以下、記録装置の一実施形態について図面を参照して説明する。図1では、記録装置11が水平面上に置かれているものとして、互いに直交する3つの仮想軸を、X軸、Y軸及びZ軸とする。X軸は後述する記録ヘッドの走査方向と平行な仮想軸であり、Y軸は記録時の媒体の搬送方向Y1と平行な仮想軸である。また、Z軸は鉛直方向と平行な仮想軸である。なお、図1に示す記録装置11では、搬送方向Y1の下流方向を前方、上流方向を後方ともいう。
図1に示す記録装置11は、シリアル記録方式のインクジェットプリンターである。記録装置11は、直方体状の筐体12を備える。記録装置11は、一例として複合機であり、筐体12の大部分を占める記録ユニット20と、筐体12の上部の一部に組み付けられた読取ユニット30とを備える。複合機である本例の記録装置11は、インクジェット方式の印刷機能と、読取ユニット30が原稿を読み取るスキャン機能と、読取ユニット30が読み取った原稿の画像を記録ユニット20が印刷するコピー機能とを備える。筐体12は、例えば合成樹脂製であり、金属製のフレーム及びフレームに組み付けられた各種部品等を覆う状態にある。
筐体12はその上面前部に後端の回動軸を中心に回動して開閉されるメンテナンスカバー13を備える。ユーザーは、メンテナンスカバー13を開けることで、ジャム発生時に媒体Mを除去するジャム解消作業やインク補給作業を含むメンテナンス作業を行う。
筐体12の上面後部には、用紙等の媒体Mを支持する媒体サポートと筐体12の上面の一部を覆う上面カバーとを兼ねる載置トレイ14が設けられている。載置トレイ14は、その後端の回動軸を中心に前後に回動することで開閉される。図1では、載置トレイ14は、読取ユニット30を覆う閉位置に格納されている。載置トレイ14は、所定角度に後傾する姿勢に配置され、記録前の媒体Mが載置される媒体サポートとして使用される(図3参照)。すなわち、載置トレイ14は、閉位置において読取ユニット30のうち筐体12の上面に露出する部分を覆うカバー機能と、開位置において記録前の媒体Mを載置する媒体サポート機能とを有している。
筐体12の前面には、操作パネル15が設けられている。操作パネル15は、メニューやメッセージ等が表示される表示部16と、ユーザーが記録装置11に指示を与える際に操作される複数のスイッチよりなる操作部17とを有する。操作部17には、電源スイッチ、表示部16に表示されたメニューの項目を選択する際に操作される選択スイッチ、印刷開始スイッチ及びコピー開始スイッチ等の操作スイッチが含まれる。表示部16は、液晶ディスプレイ等よりなる。なお、表示部16をタッチパネルとし、表示部16の操作機能が操作部17の一部を兼ねてもよい。
筐体12の前面における操作パネル15よりも下方の位置には、下端の回動軸を中心に回動することで開閉される蓋体18が設けられている。蓋体18を開けると、記録後の媒体Mが排出される排出口64と、筐体12内に収納された排出トレイ65(いずれも図8参照)とが露出する。排出トレイ65は、ユーザーがスライドさせて引き出して使用され、排出口64から排出された記録後の媒体Mを積載する。
図2に示すように、記録装置11の後面には、カバーの一例としての背面カバー19が設けられている。背面カバー19は、下端の回動軸を中心に前後に回動することで開閉する。背面カバー19は、載置トレイ14の開閉に応じて連動して開閉する。背面カバー19は、閉位置にある載置トレイ14と、筐体12の背面下部を構成する背板部12Aとの間にできる開口部12Bを覆うために設けられている。
図3、図4は、載置トレイ14が開状態にあるときの記録装置11を示す。図4に示すように、筐体12は、搬送方向Y1の上流に位置する1つの側面(背面)に、開位置にある載置トレイ14が収まる切り欠き状の開口部12B(図11、図12も参照)を有する。図3、図4に示すように、載置トレイ14は、開状態で、開口部12Bに収まる状態で所定角度に後傾した姿勢に配置される。載置トレイ14の開状態では、媒体載置部21が露出する。媒体載置部21は、媒体Mを載置する。媒体載置部21は、開状態で媒体Mを支持する媒体サポートとして機能する載置トレイ14を含む。図3に示すように、載置トレイ14の内面は、媒体Mが載置される載置面14Aとなる。また、図4に示すように、背面カバー19は、載置トレイ14と連動して移動し、載置トレイ14が閉じたときに開口部12Bを覆う閉位置と、載置トレイ14が開いたときに載置トレイ14の開口部12Bに収まる回動を妨げない開位置に移動する。
また、図3に示すように、載置トレイ14の開状態では、媒体Mが筐体12内へ給送される給送口22が露出する。載置トレイ14の載置面14Aには、図3に二点鎖線で示す媒体Mが1枚又は複数枚載置可能である。載置トレイ14の内面基部には、載置面14Aに載置された媒体Mを幅方向に位置決めする位置決め機構23が設けられている。位置決め機構23は、載置トレイ14の載置面14Aに載置された媒体Mを幅方向に位置決めする際にユーザーによって操作される一対のエッジガイド24と、一対のエッジガイド24を連動して幅方向に移動させる連動機構25とを備える。連動機構25は、一対のエッジガイド24のうち一方をユーザーが操作すると、その操作方向と逆方向に他方のエッジガイド24を移動するように連動させる。すなわち、ユーザーが一対のエッジガイド24の間隔を狭める方向へ一方のエッジガイド24を移動させる操作を行うと、他方のエッジガイド24も間隔を狭める方向へ同じ距離だけ移動する。また、ユーザーが一対のエッジガイド24の間隔を広げる方向へ一方のエッジガイド24を移動させる操作を行うと、他方のエッジガイド24も間隔を広げる方向へ同じ距離だけ移動する。このため、一対のエッジガイド24によって媒体Mは、その幅サイズによらず、その幅中心が給送口22の幅中心に一致する適切な給送位置に位置決めされる。
図4に示すように、媒体載置部21は、載置トレイ14の載置面14Aに載置された媒体Mの給送方向下流側の部分が載置されるホッパー26を備える。ホッパー26は、載置された媒体Mの給送方向下流部分を、後述する給送ローラー51に接近・離間させることができるように揺動可能に設けられている。ホッパー26は、媒体載置部21に載置された媒体Mを載置可能に設けられ、媒体Mを給送ローラー51に接触させる給送位置と給送ローラー51から離間させる退避位置とに揺動可能に構成される。ホッパー26は、給送前では媒体Mを給送ローラー51から離間させる退避位置に配置され、給送時に媒体Mを給送ローラー51に接触させる給送位置に配置される。ホッパー26が退避位置にあるときのその傾斜角は、開状態にある載置トレイ14の傾斜角とほぼ同じになる。載置トレイ14に載置された媒体Mは、ホッパー26が給送位置に傾動した状態で給送ローラー51が回転することにより、給送口22を通じて筐体12内へ給送される。載置トレイ14は、給送機構50の給送口22を覆う状態に格納される閉位置と、ホッパー26と共に媒体Mを載置可能な後傾姿勢の開位置との間で回動可能に設けられる。
本実施形態のエッジガイド24は、2つの部品に二体化されている。すなわち、エッジガイド24は、載置トレイ14に媒体Mの幅方向に移動可能に設けられた第1エッジガイド27と、ホッパー26に設けられた第2エッジガイド28とにより構成される。第1エッジガイド27は、載置トレイ14に媒体Mの幅方向に移動可能に設けられ、載置トレイ14に載置された媒体Mを幅方向に位置決めする。第2エッジガイド28は、ホッパー26に設けられ、第1エッジガイド27と共に幅方向に移動可能かつ載置トレイ14の回動に応じて第1エッジガイド27との相対回動が可能な状態で第1エッジガイド27と係合する。第1エッジガイド27と第2エッジガイド28は、幅方向に一緒に移動可能かつ載置トレイ14の回動に応じて相対回動可能な状態で係合している。
また、図3、図4に示すように、載置トレイ14を開状態に回動させることで、読取ユニット30が露出する。読取ユニット30は、筐体12の上面における給送口22よりも前方となる後部に位置し、筐体12の幅寸法よりも少し短い幅寸法を有する。読取ユニット30の幅寸法は、読取対象の原稿Dを読み取り可能に原稿Dの最大幅サイズよりも少し長い。
図3~図6に示すように、本実施形態の読取ユニット30は、原稿Dを搬送する機能を有し、原稿Dを搬送途中に読み取るシートフィード方式である。読取ユニット30は、読取前の原稿Dを載置するための原稿載置部31と、原稿Dが給送される原稿給送口32と、原稿Dを搬送する搬送部33と、搬送された原稿Dを読み取る読取部34(スキャナー部)と、読取り後の原稿Dが排出される原稿排出口35と、原稿排出口35から排出された原稿Dの排出向きをガイドするガイド部36とを有する。
図3~図6に示すように、原稿載置部31には原稿Dを幅方向に位置決めするためにユーザーにより操作される原稿用のエッジガイド37が設けられている。エッジガイド37は、原稿載置部31の幅方向の端部に、ガイド部31A(図5、図6参照)に沿って幅方向に移動可能に組み付けられている。本例の原稿載置部31は、原稿Dを幅方向の一端側に寄せて位置決めする片寄せ給送方式である。ユーザーは、原稿Dの一方の側端に当てたエッジガイド37をスライドさせ、他方の側端を基準面に押し当てて原稿Dを幅方向の一方側へ寄せることで位置決めする。なお、原稿用のエッジガイド37を一対設け、幅中心を基準に原稿Dを幅方向に位置決めするセンター給送方式としてもよい。
図3~図6に示す読取ユニット30は、原稿用のエッジガイド37で位置決めされた原稿Dを搬送部33で搬送して読取部34で読み取る。原稿Dは、記録ユニット20における媒体Mの搬送方向Y1と反対となる第2搬送方向Y2に搬送される。原稿給送口32から搬送部33により搬送されてその搬送途中に読取部34で読み取られた読取り後の原稿Dは原稿排出口35から排出される。ガイド部36は、原稿排出口35から排出された原稿Dを水平よりも少し上向きとなる斜め上方へ誘導する。排出された原稿Dは、開位置にある載置トレイ14上に排出される。
本実施形態の記録装置11では、載置トレイ14に載置された媒体Mが搬送される搬送方向Y1と、原稿載置部31に載置された原稿Dが搬送される第2搬送方向Y2が逆向きになっている。原稿載置部31よりも第2搬送方向Y2の上流の領域には、メンテナンスカバー13が配置されている。このため、メンテナンスカバー13の上面を、原稿Dを載置するための載置面の一部として利用する。また、媒体Mの搬送方向と原稿Dの搬送方向とが逆向きであるため、原稿排出口35が、開位置にある載置トレイ14と対向している。これにより、載置トレイ14を原稿Dの排出トレイとして利用する。
ガイド部36は、原稿排出口35と対向する近傍に位置し、原稿排出口35から排出された原稿Dを水平よりも少し上向きとなる斜め上方へガイド可能に斜め上方に向かって延びている。排出された原稿Dをガイド部36が斜め上方へ誘導することで、一対のエッジガイド24との接触を回避するとともに、排出された原稿Dの下方へ湾曲した先端部が給送口22へ侵入することを回避する。例えば、排出された原稿Dがエッジガイド24に接触すると、原稿Dの姿勢を制御できなくなるので、ガイド部36で原稿Dを上向きに誘導して第1エッジガイド27に当たらないようにしている。また、ガイド部36は、原稿Dの先端部が、所定角度に後傾する載置トレイ14の載置面14Aに対して突入するときの突入角を小さくする効果もある。このため、載置トレイ14を原稿Dの排出トレイとして利用しても、原稿Dを載置トレイ14上に乱れることなく積載可能である。
なお、本実施形態のシートフィード方式の読取ユニット30の他に、別途、フラットベッド方式の読取ユニットを設けてもよい。フラットベッド型の読取ユニットは、原稿台と原稿台カバーとを備え、原稿台にセットされた原稿Dを読み取る。この場合、シートフィード方式の読取ユニット30は、原稿台カバー上に搭載され、載置トレイ14は、原稿台カバー上の読取ユニット30を覆う状態で閉じる構成とすればよい。
図2に示すように、載置トレイ14が水平姿勢の閉位置に格納された状態では、背面カバー19は垂立姿勢の閉位置にある。図4に示すように、載置トレイ14が後傾姿勢をとる開位置にあるとき、背面カバー19は後傾した開位置にある。ユーザーが載置トレイ14を図2に示す閉位置から図4に示す開位置へ回動させる過程で、背面カバー19は連動して開方向へ回動し、図2に示す閉位置から図4に示す開位置に配置される。これにより、載置トレイ14が図2に示す閉位置から図4に示す開位置に回動する過程で、背面カバー19が開位置へ後傾することによって筐体12の背面にできた開口部12Bを通って載置トレイ14の基端部を下降させながら、載置トレイ14は開方向へ回動する。そして、ユーザーが載置トレイ14を開位置から閉位置に回動させる操作をすることによって、筐体12の後部空間RSを露出させる開口部12Bが、閉位置に復帰した背面カバー19によって覆われる。このため、載置トレイ14が閉位置にあるときに、筐体12の後部空間RSが露出することなく背面カバー19によって覆われるので、開口部12Bを通じた筐体12内への塵埃の侵入が防止される。
図5、図6に示すように、一対のエッジガイド24を連動して幅方向に移動させる連動機構25は、一対のエッジガイド24を幅方向にスライド可能に案内するガイド孔21Aと、一対のエッジガイド24と一体に移動するとともに幅方向に移動可能にガイド孔21Aに係入された係合部41A,42Aとを有する。また、図5~図7に示すように、連動機構25は、一対のエッジガイド24のそれぞれから幅方向に延出する一組のラック41,42と、一組のラック41,42の間に配置され、両ラックと噛合するピニオン43とを含むラック・アンド・ピニオン機構を有する。
一対のエッジガイド24は、連動機構25を介して、図5に示す最大幅の間隔を隔てた第1位置と、図6に示す最小幅の間隔を隔てた第2位置との間の範囲で幅方向に移動可能である。図6に示すように、ガイド部36は、最小幅の間隔となる第2位置にある一対のエッジガイド24の間の領域に位置している。
図5に示すように、載置トレイ14は、最大幅の媒体Mが一対のエッジガイド24にガイドされたとき、その媒体Mの幅全体を支持できる幅寸法を有している。例えば、媒体Mの最大サイズがA4判である場合、載置トレイ14はA4判の幅寸法よりも長い幅寸法を有する。また、最大サイズがA3判である場合、載置トレイ14はA3判の幅寸法よりも長い幅寸法を有する。また、記録ユニット20が記録対象とする媒体Mの最大サイズと、読取ユニット30が読取対象とする原稿Dの最大サイズは、同じである。前述のとおり、載置トレイ14は、記録装置11の不使用時に読取ユニット30を覆うカバーを兼ねている。そのため、載置トレイ14は、原稿給送口32及び原稿排出口35をこれらの幅全域を覆うことが可能な幅寸法を有している。
本実施形態では、給送口22と、原稿給送口32及び原稿排出口35は、幅方向におおよそ同じ位置範囲に位置する。換言すれば、給送口22の幅中心位置C1と、原稿給送口32及び原稿排出口35の幅中心位置C2は、ほぼ一致する。本実施形態では、幅中心位置C1と幅中心位置C2とがほぼ一致するとは、幅中心位置C1と幅中心位置C2とのずれ量が、媒体M及び原稿Dの最大幅寸法の5分の1以下であることを指す。このため、載置トレイ14は、最大幅の媒体Mを幅全体で支持できるサポート機能と、読取ユニット30の原稿給送口32及び原稿排出口35の幅全域を覆うカバー機能とを兼ね備える割に、その幅寸法が相対的に短く抑えられている。なお、図5に示す例では、幅中心位置C1と幅中心位置C2とのずれ量が、媒体M及び原稿Dの最大幅寸法の10分の1以下となっている。また、記録ユニット20で扱う媒体Mの最大幅と、読取ユニット30で扱う原稿Dの最大幅が異なる場合、幅中心位置C1と幅中心位置C2とがほぼ一致するとは、ずれ量が、媒体Mと原稿Dのうち最大幅が小さい方の最大幅寸法の5分の1以下であることを指す。
また、図5~図7に示すように、媒体載置部21は、一対のエッジガイド24に移動抵抗となる負荷を付与する負荷部44を有している。詳しくは、負荷部44は、載置トレイ14に設けられ、第1エッジガイド27に移動抵抗となる負荷を与える。これは、一対のエッジガイド24に所定以上の抵抗負荷がないと、一対のエッジガイド24により挟持された媒体Mが給送されるときに横方向の力を受けたときに、エッジガイド24が幅方向にずれてしまい斜行を許容してしまう虞がある。この種の斜行を抑制するため、一対のエッジガイド24に負荷部44によって抵抗負荷を付与している。本実施形態の負荷部44は、ピニオン43を挟む一組のラック41,42のうち一方をピニオン43に押し付ける方向に押圧する押圧部よりなる。負荷部44は、ばね又はゴムの弾性力を利用してラック41,42のうち一方をピニオン43に押圧し、一組のラック41とピニオン43との噛合圧力を高めることで、一対のエッジガイド24に負荷抵抗を付与する。
なお、第1エッジガイド27は所定の間隔を隔てて対向する一対の挟持部27Aを有し、一対の挟持部27Aに第2エッジガイド28の上流端部が挟まれることで、両者は相対回動可能に係合されている。また、載置トレイ14が開位置にあるとき、第1エッジガイド27は挟持部27Aよりも給送方向上流へ延びる延出部27Bを有する。本例では、載置トレイ14が閉位置に配置され、第1エッジガイド27が筐体12内に収納されたときに、筐体12内の他の部品と干渉しない範囲で延出部27Bを延ばしている。
次に、図8を参照して、記録装置11の構成について説明する。図8は、記録装置11の側断面を示す。図8では、載置トレイ14は開位置にある。
図8に示すように、記録ユニット20は、媒体Mを載置する媒体載置部21と、媒体Mを給送する給送機構50と、給送された媒体Mを搬送する搬送機構60と、媒体Mに記録する記録部70とを備える。筐体12は、給送機構50、搬送機構60及び記録部70を収容する。
図8に示す給送機構50は、媒体載置部21に載置された媒体M(図3参照)を給送する。給送機構50は、前述のホッパー26、給送ローラー51及びリタードローラー52を備える。給送ローラー51は、載置トレイ14及びホッパー26に載置された複数の媒体Mを最上位から1枚ずつ給送する。リタードローラー52は、給送ローラー51と対向する下方に位置する。また、給送機構50は、媒体載置部21に載置された媒体Mの有無を検知する媒体検出器53を有する。本例では、媒体検出器53は、ホッパー26上における媒体Mの有無を検知する。
媒体検出器53は、ホッパー26上の媒体Mに接触可能な傾動式のレバー54と、レバー54が媒体Mに接触して傾動したことを検知するセンサー(図示略)と、センサーを収容するセンサーカバー55とを備える。本例では、媒体検出器53が媒体Mを検知する検知状態にあれば、記録装置11は媒体Mの給送を許可する。媒体検出器53が媒体Mを検知していなければ、記録装置11は給送動作を許可しない。媒体検出器53のレバー54の軸が水平に延びており、軸の先端に設けられたウイングをフォトカプラーからなる光学センサー(いずれも図示略)が検知する。光学センサーは、目隠しのセンサーカバー55で覆われている。ホッパー26が上昇したときに干渉しない位置に媒体検出器53は位置する。
図8に示すように、給送ローラー51は、リタードローラー52に比べ大径なローラーであり、回転軸線に直交する面で切った断面形状がD型のローラーである。給送ローラー51の円弧面51Aの周長は、媒体載置部21上の媒体を搬送ローラー対61まで搬送するのに必要な搬送距離よりも長い値に設定されている。そのため、給送ローラー51が1回転することで一枚の媒体Mは搬送ローラー対61のニップ位置に達するまで給送される。リタードローラー52は、給送ローラー51との間にニップされた媒体Mに付与する摩擦力によって媒体Mを一枚に分離する。給送ローラー51は給送モーター(図示略)を動力源として回転駆動する。
ホッパー26は、給送方向の下流端部がZ軸に沿う高さ方向に変位可能に構成されている。ホッパー26は、給送ローラー51の回転と連動して駆動される。給送ローラー51が図8に示す待機位置から回転を開始すると、ホッパー26が上昇し媒体Mが給送ローラー51の円弧面51Aに接触することで、媒体Mは給送ローラー51により給送される。給送ローラー51とリタードローラー52とにニップされて給送される過程で媒体Mは後続の媒体Mと分離され、最上位の一枚の媒体Mのみが給送される。給送ローラー51が円弧面51Aで媒体Mを給送し終わり1回転を終えるまでに、ホッパー26は給送位置から下動し退避位置に復帰する。
図8に示すように、搬送機構60は、搬送ローラー対61と、搬送ローラー対61より搬送方向Y1の下流に配置された排出ローラー対62とを有する。また、搬送機構60は、搬送途中の媒体Mを支持する支持台63を備える。支持台63は、X軸に沿って移動する記録ヘッド71の移動経路に沿って延びる長尺状の板状部材よりなる。支持台63は、搬送経路において搬送ローラー対61と排出ローラー対62との間で、媒体Mのうち記録ヘッド71により液体が吐出される部分を支持する。記録ヘッド71は、媒体Mのうち支持台63に支持された部分に液体を吐出し、媒体Mに画像や文字を記録する。
筐体12の前部には、蓋体18を開けると露出する排出口64を有する。また、筐体12内には、給送機構50および搬送機構60よりも下方に位置する下部に、排出トレイ65が収納されている。記録部70による記録後の媒体Mは、排出口64から排出されたのち、予め外方へスライドさせた排出トレイ65に積載される。
図8に示す記録部70は、例えば、シリアル記録式であり、記録ヘッド71を搭載するキャリッジ72を有する。キャリッジ72は、移動機構73によりX軸に沿って移動可能に支持されている。記録ヘッド71は、支持台63と対向して位置する。移動機構73は、筐体12内に配置された上下一対のレール部材74と、一対のレール部材74に案内されるキャリッジ72の駆動源であるキャリッジモーター(図示略)と、キャリッジモーターの動力をキャリッジ72に伝達する動力伝達機構75とを備える。動力伝達機構75は、例えば、一対のプーリーと、一対のプーリーに掛装されたタイミングベルトとを有するベルト式動力伝達機構である。キャリッジモーターが正逆転駆動されると、キャリッジ72はX軸に沿って往復移動する。記録装置11は、記録動作中は、キャリッジ72がX軸に沿って1回移動してその移動途中で記録ヘッド71が記録を行う記録動作と、搬送機構60が、両ローラー対61,62が駆動されて媒体Mを次の記録位置まで搬送する搬送動作とを交互に行うことで媒体Mに記録する。そして、媒体Mの記録が終わると、ローラー対61,62の駆動により媒体Mを排出口64から排出する。
図8に示すように、本例のキャリッジ72は、記録ヘッド71に供給されるインク等の液体を収容するインク収容部76をその上部に搭載している。本例では、キャリッジ72に搭載されたインク収容部76にユーザーがインクボトルからインクを補充するオンキャリッジタイプである。なお、記録ヘッド71に供給されるインク等の液体が収容されたインクカートリッジやインクタンク等のインク収容部76がキャリッジとは別の位置にある装着部に装着し、チューブを通じて記録ヘッド71に液体が供給されるオフキャリッジタイプでもよい。
また、図8に示すように、読取ユニット30は、筐体12の上部に設けられ、原稿給送口32と、原稿給送口32から取り込んだ原稿Dを搬送する搬送部33と、搬送中の原稿Dを読み取る読取部34とを有する。搬送部33は、給送ローラー38と排出ローラー39とを有する。読取部34は、両ローラー38,39の間に位置し、両ローラー38,39により搬送される原稿D(図3参照)を読み取る。読み取られた原稿Dは、原稿排出口35から排出され、ガイド部36に沿って斜め上方へ案内される。
図8に示すように、筐体12内の下部には、排出トレイ65が設けられている。排出トレイ65は、ユーザーが蓋体18を開けた状態で図1に示す収納位置からスライドさせて引き出した状態で使用される。筐体12の前部に設けられている蓋体18を開けると、記録後の媒体Mを排出する排出口64と、排出口64から排出された記録後の媒体Mが積載される排出トレイ65とが露出する。なお、筐体12の前面下部には開閉式の蓋体18が設けられ、筐体12内に収納された排出トレイ65は、閉じられた蓋体18によって覆われる。
なお、給送機構50は、載置トレイ14に載置された媒体Mを給送する方式に限らず、筐体12の下部に着脱可能に収納されるカセットと、カセットに収容された媒体Mのうち最上位の一枚を送り出すピックアップローラーとを有するカセット給送方式も備えてもよい。また、筐体12の後部にロール紙を回転可能に装着できる装着部を備え、ロール紙を繰り出すことで媒体Mを給送するロール式給送機構も備えてもよい。この場合、記録装置11は、筐体12内の排出口64の近傍位置に、記録後の長尺状の媒体Mを所定サイズに切断するカッター機構を備えてもよい。
図8に示すように、記録装置11は制御部100を備える。制御部100は、記録装置11に対する記録制御を含む各種の制御を行う。制御部100には、入力系として、媒体検出器53及びリニアエンコーダー等が電気的に接続されている。制御部100は、給送モーター、搬送モーター、キャリッジモーター及び記録ヘッド71を制御する。
記録装置11は、ホスト装置(図示略)と通信可能に接続される。制御部100は、ホスト装置から記録データを受信することで、記録開始指令を受け付ける。また、制御部100は、媒体検出器53が媒体Mを検知していないときは、記録開始指令を受け付けても、給送機構50の動力源である給送モーターを駆動させない。媒体検出器53が媒体Mを検知しているときは、記録開始指令を受け付けると、給送機構50の動力源である給送モーターを駆動させる。制御部100は、給送モーターを駆動させて載置トレイ14に載置された媒体Mを給送機構50により給送する。そして、その媒体Mを搬送モーターの駆動に基づき搬送機構60が記録開始位置まで搬送する。キャリッジモーターの駆動に基づき移動するキャリッジ72の移動途中に記録ヘッド71からインク滴を吐出する記録動作と、搬送モーターの駆動に基づき搬送機構60が媒体Mを次の記録位置まで搬送する搬送動作とを交互に繰り返して、媒体Mに記録データに基づく画像を記録する。
図9に示すように、読取ユニット30から排出される原稿Dの排出方向を案内するガイド部36を備える。載置トレイ14が閉位置にある状態では、第1エッジガイド27の一部は読取ユニット30の原稿排出口35から原稿Dが排出される空間である原稿排出空間S1に配置される。詳しくは、第1エッジガイド27の延出部27Bが原稿排出空間S1に配置される。この原稿排出空間S1には、排出される原稿Dの排出方向をガイドするガイド部36が位置する。ガイド部36は幅方向に一対のエッジガイド24の移動範囲の間となる中央部に位置する。載置トレイ14が閉位置にあるとき、エッジガイド24が幅方向のどの位置にあっても、一対の第1エッジガイド27はガイド部36と接触することはない。載置トレイ14が閉位置にあるとき、第1エッジガイド27はガイド部36と幅方向に異なる位置で筐体12内に収納され(図6参照)、かつ図9に示すように幅方向にガイド部36とオーバーラップしている。
さらに、図9に示すように、載置トレイ14は、閉位置にあるとき、読取ユニット30の原稿給送口32を覆う状態に配置される。また、載置トレイ14が閉位置にあるとき、収納姿勢にある第1エッジガイド27の後方を向く端面27Cが、閉位置にある背面カバー19の板部19Aの内面と対向している。詳しくは、第1エッジガイド27の端面27Cは、背面カバー19が閉位置にあるとき、背面カバー19の内面と接触又は隙間を隔てて対向する。また、図9に示すように、載置トレイ14が閉位置にあるとき、載置トレイ14と背面カバー19とが高さ方向にオーバーラップしている。
また、図9に示すように、載置トレイ14が閉位置にあるとき、第1エッジガイド27は、搬送方向Y1の位置が給送機構50の一部と重複している。つまり、載置トレイ14が閉位置にある状態では、第1エッジガイド27は、Z軸に沿う高さ方向において給送機構50の一部とオーバーラップしている。詳しくは、載置トレイ14が閉位置にあるとき、第1エッジガイド27は、高さ方向において、給送機構50を構成するホッパー26の一部及び媒体検出器53の一部と重複している。第1エッジガイド27は、高さ方向において、媒体検出器53のレバー54及びセンサーカバー55と一部重複している。このため、第1エッジガイド27と給送機構50とを高さ方向に一部重複させない構成に比べ、筐体12の奥行き方向の寸法が短くなっている。
また、図10に示すように、載置トレイ14が開位置にあるとき、第1エッジガイド27の延出部27Bは、給送口22から上方へ延出している。図9において、原稿排出空間S1に収納できる範囲でなるべく延出部27Bを長く延ばしている。このため、載置トレイ14が開位置にあるとき、第1エッジガイド27の延出部27Bは、給送口22から上方へ長く延出している。よって、ユーザーは第1エッジガイド27の延出部27Bを持つことで、エッジガイド24を操作し易い。
図10に示すように、読取ユニット30の原稿排出口35から排出される原稿Dの排出方向先に、開位置にある載置トレイ14が位置する。つまり、原稿排出口35からほぼ水平に排出される原稿Dの水平な排出方向の延長線上には第1エッジガイド27の一部が位置する。図10に示すように、ガイド部36は、読取ユニット30の原稿排出口35から排出される原稿Dの排出方向を上方へ誘導する。つまり、読取ユニットの原稿排出口35から排出された原稿Dはガイド部36に案内されて斜め上方へ排出される。仮にガイド部36が無い構成であると、原稿排出口35から排出される原稿Dの先端部は、図10に二点鎖線で示すように自重で垂れ下がり、エッジガイド24に当たりその排出方向が幅方向にずれる。また、原稿排出口35から排出された原稿Dの先端部が下方へ湾曲していると、原稿Dが給送口22へ入り込む虞もある。これに対して、本実施形態では、原稿排出口35から排出された原稿Dがガイド部36により斜め上方へ案内されることで、原稿Dがエッジガイド24に当たって幅方向にずれることが防止されるうえ、原稿Dの先端部が下方に湾曲している場合に原稿Dが給送口22に入り込むことが防止される。
図10、図11に示すように、背面カバー19の内面には板部19Aにおける幅方向の両端部に一対のカムフォロア19Bが突設されている。カムフォロア19Bは、背面カバー19の回動先端部に相当する位置に板部19Aの面に対して斜めに延びる斜面よりなる第1カムフォロア面19Cと、第1カムフォロア面19Cよりも背面カバー19の基端寄りに位置し背面カバー19の板部19Aと略平行に延びる直状面よりなる第2カムフォロア面19Dとを有する。
図8~図11に示すように、筐体12の後部には、載置トレイ14を開位置の姿勢に配置可能とする切り欠き状の開口部12Bが設けられている。図8に示すように、開口部12Bは、筐体12の上面から下方へ筐体12の高さの半分以上の範囲に亘り切り欠かれている。開口部12Bの幅は、載置トレイ14の対応する部分である例えば載置トレイ14の基端部の幅よりも広い(図12参照)。開口部12Bは、ホッパー26の上端部よりも低い位置まで切り欠かれており、載置トレイ14を開位置に回動させた状態では、ホッパー26と載置トレイ14とが筐体12の上面よりも所定距離だけ下方の高さ位置で接続される。この所定距離は、図8に示す本例では、筐体12の高さの約1/3となっている。
図10に示すように、開位置にある載置トレイ14が開口部12Bに入り込む状態に配置されることで、筐体12の後面を相対的に前方に位置させている。例えば、筐体12の後面を開口部12Bのない構成にすると、開位置にある載置トレイ14のうち筐体12の上面よりも下方に位置する部分を筐体12内に収容できるサイズに筐体12を後方へ延ばす必要がある。本例では、開位置にある載置トレイ14を筐体12の後面に開口する開口部12Bに配置することで、筐体12の後面を相対的に前方へシフトさせている。これにより、筐体12の搬送方向Y1の寸法が短く抑えられている。
本実施形態では、給送口22は、図10に示すように、載置トレイ14が開位置にある状態において、ホッパー26及び載置トレイ14よりも上方かつガイド部36よりも下方の範囲で、筐体12の外方に向かって開放される開口部分を指す。また、開口部12Bは、図10に示すように開位置にある載置トレイ14が配置される部分であり、図9に示すように、載置トレイ14が閉位置にあって開口部12Bから抜け出た状態では、背面カバー19により覆われる。すなわち、載置トレイ14が閉位置にあるとき、給送口22が閉じられ、開口部12Bが背面カバー19で覆われる。また、載置トレイ14が開位置にあるとき、背面カバー19が後方へ退避することで開口部12Bが空き、その開口部12Bに載置トレイ14が配置されることで、給送口22が露出する。
また、図9~図11に示すように、背面カバー19は、載置トレイ14が閉じたときに連動して開口部12Bを覆う状態に閉じるとともに、載置トレイ14が開いたときに連動して後方へ開き、載置トレイ14の開口部12Bへの移動を許容する。図11に示すように、載置トレイ14が閉じて背面カバー19が閉じた状態において、第1エッジガイド27は、背面カバー19の内面と対向するとともに背面カバー19が外面から内面へ向かう方向に押されたときに当たる端面27Cを有する。つまり、載置トレイ14が閉じているとき、第1エッジガイド27の端面27Cが背面カバー19の内面に当接又は近接して位置する。このため、ユーザーが背面カバー19の板部19Aを押圧しても第1エッジガイド27の端面27Cに当たることで、背面カバー19が撓みにくい。
図12に示すように、記録装置11は、載置トレイ14の開閉操作に連動して背面カバー19を開閉させる連動機構29を有している。図12~図14に示すように、連動機構29は、載置トレイ14と背面カバー19との間に介在するカム機構81と、背面カバー19を閉方向に付勢する付勢機構87(図13参照)とを有する。カム機構81は、載置トレイ14が閉位置から開位置へ回動する過程で、付勢機構87の付勢力に抗して背面カバー19を開方向へ回動させる。なお、カム機構81の詳細な構成は後述する。
図12に示すように、筐体12内には、載置トレイ14及び背面カバー19を回動可能に支持するフレームの一例としてのベースフレーム80が設けられている。すなわち、載置トレイ14は、筐体12に収容されたベースフレーム80に回動可能に支持されている。また、背面カバー19は、ベースフレーム80に回動可能に支持されている。ベースフレーム80は、載置トレイ14が開位置にあるときに当たるとともに、背面カバー19が閉位置にあるときに当たる規制面80Aを有する。本例では、ベースフレーム80は、背面カバー19の内面における幅方向両端部に突設された一対のカムフォロア19Bが係合可能な位置に一対の規制面80Aを有している。
図13、図14に示すように、規制面80Aは、前方に向かって深さの異なる2つの面を幅方向に並んで有する段差面となっている。背面カバー19は、一対のカムフォロア19Bの第2カムフォロア面19Dが規制面80Aに当たることで閉方向の限界位置が決まる。また、図17に示すように、載置トレイ14のカム軸82が、規制面80Aに当たることで、載置トレイ14の開方向の限界位置が決まる。なお、規制面80Aは、段差面に替え、1つの平坦面でもよい。
図13に示すように、閉位置にあるときの載置トレイ14の後端面は、閉位置にある背面カバー19の外面と面一となっている。図13、図14に示すように、ベースフレーム80には、載置トレイ14を回動可能に支持する回動軸83が設けられている。載置トレイ14の回動軸83は、背面カバー19よりも媒体Mの搬送方向Y1に下流に位置する。回動軸83は、載置トレイ14を閉位置から開位置へ回動させたとき、図10に示すように、その載置面14Aのうち一対の第1エッジガイド27の間に位置する面部がホッパー26と真っ直ぐ接続されるように位置設定されている。そのため、回動軸83は、図13、図14に示すように、閉位置にあるときの載置トレイ14の後端部よりも下方かつ前方に位置している。また、図13、図14に示すように、ベースフレーム80には、背面カバー19を回動可能に支持する回動軸84が設けられている。背面カバー19は、その基端部に位置する回動軸84を中心に回動する。載置トレイ14の回動軸83は、搬送方向Y1において背面カバー19の回動軸84よりも下流に位置する。
図13に示すように、付勢機構87は、背面カバー19を閉方向に付勢するねじりばね85を有する。給送機構50が媒体Mを記録部70に向かって搬送する搬送方向Y1において、ねじりばね85を支持する支軸86は、背面カバー19の回動軸84よりも下流に位置する。ねじりばね85は、支軸86に支持されており、その一端部85Aを掛止部80Bに掛止され、他端部85Bが掛止部80Cに掛止されている。背面カバー19が閉位置から開方向に回動すると、ねじりばね85はその他端部85Bが自身の弾性力に抗して変形することで、背面カバー19を閉方向に付勢する。
図13、図15~図17に示すように、記録装置11は、載置トレイ14の回動に応じて背面カバー19を連動して回動させるカム機構81を有する。カム機構81は、載置トレイ14が有する第1カムの一例としてのカム軸82及び第2カムの一例としてのカム面14Bと、背面カバー19が有するカムフォロア19Bとを有する。カム面14Bは、載置トレイ14の基端部における最大幅の媒体Mの載置領域よりも外方に位置する外周面よりなる。載置トレイ14には幅方向両端部にカム軸82及びカム面14Bが一対ずつ設けられている。カムフォロア19Bは、カム軸82およびカム面14Bと係合可能な位置で背面カバー19の内面に突設されている。本例では、背面カバー19の内面における幅方向両端部に、一対のカムフォロア19Bが突設されている。載置トレイ14を閉位置と開位置との間で回動させるときに、カム軸82及びカム面14Bはカムフォロア19Bと係合する。
載置トレイ14は、カム軸82がカムフォロア19Bと係合することで背面カバー19を閉位置から所定開き角まで回動させる第1回動範囲RA1と、カム面14Bがカムフォロア19Bと係合することで背面カバー19を所定開き角の位置と開位置との間で回動させる第2回動範囲RA2とを備える。詳しくは、図15に示すように、第1回動範囲RA1は、載置トレイ14が閉位置又は閉位置よりも少し開いた係合開始位置と所定開き角θ1の位置との間で回動する回動範囲である。第1回動範囲RA1では、カム軸82は背面カバー19の第1カムフォロア面19Cと係合することで、背面カバー19を閉位置と所定開き角θ2(図16参照)の位置との間で回動させる。また、図17に示すように、第2回動範囲RA2は、載置トレイ14が所定開き角θ1の位置(図17では二点鎖線の位置)と開位置との間を回動する回動範囲である。第2回動範囲RA2では、カム面14Bが背面カバー19の第1カムフォロア面19C及び第2カムフォロア面19Dと順次係合することで、背面カバー19を所定開き角θ2(図16参照)の位置と開位置との間で回動させる。載置トレイ14は、カム軸82とカム面14Bとのそれぞれがカムフォロア19Bと順次係合する二段階で、背面カバー19を回動させる。
図15は、載置トレイ14が第1回動範囲RA1内の所定角度(例えば10度)に開いた状態を示す。ここで、載置トレイ14が水平姿勢となる閉位置にあるときを角度0度とし、角度0度から開方向へ回動するに連れて開き角が大きくなる。載置トレイ14が閉位置から第1開き角θ1に至るまでが第1回動範囲RA1、第1開き角θ1から第2開き角を経て開位置の第3開き角に至るまでが第2回動範囲RA2となっている。
図15に示すように、第1回動範囲RA1では、カム軸82が第1カムフォロア面19Cと係合して第1カムフォロア面19Cを押すことで背面カバー19は閉位置から開き方向へ回動する。第1カムフォロア面19Cは、載置トレイ14が回動軸83を中心に回動するときにカム軸82が描く移動軌跡となるべく直交する面となるように背面カバー19の背面(板部19Aの面)に対して傾斜した斜面よりなる。このため、カムフォロア19Bを背面カバー19の内面に突設させても、カム軸82が第1カムフォロア面19Cをほぼ直交する方向に押すことで、背面カバー19に閉位置から開くことができる向きの力を伝えることができる。
図16は、載置トレイ14が第1開き角θ1にある状態を示す。載置トレイ14が第1開き角θ1に達すると、カムフォロア19Bの係合相手がカム軸82からカム面14Bへ切り替わる。本例では、第1開き角θ1は、例えば20度~60度の範囲内の所定角度に設定されている。図16では、第1開き角θ1が約40度の例を示す。なお、第1開き角θ1は、閉位置と開位置との間の回動範囲内で任意の値に設定してもよい。
図17は、載置トレイ14が開位置にある状態を示す。本例では載置トレイ14が開位置にあるときの開き角は、例えば100度~160度の範囲内の所定値である。図17では、開位置の開き角が約125度の例を示す。なお、載置トレイ14が開位置にあるときの開き角は、媒体Mを載置トレイ14に載置できかつ載置トレイ14からホッパー26へ自重で媒体Mが滑り落ちることが可能な角度が好ましい。
図16に示す第1開き角θ1と図17に示す開位置にあるときの第3開き角との間で載置トレイ14が回動する範囲が第2回動範囲RA2である。第2回動範囲RA2では、カム面14Bが第1カムフォロア面19Cに係合して第1カムフォロア面19Cを押すことで背面カバー19を回動させる回動範囲(図16参照)と、カム面14Bが第2カムフォロア面19Dに係合して第2カムフォロア面19Dを押すことで背面カバー19を回動させる回動範囲(図17参照)とを含む。載置トレイ14が第2回動範囲RA2内で第2開き角に達すると、カム面14Bの係合相手が第1カムフォロア面19Cから第2カムフォロア面19Dに切り替わる。
次に、記録装置11の作用について説明する。
記録装置11の不使用時は、図1、図2に示すように、載置トレイ14が閉じられている。このとき、載置トレイ14によって、記録ユニット20の給送口22と、読取ユニット30の原稿給送口32及び原稿排出口35とが覆われている。このため、給送口22、原稿給送口32及び原稿排出口35に塵埃が侵入しにくい。また、載置トレイ14が筐体12の上面に重なる水平姿勢に収納されるので、載置トレイ14が邪魔にならない。このため、不使用時に記録装置11をコンパクトに収納できる。なお、記録ユニット20の排出口64は、閉じた蓋体18によって覆われるため、排出口64からの塵埃の侵入も抑制される。
記録装置11を使用するとき、ユーザーは載置トレイ14を閉位置から開位置へ回動させる。この載置トレイ14の回動に連動して背面カバー19が閉位置から開位置へ回動する。背面カバー19が開位置へ退避することで、載置トレイ14はその基端部が筐体12の背面に切り欠かれた開口部12Bを通って下降しながら開方向へ回動する。この結果、載置トレイ14は、図3、図4に示す所定角度に後傾した開位置に配置される。この開位置では、載置トレイ14の基端部が、開口部12Bに収まる状態で筐体12内の後部空間RSに配置される。
このとき、載置トレイ14の回動操作に応じてカム機構81を介して背面カバー19が連動して開く。図15に示すように、載置トレイ14を閉位置又は係合開始位置から所定開き角θ1の位置まで回動させる第1回動範囲RA1では、カム軸82が第1カムフォロア面19Cと係合することで、背面カバー19は閉位置から所定開き角θ2の位置まで回動する。また、図16、図17に示すように、載置トレイ14を所定開き角θ1の位置から開位置まで回動させる第2回動範囲RA2では、カム面14Bが背面カバー19の第1カムフォロア面19C及び第2カムフォロア面19Dと順次係合することで、背面カバー19は所定開き角θ2の位置から開位置まで回動する。このように載置トレイ14を開き方向に回動操作するとき、カム軸82とカム面14Bとのそれぞれがカムフォロア19Bと順次係合する二段階で、背面カバー19が開方向へ回動する。
このため、背面カバー19の内面に突設させたカムフォロア19Bが、載置トレイ14の下方に位置しても、カム軸82とカム面14Bとを順次カムフォロア19Bに係合させることで、背面カバー19を開方向へ回動させることができる。このため、カムフォロア19Bを、閉位置にある載置トレイ14の後方に位置させた状態に背面カバー19の後方へ配置せずに済み、記録装置11の搬送方向Y1の小型化に寄与する。
また、この載置トレイ14の開方向への回動操作により、第1エッジガイド27が第2エッジガイド28に対して図9に示す屈曲状態に収納される相対角度から回動することで、図10に示す使用時の真っ直ぐ延びた相対角度に配置される。第1エッジガイド27は、図9に示す収納状態の下で原稿排出空間S1に収納できる範囲でなるべく長く延ばした延出部27Bを有する。このため、図8、図10に示すように、載置トレイ14を開けた状態では、第1エッジガイド27の延出部27Bが給送口22から斜め上方へ長く延出する。ユーザーは、載置トレイ14に媒体Mを載置した後、その媒体Mを幅方向に位置決めするために第1エッジガイド27の延出部27Bを持ってエッジガイド24を操作する。
ユーザーが第1エッジガイド27を操作するときに、負荷部44によって抵抗負荷を受ける。負荷部44は、第1エッジガイド27と共通の載置トレイ14に設けられているので、ユーザーが第1エッジガイド27を持って操作するときにその操作方向と交差する方向に離れた位置にある荷重を移動させようとする「こじり」が発生しない。すなわち、本実施形態では、第1エッジガイド27と負荷部44との給送方向における距離が、負荷部がホッパー26に設けられた構成に比べ短くなっている。このため、第1エッジガイド27を操作するときにこじる操作とならない。
ユーザーは、筐体12の前部にある蓋体18を開けて、排出トレイ65を引き出す。ユーザーは、ホスト装置(図示略)のキーボード又はマウス等のポインティングデバイス(いずれも図示略)を操作すると、ホスト装置から記録データが記録装置11に送信される。
制御部100は、受信した記録データに基づき給送モーター及び搬送モーターを駆動し、載置トレイ14に載置された媒体Mを記録開始位置まで搬送する。このとき、ホッパー26が退避位置から給送位置へ傾動し、給送ローラー51が回転することで、ホッパー26上の最上位の一枚の媒体Mが給送ローラー51とリタードローラー52とに挟まれた状態で給送される。次にキャリッジ72が1回移動してその移動過程で記録ヘッド71が媒体Mに1パス分の記録をする記録動作と、搬送ローラー対61と排出ローラー対62とが媒体Mを次の記録位置まで搬送する搬送動作とが交互に行われることで、媒体Mに画像が記録される。媒体Mへの記録が終わると、搬送ローラー対61と排出ローラー対62とによって記録後の媒体Mは排出口64から排出され、排出トレイ65上に載置される。
媒体Mの給送時および記録中の搬送時に、媒体Mが幅方向の力を受けても、一対のエッジガイド24には負荷部44に基づく負荷が与えられているため、一対のエッジガイド24の位置ずれを回避できる。このため、記録開始から記録終了までに亘り、媒体Mは一対のエッジガイド24で幅方向に位置決めした位置に保持される。この結果、記録中に媒体Mの幅方向の位置ずれに起因する記録ずれを防止できる。
また、記録装置11の読取ユニット30を用いて原稿Dのスキャン又はコピーを行うとき、ユーザーは載置トレイ14を閉位置から開位置へ回動させる。ユーザーは原稿Dを原稿載置部31に載置してエッジガイド37を用いて原稿Dを幅方向に位置決めする。ユーザーは、スキャン又はコピーを指示する操作を行う。制御部100は、スキャン又はコピーの指示を受け付けると、読取ユニット30を駆動させる。すなわち、制御部100は、搬送部33を駆動させて原稿Dを搬送するとともに、搬送中の原稿Dを読取部34により読み取る。
読み取られた後の原稿Dは、原稿排出口35から排出される。読取ユニット30の原稿排出口35から排出される原稿Dの排出方向先に、後傾姿勢に配置された載置トレイ14が位置する。原稿排出口35からほぼ水平に排出される原稿Dの水平な排出方向の延長線上のやや下方に第1エッジガイド27の上端部が位置する。読取ユニットの原稿排出口35から排出された原稿Dはガイド部36に案内されて斜め上方へ誘導される。仮にガイド部36が無い構成であると、原稿排出口35から排出される原稿Dの先端部は、図10に二点鎖線で示すように自重で垂れ下がり、エッジガイド24に当たりその排出方向が幅方向にずれる。また、原稿排出口35から排出された原稿Dの先端部が下方へ湾曲していると、原稿Dが給送口22へ入り込む虞もある。しかし、本実施形態では、原稿排出口35から排出された原稿Dがガイド部36により斜め上方へ誘導されるため、原稿Dがエッジガイド24に当たって幅方向にずれたり、原稿Dが給送口22に入り込んだりする不都合が防止される。
ユーザーがスキャン指示をした場合、制御部100は、読取部34が原稿Dを読み取った読取データをホスト装置に転送する。また、ユーザーがコピー指示をした場合、制御部100は、読取部34が原稿Dを読み取った読取データを基づく記録を記録ユニット20に行わせる。コピー記録後の媒体Mは、排出口64から排出され、排出トレイ65上に積載される。
記録装置11を使用し終わると、ユーザーは載置トレイ14を図3、図4に示す開位置から図1、図2に示す閉位置へ回動させて収納する。このとき、付勢機構87により閉方向に付勢された背面カバー19は、載置トレイ14の閉方向への回動操作に連動して開位置から閉位置へ回動し、開口部12Bを覆う状態に閉じる。このため、記録装置11の不使用時に開口部12Bから筐体12内への塵埃の侵入が防止される。
以上、詳述したように、第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)記録装置11は、媒体Mを載置する媒体載置部21と、媒体載置部21に載置される媒体Mを給送する給送機構50と、給送機構50により給送された媒体Mに記録する記録部70とを備える。給送機構50は、給送ローラー51と、媒体載置部21に載置された媒体Mを載置可能に設けられ、媒体Mを給送ローラー51に接触させる給送位置と給送ローラー51から離間させる退避位置とに揺動可能なホッパー26とを備える。媒体載置部21は、給送機構50の給送口22を覆う閉位置と、ホッパー26と共に媒体Mを載置可能な開位置との間で回動可能な載置トレイ14を備える。また、媒体載置部21は、第1エッジガイド27と、第2エッジガイド28とを備える。第1エッジガイド27は、載置トレイ14に媒体Mの幅方向に移動可能に設けられ、載置トレイ14に載置された媒体Mを幅方向に位置決めする。第2エッジガイド28は、ホッパー26に設けられ、第1エッジガイド27と共に幅方向に移動可能かつ載置トレイ14の回動に応じて第1エッジガイド27との相対回動が可能な状態で第1エッジガイド27と係合している。さらに、媒体載置部21は、載置トレイ14に設けられ、第1エッジガイド27に移動抵抗となる負荷を与える負荷部44を備える。
よって、載置トレイ14を閉位置から開位置へ回動すると、載置トレイ14は媒体Mを載置可能な姿勢に配置される。載置トレイ14に設けられた第1エッジガイド27は、ホッパー26に設けられた第2エッジガイド28に対して相対回動し、第2エッジガイド28よりも給送方向の上流に配置される。よって、ユーザーは第1エッジガイド27を操作し易い。また、載置トレイ14が閉位置にある状態では、載置トレイ14が給送口22を覆うため、給送口22に塵埃が侵入しにくい。さらに、第1エッジガイド27と負荷部44とが共に載置トレイ14に設けられ、第1エッジガイド27と負荷部44との給送方向における距離が、負荷部44がホッパー26に設けられる構成に比べ短くできる。このため、ユーザーが第1エッジガイド27を操作するときに、こじる操作となりにくい。よって、第1エッジガイド27の操作性がよくなる。よって、記録装置11を不使用時にコンパクトに収納できるとともに搬送方向Y1に小型化でき、使用時には媒体を幅方向に位置決めする操作がし易い。そのうえ、不使用時に給送口22への塵埃の侵入を回避できる。
(2)記録装置11は、媒体Mを載置する媒体載置部21と、媒体載置部21に載置される媒体Mを給送する給送機構50と、給送機構50により給送された媒体Mに記録する記録部70と、給送機構50及び記録部70を収容する筐体12とを備える。また、記録装置11は、筐体12の上部に設けられ、原稿給送口32と、原稿給送口32から原稿Dを取り込んで搬送する搬送部33と、搬送中の原稿Dを読み取る読取部34とを有する読取ユニット30を備える。給送機構50は、給送ローラー51と、媒体載置部21に載置された媒体Mを載置可能に設けられ、媒体Mを給送ローラー51に接触させる給送位置と給送ローラー51から離間させる退避位置とに揺動可能なホッパー26とを有する。また、媒体載置部21は、載置トレイ14と、第1エッジガイド27と、第2エッジガイド28とを有する。載置トレイ14は、給送機構50の給送口22を覆う状態に収納される閉位置と、媒体Mを載置可能な後傾姿勢となる開位置との間で回動可能に設けられる。第1エッジガイド27は、載置トレイ14に媒体Mの幅方向に移動可能に設けられ、載置トレイ14に載置された媒体Mを幅方向に位置決めする。第2エッジガイド28は、ホッパー26に設けられ、第1エッジガイド27と共に幅方向に移動可能かつ第1エッジガイド27との相対回動が可能な状態で第1エッジガイド27と係合する。載置トレイ14は、閉位置にあるとき、読取ユニット30の原稿給送口32を覆う状態に配置される。
よって、載置トレイ14が閉位置にあるとき、給送口22と原稿給送口32は載置トレイ14により覆われるので、給送口22と原稿給送口32とに塵埃が侵入することを抑制できる。また、載置トレイ14が閉位置にあるとき、第1エッジガイド27と第2エッジガイド28とが相対回動して収納されるので、記録装置11を搬送方向Y1に小型化できる。また、載置トレイ14が開位置にあるとき、第2エッジガイド28に対して回動した第1エッジガイド27が収納時よりも給送方向の上流に位置するので、ユーザーが第1エッジガイド27を操作し易い。よって、記録装置11を不使用時にコンパクトに収納できるとともに搬送方向Y1に装置サイズを小型化でき、使用時には媒体Mを幅方向に位置決めする操作がし易い。そのうえ、不使用時に給送口22及び原稿給送口32への塵埃の侵入を回避できる。
(3)載置トレイ14が閉位置にある状態では、第1エッジガイド27と給送機構50とは、高さ方向に一部がオーバーラップしている。よって、記録装置11を搬送方向Y1(奥行き方向)に小型化できる。なお、本例では、給送機構50には、ホッパー26と媒体検出器53とが含まれる。載置トレイ14が閉位置にある状態において、第1エッジガイド27は、ホッパー26及び媒体検出器53と高さ方向に一部オーバーラップする。
(4)負荷部44が載置トレイ14に設けられるとともに、閉位置に配置された載置トレイ14によって読取ユニット30の原稿給送口32が覆われる。よって、ユーザーが第1エッジガイド27を操作するときのこじりを低減できるうえ、載置トレイ14が閉位置に収納された状態で、給送口22及び原稿給送口32への塵埃の侵入を防止できる。
(6)筐体12の後部には、載置トレイ14を開位置の姿勢に配置可能とする切り欠き状の開口部12Bが設けられる。載置トレイ14が閉じたときに開口部12Bを覆う閉位置に移動するとともに、載置トレイ14が開いたときに載置トレイ14とともに変位して開口部12Bを開ける開位置に移動する背面カバー19を備える。背面カバー19が閉位置にあるとき、第1エッジガイド27は、背面カバー19の内面と接触又は隙間を隔てて対向する端面27Cを有する。つまり、端面27Cは、背面カバー19の内面と対向するとともに背面カバー19が外面から押されたときに当たる。よって、載置トレイ14が閉位置にあるとき、ユーザーが、閉じた状態の背面カバー19の外面を押しても背面カバー19の内面が第1エッジガイド27の端面27Cに当たることで、背面カバー19の撓みを抑制できる。このため、背面カバー19の強度を高めるために設けられるリブを薄くしたり無くしたりして、背面カバー19を薄型化できる。よって、記録装置11を搬送方向Y1(奥行き方向)に小型化できる。
(7)記録装置11は、背面カバー19を回動可能に支持する回動軸84と、背面カバー19を閉方向に付勢するねじりばね85とを有する。給送機構50が媒体Mを記録部70に向かって搬送する搬送方向Y1において、ねじりばね85を支持する支軸86は、背面カバー19の回動軸84よりも下流に位置する。よって、ねじりばね85を収納する筐体12の搬送方向Y1の寸法を短くして、記録装置11を搬送方向Y1に小型化できる。
(8)載置トレイ14の回動に応じて背面カバー19を連動して回動させるカム機構81を有する。カム機構81は、載置トレイ14が有するカム軸82及びカム面14Bと、背面カバー19が有するカムフォロア19Bとを備える。載置トレイ14は、カム軸82がカムフォロア19Bと係合することで背面カバー19を閉位置と所定開き角の位置との間で回動させる第1回動範囲RA1と、カム面14Bがカムフォロア19Bと係合することで背面カバー19を所定開き角の位置と開位置との間で回動させる第2回動範囲RA2との二段階で背面カバー19を回動させる。ここで、載置トレイ14の回動に連動して背面カバー19を1つのカム部で回動させる構成にしようとすると、載置トレイ14の回動軸83から後方へカム部の位置までの距離を大きく取る必要がある。これに対して、2種類のカム部(カム軸82部とカム面14B)を用いて載置トレイ14を二段階で回動させる構成にすることで、載置トレイ14の回動軸83に対する後方への距離が短い位置に2種類のカム部を配置できる。よって、載置トレイ14のスムーズな回動を確保しつつ記録装置11を搬送方向Y1(奥行き方向)に小型化できる。
(9)カム面14Bは、載置トレイ14の基端部における最大幅の媒体Mの載置領域よりも外方に位置する外周面である。カムフォロア19Bは、外周面よりなるカム面14Bと係合可能な位置で背面カバー19の内面に突設されている。よって、専用のカム部を設ける必要がないので、構成が簡単で済むうえ、記録装置11を搬送方向Y1(奥行き方向)に小型化できる。
(10)載置トレイ14は、筐体12に収容されたベースフレーム80に回動可能に支持される。背面カバー19は、ベースフレーム80に回動可能に支持される。ベースフレーム80は、載置トレイ14が開位置にあるときに当たるとともに、背面カバー19が閉位置にあるときに当たる規制面80Aを有する。よって、載置トレイ14と背面カバー19は共通のベースフレーム80の規制面80Aに当たる。これにより、載置トレイ14は開方向の限界位置に位置決めされ、背面カバー19は閉方向の限界位置に位置決めされる。このため、筐体12に規制面を設けた構成に比べ、載置トレイ14が開位置に配置されたときの位置精度および背面カバー19が閉位置に配置されたときの位置精度が高くなる。また、載置トレイ14の開方向の限界位置を決める規制面80Aが、背面カバー19の閉方向の限界位置を決める規制面80Aを兼ねるので、別々の規制面を設ける構成に比べスペース的に有利である。
(11)読取ユニット30の原稿排出口35から排出される原稿Dの排出方向先に、開位置にある載置トレイ14が位置する。記録装置11は、読取ユニット30の原稿排出口35から排出される原稿Dの排出方向を上方へ誘導するガイド部36を備える。よって、読取ユニット30の原稿排出口35から排出される原稿Dがガイド部36によって上方へ誘導されるので、排出された原稿Dと第1エッジガイド27との接触を回避できる。
(12)載置トレイ14が閉位置にあるとき、第1エッジガイド27はガイド部36と幅方向に異なる位置にかつ幅方向にガイド部36とオーバーラップする状態に収納される。よって、第1エッジガイド27がガイド部36と搬送方向の位置が一部同じになるように筐体12内に収納される。よって、記録装置11を搬送方向に短くすることができるうえ、載置トレイ14を開いたときに、第1エッジガイド27が給送口22から上方へ延びる延出長さを長く確保できる。
(13)読取ユニット30は、給送口22と原稿給送口32とが互いの幅中心が一致するように筐体12に対する幅方向の位置が設定されている。載置トレイ14は閉位置にあるとき、給送口22と原稿給送口32を共に覆う状態で収納される。よって、給送口22と読取ユニット30との両方を覆うことができる載置トレイ14の幅寸法を短く抑えることができる。載置トレイ14を開けたときに幅方向のサイズが大きくなり過ぎず邪魔にならない。
(14)筐体12は、搬送方向Y1の上流に位置する1つの側面(背面)に、開位置にある載置トレイ14が収まる切り欠き状の開口部12Bを有する。背面カバー19は、載置トレイ14と連動して移動し、載置トレイ14が閉じたときに開口部12Bを覆う閉位置と、載置トレイ14が開いたときに載置トレイ14の開口部12Bに収まる回動を妨げない開位置との間を移動する。載置トレイ14が閉位置にあるときは、載置トレイ14が給送口22及び原稿給送口32を覆うとともに、背面カバー19が筐体12の開口部12Bを覆う。このため、記録装置11の不使用時に、給送口22、原稿給送口32及び開口部12Bから塵埃が侵入する心配がない。例えば、筐体12に開口部12Bを設けない場合、開位置にあるときの載置トレイ14における筐体12の上面よりも下方に位置する部分が筐体内に収容されるように、筐体12の搬送方向Y1のサイズを大きくする必要がある。これに対して、本実施形態では、載置トレイ14が開口部12Bに収まる構成なので、筐体12の背面を相対的に搬送方向Y1の下流に位置させることができる。よって、筐体12内への塵埃の侵入を抑制しつつ記録装置11の搬送方向Y1のサイズを小型化できる。
(15)載置トレイ14の回動軸83は、搬送方向Y1において背面カバー19の回動軸84よりも下流に位置する。よって、背面カバー19を閉じたときに、載置トレイ14の回動軸83が邪魔にならないので、背面カバー19を相対的に搬送方向Y1の下流に寄せて位置させることができる。例えば、背面カバー19の内面の幅方向両端部にカムフォロア19Bを突設した割に、背面カバー19を搬送方向Y1の下流に寄せて位置させることができる。したがって、記録装置11を搬送方向Y1に小型化できる。
(16)載置トレイ14が閉位置にあるとき、載置トレイ14と背面カバー19とが高さ方向にオーバーラップしている。よって、背面カバー19は、閉位置にある載置トレイ14の下方に一部オーバーラップする位置まで閉じるので、記録装置11を搬送方向Y1に小型化できる。
なお、上記実施形態は以下に示す変更例のような形態に変更することもできる。さらに、上記実施形態および以下に示す変更例を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできるし、以下に示す変更例同士を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできる。
・背面カバー19は、下端を回動軸として回動する構成に限定されない。図18に示すように、背面カバー19は、上端部を回動軸として回動する構成でもよい。図18に示す構成では、載置トレイ14が閉位置にある状態では背面カバー19が前記実施形態と同様に開口部12Bを覆う。載置トレイ14の開閉に連動して背面カバー19を開閉させるカム機構(図示略)を有している。カム機構は、カム及びカムフォロアを有する。載置トレイ14が閉位置から開位置へ回動する過程で、載置トレイ14の後端部のカム部と係合するカムフォロア面が押され、載置トレイ14の回動と共に背面カバー19は下降する。背面カバー19の下降過程で、背面カバー19は不図示の斜状のカム面に沿って移動することでその下端を後方へ変位させた下開きの姿勢角に傾動する。背面カバー19は閉方向にばね(図示略)で付勢されている。この記録装置11のように背面カバー19が下方へ変位して開口部12Bを開ける構成でも、載置トレイ14の回動に連動して背面カバー19を開閉させることができるので、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。背面カバー19は、載置トレイ14が開位置にあるとき下開きの姿勢をとるので、背面カバー19が開位置から閉位置へ戻るときに背面カバー19の自重が閉位置へ回動する力となる自重アシストがある。このため、背面カバー19を閉方向に付勢するねじりばね等のばねを小型又は不要にすることができる。
・背面カバーを閉方向に付勢するばねは、ねじりばねに限らず、引っ張りばね又は圧縮ばねでもよい。
・カム機構81は、1種類のカム部とカムフォロアとの係合により一段階で回動させるものでもよい。例えばカム軸82のみを用いてもよいし、カム面14Bのみを用いてもよい。
・負荷部44は、連動機構25の構成部材のうち噛合する部材の1つを他の部材に押圧する押圧部材に押圧力を与える弾性部材は、ばねに替え、ゴムでもよい。
・連動機構25の構成部材のうちエッジガイド24を移動させるときに摺動する部材の一方にノッチを設け、ノッチによる摺動抵抗により負荷を付与する負荷部でもよい。
・読取ユニット30を備えない記録装置11とし、閉位置にある載置トレイ14により給送口22のみ覆う構成でもよい。
・一対のエッジガイド24を連動して移動させることで媒体Mをセンターに位置決めする構成に替え、1つのエッジガイドが移動可能で、媒体Mを幅方向の片側の基準面に寄せて位置決めする構成でもよい。
・媒体Mは、用紙に限定されず、合成樹脂製のフィルムやシート、布、不織布、合成樹脂と金属の複合体フィルム(ラミネートシート)、金属箔、セラミックシートなどでもよい。
・記録装置11は、インクジェット方式プリンターに限定されず、インクジェット方式の捺染装置でもよい。また、記録装置11は、ドットインパクト記録方式でもよい。また、記録装置11は、シリアルプリンターに限定されず、ラテラル式プリンターやラインプリンター、ページプリンターでもよい。
以下、前記実施形態及び変更例から把握される技術思想を効果と共に記載する。
記録装置は、媒体を載置する媒体載置部と、前記媒体載置部に載置される媒体を給送する給送機構と、前記給送機構により給送された媒体に記録する記録部と、を備える記録装置であって、前記給送機構は、給送ローラーと、前記媒体載置部に載置された前記媒体を載置可能に設けられ、当該媒体を前記給送ローラーに接触させる給送位置と前記給送ローラーから離間させる退避位置とに揺動可能なホッパーと、を有し、前記媒体載置部は、前記給送機構の給送口を覆う閉位置と、前記ホッパーと共に前記媒体を載置可能な開位置との間で回動可能に設けられた載置トレイと、前記載置トレイに媒体の幅方向に移動可能に設けられ、当該載置トレイに載置された媒体を幅方向に位置決めする第1エッジガイドと、前記ホッパーに設けられ、前記第1エッジガイドと共に前記幅方向に移動可能かつ前記載置トレイの回動に応じて前記第1エッジガイドとの相対回動が可能な状態で前記第1エッジガイドと係合する第2エッジガイドと、前記載置トレイに設けられ、前記第1エッジガイドに移動抵抗となる負荷を与える負荷部と、を有する。
この構成によれば、載置トレイを閉位置から開位置へ回動すると、載置トレイは媒体を載置可能な姿勢に配置される。載置トレイに設けられた第1エッジガイドは、ホッパーに設けられた第2エッジガイドに対して相対回動し、第2エッジガイドよりも給送方向の上流に配置される。よって、ユーザーは第1エッジガイドを操作し易い。また、載置トレイが閉位置にある状態では、載置トレイが給送口を覆うため、給送口に塵埃が侵入しにくい。さらに、第1エッジガイドと負荷部とが共に載置トレイに設けられ、第1エッジガイドと負荷部との給送方向における距離が、負荷部がホッパーに設けられる構成に比べ短くできる。このため、第1エッジガイドをユーザーが操作するときに、こじる操作となりにくい。よって、第1エッジガイドの操作性がよくなる。したがって、記録装置を不使用時にコンパクトに収納できるとともに媒体搬送方向に装置サイズを小型化でき、使用時には媒体を幅方向に位置決めする操作がし易い。そのうえ、不使用時に給送口への塵埃の侵入を回避できる。
記録装置は、媒体を載置する媒体載置部と、前記媒体載置部に載置される媒体を給送する給送機構と、前記給送機構により給送された媒体に記録する記録部と、を備える記録装置であって、前記給送機構及び前記記録部を収容する筐体と、前記筐体の上部に設けられ、原稿給送口と、前記原稿給送口から取り込んだ原稿を搬送する搬送部と、搬送中の原稿を読み取る読取部とを有する読取ユニットとを備え、前記給送機構は、給送ローラーと、前記媒体載置部に載置された前記媒体を載置可能に設けられ、前記媒体を前記給送ローラーに接触させる給送位置と前記給送ローラーから離間させる退避位置とに揺動可能なホッパーと、を有し、前記媒体載置部は、前記給送機構の給送口を覆う閉位置と、前記ホッパーと共に前記媒体を載置可能な開位置との間で回動可能に設けられる載置トレイと、前記載置トレイに媒体の幅方向に移動可能に設けられ、当該載置トレイに載置された前記媒体を前記幅方向に位置決めする第1エッジガイドと、前記ホッパーに設けられ、前記第1エッジガイドと共に前記幅方向に移動可能かつ記載置トレイの回動に応じて前記第1エッジガイドとの相対回動が可能な状態で前記第1エッジガイドと係合する第2エッジガイドとを有し、前記載置トレイは、前記閉位置にあるとき、前記読取ユニットの前記原稿給送口を覆う状態に配置される。
この構成によれば、載置トレイが閉位置にあるとき、給送口と原稿給送口とが載置トレイにより覆われるので、給送口と原稿給送口とに塵埃が侵入することを抑制できる。また、載置トレイが閉位置にあるとき、第1エッジガイドと第2エッジガイドとが相対回動して収納されるので、記録装置を媒体の搬送方向に小型化できる。また、載置トレイが開位置にあるとき、第2エッジガイドに対して回動した第1エッジガイドが収納時よりも給送方向の上流に位置するので、ユーザーが第1エッジガイドを操作し易い。よって、記録装置を不使用時にコンパクトに収納できるとともに媒体搬送方向に装置サイズを小型化でき、使用時には媒体を幅方向に位置決めする操作がし易い。そのうえ、不使用時に給送口及び原稿給送口への塵埃の侵入を回避できる。
上記記録装置において、前記載置トレイが閉位置にある状態では、前記第1エッジガイドと前記給送機構とは、高さ方向に一部がオーバーラップしていてもよい。
この構成によれば、記録装置を媒体の搬送方向(奥行き方向)に小型化できる。
上記記録装置において、前記給送機構及び前記記録部を収容する筐体と、前記筐体の上部に設けられ、原稿給送口と、前記原稿給送口から取り込んだ原稿を搬送する搬送部と、搬送中の前記原稿を読み取る読取部とを有する読取ユニットと、を備え、前記載置トレイは、前記閉位置にあるとき、前記読取ユニットの前記原稿給送口を覆う状態に配置されてもよい。
この構成によれば、読取ユニットの原稿給送口が、閉位置に配置された載置トレイにより覆われるので、原稿給送口に塵埃が入ることを防止できる。
上記記録装置において、前記載置トレイには、前記第1エッジガイドに移動抵抗となる負荷を与える負荷部が設けられてもよい。
この構成によれば、第1エッジガイドと負荷部とが共通の載置トレイに設けられているので、第1エッジガイドの移動方向と交差する方向における第1エッジガイドと負荷部との距離が、負荷部がホッパーに設けられる構成に比べ短く済む。ユーザーが第1エッジガイドを操作するときに負荷部による負荷が働いても、第1エッジガイドをこじる操作となりにくい。よって、第1エッジガイドを操作し易い。
上記記録装置において、前記筐体の後部には、前記載置トレイを開位置の姿勢に配置可能とする切り欠き状の開口部が設けられ、前記載置トレイが閉じたときに前記開口部を覆う閉位置に移動するとともに、前記載置トレイが開いたときに前記載置トレイとともに変位して前記開口部を開ける開位置に移動するカバーを備え、前記カバーが閉位置にあるとき、前記第1エッジガイドは、前記カバーの内面と接触又は当該内面と隙間を隔てて対向する端面を有してもよい。
この構成によれば、載置トレイが閉位置にあるとき、ユーザーが、閉じた状態のカバーの外面を押してもカバーの内面が第1エッジガイドの端面に当たることで、カバーの撓みを抑制できる。よって、カバーを外面から押したときの強度を高めるために設けられるリブを薄くしたり無くしたりして、カバーを薄型化できる。カバーの薄型化によって記録装置を媒体搬送方向に小型化できる。
上記記録装置において、前記カバーを回動可能に支持する回動軸と、前記カバーを閉方向に付勢するねじりばねと、を有し、前記給送機構が前記媒体を前記記録部に向かって搬送する搬送方向において、前記ねじりばねを支持する支軸は、前記カバーの前記回動軸よりも下流に位置してもよい。
この構成によれば、筐体の媒体搬送方向の寸法を短くして記録装置を小型化できる。
上記記録装置において、前記載置トレイの回動に応じて前記カバーを連動して回動させるカム機構を有し、前記カム機構は、前記載置トレイが有する第1カム及び第2カムと、前記カバーが有するカムフォロアとを備え、前記載置トレイは、前記第1カムが前記カムフォロアと係合することで前記カバーを前記閉位置と所定開き角の位置との間で回動させる第1回動範囲と、前記第2カムが前記カムフォロアと係合することで前記カバーを前記所定開き角の位置と前記開位置との間で回動させる第2回動範囲との二段階で前記カバーを回動させてもよい。
この構成によれば、載置トレイの回動に連動してカバーを1つのカムで回動させる構成にしようとすると、載置トレイの回動軸から後方へカムの位置までの距離を大きく取る必要がある。これに対して、2種類のカム(第1カムと第2カム)を用いて載置トレイを二段階で回動させる構成にすることで、載置トレイの回動軸に対する後方への距離が短い位置に2種類のカムを配置できる。よって、載置トレイのスムーズな回動を確保しつつ記録装置を媒体搬送方向(奥行き方向)に小型化できる。
上記記録装置において、前記第2カムは、前記載置トレイの基端部における最大幅の媒体の載置領域よりも外方に位置する外周面であり、前記カムフォロアは、前記外周面と係合可能な位置で前記カバーの内面に突設されてもよい。
この構成によれば、専用のカム部を設ける必要がないので、構成が簡単で済むうえ、記録装置を媒体搬送方向(奥行き方向)に小型化できる。
上記記録装置において、前記載置トレイは、前記筐体に収容されたフレームに回動可能に支持され、前記カバーは、前記フレームに回動可能に支持され、前記フレームは、前記載置トレイが開位置にあるときに当たるとともに、前記カバーが閉位置にあるときに当たる規制面を有してもよい。
この構成によれば、載置トレイとカバーは共通のフレームの規制面に当たる。これにより、載置トレイは開方向の限界位置に位置決めされ、カバーは閉方向の限界位置に位置決めされる。また、載置トレイの開方向の限界位置を決める規制面が、カバーの閉方向の限界位置を決める規制面を兼ねるので、スペース的に有利である。
上記記録装置において、前記読取ユニットの排出口から排出される原稿の排出方向先に、開位置にある前記載置トレイが位置し、前記読取ユニットの排出口から排出される原稿の排出方向を上方へ誘導するガイド部を備えてもよい。
この構成によれば、読取ユニットの排出口から排出される原稿がガイド部によって上方へ誘導されるので、排出された原稿と第1エッジガイドとの接触を回避できる。
上記記録装置において、前記読取ユニットから排出される原稿の排出方向を案内するガイド部を備え、前記載置ト前記載置トレイが前記閉位置にあるとき、前記第1エッジガイドは前記ガイド部と幅方向に異なる位置にかつ幅方向に前記ガイド部とオーバーラップする状態に収納されてもよい。
この構成によれば、載置トレイが閉位置にあるとき筐体内に収納された第1エッジガイドはガイド部と媒体幅方向にオーバーラップする。つまり、第1エッジガイドがガイド部と媒体搬送方向の位置が一部同じになるように筐体内に収納される。よって、記録装置を媒体搬送方向に短くすることができるうえ、載置トレイを開いたときに、第1エッジガイドが給送口から上方へ延びる延出長さを長く確保できる。
上記記録装置において、前記読取ユニットは、前記給送口と前記原稿給送口とが互いの幅中心が一致するように前記筐体に対する幅方向の位置が設定されており、前記載置トレイは前記閉位置にあるとき、前記給送口と前記原稿給送口を共に覆う状態で収納されてもよい。
この構成によれば、給送口と原稿給送口との両方を覆うことができる載置トレイの幅寸法を短く抑えることができる。載置トレイを開けたときに幅方向のサイズが大きくなり過ぎず邪魔にならない。