上述した特許文献1及び特許文献2に記載されている電子部品の実装構造において用いられているそれぞれの電子部品800,900は、いずれも、チップ型の電子部品ではなく、それぞれの端子821,822及び921,922がリード線でなる電子部品である。すなわち、電子部品800,900は、端子であるリード線がそれぞれの電子部品の本体から突出して設けられている電子部品である。このように、特許文献1及び特許文献2に記載されている電子部品の実装構造において用いられているそれぞれの電子部品800,900は、いずれもチップ部品ではないため、当該電子部品に設けられている端子としてのリード線を広げたり曲げたりすることが容易にできる。このため、これら電子部品800,900を基板810,910の端面810a、910aの側に配置することは容易である。
これに対して、チップ型をなし、かつ、動作方向に向きがある動作部を有する電子部品(以下、「動作方向に向きがあるチップ型の電子部品」と表記する場合もある。)の場合は、基板への実装の仕方が限られてしまう。すなわち、動作方向に向きがあるチップ型の電子部品(LEDとする。)においては、リード線が存在しないため、例えば、本体の一方の面に発光面が存在し、当該発行面と反対側の面に端子が設けられているタイプのLEDにおいては、端子を基板の平面部に形成されている端子接続用パターンに、はんだ接続すると、当該LEDの発光面が基板の平面部に対して垂直方向を向くこととなる。
このため、LEDの発光面が、基板に対して垂直方向ではなく、例えば、基板の平面部に沿った方向に向くようにするためには、LEDの発光面が基板の平面部に横向き(発光面の向きが基板の平面部と平行となる向き)となるようにLEDを取り付けざるを得ない。当該基板の平面部にLEDを横向きに実装するためには、何らかの補助部品を設けて、当該補助部品にLEDを横向きに実装することも考えられる。
また、前述した表示ユニットにおいては、表示ユニットの小サイズ化の要求に応えるために、表示ユニットの筐体である円筒管体に収納される基板のサイズも小サイズ化されているが、より多くの電子部品を実装可能とするとともに、より大サイズの電子部品を実装可能とするために、基板サイズは可能な限り大きくし、かつ、基板の平面部における実装スペースを有効利用できることが好ましい。これを実現するためには、筒体管体内での基板の配置位置にも工夫が必要となる。
円筒体管体内での基板のサイズのうち、基板の長さ(円筒管体の軸方向長さ)が限られているとすれば、基板の横方向の長さ(円筒管体の径方向長さ)をより大きくすることが必要となる。ここで、基板の横方向の長さ(円筒管体の径方向長さ)をより大きくするには、基板を当該円筒管体内において当該円筒管体の内径に対応する平面に配置することが好ましい。
すなわち、基板の表裏を形成する第1平面部及び第2平面部と平行で当該基板の端面を貫く当該主基板の中心軸が、円筒管体の中心軸に一致又はほぼ一致するように基板を筒状管体内に配置することが好ましい。基板を円筒管体内においてこのように配置することより、基板の横方向の長さ(横幅ともいう。)は、円筒管体の径とほぼ同様のサイズとすることが可能となり、基板のサイズを可能な限り大きくすることができる。
基板をこのように円筒管体内に収納することによって、確かに、基板のサイズを可能な限り大きくすることができるが、当該基板の平面上に、前述したように、何らかの補助部品を設けて、当該補助部品にLEDを横向きに実装すると、LEDの光軸が円筒管体の中心軸から外れてしまうといった不具合が生じることとなる。
このように、筒状管体内の限られた収納スペースに収納する際の基板のサイズを可能な限り大きくするとともに基板の平面部における実装スペースを有効利用すること、動作方向に向きがあるチップ型の電子部品(LED)の動作方向を当該筒状管体の中心軸に一致又はほぼ一致させた状態で実装することなどを考慮すると、当該LEDは、基板の端面(中心軸上)に実装することが好ましいといえる。
上述した特許文献1及び特許文献2に記載されている電子部品の実装構造は、確かに、電子部品を基板の端面に配置するような実装構造となっているが、特許文献1及び特許文献2に記載されている電子部品の実装構造においては、電子部品800,900は、それぞれがチップ型の電子部品ではなく、端子821,822及び921,922がリード線でなる電子部品である。また、筒状管体内の限られた収納スペースに収納する際の基板のサイズを可能な限り大きくするとともに基板の平面部における実装スペースを有効利用すること、動作方向に向きがあるチップ型の電子部品の動作方向を当該筒状管体の中心軸に一致又はほぼ一致させた状態で実装することなどを考慮したものではない。
ところで、以上の説明においては、モジュール基板に実装される動作部を有する電子部品はLEDであるとして説明し、また、当該モジュール基板を収納した電子機器ユニットは表示ユニットであるとして説明したが、筒状管体内の限られた収納スペースに収納する際の基板のサイズを可能な限り大きくするとともに基板の平面部における実装スペースを有効利用すること、動作方向に向きがあるチップ型の電子部品の動作方向を当該筒状管体の中心軸に一致又はほぼ一致させた状態で実装することなどが要求されるのは、LEDを実装したモジュール基板及び表示モジュールだけではなく、チップ型をなし、動作方向に向きがある電子部品を実装する必要のあるモジュール基板及び当該モジュール基板を収納する電子機器ユニット全般に渡るものである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、筒状管体内の限られた収納スペースに収納する際の基板のサイズを可能な限り大きくすることができるとともに基板の平面部における実装スペースを有効利用でき、かつ、チップ型をなし、動作方向に向きがある動作部を有する電子部品の動作方向を当該筒状管体の中心軸に一致又はほぼ一致させた状態で実装することができるモジュール基板を提供することを目的とする。また、当該モジュール基板を備えることによって小サイズで高性能な電子機器モジュールを提供することを目的とする。
[1]本発明のモジュール基板は、主基板と、当該主基板に電気的に接続され、複数の端子がリード線を持たずに本体に設けられているチップ型をなし、かつ、動作方向に向きがある動作部を有する電子部品と、を備え、筒状管体の内部に収納されるモジュール基板であって、前記主基板は、当該主基板の表裏を形成する第1平面部及び第2平面部と、当該第1平面部の縁部と当該第2平面部の縁部との間に当該第1平面部及び第2平面部と直角をなすように形成される端面と、を有し、前記第1平面部及び前記第2平面部の少なくとも一方の平面部の縁部には、前記動作部を有する電子部品の前記複数の端子をそれぞれ電気的に接続するための複数の端子接続用パターンが前記動作部を有する電子部品の前記複数の端子に対応して形成されており、前記第1平面部及び前記第2平面部と平行で前記主基板の端面を貫く当該主基板の中心軸が、前記筒状管体の中心軸に一致又はほぼ一致するように前記筒状管体に配置され、前記動作部を有する電子部品は、前記動作部が当該電子部品の本体の表面に設けられているとともに、前記複数の端子が前記本体の裏面側に位置するように設けられており、当該電子部品の前記動作部が前記主基板の端面とは反対側を向き、前記動作部の動作方向が前記主基板の中心軸上に一致又はほぼ一致する方向となるように前記主基板の端面に位置し、当該電子部品の前記複数の端子が前記主基板の前記端子接続用パターンにリード線を介さずに電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明のモジュール基板は、このような構造となっていることによって、筒状管体内の限られた収納スペースに収納する際の基板のサイズを可能な限り大きくすることができるとともに基板の平面部における実装スペースを有効利用でき、かつ、チップ型をなし、動作方向に向きがある動作部を有する電子部品の動作方向を当該筒状管体の中心軸に一致又はほぼ一致させた状態で実装することができる。
[2]本発明のモジュール基板においては、前記動作部を有する電子部品と、前記主基板の前記端子接続用パターンが形成されている縁部の側に存在する端面との間には、前記動作部を有する電子部品を取り付けるためのサブ基板が前記主基板の第1平面部及び第2平面部に直角をなすように介在されており、前記サブ基板には、前記動作部を有する電子部品の前記複数の端子を接続するための複数の端子接続用パットが、当該サブ基板の表裏を形成する第1平面部及び第2平面部のうちの当該第1平面部に、前記動作部を有する電子部品の前記複数の端子に対応して形成されるとともに、前記主基板の前記複数の端子接続用パターンに接続するための複数のパターン接続用パットが、前記第2平面部に形成されており、前記第1平面部に形成されている複数個の端子接続用パットと前記第2平面に形成されている前記複数個のパターン接続用パットとは、それぞれ対応するパットが、前記サブ基板の前記第1平面部及び前記第2平面部を貫いて形成されているスルーホールを介して電気的に接続されており、前記動作部を有する電子部品は、当該電子部品の動作部が前記サブ基板の第1平面部とは反対側を向いた状態で、当該電子部品の前記複数の端子が前記サブ基板の前記第1平面部においてそれぞれ対応する前記端子接続用パット部に、はんだによって接続され、前記サブ基板は、前記第2平面部に形成されている前記パターン接続用パッドが前記主基板のそれぞれ対応する前記端子接続用パターンに、はんだによって接続されていることが好ましい。
このように、動作部を有する電子部品を取り付けるためのサブ基板が主基板の第1平面部及び第2平面部に直角をなすように介在され、動作部を有する電子部品をサブ基板の平面部(第1平面部)に実装された構造とすることにより、当該電子部品を主基板の端面の側に位置させた実装構造とすることができる。このとき、動作部を有する電子部品の複数の端子は、サブ基板の第1平面部に形成されているそれぞれ対応する端子接続用パット部に、はんだ接続され、当該複数の端子接続用パットは、それぞれ対応するスルーホールを介してサブ基板の第2平面部に形成されているそれぞれ対応するパターン接続用パットに接続され、当該第2平面部に形成されている複数のパターン接続用パッドは主基板に形成されているそれぞれ対応する端子接続用パターンに、はんだ接続されているため、動作部を有する電子部品の複数の端子を主基板に形成されているそれぞれ対応する端子接続用パターンに電気的に接続させることができる。
また、動作部を有する電子部品はサブ基板の平面部(第1平面部)に実装されているため、動作部を有する電子部品のサブ基板への実装作業は、当該電子部品を通常の基板の平面部に実装させる場合とほぼ同様に行うことができる。このことから、動作部を有する電子部品のサブ基板への実装作業は、比較的容易に行うことができる。また、サブ基板の主基板への取り付けも比較的容易に行うことができる。このため、仮に、動作部を有する電子部品の仕様変更などが生じて電子部品を変更する必要が生じた場合でも、サブ基板ごと交換すればよいため、動作部を有する電子部品の仕様変更などに容易に対応可能となる。
[3]本発明のモジュール基板においては、前記主基板、前記動作部を有する電子部品及び前記サブ基板は、当該電子部品の動作部が露出するように非導電性のチューブによって被覆されていることが好ましい。
このように、主基板、動作部を有する電子部品及びサブ基板が、当該電子部品の動作部が露出するように非導電性のチューブよって被覆された構成となっているため、本発明のモジュール基板を筒状管体に収納した状態としたときに、仮に、筒状管体が金属であっても、モジュール基板に実装されている電子部品と筒状管体とが接触することによる短絡などの不具合を未然に防ぐことができる。なお、主基板の第1平面部及び第2平面部の少なくとも一方には動作部を有する電子部品以外の電子部品(動作部を有する電子部品を駆動する電子部品など)なども実装されているが、このような電子部品も非導電性のチューブによって被覆される。なお、非導電性のチューブとしては、加熱することによって収縮する熱収縮チューブが好ましい。
[4]本発明のモジュール基板においては、前記動作部を有する電子部品は、当該電子部品の前記複数の端子が、前記主基板の前記第1平面部及び前記第2平面部の少なくとも一方の平面部の縁部に形成されている複数の端子接続用パターンにそれぞれはんだによって接続されていることにより、前記主基板の端面に、直接的に取り付けられていることが好ましい。
このように、動作部を有する電子部品を主基板の端面に直接的に取り付けた構造とすることによっても、当該電子部品を主基板の端面の側に位置させた構造とすることができる。なお、動作部を有する電子部品は上述の[1]で述べたように、チップ型の電子部品であり、このようなチップ型の電子部品であっても、主基板の第1平面部及び第2平面部の少なくとも一方の平面部の縁部には、端子接続用パターンが形成されていることによって、チップ型の電子部品の端子をリード線を介さずに端子接続用パターンに、はんだ接続することができる。それによって、動作部を有する電子部品を主基板の端面に直接的に取り付けた構造とすることができる。
このように、動作部を有する電子部品を主基板の端面に直接的に取り付けた構造とすることによっても、主基板の本来の実装面(第1平面部又は第2平面部)は、スペース的に余裕が生じ、主基板の本来の実装面(第1平面部又は第2平面部)を有効利用できる。これにより、より多くの電子部品の実装が可能となるとともに、よりサイズの大きな電子部品の実装も可能となる。
[5]本発明のモジュール基板においては、前記主基板及び前記動作部を有する電子部品は、当該電子部品の動作部が露出するように非導電性のチューブによって被覆されていることが好ましい。
このように、主基板板及び動作部を有する電子部品が、当該電子部品の動作部が露出するように非導電性のチューブよって被覆された構成となっているため、本発明のモジュール基板を筒状管体に収納した状態としたときに、仮に、筒状管体が金属であっても、モジュール基板に実装されている電子部品と筒状管体とが接触することによる短絡などの不具合を未然に防ぐことができる。なお、この場合においても、主基板の第1平面部及び第2平面部の少なくとも一方には動作部を有する電子部品以外の電子部品(動作部を有する電子部品を駆動する電子部品など)も実装されているが、このような電子部品も非導電性のチューブによって被覆される。この場合も、非導電性のチューブとしては、加熱することによって収縮する熱収縮チューブが好ましい。
[6]本発明のモジュール基板においては、前記動作部を有する電子部品は、発光素子であり、前記動作部は当該発光素子の発光面であり、前記動作方向は、当該発光素子の光照射方向であることが好ましい。
このように、動作部を有する電子部品が発光素子であることによって、本発明のモジュール基板は、例えば、電子機器などの動作状態を表す表示ユニットに収納されるモジュール基板として好適なものとなる。なお、発光素子はチップ型のLEDであるとする。
[7]本発明のモジュール基板においては、発光素子は、1個又は複数個によって構成されていてもよい。
このように、発光素子を複数個とすることにより、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の発光素子(LED)を用い、これらRGBの発光素子を駆動制御する電子部品を主基板に搭載することによって、多色の光を照射することができる。
[8]本発明のモジュール基板においては、前記動作部を有する電子部品は、操作部を押圧することによってオン又はオフするスイッチであり、前記動作部は、当該スイッチをオン又はオフさせるための操作部であり、前記動作方向は、前記操作部を押圧及び押圧解除する際の操作方向であることが好ましい。
このように、動作部を有する電子部品としては、操作部を押圧することによってオン又はオフを行うスイッチであってもよい。この場合、動作部は、当該スイッチの操作部であり、動作方向は、操作部を押圧又は押圧解除する際の操作方向となる。本発明のモジュール基板は、このようなスイッチを実装したものであってよい。
[9]本発明のモジュール基板においては、前記筒状管体は、円筒管体であることが好ましい。
このように、筒状管体が円筒管体であることにより、筒状管体の製造を容易にすることができ、大量生産が可能となる。また、筒状管体が円筒管体である場合には、主基板の中心軸が、当該円筒管体の中心軸に一致又はほぼ一致するように主基板を円筒管体に配置することにより、主基板の長さ(円筒管体の軸方向長さ)が限られているとすれば、当該主基板の横方向の長さ(円筒管体の径方向長さ)をより大きくすることができ、それによって、主基板の面積をより大きくすることができる。
[10]本発明の電子機器ユニットは、筒状管体と、当該筒状管体の内部に収納されるモジュール基板とを備え、電子機器の構成要素の1つとして当該電子機器に組み込まれる電子機器ユニットであって、前記モジュール基板は、[1]~[9]のいずれかに記載のモジュール基板であることを特徴とする。
本発明の電子機器ユニットは、内部に収納するモジュール基板としては、[1]~[9]のいずれかに記載のモジュール基板を備えているため、高性能で小サイズな電子機器用の電子機器ユニットとすることができる。
以下、本発明の各実施形態について説明する。以下に示す本発明の各実施形態においては、基板と、当該基板に電気的に接続され、チップ型をなし、かつ、動作方向に向きがある動作部を有する電子部品とを有するモジュール基板及び当該モジュール基板を筒状管体に収納してなる電子機器ユニットについて説明する。また、「チップ型をなし、かつ、動作方向に向きがある動作部を有する電子部品」というのは、以下に示す本発明の各実施形態においては、発光素子(LEDとする。)であるとする。このため、「動作部」というのは、LEDの発光面であり、「動作方向」というのは、当該LEDから発せられる光の照射方向であるとして説明する。また、筒状管体は円筒管体であるとする。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るモジュール基板10Aを説明するために示す図である。なお、図1(a)は実施形態1に係るモジュール基板10Aの側面図であり、図1(b)は実施形態1に係るモジュール基板10Aの平面図であり、図1(c)は実施形態1に係るモジュール基板10Aの正面図である。
図2は、実施形態1に係る電子機器ユニット20Aを説明するために示す図である。なお、図2(a)は電子機器ユニット20Aの外観斜視図であり、図2(b)は図2(a)の一部を切り欠いて内部構造の一部を拡大して示す側面図であり、図2(c)は図2(b)のa-a線矢視断面図である。
以下、図1及び図2を参照して、実施形態1に係るモジュール基板10A及び実施形態1に係る電子機器ユニット20Aについて説明する。まずは、図2を参照して実施形態1に係る電子機器ユニット20Aについて説明し、その後で、図1及び図2を参照して実施形態1に係るモジュール基板10Aについて説明する。なお、以下の説明においては、「実施形態1に係るモジュール基板10A」を「モジュール基板10A」と略記する場合もあり、同様に、「実施形態1に係る電子機器ユニット20A」を「電子機器ユニット20A」と略記する場合もある。なお、電子機器ユニット20Aは、図示しない電子機器に組み込まれて使用されるものであり、発光素子(LEDとする。)の点灯(点滅も含む)又は消灯などによって電子機器の動作状態を表すものであるとする。このため、電子機器ユニット20Aは、電子機器に組み込まれる「表示ユニット」とも言えるものである。
電子機器ユニット20Aは、図2に示すように、外観的には、筒状管体210と、当該筒状管体210の先端側に設けられている先端頭部220と、当該先端頭部220の光照射口221に取り付けられているレンズ230と、筒状管体210の後端側に取り付けられている端子部240とを有している。なお、レンズ230は必須のものではなく、レンズ230を設ける必要のない場合もある。
実施形態1に係る電子機器ユニット20Aにおいては、筒状管体210の外径Φ1は6mm~8mm程度、内径Φ2は4mm~6mm程度であり、その中心軸Ox1に沿った長さL1は、20mm程度であるとする。但し、これらの寸法は一例であって、より小サイズとすることも可能であり、逆により大サイズとすることも可能である。
続いて、モジュール基板10Aについて主に図1を参照して説明する。モジュール基板10Aは、基板110と、LED120とを有し、LED120は、複数(2個とする。)の端子121,122(図4参照。)がリード線を持たずに本体123(図4参照。)に設けられているチップ型のLEDである。当該LED120は、サブ基板130を介して基板110の端面113aに取り付けられた構成となっている。なお、基板110、LED120及びサブ基板130の詳細については後述する。また、以降の説明においては、基板110は、主基板110と呼ぶこととする。
また、主基板110には、LED120以外の電子部品として、当該LED120を駆動するための電子部品など複数の電子部品150が実装されている。なお、当該LED120以外の電子部品を「他の電子部品150」と呼ぶことにする。
そして、モジュール基板10Aを構成する主基板110、LED120、サブ基板130、他の電子部品150は、LED120の動作部である発光面124が露出するように、非導電性素材でなるチューブ160(図2(b)及び図2(c)参照。)よって被覆されている。図1においては、チューブ160は図示が省略されているが、当該チューブ160が被覆された状態となっているモジュール基板10Aについては図6を参照して後述する。なお、チューブ160としては、熱を加えることによって収縮する熱収縮チューブを用いることが好ましい。以下、チューブ160を熱収縮チューブ160と表記する場合もある。
主基板110は、実施形態1に係るモジュール基板10Aにおいては、平面形状が矩形状(長方形とする。)をなし、当該主基板110の表裏を形成する第1平面部111及び第2平面部112と、当該第1平面部111の縁部と当該第2平面部112の縁部との間に、当該第1平面部111及び第2平面部112と直角をなすように形成される端面とを有している。なお、主基板110は矩形状をなしているため、4つ端面が存在することとなり、当該4つの端面を端面113a~113dとする。また、第1平面部111及び第2平面部112のそれぞれ対応する縁部(縁部111a,112aとする。)には、LED120の端子121,122を電気的に接続するための端子接続用パターン114,115(図3参照。)が形成されている。ここで、端子接続用パターン114,115について説明する。
図3は、主基板110の縁部111a,112aに形成されている端子接続用パターン114,115を説明するために示す斜視図である。なお、図3においては、主基板110の一部が拡大して示されている。
図3に示すように、主基板110の第1平面部111及び第2平面部112(第2平面部112は図1(a)参照。)のそれぞれ対応する縁部(縁部111a,112a)には、端子接続用パターン114,115が形成されている。具体的には、主基板110の第1平面部111の縁部111aには、LED120の端子121を電気的に接続するための端子接続用パターン114が形成され、第2平面部112の縁部112aにはLED120の端子122を電気的に接続するための端子接続用パターン115が形成されている。なお、実施形態1に係るモジュール基板10Aにおいては、LED120の端子121,122は、端子接続用パターン114,115に直接的に接続されるものではなく、サブ基板130を介して電気的に接続されるものであるが、これについては後述する。
ところで、図3においては、端子接続用パターン114,115は、第1平面部111及び第2平面部112に対して段差が強調して描かれているが、これは、端子接続用パターン114,115の存在を分かり易くするためであり、第1平面部111及び第2平面部112に対してほぼ同一平面に形成されている。
図1に説明が戻る。主基板110の第1平面部111には、他の電子部品150が実装されている。なお、図1の例では、他の電子部品150は、第1平面部111に実装されている場合が示されているが、他の電子部品150は第1平面部111ではなく、第2平面部112に実装されていてもよく、また、第1平面部111及び第2平面部112の両方に実装されていてもよい。また、図1においては、他の電子部品150は2個としているが、2個であることに限られるものではなく、1個であってもよく、また、3個以上であってもよい。
また、主基板110は、厚みt1が1.2mm、縦方向(図2に示す電子機器ユニット20Aにおける筒状管体210の中心軸Ox1方向)の長さd1は7mm程度で、横方向(筒状管体210の径方向)の長さd2は4mm程度とする。但し、主基板110のサイズは、これに限られるものではなく、筒状管体210の内径、筒状管体210の中心軸Ox1方向の長さなどによって適宜、設定可能である。
このように、構成されている主基板110は、電子機器ユニット20Aの筒状管体210内に収納される。このとき、主基板110は、当該主基板110の中心軸Ox2が、筒状管体210の中心軸Ox1に一致又はほぼ一致するように筒状管体210に配置された状態で収納される。なお、主基板110の中心軸Ox2というのは、第1平面部111及び第2平面部112と平行で端面(端面113a及び端面113c)を貫く方向の中心軸であるとする。
続いて、LED120及びサブ基板130について説明する。LED120は、前述したように、リード線を持たずに端子121,122が本体123に設けられているチップ型をなすLEDである。また、当該LED120は面発光型のLEDであることが好ましい。LED120について具体的に説明する。
図4は、LED120を裏面側から見た斜視図である。LED120は、動作部としての発光面124(図1参照。)が本体123の一方の面(表面とする。)に設けられているとともに、端子121,122が本体123の他方の面(裏面とする。)123a側に位置するように設けられているLEDであるとする。すなわち、LED120は、図4に示すように、当該LED120の本体123の裏面123aには、2つの端子121,122が、当該裏面123aの対向する角部においてそれぞれL型をなすように設けられている。なお、このような構造を有するLED120としては、一般に市販されているLEDを用いることができる。なお、図4においては、端子121,122は、本体123に対して段差が強調して描かれているが、これは、端子121,122の存在を分かり易くするためであり、本体123に対してほぼ同一平面に形成されているものが多い。
また、当該LED120は、例えば、横方向の長さ(主基板110の横方向に沿った長さ)d3が2.0mm、縦方向の長さ(基板110の厚み方向に沿った長さ)d4が1.6mm程度で、厚みt2が1mm程度の角型ものが使用可能であるが、これは一例であって、サイズ及び形状は特に限定される限定されるものではなく、より小サイズのLEDの使用も可能である。
続いて、サブ基板130について説明する。
図5は、サブ基板130について説明するために示す図である。なお、図5はサブ基板130が主基板110に接合された状態を示す斜視図である。サブ基板130は、図5に示すように、矩形状をなすサブ基板130の平面部の中心Poが、主基板110の中心軸Ox2に一致又はほぼ一致するように、主基板110の端面113aに取り付けられている。なお、サブ基板130は、サブ基板130の表裏を形成する第1平面部131及び第2平面部132(当該第2平面部132は図1参照。)を有している。
サブ基板130は、当該サブ基板130の第2平面部132側が主基板110の端面113a側に向いた状態で、かつ、主基板110とのなす角度(具体的には、主基板110の第1平面部111及び第2平面部112とのなす角度)が90度となるように主基板110に接合されている。
また、サブ基板130の第1平面部131には、LED120の端子121,122を接続するための端子接続用パッド135,136が形成されている。また、図5においては、図示されていないが、サブ基板130の第2平面部132には、主基板110の縁部111a,112aに形成されている端子接続用パターン114,115(図3参照。)に接続するためのパターン接続用パッド137,138(図1参照。)が形成されている。
なお、図5においては、端子接続用パッド135,136は、サブ基板130の第1平面部131に対して段差が強調して描かれているが、これは、端子接続用パッド135,136の存在を分かり易くするためであり、サブ基板130の第1平面部131に対してほぼ同一平面に形成されている。
また、サブ基板130には、当該サブ基板130の第1平面部131に形成されている端子接続用パッド135,136と、第2平面に形成されているパターン接続用パッド137,138とを電気的に接続するためのスルーホール133,134が第1平面部131から第2平面部132までを貫いて形成されている。
なお、スルーホール133とサブ基板130の第1平面部131に形成されている端子接続用パット135とは、サブ基板130の第1平面部131に形成されている回路パターン139により接続されている。同様に、スルーホール134とサブ基板130の第1平面部131に形成されている端子接続用パット136とは、サブ基板130の第1平面部131に形成されている回路パターン140により接続されている。
また、スルーホール133とサブ基板130の第2平面部132に形成されているパターン接続用パット137とは、サブ基板130の第2平面部131に形成されている回路パターン(図示せず。)により接続されている。同様に、スルーホール134とサブ基板130の第2平面部132に形成されているパターン接続用パット138とは、サブ基板130の第1平面部132に形成されている回路パターン(図示せず。)によって接続されている。
これにより、サブ基板130の第1平面部131に形成されている端子接続用パット135と、第2平面部132に形成されているパターン接続用パット137とはスルーホール133を介して電気的に接続され、サブ基板130の第1平面部131に形成されている端子接続用パット136と、第2平面部132に形成されているパターン接続用パット138とはスルーホール134を介して電気的に接続されることとなる。
なお、スルーホール133,134は、端子接続用パット135,136及びパターン接続用パット137,138とから外れた位置に形成されている。これは、LED120と端子接続用パット135,136との接続及びパターン接続用パット137,138と主基板110の縁部111a,112aに形成されている端子接続用パターン114,115とのはんだ接続を確実に行うためである。
すなわち、仮に、スルーホール133,134が、端子接続用パット135,136及びパターン接続用パッド137,138それぞれに対向する位置に存在すると、LED120と端子接続用パット135,136とをはんだ接続する際及びパターン接続用パット137,138と主基板110の縁部に形成されている形成されている端子接続用パターン114,115とをはんだ接続する際に、それぞれの接続部に塗布したクリームはんだが、リフローした際にスルーホール133,134に内に流れ込んでしまうことによって、それぞれの接続部に残存するはんだの量が少なくなってしまう場合があるからである。
ところで、サブ基板130のサイズは、実施形態1に係るモジュール基板10Aにおいては、横方向の長さ(主基板110の横方向に沿った長さ)d5が3mm~4mm程度、縦方向の長さ(主基板110の厚み方向に沿った長さ)d6が2.5mm~3mm程度、厚みt3が1.2mm程度であるが、サブ基板130のサイズも適宜、設定可能である。
このように構成されているサブ基板130の第1平面部131には、図1に示すように、LED120が取り付けられる。このとき、LED120は、当該LED120の発光面124から照射される光の光軸Ox3(図1(c)参照。)がサブ基板130の中心Po(図5参照。)を通る線上(主基板110の中心軸Ox2上)に一致又はほぼ一致するように取り付けられていることが好ましい。
ところで、LED120の端子121,122とサブ基板130の第1平面部131に形成されている端子接続用パッド135,136との接続、サブ基板130の第2平面部132に形成されているパターン接続用パッド137,138と主基板110の縁部111a,112aに形成されている端子接続用パターン114,115との接続は、それぞれの接続部に、クリームはんだなどを塗布し、図示しない専用の治具などを用いて、LED120、サブ基板130及び主基板110をそれぞれ適正に位置決めした状態として、その位置決めした状態を保持したまま、リフロー炉(例えば、エアリフロー炉)を通すことによって行うことができる。なお、実施形態1に係るモジュール基板10Aにおいては、まず、LED120をサブ基板130に実装する工程を行った後で、LED120が実装されたサブ基板130を主基板110に取り付ける工程を行うことが好ましい。
これにより、LED120とサブ基板130と主基板110とは、はんだ141(図1参照。)によって接続され、それによって、LED120は、当該LED120の端子121,122がサブ基板130を介して主基板110の縁部111a,112aに形成されている端子接続用パターン114,115に電気的に接続されたものとなる。
また、LED120とサブ基板130と主基板110とが、はんだ接続されることによって、LED120及びサブ基板130は、主基板110に固定されたものとなる。なお、サブ基板130は、LED120を含めても軽量であるため、他の固定手段を用いることなく、サブ基板130の主基板110への固定状態は、はんだによる接続のみであっても、十分な強度が得られることが確かめられている。
このようにして、LED120がサブ基板130を介して主基板110の端面113aに配置された実装構造を有するモジュール基板10Aを作製することができる。このようにして作製されたモジュール基板10Aは、LED120が主基板110の端面113aの側に位置するため、主基板110の本来の実装面(第1平面部111又は第2平面部112)は、スペース的に余裕が生じ、主基板110の本来の実装面(第1平面部111又は第2平面部112)を有効利用できる。
主基板110の本来の実装面(第1平面部111又は第2平面部112)を有効利用できることにより、より多くの電子部品の実装が可能となるとともに、よりサイズの大きな電子部品の実装も可能となる。例えば、交流又は直流のいずれにも対応可能とするといった要求や種々の電圧に対応可能としたいといった要求(フリー電源化の要求)にも対応し易くなる。すなわち、これらの要求に対応するためには、LED120を駆動するための電子部品(他の電子部品150)の数が増えたり、また、LED120を駆動するための電子部品のサイズがより大きくなったりする場合があるが、主基板110の端面113aを電子部品の実装スペースとして利用することによって、主基板110の本来の実装面(第1平面部111又は第2平面部112)を有効利用できるため、上述した要求にも対応可能となる。
ところで、モジュール基板10Aにおいては、LED120はサブ基板130に実装されているため、LED120のサブ基板130への実装作業は、LED120を通常の基板の平面部に実装させる場合とほぼ同様に行うことができる。このことから、LED120のサブ基板130への実装作業は、比較的容易に行うことができる。このように、LED120の実装がし易いものとなるため、LED120はより小サイズのものを使用可能である。また、サブ基板130の主基板110への取り付けも比較的容易に行うことができる。このため、仮に、LED120の仕様変更などが生じてLED120を他のLEDに変更する必要が生じた場合でも、サブ基板130ごと交換すればよいため、LED120の仕様変更などに容易に対応可能となる。
また、実施形態1に係るモジュール基板10Aにおいては、前述したように、主基板110、LED120及びサブ基板130は、LED120の発光面124が露出するように非導電性のチューブ160(熱収縮チューブ160)によって被覆されている。なお、主基板110の平面部(例えば、第1平面部111)には、LED120以外の他の電子部品150も1個又は複数個実装されているため、これら他の電子部品150も主基板110、LED120及びサブ基板130とともに熱収縮チューブ160によって被覆されている。
図6は、熱収縮チューブ160によって被覆された状態の実施形態1に係るモジュール基板10Aを説明するために示す図である。このような熱収縮チューブ160としては、例えば、塩化ビニール、シリコンゴム、フッ素系ポリマーなどが用いられたものが知られている。また、実施形態1に係るモジュール基板10Aにおいては、熱収縮チューブ160は、0.1mm程度の肉厚を有するものを用いているが、図6においては、熱収縮チューブ160の厚みが誇張して描かれている。なお、熱収縮チューブ160の肉厚は、0.1mm程度の厚みに限られるものではなく、適宜最適なものを使用できる。
なお、熱収縮チューブ160のモジュール基板10Aへの被覆は、モジュール基板10Aの組み立てが終了して、図1の状態となった後で、熱収縮チューブ160一方の開口端161とLED120の発光面124の先端面とがほぼ同一平面となるように、主基板110、LED120及びサブ基板130を被覆する。このとき、実施形態1に係るモジュール基板10Aにおいては、主基板110には、他の電子部品150も存在するために、当該他の電子部品150も熱収縮チューブ160によって被覆されている。
このように、LED120の発光面124が露出するように、主基板110、LED120及びサブ基板130、さらには、他の電子部品150をLED120の発光面124が露出するように熱収縮チューブ160によって被覆した状態で、熱収縮チューブ160を加熱する。これにより、当該熱収縮チューブ160は収縮して、図6(b)に示すように、主基板110、LED120及びサブ基板130、さらには、他の電子部品150などの外形の凹凸に沿うように変形する。
なお、熱収縮チューブ160の加熱には、様々な加熱方法を使用できるが、モジュール基板10Aの組み立てが終了して、図1の状態となった後に、熱収縮チューブ160を被覆した状態のものを、適切な温度に設定されたエアリフロー炉を通すことによって行うことができる。
このように、LED120の発光面124が露出するように主基板110、LED120及びサブ基板130、さらには、他の電子部品150が熱収縮チューブ160によって被覆された構成となっているため、当該実施形態1に係るモジュール基板10Aを図2に示すように、筒状管体210に収納した状態としたときに、仮に、筒状管体210が金属であっても、モジュール基板10Aに実装されている各電子部品と筒状管体210体とが接触することによる短絡などの不具合を未然に防ぐことができる。
また、モジュール基板10Aは、LED120の発光面124が露出するように主基板110、LED120及びサブ基板130、さらには、他の電子部品150が熱収縮チューブ160によって被覆された構成となっていることから、熱収縮チューブ160の外周面と筒状管体210の内壁面とが部分的にではあるが密着するため、モジュール基板10Aが筒状管体210内で位置がずれたりしにくくなる。また、熱収縮チューブ160が緩衝材としての役目も有するため、筒状管体210に多少の衝撃が加わっても、当該モジュール基板10Aに実装されている各部品に伝わりにくくなり、モジュール基板10Aに実装されている各部品を保護することができる。
このように構成された実施形態1に係るモジュール基板10Aは、図2に示す電子機器ユニット20Aの筒状管体210の内部に収納される。モジュール基板10Aを図2に示す電子機器ユニット20Aの筒状管体210の内部に収納する際には、例えば、モジュール基板10Aの先端側(LED120側)を先頭にして、筒状管体210の後端部から光照射口221に向かって挿入する。
このとき、筒状管体210の内径を仮に4.2mmとし、主基板110の横幅を4mmとし、サブ基板130の横方向の長さd5を3.2mm、縦方向の長さd6を2.5mmとすれば、主基板110を筒状管体210の中心軸Ox1上に沿って挿入することができる。これにより、主基板110は当該主基板110の中心軸Ox2が筒状管体210の中心軸Ox1と一致又はほぼ一致した状態で収納されることとなる。なお、モジュール基板10Aが筒状管体210に収納された状態で、最終的には、筒状管体210内に接着剤を流し込んで、モジュール基板10Aを筒状管体210に対して固定するようにしてもよい。
このようにしてモジュール基板10Aが筒状管体210に収納されると、主基板110にサブ基板130を介して実装されているLED120の発光面124の光軸Ox3は、筒状管体210の中心軸Ox1と一致又はほぼ一致する。これにより、発光面124が発した光は、電子機器ユニット20Aの光照射口221から偏りなく外部に照射される。
以上説明したように、実施形態1に係るモジュール基板10Aによれば、チップ型をなし、動作方向に向きがある動作部を有する電子部品(この場合、LED120)は、主基板110の平面部(第1平面部111又は第2平面部112)上ではなく、サブ基板130を介して主基板110の端面113aに位置する実装構造となっている。このため、主基板110を筒状管体210の中心軸Ox1に配置しても、LED120の光軸Ox3を筒状管体120の中心軸Ox1に一致又はほぼ一致させることができる。これにより、主基板110を筒状管体210内の限られた収納スペースに収納する際に、当該主基板110のサイズを可能な限り大きくすることができる。
また、主基板110の平面部(第1平面部111又は第2平面部112)は、LED120が存在しない分だけ、実装スペースに余裕が生じ、より多くの電子部品(他の電子部品150)を主基板110に実装することができるとともに他の電子部品150として、よりサイズの大きな電子部品の実装も可能となる。これにより、主基板110に実装すべき電子部品(他の電子部品150)の自由度を高くすることができる。また、主基板110の中心軸Ox2を筒状管体210の中心軸に一致又はほぼ一致させた状態で配置することにより、LED120の照射方向を筒状管体210の中心軸Ox1に一致又はほぼ一致させることができる。
また、実施形態1に係る電子機器ユニット20Aは、内部に収納するモジュール基板として、実施形態1に係るモジュール基板10Aを備えているため、高性能で小サイズな電子機器用の電子機器ユニット(この場合、表示ユニット)とすることができる。特に、モジュール基板10Aの主基板110の中心軸Ox2を筒状管体210の中心軸に一致又はほぼ一致させた状態で配置することにより、LED120が照射する光の光軸Ox3が、電子機器ユニット20Aの筐体である筒状管体210の中心軸Ox1上に一致又はほぼ一致するため、当該電子機器ユニット20Aの光照射口221から照射される光に偏りがなく、表示ユニットとしての性能を向上させることができる。
[実施形態2]
図7は、実施形態2に係るモジュール基板10Bを説明するために示す図である。なお、図7(a)は実施形態2に係るモジュール基板10Bの側面図であり、図7(b)は実施形態2に係るモジュール基板10Bの平面図であり、図7(c)は実施形態2に係るモジュール基板10Bの正面図である。
なお、実施形態2に係るモジュール基板10Bにおいても、実施形態1に係るモジュール基板10Aと同様に、実施形態2に係るモジュール基板10Bを構成する各部品が非導電性のチューブ(この場合も、熱収縮チューブ160とする。)によって被覆されているが、図7においては、熱収縮チューブ160は図示が省略されており、当該熱収縮チューブ160については後述する。
図8は、実施形態2に係る電子機器ユニット20Bを説明するために示す図である。なお、実施形態2に係る電子機器ユニット20Bの外観斜視図は、図2(a)に示す実施形態1に係る電子機器ユニット20Aと同様であるため、実施形態2に係る電子機器ユニット20Bにおいては、外観の図示を省略し、実施形態2に係る電子機器ユニット20Bの外観を説明する際には、図2(a)を参照して説明する。ここで、図8(a)は実施形態2に係る電子機器ユニット20Bの内部構造を説明する図であり、図8(b)は図8(a)のa-a線矢視断面図である。
まず、実施形態2に係るモジュール基板10Bについて図7を参照して説明する。実施形態2に係るモジュール基板10Bが実施形態1に係るモジュール基板10Aと異なる点は、サブ基板130を有しない点である。
実施形態2に係るモジュール基板10Bにおいては、チップ型のLED120が主基板110の端面113aに直接的に取り付けられたものとなっている。すなわち、LED120は、端子121,122が主基板110における第1平面部111の縁部111aに形成されている端子接続用パターン114及び第2平面部112の縁部112aに形成されている端子接続用パターン115それぞれにはんだ141によって接続されている。これにより、LED120は、端子121,122が基板110の第1平面部111の縁部111aに形成されている端子接続用パターン114及び第2平面部112の縁部112aに形成されている端子接続用パターン115それぞれに電気的に接続されたものとなる。
この場合も、LED120の端子121,122と主基板110の縁部111a,112aに形成されている端子接続用パターン114,115との接続は、それぞれの接続部に、クリームはんだなどを塗布し、図示しない専用の治具などを用いて、LED120と主基板110とをそれぞれ適正に位置決めした状態として、その位置決めした状態を保持したまま、リフロー炉(例えば、エアリフロー炉)を通すことによって行うことができる。
また、実施形態2に係るモジュール基板10Bにおいても、当該モジュール基板10Bを構成する各部品が熱収縮チューブ160によって被覆されている。具体的には、実施形態2に係るモジュール基板10Bにおいては、主基板110及びLED120は、LED120の発光面124が露出するように熱収縮チューブ160によって被覆されている。なお、実施形態2に係るモジュール基板10Bにおいても、主基板110の平面部(例えば、第1平面部111)には、LED120以外の他の電子部品150が実装されているため、当該他の電子部品150も主基板110及びLED120とともに熱収縮チューブ160によって被覆されている。
図9は、熱収縮チューブ160によって被覆された状態の実施形態2に係るモジュール基板10Bを説明するために示す図である。なお、熱収縮チューブ160は実施形態1に係るモジュール基板10Aにおいて用いた熱収縮チューブ160と同じ素材のものを使用できる。
図9に示すように、主基板110及びLED120は、LED120の発光面124が露出するように熱収縮チューブ160によって被覆されている。熱収縮チューブ160のモジュール基板10Bへの被覆は、モジュール基板10Aの組み立てが終了して、図7の状態となった後で、熱収縮チューブ160の一方の開口端161とLED120の発光面124の先端面とがほぼ同一平面となるように、主基板110及びLED120を被覆する。これによって、図9に示すように、主基板110及びLED120は、LED120の発光面124が露出するように熱収縮チューブ160によって被覆されたものとなる。このとき、実施形態2に係るモジュール基板10Bにおいても、主基板110には、他の電子部品150が存在するために、当該他の電子部品150も熱収縮チューブ160によって被覆されている。
以上説明したように、実施形態2に係るモジュール基板10Bにおいては、実施形態1に係るモジュール基板10Aと同様に、LED120が主基板110の端面113aに配置された実装構造を有するものとなる。このため、実施形態2に係るモジュール基板10Bにおいても、実施形態1に係るモジュール基板10Aと同様の効果が得られる。また、実施形態2に係るモジュール基板10Aにおいては、サブ基板130が存在しないため、実施形態1に係るモジュール基板10Aに比べて、サブ基板130が存在しない分だけ、部品点数を減らすことができる。
また、実施形態2に係るモジュール基板10Bにおいても、主基板110及びLED120は、熱収縮チューブ160によって被覆された構成となっているため、実施形態1に係るモジュール基板10Aに熱収縮チューブ160を被覆した場合と同様の効果が得られる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。たとえば、下記に示すような変形実施も可能である。
(1)上述した各実施形態においては、LED120は、1個である場合を例示して説明したが、LED120は複数個存在していてもよい。例えば、実施形態1に係るモジュール基板10Aを例にとって説明すると、サブ基板130に、例えば,R(赤)、G(緑)、B(青)の3個のLEDを実装するようにしてもよい。
この場合、3個のLEDの配置の仕方としては、サブ基板130の平面部(第1平面部131)上において横方向又は縦方向に隣接配置してもよく、また、3個のLEDが正三角形の頂点の位置となるように隣接配置してもよい。なお、3個のLEDが横方向又は縦方向に隣接配置する場合においては、真ん中に位置するLEDを筒状管体210の中心軸Ox1に一致するように3個のLEDを配置することが好ましい。また、3個のLEDが正三角形の頂点の位置となるように隣接配置する場合においては、正三角形の中心が筒状管体210の中心軸Ox1に一致するように3個のLEDを配置することが好ましい。
また、実施形態2に係るモジュール基板10Bにおいては、LED120を基板(主基板110)に直接実装しているが、この場合、複数個のLED(例えば、3個のLEDとする。)を主基板110に直接実装する場合の実装の仕方としては、主基板110の端面113aに沿って3個のLEDを横方向に隣接配置してもよく、また、主基板110として、厚みの厚い基板を使用したり、より小サイズのLEDを使用したりすることによって、3個のLEDが正三角形の頂点の位置となるように隣接配置することもできる。
(2)上述した実施形態1に係るモジュール基板10Aおいては、主基板110の中心軸Ox2(図1参照。)、サブ基板130の中心Po(図5参照。)、LED120の光軸Ox3(図1(c)参照。)は、それぞれが一致又はほぼ一致するように配置するとしたが、これは、主基板110の中心軸Ox2、サブ基板130の中心Po、LED120の光軸Ox3は、わずかな「ずれ」は許容されることを意味している。すなわち、主基板110の中心軸Ox2、サブ基板130の中心Po、LED120の光軸Ox3それぞれが厳密に一致するように配置することは、理想ではあるが、高精度が要求される光学機器に用いられるものではない場合には、わずかなずれは許容されるものとしている。また、電子機器ユニット20Aの筒状管体210に対するモジュール基板10Aの配置においても同様であり、主基板110の中心軸Ox2、サブ基板130の中心Po、LED120の光軸Ox3と、筒状管体210の中心軸Ox1とは、わずかなずれは許容されるものである。このことは実施形態2に係るモジュール基板10Bにおいても同様のことが言える。
(3)上述した各実施形態においては、動作方向に向きがある動作部を有する電子部品としては、発光素子(LED)とした場合を例示して説明したが、動作部を有する電子部品はLEDに限られるものではなく、例えば、操作部を押圧することによってオン又はオフを行うスイッチであってもよい。この場合、動作部は、当該スイッチの操作部であり、動作方向は、操作部を押圧又は押圧解除する際の操作方向となる。従って、動作方向に向きがある動作部を有する電子部品として、このようなスイッチとしての機能を有するチップ型の電子部品であってもよい。
(4)上記各実施形態において例示した筒状管体210のサイズ、主基板110のサイズ、LED120のサイズ、また、実施形態1においてはサブ基板130のサイズなど各構成要素のサイズは一例であって、適宜設定可能である。
(5)上記各実施形態は、筒状管体は円筒管体とした場合を例示したが、円筒管体に限られるものではなく、例えば、正面から見た断面が正方形や6角形をなす角筒状管体であってもよい。
(6)上記各実施形態においては、主基板110の端子接続用パターン114,115は、主基板110の第1平面部111及び第2平面部112にそれぞれ形成した場合を例示したが、当該端子接続用パターン114,115は、主基板110の第1平面部111及び第2平面部112のいずれか一方に形成するようにしてもよい。例えば、主基板110の第1平面部111の側に端子接続用パターン114,115を形成する場合を例にとって説明すると、端子接続用パターン114,115を第1平面部111の縁部111aに沿って所定の間隔を置いて並設する。
この場合、実施形態1に係るモジュール基板10Aにおいて、LEDとしては、図4に示すLED120を用い、また、サブ基板としては、図5に示すようなサブ基板130を用いる場合には、サブ基板130にLEDを実装した後に、当該LED120を実装したサブ基板130を当該サブ基板の中心Po(図5参照。)を回転軸として図5に示す状態から90度回転させた状態で主基板110に接続する。これにより、サブ基板130のパターン接続用パッド137,138(図1参照。)と主基板110の第1平面部111の側に形成された端子接続用パターン114,115とをはんだ接続することができる。
一方、実施形態2に係るモジュール基板10Bにおいて、LEDとしては図4に示すLED120を用いる場合には、当該LED120の光軸Ox3(図1(c)参照。)を中心として図4に示す状態から90度回転させた状態として、LED120を主基板110の第1平面部111に形成されている端子接続用パターン114,115に接続する。これにより、LED120の端子121,122と主基板110の第1平面部111の側に形成された端子接続用パターン114,115とをはんだ接続することができる。
(7)上記実施形態1に係るモジュール基板10Aにおいては、主基板110は、当該主基板110の平面形状が矩形状である場合を例示したが、主基板110の平面形状は、矩形状に限られるものではない。例えば、主基板110は、LED120が取り付けられる側の縁部を形成する辺が、筒状管体210の中心軸にOx1に直交するような辺であればよく、平面形状が3角形、半円形など種々の平面形状とすることができる。
(8)上記実施形態1に係るモジュール基板10Aにおいては、サブ基板130は、当該サブ基板130の平面形状が矩形状である場合を例示したが、サブ基板130の平面形状は、矩形状に限られるものではない。例えば、サブ基板130は、角部が面取りされたものであってもよく、また、筒状管体210の断面形状に沿うような形状としてもよい。例えば、筒状管体210が円筒管体である場合には、当該円筒管体の内径よりもわずかに小さい径を有する円形状としてもよい。サブ基板130の平面形状をこのような形状(円形状)とすることによって、サブ基板130の平面サイズは、筒状管体210における空間部の断面積とほぼ同じ面積とすることができ、サブ基板130の平面サイズをより大きなサイズとすることが可能となる。これにより、動作部を有する電子部品(例えばLED)だけでなく、他の電子部品の実装スペースを確保することもできる。