以下に添付図面を参照して、本発明に係る車両用記録制御装置、記録制御方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
[実施形態]
図1は、実施形態に係る車両用記録制御装置(以下、「制御装置」という。)100を有する車両用記録装置10の構成例を示すブロック図である。車両用記録装置10は、車両に発生したイベントを記録する、いわゆるドライブレコーダである。車両用記録装置10は、車両の運転者の操作に基づく、車両の走行に関する反応時間の傾向に基づいて、イベントを検出する閾値を変更する。
車両用記録装置10は、車両に載置されているものに加えて、可搬型で車両において利用可能な装置であってもよい。また、車両用記録装置10は、車両にあらかじめ設置されている装置やナビゲーション装置等の機能または構成を含んで実現されてもよい。車両用記録装置10は、カメラ(撮影部)210と、記録部220と、地図情報記憶部230と、操作部240と、表示部250と、加速度センサ260と、GNSS(Global Navigation Satellite System)の一例であるGPS(Global Positioning System)受信部270と、CAN(Controller Area Network)インターフェース部(以下、「IF部」という。)280と、制御装置100とを有する。
カメラ210は、車両の周辺を撮影するカメラを有する。カメラ210は、一例としては、車両用記録装置10に固有のカメラ、または、俯瞰映像用のカメラである。本実施形態では、カメラ210は、車両の前方を撮影する図示しない前方カメラと、車両の後方を撮影する図示しない後方カメラとを有する。
前方カメラは、車両の前方に配置され、車両の前方を中心とした周辺を撮影する。前方カメラは、広角、例えば、水平方向に190°程度の撮影範囲を撮影する。前方カメラは、撮影した映像データを制御装置100の映像データ取得部120へ出力する。
後方カメラは、車両の後方に配置され、車両の後方を中心とした周辺を撮影する。後方カメラは、広角、例えば、水平方向に190°程度の撮影範囲を撮影する。後方カメラは、撮影した映像データを制御装置100の映像データ取得部120へ出力する。
カメラ210は、360°の全天周を撮像可能なカメラであってもよい。
記録部220は、車両用記録装置10におけるデータの一時記憶などに用いられる。記録部220は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、メモリカードなどの記録部である。または、図示しない通信装置を介して無線接続される外部記録部であってもよい。記録部220は、制御装置100の記録制御部123から出力された制御信号に基づいて、ループ記録映像データまたはイベント記録データを記録する。
地図情報記憶部230は、地図情報を記憶する。地図情報は、例えば、標識の種類と設置位置とを示す標識情報、信号機の設置位置を示す信号情報、踏切の位置を示す踏切情報、及び、一時停止位置を示す一時停止位置情報を含む道路地図である。地図情報記憶部230は、記憶している地図情報を停止理由検出部132へ出力する。地図情報記憶部230は、図示しない通信機能を介して地図情報を取得する外部サーバ等の記憶装置であってもよい。
操作部240は、車両用記録装置10に対する各種操作を受付可能である。例えば、操作部240は、撮影した映像データを記録部220にイベント記録データとして手動で保存する操作を受付可能である。例えば、操作部240は、記録部220に記録したループ記録映像データまたはイベント記録データを再生する操作を受付可能である。例えば、操作部240は、記録部220に記録したイベント記録データを消去する操作を受付可能である。例えば、操作部240は、ループ記録を終了する操作を受付可能である。操作部240は、操作情報を制御装置100の操作制御部125に出力する。
表示部250は、一例としては、車両用記録装置10に固有の表示装置、または、ナビゲーションシステムを含む他のシステムと共用した表示装置などである。表示部250は、カメラ210と一体に形成されていてもよい。表示部250は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイである。本実施形態では、表示部250は、車両の運転者前方の、ダッシュボード、インストルメントパネル、センターコンソールなどに配置されている。表示部250は、制御装置100の表示制御部126から出力された映像信号に基づいて、映像を表示する。表示部250は、カメラ210が撮影している映像、または、記録部220に記録された映像を表示する。
加速度センサ260は、車両に対して生じる加速度を検出するセンサである。加速度センサ260は、検出結果を制御装置100のイベント検出部128に出力する。加速度センサ260は、例えば3軸方向の加速度を検出するセンサである。3軸方向とは、車両の前後方向、左右方向、および上下方向である。
GPS受信部270は、図示しないGPS衛星から電波を受信する。GPS受信部270は、受信した電波の信号を制御装置100の位置情報取得部129へ出力する。
IF部280は、CANを介して各種車両情報を取得するためのインターフェースである。車両情報には、例えば、エンジンの動作状況や、車両の車速を含む走行状況などに関する情報が含まれている。
制御装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置(制御装置)である。制御装置100は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。制御装置100には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは制御装置100におけるデータの一時記憶などに用いられる。制御装置100は、バス110に接続された、映像データ取得部120と、バッファメモリ121と、映像データ処理部122と、記録制御部123と、再生制御部124と、操作制御部125と、表示制御部126と、加速度情報取得部127と、イベント検出部128と、位置情報取得部129と、車両情報取得部130と、反応時間取得部131と、停止理由検出部132と、閾値設定部133とを有する。
映像データ取得部120は、車両の周辺を撮影した映像データを取得する。より詳しくは、映像データ取得部120は、カメラ210が出力した映像データを取得して、バッファメモリ121に出力する。
バッファメモリ121は、制御装置100が備える内部メモリであり、映像データ取得部120が取得した一定時間分の映像データを、更新しながら一時的に記録するメモリである。
映像データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している映像データを、例えばH.264やMPEG-4(Moving Picture Experts Group)などの任意の方式のコーデックで符号化された、例えばMP4形式などの任意のファイル形式に変換する。映像データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している映像データから、一定時間分のファイルとした映像データを生成する。具体例として、映像データ処理部122は、バッファメモリ121が一時的に記憶している映像データを、記録順に60秒間の映像データをファイルとして生成する。映像データ処理部122は、生成した映像データを記録制御部123へ出力する。また、映像データ処理部122は、生成した映像データを表示制御部126へ出力する。ファイルとして生成される映像データの期間は、一例として60秒としたが、これには限定されない。ここで言う映像データとは、カメラ210が撮影した映像に加えて音声が含まれたデータであってもよい。
記録制御部123は、映像データ処理部122でファイル化された映像データを、記録部220に記録させる制御を行う。記録制御部123は、車両のアクセサリ電源がONであるときなど、ループ記録処理を実行する期間は、映像データ処理部122でファイル化された映像データを、上書き可能な映像データとして、記録部220に記録する。より詳しくは、記録制御部123は、ループ記録処理を実行する期間は、映像データ処理部122が生成した映像データを記録部220に記録し続け、記録部220の容量が一杯になった場合、最も古い映像データに新しい映像データを上書きして記録する。
さらに、記録制御部123は、イベント検出部128がイベントの発生を検出した場合、イベントの検出に対応する映像データを保存する。イベントの検出に対応する映像データとは、映像データ処理部122が生成した映像データにおける所定の期間の映像データである。記録制御部123は、イベントの検出に対応する映像データを、上書きが禁止されたイベント記録データとして記録部220に保存する。
記録制御部123が記録部220に保存するイベント記録データは、例えば、イベントが検出された時点の前後10秒程度の所定の期間の映像データをバッファメモリ121からコピーし、イベント記録データとして保存する。
再生制御部124は、操作制御部125から出力された再生操作の制御信号に基づいて、記録部220に記録されたループ記録映像データまたはイベント記録データを再生するよう制御する。
操作制御部125は、操作部240が受け付けた操作の操作情報を取得する。例えば、操作制御部125は、映像データの手動保存操作を示す保存操作情報、再生操作を示す再生操作情報、または、映像データの消去操作を示す消去操作情報を取得して制御信号を出力する。例えば、操作制御部125は、ループ記録を終了する操作を示す終了操作情報を取得して制御信号を出力する。
表示制御部126は、表示部250における映像データの表示を制御する。表示制御部126は、映像データを表示部250に出力させる映像信号を出力する。より詳しくは、表示制御部126は、カメラ210が撮影している映像、または、記録部220に記録されたループ記録映像データまたはイベント記録データの再生によって表示する映像信号を出力する。
加速度情報取得部127は、加速度センサ260の検出結果から、車両に加わる加速度を示す加速度情報を取得する。
イベント検出部128は、加速度情報取得部127が取得した加速度センサ260の検出結果に基づいて、イベントを検出する。より詳しくは、イベント検出部128は、加速度情報取得部127が取得した加速度情報が、閾値設定部133が設定した閾値以上である場合、イベントが発生したことを検出する。
位置情報取得部129は、車両の現在位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得部129は、GPS受信部270が受信した電波に基づいて、車両の現在位置の位置情報を公知の方法によって算出する。位置情報取得部129は、準天頂衛星を含む他の測位システムを使用して、車両の現在位置の位置情報を算出してもよい。
車両情報取得部130は、IF部280が取得した車両情報を取得する。
反応時間取得部131は、車両の運転者の操作に基づく、車両の走行に関する反応時間を示す反応時間情報を取得する。本実施形態では、車両の走行に関する反応時間は、車両の周囲の状況に応じて発進操作またはブレーキ操作を行った時間として説明する。
反応時間取得部131は、車両情報取得部130が取得した車両情報に基づいて、運転者の操作によって、車両の運転者が発進操作を行った時間を反応時間情報として取得する。反応時間取得部131は、反応時間情報として、車両が停止をしてから発進する発進タイミングを取得してもよい。
反応時間取得部131は、車両情報取得部130が取得した車両情報に基づいて、車両の運転者がブレーキ操作を行った時間を反応時間情報として取得する。反応時間取得部131は、車両の車速がゼロになって停止した時間を含んで反応時間情報を取得してもよい。
反応時間取得部131は、停止理由検出部132が検出した停止理由に基づいて、車両の運転者の操作に基づく、車両の走行に関する反応時間を示す反応時間情報を取得してもよい。より詳しくは、反応時間取得部131は、反応時間情報として、車両が停止理由に基づいて停止する停止タイミングを取得してもよい。反応時間取得部131は、例えば、前方の他車両が停止している、信号機が赤である、または、踏切の遮断機が下りていることによって、車両が停止する停止タイミングを取得してもよい。または、反応時間取得部131は、反応時間情報として、車両が停止理由に基づく停止をしてから発進する発進タイミングを取得してもよい。反応時間取得部131は、例えば、前方の他車両が発進した、信号機が青になった、または、踏切の遮断機が上がったことによって、車両が発進する発進タイミングを取得してもよい。
前方の他車両、信号機、踏切の遮断機の情報は、例えば、車両の周辺を撮影した映像データに画像処理を行い、前方の他車両が発進したこと、車両に対面する信号機が進行可能を示す状態に変わったこと、踏切の遮断機が上がったことなどを検出してもよい。または、前方の他車両、信号機、踏切の遮断機の情報は、例えば、車車間通信によって前方の他車両から取得しても、路車間通信によって信号機または踏切から取得してもよい。
停止理由検出部132は、位置情報取得部129が取得した現在位置情報から車両の停止理由を検出する。停止理由検出部132は、地図情報記憶部230が記憶した地図情報と現在位置情報とに基づいて、車両の現在位置の近傍の停止理由を取得する。例えば、停止理由検出部132は、一時停止の標識、信号機、踏切及び横断歩道等を停止理由として取得する。停止理由は、位置を示す位置情報が関連付けられている。
停止理由検出部132は、例えば、車両の周辺を撮影した映像データに画像処理を行い、車両の前方が渋滞していて、他車両が停止していること検出した場合、渋滞を停止理由として取得してもよい。
停止理由検出部132は、例えば、車両の周辺を撮影した映像データに画像処理を行い、車両の前方に停止している他車両及びその他の物体を含む、車両の進路を塞ぐ障害物が存在することを検出した場合、障害物を停止理由として取得してもよい。
閾値設定部133は、反応時間取得部131が取得した反応時間情報の傾向に基づいて、イベントを検出するための加速度の閾値を変更する。
閾値設定部133は、車両の現在位置が、停止理由の所定範囲内にある場合、イベントを検出するための加速度の閾値を変更する。停止理由の所定範囲は、停止理由に対応する位置から所定範囲のことをいう。例えば、停止理由の所定範囲は、停止理由の位置から停止理由の手前例えば5m程度としてもよい。
閾値設定部133は、反応時間取得部131が取得した反応時間情報が、車両が停止理由に基づく停止をしてから発進する発進タイミングが比較的遅い傾向にあることを示す場合、イベントを検出するための加速度の閾値を低く変更する。発進タイミングが比較的遅い場合における停止理由は、例えば、信号機、交差点、横断歩道、鉄道踏切を含む信号機等、及び、一時停止を含む。いずれの停止理由も、前方の他車両の有無は問わない。停止理由は、例えば、渋滞、及び、障害物を含む。発進タイミングが比較的遅いとは、停止理由が解消されてから車両が発進するまでの時間の適切な範囲を示す所定範囲より、発進が遅いことをいう。したがって、発進タイミングが比較的遅い傾向とは、停止理由が解消されてから車両が発進するまでの時間の適切な範囲を示す所定範囲より発進が遅い場合が比較的多いことをいう。具体的には、10回の発進に対して7回以上、停止理由が解消されてから車両が発進するまでの時間の適切な範囲を示す所定範囲より発進が遅い場合などである。
車両に後続して他車両が存在する場合について説明する。比較的遅いとは、例えば、車両が発進可能になってから2秒以上経過してから発進するような場合をいう。比較的遅いとは、例えば、信号機等の情報に基づいて後続の他車両がスムーズに発進できない時間が経過することをいう。比較的遅いとは、後続の他車両が車両に対して「まだ発進しないのか?」と思ってしまうような時間、後続の他車両からクラクションが鳴らされるような時間、または、後続の他車両の運転者にいらいらされて違和感を感じられるような時間が経過することをいう。このように、車両の発進タイミングが比較的遅い場合、後続の他車両に追突される可能性がある。
車両の前方に他車両が存在し、かつ、車両の後続他車両が存在する場合について説明する。比較的遅いとは、例えば、車両が停止している状態で他車両が発進してから2秒以上経過してから発進するような場合をいう。比較的遅いとは、車両の前方他車両が発進してから車両の発進を待って後続の他車両がスムーズに発進できない時間が経過することをいう。後続の他車両が車両に対して「まだ発進しないのか?」と思ってしまうような時間、クラクションが鳴らされるような時間、または、いらいらされて違和感を感じられるような時間が経過することをいう。このように、車両の発進タイミングが比較的遅い場合、後続の他車両に追突される可能性がある。
閾値設定部133は、反応時間取得部131が取得した反応時間情報が、車両が停止理由に基づく停止をしてから発進する発進タイミングが比較的早い傾向にあることを示す場合、イベントを検出するための加速度の閾値を低く変更する。発進タイミングが比較的早い場合における停止理由は、例えば、信号機、交差点、横断歩道、鉄道踏切を含む信号機等を含む。いずれの停止理由も、前方の他車両の有無は問わない。停止理由は、例えば、渋滞、及び、障害物を含む。発進タイミングが比較的早いとは、停止理由が解消されてから車両が発進するまでの時間の適切な範囲を示す所定範囲より、発進が早いことをいう。したがって、発進タイミングが比較的早い傾向とは、停止理由が解消されてから車両が発進するまでの時間の適切な範囲を示す所定範囲より発進が早い場合が比較的多いことをいう。具体的には、10回の発進に対して7回以上、停止理由が解消されてから車両が発進するまでの時間の適切な範囲を示す所定範囲より発進が早い場合などである。
比較的早いとは、車両が停止している状態で前方の他車両が発進してから0.5秒未満で発進するようなことを言う。車両の発進が比較的早い場合、前方の他車両に追突する可能性がある。また、車両が前方の他車両に近づきすぎて、前方の他車両の挙動に基づき急制動した場合、後方の他車両が車両に追突する可能性がある。
図2を用いて、発進タイミングについて説明する。図2は、反応時間の一例として車両の発進タイミングを説明する図である。図2では、前方の他車両が存在せず、信号機等の情報に基づき発進可能となった時点をT1とする。時点T1において、信号機等の情報が車両の進行許可を示す。T2は、車両が発進した時点を示す。車両が発進するまでの時間の適切な範囲を示す所定範囲は、時点T1から時点T1+Δt1までの範囲とする。
所定範囲は、後続の他車両が存在しない場合、例えば、時点T1から2秒後までとする。所定範囲は、前方の他車両が存在し、かつ、後続の他車両が存在する場合、例えば、時点T1から0.5秒後から3秒後までとする。
図2(a)は、発進タイミングが所定範囲内の場合を示す。この場合、時点T2は、所定範囲内である。図2(b)は、発進タイミングが所定範囲より遅い場合を示す。この場合、時点T2は、所定範囲より遅い。図2(c)は、発進タイミングが所定範囲より早い場合を示す。この場合、時点T2は、所定範囲より前、言い換えると、時点T1より前である。
図3を用いて、車両の前方に他車両が存在する場合の発進タイミングについて説明する。図3は、反応時間の他の例として車両の発進タイミングを説明する図である。図3では、前方の他車両が存在し、信号機等の情報に基づき発進可能になった時点をT3とする。時点T3において、信号機等の情報が車両の進行許可を示す。T4は、車両が発進動作を開始した時点を示す。信号機等の情報が車両の進行許可を示してから車両が発進するまでの時間の適切な範囲を示す所定範囲は、時点T3後の時点T5から時点T5+Δt2までの範囲とする。
図3(a)は、発進タイミングが所定範囲内の場合を示す。この場合、時点T4は、所定範囲内である。図3(b)は、発進タイミングが所定範囲より遅い場合を示す。この場合、時点T4は、所定範囲より遅い。図3(c)は、発進タイミングが所定範囲より早い場合を示す。この場合、時点T4は、所定範囲より前、言い換えると、時点T5より前である。
閾値設定部133は、反応時間取得部131が取得した反応時間情報が、車両が停止理由に基づいて停止する停止タイミングが比較的遅い傾向にあることを示す場合、イベントを検出するための加速度の閾値を低く変更する。停止タイミングが比較的遅い場合における停止理由は、例えば、信号機、交差点、横断歩道、鉄道踏切を含む信号機等、及び、一時停止を含む。いずれの停止理由も、前方の他車両の有無は問わない。また、後続他車両が存在する場合に、イベントを検出するための加速度の閾値を低く変更してもよい。停止タイミングが比較的遅いとは、車両が停止理由によって停止すべき時間の適切な範囲を示す所定範囲より、停止が遅いことをいう。また、停止タイミングは、車両の停止後に、ブレーキ操作開始から停止までの時間が所定範囲内であるか、所定範囲より遅いか、または、所定範囲より早いかを判定する。
停止タイミングが所定範囲より遅いか否かの判定は、前方の他車両がある場合、判定対象外とする。停止タイミングが所定範囲より遅いか否かの判定は、後方の他車両がない場合、後方の他車両がないことを確認し、意図的にゆっくり停止する場合もあるため、判定対象外とする。
閾値設定部133は、反応時間取得部131が取得した反応時間情報が、車両が停止理由に基づいて停止する停止タイミングが比較的早い傾向にあることを示す場合、イベントを検出するための加速度の閾値を低く変更する。停止タイミングが比較的早い場合における停止理由は、例えば、信号機、交差点、横断歩道、鉄道踏切を含む信号機等を含む。いずれの停止理由も、前方の他車両の有無は問わない。停止理由は、例えば、渋滞、及び、障害物を含む。停止タイミングが比較的早いとは、車両が停止理由によって停止すべき時点から車両が停止するまでの時間の適切な範囲を示す所定範囲より、停止が早いことをいう。
図4を用いて、停止タイミングの所定範囲について説明する。図4は、停止タイミングの所定範囲を説明する図である。例えば、車両が走行中に、前方に赤信号、一時停止等の停止理由が存在する場合、ブレーキ操作を開始してから停止するまでの時間を測定する。所定範囲は、車両の走行速度(ブレーキ操作開始時の速度)で変動する。例えば、車両が40km/hでブレーキ操作を開始してから停止するまでの時間、5秒から10秒を所定範囲とする。停止タイミングが所定範囲より遅い場合、例えば車両が40km/hでブレーキ操作を開始してから15秒かけて停止した場合、後続他車両の停止タイミングと合わず、追突可能性がある。停止タイミングが所定範囲より早い場合、例えば車両が40km/hでブレーキ操作を開始してから3秒かけて停止した場合、いわゆる急制動になる。このような急制動になるのは、車両の運転者が停止理由に気付くのが遅いことが原因である。前方の他車両がある場合には追突する可能性があり、後続の他車両がある場合、追突される可能性がある。
閾値設定部133は、閾値変更条件が満たされると判定される場合、イベントを検出するための加速度の閾値を変更する。より詳しくは、閾値設定部133は、発進タイミングが所定範囲ではない場合、または、停止タイミングが所定範囲ではない場合、閾値変更条件として記録、例えば、閾値変更条件のカウンタをカウントアップしてもよい。そして、閾値設定部133は、閾値変更条件が満たされると判定される場合、例えば、閾値変更条件のカウンタが所定値以上である場合、イベントを検出するための加速度の閾値を変更する。
日常的に、閾値変更条件が記録される運転を行っている場合、常時、車両の運転時は、閾値変更条件を満たすと判定する。例えば、過去1ヶ月以内の停止理由による停止時の60%以上で、閾値変更条件が記録される運転が行われた場合である。
日常的には閾値変更条件が記録される運転を行っていないが、突発的に閾値変更条件が記録される運転が増加した場合、閾値変更条件が記録される運転が増加している間、閾値変更条件を満たすと判定する。例えば、過去1ヶ月以内の停止理由による停止時の5%で、閾値変更条件が記録される運転が行われ、ある日に限って運転開始から30分間の停止理由による停止時の70%で、閾値変更条件が記録された場合である。閾値変更条件が記録される運転が通常時と同様にまで減少すれば、閾値変更条件を満たしていないと判定してもよい。
例えば、カーシェアリング車両、レンタカー車両及び社用車両を含む複数人が運転する車両において、運転者が変更された後、閾値変更条件が記録される運転が増加した場合、閾値変更条件を満たすと判定する。
次に、図5ないし図10を用いて、制御装置100における処理の流れについて説明する。本実施形態では、閾値変更条件が満たされると判定される場合、イベントを検出するための加速度の閾値を変更するものとして説明する。
まず、図5は、実施形態に係る制御装置100における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
制御装置100は、車両が停止したか否かを判定する(ステップS101)。より詳しくは、制御装置100は、車両情報取得部130が取得した車両情報に基づいて、車速がゼロであるか否かによって車両が停止したか否かを判定する。または、制御装置100は、位置情報取得部129が取得した位置情報に基づいて、車両の現在位置の変動から車両が停止したか否かを判定してもよい。制御装置100は、車速がゼロである場合、車両が停止したと判定して(ステップS101でYes)、ステップS102へ進む。制御装置100は、車速がゼロ以上である場合、車両が停止していないと判定して(ステップS101でNo)、本処理を終了する。
制御装置100は、車両の現在位置が信号機等の手前であるか否かを判定する(ステップS102)。より詳しくは、制御装置100は、位置情報取得部129が取得した位置情報と、停止理由検出部132が取得した地図情報から、車両の現在位置が信号機等の手前であるか否かを判定する。そして、制御装置100は、車両の現在位置が信号機等の手前であると判定する場合(ステップS102でYes)、ステップS103へ進む。制御装置100は、車両の現在位置が信号機等の手前ではないと判定する場合(ステップS102でNo)、本処理を終了する。
制御装置100は、車両の前方に他車両が存在するか否かを判定する(ステップS103)。より詳しくは、制御装置100は、映像データ取得部120が取得した車両の前方の映像データに画像処理を行って、車両の前方に他車両が存在するか否かを判定する。制御装置100は、車両の前方に他車両が存在すると判定する場合(ステップS103でYes)、ステップS105へ進む。制御装置100は、車両の前方に他車両が存在しないと判定する場合(ステップS103でNo)、ステップS104へ進む。
制御装置100は、車両が発進可能であるか否かを判定する(ステップS104)。より詳しくは、制御装置100は、映像データ取得部120が取得した車両の前方の映像データに画像処理を行って、信号機が車両の進行許可を示すか否かを判定する。制御装置100は、車両が発進可能であると判定する場合(ステップS104でYes)、ステップS106へ進む。制御装置100は、車両が発進可能ではないと判定する場合(ステップS104でNo)、ステップS104の処理を再度実行する。
制御装置100は、前方の他車両が発進したか否かを判定する(ステップS105)。より詳しくは、制御装置100は、映像データ取得部120が取得した車両の前方の映像データに画像処理を行って、前方の他車両が発進したか否かを判定する。または、制御装置100は、図示しないレーダ等によって測定した車両と前方他車両との車間の変動に基づいて、前方の他車両が発進したか否かを判定してもよい。制御装置100は、前方の他車両が発進したと判定する場合(ステップS105でYes)、ステップS106へ進む。制御装置100は、前方の他車両が発進していないと判定する場合(ステップS105でNo)、ステップS105の処理を再度実行する。
制御装置100は、車両が発進したか否かを判定する(ステップS106)。より詳しくは、制御装置100は、車両情報取得部130が取得した車速を示す車両情報に基づいて、車両が発進したか否かを判定する。制御装置100は、車両が発進したと判定する場合(ステップS106でYes)、ステップS107へ進む。制御装置100は、車両が発進していないと判定する場合(ステップS106でNo)、ステップS106の処理を再度実行する。
制御装置100は、車両の発進タイミングが所定範囲内であるか否かを判定する(ステップS107)。より詳しくは、制御装置100は、閾値設定部133によって、反応時間取得部131が取得した反応時間情報に基づいて、発進タイミングが所定範囲内であるか否かを判定する。閾値設定部133によって、発進タイミングが所定範囲内であると判定する場合(ステップS107でYes)、ステップS108へ進む。閾値設定部133によって、発進タイミングが所定範囲内ではないと判定する場合(ステップS107でNo)、ステップS108へ進む。
発進タイミングが所定範囲内であると判定する場合(ステップS107でYes)、制御装置100は、閾値設定部133によって、閾値変更条件として記録しない(ステップS108)。そして、本処理を終了する。
発進タイミングが所定範囲内ではないと判定する場合(ステップS107でNo)、制御装置100は、閾値設定部133によって、閾値変更条件として記録する(ステップS109)。そして、本処理を終了する。
図6は、実施形態に係る制御装置100における処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS111、ステップS113、ステップS114ないしステップS117の処理、図5に示すフローチャートのステップS101、ステップS105、ステップS106ないしステップS109と同様の処理を行う。
制御装置100は、車両の現在位置が渋滞中であるか否かを判定する(ステップS112)。より詳しくは、停止理由検出部132によって、位置情報取得部129が取得した位置情報とおよびリアルタイムに渋滞情報が更新される地図情報とに基づいて、車両の現在位置が渋滞中であるか否かを判定する。停止理由検出部132によって、車両の現在位置が渋滞中であると判定される場合(ステップS112でYes)、ステップS113へ進む。停止理由検出部132によって、車両の現在位置が渋滞中であると判定されなかった場合(ステップS112でNo)、本処理を終了する。
図7は、実施形態に係る制御装置100における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
制御装置100は、停止する信号機等が存在するか否かを判定する(ステップS121)。より詳しくは、停止理由検出部132によって、位置情報取得部129が取得した位置情報と、停止理由検出部132が取得した地図情報に基づいて、車両が停止する信号機等が存在するか否かを判定する。停止理由検出部132によって、停止する信号機等が存在すると判定する場合(ステップS121でYes)、ステップS122へ進む。停止理由検出部132によって、停止する信号機等が存在しないと判定する場合(ステップS121でNo)、本処理を終了する。
制御装置100は、車両の後方に他車両が存在するか否かを判定する(ステップS122)。より詳しくは、制御装置100は、映像データ取得部120が取得した車両の前方の映像データに画像処理を行って、車両の後方に他車両が存在するか否かを判定する。制御装置100は、車両の後方に他車両が存在すると判定する場合(ステップS122でYes)、ステップS123へ進む。制御装置100は、車両の後方に他車両が存在しないと判定する場合(ステップS122でNo)、本処理を終了する。
制御装置100は、車両が停止したか否かを判定する(ステップS123)。より詳しくは、制御装置100は、車両情報取得部130が取得した車両情報に基づいて、車速がゼロであるか否かによって車両が停止したか否かを判定する。制御装置100は、車速がゼロである場合、車両が停止したと判定して(ステップS123でYes)、ステップS124へ進む。制御装置100は、車速がゼロ以上である場合、車両が停止していないと判定して(ステップS123でNo)、ステップS123の処理を再度実行する。
制御装置100は、車両の停止タイミングが所定範囲より遅いか否かを判定する(ステップS124)。より詳しくは、制御装置100は、閾値設定部133によって、反応時間取得部131が取得した反応時間情報に基づいて、停止タイミングが所定範囲より遅いか否かを判定する。閾値設定部133によって、停止タイミングが所定範囲より遅いと判定する場合(ステップS124でYes)、ステップS126へ進む。閾値設定部133によって、停止タイミングが所定範囲より遅くないと判定する場合(ステップS124でNo)、ステップS125へ進む。
停止タイミングが所定範囲より遅くないと判定する場合(ステップS124でNo)、制御装置100は、閾値設定部133によって、閾値変更条件として記録しない(ステップS125)。そして、本処理を終了する。
停止タイミングが所定範囲より遅いと判定する場合(ステップS124でYes)、制御装置100は、閾値設定部133によって、閾値変更条件として記録する(ステップS126)。そして、本処理を終了する。
図8は、実施形態に係る制御装置100における処理の流れの一例を示すフローチャートである。ステップS211、ステップS212、ステップS214、ステップS215の処理は、図7に示すフローチャートのステップS121、ステップS123、ステップS125、ステップS126と同様の処理を行う。
制御装置100は、車両の停止タイミングが所定範囲より早いか否かを判定する(ステップS133)。より詳しくは、制御装置100は、閾値設定部133によって、反応時間取得部131が取得した反応時間情報に基づいて、停止タイミングが所定範囲より早いか否かを判定する。閾値設定部133によって、停止タイミングが所定範囲より早いと判定する場合(ステップS133でYes)、ステップS135へ進む。閾値設定部133によって、停止タイミングが所定範囲より早くないと判定する場合(ステップS133でNo)、ステップS134へ進む。
図9は、実施形態に係る制御装置100における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図9は、車両の運転者が閾値変更条件を満たす傾向にある場合、車両の利用開始当初から閾値を変更することを説明した例である。
制御装置100は、閾値設定部133によって、閾値変更条件を満たすか否かを判定する(ステップS141)。制御装置100は、閾値変更条件を満たすと判定した場合(ステップS141でYes)、ステップS142へ進む。制御装置100は、閾値変更条件を満たさないと判定した場合(ステップS141でNo)、ステップS143へ進む。
制御装置100は、閾値設定部133によって、閾値を低く設定する(ステップS142)。制御装置100は、ステップS143へ進む。具体例として、通常の閾値、つまり閾値を低く変更しない閾値を1.5Gとし、閾値を低く変更した場合は0.6Gとする。
制御装置100は、ループ記録、設定したイベントを検出するための加速度の閾値でイベント検出を開始する(ステップS143)。より詳しくは、映像データ処理部122によって、ループ記録を開始する。また、設定された加速度の閾値での加速度センサ260による加速度の検出が開始される。加速度の閾値は、ステップS142を実行している場合、通常より低く設定され、ステップS142を実行していない場合、通常の閾値が設定されている。イベント検出部128によって、検出された加速度に基づいて、イベント検出を開始する。制御装置100は、ステップS144へ進む。
制御装置100は、イベント検出部128による検出結果に基づいて、イベントを検出したか否かを判定する(ステップS144)。イベント検出部128によって、検出された加速度が閾値以上である場合、イベントを検出したと判定して(ステップS144でYes)、ステップS145に進む。または、イベント検出部128によって、検出された加速度が閾値以上ではないと判定する場合、イベントを検出しないと判定して(ステップS144でNo)、ステップS146に進む。
イベントを検出したと判定した場合(ステップS144でYes)、記録制御部123によって、撮影された映像データをイベント記録データとして記録部220に上書きを禁止して保存させ(ステップS145)、ステップS146に進む。イベント記録データは、イベント検出時点の前後の時間を含む映像データである。
制御装置100は、ループ記録、イベント検出を終了するか否かを判定する(ステップS146)。例えば、車両の電源や動力がOFFにされたことや、操作部240の操作がされたことなどで、ループ記録、イベント検出を終了することが判定される。制御装置100は、ループ記録、イベント検出を終了すると判定された場合(ステップS146でYes)、本処理を終了する。制御装置100は、ループ記録、イベント検出を終了すると判定されない場合(ステップS146でNo)、ステップS144の処理を再度実行する。
図10は、実施形態に係る制御装置100における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図10は、停止理由による停止毎に、閾値の変更を判断することを説明した例である。ステップS153、ステップS154、ステップS155、ステップS156、ステップS159、ステップS160、S161の処理は、図5に示すフローチャートのステップS141、ステップS142、ステップS144、ステップS145、ステップS146と同様の処理を行う。また、ステップS159、ステップS160、ステップS162の処理は、ステップS155、ステップS156、ステップS161と同様の処理を行う。
制御装置100は、ループ記録、通常のイベントを検出するための加速度の閾値でイベント検出を開始する(ステップS151)。より詳しくは、映像データ処理部122によって、ループ記録を開始する。制御装置100は、通常の加速度の閾値での加速度センサ260による加速度の検出を開始する。イベント検出部128によって、検出された加速度に基づいて、イベント検出を開始する。制御装置100は、ステップS152へ進む。
制御装置100は、車両が停止理由の所定範囲内に入ったか否かを判定する(ステップS152)。より詳しくは、停止理由検出部132によって、地図情報記憶部230が記憶した地図情報と、位置情報取得部129が取得した現在位置情報とに基づいて、車両の現在位置が停止理由の所定範囲内であるか否かを判定する。停止理由検出部132によって、車両が停止理由の所定範囲内に入ったと判定する場合(ステップS152でYes)、ステップS153へ進む。停止理由検出部132によって、車両が停止理由の所定範囲内に入っていないと判定する場合(ステップS152でNo)、ステップS159へ進む。
制御装置100は、車両が停止理由の所定範囲から出たか否かを判定する(ステップS157)。より詳しくは、停止理由検出部132によって、地図情報記憶部230が記憶した地図情報と、位置情報取得部129が取得した現在位置情報とに基づいて、車両の現在位置が停止理由の所定範囲から出たか否かを判定する。制御装置100は、車両が停止理由の所定範囲から出たと判定する場合(ステップS157でYes)、ステップS158へ進む。制御装置100は、車両が停止理由の所定範囲から出ていないと判定する場合(ステップS157でNo)、ステップS162へ進む。
車両が停止理由の所定範囲から出たと判定する場合(ステップS157でYes)、制御装置100は、閾値設定部133によって、閾値を通常の値に設定する(ステップS158)。制御装置100は、ステップS159へ進む。
このように、車両の運転者の操作に基づく、車両の走行に関する反応時間の傾向に基づいて、イベントを検出するための加速度の閾値が変更される。
上述したように、本実施形態では、車両の運転者の操作に基づく、車両の走行に関する反応時間の傾向に基づいて、イベントを検出するための加速度の閾値を変更することができる。本実施形態によれば、衝突としては検出されない、軽微な衝突及び接触が発生しやすい状況において、イベントを検出するための加速度の閾値を設定しておくことができる。
本実施形態では、停止理由に基づいて取得した反応時間の傾向に基づいて、イベントを検出するための加速度の閾値を変更することができる。本実施形態によれば、停止理由に対する車両の運転者の反応に応じて、イベントを検出するための加速度の閾値を変更することができる。
本実施形態では、車両の現在位置が、停止理由の所定範囲内にある場合、イベントを検出するための加速度の閾値を変更する。本実施形態によれば、加速度の閾値の変更が必要な状況である場合に限って、変更することができる。本実施形態によれば、不用意に、加速度の閾値が変更されることを抑制することができる。
本実施形態では、車両が停止理由に基づく停止をしてから発進する発進タイミングが比較的遅い傾向にあることを示す場合、イベントを検出するための加速度の閾値を低く変更する。本実施形態によれば、車両の発進タイミングが比較的遅く、後続の他車両に追突される可能性がある場合、イベントを検出するための加速度の閾値を低く変更することができる。
本実施形態では、車両が停止理由に基づく停止をしてから発進する発進タイミングが比較的早い傾向にあることを示す場合、イベントを検出するための加速度の閾値を低く変更する。本実施形態によれば、車両の発進タイミングが比較的早く、前方の他車両に追突する可能性がある場合、または、後方の他車両が車両に追突する可能性がある場合、イベントを検出するための加速度の閾値を低く変更することができる。
本実施形態では、車両が停止理由に基づく停止をしてから発進する停止タイミングが比較的遅い傾向にあることを示す場合、イベントを検出するための加速度の閾値を低く変更する。本実施形態によれば、車両の停止タイミングが比較的遅く、後続の他車両に追突される可能性がある場合、イベントを検出するための加速度の閾値を低く変更することができる。
本実施形態では、車両が停止理由に基づく停止をしてから発進する停止タイミングが比較的早い傾向にあることを示す場合、イベントを検出するための加速度の閾値を低く変更する。本実施形態によれば、停止タイミングが比較的早く、前方の他車両に追突する可能性がある場合、または、後方の他車両が車両に追突する可能性がある場合、イベントを検出するための加速度の閾値を低く変更することができる。
本実施形態は、閾値変更条件が満たされると判定される場合、イベントを検出するための加速度の閾値を変更してもよい。例えば、日常的に、閾値変更条件が記録される運転を行っている場合、常時、車両の運転時は、閾値変更条件を満たすと判定することができる。または、例えば、日常的には閾値変更条件が記録される運転を行っていないが、突発的に閾値変更条件が記録される運転が増加した場合、閾値変更条件が記録される運転が増加している間、閾値変更条件を満たすと判定することができる。または、例えば、カーシェアリング車両、レンタカー車両及び社用車両を含む複数人が運転する車両において、運転者が変更された後、閾値変更条件が記録される運転が増加した場合、閾値変更条件を満たすと判定することができる。このように、様々な状況に応じて、イベントを検出するための加速度の閾値を適切に設定することができる。
本発明に係る車両用記録装置10は、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてもよい。
図示した車両用記録装置10の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
車両用記録装置10の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。