JP7326170B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は車両用シートに関する。
自動車などに搭載される車両用シートは、シートクッションと、シートクッションに傾斜可能に取り付けられたシートバックと、を有する。車両用シートには、シートクッションを前後方向の位置を調整可能にするスライド機構、シートクッションとシートバックとの角度を調整可能にするリクライニング機能、および、車両用シートが取り付けられた車両のフロアとシートクッションとの高さを調整可能とするリフト機構が取り付けられる場合がある。
ここで、スライド機構とリクライニング機能とが設けられた車両用シートは4ウェイシートと呼ばれ、スライド機構とリクライニング機能とリフト機構が設けられた車両用シートは6ウェイシートと呼ばれることがある。
特開2009-208743号公報 特開2014-177182号公報 特開2013-99975号公報
シートクッションは、シートクッションフレームと、シートクッションフレームを覆うウレタンなどから構成されたクッション材(パッドともいう)と、クッション材を覆う表皮から構成されている。そして、シートクッションフレームは、たとえば、左右のサイドフレームと、左右のサイドフレームの前方側に連結されたフロントパネルフレームと、左右のサイドフレームの前方側に連結された前方パイプフレームと、左右のサイドフレームの後方側に連結された後方パイプフレーム等から構成される場合がある。
一般的に、シートクッションフレームは、車種ごとの要求に基づいて、車種ごとに専用設計される傾向がある。そのため、4ウェイシートと6ウェイシートとでは、それぞれ異なる部品を専用設計して、シートクッションフレームを組み立てることになり、車両用シートのコストが高くなってしまう場合があった。
また、4ウェイシートでは、車両のフロアとシートクッションの着座面との高さが車種ごとに異なる場合も多く、車種ごとの要求に基づいて、車種ごとに小さなサイドフレームや大きなサイドフレーム等を専用設計する場合もあった。そのため、4ウェイシートの車両用シートのコストが高くなってしまうこともあった。
本発明の目的は、低コスト化が可能な車両用シートを提供することにある。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、車両用シートは、シートクッションとシートバックとを有し、シートクッションはシートクッションフレームを有する。シートクッションフレームにおいて、リフト機構20をブラケットBK1へ変更するだけで、他の構成は変更することなく、6ウェイシートのシートクッションフレームの構成を4ウェイシートのシートクッションフレームの構成へ比較的簡単に変更することができる。
上記車両用シートによれば、低コスト化が可能である。
図1は、実施例に係る車両用シートを示す斜視図である。 図2は、図1の車両用シートのシートフレームを示す斜視図である。 図3は、比較例に係る4ウェイシートのシートクッションフレームの構成例を示す斜視図である。 図4は、比較例に係る6ウェイシートのシートクッションフレームの構成例を示す斜視図である。 図5は、4ウェイシートのクッションサイドフレームの構成例および取り付け例を説明する図である。 図6は、実施例に係る6ウェイシートのシートクッションフレームの構成例を示す斜視図である。 図7には、実施例に係る4ウェイシートのシートクッションフレームの構成例を示す斜視図である。 図8は、2つシートクッションフレームにおけるコーナー部C1、C2の各構成例を示す図である。 図9は、2つシートクッションフレームにおけるコーナー部C3、C4の各構成例を示す図である。 図10は、実施例に係る4ウェイシートのクッションサイドフレームの取り付けの構成例を概念的に説明する図である。 図11は、第2ブラケットを用いたシートクッションフレームの要部を示す斜視図である。 図12は、第1ブラケットと第2ブラケットの構成を説明する図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。また、図面において、矢印前は車両の前方を示し、矢印後は車両の後方を示し、矢印左は車両の左側方を示し、矢印右は車両の右側方を示し、矢印上は車両の上方を示し、矢印下は車両の下方を示している。また、以下の説明においては、特別に断らない限り、前、後や上、下、左、右については、車両に対しての前、後や上、下、左、右を意味するものとする。
図1は、実施例にかかる車両用シートを示す斜視図である。図2は、図1の車両用シートのシートフレームを示す斜視図である。
図1に示す様に、車両用シート1は、シートクッション2と、シートクッション2に傾斜可能に取り付けられたシートバック3と、シートバック3の上部側に取り付けられたヘッドレスト4と、シートクッション2の下側に取り付けられた左右一対のシートレール5と、を含む。シートクッション2は座面を構成し、シートバック3は背もたれを構成する。車両用シート1は、シートクッション2とシートバック3との角度調整を可能にするリクライニング機構を有し、シートクッション2とシートバック3とがリクライニング機構により連結されている。
左右一対のシートレール5は、左シートレールと、右シートレールと、を含む。一対のシートレール5のおのおのは、図2に示す様に、車両のフロアに固定されるロアシートレール5Lと、シートクッション2の下側に取り付けられたアッパシートレール5Uと、を有する。アッパシートレール5Uは、ロアシートレール5L上をスライド可能に、ロアシートレール5Lに支持されている。アッパシートレール5Uは、ロアシートレール5L上におけるシートクッション2の前後方向の位置調整を可能にするスライド機構を有している。
車両用シート1には、スライド機構のロック、アンロックを行うためのスライドロック解除レバー6が設けられている。図1の車両用シート1には図示されないが、リクライニングロック解除レバー、リフト機構およびリフトレバーなどが設けられており、図1の車両用シート1は6ウェイシートとされている。
図1の車両用シート1から表皮とパッドとを取り除くと、図2に示す様なシートフレーム10となる。図2に示す様に、車両用シート1の骨格を構成するシートフレーム10は、シートクッション2の骨格を構成する金属製のシートクッションフレーム11と、シートバック3の骨格を構成する金属製のシートバックフレーム12と、を含む。なお、図2では、ヘッドレスト4の図示が省略されている。
シートクッションフレーム11は、左右一対のクッションサイドフレーム13L、13R、フロントパネルフレーム14、後方パイプフレーム15、前方パイプフレーム16等から構成されている。フロントパネルフレーム14は、左クッションサイドフレーム13Lの前端部の上部と右クッションサイドフレーム13Rの前端部の上部との間に設けられている。前方パイプフレーム16は、フロントパネルフレーム14の下側に設けられ、クッションサイドフレーム13Lの前端部とクッションサイドフレーム13Rの前端部との間に設けられている。後方パイプフレーム15は、クッションサイドフレーム13Lの後端部とクッションサイドフレーム13Rの後端部との間に設けられている。
シートバックフレーム12は、左右一対のバックサイドフレーム17L、17R、上部フレーム17U、左右一対のリクライナ18L、18R、連結部材19等から構成されている。上部フレーム17Uは、左バックサイドフレーム17Lの上端部と右バックサイドフレーム17Rの上端部との間に設けられている。リクライナ18L、18Rは、バックサイドフレーム17L、17Rの下端部にそれぞれ設けられている。連結部材19は、左リクライナ18Lと右リクライナ18Rの間に設けられており、リクライナ18L、18Rの動きを同期させる。リクライニング機構は、リクライナ18L、18R、連結部材19、リクライニングロック解除レバー(不図示)等によって構成されている。
左のリクライナ18Lは、左のクッションサイドフレーム13Lの後端部と左のバックサイドフレーム17Lの下端部との間に組み付けられている。同様に、右のリクライナ18Rは、右のクッションサイドフレーム13Rの後端部と右のバックサイドフレーム17Rの下端部との間に組み付けられている。
リフト機構20は、クッションサイドフレーム13Rの後端部とアッパシートレール5Uの後端部との間に組み付けられている。リフト機構20については後述する。
(課題の説明)
次に、図を用いて課題を説明する。
図3は、比較例に係る4ウェイシートのシートクッションフレームの構成例を示す斜視図である。図4は、比較例に係る6ウェイシートのシートクッションフレームの構成例を示す斜視図である。
図3に示すシートクッションフレーム11rでは、左右のクッションサイドフレーム13Lr、13Rrのおのおのの前端部の下方および後端部の下方は、左右のアッパシートレール5Uに固定されている。フロントパネルフレーム14と後方パイプフレーム15は、図2と同じであるので、説明は省略する。
図4に示すシートクッションフレーム11sでは、左右のクッションサイドフレーム13Ls、13Rsと左右のアッパシートレール5Uとの間には、複数の部品(ライザRIZs、リンク部材LNKs等)が取り付けられている。また、クッションサイドフレーム13Ls、13Rsの形状は図3に示すクッションサイドフレーム13Ls、13Rsの形状と異なっている。リフト機構20sは、クッションサイドフレーム13Rsの後端部に取り付けられている。
したがって、クッションサイドフレーム13Ls、13Rsのそれぞれは、6ウェイシート向けに専用設計されていると見做すことができる。同様に、クッションサイドフレーム13Lr、13Rrのそれぞれは、4ウェイシート向けに専用設計されていると見做すことができる。また、左右のクッションサイドフレーム13Ls、13Rsと左右のアッパシートレール5Uとの間に設けられた複数の部品(ライザRIZs、リンク部材LNKs等)も、6ウェイシート向けに専用設計されていると見做すことができる。
このように、図3のシートクッションフレーム11rと図4のシートクッションフレーム11sとでは形状が異なるため、部品の共用がきわめて難しい。また図3のシートクッションフレーム11rと図4のシートクッションフレーム11sとでは、専用設計される部品が多いので、これらを組み込んだそれぞれの車両用シートのコストは高くなる傾向にある。
図5は、4ウェイシートのクッションサイドフレームの構成例および取り付け例を説明する図である。図5には、ブロックハイト(BH)の違いによるクッションサイドフレームの構成例(車種A,車種B)と、ブロックハイト(BH)の違いによるクッションサイドフレームのシートレール5への取り付け例(車種C,車種D)が示されている。ここで、ブロックハイト(BH)とは、シートレール5が取り付けられる車両のフロア(不図示)とシートクッションに着座した乗員の腰部(ヒップポイント:HP)との間の高さを示している。
図5において、車種Aと車種Bとは、クッションサイドフレーム(13LrL,13LrH)の下側をアッパシートレール5Uに固定するタイプを示している。車種Aはブロックハイト(BH)が低い場合(BH低)を示し、車種Bはブロックハイト(BH)が高い場合(BH高)を示している。車種Aのクッションサイドフレーム13LrLの下端部と上端部との間の高さH1は、車種Bのクッションサイドフレーム13LrHの下端部と上端部との間の高さH2と比較して、低く設計されている(H1<H2)。つまり、ブロックハイト(BH)の違いによって、クッションサイドフレーム13LrLとクッションサイドフレーム13LrHとは、専用設計されていることになる。
また、車種Bのクッションサイドフレーム13LrHは、車種Aのクッションサイドフレーム13LrLと比較して、大型である。クッションサイドフレームは、たとえば、鉄製の鋼板等をプレス機によりプレスすることによって製造するが、大型のクッションサイドフレーム13LrHの製造には、大きなプレス力が必要になる。大きなプレス力で製品を製造する場合、製品の品質が不均一になる場合がある。そのため、大型のクッションサイドフレーム13LrHの製造は、特定の工場のみにしか依頼できないことが多く、大型のクッションサイドフレーム13LrHの製造コストは高くなる。
一方、低コスト化のために、多くの工場へ大型のクッションサイドフレーム13LrHの製造を依頼することもできるが、大きなプレス力が必要になることに起因して、クッションサイドフレーム13LrHの品質が不均一となってしまう場合があった。
図5において、車種Cと車種Dとは、クッションサイドフレーム13Lrの下側の前後を一対のライザ(RIZ1,RIZ2)を介してアッパシートレール5Uに固定するタイプを示している。なお、クッションサイドフレーム13Lrは、車種Cと車種Dとで、同じものが利用された場合を想定している。車種Cはブロックハイト(BH)が低い場合(BH低)を示し、車種Dはブロックハイト(BH)が高い場合(BH高)を示している。車種CのライザRIZ1の高さRH1は、車種DのライザRIZ2の高さRH2と比較して、低く設計されている(RH1<RH2)。つまり、ブロックハイト(BH)の違いによって、ライザRIZ1とライザRIZ2とは、専用設計されていることになる。
このように、車種の違いやブロックハイト(BH)の違いによって、専用設計される部品が発生することになる。そのため、これらを組み込んだ車両用シートのコストは高くなる傾向にある。
(共用部品および専用部品の説明)
次に、実施例に係るシートクッションフレームの共用部品および専用部品について図面を用いて説明する。
図6は、実施例に係る6ウェイシートのシートクッションフレームの構成例を示す斜視図である。図7は、実施例に係る4ウェイシートのシートクッションフレームの構成例を示す斜視図である。図6および図7において、共用される部品については、同一の符号を付してある。
図6に示す6ウェイシートのシートクッションフレーム11は、図1の車両用シート1のシートクッションフレーム11に対応している。図1のシートクッションフレーム11の説明と重複する説明は省略する。
図6に示す様に、左のアッパシートレール5Uの前端部および後端部には、ライザRI1、RI2が取り付けられており、右のアッパシートレール5Uの前端部および後端部には、ライザRI3、RI4が取り付けられている。第1リンク部材LI1は、第1ライザRI1と前方パイプフレーム16の左端部との間に回動可能に連結されている。第2リンク部材LI2は、第2ライザRI2と後方パイプフレーム15の左端部との間に回動可能に連結されている。第3リンク部材LI3は第3ライザRI3と前方パイプフレーム16の右端部との間に回動可能に連結されている。
リフト機構20は、第4リンク部材LIK、セクタギア(不図示)、位置決め部材POS、歯車(不図示)、リフトレバー(不図示)等から構成されている。リフト機構20の構成及び動作は、よく知られているので、ここでの説明は省略することとする。位置決め部材POSの一端は、第1固定部材PN1および第2固定部材PN2により、クッションサイドフレーム13Rの後方側に固定されている。固定部材PN1、PN2は、ボルトやナットなどで構成することができる。位置決め部材POSの他端は、リンク部材LIKに設けられた円弧状のガイド穴に、移動可能に連結されている。また、リンク部材LIKは、ライザRI4と後方パイプフレーム15の右端部との間に、回動可能に連結されている。セクタギアは、リンク部材LIKに取り付けられており、セクタギアに設けられた歯は歯車の歯とかみ合わされている。シフトレバーの操作により、歯車が回動すると、右のアッパシートレール5Uに対するリンク部材LIKの下方部分(ライザRI4との連結部分)の角度が変わるので、車両のフロアとシートクッション2の着座面との間の高さが上下方向に調整されるようになっている。なお、リフト機構20は、リフトレバー等を用いた手動駆動ユニットに限定されるわけではなく、モータ等を用いた電動駆動ユニットとして構成しても良い。
次に、図7に示す4ウェイシートのシートクッションフレームについて説明する。図7が図6と異なる部分は、図7において、図6のリンク機構20を構成するリンク部材LIK、セクタギア(不図示)、歯車(不図示)、位置決め部材POS等が第1ブラケットBK1へ変更されている点である。図7に示すシートクッションフレーム11aにおいて、ブラケットBK1は、第3固定部材PN3および第4固定部材PN4によって、クッションサイドフレーム13Rの後方側に固定されている。固定部材PN3、PN4は、ボルト、ナットやピンなどで構成することができる。また、ブラケットBK1は、ライザRI4と後方パイプフレーム15の右端部との間に連結されている。ブラケットBK1がピン部材PN3、PN4によって、クッションサイドフレーム13Rに固定されているので、車両のフロアとシートクッション2の着座面との間の高さは固定されている。図7の他の構成は、図6の構成と同じであるので、重複する説明は省略する。
図8および図9は、図6のシートクッションフレーム11と図7のシートクッションフレーム11aに示す各コーナー部C1~C4の構成を、対比できるように、並べて示している。図8は、2つシートクッションフレーム11、11aにおけるコーナー部C1、C2の各構成例を示す図である。図9は、2つシートクッションフレーム11、11aにおけるコーナー部C3、C4の各構成例を示す図である。
図8において、シートクッションフレーム11のコーナー部C1には、リフト機構20と固定部材PN1、PN2が取り付けられており、リンク部材LIKは、第4リンク部EI4において、後方パイプフレーム15の右端部に回動可能に連結され、ピン等の第8固定部材FI4によって、ライザRI4に回動可能に連結されている。
シートクッションフレーム11aのコーナー部C1には、ブラケットBK1と固定部材PN3、PN4が取り付けられている。ブラケットBK1は、第4リンク部EI4において、後方パイプフレーム15の右端部に回動可能に連結され、ピン等の第8固定部材FI4によって、ライザRI4に回動可能に連結されている。
その他の構成は、シートクッションフレーム11とシートクッションフレーム11aとで同じであることが分かる。クッションサイドフレーム13Rに対する固定部材PN1、PN2の設置位置と、クッションサイドフレーム13Rに対する固定部材PN3、PN4と設置位置は同じである。なお、図8では、固定部材PN1、PN2の構成と固定部材PN3、PN4の構成とは異なるが、固定部材PN1、PN2の構成と固定部材PN3、PN4の構成とを同様な構成としても良い。
図8において、シートクッションフレーム11のコーナー部C2の構成とシートクッションフレーム11aのコーナー部C2の構成とは同じであることが分かる。シートクッションフレーム11、11aのコーナー部C2の構成において、リンク部材LI2は、第2リンク部EI2において、後方パイプフレーム15の左端部に回動可能に連結され、ピン等の第6固定部材FI2によって、ライザRI2に回動可能に連結されている。
図9において、シートクッションフレーム11のコーナー部C3の構成とシートクッションフレーム11aのコーナー部C3の構成とは同じであることが分かる。シートクッションフレーム11、11aのコーナー部C3の構成において、リンク部材LI3は、第3リンク部EI3において、前方パイプフレーム16の右端部に回動可能に連結され、ピン等の第7固定部材FI3によって、ライザRI3に回動可能に連結されている。
また、図9において、シートクッションフレーム11のコーナー部C4の構成とシートクッションフレーム11aのコーナー部C4の構成とは同じであることが分かる。シートクッションフレーム11、11aのコーナー部C4の構成において、リンク部材LI1は、第1リンク部EI1において、前方パイプフレーム16の左端部に回動可能に連結され、ピン等の第5固定部材FI1によって、ライザRI1に回動可能に連結されている。
以上を纏めると、以下となる。
(共用部品)
・6ウェイシートと4ウェイシートとで共用される部品:
左右のシートレール5(アッパシートレール5U、ロアシートレール5L)
スライドロック解除レバー6
ライザRI1~RI4
リンク部材LI1~LI3
シートバックフレーム12(バックサイドフレーム17L、17R、上部フレーム17U、左右一対のリクライナ18L、18R、連結部材19)
クッションサイドフレーム13L、13R
フロントパネルフレーム14
後方パイプフレーム15
前方パイプフレーム16
(専用部品)
・6ウェイシートの専用部品:
リフト機構20
・4ウェイシートの専用部品:
ブラケットBK1
ここで、固定部材PN1、PN2、固定部材PN3、PN4、固定部材FI1~FI4や、その他のボルト、ナット、ピンなどの固定部材などについては、除いて示している。
したがって、コーナー部C1において、リフト機構20をブラケットBK1へ変更するだけで、他の構成は変更することなく、6ウェイシートの構成を4ウェイシートの構成へ比較的簡単に変更することができる。逆に、コーナー部C1において、ブラケットBK1をリフト機構20へ変更するだけで、他の構成は変更することなく、4ウェイシートの構成を6ウェイシートの構成へ比較的簡単に変更することができる。
これにより、1つの車両用シート製造ラインで、車種の異なる2つ車両用シート(4ウェイシートと6ウェイシート)を作り分けることができることになる。
さらに、ブラケットBK1の後方パイプフレーム15およびクッションサイドフレーム13Rへの取付け工程と、リフト機構20の後方パイプフレーム15およびクッションサイドフレーム13Rへの取付け工程とは、ほぼ同じなので、ロボットアーム等を利用して自動化することができる。これにより、車両用シート製造ラインを自動化することが可能である。
(クッションサイドフレームについて)
クッションサイドフレーム13L、13Rは、図3および図4に示すクッションサイドフレーム13Lr、13Rr、13Ls、13Rsと比較して、小型化にされており、その重量は軽量化されている。
小型化されたクッションサイドフレーム13L、13Rは、鉄製の鋼板等をプレス機によりプレスする際に、比較的小さなプレス力で製造することができる。小さくプレス力で製造できる製品は、大きなプレス力で製品を製造する場合と比較して、製品の品質を均一化でき、製品の品質も向上することができる。また、小型化されたクッションサイドフレーム13L、13Rは、製造が比較的容易であるため、複数の工場に製造を依頼することができる。複数の工場に製造を依頼しても、比較的小さなプレス力しか必要とされないので、製品の品質を均一化することができる。また、小型化されたクッションサイドフレーム13L、13Rを複数の工場に製造を依頼することができるので、小型化されたクッションサイドフレーム13L、13Rの製造コストを低くすることが可能である。
図10は、実施例に係る4ウェイシートのクッションサイドフレームの取り付けの構成例を概念的に説明する図である。図10には、ブロックハイト(BH)の違いによる右のクッションサイドフレーム13Rのシートレール5への取り付け例(車種E、車種F)が示されている。車種Eはブロックハイト(BH)が低い場合(BH低)を示し、車種Fはブロックハイト(BH)が高い場合(BH高)を示している。
車種Eは、図7のシートクッションフレーム11aに対応しており、クッションサイドフレーム13Rの前端部がライザRI3に連結されたリンク部材LI3によって支持され、クッションサイドフレーム13Rの後端部がライザRI4に連結された第1ブラケットBK1によって支持されている。
車種Fは、クッションサイドフレーム13Rの前端部がライザRI3に連結されたリンク部材LI3によって支持され、クッションサイドフレーム13Rの後端部がライザRI4に連結された第2ブラケットBK2によって支持されている。ブラケットBK2の長さL2は、ブラケットBK1の長さL1と比較して、長くされている(L2>L1)。また、ブラケットBK2を用いたことにより、リンク部材LI3のシートレール5に対する角度Θ2が、車種Eのリンク部材LI3のシートレール5に対する角度Θ1と比較して、大きくなっている(Θ2>Θ1)。
これにより、ブラケットBK2を用いたシートクッションフレームは、ブロックハイト(BH)が高い車種Fの車両用シートに対応できることになる。つまり、ブラケットBK1をブラケットBK2へ変更するだけで、他の構成部品は変更することなく、ブロックハイト(BH)の高い車両用シートを構成することができる。また、ブラケットBK1の後方パイプフレーム15およびクッションサイドフレーム13Rへの取付け工程と、ブラケットBK2の後方パイプフレーム15およびクッションサイドフレーム13Rへの取付け工程とは、ほぼ同じなので、ロボットアーム等を利用して自動化することができる。これにより、車両用シートの製造ラインを自動化することが可能である。
図11は、第2ブラケットを用いたシートクッションフレームの要部を示す斜視図である。図12は、第1ブラケットと第2ブラケットの構成例を説明する図である。図11が図8のシートクッションフレーム11aのコーナー部C1の構成と異なる点は、図11において、第1ブラケットBK1の代わりに、第2ブラケットBK2が用いられている点である。第2ブラケットBK2の下部は、第1ブラケットBK1の下部と比較して、下側に延びた構成とされている。つまり、図12に示す様に、ブラケットBK1、BK2のおのおのは、ライザRIZ4を第8固定部材FI4によって固定するための第1穴部HR1と、第4固定部材PN4を固定するための第2穴部HR2と、第3固定部材PN3を固定するための第3穴部HR3と、後方パイプフレーム15に連結するための第4穴部HR4と、を有する。ここで、第2ブラケットBK2の第1穴部HR1と第2穴部HR2との間の間隔L4は、第1ブラケットBK1の第1穴部HR1と第2穴部HR2との間の間隔L3と比較して、長くなっている(L4>L3)。図11の他の構成は、図8のシートクッションフレーム11aのコーナー部C1の構成と同じである。また、図10で説明した様に、第2ブラケットBK2の長さL2は、ブラケットBK1の長さL1と比較して、長くされている(L2>L1)。
これにより、図8のシートクッションフレーム11aのコーナー部C1の構成において、第1のブラケットBK1を図11に示す第2のブラケットBK2へ変更するだけで、他の構成部品は変更することなく、ブロックハイト(BH)の高い車両用シートを構成することができる。
(効果)
1)共用部品を多くし、専用部品を少なくすることで、車両用シートを低コスト化にすることができる。
2)リフト機構20を第1ブラケットBK1へ変更することで、他の構成(共用部品)を変更することなく、6ウェイシートのシートクッションフレームの構成を4ウェイシートのシートクッションフレームの構成へ比較的簡単に変更することができる。
3)クッションサイドフレームを小型化することで、クッションサイドフレームの品質が向上できるとともに、クッションサイドフレームを低コスト化にすることができる。これにより、車両用シートのコストも低コストにできる。
4)リフト機構20の取付け工程と第1ブラケットBK1の取付け工程とはとはほぼ同じなので、ロボットアーム等を利用して自動化することができる。これにより、車両用シートの製造ラインを自動化することが可能である。
5)第1ブラケットBK1を第1ブラケットBK1と長さの異なる第2ブラケットBK2へ変更することで、他の構成(共用部品)を変更することなく、ブロックハイト(BH)の異なる(高い)車両用シートを構成することができる。
6)第1ブラケットBK1の後方パイプフレーム15およびクッションサイドフレーム13Rへの取付け工程と、第2ブラケットBK2の後方パイプフレーム15およびクッションサイドフレーム13Rへの取付け工程とは、ほぼ同じなので、ロボットアーム等を利用して自動化することができる。これにより、車両用シート製造ラインを自動化することが可能である。
7)リフト機構20、第1ブラケットBK1、第2ブラケットBK2のいずれか1つを、車種にしたがって組み込むことで、他の構成(共用部品)を変更することなく、6ウェイシートのシートクッションフレーム、4ウェイシートのシートクッションフレーム、ブロックハイト(BH)の異なる(高い)4ウェイシートのシートクッションフレーム構成することができる。これにより、車種にしたがった車両用シートを容易に構成できる。また、これらの車両用シートの製造ラインも、同様に、自動化することが可能である。
8)クッションサイドフレームを小型化することで、クッションサイドフレームの重量は軽量化されている。したがって、車両用シートの重量を軽量化することができる。
(変形例)
実施例では、右座席向けの車両用シート1およびシートフレーム10を示しているが、それに限定されない。本発明は、左座席向けの車両用シートおよびシートフレームにも適用可能である。左座席向けの車両用シートおよびシートフレームの場合、リフト機構20、第1ブラケットBK1、または、第2ブラケットBK2は、左クッションサイドフレーム13Lの後方側において、後方パイプフレーム15の左端部と第2ライザRIZ2との間に設けられることになる。また、第2リンク部材LI2は、右クッションサイドフレーム13Rの後方側において、後方パイプフレーム15の右端部と第4ライザRIZ4との間に回動可能に連結されることになる。なお、図2、図6や図7において、左クッションサイドフレーム13Lの後方側に設けられた4つの穴は、このために設けられている。
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
1:車両用シート
2:シートクッション
3:シートバック
5:シートレール
6:スライドロック解除レバー
10:シートフレーム
11:シートクッションフレーム
12:シートバックフレーム
13R:左クッションサイドフレーム
13L:右クッションサイドフレーム
14:フロントパネルフレーム
15:後方パイプフレーム
16:前方パイプフレーム
18R,18L:リクライナ
20:リフト機構
RI1、RI2、RI3、RI4:ライザ
LI1,LI2、LI3、LIK:リンク部材
BK1:第1のブラケット
BK2:第2のブラケット

Claims (11)

  1. シートクッションと、
    前記シートクッションに連結されたシートバックと、
    左シートレールと、
    右シートレールと、
    前記左シートレールの前端部に設けられた第1ライザと、
    前記左シートレールの後端部に設けられた第2ライザと、
    前記右シートレールの前端部に設けられた第3ライザと、
    前記右シートレールの後端部に設けられた第4ライザと、を含み、
    前記シートクッションは、シートクッションフレームを含み、
    前記シートクッションフレームは、
    左クッションサイドフレームと、
    右クッションサイドフレームと、
    前記左クッションサイドフレームの前端部と前記右クッションサイドフレームの前端部との間に設けられた前方パイプフレームと、
    前記左クッションサイドフレームの後端部と前記右クッションサイドフレームの後端部との間に設けられた後方パイプフレームと、を含み、
    前記第1ライザと前記前方パイプフレームの左端部との間に回動可能に連結された第1リンク部材と、
    前記第2ライザと前記後方パイプフレームの左端部との間と前記第4ライザと前記後方パイプフレームの右端部との間の一方に回動可能に連結された第2リンク部材と、
    前記第3ライザと前記前方パイプフレームの右端部との間に回動可能に連結された第3リンク部材と、を含み、
    前記第2ライザと前記後方パイプフレームの左端部との間と前記第4ライザと前記後方パイプフレームの右端部との間の他方には、
    リフト機構に含まれた第4リンク部材が回動可能に連結されるか、または、第1ブラケットが固定され、
    これにより、前記リフト機構と前記第1ブラケットとを変更するだけで、前記リフト機構、前記第1ブラケット以外の前記左クッションサイドフレーム、前記右クッションサイドフレーム、前記前方パイプフレーム、前記後方パイプフレーム、前記第1リンク部材、前記第2リンク部材、および、前記第3リンク部材を変更することなく、前記リフト機構を用いた第1のシートクッションフレーム、または、前記第1ブラケットを用いた第2のシートクッションフレームを構成できる、
    車両用シート。
  2. 請求項1に記載の車両用シートにおいて、
    前記第1ブラケットは、前記左クッションサイドフレームまたは前記右クッションサイドフレームに固定される、車両用シート。
  3. 請求項に記載の車両用シートにおいて、
    前記リフト機構は、位置決め部材を含み、
    前記位置決め部材の一端は、前記左クッションサイドフレームまたは前記右クッションサイドフレームに固定され、
    前記位置決め部材の他端は、前記第4リンク部材に設けられたガイド穴に移動可能に連結される、車両用シート。
  4. 請求項に記載の車両用シートにおいて、
    前記左シートレールと前記右シートレールのおのおのは、
    ロアシートレールと、
    前記ロアシートレールの上をスライド可能に、前記ロアシートレールに支持されたアッパシートレールと、を含む、車両用シート。
  5. 請求項4に記載の車両用シートにおいて、
    前記第1ライザおよび前記第2ライザは、前記左シートレールの前記アッパシートレールに設けられ、
    前記第3ライザおよび前記第4ライザは、前記右シートレールの前記アッパシートレールに設けられる、車両用シート。
  6. 請求項5に記載の車両用シートにおいて、
    前記シートクッションと前記シートバックとは、リクライニング機構により角度調整を可能に連結される、車両用シート。
  7. シートクッションと、
    前記シートクッションに連結されたシートバックと、
    左シートレールと、
    右シートレールと、
    前記左シートレールの前端部に設けられた第1ライザと、
    前記左シートレールの後端部に設けられた第2ライザと、
    前記右シートレールの前端部に設けられた第3ライザと、
    前記右シートレールの後端部に設けられた第4ライザと、を含み、
    前記シートクッションは、シートクッションフレームを含み、
    前記シートクッションフレームは、
    左クッションサイドフレームと、
    右クッションサイドフレームと、
    前記左クッションサイドフレームの前端部と前記右クッションサイドフレームの前端部との間に設けられた前方パイプフレームと、
    前記左クッションサイドフレームの後端部と前記右クッションサイドフレームの後端部との間に設けられた後方パイプフレームと、を含み、
    前記第1ライザと前記前方パイプフレームの左端部との間に回動可能に連結された第1リンク部材と、
    前記第2ライザと前記後方パイプフレームの左端部との間と前記第4ライザと前記後方パイプフレームの右端部との間の一方に回動可能に連結された第2リンク部材と、
    前記第3ライザと前記前方パイプフレームの右端部との間に回動可能に連結された第3リンク部材と、を含み、
    前記第2ライザと前記後方パイプフレームの左端部との間と前記第4ライザと前記後方パイプフレームの右端部との間の他方には、
    第1ブラケットが固定されるか、または、前記第1ブラケットと長さが異なる第2ブラケットが固定され、
    これにより、前記第1ブラケットと前記第2ブラケットを変更するだけで、前記第1ブラケットと前記第2ブラケット以外の前記左クッションサイドフレーム、前記右クッションサイドフレーム、前記前方パイプフレーム、前記後方パイプフレーム、前記第1リンク部材、前記第2リンク部材、および、前記第3リンク部材を変更することなく、前記第1ブラケットを用いた第1のシートクッションフレーム、または、前記第2ブラケットを用いた第2のシートクッションフレームを構成できる、
    車両用シート。
  8. 請求項7に記載の車両用シートにおいて、
    前記第1ブラケットまたは前記第2ブラケットは、前記左クッションサイドフレームまたは前記右クッションサイドフレームに固定され、
    前記第1ブラケットは、前記第2ライザまたは前記第4ライザを固定するための第1穴部と、前記左クッションサイドフレームまたは前記右クッションサイドフレームを固定するための第2穴部と、を含み、
    前記第2ブラケットは、前記第2ライザまたは前記第4ライザを固定するための第1穴部と、前記左クッションサイドフレームまたは前記右クッションサイドフレームを固定するための第2穴部と、を含み
    前記第2ブラケットの前記第1穴部と前記第2穴部との間の間隔は、前記第1ブラケットの前記第1穴部と前記第2穴部との間の間隔と比較して、長い、車両用シート。
  9. 請求項に記載の車両用シートにおいて、
    前記左シートレールと前記右シートレールのおのおのは、
    ロアシートレールと、
    前記ロアシートレールの上をスライド可能に、前記ロアシートレールに支持されたアッパシートレールと、を含む、車両用シート。
  10. 請求項9に記載の車両用シートにおいて、
    前記第1ライザおよび前記第2ライザは、前記左シートレールの前記アッパシートレールに設けられ、
    前記第3ライザおよび前記第4ライザは、前記右シートレールの前記アッパシートレールに設けられる、車両用シート。
  11. 請求項10に記載の車両用シートにおいて、
    前記シートクッションと前記シートバックとは、リクライニング機構により角度調整を可能に連結される、車両用シート。
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