以下、記録装置の一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、記録装置の一例としてのインクジェット式プリンター11は、水平な使用場所に設置された状態で、高さ、奥行、及び幅としてそれぞれ所定の長さを有する筐体12と、筐体12上に配置された原稿読取装置13と、原稿読取装置13上に配置された自動原稿送り装置14とを備えている。
自動原稿送り装置14は、複数の原稿Gを積層状態でセット可能なセット部15と、セット部15の下側に配置された排出部16とを備えている。そして、セット部15に積層状態でセットされた複数の原稿Gは、順次に原稿送り経路(図示略)を介して排出部16へと反転されて送られる過程で原稿読取装置13内に配置された読み取り部(図示略)によって読み取られる。
筐体12の前面部分には、底部側から上に向かって順に、開閉可能なカバー17、記録媒体の一例としての用紙Pを収容した用紙カセット18が着脱自在に装着される装着口19、記録済み(印刷済み)の用紙Pが排出される排出口20が設けられている。排出口20には、排出口20から排出される記録済みの用紙Pを支持する排出トレイ22が前方側に突出するように着脱自在に取着されている。原稿読取装置13の前面部分には、各種の操作を行うための操作部21が設けられている。なお、筐体12の前面及び原稿読取装置13の前面とは、高さと幅を有し、ユーザーがインクジェット式プリンター11の操作を主に行う側面のことをいう。
図1及び図2に示すように、筐体12の内部には、カバー17、装着口19、及び排出口20の奥側となる位置に、液体の一例としてのインクが充填されたインクパックを収容する容器88が着脱可能に装着される装着部23、用紙カセット18における用紙Pを収容する部分である用紙収容部24、及び用紙Pに記録する記録部25がそれぞれ配置されている。カバー17は、装着部23の前面を開閉自在に覆っている。
なお、本実施形態では、筐体12の前面からその反対側の後面に向かう方向及び当該後面から当該前面に向かう方向を奥行方向Xとし、奥行方向X及び鉛直方向Zの両方と直交する方向を幅方向Yとする。幅方向Y及び奥行方向Xは実質的に水平面に沿う。
筐体12内における用紙収容部24の上側には、用紙Pを支持する支持台26が配置されている。支持台26上には、用紙収容部24内に積層状態で収容された複数の用紙Pが各種の搬送ローラーを含む第1搬送部27によって一枚ずつ反転されて搬送される。また、筐体12内には、装着部23に装着された容器88内のインクを、供給ポンプ(図示略)の駆動によって記録部25へ供給する可撓性のチューブ(図示略)が引き回されている。
記録部25は、容器88内からチューブ(図示略)介して供給されるインクを噴射する記録ヘッド28と、記録ヘッド28を支持するキャリッジ29とを備えている。キャリッジ29は、筐体12内に架設された幅方向Yに延びるガイド軸30に往復移動可能に支持されている。すなわち、キャリッジ29は、幅方向Yに沿って往復移動されるようになっている。
そして、キャリッジ29をガイド軸30に沿って幅方向Yに往復移動させながら記録ヘッド28から支持台26上に搬送される用紙Pにインクを噴射させることにより、用紙Pに対して記録(印刷)がなされる。記録済みの用紙Pは、排紙ローラー31によって排出口20から排出トレイ22上に排出される。
図2及び図3に示すように、筐体12の後上部には、いわゆる手差し印刷を行うための用紙Pを支持して給送する媒体給送機構32が設けられている。媒体給送機構32は、複数の用紙Pを支持可能な媒体支持部34と、媒体支持部34に支持された複数の用紙Pを記録部25へ向けて給送する給送部の一例としての給紙ローラー35を有した媒体給送部36とを備えている。
媒体支持部34及び媒体給送部36は、それぞれユニット化されるとともに、互いに着脱自在に組み付けられている。筐体12内における支持台26と媒体給送部36との間には、媒体給送部36によって一枚ずつ給送される用紙Pを順次に支持台26上へ搬送する各種の搬送ローラーを含む第2搬送部37が設けられている。
図2及び図4に示すように、媒体支持部34は、上端が開口したハウジング38と、ハウジング38の上端の開口を開閉する蓋体39とを備えている。ハウジング38内には、表面に複数の用紙Pを積層状態で載置可能な板状の載置部33と、載置部33の後側に設けられた収容部40と、収容部40に収容される板状の補助トレイ41とが配置されている。補助トレイ41は、蓋体39が開放された状態で収容部40内から上方に向けて引き出し可能になっている。補助トレイ41は、収容部40内から引き出されることで、載置部33から上方にはみ出した分の用紙Pを補助的に支持する。
載置部33の上部における幅方向Yの両端部には、幅方向Yの外側に向かって突出する回動軸42が対をなすように設けられている。一対の回動軸42は、ハウジング38内に回動可能に支持されている。したがって、載置部33は、一対の回動軸42を回動中心として回動可能に構成されている。載置部33は、用紙Pが載置される面である表面の下端部が給紙ローラー35と奥行方向Xにおいて対向している。
一対の回動軸42には、第2付勢部材の一例としての一対のねじりコイルばね43が設けられている。一対のねじりコイルばね43は、載置部33の下端部が給紙ローラー35に向かって回動しながら近づく方向に載置部33を付勢している。すなわち、一対のねじりコイルばね43は、載置部33に載置された用紙Pを載置部33と共に給紙ローラー35に向けて付勢している。
ハウジング38内には、給紙ローラー35の回転に連動して回転するカム(図示略)を有し、当該カムの回転方向の位置に応じて載置部33の下端部が給紙ローラー35から離れる方向に載置部33を一対のねじりコイルばね43の付勢力に抗して押圧したり押圧しなかったりする押圧機構(図示略)が設けられている。
そして、載置部33は、押圧機構(図示略)の押圧力が作用しなかった場合に、一対のねじりコイルばね43の付勢力により載置部33に載置された用紙Pが給紙ローラー35に接触する給紙位置に回動される。一方、載置部33は、押圧機構(図示略)の押圧力が作用した場合に、当該押圧力により一対のねじりコイルばね43の付勢力に抗して載置部33に載置された用紙Pが給紙ローラー35から離れる待機位置(ホームポジション)に回動される。
図4及び図5に示すように、載置部33の裏面における幅方向Yの中央下部には、載置部33の表面に載置された用紙Pを載置部33と共に給紙ローラー35に向けて押し上げる2つの押上機構44が設けられている。2つの押上機構44は、回動軸42の軸線方向と直交する方向であって載置部33の裏面に沿う方向に間隔を置いて並んで配置されている。すなわち、2つの押上機構44は、上下に間隔を置いて並んで配置されている。
2つの押上機構44のうち、上側の押上機構44は第1押上機構45とされ、下側の押上機構44は第2押上機構46とされている。つまり、第1押上機構45は第2押上機構46よりも回動軸42の軸線方向と直交する方向における回動軸42からの距離が近い位置に配置され、第2押上機構46は第1押上機構45よりも回動軸42の軸線方向と直交する方向における回動軸42からの距離が遠い位置に配置されている。
載置部33の表面には、用紙Pの給送方向と交差する方向である幅方向Yにおける用紙Pの両側部の位置を規定する一対のエッジガイド47が幅方向Yに往復移動可能に設けられている。一対のエッジガイド47は、幅方向Yにおける用紙Pの長さに応じて幅方向Yに移動させることで、幅方向Yにおける用紙Pの両端をガイドする。載置部33の裏面における第1押上機構45の上側には、幅方向Yに延びる一対のラック48が上下に間隔を置いて並んで配置されている。一対のラック48は、それぞれ幅方向Yに移動可能に配置されている。
載置部33の裏面における一対のラック48同士の間には、ピニオン49が載置部33の裏面と直交する方向に延びる軸線を中心に回転可能に設けられている。一対のエッジガイド47同士が幅方向Yに最も離れた状態において、一対のラック48のうちの一方の一端部は一対のエッジガイド47のうちの一方に連結されるとともに他端部はピニオン49に噛合し、且つ一対のラック48のうちの他方の一端部はピニオン49に噛合するとともに他端部は一対のエッジガイド47のうちの他方に連結されている。
したがって、一対のエッジガイド47のうちの一方のエッジガイド47が幅方向Yに移動されると、その移動力が一対のラック48及びピニオン49を介して他方のエッジガイド47に伝達されて他方のエッジガイド47が幅方向Yに移動される。つまり、一対のエッジガイド47は同期して幅方向Yにおいて互いに近づいたり離れたりするように移動される。
載置部33の裏面における第1押上機構45と第2押上機構46との間には、幅方向Yに真っ直ぐに延びる1つのスライド部材50が、第1押上機構45及び第2押上機構46とそれぞれ当接可能な状態で幅方向Yに移動可能に配置されている。なお、第1押上機構45と第2押上機構46とは、ほぼ同じ構成になっており、スライド部材50について互いに線対称な形状になっている。
一対のエッジガイド47同士が幅方向Yに最も離れた状態において、スライド部材50の先端部50aは2つの押上機構44の間に位置し、基端部50bは片方のエッジガイド47に連結されている。したがって、スライド部材50は、エッジガイド47と同期して幅方向Yに移動される。
図6及び図7に示すように、第1押上機構45は、載置部33に付勢力を付与する付勢部材の一例としての第1コイルばね51と、第1コイルばね51を軸線方向の一方側から収容する第1収容体の一例としての上側第1ケース52と、第1コイルばね51を軸線方向の他方側から収容する第2収容体の一例としての上側第2ケース53とを備えている。上側第1ケース52及び上側第2ケース53は、いずれも一端側が開口した有底円筒箱状をなしている。
上側第1ケース52は、開口側とは反対側の端部において、載置部33の裏面に設けられた円筒状の第1ボス部54に対して第1ねじ55により回動可能に取り付けられている。上側第2ケース53は、上側第1ケース52に対して一部が重なって配置されている。すなわち、上側第1ケース52における開口側の端部は、上側第2ケース53における開口側の端部内に挿入されている。
第1コイルばね51は、軸線方向の一端部が上側第1ケース52の内底面に当接され、軸線方向の他端部が上側第2ケース53の内底面に当接されている。この場合、第1コイルばね51は、上側第1ケース52と上側第2ケース53とによって完全に覆われた状態で、上側第1ケース52と上側第2ケース53とを、互いに離れる方向に常に付勢している。
上側第1ケース52の外周面には、第1コイルばね51の付勢方向に延びる第1係合部の一例としての上側第1凸条56が形成されている。上側第2ケース53の外周面には、第1コイルばね51の付勢方向に延びるとともに上側第1凸条56を挿入可能な第2係合部の一例としての上側第2凹溝57が形成されている。
上側第1凸条56が上側第2凹溝57に挿入されるように上側第1ケース52を上側第2ケース53に挿入した状態では、上側第1凸条56と上側第2凹溝57とが、第1コイルばね51の付勢方向において摺動可能であるとともに上側第1ケース52及び上側第2ケース53の周方向において係合する。したがって、上側第1ケース52と上側第2ケース53とは、第1コイルばね51の付勢方向において相対移動であるとともに、周方向に一体回転可能になっている。
図7及び図8に示すように、上側第1ケース52の外周面における載置部33側の端部には、突起部の一例としての上側第1回動凸部58及び突起部の一例としての上側第2回動凸部59がそれぞれ径方向に突出するように設けられている。上側第1回動凸部58及び上側第2回動凸部59は、周方向に鋭角の角度(例えば70°)程度分だけ離れ、且つ上側第1ケース52の軸線方向における位置が若干ずれるように配置されている。上側第1回動凸部58及び上側第2回動凸部59は、エッジガイド47(図4参照)の移動に伴って移動するスライド部材50と当接することによって上側第1ケース52を回動させる。
上側第2ケース53の外周面における載置部33側の端部には、被規制部の一例としての一対の第1被規制板60が径方向に突出するように設けられている。一対の第1被規制板60は、上側第2ケース53の中心軸線を挟んだ両側に配置されている。一対の第1被規制板60は、上側第1ケース52の回動に伴って上側第2ケース53と共に回動する。なお、図10に示すように、上側第2ケース53の外周面における載置部33側の端部には、上側第1ケース52の上から上側第2ケース53を被せた場合でも上側第1ケース52の上側第2回動凸部59が上側第2ケース53の径方向の外側に突出するように、第1切欠凹部61が形成されている。
図7及び図8に示すように、載置部33の裏面における第1押上機構45を幅方向Yに挟んだ両側には、規制部の一例としての略L字板状の一対の第1規制部62が第1コイルばね51の軸線方向に延びるように設けられている。一対の第1規制部62の基端部には、上側第2ケース53の回動によって一対の第1被規制板60と第1コイルばね51の軸線方向において係合可能な第1規制面63が形成されている。
そして、上側第2ケース53の回動に伴う一対の第1被規制板60の回動によって一対の第1被規制板60が一対の第1規制部62の第1規制面63と第1コイルばね51の軸線方向において係合することで、第1コイルばね51の付勢力によって上側第1ケース52と上側第2ケース53との第1コイルばね51の軸線方向における相対移動が規制される。つまり、第1被規制板60は、上側第1ケース52の回動に伴って上側第2ケース53と共に回動し、第1規制部62に規制される第1位置(図12に示す位置)と、第1規制部62に規制されない第2位置(図10に示す位置)とに変位する。
図5及び図6に示すように、第2押上機構46は、載置部33に付勢力を付与する付勢部材の一例としての第2コイルばね64と、第2コイルばね64を軸線方向の一方側から収容する第1収容体の一例としての下側第1ケース65と、第2コイルばね64を軸線方向の他方側から収容する第2収容体の一例としての下側第2ケース66とを備えている。下側第1ケース65及び下側第2ケース66は、いずれも一端側が開口した有底円筒箱状をなしており、上側第1ケース52及び上側第2ケース53よりもそれぞれ長さが若干長くなっている。
下側第1ケース65は、開口側とは反対側の端部において、載置部33の裏面に設けられた円筒状の第2ボス部67に対して第2ねじ68により回動可能に取り付けられている。第2ボス部67及び第2ねじ68は、第1ボス部54及び第1ねじ55よりもそれぞれ長さが若干長くなっている。下側第2ケース66は、下側第1ケース65に対して一部が重なって配置されている。すなわち、下側第1ケース65における開口側の端部は、下側第2ケース66における開口側の端部内に挿入されている。
第2コイルばね64は、軸線方向の一端部が下側第1ケース65の内底面に当接され、軸線方向の他端部が下側第2ケース66の内底面に当接されている。この場合、第2コイルばね64は、下側第1ケース65と下側第2ケース66とによって完全に覆われた状態で、下側第1ケース65と下側第2ケース66とを、互いに離れる方向に常に付勢している。さらにこの場合、第2コイルばね64は、第1コイルばね51よりも軸線方向の長さが若干長くなっており、且つ第1コイルばね51よりも付勢力が強くなっている。
下側第1ケース65の外周面には、第2コイルばね64の付勢方向に延びる第1係合部の一例としての下側第1凸条69が形成されている。下側第2ケース66の外周面には、第2コイルばね64の付勢方向に延びるとともに下側第1凸条69を挿入可能な第2係合部の一例としての下側第2凹溝70が形成されている。
下側第1凸条69が下側第2凹溝70に挿入されるように下側第1ケース65を下側第2ケース66に挿入した状態では、下側第1凸条69と下側第2凹溝70とが、第2コイルばね64の付勢方向において摺動可能であるとともに下側第1ケース65及び下側第2ケース66の周方向において係合する。したがって、下側第1ケース65と下側第2ケース66とは、第2コイルばね64の付勢方向において相対移動であるとともに、周方向に一体回転可能になっている。
図6及び図8に示すように、下側第1ケース65の外周面における載置部33側の端部には、突起部の一例としての下側第1回動凸部71及び突起部の一例としての下側第2回動凸部72がそれぞれ径方向に突出するように設けられている。下側第1回動凸部71及び下側第2回動凸部72は、周方向に鋭角の角度(例えば70°)程度分だけ離れ、且つ下側第1ケース65の軸線方向における位置が若干ずれるように配置されている。下側第1回動凸部71及び下側第2回動凸部72は、エッジガイド47の移動に伴って移動するスライド部材50と当接することによって下側第1ケース65を回動させる。
下側第2ケース66の外周面における載置部33側の端部には、被規制部の一例としての一対の第2被規制板73が径方向に突出するように設けられている。一対の第2被規制板73は、下側第2ケース66の中心軸線を挟んだ両側に配置されている。一対の第2被規制板73は、下側第1ケース65の回動に伴って下側第2ケース66と共に回動する。なお、図10に示すように、下側第2ケース66の外周面における載置部33側の端部には、下側第1ケース65の上から下側第2ケース66を被せた場合でも下側第1ケース65の下側第2回動凸部72が下側第2ケース66の径方向の外側に突出するように、第2切欠凹部74が形成されている。
図6、図7及び図8に示すように、載置部33の裏面における第2押上機構46を幅方向Yに挟んだ両側には、規制部の一例としての略L字板状の一対の第2規制部75が第2コイルばね64の軸線方向に延びるように設けられている。一対の第2規制部75の基端部には、下側第2ケース66の回動によって一対の第2被規制板73と第2コイルばね64の軸線方向において係合可能な第2規制面76が形成されている。
そして、下側第2ケース66の回動に伴う一対の第2被規制板73の回動によって一対の第2被規制板73が一対の第2規制部75の第2規制面76と第2コイルばね64の軸線方向において係合することで、第2コイルばね64の付勢力によって下側第1ケース65と下側第2ケース66との第2コイルばね64の軸線方向における相対移動が規制される。つまり、第2被規制板73は、下側第1ケース65の回動に伴って下側第2ケース66と共に回動し、第2規制部75に規制される第1位置(図12に示す位置)と、第2規制部75に規制されない第2位置(図10に示す位置)とに変位する。
図8及び図9に示すように、スライド部材50は、幅方向Yの中央部の上側にブロック状の上側凸部77が設けられ、幅方向Yの中央部の下側にブロック状の下側凸部78が設けられている。上側凸部77と下側凸部78とは、幅方向Yに間隔を置いて配置されている。すなわち、スライド部材50において、上側凸部77は下側凸部78よりも基端部50bに近い位置に配置され、下側凸部78は上側凸部77よりも先端部50aに近い位置に配置されている。
上側凸部77及び下側凸部78は、幅方向Yに2つの側面を有している。上側凸部77における先端部50a側の側面は上側第1面79とされ、上側凸部77における基端部50b側の側面は上側第2面80とされている。下側凸部78における先端部50a側の側面は下側第1面81とされ、下側凸部78における基端部50b側の側面は下側第2面82とされている。
そして、図4及び図8に示すように、一対のエッジガイド47同士が最も離れた位置から最も近づいた位置への一対のエッジガイド47の移動に伴ってスライド部材50が移動する場合には、下側第1面81が下側第1回動凸部71に当接して下側第1回動凸部71が回動された後、上側第1面79が上側第1回動凸部58に当接して上側第1回動凸部58が回動される。
一方、一対のエッジガイド47同士が最も近づいた位置から最も離れた位置への一対のエッジガイド47の移動に伴ってスライド部材50が移動する場合には、上側第2面80が上側第2回動凸部59に当接して上側第2回動凸部59が回動された後、下側第2面82が下側第2回動凸部72に当接して下側第2回動凸部72が回動される。
図2及び図6に示すように、ハウジング38内における第1押上機構45及び第2押上機構46と奥行方向Xで対向する位置には、当接板83が固定されている。第1押上機構45の上側第2ケース53の底壁の外面の中央部には、半球面状の第1突起84が設けられている。第2押上機構46の下側第2ケース66の底壁の外面の中央部には、半球面状の第2突起85が設けられている。
図6及び図21に示すように、当接板83は、第1コイルばね51が載置部33に付勢力を付与する場合に上側第2ケース53の第1突起84が当接する当接部の一例としての平坦な第1当接面86と、第2コイルばね64が載置部33に付勢力を付与する場合に下側第2ケース66の第2突起85が当接する当接部の一例としての平坦な第2当接面87とを備えている。この場合、第1突起84は、上側第2ケース53における第1当接面86との接触部分であり、半球面状をなしている。第2突起85は、下側第2ケース66における第2当接面87との接触部分であり、半球面状をなしている。
次に、第1押上機構45の作用を図10~図13に基づいて説明する。なお、図10~図13におけるスライド部材50は、図9のA-A線矢視断面図である。
図10に示すように、第1押上機構45の上側第2ケース53の一対の第1被規制板60が一対の第1規制部62の第1規制面63と第1コイルばね51の軸線方向において係合していない状態では、第1コイルばね51の付勢力によって上側第1ケース52と上側第2ケース53との第1コイルばね51の軸線方向における相対移動が規制されない。このため、上側第2ケース53の第1突起84が第1当接面86に当接することで、第1コイルばね51の付勢力が載置部33に対して付与される。この場合、上側第1回動凸部58はスライド部材50と当接可能な位置に位置し、上側第2回動凸部59はスライド部材50の移動経路から退避した位置に位置している。
続いて、一対のエッジガイド47を互いに近づく方向に移動させると、スライド部材50が幅方向Yと平行な第1方向Bに移動される。すると、図11に示すように、スライド部材50の上側凸部77の上側第1面79が上側第1ケース52の上側第1回動凸部58に当接する。引き続き、一対のエッジガイド47を互いに近づく方向に移動させると、スライド部材50がさらに第1方向Bに移動される。
すると、図12示すように、上側第1回動凸部58、上側第1ケース52、及び上側第2ケース53が正方向に一体回動する。これにより、上側第2ケース53の一対の第1被規制板60が一対の第1規制部62の第1規制面63と第1コイルばね51の軸線方向において係合する位置に回動され、第1コイルばね51の付勢力によって上側第1ケース52と上側第2ケース53との第1コイルばね51の軸線方向における相対移動が規制される。
この結果、上側第2ケース53の第1突起84が第1当接面86に当接してもしなくても、第1コイルばね51の付勢力が載置部33に対して付与されなくなる。この場合、上側第1回動凸部58はスライド部材50の移動経路から退避した位置に回動され、上側第2回動凸部59はスライド部材50と当接可能な位置に回動される。
続いて、一対のエッジガイド47を互いに離れる方向に移動させると、スライド部材50が第1方向Bとは反対の第2方向Cに移動される。すると、図13に示すように、スライド部材50の上側凸部77の上側第2面80が上側第1ケース52の上側第2回動凸部59に当接する。引き続き、一対のエッジガイド47を互いに離れる方向に移動させると、スライド部材50がさらに第2方向Cに移動される。
すると、図10示すように、上側第2回動凸部59、上側第1ケース52、及び上側第2ケース53が上記正方向とは反対の逆方向に一体回動する。これにより、上側第2ケース53の一対の第1被規制板60が一対の第1規制部62の第1規制面63と第1コイルばね51の軸線方向において係合しない位置に回動され、第1コイルばね51の付勢力によって上側第1ケース52と上側第2ケース53との第1コイルばね51の軸線方向における相対移動が規制されなくなる。
このため、上側第2ケース53の第1突起84が第1当接面86に当接することで、第1コイルばね51の付勢力が載置部33に対して付与される。この場合、上側第1回動凸部58はスライド部材50と当接可能な位置に位置し、上側第2回動凸部59はスライド部材50の移動経路から退避した位置に位置している。
なお、第2押上機構46の作用については、上記第1押上機構45の場合と同じであるため、説明を省略する。すなわち、第2押上機構46の作用の説明は、上記第1押上機構45の作用の説明において、各部材の部材番号を図10~図13のカッコ内の各部材の部材番号に置き換えたものとなる。
次に、一対のエッジガイド47同士を最も近づいた位置から最も離れた位置まで移動させるときの第1押上機構45及び第2押上機構46の作用を説明する。
図6、図8及び図14に示すように、一対のエッジガイド47同士が最も近づいた位置にある場合、上側第2ケース53の第1被規制板60が第1規制部62と上側第2ケース53の軸線方向で係合するため、上側第2ケース53の軸線方向の移動が規制される。このため、第1コイルばね51による付勢力が載置部33に対して作用しない。すなわち、第1押上機構45による押し上げ力が載置部33に対して作用しない。
一方、下側第2ケース66の第2被規制板73は第2規制部75と下側第2ケース66の軸線方向で係合するため、下側第2ケース66の軸線方向の移動が規制される。このため、第2コイルばね64による付勢力が載置部33に対して作用しない。すなわち、第2押上機構46による押し上げ力が載置部33に対して作用しない。
引き続き、一対のエッジガイド47同士を互いに離れる方向に移動させると、図8及び図15に示すように、スライド部材50の上側第2面80が上側第2回動凸部59に当接し、上側第2回動凸部59とともに第1被規制板60が載置部33を裏面から見たときの反時計方向に回動され始める。
引き続き、一対のエッジガイド47同士を互いに離れる方向に移動させると、図8及び図16に示すように、上側第2回動凸部59とともに第1被規制板60が載置部33を裏面から見たときの反時計方向にさらに回動され、上側第2ケース53の軸線方向における第1被規制板60と第1規制部62との係合状態が解除される。
すると、上側第2ケース53が第1コイルばね51の付勢力によって第1当接面86に向けて付勢され、上側第2ケース53の第1突起84が第1当接面86に当接する。これにより、第1コイルばね51による付勢力が載置部33に対して作用する。すなわち、第1押上機構45による押し上げ力が載置部33に対して作用する。
この場合、第1押上機構45の押し上げ力により載置部33に載置された用紙Pが載置部33と共に給紙ローラー35に向けて押し上げられた状態では、一対のエッジガイド47同士を互いに離れる方向へ移動させても第1押上機構45がスライド部材50と係合しない。このため、一対のエッジガイド47同士が離れる方向へのエッジガイド47の移動が許容される。
一方、第1押上機構45の押し上げ力により載置部33に載置された用紙Pが載置部33と共に給紙ローラー35に向けて押し上げられた状態では、一対のエッジガイド47同士を互いに近づく方向へ移動させようとすると、スライド部材50の上側第1面79が上側第1回動凸部58と当接する。このため、上側第1回動凸部58とともに第1被規制板60が載置部33を裏面から見たときの時計方向に回動されようとする。
しかし、第1被規制板60はこのときの回動方向(載置部33を裏面から見たときの時計方向)において第1規制部62と係合するため、第1規制部62が第1被規制板60の当該回動方向への回動を規制する。このため、一対のエッジガイド47同士が近づく方向へのエッジガイド47の移動が規制される。
引き続き、一対のエッジガイド47同士を互いに離れる方向に移動させると、図8及び図17に示すように、スライド部材50の下側第2面82が下側第2回動凸部72に当接し、下側第2回動凸部72とともに第2被規制板73が載置部33を裏面から見たときの時計方向に回動され始める。
引き続き、一対のエッジガイド47同士を互いに離れる方向に移動させると、図8及び図18に示すように、下側第2回動凸部72とともに第2被規制板73が載置部33を裏面から見たときの時計方向にさらに回動され、下側第2ケース66の軸線方向における第2被規制板73と第2規制部75との係合状態が解除される。
すると、下側第2ケース66が第2コイルばね64の付勢力によって第2当接面87に向けて付勢され、下側第2ケース66の第2突起85が第2当接面87に当接する。これにより、第2コイルばね64による付勢力が載置部33に対して作用する。すなわち、第2押上機構46による押し上げ力が載置部33に対して作用する。
この場合、第2押上機構46の押し上げ力により載置部33に載置された用紙Pが載置部33と共に給紙ローラー35に向けて押し上げられた状態では、一対のエッジガイド47同士を互いに離れる方向へ移動させても第2押上機構46がスライド部材50と係合しない。このため、一対のエッジガイド47同士が離れる方向へのエッジガイド47の移動が許容される。
一方、第2押上機構46の押し上げ力により載置部33に載置された用紙Pが載置部33と共に給紙ローラー35に向けて押し上げられた状態では、一対のエッジガイド47同士を互いに近づく方向へ移動させようとすると、スライド部材50の下側第1面81が下側第1回動凸部71と当接する。このため、下側第1回動凸部71とともに第2被規制板73が載置部33を裏面から見たときの反時計方向に回動されようとする。
しかし、第2被規制板73はこのときの回動方向(載置部33を裏面から見たときの反時計方向)において第2規制部75と係合するため、第2規制部75が第2被規制板73の当該回動方向への回動を規制する。このため、一対のエッジガイド47同士が近づく方向へのエッジガイド47の移動が規制される。その後、一対のエッジガイド47同士を互いに離れる方向にさらに移動させると、図19に示すように、一対のエッジガイド47同士が互いに最も離れた位置に移動される。
また、一対のエッジガイド47同士を最も離れた位置から最も近づいた位置まで移動させるときの第1押上機構45及び第2押上機構46の作用は、上述の一対のエッジガイド47同士を最も近づいた位置から最も離れた位置まで移動させるときの第1押上機構45及び第2押上機構46の作用を逆にしたものとなる。
そして、一対のエッジガイド47同士を最も離れた位置から互いに近づく方向に移動させる場合、第2押上機構46の第2コイルばね64による載置部33に対する付勢力の付与の規制は、第1押上機構45の第1コイルばね51による載置部33に対する付勢力の付与の規制よりも先に行われる。
なお、一対のエッジガイド47同士の最も離れた位置から最も近づいた位置までへの移動は、載置部33が待機位置にあるときに行われる。載置部33が待機位置にあるときには、図25に示すように、第1押上機構45及び第2押上機構46が当接板83により第1コイルばね51の付勢力及び第2コイルばね64の付勢力に抗してそれぞれ押えられ、第1押上機構45の上側第2ケース53及び第2押上機構46の下側第2ケース66がそれぞれ自由に回動できる状態で維持される。
このように、本実施形態では、スライド部材50が用紙Pの幅に合わせたエッジガイド47の移動に伴って移動することで、第1押上機構45及び第2押上機構46と順次に当接する。そして、このスライド部材50の移動した位置に応じて、第1押上機構45の第1コイルばね51による載置部33に対する付勢力の付与の規制と、第2押上機構46の第2コイルばね64による載置部33に対する付勢力の付与の規制とが選択的に行われる。
すなわち、第1押上機構45とスライド部材50との当接により、第1被規制板60が回動して第1位置に位置すると、第1被規制板60が上側第2ケース53の軸線方向において第1規制部62に係合する。これにより、上側第1ケース52に対する上側第2ケース53の相対移動が規制されて第1コイルばね51による載置部33に対する付勢力の付与が規制される。
一方、第2押上機構46とスライド部材50との当接により、第2被規制板73が回動して第1位置に位置すると、第2被規制板73が下側第2ケース66の軸線方向において第2規制部75に係合する。これにより、下側第1ケース65に対する下側第2ケース66の相対移動が規制されて第2コイルばね64による載置部33に対する付勢力の付与が規制される。
つまり、載置部33に載置される用紙Pの幅方向Yの長さが変化すると、用紙Pの総重量も変化する。このため、一対のねじりコイルばね43の付勢力だけで載置部33に載置された用紙Pを載置部33と共に給紙ローラー35に向けて付勢するだけでは、給紙ローラー35に対する用紙Pの接触圧が不足することがある。給紙ローラー35に対する用紙Pの接触圧が不足すると、給紙ローラー35によって用紙Pが給送されなくなってしまうという問題がある。
この点、本実施形態では、載置部33に載置される用紙Pの幅方向Yの長さに対応した一対のエッジガイド47同士の距離に応じて、第1押上機構45の第1コイルばね51による載置部33に対する付勢力の付与と、第2押上機構46の第2コイルばね64による載置部33に対する付勢力の付与と、を選択的に行うことができる。
具体的には、載置部33に載置される用紙Pが大サイズである場合には、一対のねじりコイルばね43の付勢力に、第1押上機構45の第1コイルばね51の付勢力及び第2押上機構46の第2コイルばね64の付勢力の両方を加担させる。載置部33に載置される用紙Pが中サイズである場合には、一対のねじりコイルばね43の付勢力に、第1押上機構45の第1コイルばね51の付勢力のみを加担させる。載置部33に載置される用紙Pが小サイズである場合には、一対のねじりコイルばね43の付勢力に、第1押上機構45の第1コイルばね51の付勢力及び第2押上機構46の第2コイルばね64の付勢力の両方を加担させない。
このようにすることで、本実施形態では、載置部33に載置される用紙Pのサイズが変化しても、一対のエッジガイド47同士の距離を用紙Pのサイズに合わせるだけで、給紙ローラー35に対する用紙Pの接触圧を適正に維持することができる。因みに、給紙ローラー35に対する用紙Pの接触圧が高すぎる場合には、給紙ローラー35によって2枚以上の用紙Pが重なった状態で一度に給送されてしまうという問題がある。
また、本実施形態では、図20に示すように、載置部33に載置される用紙Pが大サイズであったとしても、載置した枚数が所定枚数以下である場合には、ねじりコイルばね43の付勢力だけで載置部33が押し上げられるように設定されている。これにより、第1押上機構45及び第2押上機構46は作動中であっても当接板83から離れるので、第1押上機構45及び第2押上機構46のそれぞれの押し上げ力が載置部33に対して作用しなくなる。
具体的には、坪量80g/m2の大サイズの用紙Pを載置部33に載置した場合、載置した枚数が15枚以下になると、作動中の第1押上機構45及び第2押上機構46が当接板83から離れるように設定している。このように設定している理由は、載置部33に載置される用紙Pが大サイズであったとしても、載置されている用紙Pの枚数が少なくなるに連れて用紙Pの総重量が軽くなるので、載置されている用紙Pの枚数が少なくなった場合に給紙ローラー35に対する用紙Pの接触圧が過度に高くなってしまうからである。
因みに、坪量80g/m2の大サイズの用紙Pを載置部33に30枚載置した場合には、図21に示すように、作動中の第1押上機構45及び第2押上機構46が当接板83に当接するので、第1押上機構45及び第2押上機構46のそれぞれの押し上げ力が載置部33に対して作用する。
また、本実施形態では、図22に示すように、載置部33に載置される用紙Pが中サイズであったとしても、載置した枚数が所定枚数以下である場合には、ねじりコイルばね43の付勢力だけで載置部33が押し上げられるように設定されている。これにより、第1押上機構45は作動中であっても当接板83から離れるので、第1押上機構45の押し上げ力が載置部33に対して作用しなくなる。この場合、第2押上機構46は作動しない。
因みに、坪量80g/m2の中サイズの用紙Pを載置部33に30枚載置した場合には、図23に示すように、作動中の第1押上機構45が当接板83に当接するので、第1押上機構45の押し上げ力が載置部33に対して作用する。この場合、第2押上機構46は作動しない。
また、本実施形態では、図24に示すように、載置部33に載置される用紙Pが小サイズであった場合、ねじりコイルばね43の付勢力だけで載置部33が押し上げられる。この場合、第1押上機構45及び第2押上機構46は、共に作動せず、当接板83から離れる。なお、本実施形態では、図25に示すように、載置部33が待機位置にある場合、第1押上機構45及び第2押上機構46は、共に作動せず、当接板83に接触する。
以上、詳述した実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)インクジェット式プリンター11において、載置部33に付勢力を付与する第1コイルばね51は上側第1ケース52と上側第2ケース53とによって覆われ、載置部33に付勢力を付与する第2コイルばね64は下側第1ケース65と下側第2ケース66とによって覆われている。この構成によれば、第1コイルばね51及び第2コイルばね64を保護することができる。
(2)インクジェット式プリンター11は、載置部33に載置された用紙Pを載置部33と共に給紙ローラー35に向けて付勢するねじりコイルばね43を備えている。この構成によれば、載置部33に付与される付勢力を複数のサイズの用紙Pに適するように設定することができる。
(3)インクジェット式プリンター11は、1つのスライド部材50の移動した位置に応じて第1押上機構45及び第2押上機構46のそれぞれの第1コイルばね51及び第2コイルばね64による載置部33に対する付勢力の付与の規制を選択的に行う。この構成によれば、1つのスライド部材50によって2つの押上機構44(第1押上機構45及び第2押上機構46)の機能を選択的に規制できるので、部品点数の低減に寄与できる。
(4)インクジェット式プリンター11は、一対のエッジガイド47を互いに離れた位置から互いに近づく方向に移動させる場合に、2つの押上機構44のうち回動軸42の軸線方向と直交する方向における回動軸42からの距離が遠い方の第2押上機構46の第2コイルばね64による載置部33に対する付勢力の付与の規制を、回動軸42の軸線方向と直交する方向における回動軸42からの距離が近い方の第1押上機構45の第1コイルばね51による載置部33に対する付勢力の付与の規制よりも先に行う。この構成によれば、第1押上機構45及び第2押上機構46によって載置部33に載置された用紙Pを載置部33と共に給紙ローラー35に向けて押し上げる際の押し上げ力の調整を用紙Pの大きさに応じて好適に行うことができる。
(5)インクジェット式プリンター11において、2つの押上機構44のうち回動軸42の軸線方向と直交する方向における回動軸42からの距離が遠い方の第2押上機構46の第2コイルばね64は、回動軸42の軸線方向と直交する方向における回動軸42からの距離が近い方の第1押上機構45の第1コイルばね51よりも付勢力が強い。この構成によれば、回動軸42を中心に載置部33を回動させる場合に、載置部33に対して特に第2コイルばね64の付勢力を梃子の原理により効率的に付与することができる。
(6)インクジェット式プリンター11において、上側第2ケース53における第1当接面86との接触部分である第1突起84及び下側第2ケース66における第2当接面87との接触部分である第2突起85は、共に半球面状をなしている。この構成によれば、第1突起84及び第2突起85の第1当接面86及び第2当接面87に対するそれぞれの接触角度が多少変化しても、載置部33に付与される第1コイルばね51及び第2コイルばね64のそれぞれの付勢力が変化することを抑制できる。
(7)インクジェット式プリンター11において、第1押上機構45及び第2押上機構46により載置部33に載置された用紙Pが載置部33と共に給紙ローラー35に向けて押し上げられた状態では、一対のエッジガイド47同士が離れる方向へのエッジガイド47の移動が許容される。この構成によれば、一対のエッジガイド47同士の間で用紙Pが詰まった場合でも、一対のエッジガイド47同士が離れる方向へエッジガイド47を移動させることで、この詰まった用紙Pを容易に取り除くことができる。
(8)インクジェット式プリンター11において、第1押上機構45及び第2押上機構46により載置部33に載置された用紙Pが載置部33と共に給紙ローラー35に向けて押し上げられた状態では、第1規制部62及び第2規制部75が第1被規制板60及び第2被規制板73の回動をそれぞれ規制することによって、一対のエッジガイド47同士が近づく方向へのエッジガイド47の移動が規制される。この構成によれば、上側第1ケース52及び下側第1ケース65に対する上側第2ケース53及び下側第2ケース66のそれぞれの相対移動後に、当該相対移動方向において、第1規制部62及び第2規制部75と、第1被規制板60及び第2被規制板73と、がそれぞれ重なることを抑制できる。このため、上側第2ケース53及び下側第2ケース66がそれぞれ相対移動前の元に位置に戻れなくなることを抑制できる。
(9)インクジェット式プリンター11において、上側第1ケース52及び下側第1ケース65は、第1コイルばね51及び第2コイルばね64の付勢方向に延びる上側第1凸条56及び下側第1凸条69をそれぞれ有し、上側第2ケース53及び下側第2ケース66は、第1コイルばね51及び第2コイルばね64の付勢方向に延びるとともに上側第1凸条56及び下側第1凸条69と係合する上側第2凹溝57及び下側第2凹溝70をそれぞれ有している。この構成によれば、上側第1ケース52及び下側第1ケース65と、上側第2ケース53及び下側第2ケース66とを、第1コイルばね51及び第2コイルばね64の付勢方向においてそれぞれ相対移動させつつ、上側第1回動凸部58及び下側第1回動凸部71の回動方向においてそれぞれ一体回動させることができる。このため、上側第1ケース52及び下側第1ケース65のそれぞれの上側第1回動凸部58及び下側第1回動凸部71と、上側第2ケース53及び下側第2ケース66のそれぞれの第1被規制板60及び第2被規制板73との回動方向の位相がずれることを抑制できる。
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上側第1ケース52及び下側第1ケース65に上側第2凹溝57及び下側第2凹溝70をそれぞれ設け、上側第2ケース53及び下側第2ケース66に上側第1凸条56及び下側第1凸条69をそれぞれ設けるようにしてもよい。
・上側第2凹溝57及び下側第2凹溝70をそれぞれ上側第1凸条56及び下側第1凸条69と係合する第1切欠部及び第2切欠部に変更してもよい。
・上側第2ケース53及び下側第2ケース66に上側第1凸条56及び下側第1凸条69をそれぞれ設け、上側第1ケース52及び下側第1ケース65に上側第1凸条56及び下側第1凸条69と係合する第1切欠部及び第2切欠部をそれぞれ設けるようにしてもよい。
・第1押上機構45及び第2押上機構46により載置部33に載置された用紙Pが載置部33と共に給紙ローラー35に向けて押し上げられた状態では、必ずしも一対のエッジガイド47同士が近づく方向へのエッジガイド47の移動が規制される必要はない。
・第1押上機構45及び第2押上機構46により載置部33に載置された用紙Pが載置部33と共に給紙ローラー35に向けて押し上げられた状態では、必ずしも一対のエッジガイド47同士が離れる方向へのエッジガイド47の移動が許容される必要はない。
・上側第2ケース53における第1当接面86との接触部分である第1突起84及び下側第2ケース66における第2当接面87との接触部分である第2突起85は、必ずしも半球面状をなしている必要はない。
・第2押上機構46の第2コイルばね64は、必ずしも第1押上機構45の第1コイルばね51よりも付勢力が強い必要はない。
・一対のエッジガイド47を互いに離れた位置から互いに近づく方向に移動させる場合に、第2押上機構46の第2コイルばね64による載置部33に対する付勢力の付与の規制は、必ずしも第1押上機構45の第1コイルばね51による載置部33に対する付勢力の付与の規制よりも先に行う必要はない。
・載置部33に第1押上機構45及び第2押上機構46とそれぞれ係合する2つのスライド部材50を設け、2つのスライド部材50がその移動した位置に応じて第1押上機構45及び第2押上機構46のそれぞれの第1コイルばね51及び第2コイルばね64による載置部33に対する付勢力の付与の規制をそれぞれ選択的に行うようにしてもよい。
・スライド部材50を省略してもよい。この場合、エッジガイド47は、第1押上機構45及び第2押上機構46と直接係合するように構成され、スライド部材50と同様の機能を有する。