JP7315064B1 - 温度測定方法、温度測定装置、温度制御方法、温度制御装置、鋼材の製造方法、及び鋼材の製造設備 - Google Patents

温度測定方法、温度測定装置、温度制御方法、温度制御装置、鋼材の製造方法、及び鋼材の製造設備 Download PDF

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Abstract

【課題】スラブ表面の形態に関係なくスラブの温度を精度よく測定可能な温度測定方法及び温度測定装置を提供すること。【解決手段】本発明に係る温度測定方法は、同じ温度で分光放射率が異なる少なくとも3つ以上の波長を含むスラブからの分光放射スペクトルを測定する分光測定ステップと、分光放射スペクトルの測定点におけるスラブ表面の特徴量を取得する取得ステップと、取得ステップにおいて取得した特徴量に基づきスラブ表面の形態を判定する判定ステップと、判定ステップの判定結果に基づいて、分光測定ステップにおいて測定された分光放射スペクトルから測定点の温度を算出する温度算出方法を選択する選択ステップと、を含む。【選択図】図6

Description

本発明は、温度測定方法、温度測定装置、温度制御方法、温度制御装置、鋼材の製造方法、及び鋼材の製造設備に関する。
一般に、熱間圧延に供されるスラブは加熱炉内で目標抽出温度まで加熱された後に熱間圧延に供される。従って、加熱炉内では目標抽出温度となるようにスラブを均一に加熱する必要があり、このためには加熱炉の炉内温度やスラブの抽出温度を随時監視する必要がある。一方で、スラブの加熱炉抽出温度を正確に把握できれば、スラブの温度を予測する温度予測モデルの予測精度を向上させ、スラブの加熱炉抽出温度の精度向上や加熱炉の操業に有用である。このような背景から、スラブの加熱炉抽出温度の測定方法が数多く提案されている。また、スラブの表面にスケールが形成されている場合、スラブの温度を正確に測定することが困難になるために、特許文献1,2にはスラブ表面におけるスケールの有無を判定する方法が提案されている。具体的には、特許文献1には、加熱炉の操業条件から計算された加熱炉抽出温度と実際に測定された加熱炉抽出温度の最大値との差が正の閾値以下であるか否かを判定することによりスケールの有無を判定する方法が記載されている。また、特許文献2には、スケール除去位置でのスラブ温度とスケール除去がされていない位置でのスラブ温度に基づいてスケールの有無を判定する方法が記載されている。
特開2019-167574号公報 特開2017-1070号公報 特許第5987563号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、操業トラブル等によって加熱炉からスラブを抽出した後にスラブの搬送が停止された場合等、加熱炉抽出温度の計算条件と測定状態との間に乖離がある場合、スケールの有無を判定することは難しい。また、スラブの温度測定範囲全体にスケールが存在する場合には、加熱炉抽出温度の最大値に測定誤差が発生することがある。一方、特許文献2に記載の方法では、スケール除去工程の前後でスラブ温度を測定する必要があるので、複数の装置が必要になる、装置の設置環境を準備できない等といった問題がある。また、スケール除去位置にスケール除去工程で用いた水に由来する水乗りがある場合、スラブ温度に測定誤差が発生する可能性がある。以上のことから、スラブ表面の形態に関係なくスラブの加熱炉抽出温度を精度よく測定可能な技術の提供が求められていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、スラブ表面の形態に関係なくスラブの温度を精度よく測定可能な温度測定方法及び温度測定装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、スラブ表面の形態に関係なくスラブの温度を目標温度に精度よく制御可能な温度制御方法及び温度制御装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、鋼材の製造歩留まりを向上できると共に、鋼材の反りや突っかかりによる設備トラブル及び荷重等の負荷過大による設備破損トラブルを未然に防ぐことができる鋼材の製造方法及び製造設備を提供することにある。
本発明に係る温度測定方法は、同じ温度で分光放射率が異なる少なくとも3つ以上の波長を含むスラブからの分光放射スペクトルを測定する分光測定ステップと、前記分光放射スペクトルの測定点におけるスラブ表面の特徴量を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得した前記特徴量に基づき前記スラブ表面の形態を判定する判定ステップと、前記判定ステップの判定結果に基づいて、前記分光測定ステップにおいて測定された分光放射スペクトルから前記測定点の温度を算出する温度算出方法を選択する選択ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る温度測定方法は、上記発明において、前記特徴量には輝度及び形状が含まれることを特徴とする。
本発明に係る温度測定方法は、上記発明において、前記スラブ表面の形態にはスケール及び水乗りが含まれることを特徴とする。
本発明に係る温度測定装置は、同じ温度で分光放射率が異なる少なくとも3つ以上の波長におけるスラブからの分光放射スペクトルを測定する分光測定手段と、前記分光放射スペクトルの測定点におけるスラブ表面の特徴量を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記特徴量に基づき前記スラブ表面の形態を判定し、判定結果に基づいて前記分光放射スペクトルから前記測定点の温度を算出する温度算出方法を選択する演算装置と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る温度制御方法は、本発明に係る温度測定方法によって選択された温度算出方法により算出された測定点の温度に基づいてスラブの温度を制御するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る温度制御装置は、本発明に係る温度測定装置によって選択された温度算出方法により算出された測定点の温度に基づいてスラブの温度を制御する手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る鋼材の製造方法は、本発明に係る温度制御方法を用いてスラブの温度を制御するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る鋼材の製造設備は、本発明に係る温度制御装置を備えることを特徴とする。
本発明に係る温度測定方法及び温度測定装置によれば、スラブ表面の形態に関係なくスラブの温度を精度よく測定することができる。また、本発明に係る温度制御方法及び温度制御装置によれば、スラブ表面の形態に関係なくスラブの温度を目標温度に精度よく制御することができる。また、本発明に係る鋼材の製造方法及び製造設備によれば、鋼材の製造歩留まりを向上できると共に、鋼材の反りや突っかかりによる設備トラブル及び荷重等の負荷過大による設備破損トラブルを未然に防ぐことができる。
図1は、本発明の一実施形態である温度測定方法、温度測定装置、温度制御方法、及び温度制御装置が適用される熱延鋼板の製造設備の構成を示す模式図である。 図2は、本発明の一実施形態である温度測定装置の構成を示す模式図である。 図3は、分光画像の撮像範囲の一例を示す模式図である。 図4は、分光画像及び分光放射スペクトルの一例を示す図である。 図5は、特徴量測定装置の動作を説明するための図である。 図6は、本発明の一実施形態である温度測定処理の流れを示すフローチャートである。 図7は、図6に示す温度測定処理の一例を説明するための図である。 図8は、図6に示す温度測定処理の他の例を説明するための図である。 図9は、スラブの画像データの一例を示す図である。 図10は、図9に示す画像データから抽出された輝度が閾値以下の領域を示す図である。 図11は、スラブの画像データの一例を示す図である。 図12は、図11に示す画像データから抽出された輝度が閾値以下の領域を示す図である。 図13は、スラブの画像データの一例を示す図である。 図14は、図13に示す画像データから抽出された輝度が閾値以下の領域を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である温度測定方法、温度測定装置、温度制御方法、及び温度制御装置について説明する。
〔熱延鋼板の製造設備〕
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態である温度測定方法、温度測定装置、温度制御方法、及び温度制御装置が適用される熱延鋼板の製造設備の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である温度測定方法、温度測定装置、温度制御方法、及び温度制御装置が適用される熱延鋼板の製造設備の構成を示す模式図である。図1に示すように、熱延鋼板の製造設備1は、並列に設けられた複数の加熱炉2、搬送ライン3、及び粗圧延機、仕上圧延機、ランナウトテーブル、及び巻取り機等を有する圧延設備4を備えている。この製造設備1では、スラブSが、加熱炉2内で目標温度まで加熱された後、複数の加熱炉2のうちのいずれかから搬送ライン3に抽出される。そして、スラブSは、搬送ライン3を介して圧延設備4に搬送され、圧延設備4において熱間圧延に供される。
〔温度測定装置〕
次に、図2~図5を参照して、本発明の一実施形態である温度測定装置の構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態である温度測定装置の構成を示す模式図である。図2に示すように、本発明の一実施形態である温度測定装置10は、分光カメラ11、特徴量測定装置12、及び演算装置13を備えている。
分光カメラ11は、加熱炉2から抽出されたスラブSの分光画像を撮影することによりスラブSの分光放射スペクトル(波長と分光輝度との関係)を測定し、測定された分光放射スペクトルのデータを演算装置13に出力する。分光カメラ11は分光測定手段に相当する。なお、分光画像の撮像範囲がライン状である場合、図3に示すようにスラブSの上方から板幅方向の領域Rの分光画像を撮影するように分光カメラ11を設置するとよい。これにより、スラブSが搬送ライン3に沿って搬送されることにより、スラブSの表面全面で分光画像を撮影することができる。
図4(a),(b)にスラブSの分光画像と分光放射スペクトルの一例を示す。図4(a),(b)に示す例の場合、分光カメラ11の撮像範囲がスラブSの板幅方向であるので、分光画像の横方向がスラブS上の各測定点に相当し、スラブS上の各測定点での分光放射スペクトル(図4(b))が測定される。なお、事前に黒体炉等で基準データを取っておき、操業データの計算温度を正とする等すれば、分光放射スペクトルから分光放射率スペクトルを計算することができる。さらに、スケールが剥離された部分における分光放射率等の基準となる分光放射率を設定しておけば、分光放射率スペクトルの変動も計算することができる。
特徴量測定装置12は、カメラや形状計等により構成され、分光カメラ11が分光反射スペクトルを測定した測定点におけるスラブSの表面の特徴量を測定する。特徴量測定装置12が測定する特徴量としては、測定点を含む表面領域の輝度、形状、深さ、スラブ平面内における位置、搬送ライン3上における位置等を例示することができる。また、特徴量測定装置12が測定する特徴量として、測定点を含む表面領域の幅方向及び長手方向の長さ、アスペクト比、長さの最大値等を例示できる。より具体的には、図5に示すように、スラブ上の各測定点(x,y)では、分光カメラ11によって分光放射スペクトルL(x,y)が測定され、特徴量測定装置12によって特徴量z(x,y)が測定される。ここで、分光放射スペクトルL(x,y)は複数波長の分光輝度を含むスカラー量である。特徴量測定装置12がカメラである場合、特徴量z(x,y)は輝度に対応し、特徴量測定装置12が形状計である場合には、特徴量z(x,y)は深さ情報に対応する。また、特徴量z(x,y)は、スカラー量である場合もあるし、特徴量測定装置12がカラーカメラである場合はRGBの3つの値を持つベクトルである場合もある。
演算装置13は、分光カメラ11によって測定された分光放射スペクトル及び特徴量測定装置12によって測定されたスラブSの表面の特徴量を用いて後述する温度測定処理を実行することによりスラブSの温度を算出する。なお、演算装置13は、分光放射スペクトルから計算された分光放射率やその変動からスラブSの温度を算出してもよい。
〔温度測定処理〕
次に、図6を参照して、本発明の一実施形態である温度測定処理の流れについて説明する。
図6は、本発明の一実施形態である温度測定処理の流れを示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、演算装置13に対して温度測定処理の実行指令が入力されたタイミングで開始となり、温度測定処理はステップS1の処理に進む。
ステップS1の処理では、演算装置13が、特徴量測定装置12に対して各測定点の特徴量を測定することを実行させる。ステップS2の処理では、演算装置13が、ステップS1の処理により得られた測定結果から予め定められた特徴量を各測定点について取得する(取得ステップ)。一方、ステップS3の処理では、演算装置13が、分光カメラ11に対して各測定点の分光放射スペクトルを測定することを実行させる。そして、演算装置13は、得られた測定結果から放射分光スペクトルを各測定点について取得する(分光測定ステップ)。分光測定ステップS3と取得ステップS2によって取得された分光放射スペクトルと予め定められた特徴量とを用いて、ステップS4の処理が演算装置13により行われる。
ステップS4の処理では、演算装置13が、特徴量測定装置12が測定したスラブSの表面の特徴量に基づき、分光放射スペクトルの測定点におけるスラブSの表面の形態を判定する。具体的には、演算装置13は、特徴量測定装置12が測定したスラブSの表面の特徴量に基づき分光放射スペクトルの測定点にスケールや水乗りがあるか否かを判定する。例えば図7に示すように、分光放射スペクトルの測定点が輝度が閾値を超える画像領域内に含まれる場合、演算装置13は、測定点ではスラブSが露出していると判定する。一方、分光放射スペクトルの測定点が輝度が閾値以下の画像領域内に含まれる場合には、演算装置13は、測定点には水乗りがあると判定する。また、図8に示すように、分光放射スペクトルの測定点が輝度が閾値を超える画像領域内に含まれる場合、演算装置13は、測定点ではスラブSが露出していると判定する。一方、分光放射スペクトルの測定点が輝度が閾値以下、且つ、幅方向及び長手方向の長さが閾値を超える画像領域内に含まれる場合、演算装置13は、測定点には水乗りがあると判定する。また、分光放射スペクトルの測定点が輝度が閾値以下、且つ、幅方向及び長手方向の長さが閾値以下の画像領域内に含まれる場合には、演算装置13は、測定点にはスケールがあると判定する。これにより、ステップS4の処理は完了し、温度測定処理はステップS5_1~ステップS5_n(ここでは、例えばn≧3とする)の処理に進む。
ステップS5_1~ステップS5_nの処理では、演算装置13が、ステップS4の処理において判定された測定点におけるスラブSの表面の形態に基づいて測定点の温度を算出する温度算出方法を選択し、選択された温度算出方法を用いて測定点の温度を算出する。例えば、測定点にスケールや水乗りがないと判定された場合には、演算装置13は、分光反射スペクトルから所定波長におけるスラブSの分光放射率を算出し、算出された分光放射率及び事前に想定した所定波長における分光放射率を用いて測定点における温度を算出する(ステップS5_1、温度算出方法1)。また、測定点に水乗りがあると判定された場合、演算装置13は、測定点における分光反射スペクトルから予め設定された水乗りによる放射率変動を受けにくい波長におけるスラブSの分光放射率を算出し、算出された分光放射率を用いて測定点における温度を算出する(ステップS5_2、温度算出方法2)。また、測定点にスケールがあると判定された場合には、演算装置13は、測定点における分光反射スペクトルから予め設定されたスケールによる放射率変動を受けにくい波長におけるスラブSの分光放射率を算出し、算出された分光放射率を用いて測定点における温度を算出する(ステップS5_n、温度算出方法n)。ここで、演算装置13は、特許文献3に記載の主成分を用いる方法を利用することにより、放射率変動の影響が少ない温度測定値を算出するようにしてもよい。
なお、ステップS5_1の処理では、指定した1つの波長λの輝度から予め規定した放射率εを用いてプランクの放射率より温度を算出する単色放射温度計方式で温度を算出し、ステップS5_2の処理では、指定した2つの波長λ1,λ2の輝度から予め規定した放射率比ε1/ε2を用いてプランクの放射率より温度を算出する2色温度計方式で温度を算出し、ステップS5_nの処理では、特許文献3に記載の方式で温度を算出するようにしてもよい。また、ステップS5_1の処理では、波長λ1を用いた単色放射温度計方式で温度を算出し、ステップS5_2の処理では、波長λ2を用いた単色放射温度計方式で温度を算出し、ステップS5_nの処理では、波長λ3を用いた単色放射温度計方式で温度を算出するようにしてもよい。すなわち、ステップS5_1~ステップS5_nの処理で場合分けをしてそれぞれ誤差の小さい温度算出方式を選択してもよい。また、本実施形態では、ステップS4の処理において判定された測定点におけるスラブSの表面の形態に基づいて測定点の温度を算出する温度算出方法を選択し、選択された温度算出方法を用いて測定点の温度を算出したが、ステップ4の処理の判定を行わずに、全ての温度算出方法を用いて測定点の温度を予め算出して(ステップS5_1~ステップS5_n)おき、その後ステップS4の処理の判定結果に基づいて算出した温度の中から適切な温度を選択してもよい。言い換えれば、ステップS4とステップS5_1~ステップS5_nとの処理の順番を逆にして、温度算出手法1~nで算出した(ステップS5_1~S5_nの)後に、各測定点に対してステップS4の判定処理を行っても良い。なお、上述したステップS4~ステップS5_nの処理結果は、図示されない記憶装置に保存し蓄積しても良い。この際、各測定点の位置情報、時間情報、材質情報、又は、製造条件情報等を付与して保存と蓄積しておけば、後日必要があった時に後述するスラブ温度分布を作成しやすくなるため、より好ましい。
この後、ステップS1~ステップS5_nの処理の結果から、演算装置13はスラブ温度分布を作成する(ステップS6)。スラブ温度分布は、予め定められた大きさの領域となるように作成されるのが好ましい。また、作成されたスラブ温度分布は、図示されない記憶装置に付与して保存し蓄積しても良い。この際、各測定点の位置情報、時間情報、材質情報、又は、製造条件情報等も合わせて保存してもよい。また、図示されない表示装置に表示しても良い。この際、各測定点の位置情報、時間情報、材質情報、又は、製造条件情報等も合わせて表示してもよい。本実施形態で作成されたスラブ温度分布の利用目的により、領域の大きさや出力の方法は適宜選択すれば良い。なお、一例としてステップS5の処理におけるnはn≧3として説明したが、本発明はこれに限定されない。n≧2でも効果は得られる。スラブの場合は、n≧3とすることが好ましい。
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態である温度測定処理では、分光カメラ11が、同じ温度で分光放射率が異なる少なくとも3つ以上の波長を含むスラブからの分光放射スペクトルを測定し、特徴量測定装置12が、分光放射スペクトルの測定点におけるスラブ表面の特徴量を取得し、演算装置13が、特徴量測定装置12が取得した特徴量に基づきスラブ表面の形態を判定し、判定結果に基づいて分光放射スペクトルから前記測定点の温度を算出するので、スラブ表面の形態に関係なくスラブの温度を精度よく測定することができる。
図9は中央部に水乗りがあるスラブの画像データの一例を示す。このような画像データ対して従来のように1つの温度算出手法でスラブの温度分布を算出した場合、中央部で温度が低下しているデータになる。そこで、画像データの輝度に対して閾値をかけることで水乗り部分を抽出した。図10に例として、スラブ部分の輝度の最大値の1/2を閾値として、輝度が閾値以下である領域を抽出したものを示す。これにより、抽出された領域とその他の領域とで温度算出手法を変更することによってより精度の高い温度算出が可能になる。しかしながら、輝度に対してのみ閾値をかけることは不十分である。別のスラブの画像データを図11に、同様の閾値にて図11に示す画像データから抽出した領域を図12に示す。図12に示す一番大きな領域は水乗り領域と想定されるが、それ以外にもスケール領域と想定される複数の小さな領域が抽出されている。そこで、各領域の大きさに基づいて水乗り領域及びスケール領域とその他の領域とで温度算出手法を変更するとよい。さらに、別のスラブの画像データを図13に、同様の閾値にて抽出した領域を図14に示す。このデータでは水乗り領域は抽出されずに、スケール領域と想定される複数の小さな領域が抽出されている。従って、輝度の閾値だけでは水乗り領域とスケール領域とを分けることができないが、幅方向及び長手方向における領域の長さに対しても閾値を設けることで水乗り領域とスケール領域とを分けて温度算出手法を変更できる。
以上、本発明者ながらによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば、特徴量測定装置12の機能を分光カメラ11に持たせてもよい。この場合、分光測定ステップS3において取得ステップS1も行われることになる。また、分光反射スペクトルは、必ずしも連続した波長範囲のものである必要はなく、同じ温度で分光放射率が異なる少なくとも3つ以上の波長を含むものであればよい。また本実施形態では、測定点におけるスケールの有無及び/又は水乗りの有無の両方を判定したが、測定点におけるスケールの有無及び水乗りの有無の一方のみを判定するようにしてもよい。また例えば、本発明の一実施形態である温度制御方法又は温度制御装置を利用して、スラブの温度を制御しながら鋼材を製造することにより、鋼材の製造歩留まりを向上できる。また、本発明の一実施形態である温度制御方法又は温度制御装置を公知又は既存の製造設備、特にスラブの加熱設備に設けることにより、鋼材の製造歩留まりを向上できる。さらに、鋼材の反りや突っかかりによる設備トラブル及び荷重等の負荷過大による設備破損トラブルを未然に防ぐことができる。このように、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例、及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 熱延鋼板の製造設備
2 加熱炉
3 搬送ライン
4 圧延設備
10 温度測定装置
11 分光カメラ
12 特徴量測定装置
13 演算装置
S スラブ

Claims (7)

  1. 同じ温度で分光放射率が異なる少なくとも3つ以上の波長を含むスラブからの分光放射スペクトルを測定する分光測定ステップと、
    前記分光放射スペクトルの測定点におけるスラブ表面の特徴量を取得する取得ステップと、
    前記取得ステップにおいて取得した前記特徴量に基づき前記スラブ表面の形態を判定する判定ステップと、
    前記判定ステップの判定結果に基づいて、前記分光測定ステップにおいて測定された分光放射スペクトルから前記測定点の温度を算出する温度算出方法を選択する選択ステップと、
    前記選択ステップにおいて選択された温度算出方法を用いて前記分光放射スペクトルから前記測定点の温度を算出する算出ステップと、
    を含むことを特徴とする温度測定方法。
  2. 前記特徴量には輝度及び形状が含まれることを特徴とする請求項1に記載の温度測定方法。
  3. 同じ温度で分光放射率が異なる少なくとも3つ以上の波長におけるスラブからの分光放射スペクトルを測定する分光測定手段と、
    前記分光放射スペクトルの測定点におけるスラブ表面の特徴量を取得する取得手段と、
    前記取得手段が取得した前記特徴量に基づき前記スラブ表面の形態を判定し、判定結果に基づいて前記分光放射スペクトルから前記測定点の温度を算出する温度算出方法を選択し、選択された温度算出方法を用いて前記分光放射スペクトルから前記測定点の温度を算出する演算装置と、
    を備えることを特徴とする温度測定装置。
  4. 請求項1又は2に記載の温度測定方法によって選択された温度算出方法により算出された測定点の温度に基づいてスラブの温度を制御するステップを含むことを特徴とする温度制御方法。
  5. 請求項3に記載の温度測定装置によって選択された温度算出方法により算出された測定点の温度に基づいてスラブの温度を制御する手段を備えることを特徴とする温度制御装置。
  6. 請求項4に記載の温度制御方法を用いてスラブの温度を制御するステップを含むことを特徴とする鋼材の製造方法。
  7. 請求項5に記載の温度制御装置を備えることを特徴とする鋼材の製造設備。
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