JP2022165402A - 温度測定方法、温度測定装置、温度制御方法、温度制御装置、鋼材の製造方法、及び鋼材の製造設備 - Google Patents

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【課題】スケールや水乗りの有無に関係なくスラブの温度を精度よく測定可能な温度測定方法及び温度測定装置を提供すること。【解決手段】本発明に係る温度測定方法は、同じ温度で分光放射率が異なる少なくとも3つ以上の波長を含むスラブからの分光放射スペクトルを測定する測定ステップと、測定ステップにおいて測定された分光放射スペクトルを用いて分光放射スペクトルの測定点におけるスケールの有無及び/又は水乗りの有無を判定する判定ステップと、判定ステップの判定結果に基づいて、測定ステップにおいて測定された分光放射スペクトルから測定点の温度を算出する算出ステップと、を含むことを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、温度測定方法、温度測定装置、温度制御方法、温度制御装置、鋼材の製造方法、及び鋼材の製造設備に関する。
一般に、熱間圧延に供されるスラブは加熱炉内で目標抽出温度まで加熱された後に熱間圧延に供される。従って、加熱炉内では目標抽出温度となるようにスラブを均一に加熱する必要があり、このためには加熱炉の炉内温度やスラブの抽出温度を随時監視する必要がある。一方で、スラブの加熱炉抽出温度を正確に把握できれば、スラブの温度を予測する温度予測モデルの予測精度を向上させ、スラブの加熱炉抽出温度の精度向上や加熱炉の操業に有用である。このような背景から、スラブの加熱炉抽出温度の測定方法が数多く提案されている。また、スラブの表面にスケールが形成されている場合、スラブの温度を正確に測定することが困難になるために、特許文献1,2にはスラブ表面におけるスケールの有無を判定する方法が提案されている。具体的には、特許文献1には、加熱炉の操業条件から計算された加熱炉抽出温度と実際に測定された加熱炉抽出温度の最大値との差が正の閾値以下であるか否かを判定することによりスケールの有無を判定する方法が記載されている。また、特許文献2には、スケール除去位置でのスラブ温度とスケール除去がされていない位置でのスラブ温度に基づいてスケールの有無を判定する方法が記載されている。
特開2019-167574号公報 特開2017-1070号公報 特許第5987563号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、操業トラブル等によって加熱炉からスラブを抽出した後にスラブの搬送が停止された場合等、加熱炉抽出温度の計算条件と測定状態との間に乖離がある場合、スケールの有無を判定することは難しい。また、スラブの温度測定範囲全体にスケールが存在する場合には、加熱炉抽出温度の最大値に測定誤差が発生することがある。一方、特許文献2に記載の方法では、スケール除去工程の前後でスラブ温度を測定する必要があるので、複数の装置が必要になる、装置の設置環境を準備できない等といった問題がある。また、スケール除去位置にスケール除去工程で用いた水に由来する水乗りがある場合、スラブ温度に測定誤差が発生する可能性がある。以上のことから、スケールや水乗りの有無に関係なくスラブの抽出温度を精度よく測定可能な技術の提供が求められていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、スケールや水乗りの有無に関係なくスラブの温度を精度よく測定可能な温度測定方法及び温度測定装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、スケールや水乗りの有無に関係なくスラブの温度を目標温度に精度よく制御可能な温度制御方法及び温度制御装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、鋼材の製造歩留まりを向上できると共に、鋼材の反りや突っかかりによる設備トラブル及び荷重等の負荷過大による設備破損トラブルを未然に防ぐことができる鋼材の製造方法及び製造設備を提供することにある。
本発明に係る温度測定方法は、同じ温度で分光放射率が異なる少なくとも3つ以上の波長を含むスラブからの分光放射スペクトルを測定する測定ステップと、前記測定ステップにおいて測定された分光放射スペクトルを用いて分光放射スペクトルの測定点におけるスケールの有無及び/又は水乗りの有無を判定する判定ステップと、前記判定ステップの判定結果に基づいて、前記測定ステップにおいて測定された分光放射スペクトルから前記測定点の温度を算出する算出ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る温度測定方法は、上記発明において、前記算出ステップは、前記判定ステップにおいてスケール又は水乗りがあると判定された場合、スケール又は水乗りによる放射率変動を受けにくい特徴量を用いることにより測定点の温度を算出するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る温度測定装置は、同じ温度で分光放射率が異なる少なくとも3つ以上の波長におけるスラブからの分光放射スペクトルを測定する分光カメラと、前記分光カメラによって測定された分光放射スペクトルを用いて分光放射スペクトルの測定点におけるスケールの有無及び/又は水乗りの有無を判定し、判定結果に基づいて前記分光放射スペクトルから測定点の温度を算出する演算装置と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る温度制御方法は、本発明に係る温度測定方法によって算出された測定点の温度に基づいてスラブの温度を制御するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る温度制御装置は、本発明に係る温度測定装置によって算出された測定点の温度に基づいてスラブの温度を制御する手段を備えることを特徴とする。
本発明に係る鋼材の製造方法は、本発明に係る温度制御方法を用いてスラブの温度を制御するステップを含むことを特徴とする。
本発明に係る鋼材の製造設備は、本発明に係る温度制御装置を備えることを特徴とする。
本発明に係る温度測定方法及び温度測定装置によれば、スケールや水乗りの有無に関係なくスラブの温度を精度よく測定することができる。また、本発明に係る温度制御方法及び温度制御装置によれば、スケールや水乗りの有無に関係なくスラブの温度を目標温度に精度よく制御することができる。また、本発明に係る鋼材の製造方法及び製造設備によれば、鋼材の製造歩留まりを向上できると共に、鋼材の反りや突っかかりによる設備トラブル及び荷重等の負荷過大による設備破損トラブルを未然に防ぐことができる。
図1は、本発明の一実施形態である温度測定方法、温度測定装置、温度制御方法、及び温度制御装置が適用される熱延鋼板の製造設備の構成を示す模式図である。 図2は、本発明の一実施形態である温度測定装置の構成を示す模式図である。 図3は、分光画像の撮像範囲の一例を示す模式図である。 図4は、分光画像及び分光放射スペクトルの一例を示す図である。 図5は、本発明の一実施形態である温度測定処理の流れを示すフローチャートである。 図6は、スケール及び水乗りがない場合、水乗りがある場合、及びスケールがある場合における分光放射スペクトルの一例を示す図である。 図7は、スラブの測定点毎の放射率スペクトルの一例を示す図である。 図8は、図7に示す放射率スペクトルから求められた主成分を示す図である。 図9は、従来手法を用いて測定点の温度を算出した結果を示す図である。 図10は、提案手法を用いて測定点の温度を算出した結果を示す図である。 図11は、図9と図10におけるスラブの幅方向中心位置の温度分布を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態である温度測定方法、温度測定装置、温度制御方法、及び温度制御装置について説明する。
〔熱延鋼板の製造設備〕
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態である温度測定方法、温度測定装置、温度制御方法、及び温度制御装置が適用される熱延鋼板の製造設備の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である温度測定方法、温度測定装置、温度制御方法、及び温度制御装置が適用される熱延鋼板の製造設備の構成を示す模式図である。図1に示すように、熱延鋼板の製造設備1は、並列に設けられた複数の加熱炉2、搬送ライン3、及び粗圧延機、仕上圧延機、ランナウトテーブル、及び巻取り機等を有する圧延設備4を備えている。この製造設備1では、スラブSが、加熱炉2内で目標温度まで加熱された後、複数の加熱炉2のうちのいずれかから搬送ライン3に抽出される。そして、スラブSは、搬送ライン3を介して圧延設備4に搬送され、圧延設備4において熱間圧延に供される。
〔温度測定装置〕
次に、図2~図4を参照して、本発明の一実施形態である温度測定装置の構成について説明する。
図2は、本発明の一実施形態である温度測定装置の構成を示す模式図である。図2に示すように、本発明の一実施形態である温度測定装置10は、分光カメラ11及び演算装置12を備えている。
分光カメラ11は、加熱炉2から抽出されたスラブSの分光画像を撮影することによりスラブSの分光放射スペクトル(波長と分光輝度との関係)を測定し、測定された分光放射スペクトルのデータを演算装置12に出力する。なお、分光画像の撮像範囲がライン状である場合、図3に示すようにスラブSの上方から板幅方向の領域Rの分光画像を撮影するように分光カメラ11を設置するとよい。これにより、スラブSが搬送ライン3に沿って搬送されることにより、スラブSの表面全面で分光画像を撮影することができる。
図4(a),(b)にスラブSの分光画像と分光放射スペクトルの一例を示す。図4(a),(b)に示す例の場合、分光カメラ11の撮像範囲がスラブSの板幅方向であるので、分光画像の横方向がスラブS上の各測定点に相当し、スラブS上の各測定点での分光放射スペクトル(図4(b))が測定される。なお、事前に黒体炉等で基準データを取っておき、操業データの計算温度を正とする等すれば、分光放射スペクトルから分光放射率スペクトルを計算することができる。さらに、スケールが剥離された部分における分光放射率等の基準となる分光放射率を設定しておけば、分光放射率スペクトルの変動も計算することができる。
演算装置12は、分光カメラ11によって測定された分光放射スペクトルのデータを用いて後述する温度測定処理を実行することによりスラブSの温度を算出する。なお、演算装置12は、分光放射スペクトルから計算された分光放射率やその変動からスラブSの温度を測定してもよい。
〔温度測定処理〕
次に、図5,図6を参照して、本発明の一実施形態である温度測定処理の流れについて説明する。
図5は、本発明の一実施形態である温度測定処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、演算装置12に対して温度測定処理の実行指令が入力されたタイミングで開始となり、温度制御処理はステップS1の処理に進む。
ステップS1の処理では、演算装置12が、温度を算出するスラブSの測定点上にスケールがあるか否かを判定する。具体的には、一般に、スケールが無い測定点では、各波長に対してスラブSの地金の表面性状に応じた分光放射率であると考えられるので、事前にスケールが無いスラブ表面の分光画像を撮影することにより、スケールが無いスラブの分光放射スペクトルを得ることができる。一方、スラブ表面にスケールがある場合には、スケールの組成や厚さに応じて分光放射率が変動することが知られているので、実験や計算によってスケールがある場合のスラブの分光放射スペクトルを得ることができる。図6は、スケール及び水乗りがない場合(線L1)、水乗りがある場合(線L2)、及びスケールがある場合(線L3)における分光放射スペクトルの一例を示す図である。
そこで、演算装置12は、温度を算出するスラブSの測定点における分光反射スペクトルの形状と予め得られたスケールがある場合及びない場合における分光反射スペクトルの形状とを比較することにより、測定点上にスケールがあるか否かを判定する。なお、演算装置12は、分光反射スペクトルの特定の波長における分光輝度の大小や比等の条件等からスケールの有無を判定してもよい。また、スケールがある場合及びない場合における分光反射スペクトルを機械学習することにより、測定点上にスケールがあるか否かを判定してもよい。例えば、特定の3つの波長λ1,λ2,λ2の分光放射率ε(λ1),ε(λ2),ε(λ3)について、ε(λ1)>a、且つ、ε(λ2)>b、且つ、ε(λ3)>cである場合(a,b,cは正の定数)は測定点上にスケールがない、ε(λ1)>a、且つ、ε(λ2)>b、且つ、ε(λ3)≦cである場合は測定点上にスケールがあると判定するようにしてもよい。また、特定の波長範囲(λ1~λ2)の分光放射率ε(λ)について、全てのε(λ)<dである場合(dは正の定数)は測定点上にスケールがあると判定したり、ε(λ)の最大値又は最小値<dである場合は測定点上にスケールがあると判定したりするようにしてもよい。判定の結果、スケールがある場合(ステップS1:Yes)、演算装置12は温度測定処理をステップS5の処理に進める。一方、スケールがない場合には(ステップS1:No)、演算装置12は温度測定処理をステップS2の処理に進める。
ステップS2の処理では、演算装置12が、温度を算出するスラブSの測定点上に水乗りがあるか否かを判定する。具体的には、スラブ表面に水乗りがある場合、水乗りによって分光放射率が変動することが知られているので、実験や計算によって水乗りがある場合のスラブの分光放射スペクトルを得ることができる。そこで、演算装置12は、ステップS1の処理と同様の考え方により、温度を算出するスラブSの測定点における分光反射スペクトルの形状と予め得られた水乗りがある場合及びない場合における分光反射スペクトルの形状とを比較することにより、測定点上に水乗りがあるか否かを判定する。なお、演算装置12は、分光反射スペクトルの特定の波長における分光輝度の大小や比等の条件等から水乗りの有無を判定してもよい。また、水乗りがある場合及びない場合における分光反射スペクトルを機械学習することにより、測定点上に水乗りがあるか否かを判定してもよい。例えば、特定の3つの波長λ1,λ2,λ2の分光放射率ε(λ1),ε(λ2),ε(λ3)について、ε(λ1)>e、且つ、ε(λ2)>f、且つ、ε(λ3)>gである場合(e,f,gは正の定数)は測定点上に水乗りがない、ε(λ1)>e、且つ、ε(λ2)>f、且つ、ε(λ3)≦gである場合は測定点上に水乗りがあると判定するようにしてもよい。また、特定の波長範囲(λ1~λ2)の分光放射率ε(λ)について、全てのε(λ)<hである場合(hは正の定数)は測定点上に水乗りがあると判定したり、ε(λ)の最大値又は最小値<hである場合は測定点上に水乗りがあると判定したりするようにしてもよい。判定の結果、水乗りがある場合(ステップS2:Yes)、演算装置12は温度測定処理をステップS4の処理に進める。一方、水乗りがない場合には(ステップS2:No)、演算装置12は温度測定処理をステップS3の処理に進める。
ステップS3の処理では、演算装置12は、分光反射スペクトルから所定波長におけるスラブSの分光放射率を算出し、算出された分光放射率及び事前に想定した所定波長における分光放射率を用いて測定点における温度を算出する。これにより、ステップS3の処理は完了し、一連の温度制御処理は終了する。
ステップS4の処理では、演算装置12は、測定点における分光反射スペクトルから予め設定された水乗りによる放射率変動を受けにくい波長におけるスラブSの分光放射率を算出し、算出された分光放射率を用いて測定点における温度を算出する。上記波長は、本発明に係る特徴量に対応する。これにより、ステップS4の処理は完了し、一連の温度制御処理は終了する。
ステップS5の処理では、演算装置12は、測定点における分光反射スペクトルから予め設定されたスケールによる放射率変動を受けにくい波長におけるスラブSの分光放射率を算出し、算出された分光放射率を用いて測定点における温度を算出する。なお、演算装置12は、特許文献3に記載の主成分を用いる方法を利用することにより、放射率変動の影響が少ない温度測定値を算出するようにしてもよい。上記波長や上記主成分は、本発明に係る特徴量に対応する。これにより、ステップS5の処理は完了し、一連の温度制御処理は終了する。
なお、ステップS3の処理では、指定した1つの波長λの輝度から予め規定した放射率εを用いてプランクの放射率より温度を算出する単色放射温度計方式で温度を算出し、ステップS4の処理では、指定した2つの波長λ1,λ2の輝度から予め規定した放射率比ε1/ε2を用いてプランクの放射率より温度を算出する2色温度計方式で温度を算出し、ステップS5の処理では、特許文献3に記載の方式で温度を算出するようにしてもよい。また、ステップS3の処理では、波長λ1を用いた単色放射温度計方式で温度を算出し、ステップS4の処理では、波長λ2を用いた単色放射温度計方式で温度を算出し、ステップS5の処理では、波長λ3を用いた単色放射温度計方式で温度を算出するようにしてもよい。すなわち、ステップS3~ステップS5の処理で場合分けをしてそれぞれ誤差の小さい温度算出方式を選択してもよい。以後、制御装置は、演算装置12によって算出されたスラブSの温度に基づいて加熱炉2を制御することにより、スラブSの加熱炉抽出温度を目標温度に制御する。
上記の方法を用いて実際にスラブの温度を算出した結果の一例を以下に示す。本例では、まず、ステップS1の処理において、特定の波長範囲(λ1~λ2)内の全ての分光放射率ε(λ)が正の定数h1未満である場合、測定点上にスケールがあると判定した。次に、ステップS2の処理において、別の特定の波長範囲(λ3~λ4)内の全ての分光放射率ε(λ)が正の定数h2未満である場合、測定点上に水乗りがあると判定した。次に、ステップS3の温度算出方法Aでは、測定点上にスケール及び水乗りのどちらもないとして、事前に想定した所定波長λと所定波長λにおける分光放射率ε(λ)を用いて測定点の温度を算出した。続いて、ステップS4の温度算出方法Bでは、測定点に水乗りがあるとして、水乗りによる放射率変動を受けにくい所定波長λとその所定波長λおける分光放射率ε(λ)を用いて測定点の温度を算出した。そして、最後に、ステップS5の温度算出方法Cでは、測定点にスケールがあるとして、特許文献3に記載の方式で測定点の温度を算出した。すなわち、スケールによる放射率変動の主成分を主成分分析により求め、それと直交する黒体炉のスペクトルを再度主成分分析することにより、放射率変動を受けにくい主成分により測定点の温度を算出した。
スラブの測定点毎の放射率スペクトルの一例を図7、図7に示す放射率スペクトルから主成分分析により求められた主成分を図8に示す。また、同じ放射率スペクトルのデータについて、温度算出方法A(従来手法)を用いて測定点の温度を算出した結果を図9、上記の発明手法(提案手法)を用いて測定点の温度を算出した結果を図10に示す。また、図9と図10におけるスラブの幅方向中心位置の温度分布を図11に示す。図9に示すように、従来手法を用いた場合、水乗りやスケールがあると判定された測定点では温度が低く算出された。これに対して、図10に示すように、提案手法を用いた場合には、水乗りやスケールの影響が低減され、全体的に温度を均一に算出することができた。また、図11に示すように、提案手法を用いた場合には、長手方向でスラブの幅方向中心位置の温度が低下している箇所があるが、従来手法を用いた場合と比較して温度低下が小さかった。以上のことから、提案手法を用いて測定点の温度を算出することにより、実際に近い温度分布を算出できることが確認された。
以上、本発明者ながらによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば、分光反射スペクトルは、必ずしも連続した波長範囲のものである必要はなく、同じ温度で分光放射率が異なる少なくとも3つ以上の波長を含むものであればよい。また本実施形態では、測定点におけるスケールの有無及び/又は水乗りの有無の両方を判定したが、測定点におけるスケールの有無及び水乗りの有無の一方のみを判定するようにしてもよい。また例えば、本発明の一実施形態である温度制御方法又は温度制御装置を利用して、スラブの温度を制御しながら鋼材を製造することにより、鋼材の製造歩留まりを向上できる。また、本発明の一実施形態である温度制御方法又は温度制御装置を公知又は既存の製造設備、特にスラブの加熱設備に設けることにより、鋼材の製造歩留まりを向上できる。さらに、鋼材の反りや突っかかりによる設備トラブル及び荷重等の負荷過大による設備破損トラブルを未然に防ぐことができる。このように、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例、及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 熱延鋼板の製造設備
2 加熱炉
3 搬送ライン
4 圧延設備
10 温度測定装置
11 分光カメラ
12 演算装置
S スラブ

Claims (7)

  1. 同じ温度で分光放射率が異なる少なくとも3つ以上の波長を含むスラブからの分光放射スペクトルを測定する測定ステップと、
    前記測定ステップにおいて測定された分光放射スペクトルを用いて分光放射スペクトルの測定点におけるスケールの有無及び/又は水乗りの有無を判定する判定ステップと、
    前記判定ステップの判定結果に基づいて、前記測定ステップにおいて測定された分光放射スペクトルから前記測定点の温度を算出する算出ステップと、
    を含むことを特徴とする温度測定方法。
  2. 前記算出ステップは、前記判定ステップにおいてスケール又は水乗りがあると判定された場合、スケール又は水乗りによる放射率変動を受けにくい特徴量を用いることにより測定点の温度を算出するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の温度測定方法。
  3. 同じ温度で分光放射率が異なる少なくとも3つ以上の波長におけるスラブからの分光放射スペクトルを測定する分光カメラと、
    前記分光カメラによって測定された分光放射スペクトルを用いて分光放射スペクトルの測定点におけるスケールの有無及び/又は水乗りの有無を判定し、判定結果に基づいて前記分光放射スペクトルから測定点の温度を算出する演算装置と、
    を備えることを特徴とする温度測定装置。
  4. 請求項1又は2に記載の温度測定方法によって算出された測定点の温度に基づいてスラブの温度を制御するステップを含むことを特徴とする温度制御方法。
  5. 請求項3に記載の温度測定装置によって算出された測定点の温度に基づいてスラブの温度を制御する手段を備えることを特徴とする温度制御装置。
  6. 請求項4に記載の温度制御方法を用いてスラブの温度を制御するステップを含むことを特徴とする鋼材の製造方法。
  7. 請求項5に記載の温度制御装置を備えることを特徴とする鋼材の製造設備。
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