JP7318260B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた、単独重合体である結着樹脂と、電荷発生材料と、電荷輸送材料と、下記一般式(FA)で示される構造単位を有するフッ化アルキル基含有重合体と、下記一般式(FL)で示されるフルオレノン化合物および下記一般式(BDC)で示されるベンゼンジカルボン酸化合物から選択される少なくとも1種と、を含む感光層と、
を有する電子写真感光体。
(一般式(FA)中、RF1は、水素原子、又はアルキル基を表す。QF1は、-O-、又は-NH-を表す。flは、1以上の整数を表す。fpは、0または1以上の整数を表す。ftは、1以上7以下の整数を表す。)
(一般式(FL)中、RF11、RF12、RF13、RF14、RF15、RF16、及びRF17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。RF18は、アルキル基、-LF19-O-RF20、アリール基、又はアラルキル基を表す。ただし、LF19はアルキレン基を示し、RF20はアルキル基を表す。)
(一般式(BDC)中、RBCD1、及びRBCD2は、各々独立に、アルキル基、又はアラルキル基を示す。)
<2>
前記感光層が、前記単独重合体である結着樹脂、前記電荷発生材料、前記電荷輸送材料として正孔輸送材料および電子輸送材料、前記フッ化アルキル基含有重合体、前記フルオレノン化合物、並びに、前記ベンゼンジカルボン酸化合物を同一層に含む単層型感光層である<1>に記載の電子写真感光体。
<3>
前記単独重合体である樹脂は、ポリカーボネート樹脂及びポリアリレート樹脂から選択される少なくとも1種を含む<1>又は<2>に記載の電子写真感光体。
<4>
前記単独重合体である樹脂は、ポリカーボネート樹脂を少なくとも含む<3>に記載の電子写真感光体。
<5>
前記ポリカーボネート樹脂は、下記一般式(PC)で表される繰り返し単位を有する<4>に記載の電子写真感光体。
(一般式(PC)中、RP1及びRP2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数5以下の置換若しくは非置換のアルキル基、又は置換若しくは非置換のフェニル基を示し、RP1とRP2とでシクロ環を形成していてもよい。RP3及びRP4は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数3以下の置換若しくは非置換のアルキル基を示す。)
<6>
前記フッ化アルキル基含有重合体が、さらに、下記一般式(FC)で示される構造単位を有する<1>~<5>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
(一般式(FC)中、RF5、及びRF6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又は-AO-RF7(ただし、AOはアルキレンオキサイド基、RF7は水素原子又はアルキル基を表す)を表す。fzは、1以上の整数を表す。)
<7>
前記フルオレノン化合物が、前記一般式(FL)中、RF11、RF12、RF13、RF14、RF15、RF16、及びRF17が水素原子を表し、RF18はアルキル基を表す化合物である<1>~<6>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<8>
前記ベンゼンジカルボン酸化合物が、前記一般式(BDC)中、RBCD1がアルキル基又はアラルキル基を表し、RBCD2がアルキル基を表す化合物である<1>~<7>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<9>
前記フッ化アルキル基含有重合体の含有量が、前記感光層の全固形分に対して0.02質量%以上0.05質量%以下である<1>~<8>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<10>
前記フルオレノン化合物の含有量が、前記感光層の全固形分に対して2質量%以上9質量%以下である<1>~<9>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<11>
前記ベンゼンジカルボン酸化合物の含有量が、前記感光層の全固形分に対して0.9質量%以上5質量%以下である<1>~<10>いずれか1項に記載の電子写真感光体。
<12>
前記フルオレノン化合物と前記ベンゼンジカルボン酸化合物との含有比(フルオレノン化合物の含有量/ベンゼンジカルボン酸化合物の含有量)が、3/2以上3/1以下<1>~<11>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<13>
前記フルオレノン化合物と前記ベンゼンジカルボン酸化合物との含有比(フルオレノン化合物の含有量/ベンゼンジカルボン酸化合物の含有量)が、5/3以上3/1以下<12>のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
<14>
<1>~<13>のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。
<15>
<1>~<13>のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
<10>に係る発明によれば、フルオレノン化合物の含有量が、前記感光層の全固形分に対して3質量%未満である場合に比べ、電子写真感光体の表面に付着した油分に起因する感光層の割れの発生が抑制された電子写真感光体が提供される。
<11>に係る発明によれば、ベンゼンジカルボン酸化合物の含有量が、前記感光層の全固形分に対して5質量%未満である場合に比べ、電子写真感光体の表面に付着した油分に起因する感光層の割れの発生が抑制された電子写真感光体が提供される。
本実施形態に係る電子写真感光体(以下「感光体」ともいう)は、
導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた、単独重合体である結着樹脂と、電荷発生材料と、電荷輸送材料と、下記一般式(FA)で示される構造単位を有するフッ化アルキル基含有重合体(以下「一般式(FA)のフッ化アルキル基含有重合体」とも称する)と、下記一般式(FL)で示されるフルオレノン化合物(以下「一般式(FL)のフルオレノン化合物」とも称する)および下記一般式(BDC)で示されるベンゼンジカルボン酸化合物(以下「一般式(BDC)でのベンゼンジカルボン酸化合物」とも称する)から選択される少なくとも1種と、を含む感光層と、
を有する電子写真感光体。
具体的には、感光体の表面に油分(例えば、指の油等)が付着すると、その油分が感光層の内部に浸透し、浸透した油分に起因する割れ(以下「ケミカルクラック」ともいう)が生じることがある。
その理由は定かではないが、共重合体では異なる構造単位が互いに相互作用することで応力が緩和されやすいのに対し、単独重合体では異なる構造単位を有していないため、応力が維持されやすく、ケミカルクラックが生じやすいと推測される。
また、単独重合体である結着樹脂に加え、一般式(FL)のフルオレノン化合物および一般式(BDC)のベンゼンジカルボン酸化合物から選択される少なくとも1種を感光層に含有させると、これら化合物が結着樹脂との相互作用の向上、立体障害の軽減、および自由体積充填効果を起こす。それにより、感光層の内部の残留応力が緩和される。
また、本実施形態に係る感光体は、帯電維持性も良好である。
単層型感光体の場合、単独重合体である結着樹脂、電荷発生材料と、電荷輸送材料としての正孔輸送材料および電子輸送材料と、一般式(FA)のフッ化アルキル基含有重合体と、一般式(FL)のフルオレノン化合物および一般式(BDC)のベンゼンジカルボン酸化合物から選択される少なくとも1種と、を同一層に含む単層型感光層を有する感光体が例示される。
一方、積層型感光体の場合、電荷輸送材料を含む電荷輸送層と、電荷輸送材料、一般式(FA)のフッ化アルキル基含有重合体、並びに、一般式(FL)のフルオレノン化合物および一般式(BDC)のベンゼンジカルボン酸化合物から選択される少なくとも1種を同一層に含む電荷輸送層と、をこの順で有する感光体が例示される。
そのため、本実施形態に係る感光体は、単層型感光体であることが適している。
なお、下引層1は、必要に応じて設けられる層である。即ち、単層型の感光層2は、導電性基体3上に直接設けられていてもよく、下引層1を介して設けられてもよい。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/(4n)(nは上層の屈折率)から1/2までに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層をさらに設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン-アルキッド樹脂、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
単層型の感光層は、単独重合体である結着樹脂と、電荷発生材料と、正孔輸送材料と、電子輸送材料と、一般式(FA)のフッ化アルキル基含有重合体と、一般式(FL)のフルオレノン化合物および一般式(BDC)のベンゼンジカルボン酸化合物から選択される少なくとも1種と、を含む。
結着樹脂として、単独重合体が適用される。
単独重合体としては、例えば、ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールA、ビスフェノールZ、ビスフェノールC、ビスフェノールTP等の単独重合体等)、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、シリコーン樹脂、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。
これらの単独重合体は、1種を単独で又は2種以上混合して用いてもよい。結着樹脂として用いる単独重合体が1種のみであっても、ケミカルクラックが抑制される。
単独重合体がポリカーボネート樹脂及びポリアリレート樹脂から選択される少なくとも1種を含む場合、単独重合体全体に対するポリカーボネート樹脂及びポリアリレート樹脂の合計含有量は、90質量%以上であることが好ましく95質量%以上であることがより好ましく、98質量%以上であることがさらに好ましい。
単独重合体がポリカーボネート樹脂を含む場合、単独重合体全体に対するポリカーボネート樹脂の含有量は、90質量%以上であることが好ましく95質量%以上であることがより好ましく、98質量%以上であることがさらに好ましい。
RP3及びRP4は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数3以下の置換若しくは非置換のアルキル基を示す。
シクロアルキレン基の炭素数(ただし、置換シクロアルキレン基の場合はさらに有する置換基の炭素数を除く)は、3以上12以下が好ましく、3以上10以下がより好ましく、5以上8以下がさらに好ましい。シクロアルキレン基の具体例としては、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基、シクロドデカニレン基等が挙げられる。これらの中でも、シクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基が好ましい。
また、一般式(PC)中、RP3及びRP4が表す炭素数3以下のアルキル基がさらに有する置換基は、一般式(PC)中、RP1及びRP2が表す炭素数5以下のアルキル基又はフェニル基がさらに有する置換基と同じものが挙げられる。
まず、感光体から測定対象となる感光層を露出させる。そして、その感光層の一部を切り出し、測定用試料を準備する。
次に、測定用試料から結着樹脂を抽出する。抽出した結着樹脂1g分をメチレンクロライド100cm3に溶解し、25℃の測定環境下でウベローデ粘度計にて、その比粘度ηspを測定する。そして、ηsp/c=〔η〕+0.45〔η〕2cの関係式(ただしcは濃度(g/cm3)より極限粘度〔η〕(cm3/g)を求め、H.Schnellによって与えられている式、〔η〕=1.23×10-4Mv0.83の関係式より粘度平均分子量Mvを求める。
電荷発生材料としては、例えば、ビスアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料;ジブロモアントアントロン等の縮環芳香族顔料;ペリレン顔料;ピロロピロール顔料;フタロシアニン顔料;酸化亜鉛;三方晶系セレン等が挙げられる。
なお、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料を併用する場合には、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料とクロロガリウムフタロシアニン顔料との比率は、質量比で、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料:クロロガリウムフタロシアニン顔料=9:1乃至3:7(好ましくは9:1乃至6:4)であることがよい。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から望ましい。
正孔輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、2,5-ビス(p-ジエチルアミノフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール等のオキサジアゾール誘導体;1,3,5-トリフェニル-ピラゾリン、1-[ピリジル-(2)]-3-(p-ジエチルアミノスチリル)-5-(p-ジエチルアミノスチリル)ピラゾリン等のピラゾリン誘導体;トリフェニルアミン、N,N′-ビス(3,4-ジメチルフェニル)ビフェニル-4-アミン、トリ(p-メチルフェニル)アミニル-4-アミン、ジベンジルアニリン等の芳香族第3級アミノ化合物;N,N′-ビス(3-メチルフェニル)-N,N′-ジフェニルベンジジン等の芳香族第3級ジアミノ化合物、3-(4′-ジメチルアミノフェニル)-5,6-ジ-(4′-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアジン等の1,2,4-トリアジン誘導体;4-ジエチルアミノベンズアルデヒド-1,1-ジフェニルヒドラゾン等のヒドラゾン誘導体;2-フェニル-4-スチリル-キナゾリン等のキナゾリン誘導体;6-ヒドロキシ-2,3-ジ(p-メトキシフェニル)ベンゾフラン等のベンゾフラン誘導体;p-(2,2-ジフェニルビニル)-N,N-ジフェニルアニリン等のα-スチルベン誘導体;エナミン誘導体;N-エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体;ポリ-N-ビニルカルバゾール及びその誘導体等;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの正孔輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正孔輸送材料の具体例としては、例えば、下記一般式(B-1)で示される化合物及び下記一般式(B-2)で示される化合物が挙げられる。その中でも、感光体の感度を向上させる観点から、正孔輸送材料としては、下記一般式(B-1)で示される化合物が好ましい。
電子輸送材料としては、特に制限はないが、例えば、クロラニル、ブロモアニル等のキノン系化合物;テトラシアノキノジメタン系化合物;2,4,7-トリニトロ-9-フルオレノン、2,4,5,7-テトラニトロ-9-フルオレノン、9-ジシアノメチレン-9-フルオレノン-4-カルボン酸オクチル等のフルオレノン系化合物;2-(4-ビフェニル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ナフチル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス(4-ジエチルアミノフェニル)1,3,4-オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物;キサントン系化合物;チオフェン系化合物;3,3’-ジ-tert-ペンチル-ジナフトキノン等のジナフトキノン系化合物;3,3’-ジ-tert-ブチル-5,5’-ジメチルジフェノキノン、3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-4,4’-ジフェノキノン等のジフェノキノン系化合物;上記した化合物で構成される基を主鎖又は側鎖に有する重合体;などが挙げられる。これらの電子輸送材料は、1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
RC11~RC14が示すアルキル基は、置換アルキル基であってもよい。置換アルキル基の置換基としては、シクロアルキル基、フッ素置換アルキル基等が挙げられる。
一般式(D-1)中、RD11~RD17が示すアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
炭素数1以上12以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル基等が挙げられる。
炭素数3以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、
イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基等が挙げられる。
LD19が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、n-ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert-ペンチレン基等が挙げられる。
RD20が示すアルキル基としては、上記RD11~RD17が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
なお、RD18が示すアリール基は、アルキル基で置換されたアルキル置換アリール基であることが、溶解性の観点で好ましい。アルキル置換アリール基のアルキル基としては、RD11~RD17が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
LD21が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、n-ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert-ペンチレン基等が挙げられる。
Arが示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基等が挙げられる。
・Ph:フェニル基
正孔輸送材料と電子輸送材料との比率は、質量比(正孔輸送材料/電子輸送材料)で、50/50以上90/10以下が望ましく、より望ましくは60/40以上80/20以下である。
一般式(FA)のフッ化アルキル基含有重合体は、下記一般式(FA)で示される構造単位を有する。
QF1は、-O-、又は-NH-を表す。
flは、1以上の整数を表す。
fpは、0または1以上の整数を表す。
ftは、1以上7以下の整数を表す。
XF1は、アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、-S-、-O-、-NH-、又は単結合を表す。
YF1は、アルキレン鎖、ハロゲン置換アルキレン鎖、-(CfxH2fx-1(OH))-又は単結合を表す。
fm及びfnは、各々独立に、1以上の整数を表す。
fq、fr及びfsは、各々独立に、0または1以上の整数を表す。
fxは1以上の整数を表す。
YF1を表す-(CfxH2fx-1(OH))-中のfxは、1以上10以下の整数を表すことが好ましい。
fq、fr及びfsは、それぞれ独立に0または1以上10以下の整数を表すことが好ましい。
fnは、例えば、1以上60以下が好ましい。
一般式(FC)中、RF5、及びRF6を表す-AO-RF7としては、-(CH2CH2O)nRF7、-(CH2(CH3)CH2O)nRF7が好ましい。ただし、nは、例えば、1~10の整数(好ましくは1~6の整数)を表す。
RF61は、アルキル基を示す。
RF62は、-AO-RF7(ただし、AOはアルキレンオキサイド基、RF7は水素原子又はアルキル基(好ましくは炭素数1以上4以下のアルキル基)を表す)を表す。
fz1、及びfz2は、各々独立に、1以上の整数を表す。
一般式(FC1)および(FC2)中、RF62を表す-AO-RF7としては、-(CH2CH2O)nRF7、-(CH2(CH3)CH2O)nRF7が好ましい。ただし、nは、例えば、1~10の整数(好ましくは1~6の整数)を表す。
なお、フッ素含有分散剤は、1種を単独でまたは2種以上を併用してもよい。
一般式(FL)中、RF11~RF17が示すアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
炭素数1以上12以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル基等が挙げられる。
炭素数3以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、
イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基等が挙げられる。
LF19が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、n-ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert-ペンチレン基等が挙げられる。
RF20が示すアルキル基としては、上記RF11~RF17が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
なお、RF18が示すアリール基は、アルキル基で置換されたアルキル置換アリール基であることが、溶解性の観点で好ましい。アルキル置換アリール基のアルキル基としては、RF11~RF17が示すアルキル基と同様の基が挙げられる。
LF21が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、n-ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert-ペンチレン基等が挙げられる。
Arが示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基等が挙げられる。
・Ph:フェニル基
炭素数1以上12以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル基等が挙げられる。
炭素数3以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、
イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基等が挙げられる。
LBCDが示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上12以下(好ましくは炭素数1以上7、より好ましくは炭素数1以上5)のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、n-ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert-ペンチレン基等が挙げられる。
ArBCDが示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基等が挙げられる。
・Ph:フェニル基
単層型の感光層には、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤が含まれていてもよい。また、単層型感光層が表面層(すなわち、最外層)となる場合、単層型の感光層には、フッ素樹脂粒子、シリコーンポリマー等の離型剤が含まれていてもよい。
正帯電型電子写真感光体における単層型感光層は、その他の成分として帯電制御剤を含有することが好ましく、電子供与性帯電制御剤を含有することがより好ましい。電子供与性帯電制御剤を含有すると、容易に正帯電型の感光層が形成される
帯電制御剤としては、トナーの電荷制御剤として用いられている従来公知の化合物を用いられる。
電子供与性帯電制御剤としては、例えば、アゾ金属系帯電制御剤、オキシカルボン酸系帯電制御剤、ホウ素錯体系帯電制御剤、鉄錯体系帯電制御剤、亜鉛錯体系帯電制御剤、アルキルサリチル酸錯塩系帯電制御剤、スルホン酸ペンダント化樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。
帯電制御剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤、特に電子供与性帯電制御剤の含有量は、感光層の結着樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.05質量部以上10質量部以下であることがより好ましく、0.1質量部以上5質量部以下であることが更に好ましい。
単層型の感光層は、上記成分を溶剤に加えた感光層形成用塗布液を用いて形成される。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2-ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
単層型の感光層の膜厚は、好ましくは5μm以上60μm以下、より好ましくは5μm以上50μm以下、さらに好ましくは10μm以上40μm以下の範囲に設定される。
本実施形態に係る画像形成装置は、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。そして、電子写真感光体として、上記本実施形態に係る電子写真感光体が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図2に示すように、電子写真感光体7を備えるプロセスカートリッジ300と、露光装置9(静電潜像形成手段の一例)と、転写装置40(一次転写装置)と、中間転写体50とを備える。なお、画像形成装置100において、露光装置9はプロセスカートリッジ300の開口部から電子写真感光体7に露光し得る位置に配置されており、転写装置40は中間転写体50を介して電子写真感光体7に対向する位置に配置されており、中間転写体50はその一部が電子写真感光体7に接触して配置されている。図示しないが、中間転写体50に転写されたトナー像を記録媒体(例えば用紙)に転写する二次転写装置も有している。なお、中間転写体50、転写装置40(一次転写装置)、及び二次転写装置(不図示)が転写手段の一例に相当する。
帯電装置8としては、例えば、導電性又は半導電性の帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器が使用される。また、非接触方式のローラ帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器等のそれ自体公知の帯電器等も使用される。
露光装置9としては、例えば、電子写真感光体7表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、定められた像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体の分光感度領域内とする。半導体レーザの波長としては、780nm付近に発振波長を有する近赤外が主流である。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、カラー画像形成のためにはマルチビームを出力し得るタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置11としては、例えば、現像剤を接触又は非接触させて現像する一般的な現像装置が挙げられる。現像装置11としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて選択される。例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体7に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。中でも現像剤を表面に保持した現像ローラを用いるものが好ましい。
クリーニング装置13は、クリーニングブレード131を備えるクリーニングブレード方式の装置が用いられる。
なお、クリーニングブレード方式以外にも、ファーブラシクリーニング方式、現像同時クリーニング方式を採用してもよい。
転写装置40としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
中間転写体50としては、半導電性を付与したポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ゴム等を含むベルト状のもの(中間転写ベルト)が使用される。また、中間転写体の形態としては、ベルト状以外にドラム状のものを用いてもよい。
図3に示す画像形成装置120は、プロセスカートリッジ300を4つ搭載したタンデム方式の多色画像形成装置である。画像形成装置120では、中間転写体50上に4つのプロセスカートリッジ300がそれぞれ並列に配置されており、1色に付き1つの電子写真感光体が使用される構成となっている。なお、画像形成装置120は、タンデム方式であること以外は、画像形成装置100と同様の構成を有している。
結着樹脂として表1に示すポリカーボネート単独重合体(結着樹脂(1))を49質量部と、電荷発生材料として表1に示すクロロガリウムフタロシアニン顔料CGM(1)を2質量部と、表1に示す電子輸送材料ETM(1)を8質量部と、表1に示す正孔輸送材料HTM(1)を36質量部と、表1に示す添加剤A1を0.03質量部と、表1に示す添加剤B1を5質量部と、溶剤としてテトラヒドロフランを250質量部と、を混合し、直径1mmφのガラスビーズを用いてサンドミルにて4時間分散処理を行い、感光層形成用塗布液を得た。
以上のようにして、実施例1の感光体を得た。
表1~表2にしたがって、結着樹脂、電荷発生材料、電子輸送材料、正孔輸送材料、及び添加剤の種類及び量(部数)を変更した以外は、実施例1と同様にして、各例の感光体を得た。
表2にしたがって、結着樹脂、電荷発生材料、電子輸送材料、正孔輸送材料、及び添加剤の種類及び量(部数)を変更した以外は、実施例1と同様にして、各例の感光体を得た。
各例で得られた感光体を、帯電装置、露光装置、及び除電装置を備えたGENTEC株式会社製感光体電気特性評価装置に組み込み、帯電、露光、及び除電の一連の工程を100サイクル繰り返した後、1サイクル目と100サイクル目の帯電電位の差分△VHの値を下記条件/基準に従って評価した。
-条件-
・測定環境:20℃/40%
・帯電電位:+600V
・露光光量:10(mJ/m2)
・露光波長:780(nm)
・除電光光源:ハロゲンランプ(林時計工業製)
・除電光波長:600nm以上800nm以下
・除電光光量:30(mJ/m2)
・回転速度66.7(rpm)
-評価基準-
A: 0≦|△VH|≦20
B:20<|△VH|≦30
D:30<|△VH|
油脂(オレイン酸トリグリセリド)をADVANTEC(TOYO)社製フィルタ(サイズ47mm)に染み込ませ、各例で得られた感光体の表面のうち、軸方向10ヶ所に付着させて、24時間放置した。その後、光学顕微鏡を用いて感光体の表面を観察し、下記基準に従って、耐ケミカルクラック性を評価した。
-評価基準-
A:ケミカルクラック発生箇所が1箇所以下であった。
B+:ケミカルクラック発生箇所が2箇所以上3箇所以下であった。
B-:ケミカルクラック発生箇所が4箇所以上5箇所以下であった。
C:ケミカルクラック発生箇所が6箇所以上7箇所以下であった。
D:ケミカルクラック発生箇所が8箇所以上であった。
また、本実施例の感光体は、帯電維持性も良好であることもわかる。
-添加剤-
・A1:下記構造の添加剤A1(LE-600シリーズ(共栄社化学(株)、一般式(FA)のフッ化アルキル基含有重合体に該当)
・A2:下記構造の添加剤A2(LE-600シリーズ(共栄社化学(株)、一般式(FA)のフッ化アルキル基含有重合体に該当)
・B1:下記構造の添加剤B1(一般式(FL)のフルオレノン化合物に該当)
・B2:下記構造の添加剤B2(一般式(FL)のフルオレノン化合物に該当)
・C1:下記構造の添加剤C1(フタル酸ベンジルブチル、一般式(BDC)のベンゼンジカルボン酸化合物に該当)
・C2:下記構造の添加剤C2(フタル酸ベンジルブチル、一般式(BDC)のベンゼンジカルボン酸化合物に該当)
・結着樹脂(1):単独重合体であるポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZの単独重合型ポリカーボネート樹脂(PCZ:構造式(1-3)で表される繰り返し単位を有する単独重合型ポリカーボネート樹脂)、粘度平均分子量Mv=40000)
・結着樹脂(2): ビフェニル骨格とビスフェノールZ骨格とを有するビフェニル共重合型ポリカーボネート樹脂(粘土平均分子量Mv=60000)を表す。
・結着樹脂(3):単独重合体であるポリアリレート樹脂(ビスフェノールAの単独重合型ポリアリレート樹脂、粘度平均分子量Mv=40000)
・CGM(1): クロロガリウムフタロシアニン顔。Cukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4゜,16.6゜,25.5゜,28.3゜の位置に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン顔料(600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長=780nm、平均粒径=0.15μm、最大粒径=0.2μm、比表面積値=56m2/g)
・CGM(2): Y型のチタニルフタロシアニン顔料。CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも9.6°、27.3°の位置に回折ピークを有する。
・CGM(3): ヒドロキシガリウムフタロシアニン(V型)顔料。CuKα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3°、16.0°、24.9°、28.0°の位置に回折ピークを有する(600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長=820nm、平均粒径=0.12μm、最大粒径=0.2μm、BET比表面積値=60m2/g)。
ETM(1):下記構造の電子輸送材料ETM(1)
・ETM(2):下記構造の電子輸送材料ETM(2)
・HTM(1): 下記構造の正孔輸送材料HTM(1)
・HTM(2): 下記構造の正孔輸送材料HTM(2)
・HTM(3): 下記構造の正孔輸送材料HTM(3)
Claims (17)
- 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた、単独重合体である結着樹脂と、電荷発生材料と、電荷輸送材料と、下記一般式(FA)で示される構造単位を有するフッ化アルキル基含有重合体と、下記一般式(FL)で示されるフルオレノン化合物および下記一般式(BDC)で示されるベンゼンジカルボン酸化合物から選択される少なくとも1種と、を含む感光層と、
を有する電子写真感光体。
(一般式(FA)中、RF1は、水素原子、又はアルキル基を表す。QF1は、-O-、又は-NH-を表す。flは、1以上の整数を表す。fpは、0または1以上の整数を表す。ftは、1以上7以下の整数を表す。)
(一般式(FL)中、RF11、RF12、RF13、RF14、RF15、RF16、及びRF17は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。RF18は、アルキル基、-LF19-O-RF20、アリール基、又はアラルキル基を表す。ただし、LF19はアルキレン基を示し、RF20はアルキル基を表す。)
(一般式(BDC)中、RBCD1、及びRBCD2は、各々独立に、アルキル基、又はアラルキル基を示す。) - 前記感光層が、前記単独重合体である結着樹脂、前記電荷発生材料、前記電荷輸送材料として正孔輸送材料および電子輸送材料、前記フッ化アルキル基含有重合体、前記フルオレノン化合物、並びに、前記ベンゼンジカルボン酸化合物を同一層に含む単層型感光層である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記単独重合体である樹脂は、ポリカーボネート樹脂及びポリアリレート樹脂から選択される少なくとも1種を含む請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記単独重合体である樹脂は、ポリカーボネート樹脂を少なくとも含む請求項3に記載の電子写真感光体。
- 前記ポリカーボネート樹脂は、下記一般式(PC)で表される繰り返し単位を有する請求項4に記載の電子写真感光体。
(一般式(PC)中、RP1及びRP2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数5以下の置換若しくは非置換のアルキル基、又は置換若しくは非置換のフェニル基を示し、RP1とRP2とでシクロ環を形成していてもよい。RP3及びRP4は、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数3以下の置換若しくは非置換のアルキル基を示す。) - 前記フッ化アルキル基含有重合体が、さらに、下記一般式(FC)で示される構造単位を有する請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
(一般式(FC)中、RF5、及びRF6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又は-AO-RF7(ただし、AOはアルキレンオキサイド基、RF7は水素原子又はアルキル基を表す)を表す。fzは、1以上の整数を表す。) - 前記フルオレノン化合物が、前記一般式(FL)中、RF11、RF12、RF13、RF14、RF15、RF16、及びRF17が水素原子を表し、RF18はアルキル基を表す化合物である請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記ベンゼンジカルボン酸化合物が、前記一般式(BDC)中、RBCD1がアルキル基 又はアラルキル基を表し、RBCD2がアルキル基を表す化合物である請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記フッ化アルキル基含有重合体の含有量が、前記感光層の全固形分に対して0.02質量%以上0.05質量%以下である請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記フルオレノン化合物の含有量が、前記感光層の全固形分に対して2質量%以上9質量%以下である請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記ベンゼンジカルボン酸化合物の含有量が、前記感光層の全固形分に対して0.9質量%以上5質量%以下である請求項1~請求項10いずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記フルオレノン化合物と前記ベンゼンジカルボン酸化合物との含有比(フルオレノン化合物の含有量/ベンゼンジカルボン酸化合物の含有量)が、3/2以上3/1以下である請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記フルオレノン化合物と前記ベンゼンジカルボン酸化合物との含有比(フルオレノン化合物の含有量/ベンゼンジカルボン酸化合物の含有量)が、5/3以上3/1以下である請求項12のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた、単独重合体である結着樹脂と、電荷発生材料と、電荷輸送材料と、下記一般式(FA)で示される構造単位を有するフッ化アルキル基含有重合体と、下記一般式(FL)で示されるフルオレノン化合物および下記一般式(BDC)で示されるベンゼンジカルボン酸化合物から選択される少なくとも1種と、を含む感光層と、
を有し、
前記フルオレノン化合物が、下記一般式(FL)中、R F11 、R F12 、R F13 、R F14 、R F15 、R F16 、及びR F17 が水素原子を表し、R F18 はアルキル基を表す化合物であり、
前記ベンゼンジカルボン酸化合物が、下記一般式(BDC)中、R BCD1 がアルキル基 又はアラルキル基を表し、R BCD2 がアルキル基を表す化合物である電子写真感光体。
(一般式(FA)中、R F1 は、水素原子、又はアルキル基を表す。Q F1 は、-O-、又は-NH-を表す。flは、1以上の整数を表す。fpは、0または1以上の整数を表す。ftは、1以上7以下の整数を表す。)
(一般式(FL)中、R F11 、R F12 、R F13 、R F14 、R F15 、R F16 、及びR F17 は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R F18 は、アルキル基、-L F19 -O-R F20 、アリール基、又はアラルキル基を表す。ただし、L F19 はアルキレン基を示し、R F20 はアルキル基を表す。)
(一般式(BDC)中、R BCD1 、及びR BCD2 は、各々独立に、アルキル基、又はアラルキル基を示す。) - 導電性基体と、
前記導電性基体上に設けられた、単独重合体である結着樹脂と、電荷発生材料と、電荷輸送材料と、下記一般式(FA)で示される構造単位を有するフッ化アルキル基含有重合体と、下記一般式(FL)で示されるフルオレノン化合物および下記一般式(BDC)で示されるベンゼンジカルボン酸化合物から選択される少なくとも1種と、を含む感光層と、
を有し、
前記フルオレノン化合物と前記ベンゼンジカルボン酸化合物との含有比(フルオレノン化合物の含有量/ベンゼンジカルボン酸化合物の含有量)が、3/2以上3/1以下である電子写真感光体。
(一般式(FA)中、R F1 は、水素原子、又はアルキル基を表す。Q F1 は、-O-、又は-NH-を表す。flは、1以上の整数を表す。fpは、0または1以上の整数を表す。ftは、1以上7以下の整数を表す。)
(一般式(FL)中、R F11 、R F12 、R F13 、R F14 、R F15 、R F16 、及びR F17 は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はアラルキル基を示す。R F18 は、アルキル基、-L F19 -O-R F20 、アリール基、又はアラルキル基を表す。ただし、L F19 はアルキレン基を示し、R F20 はアルキル基を表す。)
(一般式(BDC)中、R BCD1 、及びR BCD2 は、各々独立に、アルキル基、又はアラルキル基を示す。) - 請求項1~請求項15のいずれか1項に記載の電子写真感光体を備え、
画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジ。 - 請求項1~請求項15のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備える画像形成装置。
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