JP7324943B2 - ケーブル牽引端末構造 - Google Patents
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Description
本願は、2020年05月07日に米国に仮出願された米国特許出願第63/021100号について優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本発明の第1実施形態に係る光ケーブル牽引端末構造を、図1から図6を参照しながら説明する。
図1に示すように、光ケーブル牽引端末構造1Aは、インナーチューブ10と、アウターチューブ20と、コーン状のヘッド30と、接続部材40と、を備えている。
ここで本実施形態では、光ケーブル牽引端末構造1Aの長手方向を単に長手方向と称する。光ケーブル牽引端末構造1Aのヘッド30が設けられている先端側を前端と称し、光ケーブル牽引端末構造1Aの接続部材40が設けられている基端側を後端と称する場合がある。また、光ケーブル牽引端末構造1Aの中心軸線O(図3参照)に交差する方向を径方向と称する。また、中心軸線Oに直交する断面を横断面と称する。
ヘッド30は、金属製の部材であり、図1に示すように、先端にプーリングアイ31を備えている。ヘッド30は、インナーチューブ10と、例えば、溶接により接合されている。また、ヘッド30は、傾斜部30aを有している。傾斜部30aは、外径が基端から先端に向かって漸次小さくなるように構成されている。傾斜部30aの先端にプーリングアイ31が配置されている。このプーリングアイ31にロープ等を結ぶことで、光ケーブル牽引端末構造1Aを地中のダクト管の内部に挿通し、牽引しやすくなる。
保持具4は、内部に光ケーブル2が挿通される貫通孔4aが形成された管状の金属で構成されている。保持具4は、ボルト7により接続部材40を介してインナーチューブ10と固定されている。
また、保持具4は、貫通孔4aの内周面に、テンションメンバ3を固定するテンションメンバ固定部(不図示)を有している。このように、保持具4にテンションメンバ3を固定することで、光ケーブル牽引端末構造1A全体にかかる力を確実に受けることができ、堅牢性を向上させることが可能となる。
図4は、第1実施形態に係る光ケーブル牽引端末構造の後端における分解図である。図4に示すように、素線10Aの外周面には、幅方向の中央部に素線10Aの長手方向に沿って溝11が形成されている。長手方向に隣接する溝11同士の間隔は、溝ピッチP1で形成されている。
本実施形態では、素線10Aを嵌合させて螺旋状に連結しているため、長手方向に張力が掛かった場合でも、インナーチューブ10の内径を維持することが可能である。
インナーチューブ10の溝11に、アウターチューブ20の一部を進入させる方法は特に限定されないが、例えば、インナーチューブ10を液状のポリオレフィン樹脂に漬け込むことにより、インナーチューブ10の溝11にポリオレフィン樹脂を入り込ませる。そして、液状のポリオレフィン樹脂を溝11の内面に密着させ、硬化させて、弾性力を持たせる。
接続部材40は、図4に示すように、筒状である。接続部材40の内部には、後端40A側から順に、内周面41と、内周面41に対して窪んだ第一凹部42と、第一凹部42に対して窪んだ第二凹部43とが形成されている。第一凹部42の内径、第二凹部43の内径は、この順に大きい。
図6に示すように、変形例の光ケーブル牽引端末構造1Bでは、第二重なり部分47に接着剤が設けられている。すなわち、上記第1実施形態では、接続部材40とインナーチューブ10との第一重なり部分46及び接続部材40とアウターチューブ20との第二重なり部分47の両方に、接着剤が設けられていたが、本変形例では、第二重なり部分47のみに接着剤が設けられている。
なお、接着剤に49に代えて、第二重なり部分47において、例えば、留めネジによって、接続部材40の前端40Bとアウターチューブ20の後端21とを固定してもよい。
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態の光ケーブル牽引端末構造1Cでは、図7に示すように、アウターチューブ20と接続部材40との配置において第1実施形態と異なる。また、図7の光ケーブル牽引端末構造1Cでは、図面を見やすくするために、光ケーブル牽引端末構造1Aを簡略した図である。
アウターチューブ20の後端21と接続部材40の前端40Bとの間隔をあける理由としては、例えば、接続部材40とインナーチューブ10とを固定する際に、接続部材40の前端面40bとインナーチューブ10の外周面とをロー付けする場合が挙げられる。すなわち、アウターチューブ20が熱により溶けるのを防ぐために、アウターチューブ20の後端21と接続部材40の前端40Bとの間隔をあける必要がある。
アウターチューブ20の後端面21aと、接続部材40の前端面40bと、インナーチューブ10の外周面、テープ50の内周面とにより、隙間51が形成されている。隙間51には、例えば、ウレタンゲル(止水部材:樹脂材)52が設けられている。ウレタンゲル52の大きさは、隙間51の大きさよりも大きく、隙間51内に圧縮された状態で配置されている。
また、止水部材として、樹脂材(例えば、ウレタンゲル)を用いることにより、牽引力によって光ケーブル牽引端末構造1Cが長手方向に延ばされた場合でも、樹脂材が延びに追従するため、インナーチューブ10内に水が浸入するのを防ぐことが可能となる。
次に、本発明に係る第3実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
この構成により、光ケーブル牽引端末構造は、加えられた力により、光ケーブル牽引端末構造全体として曲がる場合があるが、光ケーブル牽引端末構造に掛けられた力が抜けると、直線状に復元する。また、アウターチューブ20の材料は、第1実施形態と同様に、ポリオレフィン樹脂であるため、長手方向にも伸縮性を有している。このような構成にすることで、作業者がこの光ケーブル牽引端末構造を取り廻す際、光ケーブル牽引端末構造に力を加えてインナーチューブ10の最大曲率まで可撓させた後、その力を抜けば、アウターチューブ20の弾性力が曲率を戻す方向に作用するため、アウターチューブ20の曲がりを戻すことが可能となる。その結果、作業性が著しく向上する。
図8に示すように、アウターチューブ20が被覆されていないインナーチューブ10は、一度曲がった状態から直線状態に戻る復元力が生じないため、曲率状態が維持されていることが分かる。
一方、図9に示すように、アウターチューブ20が被覆されたインナーチューブ10は、一度曲がったアウターチューブ20が直線状態に戻る力がインナーチューブ10に作用していることが分かる。図9では、自重によりアウターチューブ20を用いても曲がっている状態が示されているが、実際のダクト管の中で、アウターチューブ20が被覆されたインナーチューブ10を取り廻す際には、略直線状態に戻る力が作用する。これにより、曲げたいときには曲げやすく、曲げた後に牽引する場合には、牽引し易い直線状態に簡易に戻すことが可能な光ケーブル牽引端末構造を得ることができる。
また、アウターチューブ20の後端21においても前端22と同様に、アウターチューブ20は、接着剤が設けられている第一部分(図示略)と、接着剤が設けられていない第二部分(図示略)とを有している。後端21においても、第一部分によって、インナーチューブ10とアウターチューブ20とが密着されている。これにより、光ケーブル牽引端末構造のインナーチューブ10内への水の浸入を防ぐことが可能となる。
例えば、インナーチューブ10の材質は、ステンレスとしたが、これに限らない。インナーチューブ10の材質は、金属ではなく、プラスティック製であってもよい。
また、保持具4は、ボルト7により接続部材40を介してインナーチューブ10と固定されているとしたが、インナーチューブ10に直接固定されていてもよい。
また、本実施形態では、インナーチューブ10は、ステンレス板を幅方向1/3程度嵌合させて螺旋状に連結させる構成としたが、嵌合させなくてもよい。この場合は、インナーチューブ10の内径を変えることが可能である。
Claims (6)
- 内部に光ケーブルを収容可能であり、素線を螺旋状に巻いて連結して形成されたインナーチューブと、
前記インナーチューブの外周面に設けられ、可撓性を有するアウターチューブと、
前記インナーチューブの後端の外周面および前記アウターチューブの後端の外周面に設けられた接続部材と、を備え、
前記インナーチューブの外周面に形成された溝の内側に、前記アウターチューブの一部が進入し、
前記接続部材が、前記インナーチューブの後端と重ね合わされ面接触していると共に、前記アウターチューブの後端と重ね合わされ面接触している、光ケーブル牽引端末構造。 - 前記接続部材の内壁に突起が形成され、
前記突起が前記インナーチューブの前記溝に嵌合されている、請求項1に記載の光ケーブル牽引端末構造。 - 前記接続部材は、少なくとも前記アウターチューブの後端と重ね合わされた重なり部分で接着されている、請求項1に記載の光ケーブル牽引端末構造。
- 前記重なり部分において、
前記接続部材には、前記アウターチューブと対向する位置に凹部が形成され、
前記凹部に接着剤が設けられている、請求項3に記載の光ケーブル牽引端末構造。 - 前記インナーチューブの長手方向において、前記アウターチューブと前記接続部材との間に隙間が設けられ、
前記隙間に止水部材が設けられている、請求項1に記載の光ケーブル牽引端末構造。 - 前記止水部材が、樹脂材である、請求項5に記載の光ケーブル牽引端末構造。
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