JP7320984B2 - 容器詰めコーヒー入り炭酸飲料および容器詰めコーヒー入り炭酸飲料の風味改善方法 - Google Patents

容器詰めコーヒー入り炭酸飲料および容器詰めコーヒー入り炭酸飲料の風味改善方法 Download PDF

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Description

本発明は、コーヒー入り炭酸飲料およびコーヒー入り炭酸飲料の風味改善方法に関する。
従来、炭酸飲料は、炭酸ガスによる独特の風味を有し、口の渇きを癒し、清涼感、およびリフレッシュ感等が得られる飲料として広く親しまれている。近年においては、新たな嗜好性を有する炭酸飲料として、コーヒーや乳製品、果汁等を添加した炭酸飲料が注目されている。なかでも、コーヒー入りの炭酸飲料に関する技術として、例えば、特許文献1,2に記載のものがある。
一方、コーヒー飲料も、喉を潤しつつ、リフレッシュ感が得られる飲料として広く知られている。コーヒー飲料においても新たな嗜好性に関する開発が盛んに行われ、例えば、特許文献3には、レッドフルーツの香気を有し、かつ本格的なコーヒー風味が維持されたコーヒー飲料が開示されている。
特開平7-123921号公報 特開2014-117238号公報 特開2012-100646号公報
特許文献1,2に記載される従来のコーヒー入り炭酸飲料は、炭酸の刺激によりコーヒー風味のバランスがくずれ、コーヒーの苦みが際立ったり、コーヒー感が低下する等して、おいしさや飲みやすさの点で改善の余地があった。また、特許文献3は、コーヒーにレッドフルーツを組み合わせることを目的とするものであり、炭酸との組み合わせや他の香味との組み合わせに着目したものではなった。
本発明者は、新たな嗜好性を有するコーヒー入り炭酸飲料に関し、コーヒー入り炭酸飲料と、柑橘類果実の香味とを組み合わせることに着目した。そして、特定量のカフェインを含有することを前提として、可溶性固形分(単位:°ブリックス)と、酸度(無水クエン酸g/100ml)を所定の数値範囲で含有させることによって、良好な嗜好性が得られる条件があることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、柑橘類果実の香味を呈するコーヒー入り炭酸飲料であって、
飲料全体に対するカフェインの含有量が、0.5mg/100ml以上、30mg/100ml以下であり、
可溶性固形分(単位:°ブリックス)をX、酸度(無水クエン酸g/100ml)をYとしたとき、以下の式(1)~(3)を満たす、コーヒー入り炭酸飲料が提供される。
Y≧0.01X+0.02 (1)
Y≦0.03X-0.02 (2)
2<X<10 (3)
また、本発明によれば、
コーヒーおよび柑橘類果実の香味成分を配合し、飲料全体に対するカフェインの含有量が0.5mg/100ml以上、30mg/100ml以下となるように調製する工程と、
可溶性固形分(単位:°ブリックス)をX、酸度(無水クエン酸g/100ml)をYとしたとき、以下の式(1)~(3)を満たすように調製する工程と、
を有する、コーヒー入り炭酸飲料の風味改善方法が提供される。
Y≧0.01X+0.02 (1)
Y≦0.03X-0.02 (2)
2<X<10 (3)
本発明によれば、良好な嗜好性が得られるコーヒー入り炭酸飲料が提供できる。
可溶性固形分(単位:°ブリックス)をX軸、酸度(無水クエン酸g/100ml)をY軸として、実施例の試作品の評点をプロットした図である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。
<コーヒー入り炭酸飲料>
本実施形態のコーヒー入り炭酸飲料(以下、単に「飲料」とも称す)は、柑橘類果実の香味を呈し、飲料全体に対するカフェインの含有量が、0.5mg/100ml以上、30mg/100ml以下であり、可溶性固形分(単位:°ブリックス)をX、酸度(無水クエン酸g/100ml)をYとしたとき、以下の式(1)~(3)を満たすものである。
Y≧0.01X+0.02 (1)
Y≦0.03X-0.02 (2)
2<X<10 (3)
本実施形態において、可溶性固形分(単位:°ブリックス)は、飲料の糖類等の含有量を示すものである。可溶性固形分(単位:°ブリックス)は、例えば、糖用屈折計示度「RX-5000α」株式会社アタゴ製を用い、液温20℃で測定することができる。
ブリックス値は、例えば、後述の糖類、その他の各種成分の量などにより調整することができる。
酸度(無水クエン酸g/100ml)とは、飲料中に含まれている酸の量をクエン酸の相当量として換算した値、すなわち、クエン酸酸度として表した数値である。
クエン酸酸度方法は、特に限定はされないが、例えば以下の手順に従って行うことができる。破砕した試料5~15gを200ml容三角フラスコに正確に測り取り、水で適宜希釈して1%フェノールフタレイン指示薬数滴を加え、25mlビューレットに入れた0.1M水酸化ナトリウムで振り混ぜながら滴定し、30秒間赤色が持続する点を終点とする。水素イオン濃度計を用いる場合は、マグネティックスターラーでかき混ぜながら同様に滴定し、pHが8.1になったときを終点とする。
本実施形態のコーヒー入り炭酸飲料は、後述する特定量のカフェインを含みつつ、XとYが上記の式(1)~(3)を満たすことによって、炭酸とコーヒー風味と柑橘類果実の香味とのバランスが良好になり、炭酸飲料の嗜好性が高められる。詳細には、コーヒーによるリフレッシュ感や風味、柑橘類果実の香味による清涼感やさっぱり感、炭酸による清涼感やリフレッシュ感、さらには、炭酸ガスによる物理的な刺激等のバランスが良好となる結果、柑橘類果実の香味とコーヒー風味のバランスに優れ、かつ止渇性を有する清涼飲料らしいおいしさが得られる。かかるメカニズムの理由としては、飲料のブリックス値と酸度によって、炭酸、コーヒー風味、および柑橘類果実の香味の感じられ方が変動するため、糖度と酸度を適切に制御することで、炭酸とコーヒー風味と柑橘類果実の香味とのバランスを良好にできると推測される。
また、可溶性固形分(単位:°ブリックス)Xを、2より大きくすることでスッキリ感、飲みやすさが向上しやすくなり、10より小さくすることで止渇性が得られ、おいしさを保持しやすくなる。Xの下限値は、好ましくは2.5以上、より好ましくは3以上であり、Xの上限値は、好ましくは9.5以下である。
本実施形態のコーヒー入り炭酸飲料は、さらに以下の式(4)を満たすことが好ましい。
Y≦0.025X-0.005 (4)
これにより、おいしさが得られるとともに、柑橘類果実の香味とコーヒー感のバランスが良好になり、また、飲みやすさも向上できる。
[柑橘類果実]
本実施形態の柑橘類果実の香味を呈する飲料とは、飲料を飲用した際に、柑橘類果実を感じさせる飲料をいう。本実施形態において、柑橘類果実の香味とは、柑橘類果実を感じさせる香味であればよく、例えば、爽やかさ、酸味、または果実感などがバランスよく感じられる香味であり、具体的な香気成分を特定するものではない。柑橘類果実の香味としては、例えば、オレンジ、レモン、ミカン、ユズ、ライム、スダチ、カボス、イヨカン、グレープフルーツ、及びマンダリン等のミカン科カンキツ属の果実に由来する香味、および香草や柑橘類果皮のエキス等を含むいわゆるトニックウォーター香味等を含む。
本実施形態のコーヒー入り炭酸飲料は、かかる柑橘類果実の香味を呈する香料を香味成分として含むことが好ましい。香料は、果汁及び香油のような天然物から得られるものであってもよいし、合成されたものであってもよい。また、果汁そのものを香味成分として使用してもよい。
柑橘類果実の香味を呈する香料の含有量としては、飲料全体に対して、0.01g/L~10g/Lが好ましく、0.05g/L~5g/Lがより好ましく、0.1g/L~3g/Lがさらに好ましい。
[カフェイン]
本実施形態における飲料は、カフェインを含む。カフェインを含むことにより、嗜好性が良好となり、また、柑橘類果実の香味とコーヒー感とのバランスを向上できる。
飲料全体に対するカフェインの含有量は、0.5mg/100ml以上、30mg/100ml以下であり、1.0mg/100ml以上、28mg/100ml以下であることが好ましく、1.5mg/100ml以上、25mg/100ml以下であることがより好ましい。
当該カフェインの含有量を、上記下限値以上とすることにより、コーヒー感が得られるとともに、嗜好性を向上しやすくなる。一方、当該カフェインの含有量を、上記上限値以下とすることにより、スッキリ感、柑橘類果実の香味が得られやすくなるともに、嗜好性を保持できるようになる。
[ガスボリューム]
本実施形態のコーヒー入り炭酸飲料において、20℃、1気圧におけるガスボリュームは、2.0v/v以上であることが好ましく、2.2v/v以上であることがより好ましい。一方、20℃、1気圧におけるガスボリュームは、6.5v/v以下であることが好ましく、5.0v/v以下であることがより好ましく、4.0v/v以下であることが更に好ましい。
当該ガスボリュームを上記下限値以上とすることにより、炭酸の刺激が得られ、炭酸とコーヒー風味と柑橘類果実風味との良好なバランスによるおいしさを得ることができる。一方、当該ガスボリュームを上記上限値以下とすることにより、炭酸飲料の酸味を抑制し、コーヒー風味と炭酸ガスの刺激との良好なバランスを保持することができる。
炭酸ガスの圧入方法は、公知の方法を用いることができる。また、炭酸飲料中のガスボリュームは公知の方法で測定することができる。例えば、市販の測定器(京都電子工業製ガスボリューム測定装置GVA-500A)を用いて測定することができる。
なお、ガスボリュームは、1気圧、20℃において、炭酸飲料全体の体積に対して、炭酸飲料に溶けている炭酸ガスの体積を表したものである。
[コーヒー]
本実施形態におけるコーヒーは、コーヒー豆から抽出または溶出した成分(コーヒー分)を含むものであればよく、例えば、粉砕した焙煎豆を水や温水を用いて抽出した溶液(コーヒー抽出液)、コーヒー抽出液を濃縮したコーヒーエキス、およびコーヒー抽出液を乾燥させたインスタントコーヒー等が挙げられる。これらのうち1種または2種以上を用いることができる。
なお、本実施形態におけるコーヒー入り炭酸飲料とは、1977年に制定された「コーヒー含有飲料等の表示に関する公正競争規約」に記載されているコーヒー入り炭酸飲料に限られるものではない。
本実施形態において、飲料全体に対するコーヒー固形分の含有量の下限値は、コーヒー感、飲みやすさ、おいしさを得るため、好ましくは0.02w/w%以上、より好ましくは0.04w/w%以上、さらに好ましくは0.05w/w%以上である。
一方、飲料全体に対するコーヒー固形分の含有量の上限値は、苦みを抑制し、清涼感を保持するため、好ましくは1.0w/w%以下であり、より好ましくは0.7w/w%以下であり、さらに好ましくは0.5w/w%以下である。
[pH]
本実施形態のコーヒー入り炭酸飲料の20℃におけるpHは、2.0以上、6.0以下であることが好ましく、3.0以上、5.5以下であることがより好ましい。
pHを上記下限値以上とすることにより、酸味を抑制し、良好な嗜好性が得られる一方で、pHを上記上限値以下とすることにより、良好なコーヒー風味が得られやすくなる。
なお、pHの測定は、市販のpH測定器を用いるなどして行うことができる。pHの調整は、例えば、pH調整剤を用いることなどにより行うことができる。
本実施形態のコーヒー入り炭酸飲料は、本発明の効果が得られる限りにおいて、甘味料、酸味料、乳、乳化剤、pH調整剤、果汁、各種栄養成分、着色料、希釈剤、酸化防止剤、および増粘安定剤等を含んでもよい。
上記の甘味料としては、例えば、果糖、ショ糖、ブドウ糖、グラニュー糖、乳糖、および麦芽糖等の糖類、キシリトール、およびD-ソルビトール等の低甘味度甘味料、タウマチン、ステビア抽出物、グリチルリチン酸二ナトリウム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、ネオテーム、およびサッカリンナトリウム等の高甘味度甘味料などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上記の酸味料としては、例えば、無水クエン酸、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、酢酸、リン酸、フィチン酸、アスコルビン酸又はそれらの塩類等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上記の乳としては、生乳、牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、生クリーム、濃縮乳、部分脱脂乳、練乳、粉乳、および発酵乳等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
[容器]
本実施形態のコーヒー入り炭酸飲料は容器詰めされてもよい。かかる容器は、ガラス、紙、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート等)、アルミ、およびスチール等の単体もしくはこれらの複合材料又は積層材料からなる密封容器が挙げられる。また、容器の種類は、特に限定されるものではないが、たとえば、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶等が挙げられる。なかでも、炭酸ガスに対する良好な耐圧性を得る観点から、ペットボトル、アルミ缶、スチール缶および瓶が好ましい。
また、容器の容量としては、特に限定されないが、止渇性、飲みやすさ、携帯性、保存性等観点から、好ましくは200~1500mlであり、より好ましくは350ml~1000mlであり、さらに好ましくは370~650mlである。
<コーヒー入り炭酸飲料の風味改善方法>
本実施形態の飲料のコーヒー入り炭酸飲料の風味改善方法は、
コーヒーおよび柑橘類果実の香味成分を配合し、飲料全体に対するカフェインの含有量が0.5mg/100ml以上、30mg/100ml以下となるように調製する工程と、
可溶性固形分(単位:°ブリックス)をX、酸度(無水クエン酸g/100ml)をYとしたとき、以下の式(1)~(3)を満たすように調製する工程と、
を有する、コーヒー入り炭酸飲料の風味改善方法。
Y≧0.01X+0.02 (1)
Y≦0.03X-0.02 (2)
2<X<10 (3)
これにより、炭酸とコーヒー風味と柑橘類果実の香味とのバランスが良好になり、喉を潤す清涼飲料らしいおいしさが得られ、コーヒー入り炭酸飲料の風味が改善できる。
コーヒー入り炭酸飲料としては、上記のコーヒー入り炭酸飲料を用いることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 柑橘類果実の香味を呈するコーヒー入り炭酸飲料であって、
飲料全体に対するカフェインの含有量が、0.5mg/100ml以上、30mg/100ml以下であり、
可溶性固形分(単位:°ブリックス)をX、酸度(無水クエン酸g/100ml)をYとしたとき、以下の式(1)~(3)を満たす、コーヒー入り炭酸飲料。
Y≧0.01X+0.02 (1)
Y≦0.03X-0.02 (2)
2<X<10 (3)
2. さらに以下の式(4)を満たす、1.に記載のコーヒー入り炭酸飲料。
Y≦0.025X-0.005 (4)
3. 糖類を含有する、1.または2.に記載のコーヒー入り炭酸飲料。
4. 前記コーヒー入り炭酸飲料が容器詰めされた、1.乃至3.いずれか一つに記載のコーヒー入り炭酸飲料。
5. コーヒーおよび柑橘類果実の香味成分を配合し、飲料全体に対するカフェインの含有量が0.5mg/100ml以上、30mg/100ml以下となるように調製する工程と、
可溶性固形分(単位:°ブリックス)をX、酸度(無水クエン酸g/100ml)をYとしたとき、以下の式(1)~(3)を満たすように調製する工程と、
を有する、コーヒー入り炭酸飲料の風味改善方法。
Y≧0.01X+0.02 (1)
Y≦0.03X-0.02 (2)
2<X<10 (3)
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下の実験例では、可溶性固形分(単位:°ブリックス)Xの測定は、糖用屈折計示度「RX-5000α」株式会社アタゴ製を用い、液温20℃で行った。
[実験例1]ブリックス、クエン酸酸度の違いの検証
<試作品1~14>
コーヒーエキス、レモンフレーバー、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸、クエン酸ナトリウムを含む調合液を調製し、pHが3.3の調合液を得た。
具体的には、コーヒーエキスを2.2g/L、レモンフレーバーを0.2g/L、果糖ぶどう糖液糖を表1,2に示す濃度(g/L)とし、pHが3.3となるようにクエン酸ナトリウムを調合し、かつ、Y:酸度(無水クエン酸g/100ml)が表1,2に示す通りになるように、クエン酸を配合し、調合液を得た。カフェイン濃度は、2.32mg/100mlであった。
得られた調合液を500mlペットボトル容器に充填し、炭酸ガス量が2.5ガスボリューム(20℃、1気圧)となるように炭酸ガスを圧入し、容器詰めコーヒー入り炭酸飲料を作製した。
<対照品A~E>
果糖ぶどう糖液糖を表1に示す濃度(g/L)とし、クエン酸およびクエン酸ナトリウムを配合しなかった以外は、試作品1~14と同様にして、容器詰めコーヒー入り炭酸飲料を作製した。
得られた各コーヒー入り炭酸飲料(試作品1~14)について、以下の測定・評価を行った。結果を表1,2に示す。なお、表1,2中の「-」は評価または測定を行わなかったことを意味する。
(評価)
・官能評価:試作品1~14のコーヒー入り炭酸飲料(4℃)それぞれを、コーヒーの評価に熟練し、消費者の一般的な嗜好性に熟知した8名の開発者が試飲し、「おいしさ」、「スッキリ感」、「レモン感の強さ」、「コーヒー感の強さ」、「レモンとコーヒーのバランスの良さ」、「飲みやすさ」それぞれについて、以下の評価基準に従い、評価した。いずれの評価も、5段階(1~5点)評価とし、その平均点を求めた。また、評価する際は、対照品A~EのうちX:可溶性固形分(単位:°ブリックス)が同じ飲料を対照(基準値3点)として評価を実施した。
・評価基準:
「おいしさ」
5:対照品と比べておいしい
4:対照品と比べてややおいしい
3:対照品と比べてどちらでもない
2:対照品と比べてややおいしくない
1:対照品と比べておいしくない
「スッキリ感」
5:対照品と比べてスッキリしている
4:対照品と比べてややスッキリしている
3:対照品と比べてどちらでもない
2:対照品と比べてややスッキリしていない
1:対照品と比べてスッキリしていない
「レモン感の強さ」
5:対照品と比べてレモン感が強い
4:対照品と比べてレモン感がやや強い
3:対照品と比べてどちらでもない
2:対照品と比べてレモン感がやや弱い
1:対照品と比べてレモン感が弱い
「コーヒー感の強さ」
5:対照品と比べてコーヒー感が強い
4:対照品と比べてコーヒー感がやや強い
3:対照品と比べてどちらでもない
2:対照品と比べてコーヒー感がやや弱い
1:対照品と比べてコーヒー感が弱い
「レモンとコーヒーのバランスの良さ」
5:対照品と比べて両者のバランスが良い
4:対照品と比べて両者のバランスがやや良い
3:対照品と比べてどちらでもない
2:対照品と比べて両者のバランスがやや悪い
1:対照品と比べて両者のバランスが悪い
「飲みやすさ」
5:対照品と比べて飲みやすい
4:対照品と比べてやや飲みやすい
3:対照品と比べてどちらでもない
2:対照品と比べてやや飲みにくい
1:対照品と比べて飲みにくい
さらに、以下の基準に従ってコーヒー入り炭酸飲料を評価した。結果を表1,2および図1に示す。
×:「おいしさ」4点未満
○:「おいしさ」4点以上、かつ、「柑橘(レモン)とコーヒーのバランス」3点以上4点未満
◎:「おいしさ」4点以上、かつ、「柑橘(レモン)とコーヒーのバランス」4点以上
なお、図1のグラフ中の直線は、以下の式(1)~(4)を示す。
Y≧0.01X+0.02 (1)
Y≦0.03X-0.02 (2)
2<X<10 (3)
Y≦0.025X-0.005 (4)
Figure 0007320984000001
Figure 0007320984000002
[実験例2]カフェイン濃度の違いの検証
<試作品15~20>
コーヒーエキス、レモンフレーバー、果糖ぶどう糖液糖、クエン酸、クエン酸ナトリウムを含む調合液を調製し、酸度が0.18、pHが3.6の調合液を得た。
具体的には、レモンフレーバーを0.2g/L、果糖ぶどう糖液糖を120g/Lとし、Y:酸度(無水クエン酸g/100ml)が0.18となるようにクエン酸を調合し、pHが3.6となるようにクエン酸ナトリウムを調合し、表3に示す通りになるように、コーヒーエキスを調合し、調合液を得た。
得られた調合液を500mlペットボトル容器に充填し、炭酸ガス量が2.5ガスボリューム(20℃、1気圧)となるように炭酸ガスを圧入し、容器詰めコーヒー入り炭酸飲料を作製した。
<試作品21>
コーヒーエキスの代りに、カファインレスのインスタントコーヒーを用いた以外は、試作品15~20と同様にして、容器詰めコーヒー入り炭酸飲料を作製した。
<試作品22~24>
コーヒーエキスを2.2g/Lとし、カフェイン製剤を表3に示す濃度(g/L)用いた以外は、試作品15~20と同様にして、容器詰めコーヒー入り炭酸飲料を作製した。
<対照品F>
試作品17からクエン酸およびクエン酸ナトリウムを除いた以外は、試作品17と同様にして、容器詰めコーヒー入り炭酸飲料を作製した。
(評価)
・官能評価:試作品15~24の各コーヒー入り炭酸飲料(4℃)について、コーヒーの評価に熟練し、消費者の一般的な嗜好性に熟知した9名の開発者が試飲し、実験例1と同様にして評価を行った。なお、評価する際は、対照品Fを対照(基準値3点)として評価を実施した。さらに、実験例1と同様の基準に従って◎、○、×でコーヒー入り炭酸飲料を評価した。結果を表3に示す。
(測定)
また、得られた各コーヒー入り炭酸飲料(試作品15~24)について、以下の測定を行った。結果を表3に示す。
・カフェイン濃度の測定:UHPLC(Nexera((株)島津製作所)、検出器:PDA)を用いて以下の条件により測定した。
カラム:ZORBAX EclipsePlus C18(アジレント・テクノロジー(株))
カラムオーブン温度:45℃
移動相:0.2%リン酸8%メタノール溶液
ポンプ流量:1.0ml/min
注入量:3μl
セル部温調温度:40℃
Figure 0007320984000003
[実験例3]フレーバーの種類の違いの検証
<試作品25>
レモンフレーバーの代りに、トニックフレーバーを用いた以外は、試作品17と同様にして、容器詰めコーヒー入り炭酸飲料を作製した。
<試作品26>
レモンフレーバーの代りに、オレンジフレーバーを用いた以外は、試作品17と同様にして、容器詰めコーヒー入り炭酸飲料を作製した。
<試作品27>
レモンフレーバーの代りに、グレープフレーバーを用いた以外は、試作品17と同様にして、容器詰めコーヒー入り炭酸飲料を作製した。
<対照品G~I>
試作品25~27それぞれからクエン酸およびクエン酸ナトリウムを除いた以外は、試作品25~27それぞれと同様にして、各容器詰めコーヒー入り炭酸飲料を作製した。
(評価)
・官能評価:試作品25~27の各コーヒー入り炭酸飲料(4℃)について、コーヒーの評価に熟練し、消費者の一般的な嗜好性に熟知した9名の開発者が試飲し、実験例1と同様にして評価を行った。
ただし、「レモン感の強さ」および「レモンとコーヒーのバランスの良さ」については、試作品25は「トニック感の強さ」および「トニックとコーヒーのバランスの良さ」、試作品26は「オレンジ感の強さ」および「オレンジとコーヒーのバランスの良さ」、試作品27は「グレープ感の強さ」および「グレープとコーヒーのバランスの良さ」として評価した。また、評価する際は、対照品G~Iのうちフレーバーの種類が同じ飲料を対照(基準値3点)として評価を実施した。さらに、実験例1と同様の基準に従って◎、○、×でコーヒー入り炭酸飲料を評価した。結果を表4に示す。
Figure 0007320984000004

Claims (4)

  1. 柑橘類果実の香味を呈する容器詰めコーヒー入り炭酸飲料であって、
    飲料全体に対するカフェインの含有量が、0.5mg/100ml以上、30mg/100ml以下であり、
    可溶性固形分(単位:°ブリックス)をX、酸度(無水クエン酸g/100ml)をYとしたとき、以下の式(1)~(3)を満たす、容器詰めコーヒー入り炭酸飲料。
    Y≧0.01X+0.02 (1)
    Y≦0.03X-0.02 (2)
    2<X<10 (3)
  2. さらに以下の式(4)を満たす、請求項1に記載の容器詰めコーヒー入り炭酸飲料。
    Y≦0.025X-0.005 (4)
  3. 糖類を含有する、請求項1または2に記載の容器詰めコーヒー入り炭酸飲料。
  4. コーヒーおよび柑橘類果実の香味成分を配合し、飲料全体に対するカフェインの含有量が0.5mg/100ml以上、30mg/100ml以下となるように調製する工程と、
    可溶性固形分(単位:°ブリックス)をX、酸度(無水クエン酸g/100ml)をYとしたとき、以下の式(1)~(3)を満たすように調製する工程と、
    を有する、容器詰めコーヒー入り炭酸飲料の風味改善方法。
    Y≧0.01X+0.02 (1)
    Y≦0.03X-0.02 (2)
    2<X<10 (3)
JP2019092027A 2019-05-15 2019-05-15 容器詰めコーヒー入り炭酸飲料および容器詰めコーヒー入り炭酸飲料の風味改善方法 Active JP7320984B2 (ja)

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