JP7314036B2 - 基板付着物分析方法 - Google Patents

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Description

本開示は、基板付着物分析方法に関する。
複数の貫通孔とサポート部とを有する試料用ウェーハ片保持治具本体に試料用半導体ウェーハ片を収容し、試料用半導体ウェーハ片保持治具本体を評価すべき半導体ウェーハ収納容器内に収納して所定時間放置した後、試料用半導体ウェーハ片表面に吸着又は付着して捕集された汚染物質を測定する半導体ウェーハ収納容器の評価方法が知られている。
特開2004-340685号公報
しかしながら、上述のような従来技術では、実際に半導体ウェーハ収納容器で搬送された基板素材(例えば、搬送後における半導体製造工程で不具合等を起こした基板素材)自体に付着した物質を分析することができない。なお、実際に半導体ウェーハ収納容器で搬送された基板素材を分析するためには、当該基板素材を回収することで可能であるが、当該基板素材の特定の箇所に付着した物質を分析することは難しい。
そこで、1つの側面では、本発明は、基板素材の特定の箇所に付着した物質を分析可能とすることを目的とする。
1つの側面では、以下のような解決手段を提供する。
(1)基板素材の表面に付着した物質の成分を分析する基板付着物分析方法であって、
前記基板素材の外形よりも小さい外形を有しかつ物質吸着表面を有する分析用素材を、前記物質吸着表面が前記基板素材の前記表面に面接触する態様で、前記基板素材の前記表面の所定箇所に配置し、
前記基板素材に配置した前記分析用素材を、前記基板素材から離し、
前記基板素材から離した前記分析用素材における前記物質吸着表面に付着した物質の成分を分析することを含む、基板付着物分析方法。
(2)上記(1)の構成において、前記物質は、有機物質であり、
前記分析用素材を前記所定箇所に配置する前に、前記分析用素材を熱処理することを更に含むことを特徴とする。
(3)上記(2)の構成において、前記分析用素材を熱処理する前に、前記基板素材と同一の材料の基板素材を分割して前記分析用素材を形成することを更に含むことを特徴とする。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの構成において、前記基板素材は、基板収納容器で搬送された後に分析されることを特徴とする。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの構成において、前記基板素材は、シリコンウェーハ又は化合物ウェーハであることを特徴とする。
1つの側面では、本発明によれば、基板素材の特定の箇所に付着した物質が分析可能となる。
フロントオープンボックスタイプの基板収納容器を示す分解概略斜視図である。 分析対象ウェーハを概略的に示す平面図である。 本実施形態による基板付着物分析方法で使用するのが好適な分析用素材を概略的に示す平面図である。 本実施形態による基板付着物分析方法の一例を示す概略的なフローチャートである。 成分分析装置の一例(一部)を示す概略図である。 成分分析装置の一例(他の一部)を示す概略図である。
以下、添付図面を参照しながら各実施形態について詳細に説明する。
本実施形態による基板付着物分析方法は、基板収納容器で搬送された基板素材の表面に付着した物質の成分を分析することに好適である。ただし、本実施形態による基板付着物分析方法は、基板収納容器で搬送される前の基板素材の表面に付着した物質の成分を分析することに適用されてもよい。なお、分析対象の物質は、任意であるが、本実施形態では、有機物質である。
(基板収納容器)
基板収納容器は、基板素材を外部環境から実質的に隔離した状態で収容できる容器であり、例えば、FOUPタイプやFOSBタイプ等のような任意のフロントオープンボックスタイプ(図1参照)であってよいし、それ以外のタイプであってもよい。なお、フロントオープンボックスタイプの基板収納容器については、SEMI規格の定めがある。例えば、SEMI規格のE47.1やM31は、基板収納容器の基本形状や寸法の標準化に関する定めである。
ここで、図1を参照して、FOSBタイプの基板収納容器1について概説する。
図1は、FOSBタイプの基板収納容器1を示す分解概略斜視図である。
図1に示すように、基板収納容器1は、基板Wを収納する容器本体10と、容器本体10の開口11を閉止する蓋体20と、を備えている。
容器本体10は、箱状体であり、開口11が正面に形成されたフロントオープン型である。開口11は、外側に広がるように段差をつけて屈曲形成され、その段差部の面がシール面12として、開口11の正面の内周縁に形成されている。なお、容器本体10は、300mm径や450mm径の基板Wの挿入操作を行い易いことから、フロントオープン型が好ましいが、開口11が下面に形成されたボトムオープン型であってもよいし、トップオープン型であってもよい。
容器本体10の内部の左右両側には、支持体13が配置されている。支持体13は、基板Wの載置及び位置決めをする機能を有している。支持体13には、複数の溝が高さ方向に形成され、いわゆる溝ティースを構成している。そして、基板Wは、同じ高さの左右2か所の溝ティースに載置されている。支持体13の材料は、容器本体10と同様のものであってもよいが、耐熱性や、洗浄性、摺動性を高めるために、異なる材料が用いられてもよい。
また、支持体13が、溝ティースの奥側に、例えば、「く」字状や直線状をした基板保持部を有することで、フロントリテーナ30と基板保持部とで基板Wを保持する。ただし、変形例では、容器本体10の内部の後方(奥側)には、リアリテーナ(図示せず)が配置されている。リアリテーナは、蓋体20が閉止された場合に、後述するフロントリテーナ30と対となって、基板Wを保持してもよい。これらの支持体13やリアリテーナは、容器本体10にインサート成形や嵌合などにより設けられている。
基板Wは、この支持体13に支持されて容器本体10に収納される。なお、基板Wの一例としては、シリコンウェーハが挙げられるが特に限定されず、例えば、石英ウェーハ、ガリウムヒ素ウェーハ、ガラスウェーハ、樹脂ウェーハなどであってもよい。
容器本体10の天井中央部には、ロボティックフランジ14が着脱自在に設けられている。清浄な状態で基板Wを収容した基板収納容器1は、工場内の搬送ロボットで、ロボティックフランジ14を把持されて、基板Wを加工する工程ごとの加工装置に搬送される。
また、容器本体10の両側部の外面中央部には、作業者に握持されるマニュアルハンドル15がそれぞれ着脱自在に装着されている。
容器本体10の底面には、例えば、チェックバルブ機能を有する給気弁18と排気弁19とが設けられていてもよい。これらは、蓋体20によって閉止された基板収納容器1の内部に、給気弁18から窒素ガスなどの不活性気体やドライエアーを供給し、排気弁19から排出することで、基板収納容器1の内部の気体を置換したり、気密状態を維持したりする。なお、給気弁18及び排気弁19は、基板Wを底面へ投影した位置から外れた位置にあるのが好ましいが、給気弁18及び排気弁19の数量や位置は、図示したものに限らない。また、給気弁18及び排気弁19は、気体を濾過するフィルタを有している。
内部の気体の置換は、収納した基板W上の不純物質を吹き飛ばしたり、内部の湿度を低くしたりするなどの目的で行われ、搬送中の基板収納容器1の内部の清浄性を保つ。気体の置換は、排気弁19側においてガスを検知することで、確実に行われているか確認することができる。そして、内部の気体を置換する時や、蓋体20を容器本体10に取り付けて、閉止する時に、基板収納容器1の内部は陽圧になり、逆に、蓋体20を容器本体10から取り外す時に、基板収納容器1の内部は陰圧となる。
蓋体20は、容器本体10の開口11の正面に取り付けられる、略矩形状のものである。蓋体20は、図1に示すように、蓋部本体21と、この蓋部本体21に設置されて施錠する一対の施錠機構26と、各施錠機構26を着脱自在に覆う一対のプレート27とを備え、容器本体10の開口正面部に着脱自在に嵌合される。蓋体20は、施錠機構26によって、容器本体10に形成された係止穴(図示せず)に係止爪が嵌入することで施錠されるようになっている。なお、蓋体20の蓋部本体21、一対の施錠機構26、及び一対のプレート27は、容器本体10と同様の成形材料を使用して成形される。
また、蓋体20は、中央部に基板Wの前部周縁を水平に保持する弾性のフロントリテーナ30が着脱自在に装着又は一体形成されている。
このフロントリテーナ30は、支持体13の溝ティース及び基板保持部などと同様に、ウェーハが直接接触する部位であるため、洗浄性や摺動性が良好な材料が用いられている。フロントリテーナ30も、蓋体20にインサート成形や嵌合などで設けることができる。
これらの容器本体10及び蓋体20(蓋部本体21)の材料としては、例えば、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマーなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。この熱可塑性樹脂は、導電性カーボン、導電繊維、金属繊維、導電性高分子などからなる導電剤、各種の帯電防止剤、紫外線吸収剤などが更に適宜添加されてもよい。
(基板素材)
基板素材は、シリコンウェーハ又は化合物ウェーハである。化合物ウェーハとしては、SiCウェーハ、GaAsウェーハ、GaNウェーハ等であってよい。基板素材のサイズや形状は、任意であるが、本実施形態では、基板素材は、円形であるものとする。以下、分析対象の基板素材を、「分析対象ウェーハ70」と称する。本実施形態では、分析対象ウェーハ70は、上述の基板収納容器1に基板Wとして収納された後に、分析される。例えば、分析対象ウェーハ70は、上述の基板収納容器1に基板Wとして収納された状態から取り出されて半導体製造工程で使用され、例えば不具合を起こした場合等に分析されてよい。
(分析対象ウェーハ)
図2は、分析対象ウェーハ70を概略的に示す平面図である。
分析対象ウェーハ70は、円形であり、表面72に、分析対象の箇所(位置P1を含む箇所)を有する。なお、図2では、分析対象の箇所は、1つであるが、1枚の分析対象ウェーハ70に対して複数存在してもよい。また、図2では、分析対象の箇所は、点で示されるが、点の集合(領域)であってもよい。
分析対象の箇所は、例えば不具合を起こした箇所であり、電子顕微鏡やウェーハ表面検査装置のような任意の検査装置により特定されてもよい。ウェーハ表面検査装置は、レーザーの散乱光を検出部で検出することでウェーハの表面状態を確認する装置であり、ウェーハを非破壊で検査可能である。例えば検査対象を2次汚染することなく検査し、不具合個所を特定するために有効である。ウェーハ表面検査装置としては、例えばケーエルエー・テンコール株式会社製Surfscanシリーズを用いることができる。なお、本実施形態では、一例として、検査対象の箇所は、1箇所であり、その位置を表す位置情報が、検査装置による検査結果に基づいて生成されるものとする。
(分析用素材)
図3は、本実施形態による基板付着物分析方法で使用するのが好適な分析用素材80を概略的に示す平面図である。図3には、分析対象ウェーハ70の外形が併せて点線で示される。
分析用素材80は、分析対象ウェーハ70の外形よりも小さい外形を有する。分析用素材80は、好ましくは、分析対象ウェーハ70と同じ素材により形成される。この場合、分析用素材80には、分析対象ウェーハ70に付着した有機物質の一部(例えば約半分)の量を吸着させることができる。ただし、変形例では、分析用素材80は、他の吸着性を有する材料により形成されてもよい。
分析用素材80は、分析対象ウェーハ70の分析対象の箇所をカバーできるサイズを有する。分析用素材80の外形は、分析対象ウェーハ70の分析対象の箇所をカバーできる外形である限り、任意であるが、例えば矩形、円形、扇型、楕円形、多角形等であってよい。
分析用素材80は、例えば分析対象ウェーハ70と同じ材料により形成される同一構成(サイズ等)のウェーハを分割することで、形成されてもよい。この場合、1枚のウェーハから複数の分析用素材80が形成されてもよい。
(基板付着物分析方法)
図4は、本実施形態による基板付着物分析方法の一例を示す概略的なフローチャートである。なお、図4に示す各工程は、基本的には、人である作業者の手作業により実現されるが、部分的にロボットやコンピュータ等が利用されてもよい。また、図4に示す各工程は、適宜、順序を入れ替えて実現されてもよい。
ステップS400では、作業者は、分析対象ウェーハ70を準備する。この際、作業者は、分析対象の箇所の位置情報を併せて取得する。
ステップS402では、作業者は、分析用素材80を準備する。例えば、作業者は、分析対象の箇所の位置情報(分析対象の箇所の範囲)に基づいて、分析対象ウェーハ70と同じ材料により形成される同一構成(サイズ等)のウェーハから、適切なサイズ及び形状の部位(破片)を切り出す(切断する)ことで、分析用素材80を準備する。なお、この工程は、クリーンルーム等で実行されてもよいが、有機物質が分析用素材80に付着しうる環境で実現されてもよい。また、分析用素材80への切り出しの際に、切断装置等の環境からの有機物汚染が発生してもよい。これは、この段階で分析用素材80に有機物質が付着した場合でも、次のステップS404での熱処理により当該有機物質を実質的に除去できるためである。
ステップS404では、作業者は、ステップS402で用意した分析用素材80に対して熱処理を実行する。例えば、400℃程度の高温下で分析用素材80を処理する。これにより、ステップS402又はそれ以前に分析用素材80に有機物質が付着していた場合でも、当該有機物質を分析用素材80から除去できる。なお、熱処理の条件は、有機物質を分析用素材80から適切に除去できるように適宜設定されてよい。
ステップS406では、作業者は、ステップS400で得た位置情報に基づいて、ステップS404での熱処理を経た分析用素材80を、分析対象ウェーハ70の表面72における分析対象の箇所に配置する。この際、分析用素材80の表面(熱処理を施した表面)は、有機物質を吸着させるための表面(物質吸着表面の一例)として機能する。すなわち、分析対象ウェーハ70の表面72における分析対象の箇所に、有機物質が付着している場合、分析対象ウェーハ70の表面72に分析用素材80が面接触する態様で配置されると、面接触する領域において、分析対象ウェーハ70の表面72上の付着した有機物質の一部(例えば約半分)の量が分析用素材80の表面に吸着されることで移動する。
ステップS408では、作業者は、ステップS406で分析用素材80を分析対象ウェーハ70上に配置した状態(面接触状態)を所定時間以上維持する。所定時間は、上述した吸着(分析用素材80への有機物質の移動)に必要な時間に相当する。
ステップS410では、作業者は、面接触状態が所定時間以上経過した分析対象ウェーハ70と分析用素材80とを離し、分析用素材80のみ、成分分析装置に入れて、分析用素材80に付着した有機物質を分析する。
ここで、上述のように、分析対象ウェーハ70の表面72における分析対象の箇所に、有機物質が付着している場合、ステップS406及びステップS408により、分析用素材80にも、同じ有機物質が付着することになる。従って、分析用素材80に付着した有機物質を分析することで、分析対象ウェーハ70の表面72における分析対象の箇所に、有機物質を等価的に分析できる。
なお、ステップS410で使用する成分分析装置は、任意であるが、シリコンウェーハアナライザー、クロマトグラフィー、質量分析装置が使用されてもよい。また、ガスクロマトグラフィー、質量分析装置等を組み合わせて使用されてもよい。
図5及び図6は、ステップS410で使用可能な成分分析装置500の一例を示す概略図である。図5及び図6には、成分分析装置500のそれぞれの部分が別々に示される。
図5に示す成分分析装置500の装置部分は、分析用素材80の表面の有機物質を加熱脱離させて吸着剤に捕集させるものであり、チャンバ506、精密恒温槽装置507、キャリアガスの導入管508、吸着剤を充填した捕集管509、及び、加熱脱離させた有機物質を補集するための吸引ポンプ510を含む。
このようにして捕集管509内の吸着剤に捕集された有機物質は、図6に示す成分分析装置500の装置部分において分析される。図6に示す成分分析装置500の装置部分は、捕集管509内の吸着剤に捕集された有機物質を、再び加熱脱離させて濃縮、分離し分析を行う装置部分である。図6に示す成分分析装置500の装置部分は、有機物質を吸着させた捕集管511、捕集された有機物質を再度加熱脱離させるためのヒータ部512、キャリアガスの導入管513、液体窒素により冷却する濃縮部514、有機物質を成分毎に分離させるガスクロマトグラフィー515、及び、定性分析を行う定性分析装置516を含む。なお、捕集管511は、図5に示す捕集管509と実質的に同じであってよい。キャリアガスとしては、通例通り、ヘリウムなどの不活性ガスが用いられてよい。
(本実施形態の効果)
ところで、上述のように、基板Wが基板収納容器1内に収容され、搬送等される場合、基板収納容器1の材料との接触等に起因して基板Wに有機物質が付着する場合がありうる。また、基板収納容器1に用いられる材料からは、基板Wを汚染する有機物質が微量ながら経時的に放出される場合もありうる。いずれの場合、基板収納容器1に起因する汚染であれば、基板収納容器1に係る材料や設計の変更等の対策を行うことが有用となるので、基板Wに付着した有機物質の成分を分析することが有用となる。例えば、分析の結果として、基板Wに付着していた有機物質が、基板収納容器1の材料に含まれていない有機物質であれば、このような汚染は、基板収納容器1に起因するものでなく、他の要因であることを特定できる。
また、基板収納容器1で搬送された特定の基板Wにおいて不具合等が発生した場合、当該特定の基板W全体に付着している有機物質を分析するよりも、その不具合等の発生箇所だけを対象として、付着している有機物質を分析する方が、当該不具合等の原因を検証する上で有用となる。これは、その不具合等の発生箇所以外の箇所に付着していた有機物質が、その不具合等の発生箇所に付着しており当該不具合等の原因となった有機物質と異なる場合もあるためである。
ここで、一般的に、半導体ウェーハの表面に吸着した有機物質については、通常、半導体ウェーハ1枚全体に熱を加え表面に吸着した有機物質を脱離させガスクロマトグラフィー、質量分析で測定する方法が用いられている。
従来の加熱脱離、ガスクロマトグラフィー、質量分析装置では、チャンバ内に置かれた半導体ウェーハを、加熱ヒータにより全面加熱させて、半導体ウェーハの表面から脱離させた汚染物質ガスを吸着剤により捕集する。吸着剤に捕集された汚染物質は、再度、加熱脱離され冷却装置にて濃縮され、更に、ガスクロマトグラフィーにより分離された後、成分毎に検出器にて検出される。
このように、半導体ウェーハの表面に吸着している汚染物質の定性及び定量分析を行う際に現在広く用いられている加熱脱離、ガスクロマトグラフィー、質量分析法では、半導体ウェーハの全面を加熱して脱離させて得られたガスを分析している。しかしながら、この方法の場合には半導体ウェーハ上の局所的な評価をすることは不可能である。
この点、本実施形態によれば、上述のように、分析対象ウェーハ70の表面72における分析対象の箇所に、分析用素材80を配置し、分析用素材80だけを成分分析装置500により分析することで、分析対象ウェーハ70の表面72における分析対象の箇所に有機物質が付着している場合はその成分を分析できる。すなわち、分析対象ウェーハ70の表面72における分析対象の箇所以外の付着しうる有機物質を排除する態様で、分析対象の箇所に付着した有機物質のみを分析対象とすることができる。このようにして、本実施形態によれば、分析対象ウェーハ70の特定の箇所に付着した有機物質を分析できる。
また、本実施形態によれば、上述のように、分析対象ウェーハ70の表面72における分析対象の箇所に、分析用素材80を配置し、分析用素材80を分析することで、実質的に分析対象ウェーハ70自体を分析できる。すなわち、分析用素材80に有機物質が付着した場合、その有機物質は、分析対象ウェーハ70の表面72における分析対象の箇所に付着していたことになる。従って、例えば分析対象ウェーハ70とは別のウェーハを用いて不具合等を再現し、当該別のウェーハを分析する場合に比べて、より直接的で有用な分析結果を得ることができる。
ところで、分析対象ウェーハの特定の箇所に付着した有機物質を分析する他の方法として、分析対象ウェーハの特定の箇所だけを切り出して成分分析装置で分析する方法が考えられる。しかしながら、かかる方法では、分析対象ウェーハの特定の箇所だけを切り出す際に、環境等からの有機物汚染が起きるため、汚染物質と後から付着した成分とを切り分けることが困難である。
この点、実施形態によれば、上述のように、分析対象ウェーハ70の切断等が必要とならず、環境からの有機物汚染を実質的に排除できる態様で、分析対象ウェーハ70の特定の箇所に付着した有機物質を分析できる。
また、本実施形態によれば、上述のように、分析用素材80は、分析対象ウェーハ70と同じ材料により形成されるので、分析対象ウェーハ70に有機物質が付着している場合には、その有機物質を確実に分析用素材80に付着させることができる。これにより、精度の高い分析を実現できる。
また、本実施形態によれば、上述のように、分析用素材80を利用して分析を実現できるので、上記の特許文献1で開示されるような治具等を用いずに分析を実現できる。従って、工数を低減した態様で分析を実現できる。また、治具等からの有機物汚染等を排除した態様で分析を実現できるので、分析結果の有用性を高めることができる。
以上、各実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施形態の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
例えば、上述した実施形態では、基板素材の表面に付着しうる物質のうちの、分析対象は、有機物質であるが、本実施形態による基板付着物分析方法は、イオンや金属のような有機物質以外の物質を分析対象とする場合にも適用可能である。なお、分析対象の物質が、塩素などのハロゲンイオンやNO、NO、SO、K、Na、NH等のイオン性物質の場合には、分析用素材80に施す熱処理(図4のステップS404参照)に代えて、分析用素材80を純水又は酸性溶液に浸漬させることで、分析用素材80に付着しうるイオン性物質を分離溶出させてよい。なお、イオン等を検出する場合、イオンクロマトグラフィー、誘導結合プラズマ質量分析計等が用いられる。
また、図4に示す例では、分析用素材80に対して有機物質を除去するための熱処理(ステップS404参照)が実行されるが、熱処理(ステップS404参照)は省略されてもよい。
また、図4に示す例では、分析用素材80は、分析対象ウェーハ70と同じ材料により形成される同一構成(サイズ等)のウェーハから切り出されるが、これに限られない。例えば、分析用素材80は、比較的小さいサイズ(分析対象ウェーハ70よりも有意に小さいサイズ)のウェーハそのものであってもよい。なお、この場合、大きなサイズのウェーハから分析用素材80への切り出しが不要となるので、図4に示す例における熱処理(ステップS404参照)は省略されてもよい。
1 基板収納容器
10 容器本体
11 開口
12 シール面
13 支持体
14 ロボティックフランジ
15 マニュアルハンドル
18 給気弁
19 排気弁
20 蓋体
21 蓋部本体
26 施錠機構
27 プレート
30 フロントリテーナ
70 分析対象ウェーハ
72 表面
80 分析用素材
500 成分分析装置
506 チャンバ
507 精密恒温槽装置
508 導入管
509 捕集管
510 吸引ポンプ
511 捕集管
512 ヒータ部
513 導入管
514 濃縮部
515 ガスクロマトグラフィー
516 定性分析装置

Claims (5)

  1. 基板素材の表面に付着した物質の成分を分析する基板付着物分析方法であって、
    前記基板素材の外形よりも小さい外形を有しかつ物質吸着表面を有する分析用素材を、前記物質吸着表面が前記基板素材の前記表面に面接触する態様で、前記基板素材の前記表面の所定箇所に配置し、
    前記基板素材に配置した前記分析用素材を、前記基板素材から離し、
    前記基板素材から離した前記分析用素材における前記物質吸着表面に付着した物質の成分を分析することを含む、基板付着物分析方法。
  2. 前記物質は、有機物質であり、
    前記分析用素材を前記所定箇所に配置する前に、前記分析用素材を熱処理することを更に含む、請求項1に記載の基板付着物分析方法。
  3. 前記分析用素材を熱処理する前に、前記基板素材と同一の材料の基板素材を分割して前記分析用素材を形成することを更に含む、請求項2に記載の基板付着物分析方法。
  4. 前記基板素材は、基板収納容器で搬送された後に分析される、請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の基板付着物分析方法。
  5. 前記基板素材は、シリコンウェーハ又は化合物ウェーハである、請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の基板付着物分析方法。
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