを得た。得られたガラスブロックを切断、研削し、最後に両面を鏡面研磨して、厚さが600μmのガラス板を得た。
得られたガラス板を用いて、表1~3に記載した化学強化処理を施し、以下の例1~18の化学強化ガラスを作製した。表1~3の第1のイオン交換欄に示した、第1の溶融塩組成物を用い、第1のイオン交換の温度欄に示した温度において第1のイオン交換の時間欄に示した時間保持し、化学強化処理を行った。その後、第2のイオン交換欄に示した、第2の溶融塩組成物を用い、第2のイオン交換の温度欄に示した温度において、第2のイオン交換欄の時間欄に示した時間保持し、化学強化ガラスを得た。
結果を表1~3に示す。例1~6、例17~例19が実施例であり、例7~16は比較例である。なお、表3において、第2の溶融塩組成物における添加剤の量は、添加剤を除いた第2の溶融塩組成物の合計量を100%とし、合計量に対する割合で表記している。
得られた化学強化ガラスを以下の方法により評価した。
[散乱光光弾性応力計による応力測定]
散乱光光弾性応力計(折原製作所製SLP-1000)を用いて、国際公開第2018/056121号に記載の方法により応力を測定した。また、散乱光光弾性応力計(折原製作所製SLP-1000)の付属ソフト[SlpIV(Ver.2019.01.10.001)]を用いて、応力を測定した。また、得られた応力プロファイルから、上述した方法により圧縮応力値CS、CS50、最大引張応力値CT、圧縮応力層深さDOL、圧縮応力値の1階微分の値CS’、2階微分の値CS’’の値を算出した。
応力プロファイルを得るために使用した関数は σ(x)=(a*erfc(a*x)+a*erfc(a*x)+a) である。a=1~5)はフィッティングパラメータであり、erfcは相補誤差関数である。相補誤差関数は下記式によって定義される。
Figure 0007327427000001
今回の評価では付属ソフトの仕様に従って、得られた生データと上記の関数の残差二乗和を最小化することで、フィッティングパラメータを最適化した。測定処理条件は単発とし、測定領域処理調整項目は表面でエッジ法を、内部表面端は6.0μmを、内部左右端は自動を、内部深部端は自動(サンプル膜厚中央)を、そして位相曲線のサンプル厚さ中央迄延長はフィッティング曲線を、それぞれ指定選択した。
また、同時に断面方向のアルカリ金属イオンの濃度分布(ナトリウムイオン及びカリウムイオン)の測定をSEM-EDX(EPMA)で行い、得られた応力プロファイルと矛盾がないことを確認した。
[ガラス表面応力計測計による応力測定]
ガラス表面応力計(折原製作所製FSM-6000)を用いて、光導波効果と光弾性効果を用いた非破壊測定方法で応力を測定した。上記散乱光光弾性応力計による応力測定の結果得られた結果と、折原製作所製のPMCというソフトウェアでプロファイルを合成した。
結果を表1~3並びに図4~8に示す。図4には、例1~16における、SLPにより測定される応力値CSのプロファイルを、図5には、例1~16におけるCS’、CS’’のグラフを示す。図7には、例17~19におけるSLPにより測定される応力値CSのプロファイルおよびCS’、CS’’のグラフを、図8(a)および(b)には例17~19における、SLPおよびFSMにより測定された応力を合成した応力プロファイルの図を示す。なお、見やすさのためCS’の絶対値でプロットしている。
[落下強度試験]
落下強度試験は、例2と例9のサンプルに関し、得られた120×60×0.7mmtのガラスサンプルを現在使用されている一般的なスマートフォンのサイズに質量と剛性を調節した構造体にはめ込み、疑似スマートフォンを用意した上で#180SiCサンドペーパーの上に自由落下させた。落下高さは、5cmの高さから落下させて割れなかった場合は5cm高さを上げて再度落下させる作業を割れるまで繰り返し、初めて割れたときの高さを落下高さとする。各例につき19枚ずつ落下試験を実施した時の結果を図6の箱ひげ図に示す。
[破砕数試験]
一辺が50mmの正方形状に加工したガラスを化学強化し、得られたガラスに対して先端角度が90度のダイヤモンド圧子を打ち込む破砕試験を行った。ガラスが破壊しなかった場合は、圧子に加える荷重を徐々に大きくしながら試験を繰り返し、破壊が生じた最小の荷重における破片の個数を破砕数としてカウントする。破砕数が10を超えた場合は、CTリミット超であると判断できる。
Figure 0007327427000002
Figure 0007327427000003
Figure 0007327427000004
表1及び2に示すように、実施例である例1~6では、CSx’’は0より大きく、0.050以下であり、CS50を比較例に対して大きくでき、落下強度が向上していることが分かる。
また、例1~6では、第1のイオン交換において、最大引張応力値CTが、-120t+164以上まで導入され、この時のCTはCTリミット超であった。一方、第2のイオン交換においては、最大引張応力値CTが、-120t+164より小さくなり、この時のCTはCTリミット未満であった。第1のイオン交換後のCTに対する、第2のイオン交換後のCT比(表1の2段強化後CT/1段強化後CT)のは0.95以下であった。このように、例1~6では、第1のイオン交換により十分に圧縮応力を導入し、第2のイオン交換によりCS50を高く保ちながらも圧縮応力の合計量を低減し、CTリミットを回避している。
一方、比較例である例9、13では、第1のイオン交換後の最大圧縮応力値CTよりも第2のイオン交換後の最大圧縮応力値CTの方が大きくなるが、CS50の値は第1のイオン交換後よりも、第2のイオン交換後の方が小さくなっている。
更に、表3に示すように、実施例である例17~19において、第2の溶融塩中にシリカゲル、シリカゲルおよび炭酸カリウムを添加することで、SLPとFSMの合成後プロファイルにおいて、「Na-K交換」が促進され、CSが向上することが分かる。

Claims (19)

  1. 厚さt[mm]を有する化学強化ガラスであって、散乱光光弾性応力計で測定される、ガラス表面からの深さx[μm]における応力値CS[MPa]のプロファイルにおいて、前記応力値の2階微分の値CS’’が、CS≧0の範囲において、下記式を満たす、化学強化ガラス。
    0<CS’’≦0.050
  2. 最大引張応力値CT[MPa]が、前記厚さt[mm]を用いて下記式で表される、請求項1に記載の化学強化ガラス。
    CT≦-120t+164
  3. 最大引張応力値CT[MPa]が、前記厚さt[mm]を用いて下記式で表される、請求項1または2に記載の化学強化ガラス。
    -120t+150≦CT
  4. ガラス表面からの深さ50[μm]における応力値CS50が、前記厚さt[mm]および最大引張応力値CT[MPa]、圧縮応力層深さDOL[mm]を用いて下記式で表される、請求項1~3のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
    CS50/(CT×(t-2×DOL))/t≧4.90
  5. 前記応力値CS[MPa]のプロファイルにおいて、前記応力値の1階微分の値CS’が-5.3以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
  6. 前記化学強化ガラスの母組成は、酸化物基準のモル%表示で、
    SiOを52~75%、
    Alを8~20%、
    LiOを5~16%、
    NaOおよびKOを合計で8%以下、
    含有する、請求項1~のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
  7. ナトリウムイオン及びカリウムイオンを含有する第1の溶融塩組成物にリチウム含有ガラスを浸漬させて、第1のイオン交換をすること、及び
    カリウムイオンを含有する第2の溶融塩組成物に前記リチウム含有ガラスを浸漬させて、第2のイオン交換をすること、を含む化学強化ガラスの製造方法であって、
    前記第1の溶融塩組成物における硝酸カリウム濃度が、硝酸ナトリウム濃度より大きく、
    前記第2の溶融塩組成物における硝酸カリウム濃度が85質量%以上であり、
    前記第2の溶融塩組成物における硝酸ナトリウム濃度が0質量%超5質量%以下であり、
    前記第2の溶融塩組成物におけるナトリウムイオン/リチウムイオンの質量比が0以上15以下である、化学強化ガラスの製造方法。
  8. 前記第1の溶融塩組成物における硝酸カリウム濃度が、50質量%超である、請求項7に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  9. 前記第2の溶融塩組成物が0.1質量%以上10質量%以下のリチウムイオンを含有する請求項7または8に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  10. 前記第1のイオン交換において、前記第1の溶融塩組成物の温度が380℃以上450℃以下である、請求項7~のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  11. 前記第1のイオン交換において、前記リチウム含有ガラスを前記第1の溶融塩組成物に0.5時間以上8時間以下浸漬させる、請求項10に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  12. 前記第2のイオン交換において、前記第2の溶融塩組成物の温度が380℃以上450℃以下である、請求項7~11のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  13. 前記第2のイオン交換において、前記リチウム含有ガラスの前記第2の溶融塩組成物への浸漬時間t2[分]は、前記第2の溶融塩組成物の温度T[℃]を用いて下記式で表される、請求項12に記載の化学強化ガラスの製造方法。
    -0.38T+173<t2<-1.4T+650
  14. 前記第2のイオン交換後の化学強化ガラスの最大引張応力値CT[MPa]が、前記第1のイオン交換後の化学強化ガラスの最大引張応力値CT[MPa]の50%~93%の値になるよう化学強化される、請求項7~13のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  15. 前記第1のイオン交換後の化学強化ガラスの最大引張応力値CT[MPa]は、化学強化ガラスの厚さt[mm]を用いて下記式で表される、請求項7~13のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
    CT>-120t+164
  16. 前記リチウム含有ガラスは、酸化物基準のモル%表示で、
    SiOを52~75%、
    Alを8~20%、
    LiOを5~16%
    NaOおよびKOを合計で8%以下
    含有する、請求項7~15のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  17. 前記第2の溶融塩組成物が、ケイ酸を含有する、請求項7~16のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  18. 前記第2の溶融塩組成物が、炭酸塩を含有する、請求項7~17のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
  19. 前記第2の溶融塩組成物が、炭酸カリウムを含有する、請求項7~18のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
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