本発明の第1の実施形態に係る接続器具10を、図1乃至図54を用いて説明する。
図1は、接続器具10の構成を、一部切り欠いて示す斜視図である。図2は、接続器具10の構成を示す断面図である。図3は、接続器具10の構成を、一部切り欠いて示す側面図である。図3は、図2に対して、外郭体本体111を、外郭体本体111の軸線回りに90度回転した状態を示す。図4は、接続器具10に用いられる容器接続具20の構成を示す斜視図である。図5は、容器接続具20の構成を示す側面図である。図6は、容器接続具20の構成を示す下面図である。
図7は、容器接続具20の構成を示す平面図である。図8は、容器接続具20の構成を示す断面図である。図9は、容器接続具20に用いられる容器固定部本体40の構成を示す斜視図である。図10は、容器固定部本体40の構成を示す平面図である。図11は、容器接続具20が容器1に固定された状態を示す断面図である。図12は、容器接続具20を容器1に接続する過程の要部を示す断面図である。
図13は、容器接続具20に用いられるニードル部材60の構成を示す斜視図である。図14は、ニードル部材60の構成を示す平面図である。図15は、ニードル部材60の構成を示す側面図である。図16は、容器接続具に用いられる容器固定部30の構成を示す斜視図である。図17は、容器固定部30の構成を示す側面図である。図18は、容器固定部30の構成を示す側面図であり、図17に容器固定部30に対して軸線回りに90度回転した状態を示す側面図である。
図19は、容器固定部30の構成を示す下面図である。図20は、図18に示すF20-F20線断面に沿って切断した状態を示す容器キャップの断面図である。図21は、図17に示すF21-F21線断面に沿って切断した状態を示す容器固定部30の断面図である。図22は、容器接続具20に用いられる容器シール90の構成を示す斜視図である。図23は、容器シール90の構成を示す側面図である。
図24は、接続器具10に用いられる器具接続具100の構成を示す斜視図である。図25は、器具接続具100の構成を示す側面図である。図26は、器具接続具100の構成を示す側面図である。図27は、器具接続具100の構成を示す断面図である。図28は、器具接続具100に用いられる、一方の外郭体構成部材132の構成を示す斜視図である。図29は、外郭体構成部材132の構成を示す側面図。
図30は、器具接続具100に用いられる、他方の外郭体構成部材132の構成を示す側面図である。図31は、器具接続具100に用いられるニードルホルダ122の構成を示す斜視図である。図32は、器具接続具100に用いられるインナスリーブ140の構成を示す斜視図である。図33は、インナスリーブ140の構成を示す側面図である。図34は、インナスリーブ140の構成を示す下面図である。
図35は、器具接続具100に用いられるヘッドスリーブ180の構成を示す斜視図である。図36は、ヘッドスリーブ180の構成を示す側面図である。図37は、ヘッドスリーブ180の構成を示す側面図である。図38は、ヘッドスリーブ180の構成を示す平面図である。図39は、ヘッドスリーブ180の構成を示す下面図である。図40は、ヘッドスリーブ180の構成を示す断面図である。図41は、接続器具10に用いられるストッパスリーブ230の構成を示す斜視図である。図42は、ストッパスリーブ230の構成を示す断面図である。図42は、ストッパスリーブ230の2つ第1の腕部231のそれぞれを、異なる切断位置で切断した状態を示している。図43は、ストッパスリーブの構成を示す断面図であり、図42に示すストッパスリーブ230に対して、軸線回りに90度回転した状態を示す断面図である。図43は、ストッパスリーブ230の2つの第1の腕部231のそれぞれを、異なる切断位置で切断した状態を示している。
図44乃至図46は、器具接続具100に用いられる係合部材160、及び容器接続具20に用いられる被係合部78の係合を説明する説明図である。図47は、係合部材160及び被係合部78の係合の解除を説明する説明図である。図48乃至図54は、器具接続具100及び容器接続具20の接続を説明する説明図である。
接続器具10は、図1、図2及び図11に示すように、容器1に固定可能に形成された容器接続具20と、器具の一例であるシリンジ7のバレル8に固定可能に形成され、かつ、容器接続具20が着脱可能に接続される器具接続具100と、を備える。接続器具10は、容器1及びシリンジ7に連通する液体流路L1を有し、この液体流路L1により、シリンジ7による容器1内の薬液の採取を可能とする。また、接続器具10は、容器1及び後述する空気袋152内を連通する気体流路L2を有し、この気体流路L2により、容器1内の圧力を一定に保持可能とする。容器1を下方に配置し、シリンジ7を上方に配置した状態に基づいて、接続器具10に上下方向を設定する。
容器1は、図11に示すように、薬液を収容可能な有底筒状に形成される。容器1は、例えば、円筒状に形成された胴部2と、胴部2の底端に形成され、胴部2を閉塞する底壁部3と、胴部2の上端に形成され、胴部2より小径の円筒状の首部4と、首部4の上端縁に形成されたフランジ5と、首部4の開口内に固定され、首部4の開口を密封する栓6と、を備える。
栓6は、ゴムやエラストマー等の樹脂から形成されており、可撓性を有する。また、栓6は、容器接続具20の後述するニードル部材60のニードル部62が挿入されることにより形成された孔を、液体用ニードル170及び気体用ニードル175が移動した後に復元力により液密及び気密に塞ぐことが可能に形成される。
図4、図5、図7及び図8に示すように、容器接続具20は、容器1に固定可能に形成された容器固定部30と、容器固定部30に固定されたシールキャップ70と、シールキャップ70に設けられた容器シール90と、を備える。
図2に示すように、容器固定部30は、液体流路L1の一部を構成する液体流路構成部L3と、気体流路L2の一部を構成する気体流路構成部L4と、を有する。図2に示すように、容器固定部30は、具体的には、容器1に固定可能に形成された容器固定部本体40と、容器固定部本体40に固定され、内部に流路構成部L3、L4を有するニードル部材60と、を有する。
容器固定部本体40は、ニードル部材60が容器1の口部の栓6にさし込まれた状態で、容器1に固定可能に構成される。容器固定部本体40は、具体的には、ニードル部材60が固定される基部41と、基部41に設けられた2つの腕部42と、2つの腕部42のそれぞれに設けられ、それぞれ容器1の首部4に係合可能な係合部43と、を備える。
図10に示すように、基部41は、中央に、ニードル部材60が配置される孔44を有する板状に構成される。孔44は、円弧に構成される円弧部45と、矩形に構成される矩形部46と、を有する。
基部41は、また、孔44に挿入されたニードル部材60に係合する係合爪47が形成される。係合爪47は、基部41の上面の、例えば孔44の近傍に配置される。係合爪47は、例えば複数、具体例として2つ形成される。2つの係合爪47は、孔44を挟んで対向配置される。
ここで、図6に示すように、円Xを設定する。円Xの中心は、例えば、孔44の円弧部45の曲率中心と同位置に設定される。円Xの軸線をC3とする。
係合爪47は、基部41から上方に延出する、長い板状に構成される基部48と、基部48の上端に形成される爪部49と、を有する。爪部49の、他方の係合爪47に対向する面に対して反対側の面は、当該面の上端より下端が孔44の径方向外側に位置する傾斜面に構成される。
図9に示すように、2つの腕部42は、基部41に設けられる。2つの腕部42は、円Xの軸線C3回りに180度離間した位置に配置される。一方の腕部42は、一方の係合部43を、基部41に設定された円Xの軸線C3側に近づく方向及び離れる方向に移動可能とする可撓性を有する。他方の腕部42は、他方の係合部43を、円Xの軸線C3側に近づく方向及び離れる方向に移動可能とする可撓性を有する。図6に示すように、2つの腕部42は、円Xの軸線C3を通り軸線C3に平行な第1の仮想平面P1に対して対称な形状に構成される。
腕部42は、その一部が、腕部42の基部41側の一端よりも、上方に位置する。腕部42は、具体的には、第1の腕部50と、折り返し部51と、第2の腕部52と、を有する。
第1の腕部50は、基部41に連続し、上方に延出する板状に構成される。折り返し部51は、第1の腕部50に連続し、第1の腕部50に対して下方に折り返される形状に構成される。第2の腕部52は、折り返し部51に連続して形成される。第2の腕部52は、基部41よりも下方に延出し、かつ、その先端部が軸線C3側に屈曲する形状に構成される。第2の腕部52の先端に、係合部43が設けられる。
このように構成される腕部42は、第1の腕部50、折り返し部51、及び第2の腕部52がたわむことで、係合部43を移動する。腕部42は、例えば、一定の厚みを有する。または、係合部43が折り返し部51を中心として揺動しやすくする為に、折り返し部51は、第1の腕部50及び第2の腕部52比べて薄く形成されてもよい。
係合部43は、軸線C3に沿って上方から下方にかけて軸線C3から離れる湾曲した板状に構成される。係合部43の上端は、容器1の首部4に当接する当接部53に構成される。係合部43の軸線C3側の面は、容器1のフランジ5に当接し、首部4を当接部53に案内する案内面54に構成される。一方の係合部43及び他方の係合部43は、円Xの軸線C3を通り軸線C3に平行な第1の仮想平面P1に対して対称な形状に構成される。
また、係合部43は、当接部53が容器1の首部4に2点で当接する形状に構成される。換言すると、一対の当接部53は、首部4に4点で当接する。また、係合部43の案内面54または後述する他端縁56は、首部4を当接部53に案内する過程で、2点でフランジ5に接触する形状に形成される。
係合部43は、具体的には、円Xの軸線C3を通り、第1の仮想平面P1に対して直交する第2の仮想平面P2に対して、対称な形状に形成される。係合部43を軸線C3に直交する断面に沿って切断すると、係合部43の断面形状は、おおよそ、V字形状に構成される。
換言すると、案内面54の、円Xの軸線C3に直交する断面では、案内面54の第2の仮想平面P2側が、軸線C3に直交する方向のうち第2の仮想平面P2に平行な方向に、案内面54の第2の仮想平面P2を間に挟む両端に対して、軸線C3から離れた位置に配置される。
さらに、係合部43は、係合部43の下端が、係合部43の上端よりも、他方の係合部43に対して、離れた位置に位置するように、上下方向に対して傾斜している。
なお、ここで上下方向は、上述の通り、容器1を下方に配置し、シリンジ7を上方に配置した状態に基づいて、接続器具10に上下方向を設定される。この為、容器接続具20においては、上下方向は、軸線C3と平行である。
また、係合部43は、図5及び図6に示すように、他方の係合部43から離れる側に凸となる湾曲形状に形成される。また、係合部43の下端の周方向の長さは、係合部43の上端の周方向の長さよりも長く設定される。また、係合部43の下端の周方向の長さは、係合部43の上端から下端までの係合部43に沿う上下方向の長さよりも、長い長さに設定される。
ここで、係合部43の周方向に沿う長さとは、軸線C3回りに沿う、係合部43の長さである。
案内面54は、案内面54の下端が、軸線C3に対して案内面54の上端よりも離れた位置に位置するように、軸線C3すなわち上下方向に対して傾斜している。
案内面54は、図5及び図6に示すように、軸線C3から離れる側に凸となる曲面に形成される。具体的には、案内面54の上端の周方向の中心から下端の周方向の中心を結ぶ部分が軸線C3に傾斜する直線状に形成される。そして、案内面54は、この直線状の部分に対して、対称な曲面に構成される。ここで、案内面54の上端の周方向の中心から下端の周方向の下端を結ぶ部分は、第2の仮想平面P2上に位置する部分となる。
また、案内面54の下端の周方向の長さは、案内面54の上端の周方向の長さよりも長く設定される。また、案内面54の下端の周方向の長さは、案内面54の上端から下端までの案内面54に沿う上下方向の長さよりも長い長さに設定される。
このように構成される案内面54及び後述する他端縁56は、周方向の中心に対して周方向両側で対称な曲面に構成されることで、容器接続具20を容器1に固定する際に、容器1のフランジ5が2点で接触可能な面に構成される。具体的には、案内面54及び後述する他端縁56は、第2の仮想平面P2を挟んで一方側の一点でフランジ5に当接し、第2の仮想平面P2を挟んで他方側の一点でフランジ5に当接する。そして、一対の係合部43により、4点でフランジ5を支持する。
ここで、係合部43の、第2の仮想平面P2を挟んで一方を構成する部分を、第1の部分43Aとし、第2の仮想平面P2を挟んで他方を構成する部分を、第2の部分43Bとする。第1の部分43A及び第2の部分43Bは、第2の仮想平面P2に対して対称な形状に構成される。
第1の部分43Aは、当接部53の一部である第1の当接部構成部53Aと、案内面54の一部となる第1の案内面構成部54Aと、を有する。第2の部分43Bは、当接部53の他部である第2の当接部構成部53Bと、案内面54の他部となる第2の案内面構成部54Bと、を有する。
第1の当接部構成部53A及び第2の当接部構成部53Bは、第2の仮想平面P2に対して対称な形状に構成される。第1の案内面構成部54A及び第2の案内面構成部54Bは、第2の仮想平面P2に対して対称な面に形成される。
図6に示すように、第1の当接部構成部53Aは、第2の仮想平面P2側の一端から他端にかけて、漸次第1の仮想平面に近づく傾斜を有する形状に構成される。
第1の案内面構成部54Aについて、具体的に説明する。
第1の部分43Aの円Xの軸線C3に直交する断面では、第1の案内面構成部54Aの第2の仮想平面P2側の一端縁55は、案内面54の第2の仮想平面P2とは反対側の他端縁56に対して、軸線C3に直交する方向のうち第2の仮想平面P2に平行な方向に軸線C3から離れた位置に配置される。
第1の案内面構成部54Aの一端縁55は、例えば、その延長線が、軸線C3に対して傾斜する直線に形成される。ここで、一端縁55は、案内面54の周方向に中心を通る線であり、本実施形態では、第2の仮想平面P2上の線である。第1の案内面構成部54Aの一端縁55は、例えば、その延長線が軸線C3と45度をなす直線に形成される。
第1の案内面構成部54Aの下端の周方向の長さは、第1の案内面構成部54Aの上端の周方向の長さよりも長い長さに設定される。他端縁56は、一端縁55よりも他方の係合部43側に配置される。そして、他端縁56は、一端縁55に対して、他方の係合部43、及び、一端縁55の双方から離れる方向に延びる形状に構成される。
このような、一端縁55から他端縁56までの周方向の長さは、胴部2の外径が最も大きい容器1に対しても、フランジ5を案内面54当接させて案内面54により当接部53に案内する際に、胴部2が案内面54に当接することを抑制できる長さに設定される。
この為、第1の案内面構成部54Aは、図6に示すように下方から見た状態において、第2の仮想平面P2側の一端縁55の延長線と、一端縁55に対して反対側の他端縁56の延長線とが、交差する扇状に構成される。
他端縁56の少なくとも上端側は、曲線状部に形成される。曲線状部は、他端縁56の上端を含む。具体的には、曲線状部は下方に向かって延び、曲率中心が、案内面54を挟んで他方の係合部43とは反対側に位置する曲線状に形成される。そして、他端縁56の、曲線状部より下端側は、例えば、直線状に形成される。
第1の案内面構成部54Aは、このように構成される一端縁55及び他端縁56を連続する曲面に構成される。例えば、第1の案内面構成部54Aは、他端縁56から一端縁55側へ、他端縁56の曲線状部が漸次一端縁55に近づく曲面に構成される。
このように構成される第1の案内面構成部54Aは、例えば、曲率中心が第1の案内面構成部54Aを挟んで他方の係合部43の反対側に位置する曲面に構成される部分、及び、曲率中心が第1の案内面構成部54Aに対して他方の係合部43側に位置する曲面に構成される部分を有している。
この構成について具体的に説明する。図12は、容器1に容器接続具20を接続する過程での、第1の案内面構成部54A及びフランジ5の接点Aの近傍を示す断面図である。図12は、接点Aを通り、円Xの軸線C3及び接点Aの接線Sに平行な断面に沿って切断した状態を示す。接点Aの接線Sは、図6中に1点鎖線で示される。案内面54は、例えば、図6に示すように、容器接続具20を下方から見た状態において、第2の仮想平面P2に対して傾斜する。
図12に示すように、案内面54は、フランジ5が接触する接点Aを通る接線Sが、第1の仮想平面P1に対して角度αで傾斜する曲面に形成される。角度αは、90度未満である。
第1の案内面構成部54Aは、図12に示すように、接線Sに沿って切断される係合部43の断面の縁を構成する、第1の案内面構成部54Aの一部の曲率中心Zが、第1の案内面構成部54Aを挟んで第1の仮想平面P1の反対側、すなわち他方の係合部43に対して反対側に位置する曲面に形成される。換言すると、案内面54は、円Xの軸方向に上方から下方に向かって末広がり、すなわち、上方から下方に進むにつれて軸線C3から離れる形状に形成される。さらに、換言すると、第1の案内面構成部54Aは、下方から当接部53に近づくにつれて、第1の案内面構成部54Aの接線Sの第1の仮想平面P1に対する傾斜角度αが小さくなる曲面に形成される。
そして、第1の案内面構成部54Aの一部、例えば下方の部分は、曲率中心が第1の案内面構成部54Aに対して他方の係合部43側に位置する曲面に構成される。
なお、上述の例では、第1の案内面構成部54Aは、曲率中心が第1の案内面構成部54Aを挟んで他方の係合部43の反対側に位置する曲面に構成される部分、及び、曲率中心が第1の案内面構成部54Aに対して他方の係合部43側に位置する曲面に構成される部分を有する構成が一例として説明された。しかしながら、これに限定されない。
他の例では、第1の案内面構成部54Aは、第2の仮想平面P2に平行な方向に沿う断面が、曲率中心が第1の案内面構成部54Aを挟んで他方の係合部43の反対側に位置し、上方から下方に向かって末広がりとなる曲面に構成され、曲率中心が第1の案内面構成部54Aに対して他方の係合部43側に位置する曲面に構成される部分を有さない構成であってもよい。この為、第1の案内面構成部54Aは、第1の当接部構成部53Aに近づくにつれて接線Sの第1の仮想平面P1に対する傾斜角度が小さくなる曲面に構成される。
また、第1の案内面構成部54Aは、一端縁55から他端縁56に向かうにつれて、接線Sに沿って切断した係合部43の断面の縁の一部を構成する、第1の案内面構成部54Aの一部の曲率半径が小さくなる曲面に形成される。
この為、本実施形態では、第1の案内面構成部54Aの一端縁55から、他端縁56までの範囲が曲面に構成される。さらに、第1の案内面構成部54Aにおいて、一端縁55側が、最も曲率半径が大きく、他端縁56側に進むにつれて、曲率半径が小さくなる。そして、他端縁56の曲率半径が最も小さくなる。
なお、上述の例では、第1の案内面構成部54Aは、一端縁55から他端縁56までが曲面に構成される例が一例とし説明されたが、これに限定されない。他の例では、第1の案内面構成部54Aは、一端縁55の近傍から他端縁56に向かうにつれて、曲率半径が小さくなる曲面に形成される。そして、第1の案内面構成部54Aの一端縁55の近傍の範囲R1は、例えば、平面に形成される。この平面は、一端縁55と平行な平面である。この範囲は、容器1が接触しない範囲である。
この為、この変形例では、第1の案内面構成部54Aの一端縁55の近傍から、他端縁56までの範囲が曲面に構成される。さらに、第1の案内面構成部54Aの曲面に形成された範囲において、一端縁55側の一端が、最も曲率半径が大きく、他端縁56側に進むにつれて、曲率半径が小さくなる。そして、他端縁56の曲率半径が最も小さくなる。なお、一端縁55が曲線に構成される場合は、一端縁55の曲率半径が最も大きくなる。
また、第1の案内面構成部54Aの他端縁56の当接部53側の一端の接線Sの第1の仮想平面P1に対する傾斜角度αは、第1の案内面構成部54Aの一端縁55の延長線の第1の仮想平面P1に対する傾斜角度αより小さい。
さらに、第1の案内面構成部54Aは、係合部43の軸線C3に直交する断面の縁の一部を構成する、第1の案内面構成部54の一部が、曲率中心が第1の仮想平面P1側に位置する曲線状となる曲面に構成される。この曲率は、案内面54により容器1のフランジ5を当接部53に案内する過程で、容器1の胴部2が案内面54に当接することを防止できる曲率に設定されている。
また、第1の案内面構成部54Aの一端縁55は、直線または曲線に形成される。なお、一端縁55は、本実施形態では、上述の通り、例えば直線状に構成される。
このように構成される第1の案内面構成部54A及び第2の案内面構成部54Bを有する案内面54は、他方の係合部の案内面54と協同して、複数の種類の容器1のフランジ5を、当接部53に案内可能な曲面に構成される。ここで、複数の種類の容器1とは、フランジ5の外径が異なる複数の容器1である。案内面54は、想定される最小径から最大径までのフランジ5を有する容器1を、当接部53に案内可能に構成される。
具体的には、第1の案内面構成部54Aの一端縁55の近傍の領域は、一対の係合部43の案内面54によって容器1のフランジ5を当接部53に案内する際に、想定される最小径のフランジ5が最も一端55近傍で当接可能に形成される。そして、第1の案内面構成部54Aの一端縁55の近傍の領域は、想定される最小径のフランジ5を第1の当接部構成部53Aに案内可能に形成される。
案内面54は、想定される最小径のフランジ5を有する容器1に対して軸線C3に沿って押圧されることで押し広げられる。
ここで、案内面54が押し広げられるとは、案内面54が、他方の係合部43から離れる方向に移動することである。第1の案内面構成部54Aの一端縁55の近傍の領域は、案内面54が容器1の首部4に係合する直前の状態まで押し広げられても、フランジ5に当接する箇所の接線Sが軸線C3に平行な方向に対して傾斜する面に構成される。
尚、首部4の外径が小さく、首部4が一対の当接部53によって挟持された状態で係合部43が広がらない場合であっても、一端縁55は、軸線C3に対して所定の角度、一例として45度で傾斜する。この傾斜は、案内面54が胴部2と干渉しない傾斜である。
また、第1の案内面構成部54Aは、想定される最小径よりも大きい径のフランジ5が、想定される最小径のフランジ5が当接する箇所よりも他端縁56側で当接し、かつ当接部53に案内可能に構成される。そして、第1の案内面構成部54Aの他端縁56は、想定される最大径のフランジ5が当接可能に構成される。また、第1の案内面構成部54Aの他端縁56は、想定される最大径のフランジ5を、第1の当接部構成部53Aに案内可能に形成される。
具体的には、第1の案内面構成部54Aの他端縁56は、案内面54が容器1の首部4に係合する直前の状態まで押し広げられても、フランジ5に当接する箇所の接線が軸線C3に平行な方向に対して傾斜する線に構成される。すなわち、他端縁56は、その状態から容器接続具20をさらに押し込むことで、さらに案内面54が押し広げられて、当接部53がフランジ5を超えて首部4に係合可能に構成される。
また、案内面54は、想定される最小径から最大径までの間の径を有するフランジ5に対しても、一端縁55を挟んで両側のそれぞれで、一点で当接し、フランジ5を当接部53に案内可能に構成される。
また、第1の案内面構成部54Aの他端縁56の、当接部53に対して反対側の一端すなわち下端の接線Sの第1の仮想平面P1に対する傾斜角度αは、第1の案内面構成部54Aの一端縁55の延長線の第1の仮想平面P1に対する傾斜角度αより大きい。
また、第1の案内面構成部54Aの当接部53側の一端部である上端部R2では、一端縁55から他端縁56に向かうにつれて、接線Sの第1の仮想平面P1に対する傾斜角度αが小さくなる。なお、上端部R2は、第1の案内面構成部54Aにおいて当接部53の近傍の範囲である。また、第1の案内面構成部54Aの当接部53に対して反対側となる下端部R3では、一端縁55から他端縁56に向かうにつれて、接線Sの第1の仮想平面P1に対する傾斜角度αが大きくなる。なお、下端部R3は、案内面54の下端の近傍の範囲である。
このように構成される第1の案内面構成部54A、及び第2の案内面構成部54Bを有する案内面54は、容器1のフランジ5の外径が32mm以下の容器1を、当接部53に案内可能に構成される。図6では、口径(フランジ5の外径)が13mmである容器1のフランジ5、及び、口径が20mmである容器1のフランジ5を2点鎖線で示す。さらに、図6では、想定される最大径のフランジ5が他端縁56に当接した状態を示している。
案内面54及び容器1のフランジ5の接点Aは、容器接続具20を容器1に対して押し込むことにより、案内面54内を移動する。接点Aの軌跡を接触線S1とする。接触線S1は、下方から見たときに、第2の仮想平面P2に沿った線となる。
容器接続具20では、容器1の口径のサイズに応じて、容器1及び案内面54の接点Aの位置が異なる。具体的には、小径の容器1の場合は、接点Aは、案内面54の第2の仮想平面P2に近い位置に配置される。大径の容器1の場合は、接点Aは、案内面54の第2の仮想平面P2から離れた位置に配置される。想定される最大径のフランジ5を有する容器1のフランジ5は、他端縁56に当接する。
また、案内面54が、図6に示すように扇形状に構成されることから、案内面54の軸線C3回りの周方向の長さが長くなる。具体的に説明すると、案内面54の当接部53側の一端の周方向の長さに比較して、案内面54の他端の周方向の長さが長い。この為、口径の比較的小さな容器1は、案内面54の一端側の領域に当接し、口径の大きな容器1は、案内面54の他端側の領域に当接する。
容器接続具20を容器1に接続するときに容器接続具20を容器1に対して押し付けることで、係合部43は、容器1によって押し広げられる。係合部43が押し広げられることで、案内面54は、円Xの軸線C3から離れる。この為、案内面54の同じ箇所での接線Sの第1の仮想平面P1に対する傾斜角度αは、第1の部分43Aが容器1により押し広げられた状態では、第1の部分43Aが押し広げられていない状態に対して、大きくなる。
しかしながら、案内面54が曲面に形成されることにより、傾斜角度αの、容器接続具20の容器1への接続の進行によって生じる増大量を緩和できる。さらに、案内面54が上述した特徴を有する曲面に形成されることにより、案内面54のいずれの部分においても、第1の仮想平面P1に対する接線Sの傾斜角度αの、容器接続具20の容器1への接続の進行によって生じる増加量を小さくできる。すなわち、角度αの増大幅を小さくできる。
このように案内面54が容器1によって押し広げられることにより、案内面54の、容器1との接点Aの位置が変化する。案内面54は、接点Aの位置が変化しても、角度αが、上述のように大きく変化しない曲面に形成される。角度αは、略45度である。
また、他方の係合部43は、第1の仮想平面P1に対して、上述した一方の係合部43と対称な形状に構成される。
また、当接部53の軸線C3回りで中央部は、他に比較して、図6に示すように、他方の係合部43に対して離れる側に円弧状に窪む形状に構成される。
ニードル部材60は、図13乃至図15に示すように、ニードル部材60の一端側を構成するニードル部材基部61と、ニードル部材60の他端側を構成するニードル部62と、を有する。
ニードル部材基部61は、基部41の上方の部分を構成する。ニードル部材基部61は、柱状に構成される。ニードル部材基部61の上端の縁には、フランジ63が形成される。また、ニードル部材基部61の外周面には、ニードル部材基部61の軸線から離れる方向に延出する環状の延出部64が形成される。延出部64は、具体的には、3つ形成される。フランジ63と、フランジ63と対向する延出部64の間には、これらを連結する柱部65が形成される。対向する2つの延出部64間には、これらを連結する柱部65が形成される。
また、ニードル部材基部61の外周面の下端部に、孔44の矩形部46に配置される回転止め部66が設けられる。回転止め部66は、ニードル部材基部61の軸方向に直交する断面の形状が、例えば矩形部46と同形状または小さい形状に構成される。
また、図8に示すように、ニードル部材基部61の外周面の下端部に、孔44の縁部に上方から当接する当接部67が形成される。当接部67は、例えば、ニードル部材基部61の外周面の一部が突出する突出部に構成される。当接部67が孔44の縁部に上方から当接することで、ニードル部材60が孔44に保持される。
ニードル部62は、基部41より下方の部分を構成する。ニードル部62の先端は、鋭頭に構成される。
このように構成されるニードル部材60は、内部に、液体流路L1の一部を構成する液体流路構成部L3と、気体流路L2の一部を構成する気体流路構成部L4と、を有する。
液体流路構成部L3は、ニードル部材基部61の上端面から、ニードル部62の下端側に、ニードル部材60の軸方向に延びる孔である。液体流路構成部L3の下端は、ニードル部62の表面に開口する。液体流路構成部L3の、ニードル部材基部61に構成される部分は、ニードル部62に構成される部分に比較して、ニードル部材60の軸方向に直交する流路面積が大きい形状に構成される。
気体流路構成部L4は、ニードル部材基部61の上端面から、ニードル部62の下端側に、ニードル部材60の軸方向に延びる孔である。気体流路構成部L4の下端は、ニードル部62の表面に開口する。気体流路構成部L4の、ニードル部材基部61に構成される部分は、ニードル部62に構成される部分に比較して、ニードル部材60の軸方向に直交する流路面積が大きい形状に構成される。
なお、液体流路構成部L3の下端開口は、気体流路構成部L4の下端開口よりも、上方に位置する。これは、接続器具10に対して容器1が上方に配置されるように接続器具10、容器1、及びシリンジ7を傾けた際に、容器1の首部側に溜まった薬液を液体流路構成部L3に導くことを可能とする為である。
シールキャップ70は、図16乃至図21に示すように、ニードル部材基部61及び容器シール90を内側に収納する筒状に形成される。また、シールキャップ70は、器具接続具100の後述する外郭体110、及びストッパスリーブ230のロックを解除可能に、かつ、ストッパスリーブ230とロック可能に構成される。シールキャップ70は、ニードル部材基部61が嵌合する筒状に構成される。
図16に示すように、シールキャップ70は、具体的には、円筒状のシールキャップ用大径部71と、シールキャップ用大径部71上に形成されたシールキャップ用中径部72と、シールキャップ用中径部72上に形成されたシールキャップ用小径部73と、を有する。
シールキャップ用大径部71の外周面には、周方向に延びる複数の溝が形成される。
シールキャップ用中径部72は、シールキャップ用大径部71より小径に構成される。シールキャップ用中径部72は、容器接続具20が器具接続具100内に挿入されて器具接続具100内の所定位置に到達すると、器具接続具100の後述するストッパスリーブ230に当接して、ストッパスリーブ230と外郭体110とのロックを解除可能に形成される。シールキャップ用中径部72は、具体的には、外周面の上端部72aが、上方に向かって漸次縮径する円錐面に構成される。
また、シールキャップ用中径部72には、容器接続具20が器具接続具100内に挿入されて器具接続具100内の所定位置に到達すると、ストッパスリーブ230が係合されるロック用凹部77が形成される。
ロック用凹部77は、シールキャップ用中径部72の外周面の周方向の一部の下端から軸方向で中途部までの範囲に形成された凹部である。ロック用凹部77内の上面は、ストッパスリーブ230が係合可能な被係合面に構成される。
また、シールキャップ用中径部72には、器具接続具100の後述する係合部材160が係合可能な被係合部78が形成される。被係合部78は、具体的には、シールキャップ用中径部72の外周面の円錐面に形成された上端部72aの一部に形成される。被係合部78は、シールキャップ用中径部72の一部に形成された、径方向外側に突出する突出部である。被係合部78の下面79は、例えば、シールキャップ70の軸方向に直交する平面に構成される。
また、シールキャップ用大径部71の外周面、及びシールキャップ用中径部72の外周面には、容器接続具20の、器具接続具100の外郭体本体111内での外郭体本体111の軸方向の移動を案内する第1の案内用突起75が形成される。
第1の案内用突起75は、径方向外側に突出する突状に構成される。第1の案内用突起75は、外郭体本体111内に形成された第1の案内溝126に収納可能に形成される。第1の案内用突起75は、例えば複数形成される。第1の案内用突起75は、例えば、1つ形成される。
シールキャップ用小径部73は、シールキャップ用中径部72の上端よりも小径な筒状に形成される。シールキャップ用小径部73は、器具接続具100の後述するヘッドスリーブ180内に移動可能に嵌る円筒状に構成される。
シールキャップ用小径部73の上端の開口73aの縁部73bは、図20に示すように、径方向内側に延出する環状に構成される。開口73aは、円形に形成される。また、シールキャップ用小径部73は、軸方向に、縁部73bの下面73cとニードル部材基部61の上端との間に、容器シール90の一部を配置可能な長さを有する。
このように構成されるシールキャップ70の内周面76は、図8、図19乃至図21に示すように、容器固定部本体40の係合爪47が配置される溝81が形成される。溝81は、軸方向に延び、端部に係合爪47の爪部49が係合する被係合面82を有する。被係合面82は、例えば軸方向に直交する平面に構成される。容器固定部本体40の係合爪47が溝81に収容されて、爪部49が被係合面82に軸方向に係合することで、シールキャップ70及び容器固定部本体40が固定される。
容器シール90の一部は、図8に示すように、シールキャップ70内に収容され、容器シール90の他の一部は、シールキャップ70の上端の開口73aを通してシールキャップ70の外に配置される。容器シール90は、シールキャップ70の開口73aを密封可能に構成される。また、容器シール90は、ニードル部材60の、液体流路構成部L3の開口、及び気体流路構成部L4の開口のそれぞれを密封可能に構成される。
容器シール90は、ゴムやエラストマー等の樹脂から形成されており、可撓性を有する。また、器具接続具100の後述する液体用ニードル170及び気体用ニードル175が挿入されることにより形成された孔を、液体用ニードル170及び気体用ニードル175が移動した後に復元力により液密及び気密に塞ぐことが可能に形成される。
図22及び図23に示すように、容器シール90は、具体的には、シールキャップ70内に配置されるシール大径部93と、シール大径部93の上面に形成され、開口73a内に配置されるシール小径部94と、シール大径部93の下面に形成され、液体流路構成部L3の開口に配置される第1の嵌合部96と、シール大径部93の下面に形成され、気体流路構成部L4の開口に配置される第2の嵌合部97と、を有する。
シール大径部93は、シールキャップ70の内周面76との間をシール可能に形成される。シール大径部93は、具体的には、シールキャップ70の内径よりも大きい外径を有し、かつ、軸方向に、ニードル部材60の上端からシールキャップ用小径部73の縁部73b距離より長い円柱状に構成される。
シール小径部94は、開口73aを密封可能に構成される。シール小径部94は、具体的には、開口73aの内径よりも大きい外径を有し、かつ、軸方向の一部がシールキャップ用小径部73の上面より上方に突出する円柱状に構成される。
シール小径部94の、シールキャップ用小径部73の上面より外に突出する部分は、後述するニードルシール200に当接してつぶれることでニードルシール200との間をシールする潰れ代である。この潰れ代は、シール小径部94の上面とニードルシール200との間をシール可能な量が設定される。シール小径部94の上端面95は、シール小径部94の軸方向に直交する平面に構成される。
第1の嵌合部96は、液体流路構成部L3の開口を密封可能に形成される。第1の嵌合部96は、具体的には、液体流路構成部L3の内径よりも大きい外径を有する円柱状に構成される。
第2の嵌合部97は、気体流路構成部L4の開口を密封可能に構成される。第2の嵌合部97は、具体的には、気体流路構成部L4の内径より大きい外径を有する円柱状に構成される。
次に、器具接続具100について説明する。器具接続具100は、図24及び図27に示すように、外郭体110と、外郭体110内に収納される空気袋152と、液体流路L1の一部を構成する液体用ニードル170と、気体流路L2の一部を構成する気体用ニードル175と、外郭体110内に移動可能に収納される筒状のヘッドスリーブ180と、ヘッドスリーブ180に固定されたニードルシール200と、ヘッドスリーブ180を外郭体110に選択的に固定可能に、かつ、ヘッドスリーブ180と容器接続具20とを選択的に固定可能に構成されたストッパスリーブ230と、ヘッドスリーブ180を、外郭体本体111から出す方向に付勢する付勢部材250と、を備える。
外郭体110は、図2及び図27に示すように、外郭体本体111と、空気袋152を収納する空気袋収納部150と、外郭体本体111を容器接続具20に解除可能にロックする係合部材160と、を有する。
外郭体本体111は、有底筒状に構成される。外郭体本体111は、具体的には、天井壁部114と、天井壁部114に形成され、シリンジ7のバレル8が固定可能なシリンジ固定部115と、天井壁部114に形成され、液体用ニードル170が固定可能な液体用ニードル固定部116と、天井壁部114の周縁に形成された筒状の胴部117と、外郭体本体111内に固定されたインナスリーブ140と、を有する。
天井壁部114は、図1及び図2に示すように、例えば、円板状に形成される。
シリンジ固定部115は、天井壁部114の上面に形成され、当該上面の他の部位に対して上方に突出する筒状に形成される。シリンジ固定部115は、バレル8の先端部内に嵌合可能に形成される。シリンジ固定部115は、具体的には、円筒状に形成されたシリンジ固定部本体120と、シリンジ固定部本体120の上端の周縁に形成され、径方向外側に突出するシリンジ固定部用突出部121と、を有する。
シリンジ固定部用突出部121は、例えば複数形成される。シリンジ固定部用突出部121は、シリンジ固定部本体120の周方向に所定の長さを有する。シリンジ固定部用突出部121は、バレル8の先端部に形成された雌ネジ部に螺合することで、シリンジ7と器具接続具100とを固定する。
液体用ニードル固定部116は、天井壁部114の下面から下方に突出し、内部に液体用ニードル170を固定する筒状に形成される。液体用ニードル固定部116は、シリンジ固定部本体120内に連通する。液体用ニードル固定部116は、例えば、円筒状に形成される。
シリンジ固定部115及び液体用ニードル固定部116は、例えば、外郭体本体111の他の部分とは別部材となるニードルホルダ122により形成される。換言すると、外郭体本体111にニードルホルダ122を取り付けることにより、シリンジ固定部115及び液体用ニードル固定部116が構成される。
図31に示すように、ニードルホルダ122は、基部124と、シリンジ固定部115と、液体用ニードル固定部116と、を有する。
基部124は、液体用ニードル固定部116より大径であり、シリンジ固定部115よりも小径の円筒状に形成される。図31に示すように、基部124の外周面には、ニードルホルダ122を、シリンジ固定部115の軸線回りの一方向のみの回転を許容し、反対方向の回転を規制するラチェット124aが形成される。ラチェット124aにより許容されるニードルホルダ122の回転方向は、シリンジ固定部115からシリンジ7を取り外すべくシリンジ7をシリンジ固定部115に対して回転する方向である。
天井壁部114の下面には、図29に示すように、下方に突出する突出部123が形成される。突出部123は、シリンジ7をシリンジ固定部115に固定するべくシリンジ7をシリンジ固定部115に対して回転する方向にラチェット124aに当接してニードルホルダ122の回転を規制する。
図27に示すように、胴部117は、容器接続具20のシールキャップ用大径部71が移動可能に嵌合する円筒状に形成される。胴部117の上端部には、インナスリーブ140の一部を配置する孔117aが形成される。孔117aは、空気袋収納部150内に連通する。
胴部117は、その内周面117bの下端部の一部に、容器接続具20のシールキャップ70の第1の案内用突起75を移動可能に収納する第1の案内溝126が形成される。第1の案内溝126は、胴部117の下端に開口する。この開口を通って、第1の案内用突起75が第1の案内溝126内に侵入する。
第1の案内溝126は、少なくとも、液体用ニードル170が液体流路構成部L3内に配置され、かつ、気体用ニードル175が気体流路構成部L4内に配置されることで液体流路L1と気体流路L2とが形成される位置まで、容器接続具20の上方への移動を案内可能な長さを有する。
第1の案内溝126は、外郭体110の軸方向に延びる。第1の案内溝126の外郭体110の周方向に沿う幅は、第1の案内用突起75が移動可能に嵌まる大きさを有する。第1の案内溝126の内面は、周方向に第1の案内用突起75と当接することにより、容器接続具20の回転を防止する。第1の案内溝126は、第1の案内用突起75に応じた個数が形成される。第1の案内溝126は、例えば、1つ形成される。
また、胴部117は、その内周面の軸方向の中途部の、第1の案内溝126と軸方向に並ぶ部分に、ヘッドスリーブ180の後述する第2の案内用突起182を移動可能に収納する第2の案内溝127が形成される。
第2の案内溝127は、外郭体本体111の軸方向に延びる。第2の案内溝127は、少なくとも、液体流路L1及び気体流路L2が形成される位置まで、容器接続具20の上方への移動を案内可能な長さを有する。
第2の案内溝127の、外郭体本体111の周方向に沿う幅は、第2の案内用突起182が移動可能に嵌まる大きさを有する。第2の案内溝127の内面は、第2の案内用突起182に周方向に当接することにより、ヘッドスリーブ180の回転を防止可能に形成される。第2の案内溝127は、例えば、複数形成される。第2の案内溝127は、例えば2つ形成されており、それぞれ、外郭体本体111の周方向に180度離間して配置される。
また、胴部117の内周面の軸方向の中途部には、第2の案内溝127と周方向にずれた位置に、図29及び図30に示すように、ロック用突起128が形成される。ロック用突起128は、外郭体本体111の径方向内側に突出する。
ロック用突起128は、ストッパスリーブ230と係合することにより、ストッパスリーブ230に固定されたヘッドスリーブ180の上方への移動を規制可能に形成される。
ロック用突起128は、例えば、複数形成される。ロック用突起128は、例えば、2つ形成される。2つのロック用突起128は、胴部117の周方向に180度離間して配置されており、かつ、第1の案内溝126と第2の案内溝127とに対して、外郭体本体111の周方向に45度ずれた位置に配置される。
また、胴部117の内周面の軸方向の中途部には、ロック用突起128に対して周方向にずれた位置に、図30及び図31に示すように、ロック解除用突起129が形成される。ロック解除用突起129は、外郭体本体111の径方向内側に突出する。
ロック解除用突起129は、ストッパスリーブ230と当接することにより、ストッパスリーブ230と容器接続具20のロック用凹部77との係合を解除可能に形成される。
ロック解除用突起129は、図50に示すように、例えば、胴部117の軸方向に中途部が最も外郭体本体111の径方向内側に突出し、その上端と下端とから中途部にかけて、径方向内側への突出量が漸次増大する形状に形成される。
ロック解除用突起129は、例えば、複数形成される。ロック解除用突起129は、例えば、2つ形成される。2つのロック解除用突起129は、外郭体本体111の周方向に180度離間しており、ロック用突起128に対して周方向に90度離れた位置に配置される。
胴部117の下端部には、図1、図3、図24及び図25に示すように、係合部材160の例えば一部を収納する孔131が形成される。孔131は、径方向に胴部117を貫通する。孔131は、例えば複数形成される。孔131は、例えば、2つ形成される。2つの孔131は、外郭体110の周方向に180度離間しており、例えば第1の案内溝126及び第2の案内溝127に対して周方向に90度離れた位置に配置される。
このように構成された外郭体本体111は、例えば、複数の部材を組み合わせることにより構成される。外郭体本体111は、例えば、2つの外郭体構成部材132を固定することにより構成される。図2は、一方の外郭体構成部材132が取り外された状態を示す。図28及び図29は、一方の外郭体構成部材132を示す。図30は、他方の外郭体構成部材132の内面を示す。
図28乃至図30に示すように、2つの外郭体構成部材132のそれぞれは、外郭体本体111を、外郭体本体111の軸線を通り、外郭体本体111の軸方向、並びに外郭体本体111及び空気袋収納部150が並ぶ方向のそれぞれに平行な面で2分割した形状を有する。
例えば、一方の外郭体構成部材132は、複数のピン134を有する。他方の外郭体構成部材132は、複数のピン134が嵌合する複数孔135を有する。複数のピン134が複数の孔135に嵌合することで、2つの外郭体構成部材132が一体に固定される。
インナスリーブ140は、図2に示すように、気体流路L2のうち、気体用ニードル175から空気袋152までの部分となる気体流路構成部L5を構成する。インナスリーブ140は、具体的には、図32乃至図34に示すように、インナスリーブ本体141と、インナスリーブ本体141から空気袋収納部150側に延出する延出部142と、を有する。
インナスリーブ本体141は、円柱状に形成される。インナスリーブ本体141には、液体用ニードル固定部116を回転可能に配置する孔143が形成される。図34に示すように、インナスリーブ本体141の下面の、孔143と例えば径方向に並ぶ位置に、気体用ニードル175を固定可能な気体用ニードル固定部144が形成される。気体用ニードル固定部144は、気体用ニードル175が固定される孔である。気体用ニードル固定部144は、気体流路L2の気体流路構成部L5に連通する。
延出部142は、空気袋152に接続される。延出部142は、例えば、インナスリーブ本体141の外周面の上端部から径方向外側に突出する筒状に構成される。延出部142は、図2に示すように、外郭体本体111に形成される孔117aに配置されて孔117aに支持される支持部145と、空気袋収納部150内に配置されて空気袋152が固定される固定部146と、を有する。
支持部145は、孔117aの内径と略同径の円筒状に構成される。固定部146は、例えば、支持部145より大径の円筒状に構成される。固定部146の先端には、フランジ147が形成される。
固定部146は、例えば、空気袋収納部150の上下方向で中心を挟んで上側または下側に配置される。本実施形態では、一例として、固定部146は、空気袋収納部150の上下方向で中心を挟んで上側に配置される。
さらに、フランジ147の端面148は、図2及び図33に示すように、インナスリーブ140が外郭体110に取り付けられた状態で、上下方向及び固定部146の軸方向のそれぞれに傾斜する平面に構成される。
この傾斜する平面とは、固定部146が空気袋収納部150の上下方向で中心より上方に配置される構成の場合は、端面148の下端148aが上端148bよりも支持部145側に位置する平面である。換言すると、上端148bが、下端148aよりも、空気袋収納部150の中心線側に位置する。ここで、中心線は、空気袋収納部150の中心を通り上下方向に平行な線である。
また、傾斜する平面とは、固定部146が空気袋収納部150の上下方向で中心より下方に配置される構成の場合は、端面148の上端148bが下端148aよりも支持部145側に位置する平面である。換言すると、下端148aが、上端148bよりも空気袋収納150の中心線側に位置する。
フランジ147の厚みは、上端148bから上下方向に中心までは、漸次厚くなり、上下方向の中心から下端148aまでは、漸次薄くなる。このような形状を有するインナスリーブ140は、フランジ147の中心位置に、上型及び下型の境界となる割線を配置することで、射出成型により、製造可能となる。
なお、端面148は、固定部146が空気袋収納部150上下方向で中心よりも下方に位置する構成の場合は、下端148aが上端148bよりも空気袋収納部150の中心線側に位置する平面に構成されてもよい。
空気袋収納部150は、図2に示すように、外郭体本体111に対して、外郭体本体111の軸方向に直交する方向に離間して配置される。空気袋収納部150は、本実施形態では、2つの第1の案内溝126が並ぶ方向に、外郭体本体111に並んで配置される。空気袋収納部150は、内部に空気袋152を収納可能な空間部を有する箱状に形成される。
また、空気袋収納部150は、例えば、外観が円柱状に形成されており、その軸線が、外郭体本体111の軸線と平行に配置される。また、空気袋収納部150の上端壁部は、上方に突出するドーム状に構成され、空気袋収納部150の内部空間の上面150aも、上方に突出するドーム状に構成される。上面150aは、上端が空気袋収納部150の軸線上に位置する上方に突出する形状であって、例えば椀状に構成される。空気袋収納部150の下端壁部は、下方に突出するドーム状に構成され、空気袋収納部150の内部空間の底面150bも、下方に突出するドーム状に構成される。底面150bは、下端が空気袋収納部150の軸線上に位置する下方に突出する形状であって、例えば椀状に構成される。
空気袋収納部150は、連結部151により外郭体本体111に固定される。また、空気袋収納部150は、透明又は半透明の樹脂材料を用いる、または、空気袋収納部150の壁面の一部に開口部や透明の窓部を設けることで、空気袋152の形状が見えるようにしてもよい。
このように構成された空気袋収納部150及び連結部151は、例えば、複数の部材を組み合わせることにより構成できる。空気袋収納部150は、例えば、2つの構成部材を固定することにより構成される。本実施形態では、図3及び図6に示すように、空気袋収納部150を構成する一方の構成部材は、一方の外郭体構成部材132に、連結部151の一部とともに一体に形成される。空気袋収納部150を構成する他方の構成部材は、他方の外郭体構成部材132に、連結部151の他部とともに一体に形成される。換言すると、2つの外郭体構成部材132を固定することで、外郭体本体111、空気袋収納部150、及び連結部151が構成される。
係合部材160は、図1、図3、及び図27に示すように、例えば一部が孔131内に配置される。係合部材160は、外郭体本体111内に容器接続具20を挿入し、液体流路L1及び気体流路L2が形成された状態で、シールキャップ70の被係合部78に係合する。そして、係合部材160は、操作されることで被係合部78との係合を解除可能に構成される。さらに、係合部材160は、被係合部78との係合をロック可能に構成される。このような係合部材160及び被係合部78は、互いの係合をロックするロック機構160aを構成する。係合部材160は、例えば複数、具体例として2つ設けられる。2つの係合部材160は、外郭体本体111の軸心回りに180度離間して配置される。
係合部材160は、外郭体本体111の軸方向に長い部材である。係合部材160は、シールキャップ70の被係合部78に係合する係合部161と、係合部161及び被係合部78の係合を解除する際に作業者が操作する操作部165と、変形することで、係合部161を被係合部78との係合を解除する方向に移動させる変形部166と、係合部161の姿勢を調整する姿勢調整部167と、操作部165に入力された操作力を、変形部166を変形させる力に変更する支点部168と、係合部材160を外郭体本体111に固定する固定部169と、を有する。
係合部161は、容器接続具20内に器具接続具100が挿入されて液体流路L1及び気体流路L2が形成された状態であるときに、シールキャップ70の被係合部78と係合する。
係合部161は、具体的には、外郭体本体111の径方向で内側に向かって突出する突部に構成される。係合部161の上面162は、被係合部78の下面に上下方向に当接することで、容器接続具20を、胴部117の軸方向、換言すると器具接続具100から容器接続具20を引き抜く方向である下方に引っ張ったときの荷重を、被係合部78から受ける。上面162は、例えば、上下方向に直交する平面に構成される。
係合部161の下面164は、器具接続具100内に容器接続具20を挿入する際にシールキャップ70が当接する。下面164は、シールキャップ70の移動を案内する案内面に形成される。下面164は、具体的には、上方に向かって外郭体本体111の内側に漸次延びる、例えば曲面に構成される。
操作部165は、係合部材160の上部に構成される。操作部165は、作業者により、外郭体本体111の胴部117の径方向で内側に向かって押圧可能に構成される。操作部165は、器具接続具100内に容器接続具20が挿入されて液体流路L1及び気体流路L2が形成された状態において、胴部117の径方向で、胴部117内に配置された容器接続具20との間に、隙間S2を有する。
隙間S2は、操作部165が外郭体本体111の内側に向かって押圧されたときの、操作部165の移動代となる。操作部165は、具体的には、外郭体本体111から径方向に離れる方向に傾斜した形状に構成される。
変形部166は、係合部161及び固定部169の間に設けられる。変形部166は、例えば係合部161と胴部117の軸方向に連続して設けられる。変形部166は、係合部161に対して、当該係合部161を外郭体本体111から外側に出す方向の力が作用すると、屈曲することにより、係合部161を、外郭体本体111の外側に移動させる。変形部166は、係合部161を、被係合部78との係合を解除可能となる上下方向に被係合部78と対向しない位置まで、屈曲可能に構成される。
変形部166は、具体的には、上下方向に直線状に延びる形状に構成される。変形部166は、例えば、固定部169及び係合部161と比較して厚みが薄い。
姿勢調整部167は、係合部161及び操作部165間に設けられる。姿勢調整部167は、例えば、係合部161と胴部117の軸方向で連続して設けられる。換言すると、姿勢調整部167は、係合部161と、後述する支点部168との間に形成される。姿勢調整部167は、係合部161に対して、当該係合部161を外郭体本体111から外側に出す方向の力が作用し、変形部166が屈曲することで係合部161が外郭体本体111から移動するときに、屈曲することで係合部161を上面162が上下方向に直交する平面に保持可能に構成される。姿勢調整部167は、例えば、係合部161及び操作部165に比較して厚みが薄い。
支点部168は、操作部165及び姿勢調整部167の間に設けられる。換言すると、支点部168は、操作部165と胴部117の軸方向に連続して形成される。支点部168は、操作部165が外郭体本体111の内側へ向かって押圧された状態において、器具接続具100の一部に接触することで、梃子の作用により、支点部168よりも係合部161側の部分に対して、係合部161を外郭体本体111の外側に出す方向の回転モーメントを生じさせる。
支点部168は、例えば、ストッパスリーブ230と接触する。また、支点部168は、例えば、操作部165が外郭体本体111の内側に向かって押圧されていない状態においてもストッパスリーブ230に当接する。
固定部169は、係合部材160の下端部に設けられ、係合部材160を外郭体本体111に固定する。換言すると、2つの係合部材160の固定部169は、外郭体本体111の周方向に、外郭体本体111を介して連結される。
このように構成される係合部材160の変形部166及び姿勢調整部167は、通常の使用時に想定される、容器接続具20を器具接続具100から引き抜く方向の力に対しては、座屈変形をしない強度を有する。
空気袋152は、図2に示すように、空気袋収納部150内に収納される。空気袋152は、内部への空気の出し入れに伴い容易に変形可能な薄膜の樹脂材料から形成される。空気袋152の変形により容器1内の圧力を調整することができる。空気袋152は、シリンジ7のバレル8の容積以上の容積を有する。
空気袋152は、インナスリーブ140の延出部142のフランジ147の端面148に固定される。空気袋152は、端面148に、例えば接着により固定される。空気袋152は、延出部142を介して、外郭体本体111内と連通する。なお、空気袋152は、未使用の状態では、折りたたまれた状態で空気袋収納部150内に収納される。図2は、折りたたまれた状態の空気袋152が示される。
インナスリーブ140の気体用ニードル固定部144の端面148が上下方向に傾斜し、かつ上端148bが下端148aよりも空気袋収納部150の中心側に位置する平面に構成されることから、折りたたまれた状態の空気袋152の上端は、折りたたまれた状態の空気袋152の下端に比較して、空気袋収納部150の中心側に位置する。この為、折りたたまれた状態の空気袋152の上端、及び、空気袋収納部150の内部空間の上面150aの間には、十分な空間が設けられる。
この為、折りたたまれた状態の空気袋152の上端は、空気袋収納部150の内部空間の上面に当接しない。換言すると、インナスリーブ140の端面148は、折りたたまれた状態の空気袋152の上端を、空気袋収納部150の内部空間の上面に当接しない位置、すなわち、上面の外周縁より中心側の位置に配置可能な面に構成される。
液体用ニードル170は、図2に示すように、筒状に形成される。液体用ニードル170の上端部が液体用ニードル固定部116内に収納されており、液体用ニードル固定部116に固定される。液体用ニードル170は、液体流路L1の一部を構成する。
液体用ニードル170は、本実施形態では、下端部171が閉塞された円筒状に形成される。下端部171は、鋭頭に形成される。液体用ニードル170の外周面173の下端部には、液体用ニードル170の内部と外部とを連通する孔172が形成される。
孔172は、液体用ニードル170の先端側の開口の一例である。孔172は、例えば、外周面173の下端部の周面に配置されてもよい。または、孔172は、液体用ニードル170の下端部、すなわち鋭頭に形成された部分に形成されてもよい。要するに、孔172は、液体用ニードル170の先端側に配置されればよい。
気体用ニードル175は、気体を流動可能に構成される。気体用ニードル175は、例えば液体用ニードル170と同様の構成を有する。気体用ニードル175において液体用ニードル170と同様の機能を有する構成は、液体用ニードル170と同一の符号を付して説明を省略する。気体用ニードル175は、その端部がインナスリーブ140の気体用ニードル固定部144に固定される。
気体用ニードル175の孔172の上下方向の位置は、液体用ニードル170の孔172の上下方向の位置と同じ位置に配置される。また、本実施形態では、気体用ニードル175の下端の上下方向の位置は、液体用ニードル170の下端の上下方向の位置と同じ位置に配置される。この為、後述するように、気体用ニードル175は、ヘッドスリーブ180の外郭体110内の移動に伴って、ニードルシール200を、液体用ニードル170と同じタイミングで貫通する。さらに、気体用ニードル175の孔172は、液体用ニードル170と同じタイミングで、容器シール90内に侵入する。
液体用ニードル170及び気体用ニードル175は、ヘッドスリーブ180が外郭体本体111内での移動範囲の下端に配置された状態では、液体用ニードル170及び気体用ニードル175のそれぞれの下端がニードルシール200内に配置される長さを有する。すなわち、液体用ニードル170及び気体用ニードル175のそれぞれの孔172がニードルシール200内に配置されることで、これら孔172がニードルシール200によりシールされる長さを有する。
図1、図2、及び図3に示すように、ヘッドスリーブ180は、外郭体本体111内を移動可能な筒形状に形成される。図35乃至図40に示すように、ヘッドスリーブ180は、ヘッドスリーブ本体181と、第2の案内用突起182と、を有する。ヘッドスリーブ本体181は、例えば、胴部117の内周面に移動可能に嵌合する円筒状に形成される。
ヘッドスリーブ本体181は、インナスリーブ140の内周面に移動可能に嵌合する円筒状に構成される。ヘッドスリーブ本体181の外周面183の下端部には、ストッパスリーブ230の後述する第1の腕部231の一部を収納可能な第1の腕部収納凹部185と、ストッパスリーブ230の後述する第2の腕部232の一部を収納可能な第2の腕部収納凹部186と、が形成される。
第1の腕部収納凹部185は、外周面183の一部を径方向内側に窪ませた形状に構成される。第1の腕部収納凹部185は、その径方向の深さが、下端から上端に向かうにつれて漸次増大する形状に構成される。第1の腕部収納凹部185は、例えば、複数形成される。第1の腕部収納凹部185は、本実施形態では、2つ形成される。2つの第1の腕部収納凹部185は、ヘッドスリーブ本体181の周方向に180度離れて配置される。
第2の腕部収納凹部186は、外周面183の一部を径方向内側に窪ませた形状に構成される。第2の腕部収納凹部186は、その径方向の深さが、下端から上端に向かうにつれて漸次深くなる形状に形成される。第2の腕部収納凹部186は、例えば、複数形成される。第2の腕部収納凹部186は、本実施形態では、2つ形成される。2つの第2の腕部収納凹部186は、第1の腕部収納凹部185に対してヘッドスリーブ本体181の周方向に90度離れた位置に、それぞれ配置される。
また、外周面183の下端部には、ストッパスリーブ230の後述する固定用突起236を収納する固定用突起収納凹部187が形成される。固定用突起収納凹部187は、外周面183の一部を径方向内側に窪ませた形状に構成される。
固定用突起収納凹部187は、ヘッドスリーブ本体181の下端に開口し、ストッパスリーブ230をヘッドスリーブ180に固定する際に固定用突起236が通る入口部188と、ヘッドスリーブ本体181の周方向に延び、入口部188を通して侵入した固定用突起236を保持する保持部189と、を有する。保持部189は、入口部188と連通し、入口部188よりも上方に形成される。保持部189は、ヘッドスリーブ本体181の周方向に入口部よりも長い形状に形成される。
このように形成された固定用突起収納凹部187は、例えば複数形成される。固定用突起収納凹部187は、本実施形態では、4つ形成される。4つの固定用突起収納凹部187は、ヘッドスリーブ本体181の周方向に等間隔離間して配置されており、それぞれ、第1の腕部収納凹部185または第2の腕部収納凹部186に連通する。
第2の案内用突起182は、外周面183の軸方向中途部に形成される。第2の案内用突起182は、胴部117の第2の案内溝127に収納される。また、第2の案内用突起182は、第2の案内溝127内を移動可能に形成される。
第2の案内用突起182は、例えば、複数形成される。第2の案内用突起182は、本実施形態では、2つ形成される。2つの第2の案内用突起182は、それぞれ、第1の腕部収納凹部185に対してヘッドスリーブ180の周方向に45度離れた位置に配置される。第2の案内用突起182は、例えば、矩形の直方体状に形成される。また、2つの第2の案内用突起182の、ヘッドスリーブ本体181の下端からの高さ位置は、異なる。具体的には、一方の第2の案内用突起182は、ヘッドスリーブ本体181の上端側に配置され、他方の第2の案内用突起182は、ヘッドスリーブ本体の下端側に配置される。
ヘッドスリーブ本体181の内周面190には、図38乃至図40に示すように、仕切り部191が形成される。仕切り部191は、ヘッドスリーブ本体181の内部空間を、上下方向に2分する。仕切り部191は、内周面190の軸方向の中途部に形成される。仕切り部191は、内周面190から内側に突出する壁状に構成される。仕切り部191には、ニードルシール200の一部を配置する孔192が形成される。孔192は、例えば長円状に構成される。
仕切り部191の上面193には、液体用ニードル170及び気体用ニードル175のニードルシール200に対する移動をガイドするガイド194が設けられる。ガイド194は、ガイド本体195と、ガイド本体195を上面193に支持する支持部196と、を有する。
ガイド本体195は、例えば直方体状に構成され、液体用ニードル固定部116に固定された液体用ニードル170の一部を配置する孔197と、気体用ニードル固定部144に固定された気体用ニードル175の一部を配置する孔198と、を有する。孔197、198は、ガイド本体195を貫通する。
孔197は、ヘッドスリーブ180に対して液体用ニードル170が相対的に移動可能な孔に形成される。孔197の内径は、具体的には、液体用ニードル170の外径より、液体用ニードル170が移動可能となる程度大きな径に設定される。また、孔197の上端部は、上端に向かって拡径する孔に形成される。
孔198は、ヘッドスリーブ180に対して気体用ニードル175が相対的に移動可能な孔に形成される。孔198の内径は、具体的には、気体用ニードル175の外径より、気体用ニードル175が移動可能となる程度大きな径に設定される。また、孔198の上端部は、上端に向かって拡径する孔に形成される。
支持部196は、図38に示すように、孔192を挟んで両側のそれぞれに形成される。支持部196は、軸方向に延びる柱状に構成される。支持部196は、ガイド本体195に固定される。支持部196は、ガイド本体195を、上面193との間に隙間を有し、かつ、孔197、198が、軸方向に仕切り部191の孔192と軸方向に対向する位置に固定する。
ニードルシール200は、図27に示すように、孔192に固定される。ニードルシール200は、ゴムやエラストマー等の樹脂から形成されており、液体用ニードル170及び気体用ニードル175により形成された孔を、液体用ニードル170及び気体用ニードル175が移動した後に、復元力により液密にかつ気密にシール可能に形成される。
ニードルシール200は、具体的には、孔192の、仕切り部191を挟んでガイド本体195側の一方に配置される第1の部分201と、孔192内に配置される第2の部分202と、仕切り部191を挟んで他方に配置される第3の部分203と、を有する。
第1の部分201は、ガイド本体195の下面と、2つの支持部196と、に当接する、例えば長円の柱状に構成される。第1の部分201の上面には、器具接続具100の組み立て作業時に、液体用ニードル170及び気体用ニードル175のそれぞれを差し込む目標となる、例えば窪みが形成される。第1の部分201は、軸方向に直交する断面が第2の部分202の軸方向に直交する断面より大きい形状に構成される。
第2の部分202は、孔192に嵌合する長円の柱状に構成される。
第3の部分203は、例えば、円柱状に構成される。第3の部分203は、軸方向に直交する断面が第2の部分202の軸方向に直交する断面より大きい形状に構成される。第3の部分203の下端面204は、容器シール90の上端面95が当接することで、上端面95との間をシールする面に構成される。
ストッパスリーブ230は、図3に示すように、ヘッドスリーブ180の外周面に固定される。ストッパスリーブ230は、ヘッドスリーブ180の、外郭体110に対する移動を選択的に規制し、かつ、ヘッドスリーブ180をシールキャップ70に選択的に固定可能に形成される。
図41乃至図43に示すように、ストッパスリーブ230は、具体的には、胴部117のロック用突起128に係合可能に形成された第1の腕部231と、シールキャップ70のロック用凹部77に係合可能な第2の腕部232と、第1の腕部231と第2の腕部232とを連結する連結部233と、を有する。
第1の腕部231は、図48及び図49に示すように、ヘッドスリーブ180が外郭体110内の下端部に位置する状態でロック用突起128に係合可能に形成される。第1の腕部231は、ロック用突起128に係合することにより、ヘッドスリーブ180が外郭体110内を上方に移動することを防止する。
第1の腕部231は、具体的には、図41、図48、及び図49に示すように、ヘッドスリーブ180の外周面に固定された状態において、ヘッドスリーブ180の軸方向に長い板状に形成される。第1の腕部231の、ヘッドスリーブ180に対向する面235の中央部には、固定用突起236が形成される。第1の腕部231の上端面は、ロック用突起128に下方から上方に向かって当接可能に形成される。上端面は、例えば、平面に形成される。
第1の腕部231の面235の下端部には、第1の腕部用突起237が形成される。第1の腕部用突起237は、下端面238がシールキャップ70のシールキャップ用中径部72の外周面の円錐面に形成された上端部72aに当接可能に形成される。下端面238は、ストッパスリーブ230がヘッドスリーブ180に固定された状態において、ヘッドスリーブ180の軸線に対して傾斜する傾斜面に形成される。
また、第1の腕部用突起237は、下端面238がシールキャップ用中径部72の外周面の円錐面に形成された上端部72aに当接することにより、第1の腕部231を、その上端面がヘッドスリーブ180側に移動するよう回転させて、第1の腕部231とロック用突起128との係合を解除可能に形成される。第1の腕部用突起237は、例えば複数形成される。第1の腕部用突起237は、本実施形態では、2つ形成される。また、第1の腕部231は、例えば複数形成される。第1の腕部231は、本実施形態では、2つ形成される。
第2の腕部232は、図41、図50及び図51に示すように、シールキャップ70に係合することにより、シールキャップ用小径部73がヘッドスリーブ180内に嵌合され、容器シール90の上端面95がニードルシール200の第3の部分203の下端面204に密着した状態を維持可能に形成される。
第2の腕部232は、具体的には、図41に示すように、ヘッドスリーブ180の外周面に固定された状態においてヘッドスリーブ180の軸方向に長い板状に形成される。第2の腕部232のヘッドスリーブ180側の面239の下端部には、シールキャップ70のロック用凹部77に係合可能な第2の腕部用突起240が形成される。
第2の腕部用突起240の上面241がシールキャップ70のロック用凹部77に係合可能に形成される。第2の腕部用突起240の下端面242は、ストッパスリーブ230がヘッドスリーブ180に固定された状態において、ヘッドスリーブ180の軸線に対して傾斜する傾斜面に形成される。
面239の中央部には、固定用突起236が形成される。第2の腕部232のヘッドスリーブ180と反対側の面243は、胴部117のロック解除用突起129に当接可能に形成される。
第2の腕部232は、具体的には、面243の周方向の中央部が外側に突出する断面略台形状に形成される。面243の周方向の中央部243aが、ロック解除用突起129に当接可能に形成される。中央部243aは、ロック解除用突起129に当接することにより、第2の腕部232を、第2の腕部用突起240がヘッドスリーブ180から離れるよう回転して第2の腕部用突起240をロック用凹部77の外部に移動し、第2の腕部用突起240とロック用凹部77との係合を解除可能に形成される。また、第2の腕部232は、例えば複数形成される。第2の腕部232は、本実施形態では、2つ形成される。
このように形成された第2の腕部232は、図48に示すようにヘッドスリーブ180が外郭体本体111内の下方に配置されて第1の腕部231がロック用突起128に係合する状態では、図50に示すように、ロック解除用突起129の胴部117の軸方向に中途部(胴部117の径方向内側に最も突出する部分)が面243の中央部243aの上部に当接することにより、第2の腕部用突起240がシールキャップ70のロック用凹部77との係合が解除される位置まで回転される。
さらに、ストッパスリーブ230が上方に移動することによって第2の腕部232がロック解除用突起129に対して上方に移動することにより、ロック解除用突起129の最も突出する部分となる中途部が、第2の腕部232の面243の中央部243aの下端部に当接する。
第2の腕部232は、その下端部にロック解除用突起129が当接すること、及び、連結部233の復元力により、第2の腕部用突起240がシールキャップ70のロック用凹部77に係合する位置まで回転可能に形成される。
連結部233は、第1の腕部231と第2の腕部232とを連結する。図1及び図3に示すように、連結部233は、係合部材160の支点部168が当接する。連結部233は、可撓性を有しており、捩じれることにより、第1の腕部231を回転可能に、かつ、第2の腕部232を回転可能に形成される。連結部233は、第1の腕部231に対して外力が加わっていない状態では、第1の腕部231を、ロック用突起128に係合可能な位置に配置する。連結部233は、第2の腕部232に外力が加わっていない状態では、第2の腕部232を、シールキャップ70のロック用凹部77に係合可能な位置に配置する。
このように構成されたストッパスリーブ230は、第1の腕部231と第2の腕部232とを周方向に交互に配置した環状に形成される。第1の腕部231と第2の腕部232とは、周方向に離間して配置される。
このように構成されたストッパスリーブ230は、固定用突起236を、ヘッドスリーブ本体181の固定用突起収納凹部187の入口部188からヘッドスリーブ本体181の軸方向に挿入して保持部189内に侵入させた後、周方向に所定角度回転される。この回転により、固定用突起236は、入口部188と並ばない位置に配置される為、入口部188から抜けることがなくなる。この為、ストッパスリーブ230がヘッドスリーブ180に固定される。
また、上述のように、固定用突起236が保持部189内に収納された状態では、第1の腕部231は、第1の腕部収納凹部185に対向し、第2の腕部232は、第2の腕部収納凹部186に対向する。
第1の腕部231が第1の腕部収納凹部185に対向することにより、第1の腕部231は、回転する際にその上部の一部が第1の腕部収納凹部185内に収納される。すなわち、第1の腕部収納凹部185が、第1の腕部231が回転する際の移動代の一部となるので、第1の腕部231は、その上端とロック用突起128との係合が解除される位置まで、回転可能となる。第2の腕部232が第2の腕部収納凹部186に対向することにより、第2の腕部232は、回転する際にその上部の一部が第2の腕部収納凹部186内に収納される。すなわち、第2の腕部収納凹部186が、第2の腕部232が回転する際の移動代の一部となるので、第2の腕部232は、第2の腕部用突起240がロック用凹部77との係合が解除される位置まで、回転可能となる。
付勢部材250は、図2に示すように、外郭体本体111内に収納され、ヘッドスリーブ180を、下方に付勢可能に構成される。付勢部材250は、具体的には、ヘッドスリーブ180内の仕切り部191より上方に収納される。付勢部材250は、例えばコイルばねである。付勢部材250の一端は、インナスリーブ140に当接する。付勢部材250の他端は、仕切り部191に当接する。付勢部材250は、ヘッドスリーブ180が、外郭体本体111の移動範囲の最下端に位置状態において圧縮され状態となる構成を有する。
また、外郭体本体111の胴部117には、付勢部118が形成される。付勢部118は、シールキャップ70のロック用凹部77に係合するストッパスリーブ230の第2の腕部232を、ロック用凹部77との係合方向に押圧可能に構成される。すなわち、付勢部118は、第2の腕部232を付勢することにより、第2の腕部232とロック用凹部77との係合を強固にすることが可能に構成される。
付勢部118は、具体的には、胴部117において、下端に配置された状態のストッパスリーブ230の第2の腕部232に対向する位置に形成された孔117aの縁部に設けられる。
次に、容器接続具20を容器1に接続する作業を説明する。
次に、容器接続具20を容器1に接続する動作の一例を、図11を用いて説明する。図12では、容器接続具20は、第2の仮想平面P2に沿って切断した状態を示す。また、図11では、容器接続具20は、基部41、ニードル部材60、及びシールキャップ70が省略される。
まず、作業者は、容器1を、図11に示すように、作業台9上に載置する。作業者は、容器1を作業台9上に載置すると、ニードル部材60のニードル部62の先端を容器1の栓6の上面の中心に当接する。作業者は、ニードル部62の先端を栓6の上面の中心に当接されると、容器接続具20を容器1側に移動させることで、ニードル部62を容器1内に押し込む。
容器接続具20は、ニードル部62が容器1内に所定量押し込まれると、2つの係合部43のそれぞれの案内面54が、容器1のフランジ5の外周部に接触する。案内面54がV字状に構成されることで、案内面54は、フランジ5に二カ所で当接する。この為、容器接続具20は、容器1に4点で当接する。
作業者は、2つの係合部43のそれぞれの案内面54を容器1のフランジ5に接触させると、容器接続具20を、さらに下方に押し込む。容器接続具20がさらに下方に押し込まれると、2つの係合部43は、容器1との接点Aから、円Xの軸線C3から離れる方向に、力を受ける。この力は、容器接続具20を下方に押し込むことにより容器1のフランジ5から受ける反作用のうち、円Xの軸線C3に直交する方向に作用する成分である。
2つの係合部43のそれぞれが、円Xの軸線C3から離れる方向に力を受けることにより、2つの腕部42がそれぞれ撓む。腕部42が撓むことにより、係合部43は、主に腕部42の折り返し部51を中心として、軸線C3から離れる方向に移動する。この移動によって2つの係合部43が広げられることにより、係合部43の円Xの軸線C3に対する姿勢が変化する。
なお、係合部43の姿勢が変化しても、4つの案内面54の接点Aでの接線Sの第1の仮想平面P1に対する傾斜角度αの、容器1に対して容器接続具20を押し込む作業を開始した時点からの増加量が小さい。この為、作業者は、容器接続具20を、略一定の力で押し込むことが可能となる。
容器接続具20が容器1に対して所定位置まで押し込まれると、2つの係合部43のそれぞれの当接部53が容器1のフランジ5の外周縁に接触する位置まで、2つの係合部43のそれぞれが押し広げられる。
容器接続具20がさらに下方に押し込まれると、2つの係合部43のそれぞれの当接部53が容器1のフランジ5の外周面に接触する。容器接続具20がさらに下方に押し込まれると、2つの係合部43のそれぞれの当接部53が、容器1のフランジ5の外周面を下方に移動する。
容器接続具20がさらに下方に押し込まれることで、2つの係合部43のそれぞれの当接部53が容器1の首部4に対向する位置まで移動されると、2つの係合部43のそれぞれが腕部42の復元力により首部4側に移動されて、当接部53が首部4に当接する。係合部43の軸線C3に直交する断面の形状が、V字状に構成されることで、当接部53は、2点で首部4に当接する。すなわち、首部4は、4点で支持される当接部53が首部4に当接することで、係合部43が首部4に係合される。
次に、器具接続具100と容器接続具20とを接続し、液体流路L1と気体流路L2とを形成する操作を、図48乃至図54を用いて説明する。なお、図48乃至図54では、第1の腕部231及び第2の腕部232以外の構成は、一部を省略し、または簡略して示す。
器具接続具100は、図48に示すように、容器接続具20に接続されていない状態では、ヘッドスリーブ180が外郭体110内の下端部に位置する。さらに、ストッパスリーブ230の第1の腕部231がロック用突起128に係合する。さらに、図50に示すように、ストッパスリーブ230の第2の腕部232は、胴部117のロック解除用突起129に当接しており、第2の腕部用突起240がシールキャップ70のロック用凹部77との係合が解除される位置まで回転される。第2の腕部232の一部は、ヘッドスリーブ180の第2の腕部収納凹部186内に収納される。
さらに、液体用ニードル170の孔172が形成された部分と、気体用ニードル175の孔172が形成された部分とは、ニードルシール200内に配置される。すなわち、液体用ニードル170の孔172と、気体用ニードル175の孔172とは、ニードルシール200によって密封され、気密かつ液密にシールされる。
次に、図49及び図50に示すように、シールキャップ70のシールキャップ用小径部73を、ヘッドスリーブ180内に挿入する。容器シール90の上端面95がニードルシール200の下端面204に密着するまでの間に、ストッパスリーブ230の第1の腕部231の第1の腕部用突起237の下端面238がシールキャップ用中径部72の外周面の円錐面に構成された上端部72aに当接する。曲面に形成された容器シール90の上端面95は、ニードルシール200の下端面204に押圧されることにより変形し、下端面204に密着する。
この状態からさらに器具接続具100を下げると、図49に示すように、第1の腕部用突起237が上端部72aに案内されて径方向外側に移動される。第1の腕部用突起237が径方向外側に移動されることに伴い、第1の腕部231が回転する。第1の腕部231は、容器シール90の上端面95とニードルシール200の下端面204とが密着する状態では、円錐面に構成された上端部72aに案内されて、ロック用突起128との係合が解除される位置まで回転する。このとき、第1の腕部231の一部は、ヘッドスリーブ180の第1の腕部収納凹部185に収納される。第1の腕部231とロック用突起128との係合が解除されることにより、ヘッドスリーブ180は、外郭体本体内111を上方に移動可能な状態となる。
このとき、第2の腕部232は、図50に示すように、容器シール90の上端面95がニードルシール200の下端面204に密着するまで器具接続具100が下げられると、第2の腕部用突起240がロック用凹部77に対向する。
器具接続具100をさらに下げると、容器接続具20とヘッドスリーブ180とが、一体に外郭体本体111内を上方に移動する。ヘッドスリーブ180が外郭体本体111内を上方に移動すると、液体用ニードル170及び気体用ニードル175がニードルシール200に対して下方に相対的に移動する。
器具接続具100をさらに下げると、容器接続具20とヘッドスリーブ180とが、外郭体本体内111内をさらに上方移動することにより、液体用ニードル170及び気体用ニードル175がニードルシール200を貫通し、容器シール90に突き刺さる。なお、液体用ニードル170と容器シール90との間は、容器シール90が液体用ニードル170に密着することにより、液密及び気密にシールされる。同様に、気体用ニードル175と容器シール90との間は、容器シール90が気体用ニードル175に密着することにより、シールされる。
液体用ニードル170及び気体用ニードル175がニードルシール200を貫通した状態では、ロック解除用突起129に対して第2の腕部232が上方に移動される。この、ロック解除用突起129に対する第2の腕部232の上方への移動の過程で、第2の腕部232の面243の中央部243aにおけるロック解除用突起129の外郭体本体111の径方向内側にもっとも突出する中途部の当接位置が、下方に移動する。この当接位置の下方への移動により、第2の腕部用突起240を外郭体本体111の径方向外側へ付勢する付勢力が小さくなる。
液体用ニードル170及び気体用ニードル175がニードルシール200を貫通した状態では、図51に示すように、第2の腕部232は、胴部117のロック解除用突起129に当接することによる径方向内側への付勢が解除されており、連結部233の弾性力(復元力)と第2の腕部用突起240が第2の腕部232の下端部に当接することとにより、回転されて、第2の腕部用突起240がロック用凹部77に係合する。すなわち、ストッパスリーブ230とシールキャップ70とは、液体用ニードル170がニードルシール200を貫通する前に、互いに固定される。
図51に示すように第2の腕部232の第2の腕部用突起240がロック用凹部77に係合する状態では、図52に示すように第1の腕部231の第1の腕部用突起237は、シールキャップ70のシールキャップ用中径部72の外周面に当接した状態が維持される。
器具接続具100をさらに下げると、図2に示すように液体用ニードル170及び気体用ニードル175が容器シール90を貫通して、液体用ニードル170の孔172が液体流路構成部L3に配置され、気体用ニードル175の孔172が気体流路構成部L4に配置される。
液体用ニードル170の孔172がL3内に配置されることによって、容器接続具20の液体流路構成部L3と液体用ニードル170とが連通する。液体流路構成部L3と液体用ニードル170とが連通することによって、液体流路L1が形成される。気体用ニードル175の孔172がL4内に配置されることによって、容器接続具20の気体流路構成部L4と気体用ニードル175とが連通する。気体流路構成部L4と気体用ニードル175とが連通することによって、気体流路L2が形成される。
器具接続具100をさらに下げると、図53及び図54に示すように、第1の案内用突起75が第1の案内溝126の上端に当接する。さらに、第2の案内用突起182が第2の案内溝127の上端に当接する。これらの当接により、ヘッドスリーブ180と容器接続具20との外郭体本体111での移動が規制される。すなわち、器具接続具100が所謂底づきとなる状態まで下げられたこととなる。
作業者は、器具接続具100が底づきまで下げられたことにより、液体流路L1と気体流路L2とが形成されたことを認識する。作業者は、器具接続具100が底づきまで下げられると、シリンジ7を操作することにより、容器1から薬液を採取する。液は、液体流路L1を通って容器1からシリンジ7に移動される。
次に、器具接続具100から容器接続具20を分離する作業を説明する。作業者は、器具接続具100から容器接続具20を分離する際には、係合部材160の操作部165を、係合部161とシールキャップ70の被係合部78との係合が解除される位置まで、径方向内側に向かって押圧する。
次に、作業者は、器具接続具100を引き上げる。ヘッドスリーブ180は、ストッパスリーブ230の第2の腕部232によりシールキャップ70に固定される。この為、器具接続具100が引き上げられると、ヘッドスリーブ180とニードルシール200とに対して、外郭体110と液体用ニードル170と気体用ニードル175とが上方に移動することとなる。
ヘッドスリーブ180とニードルシール200とに対して、外郭体110と液体用ニードル170と気体用ニードル175とが上方に移動することにより、液体用ニードル170と気体用ニードル175とが、容器シール90内を上方に向かって移動する。器具接続具100が所定距離引き上げられると、液体用ニードル170と気体用ニードル175とが容器シール90から引き抜かれる。容器シール90は復元力により、液体用ニードル170と気体用ニードル175により形成された孔を液密及び気密にシールする。さらに、液体用ニードル170の孔172は、ニードルシール200によりシールされる。気体用ニードル175の孔172は、ニードルシール200によりシールされる。
また、液体用ニードル170及び気体用ニードル175が容器シール90から引き抜かれた後、器具接続具100をさらに所定距離引き上げると、胴部117のロック解除用突起129によって第2の腕部232が回転されることにより、第2の腕部232の第2の腕部用突起240がロック用凹部77から径方向外側に移動し、第2の腕部用突起240とロック用凹部77との係合が解除される。すなわち、ストッパスリーブ230とシールキャップ70との固定が解除される。
この状態では、液体用ニードル170の孔172が形成される部分と、気体用ニードル175の孔172が形成される部分とは、ニードルシール200内に収納されており、両孔172がニードルシール200により密封される。ニードルシール200は、液体用ニードル170及び気体用ニードル175により形成された孔を、復元力により液密及び気密にシールする。
なお、液体用ニードル170の孔172と気体用ニードル175の孔172とは、同じタイミングで容器シール90から出て、同じタイミングでニードルシール200内に収納される。
このように、液体流路L1が分断され、液体流路L1のうち器具接続具100内に形成される部分となる液体用ニードル170がシールされ、液体流路L1のうち容器接続具20内に形成される部分となる液体流路構成部L3がシールされる。
同様に、気体流路L2が分断され、気体流路L2のうち器具接続具100内に形成される部分となる気体用ニードル175がシールされ、気体流路L2のうち容器接続具20内に形成される部分となる気体流路構成部L4がシールされる。
シールキャップ70とヘッドスリーブ180との固定が解除された後、器具接続具100をさらに引き上げると、ストッパスリーブ230の第1の腕部231に対してシールキャップ70が下方に移動する。第1の腕部231に対してシールキャップ70が下方に移動することにより、シールキャップ70の外周面による第1の腕部231に対する付勢が解除される。
第1の腕部231は、シールキャップ70の外周面からの付勢が解除されると、連結部233の弾性力(復元力)により回転する。第1の腕部231は、回転することにより、その上端がロック用突起128の下方に配置される。すなわち、第1の腕部231がロック用突起128と係合可能な状態となる。
第1の腕部231がロック用突起128に係合可能な状態となることにより、ヘッドスリーブ180は、液体流路L1のうち器具接続具100内に形成された部分である液体用ニードル170がシールされ、すなわち孔172がニードルシール200によりシールされ、かつ、気体流路L2のうち器具接続具100内に形成される部分である気体用ニードル175がシールされ、すなわち孔172がニードルシール200によりシールされた状態から、移動することが防止される。
次に、器具接続具100及び容器接続具20の接続作業時の係合部材160の動作を、図44乃至図46を用いて説明する。
図44に示すように、容器接続具20が器具接続具100に挿入されていない状態から、図45に示すように、容器接続具20を器具接続具100内に挿入すると、シールキャップ70の被係合部78が係合部161の下面164に接触する。
容器接続具20が器具接続具100内にさらに挿入されると、シールキャップ70が下面164を移動する。さらに、容器接続具20が器具接続具100内に挿入されると、図46に示すように、係合部161が、被係合部78を乗り越える。係合部161が被係合部78を乗り越えることで、係合部161の上面162が被係合部78の下面79に上下方向に対向し、上面162が下面79に接触することで、係合部材160が被係合部78に係合する。係合部161が被係合部78に係合する状態では、支点部168が、ストッパスリーブ230の連結部233に当接する。係合部材160が被係合部78に係合することで、容器接続具20が器具接続具100に接続された状態が固定される。
次に、容器接続具20を器具接続具100から分離する際の係合部材160の動作を、図47を用いて説明する。
作業者は、操作部165を、外郭体本体111の内側に向かって押圧する。操作部165が外郭体本体111の内側に向かって押圧されることで、係合部材160の支点部168より下方の部分に、係合部161を、外郭体本体111から出す方向に作用するモーメントが生じる。
図47に示すように、このモーメントにより、変形部166が屈曲することで、係合部161が、被係合部78との係合を解除する位置まで移動される。また、このモーメントにより、姿勢調整部167が屈曲することで、係合部161の上面162が上下方向に直交する姿勢を保持したまま、係合部161が、被係合部78との係合が解除される位置まで移動される。係合部161が、被係合部78と上下方向に対向しない位置まで移動されると、係合部161及び被係合部78の係合が解除される。
このように構成された器具接続具100の係合部材160は、操作部165が、係合部161を挟んで固定部169と反対側に配置される構成を有する。この為、容器接続具20を器具接続具100から引き抜こうとすると、係合部161が被係合部78により押圧されることで、固定部169を中心とする、係合部材160を外郭体本体111の内側に倒す方向に作用する回転モーメントが生じる。
この回転モーメントは、係合部161を、被係合部78との係合を解除する為の移動方向に対して反対方向に付勢する。この為、容器接続具20を、器具接続具100から引き抜く方向に付勢しても、係合部161及び被係合部78の係合が解除されない。さらに、係合部材160は、係合部161及び操作部165の間に容器接続具20に当接する支点部168を有し、かつ、固定部169及び係合部161の間に変形部166を有する構成である為、操作部165を、外郭体本体111の内側に押圧する操作により動作する構成にできる。この為、作業者は、操作部165を操作する際に、操作部165を押し込むだけでよい。この為、操作部165の操作性を向上できる。
このように、係合部材160によれば、操作性を向上しつつ、引っ張りによるロック解除を防止できる。
さらに、係合部材160は、姿勢調整部167を有する構成であるので、係合部161及び被係合部78の係合を解除する際に、係合部161の上面162が傾かない。この為、係合部161を、被係合部78に対してスムーズに移動できる。結果、係合部161及び被係合部78の係合を解除する操作部165に対する操作力を、小さくできる。
さらに、ヘッドスリーブ180がガイド194を有することで、器具接続具100の組み立ての、液体用ニードル170及び気体用ニードル175をニードルシール200に差し込む作業時に、ニードルシール200に対するニードル170、175の差し込み方向と、ニードル170、175の軸方向がずれるなどの、ニードル170、175が傾くことを防止できる。結果、ニードルシール200と、ニードル170、175の間に隙間が生じることを防止できるので、ニードルシール200、及びニードル170、175の間のシール性が低下することを防止できる。
さらに、第1の嵌合部96の外径が液体流路構成部L3の開口の内径より大きい径に設定され、第2の嵌合部97の外径が気体流路構成部L4の開口の内径より大きい径に設定される。この為、第1の嵌合部96及び第2の嵌合部97は、液体流路構成部L3の開口及び気体流路構成部L4の開口に配置された状態において、径方向内側に圧縮される。結果、ニードル170、175の表面に生じる、第1の嵌合部96及び第2の嵌合部97からの圧力が大きくなる。この為、ニードル170、175が容器シール90から引き抜かれるときに、ニードル170、175の表面に付着した薬液を第1の嵌合部96及び第2の嵌合部97によりぬぐうことで、薬液が容器シール90の外に出ることを防止できる。
さらに、インナスリーブ140のフランジ147の端面148は、当該端面148の上端148bが下端148aに対して空気袋収納部150の中心側に配置される傾斜面に構成される。この為、空気袋152の上端と、空気袋収納部150の内部の上面150aとの間の隙間を広く確保できる。結果、空気袋152が膨らむ際に、空気袋収納部150の内部の上面と接触することを防止できるので、空気袋152がフランジ147の端面148からはがれることを防止できる。
さらに、空気袋収納部150の内部空間の上面が、上方に突出するドーム状に構成されることで、折りたたまれた状態の空気袋152の上端と、空気袋収納部150の内部空間の上面と、の間の隙間を大きくできる。
なお、固定部146が空気袋収納部150の上下方向で中心より下方に配置される構成の場合、端面148は、当該端面148の下端148aが上端148bに対して空気袋収納部150の中心線側に配置される。この構成の場合、空気袋152の下端と、空気袋収納部150の内部空間の底面150bとの間の隙間を広く確保できる。結果、空気袋152が膨らむ際に、空気袋収納部150の内部空間の底面150bと接触することを防止できるので、空気袋152がフランジ147の端面148から剥がれることを防止できる。
さらに、容器接続具20の係合部43の案内面54は、図6に示すように、下方から見た状態において、扇状となる形状に、換言すると、案内面54の他端縁56が、想定される最大径のフランジ5が当接する形状に構成される。この為、容器接続具20が固定可能な容器1のフランジ5の外径の最大値を大きくしつつ、係合部43の大型化を抑制できる。
この効果について具体的に説明する。
案内面54の他端縁56が、想定される最大径のフランジ5が当接する形状に構成されることから、案内面54の当接部53から下端までの、軸線C3に沿う長さが長くなることを防止できる。換言すると、案内面54の下端の軸線C3の周方向の長さを長くすることで、接続可能な容器1のフランジ5の径の最大値を大きくできる。
さらに、案内面54の当接部53側の一端換言すると上端の軸線C3回りに沿う長さが、案内面54の下端の軸線C3回りに沿う長さに比較して短いことから、係合部43が容器1の胴部2の外面の上端と干渉することを防止できる。例えば、案内面54の一対の他端縁56が平行となる構成では、案内面54の上端から下端までの長さを長くすることで、当接部53が首部4に当接する状態において案内面54を軸線C3に略直交する状態にする必要がある。しかしながら、この構成では、係合部43が大型化する。
これに対して、案内面54が図6に示すように下方から見た状態において扇形状となる場合では、案内面54の当接部53側の一端の周方向の長さが短いことから、係合部43が容器1の胴部2に干渉しにくくなる。結果、案内面54の上端から下端までの長さを長くする必要がないので、係合部43の大型化を抑制できる。
さらに、他端縁56が、想定される最大径のフランジ5が当接する形状に構成される。この為、第1の案内面構成部54Aの、想定される最大径のフランジ5の当接箇所、及び、第2の案内面構成部54Bの、想定される最大径のフランジ5の当接箇所間の距離を長くすることが可能となる。この為、フランジ5に対する案内面54の、案内面54のフランジ5が当接する2点を結ぶ線分に平行な方向のぐらつきを防止できるので、案内面54でフランジ5を当接部53まで案内する過程で、容器1に対して容器接続具20を安定させることが可能となる。
さらに、案内面54の他端縁56を、想定される最大径のフランジ5が当接する形状に構成することで、容器接続具20を軸線C3に沿って移動することでフランジ5に当接させてから、当接部53を容器1の首部4に係合させるまでの、容器接続具20の、軸線C3に沿って押し込む距離を短くできる。
さらに、案内面54は、係合部43の軸線C3に直交する断面の縁の一部を構成する案内面54の一部の曲率中心が第1の仮想平面P1側に位置する曲面に構成される。この為、案内面54、及び、容器1の胴部2の間の隙間を大きくできるので、案内面54が、容器1の胴部2と干渉することを抑制できる。
さらに、当接部53の中央部は、当接部53の他に比較して、他方の係合部43から離れる方向に窪む。この為、外径が小さい首部4は、この窪みの両端に当接するので、外径が小さい首部4に対する、1つの係合部53が当接する2点の間隔が短くなることを防止できる。結果、一対の係合部53による、外径が小さい首部4を挟持した状態を安定させることが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る容器接続具20Aを、図55及び図56を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
図55は、容器接続具20Aの構成を示す斜視図である。図56は、容器接続具20Aの構成を示す断面図である。容器接続具20Aは、空気袋152と、気体流路L2に関わる構成と、を有さない器具接続具に固定可能に構成される。この器具接続具の一例としては、第1の実施形態で説明された器具接続具100から、空気袋152、空気袋収納部150、気体用ニードル175、インナスリーブ140を省略した構成を有する。
図55及び図56に示すように、容器接続具20Aは、ニードル部材60Aと、シールキャップ70と、容器シール90と、を備える。
ニードル部材60Aは、ニードル部材基部61Aと、ニードル部62Aと、チューブ接続部300と、を備える。ニードル部材60Aのニードル部62Aは、例えば、輸液バッグに差し込まれることで、輸液バッグに接続される。
ニードル部材基部61Aは、第1の実施形態で説明されたニードル部材基部61から、気体流路構成部L4を省略した構成を有する。ニードル部62Aは、ニードル部材基部61Aに対して傾斜する方向、具体例として直交する方向に延びる。ニードル部62は、内部に、液体流路構成部L3と、気体流路構成部L4と、を有する。
チューブ接続部300は、ニードル部62Aから延出する。チューブ接続部300は、点滴用チューブ等のチューブが接続される。チューブ接続部300は、具体的には、チューブに設けられる、内部に流路を有する針が差し込まれることで、チューブに接続される。チューブ接続部300は、気体流路構成部L4に連通する筒状に構成される。チューブ接続部300の開口には、当該開口を閉塞する栓301が設けられる。栓301は、チューブの針が差し込まれる。
栓301は、ゴムやエラストマー等の樹脂から形成されており、可撓性を有する。また、栓301は、チューブに設けられる針が挿入されることにより形成された孔を、当該針が移動した後に復元力により液密及び気密に塞ぐことが可能に形成される。
第2の実施形態の容器接続具20であっても、第1の実施形態の器具接続具100と同様の係合部材160により、器具接続具に固定される。
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態の係合部材160は、器具接続具100に設けられる構成が一例として説明されたが、これに限定されない。係合部材160は、開口を有する第1の部材に設けられ、第1の部材と、この第1の部材の開口を通して第1の部材内に挿入される第2の部材と、をロックする構成であってもよい。換言すると、器具接続具100は、第1の部材の一例であり、容器接続具20、20Aは、第2の部材の一例である。
また、第1の実施形態及び第2の実施形態では、係合部材160は、姿勢調整部167を有する構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、係合部材160は、姿勢調整部167を有さない構成であってもよい。この構成の場合は、支点部168は、操作部165に胴部117の軸方向に連続して形成される。係合部161は、支点部168に胴部117の軸方向に連続して形成される。変形部166は、係合部161に胴部117の軸方向に連続して形成される。なお、第1の実施形態及び第2の実施形態のように、係合部材160が姿勢調整部167を有する構成、係合部161をスムーズに移動することが可能となるので、好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。