JP7319203B2 - エンジン - Google Patents
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Description
特許文献1のエンジンでは、アイドルギヤ軸にボルトで取り付けた抜け止め板で、軸受を抜け止めしており、ボルトと抜け止め板からなる軸受の抜け止め専用部品を必要とする。
図1(A)または図2(A)に例示するように、クランクケース(2)の前端部(2aa)から横向きに張り出された横張出部(2b)と、横張出部(2b)の後側に設けられた出力孔(2c)と、出力孔(2c)の前側で横張出部(2b)に設けられた軸受嵌合孔(2d)と、軸受嵌合孔(2d)に内嵌された軸受(2e)と、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)に設けられたリブ(3ba)(3bb)を備え、軸受嵌合孔(2d)の後側奥端面(2da)で、軸受(2e)の後端面(2ea)が受け止められ、リブ(3ba)(3bb)の後端面(3bc)(3bc)で、軸受(2e)の前端面(2eb)が受け止められるように構成されている。
(各独立請求項に係る発明に固有の発明特定事項)
請求項1に係る発明では、図1(B)または図2(B)に例示するように、リブ(3ba)(3bb)は、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)から上向きに導出される上向きリブ(3ba)を備え、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)上に上向きリブ(3ba)で堰き止められるオイル溜まり(3bd)が形成されるように構成されている、ことを特徴とするエンジン。
請求項3に係る発明では、図1(B)または図2(B)に例示するように、リブ(3ba)(3bb)は、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)から横向きに導出される横向きリブ(3bb)を備え、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)を流れ落ちるエンジンオイルが横向きリブ(3bb)で軸受(2e)に案内されるように構成されている、ことを特徴とするエンジン。
請求項5に係る発明では、図2(C)に例示するように、クランクケース(2)の前端壁(2a)に形成されたオイル圧送供給路(2f)を備え、軸受嵌合孔(2d)と軸受(2e)の間にオイル流出隙間(2g)を備え、オイル圧送供給路(2f)の出口(2fa)がオイル流出隙間(2g)に臨んでいる、ことを特徴とするエンジン。
請求項7に係る発明では、図2(C)に例示するように、クランクケース(2)の前端壁(2a)に形成されたオイル圧送供給路(2f)を備え、軸受嵌合孔(2d)と軸受(2e)の間にオイル流出隙間(2g)を備え、オイル圧送供給路(2f)の出口(2fa)がオイル流出隙間(2g)に臨んでいる、ことを特徴とするエンジン。
《効果》 軸受(2e)の抜け止め専用部品を必要としない。
図1(A)または図2(A)に例示するように、クランクケース(2)の前端壁(2a)に伝動カバー(3a)を取り付けるだけで、軸受嵌合孔(2d)の後側奥端面(2da)で、軸受(2e)の後端面(2ea)が受け止められ、リブ(3ba)(3bb)の後端面(3bc)(3bc)で、軸受(2e)の前端面(2eb)が受け止められるため、軸受(2e)の抜け止め専用部品を必要としない。
図1(A)または図2(A)に例示するように、軸受嵌合孔(2d)の後側奥端面(2da)で、軸受(2e)の後端面(2ea)が受け止められ、リブ(3ba)(3bb)の後端面(3bc)(3bc)で、軸受(2e)の前端面(2eb)が受け止められるため、出力軸(4a)の有無に拘わらず、軸受(2e)を抜け止めできる。
(各独立請求項に係る発明に固有の効果)
請求項1に係る発明では、図1(B)または図2(B)に例示するように、エンジン始動時には、オイル溜まり(3bd)から軸受(2e)にエンジンオイルが供給されるため、エンジン始動時に軸受(2e)を速やかに潤滑できる。
請求項3に係る発明では、図1(B)または図2(B)に例示するように、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)を流れ落ちるエンジンオイルが横向きリブ(3bb)で軸受(2e)に案内されるため、軸受(2e)を効率的に潤滑できる。
請求項5に係る発明では、図1(C)に例示するように、軸受(2e)がオイル圧送供給路(2f)の密封栓として機能する。
請求項7に係る発明では、図2(C)に例示するように、オイル圧送供給路(2f)の出口(2fa)がオイル流出隙間(2g)に臨んでいるため、オイル流出隙間(2g)の寸法を調節することにより、軸受(2e)がオイル圧送供給路(2f)、更にはオイルギャラリの油圧調節装置として機能する。
図3に示すように、このエンジンは、シリンダブロック(15)と、シリンダブロック(15)の上部に組み付けられたシリンダヘッド(16)と、シリンダヘッド(16)の上部に組み付けられたシリンダヘッドカバー(17)と、クランク軸(1)の架設方向を前後方向、前後方向の一方を前として、シリンダブロック(15)の前側に配置された伝動カバー(3a)と、シリンダブロック(15)の後部に配置されたフライホイール(20)と、シリンダブロック(15)の下部に組み付けられたオイルパン(29)を備えている。
このエンジンの吸気装置は、エアクリーナ(図示せず)と、図4,5に示す過給機(26)のエアコンプレッサ(26a)と、図3,4に示す吸気スロットル(22)と、吸気マニホルド(21)を備えている。
このエンジンの排気装置は、図5に示す排気マニホルド(25)と、過給機(26)の排気タービン(26b)と、排気処理装置(28)を備えている。排気処理装置(28)は、排気処理ケース(28a)内にDOC(図示せず)とDPF(図示せず)を収容している。DOCはディーゼル酸化触媒の略称、DPFはディーゼル・パティキュレート・フィルタの略称である。
PTOは、パワーテイクオフの略称で、動力取り出しを意味する。
図3に示すPTO駆動装置(5)には、油圧ポンプが用いられている。
図1(A)または図2(A)に示すように、クランクケース(2)の前端部(2aa)から横向きに張り出された横張出部(2b)と、横張出部(2b)の後側に設けられた出力孔(2c)と、出力孔(2c)の前側で横張出部(2b)に設けられた軸受嵌合孔(2d)と、軸受嵌合孔(2d)に内嵌された軸受(2e)と、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)に設けられたリブ(3ba)(3bb)を備え、軸受嵌合孔(2d)の後側奥端面(2da)で、軸受(2e)の後端面(2ea)が受け止められ、リブ(3ba)(3bb)の後端面(3bc)(3bc)で、軸受(2e)の前端面(2eb)が受け止められるように構成されている。
また、上記構成によれば、図1(A)または図2(A)に示すように、軸受嵌合孔(2d)の後側奥端面(2da)で、軸受(2e)の後端面(2ea)が受け止められ、リブ(3ba)(3bb)の後端面(3bc)(3bc)で、軸受(2e)の前端面(2eb)が受け止められるため、出力軸(4a)の有無に拘わらず、軸受(2e)を抜け止めできる。
図1(B)に示すPTO不使用(出力軸(4a)無し)時には、軸受(2e)は回転せず、摩耗のおそれはないが、図2(B)に示すPTO使用(出力軸(4a)有り)時に備えて、PTO不使用(出力軸(4a)無し)時であっても、軸受(2e)にはエンジンオイルを供給しておくことが望ましい。
図1(B)に示すPTO不使用(出力軸(4a)無し)時には、軸受(2e)は回転せず、摩耗のおそれはないが、図2(B)に示すPTO使用(出力軸(4a)有り)時に備えて、PTO不使用(出力軸(4a)無し)時であっても、軸受(2e)にはエンジンオイルを供給しておくことが望ましい。
図1(A)に示すように、PTO不使用(出力軸(4a)無し)時には、出力孔(2c)は椀形プラグ(2ca)で塞がれている。
図2(A)に示すように、PTO使用(出力軸(4a)有り)時には、出力孔(2c)から椀形プラグ(2ca)を外し、出力孔(2c)にPTO出力軸ケース(4)を取り付け、出力軸(4a)で図3に示すPTO駆動装置(5)を駆動する。
上記構成によれば、図1(C)に示すように、オイル圧送供給路(2f)の出口(2fa)が軸受(2e)の外周面(2ec)で密封されているので、軸受(2e)がオイル圧送供給路(2f)の密封栓として機能する。
図1(B)に示すように、図1(B)に示すPTO不使用(出力軸(4a)無し)時には、軸受(2e)は回転せず、摩耗のおそれはないため、オイル圧送供給路(2f)による軸受(2e)の強制潤滑を行わなくても支障はない。
上記構成によれば、図2(C)に示すように、オイル圧送供給路(2f)の出口(2fa)がオイル流出隙間(2g)に臨んでいるため、オイル流出隙間(2g)の寸法を調節することにより、軸受(2e)がオイル圧送供給路(2f)、更にはオイルギャラリの油圧調節装置として機能する。
図2(B)に示すように、オイル流出隙間(2g)は、円形の軸受嵌合孔(2d)の内周面(2db)の一部を円弧状に凹入させた凹入空間で構成されている。
オイルパン(29)内のエンジンオイルは、オイルポンプの圧送力で、オイルギャラリを介して伝動装置(3)の軸受等の摺動部に供給されるが、オイルギャラリの途中でオイルクーラ(7)により冷却され、オイルフィルタ(27)により浄化される。
図1(A)(C)または図2(A)(C)に示すオイル圧送供給路(2f)は、オイルギャラリから分岐している。
Claims (7)
- クランク軸(1)の架設方向を前後方向、前後方向の一方を前として、
クランクケース(2)の前端壁(2a)と、この前端壁(2a)の前側に配置された伝動装置(3)と、前端壁(2a)に取付られ、伝動装置(3)を前側から覆う伝動カバー(3a)を備えたエンジンにおいて、
クランクケース(2)の前端部(2aa)から横向きに張り出された横張出部(2b)と、横張出部(2b)の後側に設けられた出力孔(2c)と、出力孔(2c)の前側で横張出部(2b)に設けられた軸受嵌合孔(2d)と、軸受嵌合孔(2d)に内嵌された軸受(2e)と、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)に設けられたリブ(3ba)(3bb)を備え、軸受嵌合孔(2d)の後側奥端面(2da)で、軸受(2e)の後端面(2ea)が受け止められ、リブ(3ba)(3bb)の後端面(3bc)(3bc)で、軸受(2e)の前端面(2eb)が受け止められるように構成され、
リブ(3ba)(3bb)は、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)から上向きに導出される上向きリブ(3ba)を備え、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)上に上向きリブ(3ba)で堰き止められるオイル溜まり(3bd)が形成されるように構成されている、ことを特徴とするエンジン。 - 請求項1に記載されたエンジンにおいて、
リブ(3ba)(3bb)は、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)から横向きに導出される横向きリブ(3bb)を備え、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)を流れ落ちるエンジンオイルが横向きリブ(3bb)で軸受(2e)に案内されるように構成されている、ことを特徴とするエンジン。 - クランク軸(1)の架設方向を前後方向、前後方向の一方を前として、
クランクケース(2)の前端壁(2a)と、この前端壁(2a)の前側に配置された伝動装置(3)と、前端壁(2a)に取付られ、伝動装置(3)を前側から覆う伝動カバー(3a)を備えたエンジンにおいて、
クランクケース(2)の前端部(2aa)から横向きに張り出された横張出部(2b)と、横張出部(2b)の後側に設けられた出力孔(2c)と、出力孔(2c)の前側で横張出部(2b)に設けられた軸受嵌合孔(2d)と、軸受嵌合孔(2d)に内嵌された軸受(2e)と、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)に設けられたリブ(3ba)(3bb)を備え、軸受嵌合孔(2d)の後側奥端面(2da)で、軸受(2e)の後端面(2ea)が受け止められ、リブ(3ba)(3bb)の後端面(3bc)(3bc)で、軸受(2e)の前端面(2eb)が受け止められるように構成され、
リブ(3ba)(3bb)は、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)から横向きに導出される横向きリブ(3bb)を備え、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)を流れ落ちるエンジンオイルが横向きリブ(3bb)で軸受(2e)に案内されるように構成されている、ことを特徴とするエンジン。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載されたエンジンにおいて、
クランクケース(2)の前端壁(2a)に形成されたオイル圧送供給路(2f)を備え、オイル圧送供給路(2f)の出口(2fa)が軸受(2e)の外周面(2ec)で密封されている、ことを特徴とするエンジン。 - クランク軸(1)の架設方向を前後方向、前後方向の一方を前として、
クランクケース(2)の前端壁(2a)と、この前端壁(2a)の前側に配置された伝動装置(3)と、前端壁(2a)に取付られ、伝動装置(3)を前側から覆う伝動カバー(3a)を備えたエンジンにおいて、
クランクケース(2)の前端部(2aa)から横向きに張り出された横張出部(2b)と、横張出部(2b)の後側に設けられた出力孔(2c)と、出力孔(2c)の前側で横張出部(2b)に設けられた軸受嵌合孔(2d)と、軸受嵌合孔(2d)に内嵌された軸受(2e)と、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)に設けられたリブ(3ba)(3bb)を備え、軸受嵌合孔(2d)の後側奥端面(2da)で、軸受(2e)の後端面(2ea)が受け止められ、リブ(3ba)(3bb)の後端面(3bc)(3bc)で、軸受(2e)の前端面(2eb)が受け止められるように構成され、
クランクケース(2)の前端壁(2a)に形成されたオイル圧送供給路(2f)を備え、オイル圧送供給路(2f)の出口(2fa)が軸受(2e)の外周面(2ec)で密封されている、ことを特徴とするエンジン。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載されたエンジンにおいて、
クランクケース(2)の前端壁(2a)に形成されたオイル圧送供給路(2f)を備え、軸受嵌合孔(2d)と軸受(2e)の間にオイル流出隙間(2g)を備え、オイル圧送供給路(2f)の出口(2fa)がオイル流出隙間(2g)に臨んでいる、ことを特徴とするエンジン。 - クランク軸(1)の架設方向を前後方向、前後方向の一方を前として、
クランクケース(2)の前端壁(2a)と、この前端壁(2a)の前側に配置された伝動装置(3)と、前端壁(2a)に取付られ、伝動装置(3)を前側から覆う伝動カバー(3a)を備えたエンジンにおいて、
クランクケース(2)の前端部(2aa)から横向きに張り出された横張出部(2b)と、横張出部(2b)の後側に設けられた出力孔(2c)と、出力孔(2c)の前側で横張出部(2b)に設けられた軸受嵌合孔(2d)と、軸受嵌合孔(2d)に内嵌された軸受(2e)と、伝動カバー(3a)の周壁内周面(3b)に設けられたリブ(3ba)(3bb)を備え、軸受嵌合孔(2d)の後側奥端面(2da)で、軸受(2e)の後端面(2ea)が受け止められ、リブ(3ba)(3bb)の後端面(3bc)(3bc)で、軸受(2e)の前端面(2eb)が受け止められるように構成され、
クランクケース(2)の前端壁(2a)に形成されたオイル圧送供給路(2f)を備え、軸受嵌合孔(2d)と軸受(2e)の間にオイル流出隙間(2g)を備え、オイル圧送供給路(2f)の出口(2fa)がオイル流出隙間(2g)に臨んでいる、ことを特徴とするエンジン。
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---|---|---|---|---|
JP2000186562A (ja) | 1998-12-24 | 2000-07-04 | Suzuki Motor Corp | エンジン構造 |
US20100050979A1 (en) | 2006-12-06 | 2010-03-04 | Bjoerkman Peter | Crankshaft bearing arrangement of a combustion engine |
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2020
- 2020-01-24 JP JP2020010245A patent/JP7319203B2/ja active Active
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JP2000186562A (ja) | 1998-12-24 | 2000-07-04 | Suzuki Motor Corp | エンジン構造 |
US20100050979A1 (en) | 2006-12-06 | 2010-03-04 | Bjoerkman Peter | Crankshaft bearing arrangement of a combustion engine |
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