JP7313985B2 - 熱交換コア、熱交換器、および熱交換コアの製造方法 - Google Patents
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Description
種々の熱交換器が使用されている中で、プレートの積層体を備え、プレートの積層方向において、第1流体の流路と第2流体の流路とを交互に与えたプレート式熱交換器が知られている。各プレートの周縁部に配置されるゴム系材料からなるガスケットにより、隣接するプレート間に流路が形成されている。第1流体および第2流体は、プレートに対して直交する方向からプレート間に流入する。第1流体は、プレートの積層方向の一方側から他方側に向けてプレート間の流路を順次流れる。第1流体および第2流体は、プレートを介して熱を授受する。
特許文献1において第1流体および第2流体は、上下方向に交互にプレート間に形成された流路をプレートに沿ってケーシングの軸方向に流れながら熱を授受する。第2流体は、熱交換コアの軸方向の第1端部からプレート間に流入し、熱交換コアの軸方向の第2端部から熱交換コアの外部へと流出する。一方、第1流体の流入口および流出口は、いずれも熱交換コアの側壁に位置している。第1流体は、熱交換コアの第2端部の近傍に位置する流入口を通じて、熱交換コアの軸方向に対して直交する方向からプレート間に流入する。そして、熱交換コアの第1端部の近傍に位置する流出口を通じて外部へと流出する。
一方、特許文献1では、伝熱面積の異なるプレートが、軸心に対して非対称に配置されているため、熱交換コアにおいて応力の集中が発生し易い。
本開示は、熱交換コアにおける応力の均一化を実現することを目的とする。
以上より、応力集中による熱交換コアの破損を未然に防いで信頼性を向上させることができ、しかも、同一の熱交換能力をより小型の熱交換コアにより得ることができる。
図1および図2に示す熱交換器1は、熱交換コア10と、熱交換コア10を収容するケーシング20とを備えている。
熱交換器1は、例えば、ガスタービン、CO2回収装置等の化学プラント、あるいは空気調和機や冷凍庫等の図示しない装置に組み込むことができ、第1流体と第2流体とを熱交換させる。第1流体の温度は相対的に高く、第2流体の温度は相対的に低い。これとは逆に、第1流体の温度が相対的に低く、第2流体の温度が相対的に高くてもよい。
熱交換コア10は、図1、および図2のIIIa-IIIa線断面図である図3Aに示すように、全体として同心円状に配置された第1流路群G1および第2流路群G2を備えている。
熱交換器1は、図3Aに示す第1横断面C1、図4に示す第2横断面C2、および図5に示す第3横断面C3を含んでいる。これらの横断面C1~C3はいずれも、円形状を呈している。熱交換コア10の全体の外形は、円筒状に形成されている。熱交換コア10は、同心円状に配置されて第1流路群G1と第2流路群G2とを隔てる隔壁W1と、熱交換コア10の最外周に配置される側壁W0とを含んでいる。
第2流路群G2は、熱交換コア10の軸方向D1の一端部10A(図1)から他端部10B(図1)までに亘り延びている。軸方向D1は、横断面C1~C3に対して直交している。
各図には、第1流体の流れを実線の矢印で示し、第2流体の流れを破線の矢印で示している。
第1流路101および第2流路102は、熱交換コア10の径方向の全体に亘り、つまり、熱交換コア10の軸心近傍まで配置されていることが好ましい。図3A、図3B、図4、および図5では、一部の第1流路101および一部の第2流路102のみが示されている。「・・・」で示した領域における残りの第1流路101および第2流路102の図示は省略されている。
本実施形態のように、熱交換コア10の径方向の全体に亘り第1流路101および第2流路102が配置されることにより、熱交換コア10の全体を熱交換に寄与させることができる。
第1流体および第2流体が、同じ向きに軸方向D1に沿って流れていてもよい。その場合、第1流体および第2流体は平行流をなしている。
また、第1流路101および第2流路102がそれぞれ、区分壁W2により区画Sに細分化されることにより、流体と接触する流路の表面積が増大するため、伝熱効率を向上させることができる。
区分壁W2による流路101,102の細径化によれば、流路101,102の周方向に生じる応力を低減させ、流路101,102間の隔壁W1の厚みを小さくすることができる。したがって、隔壁W1による熱抵抗を低減し、伝熱効率の向上および熱交換器1の小型化および軽量化を図ることができる。
なお、熱交換コア10の各層における区画Sの高さ(径方向の寸法)は、必ずしも一定でない。
D=4A/L ・・・(1)
A:区画Sの断面積
L:円周方向D2における区画Sの長さ(周長)
熱伝達率は流路径の逆数に相当するから、これに基づいて適切な流路径を区画Sに与えることが好ましい。
したがって、熱交換コア10の各層において区画Sの流路断面積を揃えるように設計すると、熱交換器1の大型化を避けつつ、所定の伝熱性能を確保し、耐圧をも確保することができる。
金属材料を用いた積層造形により得られた熱交換コア10における壁W1等の厚みは、例えば、0.3~3mmである。
本実施形態の熱交換コア10は、金属材料を用いる積層造形により、第1流路群G1および第2流路群G2を成形するステップを行うことを経て、製造される。積層造形による成形ステップにより得られた成形物に対して、必要に応じて、研磨等を施すことができる。
熱交換コア10は、積層造形に限らず、切削等により一体に成形することもできる。
ガスケットを用いる場合は、部材間を確実に封止するため、適切な弾性変形量をガスケットに与える必要がある。そうすると、流体の漏れを防ぐため、熱交換コアの部材を分解してガスケットを部材間に締め直すといった整備を行う必要がある。ガスケットの公差や組み付け公差、流体の圧力変化やガスケットの経時変化等による変形量の変化、あるいは熱応力等によるガスケットの損傷等が起こり得るため、特にガスケットに関して整備の必要性が高い。
それに対して、本実施形態の一体成形の熱交換コア10によれば、ガスケットを備えていないことで、整備の手間を大幅に低減することができる。
ケーシング20は、図1および図2に示すように、全体として略円筒状に形成されている。ケーシング20は、流体に適した特性を備えた、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム合金等を用いて形成されている。
ケーシング20は、熱交換コア10の外径に対応した内径を有し、円形状の横断面を呈するケーシング本体21と、ケーシング本体21に対して径が拡大されている大径部22とを備えている。大径部22は、軸方向D1におけるケーシング本体21の両端に設けられている。これらの大径部22は、第1入口ヘッダ221および第1出口ヘッダ222として機能する。
これらのヘッダ221,222はそれぞれ、熱交換コア10の側壁W0の周りに、連通空間としての円環状の内部空間221A,222A(図2)を有している。
入口ポート22Aは、1箇所に限らず、円周方向D2における複数箇所に設けられていてもよい。例えば、2つの入口ポート22Aが、第2横断面C2の中心に対して点対称に配置されていてもよい。出口ポート22Bに関しても同様である。
第2入口ヘッダ31のフランジ31Aと、ケーシング20のフランジ231との間は、図示しない円環状のシール部材により封止されている。第2出口ヘッダ32のフランジ32Aと、ケーシング20のフランジ232との間も同様である。
第2流路群G2は、第2入口ヘッダ31の内部および第2出口ヘッダ32の内部に接続されている。第2流路102のそれぞれの始端は、第2入口ヘッダ31の内部で開口している。第2流路102のそれぞれの終端は、第2出口ヘッダ32の内部で開口している。
ここで、同心円状に配置されている流路101,102のうち、最も外周に配置される流路は、本実施形態の第2流路102の如く、入口ヘッダ31から軸方向D1に第2流体が流入し、出口ヘッダ32に軸方向D1に第2流体が流出する流路であることが好ましい。そうすると、入口ヘッダ221から熱交換コア10の径方向に流入する第1流体が、熱交換コア10とケーシング20との間の隙間に流入するショートパスが発生したとしても、隙間を流れる第1流体と、最外周の第2流路102を流れる第2流体とを熱交換させることができるため、ショートパスによる熱交換効率の低下を防ぐことができる。
例えば、熱交換コア10の一端部10Aにおいて、本実施形態とは逆に、第1流体が軸方向D1に沿って第1流路群G1に流入し、第2流体が熱交換コア10の径方向に沿って第2流路群G2に流入するように熱交換コア10を構成することもできる。その場合、後述する横断経路14は、第1流路群G1および第2流路群G2のうち第2流路群G2のみに連通するように構成することができる。
ケーシング20の横断面は、必ずしも厳密に円形状である必要はなく、概ね円形状とみなせる略円形状であってもよい。本明細書において、略円形状は、「円形状」に包含されるものとする。また、「円形状」は、真円に対して公差が許容される。
「円形状」には、例えば、頂点の多い多角形状(例えば10~20角形)や、n回転対称の形状であって、例えばnが10~20であるもの等が含まれる。その他、円周方向D2のおおよそ全体に亘り円弧が連続しており、円周上の一部において凹凸が存在する形状も、「円形状」に含まれるものとする。
突起103を備えた熱交換コア10は、積層造形のプロセスにより、一体に形成することができる。
但し、ケーシング20や熱交換コア10の横断面が略円形状であったり、第1横断面C1において第1流路101および第2流路102が略円環状であったり、第1流路群G1および第2流路群G2が全体として略同心円状に配置されていたりする場合も、本実施形態による後述の効果と同等の効果を得ることができる。
図2のIV-IV線断面に対応する図4に示すように、熱交換コア10には、第1流路群G1および第2流路群G2を横断し、第1流路群G1のみと連通した横断経路14が形成されている。横断経路14は、図4に示す第2横断面C2において、熱交換コア10の径方向に延び、第1入口ヘッダ221の内部空間221Aと連通している。横断経路14は、図1および図2に示すように、側壁W0を厚さ方向に貫通している。
横断経路14の数が多いほど、各横断経路14を流れる第1流体の流量が均一化され易い。そうすると、円周方向D2の全体に亘り均等に流れる第1流体と、第2流体との間で十分に熱の授受が行われる。これを考慮すると、第2横断面C2,C2xのそれぞれにおいて、4以上の横断経路14が分布していることが好ましい。但し、第2横断面C2,C2xのそれぞれにおいて、横断経路14の数が3以下(1個を含む)であっても許容される。
さらには、横断経路14のそれぞれの流路断面積が等しいことが好ましい。そうすると、第1流体および第2流体が軸方向D1に沿って対向流で流れる区間の長さを第1流路101および第2流路102の円周方向D2において均一に確保することができる。なお、横断経路14のそれぞれにおける流路断面積の公差は許容される。
熱交換コア10の外周側に位置する第1流路101から、熱交換コア10の軸心近傍に位置する図示しない第1流路までの全ての第1流路101は、熱交換コア10の軸心近傍から放射状に延びている複数の横断経路14を通じて第1入口ヘッダ221および第1出口ヘッダ222のそれぞれの内部空間221A,222Aと連通し、さらに、熱交換コア10の外部とも連通している。
図2および図6のV-V線断面に対応する図5は、軸方向D1において第2横断面C2よりも外側に位置する第3横断面C3を示している。
上述の横断経路14に連通する第1流路群G1には、図6に示すように、軸方向D1における第2横断面C2よりも外側に位置する閉塞壁W4が設けられている。第1流路群G1を流れる第1流体は、軸方向D1に対して交差した閉塞壁W4を軸方向D1に超えては流れない。閉塞壁W4は、隣接する隔壁W1,W1間を塞いでいる。
第2流路群G2は、熱交換コア10の端部において、第2入口ヘッダ31および第2出口ヘッダ32にそれぞれ開放されている。
図6に示すように、閉塞壁W4により、第3横断面C3xにおいて第1流路群G1は閉塞されている。そのため、第3横断面C3xには第2流路群G2のみが存在している。
図2、図4、および図6を参照し、熱交換コア10における第1流体および第2流体のそれぞれの流れを説明する。図6は、熱交換コア10の縦断面の一部を示している。
まず、図6に破線の矢印で示すように、図示しない入口ポートを通じて第2入口ヘッダ31の内部に流入した第2流体は、第2流路群G2の第2流路102のそれぞれの始端に流入する。このとき、第2流路群G2が第3横断面C3の中心に対して対称に形成されているため、第2流路102のそれぞれに、円周方向D2の全体に亘り第2流体が均一に流入し、第2流路102を軸方向D1に流れる。第2流体は第2流路102の終端から第2出口ヘッダ32の内部へと流出し、さらに図示しない出口ポートを通じて熱交換器1の外部へと流出する。
このとき、入口ポート22Aに近い一部の横断経路14に偏ることなく、第1入口ヘッダ221から複数の横断経路14のそれぞれに第1流体が分配され、各横断経路14において、第1流体は、熱交換コア10の径方向の内側に向けて、図6に二点鎖線で示す横断壁W3の内側を通り、各第1流路101へと分配される。
第1流路101のそれぞれを軸方向D1に流れる第1流体は、第1流路101の終端部に至ると、流れの向きを軸方向D1から径方向に転向し、熱交換コア10の軸心から放射状に配置されている横断経路14のそれぞれにおいて、横断壁W3の内側を通り、合流しつつ、熱交換コア10の径方向の外側に向けて横断経路14を流れる。そして、横断経路14から第1出口ヘッダ222の内部へと流出した第1流体が、出口ポート22Bから熱交換器1の外部へと流出する。
以上で説明した本実施形態の熱交換器1によれば、ケーシング20が軸心に対して対称な形状であるばかりでなく、第1流路群G1および第2流路群G2が対称で同心円状に積層されてなる熱交換コア10の構成に基づいて、流体の圧力等により作用する応力を熱交換コア10の全体に均一に分散させつつ、第1流体と第2流体との伝熱面積を大きく確保しながら、第1流体および第2流体が均等に流れる熱交換コア10の全体に亘り効率よく熱交換を行うことができる。
以上より、熱交換コア10の破損を未然に防いで信頼性を向上させることができるとともに、同一の熱交換能力をより小型の熱交換コア10により得ることができる。
図8、図9Aおよび図9Bを参照し、本開示の変形例に係る熱交換器を説明する。
当該変形例に係る熱交換器は、図8に示す熱交換コア40と、図示しないケーシングとを備えている。熱交換コア40を収容する図示しないケーシングは、上記実施形態のケーシング20(図1、図2、図4、および図6)と同様に構成されていることが好ましい。
以下、上記実施形態の熱交換コア10と相違する事項を中心に、熱交換コア40の構成および作用効果を説明する。熱交換コア40において熱交換コア10と同様の構成には同じ符合を付している。
円周方向D2に熱伝達率を均一化するため、区画Sは、等しい流路径にて、熱交換コア40の全周に亘り配列されていることが好ましい。
ここで、区画S1および区画S2がそれぞれ描く螺旋の向きは逆である。第1流路101の区画S1および第2流路102の区画S2をそれぞれ、軸方向D1の一端側D11(図8)から見ると、図9Aに示すように、区画S2は時計回りR1の螺旋状に延在し、図9Bに示すように、区画S1は反時計回りR2の螺旋状に延在している。
図9Aにおいて、一つの区画S2の領域に斜線のパターンを付している。同様に、図9Bにおいて、一つの区画S1の領域に斜線のパターンを付している。
一方、第1流体は、第1流路101の各区画S1に、図8に実線の矢印で示すように軸方向D1の他端側D12側から流入すると、区画S1に沿って、第2流体の流れとは逆向き(反時計回りR2)の螺旋状に流れ、第2流体の流れと交錯する。このときの第1流体の流れは、他端側D12から見れば時計回りの螺旋状である。
それに対し、区画S1,S2が熱交換コア40の一端側D11から見て逆向きの螺旋状に形成されていると、特定の区画S1と特定の区画S2との位置関係が軸方向D1において変化する。つまり、特定の区画S2(例えば、図9Aにおいて黒く塗りつぶした区画S2)の位置を基準として、横断面C1においてその区画S2に特定の区画S1が隣接しているとすると、横断面C4では、同じ区画S2に対して別の区画S1が位置している。横断面C1において黒い区画S2に隣接している区画S1は、横断面C4においては、当該区画S2の位置に対して、一端側D11から見て反時計回りR2の向きに離れている。
例えば、熱交換コア40の一横断面C1において、第2流路102に局所的に温度が高い箇所(図9Aにおいて黒く塗りつぶされた区画S2)が存在する場合であっても、区画S2に沿って第2流体が時計回りR1に、区画S1に沿って第1流体が反時計回りR2に流れることにより、高温の区画S2が、円周方向D2に並ぶ区画S1と順次、熱を授受するので、熱交換コア40における伝熱量の不均一を緩和することができる。
本変形例では、第1流体と第2流体とが対向流をなす例を示したが、第1流体と第2流体とが平行流をなす場合であっても、一端側D11から見て時計回りR1に流れる第2流体と、反時計回りR2に流れる第1流体とが交錯するため、上記と同様の作用効果を得ることができる。
上述した図3Bに示すように、各区画Sの流路径を均一化した場合も、径方向に隣接した第1流路101と第2流路102とにおいて、第1流路101の区分壁W2の円周方向D2の位置と、第2流路102の区分壁W2の円周方向D2の位置とが相違することとなるから、応力分散の観点から好ましい。
上記実施形態に記載の熱交換コア、熱交換器、および熱交換コアの製造方法は、以下のように把握される。
(1)第1の態様に係る熱交換コアは、第1流体と第2流体とを熱交換させる熱交換コア10であって、第1流体に対応する第1流路群G1と、第2流体に対応する第2流路群G2とが位置する円形状の第1横断面C1を含む。第1流路群G1を構成する第1流路101および第2流路群G2を構成する第2流路102は、第1横断面C1において円環状に配置されている。第1流路群G1および第2流路群G2は、全体として、第1横断面C1において同心円状に配置されている。第1流路101および第2流路102はそれぞれ、熱交換コア10の円周方向D2において複数の区画Sに区分されている。
加えて、流路(101,102)が区画Sに区分されていることにより、伝熱効率を向上させることができる。さらに、流路を区画Sに区分する壁(W2)により、熱交換コアの特に径方向における剛性および強度を向上させることができる。
第1流体および第2流体の一方は、横断経路14から各流路(101または102)に分岐を繰り返して流入するか、あるいは、各流路(101または102)から横断経路14へと合流を繰り返して流出する。つまり、流路群(G1またはG2)を横断する横断経路14を通じて、簡素な経路により、流路群の各流路を熱交換コアの外部と連通させることができる。
そうすると、円周方向D2において熱交換コアの剛性および強度の均一化を図ることができる。加えて、円周方向D2に分布した横断経路14のそれぞれへと流体が均等に流入し、さらに横断経路14から各流路(101または102)へと流体が均等に流入する、あるいは、各流路(101または102)から横断経路14のそれぞれへと流体が均等に流出し、さらに横断経路14から熱交換コアの外部へと流体が均等に流出するので、円周方向D2における流体の流れの状態の均一化を図ることができる。
そうすると、第1流体および第2流体が軸方向D1に流れる区間の長さを第1流路101および第2流路102の円周方向D2において均一に確保することができる。
上記構成により、第1流路群G1および第2流路群G2のうち横断経路14に連通する一方の流路群と、他方の流路群とが軸方向D1において分離されるので、第1流体および第2流体のそれぞれの流入および流出の経路が干渉したり、複雑となったりすることを避けることができる。その結果、熱交換コア、ケーシング、およびヘッダを含む熱交換器全体を収まりよく構成することができる。
そうすると、第1流体と第2流体とが、各流路(101,102)を流れる間に亘り温度差を確保し易いので、効率良く熱交換が行われることとなる。
そうすると、摩擦損失等の流動状態が全区画Sにおいて均一化されることで全区画Sについて熱伝達率を均一化することができるとともに、応力が熱交換コア10の横断面の面内方向の全体に均一に分散されることで、応力の均一化を図ることができる。
加えて、熱交換コア40の軸心から放射状に区分壁W5が形成される場合に対して、熱交換コア10の各層において区画Sの流路断面積を揃えるように設計することにより、熱交換器1の大型化を避けつつ、所定の伝熱性能を確保し、耐圧をも確保することができる。
熱交換コア10およびケーシング20のいずれも横断面の中心に対して対称に形成されることにより、熱交換コア10およびケーシング20において流体の圧力等による応力が均一に分散され、かつ、熱交換性能においても均一化が図られることとなる。
そのため、熱交換器の信頼性および性能を向上させることができる。
ケーシングの一部をヘッダの内部空間221A,222Aとして用いることにより、ヘッダを含めて熱交換器の構造を簡素にすることができる。
積層造形により、熱交換コアを一体に形成することが可能となるので、部材の組付けや、部材間をガスケットにより封止することが必要ない。そのため、整備の手間を大幅に低減することができる。
10,40 熱交換コア
10A 一端部
10B 他端部
14 横断経路
20 ケーシング
21 ケーシング本体
22 大径部
22A 入口ポート
22B 出口ポート
31 第2入口ヘッダ
31A フランジ
32 第2出口ヘッダ
32A フランジ
101 第1流路
102 第1流路
103 突起
221 第1入口ヘッダ
221A 内部空間(連通空間)
222 第1出口ヘッダ
222A 内部空間(連通空間)
231,232 フランジ
A 軸線
C1 第1横断面
C2,C2x 第2横断面
C3,C3x 第3横断面
C4 横断面
D1 軸方向
D11 一端側
D12 他端側
D2 円周方向
G1 第1流路群
G2 第2流路群
L 周長
R1 時計回り
R2 反時計回り
S 区画
W0 側壁
W1 隔壁
W2,W5 区分壁
W3 横断壁
W4 閉塞壁
Claims (12)
- 第1流体と第2流体とを熱交換させる熱交換コアであって、
前記第1流体に対応する第1流路群と、前記第2流体に対応する第2流路群とが位置する円形状の第1横断面を含み、
前記第1流路群を構成する第1流路および前記第2流路群を構成する第2流路は、前記第1横断面において円環状に配置され、
前記第1流路群および前記第2流路群は、全体として、前記第1横断面において同心円状に配置され、
前記第1流路および前記第2流路はそれぞれ、前記熱交換コアの円周方向において複数の区画に区分されており、
前記第1流路および前記第2流路のそれぞれの前記区画は、前記熱交換コアの軸線周りに螺旋状に形成されており、
前記第1流路および前記第2流路の一方の前記区画は、前記熱交換コアの軸方向の一端側から見て時計回りに延在し、
前記第1流路および前記第2流路の他方の前記区画は、前記軸方向の前記一端側から見て反時計回りに延在している、
熱交換コア。 - 前記第1流路群および前記第2流路群を横断した横断経路が位置する第2横断面を含み、
前記横断経路は、前記第1流路群および前記第2流路群の一方と連通し、他方に対して隔てられ、前記第2横断面において前記熱交換コアの径方向に沿って延びている、
請求項1に記載の熱交換コア。 - 2以上の前記横断経路が、前記熱交換コアの円周方向に分布している、
請求項2に記載の熱交換コア。 - 前記2以上の横断経路には、等しい流路断面積が与えられている、
請求項3に記載の熱交換コア。 - 前記熱交換コアの横断面に対して直交する軸方向において、前記第2横断面よりも外側に位置する第3横断面を含み、
前記第1流路群および前記第2流路群のうち前記横断経路により前記熱交換コアの外部と連通される一方は、前記第3横断面において閉塞されている、
請求項2から4のいずれか一項に記載の熱交換コア。 - 前記熱交換コアの前記軸線周りに前記第1流路群を前記第1流体が前記螺旋状に流れる向きと、前記熱交換コアの前記軸線周りに前記第2流路群を前記第2流体が前記螺旋状に流れる向きとが逆である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の熱交換コア。 - 前記第1流路群と前記第2流路群とを隔てる隔壁には、前記第1流路および前記第2流路の少なくとも一方に向けて立ち上がる突起が設けられている、
請求項1から6のいずれか一項に記載の熱交換コア。 - 前記第1流路群および前記第2流路群の全体に亘り、
前記複数の区画の流路径が均一化されている、
請求項1から7のいずれか一項に記載の熱交換コア。 - 前記熱交換コアの径方向に隣接する前記第1流路と前記第2流路とにおいて、
前記区画を前記熱交換コアの円周方向に隔てる区分壁の前記円周方向における位置が異なる、
請求項1から8のいずれか一項に記載の熱交換コア。 - 請求項1から9のいずれか一項に記載の熱交換コアと、
円形状の横断面を呈し、前記熱交換コアを収容するケーシングと、を備える、熱交換器。 - 請求項2から5のいずれか一項に記載の熱交換コアと、
円形状の横断面を呈し、前記熱交換コアを収容するケーシングと、を備え、
前記ケーシングの内側における前記熱交換コアの周囲には、前記横断経路と前記熱交換コアの外部とを連通させる連通空間が形成されている、熱交換器。 - 請求項1から11のいずれか一項に記載の熱交換コアを製造する方法であって、
金属材料を用いる積層造形により、前記第1流路群および前記第2流路群を成形する、熱交換コアの製造方法。
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