JP6409147B1 - 多重コイル型熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】多重コイル型熱交換器として、組立製作が容易であって、伝熱チューブの折れやへしゃげを生じにくく、高い容積効率を確保できるものを提供する。
【解決手段】熱交換槽1内に溢流排出筒15と中間筒4とを備え、中間筒4の外側の環状空間10bに多数本の伝熱チューブ2が多重コイル状に巻回した熱交換部5が形成され、中間筒4の外周に複数枚の支持板6が放射状に配置し、中間筒4の下端側に液流通部10cを有する。溢流排出筒15は下端側が第2流体導出口14に連通し、環状空間10bの上部に臨んで第1流体L1の入口ヘッダー3A及び出口ヘッダー3Bと第2流体導入口13を備える。熱交換部5の各伝熱チューブ2は、支持板6のチューブ挿通孔60を通してコイル状に巻回保持され、下端部が入口ヘッダー3Aに、上端部が出口ヘッダー3Bに、各々環状空間10bを通して連通接続される。導入された第2流体L2が外側の環状空間10bを降下する過程で、入口ヘッダー3Aより各伝熱チューブ2に分配して上昇する第1流体L1と熱交換したのち、液流通部10cから内側空間10aへ流入し、溢流口15aより溢流排出筒15内に流下して第2流体導出口14に向かう。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱交換槽内にコイル状に巻回された多数本の伝熱チューブが内外多重に配置した多重コイル型熱交換器に関する。
熱交換器として、熱交換する流体の種類と組合わせ、用途、処理量、要求される熱交換効率、処理ラインや装置部への組付け形態等に応じ、極めて多種多様な形式及び構造のものが存在する。これらの内、コイル型熱交換器は、第1流体を通す伝熱管がコイル状に巻回されたものであり、被処理流体を流通又は収容する容器内に組み込んだ形でシェル&コイル式熱交換器と称される。特に、複数本の伝熱管を内外多重のコイル状に巻回した多重コイル型熱交換器は、高い熱交換効率が得られ、大きな熱交換処理量に対応して大型化し易いという利点がある。
本出願人は先に、液体を処理対象とする多重コイル型熱交換器として、熱交換効率が高く、第2流体量が多くなっても連続的処理を行うことができ、また第2流体の導入量が変動しても各別なコントロールを行う必要がなく、設備コスト及び稼働コストを著しく低減できるものを提案している(特許文献1)。
上記提案に係る多重コイル型熱交換器は、密閉型の熱交換槽内に、下端側が第2流体出口に連通した溢流排出筒と、これを同心状に取囲む中間筒とを備え、中間筒の外側の環状空間内に複数本の伝熱チューブを内外多重のコイル状に巻回した主熱交換部が形成され、該中間筒の下端側に内側空間と外側の環状空間とを連通する液流通部を有している。また、各伝熱チューブは、主熱交換部の上部から中間筒内の上部に臨む出口ヘッダーに接続すると共に、該主熱交換部の下部から前記液流通部を経て環状空間の上部に臨む入口ヘッダーに接続し、該中間筒の内側で副熱交換部を形成している。そして、第1流体を入口ヘッダーに連続供給する一方、環状空間の上部に臨む第2流体入口から第2流体を導入することにより、該第2流体が環状空間を下降して前記液流通部より中間筒内に入って上昇する過程で、主熱交換部及び副熱交換部の伝熱チューブ内を流れる第1流体と熱交換し、溢流排出筒に流入して第2流体出口より導出するようになっている。
また、この多重コイル型熱交換器では、大きな熱交換処理量に対応して大型化する場合、十数本から数十本といった多数本の伝熱チューブを用いるが、これら伝熱チューブ群を主熱交換部において内外多重のコイル状に保持させる上で、中間筒の周囲に複数枚の支持板を放射状に配置させ、これら支持板に設けた多数のチューブ挿通孔に各伝熱チューブを順次通してコイル状に巻き込んでいる。なお、伝熱チューブには通常、PFA(パーフルオロアルコキシエチレン)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の如き熱可塑性フッ素樹脂製のものが使用される。
特許第5883168号公報
しかしながら、前記提案に係る多重コイル型熱交換器は、優れた熱交換性能を発揮し得るものであるが、その大型化及び量産化を進める段階で、組立製作面や容積効率面等で多分に改良の余地があることが判明した。すなわち、この多重コイル型熱交換器の組立製作では、主熱交換部及び副熱交換部の形成に際し、中間筒の周囲に放射状に配置した支持板に対し、最内側のコイル部を構成する伝熱チューブから順次、各支持板のチューブ挿通孔に挿通しながらコイル状に巻き込んでゆき、巻込み完了後のチューブ両端を入口ヘッダーと出口ヘッダーに連通接続する。しかるに、入口ヘッダー側への接続は中間筒の外側から下端の液流通部を潜らせた上で、該中間筒内を略垂直に引き上げて入口ヘッダーに繋ぐ形になるため、主熱交換部での水平に近い周回姿勢から中間筒内の略垂直姿勢への方向転換部分でチューブの折れやへしゃげが発生し易く、第1流体の流路の閉塞や狭まりによって熱交換性能が低下することになり、またチューブに生じた折れやへしゃげは修正が困難であるから、その解消のためには発生部位まで巻き込んだチューブを外して巻き直すという、非常に手間及び時間を要する作業が必要となる。一方、中間筒内の副熱交換部では、外側の主熱交換部に比してチューブ長が短いために得られる熱交換作用は僅かであるにも関わらず、第2流体の流路面積を確保しつつ多数本の伝熱チューブを配設する上で中間筒の内径を大きくすることになり、それだけ熱交換槽が大型化して熱交換器としての容積効率の低下を招く。
本発明は、上述の事情に鑑みて、熱交換槽内にコイル状に巻回された多数本の伝熱チューブが内外多重に配置した多重コイル型熱交換器として、組立製作が容易であって、伝熱チューブの折れやへしゃげを生じにくい上、高い容積効率を確保できるものを提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明に係る多重コイル型熱交換器は、熱交換槽1内に、上下方向に沿う溢流排出筒15と、該溢流排出筒15を同心状に取囲む中間筒4とを備えると共に、この中間筒4の外側の環状空間10b内に、フッ素系樹脂からなる多数本の伝熱チューブ2が該中間筒4周りに多重コイル状に巻回して熱交換部5を形成し、中間筒4の外周に複数枚の支持板6が放射状に配置して取り付けられ、該中間筒4の下端側に内側空間10aと外側の環状空間10bとを連通する液流通部10cを有し、溢流排出筒15は、上端側に溢流口15aを備えて、下端側が第2流体導出口14に連通し、環状空間10bの上部に臨んで第1流体L1の入口ヘッダー3A及び出口ヘッダー3Bと第2流体導入口13が設けられ、熱交換部5における各伝熱チューブ2は、支持板6に設けた多数のチューブ挿通孔60を通してコイル状に巻回保持されて上下方向に沿うコイル状をなし、その下端部(端部2a)が入口ヘッダー3Aに、上端部が出口ヘッダー3Bに、各々環状空間10bを通して連通接続され、第2流体導入口13より熱交換槽1内に導入された第2流体L2が外側の環状空間10bを降下する過程で、入口ヘッダー3Aより各伝熱チューブ2に分配して上昇する第1流体L1と熱交換したのち、液流通部10cから内側空間10aへ流入し、溢流口15aより溢流排出筒15内に流下して第2流体導出口14に向かうように構成されてなる。
請求項2の発明は、上記請求項1の多重コイル型熱交換器において、熱交換部5の多重コイル間に上下方向に沿うチューブ配設用間隙dを有し、このチューブ配設用間隙dを通して入口ヘッダー3Aから垂下する各伝熱チューブ2の端部2aが該熱交換部5の下部へ引き込まれてなるものとしている。
請求項3の発明は、上記請求項2の多重コイル型熱交換器において、熱交換部5における多重コイルの隣接するチューブ間隔が、チューブ配設用間隙dを除いて、チューブ外径以下で略等しく設定されてなるものとしている。
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。まず、請求項1の発明に係る多重コイル型熱交換器によれば、第2流体導入口13より熱交換槽1内に導入された第2流体L2は、外側の環状空間10bを降下する過程で、熱交換部5において内外多重のコイル部C1〜C14を構成する多数本の伝熱チューブ2間を極めて大きな接触面積で通過することにより、これら伝熱チューブ2内を螺旋状に上昇しつつ流れる第1流体L1と能率よく熱交換したのち、液流通部10cから内側空間10aへ流入し、溢流口15aより溢流排出筒15内に流下して第2流体導出口14より排出されるから、第2流体量の多い連続的処理でも非常に高い熱交換効率が得られる。
そして、この多重コイル型熱交換器の熱交換部5では、各コイル部C1〜C14を構成する伝熱チューブ2は、中間筒4の外側の環状空間10bを通して上部の入口ヘッダー3A及び出口ヘッダー3Bに連通接続されている。これにより、特に入口ヘッダー3Aから熱交換部5の下部への配設部分では、入口ヘッダー3Aから垂下する各伝熱チューブ2の端部2aは、隣接する支持板6,6間の開きを利用して、緩やかにしの字状にカーブを描く形で水平に近い向きとして容易に支持板6の各コイル部における最下位のチューブ挿通孔60へ挿通できるから、チューブの折れやへしゃげが発生せず、第1流体の流路の閉塞や狭まりによる熱交換性能の低下が回避される。また、中間筒4の内側は、伝熱チューブ2群を配設することなく、熱交換部5での熱交換を経た第2流体L2が内側空間10aを上昇するだけの流路断面積を確保できればよい。従って、中間筒4の内径を小さくでき、それだけ熱交換槽1を径小化して熱交換器としての容積効率を高め得る。
請求項2の発明によれば、熱交換部5の多重コイル間に上下方向に沿うチューブ配設用間隙dを有し、入口ヘッダー3Aから垂下する多数本の伝熱チューブ2の端部2aが環状になる該チューブ配設用間隙dを通して周方向に分配して熱交換部5の下部へ引き込まれる形になるから、その引き込み部分で各コイル部の巻き形を歪めずに均整な内外多重コイルの形態を確保できると共に、熱交換部5の組み立てる際の作業性も向上する。
請求項3の発明によれば、熱交換部5における多重コイルC1〜C14の隣接するチューブ間隔が、チューブ配設用間隙dを除いて、チューブ外径以下で略等しく設定されるから、熱交換部5のチューブ配置密度が均等化すると共に、各伝熱チューブ2に対する第2流体L2の接触度合が充分に高まるから、該熱交換部5全体により均一で高い熱交換が行われるという利点がある。
本発明の実施形態に係る多重コイル型熱交換器の縦断側面図である。 同熱交換器の平面図である。 同熱交換器の横断面図である。 同熱交換器の伝熱チューブの配設状態を例示する要部の正面図である。 同熱交換器における第1流体と第2流体の全体的な流れを示す模式縦断側面図である。 同熱交換部の異なる構成例を示す模式縦断側面図である。
以下に、本発明に係る多重コイル型熱交換器の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
この多重コイル型熱交換器は、図1及び図2に示すように、上方に開放した大径円筒状の槽本体11と蓋板12とからなる熱交換槽1内に、中心部に位置して溢流排出筒15が垂直に立設されると共に、槽内空間10を中央空間10aと外側の環状空間10bとに区画する中間筒4が該溢流排出筒15を同心状に取囲むように配置しており、その外側の環状空間10bに、PFA(パーフルオロアルコキシエチレン)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の如き熱可塑性フッ素樹脂からなる多数本の伝熱チューブ2を内外多重のコイル状に巻回した熱交換部5が形成されている。なお、溢流排出筒15の上端は中間筒4の上端よりも低い位置に設定され、熱交換部5の上部側は溢流排出筒15の上端よりも低位にある。
蓋板12の径方向両側位置には、各々シールプレート33を介してポルト止めしたカップ状の上プレート31と下プレート32との間で、槽内空間10に対して隔絶した第1流体L1用の入口ヘッダー3A及び出口ヘッダー3Bが設けられている。そして、両ヘッダー3A,3Bには熱交換部5の各伝熱チューブ2の両端が各々連通接続している。また、蓋板12には第2流体L2用の複数(図では3つ)の導入口13が槽内空間10の外側の環状空間10bに臨んで設けられる一方、槽体11の底壁部11aには溢流排出筒13内に連通する第2流体L2用の導出口14が設けられている。図1中の符号16は熱交換槽1の側方外部に取り付けられた液面計であって、PFAの如き透明性フッ素系樹脂の垂直パイプからなり、その上下端が配管16a,16bを介して槽内空間10の天井側と底部側に連通している。
熱交換部5は、中間筒4の外周に放射状に等配して取り付けた4枚の略縦長矩形の支持板6を利用して、これら支持板6に設けた多数のチューブ挿通孔60に各伝熱チューブ2を下から上へ向けてコイル状に挿通することにより、内外のコイル重ね数を14重に設定したものであり、最内側の第1コイル部C1から第9コイル部C9までの伝熱チューブ群51と、第10コイル部C10から最外側の第14コイル部C14までの伝熱チューブ群52とに分画されている。その内側の伝熱チューブ群51は、各コイル部C1〜C9を各々1本の伝熱チューブ2にて形成している。一方、外側の伝熱チューブ群52では、図1のチューブ断面で白黒に分けて図示するように、各コイル部C10〜C14を各々2本(白と黒)の伝熱チューブ2にて2条巻きに形成している。
そして、内側の伝熱チューブ群51と外側の伝熱チューブ群52との間、つまり第9コイル部C9と第10コイル部C10との間には、伝熱チューブ2の外径に略相当する幅のチューブ配設用間隙dが全体として環状に構成されており、図3に示すように、該チューブ配設用間隙dを通して入口ヘッダー3Aから垂下する全部(図では19本)の伝熱チューブ2が周方向に分配する形で熱交換媒部5の下部まで引き込まれている。なお、内側の伝熱チューブ群51と外側の伝熱チューブ群52においては、上下及び斜め左右に隣接する伝熱チューブ2同士の間隔がチューブ外径以下で略等しくなっている。
ここで、図4で示すように、入口ヘッダー3Aから垂下する各伝熱チューブ2aは、隣接する支持板6,6間の開き、つまり1/4周分の間隔を利用して、緩やかにしの字状にカーブを描く形で水平に近い向きとして、一つの支持板6の各コイル部における最下位のチューブ挿通孔60へ挿通し、以降は4枚の支持板6のチューブ挿通孔60を順次通して熱交換媒部5の上部までコイル状に巻き上げて、その上端側を出口ヘッダー3bに連通接続している。なお、この熱交換媒部5の組み立てにおける各伝熱チューブ2の巻回操作は、最内側の第1コイル部C1から開始される。
熱交換部5における内側の伝熱チューブ群51では、最内側の第1コイル部C1のコイル巻き数が38であり、この第1コイル部C1から第6コイル部C6までは順次にコイル巻き数を2ずつ減じると共に、第6コイル部C6から第9コイル部C9までは順次にコイル巻き数を1ずつ減じることで、最外側の第9コイル部C9のコイル巻き数が25になっている。一方、外側の伝熱チューブ群52では、最内側の第10コイル部C10及び第11コイル部C11のコイル巻き数が42(チューブ一本当りでは半分の21巻き)、第12コイル部C12のコイル巻き数が40(チューブ一本当り20巻き)、第13コイル部C13及び最外側の第14コイル部C14のコイル巻き数が38(チューブ一本当り19巻き)になっている。すなわち、第1〜第14コイル部C1〜C14を形成する計19本の伝熱チューブ2は、熱交換部5の内から外へコイル径が増大するのに対応してコイル巻き数を減じることにより、略等しい長さに設定されている。
各支持板6は上端内側の係止突片61を中間筒4の上部に設けたスリット状係止孔(図示省略)に挿嵌係止する一方、該中間筒4は下端周縁部を各支持板6の下部内側に設けた上向き切欠部62に嵌合している。これにより、各支持板6と中間筒4とが一体化すると共に、図1に示すように、該中間筒4の下端が槽体11の底壁部11aから離れて配置することで、槽内空間10の中央空間10aと外側の環状空間10bとを連通する液流通部10cが構成されている。また、4枚の支持板6は、各々上部側が吊り具63(図2参照)を介して蓋板12に吊持されている。従って、中間筒4及び4枚の支持板6と熱交換部5の各伝熱チューブ2は、蓋板12に一体化したユニットとして、熱交換槽1の槽本体11に対して着脱可能になっている。
なお、熱交換槽1の槽本体11及び蓋板12と入口及び出口ヘッダー3A,3Bは、SUS304の如きステンレス鋼製であり、槽本体11及び蓋板12の内側表面にはPTFE樹脂のライニングが施されている。また、中間筒4、支持板6、溢流排出筒15、吊り具63はPFA又はPTFE樹脂製である。
上記構成の多重コイル型熱交換器において、第2流体L2として例えば高温の酸廃水等の被処理液を用い、第1流体L1である冷却水との熱交換によって低温化させる場合について説明する。図5に示すように、まず入口ヘッダー3Aに連続的に導入される第1流体L1の冷却水は、該入口ヘッダー3Aに連通する複数本(例示は19本)の伝熱チューブ2に分配されて、各伝熱チューブ2内を熱交換部5の下端から螺旋状に上昇したのち、該熱交換部5の上端から出口ヘッダー3B内へ流入し、該出口ヘッダー3Bから合流状態で導出される。一方、第2流体L2の被処理液は、導入口13から中間筒4の外側の環状空間10aへ連続的に導入され、該環状空間10bを下降したのち、下部の液流通部10cより中間筒4の内側に入って中央空間10aを上昇し、溢流排出筒15の上端からオーバーフローして該溢流排出筒15内へ流入して導出口14より導出されるが、熱交換部5では多重コイル状に巻回した多数本の伝熱チューブ2間を通過することで、これら伝熱チューブ2内を流れる第1流体L1の冷却水と非常に効率よく熱交換して低温化されると共に、溢流口15aより溢流排出筒15内に流下して第2流体導出口14より排出されるから、第2流体l2の被処理液量が多い連続的処理でも非常に高い熱交換効率が得られる。
そして、この多重コイル型熱交換器の熱交換部5において、入口ヘッダー3Aから垂下する各伝熱チューブ2の端部2aは、緩やかにしの字状にカーブを描く形で、水平に近い向きで支持板6の各コイル部における最下位のチューブ挿通孔60へ挿通できるから、チューブの折れやへしゃげが発生せず、第1流体L1の流路の閉塞や狭まりによる熱交換性能の低下が回避される。また、中間筒4の内側には伝熱チューブ2群を配設することなく、その内側空間10aは熱交換部5での熱交換を経た第2流体L2が上昇するだけの流路断面積を確保できればよいから、中間筒4の内径を小さくでき、それだけ熱交換槽1を径小化して熱交換器としての容積効率を高め得る。
また、実施形態のように、熱交換部5の多重コイル間に上下方向に沿うチューブ配設用間隙dを設け、入口ヘッダー3Aから垂下する多数本の伝熱チューブ2の端部2aが環状になる該チューブ配設用間隙dを通して周方向に分配して熱交換部5の下部へ引き込まれるようにすれば、その引き込み部分で各コイル部の巻き形を歪めずに均整な内外多重コイルの形態を確保できると共に、熱交換部5の組み立てる際の作業性も向上するという利点がある。加えて、該チューブ配設用間隙dを除いて、隣接する伝熱チューブ2,2のチューブ間隔をチューブ外径以下で略等しくすれば、該熱交換部5のチューブ配置密度も均等化して各伝熱チューブ2に対する第2流体L2の接触度合が充分に高まるから、より高い熱交換効率が得られる。
更に、この多重コイル型熱交換器では、熱交換部5において各伝熱チューブ2が支持板6によって安定した巻回状態を保持しているため、変動のない高い熱交換効率が維持される一方、熱交換部5を構築する際に、各伝熱チューブ2を支持板6のチューブ挿通孔60に順次通してゆくだけで、同じ巻きピッチで一定した巻き径に容易に設定できるという利点がある。更に、実施形態では、中間筒4及び支持板6と巻回した多数の伝熱チューブ2とが蓋板12に一体化したユニットになっているから、熱交換器の組立てに際して該ユニットをシェル1Aの槽体11内に挿入するだけで熱交換部5を簡単に配設できると共に、劣化等で一部の伝熱チューブ2を交換する際にもユニットごと取り出して容易に交換操作を行えるという利点もある。
なお、実施形態の多重コイル型熱交換器では、熱交換部5における内外のコイル重ね数が14重と多いが、該熱交換部5の内側から外側へ向けてコイル径の拡大に対応して各伝熱チューブ2のコイル巻き数が減じることで、各伝熱チューブ2の長さが熱交換部5全体で均等化されているから、各伝熱チューブ2における圧損が均一化し、熱交換部5全体として各伝熱チューブ2を通過する第1流体L1の流速及び流量が均等化することに加え、内側の1条巻きの伝熱チューブ群51に対して外側が2条巻きの伝熱チューブ群52になっているから、内側の伝熱チューブ群51における最外周(第9コイル部C9)のコイル部幅に対し、その外側の伝熱チューブ群52における最内周(第10コイル部C10)のコイル部幅が広くなり、熱交換部5全体として充分なコイル部幅を確保でき、もって極めて高い熱交換効率が得られる。
本発明の多重コイル型熱交換器では、内外のコイル重ね数、各コイル部のコイル巻き数及びチューブ条数は実施形態以外に適宜設定できるが、好ましくは熱交換槽1のサイズと縦横比に応じて熱交換部5全体の伝熱チューブ2の長さが均等化するように設定するのがよい。例えば、内側の伝熱チューブ群を2条以上の複数条巻きコイル部として、外側の伝熱チューブ群を内側よりもチューブ条数が多い多条巻きコイル部としたり、更には図4で例示するように、該熱交換部5を内外3層以上の伝熱チューブ群Z1〜Z3に分画し、隣接する伝熱チューブ群Z1,Z2間及びZ2,Z3間にチューブ配設用間隙dを設けると共に、隣接する内側の伝熱チューブ群に対して外側の伝熱チューブ群のチューブ条数が多くなる構成とすることも可能である。図4に例示する多重コイル型熱交換器でも、熱交換部5の各伝熱チューブ群Z1〜Z3は、内側から外側へコイル巻き数を減じることで外側ほどコイル部幅は狭くなるが、伝熱チューブ群毎に内側から外側へ順次にチューブ条数が増すことにより、極端に狭いコイル部幅になる部位を生じず、熱交換部5全体として充分なコイル部幅を確保して高い熱交換効率を達成できる。また、熱交換部5の伝熱チューブ群の内外の分画数によっては、分画最外部の伝熱チューブ群では各コイル部が5条巻き以上になる場合もある。
1 熱交換槽
10 槽内空間
10a 内側空間
10b 環状空間
10c 液流通部
13 第2流体導入口
14 第2流体導出口
15 溢流排出筒
15a 溢流口
2 伝熱チューブ
2a 端部
3A 入口ヘッダー
3B 出口ヘッダー
4 中間筒
5 熱交換部
51 内側の伝熱チューブ群
52 外側の伝熱チューブ群
6 支持板
60 チューブ挿通孔
C1〜C14 コイル部
d チューブ配設用間隙
L1 第1流体
L2 第2流体

Claims (3)

  1. 熱交換槽内に、上下方向に沿う溢流排出筒と、該溢流排出筒を同心状に取囲む中間筒とを備えると共に、この中間筒の外側の環状空間内に、フッ素系樹脂からなる多数本の伝熱チューブが該中間筒周りに多重コイル状に巻回して熱交換部を形成し、
    前記中間筒の外周に複数枚の支持板が放射状に配置して取り付けられ、該中間筒の下端側に内側空間と外側の環状空間とを連通する液流通部を有し、
    前記溢流排出筒は、上端側に溢流口を備えて、下端側が第2流体導出口に連通し、
    前記環状空間の上部に臨んで第1流体の入口ヘッダー及び出口ヘッダーと第2流体導入口が設けられ、
    前記熱交換部における各伝熱チューブは、前記支持板に設けた多数のチューブ挿通孔を通してコイル状に巻回保持されて上下方向に沿うコイル状をなし、その下端部が前記入口ヘッダーに、上端部が前記出口ヘッダーに、各々前記環状空間を通して連通接続され、
    前記第2流体導入口より熱交換槽内に導入された第2流体が前記外側の環状空間を降下する過程で、前記入口ヘッダーより各伝熱チューブに分配して上昇する第1流体と熱交換したのち、前記液流通部から前記内側空間へ流入し、前記溢流口より溢流排出筒内に流下して第2流体導出口に向かうように構成されてなる多重コイル型熱交換器。
  2. 前記熱交換部の多重コイル間に上下方向に沿うチューブ配設用間隙を有し、このチューブ配設用間隙を通して前記入口ヘッダーから垂下する各伝熱チューブが該熱交換部の下部へ引き込まれてなる請求項1に記載の多重コイル型熱交換器。
  3. 前記熱交換部における多重コイルの隣接するチューブ間隔が、前記チューブ配設用間隙を除いて、チューブ外径以下で略等しく設定されてなる請求項2に記載の多重コイル型熱交換器。
JP2018143958A 2018-07-31 2018-07-31 多重コイル型熱交換器 Active JP6409147B1 (ja)

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