JP2021117834A - 配車システム - Google Patents
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Abstract
【課題】二酸化炭素を回収し損なうことを回避もしくは抑制してCO2回収装置を有効に活用することのできる配車システムを提供する。【解決手段】配車システムにおいて、車両は、気体中の二酸化炭素を捕捉あるいは吸着することによって回収して貯留し、貯留した二酸化炭素を外部の回収器で回収するように構成されたCO2回収装置を搭載した車両を含み、CO2回収装置で二酸化炭素を貯留可能な空き容量を推定する(ステップS200)と共に、要求に基づいて利用者によるCO2回収装置を搭載した車両の走行距離を推定し(ステップS20)、他の利用者によるCO2回収装置を搭載した車両の走行距離よりも、CO2回収装置を搭載した車両の走行距離が長い利用者に、他の利用者に配するCO2回収装置を搭載した車両の空き容量よりも、空き容量が大きいCO2回収装置を搭載した車両を配する(ステップS30)。【選択図】図7
Description
この発明は、利用者からの要求に合致した車両を利用者に配する配車システムに関するものである。
特許文献1には、CO2回収装置を搭載した車両が記載されている。そのCO2回収装置はエンジンから排出される排ガス(排気)をCO2捕捉剤に供給し、そのCO2捕捉剤によって排ガス中の二酸化炭素を捕捉あるいは吸着することにより、排ガス中の二酸化炭素を減少させ、つまり回収するように構成されている。CO2捕捉剤に接触した後の残余の排ガスは大気中に放出される。また、上記のCO2回収装置では、エンジンからの排気熱によって捕捉剤を加熱することにより捕捉剤から二酸化炭素を脱離させ、その脱離させた二酸化炭素を車両内の貯蔵タンクに貯留するように構成されている。その貯留タンクに貯留された二酸化炭素は所定の回収スタンドで回収される。
複数の利用者同士の間で特定の車両を共同で使用するサービスが知られており、そのようなサービスで利用される車両として、特許文献1に記載されたCO2回収装置を搭載した車両を利用すれば、一人で当該車両を使用する場合と比較して、CO2回収装置を稼動する頻度や時間を長くでき、二酸化炭素の回収機能が優れているCO2回収装置を有効に利用できる。しかしながら、そのCO2回収装置における貯留タンクの容量は設計上あるいは構造上、決まっているので、その貯留タンクでの二酸化炭素の回収余力つまり空き容量と、利用者による車両の走行条件とによっては、車両の走行中に貯留タンクが満杯あるいは所定量以上になってしまい、それ以上は二酸化炭素の回収ができなくなる。このように車両の走行中に二酸化炭素を回収できない事態が生じると、CO2回収装置を有効に利用することができず、この点で新たな技術を開発する余地があった。
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであって、二酸化炭素を回収し損なうことを回避もしくは抑制してCO2回収装置を有効に活用することのできる配車システムを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、利用者から車両の使用についての要求があった場合に、前記要求に合致した前記車両を前記利用者に配する配車システムにおいて、前記車両は、気体中の二酸化炭素を捕捉あるいは吸着することによって回収して貯留し、その貯留した前記二酸化炭素を外部に設けられた回収器で回収するように構成されたCO2回収装置を搭載した車両を含み、前記CO2回収装置で前記二酸化炭素を貯留可能な空き容量を推定すると共に、前記要求に基づいて前記利用者による前記CO2回収装置を搭載した前記車両の走行距離を推定し、他の利用者による前記CO2回収装置を搭載した前記車両の走行距離よりも、前記CO2回収装置を搭載した前記車両の走行距離が長い前記利用者に、前記他の利用者に配する前記CO2回収装置を搭載した前記車両の前記空き容量よりも、前記空き容量が大きい前記CO2回収装置を搭載した前記車両を配するように構成されていることを特徴としている。
この発明の実施形態における車両はCO2回収装置を搭載した車両を含んでいる。また、この発明の実施形態に係る配車システムはCO2回収装置での二酸化炭素の回収余力つまり空き容量を推定すると共に、利用者からの車両の使用についての要求に基づいて利用者によるCO2回収装置を搭載した車両の走行距離を推定するように構成されている。上記の要求は配車の希望時刻や返却時刻つまり車両の使用予定時間や、車両の走行予定場所あるいは走行予定地域などを挙げることができ、例えば、使用予定時間が長いほど、車両の全体としての走行距離が長いと推定できる。また、走行予定場所あるいは走行予定地域が郊外であれば、1回のトリップでの走行距離が市街地と比較して長いと推定できるので、これによっても全体としての走行距離が長いと推定できる。そして、この発明の実施形態に係る配車システムでは、他の利用者よりも走行距離が長い利用者に対して、他の利用者に配するCO2回収装置を搭載した車両の空き容量よりも、空き容量が大きいCO2回収装置を搭載した車両を配するように構成されている。つまり、走行距離が長いほど、空き容量が大きいCO2回収装置を搭載した車両が利用者に配される。したがって、この発明の実施形態に係る配車システムによれば、CO2回収装置を搭載した車両の走行中にCO2回収装置が満杯となって、それ以上は二酸化炭素を回収できなくなることを回避もしくは抑制できる。言い換えれば、二酸化炭素を回収し損なうことを回避もしくは抑制できる。そのため、広範囲に亘って走行して二酸化炭素を回収することができ、CO2回収装置を有効に活用できる。
図1はこの発明の実施形態に係る配車システムの一例を説明するための概略図である。その配車システムは複数の利用者によってCO2回収装置1を搭載した車両Veを共同で使用するように構成されたサービスやシステムに適用できる。図1に示すCO2回収装置1はエンジンの排ガスに含まれる二酸化炭素や、車室内外の空気に含まれる二酸化炭素を捕捉あるいは吸着して回収し、また、貯留するように構成されている。上記の車両Veは駆動力源としてエンジンのみを備えた車両Veであってよく、あるいは、エンジンに加えてモータを駆動力源として備えたいわゆるハイブリッド車であってよい。また、車両Veは、人が運転操作することなく駆動力や制動力、操舵などを制御することにより自動運転走行が可能な車両Veであってよい。
CO2回収装置1で回収あるいは貯留することのできる二酸化炭素の量は設計上あるいは構造上、決まっているので、CO2回収装置1における二酸化炭素の貯留部2が満杯、あるいは、貯留部2での二酸化炭素の貯留量が予め定めた量以上になると、それ以上は二酸化炭素を回収できなくなる。そのため、この発明の実施形態に係る配車システムでは、利用者に車両Veを配する場合に、車両Veに搭載されているCO2回収装置1での二酸化炭素の回収余力つまり貯留部2での空き容量Sが大きいほど、長距離を走行する利用者に空き容量Sが大きいCO2回収装置1を搭載している車両を配するように構成されている。
具体的には、この発明の実施形態に係る配車システムは所定の通信ネットワークに接続されており、通信ネットワークを介して車両Veに搭載されたCO2回収装置1の貯留部2における空き容量Sを把握あるいは取得するように構成されている。また、利用者が車両Veの使用を要求する際に、つまり、車両Veを予約する際に入力した情報(以下、予約情報と記す。)を通信ネットワークを介して取得し、その予約情報と空き容量Sとに基づいて利用者に配する車両Veを選択する。そして、その選択した車両Veを利用者に配するように構成されている。すなわち、図1に示すように、走行距離が長い利用者に対しては、空き容量Sが大きいCO2回収装置1を搭載している車両が配車され、走行距離が短い他の利用者に対しては、前記利用者に配される車両よりも空き容量Sが小さいCO2回収装置1を搭載している車両が配車されるように構成されている。
図2は、この発明の実施形態に係る配車システムの全体的な構成を概念的に示す機能ブロック図である。図2に示すように、車両Veは当該車両(自車両)Veとデータセンター3との間でデータの送受信を行う通信部4を備えている。その通信部4はDCM(Data Communication Module)などの従来知られた通信装置であってよい。また、エンジンやモータなどの駆動力源(図示せず)とCO2回収装置1となどを電気的に制御する電子制御装置(ECU)5を備えている。ECU5はマイクロコンピュータを主体として構成され、入力された各種のデータおよび予め記憶しているデータを使用して演算を行い、その演算の結果を駆動力源とCO2回収装置1となどに制御指令信号として出力するように構成されている。また、ECU5はCO2回収装置1の貯留部2における空き容量Sを算出しあるいは検出することによって把握するCO2空き容量把握部6を有している。貯留部2に貯留してある二酸化炭素の量は後述するように算出あるいは検出できるので、その貯留部2に貯留してある二酸化炭素の量と貯留部2の容積とに基づいて貯留部2の空き容量Sを求めることができる。なお、車両Veからデータセンター3や利用者に送信するデータや情報(以下、車両情報と記す。)としては、車種や色、乗車人数、CO2回収装置1の貯留部2における空き容量Sなどを挙げることができる。
データセンター3は上述した車両情報や予約情報などを受信し、それらの情報に基づいて利用者に配する車両Veを選択しまた確保するように構成されている。そのため、車両情報や予約情報などを受信し、また、車両情報や予約情報などに基づいて選択した車両Veについての情報を利用者に送信する通信部7を備えている。その通信部7は要はデータ通信を行うことができるように構成されていればよく、したがって、上述した車両Veに搭載された通信部4と同様のものであってよい。
また、データセンター3は車両情報や予約情報などに基づいて利用者に配する車両Veを選択する管制用電子制御装置(以下、管制ECUと記す。)8を備えている。その管制ECU8はマイクロコンピュータを主体として構成され、入力された各種のデータおよび予め記憶しているデータを使用して演算を行い、その演算の結果を制御指令信号として出力するように構成されている。すなわち、管制ECU8は利用者に対して配車可能な車両Veについての情報を蓄積した配車用車両データベース9と、利用者と当該利用者が車両Veを使用した場合における走行距離とを関連付けた利用履歴データベース10と、車両情報や予約情報などと各データベース9,10に蓄積されたデータや情報とに基づいて利用者に配する車両Veを選択しまた決定する配車決定部11となどを備えている。その配車決定部11で選択されまたは決定された車両Veの情報は通信部7を介して利用者に送信される。
また、この発明の実施形態に係る配車システムは、利用者が予約情報を入力すると共に、配車される車両Veについての情報を利用者が把握できるようにする情報入力端末12を備えている。その情報入力端末12は予約情報を入力するアプリケーションソフトがインストールされたスマートフォンやラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなどであってよい。あるいは、予約情報の入力および配車される車両Veについての情報の通知を専門に行う専用の装置であってよい。上記の情報入力端末12は、要は、通信ネットワークを通じて車両Veの予約を行うと共に、配車される車両Veを利用者が把握できるように構成されていればよい。ここに示す例では、情報入力端末12は予約情報を入力する入力部13と、入力された予約情報をデータセンター3に送信すると共に、配車される車両Veについての情報を受信する通信部14と、各種の情報を表示する表示部15となどを備えている。なお、上記の入力部13は表示部15に触れて操作するタッチパネル式のものであってよい。
また、情報入力端末12は入力部13や表示部15などを制御する電子制御装置(端末ECU)16を備えている。端末ECU16はマイクロコンピュータを主体として構成され、入力された各種のデータおよび予め記憶しているデータを使用して演算を行い、その演算の結果を制御指令信号として入力部13や表示部15などに出力するように構成されている。具体的には、端末ECU16は表示部15を制御して表示部15に利用者が予約情報を入力する画面(以下、予約画面と記す。)を表示する予約画面表示部17と、表示部15に配車する予定の車両Veを表示する配車予定車表示部18となどを備えている。
なお、上述した予約情報としては、配車の希望時刻や返却予定時刻つまり車両Veの使用予定時間、配車する場所あるいは住所、車両Veの走行予定場所あるいは走行予定地域、車両Veの種類、色、乗車人数、利用者の個人情報などを挙げることができる。個人情報としては、この発明の実施形態に係る配車システムの利用履歴、氏名、住所あるいは連絡先、性別、生年月日、クレジットカード番号などを挙げることができる。上記の利用履歴としては、この発明の実施形態に係る配車システムの利用回数や車両Veの走行距離、使用時間などを挙げることができる。
図3はこの発明の実施形態に係るCO2回収装置1を搭載した車両Veの一例を模式的に示す図である。図3に示す車両Veは、駆動力源としてエンジン19を備えている。そのエンジン19はガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどであってよく、出力の調整、ならびに、始動および停止などの作動状態が電気的に制御されるように構成されている。ガソリンエンジンであれば、スロットルバルブの開度、燃料の供給量または噴射量、点火の実行および停止、ならびに、点火時期などが電気的に制御される。ディーゼルエンジンであれば、燃料の噴射量、燃料の噴射時期、あるいは、EGR[Exhaust Gas Recirculation]システムにおけるスロットルバルブの開度などが電気的に制御される。なお、この発明の実施形態における車両Veは、上述したように、エンジン19に加えてモータを駆動力源として備えたいわゆるハイブリッド車であってよく、また、人が運転操作することなく駆動力や制動力、操舵などを制御することにより自動運転走行ができるように構成されていてよい。
CO2回収装置1はここに示す例では、エンジン19の排気流路20に設けられており、エンジン19から排気流路20に排出された排ガス中の二酸化炭素を含む空気、および、車室内あるいは車室外の二酸化炭素を含む空気を図示しない捕捉剤に接触させることによって、捕捉剤に二酸化炭素を捕捉あるいは吸着させて回収するように構成されている。したがって、CO2回収装置1の貯留部2は上記の捕捉剤によって構成されていてよい。つまり、捕捉剤に二酸化炭素を捕捉あるいは吸着させた状態で二酸化炭素を貯留するように構成されていてよい。あるいは、貯留部2は、捕捉剤で捕捉あるいは吸着した二酸化炭素を当該捕捉剤から脱離させ、その脱離させた二酸化炭素を貯留する図示しないタンクによって構成されていてもよい。その貯留部2における捕捉剤の量やタンクの容量は設計上あるいは構造上、決まっているので、貯留部2で貯留可能な二酸化炭素の最大量は予め求めることができる。なお、上述した空気とは、排ガス、また、車両Veの車室の内外やその周辺にある気体など、身の回りにある気体や所定の空間内にある気体を意味している。
上記の排気流路20に、エンジン19から排気流路20に排出された熱を蓄熱する蓄熱器21が設けられている。一例として、その蓄熱器21に蓄えられた熱によって捕捉剤を加熱して当該捕捉剤で捕捉あるいは吸着した二酸化炭素を捕捉剤から脱離させるようになっている。したがって、捕捉剤によって貯留部2を構成し、その貯留部2に捕捉あるいは吸着した二酸化炭素を車両Veの外部に設けられている回収スタンド22で回収する場合には、回収スタンド22に貯留部2を接続している状態で、蓄熱器21によって貯留部2つまり捕捉剤を加熱する。こうして捕捉剤から二酸化炭素を脱離させて回収スタンド22で回収する。または、上述したタンクによって貯留部2を構成している場合には、上記のようにして捕捉剤から脱離させた二酸化炭素を一旦タンクに貯留し、そのタンクを回収スタンド22に接続してタンク内に貯留してある二酸化炭素を回収スタンド22で回収する。上記構成のCO2回収装置1は例えば車両Veのラゲッジスペース内に、あるいは、ラゲッジスペース近傍に格納される。また、上述した回収スタンド22がこの発明の実施形態における回収器に相当している。回収スタンド22は、例えばガソリンスタンド、高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、商業施設の駐車場などに設けられる。
なお、この発明の実施形態に係るCO2回収装置1による二酸化炭素の捕捉や回収は例えば物理吸着法、物理吸収法、化学吸収法、深冷分離法などの従来知られた方法によって行うことができる。この発明の実施形態では、二酸化炭素の捕捉あるいは回収方法として物理吸着法を採用し、活性炭やゼオライトなどの捕捉剤に排ガス中あるいは車室内もしくは車室外の空気中の二酸化炭素を捕捉あるいは吸着させて回収するように構成されている。具体的には、貯留部2での捕捉剤の温度を当該捕捉剤から二酸化炭素を脱離させるときよりも低い温度とすることによって、捕捉剤に二酸化炭素を捕捉あるいは吸着させて回収する。この捕捉剤に二酸化炭素を捕捉あるいは吸着させる温度を以下の説明では、吸着温度と記す。そして、捕捉剤の温度を吸着温度よりも高い温度とすることによって、捕捉剤から二酸化炭素を脱離させる。または、捕捉剤に二酸化炭素を接触させるときの圧力をある程度高くすることによって捕捉剤に二酸化炭素を捕捉あるいは吸着させ、上記の圧力を低下させることによって捕捉剤から二酸化炭素を脱離させる。
図4はこの発明の実施形態におけるCO2回収装置1の構成の一例を示すブロック図である。図4に示す例では、エンジン19から排出された排ガスの流動方向で貯留部2の上流側に熱交換器23が設けられている。熱交換器23はエンジン19の排ガスや空気などを、上記の吸着温度以下に冷却するものであり、ラジエータ24で冷却した冷却水と排ガスや空気との間で熱交換するように構成されている。上記の排ガスの流動方向で熱交換器23と貯留部2との間に、排ガスなどを貯留部2に送るポンプ25と、貯留部2に導入される排ガスなどの流量を検出する流量センサ26とが設けられている。したがって、この流量センサ26によって検出した排ガスの流量に基づいて捕捉剤で捕捉あるいは吸着して回収した二酸化炭素の量を推定できる。
捕捉剤で二酸化炭素が捕捉あるいは吸着された残余の排ガスは排出口27を介して車両Veの外部に放出され、あるいは、排気流路20に戻されて他の排ガスと共に排気流路20の排気口(図示せず)から車両Veの外部に放出される。さらに、貯留部2に貯留してある二酸化炭素は回収口28を介して回収スタンド22に排出される。なお、貯留部2としてタンクを備えている場合には、当該タンク内の二酸化炭素は回収口28を介して回収スタンド22に排出される。その回収口28と回収スタンド22との接続、および、それら間での二酸化炭素の移し替えは、図示しないホースやパイプなどによって回収口28と回収スタンド22とを連通することによって行うことができる。それらのホースやパイプなどによる車両Veと回収スタンド22との接続は人によって行ってもよく、あるいは、自動的に接続されるように構成されていてもよい。
ここで、貯留部2に貯留してある二酸化炭素の量の算出や検出について、エンジン19の排ガス中の二酸化炭素を回収して貯留部2に貯留する場合を例として説明する。エンジン19の排ガスに含まれる二酸化炭素の濃度は、エンジン19が定常的に運転(燃焼)している状態ではほぼ一定の値もしくは一定の濃度範囲に入るようになっている。CO2回収装置1に供給される排ガスの量は流量センサ26によって検出できるので、その流量センサ26の検出値に基づいてCO2回収装置1に供給される二酸化炭素の量を求めることができる。なお、急加速時のようにスロットル開度や燃料噴射量が急激に増大した場合や渋滞走行のために低スロットル開度が継続するなどの場合には、そのようなエンジン19の運転状態に応じた補正を行うことにより、CO2回収装置1に供給される二酸化炭素の量を求めることができる。また、捕捉剤で捕捉もしくは吸着できる二酸化炭素の割合は、排ガスの温度や流速などによって異なるが、これは実験などによって予め求めることができる。そして、こうして求めた二酸化炭素の回収量を積算することにより、捕捉剤つまり貯留部2に貯留してある二酸化炭素の量すなわち二酸化炭素の貯留量の全量を求めることができる。また、上述したタンクを備えている場合には、タンク内の圧力を検出することによってタンク内の二酸化炭素の量を求めることも可能である。さらに、二酸化炭素の発生量と燃料の噴射量との間には相関関係があるため、CO2回収装置1で回収した二酸化炭素の量を燃料の噴射量に基づいて求めることも可能である。
次に、この発明の実施形態で実行される制御例について説明する。図5はその制御例を説明するためのフローチャートであって、図5に示す制御例は情報入力端末12で実行される。先ず、配車を予約するアプリケーションソフト(以下、配車アプリと記す。)が起動されたか否かが判断される(ステップS1)。これは例えば、配車アプリが起動したことを示す判定フラグを読み込むことによって行うことができ、その判定フラグは配車アプリが起動した場合にオンに設定され、起動していない場合にオフに設定される。ステップS1で否定的に判断された場合には、特に制御を行うことなく図5に示すルーチンを一旦終了する。
ステップS1で肯定的に判断された場合には、表示部15に予約画面が表示される(ステップS2)。予約画面は上述した予約情報を入力する画面である。図6は情報入力端末12の表示部15に表示される予約画面の一例を示す図であって、図6に示す例では、配車の希望時刻と配車する住所とを入力するようになっている。なお、天候や渋滞などによっては、利用者が希望する時刻に配車できない可能性があるので、ここに示す例では、配車の希望時刻は予め定めた複数の時間帯の中から利用者の希望時刻を含んだ時間帯を選択して設定するようになっている。また、予約画面では、配車の希望時刻と配車する住所とに加えて、車両Veの返却予定時刻、使用予定時間、車両Veの種類や色、乗車人数などを入力するように構成されていてもよい。
ステップS2に続けて、予約画面での全ての項目のそれぞれに、各項目に対応する情報が入力され、入力した予約情報をデータセンター3に送信する送信ボタンが押されたか否かが判断される(ステップS3)。各項目に対応する情報が入力されたか否かの判断は、例えば、各項目のそれぞれに情報が入力されたことを判定するためのフラグ(以下、入力判定フラグと記す。)がオンであるか否かを判断することによって行うことができる。その入力判定フラグは、各項目のそれぞれに、各項目に対応する情報が入力された場合にオンに設定され、各項目に対応する情報が入力されない場合にオフに設定される。また、送信ボタンが押されたか否かの判断は、送信ボタンが押されたことを判定するフラグ(以下、送信判定フラグと記す。)がオンであるか否かを判断することによって行うことができる。その送信判定フラグは、送信ボタンが押された場合にオンに設定され、送信ボタンが押されない場合にオフに設定される。ステップS3で肯定的に判断された場合には、予約画面で入力された予約情報がデータセンター3に送信される(ステップS4)。これとは反対に、ステップS3で否定的に判断された場合には、ステップS3で肯定的に判断されるまで、ステップS3での判断が繰り返し実行される。
ここで、データセンター3で実行される制御の一例を説明する。図7はその制御例を説明するためのフローチャートであって、先ず、予約情報を受信したか否かが判断される(ステップS10)。予約情報を受信したか否かの判断は、例えば、通信部7から管制ECU8に入力される信号を検出することによって行うことができる。ステップS10で否定的に判断された場合には、特に制御を行うことなく図7に示すルーチンを一旦終了する。これに対して、ステップS10で肯定的に判断された場合には、予約情報に基づいて車両Veの走行距離が推定される(ステップS20)。
予約情報に基づく走行距離の推定について説明すると、予約情報には、配車の希望時刻と返却予定時刻とが含まれている。そのため、それらの時刻の差から車両Veの使用時間を推定でき、その使用時間が長いほど、走行距離が長いと推定できる。また、車両Veの走行予定場所あるいは走行予定地域が市街地であれば、車両Veを使用した現在地から目的地までの走行距離が短く、つまり1回のトリップでの走行距離が短いと推定できる。そのため、全体としての走行距離が短いと推定できる。これに対して、郊外であれば、上述した1回のトリップでの走行距離が長いと推定できるため、全体としての走行距離が長いと推定できる。
次いで、ステップS20で推定した走行距離と配車用車両データベース9に記憶されている車両情報とに基づいて利用者に配する車両Veを選択し、また、確保する(ステップS30)。具体的には、空き容量Sが十分に大きいとすれば、車両Veの走行距離が長いほど、CO2回収装置1による二酸化炭素の回収量は多くなる。そのため、ステップS30では、利用者の走行距離が長ければ長いほど、CO2回収装置1における貯留部2の空き容量Sが大きい車両Veを選択する。つまり、他の利用者よりも走行距離が長い利用者に対しては、他の利用者に配する車両Veよりも、空き容量Sの大きいCO2回収装置1を搭載している車両Veを選択する。これは、上述した利用者に配する車両Veの選択は、例えば、利用者に配する車両Veに搭載されているCO2回収装置1の空き容量Sと、他の利用者に配する車両Veに搭載されているCO2回収装置1の空き容量Sとを比較することによって行う。なお、上述したように車両Veの走行距離とCO2回収装置1による二酸化炭素の回収量との間には相関関係があるため、走行距離から二酸化炭素の回収量を推定し、その回収量に相当する空き容量Sのある車両Veを選択してもよい。そして、選択した車両Veを利用者に配するために確保する。例えば、上述した利用者よりも走行距離の短い他の利用者に対しては、上記のようにして選択した車両Veの配車が禁止される。そして、ステップS30で確保した車両Veについての車両情報が利用者に送信される(ステップS40)。その後、特に制御を行うことなく図7に示すルーチンを一旦終了する。
図5のフローチャートの説明に戻り、ステップS4での制御に続けて、利用者に配される車両Veについての車両情報を受信したか否かが判断される(ステップS5)。車両情報を受信したか否かの判断は、例えば、通信部14から端末ECU16に入力される信号を検出することによって行うことができる。ステップS5で否定的に判断された場合には、ステップS5で肯定的に判断されるまで、ステップS5での判断が繰り返し実行される。これに対して、ステップS5で肯定的に判断された場合には、利用者に配される車両Veについての情報が情報入力端末12の表示部15に表示される(ステップS6)。図8は表示部15に表示される車両情報の一例を示す図であって、図8に示す例では、車両Veの種類、色、乗車人数などが表示されるようになっている。なお、それらの情報に加えて、CO2回収装置1における貯留部2の空き容量Sを表示するように構成されていてもよい。その後、図5に示すルーチンを一旦終了する。
また、車両Veで実行される制御例について説明すると、図9はその制御例を説明するためのフローチャートである。なお、上記の車両VeはCO2回収装置1を搭載している車両である。先ず、現時点よりも1回前にCO2回収装置1における貯留部2の空き容量Sについてのデータをデータセンター3に送信してから、所定時間が経過しているか否かが判断される(ステップS100)。例えば、図9に示すルーチンが前回実行された場合に、図示しないタイマーでのカウントが開始され、そのカウント値が予め定めた値以上であるか否かが判断される。ステップS100で否定的に判断された場合には、特に制御を行うことなく、図9に示すルーチンを一旦終了する。これに対して、ステップS100で肯定的に判断された場合には、空き容量Sのデータが取得される(ステップS200)。上述したように、貯留部2に貯留してある二酸化炭素の量は算出または検出できるので、その貯留量と貯留部2の容積とに基づいて空き容量Sを算出できる。なお、これは、CO2空き容量把握部6で実行される。そして、空き容量Sについてのデータがデータセンター3に送信され(ステップS300)、その後、図9に示すルーチンを一旦終了する。
データセンター3で実行される制御の他の例を説明する。図10はその制御例を説明するためのフローチャートであって、車両Veから送信された空き容量Sについてのデータを受信したか否かが判断される(ステップS50)。空き容量Sについてのデータを受信したか否かの判断は、例えば、通信部7から管制ECU8に入力される信号を検出することによって行うことができる。ステップS50で否定的に判断された場合には、特に制御を行うことなく図10に示すルーチンを一旦終了する。これに対して、ステップS50で肯定的に判断された場合には、配車用車両データベース9に蓄積されている車両Veの空き容量Sについてのデータが更新される(ステップS60)。なお、配車用車両データベース9に蓄積されている空き容量Sについてのデータは上述した図7に示すステップS30での制御で使用される。その後、図10に示すルーチンを一旦終了する。
このように、この発明の実施形態に係る配車システムでは、利用者から車両Veの使用要求つまり予約があり、その使用要求に合致した車両を配する場合に、他の利用者よりも走行距離が長い利用者には、その他の利用者に配する車両の空き容量Sよりも、空き容量Sの大きい車両Veを配する。つまり、利用者の走行距離が長ければ長いほど、空き容量Sが大きい車両Veが利用者に配される。そのため、車両Veの走行中にCO2回収装置1が満杯となって、それ以上は二酸化炭素を回収できなくなることを回避もしくは抑制できる。言い換えれば、二酸化炭素を回収し損なうことを回避もしくは抑制できる。そのため、広範囲に亘って走行して二酸化炭素を回収することができ、CO2回収装置を有効に活用できる。また、回収スタンド22にわざわざ立ち寄ってCO2回収装置1から二酸化炭素を排出する煩わしさを回避もしくは抑制できる。
なお、この発明は上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態では、データセンター3において、車両情報や予約情報などに基づいて利用者に配する車両Veを選択するように構成されている。しかしながら、利用者に配する車両Veの選択は必ずしもデータセンター3で行う必要はなく、車両Veや情報入力端末12などで行うように構成されていてもよい。また、この発明の実施形態に係るCO2回収装置1で回収する二酸化炭素はエンジン19の排ガス中の二酸化炭素に限らず、車両Veの車室内および車室外の空気中の二酸化炭素であってもよい。
1 CO2回収装置
2 貯留部
22 回収スタンド(回収器)
S CO2回収装置で二酸化炭素を貯留可能な空き容量
Ve 車両
2 貯留部
22 回収スタンド(回収器)
S CO2回収装置で二酸化炭素を貯留可能な空き容量
Ve 車両
Claims (1)
- 利用者から車両の使用についての要求があった場合に、前記要求に合致した前記車両を前記利用者に配する配車システムにおいて、
前記車両は、気体中の二酸化炭素を捕捉あるいは吸着することによって回収して貯留し、その貯留した前記二酸化炭素を外部に設けられた回収器で回収するように構成されたCO2回収装置を搭載した車両を含み、
前記CO2回収装置で前記二酸化炭素を貯留可能な空き容量を推定すると共に、
前記要求に基づいて前記利用者による前記CO2回収装置を搭載した前記車両の走行距離を推定し、
他の利用者による前記CO2回収装置を搭載した前記車両の走行距離よりも、前記CO2回収装置を搭載した前記車両の走行距離が長い前記利用者に、前記他の利用者に配する前記CO2回収装置を搭載した前記車両の前記空き容量よりも、前記空き容量が大きい前記CO2回収装置を搭載した前記車両を配するように構成されている
ことを特徴とする配車システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020011891A JP2021117834A (ja) | 2020-01-28 | 2020-01-28 | 配車システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020011891A JP2021117834A (ja) | 2020-01-28 | 2020-01-28 | 配車システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021117834A true JP2021117834A (ja) | 2021-08-10 |
Family
ID=77175049
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020011891A Pending JP2021117834A (ja) | 2020-01-28 | 2020-01-28 | 配車システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021117834A (ja) |
-
2020
- 2020-01-28 JP JP2020011891A patent/JP2021117834A/ja active Pending
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