本開示は、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物及びそれらの薬学的に許容される塩を包含する。これらの化合物及びそれらの薬学的に許容される塩は、免疫応答を誘発させるための、STING依存性I型インターフェロンの産生を誘発させるための、及び/又は、細胞増殖性疾患を治療するための薬剤として有用であり得る。
第1の実施形態の第10の態様は、医薬組成物に関し、ここで、該医薬組成物は、(a)第1の実施形態若しくは上記で記載した第1~9の態様の上記一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;及び、(b)薬学的に許容される担体を含む。
第1の実施形態の第11の態様は、治療を必要とする患者において免疫応答を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の第1の実施形態若しくは上記で記載した第1~9の態様の上記一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第1の実施形態の第12の態様は、治療を必要とする患者において免疫応答を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第10の態様の組成物を投与することを含む。
第1の実施形態の第13の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第1の実施形態若しくは上記で記載した第1~9の態様の一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第1の実施形態の第14の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第10の態様の組成物を投与することを含む。
第1の実施形態の第15の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第1の実施形態若しくは上記で記載した第1~9の態様の一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第1の実施形態の第16の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第10の態様の組成物を投与することを含む。
第1の実施形態の第17の態様は、治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の一般式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。第1の実施形態のこの第17の態様の例においては、該細胞増殖性疾患は、癌である。
第1の実施形態の第18の態様は、治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第11の態様の組成物を投与することを含む。第1の実施形態のこの第18の態様の例においては、該細胞増殖性疾患は、癌である。
第2の実施形態の第10の態様は、医薬組成物に関し、ここで、該医薬組成物は、(a)第2の実施形態若しくは上記で記載した第1~9の態様の上記一般式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;及び、(b)薬学的に許容される担体を含む。
第2の実施形態の第11の態様は、治療を必要とする患者において免疫応答を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の第2の実施形態若しくは上記で記載した第1~9の態様の上記一般式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第2の実施形態の第12の態様は、治療を必要とする患者において免疫応答を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第10の態様の組成物を投与することを含む。
第2の実施形態の第13の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第2の実施形態若しくは上記で記載した第1~9の態様の一般式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第2の実施形態の第14の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第10の態様の組成物を投与することを含む。
第2の実施形態の第15の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第2の実施形態若しくは上記で記載した第1~9の態様の一般式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第2の実施形態の第16の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第10の態様の組成物を投与することを含む。
第2の実施形態の第17の態様は、治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の一般式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。第2の実施形態のこの第17の態様の例においては、該細胞増殖性疾患は、癌である。
第2の実施形態の第18の態様は、治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第11の態様の組成物を投与することを含む。第2の実施形態のこの第18の態様の例においては、該細胞増殖性疾患は、癌である。
第3の実施形態の第10の態様は、医薬組成物に関し、ここで、該医薬組成物は、(a)第3の実施形態若しくは上記で記載した第1~9の態様の一般式(III)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;及び、(b)薬学的に許容される担体を含む。
第3の実施形態の第11の態様は、治療を必要とする患者において免疫応答を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の第3の実施形態若しくは上記で記載した第1~9の態様の一般式(III)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第3の実施形態の第12の態様は、治療を必要とする患者において免疫応答を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第10の態様の組成物を投与することを含む。
第3の実施形態の第13の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第3の実施形態若しくは上記で記載した第1~9の態様の一般式(III)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第3の実施形態の第14の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第10の態様の組成物を投与することを含む。
第3の実施形態の第15の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第3の実施形態若しくは上記で記載した第1~9の態様の一般式(III)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第3の実施形態の第16の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第10の態様の組成物を投与することを含む。
第3の実施形態の第17の態様は、治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の一般式(III)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。第3の実施形態のこの第17の態様の例においては、該細胞増殖性疾患は、癌である。
第3の実施形態の第18の態様は、治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第11の態様の組成物を投与することを含む。第3の実施形態のこの第18の態様の例においては、該細胞増殖性疾患は、癌である。
第4の実施形態の第10の態様は、医薬組成物に関し、ここで、該医薬組成物は、(a)第4の実施形態若しくは上記で記載した第1~9の態様の一般式(IV)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;及び、(b)薬学的に許容される担体を含む。
第4の実施形態の第11の態様は、治療を必要とする患者において免疫応答を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の第4の実施形態若しくは上記で記載した第1~9の態様の一般式(IV)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第4の実施形態の第12の態様は、治療を必要とする患者において免疫応答を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第10の態様の組成物を投与することを含む。
第4の実施形態の第13の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第4の実施形態若しくは上記で記載した第1~9の態様の一般式(IV)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第4の実施形態の第14の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第10の態様の組成物を投与することを含む。
第4の実施形態の第15の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第4の実施形態若しくは上記で記載した第1~9の態様の一般式(IV)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第4の実施形態の第16の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第10の態様の組成物を投与することを含む。
第4の実施形態の第17の態様は、治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の一般式(IV)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。第4の実施形態のこの第17の態様の例においては、該細胞増殖性疾患は、癌である。
第4の実施形態の第18の態様は、治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第11の態様の組成物を投与することを含む。第4の実施形態のこの第18の態様の例においては、該細胞増殖性疾患は、癌である。
第5の実施形態の第9の態様は、医薬組成物に関し、ここで、該医薬組成物は、(a)第5の実施形態若しくは上記で記載した第1~8の態様の一般式(V)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;及び、(b)薬学的に許容される担体を含む。
第5の実施形態の第10の態様は、治療を必要とする患者において免疫応答を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の第5の実施形態若しくは上記で記載した第1~8の態様の一般式(V)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第5の実施形態の第11の態様は、治療を必要とする患者において免疫応答を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第9の態様の組成物を投与することを含む。
第5の実施形態の第12の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第5の実施形態若しくは上記で記載した第1~8の態様の一般式(V)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第5の実施形態の第13の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第9の態様の組成物を投与することを含む。
第5の実施形態の第14の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第5の実施形態若しくは上記で記載した第1~8の態様の一般式(V)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第5の実施形態の第15の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第9の態様の組成物を投与することを含む。
第5の実施形態の第16の態様は、治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第5の実施形態若しくは上記で記載した第1~8の態様の一般式(V)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。第5の実施形態のこの第16の態様の例においては、該細胞増殖性疾患は、癌である。
第5の実施形態の第17の態様は、治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第9の態様の組成物を投与することを含む。第5の実施形態のこの第17の態様の例においては、該細胞増殖性疾患は、癌である。
第6の実施形態の第9の態様は、医薬組成物に関し、ここで、該医薬組成物は、(a)第6の実施形態若しくは上記で記載した第1~8の態様の一般式(VI)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩;及び、(b)薬学的に許容される担体を含む。
第6の実施形態の第10の態様は、治療を必要とする患者において免疫応答を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の第6の実施形態若しくは上記で記載した第1~8の態様の一般式(VI)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第6の実施形態の第11の態様は、治療を必要とする患者において免疫応答を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第9の態様の組成物を投与することを含む。
第6の実施形態の第12の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第6の実施形態若しくは上記で記載した第1~8の態様の一般式(VI)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第6の実施形態の第13の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第9の態様の組成物を投与することを含む。
第6の実施形態の第14の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第6の実施形態若しくは上記で記載した第1~8の態様の一般式(VI)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第6の実施形態の第15の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第9の態様の組成物を投与することを含む。
第6の実施形態の第16の態様は、治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第6の実施形態若しくは上記で記載した第1~8の態様の一般式(VI)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。第6の実施形態のこの第16の態様の例においては、該細胞増殖性疾患は、癌である。
第6の実施形態の第17の態様は、治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記で記載した第9の態様の組成物を投与することを含む。第6の実施形態のこの第17の態様の例においては、該細胞増殖性疾患は、癌である。
第7の実施形態の第1の態様は、治療を必要とする患者において免疫応答を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第7の実施形態の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第7の実施形態の第2の態様は、治療を必要とする患者において免疫応答を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に上記第7の実施形態の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与することを含む。
第7の実施形態の第3の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第7の実施形態の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。 第7の実施形態の第4の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に上記第7の実施形態の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与することを含む。
第7の実施形態の第5の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第7の実施形態の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第7の実施形態の第6の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に上記第7の実施形態の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与することを含む。
第7の実施形態の第7の態様は、治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第7の実施形態の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。第7の実施形態の第7の態様の例においては、該細胞増殖性疾患は、癌である。
第7の実施形態の第8の態様は、治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法に関し、ここで、該方法は、その患者に上記第7の実施形態の化合物を含む治療有効量の組成物を投与することを含む。第7の実施形態のこの第8の態様の例においては、該細胞増殖性疾患は、癌である。
第8の実施形態の第1の態様は、治療を必要とする患者において免疫応答を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第8の実施形態の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第8の実施形態の第2の態様は、治療を必要とする患者において免疫応答を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に上記第8の実施形態の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与することを含む。
第8の実施形態の第3の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第8の実施形態の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。 第8の実施形態の第4の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に上記第8の実施形態の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与することを含む。
第8の実施形態の第5の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第8の実施形態の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
第8の実施形態の第6の態様は、治療を必要とする患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法に関し、ここで、該方法は、その患者に上記第8の実施形態の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む治療有効量の組成物を投与することを含む。
第8の実施形態の第7の態様は、治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法に関し、ここで、該方法は、その患者に治療有効量の上記第8の実施形態の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。第8の実施形態の第7の態様の例においては、該細胞増殖性疾患は、癌である。
第8の実施形態の第8の態様は、治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法に関し、ここで、該方法は、その患者に上記第8の実施形態の化合物を含む治療有効量の組成物を投与することを含む。第8の実施形態のこの第8の態様の例においては、該細胞増殖性疾患は、癌である。
(a) 有効量の一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又はそれらの薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
(b) STINGアゴニスト化合物、抗ウイルス化合物、抗原、アジュバント、CTLA-4及びPD-1経路のアンタゴニスト及び別の免疫調節剤、脂質、リポソーム、ペプチド、抗癌剤及び化学療法薬からなる群から選択される活性薬剤をさらに含む、(a)の医薬組成物。
(c) (i)一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又はそれらの薬学的に許容される塩、及び、(ii)STINGアゴニスト化合物、抗ウイルス化合物、抗原、アジュバント、CTLA-4及びPD-1経路のアンタゴニスト及び別の免疫調節剤、脂質、リポソーム、ペプチド、抗癌剤及び化学療法薬からなる群から選択される活性薬剤の、医薬組み合わせ; ここで、前記一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又はそれらの薬学的に許容される塩及び前記活性薬剤は、それぞれ、その組み合わせが患者において免疫応答を誘発させるのに有効であるような量で使用される。
(d) 患者において免疫応答を誘発させる方法であって、治療を必要とするその患者に治療有効量の一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又はそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
(e) 患者において免疫応答を誘発させる方法であって、治療を必要とするその患者に治療有効量の(a)の組成物、(b)の組成物又は(c)の組み合わせを投与することを含む、前記方法。
(f) 患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法であって、治療を必要とするその患者に治療有効量の一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又はそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
患者においてSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法であって、治療を必要とするその患者に治療有効量の(a)の組成物、(b)の組成物又は(c)の組み合わせを投与することを含む、前記方法。
(h) 患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法であって、治療を必要とするその患者に治療有効量の一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又はそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
(i) 患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させる方法であって、治療を必要とするその患者に治療有効量の(a)の組成物、(b)の組成物又は(c)の組み合わせを投与することを含む、前記方法。
(j) 治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法あって、その患者に治療有効量の一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又はそれらの薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
(l) 治療を必要とする患者において細胞増殖性疾患を治療する方法あって、その患者に治療有効量の(a)の組成物、(b)の組成物又は(c)の組み合わせを投与することを含む、前記方法。
本開示は、さらにまた、:(a)患者において免疫応答を誘発させること、又は、(b)患者においてSTING依存性サイトカイン産生を誘発させることにおいて、(i)そのための、(ii)薬物として使用するための、又は、(iii)薬物の調製おいて使用するための、化合物を包含する。これらの使用において、本開示の化合物は、場合により、STINGアゴニスト化合物、抗ウイルス化合物、抗原、アジュバント、CTLA-4及びPD-1経路のアンタゴニスト及び別の免疫調節剤、脂質、リポソーム、ペプチド、抗癌剤及び化学療法薬から選択される1種類以上の活性薬剤と組み合わせて使用することができる。
本開示の付加的な実施形態は、上記(a)~(m)に記載されている医薬組成物、組み合わせ及び方法、並びに、先行する段落中に記載されている使用を包含し、ここで、その中で使用されている本開示の化合物は、上記で記載されている化合物の実施形態、態様、例、場合又は特徴のうちの1の化合物である。これらの実施形態の全てにおいて、該化合物は、適切な場合には、薬学的に許容される塩の形態で用いることができる。
上記で提供されている化合物の実施形態において、各実施形態は、組み合わせが安定な化合物を提供し且つその実施形態の説明と調和しているかぎり、1以上の別の実施形態と組み合わせることができることは理解されるべきである。さらに、上記で(a)~(m)として提供されている組成物及び方法の実施形態が化合物の全ての実施形態(これは、実施形態の組み合わせから生じる実施形態を包含する)を包含するものと理解されることも理解されるべきである。
本明細書中で使用される用語「対象」(あるいは、「患者」)は、処置、観察又は実験の対象となった哺乳動物を示す。その哺乳動物は、雄又は雌であり得る。その哺乳動物は、ヒト、ウシ(例えば、雌ウシ)、豚(例えば、ブタ)、羊(例えば、ヒツジ)、山羊(例えば、ヤギ)、馬(例えば、ウマ)、犬(例えば、飼い犬)、猫(例えば、飼い猫)、兎(ウサギ)、齧歯類(例えば、ラット又はマウス)、アライグマ(例えば、アライグマ)からなる群から選択される1以上であり得る。特定の実施形態において、該対象はヒトである。
本明細書中で使用される場合、用語「免疫応答」は、以下のいずれか1以上に関する:特異的免疫応答、非特異的免疫応答、特異的及び非特異的の両方の応答、先天性応答、一次免疫応答、適応型免疫、二次免疫応答、記憶免疫応答、免疫細胞活性化、免疫細胞増殖、免疫細胞分化、及び、サイトカイン発現。特定の実施形態では、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩は、抗ウィルス化合物、1種類以上の所定の抗原への免疫応答を刺激することが意図されるワクチン、アジュバント、CTLA-4及びPD-1経路のアンタゴニスト及び別の免疫調節剤、脂質、リポソーム、ペプチド、抗癌剤及び化学療法薬などを包含する1種類以上の付加的な治療薬と一緒に投与される。特定の実施形態では、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩は、抗ウィルス化合物、1種類以上の所定の抗原への免疫応答を刺激することが意図されるワクチン、アジュバント、CTLA-4及びPD-1経路のアンタゴニスト及び別の免疫調節剤、脂質、リポソーム、ペプチド、抗癌剤及び化学療法薬などを包含する1種類以上の付加的な組成物と一緒に投与される。
本明細書中で使用される場合、用語「アルケニル」は、指定されている範囲内の数の炭素原子を有し、1以上の二重結合を包んでいる一価の直鎖又は分枝鎖の不飽和脂肪族炭化水素ラジカルを示す。
本明細書中で使用される場合、用語「アルケニレン」は、指定されている範囲内の数の炭素原子を有し、1以上の二重結合を包んでいる二価の直鎖不飽和脂肪族炭化水素ラジカルを示す。
本明細書中で使用される場合、用語「アルキニル」は、指定されている範囲内の数の炭素原子を有し、1以上の三重結合を包んでいる一価の直鎖又は分枝鎖の不飽和脂肪族炭化水素ラジカルを示す。
本明細書中で使用される場合、用語「アルキニレン」は、指定されている範囲内の数の炭素原子を有し、1以上の三重結合を包んでいる二価の直鎖不飽和脂肪族炭化水素ラジカルを示す。
本明細書中で使用される場合、用語「ハロゲン」(又は、「ハロ」)は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を示す(あるいは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨード、又は、F、Cl、Br及びI)。
本明細書中で使用される場合、用語「ハロアルキル」は、水素原子のうちの1個以上がハロゲンで置き換えられている、上記で定義したアルキル基を示す。従って、例えば、「C1-6ハロアルキル」(又は、「C1-C6ハロアルキル」)は、1以上のハロゲン置換基を有する、上記で定義したC1~C6の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を示す。用語「フルオロアルキル」は、ハロゲン置換基がフルオロに限定される以外は同様の意味を有する。適切なフルオロアルキルとしては、一連の(CH2)0-4CF3(即ち、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロ-n-プロピルなど)などを含む。
本明細書中で使用される場合、用語「ハロアルキレン」は、上記で定義したハロアルキルにおけるように、水素原子のうちの1個以上がハロゲンで置き換えられている、上記で定義したアルキレン基を示す。
本明細書中で使用される場合、用語「アルコキシ」は、単独で又は組み合わされて、オキシ連結原子に連結されたアルキル基を包含する。用語「アルコキシ」は、アルキルエーテル基も包含し、ここで、用語「アルキル」は上記で定義されており、及び、「エーテル」は、中間に酸素原子を有する2つのアルキル基を意味する。適切なアルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、メトキシメタン(「ジメチルエーテル」とも称される)及びメトキシエタン(「エチルメチルエーテル」とも称される)を含む。
本明細書中で使用される場合、用語「シクロアルキル」は、指定されている数の炭素原子を有する1つの環を含む飽和炭化水素を示す。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロ環式」は、本明細書中で使用される場合、飽和若しくは不飽和であり、そして、炭素原子と、N、O及びSからなる群から選択される1個又は2個のヘテロ原子で構成される安定な3~6員の単環式化合物を表す。ヘテロ環式環は、安定な構造を生じさせるのであれば、いずれのヘテロ原子又は炭素原子で結合していてもよい。該用語は、ヘテロアリール部分を包含する。そのようなヘテロ環式要素の例としては、限定するものではないが、アゼピニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、1,3-ジオキソラニル、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル(2-oxopiperdinyl)、2-オキソピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル、トリアゾリル及びチエニルを含む。
本明細書中で使用される場合、用語「縮合環」は、直鎖若しくは分枝鎖のアルカンの中の離れた原子上の置換基によって形成された環状基、又は、別の環の中の離れた原子上の置換基によって形成された環状基を示す。
相反するように明瞭に示されていない限り、本明細書中で引用されている全ての範囲は、包括的である、即ち、その範囲は、その範囲の上限及び下限の値、並びに、中間にある全ての値を包含する。一例として、本明細書中に記載されている温度範囲、パーセント、当量の範囲などは、その範囲の上限及び下限並びにその中間にある連続した任意の値を包含する。本明細書中で提供されている数値、及び、用語「約」の使用は、±1%、±2%、±3%、±4%、±5%、±10%、±15%及び±20%並びにそれらの数値的等価物の変動を包含し得る。
一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物及び前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩において、当該原子は、それらの天然の同位体存在度を示していてもよく、又は、当該原子のうちの1個以上は、原子番号は同じだが原子質量又は質量数が天然において主に見出される原子質量又は質量数と異なる特定の同位体が人工的に濃縮されていてもよい。本開示は、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物及び前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩の全ての適切な同位体変異体を包含することが意図されている。例えば、水素(H)の異なる同位体形態としては、プロチウム(1H)、重水素(2H)及び三重水素(3H)を含む。プロチウムは、天然において見出される主要な水素同位体である。重水素の富化は、特定の治療的利点、例えば、インビボ半減期の向上又は必要用量の低減などをもたらし得るか、又は、生物学的サンプルの特性決定のための標準として有用な化合物を提供し得る。同位体富化された一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物及び前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩は、当業者によく知られている慣習的な技術によって、又は、本明細書中の「スキーム」及び「実施例」において記載されている調製方法と類似した調製方法によって、適切な同位体富化された試薬及び/又は中間体を用いて、過度の実験を行うことなく調製することができる。
一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物及び前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩の特定の実施形態においては、当該化合物を重水素で同位体富化させる。これらの実施形態の複数の態様においては、R1、R2、R3、R6、R8及びR9のうちの1以上に重水素を含ませることができる。
本明細書中で提供されている一般構造式及び具体的な化合物の構造において示されているように、キラル中心における直線は、(R)と(S)の両方の立体異性体及びそれらの混合物を含む。さらにまた、別途(例えば、100%精製化合物)示されていない限り、ある位置における特定の立体化学への言及は、示されている立体化学を有する化合物を提供するが、これは指示された位置において異なる立体化学を有する立体異性体の存在を排除するものではない。
具体的な立体配置が明示されていない又は全てのキラル中心についてそのような明示がされているわけではない特許請求の範囲の中の具体的な化合物(即ち、化学種)の記述又は描写は、そのような明示されていないキラル中心に関して、当該化合物のラセミ化合物、ラセミ混合物、各個別のエナンチオマー、ジアステレオ異性体混合物及び各個別のジアステレオマーを包含することが意図されており、ここで、そのような形態は、1以上の不斉中心が存在することに起因して可能である。立体異性体の混合物の分離は、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩の合成の際の中間体段階において実施することができるか、又は、それは、最終的なラセミ生成物に対して実施することができる。絶対立体化学は、結晶質生成物又は結晶質中間体(これらは、必要に応じて、立体配置が知られている立体中心を含む試薬で誘導体化される)のX線結晶学によって決定することが可能である。あるいは、絶対立体化学は、振動円二色性(VCD)分光分析により決定されることができる。本発明は、そのような全ての異性体、並びに、そのようなラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体の塩、溶媒和物(これは、水和物を包含する)及び溶媒和塩、並びに、それらの混合物を包含する。
本発明は、全ての可能なエナンチオマー及びジアステレオマー、並びに、全ての比率における2種類以上の立体異性体の混合物(例えば、エナンチオマー及び/又はジアステレオマーの混合物)を包含する。従って、エナンチオマーは、左旋性対掌体及び右旋性対掌体の両方としてのエナンチオマー的に純粋な形において、ラセミ化合物の形態において、及び、全ての比率における2種類のエナンチオマーの混合物の形態において、本発明の対象である。シス/トランス異性の場合、本発明は、シス型及びトランス型の両方、並びに、全ての比率におけるこれらの型の混合物を包含する。個々の立体異性体の調製は、必要に応じて、慣習的な方法で混合物を分離させることによって、例えば、クロマトグラフィー又は結晶化によって、当該合成のために立体化学的に均一な出発物質を使用することによって、又は、立体選択的な合成によって実施することができる。場合により、立体異性体を分離させる前に誘導体化を行うことができる。立体異性体の混合物の分離は、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記化合物の薬学的に許容される塩の合成の際の中間段階で行うことができるか、又は、それは、最終的なラセミ生成物に対して行うことができる。絶対立体化学は、結晶質生成物又は結晶質中間体(これらは、必要に応じて、立体配置が知られている立体中心を含む試薬で誘導体化される)のX線結晶学によって決定することが可能である。そのようなラセミ化合物、エナンチオマー又はジアステレオマーの特定の異性体、塩、溶媒和物(これは、水和物を包含する)又は溶媒和塩が示されていない限り、本発明は、そのような全ての異性体、並びに、そのようなラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマーの塩、溶媒和物(これは、水和物を包含する)及び溶媒和塩、並びに、それらの混合物を包含する。
用語「化合物」は、その化合物、及び、特定の実施形態においては、安定である範囲において、任意の水和物又は溶媒和物を示す。水和物は、水と錯体を形成している化合物であり、溶媒和物は、溶媒(これは、有機溶媒又は無機溶媒であり得る)と錯体を形成している化合物である。
「安定な」化合物は、調製及び単離することが可能で、且つ、当該化合物を本明細書中に記載されている目的(例えば、患者への治療的投与)に関して使用することを可能とするのに充分な期間にわたって、その構造及び特性が本質的に変化しないでいるか又はその構造及び特性を本質的に変化させないでおくことが可能な化合物である。本発明の化合物は、一般式(I)、一般式(II)、一般式(III)、一般式(IV)、一般式(V)、一般式(VI)に包含される安定な化合物又はその薬学的に許容される塩に限定される。
用語「薬学的に許容される塩」は、親化合物と同様の有効性を有し、且つ、生物学的にも又は他の点でも望ましくないものではない(例えば、その受容者にとって毒性でなく、他の点でも有害でない)、塩(これは、両性イオンのような内部塩を包含する)を示す。従って、本発明の一実施形態は、本発明の化合物の薬学的に許容される塩を提供する。用語「塩(類)」は、本明細書中で使用される場合、以下のもののうちのいずれかを示す:無機酸及び/又は有機酸で形成される酸性塩、並びに、無機塩基及び/又は有機塩基で形成される塩基性塩。本発明の化合物の塩は、当業者には既知の方法によって、例えば、本発明の化合物を、媒体(例えば、当該塩がその中で沈殿する媒体)又は水性媒体の中で、ある量(例えば、相当量)の酸又は塩基と反応させ、次いで凍結乾燥させることによって形成させることができる。
代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩(「メシラート」)、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(「トシラート」)などを含む。適切な塩としては、酸付加塩を含み、これは、例えば、化合物の溶液を薬学的に許容される酸(例えば、塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸又は安息香酸)の溶液と混合させることによって形成され得る。さらに、塩基性医薬化合物から医薬的に有用な塩を形成させるのに適していると一般に考えられる酸については、例えば、「P. Stahl et al, Camille G. (eds.), Handbook of Pharmaceutical Salts. Properties, Selection and Use. (2002) Zurich: Wiley-VCH」、「S. Berge et al, Journal of Pharmaceutical Sciences (1977) 66(1) 1-19」、「P. Gould, International J. of Pharmaceutics (1986) 33 201-217」、「Anderson et al, The Practice of Medicinal Chemistry (1996), Academic Press, New York」及び「The Orange Book (Food & Drug Administration, Washington, D.C. on their website)」によって論じられている。これらの開示内容は、それらを参照することによって本明細書に組み込まれる。
代表的な塩基性塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩、リチウム塩及びカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウム塩及びマグネシウム塩、有機塩基(例えば、有機アミン)、例えば、ジシクロヘキシルアミン、t-ブチルアミン、コリンとの塩、及び、アミノ酸、例えば、アルギニン、リジンとの塩などを含む。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハロゲン化物(例えば、メチル、エチル及びブチルの塩化物、臭化物及びヨウ化物)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル及び硫酸ジブチル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、デシル、ラウリル及びステアリルの塩化物、臭化物及びヨウ化物)、アラルキルハロゲン化物(例えば、臭化ベンジル及び臭化フェネチル)などの作用物質で四級化することができる。酸性部分を有している化合物は、適切な薬学的に許容される塩と混合させて、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩又はマグネシウム塩)及び適切な有機配位子と形成された塩(例えば、4級アンモニウム塩)を提供することができる。さらにまた、酸基(-COOH)又はアルコール基が存在している場合、当該化合物の溶解性又は加水分解特性を改変するために、薬学的に許容されるエステルを用いることもできる。
そのような全ての酸塩及び塩基塩は、本発明の範囲内における薬学的に許容される塩であることが意図されており、そして、全ての酸塩及び塩基塩は、本発明に目的に関して相当する化合物の遊離形態と等価であると考えられる。
さらに、本発明の化合物が塩基性部分(例えば、限定するものではないが、脂肪族の1級アミン、2級アミン、3級アミン若しくは環状アミン、芳香族アミン又はヘテロアリールアミン、ピリジン又はイミダゾール)及び酸性部分(例えば、限定するものではないが、テトラゾール又はカルボン酸)の両方を含む場合、両性イオン(「内部塩」)が形成される場合があり、そして、その両性イオン(「内部塩」)は、本明細書中で使用される用語「塩」に包含される。本発明の特定の化合物が、同一の化合物内にアニオン性中心とカチオン性中心の両方を有し且つ正味の中性電荷を有する両性イオン形態で存在することができる、ということは理解される。そのような両性イオンは、本発明の範囲内に包含される。
以下の「方法」及び「スキーム」において、LGは脱離基を表し、この脱離基は、ハロゲン化物基又はトリフラート基であることができる。該「方法」及び「スキーム」に含まれている可変部分は、与えられている当該意味を有する;代表的な触媒は、「略号」(下記)において定義されている。
同様に、ビス-フェノールベンゾチオフェン7Jと適切に置換されているジオール(7K)をミツノブ条件に付して、7Lと7Mの混合物を生成させることができる。加水分解に付して、二酸7Nと7Oの混合物が生成される。
本明細書中で開示されている化合物は、STINGアゴニストであり得る。これらの化合物は、細胞増殖性疾患(これに限定されるものではない)を包含する疾患又は障害の治療において有用であり得る。細胞増殖性疾患としては、限定するものではないが、癌、良性乳頭腫症、妊娠性絨毛性疾患、及び、良性腫瘍性疾患、例えば、皮膚乳頭腫(いぼ)及び性器乳頭腫を含む。
具体的な実施形態では、治療されるべき疾患又は障害は、細胞増殖性疾患である。特定の実施形態では、細胞増殖性疾患は癌である。特定の実施形態では、癌は、脳及び脊髄の癌、頭頸部の癌、白血病及び血液の癌、皮膚癌、生殖器系の癌、消化管系の癌、肝臓及び胆管の癌、腎臓及び膀胱の癌、骨の癌、肺癌、悪性中皮腫、肉腫、リンパ腫、腺癌、甲状腺癌、心臓腫瘍、胚細胞腫瘍、悪性神経内分泌(カルチノイド)腫瘍、正中線癌、及び原発未知の癌(即ち、転移癌が認められるが、元の癌部位が不明である癌)から選択される。特定の実施形態では、癌は、成人患者に存在し;別の実施形態では、癌は、小児患者に存在する。特定の実施形態では、癌は、AIDS関連のものである。
具体的な実施形態では、癌は、脳及び脊髄の癌から選択される。特定の実施形態では、癌は、未分化星状細胞腫、神経膠芽腫、星細胞腫及び鼻腔神経芽細胞腫(嗅神経芽腫とも称される)からなる群から選択される。特定の実施形態では、脳の癌は、星状細胞腫瘍(例として毛様細胞性星状細胞腫、上衣下巨細胞星状細胞腫、広汎性星状細胞腫、多形性黄色星状膠細胞腫、退形成性星状細胞腫、星状細胞腫、巨細胞神経膠芽腫、神経膠芽腫、二次性神経膠芽腫、原発性成人神経膠芽腫及び原発性小児神経膠芽腫);乏突起膠細胞腫瘍(例として乏突起膠細胞腫及び退形成性乏突起膠細胞腫);乏突起星細胞腫瘍(例として乏突起星細胞腫及び退形成性乏突起星細胞腫);上衣腫(例として粘液乳頭状上衣腫及び退形成性上衣腫);髄芽腫;原始神経外胚葉性腫瘍、シュワン腫、髄膜腫、非定型髄膜腫、退形成性髄膜腫、脳下垂体腺腫、脳幹グリオーマ、小脳星細胞腫、大脳星細胞腫/悪性グリオーマ、視覚伝導路及び視床下部膠腫、及び原発性中枢神経系リンパ腫からなる群から選択される。これら実施形態の具体的な例において、脳癌は、神経膠腫、多形神経膠芽腫、傍神経節腫又はテント上(suprantentorial)原始神経外胚葉性腫瘍(sPNET)からなる群から選択される。
具体的な実施形態では、癌は、頭頸部の癌、例えば上咽頭癌、鼻腔及び副鼻腔癌、下咽頭癌、口腔癌(例えば、扁平上皮癌、リンパ腫、及び肉腫)、口唇癌、口咽頭癌、唾液腺腫瘍、喉頭の癌(例えば、喉頭扁平上皮癌、横紋筋肉腫)、及び、眼の癌又は眼癌から選択される。特定の実施形態では、眼癌は、眼内メラノーマ及び網膜芽細胞腫からなる群から選択される。
具体的な実施形態では、癌は、白血病及び血液の癌から選択される。特定の実施形態では、癌は、骨髄増殖性腫瘍、骨髄異形成症候群、脊髄形成異常/骨髄増殖性腫瘍、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄増殖性新生物(MPN)、post-MPNAML、post-MDSAML、del(5q)を伴う高リスクMDS又はAML、急性転化期慢性骨髄性白血病、血管免疫芽細胞性リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病、ランゲルハンス細胞組織球増加症、ヘアリー細胞白血病、及び形質細胞腫、例えば形質細胞腫及び多発性骨髄腫からなる群から選択される。本明細書中で言及されている白血病は、急性又は慢性であり得る。
具体的な実施形態では、癌は、生殖器系の癌から選択される。特定の実施形態では、癌は、乳癌、子宮頸癌、膣癌、卵巣癌、前立腺癌、陰茎癌及び精巣癌からなる群から選択される。これらの実施形態の具体的な例において、癌は、腺管癌及び葉状腫瘍からなる群から選択される乳癌である。これらの実施形態の具体的な例において、前記乳癌は、男性乳癌又は女性乳癌であり得る。これらの実施形態の具体的な例において、癌は、扁平上皮癌及び腺癌からなる群から選択される子宮頸癌である。これらの実施形態の具体的な例において、癌は、上皮癌からなる群から選択される卵巣癌である。
具体的な実施形態では、癌は、消化管系の癌から選択される。特定の実施形態では、癌は、食道癌、胃の癌(胃癌とも称される)、消化管カルチノイド腫瘍、膵臓癌、胆嚢癌、結腸直腸癌及び肛門癌からなる群から選択される。これらの実施形態の例では、癌は、食道扁平上皮癌、食道腺癌、胃腺癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、胃リンパ腫、消化管リンパ腫、膵臓の充実性偽乳頭腫瘍、膵芽腫、島細胞腫瘍、腺房細胞癌及び導管腺癌などの膵臓癌種、胆嚢腺癌、結腸直腸腺癌及び肛門扁平上皮癌からなる群から選択される。
具体的な実施形態では、癌は、肝臓及び胆管の癌から選択される。特定の実施形態では、癌は、肝臓癌(肝細胞癌とも称される)である。特定の実施形態では、癌は、胆管癌(胆管癌とも称される)であり;これらの実施形態の例では、胆管癌は、肝内胆管癌及び肝外胆管癌からなる群から選択される。
具体的な実施形態では、癌は、腎臓及び膀胱の癌から選択される。特定の実施形態では、癌は、腎細胞癌、ウィルムス腫瘍及び移行細胞癌からなる群から選択される腎臓癌である。特定の実施形態では、癌は、尿路上皮癌(移行細胞癌)、扁平上皮癌及び腺癌からなる群から選択される膀胱癌である。
具体的な実施形態では、癌は、骨癌から選択される。特定の実施形態では、前記骨癌は、骨肉腫、骨の悪性線維性組織球腫、ユーイング肉腫、索腫(脊髄に沿った骨の癌)からなる群から選択される。
具体的な実施形態では、癌は、肺癌から選択される。特定の実施形態では、前記肺癌は、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、気管支腫瘍及び胸膜肺芽腫からなる群から選択される。
具体的な実施形態では、癌は、悪性中皮腫から選択される。特定の実施形態では、癌は、上皮型中皮腫及び肉腫様癌(sarcomatoids)からなる群から選択される。
具体的な実施形態では、癌は、肉腫から選択される。特定の実施形態では、前記肉腫は、中央軟骨肉腫、中央及び骨膜性軟骨種、線維肉腫、腱鞘の明細胞肉腫及びカポジ肉腫からなる群から選択される。
具体的な実施形態では、癌は、リンパ腫から選択される。特定の実施形態では、癌は、ホジキンリンパ腫(例えば、リードスタンバーグ細胞)、非ホジキンリンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、原発性中枢神経系リンパ腫)、皮膚T細胞性リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫からなる群から選択される。
具体的な実施形態では、癌は、腺癌から選択される。特定の実施形態では、癌は、副腎皮質癌(副腎皮質癌又は副腎皮質細胞癌とも称される)、褐色細胞腫、傍神経節腫、下垂体部腫瘍、胸腺腫及び胸腺癌からなる群から選択される。
具体的な実施形態では、癌は、甲状腺癌から選択される。特定の実施形態では、前記甲状腺癌は、甲状腺髄様癌、甲状腺乳頭癌及び濾胞性甲状腺癌からなる群から選択される。
具体的な実施形態では、癌は、胚細胞腫瘍から選択される。特定の実施形態では、癌は、悪性頭蓋外胚細胞腫瘍及び悪性性腺外胚細胞腫瘍からなる群から選択される。これらの実施形態の具体的な例では、前記悪性性腺外胚細胞腫瘍は、非セミノーマ及びセミノーマからなる群から選択される。
具体的な実施形態では、癌は、心臓腫瘍から選択される。特定の実施形態では、前記心臓腫瘍は、悪性奇形腫、リンパ腫、横紋筋肉腫、血管肉腫、軟骨肉腫、乳児線維肉腫及び滑膜肉腫からなる群から選択される。
具体的な実施形態では、前記細胞増殖性疾患は、良性乳頭腫症、良性腫瘍性疾患及び妊娠性絨毛性疾患から選択される。特定の実施形態では、前記良性腫瘍性疾患は、皮膚乳頭腫(いぼ)及び性器乳頭腫から選択される。特定の実施形態では、前記妊娠性絨毛性疾患は、胞状奇胎、及び妊娠性絨毛性腫瘍(例えば、侵入奇胎、絨毛腫、胎盤部トロホブラスト腫瘍及び類上皮性トロホブラスト腫瘍)からなる群から選択される。
本明細書中で使用される場合、用語「治療」及び「治療すること」は、本明細書に記載されている疾患又は障害の進行の緩徐化、中断、阻止、制御又は停止であり得る全てのプロセスを示す。この用語は、あらゆる疾患又は障害の症候の完全な除去を示すとは限らない。
用語 化合物「の投与」及び又は化合物「を投与すること」は、本明細書中に記載されている化合物又はその薬学的に許容される塩及び前述の組成物を患者に提供することを包含するものと理解されるべきである。
患者に投与される化合物の量は、患者において免疫応答を誘発する及び/又はSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発するのに充分な量である。一実施形態では、化合物の量は、「有効量」又は「治療的有効量」であることができ、それによって、対象化合物は、研究者、獣医、医師又は他の臨床関係者が求める組織、系、動物又はヒトのそれぞれ生理的又は医学的(即ち、治療目的の)応答を誘発する量で投与される。有効量は、化合物の投与に関連する毒性及び安全性の考慮を必ずしも包含しない。
化合物の有効量は、選択される特定の化合物(例えば、化合物の効力、有効性及び/又は半減期を考慮して);選択される投与経路;治療される症状;治療される症状の重度;治療される患者の年齢、サイズ、体重及び健康状態;治療される患者の病歴;治療の期間;同時治療の性質;所望の治療効果;並びに、同様の要因に応じて変わり、当業者が通常のように決定することができる。
本明細書中で開示されている化合物は、経口投与及び非経口投与を含む任意の適切な経路により投与され得る。非経口投与は、代表的には注射又は点滴によるものであり、静脈、筋肉及び皮下への注射又は注入を含む。
本明細書中で開示されている化合物は、単回で投与され得るか、又は、多数の用量が所定の期間内に各種時間間隔で投与される投与計画に従って投与され得る。例えば、用量は、1日あたり1回、2回、3回又は4回投与され得る。用量は、所望の治療効果が達せられるまで又は所望の治療効果を維持するため制限なく投与され得る。本明細書中で開示されている化合物に適した投与計画は、化合物の薬物動態特性、例えば、吸収、分布及び半減期によって決まり、当業者が決定することができる。加えて、本明細書中で開示されている化合物についての、そのような投与計画が行われる期間を含めた適切な投与計画は、治療される疾患又は症状、疾患又は症状の重度、治療される患者の年齢及び健康状態、治療される患者の病歴、同時治療の性質、所望の治療効果並びに当業者の知識及び専門性の範囲内の同様の要因によって決まる。その投与計画に対する個々の患者の応答を考慮して又は個々の患者のニーズ変化に応じて経時的に、適切な投与計画を調節する必要があり得ることをそのような当業者はさらに理解するであろう。代表的な1日投薬量は、選択される特定の投与経路に応じて変動し得る。
本開示の一実施形態は、治療的有効量の一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物及び前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩を、治療を必要とする患者に投与することを含む、細胞増殖性疾患の治療方法を提供する。実施形態では、治療される疾患又は障害は、細胞増殖性疾患である。これらの実施形態の態様において、前記細胞増殖性疾患は、癌である。これら実施形態のさらなる態様において、癌は、脳及び脊髄の癌、頭頸部の癌、白血病及び血液の癌、皮膚癌、生殖器系の癌、消化管系の癌、肝臓及び胆管の癌、腎臓及び膀胱の癌、骨癌、肺癌、悪性中皮腫、肉腫、リンパ腫、腺癌、甲状腺癌、心臓腫瘍、胚細胞腫瘍、悪性神経内分泌(カルチノイド)腫瘍、正中線癌及び原発不明の癌から選択される。
一実施形態では、本明細書中で開示されているのは、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩の、治療における使用である。その化合物は、有効量の化合物をそのような阻害の必要がある患者(例えば、哺乳動物)に投与することを含む、前記患者において免疫応答を誘発させる及び/又はSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる方法において有用であり得る。
一実施形態では、本明細書中で開示されているのは、免疫応答を誘発させる及び/又はSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させるための可能な治療において使用するための、一般式(I)で表される少なくとも一種類の化合物、一般式(II)で表される少なくとも1種類の化合物、一般式(III)で表される少なくとも1種類の化合物、一般式(IV)で表される少なくとも1種類の化合物、一般式(V)で表される少なくとも1種類の化合物、一般式(VI)で表される少なくとも1種類の化合物又は前記で記載した化合物の少なくとも1種類の薬学的に許容される塩を含む医薬組成物である。
本明細書中で開示されている一実施形態は、免疫応答を誘発させる及び/又はSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させるための薬剤の製造における、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩の使用である。実施形態では、治療される疾患又は障害は、細胞増殖性疾患である。これらの実施形態の態様において、前記細胞増殖性疾患は、癌である。これら実施形態のさらなる態様において、癌は、脳及び脊髄の癌、頭頸部の癌、白血病及び血液の癌、皮膚癌、生殖器系の癌、消化管系の癌、肝臓及び胆管の癌、腎臓及び膀胱の癌、骨癌、肺癌、悪性中皮腫、肉腫、リンパ腫、腺癌、甲状腺癌、心臓腫瘍、胚細胞腫瘍、悪性神経内分泌(カルチノイド)腫瘍、正中線癌及び原発不明の癌から選択される。
免疫応答を誘発させる及び/又はSTING依存性I型インターフェロン産生を誘発させる目的のため、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩は、活性薬剤とその剤の作用部位との接触を生み出す手段により投与することができる。該化合物は、個々の治療剤として、又は、治療剤と組み合わせて、医薬と合わせた使用のために利用可能な慣習的な手段により投与することができる。当該化合物は、単独で投与することもできるが、典型的には、選択される投与経路及び標準的な薬務に基づいて選択される医薬担体と共に投与することができる。
一実施形態では、本明細書中で開示されているのは、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩と、1種類以上の薬学的に許容される担体又は賦形剤とを含む組成物である。該組成物は、バルク形態で調製及び包装されることができ、ここでは、治療上有効量の本開示の化合物を取り出し、次いで、例えば粉末又はシロップと共に患者に与えることができる。あるいは、当該組成物は、単位投与形態に調製及び包装されることができ、ここでは、各々の物理的に分離した単位は、治療上有効量の一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩を含む。
本明細書中で開示されている化合物及び薬学的に許容される担体又は賦形剤(類)は、典型的には、所望の投与経路による患者への投与に適合させた投与形態に製剤される。例えば、投与形態としては、(1)経口投与に適合させた投与形態、例えば、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、丸剤、トローチ剤、粉剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁液剤、溶液剤、エマルション剤、サシェ剤及びカシェ剤;及び、(2)非経口投与に適合させた投与形態、例えば、滅菌溶液剤、懸濁液剤及び再生用粉剤、を含む。適切な薬学的に許容される担体又は賦形剤は、選択される特定の投与形態に応じて変わる。加えて、適切な薬学的に許容される担体又は賦形剤は、組成物中で作用し得る特定の機能により選ばれ得る。例えば、特定の薬学的に許容される担体又は賦形剤は、均一な投与形態の生産を容易にする能力により選ぶことができる。特定の薬学的に許容される担体又は賦形剤は、安定な投与形態の生産を容易にする能力により選ぶことができる。特定の薬学的に許容される担体又は賦形剤は、患者に投与された際の身体の一つの臓器又は部分から身体の別の臓器又は別の部分への本明細書中で開示されている化合物の送達又は輸送を容易にする能力により選ぶことができる。特定の薬学的に許容される担体又は賦形剤は、患者コンプライアンスを高める能力によって選ぶことができる。
適切な薬学的に許容される賦形剤としては、以下のタイプの賦形剤を含む:希釈剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、増量剤、滑沢剤、造粒剤、コーティング剤、湿潤剤、溶媒、共溶媒、懸濁剤、乳化剤、甘味料、香味剤、香味マスキング剤、着色料、凝固防止剤、保水剤(hemectant)、キレート剤、可塑剤、増粘剤、抗酸化剤、保存料、安定剤、界面活性剤及び緩衝剤。
当業者は、本開示の組成物における使用のために適切な量の適切な薬学的に許容される担体及び賦形剤を選ぶ上での、当該技術分野における知識及び技能を有する。加えて、当業者に利用可能な多数のリソースがあり、これらは薬学的に許容される担体及び賦形剤を記載していて、適切な薬学的に許容される担体及び賦形剤の選択において有用であり得る。その例としては、「REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES (Mack Publishing Company)」、「THE HANDBOOK OF PHARMACEUTICAL ADDITIVES (Gower Publishing Limited)」及び「THE HANDBOOK OF PHARMACEUTICAL EXCIPIENTS (the American Pharmaceutical Association and the Pharmaceutical Press)を含む。
本開示の組成物は、当業者に既知の技術及び方法を用いて調製する。当該技術分野において一般に用いられるいくつかの方法は、「REMINGTON’SPHARMACEUTICALSCIENCES (Mack Publishing Company)」に記載されている。
一実施形態では、本開示は、治療有効量の一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩及び希釈剤又は増量剤を含む固形経口製剤(例えば、錠剤又はカプセル)を対象にする。適切な希釈剤及び増量剤としては、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン及びアルファ化デンプン)、セルロース及びその誘導体(例えば、微結晶性セルロース)、硫酸カルシウム及びリン酸水素カルシウムを含む。固形経口製剤は、さらに結合剤を含み得る。適切な結合剤としては、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン及びアルファ化デンプン)、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、トラガカント、グアーガム、ポビドン並びにセルロース及びその誘導体(例えば、微結晶性セルロースを含む。固形経口製剤は、さらに崩壊剤を含み得る。適切な崩壊剤としては、クロスポビドン、グリコール酸デンプンナトリウム、クロスカメロース、アルギン酸及びカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む。固形経口製剤は、さらに滑沢剤を含み得る。適切な滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム及びタルクを含む。
適切な場合には、経口投与のための用量単位製剤は、マイクロカプセル化することができる。該組成物は、さらにまた、例えば、ポリマー、ワックスなどの中で粒子状材料をコーティングする又はこれらに埋め込むことによって、放出を延長する又は持続させるように調製することもできる。
本明細書中で開示されている化合物は、さらにまた、標的化可能な薬物担体としての可溶性ポリマーとカップリングさせることができる。そのようなポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール又はパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリジンを挙げることができる。さらに、本開示の化合物は、薬物の制御放出の達成において有用なクラスの生分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリε-カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアンアクリレート、及び、ヒドロゲルの架橋ブロックコポリマー又は両親媒性ブロックコポリマーなどと、カップリングさせることができる。
一実施形態では、本開示は、液体経口製剤を対象とする。溶液剤、シロップ剤及びエリキシル剤のような経口液体は、所定の量が所定量の本明細書に開示されている化合物又はその薬学的に許容される塩を含有するように、投与単位形態に調製することができる。シロップ剤は、本開示の化合物を適切に風味を付けた水溶液中に溶解させることによって調製することができ;エリキシル剤は、無毒性のアルコール性ビヒクルを用いて調製する。懸濁液剤は、本明細書中で開示されている化合物を無毒性のビヒクルの中に分散させることによって製剤することができる。可溶化剤及び乳化剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール及びポリオキシエチレンソルビトールエーテル、保存料、香味添加剤、例えば、ペパーミントオイル若しくは他の天然甘味料又はサッカリン若しくは他の人工甘味料なども加えることができる。
一実施形態では、本開示は、非経口投与のための組成物を対象とする。非経口投与に適合させた組成物としては、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、及び、製剤を意図された患者の血液と等張にする溶質を含有し得る、水性及び非水性の滅菌注射液;並びに、懸濁化剤及び増粘剤を含有し得る水性及び非水性の滅菌懸濁液を含む。該組成物は、単一用量又は複数用量の容器(例えば、密閉されたアンプル及びバイアル)の中に存在させることができ、そして、使用直前に滅菌液体担体(例えば、注射用水)の添加のみを必要とする冷凍乾燥(freeze-dried)(凍結乾燥(lyophilized))状態で保存することができる。即時注射液及び懸濁液は、滅菌粉末、粒剤及び錠剤から調製することができる。
前記別の活性薬剤(類)は、STINGアゴニスト化合物、抗ウィルス化合物、抗原、アジュバント、抗癌剤、CTLA-4、LAG-3及びPD-1経路のアンタゴニスト、脂質、リポソーム、ペプチド、細胞傷害剤、化学療法剤、免疫調節性細胞株、チェックポイント阻害剤、血管内皮増殖因子(VEGF)受容体阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、スムーズン(smoothen)阻害剤、アルキル化剤、抗腫瘍抗生物質、代謝拮抗剤、レチノイド及び免疫調節剤(これは、限定するものではないが、抗癌ワクチンを包含する)からなる群から選択される1種類以上の活性薬剤であり得る。そのような付加的な活性薬剤(類)は、薬学的に許容される塩として提供することができることは理解される。上記の付加的な活性薬剤の説明は重複し得ることは理解される。さらにまた、治療の組み合わせが最適化されることも理解され、そして、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩及び1種類以上の付加的な活性薬剤の使用のための最良の組み合わせが個々の患者のニーズに基づいて決定されることは理解される。
本明細書中で開示されている化合物は、1種類以上の他の活性薬剤と組み合わせて用いることができ、ここで、該活性薬剤としては、限定するものではないが、特定の疾患又は症状(例えば、細胞増殖性疾患)の予防、治療、制御、寛解又はリスク低減において用いられる他の抗癌剤を含む。一実施形態では、本明細書中で開示されている化合物は、本明細書中で開示されている化合物が有用な特定の疾患又は症状の予防、治療、制御、寛解又はリスク低減における使用のための1種類以上の他の抗癌剤と組み合わされる。そのような他の活性薬剤は、その活性薬剤に関して通常用いられる経路及び量で、本開示の化合物と同時に又は順次に、投与することができる。
本明細書中で開示されている化合物が1種類以上の他の活性薬剤と同時に用いられる場合、本明細書中で開示されている化合物に加えてそのような他の活性薬剤を含有する組成物が意図される。従って、本開示の組成物は、本明細書中で開示されている化合物に加えて1種類以上の他の活性成分も含有する組成物を包含する。本明細書中で開示されている化合物は、1種類以上の他の活性薬剤と同時に、又は、前若しくは後に投与することができる。本明細書中で開示されている化合物は、同一又は異なる投与経路によって、別々に投与することができるか、又は、他の活性薬剤(類)と同じ医薬組成物中で一緒に投与することができる。
組み合わせとして提供される製品は、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩と1種類以上の他の活性薬剤を同じ医薬組成物中に一緒に含む組成物を包含し得るか、又は、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩と1種類以上の他の活性薬剤含有組成物を、別々の形態で、例えば、キットの形態で、又は、同時若しくは別々の投薬スケジュールで別々に投与できるように設計された任意の形態で含む組成物を包含し得る。
第2の活性薬剤に対する一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩の重量比は変えることができ、そして、それは、各薬剤の治療有効用量に依存する。一般に、各々の治療上有効な用量が用いられる。本明細書中で開示されている化合物と他の活性薬剤の組み合わせは、一般に、前述の範囲内にあるが、各々の場合において、各活性薬剤の治療上有効な用量が用いられるべきである。そのような組み合わせにおいて、本明細書中で開示されている化合物と他の活性薬剤は、別々に投与することができるか、又は、合わせて投与することができる。加えて、一方の要素の投与は、他方の剤(類)の投与の前、同時又は後であり得る。
一実施形態では、本開示は、治療において同時、別々又は順次に使用するための組み合わせ調製物としての、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩と少なくとも1種類の他の活性薬剤を含む組成物を提供する。一実施形態では、治療は、癌のような細胞増殖性疾患の治療である。
一実施形態では、本開示は、キットを提供し、ここで、該キットは、2以上の別々の医薬組成物を含み、その医薬組成物のうちの少なくとも1は、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩を含む。一実施形態では、キットは、前記組成物を別々に保持する手段、例えば、容器、分割されたボトル又は分割されたホイルパックを含む。そのようなキットの例は、錠剤、カプセル剤などのパッケージングに典型的に用いられるブリスターパックである。
本開示のキットは、異なる投与形態(例えば、経口及び非経口の投与形態)の投与のために、別々の組成物の異なる投与間隔での投与のために、又は、別々の組成物の互いに対する用量設定のために用いることができる。服薬順守を支援するため、本開示のキットは、典型的には投与のための指示書を含む。
本明細書中で開示されているのは、細胞増殖性疾患を治療するための一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩の使用であって、ここで、当該医薬は別の活性薬剤と一緒に投与されるように調製される。本開示は、さらにまた、細胞増殖性疾患を治療するための別の活性薬剤の使用も提供し、ここで、当該医薬は、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩と一緒に投与される。
本開示は、さらにまた、細胞増殖性疾患を治療するための一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩の使用を提供し、ここで、当該患者は、前もって(例えば、24時間以内に)別の活性薬剤で治療されている。本開示は、さらにまた、細胞増殖性疾患を治療するための別の活性薬剤の使用を提供し、ここで、当該患者は、前もって(例えば、24時間以内に)一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩で治療されている。第2の薬剤は、本明細書中で開示されている化合物の投与の1週間後、数週間後、1ヶ月又は数ヶ月後に投与することができる。
本明細書中で開示されている、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩と組み合わせて用いることができるSTINGアゴニスト化合物としては、限定するものではないが、環状ジヌクレオチド化合物、例えば、国際特許出願公開番号WO2014093936、WO2014189805、WO2014189806、WO2015185565、WO2016120305、WO2016096174、WO2016096577、WO2017027645、WO2017027646、WO2017075477、WO2017093933及びWO2018009466において開示されている環状ジヌクレオチド化合物などがある。
本明細書中で開示されている、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩と組み合わせて用いることができる抗ウィルス化合物としては、B型肝炎ウィルス(HBV)阻害剤、C型肝炎ウィルス(HCV)プロテアーゼ阻害剤、HCVポリメラーゼ阻害剤、HCV NS4A阻害剤、HCV NS5A阻害剤、HCV NS5b阻害剤及びヒト免疫不全ウィルス(HIV)阻害剤を含む。そのような抗ウィルス化合物は、適切な場合には、薬学的に許容される塩として提供することができる。
一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩と組み合わせて用いることができる抗原及びアジュバントとしては、B7補助刺激分子、インターロイキン-2、インターフェロン-y、GM-CSF、CTLA-4アンタゴニスト、OX-40/0X-40リガンド、CD40/CD40リガンド、サルグラモスチム、レバミゾール、ワクシニアウィルス、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)、リポソーム、ミョウバン、フロイント完全又は不完全アジュバント、無毒化エンドトキシン、ミネラルオイル、界面活性物質、例えば、リポレシチン(lipolecithin)、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド及び油又は炭化水素エマルションを含む。アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム又はリン酸アルミニウム)は、免疫応答を引き起こす、増強する又は延長するワクチンの能力を向上させるために加えることができる。上記組成物と別々に又は組み合わせて用いられる付加的な材料、例えば、サイトカイン、ケモカイン及び細菌核酸配列、例えば、CpG、toll様受容体(TLR)9アゴニスト、並びに、TLR2、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9に対する付加的なアゴニスト、例えば、リポタンパク質、LPS、モノホスホリルリピドA、リポテイコ酸、イミキモド、レシキモド、さらに、レチノイン酸誘発性遺伝子I(RIG-I)アゴニスト、例えば、polyI:Cも、潜在的なアジュバントである。そのような抗原及びアジュバントは、適切な場合には、薬学的に許容される塩として提供することができる。
CLTA-4経路及びPD-1経路は、免疫応答の重要な負の制御因子である。活性化T細胞はCTLA-4を上昇制御させ、これが抗原提示細胞上に結合して、T細胞刺激、IL-2遺伝子発現及びT細胞増殖を阻害する;これらの抗腫瘍効果は、結腸癌、転移性前立腺癌及び転移性黒色腫のマウスモデルにおいて観察されている。PD-1は、活性T細胞に結合し、T細胞活性化を抑制し;PD-1アンタゴニストは、同様に抗腫瘍効果が実証されている。本明細書中で開示されている、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩と組み合わせて用いることができるCTLA-4及びPD-1経路のアンタゴニストとしては、イピリムマブ、トレメリムマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、CT-011、AMP-224及びMDX-1106を含む。
「PD-1アンタゴニスト」又は「PD-1経路アンタゴニスト」は、癌細胞上に発現したPD-L1が免疫細胞(T細胞、B細胞又はNKT細胞)上に発現したPD-1に結合することを遮断し、好ましくは、癌細胞上に発現したPD-L2が免疫細胞上に発現したPD-1に結合することをも遮断する任意の化合物又は生物学的分子を意味する。PD-1及びそのリガンドの別名又は同義語としては、以下のものを含む:PD-1について、PDCD1、PD1、CD279及びSLEB2;PD-L1について、PDCD1L1、PDL1、B7H1、B7-4、CD274及びB7-H;並びに、PD-L2についてPDCD1L2、PDL2、B7-DC、Btdc及びCD273。ヒト個体を治療する本開示の治療方法、薬剤及び使用のいずれにおいても、PD-1アンタゴニストは、ヒトPD-L1のヒトPD-1への結合を遮断し、好ましくは、ヒトPD-L1及びPD-L2の両方のヒトPD-1への結合を遮断する。ヒトPD-1アミノ酸配列は、NCBI Locus No.:NP_005009中に見出すことができる。ヒトPD-L1及びPD-L2のアミノ酸配列は、それぞれ、NCBI LocusNo.:NP_054862及びNP_079515中に見出すことができる。
本開示の治療方法、薬剤及び使用のいずれにおいても有用なPD-1アンタゴニストとしては、PD-1又はPD-L1に特異的に結合する、好ましくは、ヒトPD-1又はヒトPD-L1に特異的に結合する、モノクローナル抗体(mAb)又はその抗原結合断片を含む。mAbは、ヒト抗体、ヒト化抗体又はキメラ抗体であることができ、そして、ヒト定常領域を包含し得る。いくつかの実施形態では、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4の定常領域からなる群から選択され、好ましい実施形態では、ヒト定常領域は、IgG1又はIgG4の定常領域である。いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、Fab、Fab’-SH、F(ab’)2、scFv及びFv断片からなる群から選択される。
ヒトPD-1に結合し、本開示の治療方法、薬剤及び使用において有用なmAbの例は、米国特許番号US7488802、US7521051、US8008449、US8354509及びUS8168757、PCT国際特許出願公開番号WO2004/004771、WO2004/072286及びWO2004/056875、並びに、米国特許出願公開番号US2011/0271358に記載されている。
ヒトPD-L1に結合し、本開示の治療方法、薬剤及び使用において有用なmAbの例は、PCT国際特許出願番号WO2013/019906及びWO2010/077634A1並びに米国特許番号US8383796に記載されている。本開示の治療方法、薬剤及び使用におけるPD-1アンタゴニストとして有用な特異的抗ヒトPD-L1mAbとしては、MPDL3280A、BMS-936559、MEDI4736、MSB0010718C、並びに、WO2013/019906のそれぞれ配列番号24及び配列番号21の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含む抗体を含む。
本開示の治療方法、薬剤及び使用のいずれにおいても有用な他のPD-1アンタゴニストとしては、PD-1又はPD-L1に特異的に結合する、好ましくは、ヒトPD-1又はヒトPD-L1に特異的に結合する免疫接着物質、例えば、定常領域(例えば、免疫グロブリン分子のFc領域)と融合したPD-L1又はPD-L2の細胞外又はPD-1結合部分を含有する融合タンパク質を含む。PD-1に特異的に結合する免疫接着分子の例は、PCT国際特許出願公開番号WO2010/027827及びWO2011/066342の中に記載されている。本開示の治療方法、薬剤及び使用においてPD-1アンタゴニストとして有用な特異的融合タンパク質としては、PD-L2-FC融合タンパク質であってヒトPD-1に結合するAMP-224(B7-DCIgとしても知られる)を含む。
本開示は、さらに、ヒト患者において癌を治療する方法にも関し、ここで、該方法は、その患者に本明細書中に開示されている化合物(即ち、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩)及びPD-1アンタゴニストを投与することを含む。本開示の化合物及びPD-1アンタゴニストは、同時に又は順次に投与することができる。
特定の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、抗PD-1抗体又はその抗原結合断片である。代替的な実施形態では、PD-1アンタゴニストは、抗PD-L1抗体又はその抗原結合断片である。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、ペムブロリズマブ(KEYTRUDATM、Merck & Co., Inc., Kenilworth, NJ, USA)、ニボルマブ(OPDIVOTM、Bristol-Myers Squibb Company, Princeton, NJ, USA)、セミプリマブ(LIBTAYOTM、Regeneron Pharmaceuticals, Inc., Tarrytown , NY, USA)、アテゾリズマブ(TECENTRIQTM、Genentech, San Francisco, CA, USA)、デュルバルマブ(IMFINZITM、AstraZeneca Pharmaceuticals LP, Wilmington, DE)又はアベルマブ(BAVENCIOTM、Merck KGaA, Darmstadt, Germany)である。
一部の実施形態では、該PD-1アンタゴニストは、ペムブロリズマブである。特定のサブ実施形態では、該方法は、患者に200mgのペムブロリズマブを約3週間毎に投与することを含む。別のサブ実施形態では、該方法は、患者に400mgのペムブロリズマブを約6週間毎に投与することを含む。
さらなるサブ実施形態では、該方法は、患者に2mg/kgのペムブロリズマブを約3週間毎に投与することを含む。特定のサブ実施形態では、患者は、小児患者である。
一部の実施形態では、該PD-1アンタゴニストは、ニボルマブである。特定のサブ実施形態では、該方法は、患者に240mgのニボルマブを約2週間毎に投与することを含む。別のサブ実施形態では、該方法は、患者に480mgのニボルマブを約4週間毎に投与することを含む。
一部の実施形態では、該PD-1アンタゴニストは、セミプリマブである。特定の実施形態では、該方法は、患者に350mgのセミプリマブを約3週間毎に投与することを含む。
一部の実施形態では、該PD-1アンタゴニストは、アテゾリズマブである。特定のサブ実施形態では、該方法は、患者に1200mgのアテゾリズマブを約3週間毎に投与することを含む。
一部の実施形態では、該PD-1は、デュルバルマブである。特定のサブ実施形態では、該方法は、患者に10mg/kgのデュルバルマブを約2週間毎に投与することを含む。
一部の実施形態では、該PD-1アンタゴニストは、アベルマブである。特定のサブ実施形態では、該方法は、患者に800mgのアベルマブを約2週間毎に投与することを含む。
一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩と組み合わせて用いることができる細胞傷害剤の例としては、限定するものではないが、三酸化ヒ素(商品名「TRISENOX(登録商標)」で販売されている)、アスパラギナーゼ(L-アスパラギナーゼ及びエルウィニア(Erwinia)L-アスパラギナーゼとしても知られており、商品名「ELSPAR(登録商標)」及び「KIDROLASE(登録商標)」で販売されている)を含む。
本明細書中で開示されている、一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物、一般式(IV)で表される化合物、一般式(V)で表される化合物、一般式(VI)で表される化合物又は前記で記載した化合物の薬学的に許容される塩と組み合わせて用いることができる化学療法剤としては、酢酸アビラテロン、アルトレタミン、無水ビンブラスチン、オーリスタチン、ベキサロテン、ビカルタミド、BMS184476、2,3,4,5,6-ペンタフルオロ-N-(3-フルオロ-4-メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、ブレオマイシン、N,N-ジメチル-L-バリル-L-バリル-N-メチル-L-バリル-L-プロリル-1-Lプロリン-tブチルアミド、カケクチン、セマドチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、3’,4’-ジデヒドロ-4’デオキシ-8’-ノルビン-カロイコブラスチン、ドセタキソール、ドセタキセル、シクロホスファミド、カルボプラチン、カルムスチン、シスプラチン、クリプトフィシン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビンドラスタチン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エトポシド、5-フルオロウラシル、フィナステリド、フルタミド、ヒドロキシウレア及びヒドロキシウレア・アンドタキサン類(hydroxyurea andtaxanes)、イホスファミド、リアロゾール、ロニダミン、ロムスチン(CCNU)、MDV3100、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、メルファラン、イセチオン酸ミボブリン、リゾキシン、セルテネフ(sertenef)、ストレプトゾシン、マイトマイシン、メトトレキセート、タキサン類、ニルタミド、ニボルマブ、オナプリストン、パクリタキセル、ペンブロリズマブ、プレドニムスチン、プロカルバジン、RPR109881、リン酸ストラムスチン(stramustine phosphate)、タモキシフェン、タソネルミン、タキソール、トレチノイン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンスルフェート及びビンフルニンを含む。そのような化学療法剤は、適切な場合には、薬学的に許容される塩として提供することができる。
血管内皮増殖因子(VEGF)受容体阻害剤の例としては、限定するものではないが、ベバシズマブ(商品名「アバスチン」で販売されている)、アキシチニブ(PCT国際特許公開番号WO01/002369の中に記載されている)、ブリバニブアラニネート((S)-((R)-1-(4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イルオキシ)-5-メチルピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6-イルオキシ)プロパン-2-イル)2-アミノプロパノエート、BMS-582664としても知られている)、モテサニブ(N-(2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-1H-インドール-6-イル)-2-[(4-ピリジニルメチル)アミノ]-3-ピリジンカルボキサミド、PCT国際特許出願公開番号WO02/068470の中に記載されている)、パシレオチド(SO230としても知られており、PCT国際特許公開番号WO02/010192の中に記載されている)及びソラフェニブ(商品名「NEXAVAR」で販売されている)を含む。そのような阻害剤は、適切な場合には、薬学的に許容される塩として提供することができる。
トポイソメラーゼII阻害剤の例としては、限定するものではないが、エトポシド(VP-16及びリン酸エトポシドとしても知られており、商品名「TOPOSAR」、「VEPESID」及び「ETOPOPHOS」で販売されている)及びテニポシド(VM-26としても知られており、商品名「VUMON」で販売されている)などがある。そのような阻害剤は、適切な場合には、薬学的に許容される塩として提供することができる。
アルキル化剤の例としては、限定するものではないが、5-アザシチジン(商品名「VIDAZA」で販売されている)、デシタビン(商品名「DECOGENの」で販売されている)、テモゾロミド(商品名「TEMCAD」、「TEMODAR」及び「TEMODAL」で販売されている)、ダクチノマイシン(アクチノマイシン-Dとしても知られており、商品名「COSMEGEN」で販売されている)、メルファラン(L-PAM、L-サルコリシン及びフェニルアラニンマスタードとしても知られており、商品名「ALKERAN」で販売されている)、アルトレタミン(ヘキサメチルメラミン(HMM)としても知られており、商品名「HEXALEN」で販売されている)、カルムスチン(商品名「BCNU」で販売されている)、ベンダムスチン(商品名「TREANDA」で販売されている)、ブスルファン(商品名「BUSULFEX(登録商標)」及び「MYLERAN(登録商標)」で販売されている)、カルボプラチン(商品名「PARAPLATIN(登録商標)」で販売されている)、ロムスチン(CCNUとしても知られており、商品名「CEENU(登録商標)」で販売されている)、シスプラチン(CDDPとしても知られており、商品名「PLATINOL(登録商標)」及び「PLATINOL(登録商標)-AQ」で販売されている)、クロラムブシル(商品名「LEUKERAN(登録商標)」で販売されている)、シクロホスファミド(商品名「CYTOXAN(登録商標)」及び「NEOSAR(登録商標)」で販売されている)、ダカルバジン(DTIC、DIC及びイミダゾールカルボキサミドとしても知られており、商品名「DTIC-DOME(登録商標)」で販売されている)、アルトレタミン(ヘキサメチルメラミン(HMM)としても知られており、商品名「HEXALEN(登録商標)」で販売されている)、イホスファミド(商品名「IFEX(登録商標)」で販売されている)、プロカルバジン(商品名「MATULANE(登録商標)」で販売されている)、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード、ムスチン及びメクロロエタミン塩酸塩(mechloroethamine hydrochloride)としても知られており、商品名「MUSTARGEN(登録商標)」で販売されている)、ストレプトゾシン(商品名「ZANOSAR(登録商標)」で販売されている)、チオテパ(チオホスホアミド、TESPA及びTSPAとしても知られており、商品名「THIOPLEX(登録商標)」で販売されている)を含む。そのようなアルキル化剤は、適切な場合には、薬学的に許容される塩として提供することができる。
抗腫瘍抗生物質の例としては、限定するものではないが、ドキソルビシン(商品名「ADRIAMYCIN(登録商標)」及び「RUBEX(登録商標)」で販売されている)、ブレオマイシン(商品名「LENOXANE(登録商標)」で販売されている)、ダウノルビシン(ダウオルビシン塩酸塩(dauorubicin hydrochloride)、ダウノマイシン及びルビドマイシン塩酸塩としても知られており、商品名「CERUBIDINE(登録商標)」で販売されている)、ダウノルビシンリポソーム(daunorubicin liposomal)(クエン酸ダウノルビシンリポソーム、商品名「DAUNOXOME(登録商標)」で販売されている)、ミトキサントロン(DHADとしても知られており、商品名「NOVANTRONE(登録商標)」で販売されている)、エピルビシン(商品名「ELLENCETM」で販売されている)、イダルビシン(商品名「IDAMYCIN(登録商標)」、「IDAMYCIN PFS(登録商標)」で販売されている)及びマイトマイシンC(商品名「MUTAMYCIN(登録商標)」で販売されている)を含む。そのような抗腫瘍抗生物質は、適切な場合には、薬学的に許容される塩として提供することができる。
代謝拮抗剤の例としては、限定するものではないが、クラリビン(claribine)(2-クロロデオキシアデノシン、商品名「LEUSTATIN(登録商標)」で販売されている)、5-フルオロウラシル(商品名「ADRUCIL(登録商標)」で販売されている)、6-チオグアニン(商品名「PURINETHOL(登録商標)」で販売されている)、ペメトレキセド(商品名「ALIMTA(登録商標)」で販売されている)、シタラビン(アラビノシルシトシン(Ara-C)としても知られており、商品名「CYTOSAR-U(登録商標)」で販売されている)、シタラビンリポソーム(cytarabine liposomal)(リポソームAra-Cとしても知られており、商品名「DEPOCYTTM」で販売されている)、デシタビン(商品名「DACOGEN(登録商標)」で販売されている)、ヒドロキシウレア(商品名「HYDREA(登録商標)」、「DROXIATM」及び「MYLOCELTM」で販売されている)、フルダラビン(商品名「FLUDARA(登録商標)」で販売されている)、フロクスウリジン(商品名「FUDR(登録商標)」で販売されている)、クラドリビン(2-クロロデオキシアデノシン(2-CdA)としても知られており、商品名「LEUSTATINTM」で販売されている)、メトトレキセート(アメトプテリン、メトトレキセートナトリウム(MTX)としても知られており、商品名「RHEUMATREX(登録商標)」及び「TREXALL(商標)」で販売されている)及びペントスタチン(商品名「NIPENT(登録商標)」で販売されている)を含む。そのような代謝拮抗剤は、適切な場合には、薬学的に許容される塩として提供することができる。
レチノイドの例としては、限定するものではないが、アリトレチノイン(商品名「PANRETIN(登録商標)」で販売されている)、トレチノイン(全トランス型レチノイン酸、ATRAとしても知られている、商品名「VESANOID(登録商標)」で販売されている)、イソトレチノイン(13-c/s-レチノイン酸、商品名「ACCUTANE(登録商標)」、「AMNESTEEM(登録商標)」、「CLARAVIS(登録商標)」、「CLARUS(登録商標)」、「DECUTAN(登録商標)」、「ISOTANE(登録商標)」、「IZOTECH(登録商標)」、「ORATANE(登録商標)」、「ISOTRET(登録商標)」及び「SOTRET(登録商標)」で販売されている)及びベキサロテン(商品名「TARGRETIN(登録商標)」で販売されている)を含む。そのような化合物は、適切な場合には、薬学的に許容される塩として提供することができる。
化合物がSTINGに結合する能力は、放射性フィルター結合アッセイを用いて、ヒトSTING受容体膜についてのトリチウム標識cGAMPリガンドとの競合能によって定量される。該結合アッセイでは、社内で調製した全長HAQ STINGを過剰発現するHi-Five細胞膜から得られるSTING受容体、及び、同様に社内で精製したトリチウム標識cGAMPリガンドを使用している。
以下の実験手順は、本開示の具体例の調製について詳細に説明している。実施例の化合物は、下記の手順及び表においては中性形態で描かれている。場合により、それらの化合物は、それらの最終的な精製に使用される方法及び/又は固有の分子特性に応じて、塩として単離した。該実施例は、例証することのみを目的としており、決して本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
調製1: 3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロパン酸マグネシウム
THF(100mL)中の3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロパン酸(10.0g、62.4mmol)の混合物に、20℃で、マグネシウムエタノラート(3.57g、31.2mmol)を添加した。その反応混合物を、アルゴン下、20℃で18時間撹拌した。次いで、その反応混合物を減圧下で濃縮した。その残渣を減圧下で乾燥させて、3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロパン酸マグネシウムが得られた。
1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 2.96 (s, 4H), 1.39 (s, 18H)。
調製2: 3-(2,3-ジメトキシチエノ[2,3-b]ピラジン-6-イル)-3-オキソプロパン酸tert-ブチル
段階1: 3-ブロモ-5,6-ジメトキシピラジン-2-カルバルデヒド
2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(5.12mL、30.1mmol)のTHF(40mL)中の溶液に、-78℃で、n-BuLiの溶液(Hex中2.5M、11.5mL、28.8mmol)を滴下して加えた。その反応混合物を-78℃で10分間撹拌し、次いで、0℃まで昇温させ、20分間撹拌した。次いで、その反応混合物を冷却して-78℃に戻し、5-ブロモ-2,3-ジメトキシピラジン(3.00g、13.7mmol)のTHF(10mL)中の溶液を5分間かけて添加した。その反応混合物を-78℃で1時間撹拌し、次いで、DMF(1.06mL、13.7mmol)でクエンチした。その反応混合物を0℃まで昇温させ、さらに20分間撹拌した。AcOH(3.0mL)を0℃で添加し、その反応混合物を室温まで昇温させ、一晩撹拌した。その混合物をEtOAc(300mL)で希釈し、次いで、H2O(2×150mL)及び飽和水性NaClで洗浄した。その有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中のEtOAcで溶離)で精製して、3-ブロモ-5,6-ジメトキシピラジン-2-カルバルデヒドが得られた。
LCMS (C7H8BrN2O3) (ES, m/z): 247, 249 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 10.19 (s, 1H), 4.17 (s, 3H), 4.14 (s, 3H)。
段階2: 2,3-ジメトキシチエノ[2,3-b]ピラジン-6-カルボン酸tert-ブチル
2-スルファニル酢酸tert-ブチル(424μL、2.92mmol)及びDMF(2.9mL)を、3-ブロモ-5,6-ジメトキシピラジン-2-カルバルデヒド(650mg、2.63mmol)に室温で添加した。次いで、その反応混合物に、室温で、K2CO3(1090mg、7.89mmol)を少量ずつ添加した。その反応混合物を80℃に加熱し、一晩撹拌した。次いで、その反応混合物を室温まで冷却し、Et2Oで希釈し、H2Oでクエンチした。その反応混合物をEt2Oで抽出し、合わせた有機物を飽和水性NaClで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中のEtOAcで溶離)で精製して、2,3-ジメトキシチエノ[2,3-b]ピラジン-6-カルボン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C13H17N2O4S) (ES, m/z): 297 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 7.89 (s, 1H), 4.02 (s, 3H), 3.99 (s, 3H), 1.55 (s, 9H)。
段階3: 2,3-ジメトキシチエノ[2,3-b]ピラジン-6-カルボン酸
2,3-ジメトキシチエノ[2,3-b]ピラジン-6-カルボン酸tert-ブチル(400mg、1.35mmol)のDCM(6.0mL)中の撹拌溶液に、HCl(ジオキサン中4.0M、1.7mL、6.8mmol)を室温で添加した。その反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで、Hex(50mL)を滴下して加えることによって希釈し、室温で1時間撹拌した。その反応混合物を濾過し、収集した物質をHex(2x10mL)で洗浄し、減圧下で濃縮して、2,3-ジメトキシチエノ[2,3-b]ピラジン-6-カルボン酸が得られた。
LCMS (C9H9N2O4S) (ES, m/z): 241 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 12.71 (br s, 1H), 7.90 (s, 1H), 4.03 (s, 3H), 3.99 (s, 3H)。
段階4: 3-(2,3-ジメトキシチエノ[2,3-b]ピラジン-6-イル)-3-オキソプロパン酸tert-ブチル
THF(5.5mL)中の2,3-ジメトキシチエノ[2,3-b]ピラジン-6-カルボン酸(80mg、0.33mmol)とCDI(324mg、2.00mmol)の混合物を室温で3時間撹拌した。その混合物にマグネシウムビス(3-tert-ブトキシ-3-オキソプロパノエート)(628mg、1.83mmol)を添加し、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中の(EtOAc中の25%EtOH)で溶離)で精製して、3-(2,3-ジメトキシチエノ[2,3-b]ピラジン-6-イル)-3-オキソプロパン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C15H19N2O5S) (ES, m/z): 339 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.32 (s, 1H), 4.13 (s, 2H), 4.04 (s, 3H), 4.00 (s, 3H), 1.41 (s, 9H)。
調製3: 5,6-ジメトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸
段階1: 5,6-ジメトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸tert-ブチル
DMF(8.3mL)中、3-クロロ-5,6-ジメトキシピコリンアルデヒド(575mg、2.86mmol)と2-スルファニル酢酸tert-ブチル(0.456mL、3.14mmol)の混合物に、室温で、K2CO3(1180mg、8.56mmol)を添加した。その反応混合物を撹拌し、3日間60℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、次いで、Et2OとH2Oで希釈した。その有機層を分離し、飽和水性NaClで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中のEtOAcで溶離)で精製して、5,6-ジメトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸tert-ブチルが得られた。
1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 7.95 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 1.54 (s, 9H)。
段階2: 5,6-ジメトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸
5,6-ジメトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸tert-ブチル(493mg、1.67mmol)のDCM(7.4mL)中の溶液に,室温で、HCl(H2O中の4.0M、2.1mL、8.4mmol)を添加した。その反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで、Hex(50mL)を滴下して加えることによって希釈した。その混合物を1時間撹拌し、次いで、濾過した。収集した物質をHex(2×10mL)で洗浄し、次いで、減圧下で乾燥させて、5,6-ジメトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸が得られた。
LCMS (C10H10NO4S) (ES, m/z): 240 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 7.97 (s, 1H), 7.85 (s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.88 (s, 3H)。
調製4: 3-(5,6-ジメトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-3-オキソプロパン酸tert-ブチル
THF(5mL)中の5,6-ジメトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸(500mg、2.09mmol)の混合物に、CDI(508mg、3.13mmol)を添加した。その反応混合物を室温で3時間撹拌した。その反応混合物を3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロパン酸マグネシウム(1220mg、3.55mmol)を含む別のフラスコに加えた。その反応混合物を追加のTHF(4mL)で希釈し、室温で一晩撹拌した。次いで、その反応混合物を1時間50℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、H2O(20mL)で希釈した。クエン酸ナトリウム三塩基二水和物(2g)及びEtOAc(50mL)を添加した。その有機層を分離し、その水層をEtOAcで抽出した。その有機層を合し、飽和水性NaClで洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中のEtOAcで溶離)で精製して、3-(5,6-ジメトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-3-オキソプロパン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C16H20NO5S) (ES, m/z): 338 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.97 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 4.13 (s, 3H), 3.99 (s, 3H), 3.92 (s, 2H), 1.48 (s, 9H)。
DCM(6mL)中の(2’-メチルアミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)メタンスルホナトパラジウム(II)二量体(439mg、0.573mmol)と2’-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-N2,N2,N6,N6-テトラメチル-[1,1’-ビフェニル]-2,6-ジアミン(500mg、1.15mmol)の混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、その溶液をEt2O(30mL)で希釈した。その溶液を濾過し、減圧下で濃縮した。次いで、その残渣をペンタン中でスラリー化し、再度減圧下で濃縮して、C-Phos Pd G4が得られた。「Bruno, N. C.;Niljianskul, N.;Buchwald, S. L. J. Org. Chem. 2014, 79, 4161」を参照されたい。
中間体1: (S)-4-(5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
段階1: 5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボニルクロリド
DMF(10.45mL)中の5,6-ジメトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸(1.00g、4.1mmol)の撹拌混合物に、N2下、0℃で、POCl3(1.17mL、12.5mmol)を添加した。10分後、その反応混合物を室温まで昇温させた。次いで、その反応混合物を100℃に加熱し、45分間撹拌した。その反応混合物を氷水(100mL)に添加し、撹拌した。その混合物を濾過し、その収集した物質を水(2×30mL)及びHex(50mL)で洗浄した。その収集した物質をEt2O(50mL)で希釈し、濾過した。その収集した物質をCH2Cl2(60mL)に溶解させ、その混合物を無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボニルクロリドが得られた。
1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.32 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 4.06 (s, 3H)。
段階2: (S)-4-(5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
CuI(0.073g、0.38mmol)を減圧下に置き、ヒートガンを用いて1分間加熱した。そのフラスコを室温まで冷却し、次いで、N2に開放した。さらに2回、そのフラスコを排気し、次いで、N2を再充填した。そのフラスコは、ゴム製隔膜とN2注入口を用いて正のN2圧下に維持した。そのフラスコにTHF(2mL)を添加し、その反応混合物を氷水浴内で冷却した。その反応混合物に、(R)-(3-メトキシ-2-メチル-3-オキソプロピル)亜鉛(II)ブロミドのTHF(0.50M、1.68mL、0.84mmol)中の溶液を5分間かけて滴下して加えた。その反応混合物を0℃で105分間撹拌した。次いで、NMP(3mL)中の5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボニルクロリド(0.200g、0.763mmol)の混合物を5分間かけて滴下して加えた。次いで、その反応混合物を0℃で3時間撹拌した。次いで、その反応混合物を、酢酸イソプロピル(50mL)とクエン酸ナトリウム(水中20%(w/v)、50mL)の撹拌混合物に添加した。20分間撹拌した後、層を分離し、その水層を酢酸イソプロピル(30mL)で抽出した。その有機層を合し、飽和水性NaCl(2×50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中のEtOAcで溶離)で精製して、(S)-メチル4-(5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C14H15ClNO4S) (ES, m/z): 328 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.99 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 4.03 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 3.51 (dd, J=17.2, 7.9Hz, 1H), 3.21-3.12 (m, 1H), 3.06 (dd, J=17.2, 5.2Hz, 1H), 1.32 (d, J=7.1Hz, 3H)。
中間体2: 4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
段階1: 4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(1.75g、4.38mmol;純度81%)及びC-Phos Pd G3(0.177g、0.219mmol)を、隔膜を含むねじ蓋を有する40mL容バイアルに添加した。そのバイアルを排気及びN2の再充填に3回付した。N2下で撹拌しながら、そのバイアルにTHF(15.7mL)を添加した。得られた懸濁液を室温で撹拌しながら、(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、17.5mL、8.75mmol)を撹拌しながら滴下して加えた。その混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、その反応物をEtOAc(75mL)と10%水性クエン酸ナトリウム(75mL)の間で分配させ、5分間強く撹拌した。層を分離し、その水層をEtOAc(20mL)で抽出した。その有機層を合し、飽和水性NaCl(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中の0→40%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C26H40NaO5SSi) (ES, m/z): 515 [M+Na]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.89 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.67 (t, J=6.3Hz, 2H), 3.28 (t, J=6.8Hz, 2H), 2.76 (t, J=7.2Hz, 2H), 2.72 (t, J=7.2Hz, 2H), 1.85 (p, J=6.5Hz, 2H), 1.46 (s, 9H), 0.94 (s, 9H), 0.08 (s, 6H)。
段階2: 4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
MeOH(5.0mL)中の4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(1.45g、2.94mmol)の混合物に、水(5.0mL)及びHOAc(5.0mL)を添加した。得られた懸濁液を室温で18時間撹拌した。その反応物をEtOAcと水性NaClの間で分配させた。層を分離し、その水層をEtOAcで抽出した。その有機層を合し、飽和水性NaClで2回洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製残渣が得られた。その得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→100%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C20H26NaO5S) (ES, m/z): 401 [M+Na]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.89 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.68 (t, J=5.5Hz, 2H), 3.28 (t, J=6.6Hz, 2H), 2.82 (t, J=7.3Hz, 2H), 2.72 (t, J=6.6Hz, 2H), 1.96-1.83 (m, 2H), 1.46 (s, 9H)。
中間体3: 4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
THF(2.8mL)中の4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(0.22g、0.57mmol)の混合物に、トリフェニルホスフィン(0.24g、0.91mmol)を添加した。得られた混合物を0℃まで冷却し、NBS(0.15g、0.85mmol)を一度に添加した。0℃で30分間撹拌した後、その反応物を飽和水性AlCl3及びEtOAcで希釈した、その有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。次いで、得られた生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C16H18BrO4S) (ES, m/z): 385, 387 [M-C4H8]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.27 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.60-3.49 (m, 2H), 3.30-3.21 (m, 2H), 2.88-2.75 (m, 2H), 2.67-2.56 (m, 2H), 2.18-2.06 (m, 2H), 1.38 (s, 9H)。
中間体4: 4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタンニトリル
段階1: 5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチル
5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(5.0g、17mmol)のMeOH(60mL)中の懸濁液に、濃H2SO4(3.0mL、56mmol)を添加した。その反応混合物を4.5日間70℃に加熱した。次いで、その混合物を室温まで冷却し、水で稀釈した。その混合物にCHCl3中の30%IPAを添加した。その有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチルが得られた。
1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.30 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.88 (s, 3H)。
段階2: (5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノール
THF(9.0mL)中の5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチル(0.78g、2.3mmol)の混合物に、0℃で、LAH(THF中1.0M、2.8mL、2.8mmol)をゆっくりと添加した。40分間経過した後、その反応混合物を飽和水性AlCl3で希釈した。EtOAcを添加し、その有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノールが得られた。
LCMS (C10H8BrOS) (ES, m/z): 255, 257 [M-OH]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.01 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.14 (s, 1H), 5.69-5.59 (m, 1H), 4.73-4.64 (m, 2H), 3.89 (s, 3H)。
段階3: 5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルバルデヒド
DCM(97mL)中の(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)メタノール(4.0g、15mmol)の混合物に、二酸化マンガン(6.3g、73mmol)を添加した。その反応混合物を室温で20時間撹拌し、次いで、CELITEのプラグで濾過した。その濾液を減圧下で濃縮した。得られた生成物をMeOH中で摩砕し、その混合物をグラスフリットに通して、5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルバルデヒドを収集した。
LCMS (C10H8BrO2S) (ES, m/z): 271, 273 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 10.07 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 3.97 (s, 3H)。
段階4: 4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタンニトリル
5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルバルデヒド(0.30g、1.1mmol)、2-メシチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-ピロロ[2,1-c][1,2,4]トリアゾール-4-イウムクロリド(0.029g、0.11mmol)及びK3PO4(0.24g、1.1mmol)のトルエン(2.2mL)中の懸濁液に、ACN(0.15mL、2.2mmol)を添加した。その反応混合物をアルゴン下に置き、室温で18時間撹拌した。次いで、その反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタンニトリルが得られた。
LCMS (C13H11BrNO2S) (ES, m/z): 324, 326 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.33-8.22 (m, 2H), 7.84 (s, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.59-3.44 (m, 2H), 2.88-2.73 (m, 2H)。
中間体5: 4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル
段階1: 5-ブロモ-2-フルオロ-4-メトキシベンズアルデヒド
Br2(6.0mL、120mmol)のMeOH(40mL)中の溶液に、0℃で、2-フルオロ-4-メトキシベンズアルデヒド(9.0g、58mmol)をゆっくりと(少量ずつ)添加した。その反応混合物を0℃で2時間撹拌した。その反応混合物に、0℃で、NaHSO3(24.3g、234mmol)のH2O(300mL)中の溶液をゆっくりと添加した。次いで、得られた懸濁液を0℃で30分間撹拌した。その反応混合物を濾過し、その濾液をさらなるH2O(3×25mL)で洗浄した。次いで、その濾液を減圧下で乾燥させて、5-ブロモ-2-フルオロ-4-メトキシベンズアルデヒドが得られた。その生成物は、精製することなく使用した。
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ 10.02 (s, 1H), 7.98 (d, J=7.5Hz, 1H), 7.26 (d, J=13.0Hz, 1H), 3.97 (s, 3H)。
段階2: 5-ブロモ-6-メトキシ(mehoxy)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸tert-ブチル
5-ブロモ-2-フルオロ-4-メトキシベンズアルデヒド(10.7g、45.8mmol)と2-メルカプト酢酸tert-ブチル(6.65mL、45.8mmol)のDMF(50mL)中の溶液に、アルゴン下、20℃で、K2CO3(19.0g、137mmol)をゆっくりと(少量ずつ)添加した。その反応混合物を撹拌し、16時間100℃に加熱した。次いで、その反応混合物を室温まで冷却し、Et2O(1000mL)で希釈した。次いで、その混合物をH2O(500mL、次いで、2×250mL)で洗浄し、合わせた水層をEt2O(2×200mL)で抽出した。次いで、その有機層を合し、飽和水性NaCl(50mL)で洗浄した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸tert-ブチルが得られた。その生成物は、精製することなく使用した。
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ 8.26 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 3.92 (s, 3H), 1.55 (s, 9H)。
段階3: 5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸
5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸tert-ブチル(15.5g、45.0mmol)のDCM(200mL)中の溶液に、20℃で、HCl(56mL、1,4-ジオキサン中4.0M、230mmol)を添加した。その反応混合物を20℃で3日間撹拌した。次いで、その反応混合物を、Hex(500mL)を滴下して加えることによって希釈した。室温での添加後、得られた懸濁液をさらに2時間撹拌した。その反応混合物を濾過し、収集した物質をHex(2×50mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸が得られた。これは、精製することなく使用した。
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ 13.42 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 3.93 (s, 3H)。
段階4: 5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド
5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(6.0g、21mmol)と(COCl)2(5.5mL、63mmol)のTHF(100mL)中の溶液に、アルゴン下、0℃で、DMF(0.049mL、0.63mmol)をゆっくりと(滴下して)加えた。その反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、室温まで昇温させた。その反応混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、その反応混合物を減圧下で濃縮して、5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリドが得られた。その生成物は、精製することなく使用した。
段階5: 4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル
オーブンで乾燥させた、((チオフェン-2-カルボニル)オキシ)銅(1.31g、6.87mmol)を含むフラスコに、アルゴン下、0℃で、(3-エトキシ-3-オキソプロピル)亜鉛(II)ブロミドの溶液(13.8mL、THF中0.50M、6.9mmol)を添加した。その反応混合物を、アルゴン下、0℃で20分間撹拌した。次いで、その反応混合物に、5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド(1.52g、4.98mmol)のTHF(25.0mL)中のAr脱ガス溶液を0℃でカニューレを介して添加した;得られた懸濁液を室温まで昇温させ、3時間撹拌した。その反応混合物を0℃まで冷却し、飽和水性NH4Cl(50mL)でクエンチした。その混合物を室温まで昇温させ、10分間撹拌した。その混合物を濾過し、その濾液をEtOAc(500mL)と飽和水性NaCl(50mL)で希釈した。その有機層を分離し、飽和水性NaCl(25mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM中のEtOAc)で精製して、4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチルが得られた。
LCMS (C15H16BrO4S) (ES, m/z): 371, 373 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ 8.27 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 4.07-4.02 (m, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.35-3.25 (m, 2H), 2.68-2.64 (m, 2H), 1.20-1.14 (m, 3H)。
中間体6: 4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
中間体6は、「調製」として記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記で中間体5に関して略述した手順と同様の手順に従って調製することができる。
中間体7: 4-(6-メトキシ-5-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル
段階1: 4-(5-アリル-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル
4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル(5.0g、13mmol)、Pd(Ph3P)4(1.6g、1.3mmol)及びジオキサン(15mL)を含むバイアルに、アリルトリ-n-ブチルスズ(5.4mL、18mmol)を添加した。その反応物を18時間90℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物をDCMで希釈し、CELITEで濾過し、水性KF(0.5M、200mL)を含むフラスコに添加した。その混合物を撹拌し、次いで、その有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex中0→30%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-アリル-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチルが得られた。
LCMS (C18H21O4S) (ES, m/z): 333 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.23 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 5.96 (dq, J=15.9, 6.6Hz, 1H), 5.04 (d, J=4.5Hz, 1H), 5.02 (s, 1H), 4.01 (q, J=7.0Hz, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.37 (d, J=6.3Hz, 2H), 3.27 (dd, J=11.0, 4.3Hz, 2H), 2.62 (t, J=6.1Hz, 2H), 1.13 (t, J=7.1Hz, 3H)。
段階2: 4-(6-メトキシ-5-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル
1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(0.45g、1.1mmol)、クロロ(1,5-シクロオクタジエン)イリジウム(i)二量体(0.35g、0.53mmol)、4-(5-アリル-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル(3.5g、11mmol)及びTHF(20mL)の混合物に、ピナコールボラン(THF中1.0M、15.8mL、15.8mmol)を添加した。その反応物を室温で4時間撹拌した。次いで、その溶媒を減圧下で除去し、その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex中0→20%EtOAcの勾配)で精製して、4-(6-メトキシ-5-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチルが得られた。
1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.21 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.53 (s, 1H), 4.02 (q, J=7.0Hz, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.27 (t, J=6.2Hz, 2H), 2.62 (t, J=6.1Hz, 2H), 2.58 (t, J=7.4Hz, 2H), 1.58 (p, J=7.4Hz, 2H), 1.16-1.11 (m, 15H), 0.67 (t, J=7.6Hz, 2H)。
中間体8: 4-(6-(3-ブロモプロピル)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
段階1: 6-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチル
4-ブロモ-2-フルオロ-5-メトキシベンズアルデヒド(5.00g、21.5mmol)のDMF(100mL)中の撹拌溶液に、2-メルカプト酢酸メチル(2.51g、23.6mmol)及びK2CO3(8.90g、64.4mmol)を添加した。その反応混合物をN2を用いて3回脱ガスした。次いで、得られた混合物を室温で15時間撹拌した。その反応混合物に、EtOAc(500mL)及びH2O(1200mL)を添加した。その有機層を分離し、飽和水性NaCl(2×200mL)で洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE中EtOAc)で精製し、6-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチルが得られた。
LCMS (C11H10BrO3S) (ES, m/z): 301, 303 [M+H]+. 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ=8.01 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.94 (s, 3H)。
段階2: 6-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸
6-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチル(1.45g、4.81mmol)のMeOH(20mL)とTHF(20mL)とH2O(20mL)中の懸濁液に、NaOH(1.93g、48.1mmol)を添加した。得られた懸濁液を0.5時間50℃に加熱した。その反応混合物を減圧下で濃縮して溶媒を除去した。その残渣にH2O(200mL)を添加し、そして、クエン酸を添加してその溶液をpH=6に調節した。残った水性懸濁液をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaCl(100mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、6-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸が得られた。これは、それ以上精製することなく使用した。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ=13.52 (br s, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.65 (s, 1H), 3.90 (s, 3H)。
段階3: 6-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド
6-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(800mg、2.79mmol)の無水THF(6mL)中の撹拌溶液に、(COCl)2(1.06g、8.36mmol)を0℃で滴下して加えた。次いで、その混合物を75℃で15時間加熱し、次いで、室温まで冷却した。その溶媒を減圧下で除去して、粗製6-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリドが得られた。これは、それ以上精製することなく使用した。
段階4: 4-(6-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
丸底フラスコにCuI(0.24g、2.4mmol)を添加した。そのフラスコを排気し、次いで、N2に開放した。これを、3回繰り返した。THF(4.0mL)を添加し、その混合物を0℃まで冷却した。(3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロピル)亜鉛(II)ブロミドの混合物(THF中0.50M、9.6mL、4.8mmol)を0℃で10分間かけて滴下して加えた。得られた混合物を30分間撹拌した。6-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド(0.73g、2.4mmol)を添加した。その混合物を氷浴から取り出し、室温まで昇温させた。その混合物を2時間撹拌した。次いで、その混合物を0℃まで冷却し、濃NH4OH(4.5mL)を添加した。得られた懸濁液に、水(240mL)及びMeOH(60mL)を添加した。その混合物を5分間撹拌し、バスソニケーター内で超音波処理した。次いで、その混合物をEtOAcで希釈し、その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その生成物残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、4-(6-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C17H19BrO4S) (ES, m/z): 421, 423 [M+Na]+。
段階5: 4-(6-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
4-(6-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(0.16g、0.40mmol)とTHF(2.0mL)を含むフラスコに、[(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ビス(N,N-ジメチルアミノ)-1,1’-ビフェニル)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(C-Phos Pd G3、16mg、0.020mmol)を添加した。そのフラスコを排気し、3回、N2を再充填した。(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、2.4mL、1.2mmol)を添加し、その混合物を室温で2.5時間撹拌した。次いで、その混合物をEtOAcと10%水性クエン酸ナトリウムの混合物でクエンチした。その有機層を分離し、飽和水性NaClで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、4-(6-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C26H41O5SSi-C4H8) (ES, m/z): 437 [M-C4H8]+。
段階6: 4-(6-(3-ヒドロキシプロピル)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
4-(6-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(0.11g、0.23mmol)を含むフラスコに、MeOH(1.5mL)、水(1.5mL)及びHOAc(1.5mL)を添加した。その混合物を4時間撹拌した。その混合物をEtOAcで希釈し、次いで、水(3×50mL)で洗浄した。その有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、4-(6-(3-ヒドロキシプロピル)-5-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C20H27O5S-C4H8) (ES, m/z): 323 [M-C4H8]+。
段階7: 4-(6-(3-ブロモプロピル)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
THF(1.0mL)中の4-(6-(3-ヒドロキシプロピル)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(74mg、0.20mmol)とトリフェニルホスフィン(82mg、0.31mmol)の混合物に、0℃で、NBS(52mg、0.29mmol)を添加した。0℃で15分間経過した後、その混合物を飽和水性NH4Clでクエンチし、EtOAcで希釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、4-(6-(3-ブロモプロピル)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C20H26BrO4S-C4H8) (ES, m/z): 385, 387 [M-C4H8]。
中間体9: 4-(4-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル
段階1: 2-ブロモ-6-フルオロ-4-メトキシベンズアルデヒド
THF(120mL)中の1-ブロモ-3-フルオロ-5-メトキシベンゼン(7.5g、37mmol)の混合物に、-78℃で、LDA(THF中2.0M、22mL、44mmol)を添加し、その混合物を-78℃で30分間撹拌した。30分間経過した後、DMF(3.4mL、44mmol)を滴下して加え、次いで、その混合物を30分間撹拌した。次いで、その混合物を水でクエンチし、室温まで昇温させ、次いで、EtOAcを添加した。層を分離し、その水層をEtOAcでさらに2回抽出した。合わせた有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製生成物残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、2-ブロモ-6-フルオロ-4-メトキシベンズアルデヒドが得られた。
LCMS (C8H7BrFO2) (ES, m/z): 233, 235 [M+H]+。
段階2: 4-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチル
DMSO(54mL)中の2-ブロモ-6-フルオロ-4-メトキシベンズアルデヒド(2.5g、11mmol)の混合物に、TEA(3.0mL、21mmol)を添加した。10分間経過した後、チオグリコール酸メチル(3.1mL、32mmol)を添加し、その混合物を室温で30分間撹拌した。30分間経過した後、その混合物を1時間60℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を飽和水性NaHCO3とEtOAcで希釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製生成物残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→15%EtOAcの勾配)で精製して、4-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチルが得られた。
LCMS (C11H10BrO3S) (ES, m/z): 301, 303 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 7.93 (s, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.44-7.37 (m, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.87 (s, 3H)。
段階3: 4-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸
THF(14mL)中の4-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチル(1.7g、5.5mmol)とMeOH(7.0mL)と水(7.0mL)の混合物に、LiOH(0.66g、28mmol)を添加し、その混合物を2時間40℃に加熱した。2時間経過した後、その混合物を室温まで冷却した。その混合物を水性HCl(水中2.0M、14mL、28mmol)でクエンチした。その混合物を濾過し、その残渣をEtOAcで洗浄した。次いで、その残渣を減圧下で乾燥させ、それ以上精製することなく使用した。
LCMS (C10H8BrO3S) (ES, m/z): 287, 289 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 13.57 (s, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.38 (d, J=1.7Hz, 1H), 3.86 (s, 3H)。
中間体10: 4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル
段階1: 4-(6-メトキシ-5-(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル
4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル(13g、35mmol)とC-Phos Pd G4(1.4g、1.7mmol)の混合物に、(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、100mL、50mmol)を一度に添加した。その反応物を2時間40℃に加熱した。次いで、その混合物を室温まで冷却し、CELITEで濾過した。その濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex中0→30%EtOAcの勾配)で精製して、4-(6-メトキシ-5-(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチルが得られた。
LCMS (C23H31O6S) (ES, m/z): 435 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.21 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 4.50 (s, 1H), 4.02 (q, J=7.0Hz, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.70 (t, J=8.1Hz, 1H), 3.65-3.58 (m, 1H), 3.40-3.34 (m, 1H), 3.33-3.29 (m, 3H), 2.73-2.59 (m, 4H), 1.79 (p, J=6.7Hz, 2H), 1.69 (d, J=8.7Hz, 1H), 1.58 (t, J=7.9Hz, 1H), 1.48-1.34 (m, 4H), 1.14 (t, J=7.1Hz, 3H)。
段階2: 4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル
4-(6-メトキシ-5-(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタノエート(6.2g、14mmol)とDCM(100mL)の混合物に、0℃で、トリフェニルホスフィンジブロミド(9.03g、21.4mmol)を少量ずつ添加した。その混合物を室温まで昇温させ、次いで、1時間撹拌した。次いで、その混合物を水でクエンチし、DCMで希釈した。その有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex中0→30%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチルが得られた。
LCMS (C18H22BrO4S) (ES, m/z): 413, 415 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.23 (s, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 4.02 (q, J=7.0Hz, 2H), 3.86 (s, 3H), 3.50 (t, J=6.5Hz, 2H), 3.27 (d, J=6.4Hz, 2H), 2.75 (t, J=7.3Hz, 2H), 2.63 (t, J=6.2Hz, 2H), 2.07 (p, J=6.7Hz, 2H), 1.14 (t, J=7.1Hz, 3H)。
中間体11: 4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル
段階1: 4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチル
ACN(1mL)中の5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチル(50mg、0.20mmol)の混合物に、室温で、1-クロロメチル-4-フルオロ-1,4-ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)(SELECTFLUORTM、77mg、0.22mmol)を添加した。得られた混合物を45℃で15時間撹拌した。その混合物を室温まで冷却し、飽和水性NaHCO3(10mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaCl(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣を分取TLC(SiO2、PE中のEtOAc)で精製して、4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチルが得られた。
LCMS (C12H12FO4S) (ES, m/z): 293 [M+H]+. 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 8.05 (s, 1H), 7.08 (s, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 3.94 (s, 3H)。
段階2: 4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸
THF(3mL)中の4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチル(46mg、0.170mmol)とMeOH(1mL)とH2O(1mL)の混合物に、室温で、LiOH・H2O(71.4mg、1.70mmol)を少量ずつ添加した。次いで、その混合物を15時間撹拌した。その混合物を、1N HClを用いてpH=5に調節し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaCl(10mL)で洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣を分取HPLC(ACN/H2O(0.1%TFA含有))で精製して、4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸が得られた。
LCMS (C11H9FO4S) (ES, m/z): 257 [M+H]+. 1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 8.12 (s, 1H), 7.09 (s, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.97 (s, 3H)。
段階3: 4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド
4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(153mg、0.60mmol)の無水THF(5mL)中の撹拌溶液に、(COCl)2(0.21mL、2.40mmol)を0℃で滴下して加えた。その混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、室温で1時間撹拌した。その溶媒を減圧下で除去して、4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリドが得られ、これは、それ以上精製することなく使用した。
段階4: 4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル
チオフェン-2-カルボン酸銅(I)(125mg、0.65mmol)の懸濁液に5分間N2をスパージし、次いで、0℃まで冷却した。(3-エトキシ-3-オキソプロピル)亜鉛(II)ブロミドの溶液(17.7mL、THF中0.5M、8.83mmol)を、N2下、0℃で添加し、その反応混合物を0℃で20分間撹拌した。次いで、4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド(130mg、0.47mmol)のN2ガスをスパージしたTHF(3mL)溶液を0℃で添加した。得られた懸濁液を室温まで昇温させ、8時間撹拌した。その混合物を、飽和水性NH4Cl(20mL)を撹拌しながら、その中に添加した。その混合物をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をH2Oと飽和水性NaClで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex中EtOAc)で精製して、4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチルが得られた。
LCMS (C16H18FO5S) (ES, m/z): 341 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.02 (d, J=0.7Hz, 1H), 7.10 (t, J=1.0Hz, 1H), 4.19 (q, J=7.2Hz, 2H), 4.05-3.97 (m, 6H), 3.36 (t, J=6.7Hz, 2H), 2.81 (t, J=6.7Hz, 2H), 1.29 (t, J=7.2Hz, 3H)。
段階5: 4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル
4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル(3.6g、11mmol)とDCM(50mL)の混合物に、AlCl3(5.64g、42.3mmol)を添加した。その反応混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、その反応容器に添加漏斗を連結し、その混合物を強く撹拌しながら、それに水(50mL)をゆっくりと添加し、その後、水性HCl(1N、50mL)を添加した。次いで、その混合物を20%IPA/DCMで希釈した。その有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(100%DCM)で精製して、4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチルが得られた。
LCMS (C15H16FO5S) (ES, m/z): 327 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 9.53 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 4.06 (q, J=7.1Hz, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.39-3.34 (m, 2H), 2.68-2.63 (m, 2H), 1.18 (t, J=7.1Hz, 3H)。
中間体12: (S)-メチル4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート
段階1: (2S)-メチル-4-(6-メトキシ-5-(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート
(S)-メチル-4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(7.0g、19mmol)とC-Phos Pd G4(0.76g、0.94mmol)の混合物に、(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、100mL、50mmol)を添加した。その混合物を2時間40℃に加熱した。次いで、その混合物を室温まで冷却し、CELITEで濾過した。その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex中0→30%EtOAcの勾配)で精製して、(2S)-メチル-4-(6-メトキシ-5-(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸エチルが得られた。
LCMS (C23H31O6S) (ES, m/z): 435 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.21 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 4.50 (s, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.70 (dd, J=13.2, 5.3Hz, 1H), 3.64-3.58 (m, 1H), 3.56 (s, 3H), 3.42-3.35 (m, 2H), 3.35-3.29 (m, 1H), 3.15 (dd, J=17.4, 4.9Hz, 1H), 2.94 (dt, J=12.9, 7.1Hz, 1H), 2.67 (hept, J=7.6, 7.1Hz, 2H), 1.79 (p, J= 6.7Hz, 2H), 1.69 (d, J=8.7Hz, 1H), 1.58 (t, J=7.9Hz, 1H), 1.48-1.35 (m, 4H), 1.18-1.11 (m, 3H)。
段階2: (S)-メチル4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート
(2S)-メチル-4-(6-メトキシ-5-(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(2.62g、6.03mmol)とMeOH(50mL)の混合物に、pTsOH(1.72g、9.04mmol)を添加した。その混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、その混合物を水でクエンチし、DCMで希釈した。その有機層を分離し、次いで、水性飽和NaHCO3で洗浄した。次いで、その有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-メチル4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C18H23O5S) (ES, m/z): 351 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.21 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 4.44 (t, J=5.0Hz, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.56 (s, 3H), 3.42-3.35 (m, 3H), 3.15 (dd, J=17.4, 4.9Hz, 1H), 2.93 (h, J=7.0Hz, 1H), 2.64 (t, J=7.6Hz, 2H), 1.68 (p, J=6.6Hz, 2H), 1.15 (d, J=7.1Hz, 3H)。
中間体13: 4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル
段階1: 5-ブロモ-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチル
DMSO(120mL)中の5-ブロモ-2-フルオロ-4-メチルベンズアルデヒド(5.0g、23mmol)の混合物に、TEA(6.4mL、46mmol)を添加した。10分間経過した後、チオグリコール酸メチル(6.7mL、69mmol)を添加し、次いで、その混合物を18時間60℃に加熱した。18時間経過した後、その混合物を室温まで冷却し、その混合物をEtOAcと水で稀釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その混合物をDCMで希釈した。その混合物を濾過し、その残渣を減圧下で乾燥させた。その母液にシリカゲル(50g)を添加し、その混合物を濃縮した。次いで、その混合物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、5-ブロモ-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチルが得られた。
1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.31 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 3.89 (s, 3H), 2.48 (s, 3H)。
段階2: 5-ブロモ-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸
5-ブロモ-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸メチル(2.76g、9.68mmol)の、THF(24mL)、水(12mL)、MeOH(12mL)の混合物に、LiOH(1.16g、48.4mmol)を添加し、その混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、その混合物をHCl(水中1.0M、48mL、48mmol)を用いて酸性化してほぼ中性とした。次いで、その混合物をEtOAcと水で稀釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、5-ブロモ-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸が得られた。その生成物は、精製することなく使用した。
LCMS (C10H8BrO2S) (ES, m/z): 271, 273 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 13.56 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 2.47 (s, 3H)。
段階3: 5-ブロモ-6-メチルベンゾ[b]チオフェン
5-ブロモ-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(5.7g、21mmol)にDMA(100mL)を添加した。次いで、その混合物を5つのバイアルに均等に分けた。DBU(1.6mL)を各バイアルに添加し、次いで、マイクロ波オーブンの中で各バイアルを2時間照射して200℃とした。完了後、その5つのバイアルを合し、次いで、EtOAcと飽和水性NaHCO3で希釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、5-ブロモ-6-メチルベンゾ[b]チオフェンが得られた。
1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.15 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.75 (d, J=5.4Hz, 1H), 7.39 (d, J=5.3Hz, 1H), 2.45 (s, 3H)。
段階4: 4-(5-ブロモ-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸
DCM(88mL)中の5-ブロモ-6-メチルベンゾ[b]チオフェン(2.0g、8.8mmol)の混合物に、0℃で、無水コハク酸(1.1g、11mmol)を添加し、次いで、AlCl3(2.3g、18mmol)を添加した。その混合物を室温まで昇温させ、18時間撹拌した。次いで、その混合物をEtOAcとHCl(水中1.0N)で希釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過した。その濾液にシリカゲル(10g)を添加し、その混合物を減圧下で濃縮した。その混合物を減圧下に18時間置き、次いで、シリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→50%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-ブロモ-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C13H12BrO3S) (ES, m/z): 327, 329 [M+H]+。
段階5: 4-(5-ブロモ-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル
DMF(20mL)中の4-(5-ブロモ-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸(0.99g、3.0mmol)の混合物に、K2CO3(1.0g、7.6mmol)を添加した。10分間経過した後、CH3I(0.95mL、15mmol)を添加し、その混合物を、LCMSによって完結するまで撹拌した。次いで、その混合物をEtOAcと水で稀釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、4-(5-ブロモ-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C14H14BrO3S) (ES, m/z): 341, 343 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.32 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 3.61 (s, 3H), 3.37 (t, J=6.3Hz, 2H), 2.70 (t, J=6.3Hz, 2H), 2.48 (s, 3H)。
段階6: 4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル
4-(5-ブロモ-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル(0.40g、1.2mmol)とTHF(5.9mL)を含むフラスコにC-Phos Pd G3(47mg、0.059mmol)を添加し、その混合物を排気及びN2の再充填に3回付した。(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、7.0mL、3.5mmol)を添加し、その混合物を室温で2.5時間撹拌した。次いで、その混合物をEtOAcと10%水性クエン酸ナトリウムの混合物でクエンチした。その有機層を分離し、飽和水性NaClで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C23H35O4SSi) (ES, m/z): 435 [M+H]+。
段階7: 4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル
THF(2.7mL)中の4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メチル-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル(0.23g、0.54mmol)の混合物に、TBAF(THF1.0M、1.0mL、1.0mmol)を添加した。1.5時間経過した後、その混合物をEtOAcと飽和水性NH4Clで希釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→70%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C17H21O4S) (ES, m/z): 321 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.30 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 4.55 (t, J=5.1Hz, 1H), 3.61 (s, 3H), 3.51-3.46 (m, 2H), 3.38-3.34 (m, 2H), 2.77-2.66 (m, 4H), 2.41 (s, 3H), 1.79-1.67 (m, 2H)。
段階8: 4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル
THF(1.5mL)中、4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル(97mg、0.30mmol)とPh3P(130mg、0.48mmol)の撹拌混合物に、0℃で、NBS(81mg、0.45mmol)を一度に添加した。30分間経過した後、その反応物を飽和水性NH4ClとEtOAcでクエンチした。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→25%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メチルベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C17H20BrO3S) (ES, m/z): 383, 385 [M+H]+。
中間体14: 4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
段階1: 4-(5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
撹拌棒を備えた250mL容丸底フラスコに、CuCl(0.721g、7.29mmol)を添加した。そのフラスコを、排気及びその後のN2によるパージに3回付した。そのフラスコにTHF(14.6mL)を添加し、次いで、撹拌し、氷水浴で0℃に冷却した。次いで、0℃で撹拌しながら、(3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロピル)亜鉛(II)(0.50M THF、30mL、15mmol)を10分間かけて滴下して加えた。得られた混合物を0℃で35分間撹拌した。5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボニルクロリド(1.91g、7.29mmol)を添加し、その後、NMP(14.6mL)を添加した。得られた混合物を0℃で7時間撹拌した。その反応物を高速撹拌しながら、それに、0℃で濃NH4OH(4mL)を添加した。この懸濁液に、水:MeOH(4:1 140mL)を約20gのクエン酸ナトリウム三塩基二水和物と一緒に添加した。その混合物を20分間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、その濾過ケーキを水で洗浄した。次いで、そのケーキをHexの中に懸濁させ、2回濾過した。該ケーキを72時間にわたってN2で掃引して減圧にすることによって、4-(5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C16H19ClNO4S) (ES, m/z): 356 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.03 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 4.03 (s, 3H), 3.30 (t, J=6.5Hz, 2H), 2.87-2.59 (m, 2H), 1.46 (s, 9H)。
段階2: 4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
4-(5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(1.00g、2.81mmol)及びCPhos Pd G3(0.113g、0.141mmol)を、隔膜を含むねじ蓋を有する40mL容バイアルに添加した。そのバイアルを、排気及びN2の再充填に3回付した。そのバイアルに、N2下、撹拌しながらTHF(10.0mL)を添加した。得られた懸濁液を室温で撹拌しながら、(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、11.2mL、5.60mmol)を滴下して加えた。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。その混合物をEtOAc(75mL)と10%水性クエン酸ナトリウム(75mL)の間で分配させ、5分間強く撹拌した。層を分離し、その水層をEtOAc(20mL)で抽出した。その有機層を合し、飽和水性NaCl(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、減圧下で濃縮して、粗製残渣が得られた。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→40%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C25H40NO5SSi) (ES, m/z): 494 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.08 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.75 (t, J=6.5Hz, 2H), 3.30 (t, J=6.6Hz, 2H), 3.02-2.95 (m, 2H), 2.73 (t, J=6.6Hz, 2H), 2.03-1.96 (m, 2H), 1.46 (s, 9H), 0.92 (s, 9H), 0.07 (s, 6H)。
段階3: 4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
MeOH(3.0mL)中の4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(0.735g、1.49mmol)の混合物に、水(3.0mL)を添加し、次いで、HOAc(3.0mL)を添加した。得られた混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、その混合物を、EtOAc(50mL)と水(25mL)と飽和水性NaCl(25mL)の間で分配させた。層を分離し、その水層をEtOAc(50mL)で抽出した。その有機層を合し、飽和水性NaCl(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→100%EtOAcの勾配、その後、100%EtOAcで定組成)で精製して、4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C
19H
26NO
5S) (ES, m/z): 380 [M+H]
+.
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 8.06 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.73 (t, J=5.8Hz, 2H), 3.28 (t, J=6.6Hz, 2H), 3.10 (t, J=6.9Hz, 2H), 2.72 (t, J=6.6Hz, 2H), 2.06 (p, J=6.5Hz, 2H), 1.45 (s, 9H).
中間体15: 4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
段階1: 2-((3-ブロモ-4-メトキシフェニル)アミノ)-2-オキソ酢酸メチル
N2でパージし、N2の不活性雰囲気に維持した5L容4つ首丸底フラスコ中に、DCM(3.0L)中の3-ブロモ-4-メトキシアニリン(232g、1.15mol)とDIPEA(171g、1.32mol)と2-クロロ-2-オキソ酢酸メチル(148g、1.21mol)の混合物を入れた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、その混合物を、水/氷(2L)を添加することによってクエンチした。得られた混合物をDCM(3×1L)で抽出した。その有機層を合し、減圧下で濃縮して、2-((3-ブロモ-4-メトキシフェニル)アミノ)-2-オキソ酢酸メチルが得られた。これは、精製又は特徴付けを行うことなく使用した。
段階2: O-メチル2-((3-ブロモ-4-メトキシフェニル)アミノ)-2-オキソエタンチオエート
N2でパージし、N2の不活性雰囲気に維持した3L容4つ首丸底フラスコ中に、トルエン(1.5L)中の2-((3-ブロモ-4-メトキシフェニル)アミノ)-2-オキソ酢酸メチル(111g、386mmol)とローソン試薬(86.4 g、214mmol)の混合物を入れた。得られた混合物を16時間85℃に加熱した。次いで、その反応混合物を室温まで冷却した。生じた物質を濾過によって取り除き、DCM(3×500mL)で洗浄した。その濾液を減圧下で濃縮し、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/PE(1:20))で精製して、O-メチル2-((3-ブロモ-4-メトキシフェニル)アミノ)-2-オキソエタンチオエートが得られ、これは、特徴付けすることなく使用した。
段階3: 5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸カリウム塩及び7-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸カリウム塩(2:1 異性体の混合物)
N2でパージし、N2の不活性雰囲気に維持した2L容4つ首丸底フラスコ中に、メチルO-メチル2-((3-ブロモ-4-メトキシフェニル)アミノ)-2-オキソエタンチオエート(84.5g、278mmol)を入れた。その反応混合物に、H2O(500mL)中のKOH(50g、90mmol)の混合物を10分間かけて加えた。次いで、その反応混合物に、H2O(2L)中のフェリシアン化カリウム(III)水和物(242g、735mmol)の混合物を10分間かけて加えた。得られた混合物のpHを、水性HCl(2.0M)を用いて2に調節した。次いで、水(500mL)を添加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、生じた生成物を濾過によって収集し、DCM(1L)で洗浄した。そのケーキを水性KOH(2.0M、500mL、1mol)中に0.5時間懸濁させた。次いで、生じた生成物を濾過によって収集し、H2O(2×500mL)で洗浄して、5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸カリウム塩と7-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸カリウム塩の(2:1)混合物が得られた。
5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸カリウム塩(主要な異性体)に関する特徴付けデータ:1H NMR (400MHz, DMSO-d6, ppm) δ 8.13 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 3.80 (s, 3H)。
7-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸カリウム塩(少量の異性体)に関する特徴付けデータ:1H NMR (400MHz, DMSO-d6, ppm) 7.90 (d, J=8.9Hz, 1H), 7.26 (d, J=8.9Hz, 1H), 3.91 (s, 3H)。
段階4: 5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸及び7-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸(2:1 異性体の混合物)
1L容フラスコに、5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸カリウム塩及び7-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸カリウム塩(2:1 異性体の混合物)(22.4g、49.4mmol)、水(300mL)、ACN(180mL)、MeOH(120mL)及びTFA(11.4mL、148mmol)を添加した。その混合物を室温で15分間強く撹拌した。生じた生成物を濾過によって収集し、水(2×20mL)、MeOH(2×5mL)及びEt2O(2×10mL)で洗浄して、5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸と7-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸の(2:1)混合物が得られた。
5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸(主要な異性体)に関する特徴付けデータ:1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.45 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 3.96 (s, 3H)
7-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸(少量の異性体)に関する特徴付けデータ:1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.21 (d, J=9.0Hz, 1H), 7.51 (d, J=9.0Hz, 1H), 4.00 (s, 3H)。
段階5: 5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸メチル
250mL容フラスコに、5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸及び7-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸(2:1 異性体の混合物)(17.2g、41.8mmol)及びMeOH(150mL)を添加した。その混合物を強く撹拌し、0℃まで冷却した。その撹拌混合物に、SOCl2(6.1mL、84mmol)を10分間かけて滴下して加えた。次いで、その混合物を18時間加熱環流した。室温まで冷却した後、生じた生成物を濾過によって収集し、MeOH(2×20mL)で洗浄した。その生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0→30%EtOAcの勾配)で精製して、5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸メチルが単一の異性体として得られた。
LCMS (C10H9BrNO3S) (ES, m/z): 302, 304 (M+H)+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.42 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 4.09 (s, 3H), 4.02 (s, 3H)。
段階6: 5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸
500mL容丸底フラスコに、5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸メチル(7.3g、24mmol)及びMeOH(150mL)を添加した。その混合物を強く撹拌しながら、それに、水性NaOH(2.0M、37mL、74mmol)を添加した。その混合物を30分間加熱環流した。室温まで冷却した後、水性HCl(2.0M、37mL、74mmol)を滴下して加えた。その混合物を室温で18時間強く撹拌した。生じた生成物を濾過によって収集し、水(2×50mL)及びMeOH(2×20mL)で洗浄して、5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸が得られた。
LCMS (C9H7BrNO3S) (ES, m/z): 288, 290 (M+H). 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.45 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 3.96 (s, 3H)。
段階7: 5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボニルクロリド
100mL容丸底フラスコに、5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボン酸(1.46g、5.07mmol)、DCM(25mL)及びDMF(0.080mL、1.0mmol)を添加した。その混合物に(COCl)2(5.32mL、10.6mmol)を1分間かけて滴下して加え、その混合物を室温で15分間強く撹拌した。次いで、その混合物をCELITEで濾過した。その濾液を減圧下で濃縮して、5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-カルボニルクロリドが得られ、これは、それ以上精製又は特徴付けを行うことなく使用した。
段階8: 4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
250mL容丸底フラスコにCuCl(0.45g、4.6mmol)を添加した。そのフラスコを、排気及びN2の再充填に3回付した。THF(10mL)を添加し、その混合物を撹拌し、0℃まで冷却した。その混合物に(3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、18mL、9.0mmol)を添加した。10分間経過した後、NMP(30mL)中の5-ブロモ-6-メトキシ-ベンゾ[d]チアゾール-2-カルボニルクロリド(1.4g、4.6mmol)の混合物を5分間かけて滴下して加えた。5分後、その混合物を室温まで昇温させ、次いで、1時間撹拌した。その混合物に水(30mL)及び濃NH4OH(15mL)を添加した。その混合物をEtOAc(125mL)で抽出し、その有機層を水(2×75mL)で洗浄した。その有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→75%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C16H18BrNO4S + Na) (ES, m/z): 422, 424 [M+Na]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.38 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 4.02 (s, 3H), 3.51 (t, J=6.6Hz, 2H), 2.75 (t, J=6.6Hz, 2H), 1.46 (s, 9H)。
中間体16: 4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
段階1: 4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
4mL容バイアルに4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(233mg、0.581mmol)及びC-Phos Pd G3(14mg、0.018mmol)を添加した。そのバイアルを、排気及びN2の再充填に3回付した。そのバイアルにTHF(0.60mL)を添加し、その後、(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、2.90mL、1.45mmol)を添加した。その混合物を室温で20分間撹拌した。その混合物に追加の(3-((tert-ブチル ジメチルシリル)オキシ)-プロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、1.4mL、0.73mmol)を添加した。30分間経過した後、その混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、10%水性三塩基性クエン酸ナトリウム(30mL)で洗浄した。その有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→40%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C25H40NO5SSi) (ES, m/z): 494 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.93 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.70 (t, J=6.3Hz, 2H), 3.53 (t, J=6.6Hz, 2H), 2.86-2.78 (m, 2H), 2.74 (t, J=6.6Hz, 2H), 1.94-1.84 (m, 2H), 1.45 (s, 9H), 0.93 (s, 9H)。
段階2: 4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
100mL容フラスコに、4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(229mg、0.464mmol)、MeOH(5.0mL)、水(5.0mL)及びAcOH(5.0mL)を添加した。その混合物を室温で4時間撹拌した。次いで、その混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、水(3×50mL)で洗浄した。その有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C19H26NO5S) (ES, m/z): 380 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.95 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.70 (t, J=6.3Hz, 2H), 3.52 (t, J=6.7Hz, 2H), 2.87 (t, J=7.5Hz, 2H), 2.75 (t, J=6.6Hz, 2H), 2.00-1.90 (m, 2H), 1.46 (s, 9H)。
段階3: 4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
4mL容バイアルに、CBr4(72mg、0.22mmol)、トリフェニルホスフィン(62mg、0.24mmol)及び4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(69mg、0.18mmol)を添加した。そのバイアルを0℃まで冷却し、DCM(1.0mL)を添加した。その混合物を90分間室温まで昇温させた。次いで、その混合物を、直接、シリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→30%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C19H25BrNO4S) (ES, m/z): 442, 444 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, CDCl3) δ 7.96 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 3.52 (t, J=6.6Hz, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.45 (t, J=6.6Hz, 2H), 2.93 (t, J=7.2Hz, 2H), 2.75 (t, J=6.6Hz, 2H), 2.30-2.19 (m, 2H), 1.46 (s, 9H)。
中間体17: 4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
RockPhos Pd G3(0.105g、0.125mmol)とベンズアルドキシム(3.03g、25.0mmol)と4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(5.0g、13mmol)とCs2CO3(12.2g、37.6mmol)の混合物に、DMF(40mL)を添加した。その反応物を18時間80℃に加熱した。次いで、その反応混合物を室温まで冷却し、水性HCl(0.5M、100mL)を含むフラスコの中に注ぎ入れた。得られた混合物をDCMで抽出した。次いで、その有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex中0→50%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C17H20O5SNa) (ES, m/z): 359 [M+Na]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 9.35 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.27 (s, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.18 (t, J=6.2Hz, 2H), 2.52 (t, J=6.2Hz, 2H), 1.33 (s, 9H)。
中間体18: 4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル
4-(6-メトキシ-5-(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル(5.0g、12mmol)とEtOH(100mL)の混合物に、pTsOH(4.4g、23mmol)を添加した。その反応物を室温で1時間撹拌した。次いで、その反応物を水でクエンチし、DCMで希釈した。その有機層を分離し、次いで、水性飽和NaHCO3で洗浄した。次いで、その有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチルが得られた。
LCMS (C18H23O5S) (ES, m/z): 351 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.21 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 4.44 (t, J=5.0Hz, 1H), 4.02 (q, J=7.0Hz, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.40 (q, J=6.0Hz, 2H), 3.27 (d, J=6.4Hz, 2H), 2.63 (q, J=7.0, 5.9Hz, 4H), 1.68 (p, J=6.6Hz, 2H), 1.14 (t, J=7.1Hz, 3H)。
中間体19: (2S)-4-[5-(2-アミノエチル)-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
段階1: (2S)-4-(5-{2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
脱ガスしたDME(1.7mL)中の(2S)-4-(5-ブロモ-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(124mg、0.334mmol)とトリス(トリメチルシリル)シラン(103μL、0.334mmol)と無水Na2CO3(71mg、0.67mmol)の撹拌混合物に、N2下、脱ガスしたDME(1.2mL)中のIr(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン)2(4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ビピリジン)PF6(3.8mg、3.3μmol)の混合物を添加した。塩化ニッケル(II)エチレングリコールジメチルエーテル錯体(0.37mg、1.7μmol)と4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ビピリジン(0.45mg、1.7μmol)の脱ガスしたDME(445μL)懸濁液を添加し、得られた混合物を、N2下、室温で15分間撹拌した。N2下、N-(2-ブロモエチル)カルバミン酸tert-ブチル(150mg、0.67mmol)を一度に添加し、その反応混合物を、室温で18時間撹拌し、2つの34W青色LEDランプ(両側に7cm離れている)で照射した。次いで、その混合物を、直接、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(Hex中EtOAc)で精製して、(2S)-4-(5-{2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C22H30NO6S) (ES, m/z): 436 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ 8.25 (s, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 6.86 (br, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.59 (s, 3H), 3.43 (dd, J=17.5, 8.6Hz, 1H), 3.19 (dd, J=17.5, 5.0Hz, 1H), 3.15 (t, J=7.0Hz, 2H), 3.01-2.93 (m, 1H), 2.77 (t, J=7.0Hz, 2H), 1.34 (s, 9H), 1.19 (d, J=7.1Hz, 3H)。
段階2: (2S)-4-[5-(2-アミノエチル)-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
(2S)-4-(5-{2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(54mg、0.12mmol)のCH2Cl2(2.8mL)中の撹拌溶液に、TFA(476μL、6.18mmol)を室温で一度に添加し、その反応混合物を室温で2時間撹拌した。その混合物を濃縮し、その残渣をCH3CNと水に溶解させ、一晩凍結乾燥させて、(2S)-4-[5-(2-アミノエチル)-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C17H22NO4S) (ES, m/z): 336 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ 8.29 (s, 1H), 7.80 (br, 2H), 7.79 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 3.45-3.39 (m, 1H), 3.20 (dd, J=17.5, 5.0Hz, 1H), 3.10-3.01 (m, 2H), 3.01-2.93 (m, 1H), 2.95 (t, J=7.0Hz, 2H), 1.20 (d, J=7.1Hz, 3H)。
中間体20: 4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル
4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル(0.065g、0.2mmol)とCs2CO3(0.326g、1.00mmol)とACN(2mL)の混合物に、1,3-ジブロモプロパン(1.0mL、9.9mmol)を添加した。その混合物を2時間65℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を濾過し、その濾過された物質をTHFで洗浄した。その濾液をHexで希釈し、次いで、その混合物を減圧下で濃縮して、4-(6-メトキシ-5-(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチルが得られた。
LCMS (C18H21BrFO5S) (ES, m/z): 447, 449 [M+H]+。
下記表1に示されている中間体21~中間体23及び中間体62~中間体86は、「調製」として記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記中間体20において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
中間体24: (S)-メチル4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート
段階1: (S)-メチル4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート
4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド(4.3g、16mmol)とC-Phos Pd G4(0.26g、0.31mmol)とTHF(25mL)の混合物に、(R)-(3-メトキシ-2-メチル-3-オキソプロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、25.0mL、12.5mmol)を添加した。その反応物を室温で2時間撹拌した。次いで、その反応物を水性飽和NH4Clでクエンチし、DCMで希釈した。その有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex中の0→50%EtOAcの勾配)で精製して、(S)-メチル4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C16H18FO5S) (ES, m/z): 341 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.33 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 3.50 (dd, J=17.7, 8.7Hz, 1H), 3.25 (dd, J=17.7, 5.0Hz, 1H), 3.00-2.92 (m, 1H), 1.20 (d, J=7.3Hz, 3H)。
段階2: (S)-メチル4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート
(S)-メチル4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(4.0g、12mmol)とDCM(50mL)の混合物に、AlCl3(6.27g、47.0mmol)を添加した。その反応混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、その反応に添加漏斗を加え、その混合物を強く撹拌しながら、それに、水(50mL)をゆっくりと添加し、その後、水性HCl(1N、50mL)を添加した。次いで、その混合物を分液漏斗の中に注ぎ入れ、20%IPA/DCMを添加した。その有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(100%DCM)で精製して、(S)-メチル4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C15H16FO5S) (ES, m/z): 327 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 9.53 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 3.48 (dd, J=17.7, 8.7Hz, 1H), 3.24 (dd, J=17.7, 5.0Hz, 1H), 3.01-2.89 (m, 1H), 1.19 (d, J=7.2Hz, 3H)。
中間体25: (R)-4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
段階1: 5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド
5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(5.0g、21mmol)のTHF(200mL)中の撹拌溶液に、アルゴン下、0℃で、(COCl)2(5.5mL、63mmol)を添加し、その後、DMF(0.1mL、1.3mmol)を添加した。その反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、室温まで昇温させ、一晩撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリドは、精製することなく使用した。
1H NMR (600MHz, CH3CN-d3): δ 8.25 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.88 (s, 3H)。
段階2: (S)-4-(5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
チオフェン-2-カルボン酸銅(I)(797mg、4.2mmol)を含む、オーブンで乾燥させてArでパージした丸底フラスコに、0℃で、(R)-(3-メトキシ-2-メチル-3-オキソプロピル)亜鉛(II)ブロミド(7.8mL、THF中0.5M、3.9mmol)を滴下して加えた。その反応混合物を0℃で20分間撹拌した。その反応混合物に、5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド(777mg、3.0mmol)のTHF(15mL)中の懸濁液を滴下して加えた。その反応混合物を室温まで昇温させ、6時間撹拌した。その反応混合物を飽和NH4Cl水溶液(15mL)で希釈し、その後、DCM(30mL)で希釈した。沈澱物を濾過によって除去し、その後、抽出した。層を分離し、その水層をDCM(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex中の(EtOAc中25%EtOH))で精製して、(S)-4-(5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C16H19O5S) (ES, m/z): 323 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3): δ 7.89 (s, 1H), 7.26 (s, 2H), 4.00 (s, 3H), 3.97 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 3.48 (dd, J=16.9, 7.6Hz, 1H), 3.22-3.16 (m, 1H), 3.05 (dd, J=16.9, 6.0Hz, 1H), 1.31 (d, J=7.2Hz, 3H)。
段階3: (R)-4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
AlCl3(1.0g、7.5mmol)を、CH2Cl2(40mL)中の(R)-メチル4-(5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(1.0g、3.0mmol)に0℃で添加した。その反応混合物を18時間で室温まで昇温させた。次いで、その反応混合物を0℃まで冷却し、MeOH(85mL)を添加した。その混合物を0℃で30分間撹拌した。次いで、その混合物を室温まで昇温させ、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex中EtOAcの勾配)で精製して、不純物を含むメチル(R)-4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。次いで、その混合物をキラル-SFC(カラム AD-H(21×250mm)、CO2中の30%MeOH(0.25%DMEA含有)で精製して、保持時間4.7分の(R)-4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C15H17O5S) (ES, m/z): 309 [M+H]+. 1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.41 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 3.40 (dd, J=17.4, 8.6Hz, 1H), 3.17 (dd, J=17.5, 5.1Hz, 1H), 3.02-2.91 (m, 1H), 1.19 (d, J=7.1Hz, 3H)。
下記表2に示されている中間体26~中間体27は、「調製」として記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記中間体25において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
中間体28: (S)-4-(5-(2-クロロエトキシ)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
段階1: (S)-4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
CuCl(2.5g、25mmol)を含むフラスコにArをスパージし、次いで、0℃まで冷却した。3-メトキシ-(2R)-(+)-メチル-3-オキソプロピル亜鉛ブロミド(THF中0.50M、50mL、25mmol)を滴下して加えた。その反応混合物を撹拌しながら、それに、THF(25mL)とNMP(25mL)中の4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド(5.0g、20mmol)の混合物を滴下して加えた。次いで、その反応混合物を18時間で室温まで昇温させた。次いで、その反応混合物を飽和水性NH4Cl(100mL)でクエンチし、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機物をMgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣を順相シリカカラムクロマトグラフィー(Hex中EtOAc)で精製して、(S)-メチル4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C16H18FO5S) (ES, m/z): 341 [M+H]+. 1H NMR (CDCl3) δ: 7.99 (s, 1H), 7.09 (s, 1H), 4.00 (s, 3H), 3.98 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 3.51 (dd, J=17.0, 7.9Hz, 1H), 3.24-3.12 (m, 1H), 3.06 (dd, J=17.0, 5.6Hz, 1H), 1.32 (d, J=7.1Hz, 3H)。
段階2: (S)-メチル4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート
(S)-4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(1.0g、2.9mmol)とCH=CCl2(40mL)の混合物に、AlCl3(1.0g、7.5mmol)を添加した。その反応混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、その反応混合物を0℃まで冷却し、MeOH(40mL)で希釈した。次いで、その混合物を室温まで昇温させ、次いで、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex中EtOAc)で精製して、(S)-メチル4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C15H16FO5S) (ES, m/z): 327 [M+H]+. 1H NMR (methanol-d4) δ: 8.11 (s, 1H), 7.29 (s, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.69 (s, 3H), 3.50 (dd, J=17.5, 8.6Hz, 1H), 3.23-3.16 (m, 1H), 3.11-3.02 (m, 1H), 1.28 (d, J=7.2Hz, 3H)。
段階3: (S)-4-(5-(2-クロロエトキシ)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
(S)-メチル4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(200mg、0.61mmol)とDMF(2.7mL)の撹拌混合物に、K2CO3(170mg、1.2mmol)を添加した。その反応混合物を撹拌しながら、それに、1-ブロモ-2-クロロエタン(50μL、0.6mmol)を添加し、次いで、その反応混合物を18時間80℃に加熱した。室温まで冷却した後、その反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex中EtOAc)で精製して、(S)-4-(5-(2-クロロエトキシ)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C17H19ClFO5S) (ES, m/z): 389 [M+H]+。
下記表3に示されている中間体29~中間体31及び中間体87は、「調製」として記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記中間体28において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
中間体32: 4-(5-(2-ヒドロキシエチル)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル、酢酸塩
段階1: 4-(6-メトキシ-5-(2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)エチル)チエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
4mL容バイアルに、ビス(ジ-tert-ブチル(4-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロ-パラジウム(II)(5.0mg、7.0μmol)、Cs2CO3(137mg、0.422mmol)、4-(5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(50.0mg、0.141mmol)及びトリフルオロ(2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)エチル)ホウ酸カリウム(39.8mg、0.169mmol)を添加した。そのバイアルにトルエン(0.50mL)及び水(0.10mL)を添加した。そのバイアルをN2を用いて5分間脱ガスした。その混合物を18時間100℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物をCELITEで濾過し、そのCELITEをEtOAcで洗浄した。その濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→75%EtOAcの勾配)で精製して、4-(6-メトキシ-5-(2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)エチル)チエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C23H32NO6S) (ES, m/z): 450 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.45 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 4.71 (s, 1H), 4.26-4.15 (m, 1H), 4.04 (s, 3H), 3.78 (t, J=8.3Hz, 1H), 3.65-3.42 (m, 4H), 3.33 (t, J=6.3Hz, 2H), 2.73 (t, J=6.3Hz, 2H), 1.64-1.48 (m, 6H), 1.46 (s, 9H)。
段階2: 4-(5-(2-ヒドロキシエチル)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル、酢酸塩
4mL容バイアルに、4-(6-メトキシ-5-(2-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)エチル)-チエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(28mg、0.062mmol)、HOAc(0.50mL)、MeOH(0.50mL)及び水(0.5mL)を添加した。その混合物を75分間50℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、水(2×30mL)で洗浄した。その有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、4-(5-(2-ヒドロキシエチル)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル、酢酸塩が得られた。
LCMS (C18H24NO5S) (ES, m/z): 366 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.22 (s, 1H), 7.68 (s, 1H), 4.13 (t, J=5.4Hz, 2H), 4.01 (s, 3H), 3.39-3.22 (m, 4H), 2.74 (t, J=6.5Hz, 2H), 1.46 (s, 9H)。
中間体33: 4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
段階1: 4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
磁気撹拌棒を備えた20mL容ねじ蓋バイアル中に、4-(5-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(0.207g、0.561mmol)及びクロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(0.022g、0.028mmol)を入れた。そのバイアルを、排気及びN2の再充填に3回付した。そのバイアルをN2注入口で覆い、次いで、THF(2.0mL)を添加した。撹拌しながら、(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、3.4mL、1.7mmol)を滴下して加えた。添加が完了した後、その反応物を、N2下、室温で1.5時間撹拌した。次いで、その反応物をEtOAc(50mL)と10%水性クエン酸ナトリウム(10mL)の間で分配させ、30分間撹拌した。次いで、層を分離し、その有機層を飽和水性NaClで洗浄し、無水MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→55%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C25H38NaO4SSi) (ES, m/z): 485 [M+Na]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.96 (s, 1H), 7.78 (d, J=8.2Hz, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.33 (d, J=8.2Hz, 1H), 3.66 (t, J=5.8Hz, 2H), 3.31 (t, J=6.5Hz, 2H), 2.82 (t, J=7.5Hz, 2H), 2.73 (t, J=6.5Hz, 2H), 1.93-1.86 (m, 2H), 1.47 (s, 9H), 0.94 (s, 9H), 0.08 (s, 6H)。
段階2: 4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
THF(1.3mL)中の4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(102mg、0.220mmol)の撹拌混合物に、N2下、室温で、TBAF(THF1.0M、0.44mL、0.44mmol)を添加した。得られた混合物を室温で4.5時間撹拌した。次いで、その反応物を、Et2Oと飽和水性NH4Clの間で分配させ、室温で1時間撹拌した。層を分離し、その有機層を飽和水性NaClで洗浄し、無水MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製残渣が得られた。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→60%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C19H24NaO4S) (ES, m/z): 371 [M+Na]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.95 (s, 1H), 7.77 (d, J=8.3Hz, 1H), 7.70 (s, 1H), 7.33 (d, J=8.3Hz, 1H), 3.71 (t, J=6.3Hz, 2H), 3.30 (t, J=6.7Hz, 2H), 2.84 (t, J=7.7Hz, 2H), 2.72 (t, J=6.7Hz, 2H), 1.98-1.91 (m, 2H), 1.46 (s, 9H)。
中間体34: (S)-メチル4-(4-フルオロ-5-(3-ヒドロキシプロポキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート
ACN(2.0mL)中、(S)-メチル4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(0.065g、0.2mmol)とCs2CO3(0.33g、1.0mmol)の混合物に、(3-ブロモプロポキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(0.10mL、0.20mmol)を添加した。次いで、その反応物を2時間65℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を濾過し、THF(5mL)で洗浄した。得られた濾液に水(2mL)を添加し、その後、MP-TsOH(4.38mmol/gローディング、1.00g、4.38mmol)を添加した。次いで、その混合物を30分間60℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を濾過し、THFで洗浄した。その濾液を減圧下で濃縮して、(S)-メチル4-(4-フルオロ-5-(3-ヒドロキシプロポキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。これは、それ以上精製することなく使用した。
LCMS (C18H22FO6S) (ES, m/z): 385 [M+H]+。
下記表4に示されている中間体35~中間体36は、「調製」として記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記中間体34において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
中間体37: (2S)-4-[5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
THF(2.7mL)中の(2S)-4-[5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(187mg、0.534mmol)とPh3P(224mg、0.854mmol)の撹拌混合物に、N2下、0℃で、NBS(142mg、0.800mmol)を一度に添加した。その反応混合物を0℃で20分間撹拌した。その混合物を、直接、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(Hex中のEtOAc)で精製して、(2S)-4-[5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C18H22BrO4S) (ES, m/z): 413, 415 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ 8.27 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.59 (s, 3H), 3.54 (t, J=6.8Hz, 2H), 3.43 (dd, J=17.5, 8.6Hz, 1H), 3.19 (dd, J=17.5, 5.0Hz, 1H), 3.02-2.92 (m, 1H), 2.79 (t, J=7.0Hz, 2H), 2.10 (pentet, J=6.9Hz, 2H), 1.19 (d, J=7.1Hz, 3H)。
中間体38: 4-(5-(3-ヒドロキシプロポキシ)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
段階1: 4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
磁気撹拌棒を備えた20mL容ねじ蓋バイアルに、4-(5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(265mg、0.745mmol)、3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパン-1-オール(156mg、0.819mmol)、RockPhos Pd G3(31mg、0.037mmol)及びCs2CO3(364mg、1.12mmol)を添加した。そのバイアルに蓋をし、N2注入口ニードルを挿入した。このニードルを介して、そのバイアルを排気及びN2の再充填に3回付した。N2下、トルエン(2.5mL)を添加し、そのN2注入口を取り除き、密閉したそのバイアルを18時間110℃に加熱した。その反応物を室温まで冷却し、MeOH(3.0mL)、水(3.0mL)及びHOAc(3.0mL)を添加した。その反応混合物を室温で7時間撹拌し、次いで、EtOAcと飽和水性NaClの間で分配させた。層を分離し、その水層をEtOAcで抽出した。その有機層を合し、水性NaClで洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製残渣が得られた。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→100%(3:1)EtOAc:EtOHの勾配)で精製して、4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C25H40NO6SSi) (ES, m/z): 510 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.95 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 4.56 (t, J=6.5Hz, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.83 (t, J=6.0Hz, 2H), 3.26 (t, J=6.7Hz, 2H), 2.70 (t, J=6.7Hz, 2H), 2.12-2.05 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 0.07 (s, 6H。
段階2: 4-(5-(3-ヒドロキシプロポキシ)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(83mg、0.16mmol)を含むバイアルに、MeOH(1.0mL)、水(1.0mL)を添加し、次いで、HOAc(1.0mL)を添加した。得られた混合物を室温で30分間撹拌した。MeOH(1.0mL)を添加し、撹拌を続けた。30分間経過した後、THF(1.0mL)を添加し、その混合物を室温で18時間撹拌した。その混合物をEtOAc(25mL)と水性NaCl(25mL)の間で分配させ、撹拌した。層を分離し、その水層をEtOAcで抽出した。その有機層を合し、飽和水性NaClで2回洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製残渣が得られた。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→100%EtOAcの勾配、次いで、100%EtOAcで定組成)で精製して、4-(5-(3-ヒドロキシプロポキシ)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C19H26NO6S) (ES, m/z): 396 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.93 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 4.69 (t, J=5.6Hz, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.80-3.76 (m, 2H), 3.31-3.20 (m, 2H), 2.71 (t, J=6.5Hz, 2H), 2.14-2.07 (m, 2H), 1.46 (s, 9H)。
下記表5に示されている中間体39は、「調製」として記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記中間体38において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
中間体40: 4-(6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル
段階1: 6-(ベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン
DMF(10.0mL)中のベンゾ[b]チオフェン-6-オール(1.9g、13mmol)と臭化ベンジル(1.51mL、12.7mmol)の混合物に、アルゴン下、20℃で、K2CO3(2.62g、19.0mmol)を添加した。その反応混合物を撹拌し、18時間50℃に加熱した。次いで、室温まで冷却した後、その反応混合物をEtOAc(500mL)と水(100mL)で希釈した。その有機層を分離し、水(50mL)で洗浄し、次いで、飽和水性NaCl(50mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製生成物残渣が得られた。その粗製生成物残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→100%EtOAcの勾配)で精製して、6-(ベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェンが得られた。
LCMS (C15H13OS) (ES, m/z): 241 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 7.77 (d, J=8.6Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.54 (d, J=5.2Hz, 1H), 7.49 (d, J=7.2Hz, 2H), 7.44-7.38 (m,2H), 7.37-7.32 (m, 2H), 7.08 (d, J=8.5Hz, 1H), 5.17 (s, 2H)。
段階2: 6-(ベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルバルデヒド
THF(10.0mL)の中の6-(ベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン(2.92g、12.2mmol)の混合物に、アルゴン下、-78℃で、LDA(THF中2.0M、7.3mL、15mmol)を添加した。その反応混合物を-78℃で20分間撹拌した。その反応混合物に-78℃でDMF(2.4mL、30mmol)を添加し、次いで、その反応混合物を室温までゆっくりと昇温させた。その反応混合物を室温で15分間撹拌した。その反応混合物を0℃でクエン酸(水中1.0M、24mL、24mmol)でクエンチし、次いで、EtOAc(200mL)で希釈した。その懸濁液を15分間撹拌した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製残渣が得られた。その粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中の0→100%EtOAcの勾配)で精製して、6-(ベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルバルデヒドが得られた。
LCMS (C16H13O2S) (ES, m/z): 269 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 10.05 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.01 (d, J=8.8Hz, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.50 (d, J=7.3Hz, 2H), 7.42 (t, J=7.3Hz, 2H), 7.40-7.33 (m, 1H), 7.20 (d, J=8.4Hz, 1H), 5.23 (s, 2H)。
段階3: 4-(6-(ベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
6-(ベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-カルバルデヒド(2.02g、7.53mmol)と2-メシチル-6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[2,1-c][1,2,4]トリアゾール-2-イウムクロリド(0.099g、0.38mmol)と三塩基性リン酸カリウム(1.6g、7.5mmol)の混合物に、20℃で5分間Arを流した。次いで、トルエン(15mL)及びアクリル酸tert-ブチル(2.2mL、15mmol)を20℃で添加した。その反応混合物を20℃で18時間撹拌した。次いで、その反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、濾過して無機塩を除去した。その濾液を減圧下で濃縮して、粗製生成物残渣が得られた。その粗製生成物残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→100%EtOAcの勾配)で精製して、4-(6-(ベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C23H25O4S) (ES, m/z): 397 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.35 (s, 1H), 7.96 (d, J=7.0Hz, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.56-7.39 (m, 2H), 7.47-7.33 (m, 3H), 7.25-7.15 (m, 1H), 5.24 (s, 2H), 3.34-3.23 (m, 2H), 2.65-2.55 (m, 2H), 1.40 (s, 9H)。
段階4: 4-(6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸
ジオキサン(100mL)中の4-(6-(ベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(2.36g、5.96mmol)の混合物に、HCl(水中37%、19.6mL、238mmol)を添加した。その反応混合物を2日間90℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(500mL)で希釈した。その有機層を分離し、水(3×100mL)で洗浄し、次いで、飽和水性NaCl(50mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、4-(6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸が得られ、これは、それ以上精製することなく使用した。
LCMS (C12H11O4S) (ES, m/z): 251 [M+H]+。
段階5: 4-(6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル
DCM(25mL)とMeOH(25mL)中の4-(6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸(1.5g、6.0mmol)の混合物に、0℃で、TMS-ジアゾメタン(Hex中2.0M、3.0mL、6.0mmol)を添加した。その反応混合物を0℃で15分間(ガスの発生が止むまで)撹拌した。HOAc(数滴)を添加して、残留しているTMS-ジアゾメタンをクエンチした。次いで、その反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製生成物残渣が得られた。その粗製生成物残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→100%EtOAcの勾配)で精製して、4-(6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C13H13O4S) (ES, m/z): 265 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 10.17 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.84 (d, J=8.7Hz, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.97 (d, J=8.2Hz, 1H), 3.76-3.65 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.54-3.44 (m, 1H), 2.72-2.67 (m, 2H)。
下記表6に示されている中間体41は、「調製」として記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記中間体40において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
中間体42: (S)-4-(6-(3-クロロプロポキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
段階1: 6-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸
DMF(150mL)中、4-(ベンジルオキシ)-2-ブロモ-5-メトキシベンズアルデヒド(13g、41mmol)とK2CO3(11g、81mmol)と18-クラウン-6(2.1g、8.1mmol)と2-メルカプト酢酸メチル(6.0mL、67mmol)の混合物を、アルゴン下、14時間90℃に加熱した。室温まで冷却した後、その反応混合物を水(400mL)でクエンチし、1N HClで酸性化して約pH5とし、EtOAc(3×250mL)で抽出した。合わせた有機層を10%水性LiCl(3×50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をEtOAc/MeOH(50mL/50mL)で希釈し、20℃で、水性LiOH(2.0M、80mL、160mmol)で処理した。その反応混合物を2時間60℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を減圧下で濃縮した。その残渣を水性NaOH(1.0M、50mL、50mmol)、水(300mL)及びEtOAc(300mL)で希釈した。層を分離し、その水層をEtOAc(3×200mL)で洗浄した。次いで、その水層を6N HClで酸性化して約pH5とし、EtOAc(3×300mL)で抽出した。その有機層を合し、飽和水性NaCl(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣を1:1のEtOAc/PE(3×30mL)と1:1のDCM/PE(3×30mL)を用いて摩砕して、6-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸が得られた。
LCMS (C17H15O4S) (ES, m/z): 315 [M+H]+. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 13.16 (br s, 1H), 7.95 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.50-7.46 (m, 2H), 7.44-7.32 (m, 3H), 5.17 (s, 2H), 3.83 (s, 3H)。
段階2: 6-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド
THF(50mL)中、6-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(3.05g、9.70mmol)と(COCl)2(2.55mL、29.1mmol)の混合物に、アルゴン下、0℃で、DMF(0.023mL、0.29mmol)を添加した。その混合物を0℃で30分間撹拌し,次いで、室温まで昇温させた。次いで、その反応混合物を室温で2時間撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮して、6-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリドが得られ、これは、精製することなく使用した。
段階3: (S)-4-(6-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
((チオフェン-2-カルボニル)オキシ)銅(2.38g、12.5mmol)を含むフラスコに、アルゴン下、0℃で、(R)-(3-メトキシ-2-メチル-3-オキソプロピル)亜鉛(II)ブロミドの混合物(THF中0.50M、25mL、13mmol)をゆっくりと添加した。その反応混合物を、アルゴン下、0℃で20分間撹拌した。次いで、その混合物に、0℃で、カニューレを介して、THF(50mL)中の6-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド(3.2g、9.6mmol)のArで脱ガスした混合物をゆっくりと添加した。その混合物を室温まで昇温させ、次いで、室温で16時間撹拌した。その反応混合物を0℃まで冷却し、飽和水性NH4Cl(50mL)、水(100mL)及びEtOAc(500mL)を添加することによってクエンチした。得られた二相混合物を室温まで昇温させ、室温で1時間撹拌した。次いで、その混合物をCELITEフリットを通して濾過し、その濾液を分液漏斗の中で分配させた。その有機層を分離し、飽和水性NaCl(50mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→50%EtOAcの勾配)で精製して、所望の生成物が得られ、これを、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0-50%EtOAcで溶離)で再精製して、(S)-メチル4-(6-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C22H23O5S) (ES, m/z): 399 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.22 (s, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.52-7.47 (m, 3H), 7.42 (t, J=7.3Hz, 2H), 7.38-7.34 (m, 1H), 5.19 (s, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 3.42 (dd, J=17.5, 8.6Hz, 1H), 3.19 (dd, J=17.4, 4.9Hz, 1H), 3.04-2.91 (m, 1H), 1.20 (d, J=7.1Hz, 3H)。
段階4: (S)-4-(6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
(S)-メチル4-(6-(ベンジルオキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(1.60g、4.02mmol)とPd/C(1.07g、1.00mmol)の混合物を、Arを用いて脱ガスした。その混合物に、アルゴン流下、EtOAc(50mL)、MeOH(50mL)及びHCl(水中37%、0.66mL、8.0mmol)をゆっくりと添加した。その反応混合物の上部のヘッドスペースを減圧によって脱ガスし、H2を再充填した。その反応混合物を、H2下、3時間撹拌した。その反応混合物をCELITEを通して濾過し、EtOAcで洗浄した。その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0-100%EtOAcで溶離)で精製して、(S)-メチル4-(6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C15H17O5S) (ES, m/z): 309 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 9.93 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 3.85 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 3.44-3.38 (m, 1H), 3.16 (dd, J=17.3, 4.7Hz, 1H), 3.01-2.92 (m, 1H), 1.19 (d, J=7.0Hz, 3H)。
段階5: (S)-4-(6-(3-クロロプロポキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
(S)-メチル4-(6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(141mg、0.457mmol)と1-ブロモ-3-クロロプロパン(360mg、2.3mmol)とK2CO3(379mg、2.74mmol)の混合物を、Arを用いて脱ガスした。その混合物にACN(4.0mL)を添加し、その反応混合物を18時間50℃に加熱した。次いで、室温まで冷却した後、その反応混合物をDCM(25mL)で希釈し、濾過した。その濾液を減圧下で濃縮し、次いで、シリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0→100%EtOAcの勾配)で精製して、(S)-メチル4-(6-(3-クロロプロポキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C18H22ClO5S) (ES, m/z): 385 [M+H]+。
下記表7に示されている中間体43は、「調製」として記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記中間体42において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
中間体44: (2S)-4-[5-(2-ヒドロキシエチル)-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
脱ガスしたDME(16.5mL)中、(2S)-4-(5-ブロモ-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(1.24g、3.34mmol)とトリス(トリメチルシリル)シラン(1.0mL、3.3mmol)と無水Na2CO3(708mg、6.68mmol)の撹拌混合物に、N2下、脱ガスしたDME(12mL)中のIr(2-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)ピリジン)2(4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ビピリジン)PF6(38mg、33μmol)の混合物を添加した。塩化ニッケル(II)エチレングリコールジメチルエーテル錯体(3.7mg、17μmol)と4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ビピリジン(4.5mg、17μmol)の脱ガスしたDME(4.5mL)中の懸濁液を添加し、得られた混合物を、N2下、室温で15分間撹拌した。N2下、2-ブロモエタノール(835mg、6.68mmol)を一度に添加し、その反応混合物を、20%光強度を有するフォトリアクターの中で、室温で24時間撹拌及び照射した。次いで、その混合物を濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(Hex中のEtOAc)で精製して、(2S)-4-[5-(2-ヒドロキシエチル)-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C17H21O5S) (ES, m/z): 337 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ 8.26 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 4.64 (t, J=5.2Hz, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.64-3.55 (m, 2H), 3.59 (s, 3H), 3.42 (dd, J=17.5, 8.6Hz, 1H), 3.19 (dd, J=17.5, 5.0Hz, 1H), 3.01-2.92 (m, 1H), 2.81 (t, J=6.9Hz, 2H), 1.19 (d, J=7.1Hz, 3H)。
中間体45: 4-(6-メトキシ-5-(3-オキソプロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
4mL容バイアルに、4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(30mg、0.079mmol)、デス・マーチンペルヨージナン(1,1,1-トリアセトキシ-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンズヨードキソール-3(1H)-オン;50mg、0.1mmol)及びDCM(1.0mL)を添加した。その混合物を室温で1時間撹拌した。その混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→55%EtOAcの勾配)で精製して、4-(6-メトキシ-5-(3-オキソプロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C20H24O5SNa) (ES, m/z): 399 [M+Na]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 9.85 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.64 (s, 1H), 3.27 (t, J=6.8Hz, 2H), 3.05 (t, J=7.4Hz, 2H), 2.80 (t, J=7.2Hz, 2H), 2.72 (t, J=6.7Hz, 2H), 1.46 (s, 9H)。
中間体46: 4-(5-アミノ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
段階1: 4-(5-((ジフェニルメチレン)アミノ)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
4mL容バイアルに、Cs2CO3(252mg、0.773mmol)、ジフェニルメタンイミン(129μL、0.773mmol)、4-(5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(138mg、0.387mmol)、Rac BINAP Pd G3(19mg、0.019mmol)及びトルエン(2.0mL)を添加した。その混合物を3.5時間120℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を、直接、シリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→50%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-((ジフェニルメチレン)アミノ)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C29H29N2O4S) (ES, m/z): 501 [M+H]+。
段階2: 4-(5-アミノ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
20mL容バイアルに、4-(5-((ジフェニルメチレン)アミノ)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(146mg、0.291mmol)、AcOH(2.0mL)、MeOH(2.0mL)、水(2.0mL)及びTHF(6.0mL)を添加した。その混合物を1時間50℃に加熱した。次いで、室温まで冷却した後、その混合物を室温で24時間撹拌した。次いで、その混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、水性飽和NaHCO3(50mL)及び水(50mL)で洗浄した。その有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→50%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-アミノ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C16H21N2O4S) (ES, m/z): 337 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.02 (s, 1H), 7.53 (s, 1H), 4.11 (s, 3H), 3.24 (t, J=6.4Hz, 2H), 2.74-2.70 (m, 2H), 1.46 (s, 9H)。
中間体47: (S)-4-(6-(3-ヒドロキシプロポキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
(S)-メチル4-(6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(25mg、0.081mmol)と3-クロロプロパン-1-オール(10mg、0.1mmol)とK2CO3(22mg、0.16mmol)の混合物を、Arを用いて脱ガスした。その混合物にDMF(0.50mL)を添加し、その反応混合物をマイクロ波オーブンの中で照射して1時間100℃とした。その反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(25mL)及び水(5mL)で希釈した。その有機層を分離し、追加の水(5mL)で洗浄し、次いで、飽和水性NaCl(5mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製生成物残渣が得られた。その粗製生成物残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0-100%[EtOAc中の5%MeOH]で溶離)で精製して、(S)-メチル4-(6-(3-ヒドロキシプロポキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C18H23O6S) (ES, m/z): 367 [M+H]+。
下記表8に示されている中間体48は、「調製」として記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記中間体47において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
中間体49: 4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
段階1: 4-(6-メトキシ-5-(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(3.0g、8.9mmol)とK2CO3(7.4g、54mmol)とACN(20mL)の混合物に、2-(3-ブロモプロポキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン(3.8mL、22mmol)を添加した。その反応物を4時間65℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を濾過し、ACNで洗浄し、次いで、溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣をDCM(10mL)に溶解させ、Hex(100mL)をゆっくりと添加した。生じた沈澱物を濾過し、Hexで洗浄し、風乾させて、4-(6-メトキシ-5-(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C25H34O7SNa) (ES, m/z): 501 [M+Na]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.16 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 4.54 (s, 1H), 4.06 (t, J=6.2Hz, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.78 (dt, J=9.6, 6.4Hz, 1H), 3.69 (dd, J=13.5, 5.5Hz, 1H), 3.52-3.45 (m, 1H), 3.41-3.35 (m, 1H), 3.20 (t, J=6.2Hz, 2H), 2.54 (t, J=6.2Hz, 2H), 2.02-1.95 (m, 2H), 1.71-1.62 (m, 1H), 1.58 (t, J=7.8Hz, 1H), 1.47-1.39 (m, 3H), 1.36 -1.33 (m, 10H)。
段階2: 4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
4-(6-メトキシ-5-(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(3.78g、7.90mmol)とEtOH(50mL)の混合物にpTsOH(2.2g、12mmol)を添加し、その混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、その混合物をDCMで希釈し、水性飽和NaHCO3でクエンチした。次いで、その有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C20H26O6SNa) (ES, m/z): 417 [M+Na]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.15 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 4.53 (t, J=4.7Hz, 1H), 4.05 (t, J=6.2Hz, 2H), 3.83 (s, 3H), 3.55 (q, J=5.4Hz, 2H), 3.20 (t, J=6.1Hz, 2H), 2.54 (t, J=6.1Hz, 2H), 1.88 (p, J=5.8Hz, 2H), 1.33 (s, 9H)。
下記表9に示されている中間体50は、「調製」として記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記中間体49において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
中間体51: 4-(5-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル
4-(5-(ベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(1.43g、3.60mmol)とPd/C(10% w/w、1.5g、1.4mmol)の混合物を、Arを用いて脱ガスした。その混合物に、アルゴン流下、MeOH(25mL)、EtOAc(25mL)及びHCl(水中37%、0.59mL、7.2mmol)をゆっくりと添加した。その反応混合物の上部のヘッドスペースを減圧によって脱ガスし、H2を充填した。得られた混合物を、H2下、24時間撹拌した。次いで、その反応混合物をCELITEを通して濾過し、そのCELITEをEtOAcで洗浄した。その濾液を減圧下で濃縮して、粗製生成物残渣が得られた。その粗製生成物残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→100%EtOAcの勾配)で精製して、4-(5-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C13H13O4S) (ES, m/z): 265 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 9.74 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.85 (d, J=8.5Hz, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.07 (d, J=8.0Hz, 1H), 3.63 (s, 3H), 2.75-2.67 (m, 2H); 2つの脂肪族プロトンが溶媒のピークの下に埋もれていて識別できない。
中間体52: (2S)-4-(5,6-ジヒドロキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
段階1: (2S)-4-(5,6-ジヒドロキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸
(2S)-4-(5,6-ジメトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸(2.0g、6.5mmol)のDCM(65mL)中の撹拌溶液に、0℃で、BBr3(DCM中1M、19.5mL、19.5mmol)を添加した。その反応混合物を2.5時間室温まで昇温させた。次いで、その混合物を0℃まで冷却し、水で処理し、減圧下で濃縮した。その残渣を濾過し、水で洗浄し、高真空下で乾燥させて、(2S)-4-(5,6-ジヒドロキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸が得られ、これは、それ以上精製することなく使用した。
LCMS (C13H13O5S) ES, m/z): 281 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 12.18 (s, 1H), 9.78 (brs, 1H), 9.49 (brs, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 3.39-3.33 (m, 1H), 3.03 (dd, J=17.2, 5.2Hz, 1H), 2.91-2.84 (m, 1H), 1.16 (d, J=7.1Hz, 3H)。
段階2: (2S)-4-(5,6-ジヒドロキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
(2S)-4-(5,6-ジヒドロキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸(1.35g、4.82mmol)のDCM(24mL)とMeOH(24mL)中の撹拌溶液に、TMS-ジアゾメタン(Hex中2M、3.6mL、7.2mmol)を添加した。その混合物を30分間撹拌し、HOAc(0.28mL、4.8mmol)で処理し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の0→10%MeOHの勾配)で精製して、(2S)-4-(5,6-ジヒドロキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C14H15O5S) (ES, m/z): 295 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 9.85 (s, 1H), 9.45 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.25 (s, 1H), 3.59 (s, 3H), 3.41-3.34 (m, 1H), 3.17-3.11 (m, 1H), 2.98-2.91 (m, 1H), 1.17 (d, J=7.1Hz, 3H)。
中間体53: (2S)-4-[5,6-ビス(3-ヒドロキシプロポキシ)-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DMF(7.8mL)中、(2S)-4-(5,6-ジヒドロキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(230mg、0.78mmol)と3-クロロ-1-プロパノール(196μL、2.34mmol)とK2CO3(432mg、3.13mmol)の混合物を、マイクロ波オーブンの中で照射して、1時間100℃とした。室温まで冷却した後、その混合物をEtOAc及び飽和水性NaClで希釈した。その有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、次いで、減圧下で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中の0→10%MeOHの勾配)で精製して、(2S)-4-[5,6-ビス(3-ヒドロキシプロポキシ)-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C20H27O7S) (ES, m/z): 411 [M+H]+。
中間体54: (2S)-4-[6-(ジフルオロメトキシ)-5-ヒドロキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
ACN(5.5mL)と水(0.55mL)中の(2S)-4-(5,6-ジヒドロキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(177mg、0.601mmol)とKOH(水中1.0M、120μL、1.2mmol)の凍結混合物に、-78℃で、(ブロモジフルオロメチル)ホスホン酸ジエチル(170μL、0.96mmol)を添加した。冷却浴を除去し、その反応混合物を4時間撹拌した。その混合物をEtOAc及び水で希釈した。層を分離し、その水層をEtOAc(×3)で再抽出した。合わせた有機物をNa2SO4で脱水し、濾過し、次いで、減圧下で濃縮した。得られた混合物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中の0-50%EtOAc)で精製して、粗製(2S)-4-[6-(ジフルオロメトキシ)-5-ヒドロキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。所望のフラクションをSFC(CO2中の15%MeOH(+0.25%DMEA))で精製して、(2S)-4-[6-(ジフルオロメトキシ)-5-ヒドロキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが4.4分の保持時間で得られた。
LCMS (C15H15F2O5S) (ES, m/z): 345 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 10.25 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.18 (t, J=74.4Hz, 1H), 3.59 (s, 3H), 3.44 (dd, J=17.6, 8.7Hz, 1H), 3.20 (dd, J=17.6, 4.9Hz, 1H), 3.01-2.94 (m, 1H), 1.19 (d, J=7.1Hz, 3H)。
中間体55: 4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2,2-ジメチル-4-オキソブタン酸メチル
段階1: 4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2,2-ジメチル-4-オキソブタン酸
DCM(100mL)中の4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン(3.8g、18mmol)とAlCl3(3.1g、23mmol)の混合物に、アルゴン下、0℃で、3,3-ジメチルジヒドロフラン-2,5-ジオン(4.6g、36mmol)を添加した。その反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、室温まで昇温させ、16時間撹拌した。次いで、その反応混合物を水(200mL)とEtOAc(500mL)の混合物に0℃でゆっくりと添加することによって、その反応混合物をクエンチした。得られた混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで、HCl(水中2.0M、36mL、72mmol)で希釈した。その有機層を分離し、飽和水性NaCl(50mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。次いで、その混合物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2,2-ジメチル-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C16H18FO5S) (ES, m/z): 341 [M+H]+。
段階2: 4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2,2-ジメチル-4-オキソブタン酸メチル
DMF(45mL)中の4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2,2-ジメチル-4-オキソブタン酸(2.3g、6.8mmol)の混合物に、K2CO3(2.3g、17mmol)を添加した。10分間経過した後、CH3I(2.1mL、34mmol)を添加し、その混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、その混合物を水及びEt2Oで希釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。次いで、その混合物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2,2-ジメチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C17H20FO5S) (ES, m/z): 355 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.32 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.57 (s, 3H), 3.44 (s, 2H), 1.23 (s, 6H)。
段階3: 4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2,2-ジメチル-4-オキソブタン酸メチル
4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2,2-ジメチル-4-オキソブタン酸メチル(1.1g、3.1mmol)とDCM(20mL)の混合物に、AlCl3(1.7g、12mmol)を添加した。その反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を氷と1N HClを含むフラスコの中に注ぎ入れ、5分間撹拌した。次いで、EtOAcを添加した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。次いで、その混合物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2,2-ジメチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C16H18FO5S) (ES, m/z): 341 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 9.55 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.57 (s, 3H), 3.43 (s, 2H), 1.23 (s, 6H)。
中間体56: (1S,2R及び1R,2S)-2-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパン-1-カルボン酸tert-ブチル
段階1: (1S,2R及び1R,2S)-2-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパン-1-カルボン酸
DCM(100mL)中の5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン(4.1g、17mmol)とAlCl3(2.92g、21.9mmol)の混合物に、アルゴン下、0℃で、3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2,4-ジオン(3.78g、33.7mmol)を添加した。その反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、室温まで昇温させた。その反応混合物を室温で16時間撹拌した。次いで、その反応混合物を、水(200mL)とEtOAc(500mL)の混合物に0℃でゆっくりと添加することによって、その反応混合物をクエンチした。得られた混合物を室温まで昇温させ、1時間撹拌した。次いで、その混合物をHCl(水中2.0M、34mL、68mmol)で希釈した。その有機層を分離し、飽和水性NaCl(50mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製生成物残渣が得られた。その粗製生成物残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0-100%[EtOAc中の5%MeOH]で溶離)で精製して、(1S,2R及び1R,2S)-2-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパンカルボン酸が得られた。
LCMS (C14H12BrO4S) (ES, m/z): 355, 357 [M+H]+。
段階2: (1S,2R及び1R,2S)-2-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパン-1-カルボン酸tert-ブチル
DCE(30mL)中のBOC-無水物(6.3mL、27mmol)とDMAP(0.33g、2.7mmol)と(1S,2R及び1R,2S)-2-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパンカルボン酸(4.8g、14mmol)の混合物に、アルゴン下、室温で、tert-ブタノール(25.8mL、270mmol)を添加した。その反応混合物を撹拌し、2時間50℃に加熱した。次いで、その反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮して、粗製生成物残渣が得られた。その粗製生成物残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→100%EtOAcの勾配)で精製して、(1S,2R及び1R,2S)-tert-ブチル2-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパンカルボキシレートが得られた。
LCMS (C18H20BrO4S-C4H8) (ES, m/z): 355, 357 [M+H-tBu]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.33 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.10-3.03 (m, 1H), 2.32-2.25 (m, 1H), 1.57-1.52 (m, 1H), 1.32-1.28 (m, 1H), 1.14 (s, 9H)。
段階3: (1S,2R及び1R,2S)-2-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパン-1-カルボン酸tert-ブチル
(1S,2R及び1R,2S)-tert-ブチル2-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパンカルボキシレート(1.64g、3.99mmol)とRockPhos Pd G3(0.100g、0.120mmol)とCs2CO3(3.90g、12.0mmol)と(E)-ベンズアルデヒドオキシム(0.725g、5.98mmol)の混合物を、Arを用いて5分間脱ガスした。アルゴン下、DMF(10.0mL)を添加し、次いで、その混合物をArを用いて5分間脱ガスした。その反応混合物を撹拌し、18時間80℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、水(100mL)及びEtOAc(250mL)で希釈した。その有機層を分離し、水(50mL)で洗浄し、次いで、飽和水性NaCl(50mL)で洗浄した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗製生成物残渣が得られた。その粗製生成物残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→75%EtOAcの勾配)で精製して、(1S,2R及び1R,2S)-tert-ブチル2-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパンカルボキシレートが得られた。
LCMS (C18H20O5SNa) (ES, m/z): 371 [M+Na]+。
中間体57: (S)-メチル-4-(5-アミノ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートキシレート
段階1: (S)-4-(5-((ジフェニルメチレン)アミノ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
(S)-メチル4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(0.50g、1.4mmol)とベンゾフェノンイミン(0.45mL、2.7mmol)とRac BINAP Pd G3(0.067g、0.067mmol)とCs2CO3(0.878g、2.69mmol)の混合物を、Arを用いて5分間脱ガスした。アルゴン下、20℃で、トルエン(10.0mL)を添加し、次いで、その混合物をArを用いて5分間脱ガスした。その反応混合物を、アルゴン下、撹拌し、18時間110℃に加熱した。次いで、その反応混合物を室温まで冷却し、DCM(25mL)で希釈した。その混合物を濾過し、その濾液を減圧下で濃縮して、(S)-4-(5-((ジフェニルメチレン)アミノ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られ、これは、精製することなく使用した。
LCMS (C
28H
26NO
4S) (ES, m/z): 472 [M+H]
+.
段階2: (S)-メチル4-(5-アミノ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート
DCM(5.0mL)中の(S)-メチル4-(5-((ジフェニル メチレン)アミノ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(635mg、1.35mmol)の混合物に、20℃で、TFA(2.1mL、27mmol)を添加した。得られた混合物を20℃で30分間撹拌した。次いで、その反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製生成物残渣が得られた。その粗製生成物残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中0→100%EtOAcの勾配)で精製して、(S)-メチル4-(5-アミノ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C15H18NO4S) (ES, m/z): 308 [M+H]+。
中間体58: 4-(6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
4-(6-(ベンジルオキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(256mg、0.646mmol)とPd/C(172mg、0.161mmol)の混合物を、Arを用いて脱ガスした。その混合物に、アルゴン下、EtOAc(5.0mL)、MeOH(5.0mL)及びHCl(水中37%、0.053mL、0.65mmol)をゆっくりと添加した。その反応混合物の上部のヘッドスペースを減圧を介して脱ガスし、H2を再充填した。得られた混合物をH2下で24時間撹拌した。次いで、その反応混合物をCELITEを通して濾過し、EtOAcで洗浄した。その濾液を減圧下で濃縮して、粗製生成物残渣が得られた。その粗製生成物残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0-100%EtOAcで溶離)で精製して、4-(6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C16H19O4S-C4H8) (ES, m/z): 251 [M+H-tBu]+。
中間体59: 4-(5-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
段階1: 5-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド
CH2Cl2(15mL)中の5-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(0.750g、2.92mmol)の混合物に、0℃で撹拌しながら、(COCl)2(0.30mL、3.4mmol)を3分間かけて滴下して加えた。その反応物にDMF(0.023mL、0.29mmol)を添加し、その後、追加の(COCl)2(0.20mL、2.3mmol)を添加した。次いで、その反応混合物を0℃で1時間撹拌した。その反応フラスコを氷水浴から取り出し、撹拌を室温で1.5時間続けた。その反応物を濃縮して、5-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリドが得られ、これは、さらに精製又は特徴付けを行うことなく使用した。
段階2: 4-(5-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
撹拌棒を備えた100mL容丸底フラスコに、CuCl(0.269g、2.72mmol)を添加した。そのフラスコを、排気及びその後N2の再充填に3回付した。そのフラスコにTHF(6.0mL)を添加し、それを、次いで、撹拌し、氷水浴を用いて0℃まで冷却した。そのCuCl混合物に、0℃で撹拌しながら、(3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、11mL、5.5mmol)を3分間かけて滴下して加えた。得られた混合物を0℃で30分間撹拌した。その混合物に、0℃で撹拌しながら、NMP(24mL)中の5-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド(0.75g、2.7mmol)の混合物を7分間かけて滴下して加えた。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した。その反応混合物を、次いで、酢酸イソプロピル(300mL)と10%水性クエン酸ナトリウム(300mL)の間で分配させた。得られた混合物を20分間撹拌した。層を分離し、その水層を酢酸イソプロピル(150mL)で抽出した。その有機層を合し、水性NaClで洗浄し、次いで、飽和水性NaClで洗浄し、無水MgSO4で脱水し、濾過し、その濾液を一晩放置した。次いで、その濾液を濾過し、その濾液を濃縮して、粗製残渣が得られた。その粗製残渣をアセトンと一緒にシリカゲルカラムに装入した。そのカラムを、加圧されたN2を吹き込むことによって乾燥させた。次いで、その乾燥したカラムをHexでの0→30%EtOAcの勾配に付した。全ての生成物含有フラクションを収集し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(Hex中0→25%EtOAcの勾配)で精製した。その生成物含有フラクションを濃縮し、キラルSFC(Phenomenex ビフェニル、21mm×250mmカラム、90:10 CO2:MeOH w/0.25%DMEA、70mL/分、排出口圧力100bar、ローディング濃度18.5mg/mL(MeOH/MeCN)、注入体積1.6mL、検出215nm)で精製して、4-(5-ブロモベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C16H17BrNaO3S) (ES, m/z): 391, 393 [M+Na]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.05 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.75 (d, J=8.6Hz, 1H), 7.57 (d, J=8.6Hz, 1H), 3.31 (t, J=6.6Hz, 2H), 2.74 (t, J=6.6Hz, 2H), 1.46 (s, 9H)。
中間体60: 4-(5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
CuCl(0.76g、7.6mmol)を含むフラスコを、排気し、次いで、N2で3回パージした。THF(15mL)を添加し、その混合物を0℃まで冷却した。(3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、31mL、16mmol)を10分間かけて滴下して加えた。30分間経過した後、5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボニルクロリド(2.0g、7.6mmol)を添加し、その後、NMP(15mL)を添加した。次いで、その混合物を室温まで昇温させた。1時間経過した後、その混合物を0℃まで冷却し、濃水性NH4OH(4.5mL)を添加した。この混合物に、水(240mL)及びMeOH(60mL)を添加した。その混合物を5分間撹拌し、ウォーターバスソニケーター内で超音波処理に付した。得られた混合物を濾過し、その沈澱物を水で洗浄し、次いで、Hexで洗浄した。その沈澱物を単離し、減圧下で乾燥させた。次いで、その沈澱物をEtOAcと10%水性クエン酸ナトリウムの間で分配させた。層を分離し、その水層をEtOAcで洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮中に沈澱物が生じ、その沈澱物を濾過によって収集し、EtOAcで洗浄し、減圧下で乾燥させて、4-(5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C16H19ClNO4S) (ES, m/z): 356 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.03 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 4.04 (s, 3H), 3.30 (t, J=6.4Hz, 2H), 2.74 (t, J=6.4Hz, 2H), 1.46 (s, 9H)。
中間体61: (S)-4-(2-(3-ブロモプロピル)-4-メトキシチエノ[2’,3’:5,6]ベンゾ[1,2-d]オキサゾール-7-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
段階1: (S)-4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシ-4-ニトロベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
20mL容バイアルに、(S)-メチル4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(100mg、0.21mmol)及びEtOAc(3.0mL)を添加した。HNO3(0.017mL、0.27mmol)を添加し、その混合物を1時間撹拌した。1時間後、その混合物を減圧下で濃縮し、次いで、Et2O(3.0mL)を用いて摩砕した。生じた物質を濾過によって収集して、(S)-メチル4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシ-4-ニトロベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 12.08 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 7.53 (s, 1H), 4.07 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 3.59 (dd, J=17.1, 7.9Hz, 1H), 3.23-3.16 (m, 1H), 3.16-3.09 (m, 1H), 1.35 (d, J=7.1Hz, 3H)。
段階2: (S)-4-(2-(3-ブロモプロピル)-4-メトキシチエノ[2’,3’:5,6]ベンゾ[1,2-d]オキサゾール-7-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
4mL容バイアルに、(S)-メチル4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシ-4-ニトロベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(45mg、0.13mmol)、Pd(0.040g、0.038mmol)及びMeOH(0.60mL)を添加した。その混合物に、4-ブロモ-1,1,1-トリメトキシブタン(0.61mL、3.8mmol)を添加した。その混合物をH2下で1時間撹拌した。次いで、その混合物を濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中の0→70%EtOAcの勾配)で精製して、(S)-メチル4-(2-(3-ブロモプロピル)-4-メトキシチエノ[2’,3’:5,6]ベンゾ[1,2-d]オキサゾール-7-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C19H21BrNO5S) (ES, m/z): 454, 456 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.36 (s, 1H), 7.25 (s, 1H), 4.11 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 3.62 (t, J=6.4Hz, 2H), 3.55 (dd, J=16.7, 7.5Hz, 1H), 3.24 (t, J=7.3Hz, 2H), 3.18 (dd, J=13.5, 6.8Hz, 1H), 3.12 (dd, J=16.7, 5.8Hz, 1H), 2.53 (p, J=6.8Hz, 2H), 1.32 (d, J=7.0Hz, 3H)。
中間体88: (S)-4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチルブタン酸メチル
(S)-4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(0.637g、1.72mmol)のACN(15mL)中の冷却溶液に、TMS-Cl(1.32mL、10.3mmol)を添加した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.65g、10mmol)を添加し、その反応混合物を0℃で2時間撹拌した。その反応混合物を飽和水性NH4Clでクエンチし、DCMで抽出した。その有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、(S)-4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチルブタン酸メチルが得られた。
1H NMR (600MHz, DMSO-δ6) δ 7.96 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.61 (s, 3H), 2.87-2.83 (m, 2H), 2.57-2.52 (m, 1H), 2.00-1.94 (m, 1H), 1.82-1.73 (m, 1H), 1.14 (d, J=7.0Hz, 3H)。
下記表10に示されている中間体89~中間体93は、「調製」として記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記中間体88において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
中間体94: (2S)-4-(5-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
NMP(0.30mL)中の2-メチルプロパン-1,3-ジオール(146mg、1.62mmol)と(S)-メチル4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(50mg、0.16mmol)と(E)-ビス(4-クロロベンジル)ジアゼン-1,2-ジカルボキシレート(60mg、0.16mmol)とトリフェニルホスフィン(43mg、0.16mmol)の混合物をArを用いて脱ガスし、次いで、撹拌し、3時間100℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、直接、逆相HPLC(ACN/水(0.1%TFA含有))で精製して、(2S)-メチル4-(5-(3-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C19H25O6S) (ES, m/z): 381 [M+H]+。
中間体95: 4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタンニトリル
段階1: 4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタンニトリル
4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタンニトリル(161mg、0.496mmol)及びCPhos Pd G3(20mg、0.025mmol)をTHF(2.5mL)に添加した。その反応混合物を密閉し、その反応混合物の上部のヘッドスペースを排気し、窒素を再充填(3×)した。その反応混合物に3-(tert-ブチルジメチルシロキシ)プロピル亜鉛ブロミド(THF中0.50M、3.0mL、1.5mmol)を添加し、その反応混合物を室温で96時間撹拌した。その反応混合物をEtOAcで希釈し、次いで、水性NaHCO3で抽出した。その水層を分離し、EtOAc(3×)で抽出した。その有機層を合し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタンニトリルが得られた。
LCMS (C22H32NO3SSi) (ES, m/z): 418 [M+H]+。
段階2: 4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタンニトリル
4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタンニトリル(165mg、0.395mmol)をMeOH(2.0mL)と水(2.0mL)とHOAc(2.0mL)の混合物に懸濁させた。得られた懸濁液を室温で19時間撹拌した。その反応混合物を水性NaHCO3で希釈し、次いで、EtOAc(3×)で希釈した。その有機層を合し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタンニトリルが得られた。
LCMS (C16H18NO3S) (ES, m/z): 304 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.27 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 4.50-4.47 (m, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.53-3.40 (m, 4H), 2.79 (t, J=6.5Hz, 2H), 2.68 (t, J=7.4Hz, 2H), 1.79-1.66 (m, 2H)。
段階3: 4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタンニトリル
4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタンニトリル(45mg、0.15mmol)のTHF(1.0mL)中の溶液にトリフェニルホスフィン(39mg、0.15mmol)を添加した。その混合物を0℃まで冷却し、次いで、NBS(26mg、0.15mmol)を添加した。1時間経過した後、その反応混合物に追加のトリフェニルホスフィン(23mg、0.089mmol)及びNBS(13mg、0.074mmol)を添加した。その混合物を0℃でさらに10分間撹拌した。その反応混合物を水性飽和NH4Clでクエンチし、次いで、EtOAcで希釈した。その有機層を分離し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタンニトリルが得られた。
LCMS (C16H17BrNO2SNa) (ES, m/z): 388, 390 [M+Na]+。
中間体96: (S)-4-(6-(3-クロロプロポキシ)-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
2-ブロモマロンアルデヒド(3.56g、23.6mmol)とチオフェン-3-イルカルバミン酸tert-ブチル(4.70g、23.6mmol)の混合物に、空気雰囲気下、室温で、AcOH(50mL)を添加した。その反応混合物を撹拌し、24時間100℃に加熱した。次いで、その反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(300mL)で希釈した。ガスの発生が止むまで、飽和水性NaHCO3を添加した。その有機層を分離し、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Hex中EtOAcで溶離)で精製して、6-ブロモチエノ[3,2-b]ピリジンが得られた。
LCMS (C7H5BrNS) (ES, m/z): 214, 216 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.86 (s, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.18 (d, J=5.4Hz, 1H), 7.58 (d, J=5.4Hz, 1H)。
段階2: 6-ブロモチエノ[3,2-b]ピリジン4-オキシド
DCM(50mL)中の6-ブロモチエノ[3,2-b]ピリジン(1.42g、6.63mmol)の混合物に、アルゴン下、0℃で、mCPBA(1.49g、6.63mmol)を添加した。次いで、その反応混合物を室温まで昇温させ、さらに24時間撹拌した。次いで、その反応混合物を減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の[EtOAc中の5%MeOH]で溶離)で精製して、6-ブロモチエノ[3,2-b]ピリジン4-オキシドが得られた。
LCMS (C7H5BrNOS) (ES, m/z): 230, 232 [M+H]+。
段階3: 6-ブロモチエノ[3,2-b]ピリジン-5-イルアセテート
6-ブロモチエノ[3,2-b]ピリジン4-オキシド(1.38g、6.00mmol)に、N2(g)下、室温で、無水酢酸(20mL、210mmol)を添加した。次いで、その反応混合物を140℃に加熱し、4時間撹拌した。次いで、その反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(200mL)及びH2O(200mL)で希釈した。その反応混合物に、ガスの発生が止むまで、NaHCO3を少量ずつゆっくりと添加した。その有機層を分離し、ブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の[EtOAc中5%MeOH]で溶離)で精製して、6-ブロモチエノ[3,2-b]ピリジン-5-イルアセテートが得られた。
LCMS (C9H7BrNO2S-C2H2O) (ES, m/z): 230, 232 [M+H-acetate]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 9.04 (s, 1H), 8.29 (d, J=5.2Hz, 1H), 7.54 (d, J=5.4Hz, 1H), 2.41 (s, 3H)。
段階4: 6-ブロモチエノ[3,2-b]ピリジン-5-オール
6-ブロモチエノ[3,2-b]ピリジン-5-イルアセテート(431mg、1.58mmol)のMeOH(5.0mL)中の溶液に、N2(g)下、20℃で、NaOH(H2O中2.0M、4.0mL、8.0mmol)を添加した。次いで、その反応混合物を20℃で1時間撹拌した。その反応混合物をHCl(H2O中1.0M、8.0mL、8.0mmol)でクエンチし、次いで、H2O(10mL)を添加することによって希釈した。その反応混合物を30分間撹拌し、次いで、濾過した。収集した物質を追加のH2O(10mL)で洗浄し、次いで、減圧下で乾燥させて、6-ブロモチエノ[3,2-b]ピリジン-5-オールが得られた。
LCMS (C7H5BrNOS) (ES, m/z): 230, 232 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 12.65 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 7.91 (d, J=5.3Hz, 1H), 6.99 (d, J=5.1Hz, 1H)。
段階5: 6-ブロモ-5-クロロチエノ[3,2-b]ピリジン
6-ブロモチエノ[3,2-b]ピリジン-5-オール(375mg、1.63mmol)に、N2(g)下、20℃で、オキシ塩化リン(15.2mL、163mmol)を添加した。次いで、その反応混合物を撹拌し、2日間100℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、その反応混合物を水性飽和NaHCO3溶液に滴下して加えることによってクエンチした。その反応混合物をEtOAc(250mL)でさらに希釈し、撹拌した。その有機層を分離し、ブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、6-ブロモ-5-クロロチエノ[3,2-b]ピリジンが得られ、これは、精製することなく使用した。
LCMS (C
7H
4BrClNS) (ES, m/z): 248, 250 [M+H]
+.
段階6: 6-ブロモ-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン
MeOH(10mL)中の6-ブロモ-5-クロロチエノ[3,2-b]ピリジン(352mg、1.42mmol)の混合物に、N2(g)下、20℃で、NaOMe(MeOH中25%、3.24mL、14mmol)を添加した。その反応混合物を撹拌し、マイクロ波反応器の中で1時間100℃に加熱した。その反応混合物をクエン酸(H2O中1.0M、28mL、28mmol)でクエンチし、EtOAc(250mL)で希釈した。その有機層を分離し、ブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中の[EtOAc中の5%MeOH]で溶離)で精製して、6-ブロモ-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジンが得られた。
LCMS (C8H7BrNOS) (ES, m/z): 244, 246 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.78 (s, 1H), 8.09 (d, J=5.3Hz, 1H), 7.44 (d, J=5.2Hz, 1H), 3.99 (s, 3H)。
段階7: 6-ブロモ-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸
6-ブロモ-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン(5.0g、20mmol)のTHF(100mL)中の溶液に、-78℃で、LDA(THF中2.0M、12.3mL、24.6mmol)を添加した。その混合物を15分間熟成させ、次いで、-78℃でCO2(g)を添加することによってクエンチした。次いで、その反応混合物を10分間かけて0℃まで昇温させた。その反応混合物を0℃でHCl(水中2.0M、12.3mL、24.6mmol)でクエンチし、次いで、EtOAc(500mL)で希釈した。その有機層を分離し、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をDCM(90mL)に懸濁させ、1時間撹拌した。次いで、Hex(250mL)を、添加ロートを介して室温で4時間かけて滴下して加えた。次いで、得られた懸濁液を室温でさらに16時間撹拌した。次いで、その懸濁液を濾過し、その残渣をHex/DCM(50mL)の(4:1)混合物で洗浄した。その残渣を減圧下で乾燥させて、6-ブロモ-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸が得られた。
LCMS (C9H7BrNO3S) (ES, m/z): 288, 290 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 13.79 (s, 1H), 8.87 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 4.01 (s, 3H)。
段階8: 6-ブロモ-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボニルクロリド
6-ブロモ-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボン酸(1.05g、3.64mmol)と塩化オキサリル(0.64mL、7.3mmol)のTHF(40mL)中の溶液に、アルゴン下、0℃で、DMF(8μL、0.1mmol)を添加した。その反応混合物を0℃で1時間撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮して、6-ブロモ-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボニルクロリドが得られ、これは、直接、次の段階で使用した。
段階9: (S)-4-(6-ブロモ-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
塩化銅(I)(0.361g、3.64mmol)を含む、オーブンで乾燥させたフラスコに、アルゴン下、0℃で、(R)-(3-メトキシ-2-メチル-3-オキソプロピル)亜鉛(II)ブロミドの溶液(THF中0.5M、14.6mL、7.29mmol)をゆっくりと添加した。その反応混合物を、アルゴン下、0℃で、20分間撹拌した。次いで、その反応混合物に、0℃で、6-ブロモ-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-カルボニルクロリド(1.12g、3.64mmol)のTHF(10mL)とNMP(5.0mL)のAr脱ガス溶液をカニューレを介してゆっくりと添加し;得られた溶液を室温まで昇温させ、室温でさらに18時間撹拌した。その反応混合物を0℃まで冷却し、飽和水性NH4Cl(50mL)とEtOAc(100mL)の溶液を添加することによってクエンチした。得られた二相混合物を室温まで昇温させ、さらに1時間撹拌した。次いで、その混合物を濾過し、その濾液を追加のEtOAc(250mL)及びブライン(50mL)で希釈した。その有機層を分離し、追加のブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(S)-メチル4-(6-ブロモ-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C14H15BrNO4S) (ES, m/z): 372, 374 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.87 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 4.02 (s, 3H), 3.59 (s, 3H), 3.52 (dd, J=17.9, 8.7Hz, 1H), 3.27 (dd, J=18.0, 4.5Hz, 1H), 3.03-2.91 (m, 1H), 1.20 (d, J=7.1Hz, 3H)。
段階10: (S)-(5-メトキシ-2-(4-メトキシ-3-メチル-4-オキソブタノイル)チエノ[3,2-b]ピリジン-6-イル)ボロン酸
(S)-メチル4-(6-ブロモ-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(700mg、1.88mmol)と4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(597mg、2.351mmol)とPd2(dba)3(43mg、0.047mmol)とトリシクロヘキシルホスフィン(53mg、0.19mmol)と酢酸カリウム(オーブンで乾燥させたもの)(295mg、3.01mmol)の混合物を、Arを用いて5分間脱ガスした。ジオキサン(15mL)を室温で添加し、得られた混合物をArを用いて5分間脱ガスした。次いで、その反応混合物を80℃まで加熱し、アルゴン下、18時間撹拌した。その反応混合物を室温まで冷却し、次いで、EtOAc(20mL)で希釈した。その懸濁液を室温で10分間撹拌し、次いで、CELITEを通して濾過し、EtOAc(20mL)で洗浄した。その濾液を減圧下で濃縮して、(S)-(5-メトキシ-2-(4-メトキシ-3-メチル-4-オキソブタノイル)チエノ[3,2-b]ピリジン-6-イル)ボロン酸が得られ、これは、精製することなく次の段階で使用した。
LCMS (C14H17BNO6S) (ES, m/z): 338 [M+H]+。
段階11: (S)-4-(6-ヒドロキシ-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
OXONE(登録商標)の溶液(KHSO5・1/2KHSO4・1/2K2SO4;水中0.2M、14.10mL、2.82mmol)を、アセトン(20mL)中の(S)-(5-メトキシ-2-(4-メトキシ-3-メチル-4-オキソブタノイル)チエノ[3,2-b]ピリジン-6-イル)ボロン酸(634mg、1.88mmol)の混合物に室温で添加した。その反応混合物を室温で30分間撹拌した。その反応混合物を、重亜硫酸ナトリウム(587mg、5.64mmol)の水(5mL)溶液を添加することによってクエンチし、次いで、5分間撹拌した。その反応混合物をDCM(200mL)で希釈した。その有機層を分離し、その水層を追加のDCM(2×50mL)で洗浄した。その有機層を合し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM)で精製して、(S)-メチル4-(6-ヒドロキシ-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C14H16NO5S) (ES, m/z): 310 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 10.46 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 3.97 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 3.44 (dd, J=17.5, 8.6Hz, 1H), 3.20 (dd, J=17.5, 5.0Hz, 1H), 3.00-2.92 (m, 1H), 1.19 (d, J=7.2Hz, 3H)。
段階12: (S)-4-(6-(3-クロロプロポキシ)-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DMF(1.0mL)中の(S)-メチル4-(6-ヒドロキシ-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(96mg、0.31mmol)と炭酸カリウム(257mg、1.86mmol)の混合物に、室温で、1-ブロモ-3-クロロプロパン(244mg、1.55mmol)を添加した。その反応混合物を撹拌し、4時間50℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、濾過し、次いで、その溶媒和物を、直接、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM)で精製して、(S)-メチル4-(6-(3-クロロプロポキシ)-5-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C17H21ClNO5S) (ES, m/z): 386 [M+H]+。
中間体97: (S)-4-(5-(3-ブロモプロピル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
段階1: (S)-4-(4-フルオロ-6-メトキシ-5-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
(S)-4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(750mg、2.30mmol)、DCM(10mL)、ヒューニッヒ塩基(2.0mL、11mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物(DCM中1.0M、3.5mL、3.5mmol)を合した。その反応混合物を室温で20分間撹拌した。次いで、その反応混合物を水でクエンチし、DCMで希釈した。その有機層を分離し、飽和NaHCO3で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(S)-メチル4-(4-フルオロ-6-メトキシ-5-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C16H15F4O7S2) (ES, m/z): 459 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.52 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 4.03 (s, 3H), 3.61 (s, 3H), 3.53 (dd, J=17.8, 8.7Hz, 1H), 3.27 (dd, J=17.8, 5.0Hz, 1H), 3.05-2.92 (m, 1H), 1.21 (d, J=7.2Hz, 3H)。
段階2: (2S)-4-(4-フルオロ-6-メトキシ-5-(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
(S)-メチル4-(4-フルオロ-6-メトキシ-5-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ベンゾ-[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(1.00g、2.18mmol)、CPhos Pd G4(0.088g、0.11mmol)及び(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、8.7mL、4.4mmol)をバイアルの中で合した。その反応混合物を40℃で2時間加熱した。その反応混合物をCELITEを通して濾過し、次いで、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(2S)-4-(4-フルオロ-6-メトキシ-5-(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C23H30FO6S) (ES, m/z): 453 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.31 (s, 1H), 7.52 (s, 1H), 4.54 (t, J=3.4Hz, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.75-3.70 (m, 1H), 3.69-3.62 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.49 (dd, J=17.7, 8.7Hz, 1H), 3.44-3.39 (m, 1H), 3.38-3.28 (m, 1H), 3.25 (dd, J=17.6, 5.0Hz, 1H), 3.02-2.92 (m, 1H), 2.80-2.70 (m, 2H), 1.84-1.76 (m, 2H), 1.76-1.67 (m, 1H), 1.63-1.57 (m, 1H), 1.50-1.40 (m, 4H), 1.20-1.17 (m, 3H)。
段階3: (S)-4-(5-(3-ブロモプロピル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
(2S)-4-(4-フルオロ-6-メトキシ-5-(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(350mg、0.773mmol)及びDCM(5mL)をバイアル中で合した。その反応混合物にトリフェニルホスフィンジブロミド(653mg、1.55mmol)を添加し、30分間撹拌した。その反応混合物を水でクエンチした。その有機層を分離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(S)-4-(5-(3-ブロモプロピル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C18H21BrFO4S) (ES, m/z): 431, 433 [M+H]+。
中間体98: (S)-4-(4-フルオロ-5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
(2S)-4-(4-フルオロ-6-メトキシ-5-(3-((テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(350mg、0.773mmol)、MeOH(5mL)及びMp-TsOH(1.00g、4.33mmol)をバイアルの中で合した。その反応混合物を2時間振盪した。次いで、その反応混合物を濾過し、MeOHで洗浄し、減圧下で濃縮して、(S)-4-(4-フルオロ-5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C18H22FO5S) (ES, m/z): 369 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.31 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 3.50 (dd, J=17.7, 8.7Hz, 1H), 3.44 (t, J=6.5Hz, 2H), 3.25 (dd, J=17.4, 4.7Hz, 1H), 3.02-2.93 (m, 1H), 2.71 (t, J=7.4Hz, 2H), 1.69-1.63 (m, 2H), 1.20 (d, J=7.0Hz, 3H)。
中間体99: 2-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル
段階1: 2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパン-1-カルボン酸
DCM(20.0mL)中、4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン(1.13g、5.32mmol)と3-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2,4-ジオン(1.19g、10.7mmol)の混合物に、0℃で、塩化アルミニウム(0.923g、6.92mmol)を添加した。その反応混合物を室温まで昇温させ、次いで、18時間撹拌した。その反応混合物を0℃まで冷却し、水(50mL)でクエンチした。次いで、その混合物をEtOAc(500mL)で希釈した。その有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパン-1-カルボン酸が得られた。これは、精製することなく次の段階で使用した。
LCMS (C15H14FO5S) (ES, m/z): 325 [M+H]+。
段階2: 2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル
DCM(20mL)とMeOH(20mL)中の2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパンカルボン酸(1.40g、4.32mmol)の混合物に、0℃で、TMS-ジアゾメタン(ジエチルエーテル中2.0M、4.3mL、8.6mmol)を滴下して加えた。その反応混合物を0℃で15分間撹拌した。その反応混合物をHOAcでクエンチした。次いで、その反応混合物を減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM)で精製して、2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパンカルボン酸メチルが得られた。
LCMS (C16H16FO5S) (ES, m/z): 339 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.37 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 3.48 (s, 3H), 3.31-3.25 (m, 1H), 2.47-2.41 (m, 1H), 1.62-1.58 (m, 1H), 1.44-1.40 (m, 1H)。
段階3: 2-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパン-1-カルボン酸メチル
DCM(40mL)中の2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパンカルボン酸メチル(1.50g、4.43mmol)の混合物に、室温で、塩化アルミニウム(2.66g、20.0mmol)を少量ずつ添加した。その反応混合物を、アルゴン下、室温で6時間撹拌した。その反応混合物を0℃まで冷却し、次いで、水(50mL)でゆっくりとクエンチした。その反応混合物を追加のDCM(250mL)で希釈した。その有機層を分離し、ブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM)で精製して、2-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロプロパンカルボン酸メチルが得られた。
LCMS (C15H14FO5S) (ES, m/z): 325 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 9.55 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.48 (s, 3H), 3.30-3.23 (m, 1H), 2.45-2.39 (m, 1H), 1.61-1.57 (m, 1H), 1.43-1.38 (m, 1H)。
中間体100: (R)-4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
段階1: (R)-4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド(3.00g、9.82mmol)及びTHF(98mL)を合した。次いで、その反応混合物をArを用いて10分間脱ガスした。その反応混合物に、CPhos Pd G4(0.081g、0.098mmol)を添加し、その混合物を0℃まで冷却した。次いで、その反応混合物に、(S)-(3-メトキシ-2-メチル-3-オキソプロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、21mL、11mmol)を添加漏斗を介して添加した。その混合物を0℃で1時間撹拌した。その反応混合物を飽和水性NH4Clでクエンチし、EtOAcで希釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/hex)で精製して、(R)-4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C15H16BrO4S) (ES, m/z): 371, 373 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.28-8.26 (m, 2H), 7.82 (s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 3.44 (dd, J=17.6, 8.6Hz, 1H), 3.21 (dd, J=17.6, 5.1Hz, 1H), 3.03-2.93 (m, 1H), 1.20 (d, J=7.2Hz, 3H)。
段階2: (R)-4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
THF(13.5mL)中の(R)-メチル4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(1.00g、2.69mmol)の混合物に、CPhos Pd G3(174mg、0.215mmol)を添加し、次いで、(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、9.7mL、4.9mmol)を添加した。その反応混合物を40℃で3時間加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、水でクエンチし、EtOAcで希釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(R)-4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C24H37O5SSi) (ES, m/z): 465 [M+H]+。
段階3: (R)-4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
MeOH(4mL)と水(4mL)とHOAc(4mL)の混合物に、(R)-メチル4-(5-(3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(1.04g、2.24mmol)を懸濁させた。その反応混合物を室温で3.5時間撹拌した。その反応混合物をEtOAc及び水で希釈した。その水層を分離し、追加のEtOAc(3×)で抽出した。その有機層を合し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(R)-4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C18H23O5S) (ES, m/z): 351 [M+H]+。
段階4: (R)-4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
THF(9.7mL)中の(R)-メチル4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(680mg、1.94mmol)とトリフェニルホスフィン(814mg、3.10mmol)の混合物に、0℃で、NBS(518mg、2.91mmol)を添加した。1.5時間経過した後、その反応混合物を飽和水性NH4Clでクエンチし、次いで、EtOAcで希釈した。その有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(R)-4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C18H22BrO4S) (ES, m/z): 413, 415 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.27 (s, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 3.55 (t, J=6.6Hz, 2H), 3.43 (dd, J=17.5, 8.6Hz, 1H), 3.20 (dd, J=17.5, 5.1Hz, 1H), 3.04-2.94 (m, 1H), 2.83-2.77 (m, 2H), 2.14-2.08 (m, 2H), 1.20 (d, J=7.2Hz, 3H)。
中間体101、中間体102、中間体103、及び、中間体104:(1R,2R又は1S,2S)-2-(4-フルオロ-6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸メチル、(1R,2R又は1S,2S)-2-(4-フルオロ-6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸メチル、(1R,2R又は1S,2S)-2-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸メチル、(1R,2R又は1S,2S)-2-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸メチル
段階1:(シス)-2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸
DCM(20.0mL)中の4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン(950mg、4.48mmol)と3-オキサビシクロ[3.2.0]ヘプタン-2,4-ジオン(1130mg、8.95mmol)の混合物に、0℃で、塩化アルミニウム(776mg、5.82mmol)を添加した。その反応混合物を室温まで昇温させ、次いで、18時間撹拌した。その反応混合物を0℃まで冷却し、次いで、水(50mL)を滴下して加えることによってクエンチした。次いで、その混合物を追加のDCM(200mL)で希釈した。その有機層を分離し、ブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、(シス)-2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸が得られ、これは、精製することなく次の段階で使用した。
LCMS (C
16H
16FO
5S) (ES, m/z): 339 [M+H]
+.
段階2: (シス)-2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸メチル
DCM(20mL)とMeOH(20mL)中の(シス)-2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタンカルボン酸(1.35g、3.99mmol)の混合物に、0℃で、TMS-ジアゾメタン(ジエチルエーテル中2.0M、4.0mL、8.0mmol)を滴下して加えた。その反応混合物を0℃で15分間撹拌した。その反応混合物をHOAcでクエンチした。次いで、その反応混合物を減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM)で精製して、(シス)-メチル2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタンカルボキシレートが得られた。
LCMS (C17H18FO5S) (ES, m/z): 353 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.15 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 4.59-4.50 (m, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.68 (q, J=8.9, 8.5Hz, 1H), 3.41 (s, 3H), 2.34-2.10 (m, 4H)。
段階3: (トランス)-2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸
MeOH(25mL)中の(シス)-メチル2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタンカルボキシレート(650mg、1.85mmol)の混合物に、室温で、NaOH(5.0M、1.8mL、9.0mmol)を添加した。その反応混合物を室温で4時間撹拌した。その反応混合物をTFA(0.85mL、11mmol)でクエンチし、次いで、DCM(250mL)で希釈した。その有機層を分離し、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM)で精製して、(トランス)-2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタンカルボン酸が得られた。
LCMS (C
16H
16FO
5S) (ES, m/z): 339 [M+H]
+.
段階4: (トランス)-2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸メチル
DCM(20mL)とMeOH(20mL)中の(トランス)-2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタンカルボン酸(570mg、1.69mmol)の混合物に、0℃で、TMS-ジアゾメタン(ジエチルエーテル中2.0M、1.7mL、3.4mmol)を滴下して加えた。その反応混合物を0℃で15分間撹拌した。その反応混合物をHOAcでクエンチした。次いで、その反応混合物を減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM)で精製して、(トランス)-メチル2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタンカルボキシレートが得られた。
LCMS (C17H18FO5S) (ES, m/z): 353 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.22 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 4.42 (q, J=9.0Hz, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.63 (s, 3H), 3.58-3.48 (m, 1H), 2.38-2.30 (m, 1H), 2.26-2.18 (m, 1H), 2.17 -2.10 (m, 2H)。
段階5: (1R,2R又は1S,2S)-2-(4-フルオロ-6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸メチル、(1R,2R又は1S,2S)-2-(4-フルオロ-6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸メチル、(1R,2R又は1S,2S)-2-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸メチル、(1R,2R又は1S,2S)-2-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸メチル
DCM(40mL)中の(トランス)-メチル2-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタンカルボキシレート(530mg、1.50mmol)の混合物に、室温で、AlCl3(1.10g、8.27mmol)を添加した。その反応混合物を、アルゴン下、室温で6時間撹拌した。その反応混合物を0℃まで冷却し、次いで、水(50mL)でゆっくりとクエンチした。次いで、その反応混合物を追加のDCM(250mL)で希釈した。その有機層を分離し、ブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM)で精製して、(+/-トランス)-メチル-2-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボキシレートと(+/-トランス)-メチル-2-(4-フルオロ-6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボキシレートの混合物が得られた。そのラセミ位置異性体の混合物をキラルSFC(CCAカラム、CO2中の20%[MeOH(0.25%DMEA含有)])で精製して、以下のものが得られた:
ピーク1(3.0分):(1R,2R又は1S,2S)-2-(4-フルオロ-6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸メチル
LCMS (C16H16FO5S) (ES, m/z): 339 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 10.58 (br s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.24 (s, 1H), 4.45-4.34 (m, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.56-3.47 (m, 1H), 2.36-2.24 (m, 1H), 2.25-2.16 (m, 1H), 2.16-2.07 (m, 2H).
ピーク2(3.5分):(1R,2R又は1S,2S)-2-(4-フルオロ-6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸メチル
LCMS (C16H16FO5S) (ES, m/z): 339 [M+H]+.
ピーク3(3.9分):(1R,2R又は1S,2S)-2-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸メチル
LCMS (C16H16FO5S) (ES, m/z): 339 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 9.55 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 4.45-4.38 (m, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.58-3.49 (m, 1H), 2.38-2.27 (m, 1H), 2.25-2.19 (m, 1H), 2.17-2.09 (m, 2H).
ピーク4(5.0分):(1R,2R又は1S,2S)-2-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニル)シクロブタン-1-カルボン酸メチル
LCMS (C16H16FO5S) (ES, m/z): 339 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 9.54 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 4.44-4.38 (m, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.55-3.49 (m, 1H), 2.38-2.26 (m, 1H), 2.26-2.17 (m, 1H), 2.17-2.10 (m, 2H)。
中間体105: (R)-4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
段階1: (R)-4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド(1.00g、3.64mmol)とTHF(36.4mL)の混合物を、Arを用いて10分間脱ガスした。その混合物にCPhos Pd G4(0.030g、0.036mmol)を添加し、その反応混合物を0℃まで冷却した。次いで、その反応混合物に、(S)-(3-メトキシ-2-メチル-3-オキソプロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、8.0mL、4.0mmol)を、添加漏斗を介して添加した。その混合物を0℃で1時間撹拌した。その反応混合物を飽和水性NH4Clでクエンチし、次いで、EtOAcで希釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(R)-4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C16H18FO5S) (ES, m/z): 341 [M+H]+。
段階2: (R)-4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DCM(22mL)中の(R)-メチル4-(4-フルオロ-5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(0.742g、2.18mmol)の混合物に、室温で、AlCl3(1.16g、8.72mmol)を添加した。その反応混合物を18時間撹拌した。次いで、その反応混合物を0℃まで冷却し、水(50mL)及びHCl(水中1.0M、50mL、50mmol)を添加することによってクエンチした。次いで、その反応混合物をEtOAcで希釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、(R)-4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られ、これは、精製することなく使用した。
LCMS (C15H16FO5S) (ES, m/z): 327 [M+H]+。
中間体106: (S)-4-(4-クロロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DMF(0.25mL)中の(S)-メチル4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(25mg、0.081mmol)の混合物に、室温で、NCS(11mg、0.081mmol)を添加した。次いで、その反応混合物を40℃に加熱し、2時間撹拌した。その反応混合物を室温まで冷却し、直接、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAC/Hex)で精製して、(S)-メチル4-(4-クロロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C15H16ClO5S) (ES, m/z): 343 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 9.78 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 3.50 (dd, J=17.8, 8.7Hz, 1H), 3.31-3.23 (m, 1H), 3.02-2.92 (m, 1H), 1.20 (d, J=7.2Hz, 3H)。
中間体107: (S)-4-(4-ブロモ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DMF(0.25mL)中、(S)-メチル4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(25mg、0.081mmol)の混合物に、室温でNBS(14mg、0.081mmol)を添加した。次いで、その反応混合物を40℃に加熱し、2時間撹拌した。その反応混合物を室温まで冷却し、直接、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM)で精製して、(S)-メチル4-(4-ブロモ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエートが得られた。
LCMS (C15H16BrO5S) (ES, m/z): 387, 389 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 9.82 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 3.50 (dd, J=17.8, 8.7Hz, 1H), 3.31-3.24 (m, 1H), 3.03-2.92 (m, 1H), 1.21 (d, J=7.2Hz, 3H)。
中間体108: 4-(6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル
段階1: 4-(5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル
DCM(50mL)とMeOH(50mL)中の4-(5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸(2.15g、7.30mmol)の混合物に、0℃で、TMS-ジアゾメタン(ジエチルエーテル中2.0M、5.5mL、11mmol)を滴下して加えた。その反応混合物を0℃で1時間撹拌した。その反応混合物をHOAcでクエンチした。その反応混合物を減圧下で濃縮して、4-(5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチルが得られ、これは、精製することなく次の段階で使用した。
LCMS (C15H17O5S) (ES, m/z): 309 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.22 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.61 (s, 3H), 3.35-3.30 (m, 2H), 2.71-2.66 (m, 2H)。
段階2: 4-(6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル 及び 4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル
DCM(250mL)中の4-(5,6-ジメトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル(2.20g、7.13mmol)の混合物に、室温で、AlCl3(5.71g、42.8mmol)を添加した。その反応混合物を室温で24時間撹拌した。その反応混合物を0℃まで冷却し、水(50mL、添加漏斗を介して滴下して加えた)でクエンチした。次いで、その反応混合物を室温まで昇温させ、追加のDCM(250mL)で希釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM)で精製して、4-(6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル(77%)と4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル(23%)の混合物が得られた。
LCMS (C14H15O5S) (ES, m/z): 295 [M+H]+。
段階3: 4-(5-(((ベンジルオキシ)カルボニル)オキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル 及び 4-(6-(((ベンジルオキシ)カルボニル)オキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル
DCM(30mL)中の4-(6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル(77%)と4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル(23%)(1.82g、6.18mmol)とTEA(1.29mL、9.28mmol)の混合物に、0℃で、CBZ-Cl(1.06mL、7.42mmol)を添加した。次いで、その反応混合物を室温まで昇温させ、さらに2時間撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮し、その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、以下のものが得られた:
ピーク1:4-(5-(((ベンジルオキシ)カルボニル)オキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル
LCMS (C22H21O7S) (ES, m/z): 429 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.30 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.48-7.38 (m, 5H), 5.30 (s, 2H), 3.87 (s, 3H), 3.61 (s, 3H), 3.40-3.33 (m, 2H), 2.69 (t, J=6.4Hz, 2H)。
ピーク2:4-(6-(((ベンジルオキシ)カルボニル)オキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル
LCMS (C22H21O7S) (ES, m/z): 429 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.32 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.47-7.37 (m, 5H), 5.31 (s, 2H), 3.85 (s, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.41-3.36 (m, 2H), 2.74-2.68 (m, 2H)。
段階4: 4-(6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル
DMF(5mL)とMeOH(5mL)中の4-(6-(((ベンジルオキシ)カルボニル)オキシ)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル(1.84g、4.29mmol)の混合物に、室温で、1-メチルピペラジン(1.4mL、13mmol)を添加した。次いで、その反応混合物を50℃に加熱し、さらに30分間撹拌した。その反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で部分的に濃縮した。その粗製混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM)で精製して、4-(6-ヒドロキシ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C14H15O5S) (ES, m/z): 295 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 9.88 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 3.86 (s, 3H), 3.61 (s, 3H), 3.33-3.29 (m, 2H), 2.71-2.66 (m, 2H)。
中間体109: (S)-4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸tert-ブチル
段階1: (S)-4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸
MeOH(97mL)とTHF(97mL)中の(S)-メチル4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(3.00g、9.73mmol)の混合物に、NaOH(水中5.0M、39mL、200mmol)を添加した。その混合物を1.5時間50℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、HCl(水中2.0M、100mL、200mmol)を用いて酸性化して約pH3とした。その混合物をEtOAc及び水で希釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C14H15O5S) (ES, m/z): 295 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 12.18 (s, 1H), 9.39 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.38 (dd, J=17.3, 8.5Hz, 1H), 3.07 (dd, J=17.3, 5.3Hz, 1H), 2.94-2.83 (m, 1H), 1.18 (d, J=7.2Hz, 3H)。
段階2: (S)-4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸tert-ブチル
DMF(6.8mL)中の(S)-4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸(1.00g、3.40mmol)の混合物に、室温で、2-tert-ブチル-1,3-ジイソプロピルイソ尿素(2.3mL、10mmol)を添加した。その反応混合物を室温で2時間撹拌した。その混合物をEtOAc及び水で希釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(S)-4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C18H23O5S + Na) (ES, m/z): 373 [M+Na]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 9.40 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.36-3.30 (m, 1H), 3.05 (dd, J=17.1, 5.0Hz, 1H), 2.90-2.79 (m, 1H), 1.35 (s, 9H), 1.16 (d, J=7.2Hz, 3H)。
中間体110: (S)-4-(4,7-ジクロロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DMF(4.0mL)中の(S)-メチル4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(500mg、1.62mmol)の混合物に、20℃で、NCS(433mg、3.24mmol)を添加した。次いで、その反応混合物を40℃に加熱し、2時間撹拌した。その反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(100mL)で希釈した。その混合物を水(3×25mL)及びブライン(1×25mL)で洗浄した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製し、その後、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM)でさらに精製して、(S)-4-(4,7-ジクロロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C15H15Cl2O5S) (ES, m/z): 377, 379 [M+H]+。
中間体111: (S)-4-(5-(3-ブロモ-2,2-ジメチルプロポキシ)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DMF(0.5mL)中の(S)-メチル4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(25mg、0.077mmol)と炭酸カリウム(42mg、0.31mmol)の混合物に、室温で、1,3-ジブロモ-2,2-ジメチルプロパン(176mg、0.766mmol)を添加した。次いで、その反応混合物を撹拌し、24時間100℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、DCM(2mL)で希釈し、濾過した。その濾液を、直接、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(S)-4-(5-(3-ブロモ-2,2-ジメチルプロポキシ)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C20H25BrFO5S) (ES, m/z): 475, 477 [M+H]+。
中間体112: (S)-4-(5-((1-(ブロモメチル)シクロプロピル)メトキシ)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DMF(0.5mL)中の(S)-メチル4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(25mg、0.077mmol)と炭酸カリウム(42mg、0.31mmol)の混合物に、室温で、1,1-ビス(ブロモメチル)シクロプロパン(175mg、0.766mmol)を添加した。次いで、その反応混合物を撹拌し、4時間40℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、DCM(2mL)で希釈し、濾過した。その濾液を、直接、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(S)-4-(5-((1-(ブロモメチル)シクロプロピル)メトキシ)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C20H23BrFO5S) (ES, m/z): 473, 475 [M+H]+。
中間体113: (S)-4-(5-ヒドロキシ-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
段階1: (S)-4-(5-ブロモ-6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DCM(35mL)中の(S)-4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(1.50g、4.04mmol)の混合物に、室温で、AlCl3(3.23g、24.2mmol)を添加した。次いで、その反応混合物を撹拌し、24時間35℃に加熱した。その反応混合物を0℃まで冷却し、次いで、水(10mL)をゆっくりと添加することによってクエンチした。次いで、その混合物を室温まで昇温させ、さらに15分間撹拌した。その反応混合物をDCM(250mL)で希釈し、その有機層を分離した。その有機層をブライン(50mL)で洗浄した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(S)-4-(5-ブロモ-6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C14H14BrO4S) (ES, m/z): 357, 359 [M+H]+。
段階2: (S)-4-(5-ブロモ-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DCM(25mL)中の(S)-4-(5-ブロモ-6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(1.42g、3.98mmol)とヒューニッヒ塩基(4.2mL、24mmol)の混合物に、0℃で、MOM-Cl(0.91mL、12mmol)を添加した。その反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、室温まで昇温させ、さらに24時間撹拌した。その反応混合物を飽和水性NaHCO3(10mL)を添加することによってクエンチし、次いで、EtOAc(250mL)及び水(50mL)で希釈した。その有機層を分離し、ブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(S)-4-(5-ブロモ-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C16H18BrO5S) (ES, m/z): 401, 403 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.30 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 5.41 (s, 2H), 3.60 (s, 3H), 3.48-3.42 (m, 1H), 3.45 (s, 3H), 3.22 (dd, J=17.6, 5.1Hz, 1H), 3.04-2.93 (m, 1H), 1.20 (d, J=7.4Hz, 3H)。
段階3: (S)-4-(6-(メトキシメトキシ)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
(S)-4-(5-ブロモ-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(1.57g、3.91mmol)と4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(1.19g、4.70mmol)とPd2(dba)3(0.179g、0.196mmol)とトリシクロヘキシルホスフィン(0.219g、0.783mmol)と酢酸カリウム(0.614g、6.26mmol)の混合物を、Arを用いて5分間脱ガスした。ジオキサン(20mL)を室温で添加し、得られた混合物を、Arを用いて5分間脱ガスした。次いで、その反応混合物を90℃に加熱し、アルゴン下、6時間撹拌した。その反応混合物を室温まで冷却し、次いで、EtOAc(50mL)で希釈した。その懸濁液を室温で10分間撹拌し、次いで、CELITEを通して濾過し、EtOAc(50mL)で洗浄した。その濾液を減圧下で濃縮して、(S)-4-(6-(メトキシメトキシ)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。これは、精製することなく次の段階で使用した。
LCMS (C22H30BO7S) (ES, m/z): 449 [M+H]+。
段階4: (S)-4-(5-ヒドロキシ-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
(S)-4-(6-(メトキシメトキシ)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(1.75g、3.90mmol)のアセトン(50mL)中の溶液に、室温で、OXONE(登録商標)の溶液(水中0.20M、21mL、4.3mmol)を添加した。その反応混合物を室温で60分間撹拌した。その反応混合物を、水(5mL)中の重亜硫酸ナトリウム(0.81g、7.8mmol)の溶液を添加することによってクエンチし、次いで、5分間撹拌した。その反応混合物をEtOAc(250mL)で希釈した。その有機層を分離し、その水層を追加のtOAc(2×100mL)で洗浄した。その有機層を合し、ブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、ピナコール副生物で汚染されている(S)-4-(5-ヒドロキシ-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。その単離された物質をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/DCM)で再精製して、(S)-4-(5-ヒドロキシ-6-(メトキシメトキシ)-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C16H19O6S) (ES, m/z): 339 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 9.52 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 5.29 (s, 2H), 3.60 (s, 3H), 3.44 (s, 3H), 3.43-3.38 (m, 1H), 3.18 (dd, J=17.5, 5.1Hz, 1H), 3.03-2.91 (m, 1H), 1.19 (d, J=7.2Hz, 3H)。
中間体114: (S)-4-(4-クロロ-5-ヒドロキシ-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DMF(2.0mL)中の(S)-4-(5-ヒドロキシ-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(250mg、0.74mmol)の混合物に、室温で、NCS(99mg、0.74mmol)を添加した。その反応混合物を撹拌し、2時間40℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、次いで、直接、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(S)-4-(4-クロロ-5-ヒドロキシ-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C
16H
18ClO
6S) (ES, m/z): 373 [M+H]
+.
1H NMR (499MHz, DMSO-d
6) δ 9.83 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.67 (s, 1H), 5.35 (s, 2H), 3.60 (s, 3H), 3.51 (dd, J=17.8, 8.7Hz, 1H), 3.46 (s, 3H), 3.27 (dd, J=17.8, 5.0Hz, 1H), 3.02-2.91 (m, 1H), 1.20 (d, J=7.2Hz, 3H).
中間体115: (S)-4-(5-(3-ブロモプロポキシ)-4-フルオロ-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
段階1: (S)-4-(4-フルオロ-5,6-ジヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸
DCM(100mL)中の(S)-4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(2.0g、6.1mmol)の混合物に、0℃で、三臭化ホウ素(DCM中1.0M、31mL、31mmol)を添加した。その反応混合物を撹拌し、2時間30℃に加熱した。その反応混合物を0℃まで冷却し、次いで、MeOH(10mL)を滴下して加えることによってクエンチした。その反応混合物をさらに15分間撹拌した。次いで、その反応混合物を水(100mL)及び追加のDCM(500mL)で希釈した。その有機層を分離し、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-4-(4-フルオロ-5,6-ジヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸が得られ、これは、精製することなく次の段階で使用した。
LCMS (C
13H
12FO
5S) (ES, m/z): 299 [M+H]
+.
段階2: (S)-4-(4-フルオロ-5,6-ジヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DCM(10mL)とMeOH(10mL)中の(S)-4-(4-フルオロ-5,6-ジヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸(1.83g、6.14mmol)の混合物に、0℃で、TMS-ジアゾメタン(ジエチルエーテル中2.0M、3.1mL、6.2mmol)を添加した。次いで、その反応混合物を0℃で15分間撹拌した。その反応混合物をHOAcでクエンチし、次いで、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、所望の生成物が得られた。その単離された物質をシリカゲルクロマトグラフィー([EtOAc中の25%EtOH]/Hex)で精製して、(S)-4-(4-フルオロ-5,6-ジヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C14H14FO5S) (ES, m/z): 313 [M+H]+。
段階3: (S)-4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル 及び (S)-4-(4-フルオロ-6-ヒドロキシ-5-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DCM(25mL)中の(S)-4-(4-フルオロ-5,6-ジヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(460mg、1.47mmol)とヒューニッヒ塩基(0.52mL、3.0mmol)の混合物に、0℃で、MOM-Cl(0.12mL、1.6mmol)を添加した。その反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、室温まで昇温させ、さらに24時間撹拌した。その反応混合物を、飽和水性NaHCO3(10mL)を添加することによってクエンチし、次いで、EtOAc(250mL)及び水(50mL)で希釈した。その有機層を分離し、ブライン(25mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(S)-4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルと(S)-4-(4-フルオロ-6-ヒドロキシ-5-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルの分離できない混合物が得られた。その混合物は、それ以上精製することなく次の反応において使用した。
LCMS (C18H18FO6S) (ES, m/z): 357 [M+H]+。
段階4: (S)-4-(6-(3-ブロモプロポキシ)-4-フルオロ-5-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル 及び (S)-4-(5-(3-ブロモプロポキシ)-4-フルオロ-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DMF(2.0mL)中の(S)-4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル及び(S)-4-(4-フルオロ-6-ヒドロキシ-5-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(270mg、0.75mmol)と炭酸カリウム(260mg、1.9mmol)の混合物に、室温で、1,3-ジブロモプロパン(0.58mL、5.6mmol)を添加した。その混合物を室温で18時間撹拌した。その反応混合物をEtOAc(250mL)及び水(50mL)で希釈した。その有機層を分離し、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、位置異性体の混合物が得られた。その位置異性体の混合物を逆相HPLC(ACN/水(0.1%TFA含有))で精製して、以下のものが得られた:
最初に溶出したHPLC上のピーク:(S)-4-(6-(3-ブロモプロポキシ)-4-フルオロ-5-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
LCMS (C19H23BrFO6S) (ES, m/z): 477, 479 [M+H]+.
二番目に溶出したHPLC上のピーク:(S)-4-(5-(3-ブロモプロポキシ)-4-フルオロ-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
LCMS (C19H23BrFO6S) (ES, m/z): 477, 479 [M+H]+。
中間体116: (S)-4-(5-ヒドロキシ-6-(メチルアミノ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
段階1: (S)-4-(6-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
6-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-カルボニルクロリド(5.96g、19.5mmol)及びCPhos Pd G4(0.160g、0.195mmol)をフラスコの中で合し、Arを用いて5分間脱ガスした。アルゴン流下、THF(75mL)を添加し、その混合物を0℃まで冷却した。次いで、(R)-(3-メトキシ-2-メチル-3-オキソプロピル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.50M、40mL、20mmol)を滴下して加え、得られた混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、室温まで昇温させた。その混合物を室温で3日間撹拌した。
その反応混合物を飽和水性NH4Cl(25mL)でクエンチし、次いで、EtOAc(500mL)で希釈した。その有機層を分離し、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製して、(S)-4-(6-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C15H16BrO4S) (ES, m/z): 371, 373 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.39 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.65 (s, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.61 (s, 3H), 3.52-3.43 (m, 1H), 3.28-3.18 (m, 1H), 3.05-2.95 (m, 1H), 1.23-1.18 (m, 3H)。
段階2: (S)-4-(6-ブロモ-5-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DCM(35mL)中の(S)-4-(6-ブロモ-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(170mg、0.458mmol)の混合物に、室温でAlCl3(366mg、2.75mmol)を添加した。その反応混合物を撹拌し、3日間45℃に加熱した。その反応混合物を0℃まで冷却し、次いで、水(10mL)をゆっくりと添加することによってクエンチした。次いで、その混合物を室温まで昇温させ、さらに15分間撹拌した。その反応混合物をDCM(250mL)で希釈し、その有機層を分離した。その有機層をブライン(50mL)で洗浄した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(S)-4-(6-ブロモ-5-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C14H14BrO4S) (ES, m/z): 357, 359 [M+H]+。
段階3: (S)-4-(6-ブロモ-5-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DCM(5.0mL)中の(S)-4-(6-ブロモ-5-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(150mg、0.42mmol)とMOM-Cl(0.096mL、1.3mmol)の混合物に、0℃でヒューニッヒ塩基(0.44mL、2.5mmol)を添加した。その反応混合物を0℃で1時間撹拌した。その反応混合物を、直接、シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(S)-4-(6-ブロモ-5-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C16H18BrO5S) (ES, m/z): 401, 403 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.42 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.77 (s, 1H), 5.38 (s, 2H), 3.61 (s, 3H), 3.53-3.42 (m, 4H), 3.23 (dd, J=17.7, 3.0Hz, 1H), 3.07-2.95 (m, 1H), 1.21 (d, J=5.0Hz, 3H)。
段階4: (S)-4-(6-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)-5-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
(S)-4-(6-ブロモ-5-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(144mg、0.359mmol)とメチルカルバミン酸tert-ブチル(71mg、0.54mmol)とPd2(dba)3(16mg、0.018mmol)とXANTPHOS(31mg、0.054mmol)と炭酸セシウム(234mg、0.718mmol)のAr脱ガス混合物に、室温でArを用いて脱ガスしながらジオキサン(4.0mL)を添加した。その混合物を、Arを用いて脱ガスしながら5分間撹拌し、その後、その混合物を90℃に加熱し、アルゴン下で18時間撹拌した。その反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(20mL)で希釈した。得られた懸濁液をCELITEを通して濾過した。その濾液を減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、当該生成物が得られた。
LCMS (C22H30NO7S) (ES, m/z): 452 [M+H]+。
段階5: (S)-4-(5-ヒドロキシ-6-(メチルアミノ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
DCM(2.0mL)中の(S)-4-(6-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)-5-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(18mg、0.040mmol)の混合物に、室温で、TFA(1.0mL、13mmol)を添加した。その反応混合物を室温で2時間撹拌した。その反応混合物をEtOAc(10mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(10mL)をゆっくりと添加することによってクエンチした。得られた混合物を10分間撹拌した。その有機層を分離し、ブラインで洗浄し(5mL)、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(S)-4-(5-ヒドロキシ-6-(メチルアミノ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C15H18NO4S) (ES, m/z): 308 [M+H]+。
実施例1: (2S,2’S)-4,4’-[ブタン-1,4-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸) 及び
実施例2: (2S,2’S)-4,4’-[プロパン-1,3-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸)
段階1: (2S)-4-[6-メトキシ-5-(プロパ-2-エン-1-イル)-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
トルエン(0.49mL)中の(2S)-4-(5-ブロモ-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(120mg、0.32mmol)とビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(7.1mg、12μmol)とアリルトリブチルスタンナン(120μL、0.39mmol)の撹拌混合物に、N2下、トリ-tert-ブチルホスフィン(トルエン中1.0M、26μL、26μmol)を添加した。その反応混合物を18時間65℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物をEt2Oで希釈し、次いで、CsFを添加した。その粗製混合物を室温で5分間撹拌した。次いで、その混合物を濾過し、その濾液を、直接、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex中のEtOAc)で精製して、(2S)-4-[6-メトキシ-5-(プロパ-2-エン-1-イル)-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C18H21O4S) (ES, m/z): 333 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ 8.27 (s, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 6.06-5.94 (m, 1H), 5.07 (d, J=12.5Hz, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.59 (s, 3H), 3.46-3.38 (m, 3H), 3.19 (dd, J=17.5, 5.0Hz, 1H), 3.02-2.92 (m, 1H), 1.19 (d, J=7.1Hz, 3H)。
段階2: ジメチル(2S,2’S)-4,4’-[ブタ-2-エン-1,4-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート) 及び ジメチル(2S,2’S)-4,4’-[プロパ-1-エン-1,3-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)
CH2Cl2(1.3mL)中の(2S)-4-[6-メトキシ-5-(プロパ-2-エン-1-イル)-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(44mg、0.13mmol)の混合物に、N2下、CH2Cl2(1.3mL)中のグラブス触媒2G(11mg、0.013mmol)を一度に添加した。その反応混合物を18時間65℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を、直接、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex中のEtOAc)で精製して、ジメチル(2S,2’S)-4,4’-[ブタ-2-エン-1,4-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)とジメチル(2S,2’S)-4,4’-[プロパ-1-エン-1,3-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)の混合物が得られた。
ジメチル(2S,2’S)-4,4’-[ブタ-2-エン-1,4-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)の特徴付け:
LCMS (C34H37O8S2) (ES, m/z): 637 [M+H]+。
ジメチル(2S,2’S)-4,4’-[プロパ-1-エン-1,3-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)の特徴付け:
LCMS (C33H35O8S2) (ES, m/z): 623 [M+H]+。
段階3: ジメチル(2S,2’S)-4,4’-[ブタン-1,4-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート) 及び ジメチル(2S,2’S)-4,4’-[プロパン-1,3-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)
EtOAc(0.5mL)中のジメチル(2S,2’S)-4,4’-[ブタ-2-エン-1,4-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)とジメチル(2S,2’S)-4,4’-[プロパ-1-エン-1,3-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)の混合物(57.0mg、1H-NMRによる約3/2の混合物)に、N2下、室温で、10%Pd/C(6.0mg、5.4μmol)を一度に添加した。その反応混合物を脱ガス及びH2の再充填に付し(3回)、H2(バルーン)下、室温で18時間撹拌した。次いで、その混合物を減圧下で濃縮して、ジメチル(2S,2’S)-4,4’-[ブタン-1,4-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)とジメチル(2S,2’S)-4,4’-[プロパン-1,3-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)の粗製混合物が得られた。その混合物は、それ以上精製又は特徴付けをすることなく使用した。
段階4: (2S,2’S)-4,4’-[ブタン-1,4-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸) 及び (2S,2’S)-4,4’-[プロパン-1,3-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸)
THF(1.0mL)とMeOH(1.0mL)と水(0.20mL)中、ジメチル(2S,2’S)-4,4’-[ブタン-1,4-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)とジメチル(2S,2’S)-4,4’-[プロパン-1,3-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)(57mg)の混合物に、室温で、LiOH(26mg、1.1mmol)を一度に添加した。その反応混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、水性HCl(2N、0.52mL)でクエンチした。その混合物をDMSOで希釈し、得られた混合物を濾過した。その濾液をRP-HPLC[C18カラム、水(0.1%TFA)-CH3CN]で精製して、(2S,2’S)-4,4’-[ブタン-1,4-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸)及び(2S,2’S)-4,4’-[プロパン-1,3-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸)が得られた。
(2S,2’S)-4,4’-[ブタン-1,4-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸)に関する特徴付けデータ:
LCMS (C32H34O8S2Na) (ES, m/z): 633 [M+Na]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ 12.20 (br, 2H), 8.21 (s, 2H), 7.72 (s, 2H), 7.57 (s, 2H), 3.87 (s, 6H), 3.39 (dd, J=17.5, 8.6Hz, 2H), 3.07 (dd, J=17.5, 5.0Hz, 2H), 2.94-2.84 (m, 2H), 2.69 (br, 4H), 1.62 (br, 4H), 1.18 (d, J=7.1Hz, 6H)。
(2S,2’S)-4,4’-[プロパン-1,3-ジイルビス(6-メトキシ-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル)]ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸)に関する特徴付けデータ:
LCMS (C31H32O8S2Na) (ES, m/z): 619 [M+Na]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ 12.21 (br, 2H), 8.23 (s, 2H), 7.76 (s, 2H), 7.59 (s, 2H), 3.88 (s, 6H), 3.40 (dd, J=17.5, 8.6Hz, 2H), 3.08 (dd, J=17.5, 5.0Hz, 2H), 2.94-2.85 (m, 2H), 2.71 (t, J=7.1Hz, 4H), 1.91 (pentet, J=7.1Hz, 2H), 1.18 (d, J=7.1Hz, 6H)。
実施例3: (S)-4-(5-(3-(2-(3-カルボキシプロパノイル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)プロポキシ)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸
磁気撹拌棒を備えた1ドラムねじ蓋バイアルに、(S)-メチル4-(5-クロロ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(60mg、0.18mmol)、4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(76mg、0.20mmol)、RockPhos Pd G3(7.7mg、9.2μmol)及びCs2CO3(89mg、0.28mmol)を装入し、隔膜含有蓋で密閉した。そのバイアルを排気し、N2を3回再充填した。トルエン(0.61mL)を添加し、その懸濁液を渦撹拌し(vortexed)、超音波処理し、次いで、撹拌しながら2.25時間110℃に加熱した。次いで、その反応物を室温まで冷却した。TFA(0.60mL、7.8mmol)を添加し、その混合物を室温で1.5時間撹拌した。次いで、その混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣にTHF(1.0mL)及びMeOH(0.50mL)を添加した。水性NaOH(2.0M、0.50mL、1.0mmol)を添加し、得られた混合物を5時間40℃に加熱した。室温まで冷却した後、追加の水性NaOH(2.0M、0.50mL、1.0mmol)を添加し、その混合物をさらに2.5時間40℃に加熱した。次いで、その反応物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。DMSO(1.0mL)を添加し、得られた混合物をシリンジフィルターを通して濾過した。次いで、その濾液をRP-HPLC(C18、MeCN/水の勾配、調節剤NH4OH)で精製した。その生成物含有フラクションを減圧下で濃縮し、次いで、RP-HPLC(C18、MeCN/水の勾配、調節剤TFA)でさらに精製して、(S)-4-(5-(3-(2-(3-カルボキシプロパノイル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)プロポキシ)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C29H30NO9S2) (ES, m/z): 600 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 12.18 (s, 2H), 8.22 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 4.39 (t, J=6.3Hz, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 3.43 (dd, J=17.5, 8.6Hz, 1H), 3.29-3.22 (m, 2H), 3.15-3.06 (m, 1H), 2.91-2.80 (m, 3H), 2.63-2.56 (m, 2H), 2.18-2.06 (m, 2H), 1.17 (d, J=7.2Hz, 3H)。
下記表11に示されている実施例4~実施例23及び実施例81-実施例83は、上記で「調製」若しくは「中間体」において記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記実施例3において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
実施例24: 4-(5-(3-(2-(3-シアノプロパノイル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸
段階1: 4-(5-(3-(2-(3-シアノプロパノイル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
バイアルに、4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(45mg、0.10mmol)、4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタンニトリル(33mg、0.10mmol)、NaI(7.6mg、0.051mmol)、ニッケル(II)ブロミドエチレングリコールジメチルエーテル錯体(9.4mg、0.031mmol)、Mn(22mg、0.41mmol)及び4,4’-ジメトキシ-2,2’-ビピリジン(6.6mg、0.031mmol)を添加した。そのバイアルにDMPU(1.0mL)を添加し、その後、Py(82μL、0.051mmol)とTMS-Cl(78μL、0.031mmol)のDMPU中の5%v/v溶液を添加した。そのバイアルを、Arを用いて5分間脱ガスした。その混合物を2時間90℃に加熱した。2時間経過した後、その混合物を室温まで冷却し、直接、分取HPLC(ACN/H2O(0.1%TFA)含有)で精製して、4-(5-(3-(2-(3-シアノプロパノイル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C33H35NO6S2Na) (ES, m/z): 628 [M+Na]+。
段階2: 4-(5-(3-(2-(3-シアノプロパノイル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸
4-(5-(3-(2-(3-シアノプロパノイル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(8.5mg、0.014mmol)とMeOH(500μL)とACN(500μL)の混合物に、NaOH(水中5.0M、0.56μL、0.28mmol)を添加した。その混合物を4時間40℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を分取HPLC(ACN/H2O(0.1%TFA含有))で精製して、4-(5-(3-(2-(3-シアノプロパノイル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C29H28NO6S2) (ES, m/z): 550 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 12.20 (s, 1H), 8.30-8.20 (m, 2H), 7.82-7.75 (m, 2H), 7.65-7.56 (m, 2H), 3.89 (s, 6H), 3.54-3.46 (m, 2H), 2.82-2.76 (m, 2H), 2.76-2.58 (m, 8H), 1.99-1.86 (m, 2H)。
実施例25: 4,4’-(5,5’-(プロパン-1,3-ジイル)ビス(6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5,2-ジイル))ビス(4-オキソブタン酸)
4-(6-メトキシ-5-(3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル(69mg、0.15mmol)と4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル(84mg、0.23mmol)とPdCl2(dppf)-CH2Cl2(25mg、0.030mmol)とCs2CO3(195mg、0.600mmol)の混合物に、ジオキサン(0.80mL)及び水(0.2mL)を添加した。その反応物を18時間100℃に加熱した。次いで、室温まで冷却した後、その混合物を濾過し、その残留物をジオキサンで洗浄した。その濾液を減圧下で濃縮した。次いで、得られた残渣を分取HPLC(ACN/H2O(0.1%NH4OH含有))で精製して、4,4’-(5,5’-(プロパン-1,3-ジイル)ビス(6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5,2-ジイル))ビス(4-オキソブタン酸)が得られた。
LCMS (C29H27O8S2) (ES, m/z): 566 [M-H]-. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.11 (s, 2H), 7.68 (s, 2H), 7.50 (s, 2H), 3.82 (s, 6H), 3.16-3.09 (m, 4H), 2.66 (t, J=6.6Hz, 4H), 2.40 (s, 4H), 1.93-1.83 (m, 2H)。
実施例26: 4-(4-(3-(2-(3-カルボキシプロパノイル)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-6-イル)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸
段階1: 4-(5-メトキシ-6-(3-(6-メトキシ-2-(4-メトキシ-4-オキソブタノイル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル
バイアルに、4-(6-(3-ブロモプロピル)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(72mg、0.16mmol)、4-(4-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル(58mg、0.16mmol)、NaI(12mg、0.082mmol)、ニッケル(II)ブロミドエチレングリコールジメチルエーテル錯体(15mg、0.049mmol)、Mn(36mg、0.65mmol)及び4,4’-ジメトキシ-2,2’-ビピリジン(11mg、0.049mmol)を添加した。そのバイアルにDMPU(1.6mL)を添加し、その後、Py(130μL、0.082mmol)とTMS-Cl(130μL、0.049mmol)のDMPUの中の5%v/v溶液を添加した。そのバイアルを、Arを用いて5分間脱ガスした。その混合物を1時間90℃に加熱した。1時間経過した後、その混合物を室温まで冷却し、次いで、EtOAc及び水で稀釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた混合物は、それ以上精製又は特徴付けを行うことなく使用した。
段階2: 4-(4-(3-(2-(3-カルボキシプロパノイル)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-6-イル)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸
4-(5-メトキシ-6-(3-(6-メトキシ-2-(4-メトキシ-4-オキソブタノイル)ベンゾ[b]チオフェン-4-イル)プロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(100mg、0.16mmol)とMeOH(1.6mL)の混合物に、NaOH(水中5M、0.65mL、3.3mmol)を添加し、その混合物を1時間50℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物を分取HPLC(ACN/H2O(0.1%TFA含有))で精製して、4-(4-(3-(2-(3-カルボキシプロパノイル)-5-メトキシベンゾ[b]チオフェン-6-イル)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C29H29O8S2) (ES, m/z): 569 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 12.23 (s, 2H), 8.27 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 6.93 (s, 1H), 3.89-3.79 (m, 6H), 3.34-3.19 (m, 4H), 3.03 (t, J=7.3Hz, 2H), 2.82-2.74 (m, 2H), 2.66-2.55 (m, 4H), 2.06-1.96 (m, 2H)。
下記表12に示されている実施例27~実施例31は、上記で「調製」若しくは「中間体」において記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記実施例26において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
実施例32: 4-(5-(3-((2-(3-カルボキシプロパノイル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸
4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル(83mg、0.20mmol)と4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル(78mg、0.24mmol)とK2CO3(28mg、0.20mmol)の混合物に、ACN(1mL)を添加した。その反応物を18時間65℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物をACN(4mL)で希釈し、濾過した。次いで、その濾液を減圧下で濃縮した。次いで、THF(2.0mL)、MeOH(0.50mL)、水(1.0mL)及びLiOH(48mg、2.0mmol)を添加し、その混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、その混合物をAcOH(0.40mL)でクエンチし、その混合物を減圧下で濃縮した。次いで、得られた残渣を分取HPLC(ACN/H2O(0.1%TFA含有))で精製して、4-(5-(3-((2-(3-カルボキシプロパノイル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C29H28FO9S2) (ES, m/z): 603 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.28 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.73 (d, J=13.7Hz, 1H), 7.55 (d, J=11.4Hz, 2H), 4.06-4.00 (m, 2H), 3.90-3.81 (m, 6H), 3.28 (t, J=6.1Hz, 2H), 3.23 (t, J=6.2Hz, 2H), 2.82 (s, 2H), 2.58-2.56 (m, 4H), 1.95-193 (m, 2H)。
下記表13に示されている実施例33~実施例40及び実施例84~実施例157は、上記で「調製」若しくは「中間体」において記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記実施例32において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
実施例41: (2S)-4-{5-[3-({2-[(3S)-3-カルボキシブタノイル]-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-5-イル}オキシ)プロピル]-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}-2-メチル-4-オキソブタン酸
(2S)-4-(5-ブロモ-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(107mg、0.287mmol)とRockPhos Pd G3(11mg、0.013mmol)とCs2CO3(128mg、0.392mmol)の混合物に、N2下、トルエン(870μL)中の(2S)-4-[5-(3-ヒドロキシ-プロピル)-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(92mg、0.26mmol)の混合物を添加した。その反応混合物にN2を5分間スパージし、次いで、2時間110℃に加熱した。室温まで冷却した後、THF(1.0mL)、MeOH(1.0mL)及び水(0.25mL)を添加し、その後、LiOH・H2O(157mg、3.75mmol)を室温で一度に添加した。その反応混合物を室温で4時間撹拌し、次いで、水性HCl(2.0N、1.35mL)でクエンチした。DMSOを添加し、得られた混合物を濾過した。その濾液をRP-HPLC[C18カラム、水(0.1%TFA)-CH3CN]で精製して、(2S)-4-{5-[3-({2-[(3S)-3-カルボキシブタノイル]-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-5-イル}オキシ)プロピル]-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}-2-メチル-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C31H32O9S2Na) (ES, m/z): 635 [M+Na]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ 12.19 (br, 2H), 8.23 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 4.05 (d, J=6.2Hz, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.88 (s, 3H), 3.06 (dt, J=17.5, 4.3Hz, 2H), 2.94-2.80 (m, 4H), 2.10 (pentet, J=6.9Hz, 2H), 1.17 (d, J=7.1Hz, 6H)。
下記表14に示されている実施例42、実施例158及び実施例159は、上記で「調製」若しくは「中間体」において記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記実施例41において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
実施例43: (S)-4-(5-(3-((2-(3-カルボキシプロパノイル)ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)オキシ)プロポキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸
段階1: (S)-4-(6-メトキシ-5-(3-((2-(4-メトキシ-4-オキソブタノイル)ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)オキシ)プロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
THF(1.0mL)中の(S)-メチル4-(5-(3-ヒドロキシプロポキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(16mg、0.044mmol)と4-(6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸メチル(14mg、0.052mmol)と(E)-ジアゼン-1,2-ジイルビス(ピペリジン-1-イルメタノン)(28mg、0.11mmol)とPh3P(29mg、0.11mmol)の混合物をArを用いて脱ガスし、次いで、20℃で18時間撹拌した。次いで、その反応混合物をDMSO(1.0mL)で希釈し、濾過した。次いで、その混合物を、直接、逆相HPLC(水中ACN、調節剤0.1%TFA、C-18固定相)で精製して、(S)-4-(6-メトキシ-5-(3-((2-(4-メトキシ-4-オキソブタノイル)ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)オキシ)プロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C31H33O9S2) (ES, m/z): 613 [M+H]+。
段階2: (S)-4-(5-(3-((2-(3-カルボキシプロパノイル)ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)オキシ)プロポキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸
MeOH(1.0mL)中の(S)-4-(6-メトキシ-5-(3-((2-(4-メトキシ-4-オキソブタノイル)ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)オキシ)プロポキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(6.3mg、10μmol)の混合物に、室温で、NaOH(水中5.0M、21μL、0.11mmol)を添加した。その反応混合物を撹拌し、2時間50℃に加熱した。その粗製反応混合物を室温まで冷却し、TFA(16μL、0.21mmol)でクエンチし、DMSO(1.0mL)で希釈し、次いで、濾過した。次いで、その濾液を直接、逆相HPLC(水中ACN、調節剤0.1%TFA、C-18固定相)で精製して、(S)-4-(5-(3-((2-(3-カルボキシプロパノイル)ベンゾ[b]チオフェン-6-イル)オキシ)プロポキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C29H29O9S2) (ES, m/z): 585 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 12.22 (s, 2H), 8.33 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.94 (d, J=7.8Hz, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.15 (d, J=7.6Hz, 1H), 4.34-4.18 (m, 4H), 3.89 (s, 3H), 3.44-3.25 (m, 3H), 3.13-3.05 (m, 1H), 2.95-2.87 (m, 1H), 2.66-2.60 (m, 2H), 2.34-2.27 (m, 2H), 1.25-1.14 (m, 3H)。
下記表15に示されている実施例44~実施例59及び実施例160は、上記で「調製」若しくは「中間体」において記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記実施例43において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
実施例60: (2S)-4-{5-[2-({2-[(3S)-3-カルボキシブタノイル]-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-5-イル}アミノ)エチル]-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}-2-メチル-4-オキソブタン酸
段階1: (2S)-4-{6-メトキシ-5-[2-({6-メトキシ-2-[(3S)-4-メトキシ-3-メチル-4-オキソブタノイル]-1-ベンゾチオフェン-5-イル}アミノ)エチル]-1-ベンゾチオフェン-2-イル}-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
(2S)-4-(5-ブロモ-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(54mg、0.14mmol)とRac BINAP Pd G3(12mg、0.012mmol)とCs2CO3(117mg、0.360mmol)の混合物に、N2下、(2S)-4-[5-(2-アミノエチル)-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(54mg、0.120mmol)のトルエン(1.6mL)中の懸濁液を添加した。その反応混合物にN2を45分間スパージし、次いで、12時間110℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hex中のEtOAc)で精製して、(2S)-4-{6-メトキシ-5-[2-({6-メトキシ-2-[(3S)-4-メトキシ-3-メチル-4-オキソブタノイル]-1-ベンゾチオフェン-5-イル}アミノ)エチル]-1-ベンゾチオフェン-2-イル}-2-メチル-4-オキソブタン酸メチルが得られた。
LCMS (C32H35NO8S2Na) (ES, m/z): 648 [M+Na]+。
段階2: (2S)-4-{5-[2-({2-[(3S)-3-カルボキシブタノイル]-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-5-イル}アミノ)エチル]-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}-2-メチル-4-オキソブタン酸
THF(280μL)とMeOH(280μL)と水(70μL)中の(2S)-4-{6-メトキシ-5-[2-({6-メトキシ-2-[(3S)-4-メトキシ-3-メチル-4-オキソブタノイル]-1-ベンゾチオフェン-5-イル}アミノ)エチル]-1-ベンゾチオフェン-2-イル}-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(20mg、0.03mmol)の混合物に、室温で、LiOH・H2O(13mg、0.32mmol)を一度に添加した。その反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、水性HCl(2N、170uL)でクエンチした。その混合物をDMSOで希釈し、得られた混合物を濾過した。その濾液をRP-HPLC[C18カラム、水(0.1%TFA)-CH3CN]で精製して、(2S)-4-{5-[2-({2-[(3S)-3-カルボキシブタノイル]-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-5-イル}アミノ)エチル]-6-メトキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル}-2-メチル-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C30H32NO8S2) (ES, m/z): 598 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ 12.12 (br, 2H), 8.27 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.07 (s, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.41 (dd, J=17.5, 8.6Hz, 2H), 3.36 (t, J=6.5Hz, 2H), 3.14-2.96 (m, 4H), 2.94-2.84 (m, 2H), 1.18 (d, J=7.1Hz, 6H)。
下記表16に示されている実施例61は、上記で「調製」若しくは「中間体」において記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記実施例60において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
実施例62: 4,4’-((プロパン-1,3-ジイルビス(オキシ))ビス(4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5,2-ジイル))ビス(4-オキソブタン酸)
4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル(0.024g、0.073mmol)と4-(5-(3-ブロモプロポキシ)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル(0.025g、0.056mmol)とCs2CO3(0.091g、0.28mmol)の混合物にACN(1.0mL)を添加した。次いで、その反応混合物を1時間65℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物をTHFで希釈し、濾過し、その濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣に、THF(1.0mL)、MeOH(0.20mL)、水(0.5mL)及びLiOH(0.013g、0.56mmol)を添加した。その混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、その混合物をAcOHでクエンチし、その混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(ACN/H2O(0.1%TFA含有))で精製して、4,4’-((プロパン-1,3-ジイルビス(オキシ))ビス(4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5,2-ジイル))ビス(4-オキソブタン酸)が得られた。
LCMS (C29H27F2O10S2) (ES, m/z): 637 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.26 (s, 2H), 7.55 (s, 2H), 4.31-4.24 (m, 4H), 3.99-3.80 (m, 6H), 3.34-3.32 (m, 4H), 2.60 (q, J=6.4Hz, 4H), 2.09 (dt, J=11.5, 5.8Hz, 2H)。
下記表17に示されている実施例63~実施例65及び実施例161~実施例164は、上記で「調製」若しくは「中間体」において記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記実施例62において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
実施例66: (R)-4-(5-(2-((2-((S)-3-カルボキシブタノイル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)エトキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸
(S)-4-(5-(2-クロロエトキシ)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(DMF中0.20M、500μL、0.11mmol)とK2CO3(30mg、0.2mmol)の撹拌懸濁液に、(R)-メチル4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(DMF中0.20M、500μL、0.11mmol)を添加した。その反応混合物を18時間100℃に加熱した。室温まで冷却した後、DMSO(500μL)を添加し、その反応混合物を濾過した。水(500μL)を添加し、その後、LiOH・H2O(30mg、0.7mmol)を添加し、その反応混合物を室温で18時間撹拌した。その混合物を濾過し、その生成物を質量指向性(mass-directed)逆相C-18カラムクロマトグラフィー(ACN/水+0.1%TFA)で精製して、(R)-4-(5-(2-((2-((S)-3-カルボキシブタノイル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)エトキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C30H29FO10S2Na) (ES, m/z): 655 [M+Na]+. 1H NMR (DMSO-d6) δ: 12.18 (s, 2H), 8.31 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.58 (s, 2H), 7.50 (s, 1H), 4.50-4.41 (m, 2H), 4.36-4.30 (m, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 3.46 (dd, J=18, 9Hz, 1H), 3.40 (dd, J=17, 9Hz, 1H), 3.10 (ddd, J=22, 18, 5Hz, 2H), 2.95-2.81 (m, 2H), 1.24-1.14 (m, 6H)。
下記表18に示されている実施例67~実施例74及び実施例165~実施例171は、上記で「調製」若しくは「中間体」において記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記実施例66において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
実施例75: 4-(5-((3-(2-(3-カルボキシプロパノイル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)プロピル)アミノ)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸
4mL容バイアルに、4-(6-メトキシ-5-(3-オキソプロピル)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(10mg、0.03mmol)、4-(5-アミノ-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(8.9mg、0.027mmol)及びTHF(0.50mL)を添加した。そのスラリーに、AcOH(0.015mL、0.27mmol)を添加した。その混合物を10分間55℃に加熱した。室温まで冷却した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(17mg、0.080mmol)を添加した。次いで、その混合物を3時間55℃に加熱した。室温まで冷却した後、TFA(1mL)を添加し、その混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、その混合物減圧下で濃縮し、次いで、DMSO(1mL)で稀釈した。その混合物を分取HPLC(ACN/H2Ow/0.1%TFA)で精製して、4-(5-((3-(2-(3-カルボキシプロパノイル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)プロピル)アミノ)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C28H29N2O8S2) (ES, m/z): 585 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 12.18 (br, 2H), 8.22 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.79 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 6.55 (br s, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.88 (s, 3H), 3.48-3.43 (m, 2H), 3.27-3.24 (m, 4H), 2.73 (t, J=7.3Hz, 2H), 2.61-2.56 (m, 4H), 1.98-1.91 (m, 2H)。
実施例76: (2S,2’S)-4,4’-((エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5,2-ジイル))ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸)
段階1: ジメチル4,4’-((エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5,2-ジイル))(2S,2’S)-ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)
(S)-4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(50mg、0.17mmol)とK2CO3(47mg、0.34mmol)の混合物を、DMF(750μL)で稀釈した。1-ブロモ-2-クロロエタン(18μL、0.22mmol)を添加し、その反応混合物を18時間100℃に加熱した。その反応混合物を減圧下で濃縮し、それ以上精製又は特徴付けを行うことなく使用した。
段階2: (2S,2’S)-4,4’-((エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5,2-ジイル))ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸)
ジメチル4,4’-((エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5,2-ジイル))(2S,2’S)-ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)(50mg、0.08mmol)のTHF(340μL)/水(80μL)の撹拌溶液に、LiOH(16mg、0.67mmol)を添加した。その反応混合物を室温で4時間撹拌した。その反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をDMSO(4mL)に溶解させ、濾過した。その生成物を質量指向性(mass directed)逆相C18カラムクロマトグラフィー(ACN/水(0.1%TFA含有))で精製して、(2S,2’S)-4,4’-(5,5’-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5,2-ジイル))ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸)が得られた。
LCMS (C30H30O10S2Na) (ES, m/z): 637 [M+Na]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ: 12.21 (br s, 2H), 8.20 (s, 2H), 7.64 (s, 2H), 7.59 (s, 2H), 4.44 (s, 4H), 3.87 (s, 6H), 3.41 (dd, J=17, 9Hz, 2H), 3.09 (dd, J=17, 5Hz, 2H), 3.05-2.58 (m, 2H), 1.19 (d, J=7Hz, 6H)。
実施例77: (2S,2’S)-4,4’-(7,8,17,18-テトラヒドロ-6H,16H-ビス[1]ベンゾチエノ[5,6-b:6’,5’-i][1,4,8,11]テトラオキサシクロテトラデシン-2,12-ジイル)ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸) 及び
実施例78: (2S,2’S)-4,4’-(7,8,17,18-テトラヒドロ-6H,16H-ビス[1]ベンゾチエノ[5,6-b:5’,6’-i][1,4,8,11]テトラオキサシクロテトラデシン-2,12-ジイル)ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸)
段階1: ジメチル(2S,2’S)-4,4’-(7,8,17,18-テトラヒドロ-6H,16H-ビス[1]ベンゾチエノ[5,6-b:5’,6’-i][1,4,8,11]テトラオキサシクロテトラデシン-2,12-ジイル)ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート) 及び ジメチル(2S,2’S)-4,4’-(7,8,17,18-テトラヒドロ-6H,16H-ビス[1]ベンゾチエノ[5,6-b:6’,5’-i][1,4,8,11]テトラオキサシクロテトラデシン-2,12-ジイル)ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)
THF(2.0mL)中の(2S)-4-(5,6-ジヒドロキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(60mg、0.20mmol)と(2S)-4-[5,6-ビス(3-ヒドロキシプロポキシ)-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(120mg、0.20mmol)とPh3P(193mg、0.737mmol)と1,1’-(アゾジカルボニル)ジピペリジン(186mg、0.737mmol)の混合物を、室温で18時間撹拌した。次いで、その混合物を濾過し、逆相HPLC(MeCN/水(0.1%TFA含有)の勾配)で精製して、ジメチル(2S,2’S)-4,4’-(7,8,17,18-テトラヒドロ-6H,16H-ビス[1]ベンゾチエノ[5,6-b:5’,6’-i][1,4,8,11]テトラオキサシクロテトラデシン-2,12-ジイル)ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)とジメチル(2S,2’S)-4,4’-(7,8,17,18-テトラヒドロ-6H,16H-ビス[1]ベンゾチエノ[5,6-b:6’,5’-i][1,4,8,11]テトラオキサシクロテトラデシン-2,12-ジイル)ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)の(1:1)混合物が得られた。
LCMS (C34H36O10S2Na) (ES, m/z): 691 [M+Na]+。
段階2: (2S,2’S)-4,4’-(7,8,17,18-テトラヒドロ-6H,16H-ビス[1]ベンゾチエノ[5,6-b:5’,6’-i][1,4,8,11]テトラオキサシクロテトラデシン-2,12-ジイル)ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸) 及び (2S,2’S)-4,4’-(7,8,17,18-テトラヒドロ-6H,16H-ビス[1]ベンゾチエノ[5,6-b:6’,5’-i][1,4,8,11]テトラオキサシクロテトラデシン-2,12-ジイル)ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸)
ジメチル(2S,2’S)-4,4’-(7,8,17,18-テトラヒドロ-6H,16H-ビス[1]ベンゾチエノ[5,6-b:5’,6’-i][1,4,8,11]テトラオキサシクロテトラデシン-2,12-ジイル)ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)とジメチル(2S,2’S)-4,4’-(7,8,17,18-テトラヒドロ-6H,16H-ビス[1]ベンゾチエノ[5,6-b:6’,5’-i][1,4,8,11]テトラオキサシクロテトラデシン-2,12-ジイル)ビス(2-メチル-4-オキソブタノエート)の(1:1)混合物(67mg、0.10mmol)のMeOH(1.0mL)とTHF(1.0mL)と水(0.2mL)の撹拌溶液に、LiOH(24mg、1.0mmol)を添加した。その反応混合物を4時間撹拌し、次いで、逆相HPLC(MeCN/水(0.1%TFA含有)の勾配)で精製して、(2S,2’S)-4,4’-(7,8,17,18-テトラヒドロ-6H,16H-ビス[1]ベンゾチエノ[5,6-b:5’,6’-i][1,4,8,11]テトラオキサシクロテトラデシン-2,12-ジイル)ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸)と(2S,2’S)-4,4’-(7,8,17,18-テトラヒドロ-6H,16H-ビス[1]ベンゾチエノ[5,6-b:6’,5’-i][1,4,8,11]テトラオキサシクロテトラデシン-2,12-ジイル)ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸)の(1:1)混合物が得られた。
LCMS (C32H33O10S2) (ES, m/z): 641 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 12.20 (brs, 2H), 8.18 (s, 2H), 7.52 (s, 2H), 7.40 (s, 2H), 4.27-4.18 (m, 8H), 3.42-3.34 (m, 2H), 3.10-3.03 (m, 2H), 2.92-2.85 (m, 2H), 2.29 (brs, 4H), 1.17 (d, J=6.8Hz, 6H)。
実施例79: (2S,2’S)-4,4’-(1,3-プロパンジイルビス{オキシ[6-(ジフルオロメトキシ)-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル]})ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸)
(2S)-4-[6-(ジフルオロメトキシ)-5-ヒドロキシ-1-ベンゾチオフェン-2-イル]-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(54mg、0.16mmol)とK2CO3(109mg、0.788mmol)のDMF(0.8mL)中の撹拌溶液に、1,3-ジブロモプロパン(8μL、0.08mmol)を添加した。その混合物を4時間50℃に加熱した。室温まで冷却した後、その混合物をLiOH(水中2M、790μL、1.58mmol)で処理し、室温で4時間撹拌した。次いで、その混合物を減圧下で濃縮し、RP-HPLC(MeCN/水(0.1%TFA含有)の勾配)で精製して、(2S,2’S)-4,4’-(1,3-プロパンジイルビス{オキシ[6-(ジフルオロメトキシ)-1-ベンゾチエン-5,2-ジイル]})ビス(2-メチル-4-オキソブタン酸)が得られた。
LCMS (C31H28F4O10S2Na) (ES, m/z): 723 [M+23]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 12.25 (s, 2H), 8.27 (s, 2H), 7.94 (s, 2H), 7.73 (s, 2H), 7.20 (t, J=74.0Hz, 2H), 4.33-4.29 (m, 4H), 3.46-3.40 (m, 2H), 3.12 (dd, J=17.5, 4.9Hz, 2H), 2.94-2.87 (m, 2H), 2.37-2.32 (m, 2H), 1.19 (d, J=7.1Hz, 6H)。
下記表19に示されている実施例80及び実施例172は、上記で「調製」若しくは「中間体」において記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記実施例79において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
実施例173: (4-(5-(3-((2-(3-カルボキシプロパノイル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロピル)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸
4-(4-フルオロ-5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタン酸エチル(250mg、0.77mmol)、PS-TPP(319mg、0.600mmol)、DIAD(0.117mL、0.600mmol)及びTHF(3mL)を含むバイアルに、4-(5-(3-ヒドロキシプロピル)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(76mg、0.20mmol)を添加した。その反応混合物を室温で3時間撹拌した。その反応混合物を濾過し、THF(5mL)で洗浄した。MeOH(2mL)、水(3mL)及びLiOH(48mg、2.0mmol)を添加し、その反応混合物をさらに2時間撹拌した。次いで、その反応混合物をHOAcでクエンチし、減圧下で濃縮した。その残渣をDCM(5mL)に懸濁させ、TFA(1mL)を添加した。その反応混合物を1時間撹拌した。次いで、その反応混合物を減圧下で濃縮し、その残渣を逆相HPLC(アセトニトリル/水の勾配(0.1%TFA含有))で精製して、(4-(5-(3-((2-(3-カルボキシプロパノイル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロピル)-6-メトキシチエノ[3,2-b]ピリジン-2-イル)-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C28H27FNO9S2) (ES, m/z): 604 [M+H]+. 1H NMR (600MHz, DMSO-d6) δ 8.34 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 4.17 (t, J=6.3Hz, 2H), 3.93 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.35-3.29 (m, 4H), 3.10-3.04 (m, 2H), 2.63-2.58 (m, 4H), 2.18-2.13 (m, 2H)。
下記表20に示されている実施例174は、上記で「調製」若しくは「中間体」において記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記実施例173において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
実施例175: 4,4’-(プロパン-1,3-ジイルビス(6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5,2-ジイル))ビス(4-オキソブタンニトリル)
4-(5-ブロモ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタンニトリル(35mg、0.11mmol)、ニッケル(II)ブロミドエチレングリコールジメチルエーテル錯体(10mg、0.033mmol)、マンガン(24mg、0.44mmol)、NaI(8mg、0.06mmol)及び4,4’-ジメトキシ-2,2’-ビピリジン(7mg、0.03mmol)をバイアルの中で合した。そのバイアルに、4-(5-(3-ブロモプロピル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-4-オキソブタンニトリル(40mg、0.11mmol)のDMPU(1.1mL)中の溶液を添加した。その反応混合物に、Py(88μL、0.055mmol)とTMS-Cl(84μL、0.033mmol)のDMPUの中の5%v/v溶液を添加した。その反応混合物を、Arを用いて5分間脱ガスし、次いで、撹拌し、2時間90℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、DMSO(2mL)で稀釈し、濾過した。その濾液を逆相HPLC(ACN/水(調節剤TFA含有))で精製して、4,4’-(プロパン-1,3-ジイルビス(6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5,2-ジイル))ビス(4-オキソブタンニトリル)が得られた。
LCMS (C29H27N2O4S2) (ES, m/z): 531 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.26 (s, 2H), 7.78 (s, 2H), 7.61 (s, 2H), 3.89 (s, 6H), 3.55-3.45 (m, 4H), 2.81-2.76 (m, 4H), 2.74-2.69 (m, 4H), 1.95-1.90 (m, 2H)。
実施例176: (S)-4-(5-((3-((2-((S)-3-カルボキシブタノイル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロピル)アミノ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸
(S)-メチル4-(5-アミノ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(37mg、0.12mmol)と(S)-メチル4-(5-(3-ブロモプロポキシ)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(54mg、0.12mmol)と炭酸カリウム(67mg、0.48mmol)の混合物を、Arを用いて脱ガスした。その混合物にDMF(1.0mL)を添加し、その反応混合物を撹拌し、60℃で2日間加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、次いで、その反応混合物にNaOH(水中1.0M、0.48mL、0.48mmol)を添加した。その混合物をさらにDMSO(1.5mL)で稀釈し、次いで、室温で1時間撹拌した。その反応混合物をTFA(0.056mL、0.72mmol)でクエンチし、濾過した。その濾液を逆相HPLC(ACN/水(0.1%TFA含有))で精製して、(S)-4-(5-((3-((2-((S)-3-カルボキシブタノイル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロピル)アミノ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C31H33FNO9S2) (ES, m/z): 646 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.32 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.04 (s, 1H), 4.17 (t, J=5.9Hz, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 3.47 (dd, J=17.6, 8.6Hz, 1H), 3.43-3.34 (m, 3H), 3.17-3.05 (m, 2H), 2.94-2.95 (m, 2H), 2.09-2.02 (m, 2H), 1.20-1.15 (m, 6H)。
下記表21に示されている実施例177は、上記で「調製」若しくは「中間体」において記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記実施例176において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
実施例178: (S)-4-(5-(3-((2-((S)-4-((N,N-ジメチルスルファモイル)アミノ)-3-メチル-4-オキソブタノイル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロポキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸
段階1: (S)-4-(5-(3-((4-フルオロ-6-メトキシ-2-((S)-4-メトキシ-3-メチル-4-オキソブタノイル)ベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロポキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸tert-ブチル
(S)-メチル4-(5-(3-ブロモプロポキシ)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(111mg、0.248mmol)と(S)-tert-ブチル4-(5-ヒドロキシ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(87mg、0.25mmol)と炭酸カリウム(137mg、0.993mmol)の混合物を、Arを用いて脱ガスした。その混合物にDMF(1.Ar)を添加し、その反応混合物を撹拌し、40℃で18時間加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、次いで、EtOAc及び水で稀釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex)で精製して、(S)-4-(5-(3-((4-フルオロ-6-メトキシ-2-((S)-4-メトキシ-3-メチル-4-オキソブタノイル)ベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロポキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸tert-ブチルが得られた。
LCMS (C36H42FO10S2) (ES, m/z): 739 [M+Na]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 8.30 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 4.26 (q, J=5.9Hz, 4H), 3.86 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.60 (s, 3H), 3.48 (dd, J=17.7, 8.7Hz, 1H), 3.39-3.33 (m, 1H), 3.23 (dd, J=17.7, 5.0Hz, 1H), 3.07 (dd, J=17.1, 5.0Hz, 1H), 3.02-2.93 (m, 1H), 2.91-2.81 (m, 1H), 2.23-2.18 (m, 2H), 1.35 (s, 9H), 1.20-1.15 (m, 6H)。
段階2: (S)-4-(5-(3-((2-((S)-4-(tert-ブトキシ)-3-メチル-4-オキソブタノイル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロポキシ)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸
THF(0.94mL)とMeOH(0.94mL)中の(S)-tert-ブチル4-(5-(3-((4-フルオロ-6-メトキシ-2-((S)-4-メトキシ-3-メチル-4-オキソブタノイル)-ベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロポキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタノエート(135mg、0.188mmol)の混合物に、NaOH(水中1.0M、0.94mL、0.94mmol)を添加した。その混合物を室温で1時間撹拌した。その反応混合物をHCl(水中2.0M、0.47mL、0.94mmol)でクエンチし、EtOAc及び水で稀釈した。その有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、(S)-4-(5-(3-((2-((S)-4-(tert-ブトキシ)-3-メチル-4-オキソブタノイル)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロポキシ)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C35H40FO10S2) (ES, m/z): 725 [M+Na]+。
段階3: (S)-4-(5-(3-((2-((S)-4-((N,N-ジメチルスルファモイル)アミノ)-3-メチル-4-オキソブタノイル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロポキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸
DCM(0.7mL)中の(S)-4-(5-(3-((2-((S)-4-(tert-ブトキシ)-3-メチル-4-オキソブタノイル)-6-メトキシ-ベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロポキシ)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸(50mg、0.071mmol)の混合物に、ヒューニッヒ塩基(0.062mL、0.36mmol)及びTBTU(23mg、0.071mmol)を添加した。その混合物を室温で30分間撹拌した。N,N-ジメチルスルファミド(11mg、0.085mmol)を添加し、その混合物をさらに4時間撹拌した。次いで、TFA(0.055mL、0.71mmol)を添加し、その混合物を撹拌し、2時間45℃に加熱した。その混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。その残渣を逆相HPLC(ACN/水(0.1%TFA含有))で精製して、(S)-4-(5-(3-((2-((S)-4-((N,N-ジメチルスルファモイル)アミノ)-3-メチル-4-オキソブタノイル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロポキシ)-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C33H38FN2O11S3) (ES, m/z): 775 [M+Na]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 11.50 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.52 (s, 1H), 4.26 (q, J=5.9Hz, 4H), 3.87 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 3.48 (dd, J=17.8, 9.8Hz, 1H), 3.40 (dd, J=17.3, 8.4Hz, 1H), 3.16 (dd, J=17.8, 4.4Hz, 1H), 3.09 (dd, J=17.3, 5.3Hz, 1H), 3.00-2.94 (m, 1H), 2.94-2.87 (m, 1H), 2.79 (s, 6H), 2.23-2.17 (m, 2H), 1.21-1.15 (m, 6H)。
下記表22に示されている実施例179は、上記で「調製」若しくは「中間体」において記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記実施例178において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
実施例180: (S)-4-(5-(3-((2-((S)-3-カルボキシブタノイル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロポキシ)-6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸
段階1: (S)-4-(5-(3-((4-フルオロ-6-メトキシ-2-((S)-4-メトキシ-3-メチル-4-オキソブタノイル)ベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロポキシ)-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル
(S)-4-(5-(3-ブロモプロポキシ)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(30mg、0.068mmol)と(S)-4-(5-ヒドロキシ-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(23mg、0.068mmol)と炭酸カリウム(38mg、0.27mmol)の混合物を、Arを用いて脱ガスした。その混合物にDMF(0.5mL)を添加し、その反応混合物を撹拌し、24時間40℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、次いで、後処理又は精製に付すことなく次の段階で使用した。
LCMS (C34H38FO11S2) (ES, m/z): 705 [M+H]+。
段階2: (S)-4-(5-(3-((2-((S)-3-カルボキシブタノイル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロポキシ)-6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸
(S)-4-(5-(3-((4-フルオロ-6-メトキシ-2-((S)-4-メトキシ-3-メチル-4-オキソブタノイル)ベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロポキシ)-6-(メトキシメトキシ)ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸メチル(48mg、0.068mmol)のDMSO(2.5mL)中の溶液に、20℃で、NaOH(0.55mL、水中1.0M、0.55mmol)を添加した。次いで、その反応混合物を20℃で15分間撹拌した。その反応混合物をHCl(0.280mL、水中37%、3.41mmol)でクエンチした。その反応混合物を20℃で20時間撹拌した。その反応混合物を濾過した。その残渣を逆相HPLC(ACN/水(0.1%TFA含有))で精製して、(S)-4-(5-(3-((2-((S)-3-カルボキシブタノイル)-4-フルオロ-6-メトキシベンゾ[b]チオフェン-5-イル)オキシ)プロポキシ)-6-ヒドロキシベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-2-メチル-4-オキソブタン酸が得られた。
LCMS (C30H30FO10S2) (ES, m/z): 633 [M+H]+. 1H NMR (499MHz, DMSO-d6) δ 12.17 (s, 2H), 9.70 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 4.31-4.26 (m, 4H), 3.87 (s, 3H), 3.46 (dd, J=17.6, 8.6Hz, 1H), 3.38 (dd, J=17.2, 8.4Hz, 1H), 3.13 (dd, J=17.6, 5.1Hz, 1H), 3.06 (dd, J=17.2, 5.3Hz, 1H), 2.91-2.85 (m, 2H), 2.24-2.18 (m, 2H), 1.19 (d, J=7.2Hz, 6H)。
下記表23に示されている実施例181~実施例190は、上記で「調製」若しくは「中間体」において記載した適切な出発物質又は商用の供給元から入手した適切な出発物質を使用して、上記実施例180において略述した手順と同様の手順に従って調製したか又は調製することができる。
生物学的評価
本明細書中の実施例において記載されている個々の化合物は、i)STING生化学[3H]cGAMP競合アッセイにおいて、トリチウム化cGAMPリガンドのSTINGタンパク質への結合が20μM(被験化合物の濃度)で少なくとも20%低減されることによって立証されるSTINGタンパク質に結合すること、および、(ii)THP1細胞アッセイ(30μMのcGAMPによって生じる誘発を100%に設定)において30μMでIFN-β分泌の6%以上の誘発を伴うインターフェロン産生を示すこと、によって、STINGアゴニストであると定義される。
[ 3 H]-cGAMP合成
プラスチック製50mL容AMICON管に、2.3mLの緩衝液(これは、80mM TrisCl、200mM MgCl2及び20mM NaClを含む)を添加し、その後、0.32mLの10mM GTP水溶液を添加した。次いで、[3H]ATP(21Ci/mmol、45mCi)の0.5mLのH2Oの溶液を添加し、その後、1mLの1mg/mL DNA溶液(ニシン精巣アクティベーターDNA、Sigma、#D6898)及び53μLの47mM cGAS酵素溶液を添加した。追加のH2Oを加えて、総体積を10mLにした。
その反応物を37℃で2時間撹拌し、次いで、Amicon Ultra-15 10K遠心管に直接添加し、4,000gで1時間回転させた。次いで、その収集した溶液を、半分取Mono Qカラムで、以下の移動相を用いて精製した:
A: 0.05M TrisCl pH8.5(1M NaOHを用いて調節);
B: 0.05M TrisCl、0.5M NaCl pH8.5(1M NaOHを用いて調節);
勾配: 5分間100%A、その後、25分間かけて50:50(A:B)への直線勾配、3mL/分、254nm。
その収集した生成物画分をプールし、緩衝液Aを用いて総体積を30mLに調節した。総収量15.5mCiの[3H]cGAMPを、21.5Ci/mmolの比放射能で、98.0%の放射化学的純度で、単離した。
cGAS酵素
組換えDNAベクターを化学的に合成して、切断ヒトcGAS酵素(残基161-522)を発現させた。発現及び精製を促進するために、そのアミノ末端はヘキサヒスチジンタグ、SUMOタグ及びTEV開裂部位を含む。その組換え酵素をROSETTATM2(DE3) Single Competent Cells(Novagen)で過剰発現させた。HIS-Select HF Nickel Affinity Gel(Sigma)を用いてアフィニティー精製を行い、その後、Hi-Load 26/60 SUPERDEX200分取グレードカラム(GE Healthcare)を用いてサイズ排除クロマトグラフィーを行った。画分をプールし、濃縮し、液体窒素中で急速冷凍し、必要になるまで-80℃で保存した。
3 H-cGAMP濾過結合アッセイ(HAQ STING)
化合物がSTINGに結合する能力は、放射性フィルター結合アッセイを用いて、ヒトSTING受容体膜に対してトリチウム化cGAMPリガンドと競合する能力によって定量する。該結合アッセイは、全長HAQ STINGを過剰発現するイラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)細胞膜(T. ni;Expression Systems、cat#94-002F、www.expressionsystems.com)から得られるSTING受容体、及び、トリチウム化cGAMPリガンドを使用する。
基本的なHAQ STING濾過アッセイのプロトコルは、以下のとおりである。
該化合物について、1:3 10点用量応答フォーマットを用いて、96ウェルプレート(Greiner、#651201)内でHamilton STARPlus COREによって連続的に力価測定(titrate)した。化合物を調製した後、濃厚な膜をアッセイ緩衝液(1×PBS;Invitrogen #SH30028.02)で希釈し、手動組織ホモジナイザー(Wheaton、#357546)を用いて7回ダウンシング(douncing)することによって、2.2μg/mLの作業濃度のSTING膜(配列番号1)を調製した。次いで、調製した148μLの膜を、手作業で、96ウェルディープウェルポリプロピレンプレート(Fisher Scientific、#12-566-121)の各ウェルに添加した。膜を添加した後、2μLの力価測定した試験化合物、DMSO対照(Sigma #276855)又はコールドcGAMP対照のいずれかを、BIOMEK FXを用いて適切なウェルに加えた。次いで、化合物及び膜を室温で60分間プレインキュベートして、化合物の結合を平衡化させた。平衡化後、8nMの[3H]c-GAMPリガンドをアッセイ緩衝液で希釈することによって調製し、次いで、この作業用原液の50μLをアッセイプレートの各ウェルに手作業で加えた。次いで、プレートを室温で60分間インキュベートし、次いで、各アッセイプレートの内容物を、20mM HEPES緩衝液を備えたTOMTEC MACH III Cell Harvester(Fisher Scientific、#BP299500)を用いて、96ウェル GF/Bフィルタープレート(PerkinElmer、#6005250)で濾過した。次いで、該フィルタープレートを、加圧されたオーブンを用いて55℃で30分間乾燥させた後、各ウェルに、30μLのULTIMA GOLD Fシンチレートを加えた。次いで、各反応ウェルについてのトリチウムレベルを、PerkinElmer TopCountプレートリーダーを用いて、測定した。
対照に対して正規化した後、残存放射能の量を測定することによって、各化合物濃度に関する活性(%)を計算した。化合物濃度の対数に対する活性(%)のプロットに4パラメータ用量反応式を適合させて、EC50値を計算した。
試験した化合物の濃度は、20.000、637.00、2.200、0.740、0.247、0.082、0.027、0.009、0.003、及び、0.001μMであり、これらは、1.0%の残留DMSOを含んでいた。
全長STING(HAQ)ウィルスの生成
STINGウィルスを、昆虫細胞バキュロウィルス系を用いて生成させた。ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)Sf21細胞(Kempbio,Inc.)を、抗生物質を含まないSf-900II SFM培地(LifeTechnologies #10902088)で希釈して、5e5細胞/mLとした。その細胞懸濁液を、処理した6ウェルプレートの各ウェルに加え(2mL/ウェル、合計1e6細胞)、該細胞を少なくとも30分間付着させた。その間に、500ngのHAQ STING[STING(1-379)R71H,G230A,H232R,R293Q-GG-AviTag-GS-HRV3C-HIS8/pBAC1]DNA(Genewiz 委託合成)を1mLのSf-900II SFM培地(これは、10μLのCellfectin(登録商標)II Reagent(Invitrogen #10362100)及び100ngのウィルス骨格BestBac 2.0、v-cath/chiA Deleted Linearized Baculovirus DNA(Expression Systems #91-002)を含む)と合することによって、1mLの共トランスフェクションミックスを構築した。そのトランスフェクション混合物を30分間インキュベートした。インキュベート後、6ウェルプレートの中の付着細胞から培地を穏やかに除去し、1mLのトランスフェクション混合物を加え(1mL/ウェル)、そのプレートを27℃の加湿インキュベーターの中に入れた。翌日、1mLのSf-900II SFM培地(抗生物質非含有)を該6ウェルプレートの各ウェルに添加した。培地を添加した後、その細胞を、27℃で5~7日間、DNA(配列番号2)と一緒にインキュベートして、P0ウィルスストックを生成させた。P1ウィルスストックを生成させるために、0.5mLのP0ウィルス上清を、5μg/mLのゲンタマイシン(Invitrogen #15710072)を含むSf-900II SFM培地の中の50mLの感染していないSf21細胞(感染前日に5×105細胞/mLの密度で播種して、一晩倍増させたもの)に加えた。次いで、感染した細胞を110rpmで振盪しながら(ATR Biotech Multitron Infors HT #AJ118)、27℃で3日間インキュベートした。第3日に、P1培養物を、ViCell XR(Beckman Coulter Life Sciences #383556)を用いてカウントして、感染が起きていることを確認した(細胞サイズが感染していない細胞より≧3μm大きく、生存率は約85~95%)。培養物を50mL容円錐管の中に回収し、4℃で、2000×gで10分間遠心分離した。P1ウィルス上清をきれいな50mL容遠心管の中に注ぎ入れ、残ったP1細胞ペレットを用いて、バキュロウィルス感染昆虫細胞(BIIC)を生成させた。10%熱不活化FBS、10%DMSO(Sigma #D2650)及び5μg/mLのゲンタマイシンを含有するSf-900II SFM培地を含む凍結保存培地を調製し、使用直前に0.22μMフィルターを通して滅菌した。P1細胞ペレットを2e7細胞/mLの密度に再懸濁させ、クライオバイアル内に等分した(1mL/バイアル)。クライオバイアルをMR.FROSTYTM細胞凍結機内に-80℃で一晩置き、翌日、長期保存のために液体窒素に移した。P2ウィルスストックを生成させるために、0.5mLのP1ウィルス上清を、5μg/mLのゲンタマイシンを含むSf-900II SFM培地の中の50mLの感染していないSf21細胞(感染前日に5×105細胞/mLの密度で播種し、一晩倍増させたもの)に加えた。これらの細胞を110rpmで振盪しながら27℃で3日間インキュベートし、その後、4℃で、2000×gで10分間遠心分離に付して、P2ストックを回収した。P2ウィルス上清を注ぎ出して廃棄し、P2細胞ペレットを用いて、上記で記載したのと同じプロトコルに従って、P2 BIICを生成させた。該バキュロウィルス生成プロトコルは、2e9pfu/mL(2e7細胞/mL×100pfu/細胞)の力価を有するP1/P2 BIICを一貫して生成することが実証されている。
全長STING(HAQ)の発現
STING膜を生成させるために、1.0×106細胞/mLの密度で播種したSf21細胞に解凍させたBIICを加えることによって、P1/P2 BIICを一晩増幅させた。該培養物を感染させるに用いたBIICの体積は、2e9pfu/mLの推定BIIC力価を用いて、一晩の増幅で10のMOIを達成するように計算した。一晩培養した後、細胞をViCell XR上でカウントして、感染が起きていることを確認した(細胞サイズが感染していない細胞より≧3μm大きく、生存率は約80~90%)。MOI=2.0における、細胞培地(5μg/mLのゲンタマイシンを含むESF921 SFM)の中に1.0×106の密度で播種したイラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)(T.ni;Expression Systems、cat #94-002F、www.expressionsystems.com)の大規模発現の感染に用いた一晩増幅からの感染Sf21細胞の体積は、(100pfu/感染Sf21細胞)に基づいて算出した。細胞を27℃で48時間発現させた後、4℃で3,400×gで10分間遠心分離することによって、細胞ペレットを回収した。回収前に、イラクサギンウワバ(T.ni)細胞をViCell XR上でカウントして、感染が起きていることを確認した(細胞サイズが感染していない細胞より≧3μm大きく、生存率は約80~90%)。
全長STING(HAQ)膜作成
緩衝液原液試薬:
(1) 1M HEPES pH7.5、Teknova、Cat#H1035;
(2) 5M NaCl、Sigma Aldrich、Cat#S5150-1L;
(3) KCl、Sigma Aldrich、Cat#319309-500ML;
(4) 完全EDTAフリープロテアーゼ阻害薬錠剤、Roche Diagnostics、Cat#11873580001;
(5) Benzonase、Universal Nuclease、Pierce、Cat#88702。
溶解緩衝液[25mM HEPES pH7.5、10mM MgCl2、20mM KCl、(Benzonase 1:5000、完全プロテアーゼ阻害薬錠剤/50mL)]を、上記で調製した全長STING(HAQ)を発現する細胞のペレットに、細胞ペレット1g当たり5mLの溶解緩衝液/gで添加した。そのペレットを再懸濁させ、Wheaton Dounce Homogenizerを用いて20回ダウンス(dounce)させて、細胞膜を破壊した。次いで、ホモジナイズした溶解物を、5000PSIに近い圧力でEMULSIFLEX-C5マイクロフルイダイザーに通した。再懸濁させたペレットを、45Tiローター超高速遠心機の中で36,000rpm(100,000×g)で、4℃で45分間遠心分離した。上清を除去した。次いで、そのペレットを、50mLペレット/遠心管の体積の洗浄緩衝液[(25mM HEPES pH7.5、1mM MgCl2、20mM KCl、1M NaCl(完全プロテアーゼ阻害薬錠剤/50mL)]の中に再懸濁させた。次いで、そのペレット/洗浄緩衝液混合物を氷上でガラスホモジナイザーを用いてホモジナイズし(20ストローク)、その後、4℃で、36,000rpmで45分間遠心分離した。上清を除去した。洗浄段階をもう1回繰り返した。得られた膜を、20mM HEPES pH7.5、500mM NaCl、10%グリセロール、EDTAフリープロテアーゼ阻害薬(1錠/50mL)の中に再懸濁させた。そのタンパク質濃度を、Bradfordアッセイ(Bio-Rad Protein Assay、Cat#500-0006)によって測定し、タンパク質濃縮をSDS-PAGEによって測定し、ウエスタンブロットによって確認した。再懸濁させた膜を-80℃で保存した。
全長HAQ STING[STING(1-379)R71H,G230A,H232R,R293Q-GG-AviTag-GS-HRV3C-HIS8]アミノ酸配列:
MPHSSLHPSIPCPRGHGAQKAALVLLSACLVTLWGLGEPPEHTLRYLVLHLASLQLGLLLNGVCSLAEELHHIHSRYRGSYWRTVRACLGCPLRRGALLLLSIYFYYSLPNAVGPPFTWMLALLGLSQALNILLGLKGLAPAEISAVCEKGNFNVAHGLAWSYYIGYLRLILPELQARIRTYNQHYNNLLRGAVSQRLYILLPLDCGVPDNLSMADPNIRFLDKLPQQTADRAGIKDRVYSNSIYELLENGQRAGTCVLEYATPLQTLFAMSQYSQAGFSREDRLEQAKLFCQTLEDILADAPESQNNCRLIAYQEPADDSSFSLSQEVLRHLRQEEKEEVTVGSLKTSAVPSTSTMSQEPELLISGMEKPLPLRTDFSGGGLNDIFEAQKIEWHEGSLEVLFQGPHHHHHHHH(配列番号1)。
全長HAQ[STING(1-379)R71H,G230A,H232R,R293Q-GG-AviTag-GS-HRV3C-HIS8/pBAC1]プラスミドDNA配列:
GGAACGGCTCCGCCCACTATTAATGAAATTAAAAATTCCAATTTTAAAAAACGCAGCAAGAGAAACATTTGTATGAAAGAATGCGTAGAAGGAAAGAAAAATGTCGTCGACATGCTGAACAACAAGATTAATATGCCTCCGTGTATAAAAAAAATATTGAACGATTTGAAAGAAAACAATGTACCGCGCGGCGGTATGTACAGGAAGAGGTTTATACTAAACTGTTACATTGCAAACGTGGTTTCGTGTGCCAAGTGTGAAAACCGATGTTTAATCAAGGCTCTGACGCATTTCTACAACCACGACTCCAAGTGTGTGGGTGAAGTCATGCATCTTTTAATCAAATCCCAAGATGTGTATAAACCACCAAACTGCCAAAAAATGAAAACTGTCGACAAGCTCTGTCCGTTTGCTGGCAACTGCAAGGGTCTCAATCCTATTTGTAATTATTGAATAATAAAACAATTATAAATGCTAAATTTGTTTTTTATTAACGATACAAACCAAACGCAACAAGAACATTTGTAGTATTATCTATAATTGAAAACGCGTAGTTATAATCGCTGAGGTAATATTTAAAATCATTTTCAAATGATTCACAGTTAATTTGCGACAATATAATTTTATTTTCACATAAACTAGACGCCTTGTCGTCTTCTTCTTCGTATTCCTTCTCTTTTTCATTTTTCTCTTCATAAAAATTAACATAGTTATTATCGTATCCATATATGTATCTATCGTATAGAGTAAATTTTTTGTTGTCATAAATATATATGTCTTTTTTAATGGGGTGTATAGTACCGCTGCGCATAGTTTTTCTGTAATTTACAACAGTGCTATTTTCTGGTAGTTCTTCGGAGTGTGTTGCTTTAATTATTAAATTTATATAATCAATGAATTTGGGATCGTCGGTTTTGTACAATATGTTGCCGGCATAGTACGCAGCTTCTTCTAGTTCAATTACACCATTTTTTAGCAGCACCGGATTAACATAACTTTCCAAAATGTTGTACGAACCGTTAAACAAAAACAGTTCACCTCCCTTTTCTATACTATTGTCTGCGAGCAGTTGTTTGTTGTTAAAAATAACAGCCATTGTAATGAGACGCACAAACTAATATCACAAACTGGAAATGTCTATCAATATATAGTTGCTGATCAGATCTGATCATGGAGATAATTAAAATGATAACCATCTCGCAAATAAATAAGTATTTTACTGTTTTCGTAACAGTTTTGTAATAAAAAAACCTATAAATATAGGATCCATGCCCCACTCCAGCCTGCATCCATCCATCCCGTGTCCCAGGGGTCACGGGGCCCAGAAGGCAGCCTTGGTTCTGCTGAGTGCCTGCCTGGTGACCCTTTGGGGGCTAGGAGAGCCACCAGAGCACACTCTCCGGTACCTGGTGCTCCACCTAGCCTCCCTGCAGCTGGGACTGCTGTTAAACGGGGTCTGCAGCCTGGCTGAGGAGCTGCACCACATCCACTCCAGGTACCGGGGCAGCTACTGGAGGACTGTGCGGGCCTGCCTGGGCTGCCCCCTCCGCCGTGGGGCCCTGTTGCTGCTGTCCATCTATTTCTACTACTCCCTCCCAAATGCGGTCGGCCCGCCCTTCACTTGGATGCTTGCCCTCCTGGGCCTCTCGCAGGCACTGAACATCCTCCTGGGCCTCAAGGGCCTGGCCCCAGCTGAGATCTCTGCAGTGTGTGAAAAAGGGAATTTCAACGTGGCCCATGGGCTGGCATGGTCATATTACATCGGATATCTGCGGCTGATCCTGCCAGAGCTCCAGGCCCGGATTCGAACTTACAATCAGCATTACAACAACCTGCTACGGGGTGCAGTGAGCCAGCGGCTGTATATTCTCCTCCCATTGGACTGTGGGGTGCCTGATAACCTGAGTATGGCTGACCCCAACATTCGCTTCCTGGATAAACTGCCCCAGCAGACCGCTGACCGTGCTGGCATCAAGGATCGGGTTTACAGCAACAGCATCTATGAGCTTCTGGAGAACGGGCAGCGGGCGGGCACCTGTGTCCTGGAGTACGCCACCCCCTTGCAGACTTTGTTTGCCATGTCACAATACAGTCAAGCTGGCTTTAGCCGGGAGGATAGGCTTGAGCAGGCCAAACTCTTCTGCCAGACACTTGAGGACATCCTGGCAGATGCCCCTGAGTCTCAGAACAACTGCCGCCTCATTGCCTACCAGGAACCTGCAGATGACAGCAGCTTCTCGCTGTCCCAGGAGGTTCTCCGGCACCTGCGGCAGGAGGAAAAGGAAGAGGTTACTGTGGGCAGCTTGAAGACCTCAGCGGTGCCCAGTACCTCCACGATGTCCCAAGAGCCTGAGCTCCTCATCAGTGGAATGGAAAAGCCCCTCCCTCTCCGCACGGATTTCTCTGGCGGTGGCCTGAACGACATCTTCGAAGCCCAGAAAATCGAATGGCATGAAGGCAGCCTGGAAGTGCTGTTCCAGGGCCCACACCACCATCATCACCATCACCATTAATGAGCGGCCGCACTCGAGCACCACCACCACCACCACTAACCTAGGTAGCTGAGCGCATGCAAGCTGATCCGGGTTATTAGTACATTTATTAAGCGCTAGATTCTGTGCGTTGTTGATTTACAGACAATTGTTGTACGTATTTTAATAATTCATTAAATTTATAATCTTTAGGGTGGTATGTTAGAGCGAAAATCAAATGATTTTCAGCGTCTTTATATCTGAATTTAAATATTAAATCCTCAATAGATTTGTAAAATAGGTTTCGATTAGTTTCAAACAAGGGTTGTTTTTCCGAACCGATGGCTGGACTATCTAATGGATTTTCGCTCAACGCCACAAAACTTGCCAAATCTTGTAGCAGCAATCTAGCTTTGTCGATATTCGTTTGTGTTTTGTTTTGTAATAAAGGTTCGACGTCGTTCAAAATATTATGCGCTTTTGTATTTCTTTCATCACTGTCGTTAGTGTACAATTGACTCGACGTAAACACGTTAAATAGAGCTTGGACATATTTAACATCGGGCGTGTTAGCTTTATTAGGCCGATTATCGTCGTCGTCCCAACCCTCGTCGTTAGAAGTTGCTTCCGAAGACGATTTTGCCATAGCCACACGACGCCTATTAATTGTGTCGGCTAACACGTCCGCGATCAAATTTGTAGTTGAGCTTTTTGGAATTATTTCTGATTGCGGGCGTTTTTGGGCGGGTTTCAATCTAACTGTGCCCGATTTTAATTCAGACAACACGTTAGAAAGCGATGGTGCAGGCGGTGGTAACATTTCAGACGGCAAATCTACTAATGGCGGCGGTGGTGGAGCTGATGATAAATCTACCATCGGTGGAGGCGCAGGCGGGGCTGGCGGCGGAGGCGGAGGCGGAGGTGGTGGCGGTGATGCAGACGGCGGTTTAGGCTCAAATGTCTCTTTAGGCAACACAGTCGGCACCTCAACTATTGTACTGGTTTCGGGCGCCGTTTTTGGTTTGACCGGTCTGAGACGAGTGCGATTTTTTTCGTTTCTAATAGCTTCCAACAATTGTTGTCTGTCGTCTAAAGGTGCAGCGGGTTGAGGTTCCGTCGGCATTGGTGGAGCGGGCGGCAATTCAGACATCGATGGTGGTGGTGGTGGTGGAGGCGCTGGAATGTTAGGCACGGGAGAAGGTGGTGGCGGCGGTGCCGCCGGTATAATTTGTTCTGGTTTAGTTTGTTCGCGCACGATTGTGGGCACCGGCGCAGGCGCCGCTGGCTGCACAACGGAAGGTCGTCTGCTTCGAGGCAGCGCTTGGGGTGGTGGCAATTCAATATTATAATTGGAATACAAATCGTAAAAATCTGCTATAAGCATTGTAATTTCGCTATCGTTTACCGTGCCGATATTTAACAACCGCTCAATGTAAGCAATTGTATTGTAAAGAGATTGTCTCAAGCTCGGATCGATCCCGCACGCCGATAACAAGCCTTTTCATTTTTACTACAGCATTGTAGTGGCGAGACACTTCGCTGTCGTCGAGGTTTAAACGCTTCCTCGCTCACTGACTCGCTGCGCTCGGTCGTTCGGCTGCGGCGAGCGGTATCAGCTCACTCAAAGGCGGTAATACGGTTATCCACAGAATCAGGGGATAACGCAGGAAAGAACATGTGAGCAAAAGGCCAGCAAAAGGCCAGGAACCGTAAAAAGGCCGCGTTGCTGGCGTTTTTCCATAGGCTCCGCCCCCCTGACGAGCATCACAAAAATCGACGCTCAAGTCAGAGGTGGCGAAACCCGACAGGACTATAAAGATACCAGGCGTTTCCCCCTGGAAGCTCCCTCGTGCGCTCTCCTGTTCCGACCCTGCCGCTTACCGGATACCTGTCCGCCTTTCTCCCTTCGGGAAGCGTGGCGCTTTCTCATAGCTCACGCTGTAGGTATCTCAGTTCGGTGTAGGTCGTTCGCTCCAAGCTGGGCTGTGTGCACGAACCCCCCGTTCAGCCCGACCGCTGCGCCTTATCCGGTAACTATCGTCTTGAGTCCAACCCGGTAAGACACGACTTATCGCCACTGGCAGCAGCCACTGGTAACAGGATTAGCAGAGCGAGGTATGTAGGCGGTGCTACAGAGTTCTTGAAGTGGTGGCCTAACTACGGCTACACTAGAAGGACAGTATTTGGTATCTGCGCTCTGCTGAAGCCAGTTACCTTCGGAAAAAGAGTTGGTAGCTCTTGATCCGGCAAACAAACCACCGCTGGTAGCGGTGGTTTTTTTGTTTGCAAGCAGCAGATTACGCGCAGAAAAAAAGGATCTCAAGAAGATCCTTTGATCTTTTCTACGGGGTCTGACGCTCAGTGGAACGAAAACTCACGTTAAGGGATTTTGGTCATGAGATTATCAAAAAGGATCTTCACCTAGATCCTTTTAAATTAAAAATGAAGTTTTAAATCAATCTAAAGTATATATGAGTAAACTTGGTCTGACAGTTACCAATGCTTAATCAGTGAGGCACCTATCTCAGCGATCTGTCTATTTCGTTCATCCATAGTTGCCTGACTCCCCGTCGTGTAGATAACTACGATACGGGAGGGCTTACCATCTGGCCCCAGTGCTGCAATGATACCGCGAGACCCACGCTCACCG
GCTCCAGATTTATCAGCAATAAACCAGCCAGCCGGAAGGGCCGAGCGCAGAAGTGGTCCTGCAACTTTATCCGCCTCCATCCAGTCTATTAATTGTTGCCGGGAAGCTAGAGTAAGTAGTTCGCCAGTTAATAGTTTGCGCAACGTTGTTGCCATTGCTACAGGCATCGTGGTGTCACGCTCGTCGTTTGGTATGGCTTCATTCAGCTCCGGTTCCCAACGATCAAGGCGAGTTACATGATCCCCCATGTTGTGCAAAAAAGCGGTTAGCTCCTTCGGTCCTCCGATCGTTGTCAGAAGTAAGTTGGCCGCAGTGTTATCACTCATGGTTATGGCAGCACTGCATAATTCTCTTACTGTCATGCCATCCGTAAGATGCTTTTCTGTGACTGGTGAGTACTCAACCAAGTCATTCTGAGAATAGTGTATGCGGCGACCGAGTTGCTCTTGCCCGGCGTCAATACGGGATAATACCGCGCCACATAGCAGAACTTTAAAAGTGCTCATCATTGGAAAACGTTCTTCGGGGCGAAAACTCTCAAGGATCTTACCGCTGTTGAGATCCAGTTCGATGTAACCCACTCGTGCACCCAACTGATCTTCAGCATCTTTTACTTTCACCAGCGTTTCTGGGTGAGCAAAAACAGGAAGGCAAAATGCCGCAAAAAAGGGAATAAGGGCGACACGGAAATGTTGAATACTCATACTCTTCCTTTTTCAATATTATTGAAGCATTTATCAGGGTTATTGTCTCATGAGCGGATACATATTTGAATGTATTTAGAAAAATAAACAAATAGGGGTTCCGCGCACATTTCCCCGAAAAGTGCCACCTGACGCGCCCTGTAGCGGCGCATTAAGCGCGGCGGGTGTGGTGGTTACGCGCAGCGTGACCGCTACACTTGCCAGCGCCCTAGCGCCCGCTCCTTTCGCTTTCTTCCCTTCCTTTCTCGCCACGTTCGCCGGCTTTCCCCGTCAAGCTCTAAATCGGGGGCTCCCTTTAGGGTTCCGATTTAGTGCTTTACGGCACCTCGACCCCAAAAAACTTGATTAGGGTGATGGTTCACGTAGTGGGCCATCGCCCTGATAGACGGTTTTTCGCCCTTTGACGTTGGAGTCCACGTTCTTTAATAGTGGACTCTTGTTCCAAACTGGAACAACACTCAACCCTATCTCGGTCTATTCTTTTGATTTATAAGGGATTTTGCCGATTTCGGCCTATTGGTTAAAAAATGAGCTGATTTAACAAAAATTTAACGCGAATTTTAACAAAATATTAACGTTTACAATTTCCCATTCGCCATTCAGGCTGCGCAACTGTTGGGAAGGGCGATCGGTGCGGGCCTCTTCGCTATTACGCCA(配列番号2)。
本開示の特定の化合物について、上記で記載したHAQ STINGインビトロ結合アッセイにおいて評価した。下記表は、これらの化合物に関する生物学的データをEC
50値として表にしたものである。
3 H-cGAMP濾過結合アッセイ(WT STING)
化合物がSTINGに結合する能力は、放射性フィルター結合アッセイを用いて、ヒトSTING受容体膜に対してトリチウム化cGAMPリガンドと競合する能力によって定量する。該結合アッセイは、全長WT STINGを過剰発現するイラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)細胞膜(T. ni;Expression Systems、cat#94-002F、www.expressionsystems.com)から得られるSTING受容体、及び、トリチウム化cGAMPリガンドを使用する。
基本的なWT STING濾過アッセイのプロトコルは、以下のとおりである。
アッセイ緩衝液で希釈することによって、16nMの[3H]c-GAMPリガンドを調製し、この作業用原液の50μLを、アッセイプレートの各ウェルに手動で加えた。リガンドを添加した後、2μLの力価測定した試験化合物、DMSO対照(Sigma#276855)又はコールドcGAMP対照のいずれかを、BIOMEK FXを用いて適切なウェルに加えた。連続的に力価測定した化合物を、1:3 10点用量応答フォーマットを用いて、96ウェルプレート(Greiner、#651201)内でHamilton STARPlus COREで調製した。。化合物を添加した後、濃厚な膜をアッセイ緩衝液(1×PBS;Invitrogen #SH30028.02)で希釈し、手動組織ホモジナイザー(Wheaton、#357546)を用いて7回ダウンシング(douncing)することによって、2.2μg/mLの作業濃度のSTING膜(配列番号3)を調製した。次いで、調製した148μLの膜を、手作業で、96ウェルディープウェルポリプロピレンプレート(Fisher Scientific、#12-566-121)の各ウェルに添加した。次いで、化合物、リガンド及び膜を室温で60分間インキュベートした後、各アッセイプレートの内容物を、20mM HEPES緩衝液を備えたTOMTEC MACH III Cell Harvester(Fisher Scientific、#BP299500)を用いて、96ウェル GF/Bフィルタープレート(PerkinElmer、#6005250)で濾過した。次いで、該フィルタープレートを、加圧されたVWRオーブンを用いて55℃で30分間乾燥させた後、各ウェルに、30μLのULTIMA GOLD Fシンチレートを加えた。次いで、各反応ウェルについてのトリチウムレベルを、PerkinElmer TopCountプレートリーダーを用いて測定した。
対照に対して正規化した後、残存放射能の量を測定することによって、各化合物濃度に関する活性(%)を計算した。化合物濃度の対数に対する活性(%)のプロットに4パラメータ用量反応式を適合させて、EC50値を計算した。
試験した化合物の濃度は、20.000、637.00、2.200、0.740、0.247、0.082、0.027、0.009、0.003、及び、0.001μMであり、これらは、1.0%の残留DMSOを含んでいた。
全長STING(WT)ウィルスの生成
STINGウィルスを、昆虫細胞バキュロウィルス系を用いて生成させた。ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)Sf21細胞(Kempbio,Inc.)を、抗生物質を含まないSf-900II SFM培地(LifeTechnologies #10902088)で希釈して、5e5細胞/mLとした。その細胞懸濁液を、処理した6ウェルプレートの各ウェルに加え(2mL/ウェル、合計1e6細胞)、該細胞を少なくとも30分間付着させた。その間に、500ngのWT STING[STING(1-379)H232R-gg-AviTag-gs-HRV3C-HIS8/pBAC1](Genewiz 委託合成)を1mLのSf-900II SFM培地(これは、10μLのCellfectin(登録商標)II Reagent(Invitrogen #10362100)及び100ngのウィルス骨格BestBac 2.0、v-cath/chiA Deleted Linearized Baculovirus DNA(Expression Systems #91-002)を含む)と合することによって、1mLの共トランスフェクションミックスを構築した。そのトランスフェクション混合物を30分間インキュベートした。インキュベート後、6ウェルプレートの中の付着細胞から培地を穏やかに除去し、1mLのトランスフェクション混合物を加え(1mL/ウェル)、そのプレートを27℃の加湿インキュベーターの中に入れた。翌日、1mLのSf-900II SFM培地(抗生物質非含有)を該6ウェルプレートの各ウェルに添加した。培地を添加した後、その細胞を、27℃で5~7日間、DNA[(配列番号4)及び線形化ウィルス骨格BestBac 2.0]と一緒にインキュベートして、P0ウィルスストックを生成させた。P1ウィルスストックを生成させるために、0.5mLのP0ウィルス上清を、5μg/mLのゲンタマイシン(Invitrogen #15710072)を含むSf-900II SFM培地の中の50mLの感染していないSf21細胞(感染前日に5×105細胞/mLの密度で播種して、一晩倍増させたもの)に加えた。次いで、感染した細胞を110rpmで振盪しながら(ATR Biotech Multitron Infors HT #AJ118)、27℃で3日間インキュベートした。第3日に、P1培養物を、ViCell XR(Beckman Coulter Life Sciences #383556)を用いてカウントして、感染が起きていることを確認した(細胞サイズが感染していない細胞より≧3μm大きく、生存率は約85~95%)。培養物を50mL容円錐管の中に回収し、4℃で、2000×gで10分間遠心分離した。P1ウィルス上清をきれいな50mL容遠心管の中に注ぎ入れ、残ったP1細胞ペレットを用いて、バキュロウィルス感染昆虫細胞(BIIC)を生成させた。10%熱不活化FBS、10%DMSO(Sigma #D2650)及び5μg/mLのゲンタマイシンを含有するSf-900II SFM培地を含む凍結保存培地を調製し、使用直前に0.22μMフィルターを通して滅菌した。P1細胞ペレットを2e7細胞/mLの密度に再懸濁させ、クライオバイアル内に等分した(1mL/バイアル)。クライオバイアルをMR.FROSTYTM細胞凍結機内に-80℃で一晩置き、翌日、長期保存のために液体窒素に移した。P2ウィルスストックを生成させるために、0.5mLのP1ウィルス上清を、5μg/mLのゲンタマイシンを含むSf-900II SFM培地の中の50mLの感染していないSf21細胞(感染前日に5×105細胞/mLの密度で播種し、一晩倍増させたもの)に加えた。これらの細胞を110rpmで振盪しながら27℃で3日間インキュベートし、その後、4℃で、2000×gで10分間遠心分離に付して、P2ストックを回収した。P2ウィルス上清を注ぎ出して廃棄し、P2細胞ペレットを用いて、上記で記載したのと同じプロトコルに従って、P2 BIICを生成させた。該バキュロウィルス生成プロトコルは、2e9pfu/mL(2e7細胞/mL×100pfu/細胞)の力価を有するP1/P2 BIICを一貫して生成することが実証されている。
全長STING(WT)の発現
STING膜を生成させるために、1.0×106細胞/mLの密度で播種したSf21細胞に解凍させたBIICを加えることによって、P1/P2 BIICを一晩増幅させた。該培養物を感染させるに用いたBIICの体積は、2e9pfu/mLの推定BIIC力価を用いて、一晩の増幅で10のMOIを達成するように計算した。一晩培養した後、細胞をViCell XR上でカウントして、感染が起きていることを確認した(細胞サイズが感染していない細胞より≧3μm大きく、生存率は約80~90%)。MOI=2.0における、細胞培地(5μg/mLのゲンタマイシンを含むESF921 SFM)の中に1.0×106の密度で播種したイラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)(T.ni;Expression Systems、cat #94-002F、www.expressionsystems.com)の大規模発現の感染に用いた一晩増幅からの感染Sf21細胞の体積は、(100pfu/感染Sf21細胞)に基づいて算出した。細胞を27℃で48時間発現させた後、4℃で、3,400×gで10分間遠心分離することによって、細胞ペレットを回収した。回収前に、イラクサギンウワバ(T.ni)細胞をViCell XR上でカウントして、感染が起きていることを確認した(細胞サイズが感染していない細胞より≧3μm大きく、生存率は約80~90%)。
全長STING(WT)膜作成
緩衝液原液試薬:
(1) 1M HEPES pH7.5、Teknova、Cat#H1035;
(2) 5M NaCl、Sigma Aldrich、Cat#S5150-1L;
(3) KCl、Sigma Aldrich、Cat#319309-500ML;
(4) 完全EDTAフリープロテアーゼ阻害薬錠剤、Roche Diagnostics、Cat#11873580001;
(5) Benzonase、Universal Nuclease、Pierce、Cat#88702。
溶解緩衝液[25mM HEPES pH7.5、10mM MgCl2、20mM KCl、(Benzonase 1:5000、完全プロテアーゼ阻害薬錠剤/50mL)]を、上記で調製した全長STING(WT)を発現する細胞のペレットに、細胞ペレット1g当たり5mLの溶解緩衝液/gで添加した。そのペレットを再懸濁させ、Wheaton Dounce Homogenizerを用いて20回ダウンス(dounce)させて、細胞膜を破壊した。次いで、ホモジナイズした溶解物を、5000PSIに近い圧力でEMULSIFLEX-C5マイクロフルイダイザーに通した。再懸濁させたペレットを、45Tiローター超高速遠心機の中で36,000rpm(100,000×g)で、4℃で、45分間遠心分離した。上清を除去した。次いで、そのペレットを、50mLペレット/遠心管の体積の洗浄緩衝液[(25mM HEPES pH7.5、1mM MgCl2、20mM KCl、1M NaCl(完全プロテアーゼ阻害薬錠剤/50mL)]の中に再懸濁させた。次いで、そのペレット/洗浄緩衝液混合物を氷上でガラスホモジナイザーを用いてホモジナイズし(20ストローク)、その後、4℃で、36,000rpmで45分間遠心分離した。上清を除去した。洗浄段階をもう1回繰り返した。得られた膜を、20mM HEPES pH7.5、500mM NaCl、10%グリセロール、EDTAフリープロテアーゼ阻害薬(1錠/50mL)の中に再懸濁させた。そのタンパク質濃度を、Bradfordアッセイ(Bio-Rad Protein Assay、Cat#500-0006)によって測定し、タンパク質濃縮をSDS-PAGEによって測定し、ウエスタンブロットによって確認した。再懸濁させた膜を-80℃で保存した。
全長STING WT[STING(1-379)H232R-gg-AviTag-gs-HRV3C-HIS8]アミノ酸配列:
MPHSSLHPSIPCPRGHGAQKAALVLLSACLVTLWGLGEPPEHTLRYLVLHLASLQLGLLLNGVCSLAEELRHIHSRYRGSYWRTVRACLGCPLRRGALLLLSIYFYYSLPNAVGPPFTWMLALLGLSQALNILLGLKGLAPAEISAVCEKGNFNVAHGLAWSYYIGYLRLILPELQARIRTYNQHYNNLLRGAVSQRLYILLPLDCGVPDNLSMADPNIRFLDKLPQQTGDRAGIKDRVYSNSIYELLENGQRAGTCVLEYATPLQTLFAMSQYSQAGFSREDRLEQAKLFCRTLEDILADAPESQNNCRLIAYQEPADDSSFSLSQEVLRHLRQEEKEEVTVGSLKTSAVPSTSTMSQEPELLISGMEKPLPLRTDFSGGGLNDIFEAQKIEWHEGSLEVLFQGPHHHHHHHH(配列番号3)。
全長WT STING[STING(1-379)H232R-gg-AviTag-gs-HRV3C-HIS8/pBAC1]プラスミド配列:
GGAACGGCTCCGCCCACTATTAATGAAATTAAAAATTCCAATTTTAAAAAACGCAGCAAGAGAAACATTTGTATGAAAGAATGCGTAGAAGGAAAGAAAAATGTCGTCGACATGCTGAACAACAAGATTAATATGCCTCCGTGTATAAAAAAAATATTGAACGATTTGAAAGAAAACAATGTACCGCGCGGCGGTATGTACAGGAAGAGGTTTATACTAAACTGTTACATTGCAAACGTGGTTTCGTGTGCCAAGTGTGAAAACCGATGTTTAATCAAGGCTCTGACGCATTTCTACAACCACGACTCCAAGTGTGTGGGTGAAGTCATGCATCTTTTAATCAAATCCCAAGATGTGTATAAACCACCAAACTGCCAAAAAATGAAAACTGTCGACAAGCTCTGTCCGTTTGCTGGCAACTGCAAGGGTCTCAATCCTATTTGTAATTATTGAATAATAAAACAATTATAAATGTCAAATTTGTTTTTTATTAACGATACAAACCAAACGCAACAAGAACATTTGTAGTATTATCTATAATTGAAAACGCGTAGTTATAATCGCTGAGGTAATATTTAAAATCATTTTCAAATGATTCACAGTTAATTTGCGACAATATAATTTTATTTTCACATAAACTAGACGCCTTGTCGTCTTCTTCTTCGTATTCCTTCTCTTTTTCATTTTTCTCTTCATAAAAATTAACATAGTTATTATCGTATCCATATATGTATCTATCGTATAGAGTAAATTTTTTGTTGTCATAAATATATATGTCTTTTTTAATGGGGTGTATAGTACCGCTGCGCATAGTTTTTCTGTAATTTACAACAGTGCTATTTTCTGGTAGTTCTTCGGAGTGTGTTGCTTTAATTATTAAATTTATATAATCAATGAATTTGGGATCGTCGGTTTTGTACAATATGTTGCCGGCATAGTACGCAGCTTCTTCTAGTTCAATTACACCATTTTTTAGCAGCACCGGATTAACATAACTTTCCAAAATGTTGTACGAACCGTTAAACAAAAACAGTTCACCTCCCTTTTCTATACTATTGTCTGCGAGCAGTTGTTTGTTGTTAAAAATAACAGCCATTGTAATGAGACGCACAAACTAATATCACAAACTGGAAATGTCTATCAATATATAGTTGCTGATCAGATCTGATCATGGAGATAATTAAAATGATAACCATCTCGCAAATAAATAAGTATTTTACTGTTTTCGTAACAGTTTTGTAATAAAAAAACCTATAAATATAGGATCCATGCCCCACTCCAGCCTGCATCCATCCATCCCGTGTCCCAGGGGTCACGGGGCCCAGAAGGCAGCCTTGGTTCTGCTGAGTGCCTGCCTGGTGACCCTTTGGGGGCTAGGAGAGCCACCAGAGCACACTCTCCGGTACCTGGTGCTCCACCTAGCCTCCCTGCAGCTGGGACTGCTGTTAAACGGGGTCTGCAGCCTGGCTGAGGAGCTGCGCCACATCCACTCCAGGTACCGGGGCAGCTACTGGAGGACTGTGCGGGCCTGCCTGGGCTGCCCCCTCCGCCGTGGGGCCCTGTTGCTGCTGTCCATCTATTTCTACTACTCCCTCCCAAATGCGGTCGGCCCGCCCTTCACTTGGATGCTTGCCCTCCTGGGCCTCTCGCAGGCACTGAACATCCTCCTGGGCCTCAAGGGCCTGGCCCCAGCTGAGATCTCTGCAGTGTGTGAAAAAGGGAATTTCAACGTGGCCCATGGGCTGGCATGGTCATATTACATCGGATATCTGCGGCTGATCCTGCCAGAGCTCCAGGCCCGGATTCGAACTTACAATCAGCATTACAACAACCTGCTACGGGGTGCAGTGAGCCAGCGGCTGTATATTCTCCTCCCATTGGACTGTGGGGTGCCTGATAACCTGAGTATGGCTGACCCCAACATTCGCTTCCTGGATAAACTGCCCCAGCAGACCGGTGACCGTGCTGGCATCAAGGATCGGGTTTACAGCAACAGCATCTATGAGCTTCTGGAGAACGGGCAGCGGGCGGGCACCTGTGTCCTGGAGTACGCCACCCCCTTGCAGACTTTGTTTGCCATGTCACAATACAGTCAAGCTGGCTTTAGCCGGGAGGATAGGCTTGAGCAGGCCAAACTCTTCTGCCGGACACTTGAGGACATCCTGGCAGATGCCCCTGAGTCTCAGAACAACTGCCGCCTCATTGCCTACCAGGAACCTGCAGATGACAGCAGCTTCTCGCTGTCCCAGGAGGTTCTCCGGCACCTGCGGCAGGAGGAAAAGGAAGAGGTTACTGTGGGCAGCTTGAAGACCTCAGCGGTGCCCAGTACCTCCACGATGTCCCAAGAGCCTGAGCTCCTCATCAGTGGAATGGAAAAGCCCCTCCCTCTCCGCACGGATTTCTCTGGCGGTGGCCTGAACGACATCTTCGAAGCCCAGAAAATCGAATGGCATGAAGGCAGCCTGGAAGTGCTGTTCCAGGGCCCACACCACCATCATCACCATCACCATTAATGAGCGGCCGCACTCGAGCACCACCACCACCACCACTAACCTAGGTAGCTGAGCGCATGCAAGCTGATCCGGGTTATTAGTACATTTATTAAGCGCTAGATTCTGTGCGTTGTTGATTTACAGACAATTGTTGTACGTATTTTAATAATTCATTAAATTTATAATCTTTAGGGTGGTATGTTAGAGCGAAAATCAAATGATTTTCAGCGTCTTTATATCTGAATTTAAATATTAAATCCTCAATAGATTTGTAAAATAGGTTTCGATTAGTTTCAAACAAGGGTTGTTTTTCCGAACCGATGGCTGGACTATCTAATGGATTTTCGCTCAACGCCACAAAACTTGCCAAATCTTGTAGCAGCAATCTAGCTTTGTCGATATTCGTTTGTGTTTTGTTTTGTAATAAAGGTTCGACGTCGTTCAAAATATTATGCGCTTTTGTATTTCTTTCATCACTGTCGTTAGTGTACAATTGACTCGACGTAAACACGTTAAATAGAGCTTGGACATATTTAACATCGGGCGTGTTAGCTTTATTAGGCCGATTATCGTCGTCGTCCCAACCCTCGTCGTTAGAAGTTGCTTCCGAAGACGATTTTGCCATAGCCACACGACGCCTATTAATTGTGTCGGCTAACACGTCCGCGATCAAATTTGTAGTTGAGCTTTTTGGAATTATTTCTGATTGCGGGCGTTTTTGGGCGGGTTTCAATCTAACTGTGCCCGATTTTAATTCAGACAACACGTTAGAAAGCGATGGTGCAGGCGGTGGTAACATTTCAGACGGCAAATCTACTAATGGCGGCGGTGGTGGAGCTGATGATAAATCTACCATCGGTGGAGGCGCAGGCGGGGCTGGCGGCGGAGGCGGAGGCGGAGGTGGTGGCGGTGATGCAGACGGCGGTTTAGGCTCAAATGTCTCTTTAGGCAACACAGTCGGCACCTCAACTATTGTACTGGTTTCGGGCGCCGTTTTTGGTTTGACCGGTCTGAGACGAGTGCGATTTTTTTCGTTTCTAATAGCTTCCAACAATTGTTGTCTGTCGTCTAAAGGTGCAGCGGGTTGAGGTTCCGTCGGCATTGGTGGAGCGGGCGGCAATTCAGACATCGATGGTGGTGGTGGTGGTGGAGGCGCTGGAATGTTAGGCACGGGAGAAGGTGGTGGCGGCGGTGCCGCCGGTATAATTTGTTCTGGTTTAGTTTGTTCGCGCACGATTGTGGGCACCGGCGCAGGCGCCGCTGGCTGCACAACGGAAGGTCGTCTGCTTCGAGGCAGCGCTTGGGGTGGTGGCAATTCAATATTATAATTGGAATACAAATCGTAAAAATCTGCTATAAGCATTGTAATTTCGCTATCGTTTACCGTGCCGATATTTAACAACCGCTCAATGTAAGCAATTGTATTGTAAAGAGATTGTCTCAAGCTCGGATCGATCCCGCACGCCGATAACAAGCCTTTTCATTTTTACTACAGCATTGTAGTGGCGAGACACTTCGCTGTCGTCGAGGTTTAAACGCTTCCTCGCTCACTGACTCGCTGCGCTCGGTCGTTCGGCTGCGGCGAGCGGTATCAGCTCACTCAAAGGCGGTAATACGGTTATCCACAGAATCAGGGGATAACGCAGGAAAGAACATGTGAGCAAAAGGCCAGCAAAAGGCCAGGAACCGTAAAAAGGCCGCGTTGCTGGCGTTTTTCCATAGGCTCCGCCCCCCTGACGAGCATCACAAAAATCGACGCTCAAGTCAGAGGTGGCGAAACCCGACAGGACTATAAAGATACCAGGCGTTTCCCCCTGGAAGCTCCCTCGTGCGCTCTCCTGTTCCGACCCTGCCGCTTACCGGATACCTGTCCGCCTTTCTCCCTTCGGGAAGCGTGGCGCTTTCTCATAGCTCACGCTGTAGGTATCTCAGTTCGGTGTAGGTCGTTCGCTCCAAGCTGGGCTGTGTGCACGAACCCCCCGTTCAGCCCGACCGCTGCGCCTTATCCGGTAACTATCGTCTTGAGTCCAACCCGGTAAGACACGACTTATCGCCACTGGCAGCAGCCACTGGTAACAGGATTAGCAGAGCGAGGTATGTAGGCGGTGCTACAGAGTTCTTGAAGTGGTGGCCTAACTACGGCTACACTAGAAGGACAGTATTTGGTATCTGCGCTCTGCTGAAGCCAGTTACCTTCGGAAAAAGAGTTGGTAGCTCTTGATCCGGCAAACAAACCACCGCTGGTAGCGGTGGTTTTTTTGTTTGCAAGCAGCAGATTACGCGCAGAAAAAAAGGATCTCAAGAAGATCCTTTGATCTTTTCTACGGGGTCTGACGCTCAGTGGAACGAAAACTCACGTTAAGGGATTTTGGTCATGAGATTATCAAAAAGGATCTTCACCTAGATCCTTTTAAATTAAAAATGAAGTTTTAAATCAATCTAAAGTATATATGAGTAAACTTGGTCTGACAGTTACCAATGCTTAATCAGTGAGGCACCTATCTCAGCGATCTGTCTATTTCGTTCATCCATAGTTGCCTGACTCCCCGTCGTGTAGATAACTACGATACGGGAGGGCTTACCATCTGGCCCCAGTGCTGCAATGATACCGCGAGACCCACGCTCACCG
GCTCCAGATTTATCAGCAATAAACCAGCCAGCCGGAAGGGCCGAGCGCAGAAGTGGTCCTGCAACTTTATCCGCCTCCATCCAGTCTATTAATTGTTGCCGGGAAGCTAGAGTAAGTAGTTCGCCAGTTAATAGTTTGCGCAACGTTGTTGCCATTGCTACAGGCATCGTGGTGTCACGCTCGTCGTTTGGTATGGCTTCATTCAGCTCCGGTTCCCAACGATCAAGGCGAGTTACATGATCCCCCATGTTGTGCAAAAAAGCGGTTAGCTCCTTCGGTCCTCCGATCGTTGTCAGAAGTAAGTTGGCCGCAGTGTTATCACTCATGGTTATGGCAGCACTGCATAATTCTCTTACTGTCATGCCATCCGTAAGATGCTTTTCTGTGACTGGTGAGTACTCAACCAAGTCATTCTGAGAATAGTGTATGCGGCGACCGAGTTGCTCTTGCCCGGCGTCAATACGGGATAATACCGCGCCACATAGCAGAACTTTAAAAGTGCTCATCATTGGAAAACGTTCTTCGGGGCGAAAACTCTCAAGGATCTTACCGCTGTTGAGATCCAGTTCGATGTAACCCACTCGTGCACCCAACTGATCTTCAGCATCTTTTACTTTCACCAGCGTTTCTGGGTGAGCAAAAACAGGAAGGCAAAATGCCGCAAAAAAGGGAATAAGGGCGACACGGAAATGTTGAATACTCATACTCTTCCTTTTTCAATATTATTGAAGCATTTATCAGGGTTATTGTCTCATGAGCGGATACATATTTGAATGTATTTAGAAAAATAAACAAATAGGGGTTCCGCGCACATTTCCCCGAAAAGTGCCACCTGACGCGCCCTGTAGCGGCGCATTAAGCGCGGCGGGTGTGGTGGTTACGCGCAGCGTGACCGCTACACTTGCCAGCGCCCTAGCGCCCGCTCCTTTCGCTTTCTTCCCTTCCTTTCTCGCCACGTTCGCCGGCTTTCCCCGTCAAGCTCTAAATCGGGGGCTCCCTTTAGGGTTCCGATTTAGTGCTTTACGGCACCTCGACCCCAAAAAACTTGATTAGGGTGATGGTTCACGTAGTGGGCCATCGCCCTGATAGACGGTTTTTCGCCCTTTGACGTTGGAGTCCACGTTCTTTAATAGTGGACTCTTGTTCCAAACTGGAACAACACTCAACCCTATCTCGGTCTATTCTTTTGATTTATAAGGGATTTTGCCGATTTCGGCCTATTGGTTAAAAAATGAGCTGATTTAACAAAAATTTAACGCGAATTTTAACAAAATATTAACGTTTACAATTTCCCATTCGCCATTCAGGCTGCGCAACTGTTGGGAAGGGCGATCGGTGCGGGCCTCTTCGCTATTACGCCA(配列番号4)。
本開示の特定の化合物について、上記で記載したWT STINGインビトロ結合アッセイにおいて評価した。下記表は、これらの化合物に関する生物学的データをEC
50値として表にしたものである。
THP1細胞培養(5時間)におけるIFN-β分泌
化合物がTHP1細胞からのインターフェロン-ベータの分泌を刺激する能力は、ヒトIFN-β AlphaLISAキット(Perkin Elmer、Cat.No.AL265F)を用いて測定した。基本的なプロトコルは、以下とおりである。
Labcyte Echo 550アコースティックディスペンサーを用いて、DMSOに溶解させた化合物120nLを、空の滅菌384ウェルマイクロプレート(Corning、Cat.No.3712)のウェルに移した。Recovery Medium(Life Technologies、Cat.No.12648-010)の中で予め凍結させたTHP1細胞(American Type Culture Collection、Cat.No.TIB202)を解凍し、直ちに、37℃アッセイ培地(RPMI 1640+L-グルタミン&フェノールレッド、Life Technologies、Cat.No.11875-085;0.5%熱不活化ウシ胎仔血清、Sigma Aldrich、Cat.No.F4135;1mM ピルビン酸ナトリウム、Life Technologies、Cat.No.11360-070;1×非必須アミノ酸;Life Technologies、Cat.No.11140-050)で10倍希釈した。細胞生存度及びカウントを、Beckman Coulter V-Cell XR細胞カウンターを用いて確認した。細胞懸濁液を、室温で、200×gで5分間遠心分離した。細胞を37℃アッセイ培地の中に再懸濁させて、0.8×106/mLの密度とした。次いで、液体の移動を、Matrix電子的マルチチャネルピペット又はAgilent Bravo Automated Liquid Handling Platformのいずれかを用いて行った。
該アッセイは、先に調製した細胞懸濁液の40μLを、化合物を含有しているプレートのウェルに分配することにより開始させた。加湿された雰囲気の中、37℃、5%CO2で5時間のインキュベートした後、細胞及び化合物のプレートを、室温で、200×gで5分間遠心分離した。各ウェルから、5μLの上清を白色384ウェルプレート(Perkin Elmer、Cat.No.6005620)の対応するウェルに移した。これらの上清含有ウェルに、10μLの5×Anti-Analyte Acceptorビーズ(50μg/mLのAlphaLISA HiBlock Buffer)を加え、オービタルプレートシェーカー上で振盪しながら、室温で30分間インキュベートした。各ウェルに、10μLの5×Biotinylated Antibody Anti-Analyte(AlphaLISA HiBlock Bufferの中5nM)を加え、室温で60分間又は4℃で一晩、オービタルプレートシェーカー上でインキュベートした。各ウェルに、25μLの2×SA-Donorビーズ(AlphaLISA HiBlock Bufferの中80μg/mL)を加え、オービタルプレートシェーカー上で振盪しながら、暗所で、室温で30~45分間インキュベートした。次いで、そのプレートを、Perkin Elmer Envision(λex=680nm、λem=570nm)で読み取った。各化合物濃度におけるAlphaLISAシグナルの効果(%)を、30μM cGAMP陽性対照及び0.3%DMSO陰性対照に基づいて計算した。化合物濃度の対数に対する効果(%)のプロットに4パラメータ濃度反応式を適合させて、EC50値を計算した。試験化合物は、濃度30000、10000、3333、1111、370.4、123.4、41.2、13.7、4.6及び1.5nM(0.3%の残留DMSO含有)で試験した。対照化合物、cGAMPは、濃度100000、33333、11111、3704、1235、412、137、46及び15nM(0.3%の残留DMSO含有)で試験した。
本開示の化合物を、上記で記載したTHP1細胞培養におけるIFN-β分泌について評価した。下記表は、これらの化合物に関する生物学的データを、30μM濃度における2’3’-cGAMPと比較した活性化(%)として表にしたものである。
さまざまな上記で記載した特徴及び機能並びに他の特徴及び機能又はその代替態様を、所望のように組み合わせて他の多くの異なる系又は応用形態とすることが可能であることは理解される。さらにまた、現在はまだ予期も予想もされていないそれらにおけるさまざまな代替態様、改変態様、変形態様又は改善態様が、今後、当業者によってなされ得ること、及び、それらの態様も下記特許請求の範囲に包含されることが意図されているということは理解される。