以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
(第1実施形態)
図1は、本発明と関連性の高い主要な部品のみを示した本発明の第1実施形態による車両100の概略構成図である。図2は、車両100の概略側面図である。
図1に示すように、本実施形態による車両100は、内燃機関1と、燃料タンク2と、給油口3と、CO2回収装置4と、CO2取出口5と、リッド6と、を備える。
内燃機関1は、内部で燃料を燃焼させて、例えば車両100を駆動するための動力を発生させる。
燃料タンク2は、内燃機関1に供給される燃料を貯蔵するためのタンクであって、車両100の一方の側面(本実施形態では車両100の進行方向右側の側面)に設けられた給油口3から燃料を補充することができるように構成される。
燃料タンク2には、燃料タンク2内に貯蔵されている燃料の表面高さ(液位)を検出することにより燃料タンク2内に貯蔵されている燃料の残量(以下「燃料残量」という。)を検出するための液位センサ21が設けられる。本実施形態では、この液位センサ21の検出値に基づいて、燃料タンク2に補充することが可能な燃料量(以下「補充可能燃料量」という。)を算出している。
給油口3は、燃料タンク2に車外の燃料を補充するための給油ホース31を接続することができるように構成される。本実施形態では、給油口3に給油ホース31が接続されたことを検出するために、給油口3には給油ホース検出センサ32が設けられている。
CO2回収装置4は、車両100の例えばラゲッジスペース内に格納される。本実施形態によるCO2回収装置4は、内燃機関1から排出された排気中のCO2を回収することができるように構成されると共に、回収したCO2を車両100の一方の側面に給油口3と隣接するように設けられたCO2取出口5から車外に取り出すことができるように構成される。
CO2取出口5は、CO2回収装置4によって回収されたCO2を車外に取り出すための取出ホース51を接続することができるように構成される。本実施形態では、CO2取出口5に取出ホース51が接続されたことを検出するために、CO2取出口5には取出ホース検出センサ52が設けられている。
なお、CO2回収装置4による排気中のCO2の回収方法は特に限られるものではないが、例えば以下で説明するような物理吸着法や物理吸収法、化学吸収法、深冷分離法などが挙げられる。
物理吸着法は、例えば活性炭やゼオライトなどの固体吸着剤とCO2含有ガス(本実施形態では排気)とを接触させることによってCO2を固体吸着剤に吸着させ、加熱(又は減圧)することによって固体吸着剤からCO2を脱離させて回収する方法である。
物理吸収法は、CO2を溶解させることが可能な吸収液(例えばメタノールやエタノール)とCO2含有ガスとを接触させて高圧・低温下で物理的にCO2を吸収液に吸収させ、加熱(又は減圧)することによって吸収液からCO2を回収する方法である。
化学吸収法は、CO2を選択的に溶解させることが可能な吸収液(例えばアミン)とCO2含有ガスとを接触させることで化学反応によってCO2を吸収液に吸収させ、加熱することによって吸収液からCO2を解離させて回収する方法である。
深冷分離法は、CO2含有ガスを圧縮、冷却してCO2を液化させ、液化させたCO2を選択的に蒸留させることによってCO2を回収する方法である。なお深冷分離法を採用する場合には、CO2含有ガスに水蒸気が含まれていると、先に水蒸気が凝縮・固化してしまうため、CO2含有ガスから水蒸気を除去する処理を事前に施しておくことが望ましい。
本実施形態では、CO2の回収方法として物理吸着法を採用し、固体吸着剤としてのゼオライトに排気中のCO2を吸着させて回収することができるようにCO2回収装置4を構成している。CO2回収装置4の詳細な構成については、図3を参照して後述する。
リッド6は、給油口3及びCO2取出口5の外側を覆う開閉可能な蓋体であって、車両100に取り付けられる。図1及び図2に示すように、本実施形態では、隣接するように配置された給油口3及びCO2取出口5を1枚のリッド6で覆うようにしている。
このように、給油口3及びCO2取出口5を隣接させてそれらを1枚のリッド6で覆うようにすることで、燃料タンク2に対する給油作業及びCO2回収装置4からのCO2取出作業の双方を行う際のリッド開閉動作を1度で済ますことができる。また、給油ホース31及び取出ホース51の双方を接続する際の作業者の移動距離を抑えることができる。そのため、給油作業及びCO2取出作業を行う作業者の負担を軽減させて、各作業を行う際の作業者の利便性を向上させることができる。
図3は、本実施形態によるCO2回収装置4の概略構成図である。
CO2回収装置4は、気体導入口41aと、気体排出口41bと、気体導入口41a及び気体排出口41bを連通する気体流通路41と、ラジエータ42と、冷却水循環通路43と、気体流通路41上に配置される熱交換部44及び吸着部45と、貯留部46と、液体排出口47aと、貯留部46及び液体排出口47aを連通する液体流通路47と、吸着部45及びCO2取出口5を連通する取出通路48と、CO2センサ49と、を備える。
気体導入口41aは、CO2回収装置4内の気体流通路41にCO2を含む気体を導入するための入口である。本実施形態では気体導入口41aは、内燃機関1の排気管11を流れる排気を気体導入口41aから気体流通路41に導入することができるように、連結管12を介して排気管11に接続されている。気体導入口41aから気体流通路41に導入された排気は、気体流通路41を流れて最終的に気体排出口41bから車外に排出される。なお、必要に応じて連結管12に開閉弁を設け、排気管11の排気をCO2回収装置4内の気体流通路41に導入するときにだけ開閉弁を開くようにしてもよい。
ラジエータ42は、冷却水入口部42aと、コア部42bと、冷却水出口部42cと、を備え、冷却水入口部42aから導入された高温の冷却水を、コア部42bにおいて例えば空気などの低温の気体との熱交換によって冷却して冷却水出口部42cから排出する。
冷却水循環通路43は、ラジエータ42から排出された冷却水を、CO2回収装置4に導入された排気を冷却するために熱交換部44に供給した後、ラジエータ42に戻して循環させるための通路である。冷却水循環通路43は、一端部がラジエータ42の冷却水入口部42aに接続され、他端部がラジエータ42の冷却水出口部42cに接続されている。
熱交換部44は、気体流通路41及び冷却水循環通路43にそれぞれ接続されており、気体流通路41を流れる排気と冷却水循環通路43を流れる冷却水との間で熱交換を行って、気体流通路41を流れる排気、すなわちCO2回収装置4内に導入された排気を冷却することができるように構成されている。
貯留部46は、熱交換部44で排気を冷却することによって生じた凝縮水を貯留する。貯留部46内の凝縮水は、液体流通路47を介して液体排出口47aからCO2回収装置4の外部に排出される。
吸着部45は、その内部に熱交換部44によって冷却された排気を導入することができるように、熱交換部44よりも下流側の気体流通路41に接続される。吸着部45は、その内部に固体吸着剤としてのゼオライトを有しており、気体流通路41を介して吸着部45の内部に導入された排気中のCO2を吸着する。吸着部45によってCO2が吸着されてCO2濃度が低減された排気は、吸着部45よりも下流側の気体流通路41を流れて気体排出口41bから外気に排出される。
取出通路48は、吸着部45の固体吸着剤に吸着されたCO2をCO2取出口5から取り出すための通路である。本実施形態では、吸着部45を加熱しつつ吸着部45を減圧することで、固体吸着剤に吸着されたCO2を固体吸着剤から脱離させ、脱離させたCO2を、吸着部45から吸い出してCO2取出口5から取り出すようにしている。なお、必要に応じて取出通路48に開閉弁を設けてCO2の取出時にのみ開閉弁を開くようにしてもよい。
CO2センサ49は、熱交換部44と吸着部45との間の気体流通路41に設けられて、吸着部45に導入される排気の流量及び排気中のCO2濃度を検出する。本実施形態では、このCO2センサ49によって検出された排気流量及びCO2濃度に基づいて、吸着部45に吸着されたCO2の量、すなわち、車両100によって回収されたCO2の量(以下「CO2回収量」という。)を算出している。
以上説明した本実施形態による車両100は、燃料を貯蔵する燃料タンク2と、燃料タンク2に燃料を供給するための給油口3と、CO2を回収するCO2回収装置4と、CO2回収装置4からCO2を取り出すためのCO2取出口5と、給油口3及びCO2取出口5の双方を覆う開閉可能な1つのリッド6と、を備える。
このように、給油口3及びCO2取出口5を隣接させてそれらを1枚のリッド6で覆うようにすることで、給油作業及びCO2取出作業を行う際のリッド開閉動作を1度で済ますことができる。また、給油ホース31及び取出ホース51を接続する際の作業者の移動距離を抑えることができる。そのため、給油作業及びCO2取出作業を行う際の作業者の負担を軽減させて、各作業時における作業者の利便性を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、給油口3及びCO2取出口5を一体化させた点で、第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
図4A及び図4Bは、給油口3及びCO2取出口5を一体化させた一体型接続口7の例を示す図である。
図4A及び図4Bに示すように、本実施形態では、給油口3及びCO2取出口5を、それらを一体化させた一体型接続口7とし、その一体型接続口7に、給油ホース31及び取出ホース51を一体化した一体型ホース(図示せず)を接続できるようにした。
一体型接続口7は、例えば図4Aに示すように、給油口3の周りにCO2取出口5を形成した形状とすることができる。また例えば図4Bに示すように、CO2取出口5の周りに給油口3を形成した形状とすることができる。
以上説明した本実施形態による車両100の給油口3及びCO2取出口5は、給油口3及びCO2取出口5が一体化された一体型接続口7とされ、一体型接続口7は、給油口3に接続される給油ホース31及びCO2取出口5に接続される取出ホース51が一体化された一体型ホースが接続可能に構成される。
これにより、給油ホース31及び取出ホース51の接続作業を1度で済ますことができるので、燃料タンク2への給油作業及びCO2回収装置4からのCO2取出作業の双方を行う際の作業者の利便性を一層向上させることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、給油作業及びCO2取出作業を行う際に実施される処理の内容に関する点で、上記の各実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に、給油作業及びCO2取出作業を行うことが可能な施設(以下「スタンド」という。)200において、各作業を行う際に実施される処理の内容の一例について説明する。
図5は、本実施形態による車両100及びスタンド200の概略構成図である。
図5に示すように、本実施形態による車両100は、車両側通信機110と、車両側制御装置120と、をさらに備える。
車両側通信機110は、スタンド200側に設けられた後述するスタンド側通信機210と無線通信ができるように構成された無線通信機であって、アンテナと、無線信号の変調及び復調といった無線通信に関連する各種の処理を実行する信号処理回路と、を備える。
車両側制御装置120は、双方向性バスによって相互に接続された中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入力ポート、及び出力ポートを備えたマイクロコンピュータである。
車両側制御装置120には、前述した液位センサ21や給油ホース検出センサ32、取出ホース検出センサ52、CO2センサ49などからの信号が入力される。そして車両側制御装置120は、液位センサ21からの信号に基づいて、燃料タンク2の補充可能燃料量を算出する。また車両側制御装置120は、給油ホース検出センサ32及び取出ホース検出センサ52からの信号に基づいて、各ホース31、51が接続されたか否かを検出する。また車両側制御装置120は、CO2センサ49からの信号に基づいて、CO2回収量を算出する。また車両側制御装置120は、CO2回収装置4からCO2を取り出すときに、内燃機関1を制御して高温の排気を吸着部45に導入し、これにより吸着部45を加熱して吸着部45の固体吸着剤に吸着されたCO2を固体吸着剤から脱離させる。
スタンド200は、スタンド側通信機210と、スタンド側制御装置220と、を備える。
スタンド側通信機210は、車両側通信機110と無線通信ができるように構成された無線通信機であって、アンテナと、無線信号の変調及び復調といった無線通信に関連する各種の処理を実行する信号処理回路と、を備える。
スタンド側制御装置220は、双方向性バスによって相互に接続された中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入力ポート、及び出力ポートを備えたマイクロコンピュータである。
スタンド側制御装置220は、給油作業及びCO2取出作業を行う際に、燃料タンク2に対する給油量及びCO2回収装置4からのCO2取出量を協調的に制御する。
なお、車両側通信機110がスタンド側通信機210から受信したスタンド側制御装置220において生成された各種の情報(データ)は、車両側通信機110を介して車両側制御装置120に入力される。また、スタンド側通信機210が車両側通信機110から受信した車両側制御装置120において生成された各種の情報(データ)は、スタンド側通信機210を介してスタンド側制御装置220に入力される。
図6は、スタンド200で給油作業及びCO2取出作業を行う際に、車両側制御装置120及びスタンド側制御装置220で実施される処理の内容について説明するフローチャートである。
ステップS1において、車両側制御装置120は、給油口3及びCO2取出口5に給油ホース31及び取出ホース51がそれぞれ接続されたか否かを検出する。車両側制御装置120は、給油口3及びCO2取出口5に各ホース31、51がそれぞれ接続されていれば、ステップS2の処理に進む。一方で車両側制御装置120は、給油口3及びCO2取出口5に各ホース31、51がそれぞれ接続されていなければ、今回の処理を終了する。
ステップS2において、車両側制御装置120は、給油口3及びCO2取出口5に各ホース31、51が接続されたことをスタンド200側に通知するための接続通知を、車両側通信機110を介してスタンド側通信機210に送信する。
ステップS3において、スタンド側制御装置220は、接続通知を受信したか否かを判定する。スタンド側制御装置220は、接続通知を受信していればステップS4の処理に進む。一方でスタンド側制御装置220は、接続通知を受信していなければ、今回の処理を終了する。
ステップS4において、スタンド側制御装置220は、車両側情報の送信要求通知を、スタンド側通信機210を介して車両側通信機110に送信する。
ステップS5において、車両側制御装置120は、車両側情報の送信要求通知を受信したか否かを判定する。車両側制御装置120は、車両側情報の送信要求通知を受信していればステップS6の処理に進む。一方で車両側制御装置120は、車両側情報の送信要求通知を受信していなければ、所定の間隔を空けた後に、再度、車両側情報の送信要求通知を受信したか否かを判定する。なお、接続通知を送信してから一定の時間を超えても送信要求通知を受信できなかったときには、接続通知を再送信するようにしてもよいし、一旦処理を終了するようにしてよい。
ステップS6において、車両側制御装置120は、車両側情報を、車両側通信機110を介してスタンド側通信機210に送信する。車両側情報には、車両側制御装置120によって算出された補充可能燃料量及びCO2回収量などのデータが含まれる。
ステップS7において、スタンド側制御装置220は、車両側情報を受信したか否かを判定する。スタンド側制御装置220は、車両側情報を受信していればステップS8の処理に進む。一方でスタンド側制御装置220は、車両側情報を受信していなければ、所定の間隔を空けた後に、再度、車両側情報を受信したか否かを判定する。なお、車両側情報の送信要求通知を送信してから一定の時間を超えても車両側情報を受信できなかったときには、車両側情報の送信要求通知を再送信するようにしてもよいし、一旦処理を終了するようにしてよい。
ステップS8において、スタンド側制御装置220は、車両側情報に含まれる補充可能燃料量及びCO2回収量に基づいて、給油計画及びCO2取出計画を作成する。
ここで本実施形態では、CO2回収装置4からCO2を取り出すときに、吸着部45の固体吸着剤からCO2を脱離させるべく、内燃機関1を運転して高温の排気を吸着部45に導入して吸着部45の加熱を行うようにしている。
そのため給油計画は、燃料タンク2内の燃料貯蔵量を作業者が要求する燃料貯蔵量にするために必要な燃料量に加えて、CO2取出作業中に内燃機関1によって消費される燃料量を、燃料タンク2に供給することができるように、例えば単位時間当たりの給油量や給油時間などを設定したものとされる。
そしてCO2取出計画は、給油と連動してCO2回収装置4によって回収されたCO2(すなわちCO2回収量分のCO2)を回収することができるように、内燃機関1の負荷や運転時間などを設定したものとされる。
なお本実施形態では、給油時間及びCO2取出時間がそれぞれ最短となるように、各計画を作成している。すなわち、給油完了時刻及びCO2取出完了時刻がそれぞれ最も早い時刻となるように、各計画を作成している。しかしながら、これに限らず、給油完了時刻及びCO2取出完了時刻がそれぞれ同時刻となるように、各計画を作成してもよい。
ステップS9において、スタンド側制御装置220は、CO2取出計画を、スタンド側通信機210を介して車両側通信機110に送信する。
ステップS10において、車両側制御装置120は、CO2取出計画を受信したか否かを判定する。車両側制御装置120は、CO2取出計画を受信していればステップS11の処理に進む。一方で車両側制御装置120は、CO2取出計画を受信していなければ、所定の間隔を空けた後に、再度、CO2取出計画を受信したか否かを判定する。なお、車両側情報を送信してから一定の時間を超えてもCO2取出計画を受信できなかったときには、車両側情報を再送信するようにしてもよいし、一旦処理を終了するようにしてよい。
ステップS11において、車両側制御装置120は、CO2取出計画に従って内燃機関1の運転を行い、それにより高温の排気を吸着部45に導入して吸着部45の固体吸着剤からCO2を脱離させる。
ステップS12において、スタンド側制御装置220は、給油計画に従って給油を行うと共に、CO2取出計画に従って取出ホース51を介して吸着部45からCO2を吸い出し、CO2回収装置4によって回収されたCO2を取り出す。
図7は、給油完了時刻及びCO2取出完了時刻がそれぞれ最も早い時刻となるように、各計画を作成した場合の動作の一例について説明するタイムチャートである。
時刻t1で、各計画に従って、燃料タンク2への給油、及びCO2回収装置4からのCO2の取り出しがそれぞれ開始される。図7に示す例では、給油計画は、給油が完了するまで、燃料タンク2への単位時間当たりの給油量を一定とした計画とされている。
時刻t1から時刻t2までの期間では、吸着部45の温度を素早く上昇させるために、CO2取出計画に従って、燃料タンク2に供給された燃料を全て使用して内燃機関1が高負荷で運転させられる。この際、内燃機関1の出力を動力として取り出す必要はないので、本実施形態では、内燃機関1から高温の排気が排出されるように、例えば点火時期や着火時期などを通常よりも遅角させて内燃機関1を運転させている。また併せて、空燃比をストイキに制御しつつ燃焼温度を適切な温度(例えば1500[K]~2000[K])に制御することで、内燃機関1からの窒素酸化物などの大気汚染物質の排出量が少なくなるように内燃機関1を運転させている。
これにより、吸着部45の温度が徐々に上昇し、吸着部45の温度上昇に伴って、吸着部45から徐々に脱離したCO2が取出ホース51を介して取り出されてCO2回収量が徐々に減少していく。
時刻t2になると、上昇させた吸着部45の温度を一定に維持するために、CO2取出計画に従って、燃料タンク2に供給された燃料の一部を使用して内燃機関1が低~中負荷で運転させられる。
これにより、時刻t2以降は、内燃機関1を運転するために使用されなかった余剰の燃料が燃料タンク2に貯蔵され、燃料タンク2の燃料貯蔵量が徐々に増加していく。また時刻t2以降は、吸着部45の温度を一定の温度に維持して吸着部45の固体吸着剤から脱離させたCO2が取出ホース51を介して取り出され、これによりCO2回収量が減少していく。このとき、吸着部45の固体吸着剤から脱離する単位時間当たりのCO2の脱離量(以下「CO2脱離量」という。)は、基本的に吸着部45の温度と、固体吸着剤に吸着されているCO2の吸着量(以下「CO2吸着量」という。)と、に依存し、吸着部45の温度が高いほど、またCO2吸着量が多いほど多くなる傾向にある。そのため、時刻t2以降は、吸着部45の温度が一定の温度に維持されているため、CO2脱離量は基本的にCO2吸着量(CO2回収量)に依存し、固体吸着剤からのCO2の脱離に伴ってCO2吸着量が減少してCO2脱離量も減少していくため、図7に示すように、時刻t2から時間が経過して時刻t3に近づくにつれて、CO2回収量の減少量が緩やかになっている。
時刻t3になると、CO2取出計画に従って内燃機関1の運転が停止させられる。各計画に従うことで、基本的にこの時刻t3のタイミングで、CO2回収量がゼロとなってCO2回収装置4からのCO2の取り出しが完了する。時刻t3以降は、内燃機関1の運転が停止されたことに伴って、燃料タンク2に供給された燃料が全て燃料タンク2に貯蔵されるようになるため、燃料タンク2の燃料貯蔵量が素早く増加していく。
時刻t4になると、給油計画に従って燃料タンク2への給油が停止される。各計画に従うことで、基本的にこの時刻t4のタイミングで、燃料タンク2内の燃料貯蔵量が作業者の要求していた燃料貯蔵量になって、給油が完了する。
図8Aは、給油完了時刻及びCO2取出完了時刻が同時刻となるように、各計画を作成した場合の動作の一例について説明するタイムチャートである。
図8Aに示す例でも、前述した図7と同様に、時刻t1で、各計画に従って、燃料タンク2への給油、及びCO2回収装置4からのCO2の取り出しがそれぞれ開始される。
この際、図8Aに示す例では、給油完了時刻及びCO2取出完了時刻を同時刻にするために、前述した図7の場合よりも、燃料タンク2に供給された燃料を全て使用して内燃機関1を高負荷で運転させる時間を短縮させる。そして、時刻t21以降において、燃料タンク2に供給された燃料の一部を使用して内燃機関1を運転させる際の負荷を、前述した図7の場合よりも低くする(すなわち内燃機関1による燃料消費量を、前述した図7の場合よりも少なくする)。これにより、時刻t21以降において、吸着部45の温度を前述した図7の場合よりも低い一定の温度に維持して吸着部45から脱離するCO2の量を抑え、給油完了時刻及びCO2取出完了時刻が同時刻の時刻t22になるようにしている。
図8Bは、給油完了時刻及びCO2取出完了時刻が同時刻となるように、各計画を作成した場合の動作の別の一例について説明するタイムチャートである。
図8Bに示す例でも、時刻t1で、各計画に従って、燃料タンク2への給油、及びCO2回収装置4からのCO2の取り出しがそれぞれ開始されるが、図8Bに示す例では、時刻t1から燃料タンク2に供給された燃料の一部を使用して内燃機関1を低~中負荷で運転させ、点火遅角量を制御して内燃機関1から排出される排気の温度、すなわち吸着部45に導入される排気の温度を制御することで、吸着部45から脱離するCO2の量を制御する。
具体的には、時刻t31までは、点火遅角量を最大として吸着部45の温度を素早く上昇させ、時刻t31以降は、点火遅角量を小さくすることで、吸着部45の温度を前述した図7の場合よりも低い一定の温度に維持して吸着部45から脱離するCO2の量を抑え、給油完了時刻及びCO2取出完了時刻が同時刻の時刻t32になるようにしている。
以上説明した本実施形態による車両100は、内燃機関1と、車両側制御装置120(制御装置)と、をさらに備え、CO2回収装置4は、内燃機関1から排出された排気中のCO2を回収することができるように構成される。そして車両側制御装置120は、CO2回収装置4からCO2を取り出すときに、内燃機関1から高温の排気が排出されるように内燃機関1を制御し、CO2回収装置4に高温の排気を導入することによってCO2回収装置4を加熱するように構成される。
これにより、CO2回収装置4からCO2を取り出すときに、スタンド200側は、CO2回収装置4を加熱する必要がなく、給油のみを行えばよいので、スタンド200側の設備を簡素化することができる。
また、本実施形態によるスタンド200は、車両100に搭載された車両側通信機110から送信された燃料タンク2の空き容量(補充可能燃料量)及びCO2回収装置4のCO2回収量を含む車両側情報を受信するスタンド側通信機210と、車両側情報に基づいて、燃料タンク2の給油完了時刻とCO2回収装置4からのCO2取出完了時刻とが同時刻となるように、燃料タンク2への燃料供給量及びCO2回収装置4からのCO2取出量を制御するように構成されたスタンド側制御装置220と、を備える。
このように、燃料タンク2の給油完了時刻とCO2回収装置4からのCO2取出完了時刻とを同じすることで、一方が完了した後の待ち時間等の発生を無くすことができるので、待ち時間の発生によって車両乗員等の作業者が不満を感じるのを抑えることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、給油作業及びCO2取出作業を行う作業者に、各種の情報を提供できるようにした点で、上記の各実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
図9は、本実施形態による車両100の概略側面図である。
本実施形態による車両100は、給油作業及びCO2取出作業を行う作業者に対して、各種の情報を提供するための表示部130を備える。
表示部130は、例えばタッチパネルなどの各種のディスプレイである。表示部130は、作業者が視認できる位置に配置される。本実施形態では表示部130は、図9に示すように、リッド6を開いたときに作業者が視認できるように、給油口3及びCO2取出口5に隣接した位置に配置される。
表示部130には、車両側制御装置120から出力された信号に応じた情報(例えば、文字情報や画像情報)が表示される。そして本実施形態では、表示部130に、給油完了時刻及びCO2取出完了時刻を表示させることができるようにしている。これにより作業者は、給油作業及びCO2取出作業を行う際の作業終了時刻を把握することできるようになる。そのため、給油作業及びCO2取出作業を行う作業者の利便性を一層向上させることができる。
図10は、スタンド200で給油作業及びCO2取出作業を行う際に、車両側制御装置120及びスタンド側制御装置220で実施される本実施形態による処理の内容について説明するフローチャートである。なお図10において、ステップS1からステップS8、ステップS11及びステップS12の処理の内容は、第3実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
図10のフローチャートに示す通り、スタンド側制御装置220は、給油計画に従って燃料タンク2への給油を行った場合の給油完了時刻を補充可能燃料量に基づいて推定すると共に、CO2取出計画に従ってCO2の取り出しを行った場合のCO2取出完了時刻をCO2回収量に基づいて推定し、給油完了時刻及びCO2取出完了時刻をCO2取出計画と共に車両側制御装置120に送信する(S21、S22)。
そして車両側制御装置120は、CO2取出計画を受信すると、例えば図11に示すように、CO2取出計画と共に受信した給油完了時刻及びCO2取出完了時刻を表示部130に表示させる(S23でYes、S24)。
以上説明した本実施形態による車両100は、燃料タンク2への給油作業及びCO2回収装置4からのCO2取出作業を行う作業者に情報を提供するための表示部130と、燃料タンク2に燃料を供給すると共にCO2回収装置4からCO2を取り出すためのスタンド200と通信可能に構成された車両側通信機110(通信機)と、車両側制御装置120(制御装置)と、をさらに備える。そして車両側制御装置120は、車両側通信機110を介してスタンド200側から受信した燃料タンク2の給油完了時刻とCO2回収装置4からのCO2の取出完了時刻とに関する情報を、表示部130に表示させるように構成される。
これにより、給油作業及びCO2取出作業を行う作業者は、各作業の作業終了時刻を把握することできるようになる。そのため、給油作業及びCO2取出作業を行う作業者の利便性を一層向上させることができる。特に本実施形態では、表示部130が、給油口3及びCO2取出口5に隣接した位置に配置されているため、給油作業及びCO2取出作業中に表示部130を視認することができる。そのため、各種の情報の確認を容易に行うことができるので、各作業を行う際の作業者の利便性を一層向上させることができる。
なお本実施形態では、車両100に設けた表示部130に給油完了時刻及びCO2取出完了時刻を表示させるようにしたが、これに限らず、車両100の乗員等の作業者が所持する携帯端末を、スタンド側通信機210と通信させることで、携帯端末で給油完了時刻及びCO2取出完了時刻を受信して、携帯端末に給油完了時刻及びCO2取出完了時刻を表示させるようにしてもよい。
すなわち、情報を表示する表示部と、燃料タンク2に燃料を供給すると共にCO2回収装置4からCO2を取り出すためのスタンド200と通信可能に構成された通信機と、通信機を介してスタンド200側から受信した給油完了時刻及びCO2取出完了時刻とに関する情報を、表示部に表示させるように構成された処理装置と、を備えるように携帯端末を構成してもよい。携帯端末において、表示部は、例えばタッチパネルなどの各種のディスプレイとすることができる。また通信機は、例えば、アンテナと、無線信号の変調及び復調といった無線通信に関連する各種の処理を実行する信号処理回路と、を備える無線通信機とすることができる。また処理装置は、双方向性バスによって相互に接続された中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入力ポート、及び出力ポートを備えたマイクロコンピュータとすることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、給油完了時刻及びCO2取出完了時刻が異なるときに、燃料タンク2への給油及びCO2の取り出しの双方を完了させるか、又はそれらのうちの一方が完了した時点で給油及びCO2の取り出しを終了させるかを、選択可能な態様で表示部130に表示させる点で、第4実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
図12は、スタンド200で給油作業及びCO2取出作業の双方を行う際に、車両側制御装置120及びスタンド側制御装置220で実施される本実施形態による処理の内容について説明するフローチャートである。なお図12において、ステップS1からステップS8、ステップS10及びステップS11の処理の内容は、第3実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
図12のフローチャートに示す通り、スタンド側制御装置220は、給油計画及びCO2取出計画の作成後、それらに応じて給油完了時刻及びCO2取出完了時刻を推定して車両側制御装置120に送信する(S8、S31)。
そして車両側制御装置120は、給油完了時刻及びCO2取出完了時刻を受信すると、所定の選択肢を表示させた選択画面を表示部130に表示させ、作業者による選択結果をスタンド側制御装置220に送信する(S32でYes、S33)。
選択画面は、給油完了時刻及びCO2取出完了時刻が同時刻であれば、例えば図13に示すように、給油完了時刻及びCO2取出完了時刻を表示すると共に、給油及びCO2の取り出しの開始許可を求める選択肢を表示した画面とすることができる。
また選択画面は、給油完了時刻及びCO2取出完了時刻が異なる場合であれば、例えば図14に示すように、給油完了時刻及びCO2取出完了時刻を表示すると共に、給油及びCO2の取り出しの双方を完了させるか、又はそれらのうちの一方が完了した時点で給油及びCO2の取り出しを終了させるかの確認を求める選択肢を少なくとも表示した画面とすることができる。
スタンド側制御装置220は、選択結果を受信すると、選択結果に応じたCO2取出計画を、スタンド側制御装置220に送信する。具体的にはスタンド側制御装置220は、受信した選択結果が、給油及びCO2の取り出しの一方が完了した時点で双方を終了させる選択結果であった場合には、その選択結果に応じて給油計画及びCO2取出計画を修正し、修正したCO2取出計画を送信する。一方、受信した選択結果がそれ以外の選択結果であった場合には、既に作成していた給油計画及びCO2取出計画を修正することなく、作成済みのCO2取出計画を送信する(S34でYes、S35)。
そして車両側制御装置120及びスタンド側制御装置220は、選択結果に応じた給油計画及びCO2取出計画に従って、燃料タンク2への給油とCO2回収装置4からのCO2の取り出しとを実施する(S11、S36)。
以上説明した本実施形態によれば、車両側制御装置120は、燃料タンク2の給油完了時刻とCO2回収装置4からのCO2取出完了時刻とが異なるときは、燃料タンク2への給油及びCO2回収装置4からのCO2の取り出しの双方を完了させるか、又はそれらのうちの一方が完了した時点で給油及びCO2の取り出しを終了させるかを、選択可能な態様で表示部130に表示させるように構成される。
これにより、給油作業及びCO2取出作業を行う作業者の意思に応じた給油及びCO2の取り出しを行うことができるようになるので、給油作業及びCO2取出作業を行う際の作業者の利便性を一層向上させることができる。
なお本実施形態でも、給油完了時刻とCO2取出完了時刻とが異なるときには、車両100の乗員等の作業者が所持する携帯端末に、燃料タンクへの給油及びCO2の取り出しの双方を完了させるか、又はそれらのうちの一方が完了した時点で充電及びCO2の取り出しを終了させるかを、選択可能な態様で表示させるようにしてもよい。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態は、何らかの異常が発生して燃料タンク2への給油又はCO2回収装置4からのCO2の取り出しを継続することができなくなったときに、その旨の情報を表示部130に表示させる点で、第4実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
図15は、車両側で何らかの異常が発生して燃料タンク2への給油又はCO2回収装置4からのCO2の取り出しを継続することができなくなったときに、車両側制御装置120及びスタンド側制御装置220で実施される本実施形態による処理の内容について説明するフローチャートである。
図15のフローチャートに示す通り、車両側で何らかの異常が発生して燃料タンク2への給油を継続することができなくなったときは(S31でYes)、内燃機関1を運転して燃料タンク2内の燃料を消費することは好ましくないので、車両側制御装置120は、内燃機関1の運転を停止すると共に、スタンド側制御装置220に給油中止指示を送信する(S32)。そして車両側制御装置120は、例えば図16に示すように、給油に異常が発生したことと、給油及びCO2の取り出しを中止することを表示部130に表示させる(S32)。
また車両側制御装置120は、車両側で何らかの異常が発生してCO2の取り出しを継続することができなくなったときは(S31でNo、S33でYes)、内燃機関1の運転を停止すると共に、例えば図17に示すように、CO2の取り出しに異常が発生したためにCO2の取り出しを中止することと、燃料タンク2への給油を継続させるか否かの確認を求める選択肢を表示部130に表示させる(S34)。そして車両側制御装置120は、作業者が燃料タンク2への給油を継続させないことを選択したときは(S35でYes)、スタンド側制御装置220に給油中止指示を送信する(S36)。
スタンド側制御装置220は、給油中止指示を受信すると、燃料タンク2への給油を中止する(S37でYes、S38)
図18は、スタンド200側で何らかの異常が発生して燃料タンク2への給油又はCO2回収装置4からのCO2の取り出しを継続することができなくなったときに、車両側制御装置120及びスタンド側制御装置220で実施される本実施形態による処理の内容について説明するフローチャートである。
図18のフローチャートに示す通り、スタンド側制御装置220は、スタンド200側で何らかの異常が発生して燃料タンク2への給油を継続することができなくなったときは(S41でYes)、スタンド側制御装置220は、燃料タンク2への給油を中止すると共に、車両側制御装置120に給油異常発生通知を送信する(S42)。またスタンド側制御装置220は、スタンド200側で何らかの異常が発生してCO2の取り出しを継続することができなくなったときは(S41でNo、S43でYes)、車両側制御装置120にCO2取出異常発生通知を送信する(S44)。
車両側制御装置120は、給油異常発生通知を受信したときは、内燃機関1の運転を停止すると共に、前述した図16に示したように、給油に異常が発生したことと、給油及びCO2の取り出しを中止することを表示部130に表示させる(S42)。また車両側制御装置120は、CO2取出異常発生通知したときは、前述した図17に示したように、CO2の取り出しに異常が発生したためにCO2の取り出しを中止することと、燃料タンク2への給油を継続させるかの確認を求める選択肢とを、少なくとも表示部130に表示させる(S34)。
以上説明した本実施形態によれば、車両側制御装置120は、車両100側又はスタンド200側で燃料タンク2への給油又はCO2回収装置4からのCO2の取り出しを継続することができなくなった場合には、異常が発生した旨の情報を表示部130に表示させ、さらにCO2回収装置4からのCO2の取り出しを継続することができなくなっていた場合には、燃料タンク2への給油のみを継続するか否かを、選択可能な態様で表示部130に表示させるように構成される。
これにより、異常発生時において、給油作業及びCO2取出作業を行う作業者の意思に応じた給油及びCO2の取り出しを行うことができるようになるので、給油作業及びCO2取出作業を行う際の作業者の利便性を一層向上させることができる。
なお本実施形態でも、車両100の乗員等の作業者が所持する携帯端末に、車両100側又はスタンド200側で燃料タンク2への給油又はCO2回収装置4からのCO2の取り出しを継続することができなくなった場合には異常が発生した旨の情報を表示させ、さらにCO2回収装置4からのCO2の取り出しを継続することができなくなっていた場合には、燃料タンク2への給油のみを継続するか否かを選択可能な態様で表示させてもよい。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。本実施形態は、スタンド200において、CO2回収装置4から取り出したCO2取出量に応じて、燃料タンク2に給油した燃料の料金(以下「給油料金」という。)を減額し、減額した旨の情報を表示部130に表示させる点で、第4実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
図19は、燃料タンク2への給油及びCO2回収装置4からのCO2の取り出しが完了したときに、車両側制御装置120及びスタンド側制御装置220で実施される本実施形態による処理の内容について説明するフローチャートである。
図19のフローチャートに示す通り、燃料タンク2への給油及びCO2回収装置4からのCO2の取り出しが完了すると、スタンド側制御装置220は、CO2回収装置4から取り出したCO2取出量に応じて、スタンド200における給油料金を減額する(S51)。そしてスタンド側制御装置220は、CO2取出量に応じた給油料金の値引額を、CO2取出量と共に車両側制御装置120に送信する(S52)。そして車両側制御装置120は、給油料金の値引額を受信すると、例えば図20に示すように、CO2取出量と値引額とを表示部130に表示させる(S53でYes、S54)。
以上説明した本実施形態によるスタンド200のスタンド側制御装置220は、CO2回収装置4から取り出したCO2取出量に応じて、給油料金を減額するように構成される。
これにより、CO2回収装置4を搭載した車両100を所有するメリットが生じるため、CO2回収装置4を搭載した車両100の普及を促し、大気中のCO2の回収を促進させることができる。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について説明する。
図21に示すように、本実施形態による車両100は、車内の車両乗員が視認できる位置に、車両乗員に対して各種の情報を提供する車内表示部140を備えており、車両側制御装置120は、車内表示部140に表示されている地図上のスタンド200の位置に、スタンド200でCO2回収装置4からCO2を取り出したときのCO2取出量に応じた給油料金の減額情報(例えば単位取出量当たりの値引額など)を表示させるように構成されている。
これにより、車両乗員は、値引額の多いスタンド200を把握することができるので、車両乗員に対して、CO2回収装置4を搭載した車両100を所有するメリットを一層感じさせることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば上記の第3実施形態において、排気管11に排気中の粒子状物質(PM;Particular Matter)を捕集するPM捕集装置が設けられている場合には、CO2回収装置4からCO2を取り出す前に、まず連結管12に設けた開閉弁を閉じた状態でスタンド200から燃料タンク2に供給された燃料を使用して内燃機関1を運転することで、高温の排気をPM捕集装置に導入してPM捕集装置に捕集された粒子状物質を燃焼除去させるようにしてもよい。そして、PM捕集装置の再生が終了した後、連結管12に設けた開閉弁を開いた状態で、スタンド200から燃料タンク2に供給された燃料を使用して内燃機関1を運転することで、高温の排気を吸着部45に導入して吸着部45の加熱を行うようにしてもよい。
また上記の第3実施形態では、CO2回収装置4からCO2を取り出すときに、吸着部45の固体吸着剤からCO2を脱離させるべく、内燃機関1から排出された排気を吸着部45に導入して吸着部45の加熱を行うようにしていた。
しかしながら、これに限らず、例えば図22に示すように、排気管11に酸化触媒15を設けると共に、さらにその酸化触媒15に燃料タンク2内の燃料を供給することが可能な燃料添加弁16を酸化触媒15よりも上流側の排気管11に設け、CO2回収装置4からCO2を取り出すときに、車両側制御装置120によって以下のようにCO2回収装置4を加熱するようにしてもよい。
すなわち、CO2回収装置4からCO2を取り出すときに、内燃機関1を例えばスタータモータ等の電動モータによってモータリングさせて排気管11(排気通路)に空気を供給すると共に燃料添加弁16から燃料を噴射して酸化触媒15に燃料を供給し、燃料を酸化触媒15上で酸化させた際の酸化熱によって加熱した空気をCO2回収装置4に導入することによってCO2回収装置4を加熱するようにしてもよい。